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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1319916
審判番号 不服2015-13941  
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-24 
確定日 2016-10-18 
事件の表示 特願2014-512098「オンラインビデオに関連する情報の決定」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月29日国際公開、WO2012/162475、平成26年 8月 7日国内公表、特表2014-519277、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、2012年(平成24年)5月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年5月25日、中国、2012年5月23日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成26年3月18日付けで手続補正がなされ、平成26年12月2日(起案日)付けで拒絶の理由が通知され、それに応答して平成27年3月2日付けで手続補正がなされたが、平成27年3月23日(起案日)付けで拒絶査定がなされた。
これに対し、平成27年7月24日に拒絶査定不服審判が請求されるととともに、同時に手続補正がなされたものである。

第2.平成27年7月24日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
本件補正は、独立請求項1,13,21について、次のように補正するものである(アンダーラインは補正箇所)。

(補正前)
【請求項1】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するためのシステムであって、
プロセッサであって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームにおけるトリガポイントに関するユーザ選択を受信し、前記トリガポイントは、選択された時に前記ビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記特徴フレームは、少なくとも前記トリガポイントに関連付けられている前記ビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させ、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出し、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行し、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を提供するよう構成されているメモリと、
を備える、システム。

【請求項13】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するための方法であって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームにおけるトリガポイントに関するユーザ選択を受信し、前記トリガポイントは、選択された時に前記ビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記特徴フレームは、少なくとも前記トリガポイントに関連付けられている前記ビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させ、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出し、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行し、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示すること、
を備える、方法。

【請求項21】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するためのコンピュータプログラムであって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームにおけるトリガポイントに関する選択を受信するための機能と、前記トリガポイントは、選択された時に前記ビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記特徴フレームは、少なくとも1つのトリガポイントに関連付けられている前記ビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させるための機能と、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出すための機能と、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行するための機能と、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示するための機能と、
をコンピュータによって実現させるコンピュータプログラム。

(補正後)
【請求項1】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するためのシステムであって、
プロセッサであって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに埋め込まれているトリガポイントに関するユーザ選択を受信し、前記トリガポイントは、選択された時に前記ストリーミングビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記トリガポイントは、前記ストリーミングビデオ内に表示される商品に関連付けられるように前記特徴フレームに埋め込まれており、前記特徴フレームは、少なくとも前記トリガポイントに関連付けられている前記ストリーミングビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させ、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出し、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行し、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を提供するよう構成されているメモリと、
を備える、システム。

【請求項13】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するための方法であって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに埋め込まれているトリガポイントに関するユーザ選択を受信し、前記トリガポイントは、選択された時に前記ストリーミングビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記トリガポイントは、前記ストリーミングビデオ内に表示される商品に関連付けられるように前記特徴フレームに埋め込まれており、前記特徴フレームは、少なくとも前記トリガポイントに関連付けられている前記ストリーミングビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させ、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出し、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行し、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示すること、
を備える、方法。

【請求項21】
ストリーミングビデオに関連する情報を決定するためのコンピュータプログラムであって、
前記ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに埋め込まれているトリガポイントに関する選択を受信するための機能と、前記トリガポイントは、選択された時に前記ストリーミングビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記トリガポイントは、前記ストリーミングビデオ内に表示される商品に関連付けられるように前記特徴フレームに埋め込まれており、前記特徴フレームは、少なくとも1つのトリガポイントに関連付けられている前記ストリーミングビデオ内のフレームを含み、
前記トリガポイントに関連付けられている前記ユーザ選択に応答して、
前記ストリーミングビデオを一時停止させるための機能と、
前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出すための機能と、
特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行するための機能と、
前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示するための機能と、
をコンピュータによって実現させるコンピュータプログラム。

本件補正は、以下に示す補正事項を有している。

(1)補正事項1
独立請求項1,13,21において、「特徴フレームにおけるトリガポイント」を「特徴フレームに埋め込まれているトリガポイント」とする補正。

(2)補正事項2
独立請求項1,13,21において、「前記ビデオ」を「前記ストリーミングビデオ」とする補正。

(3)補正事項3
独立請求項1,13,21において、「前記トリガポイントは、前記ストリーミングビデオ内に表示される商品に関連付けられるように前記特徴フレームに埋め込まれており、」を追加する補正。

2.補正の適否の判断
(1)補正の目的、範囲及び単一性について
本件補正の補正事項1及び補正事項3は、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項である「トリガポイント」についての態様の限定を付加するものあって、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
本件補正の補正事項2は、請求項において「前記ビデオ」という記載の前段に「ビデオ」という記載はなく、「ストリーミングビデオ」という記載があるのみであるから、誤記の訂正を目的とするものであることは明らかであり、特許法第17条の2第5項第3号に該当する。

本件補正の補正事項1及び3は、願書に最初に添付した明細書の段落0018,0021ないし0023の記載に基づくものであり、本件補正の補正事項2は、願書に最初に添付した明細書の記載に基づくものであることは明かである。よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定される願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。

上記各補正事項は、特許請求項の範囲の減縮、又は誤記の訂正を目的とする補正であり、補正前の各発明と補正後の各発明とは、特許法第17条の2第4項に規定される発明の単一性の要件に適合するものである。

よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第5項に違反するところはない。

(2)独立特許要件について
以上のように、本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含むものであるから、本件補正後の請求項1ないし21(補正された独立請求項1,13,21、請求項1を引用する請求項2ないし12、及び、請求項13を引用する請求項14ないし20)に記載された発明(以下、本件補正後の各請求項に記載された発明を、それぞれ、「補正発明1」、「補正発明2」、・・・などという。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(2-1)補正発明1について
ア.引用文献の記載事項
(ア)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2010-200170号公報には、「画像情報提供システム、画像情報提供方法、および画像情報提供プログラム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

【0015】
本実施形態である画像情報提供システムは、図1に示すように、テレビ番組映像を配信する基地局5と、基地局5から送られたテレビ映像情報を記憶保持するデータベースサーバ(番組映像記憶装置)1と、データベースサーバ1に記憶されたテレビ映像情報から、ネットワークを介して送り込まれたリクエストに応じて画像情報(画像フレーム)を取得するサーバ(映像物特定装置)2と、テレビ映像情報に含まれる映像物に対応して記憶された映像物情報を記憶するデータベース(映像物情報記憶装置)3と、基地局5から放送されたテレビ映像情報を出力表示すると共に、サーバ2に対して映像物情報の要求(リクエスト)を行うインターネット接続可能なテレビ映像受信端末4を備えた構成となっている。
【0016】
これにより、ユーザは、テレビ映像受信端末4を利用して、番組閲覧中に選択指定した任意の映像物にかかる情報(オブジェクト情報)を取得することができる。

【0018】
尚、データベースサーバ1、サーバ2、データベースサーバ3、およびテレビ映像受信端末4はそれぞれ、ハードディスクドライブ(HD)、DVD-RAMなどの大容量記録媒体、およびRAM、およびROMと、CPU(Central Processing Unit)などのいわゆる中央処理演算装置とを備え、この中央演算処理装置が予め設定されたプログラムに基づく処理を行うことにより、各種動作機能を実現する。

【0022】
また、サーバ2は、テレビ映像受信端末4から受信した年月日情報、時間情報、チャンネル情報に基づき、データベースサーバ1から該当する番組の該当する時間帯のフレーム画像(以下「フレーム」という)を取得するフレーム画像特定取得機能を備えている。
尚、このフレームとは映像(動画)を構成するフレーム画像群を示し、30フレームで1秒分の動画が構成されているものとする。また、サーバ2からデータベースサーバ1に対する一度の要求に対して取得するフレーム数は、デフォルトで、時間情報±1.5秒分の計3秒、90フレームとする。
【0023】
更に、サーバ2は、テレビ映像受信端末4から受信した位置時間情報に基づきデータベースサーバ1から取得したフレームのトリミングを行いフレーム画像の一部を切り出す画像切出し機能を有する。
これにより、比較する画像の範囲を切り出された画像の範囲内に限定することができ、画像識別やオブジェクト抽出の精度を向上させると共に、処理を迅速化することができる。
【0024】
尚、本実施形態のサーバ2では、図4に示すように、テレビ映像受信装置4から受信した位置情報(X値,Y値)を基点に、X方向に±0.15、Y方向に±0.1の領域で上記画像切出し機能を実施するものとする。このトリミング操作は取得した全フレームそれぞれで実行されるものとする。

【0026】
また、サーバ2は、候補として保存されたフレームのトリミング前のフレームを取得し、背景とオブジェクトの判別を行い、トリミング範囲(位置情報を基点としたX±0.15かつY±0.1の画像)内に含まれるオブジェクトを候補オブジェクトとして抽出する候補オブジェクト抽出機能を備えている。

【0029】
また、サーバ2は、テレビ映像受信端末4から受信したオブジェクト指定の行われた年月日情報、時間情報(時刻情報)、チャンネル情報をキーとした番組割り出し要求をデータベースサーバ3に送信する番組割出要求送信機能を有する。
【0030】
更に、サーバ2は、データベースサーバ3から送り込まれた照合結果(オブジェクト候補リスト)を、リクエスト結果としてテレビ映像受信端末4に対して送信するリクエスト結果送信機能を備えている。
【0031】
これにより、番組閲覧中のユーザは、インターネット接続可能なテレビ映像受信端末を利用して、テレビ画面に表示された任意のオブジェクト(映像物)を選択指定し、サーバ側で選択指定されたオブジェクトに係るオブジェクト情報を特定して、このオブジェクト情報をテレビ画面に出力表示させることができる。

【0040】
テレビ映像受信端末4は、インターフェイス上に表示されたテレビ番組映像中における映像物(以下「オブジェクト」という)が指定された場合に、指定された時点の年月日情報、時間情報、チャンネル情報と、画面上における指定部位を示す位置情報を含む位置時間情報がオブジェクト要求として、インターネットを介してサーバ2に送信する。

(イ)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2である特開平7-321748号公報には、「ビデオ・オン・デマンド・システム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

【0010】図1の詳細について説明すると、まずVODシステムのセンタ側(例えばCATV事業者)の構成要素は、自主番組を作成し送出するスタジオ設備101、衛星放送(例えば、移動撮影車、NHKのBS、CS、香港のスターライトネットワーク等)を受信する放送受信設備102、センタの館内電話を扱う電話交換機103、動画の取り扱いを行なう動画入力システム10、動画サーバ11とその動画サーバにLAN接続され、動画の引き出しや加工といった分散オーサリングをするワークステーション(WS)104、コンピュータグラフィックス(CG)用のグラフィックワークステーション(GWS)105並びにこれら(10、11、101?105)の外部との通信制御を行なうマルチメディア統合化ノード12、通信状況を監視する監視システム106から成る。この統合化ノード12により通信業者がサポートする広域ネットワーク110(ATM、SDIあるいはISDN)と接続され、外部機関のCM提供機関システム112や電子ショッピングに必要とする流通機関システム113、金融機関システム114と接続され、各種機関の相互間や、各種機関と視聴者宅との相互間で必要とするデータのやりとりを行なう。更に、視聴者側では、ネットワークの終端装置115を介してインタラクティブTV116、パーソナルコンピュータ117、電話118と接続される。

【0012】 ・・・(中略)・・・ このとき、番組映像とその番組中に対応するCMとの対応関係は、ビデオサ-バ11の管理テーブルにて管理される。
【0013】この管理テーブルの構成(メモリマップ)例を図3に示す。まず、番組1番の格納先(ディスクアレイ23、MOディスクライブラリ24の割付け)アドレスを示すアドレス(ヘッダー)情報は31にストアされ、その番組中で関連するCM(衣裳協力、美術協力等のスポンサーCM)とホームショッピング画面の格納先を示すアドレス情報は32、33にストアされる。さらに、番組p番は同様に34、35、36に番組のアドレス、CMのアドレス、ホームショッピング画面のアドレスを登録しておく。
【0014】さらに、番組映像の1フレーム(1画面のことをフレームと呼び、TVでは1秒間に30フレームからなっている)のCM対象物とそのCM種別との対応をつける関連テーブルの構成(メモリマップ)の例を図4に示す。まず、フレーム1番310の一つあるいは複数の表示物でCM可能なもの、即ち詳細情報をながすことができるものを指定するため、TV画面上での4隅の座標位置をエリア311、313を登録しておき、この領域311、313内で関連する複数のCM種別をエリア311、312、314に登録しておく。同様にフレームn番315内でCM可能な一つあるいは複数の表示物の4隅の座標位置をエリア316に登録し、関連するCM種別をエリア317に登録しておく。

【0026】以上の図1?9の構成、処理により実現されるインタラクティブTVシステム(インタラクティブTV116、パソコン117)を図10を用いて説明する。まず画面91は、CATVでVODの映画番組や映画ビデオ等の番組の選択画面例である。これは、予め図1のセンタから番組メニューの映像データが、ビデオサーバ11からネットワーク110を経由してインタラクティブTVシステムのメモリ45へ配信/蓄積されており、これをフレームメモリ41を介してTV116へ画面出力することにより選択画面が表示される。ここでドラマの部分をマウスで指定する(ビットマップ41上の座標位置算出)と、制御部44より宛先指定(インタラクティブTV116の機器ID番号)情報ならびに指定番組番号(ビットマップ41上の座標位置算出結果)がセンタへ送信される。これらの情報によりセンタは図3で説明したアドレステーブル(31、310、311、32、320、321)を基に番組映像データ並びにその番組に関連するCM映像データ、ホームショピング映像データをディスクアレイ23、ディスクライブラリ24より抽出し、ビデオサーバ11により送付先インタラクティブTVシステムに映像データ伝送する。これらの映像データは、インタラクティブTVシステムのメモリ45に図8と同様の処理でデ-タ圧縮蓄積され、そして図9と同様の処理でドラマの放映(画面92)がインタラクティブTV116にされる。さらにメモリ45には番組映像とその番組映像と一緒に転送されてきた関連CM映像、ホームショピング映像との管理テーブル(図3と同様な構造の管理テ-ブル)もセンタからコピーして送られ、インタラクティブTVシステムのメモリ45にあったアドレスを入れて構築する。このとき繰り返しになるが番組並びに関連するCM映像デ-タ、ホ-ムショピング映像の全てがインタラクティブTVシステムのメモリ45にデ-タ圧縮蓄積されている。

【0028】この表示画面92上のドラマで出演者の洋服(ジャケット)が気に入り、その詳細を知るために、その洋服をマウスで指定する。ここで、動画上でマウスで指定された箇所/場所(洋服)を検出する方法について説明する。インタラクティブTV116へ動画出力するためには図5のフレームメモリ41を経由して行なう。このとき、フレームメモリ41の一枚々について見れば、動画ではなく静止画である。そのため、この静止画におけるマウスの指定位置は一般に行なわれているフレームメモリ41のビットマップ座標位置として検出される。そこで、図4に示すと同様の管理テーブルにより、表示フレーム(例えばフレーム310)内でマウスにより指定された座標位置がどのCM対象物領域かを判定する。これにより、この時のCM対象をテーブルから参照する。例えば洋服の位置が指されると、図4の311の座標であり、CM種別111:ジャケット、CM種別112:ネクタイ、CM種別113:ズボンが指定されており、その指定により洋服のCM(説明)画面93にかわる。これは、図4の管理テーブルと同様な管理テーブルでその映像が蓄積されたメモリ45のアドレスを得てメモリ45よりCM映像データを、図9と同様の処理によりインタラクティブTV116へ動画出力する。この時、CMはドラマの画面とは別にドラマを中断して流し(表示フレームメモリ41全域のビットマップデータをCMデータに置き換え)ても構わないし、元のドラマの一部分にウインドウ表示(表示フレームメモリ41の一部領域のビットマップデータをCMデータに置き換え)させてもいい。このことにより、CMでは出演者の洋服のジャケット、ネクタイ、ズボンの説明を画面93で行う。この画面93でジャケットを選択すると、ジャケットを選択したことにより、ジャケット柄の選択画面94となる。これは、前述のマウス選択の検出とCM映像再生と同様の処理により行なわれる。ここで、このジャケットを自分が着るとどういった感じになるかのシミュレーション95(画面上のジャケットに自分の顔、体型を当てはめる)を行なう。このシミュレーションは、図6、7の処理による自分の容姿の蓄積/再生により行なわれる。

(ウ)同じく、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3である特開2008-116970号公報には、「画像表示方法および画像表示用プログラム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

【0012】
新聞紙面を閲覧する場合のWebブラウザ12とWebサーバ10との間の通信のやり取りを図3に示す。閲覧者がWebブラウザ12からWebサーバ10に○月○日付の○○新聞の○刊(朝刊または夕刊)を閲覧する旨の指示をすると、該当する内容のHTMLを要求する指示が出される(S1)。Webサーバ10はこの要求を受けて、図4に示す、分割画像データを当てはめる6×6個のセルを設定する<DIV>タグ、および、どの分割画像をどのセルに当てはめてブラウザ上のどの位置に表示するかを算出するためのJavaScriptを含んだHTMLをWebブラウザに返す(S2)。なお、6×6個のセルには、図4に示すように、「canvas0000」?「canvas0505」の名前が付けられている。「canvas」に続く4桁の数字のうち、最初の2桁はブロック内でのセルのX軸方向の番地(00?05)を示し、それに続く残りの2桁はブロック内でのセルのY軸方向の番地(00?05)を示す。
【0013】
Webブラウザ12は、HTMLを受け取ると、該HTMLに記述されているJavaScriptに基づき、各セルにどの分割画像を当てはめるかおよび各セルに当てはめられた分割画像をブラウザ12上のどの位置に表示するかを算出する。そして、算出された分割画像がWebブラウザ12に既にダウンロードされてキャッシュメモリに保存されている分割画像であるかどうかを判断し、既に保存されている分割画像については、それを読み出して該当するセルに当てはめる。また、Webブラウザ12に保存されていない分割画像については、Webサーバ10に対し該当する分割画像を要求する(S3)。Webサーバ10は該要求に応じて、該当する分割画像データを送信する(S4)。Webブラウザ12は該分割画像データを受け取り、該当するセルに当てはめる。このようにして、6×6個のセルに分割画像がそれぞれ当てはめられて(関連づけられて)、前記算出された位置にそれぞれ表示される(S5)。これにより、Webブラウザ12の表示領域全体に、分割画像がつなぎ目なく表示されて、新聞紙面の画像が表示される。表示の一例を図5に示す(図5においてセルの境界線は仮想的に示したもので、実際の画面では表示されない。)。なお、閲覧開始当初は初期画面として、Webブラウザ12から閲覧の指示をした新聞の第1ページの所定倍率(紙面の記事全体が見渡せるように比較的低い倍率)の分割画像をWebブラウザ12がWebサーバ10に要求して表示するように、Webサーバ10から送信するHTMLが記述されている。

イ.引用発明及び技術事項
(ア)引用文献1に記載される発明
上記ア(ア)の記載によれば、引用文献1には、インターネット接続可能なテレビ映像受信端末において、テレビ画面に表示されるネットワークを介して配信されるテレビ番組映像の任意のオブジェクト(映像物)を選択指定すると、年月日情報、時間情報、チャンネル情報、位置情報がオブジェクト要求としてサーバに送信され、サーバ側で、選択指定されたオブジェクトに係るオブジェクト情報を特定して、テレビ画面に出力表示させる技術が記載されており、テレビ映像受信端末は、RAM、ROM、CPUを備え、CPUがプログラムに基づく処理を行うことで各機能を実現するものであることが記載されている。

よって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明1)
インターネット接続可能なテレビ映像受信端末であって、
RAM、ROM、CPUを備え、
プログラムに基づく処理を行うことで各機能を実現するCPUであって、
テレビ画面に表示されるネットワークを介して配信されるテレビ番組映像の任意のオブジェクト(映像物)の選択指定を受け、
年月日情報、時間情報、チャンネル情報、位置情報をオブジェクト要求としてサーバに送信し、
サーバ側で選択指定されたオブジェクトに係るオブジェクト情報を特定し、特定されたオブジェクト情報をテレビ画面に出力表示させる機能を実現するCPU
を備えたテレビ映像受信端末。

(イ)引用文献2に記載される技術事項
上記ア(イ)の記載によれば、引用文献2には、センタからインタラクティブTVシステム(インタラクティブTV、パソコン)へ映像データを配信するビデオ・オン・デマンド(VOD)システムにおいて、インタラクティブTVシステムの画面に表示される番組メニューで番組を選択すると、センタから、番組映像データ、番組に関連するCM映像データ、ホームショッピング映像データ、番組映像と対応するCM映像、ホームショッピング映像との対応関係を示す管理テーブルがインタラクティブTVシステムにデータ伝送され、それらのデータはインタラクティブTVシステムのメモリにデータ圧縮蓄積され、インタラクティブTVに再生され、表示画面で洋服(ジャケット)をマウスで指定すると、管理テーブルにより、マウスにより指定された座標位置がどのCM対象物領域かを判定し、対応するCM映像データを、番組を中断して番組と置き換えて表示する(フレームメモリ全域のビットマップデータをCMデータに置き換える)か、又は番組の一部分に表示する(フレームメモリ一部領域のビットマップデータをCMデータに置き換える)技術が記載されている。

(ウ)引用文献3に記載される技術事項
上記ア(ウ)の記載によれば、引用文献3には、Webサーバから分割画像データをWebブラウザに送信する際に、分割画像データを<DIV>タグで設定する技術が記載されている。

ウ.対比
上記「1.補正の内容」の(補正後)の請求項1に示した補正発明1と、上記イ(ア)に示した引用発明1とを対比する。

引用発明1の「ネットワークを介して配信されるテレビ番組映像」は、補正発明1の「ストリーミングビデオ」とは、ストリーミング形式で配信されるものであるとは特定されていない点で相違するが、『配信されるビデオ』である点で一致するものである。
そして、引用発明1のテレビ映像受信端末は、『配信されるビデオ』の任意のオブジェクト(映像物)の選択指定を受けて、選択指定されたオブジェクトに係るオブジェクト情報をテレビ画面に出力表示させる機能を有するものであるから、補正発明1とは「配信されるビデオに関連する情報を決定するためのシステム」という点で一致する。
また、引用発明1において、CPUが実行するプログラムは、CPUに接続されたメモリ(RAM、ROM)から提供されることは技術常識である。

以上の事項を踏まえると、補正発明1と引用発明1との[一致点]及び[相違点]は以下のとおりである。

[一致点]
配信されるビデオに関連する情報を決定するためのシステムであって、
プロセッサであって、
前記配信されるビデオのオブジェクトに関するユーザ選択を受信し、
前記オブジェクトに関する前記ユーザ選択に応答して、
前記オブジェクトに係るオブジェクト情報を特定し、
前記オブジェクト情報を提示するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を提供するよう構成されているメモリと、
を備える、システム。

[相違点1]
『配信されるビデオ』が、補正発明1では、「ストリーミングビデオ」であるのに対し、引用発明1では、ストリーミング形式で配信されるものであるとは特定されていない点。

[相違点2]
『配信されるビデオのオブジェクト』が、補正発明1では、「ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに埋め込まれているトリガポイント」であり、「前記トリガポイントは、選択された時に前記ストリーミングビデオの上に情報を表示させるよう構成された選択可能な要素を含み、前記トリガポイントは、前記ストリーミングビデオ内に表示される商品に関連付けられるように前記特徴フレームに埋め込まれており、前記特徴フレームは、少なくとも前記トリガポイントに関連付けられている前記ストリーミングビデオ内のフレームを含」むものであるのに対し、引用発明1では、そのようなものではない点。

[相違点3]
補正発明1は、ユーザ選択に応答して、「前記ストリーミングビデオを一時停止させ」るものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。

[相違点4]
『オブジェクトに係るオブジェクト情報を特定』することに関し、補正発明1は、「前記トリガポイントに関連付けられている事前設定されたメタデータのセットを取り出し、特定のソースにおいて、前記一時停止されたストリーミングビデオに関連する一時停止されているスクリーンを用いて画像ベース検索を実行することにより1または複数の検索結果を取得するために、前記トリガポイントに関連付けられている前記事前設定されたメタデータセットに含まれているコンピュータコードを実行」するものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。

[相違点5]
『オブジェクト情報を提示する』ことに関し、補正発明1は、「前記1または複数の検索結果を含むポップアップレイヤを提示する」ものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。

ウ.判断
上記相違点について検討する。

[相違点1について]
ネットワークを介してビデオを配信する技術において、ビデオをストリーミング形式で配信することは周知の技術であり、『配信するビデオ』を相違点1に係る「ストリーミングビデオ」とすることは、当業者が容易になし得ることである。

[相違点2について]
上記イ(イ)及び(ウ)に示したように、引用文献2及び引用文献3には、ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに、ビデオの映像とは別のトリガポイントを埋め込み、そのトリガポイントにストリーミングビデオ内に表示される商品が関連付けられるという技術思想は、開示も示唆もされていない。
よって、相違点2は、引用発明1、引用文献2及び引用文献3に記載される技術から、当業者が容易になし得るものではない。

さらに、前置報告において追加提示された引用文献4(特開平10-257455号公報)及び引用文献5(特開2003-259336号公報)について検討すると、引用文献4には、段落0019?0022,0050,0051に、TVの画面に表示されている映像に関連したWWWサイトのURLをエンコードした信号がビデオ信号のVBIに重畳されており、マウスのボタンのクリックやリモコンのアクセス用キーの操作によりWWWサイトにアクセスするTVにおいて、ディスプレイの画面にURL情報が伝送されていることを示すポインターを表示する技術が記載されている。
また、引用文献5には、段落0021?0024,0048,0122,0123,0130,0131に、映像プログラムの各シーンの有意の画像オブジェクトについて、仮想的な画面上に画像オブジェクトの領域と同じ領域をインデックスオブジェクトとして設定し、インデックスオブジェクトが設定された画像オブジェクトに副情報(サブコンテンツ)を付加し、視聴者がリモートコマンダの操作により映像オブジェクトをポインティングすると、副情報をオンスクリーン表示する技術が記載されている。
しかしながら、これらの技術は、ストリーミングビデオに関連する特徴フレームに、ビデオの映像とは別のトリガポイントを埋め込み、そのトリガポイントにストリーミングビデオ内に表示される商品が関連付けられるという技術ではなく、引用文献4及び引用文献5に記載される技術から、相違点2に係る構成を導き出すことは、当業者が容易になし得るものではない。

[相違点3について]
引用文献2には、上記イ(イ)に示したように、インタラクティブTVシステムの表示画面で洋服(ジャケット)をマウスで指定すると、対応するCM映像データを、番組を中断して番組と置き換えて表示する技術が記載されており、引用発明1において、オブジェクトの選択に応答して、オブジェクト情報を表示する際に、配信されるテレビ番組映像を一時停止させ、相違点2に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到し得ることといえる。

[相違点4について]
上記イ(イ)及び(ウ)に示したように、引用文献2及び引用文献3には、オブジェクトに関連する情報をメタデータに記述し、メタデータ内のコンピュータコードに基づき、一時停止されたスクリーンを用いた画像ベース検索を実行するという技術思想は、開示も示唆もされていない。
よって、相違点4は、引用発明1、引用文献2及び引用文献3に記載される技術から、当業者が容易になし得るものではない。

さらに、前置報告において追加提示された引用文献4及び引用文献5ついて検討すると、上記[相違点2について]において認定したように、引用文献4及び引用文献5には、オブジェクトに関連する情報をメタデータに記述し、メタデータ内のコンピュータコードに基づき、一時停止されたスクリーンを用いた画像ベース検索を実行するという技術は記載されておらず、引用文献4及び引用文献5に記載される技術から、相違点4に係る構成を導き出すことは、当業者が容易になし得るものではない。

[相違点5について]
引用文献2には、上記イ(イ)に示したように、インタラクティブTVシステムの表示画面で洋服(ジャケット)をマウスで指定すると、対応するCM映像データを、番組の一部分に表示する技術が記載されており、引用発明1において、オブジェクトの選択に応答して、オブジェクト情報を表示する際に、画面の一部分にポップアップの形態でオブジェクト情報(検索した結果)を表示することとし、相違点5に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到し得ることといえる。

以上のように、相違点2及び相違点4は、引用文献2ないし5に記載の技術から当業者が容易になし得るものではなく、補正発明1は、引用発明1、及び、引用文献2ないし5に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2-2)補正発明2ないし21について
補正発明1と同様の技術事項を備える補正発明13,21、補正発明1を引用する補正発明2ないし12、及び、補正発明13を引用する補正発明14ないし20は、補正発明1と同様に、引用発明1、及び、引用文献2ないし5に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2-3)まとめ
以上のことから、補正発明1ないし21は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

3.むすび
本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。

第3.本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1ないし21に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、本件補正後の請求項1ないし21に記載された発明は、上記「第2.平成27年7月24日付けの手続補正の適否」の「2.補正の適否」の「(2)独立特許要件について」に示したとおり、当業者が引用文献1ないし5に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-09-30 
出願番号 特願2014-512098(P2014-512098)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松元 伸次  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 戸次 一夫
清水 正一
発明の名称 オンラインビデオに関連する情報の決定  
代理人 特許業務法人明成国際特許事務所  
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