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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1320958 |
審判番号 | 不服2015-20077 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-11-09 |
確定日 | 2016-10-27 |
事件の表示 | 特願2013- 47792号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月22日出願公開、特開2014-171723号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成25年3月11日付けで出願され、平成26年11月27日付けで拒絶理由通知がなされ,平成27年1月22日に手続補正がなされたが,平成27年8月4日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,平成27年11月9日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正(以下、本件補正という)がなされ、これに対して平成27年12月4日付で前置報告がなされたものである。 第2 平成27年11月9日の手続補正の補正却下の決定について [補正却下の決定の結論] 平成27年11月9日の手続補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含む補正であり、平成27年1月22日付け手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ以下のとおりである(下線は審判請求人が審判請求時に付した補正箇所を示す)。 補正前(平成27年1月22日付け手続補正) 「 【請求項1】 遊技球が入球可能な始動領域と、 遊技球が入賞不能な態様から入賞可能な態様に変化可能な変動入賞装置と、 前記変動入賞装置内に設けられた特定領域と、 前記始動領域への遊技球の入球を契機に、少なくとも第1特別遊技、第2特別遊技、または第3特別遊技の何れかに当選したか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 前記特別遊技判定手段において前記第1特別遊技乃至第3特別遊技の何れかに当選したと判定されたときに特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 少なくとも通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技を付与する特定遊技付与手段と、 演出制御を行う演出制御手段と、を備え、 前記第1特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作中に遊技球が前記特定領域を通過したときは、前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する遊技であり、 前記第2特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与しない遊技であり、 前記第3特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない遊技であり、 前記演出制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記第2特別遊技または前記第3特別遊技を実行する際には、同一または類似演出を実行することを特徴とする遊技機。」 補正後(本件補正である平成27年11月9日付け手続補正) 「 【請求項1】 遊技球が入球可能な始動領域と、 遊技球が入賞不能な態様から入賞可能な態様に変化可能な変動入賞装置と、 前記変動入賞装置内に設けられた特定領域と、 前記始動領域への遊技球の入球を契機に、少なくとも第1特別遊技、第2特別遊技、または第3特別遊技の何れかに当選したか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 前記特別遊技判定手段において前記第1特別遊技乃至第3特別遊技の何れかに当選したと判定されたときに特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 少なくとも通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技を付与する特定遊技付与手段と、 演出制御を行う演出制御手段と、を備え、 前記第1特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する遊技であり、 前記第2特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与しない遊技であり、 前記第3特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない遊技であり、 前記演出制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記第2特別遊技または前記第3特別遊技を実行する際には、同一または類似演出を実行することを特徴とする遊技機。」 2.補正の適否 (1)補正事項 本件補正により、 ア 請求項1に記載された発明特定事項である「第1特別遊技」について、 「変動入賞装置の開放動作中に遊技球が前記特定領域を通過したときは、前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する」を、 「変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する」に補正(以下、補正事項1という)するものであり、 イ 請求項1に記載された発明特定事項である「第1特別遊技」「第2特別遊技」「第3特別遊技」について、 「変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様」を、 「変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様」に補正(以下、補正事項2という)するものであり、 (2)補正の目的、新規事項について ア まず、補正事項2について検討する。 出願時の本願の特許請求の範囲には当該補正事項の根拠として以下の記載がある。 「前記第2特別遊技は、前記特定領域に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ前記時短遊技を付与する特別遊技であり、 前記第3特別遊技は、前記特定領域に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ前記時短遊技を付与しない特別遊技であり、 前記第4特別遊技は、前記特定領域に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ特別遊技前後で遊技状態が変化しない特別遊技であり、 前記演出制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記第3特別遊技または前記第4特別遊技を実行する際には、同一または類似演出を実行することを特徴とする遊技機。」 この補正事項の根拠の記載からすると、補正事項2については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされており、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものであるといえる。 また、補正事項2については、「入賞可能な開放態様」、すなわち、少なくとも入賞し易い開放態様に加え、それ以外の入賞し難い開放態様等の開放態様を含む開放態様から、「入賞し易い開放態様」に限定したものということができ、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮(請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの)を目的とするものであるといえる。 イ 次に、補正事項1について検討する。 補正事項1は、「第1特別遊技」について、特定遊技を付与する条件を、「変動入賞装置の開放動作中に遊技球が特定領域を通過したときは、変動入賞装置の開放動作終了後」から、「変動入賞装置の開放動作終了後」に補正するものであり、「変動入賞装置の開放動作中に遊技機が特定領域を通過したとき」という条件を課さないようにしたものである。 そうすると、補正事項1は、特許請求の範囲を拡張するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮(請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの)を目的とするものではなく、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするものでも、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものでもなく、特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするもの)を目的とするものでもなく、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に適合するものではない。 3.むすび したがって、本件補正は,特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり,同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 本件補正(平成27年11月9日付け手続補正)は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、平成27年1月22日付け手続補正により補正された、上記第2の1.で記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 遊技球が入球可能な始動領域と、 遊技球が入賞不能な態様から入賞可能な態様に変化可能な変動入賞装置と、 前記変動入賞装置内に設けられた特定領域と、 前記始動領域への遊技球の入球を契機に、少なくとも第1特別遊技、第2特別遊技、または第3特別遊技の何れかに当選したか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 前記特別遊技判定手段において前記第1特別遊技乃至第3特別遊技の何れかに当選したと判定されたときに特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 少なくとも通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技を付与する特定遊技付与手段と、 演出制御を行う演出制御手段と、を備え、 前記第1特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作中に遊技球が前記特定領域を通過したときは、前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する遊技であり、 前記第2特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与しない遊技であり、 前記第3特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない遊技であり、 前記演出制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記第2特別遊技または前記第3特別遊技を実行する際には、同一または類似演出を実行することを特徴とする遊技機。」 1.刊行物 (1)刊行物1に記載された発明 一方、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願日前に頒布された刊行物である、特開2008-73162号公報(以下、刊行物1という)には、以下の記載がある(下線は当審にて合議体が付した。以下、同様である)。 ア 「【0006】 (解決手段1) 遊技盤(遊技盤4)の前面に形成され、発射手段(発射制御装置104)から発射された遊技球が打ち込まれる遊技領域(遊技領域12)と、該遊技領域に設けられた複数種類の入賞口(左上・左中入賞口13a、左下入賞口13b、右入賞口13c、上始動口72、下始動口73等)と、該複数種類の入賞口のうち始動入賞口(上始動口72、下始動口73等)に遊技球が入球したことに基づいて(ステップS101でYESとなった)遊技者に所定の利益(賞球)を付与する利益付与状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御するか否かを判定する利益付与判定手段(主制御MPU101aにより当り判定処理(ステップS105)を実行して大当りとするか否か及び小当りとするか否かを判定する部分)と、該利益付与判定手段による判定がなされたことに基づいて複数種類の図柄情報(装飾図柄)の可変表示を開始して所定期間経過後に所定の表示結果を導出表示可能な可変表示装置(画像表示装置42)と、を備え、該利益付与判定手段により前記利益付与状態に制御すると判定されたことに基づいて前記可変表示装置に特定の表示結果(特定表示結果)を導出表示する遊技機(パチンコ機1)であって、 前記可変表示装置を表示制御する表示制御手段(サブ統合MPU111aにより演出制御処理(ステップS602)を実行して主制御MPU101aから送信された変動パターンを指示する演出コマンドに基づいて画像表示装置42を表示制御する部分)と、 前記遊技領域に配設され、遊技球の受け入れが可能な開放状態(大入賞口への遊技球の入球が可能な状態)と遊技球を受け入れが困難な閉塞状態(大入賞口への遊技球の入球が困難な状態)とに変化可能な大入賞口開閉装置(大入賞口開閉装置75)と、 該大入賞口開閉装置に受け入れられた遊技球を検出する大入賞口内検出手段(カウントスイッチ75a)と、 前記大入賞口開閉装置を前記開放状態に制御してからの経過時間(開放時間)を計測する計時手段(主制御MPU101aにより開放タイマをカウントダウンする部分(ステップS224))と、 前記大入賞口開閉装置の開閉回数(ラウンドの実行回数)を計数する計数手段(主制御MPU101aにより開放カウンタをカウントダウンする部分(ステップS210、S266))と、 前記大入賞口開閉装置を開閉制御する処理(ラウンド)を複数回繰り返し実行する利益付与状態制御手段(主制御MPU101aにより大入賞口開放前処理(ステップS55)、大入賞口開放中処理(ステップS56)及び大入賞口開放後処理(ステップS57)を実行する部分)と、・・・ 前記利益付与判定手段によって前記利益付与状態に制御する判定がなされた場合に、高利益付与状態(15R大当り遊技状態)と、・・・低利益付与状態(2R大当り遊技状態)と、・・・特殊利益付与状態(小当り遊技状態)と、のいずれかに決定し、前記高利益付与状態に決定したときに・・・第1高利益付与状態(確変15R大当り)と、・・・第2高利益付与状態(非確変15R大当り)と、のいずれかに決定し、前記低利益付与状態に決定したときに第1低利益付与状態(確変2R大当りA)と、・・・第2低利益付与状態(確変2R大当りC)と、のいずれかに決定し、前記特殊利益付与状態に決定した時に第1特殊利益付与状態(小当たりA)と・・・第2特殊利益付与状態(小当りC)と、のいずれかに決定する利益価値決定手段(主制御MPU101aにより特別図柄停止図柄設定処理のステップS122で付与価値決定用乱数に基づいて大当りの種類を決定する部分及び主制御MPU101aにより特別図柄停止図柄設定処理のステップS125で付与価値決定用乱数に基づいて小当りの種類を決定する部分)と、・・・、を備え、 ・・・ことを特徴とする遊技機。」 イ 「【0076】 また、この実施の形態では、特別図柄表示器41の4個のLEDを高利益特別態様(15R確変図柄)で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態を実行して、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する場合には、時短状態の制御も並行して行われる。」 ウ 「【0116】 主制御MPU101aは、大当りフラグがセットされていれば、付与価値決定用乱数と図12(A)に示す大当り種類決定テーブルとに基づいて大当りの種類を決定する(ステップS122)。大当り種類決定テーブルは、主制御MPU101aのROMに格納されている。図12(A)に示すように、 1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する確変15R大当り 2.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に前記時短状態に制御する非確変15R大当り 3.1ラウンド毎の開放時間(大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)が300msの2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する確変2R大当りA 4.1ラウンド毎の開放時間(大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)が500msの2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する確変2R大当りB 5.1ラウンド毎の開放時間(大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)が900msの2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する確変2R大当りC の5種類の大当りのうちいずれかに決定し、決定した大当りの種類に応じた特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)に決定する(ステップS123)。 【0117】 また、主制御MPU101aは、小当りフラグがセットされていれば(ステップS124)、付与価値決定用乱数と図12(B)に示す小当り種類決定テーブルとに基づいて小当りの種類を決定する(ステップS125)。小当り種類決定テーブルは、主制御MPU101aのROMに格納されている。図12(B)に示すように、 1.大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間が300msの小当り遊技状態に制御する小当りA 2.大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間が500msの小当り遊技状態に制御する小当りB 3.大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間が900msの小当り遊技状態に制御する小当りC の3種類の小当りのうちいずれかに決定すし、決定した小当りの種類に応じた特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)に決定する(ステップS126)。」 エ 「【0126】 なお、2R大当り遊技状態が実行された場合には、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御され、小当り遊技状態が実行された場合には以前の遊技状態を継続する。つまり、2R大当り遊技状態が実行された場合には、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に遊技者にとって有利な状態に移行制御するが、小当り遊技状態が実行された場合には状態が変化しないため、有利度合いが異なる。そのため、遊技者は小当りとなることよりも2R大当り又は15R大当りとなることを望みつつ遊技を行う。また、小当り遊技状態の終了後には以前の遊技状態を継続する。そのため、2R大当り遊技状態の終了後に常に時短状態の制御を実行してしまうと2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを容易に判別できてしまう。この実施の形態では、2R大当り遊技状態を終了するときに現在の遊技状態を確認し、時短状態の制御を実行していれば2R大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御に並行して時短状態の制御を行い、時短状態の制御を実行していなければ高確率状態の制御を単独で行うことにより2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを判別することを困難にするとともに、2R大当り遊技状態であればより長い大入賞口開閉装置75の開放時間が設定された2R大当りに決定される割合を高くし、小当り遊技状態であればより短い大入賞口開閉装置75の開放時間が設定された小当りに決定される割合を高くしたため、より長い開放時間で2ラウンドの大入賞口の開閉制御が実行された場合に高確率状態に対する期待を高め、遊技興趣を向上させることができる。」 オ 「【0213】 図28は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、サブ統合MPU111aは、内蔵されるRAMに格納されている遊技の進行状況を示す演出制御プロセスフラグに応じて、以下の4つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。 【0214】 1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄の変動パターンを指示する演出コマンド(変動パターンコマンド)に基づいて画像表示装置42、ランプ・LED(119a?119kに搭載されるLED及び枠ランプ27)、スピーカ14,29等を制御する処理などが行われる変動演出開始処理(ステップS700) 2.画像表示装置42、ランプ・LED(119a?119kに搭載されるLED及び枠ランプ27)、スピーカ14,29等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて画像表示装置42、ランプ・LED(119a?119kに搭載されるLED及び枠ランプ27)、スピーカ14,29等を制御する処理などが行われる変動演出中処理(ステップS701) 3.上記大当り開始コマンド及び小当り開始コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するとともにラウンド演出処理が開始されるように演出制御プロセスフラグを更新する処理を行う変動演出終了処理(ステップS702)。 【0215】 4.大当り遊技状態及び小当り遊技状態の演出を実行し、大当り遊技状態及び小当り遊技状態を終了するときに変動演出開始処理が開始されるように演出制御プロセスフラグを更新する処理を行うラウンド演出処理(ステップS703)。」 カ 「【0217】 また、この実施の形態では、上記変動演出終了処理で15R大当り(確変15R大当り、非確変15R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R大当り開始コマンド;確変15R大当り開始コマンド、非確変15R大当り開始コマンド)を受信したことに基づいてサブ統合MPU111aは、画像表示装置42、ランプ・LED(119a?119kに搭載されるLED及び枠ランプ27)、スピーカ14,29等を制御して15R大当りを開始することを報知する。一方、上記変動演出終了処理で2R大当り(確変2R大当りA、確変2R大当りB、確変2R大当りC)に応じた大当り開始コマンド(2R大当り開始コマンド;確変2R大当りA開始コマンド、確変2R大当りB開始コマンド、確変2R大当りC開始コマンド)及び小当り(小当りA、小当りB、小当りC)に応じた小当り開始コマンド(小当りA開始コマンド、小当りB開始コマンド、小当りC開始コマンド)を受信した場合には、サブ統合MPU111aは、2R大当りであるか小当りであるかを報知することなく画像表示装置42、ランプ・LED(119a?119kに搭載されるLED及び枠ランプ27)、スピーカ14,29等を制御して所定の演出を実行する。そのため、遊技者は2R大当りであるか小当りであるかを判別することが困難になる。」 キ 上記アの記載から、刊行物1には 遊技領域に設けられた始動入賞口と、 前記遊技領域に配設され、大入賞口への遊技球の入球が可能な状態と大入賞口への遊技球の入球が困難な状態とに変化可能な大入賞口開閉装置75と、 前記始動入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、小当り遊技状態に制御するか否か判定がなされた場合に、少なくとも確変15R大当りと、確変2R大当りCと、小当たりCの遊技状態に決定する利益価値決定手段と、 大入賞口開閉装置を開閉制御する処理を実行する利益付与状態制御手段と、 を備えた遊技機 が記載されているといえる。 ク 上記アの確変15R大当りについて、上記イの記載から、15R確変大当り遊技状態を実行して、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する場合は、時短状態の制御も並行して行われることがいえる。 ケ 上記アの利益価値決定手段の記載、ウの記載から、上記アの確変15R大当り、確変2R大当りC、小当たりCは、 大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御する確変15R大当り 大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御する確変2R大当りC、 大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御する小当りC であることがいえる。 コ 上記エの記載から、 小当たり遊技状態の終了後には以前の遊技状態を継続すること、 そのため2R大当り遊技状態の終了後に常に時短状態の制御を実行してしまうと2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを容易に判別できてしまうので、通常状態で2R大当り遊技状態が実行された場合、終了後には時短状態を付与しないように制御することで2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを判別することを困難にすることが記載されているといえる。 サ 上記オ、カの記載から、 演出制御処理において、サブ統合MPU111aは、2R大当りに応じた大当り開始コマンド及び2R小当りに応じた小当り開始コマンドを受信した場合には、2R大当りであるか小当りであるかを報知することなく画像表示装置、ランプ・LED、スピーカ等を制御して所定の演出を実行することで、遊技者は2R大当りであるか小当りであるかを判別することが困難になること、がいえる。 上記ア?カの記載、及びキ?サの認定事項を総合すると、上記刊行物1には次の発明(以下、刊行物1記載の発明)が記載されているものと認める。 遊技領域に設けられた始動入賞口と、 大入賞口への遊技球の入球が可能な状態と大入賞口への遊技球の入球が困難な状態とに変化可能な大入賞口開閉装置と、 該始動入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、少なくとも確変15R大当りと、確変2R大当りCと、小当りCに決定する利益価値決定手段と、 少なくとも前記確変15R大当りと、前記確変2R大当りCと、前記小当たりCに基づいて大入賞口開閉装置を開閉制御する処理を実行する利益付与状態制御手段と、 演出制御処理を行うサブ統合MPU111aとを備えた遊技機であって、 確変15R大当り遊技状態が実行された場合、大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御し、高確率状態とともに時短状態の制御も並行して行われ、 通常状態で確変2R大当りC遊技状態が実行された場合、大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御し、終了後には時短状態を付与しないように制御し、 小当りC遊技状態が実行された場合、大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御し、以前の遊技状態を維持し、 サブMPU111aは、2R大当りに応じた大当り開始コマンド及び小当りに応じた小当たり開始コマンドを受信した場合には、2R大当りであるか小当りであるかを報知することなく画像表示装置、ランプ・LED、スピーカを制御して所定の演出を実行することで、遊技者は2R大当りであるか小当りであるかを判別することが困難になる、 ことを特徴とする遊技機。 (2)刊行物2に記載された事項 原査定において周知技術を示す文献として引用された刊行物2には以下の記載がある。 (ア)「【0029】 次に、役物装置10の構造の詳細について説明する。前述したように、役物装置10は、遊技球の入賞が可能な通常アタッカー16とVアタッカー17とを化粧枠11に組み付けた装置であり、パチンコ機1の組み立て部品の1つとして遊技盤2に取り付けられる。」 (イ)「【0061】 中継基板47には、電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、Vアタッカー開閉ソレノイド71、および規制部材回動ソレノイド22が接続されている。電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材163を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17を構成する入賞部材18の開閉部材183を開閉する。規制部材回動ソレノイド22は、Vアタッカー17を構成する振分部材19に設けられた規制部材20を回動させ、規制部201を規制位置と開放位置との間で移動させる。 【0062】 また、中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77、および入賞部材スイッチ78が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16の入賞口161に入賞した遊技球(入賞球)を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17を構成する振分部材19の特定領域196を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17を構成する振分部材19の非特定領域197を通過した遊技球を検出する。入賞部材スイッチ78は、Vアタッカー17を構成する入賞部材18の入賞口181に入賞した遊技球(入賞球)を検出する。」 (ウ)「【0068】 パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が特定領域196を通過すると、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起される。遊技球が特定領域196を通過しなければ、大当たり遊技終了後には「非確率変動時短状態」が生起される。したがって、「通常状態」から大当たり遊技を経て「確率変動時短状態」へ移行する確率は約50%となる。」 (エ)上記(ア)から、パチンコ機1には遊技球の入賞が可能なVアタッカー17が取り付けられることがいえる。 (オ)上記(イ)から、大当たり遊技中にVアタッカー17を構成する入賞部材18の開閉部材183を開閉すること、入賞部材スイッチ78は、Vアタッカー17を構成する入賞部材の入賞口に入賞した遊技球を検出することがいえる。 (カ)さらに、上記(ウ)から、大当遊技中に遊技球がVアタッカー17の特定領域196を通過すると大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起されることがいえる。 そうすると、刊行物2には 「大当たり遊技中に入賞部材の開閉部材が開閉し、遊技球の入賞が可能であって、入賞部材スイッチにより遊技球の入賞部材の入賞口に入賞した遊技球を検出するVアタッカーであって、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカーを構成する振分部材の特定領域を通過すると、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起されるVアタッカーを備えたパチンコ機」 が記載されているものと認める。 2.対比 本願発明と刊行物1記載の発明とを対比する。 (1)刊行物1記載の発明における「遊技領域に設けられた始動入賞口」は本願発明の「遊技球が入球可能な始動領域」に相当する。 (2)刊行物1記載の発明における「大入賞口への遊技球の入球が可能な状態と大入賞口への遊技球の入球が困難な状態とに変化可能な大入賞口開閉装置」は、本願発明の「遊技球が入賞不能な態様から入賞可能な態様に変化可能な変動入賞装置」に相当する。 (3)刊行物1記載の発明における「確変15R大当り遊技状態」は、「大入賞口を開放状態に制御してから所定時間が経過したとき閉塞状態に制御し、高確率状態とともに時短状態の制御も並行して行われ」ることから、大入賞口に遊技球が入賞可能な開放態様とすること、大入賞口の閉塞状態すなわち開放動作終了後に時短状態を付与するものといえる。 ここで、時短状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技であることは明らかであり、時短状態を付与するための手段を備えることは自明であり、このような手段は本願発明の「少なくとも通常遊技状態より遊技者に有利な特定遊技を付与する特定遊技付与手段」に相当する。 そうすると、刊行物1記載の発明における「確変15R大当り」は、「変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で」「変動入賞装置の開放動作終了後に特定遊技を付与する」という点で、本願発明の「第1特別遊技」と共通する。 (4)刊行物1記載の発明では「通常状態で2R大当り遊技状態が実行された場合、終了後には時短状態を付与しない」ようにしており、(3)においても示したとおり、時短状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技であることは明らかである。 そうすると、刊行物1記載の発明における「通常状態で実行された場合、終了後には時短状態を付与しない確変2R大当りC」は、「変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ変動入賞装置の開放動作終了後に特定遊技を付与しない」という点で本願発明の「第2特別遊技」に相当する。 (5)刊行物1記載の発明における「大入賞口を開放状態に制御してから所定時間が経過したとき閉塞状態に制御し、以前の遊技状態を維持」することは、本願発明の「変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない」ことに相当するから、刊行物1記載の発明における「小当たりC」は本願発明の「第3特別遊技」に相当する。 (6)上記(3)?(5)における刊行物1記載の発明の「確変15R大当り」、「確変2R大当りC」、「小当りC」と、本願発明の「第1特別遊技」、「第2特別遊技」、「第3特別遊技」との対応関係を踏まえると、 刊行物1記載の「前記始動入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、少なくとも15R確変大当りと、確変2R大当りCと、小当りCに決定する利益価値決定手段」は、本願発明の「始動領域への遊技球の入球を契機に、少なくとも第1特別遊技、第2特別遊技、または第3特別遊技の何れかに当選したか否かの判定を行う特別遊技判定手段」に対応し、 刊行物1記載の「前記確変15R大当りと、前記確変2R大当りCと、前記小当たりCに基づいて大入賞口開閉装置を開閉制御する処理を実行する利益付与状態制御手段」は、本願発明の「前記特別遊技判定手段において前記第1特別遊技乃至第3特別遊技の何れかに当選したと判定されたときに特別遊技を実行する特別遊技実行手段」に対応する。 (7)刊行物1記載の発明における「演出制御処理を行うサブ統合MPU111a」は、「2R大当りに応じた大当り開始コマンド及び小当りに応じた小当たり開始コマンドを受信した場合には、2R大当りであるか小当りであるかを報知することなく画像表示装置、ランプ・LED、スピーカを制御して所定の演出を実行することで、遊技者は2R大当りであるか小当りであるかを判別することが困難になる」ことから、2R大当りまたは小当りを実行する際には、遊技者には判別困難な程に類似した演出を行うものといえる。 そうすると、刊行物1記載の発明における「演出制御処理を行うサブ統合MPU111a」は「特別遊技実行手段により第2特別遊技または第3特別遊技を実行する際には、類似演出を実行する」という点で本願発明の「演出制御手段」に相当する。 以上のことから、本願発明と刊行物1記載の発明とを比較すると、両者は、 「遊技球が入球可能な始動領域と、 遊技球が入賞不能な態様から入賞可能な態様に変化可能な変動入賞装置と、 前記始動領域への遊技球の入球を契機に、少なくとも第1特別遊技、第2特別遊技、または第3特別遊技の何れかに当選したか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、 前記特別遊技判定手段において前記第1特別遊技乃至第3特別遊技の何れかに当選したと判定されたときに特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 少なくとも通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技を付与する特定遊技付与手段と、 演出制御を行う演出制御手段と、を備え、 前記第1特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様な遊技であり前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与する遊技であり、 前記第2特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作終了後に前記特定遊技を付与しない遊技であり、 前記第3特別遊技は、前記変動入賞装置に遊技球が入賞可能な開放態様で且つ前記変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない遊技であり、 前記演出制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記第2特別遊技または前記第3特別遊技を実行する際には、同一または類似演出を実行することを特徴とする遊技機。」 という点で一致する。 一方、両者は以下の点で相違する。 (相違点) 本願発明における第1特別遊技は、変動入賞装置の開放動作中に遊技球が変動入賞装置内に設けられた特定領域を通過した時には、変動入賞装置の開放動作終了後に特定遊技を付与するのに対して、刊行物1記載の発明における第1特別遊技は、そのような特定がなされていない点。 3.判断 上記相違点について判断する。 大当り遊技中に入賞部材の開閉部材が開閉し、入賞部材スイッチにより遊技球の入賞部材の入賞口に入賞した遊技球を検出するVアタッカーであって、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカーを構成する振分部材の特定領域を通過した場合、大当たり遊技終了後に確率変動時短状態(特定遊技)が生起するVアタッカーは例えば上記刊行物2に記載されるように周知の技術である。 そして、大当り遊技終了後に確率変動時短状態を生起することを条件としてVアタッカーへの入賞を必要するものも、そうでないものも、互いに周知である。 したがって、刊行物1記載の発明における第1特別遊技に変動入賞装置に入賞した場合の動作に当該周知の技術を適用することで、大当り遊技時に変動入賞装置内の特定領域を通過すれば大当り遊技終了後に時短状態を付与する、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。 そして、本願発明の作用効果は刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の事項からみて格別なものではない。 よって、本願発明は、刊行物1記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易にすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (付言)なお、上記「第2 平成27年11月9日付け手続補正の補正却下の決定について」において、補正事項1は特許法第17条の2第5項第2号のいわゆる限定的減縮を目的とするものではなく、特許法第17条の2第5項第1号、第3号、第4号のいずれの目的とするものでもないから、特許法第17条の2第5項の規定を満たすものではない旨説示したが、仮に補正事項1が特許法第17条の2第5項第2号のいわゆる限定的減縮を目的とし、本件補正が特許法第17条の2第5項に規定する要件を満たすとしても、補正後の請求項1は以下の理由により独立して特許を受けることができない。 すなわち、刊行物1記載の発明における「確変2R大当りC」は、刊行物1の段落【0116】記載の「確変2R大当りA」に比して、大入賞口の開放時間が長いことから変動入賞装置に遊技球が入賞し易いということができ、補正後の請求項1の「第2特別遊技」すなわち「変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ変動入賞装置の開放終了後に特定遊技を付与しない遊技」に相当する。 同様に、刊行物1記載の発明における「小当りC」は刊行物1の段落【0117】記載の「小当りA」に比して、大入賞口の開放時間が長いことから変動入賞装置に遊技球が入賞し易いということができ、補正後の請求項1の「第3特別遊技」すなわち「変動入賞装置に遊技球が入賞し易い開放態様で且つ変動入賞装置の開放動作前後で遊技状態が変化しない遊技を付与しない遊技」に相当する。 また、上記「2.対比」の(3)における、刊行物1記載の発明における「確変15R大当り」が補正後の請求項1の「遊技球が入賞し易い開放態様で且つ変動入賞装置の開放動作終了後に特定遊技を付与する遊技」に相当することは当業者にとって明らかである。 そして、「変動入賞装置の開放動作中に遊技球が特定領域を通過したときは」との限定を削除した補正後の請求項1と上記刊行物1記載の発明との間に、前記2.のような相違点はない。 そうすると、上記刊行物1記載の発明は、補正後の請求項1記載の発明と実質的に同一であるか、該特定した発明に基づき補正後の請求項1記載の発明を構成することは当業者にとって容易になし得たものであり、補正後の請求項1記載の発明は特許法第29条第1項3号または特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり,本願発明は,刊行物1記載の発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-08-26 |
結審通知日 | 2016-08-30 |
審決日 | 2016-09-13 |
出願番号 | 特願2013-47792(P2013-47792) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 酒井 保 |
特許庁審判長 |
本郷 徹 |
特許庁審判官 |
平城 俊雅 川崎 優 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 鈴木 均 |