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審決分類 審判 査定不服 (訂正、訂正請求) 取り消して特許、登録 C07K
管理番号 1313295
審判番号 不服2011-8108  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-18 
確定日 2016-03-17 
事件の表示 特許権存続期間延長登録願2009-700159について平成25年3月5日にした審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成25(行ケ)第10198号、平成26年5月30日判決言渡)があり、この判決に対する上告受理申立てに対し、最高裁判所において、上告審として受理しない旨の決定(平成26年(行ヒ)第359号)があったので、更に審理の結果、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願については、特許権の存続期間の延長登録をすべきものとする。 特許番号 特許第3957765号 延長の期間 2年3月30日 特許法第67条第2項の政令で定める処分の内容 平成28年2月1日付け手続補正書により補正された願書に記載のと おり 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成21年12月17日を出願日とする、特許権の存続期間の延長登録の出願であって、平成23年1月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年4月18日に拒絶査定不服審判が請求され、その後、平成28年2月1日付けで手続補正がなされたものである。


2.本件出願の内容
本件出願は、特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けることが必要であったために、特許第3957765号(以下、「本件特許」という。)の特許発明の実施をすることができなかったとして、2年3月30日の特許権の存続期間の延長登録を求めるものである。
そして、平成28年2月1日付け手続補正書により補正された本件出願の願書によれば、その政令で定める処分(以下、「本件処分」といい、本件処分の対象となった医薬品を「本件医薬品」という。)の内容は、以下のものとされている。
(1)特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分
薬事法第14条第9項に規定する医薬品に係る同項の承認
(2)処分を特定する番号
承認番号 21900AMX00921000
(3)処分の対象となったもの
販売名:アバスチン点滴静注用400mg/16mL
一般名:ベバシズマブ(遺伝子組換え)
(4)処分の対象となったものについて特定された用途
効能・効果:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
用法・用量:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブとして1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。


3.本件特許及び本件特許発明
本件特許は、平成10年4月3日(特願平10-542922号、パリ条約による優先権主張 1997年4月7日 (US)アメリカ合衆国 同年8月6日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日として出願され、平成19年5月18日に特許権の設定登録がされたものであって、その特許発明は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1?32に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである。

「【請求項1】
以下の超可変領域アミノ酸配列:CDRH1(GYX_(1)FTX_(2)YGMN、ここに、X_(1)はTまたはDであり、X_(2)は、NまたはHである:配列番号130)、CDRH2(WINTYTGEPTYAADFKR,配列番号2)およびCDRH3(YPX_(1)YYGX_(2)SHWYFDV、ここに、X_(1)はYまたはHであり、X_(2)はSまたはTである:配列番号131)を含む重鎖可変ドメイン、並びに以下の超可変領域アミノ酸配列:CDRL1(SASQDISNYLN、配列番号4)、CDRL2(FTSSLHS、配列番号5)およびCDRL3(QQYSTVPWT、配列番号6)を含む軽鎖可変ドメインを有している、約1x10^(-8)Mを超えないK_(d)値でヒト血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と結合するヒト化抗VEGF抗体。」


4.原査定の理由
原査定の拒絶の理由であり、また、上記審決でも採用した理由は、本件出願に係る特許発明の実施に特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けることが必要であったとは認められないから、本件出願は特許法第67条の3第1項第1号に該当するというものであり、該理由は、本件処分と同じ承認番号が付された、本件処分に先行する処分(以下、「本件先行処分」という。)が存在することによるものである。


5.判断
(1)本件先行処分の対象となった医薬品(以下、「本件先行医薬品」という。)は、本件出願の願書に添付された本件処分の申請書写や、医薬品医療機器総合機構のホームページからアクセス可能な以下のURL:
http://www.pmda.go.jp/drugs/2007/P200700027/450045000_21900AMX00910_A100_3.pdf
に掲載された資料のうち「審査報告書 平成19年2月14日 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」の標題が付されたものの第4頁「審査結果 平成19年2月14日作成」によれば、その用法及び用量を
「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブとして1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。」
とするものである。
さらに、上記ホームページからアクセス可能な以下のURL:
http://www.pmda.go.jp/drugs/2009/P200900082/450045000_21900AMX00910_A100_1.pdf
に掲載された「審査報告書 平成21年8月21日 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」も参酌すると、本件先行処分によっては、XELOX療法とベバシズマブ療法との併用療法のための本件医薬品の製造販売は許されなかったところ、本件処分によって初めてこれが可能となったことが認められる。

(2)特許権の存続期間の延長登録の制度は、政令処分を受けることが必要であったために特許発明の実施をすることができなかった期間を回復することを目的とするものである。この目的及び特許法第67条の3第1項第1号の規定によれば、特許権の存続期間の延長登録出願(以下、「延長登録出願」という。)の理由となった医薬品の製造販売の承認(以下、「出願理由処分」という。)に先行して、同一の特許発明につき医薬品の製造販売の承認(以下、「先行処分」という。)がされている場合においては、先行処分と出願理由処分とを比較した結果、先行処分の対象となった医薬品の製造販売が、出願理由処分の対象となった医薬品の製造販売をも包含すると認められるときには、延長登録出願に係る特許発明の実施に出願理由処分を受けることが必要であったとは認められないこととなるというべきである。また、出願理由処分と先行処分がされている場合において、延長登録出願に係る特許発明の種類や対象に照らして、医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について両処分を比較した結果、先行処分の対象となった医薬品の製造販売が、出願理由処分の対象となった医薬品の製造販売を包含すると認められるときは、延長登録出願に係る特許発明の実施に出願理由処分を受けることが必要であったとは認められないと解するのが相当である。(平成26年(行ヒ)第356号判決)
これを本件についてみると、本件特許の特許発明は、ヒト化抗VEGF抗体に関するものであって、医薬品の成分を対象とする物の発明であるところ、医薬品の成分を対象とする物の発明について、医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる両処分の審査事項は、医薬品の成分、分量、用法、用量、効能及び効果である。そして、本件処分に先行して、本件先行処分がされているところ、本件先行処分と本件処分とを比較すると、本件先行医薬品は、その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブとして1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。」とするものであるのに対し、本件医薬品は、その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブとして1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。」とするものである。そして、本件先行処分によっては、XELOX療法とベバシズマブ療法との併用療法のための本件医薬品の製造販売は許されなかったが、本件処分によって初めてこれが可能となったものである。
以上の事情からすれば、本件においては、本件先行医薬品の製造販売が、本件医薬品の製造販売を包含するとは認められない。
したがって、本件出願に係る特許発明の実施に特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けることが必要であったとは認められないとする原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-03-07 
出願番号 特願2009-700159(P2009-700159)
審決分類 P 1 8・ 71- WY (C07K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齋藤 恵  
特許庁審判長 内田 淳子
特許庁審判官 前田 佳与子
田村 明照
内藤 伸一
新留 素子
発明の名称 抗VEGF抗体  
代理人 小林 泰  
代理人 寺地 拓己  
代理人 星野 修  
代理人 江尻 ひろ子  
代理人 小野 新次郎  
代理人 富田 博行  
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