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審決分類 |
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録(定型) A01C 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録(定型) A01C 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 取り消して特許、登録(定型) A01C 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 取り消して特許、登録(定型) A01C 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録(定型) A01C |
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管理番号 | 1311217 |
審判番号 | 不服2015-8115 |
総通号数 | 196 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-04-30 |
確定日 | 2016-02-25 |
事件の表示 | 特願2010- 25364「乗用型田植機における車外操作具の連係機構」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 8月25日出願公開、特開2011-160694、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 平成22年 2月 8日 出願 平成26年 2月26日 拒絶理由通知(同年3月6日発送) 平成26年 5月 2日 意見書・補正書 平成27年 1月26日 拒絶査定(同年1月29日送達) 平成27年 4月30日 審判請求書・手続補正書 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成27年4月30日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 平成27年4月30日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)によって、特許請求の範囲は、以下のように補正された。 (補正前) 「【請求項1】 畦越え時に車外から走行操作を行うための車外操作具を備える乗用型田植機であって、 左右の前輪の差動を選択的にロックするデフロック機構と、 車輪に対する駆動力の伝動を入り切りするクラッチ機構と、 車輪を制動するブレーキ機構と、 踏み込み操作自在なクラッチペダルと、 クラッチペダルの操作に応じてクラッチ機構及びブレーキ機構を作動させるクラッチペダル操作系と、 連係位置及び連係解除位置に操作可能な連係操作具と、 連係操作具の連係操作に応じて車外操作具をクラッチペダル操作系に連係させ、車外操作具によるクラッチ機構及びブレーキ機構の操作を可能にする車外操作具連係機構と、 連係操作具の連係操作に応じてデフロック機構を自動的にデフロック状態にするデフロック連係機構と、を備え、 連係操作具は、その連係操作に応じてクラッチペダルを踏み込み操作姿勢に保持する駐車ブレーキ操作具に兼用され、 デフロック連係機構は、駐車ブレーキ時にデフロック機構を自動的にデフロック状態にすることを特徴とする乗用型田植機における車外操作具の連係機構。」 (補正後) 「【請求項1】 車輪に対する駆動力の伝動を入り切りするクラッチ機構と、車輪を制動するブレーキ機構と、クラッチペダルの操作に応じてクラッチ機構及びブレーキ機構を入り切り作動させるクラッチペダル操作系を設けると共に、機体前部に位置して車外から操作可能な車外操作具を非操作位置に付勢して設け、前記クラッチペダル操作系と車外操作具の連係を操作する車外操作具連係機構を設けるにあたり、連係操作具の連係位置では前記クラッチペダルをクラッチ切り、且つブレーキ入り操作位置に保持して駐車ブレーキとすると共に、非操作位置にある前記車外操作具と前記クラッチペダル操作系とを連係して車外操作具による前記クラッチ機構、及びブレーキ機構の操作を可能とし、連係解除位置ではクラッチペダルの保持を解除すると共に前記車外操作具と前記クラッチペダルの連係を解除するようにした乗用型田植機において、左右の前輪の差動を選択的にロックするデフロック機構と、前記車外操作具連係機構の前記連係位置への操作に応じて、該デフロック機構をデフロック状態にするデフロック連係機構を備えた、ことを特徴とする乗用型田植機。 【請求項2】 前記デフロック連係機構は、前記車外操作具連係機構が連係解除位置にある際には、前記デフロック連係機構によるデフロック状態を解除し、デフロックペダルによるデフロック操作を許容するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型田植機。」 2 補正の適否の検討 本件補正により請求項の数が1から2に増加しており、新たな発明を追加するものであるから、特許法第17条の2第5項に掲げるいずれの事項を目的とするものともいえない。 すなわち、本件補正は、増項補正であるから、少なくとも、同項第1号に掲げる「第36条第5項に規定する請求項の削除」、同項第3号に掲げる「誤記の訂正」、同項第4号に掲げる「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」には該当しない。 また、同項第2号には「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」と規定されているが、前記「特許請求の範囲の減縮」とは、補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白であって、かつ、補正後の請求項が補正前の請求項を限定した関係、つまり、補正前の請求項と補正後の請求項とが一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならないと解される(必要ならば、知的財産高等裁判所判決 平成15年(行ケ)第230号、平成17年(行ケ)第10156号、及び平成17年(行ケ)第10192号参照。)。 しかしながら、補正後の請求項2についてみれば、対応する請求項が存在しないから、「特許請求の範囲の減縮」には該当しない。 さらに、補正後の請求項1については、「連係操作具は、その連係操作に応じてクラッチペダルを踏み込み操作姿勢に保持する駐車ブレーキ操作具に兼用され」との発明特定事項が削除されているから、補正前の請求項1との対応関係においても「特許請求の範囲の減縮」とはいえない。 したがって、本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としたものではない。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成26年5月2日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-02-02 |
出願番号 | 特願2010-25364(P2010-25364) |
審決分類 |
P
1
8・
573-
WYF
(A01C)
P 1 8・ 572- WYF (A01C) P 1 8・ 574- WYF (A01C) P 1 8・ 571- WYF (A01C) P 1 8・ 121- WYF (A01C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 関根 裕、小野 郁磨 |
特許庁審判長 |
中田 誠 |
特許庁審判官 |
住田 秀弘 赤木 啓二 |
発明の名称 | 乗用型田植機における車外操作具の連係機構 |