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審決分類 |
審判 査定不服 特29条の2 取り消して特許、登録 G03F 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03F |
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管理番号 | 1316955 |
審判番号 | 不服2015-1682 |
総通号数 | 200 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-01-28 |
確定日 | 2016-08-02 |
事件の表示 | 特願2009-140942「感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 2月12日出願公開,特開2010- 33031,請求項の数(12)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件拒絶査定不服審判事件に係る出願(以下,「本願」という。)は,平成21年6月12日(優先権主張平成20年6月30日)の出願であって,平成25年4月11日付けで拒絶の理由が通知され,同年6月24日に意見書及び手続補正書が提出され,平成26年2月19日付けで拒絶の理由が通知され,同年4月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年10月17日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がなされた。 本件拒絶査定不服審判は,これを不服として,平成27年1月28日に請求されたものであって,本件審判の請求と同時に手続補正書が提出され,当審において,平成28年1月21日付けで拒絶の理由(以下,「当審拒絶理由」という。)が通知され,同年4月26日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし12に係る発明は,平成28年4月26日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものと認められるところ,本願の請求項1に係る発明は次のとおりである。 「(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂と,(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と,樹脂(A)とは異なる(HR)疎水性樹脂とを含有する感光性組成物であって, 樹脂(A)が,画像形成感度における酸分解率が互いに異なる酸分解基を有する2種以上の繰り返し単位を含み, 酸分解基を有する2種以上の前記繰り返し単位のうち,少なくとも2種の繰り返し単位は,下記一般式(AI-1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(AI-2)で表される繰り返し単位であるとともに, 更に,下記一般式(1)により表される少なくとも1種の繰り返し単位を含み, 樹脂(A)に含まれる繰り返し単位のうち,少なくとも2種の繰り返し単位は,各々が有する酸分解基の画像形成感度における酸分解率において,一方の酸分解率が他方の酸分率の1.3倍以上の関係を有することを特徴とする感光性組成物。但し,下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,下記樹脂A5,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,及び,下記樹脂A6,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物を除く。 【化1】 一般式(AI-1)中, Xa_(1)は,水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。 Tは,単結合を表す。 Rx_(1)及びRx_(2)は,それぞれ独立に,直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。 Rx_(3)は,多環のシクロアルキル基を表す。 【化2】 一般式(AI-2)中, Xa_(1)は,水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。 Tは,単結合を表す。 Rx_(1)は,直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。 Rx_(2)及びRx_(3)は,結合して,単環のシクロアルキル基を形成する。 【化3】 一般式(1)に於いて, Rは,水素原子,又は置換基を有してよいアルキル基を表す。 Aは, 【化4】 を表す。 R_(0)は,複数個ある場合にはそれぞれ独立に,置換基を有してよいアルキレン基,置換基を有してよい環状アルキレン基,又はその組み合わせを表す。 Zは,複数個ある場合にはそれぞれ独立に,エーテル結合,エステル結合,アミド結合,ウレタン結合,又はウレア結合を表す。 Lは,ラクトン構造を有する置換基を表す。 nは,繰り返し数であり,1?5の整数を表す。 【化5】 【化6】 」(以下,「本願発明」という。) 第3 原査定の拒絶の理由について 1 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は,概略次のとおりである。 本願の請求項1ないし7,10,14(平成26年4月28日提出の手続補正書による補正前の請求項1ないし7,10,14)に係る発明は,優先権主張の日(以下,「優先日」という。)より前の特許出願であって,優先日より後に出願公開がされた下記引用先願の願書に最初に添付された明細書又は特許請求の範囲(以下,それぞれを「当初明細書」及び「当初特許請求の範囲」といい,両者を総称して「当初明細書等」という。)に記載された発明と同一であり,しかも,本願の発明者が引用先願に係る上記の発明をした者と同一ではなく,また本願の出願時において,その出願人が上記引用先願の出願人と同一でもないので,特許法29条の2の規定により,特許を受けることができない。 記 引用先願:特願2008-19027号(特開2008-209917号) 本願の請求項1ないし7,10,14に係る発明と引用先願の当初明細書等に記載された発明を対比すると,両者は,「本願の請求項1ないし7,10,14に係る発明の感光性組成物は樹脂(A)とは異なる(HR)疎水性樹脂を含有するのに対し,引用先願の当初明細書等に記載された発明の感光性組成物には,当該疎水性樹脂に相当するものが含まれない点。」で相違するが,引用先願の当初明細書等に記載された発明の属する技術分野において,感光性組成物に疎水性樹脂を用いること,特に液浸露光リソグラフィを行う際に疎水性樹脂を用いることは,優先日当時において周知の事項であり,また,引用先願の当初明細書の【0288】には,感光性組成物を液浸露光リソグラフィに用いることが記載されているから,前記相違点は,周知技術,慣用技術の付加,削除,転換等であって,しかも新たな効果を奏するものでない。 したがって,本願の請求項1ないし7,10,14に係る発明と引用先願の当初明細書等に記載された発明は実質的に同一発明である。 2 原査定の理由についての当審の判断 (1)引用先願の当初明細書等の記載 引用先願の当初明細書等には,次の記載がある。(下線は,後述する引用先願発明の認定に特に関係する箇所を示す。) ア 「【請求項1】 それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂であって,酸に不安定な基を側鎖に有する構造単位を含有し,さらに式(I)で表されるラクトン構造を側鎖に有する構造単位を含有する樹脂を含有し, さらに,式(II)又は式(III)で表される酸発生剤を少なくとも2種以上含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。 (式(I)中,R^(1)は,水素原子又はメチル基を表す。 環Xは,環内にエステル結合を含む炭素数3?30の置換されていてもよい環状炭化水素基を表す。 kは,1?4の整数を表す。) (式(II)中,R^(21)は,炭素数1?30の置換されていてもよい炭化水素基を表す。ただし,該炭化水素基に含まれるメチレン基は,任意に,カルボニル基,酸素原子に置換されていてもよい。 A^(+)は,有機対イオンを表す。 Y^(1)及びY^(2)は,互いに独立に,フッ素原子又は炭素数1?6のペルフルオロアルキル基を表す。) (式(III)中,R^(23)は,炭素数1?8の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基を表す。 A^(+)は,有機対イオンを表す。式(III)におけるA^(+)は,式(II)におけるA^(+)と同一でも異なっていてもよい。)」 イ 「【技術分野】 【0001】 本発明は,半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物は,露光により酸を発生する化合物からなる酸発生剤を含有してなる。 半導体の微細加工においては,より高い解像度でパターンを形成することが望ましく,化学増幅型レジスト組成物としては,より高い解像度と良好なラインエッジラフネスを示すものが求められている。 【0003】 最近,メタクリル酸2-エチル-2-アダマンチル,メタクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマンチル,及びα-メタクリロイロキシ-γ-ブチロラクトンを,5:2.5:2.5のモル比で仕込み,重合させてなる・・・(中略)・・・樹脂と, ・・・(中略)・・・ 【0005】 トリフェニルスルホニウム 1-((3-ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート・・・(中略)・・・からなる酸発生剤と, ・・・(中略)・・・ 【0007】 2,6-ジイソプロピルアニリンからなるクエンチャーと溶剤とからなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が特許文献1に提案されている。 【0008】 【特許文献1】特開2006-257078号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 しかしながら,特許文献1に記載された化学増幅型ポジ型レジスト組成物では,その解像度を維持したまま,ラインエッジラフネスを良好にするにはまだ改良の余地があった。本発明の目的は,高い解像度を維持したまま良好なラインエッジラフネスを与える化学増幅型レジスト組成物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 そこで本発明者らは,上記課題を解決するために鋭意検討した結果,本発明を完成させるに至った。 【0011】 すなわち本発明は,それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂であって,酸に不安定な基を側鎖に有する構造単位を含有し,さらに式(I)で表されるラクトン構造を側鎖に有する構造単位を含有する樹脂を含有し,さらに,式(II)又は式(III)で表される酸発生剤を少なくとも2種以上含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物を提供する。 ・・・(中略)・・・ 【発明の効果】 【0018】 本発明の化学増幅型レジスト組成物は,優れた解像度と良好なラインエッジラフネスとを与える化学増幅型レジスト組成物を製造することができるので,本発明は工業的に有用である。」 ウ 「【実施例】 【0197】 以下,本発明を実施例によって詳細に説明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例及び比較例中,含有量ないし使用量を表す%及び部は,特記ないかぎり質量基準である。また重量平均分子量は,ポリスチレンを標準品として,ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC-8120GPC型,カラムはTSKgel Multipore HXL-M3本,溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。 また,化合物の構造はNMR(日本電子製GX-270型又はEX-270型),質量分析(LCはAgilent製1100型,MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)で確認した。 ・・・(中略)・・・ 【0268】 合成例1 〔樹脂A1の合成〕 ・・・(中略)・・・この共重合体は,次式の各構造単位を有するものであり,これを樹脂A1とする。 【0269】 ・・・(中略)・・・ 【0274】 合成例4 〔樹脂A4の合成〕 温度計,還流管を装着した4つ口フラスコに1,4-ジオキサン77.24部を仕込み,窒素ガスで30分間バブリングを行った。窒素シール下で74℃まで昇温した後,上記式で表されるモノマーA45.00部,モノマーE8.37部,モノマーB10.07部,モノマーC50.78部,モノマーD14.51部,アゾビスイソブチロニトリル0.88部,アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)3.97部,1,4-ジオキサン115.86部を混合した溶液を,74℃を保ったまま2時間かけて滴下した。滴下終了後74℃で5時間保温した。冷却後,1,4-ジオキサン141.61部で希釈し,その反応液をメタノール1339部,イオン交換水335部の混合液中へ攪拌しながら注ぎ,析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール837部の液に投入し攪拌後濾過を行った。得られた濾過物を同様の液に投入,攪拌,濾過の操作を,更に2回行った。その後減圧乾燥を行い,樹脂96.4部を得た。この樹脂をA4とする。収率:75%,Mw:8924,Mw/Mn:1.87。 【0275】 ・・・(中略)・・・ 【0280】 実施例1?17,比較例1?5 以下の各成分を混合して溶解し,さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して,レジスト液を調製した。 【0281】 <酸発生剤> 【0282】 ・・・(中略)・・・ 【0283】 ・・・(中略)・・・ <樹脂> 種類は,表1に記載:計10部 <クエンチャー> Q1:2,6-ジイソプロピルアニリン <溶剤> プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 145部 2-ヘプタノン 20.0部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部 γ-ブチロラクトン 3.5部 【0284】 シリコンウェハーに,有機反射防止膜用組成物(ARC-29;日産化学(株)製)を塗布して,205℃,60秒の条件でベークすることによって,厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させた。次いで,前記の有機反射防止膜の上に,上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は,ダイレクトホットプレート上にて,表1の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに,ArFエキシマステッパー〔FPA5000-AS3;(株)キャノン製,NA=0.75 2/3Annular〕用いて,露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。 露光後は,ホットプレート上にて表1の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い,さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。 有機反射防止膜基板上のもので現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察し,その結果を表2に示した。なお,ここでいうダークフィールドパターンとは,外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られ,したがって露光現像後は,ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるパターンである。 【0285】 実効感度:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で示した。 ラインエッジラフネス評価(LER):リソグラフィプロセス後のレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し,比較例4を基準(△で表記)とし,これよりも滑らかになっているものを○,変化の無いものを△,悪化しているものを×として判断した。 【0286】 〔表1〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 No. 樹脂 酸発生剤 クエンチャー PB/PEB ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 A1/10部 B1/B3=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例2 A1/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例3 A1/10部 B1/C2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例4 A1/10部 B1/C1=0.40/0.08部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例5 A3/10部 B1/B3=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例6 A3/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例7 A3/10部 B4/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例8 A3/10部 B5/B2=0.36/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例9 A3/10部 B6/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例10 A3/10部 B7/B2=0.43/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例11 A3/10部 B8/B2=0.45/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例12 A3/10部 B9/B2=0.45/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例13 A3/10部 B10/B2=0.73/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例14 A3/10部 B11/B2=0.61/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 実施例15 A4/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/95℃ 実施例16 A5/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/90℃ 実施例17 A6/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/95℃ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例1 A2/10部 B1/B2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 比較例2 A2/10部 B1/C2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 比較例3 A1/10部 C1=0.4部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 比較例4 A1/10部 B1=0.5部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 比較例5 A1/10部 B2=1.5部 Q1/0.065部 100℃/105℃ 比較例6 A3/10部 B4=0.51部 Q1/0.065部 100℃/105℃ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【0287】 〔表2〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 No. 実効感度 解像度 LER (mJ/cm^(2)) (nm) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 31 90 ○ 実施例2 28 90 ○ 実施例3 26 90 ○ 実施例4 26 90 ○ 実施例5 37 90 ○ 実施例6 33 90 ○ 実施例7 37 90 ○ 実施例8 29 90 ○ 実施例9 30 90 ○ 実施例10 27 90 ○ 実施例11 24 90 ○ 実施例12 25 90 ○ 実施例13 27 90 ○ 実施例14 35 90 ○ 実施例15 43 90 ○ 実施例16 39 90 ○ 実施例17 42 90 ○ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例1 53 90 × 比較例2 44 90 × 比較例3 21 95 ○ 比較例4 29 90 △ 比較例5 34 100 ○ 比較例6 39 90 △ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━」 (2)引用先願の当初明細書等に記載された発明 引用先願の当初明細書の【0268】の「この共重合体は,次式の各構造単位を有するものであり,これを樹脂A1とする。」という樹脂A1についての記載に照らせば,【0275】に記載された各構造単位が,【0274】に記載された樹脂A4が有する構造単位を表していることは明らかであるところ,前記(1)アないしウの記載から,引用先願の当初明細書等に,実施例15のレジスト液に対応する発明として,次の発明が記載されていると認められる。 「樹脂A4を10部,酸発生剤B1を0.40部,酸発生剤B2を0.30部,クエンチャーQ1を0.065部を混合して溶解し,さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することによって,調製したレジスト液であって, 樹脂A4は,それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となるものであり,かつ,次式の各構造単位を有するものであり, 酸発生剤B1及びB2は,次の式で表されるものであり, クエンチャーQ1は,2,6-ジイソプロピルアニリンであり, 溶剤として,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:145部と,2-ヘプタノン:20.0部と,プロピレングリコールモノメチルエーテル:20.0部と,γ-ブチロラクトン:3.5部とを用いたレジスト液。 [樹脂A4の構造単位] [酸発生剤B1及びB2] 」(以下,「引用先願発明」という。) (3)対比・判断 ア 本願発明について (ア) 引用先願発明のレジスト液中の含有成分である「樹脂A4」,「酸発生剤B1」,「酸発生剤B2」,「クエンチャーQ1」,溶剤である「プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート」,溶剤である「2-ヘプタノン」,溶剤である「プロピレングリコールモノメチルエーテル」,及び,溶剤である「γ-ブチロラクトン」が,本願発明において「除く」とされている「下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物」中の含有成分である「樹脂A4」,「化合物(B1)」,「化合物(B2)」,「2,6-ジイソプロピルアニリン」,「プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート」,「2-ヘプタノン」,「プロピレングリコールモノメチルエーテル」,及び,「γ-ブチロラクトン」にそれぞれ相当するから,引用先願発明は,本願発明において「除く」とされている「下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物」に他ならない。 したがって,本願発明と引用先願発明は同一発明ではない。 (イ) また,引用先願の当初明細書等における実施例15のレジスト液以外についての記載をみても,レジスト液に含有させる樹脂について,本願発明の「一般式(AI-2)で表される繰り返し単位」や「一般式(1)で表される繰り返し単位」に該当する「構造単位」を有することについての記載はあるものの,本願発明の「一般式(AI-1)で表される繰り返し単位」に該当する「構造単位」を有することについての記載も示唆もない。 (ウ) 前記(ア)及び(イ)のとおりであるから,本願発明は,引用先願の当初明細書等に記載された発明でない。 イ 本願の請求項2ないし12は,請求項1の記載を引用する形式で記載されているところ,本願発明が引用先願の当初明細書等に記載された発明でない以上,請求項1に記載された発明特定事項を全て含み,さらに限定を付加したものに相当する請求項2ないし12に係る発明は,いずれも引用先願の当初明細書等に記載された発明ではない。 (4)小括 前記(3)ア及びイのとおりであって,本願の請求項1ないし12に係る発明は,いずれも引用先願の当初明細書等に記載された発明ではないから,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 第4 当審拒絶理由について 1 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由は,概略, 本願の請求項1ないし3,5ないし14(平成27年1月28日提出の手続補正書による補正前の請求項1ないし3,5ないし14)に係る発明は,引用例1に記載された発明及び周知技術に基いて,又は引用例3及び周知技術に基づいて,優先日より前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,本願の請求項4(平成27年1月28日提出の手続補正書による補正前の請求項4)に係る発明は,引用例1に記載された発明,引用例2に記載された技術及び周知技術に基いて,又は引用例3に記載された発明,引用例2に記載された技術及び周知技術に基づいて,優先日より前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない, というものである。 当審拒絶理由で引用された引用例1ないし3は次のとおりである。 引用例1:中国特許出願公開第101206405号明細書 引用例2:特許第4090773号公報 引用例3:特開2005-352466号公報 2 引用例 (1)引用例1 ア 引用例1の記載 引用例1は,本願の優先日より前に頒布された刊行物であるところ,当該引用例1には,次の記載がある。(下線は,後述する引用例1発明の認定に特に関係する箇所を示す。) (ア) 「 」(特許請求の範囲1ページ1ないし下から3行) [日本語訳] 「1.次の成分を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。 酸に不安定な基を有する構造単位を含有し,さらに式(I)で表される構造単位を含有する樹脂: 式(I)中,R^(1)は,水素原子又はメチル基を表し,環Xは,環内の少なくとも1つの-CH_(2)-が-COO-に置換された炭素数3?30の置換されていてもよい環状炭化水素基を表し,ただし,該環状炭化水素基の環内の少なくとも1つの-CH_(2)-が-COO-に置換されたものであり,pは,1?4の整数を表し,当該樹脂自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂:及び 式(II)で表される塩: 式(II)中,Y^(1)及びY^(2)は,互いに独立に,フッ素原子又は炭素数1?6のペルフルオロアルキル基を表し,A^(+)は,有機対イオンを表し,R^(21)は,炭素数1?30の置換されていてもよい炭化水素基を表し,ただし,該炭化水素基に含まれる少なくとも1つの-CH_(2)-が-CO-又は-O-に置換されたものである。」 (イ) 「 ・・・(中略)・・・ 」(明細書1ページ2行ないし2ページ3行) [日本語訳] 「技術分野 本発明は化学増幅型レジスト組成物に関する。 背景技術 リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物は,露光により酸を発生する酸発生剤を含有してなる。 半導体の微細加工においては,高い解像度でパターンを形成することが望ましく,化学増幅型レジスト組成物としては,優れた解像度を示すものが求められている。 ・・・(中略)・・・ 発明の開示 本発明の目的は,より優れた解像度を示す化学増幅型レジスト組成物を提供することにある。」 (ウ) 「 ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ 」(明細書8ページ4行ないし73ページ下から2行) [日本語訳] 「発明を実施するための最良の形態 本発明の化学増幅型レジスト組成物は次の成分を含有する:酸に不安定な基を有する構造単位を含有し,さらに式(I)で表される構造単位を含有し,そして前記樹脂自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂(以下樹脂と略称する),及び式(II)で表される塩(以下塩(II)と略称する)。 ・・・(中略)・・・ 酸に不安定な基を有する構造単位としては,式(IIIa)又は(IIIb)で表わされる構造単位が好ましい。 式(IIIa)中,R^(2)は水素原子又はメチル基を表し,R^(3)は直鎖又は分岐の炭素数1?8のアルキル基又は炭素数3?8のシクロアルキル基を表す。R^(3)は直鎖又は分岐の炭素数1?8のアルキル基が好ましい。 ・・・(中略)・・・ 式(IIIa)中,R^(4)はメチル基を表し,nは0?14の整数を表し,Z^(1)は単結合又は-(CH_(2))_(r)-COO-を表し,rは1?4の整数を表す。nは0又は1が好ましい。,Z^(1)は単結合又は-CH_(2)-COO-が好ましく,単結合が最も好ましい。 式(IIIb)中,R^(5)は水素原子又はメチル基を表し,R^(6)は直鎖又は分岐の炭素数1?8のアルキル基又は炭素数3?8のシクロアルキル基を表す。 ・・・(中略)・・・ 式(IIIb)中,qは1?3の整数を表し,Z^(2)は単結合又は-(CH_(2))_(s)-COO-を表し,sは1?4の整数を表す。sは0又は1が好ましい。Z^(2)は単結合又は-CH_(2)-COO-が好ましく,単結合が最も好ましい。 ・・・(中略)・・・ 酸に不安定な基を有する構造単位として,式(IIIa)又は(IIIb)で表わされる構造単位もまた好ましい。 式中,R^(30)は水素原子又はメチル基を表し,R^(31)は炭素数1?6のアルキル基を表し,R^(32)は炭素数1?6のアルキル基又は炭素数1?6のアルコキシ基を表し,dは0?3の整数を表し,dが2又は3のときは,R^(32)は互いに同一でも異なってもよく,R^(33)は水素原子又はメチル基を表し,R^(34)は炭素数1?6のアルキル基を表し,R^(35)は炭素数1?6のアルキル基又は炭素数1?6のアルコキシ基を表し,eは0?3の整数を表し,eが2又は3のときは,R^(35)は互いに同一でも異なってもよい。 ・・・(中略)・・・ 樹脂は,1個の酸に不安定な基を有する構造単位を含有することができ,2種類又は更に多種の酸に不安定な基を有する構造単位を含有することができる。 ・・・(中略)・・・ 次に,式(II)で表される塩(以下塩(II)と略称する)を説明する: ・・・(中略)・・・ 塩(II)は通常酸発生剤として用いられ,照射することによって塩(II)から発生する酸が樹脂中の酸に不安定な基に作用して,酸に不安定な基を破断させ,アルカリ水溶液に可溶となるように変化させる。このような組成物は化学増幅型ポジレジスト組成物に適用される。 ・・・(中略)・・・ 本発明のレジスト組成物に,クエンチャとして,塩基性有機化合物,特に塩基性窒素含有有機化合物を添加することによって,露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を防止することができる。」 (エ) 「 ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ ・・・(中略)・・・ 」(明細書87ページ12行ないし96ページ) [日本語訳] 「下記の樹脂の合成の実施例に用いたモノマーは,下記のモノマーM1,M2,M3,M4,M5及びM6である。 ・・・(中略)・・・ 樹脂の合成の実施例4 温度計,還流管を装着した4つ口フラスコに1,4-ジオキサン77.24部を仕込み,窒素ガスで30分間バブリングを行った。窒素シール下で74℃まで昇温した後,上記の図で示されるモノマーA 45.00部,E 8.37部,モノマーB 10.07部,C 50.78部,モノマーD 14.51部,アゾビスイソブチロニトリル0.88部,アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)3.97部,1,4-ジオキサン115.86部を混合した溶液を,74℃を保ったまま2時間かけて滴下した。滴下終了後74℃で5時間保温した。冷却後,1,4-ジオキサン141.61部で希釈し,その反応液をメタノール1339部,イオン交換水335部の混合液中へ攪拌しながら注ぎ,析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール837部の液に投入し攪拌後濾過を行い,得られた濾過物を同様の液に投入,攪拌,濾過の操作を,更に2回行った後,減圧乾燥を行うことによって,75%の収率で96.4部の共重合体を得た。この共重合体のMw(重量平均分子量)は8924,Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は1.87であった。この共重合体は次式の構造単位を有するものである。この共重合体を樹脂A4とする。 ・・・(中略)・・・ 実施例1?13及び比較例1?2 <酸発生剤> 酸発生剤B1 ・・・(中略)・・・ <樹脂> 種類は,A1ないしA6 <クエンチャー> Q1:2,6-ジイソプロピルアニリン <溶剤> Y1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 145部 2-ヘプタノン 20.0部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部 γ-ブチロラクトン 3.5部 シリコンウェハーに日産化学社製の有機反射防止膜用組成物である“ARC-29”を塗布して205℃,60秒の条件でベークすることによって厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させ,次いでこの上に,上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は,ダイレクトホットプレート上にて,表1の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに,ArFエキシマステッパー〔FPA5000-AS3;(株)キャノン製,NA=0.75 2/3Annular〕を用いて,露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。 露光後は,ホットプレート上にて表1の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い,さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。 有機反射防止膜基板上のもので現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察し,その結果を表2に示した。なお,ここでいうダークフィールドパターンとは,外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られ,したがって露光現像後は,ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるパターンである。 実効感度:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。 解像度:実効感度の露光量で線パターンに分けられるスペースパターンの最小寸法で表示した。 」 イ 引用例1に記載された発明 前記ア(ア)ないし(エ)の記載から,引用例1に,実施例11のレジスト液に対応する発明として,次の発明が記載されていると認められる。 「酸に不安定な基を有する構造単位を含有し,アルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが,酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂と, 露光により酸を発生することで,前記酸に不安定な基を破断させ,アルカリ水溶液に可溶となるように変化させる酸発生剤と, 露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を防止するためのクエンチャーと, 溶剤とからなる化学増幅型レジスト組成物であって, 前記樹脂として,次式の各構造単位を有する樹脂A4を10部用い, 前記酸発生剤として,次式で表される酸発生剤B1を0.50部用い, クエンチャーとして,2,6-ジイソプロピルアニリンを0.065部用い, 溶剤として,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:145部と,2-ヘプタノン:20.0部と,プロピレングリコールモノメチルエーテル:20.0部と,γ-ブチロラクトン:3.5部とを用いた 化学増幅型レジスト組成物。 [樹脂A4の構造単位] [酸発生剤B1] 」(以下,「引用例1発明」という。) (2)引用例2の記載 引用例2は,本願の優先日より前に頒布された刊行物であるところ,当該引用例2には,次の記載がある。 ア 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は,超LSIや高容量マイクロチップの製造等の超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケ-ションプロセスに使用するポジ型レジスト組成物に関するものである。 ・・・(中略)・・・・ 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 従って,本発明の目的は,遠紫外光,特にArFエキシマレーザー光を使用したミクロフォトファブリケーションに於いて好適に使用することができる,高感度であり,疎密依存性が小さく,エッチング時の表面荒れが少ないポジ型レジスト組成物を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は,ポジ型化学増幅系レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果,特定の酸分解性樹脂を用いることにより,本発明の目的が達成されることを見出し本発明に至った。 即ち,上記目的は下記構成によって達成される。 【0009】 (1)(A)脂肪族環状炭化水素基を側鎖に有し,酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂として,下記一般式(Ia)で表される繰り返し単位と一般式(Ib)で表される繰り返し単位を含有する樹脂,(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物,及び(C)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。 【0010】 【化2】 【0011】 式(Ia)及び(Ib)中,R_(1)は独立に水素原子又はアルキル基を表し,Aは単結合または連結基を表す。 式(Ia)中,R_(11)は炭素数1?4のアルキル基を表し,Zは炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。 式(Ib)中,R_(12)?R_(14)は,各々独立に炭化水素基を表し,但し,R_(12)?R_(14)のうち少なくとも1つは炭素数5以上の脂環式炭化水素基を表す。」 イ 「【0165】 【実施例】 以下,本発明を実施例によって更に具体的に説明するが,本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 【0166】 樹脂(1)の合成 2-エチル-2-アダマンチルメタクリレート,2-アダマンチル-2-プロピルメタクリレート,ブチロラクトンメタクリレート,メタクリル酸を25/25/40/10の割合で仕込みメチルイソブチルケトンに溶解し,固形分濃度30%の溶液100mLを調製した。この溶液に和光純薬製V-601を4mol%加え,これを窒素雰囲気下,4時間かけて80℃に加熱したメチルイソブチルケトン10mLに滴下した。滴下終了後,反応液を4時間加熱攪拌した。反応終了後,反応液を室温まで冷却し,蒸留水/ISOプロピルアルコール=1/1の混合溶媒1Lに晶析,析出した白色粉体をメタノール1Lで洗浄し,目的物である樹脂(1)を回収した。 C^(13)NMRから求めたポリマー組成比は22/27/39/12であった。また,GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8700であった。 上記合成例と同様の操作で下表に示す組成比,分子量の樹脂を合成した。(繰り返し単位1,2,3,4は構造式の左からの順番を示す) 【0167】 【表1】 【0168】 また,以下に上記樹脂(1)?(18)の構造を示す。 【0169】 【化64】 【0170】 【化65】 【0171】 【化66】 【0172】 【化67】 【0173】 【化68】 【0174】 実施例1?18及び比較例1 (ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価) 上記合成例で合成した表2に示す各成分を配合し,それぞれ固形分14重量%の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解した後,0.1μmのミクロフィルターで濾過し,実施例1?18と比較例1のポジ型レジスト組成物を調製した。 【0175】 【表2】 【0176】 界面活性剤としては, W1:メガファックF176(大日本インキ(株)製)(フッ素系) W2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)(フッ素及びシリコーン系) W3:ポリシロキサンポリマーKP-341(信越化学工業(株)製) W4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル W5:トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製) を表す。 【0177】 アミンとしては, 1は,1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕-5-ノネン(DBN)を表し,2は,ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバゲート3は,トリn-ブチルアミン 4は,トリフェニルイミダゾール 5は,アンチピリン 6は,2,6-ジイソプロピルアニリン を表す。 比較樹脂R:特開平11-119434号の実施例に準じて合成した2-メチル-2-アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート/t-ブチルメタクリレート(モル比50/30/20) 【0178】 初めに Brewer Science社製AR-19をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に85nm塗布,乾燥した後,その上に得られたポジ型フォトレジスト組成物を塗布し,140℃で90秒間乾燥,約0.4μmのポジ型フォトレジスト膜を作成し,それにArFエキシマレーザー(波長193nm,NA=0.6のISI社製ArFステッパー)で1/2ピッチのコンタクトホールパターン(マスクサイズ0.15ミクロン)により露光量を変化させながら露光した。露光後の加熱処理を120℃で90秒間行い,2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像,蒸留水でリンスし,レジストパターンプロファイルを得た。 このようにして得られたシリコンウエハーのレジストパターンを走査型顕微鏡で観察し,レジストを下記のように評価した。 【0179】 〔感度〕: 直径0.15μmのコンタクトホールを再現する最小露光量を感度とし,実施例1のレジスト露光量を1.0としたときの相対露光量を相対感度(他のレジストの露光量/実施例1の露光量)として表現した。 【0180】 〔疎密依存性〕: 0.15μmのコンタクトホール(密パターン ピッチ1/2)と孤立コンタクトホールパターン(疎パターン ピッチ1/10)において,それぞれ0.15μm±10%を許容する焦点深度の重なり範囲を求めた。この範囲が大きいほどが良好なことを示す。 〔エッチング時表面荒れ〕: 0.15μmのコンタクトホールパターンをCHF3/O2=8/2プラズマで60秒間エッチングを行い,得られたサンプルの断面,及び表面をSEMで観察し,ピンホール状の欠陥(非加工予定部位の下層がエッチングされてしまう)を生じるものを×,表面荒れは生じたが欠陥は生じず,但し,ホールの変形があるものを△,表面荒れが小さく,ホールの変形のない良好なものを○とした。 【0181】 【表3】 【0182】 表3の結果から明らかなように,本発明のポジ型レジスト組成物は,高感度であり,疎密依存性及びエッチング時の表面荒れが小さく,優れていることが判る。」 3 当審拒絶理由についての当審の判断 (1)本願発明について ア 引用例1を主引例としたときの進歩性の有無について (ア)対比 a 引用例1発明の「酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂」,「『露光により酸を発生』する『酸発生剤』」及び「化学増幅型レジスト組成物」は,本願発明の「(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂」,「(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物」及び「感光性組成物」にそれぞれ相当するから,引用例1発明の「化学増幅型レジスト組成物」と本願発明の「感光性組成物」は,「(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂と,(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感光性組成物」である点で共通する。 b(a) 引用例1発明における樹脂A4の左から一番目の構造単位は本願明細書に記載された実施例で用いている樹脂中の繰り返し単位Mと同一の構造単位であり,引用例1発明における樹脂A4の右から一番目の構造単位は本願明細書に記載された実施例で用いている樹脂中の繰り返し単位Jと同一の構造単位であるから,これらの繰り返し単位の脱保護率差M/J(本願発明の「酸分解率」の比に相当する。)を,本願明細書の【0342】の【表2】に示された「H/D=2.8」(実施例6),「H/N=2.3」(実施例11),「J/D=1.4」(実施例16)及び「M/N=2.5」(実施例20)という脱保護率差の値を用いて概算すると,約2.2(=2.8/2.3/1.4×2.5)程度と推察される。 したがって,引用例1発明の「樹脂A4」は,本願発明における「樹脂(A)」の「画像形成感度における酸分解率が互いに異なる酸分解基を有する2種以上の繰り返し単位を含み」という要件と,「少なくとも2種の繰り返し単位は,各々が有する酸分解基の画像形成感度における酸分解率において,一方の酸分解率が他方の酸分率の1.3倍以上の関係を有する」という要件を満足している。 (b) また,引用例1発明における「樹脂A4」の構造単位のうち,右から一番目の構造単位は,本願発明の一般式(AI-2)において,Xa_(1)をメチル基とし,Rx_(1)をエチル基(炭素数2の直鎖状のアルキル基)とし,Rx_(2)及びRx_(3)を単環のシクロアルキル基とした構造単位に該当するから,引用例1発明の「樹脂A4」と,本願発明の「樹脂(A)」とは,「酸分解基を有する2種以上の前記繰り返し単位のうち,少なくとも1種の繰り返し単位は,下記一般式(AI-2)で表される繰り返し単位である」点で共通する。 (c) さらに,引用例1発明における「樹脂A4」の構造単位のうち,左から3番目の構造単位は,本願発明の一般式(1)において,Rをメチル基(置換基を有していない炭素数1のアルキル基)とし,Aをエステル結合(【化4】の右側)とし,R_(0)をメチレン基(置換基を有していない炭素数1のアルキレン基)とし,Zをエステル結合とし,Lを (ラクトン構造を有する置換基)とし,nを1とした構造単位に該当するから,引用例1発明の「樹脂A4」は,本願発明における「樹脂(A)」の「一般式(1)により表される少なくとも1種の繰り返し単位を含み」という要件を満足している。 (d) 前記(a)ないし(c)によれば,引用例1発明と本願発明とは, 「樹脂(A)が,画像形成感度における酸分解率が互いに異なる酸分解基を有する2種以上の繰り返し単位を含み, 酸分解基を有する2種以上の前記繰り返し単位のうち,少なくとも1種の繰り返し単位は,下記一般式(AI-2)で表される繰り返し単位であるとともに, 更に,下記一般式(1)により表される少なくとも1種の繰り返し単位を含み, 樹脂(A)に含まれる繰り返し単位のうち,少なくとも2種の繰り返し単位は,各々が有する酸分解基の画像形成感度における酸分解率において,一方の酸分解率が他方の酸分率の1.3倍以上の関係を有する」 点で共通する。 c 引用例1発明は,本願発明がいうところの「化合物(B2)」を含有していないから,「下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物」,「下記樹脂A5,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物」及び「下記樹脂A6,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物」のいずれにも,該当しない。 したがって,引用例1発明と本願発明は,「但し,下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,下記樹脂A5,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,及び,下記樹脂A6,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物を除く。」である点で一致する。 d 前記aないしcによれば,本願発明と引用例1発明とは, 「(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂と,(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感光性組成物であって, 樹脂(A)が,画像形成感度における酸分解率が互いに異なる酸分解基を有する2種以上の繰り返し単位を含み, 酸分解基を有する2種以上の前記繰り返し単位のうち,少なくとも1種の繰り返し単位は,下記一般式(AI-2)で表される繰り返し単位であるとともに, 更に,下記一般式(1)により表される少なくとも1種の繰り返し単位を含み, 樹脂(A)に含まれる繰り返し単位のうち,少なくとも2種の繰り返し単位は,各々が有する酸分解基の画像形成感度における酸分解率において,一方の酸分解率が他方の酸分率の1.3倍以上の関係を有する感光性組成物。但し,下記樹脂A4,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,下記樹脂A5,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物,及び,下記樹脂A6,下記化合物(B1),下記化合物(B2),2,6-ジイソプロピルアニリン,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,2-ヘプタノン,プロピレングリコールモノメチルエーテル,及び,γ-ブチロラクトンを含有するレジスト組成物を除く。 【化2】 一般式(AI-2)中, Xa_(1)は,水素原子,メチル基,トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。 Tは,単結合を表す。 Rx_(1)は,直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。 Rx_(2)及びRx_(3)は,結合して,単環のシクロアルキル基を形成する。 【化3】 一般式(1)に於いて, Rは,水素原子,又は置換基を有してよいアルキル基を表す。 Aは, 【化4】 を表す。 R_(0)は,複数個ある場合にはそれぞれ独立に,置換基を有してよいアルキレン基,置換基を有してよい環状アルキレン基,又はその組み合わせを表す。 Zは,複数個ある場合にはそれぞれ独立に,エーテル結合,エステル結合,アミド結合,ウレタン結合,又はウレア結合を表す。 Lは,ラクトン構造を有する置換基を表す。 nは,繰り返し数であり,1?5の整数を表す。 【化5】 【化6】 」 である点で一致し,次の点で相違する。 相違点1: 本願発明は,「樹脂(A)」とは異なる(HR)疎水性樹脂を含有しているのに対して, 引用例1発明は,「樹脂A4」とは異なる疎水性樹脂を含有していない点。 相違点2: 本願発明では,「樹脂(A)」が,一般式(AI-1)で表される繰り返し単位を含むのに対して, 引用例1発明では,「樹脂A4」が,一般式(AI-1)で表される繰り返し単位を含んでいない点。 (イ)容易想到性について まず,相違点2の容易想到性について,検討する。 前記(2)ア及びイで摘記した記載によれば,引用例2には,(A)一般式(Ia)で表される繰り返し単位と一般式(Ib)で表される繰り返し単位を含有する樹脂,(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物,及び(C)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有するポジ型レジスト組成物とすると,高感度であり,疎密依存性が小さく,エッチング時の表面荒れが少ないものとすることができることが記載されていると認められるところ,引用例2に記載された実施例1ないし4,8,9,11,12,14,15ないし18の樹脂における一般式(Ib)で表される繰り返し単位は, であって,当該繰り返し単位は本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位に該当する。 しかしながら,引用例2に記載されたこれら実施例1ないし4,8,9,11,12,14,15ないし18が含有する各繰り返し単位と,引用例1発明の樹脂A4が含有する各構造単位とを比較すると,両者は,前述した一般式(Ib)で表される繰り返し単位である (引用例1発明は,当該繰り返し単位を含有していない。)以外にも,各繰り返し単位の多くが一致しないのであって,例え当業者といえども,引用例1発明の樹脂として,樹脂A4が含有する各構造単位のうち,左から三番目の構造単位と右から一番目の構造単位に加えて, という繰り返し単位をも含有する樹脂を採用することによって,高感度であり,疎密依存性が小さく,エッチング時の表面荒れが少ないものとすることができるという引用例2に記載されたような効果が得られると予想することが,容易であったということはできない。 また,そもそも,引用例2に記載された一般式(Ib)で表される繰り返し単位には,本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位以外の繰り返し単位も包含されるところ,このような一般式(Ib)で表される繰り返し単位の中から,特に,本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位のみを抽出し,引用例1発明において,樹脂として,樹脂A4が含有する各構造単位のうち,左から三番目の構造単位と右から一番目の構造単位に加えて,本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位をも含有する樹脂を採用することに,動機付けが存在するとも認められない。 そうすると,引用例1発明において,相違点2に係る本願発明の発明特定事項に相当する構成を具備させることは,例え当業者といえども,容易に想到し得たこととはいえないから,相違点1の容易想到性について検討するまでもなく,本願発明は,引用例1発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 イ 引用例3を主引例としたときの進歩性の有無について また,引用例3についても,本願発明の一般式(AI-2)で表される構造単位と,一般式(1)で表される構造単位とを含有する樹脂を用いた化学増幅型ポジ型レジスト組成物は記載されているものの,前記樹脂が,本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位を含有することは,記載も示唆もない。 そして,前記アで示したのと同様の理由によって,例え,引用例2の記載をもってしても,引用例3に記載された化学増幅型ポジ型レジスト組成物において,樹脂中に本願発明の一般式(AI-1)で表される構造単位を含有させることが,容易に想到し得たこととはいえないから,本願発明は,引用例3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものともいえなくなった。 (2)請求項2ないし12に係る発明の進歩性の有無について 本願の請求項2ないし12は,請求項1の記載を引用する形式で記載されているところ,請求項1に係る発明が,引用例1発明又は引用例3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえなくなった以上,請求項1に記載された発明特定事項を全て含み,さらに限定を付加したものに相当する請求項2ないし12に係る発明は,いずれも引用例1発明又は引用例3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 (3)小括 以上のとおりであるから,当審拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。 第5 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-07-19 |
出願番号 | 特願2009-140942(P2009-140942) |
審決分類 |
P
1
8・
16-
WY
(G03F)
P 1 8・ 121- WY (G03F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 倉本 勝利 |
特許庁審判長 |
西村 仁志 |
特許庁審判官 |
藤原 敬士 清水 康司 |
発明の名称 | 感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 |
代理人 | 堀内 美保子 |
代理人 | 佐藤 立志 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 砂川 克 |
代理人 | 岡田 貴志 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 河野 直樹 |