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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1316926
審判番号 不服2015-5886  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-31 
確定日 2016-07-12 
事件の表示 特願2012-257720「移動通信システムにおけるサービス・オン・デマンド」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 2月28日出願公開、特開2013- 42557〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、1999年3月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年3月23日、フィンランド)を国際出願日とした特願2000-542936号の一部を平成21年6月17日に新たな特許出願とした特願2009-144220号の一部を平成24年11月26日に新たな特許出願としたものであって、原審において平成26年2月28日付けで拒絶理由が通知され、同年6月10日付けで手続補正されたが、同年11月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年3月31日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正されたものである。

第2 平成27年3月31日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成27年3月31日付け手続補正を却下する。

[理由1]
(1)本件補正
平成27年3月31日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は、平成26年6月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項19に記載された、

(補正前)
「ポイント-ポイント伝送せずにサービス・オン・デマンドを使用するための方法であって、
セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップと、
第1チャンネルを介して前記セル内に位置するすべての移動ステーションに前記セル内の登録されたユーザにより受信可能な前記サービス・オン・デマンドを提供するステップと、
移動ステーションから、シグナリングチャンネルを介して、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップと、
前記移動ステーションに前記登録の確認情報を送信するステップと、
を具備し、
前記確認情報は、どのようにユーザが前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドを前記第1チャンネルを介して受信可能かを示していることを特徴とする方法。」

という発明(以下「本願発明」という。)を、

(補正後)
「サービス・オン・デマンドを使用するための方法であって、
セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップと、
第1チャンネルを介して前記セル内に位置するすべての移動ステーションに前記セル内の登録されたユーザにより受信可能な前記サービス・オン・デマンドを提供するステップと、
移動ステーションから、シグナリングチャンネルを介して、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップと、
前記移動ステーションに前記登録の確認情報と、前記1つ又は複数のサービス・オン・デマンドの暗号を復号可能なキーを送信するステップと、
を具備し、
前記確認情報は、どのようにユーザが前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドを前記第1チャンネルを介して受信可能かを示していることを特徴とする方法。」

という発明(以下「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。

したがって、本件補正は、以下の補正事項a.及びb.を含むものである。

a.「サービス・オン・デマンドを使用する」に関し、本願発明の「ポイント-ポイント伝送せずに」サービス・オン・デマンドを使用するという発明特定事項を、補正後の発明から削除する補正。

b.「確認情報を送信するステップ」に関し、確認情報「と、前記1つ又は複数のサービス・オン・デマンドの暗号を復号可能なキー」を送信するステップと限定する補正。

(2)特許法第17条の2第4項に適合するかについての検討
上記補正事項b.は、本願発明の発明特定事項である「確認情報を送信するステップ」を限定し、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許請求の範囲の限定的減縮に該当する。
しかし、上記補正事項a.は、本願発明の発明特定事項を補正後の発明から削除し、特許請求の範囲を拡張するものであるから、特許請求の範囲の限定的減縮に該当しない。
そして、上記補正事項a.は、明らかに、請求項の削除に該当しない。さらに、誤った記載をその本来の意味内容に正すものでもなく、不明瞭な記載についてその本来の意味内容を明らかにするものであるとも認められないから、誤記の訂正にも明瞭でない記載の釈明にも該当しない。
したがって、上記補正事項a.は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項各号に掲げられた事項を目的とするものでないから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定を満たすものではない。

(3)特許法第17条の2第3項に適合するかについての検討
上記補正事項a.及びb.は、本願明細書段落【0003】、【0004】、【0019】等の記載に基づく補正であるから、当初明細書等に記載された範囲内においてなされたものであり、特許法第17条の2第3項の規定に違反するところはない。

[理由2]
1.独立特許要件について
本件補正は、上記のとおり特許法第17条の2第4項の規定に違反するが、仮に限定的減縮を目的とするものに該当するとして、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか否か)について以下に検討する。

(1)補正後の発明
補正後の発明は、上記「[理由1](1)本件補正(補正後)」の項で請求項19に記載されたとおりのものと認める。

(2)引用発明及び周知技術
1.引用例及び引用発明
A 原審の拒絶理由に引用された、特開平5-218943号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車電話,携帯電話等の複数の移動局と基地局よりなる無線通信システム、さらに詳しくいえば、限りある無線チャネル資源の有効利用と、情報受信の課金処理を考慮した、多数のユーザに対し同一の情報を配信する移動通信システムにおける同報サービス通信方式に関する。」(2頁1欄)

ロ.「【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1は本発明による同報サービス通信方式を採用する移動通信システムの構成を示す概略図である。自動車電話交換局3は複数の基地局2a,2b…を収容しており、同報サービスのベースとなる交通情報等の情報を提供する端末装置4に接続されている。交換局3は図示しない一般公衆網の交換局に接続されている。
【0009】基地局2a,2b…はそれぞれのサービスエリア内にいる移動局(自動車電話,携帯電話))と予め割り当てられている無線チャネルにより通信することができる。移動局1a,1b,1c…は待機状態において、いずれの基地局のサービスエリア内にいるかを登録するために信号を送出する。これにより網側は基地局2a,2b…のサービスエリアにいる移動局を把握することができる。これら移動局の位置情報は交換局側に設けられたメモリ装置(図2に記載)に記録される。メモリ装置にはこの他に移動局の状態(ビジー等)も記録される。移動局が現在いるサービスエリアの境界を越えて他のサービスエリアに移動すると、その位置情報が網側に送出され、その移動局対応の上記メモリ装置に登録されている内容が更新される。」(3頁3欄)

ハ.「【0011】図2は図1の構成を詳細に示したブロック図である。自動車・携帯電話網は移動局1a,1b…,基地局2a,2b…,制御局6a,メモリ装置7および交換局3により形成される。また、一般公衆電話網は交換局3,この交換局に接続されている他の交換局,端末装置4,一般電話機等で形成される。
【0012】図3は本発明による同報サービス通信方式の実施例を示す制御シーケンス図である。この実施例はディジタル方式自動車電話システムに本発明を適用したものであり、課金について網側から移動局に対して受信中かどうかを周期的に問い合わせるものである。本発明による同報サービスは受信中の移動局がいる期間に限り、1無線チャネルを用い、それ以外の期間はこの無線チャネルを一般通信用のチャネルとして利用している。移動局1が発呼し予め決められている発信無線状態報告を行い、呼設定を要求する。そして、同報サービスを受けるための電話番号をダイヤルすると、網側(交換局3)は呼設定受付情報を発呼移動局に送出するとともに送出された電話番号を分析し同報サービスを要求していることを認識すると、同報サービスのためのチャネルに切り替えるように指示を出す。制御局6は交換局3の指示にしたがって基地局を制御し、同報サービスチャネル切替信号を送出させる。これとともに同報モード1または2の指定を行う。
【0013】ここで、同報モード1とは当該基地局のサービスエリア内でいずれの移動局も同報サービスを受けていないときに当該移動局が最初の同報サービスを要求する場合のモードを、同報モード2とは既に当該基地局のサービスエリア内で1以上の移動局が同報サービスを受けているときに当該移動局が同報サービスを要求した場合に指定するモードをいう。同報モード2が指定された場合には移動局1は基地局からの切替信号により指定されたチャネルに自動的に切り替えられる。その後、付加情報(INFO)が網側に送られ、この情報を受けた交換局3は課金を開始する。交換局3は移動局のメモリ書換えのための無線状態報告情報を送出する。一方、交換局3は同報サービスの電話番号を受信した時点で、交通情報等の端末装置を起動して、交通情報を送出させる。これにより移動局1は交通情報を受信できる。移動局1は情報受信中は送信が規制される。
【0014】交換局3は課金を開始してから一定時間間隔毎に移動局1に対し受信中問い合わせ(監査信号)を行う。移動局は一定時間間隔毎に問い合わせ信号を受信すると、情報受信中の場合は応答信号を返送する。交換局3は一定時間内に応答信号を受信した場合には移動局1は受信中であると判断し課金を継続する。一定時間を経過しても応答信号を受信することができない場合は、移動局1は通信を切断したものとして課金を停止する。同じサービスエリア内にいる他の移動局から同じように同報サービス要求の呼設定があると、網側は既に同報サービスを受けているチャネルと同じチャネルを指定する。この同報サービスは1局でも受けている状態ではそのサービスを継続する。同報サービス受信を終了しいずれの移動局も受けていない場合には網側は同報サービスに用いたチャネルを一般通話チャネルとして解放する。」(3頁3?4欄)

上記引用例1の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記イ.の【0001】における「本発明は自動車電話,携帯電話等の複数の移動局と基地局よりなる無線通信システム、・・・多数のユーザに対し同一の情報を配信する移動通信システムにおける同報サービス通信方式に関する。」との記載、上記ロ.の【0009】における「基地局2a,2b…はそれぞれのサービスエリア内にいる移動局(自動車電話,携帯電話))と予め割り当てられている無線チャネルにより通信することができる。」との記載、及び図1によれば、引用例1の同報サービス通信方式は、基地局がそれぞれのサービスエリア内にいる複数のすべての移動局と予め割り当てられている無線チャネルにより通信することができる。ここで、同報サービスは、複数のすべての移動局に、基地局のサービスエリア内のユーザにより受信可能なように提供されていることは明らかである。
そうすると、同報サービス通信方式は、(α)無線チャネルを介してサービスエリアに位置するすべての移動局にサービスエリア内のユーザにより受信可能な同報サービスを提供するということができる。
また、上記ハ.の【0012】における「図3は本発明による同報サービス通信方式の実施例を示す制御シーケンス図である。・・・移動局1が発呼し予め決められている発信無線状態報告を行い、呼設定を要求する。そして、同報サービスを受けるための電話番号をダイヤルすると、網側(交換局3)は呼設定受付情報を発呼移動局に送出するとともに送出された電話番号を分析し同報サービスを要求していることを認識すると、同報サービスのためのチャネルに切り替えるように指示を出す。」との記載、及び図3によれば、同報サービス通信方式は、移動局(1)が網側(交換局3)に発呼し予め決められている発信無線状態報告を行い、呼設定を要求し、同報サービスを受けるための電話番号をダイヤルをしているから、同報サービス通信方式は、網側(交換局3)から見ると、移動局から、利用可能な同報サービスを受けるために電話番号がダイヤルされていることは明らかである。
そうすると、同報サービス通信方式は、網側(交換局3)が、(β)移動局から、利用可能な同報サービスを受けるために電話番号がダイヤルされるということができる。
また、上記ハ.の【0012】における「網側(交換局3)は呼設定受付情報を発呼移動局に送出するとともに送出された電話番号を分析し同報サービスを要求していることを認識すると、同報サービスのためのチャネルに切り替えるように指示を出す。制御局6は交換局3の指示にしたがって基地局を制御し、同報サービスチャネル切替信号を送出させる。これとともに同報モード1または2の指定を行う。」との記載、及び図3によれば、同報サービス通信方式は、網側(交換局3)が、呼設定受付情報を発呼移動局に送出するとともに送出された電話番号を分析し、同報サービスのためのチャネルに切り替えるように指示を出し、制御局(6)が、指示にしたがって基地局を制御し、同報サービスチャネル切替信号を送出させているから、同報サービス通信方式は、基地局が、移動局に、同報サービスチャネル切替信号を送信していることが読み取れる。
そうすると、同報サービス通信方式は、基地局が、(γ)移動局に、同報サービスチャネル切替信号を送信しているということができる。

そして、上記(α)?(γ)より、同報サービス通信方式は、同報サービスを使用するための方法ということができる。

したがって、上記(α)?(γ)をステップとして表現すると、上記引用例1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「同報サービスを使用するための方法であって
無線チャネルを介してサービスエリアに位置するすべての移動局に前記サービスエリア内のユーザにより受信可能な前記同報サービスを提供するステップと、
移動局から、利用可能な同報サービスを受けるために電話番号がダイヤルされるステップと、
前記移動局に、同報サービスチャネル切替信号を送信するステップと、
を具備する、
方法。」

B 原審の拒絶理由に引用された、特開平10-66144号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0011】図1は、本発明の移動通信の付加サービス制御方式の実施の一形態を示すブロック図である。
【0012】図1に示す本実施の形態の移動通信の付加サービス制御方式は、移動端末1と、移動端末1が制御チャネル2a,2bにより接続された基地局3を介して信号の授受を行う交換局4とから構成される。
【0013】また、交換局4は、制御チャネル2aを介して移動端末1に通話以外の付加サービスに関する情報である付加サービス情報を送出する付加サービス情報送出部5と、制御チャネルを介して移動端末1から送出されてきた、付加サービスの提供を受けるための登録手続を要求する付加サービス登録手続信号、および付加サービスの提供の登録の解除手続を要求する付加サービス登録解除手続信号を受信する付加サービス登録手続信号受信部6と、付加サービス登録手続信号受信部6が受信した付加サービス登録手続信号および付加サービス登録解除手続信号に従って登録手続および登録解除手続の処理を行なう付加サービス登録手続処理部7と、登録手続完了後登録解除手続が行われるまでの間移動端末1に対する付加サービスの課金処理を行う課金処理部8とから構成される。」(4頁5欄)

ロ.「【0016】図1において、交換局4では、付加サービス情報送出部5が、移動端末1向けの、既に実施に移されている付加サービスについての情報である付加サービス情報を基地局3に対して常時サイクリックに送出する。この付加サービス情報を受信した基地局3は、さらに基地局より無線で送出される制御信号である、制御チャネル2a上の報知情報にオプション情報として追加して移動端末1向けに送出する。待ち受け状態にある移動端末1では、付加サービス情報受信部9が、交換局4の付加サービス情報送出部5から送出された付加サービス情報を受信する。付加サービス情報蓄積部10は付加サービス情報受信部9が受信した付加サービス情報を受け取り蓄積する。この付加サービス情報は、交換局4から常時サイクリックに送出されているので、移動端末1が受信状態にあるときには移動端末1で常時受信される。付加サービス情報蓄積部10は新しく受信した付加サービス情報により、蓄積されていたそれまでの付加サービス情報をその都度更新するので、付加サービス情報蓄積部10に蓄積されている付加サービス情報としては常に最新の情報が蓄積される。従って、移動端末1の携帯者が付加サービスの提供を受けたいときには、付加サービス情報蓄積部10に蓄積されている付加サービス情報を読み出して表示部11に表示させることにより、代理店に行かなくても最新の付加サービス情報を知ることができる。付加サービス情報蓄積部10に蓄積されている付加サービス情報を表示させるには、付加サービス情報読出指示入力部12を操作して、付加サービス情報読出部13に対して、付加サービス情報蓄積部10から付加サービス情報を読み出し表示部11に表示させるための指示を入力する。付加サービス情報読出部13は、付加サービス情報読出指示入力部12からの指示入力に従い付加サービス情報蓄積部10から付加サービス情報を読み出して表示部11に表示する。
【0017】表示部11に表示された付加サービス情報を見た移動端末の携帯者である加入者が、付加サービス情報の中に説明のあった付加サービスのうちの1つの付加サービスの提供を希望したときには、付加サービス登録手続指示入力部14を操作して、付加サービスの提供を受けるための登録手続を要求する指示を入力する。入力された指示は、付加サービス情報読出部13に送出される。付加サービス情報読出部13は、付加サービス登録手続指示入力部14からの入力指示に従って、付加サービスの提供を受けるための手続きを操作する画面を読み出して表示部11に表示する。現状の付加サービスの内容を表示した画面で希望する付加サービスを選択し、加入者はこの画面に示される手続に従って、付加サービス登録手続指示入力部14から必要な入力を行う。決められた手順での入力が終了すると、付加サービス登録手続信号送信部15は、付加サービス登録手続指示入力部14からの指示入力に従い、付加サービス情報蓄積部10から読み出され付加サービス情報を基に構成した付加サービス登録手続信号を制御チャネル2bを介して基地局経由交換局4に向けて送出する。この付加サービスの登録の要求を行うために送出される付加サービス登録手続信号は、付加サービスのための特別番号が付与されて交換局4に向けて発呼される。交換局4では、移動端末1からの着呼があると、付加サービス登録手続信号受信部6が、制御チャネルを介して移動端末1から送出されてきた、付加サービスの提供を受けるための登録手続を要求する付加サービス登録手続信号を受信する。付加サービス登録手続処理部7は、付加サービス登録手続信号受信部6が受信した付加サービス登録手続信号に従って登録手続の処理を行う。すなわち、要求のあった付加サービスの提供を受けられるように加入者メモリを変更する。このとき、付加サービス登録手続処理部7からは、加入者が行う登録の手続きのための操作のガイドとしてガイドメッセージが交換局4の付加サービス情報送出部5,移動端末1の付加サービス情報受信部9を介して表示部11に送出されるので、加入者はこのガイドメッセージを見ながら操作を行うことができる。付加サービス登録手続処理部7による手続が完了し登録が済むと、課金処理部8が登録手続に従って、付加サービスの提供が行われたときには、移動端末1に対する付加サービスの課金処理を行う。また、既に登録され付加サービスの提供を受けていたが、以後付加サービスを受ける必要がなくなったので登録解除を希望する場合には、移動端末1の付加サービス登録手続指示入力部14を操作して、付加サービス提供の登録解除の手続を要求する指示入力を行う。付加サービス情報読出部13は、付加サービス登録手続指示入力部14からの入力指示に従って、付加サービス提供の登録解除の手続きを操作する画面を読み出して表示部11に表示する。このときも、登録のときと同様に、付加サービス登録手続処理部7からは、加入者が行う登録解除の手続きのための操作のガイドとしてガイドメッセージが移動端末1の表示部11に送出されるので、加入者はこのガイドメッセージを見ながら操作を行う。加入者はこの画面に示される手続に従って、付加サービス登録手続指示入力部14から入力を行う。付加サービス登録手続信号送信部15は、付加サービス登録手続指示入力部14からの指示入力に従い、付加サービス情報蓄積部10から読み出された付加サービス情報を基に構成した付加サービス登録解除手続信号を制御チャネル2bを介して基地局経由交換局4に向けて送出する。交換局4では、付加サービス登録手続信号受信部6が、制御チャネルを介して移動端末1から送出されてきた付加サービス登録解除手続信号を受信し、付加サービス登録手続処理部7は、付加サービス登録解除手続信号に従って登録解除の手続処理を行う。すなわち、付加サービスの提供を受けられるようにしてあった登録を解除する変更を加入者メモリに行う。付加サービス登録手続処理部7による手続が完了し登録解除が済むと、課金処理部8の課金のための動作は停止する。」(4頁6欄?5頁8欄)

上記引用例2の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ロ.の【0016】における「交換局4では、付加サービス情報送出部5が、移動端末1向けの、既に実施に移されている付加サービスについての情報である付加サービス情報を基地局3に対して常時サイクリックに送出する。この付加サービス情報を受信した基地局3は、さらに基地局より無線で送出される制御信号である、制御チャネル2a上の報知情報にオプション情報として追加して移動端末1向けに送出する。」との記載、及び図1によれば、引用例2の付加サービス制御方式は、基地局(3)が、移動端末(1)に、(α)付加サービスについての情報を送信している。
また、上記ロ.の【0017】における「表示部11に表示された付加サービス情報を見た移動端末の携帯者である加入者が、付加サービス情報の中に説明のあった付加サービスのうちの1つの付加サービスの提供を希望したときには、付加サービス登録手続指示入力部14を操作して、付加サービスの提供を受けるための登録手続を要求する指示を入力する。・・・現状の付加サービスの内容を表示した画面で希望する付加サービスを選択し、加入者はこの画面に示される手続に従って、付加サービス登録手続指示入力部14から必要な入力を行う。・・・付加サービスの登録の要求を行うために送出される付加サービス登録手続信号は、付加サービスのための特別番号が付与されて交換局4に向けて発呼される。交換局4では、移動端末1からの着呼があると、付加サービス登録手続信号受信部6が、制御チャネルを介して移動端末1から送出されてきた、付加サービスの提供を受けるための登録手続を要求する付加サービス登録手続信号を受信する。」との記載、及び図1によれば、付加サービス制御方式は、交換局(4)が、(β)移動端末(1)から、制御チャネル(2b)を介して、利用可能な付加サービスのうち1つの付加サービスのユーザとして登録するための付加サービス登録手続信号を受信していることが読み取れる。

したがって、上記(α)及び(β)より、ステップとして表現すると、上記引用例2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「付加サービス制御方法であって、
付加サービスについての情報を送信するステップと、
移動端末(1)から、制御チャネル(2b)を介して、利用可能な付加サービスのうち1つの付加サービスのユーザとして登録するための付加サービス登録手続信号を受信するステップと、
を具備する、
方法。」

2.周知例及び周知技術
原審の拒絶理由に引用された、特開平10-65633号公報(以下「周知例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の詳細を説明する。図1は本発明に係るデータ通信方法による通信システムの第一実施例を示すブロック図、図2は本発明に係るデータ通信方法よる通信システムの第二実施例を示すブロック図である。まず、図1について説明する。図1中、1は端末機、2は受信アンテナ、3は公衆電話回線網、4はインターネット機構のサーバー、5は送信アンテナである。
【0006】端末機1は受信アンテナ2を具備しており、公衆電話回線網3を介してサーバー4に接続される。このサーバー4は送信アンテナ5を具備しており、暗号解読用のキーを公衆電話回線網3を介してリクエストのあった端末機1に送信すると共に、そのキーにより解読されるよう暗号化した所要のデータを送信アンテナ5から送信するものである。このキー情報には、通常の暗号解読キーとして用いられる情報のみでなく、例えば、データ送信が行われる周波数帯情報や偏重方式情報、送信開始時刻などの時間情報を含めることがあり、又、データ送信をタイムシェアリング方式又は断続パルス列信号で行い、受信側のタイムゲート同期信号を含めるようにすることもある。本明細書で言う『暗号解読用のキー』とは、これらの情報の全てを含むものとする。なお、図では省略したが、公衆電話回線網3には多数の端末機が接続されるものである。」(2頁1?2欄)

したがって、上記イ.の記載にみられるように、「暗号化したデータを無線配信するとともに、リクエストしたユーザに暗号解読キーを送信すること。」は、本願の優先権主張の日前の周知の技術(以下「周知技術」という。)ということができる。

(3)対比・判断
補正後の発明と引用発明1とを対比する。
a.引用発明1の「同報サービス」は、上記引用例1の上記ハ.の【0012】、【0013】の記載によれば、交通情報などを特定の電話番号によって網側に要求し、指定されたチャネルより情報を受信するものである。このように要求に対して情報の配信を行うものであるから、引用発明1の「同報サービス」は、補正後の発明の「サービス・オン・デマンド」に含まれる。
b.引用発明1の「無線チャネル」は、同報サービス(サービス・オン・デマンド)を送信するチャンネルであるから、補正後の発明の「第1チャンネル」ということができる。
c.引用発明1の「サービスエリア」は、基地局のサービスエリアであり、セルであることは技術常識であるから、補正後の発明の「セル」ということができる。
d.引用発明1の「移動局」は、上記引用例1の上記ロ.の【0009】の記載によれば、自動車電話、携帯電話であり、移動ステーションにほかならないから、補正後の発明の「移動ステーション」に相当する。
e.本願明細書段落【0005】における「登録とは、ここでは、移動通信ネットワーク又はサービスプロバイダーが使用料金を課すことのできる加入者情報を得るように、使用するサービス・オン・デマンドを識別しそしてユーザを識別するのに必要な全ての方法段階を指す。しかしながら、登録メッセージは、ユーザが登録を希望することを指示すれば充分である。」との記載によれば、補正後の発明において「登録」とは、ユーザがどのようなサービス・オン・デマンドを要求しているのか認識し、またそのための課金に必要な加入者情報を得ることを意味しているものと解される。
この点について、引用発明1では、上記引用例1の上記ハ.の【0012】、【0013】の記載によれば、移動局が、利用可能な同報サービスを受けるために電話番号をダイヤルすることによって、網側はどの移動局がどのような同報サービスを要求しているかを分析し、同報サービスを開始していることから、引用発明1の「利用可能な同報サービスを受けるために電話番号がダイヤルされる」ことが、補正後の発明における「利用可能なサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信する」ことと同様の事項ということができ格別の差異はない。
したがって、引用発明1の「利用可能な同報サービスを受けるために電話番号がダイヤルされる」は、補正後の発明の「利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つのサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信する」ということができる。
f.本願明細書段落【0029】における「サービス・オン・デマンドの登録に関連した確認から、コントローラは、サービス・オン・デマンドをいかに受信するかを示す命令を分離する。この命令は、送信チャンネル又はキー、或いはこれら2つの組合せに関する情報の断片のみでよい。」との記載によれば、補正後の発明において「登録の確認情報」とは、いかにユーザがサービス・オン・デマンドを受信するかを示すもので、特定の送信チャンネルを含むものと解される。
この点について、上記引用例1の上記ハ.の【0011】の記載によれば、移動局は、基地局からの同報サービスチャネル切替信号により指定されたチャネルに切り替えられ、同報サービスを受信しているから、引用発明1の「同報サービスチャネル切替信号」は、補正後の発明の「どのようにユーザがサービス・オン・デマンドを第1チャンネルを介して受信可能かを示している」、すなわち「登録の確認情報」と同様の事項ということができ格別の差異はない。
したがって、引用発明1の「同報サービスチャネル切替信号」は、補正後の発明の「登録の確認情報」に含まれる。

したがって、補正後の発明と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「サービス・オン・デマンドを使用するための方法であって、
第1チャンネルを介してセル内に位置するすべての移動ステーションに前記セル内のユーザにより受信可能な前記サービス・オン・デマンドを提供するステップと、
移動ステーションから、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つのサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップと、
前記移動ステーションに前記登録の確認情報を送信するステップと、
を具備し、
前記確認情報は、どのようにユーザが前記1つのサービス・オン・デマンドを前記第1チャンネルを介して受信可能かを示している方法。」

(相違点1)
補正後の発明は、「セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップ」を備えるのに対し、引用発明1は、その様なステップを備えない点。

(相違点2)
一致点の「ユーザ」に関し、
補正後の発明は、「登録された」ものであるのに対し、引用発明1は、ユーザであるものの、当該「登録された」との特定がない点。

(相違点3)
一致点の「移動ステーションから、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つのサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップ」に関し、
補正後の発明は、移動ステーションから、「シグナリングチャンネルを介して」、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するのに対して、引用発明1は、当該「シグナリングチャネルを介して」受信していない点。

(相違点4)
一致点の「前記移動ステーションに前記登録の確認情報を送信するステップ」に関し、
補正後の発明は、更に「前記1つ又は複数のサービス・オン・デマンドの暗号を復号可能なキー」を送信するのに対して、引用発明1は、その様な構成を有さない点。

そこで、まず、上記相違点1ないし3についてまとめて検討する。
上記「(2)引用発明及び周知技術 1.引用例及び引用発明」の項Bのとおり、引用例2には、「付加サービス制御方法であって、付加サービスについての情報を送信するステップと、移動端末(1)から、制御チャネル(2b)を介して、利用可能な付加サービスのうち1つの付加サービスのユーザとして登録するための付加サービス登録手続信号を受信するステップと、を具備する、方法。」との引用発明2が記載されている。
ここで、引用発明2の「付加サービスについての情報を送信するステップ」は、「セルにおいて利用可能なサービスの情報を送信するステップ」ということができ、「制御チャネル(2b)」は、「シグナリングチャンネル」であることは明らかである。
そして、上記引用例2にも記載されているように、移動局と基地局からなる移動通信システムにおいて、付加サービスを提供する際、新たな付加サービスを提供する課題は普通のことである。
そうすると、引用発明1の「同報サービスを使用するための方法」に上記引用発明2を採用して、補正後の発明のように「セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップ」を付加すること(相違点1)、また、移動局から、「シグナリングチャンネルを介して」、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信すること(相違点2)に格別な困難性はない。
さらに、引用発明1の「ユーザ」は、同報サービス(サービス・オン・デマンド)を受信するためには、「登録」が必要であることは明らかであるから、補正後の発明のように「登録されたユーザ」となること(相違点3)は当然である。
したがって、上記相違点1ないし3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

次に、上記相違点4について検討する。
上記「(2)引用発明及び周知技術 2.周知例及び周知技術」の項のとおり、「暗号化したデータを無線配信するとともに、リクエストしたユーザに暗号解読キーを送信すること。」ことは、周知技術である。
そうすると、引用発明1に上記周知技術を適用し、暗号化した「無線チャネル」による同報サービスを受けるため移動局に暗号解読キーを送信すること、すなわち、「サービス・オン・デマンドの暗号を復号可能なキー」を送信することは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、補正後の発明の作用効果も、引用発明1、2及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。

したがって、補正後の発明は引用発明1、2及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

[結語]
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項又は同法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
(1)本願発明
平成27年3月31日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成26年6月10日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項19に記載されたものと認める。(上記「第2 平成27年3月31日付け手続補正についての補正却下の決定 [理由1](1)本件補正(補正前)」参照。)

(2)引用発明
引用発明は、上記「第2 平成27年3月31日付け手続補正についての補正却下の決定」の項中の「[理由2]1.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明及び周知技術 1.引用例及び引用発明」の項で認定したとおりである。

(3)対比
そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、
a.引用発明1の「同報サービス」は、上記引用例1の上記ハ.の【0012】、【0013】の記載によれば、交通情報などを特定の電話番号によって網側に要求し、指定されたチャネルより情報を受信するものである。このように要求に対して情報の配信を行うものであり、同報チャネル(ブロードキャストチャネル)で送信されるものであるから、引用発明1の「同報サービスを使用する」は、本願発明の「ポイント-ポイント伝送せずにサービス・オン・デマンドを使用する」ことに含まれる。
そして、その余の対比は、上記「第2 平成27年3月31日付け手続補正についての補正却下の決定」の項中の「[理由2]1.独立特許要件について」の項中の「(3)対比・判断」の項で、補正後の発明を本願発明と読み替え、b.ないしf.として対比したとおりである。

したがって、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。

<一致点>

「ポイント-ポイント伝送せずにサービス・オン・デマンドを使用するための方法であって、
第1チャンネルを介してセル内に位置するすべての移動ステーションに前記セル内のユーザにより受信可能な前記サービス・オン・デマンドを提供するステップと、
移動ステーションから、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つのサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップと、
前記移動ステーションに前記登録の確認情報を送信するステップと、
を具備し、
前記確認情報は、どのようにユーザが前記1つのサービス・オン・デマンドを前記第1チャンネルを介して受信可能かを示している方法。」

<相違点1>
本願発明は、「セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップ」を備えるのに対し、引用発明1は、その様なステップを備えない点。

<相違点2>
一致点の「ユーザ」に関し、
本願発明は、「登録された」ものであるのに対し、引用発明1は、ユーザであるものの、当該「登録された」との特定がない点。

<相違点3>
一致点の「移動ステーションから、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つのサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップ」に関し、
本願発明は、移動ステーションから、「シグナリングチャンネルを介して」、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するのに対して、引用発明1は、当該「シグナリングチャネルを介して」受信していない点。

(4)判断
上記相違点1ないし3の判断は、上記「第2 平成27年3月31日付け手続補正についての補正却下の決定」の項中の「[理由2]1.独立特許要件について」の項中の「(3)対比・判断」の項で判断したとおりである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明1及び2から当業者が容易に予測できる範囲のものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項に論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-08 
結審通知日 2016-02-15 
審決日 2016-03-01 
出願番号 特願2012-257720(P2012-257720)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04W)
P 1 8・ 572- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊石井 則之  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 ▲高▼橋 真之
萩原 義則
発明の名称 移動通信システムにおけるサービス・オン・デマンド  
代理人 村山 靖彦  
代理人 黒田 晋平  

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