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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04R 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04R |
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管理番号 | 1317884 |
審判番号 | 不服2015-14604 |
総通号数 | 201 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-08-04 |
確定日 | 2016-08-12 |
事件の表示 | 特願2014- 93856「イヤホン」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月28日出願公開、特開2014-158299〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成18年1月12日に出願した特願2006-5412号の一部を平成21年3月6日に新たな出願とした特願2009-53594号の一部を平成25年2月8日にさらに新たな出願とした特願2013-23155号の一部を同年6月28日にさらに新たな出願とした特願2013-135957号の一部を平成26年4月30日にさらに新たな出願としたものであって、平成26年12月8日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成27年1月26日付けで手続補正がなされたが、同年6月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年8月4日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされたものである。 2.平成27年8月4日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成27年8月4日付けの手続補正を却下する。 [理 由] (1)補正後の本願発明 平成27年8月4日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 入力された電気信号を振動に変換するドライバユニットと、 前記ドライバユニットを内部に収納するハウジング部と、 前記ハウジング部の前方に配され、外耳道の形状に適合して変形することにより前記ドライバユニット及び前記ハウジング部を耳介に保持するイヤピースと、 前記ドライバユニットの後側から後方へ向かって延設するよう配され、前記ドライバユニットに前記電気信号を伝えるコードを保持し、前記ハウジング部に対する反対側に、後方端面が後方を向く後方端部を有するコード保持部と を備え、 使用者の耳介に装着された際に前記コード保持部の少なくとも前記後方端部は耳甲介腔外に配置される イヤホン。」 と補正された。 上記補正は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「コード保持部」について、その後方端部が「後方端面が後方を向く」ものであるとの限定を付加するものである。 よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かについて以下に検討する。 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-341784号公報(以下、「引用例」という。)には、「イヤホン」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。 ア.「【請求項1】 スピーカユニットと、 上記スピーカユニットを収納するとともに、上記スピーカユニットの前面側からの音を放音する開口部が形成されたハウジングと、 上記開口部を囲んで配設される弾性を有する耳介装着部材とを備え、 耳介への装着時に構成される鼓膜と上記スピーカユニットと上記耳介装着部材により囲まれる空間を、通気抵抗体を介してイヤホン外部に連通させるてなるイヤホン。」 イ.「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耳介に装着されて用いられるイヤホンに関し、特に、弾性を有する耳介装着部材を備えたイヤホンに関する。」 ウ.「【0013】本発明に係るイヤホンは、図1及び図2に示すように、スピーカユニット1と、このスピーカユニット1を収納するイヤホン本体を構成するハウジング2を備える。ハウジング2は、合成樹脂を成形して形成され、耳介の凹部に装着される大きさを有する略球状に形成されている。ハウジング2は、直径R1を9?11mmの大きさに形成されている。 【0014】ハウジング2に収納されるスピーカユニット1は、図2に示すように、振動板3とこの振動板3を駆動する磁気回路部4を有し、これら振動板3及び磁気回路部4を収納ケース5に収納して構成されている。収納ケース5は、磁気回路部4を収納する小径の磁気回路収納部5aとこの磁気回路収納部5aより大径の振動板収納部5bを備えている。磁気回路部4は、磁気回路収納部5aに固定して取り付けられ、振動板3は、外周部を振動板収納部5bに支持され、磁気回路部4に対し進退可能に取り付けられている。収納ケース5の振動板3と対向する前面側には、振動板3から放射される音を透過させる多数の小孔が穿設されている。 ・・・・・(中 略)・・・・・ 【0017】ハウジング2に収納されたスピーカユニット1の背面側から外部接続コード13が引き出されている。外部接続コード13は、図1に示すように、後部ハウジング半体7の背面側から垂下するように突設されたコード保持部14に挿通されてハウジング2の外方に引き出されている。コード保持部14は、本発明に係るイヤホンを耳介に装着したとき、耳介の一部に係合して外部接続コード13の引き出し方向を規制する。 【0018】前部ハウジング半体6の前面側の中央部には、耳介に装着したとき、耳介の凹部から外耳道に挿入される円筒状に形成された耳介挿入部15が一体に突設されている。耳介挿入部15に形成された開口部16は、スピーカユニット1の前面側から放射される音をイヤホンの外部に放音する放音部とされる。耳介挿入部15の先端側には、耳介挿入部15に形成された開口部16を囲むように、耳介装着部材17が取り付けられる。耳介装着部材17は、筒状に形成された耳介挿入部15への取付部18と、この取付部18の先端側から基端部側に向かって円弧状をなすように湾曲して折り返された弾性変位部19とを備える。耳介装着部材17は、取付部18の基端部側の内周囲に突設した係合突部20を耳介挿入部15の先端側の外周囲に設けた係合凹部21に係合させることにより、耳介挿入部15に着脱自在に取り付けられる。 【0019】耳介装着部材17は、耳介に装着したとき、耳介の凹部から外耳道に倣って容易に弾性変形して耳介の凹部から外耳道を密閉し得るように、ゴムや発泡ウレタンなどの弾性を有する材料により形成されている。なお、図1及び図2に示す耳介装着部材17は、耳介に装着したとき、弾性変位部19のみが耳介の凹部から外耳道に倣って弾性変形すれば耳介の凹部から外耳道を密閉し得るので、弾性変位部19のみを容易に弾性変形し得る材料で形成してもよい。また、耳介装着部材17を同一の材料で一体で形成した場合には、弾性変位部19を取付部18に比し薄肉として容易に弾性変形し得るように形成してもよい。」 エ.「【0022】上述したような耳介装着部材17を取り付けたイヤホンは、図2に示すように、耳介aに装着したとき、耳介装着部材17が耳介aの凹部bから外耳道cに倣って弾性変形して耳介aの凹部bから外耳道cを密閉するので、鼓膜dとスピーカユニット1と耳介装着部材17により囲まれた空間が密閉された空間21となる。・・・・・(以下、略)」 ・上記引用例に記載の「イヤホン」は、上記「イ.」の記載事項によれば、耳介に装着されて用いられる、弾性を有する耳介装着部材を備えたイヤホンに関するものであって、 より具体的には、上記「ア.」?「ウ.」の記載事項、及び図1、図2によれば、スピーカユニット1と、スピーカユニット1を収納するとともに、スピーカユニット1の前面側からの音を放音する開口部16が形成されたハウジング2と、開口部16を囲んで配設される弾性を有する耳介装着部材17とを備えたものである。 ・上記「ウ.」の段落【0013】の記載事項によれば、ハウジング2は、耳介の凹部に装着される大きさを有するものである。 ・上記「ウ.」の段落【0014】の記載事項、及び図2によれば、スピーカユニット1は、振動板3とこの振動板3を駆動する磁気回路部4とを有するものである。 ・上記「ウ.」の段落【0019】、「エ.」の記載事項、及び図2によれば、耳介装着部材17は、耳介aに装着したとき、耳介aの凹部bから外耳道cに倣って弾性変形して耳介aの凹部bから外耳道cを密閉し得るものである。 ・上記「ウ.」の段落【0017】の記載事項、及び図1、図2によれば、スピーカユニット1の背面側から後方へ向かって外部接続コード13が引き出され、外部接続コード13は、ハウジング2の背面側から垂下するように突設されたコード保持部14に挿通されてハウジング2の外方に引き出されてなるものである。 したがって、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「振動板とこの振動板を駆動する磁気回路部とを有するスピーカユニットと、 前記スピーカユニットを収納するとともに、前記スピーカユニットの前面側からの音を放音する開口部が形成され、耳介の凹部に装着される大きさを有するハウジングと、 前記開口部を囲んで配設され、耳介に装着したとき、耳介の凹部から外耳道に倣って弾性変形して耳介の凹部から外耳道を密閉し得る耳介装着部材と、 前記スピーカユニットの背面側から後方へ向かって引き出される外部接続コードを挿通し、前記ハウジングの背面側から垂下するように突設されて前記外部接続コードを前記ハウジングの外方に引き出すためのコード保持部と、 を備えた、耳介に装着されて用いられるイヤホン。」 (3)対比 そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、 ア.引用発明における「振動板とこの振動板を駆動する磁気回路部とを有するスピーカユニットと」によれば、 引用発明における「スピーカユニット」は、振動板やこの振動板を駆動する磁気回路部とを有するものであり、入力される電気信号を振動に変換するユニットであるといえるから、本願補正発明でいう「ドライバユニット」に相当し、 本願補正発明と引用発明とは、「入力された電気信号を振動に変換するドライバユニットと」を備えるものである点で一致する。 イ.引用発明における「前記スピーカユニットを収納するとともに、前記スピーカユニットの前面側からの音を放音する開口部が形成され、耳介の凹部に装着される大きさを有するハウジングと」によれば、 引用発明における、スピーカユニットを収納する「ハウジング」は、本願補正発明でいう「ハウジング部」に相当し、 本願補正発明と引用発明とは、「前記ドライバユニットを内部に収納するハウジング部と」を備えるものである点で一致する。 ウ.引用発明における「前記開口部を囲んで配設され、耳介に装着したとき、耳介の凹部から外耳道に倣って弾性変形して耳介の凹部から外耳道を密閉し得る耳介装着部材と」によれば、 引用発明における「耳介装着部材」は、スピーカユニットの前面側からの音を放音する開口部を囲んで配設されるものであるから、当然、ハウジングの前方に配設されてなるものであり、耳介に装着したときに、耳介の凹部から外耳道の形状に適合して弾性変形するものであることから、本願補正発明でいう「イヤピース」に相当するといえ、 そして、引用発明においてもイヤホンを耳介に装着した際、「耳介装着部材」が耳介の凹部から外耳道の形状に適合して弾性変形することにより当該イヤホン、すなわちスピーカユニットや当該スピーカユニットを収納するハウジング等は耳介に保持されるということができるから、 本願補正発明と引用発明とは、「前記ハウジング部の前方に配され、外耳道の形状に適合して変形することにより前記ドライバユニット及び前記ハウジング部を耳介に保持するイヤピースと」を備えるものである点で一致する。 エ.引用発明における「前記スピーカユニットの背面側から後方へ向かって引き出される外部接続コードを挿通し、前記ハウジングの背面側から垂下するように突設されて前記外部接続コードを前記ハウジングの外方に引き出すためのコード保持部と」によれば、 (a)引用発明における「外部接続コード」は、スピーカユニットに電気信号を伝えるためのものであることは自明であり、本願補正発明でいう「コード」に相当し、 引用発明の「外部接続コード」にあっても、スピーカユニットの背面側(後側)から後方へ向かって延設するように配されてなるものであるといえ、 (b)また、引用発明における「コード保持部」は、外部接続コードを挿通することにより保持してなるものであるから、本願補正発明における「コード保持部」に対応するものであり、 引用発明の「コード保持部」にあっても、当然、使用者の耳介に装着された際に少なくともその一部(特に)は耳甲介腔外に配置されるということができる。 したがって、本願補正発明と引用発明とは、「前記ドライバユニットの後側から後方へ向かって延設するよう配され、前記ドライバユニットに前記電気信号を伝えるコードを保持するコード保持部と」を備え、「使用者の耳介に装着された際に前記コード保持部の少なくとも一部は耳甲介腔外に配置される」ものである点では共通するといえる。 ただし、本願補正発明では、コード保持部について「前記ハウジング部に対する反対側に、後方端面が後方を向く後方端部」を有し、耳介に装着された際に少なくとも「前記後方端部」が耳甲介腔外に配置されると特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない点で相違している。 オ.そして、引用発明における、耳介に装着されて用いられる「イヤホン」は、本願補正発明における「イヤホン」に相当するものである。 よって、本願補正発明と引用発明とは、 「入力された電気信号を振動に変換するドライバユニットと、 前記ドライバユニットを内部に収納するハウジング部と、 前記ハウジング部の前方に配され、外耳道の形状に適合して変形することにより前記ドライバユニット及び前記ハウジング部を耳介に保持するイヤピースと、 前記ドライバユニットの後側から後方へ向かって延設するよう配され、前記ドライバユニットに前記電気信号を伝えるコードを保持するコード保持部と を備え、 使用者の耳介に装着された際に前記コード保持部の少なくとも一部は耳甲介腔外に配置される イヤホン。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] コード保持部について、本願補正発明では、「前記ハウジング部に対する反対側に、後方端面が後方を向く後方端部」を有し、耳介に装着された際に耳甲介腔外に配置される少なくとも一部が「前記後方端部」である旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない点。 (4)判断 上記相違点について検討する。 コード保持部における、本願補正発明でいう「後方端面が後方を向く後方端部」というのは、本願明細書及び図面も参照するに、保持しているコードが引き出される端部のことを意味するわけではなく、コードが引き出される部分(端部)とは直接関係しない部分であってもよいと解されるところ、 例えば原査定において提示された特開2002-27078号公報(図2、図4を参照)や、さらには特開2003-125476号公報(図1、図3を参照)、特開平1-117598号公報(特に第8図を参照)、実願昭59-188696号(実開昭61-104694号)のマイクロフィルム(特に7頁6?15行、第1図、第2図を参照)に見られるように、ハウジング部に対する反対側に、耳介に装着された際に耳甲介腔外に配置される後方端部を有するコード保持部は周知のものであり、引用発明においてもコード保持部として、ハウジングに対する反対側に後方端部を有し、耳介に装着された際に少なくとも当該後方端部が耳甲介腔外に配置されるような構成のものとすることは当業者が適宜なし得ることであり、またその際、上記特開2003-125476号公報、上記特開平1-117598号公報、上記実願昭59-188696号(実開昭61-104694号)のマイクロフィルムに示されるもののように、後方端部が「後方端面が後方を向く」形状のものとすることも当業者にとって設計的事項にすぎない。 なお、本願補正発明が奏する効果について、 (a)請求人は審判請求書において、明細書の段落【0021】の「・・ユーザがイヤホンを耳に装着した際、ハウジングを耳珠に接触させることなく、従来に比してハウジングの幅を拡げられることが可能になることに伴い、ハウジングに収納されているドライバユニット内にある振動板の口径を拡げ、ユーザに対して装着性が良い状態で、高音質な音を聴取させることができ、かくして装着感が良く、且つ良好な音質の音声を提供し得るイヤホンを実現することができる。」との記載から、本願補正発明では「『ユーザに対して装着性が良い状態で、高音質な音を聴取させることができる』といった格別な作用効果を奏し得る」と主張している。しかしながら、かかる作用効果は、ハウジングの前面側に突出している音導管がハウジングの中心線を基準として所定のオフセット量だけオフセットされ、且つ音導管先端がハウジングの中心線から離れる方向に向けられている構成を有することによって得られるものである(明細書の段落【0038】?【0058】を参照)といえ、このような構成を発明特定事項として全く有していない本願補正発明にあっては上記のような効果を奏するとは認められないから、請求人の主張は採用できない。 (b)また、請求人は審判請求書において「ユーザがコード保持部を容易に摘むことができ、イヤホンを容易に着脱することができるといった格別な作用効果を奏する」と主張しているが、本願請求項1には、コード保持部(特にその後方端部)の大きさ(サイズ)や形状について指先で摘むことができるものであることを把握することができるような特定はなされておらず(したがって、本願補正発明には例えば、耳介に装着した際にコード保持部の全てが耳甲介腔外に配置されていても、ハウジング部の背面から後方へ向かって延びる部分の長さが短く、指先で摘むことができるだけの長さが無いようなものも含まれる)、この点において請求人の主張は、必ずしも本願請求項1の記載に基づくものではなく採用できない。 (5)むすび 以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について 平成27年8月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年1月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】 入力された電気信号を振動に変換するドライバユニットと、 前記ドライバユニットを内部に収納するハウジング部と、 前記ハウジング部の前方に配され、外耳道の形状に適合して変形することにより前記ドライバユニット及び前記ハウジング部を耳介に保持するイヤピースと、 前記ドライバユニットの後側から後方へ向かって延設するよう配され、前記ドライバユニットに前記電気信号を伝えるコードを保持し前記ハウジング部に対する反対側に後方端部を有するコード保持部と、 を備え、 使用者の耳介に装着された際に前記コード保持部の少なくとも前記後方端部は耳甲介腔外に配置される イヤホン。」 (1)引用例 原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明の発明特定事項であるコード保持部」について、その後方端部が「後方端面が後方を向く」ものであるとの限定を省いたものに相当する。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に他の限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が前記「2.(4)」に記載したとおり、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-05-31 |
結審通知日 | 2016-06-14 |
審決日 | 2016-06-27 |
出願番号 | 特願2014-93856(P2014-93856) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04R)
P 1 8・ 575- Z (H04R) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 菊池 充 |
特許庁審判長 |
森川 幸俊 |
特許庁審判官 |
酒井 朋広 井上 信一 |
発明の名称 | イヤホン |
代理人 | 田辺 恵基 |