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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N |
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管理番号 | 1322879 |
審判番号 | 不服2015-6856 |
総通号数 | 206 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-04-10 |
確定日 | 2017-01-10 |
事件の表示 | 特願2013-162725「ビデオ内ブックマーキングに関する方法、及び非一時的コンピュータ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月19日出願公開、特開2013-255267、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2008年9月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年9月7日、インド、2007年10月23日、米国)を国際出願日として出願した特願2010-524172号の一部を平成25年8月5日に新たな特許出願としたものであって、手続の概要は以下のとおりである。 手続補正 :平成25年 8月 6日 拒絶理由通知 :平成26年 4月21日(起案日) 拒絶査定 :平成26年12月 5日(起案日) 拒絶査定不服審判請求 :平成27年 4月10日 手続補正 :平成27年 4月10日 拒絶理由通知 :平成28年 3月 4日(起案日) 手続補正 :平成28年 5月 9日 拒絶理由通知(最後) :平成28年 7月22日(起案日) 手続補正 :平成28年 9月16日 第2 平成28年9月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否 1.補正の内容 (1)本件補正は、本件補正前の平成28年5月9日付けの手続補正の特許請求の範囲の請求項1ないし12である、 「【請求項1】 ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域及び製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離しているステップと、 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に前記視覚インジケータによって指示される特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップと、 前記記録に基づいて、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告に基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現し、前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップと、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 前記ビデオストリームがビデオ広告である、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、次の対応できる広告挿入ポイントで前記広告を再生するステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現するステップ、 をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項4】 ユーザが該ユーザの都合が良いときにアクセスできる記憶済み関連データのリストに前記記録を追加するステップをさらに含む、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記関連データに基づく記録が記憶されることを、関連するセキュリティポリシが許可するかどうかを判定するステップと、記録が記憶されることを前記関連するセキュリティポリシが許可しない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームの再生を続けている間に、適当なエラーメッセージを提示する機構を提供するステップとをさらに含む、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項6】 1又はそれ以上の一連の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体であって、1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに、 ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域及び製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離しているステップと、 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に前記視覚インジケータによって指示される特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップと、 前記記録に基づいて、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告に基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現し、前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップと、 を実行させる命令を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項7】 前記ビデオストリームがビデオ広告である、 ことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項8】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、次の対応できる広告挿入ポイントで前記広告を再生するステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項9】 ユーザが該ユーザの都合が良いときにアクセスできる記憶済み関連データのリストに前記記録を追加するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項10】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記関連データに基づく記録が記憶されることを、関連するセキュリティポリシが許可するかどうかを判定するステップと、記録が記憶されることを前記関連するセキュリティポリシが許可しない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームの再生を続けている間に、適当なエラーメッセージを提示する機構を提供するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項11】 前記特定のユーザ入力は、前記視覚インジケータとのユーザの接触を含む請求項1に記載の方法。 【請求項12】 前記特定のユーザ入力は、前記視覚インジケータとのユーザの接触を含む請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。」 を、平成28年9月16日付け手続補正により、 「【請求項1】 ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域及び製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離しているステップと、 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に前記視覚インジケータによって指示される特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップと、 前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現し、前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップと、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 前記ビデオストリームがビデオ広告である、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、次の対応できる広告挿入ポイントで前記広告を再生するステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現するステップ、 をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項4】 ユーザが該ユーザの都合が良いときにアクセスできる記憶済み関連データのリストに前記記録を追加するステップをさらに含む、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記関連データに基づく記録が記憶されることを、関連するセキュリティポリシが許可するかどうかを判定するステップと、記録が記憶されることを前記関連するセキュリティポリシが許可しない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームの再生を続けている間に、適当なエラーメッセージを提示する機構を提供するステップとをさらに含む、 ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項6】 1又はそれ以上の一連の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体であって、1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに、 ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域及び製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離しているステップと、 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に前記視覚インジケータによって指示される特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップと、 前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現し、前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップと、 を実行させる命令を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項7】 前記ビデオストリームがビデオ広告である、 ことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項8】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、次の対応できる広告挿入ポイントで前記広告を再生するステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項9】 ユーザが該ユーザの都合が良いときにアクセスできる記憶済み関連データのリストに前記記録を追加するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項10】 前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記関連データに基づく記録が記憶されることを、関連するセキュリティポリシが許可するかどうかを判定するステップと、記録が記憶されることを前記関連するセキュリティポリシが許可しない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームの再生を続けている間に、適当なエラーメッセージを提示する機構を提供するステップ、 を前記1又はそれ以上のプロセッサにより実行された場合、前記1又はそれ以上のプロセッサに実行させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。 【請求項11】 前記特定のユーザ入力は、前記視覚インジケータとのユーザの接触を含む請求項1に記載の方法。 【請求項12】 前記特定のユーザ入力は、前記視覚インジケータとのユーザの接触を含む請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読記録媒体。」 と補正するものである。 なお、下線は、補正箇所である。 (2)特許請求の範囲の上記補正前後の構成を対比すると、以下のように補正するものである。 補正事項1 補正前の請求項1の「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく」を、「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、」と補正する。 補正事項2 補正前の請求項1の「所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告」を「所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告」と補正する。 補正事項3 補正前の請求項1の「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップ」を、「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップ」と補正する。 補正事項4 補正前の請求項1の「前記記録に基づいて」を、「前記記録がある場合」と補正する。 補正事項5 補正前の請求項1の「前記広告に基づいて」を、「前記広告が挿入可能かに基づいて」と補正する。 補正事項6 補正前の請求項1の「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップ」を、「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップ」と補正する。 補正事項7 補正前の請求項6の「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく」を、「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、」と補正する。 補正事項8 補正前の請求項6の「所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告」を「所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告」と補正する。 補正事項9 補正前の請求項6の「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップ」を、「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップ」と補正する。 補正事項10 補正前の請求項6の「前記記録に基づいて」を、「前記記録がある場合」と補正する。 補正事項11 補正前の請求項6の「前記広告に基づいて」を、「前記広告が挿入可能かに基づいて」と補正する。 補正事項12 補正前の請求項6の「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップ」を、「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップ」と補正する。 2.補正の適否 (1)新規事項の追加の有無、特別な技術的特徴の変更について (1-1)補正事項1、7について 補正事項1、7について、補正前の「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく」を、「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、」と補正することは、明細書の段落0044及び図2等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 (1-2)補正事項2、8について 補正事項2、8について、補正前の「所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告」を、「所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告」と補正することは、明細書の段落0034及び図1等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 (1-3)補正事項3、9について 補正事項3、9について、補正前の「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップ」を、「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップ」と補正することは、明細書の段落0044及び図2等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 (1-4)補正事項4、10について 補正事項4、10について、補正前の「前記記録に基づいて」を、「前記記録がある場合」と補正することは、明細書の段落0043?0045及び図2等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 (1-5)補正事項5、11について 補正事項5、11について、補正前の「前記広告に基づいて」を、「前記広告が挿入可能かに基づいて」と補正することは、明細書の段落0020等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 (1-6)補正事項6、12について 補正事項6、12について、補正前の「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップ」を、「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップ」と補正することは、明細書の段落0037、0043?0045及び図2等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるから、特許法第17条の2第3項に違反しない。 さらに、いずれの補正も、特許法第17条の2第4項に違反するところはない。 (2)補正の目的について (2-1)補正事項1、7について 補正事項1、7の「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく」を、「特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、」に補正することは、アクセスが制限されていない場合に限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2-2)補正事項2、8について 補正事項2、8の「所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告」を、「所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告」に補正することは、平成28年7月22日付けの最後の拒絶理由における(1)「前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて在庫がある広告への参照を含む」についての拒絶理由を解消するための補正であって、特許法第17条の2第5項第4号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 (2-3)補正事項3、9について 補正事項3、9の「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更するステップ」を、「前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップ」に補正することは、補正事項1、7が、アクセスが制限されていない場合に限定されたことに伴い、アクセスが制限されている場合についての限定をするものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2-4)補正事項4、10について 補正事項4、10の「前記記録に基づいて」を、「前記記録がある場合」に補正することは、記録がある場合に限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2-5)補正事項5、11について 補正事項5、11の「前記広告に基づいて」を、「前記広告が挿入可能かに基づいて」と補正することは、平成28年7月22日付けの最後の拒絶理由における(2)「広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告に基づいて決定されるポイントのこと」についての拒絶理由を解消するための補正であり、かつ、広告が、どのような状態であるかを限定するものであって、特許法第17条の2第5項第4号の明瞭でない記載の釈明、及び、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2-6)補正事項6、12について 補正事項6、12の「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであるステップ」を、「前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップ」に補正することは、補正事項4、10が、記録がある場合に限定されたことに伴い、記録がない場合についての限定をするものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (3)限定的減縮について そこで、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含む本件補正後の請求項1ないし12に記載された発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (3-1)補正後発明 補正後の請求項1ないし12に係る発明は、上記1.の補正後のとおりであり、そのうちの、補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正後発明1」という。)は、上記の本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 なお、A?Fについては、説明のために当審にて付したものである。 (以下、「構成A」、・・・、「構成F」という。) 「A ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域及び製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離しているステップと、 B 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 C 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップと、 D 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に前記視覚インジケータによって指示される特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更し、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しないステップと、 E 前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップであって、広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現し、前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているものであり、前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるステップと、 F を含むことを特徴とする方法。」 (3-2)引用例の記載事項 (3-2-1)引用例1 原査定の拒絶の理由に引用され、かつ、当審の平成28年3月4日付けの拒絶理由通知に引用された特開2003-78834号公報(以下、「引用例1」という。)には、「広告サイト情報組込み動画映像デジタル情報とその動画映像デジタル情報再生装置」として、図面とともに以下の事項が記載されている。 【0013】この発明によれば、同一画面内の複数の商品・サービスに関する広告サイト情報を提供することができる。画面映像に登場する風景、ホテル・マンションなどの施設・不動産、車などの動産、登場人物、人物の帽子、履いている靴、着ている衣類などのそれぞれに、そのメーカーの広告サイト情報を備えることができる。このため、利用者は、関心のある映像を指定して検索閲覧することができる。例えば、画面映像の風景から観光地への旅行に関する広告サイトや、会場の画像からコンサートなどのイベントの予約や、登場人物の画像から登場人物のファンクラブサイトなどを検索閲覧することができる。 【0028】図1(a)において、本発明の広告サイト情報組込み動画映像デジタル情報100は、動画データ10と、音声データ20と、広告映像位置情報30とから構成される。これらのデータは予め定められた規格による識別信号を付して多重化されて送信又は記録されている。規格については媒体により異なるが説明を省略する。時間軸に対して一画面(1コマ)部分を一画面データAに示す。 【0029】図1(b)は、(a)の一画面データAの広告映像位置情報30の構成を示す。広告映像位置情報30は、映像座標位置31と、その広告サイトアドレス32と、その広告サイト名称・内容33から構成される。同一画面内に複数の広告サイトアドレスを設定するときは、必要個数の31n,32n,33nを連続して記録する。 【0030】映像座標位置31は、画面の中の映像を特定する座標を示す。座標の指定は、その指定精度により様々な指定方法を行なうことができる。例えば、x、yで示される点座標31a、2点を示しその点を含む矩形範囲座標31b、円範囲座標31c、または、形状を示すアウトラインデータとその始点座標で示すアウトライン範囲座標31dの何れを用いても良い。(図2参照) 【0031】図2は、映像座標位置指定の方法を示す。点座標31aは、一点を示し、その点座標に近いクリック信号に対応して広告サイトアドレスを検索させる場合の指定方法である。矩形範囲座標31bは、2点を結ぶ対角線を持つ矩形範囲内のクリック信号に対応して広告サイトアドレスを検索させる場合の指定方法である。円範囲座標31cは、2点を半径とする円範囲内のクリック信号に対応して広告サイトアドレスを検索させる場合の指定方法である。アウトライン範囲座標31dは、形状を示すアウトラインデータとその始点座標で示すアウトライン範囲内のクリック信号に対応して広告サイトアドレスを検索させる場合の指定方法である。 【0032】次に、動画映像デジタル情報再生装置の構成を説明する。図3は、動画映像デジタル情報再生装置50に備える手段の構成を示す模式図である。 【0033】動画映像デジタル情報再生装置50は、動画映像・音声再生手段51と、広告映像位置情報更新手段52と、広告サイトアドレス検索手段53と、広告サイトリンク手段54からなる処理プログラムと、動画対応記憶部55とから構成される。 【0034】動画映像・音声再生手段51は、入力された動画映像デジタル情報100を映像信号・音声信号に変換して画面60及び音声再生装置(図示せず)に出力する。 【0035】広告映像位置情報更新手段52は、入力された動画映像デジタル情報100から、広告映像位置情報30を分離し、動画対応記録部55に記録する。動画対応記録部55の記録は、動画の進行に対応して更新される。すなわち、現在表示中の動画面に対応する広告映像位置情報が常に動画対応記録部55に検索可能に格納されている。 【0036】広告サイトアドレス検索手段53は、利用者が映像画面60の任意の座標をクリックした信号に応答して、動画対応記憶部55を検索し、広告映像位置情報30(図1参照)の中からクリックされた座標を含む広告映像座標位置31?31n(図1参照)を抽出して、その広告サイトアドレス32を取得する。 【0037】広告サイトリンク手段54は、Webブラウザを起動し、インターネット90を介して前記広告サイトアドレス検索手段53で抽出された広告サイトアドレス32(図1参照)を呼出して接続し画面60に広告サイトを表示する。図において70は企業・団体の広告サイトのサーバ、80は動画映像デジタル情報の生成事業者又は動画映像配信事業者,90はインターネットである。 【0038】前記広告サイトリンク手段54は、動画映像表示と前記広告サイトの表示を同一画面に表示する画面分割表示手段54aと、表示されていた映像再生を中断して前記広告サイトの表示画面とする動画映像中断表示手段54bと、映像再生を継続し、検索して抽出された前記広告サイトの名称表示ボタンを映像再生画面に表示しインターネット接続を保留するリンク先記憶保留手段54cとを備え、前記それぞれの表示手段の画面では利用者がいづれかの表示方法に変更可能とする表示方法選択ボタンを備える。 【0039】図4は、前記各手段で表示される画面の模式図である。(a)は画面分割表示手段54aによる表示画面、(b)は動画映像中断表示手段54bによる表示画面、(c)はリンク先記憶保留手段54cによる表示画面の実施の形態である。 【0042】この画面で表示される表示方法選択ボタンは、図4(b)画面を選択する広告サイト表示ボタン63bと、図4(c)画面表示を選択するリンク先保留ボタン63cと、広告サイト表示停止ボタン63dが表示されている。利用者はこれらのボタンをクリックすることにより表示方法を変更することができる。 【0044】図4(c)は、検索して抽出された前記広告サイトの名称表示ボタンを映像再生画面に表示しインターネット接続を保留するリンク先記憶保留手段54cによる画面であり、画面60は、動画映像表示61が全面に表示され、画面下部には、映像サイト選択表示ボタン65と、表示方法を変更するための表示方法選択ボタン群63が表示され、さらに、選択された広告サイトの名称ボタン群64が表示される。複数の広告サイトが選択されている場合広告サイトの名称ボタンは64aから64nのように複数個表示される。 【0045】このため、広告サイトの表示を利用者が任意に選択できると共に、表示方法を自由に変更することができる。このため、動画映像を継続してみたいときは、画面分割表示手段を選択し、広告サイトを先に見たいときは動画映像中断表示手段を選択し、動画映像が終了してから広告サイトを見たいときはリンク先記憶保留手段を選択することができる。また、それぞれの選択画面に、現在の表示方法以外の表示方法選択ボタンを備えることにより、利用者はいつでもその表示方法を変更させることができる。 【0046】前記広告サイトの名称ボタン64は、動画映像の再生が中断又は終了したとき、そのボタンをクリックすることにより広告サイトリンク手段54を起動させて、広告サイトを接続表示することができる。 上記記載(特に、下線で示した記載。なお、下線は、当審が付したものである。)及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用例1発明」という。)が開示されている。 なお、引用例1発明のa?dについては、説明のために当審にて付したものである。 (以下、「構成a」、・・・、「構成d」という。) a 動画データと広告映像位置情報を含む動画映像デジタル情報を、動画映像デジタル情報再生装置に送信し、広告映像位置情報は、映像座標位置と広告サイトアドレスと広告サイト名称・内容から構成され、 b 前記動画映像デジタル情報再生装置は、動画映像デジタル情報を映像信号に変換して画面に出力し、 c 画面映像に登場する複数の商品のそれぞれに、そのメーカーの広告サイト情報を備えるようにし、利用者が映像画面をクリックした信号に応答して、広告映像位置情報が記録された動画対応記録部を検索し、広告映像位置情報の中からクリックされた座標を含む映像座標位置を抽出して、その広告サイトアドレスを取得するが、映像再生を継続し、インターネット接続を保留し、選択された広告サイトの名称ボタン群を表示し、動画映像の再生が中断又は終了したとき、そのボタンをクリックすることにより広告サイトを接続表示する d 方法。 (3-2-2)引用例2 原査定の拒絶の理由に引用され、かつ、当審の平成28年3月4日付けの拒絶理由通知に引用された特表2002-534013号公報(以下、「引用例2」という。)には、ビデオデータと、商品のインターネットウェブページへの電子リンクを含む広告情報を受信し、受信したビデオデータを含むテレビジョン番組の再生時に、再生されている番組の場面に登場するアイテムに対応する広告情報を表示することに際して、画面上のビデオデータの表示領域とは別に、各アイテムの広告マーク表示用に画面の一部を割り当て、番組の再生時には、前記割り当てられた領域に、再生されている場面に登場するアイテムの広告マークを選択可能に表示させ、当該広告マークを選択することにより広告情報を表示する技術が記載されている。(段落0020、0023、0028?0031、0034、0035、図5等を参照。)。 (3-2-3)引用例3 当審の平成28年3月4日付けの拒絶理由通知に引用された特開2002-158991号公報(以下、「引用例3」という。)には、シーンチェンジ点を広告挿入の挿入可能点とし、ユーザが要求する挿入要求点に最も近い挿入可能点に広告を挿入する技術が記載されている(段落0001、0019?0025等を参照。)。 (3-2-4)引用例4 当審の平成28年3月4日付けの拒絶理由通知に引用された特開2000-13767号公報(以下、「引用例4」という。)には、シーンの変わり目をCM挿入推奨箇所とし、番組内における適切箇所にCMを挿入する技術が記載されている(段落0157?0162等を参照。)。 (3-2-5)引用例5 原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-335518号公報(以下、「引用例5」という。)には、番組映像表示中に、視聴者によって指定されたオブジェクトに対応するコマーシャル画像の再生に際し、指定されたオブジェクトに対応するコマーシャルを、前記番組映像の終了後、次の番組映像の再生前に表示させるようにする技術が記載されている(段落0209?0224、図26?28等を参照。)。 (4)対比 補正後発明1と引用例1発明を対比する。 (4-1)補正後発明1の構成Aについて 引用例1発明の構成aの「動画データ」は、補正後発明1の構成Aの「ビデオストリーム」に相当する。 引用例1発明の構成aの「広告映像位置情報」は、「映像座標位置と広告サイトアドレスと広告サイト名称・内容から構成され」ており、構成dのように、「画面映像に登場する複数の商品のそれぞれに、そのメーカーの広告サイト情報を備えるようにし、利用者が映像画面をクリックした信号に応答して、」「広告映像位置情報の中からクリックされた座標を含む広告映像座標位置を抽出して、その広告サイトアドレスを取得」し、「広告サイトを接続表示する」際に用いられるものである。すなわち、構成aの「広告映像位置情報」は、「動画データ」内に登場する複数の商品の広告に関連するデータであるから、補正後発明1の構成Aの「関連データ」に相当する。 引用例1発明の構成aの「動画映像デジタル情報再生装置」は、構成bにて限定されているように、「動画映像デジタル情報を映像信号に変換して画面に出力」するものであるから、動画データを再生するものであり、補正後発明1の構成Aの「前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤ」に相当する。 そうすると、引用例1発明の構成aの「動画データと広告映像位置情報を含む動画映像デジタル情報を、動画映像デジタル情報再生装置に送信」することは、補正後発明1の構成Aの「ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信する」ことに相当する。 引用例1発明の構成aの「映像座標位置と広告サイトアドレスと広告サイト名称・内容」は、動画データにおける複数の商品に対応する広告サイトを表示するために利用されるデータであるから、補正後発明1の構成Aの「前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータ」に相当する。 そうすると、引用例1発明の構成aの「広告映像位置情報は、映像座標位置と広告サイトアドレスと広告サイト名称・内容から構成され」は、補正後発明1の構成Aの「前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み」に相当する。 さらに、引用例1発明の構成aの「動画映像デジタル情報再生装置」は、構成bにあるように、動画映像デジタル情報を映像信号に変換して画面に出力するものであり、動画映像を画面に表示するものであるから、少なくとも、補正後発明1の構成Aの「ビデオ表示領域」を含むものである。 したがって、引用例1発明の構成aと補正後発明1の構成Aは、「ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域を含」む点で共通する。 しかし、ビデオプレーヤの表示領域に関して、引用例1発明は、映像を表示する、すなわち、ビデオ表示領域を有するものではあるが、補正後発明1のように、「前記ビデオプレーヤは」「製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離している」構成ではない。(相違点1) (4-2)補正後発明1の構成Bについて 引用例1発明の構成bは、「前記動画映像デジタル情報再生装置は、動画映像デジタル情報を映像信号に変換して画面に出力」するものであるから、補正後発明1の構成Bに相当する構成を有するものである。 (4-3)補正後発明1の構成Cについて 引用例1発明は、上記(4-1)で検討したように、補正後発明1のように、「製品表示領域」を含む構成ではないため、製品表示領域に何を表示するかについて限定した補正後発明1の構成Cのような構成を有するものではない。(相違点2) (4-4)補正後発明1の構成Dについて 引用例1発明の構成cの「利用者が映像画面をクリックした信号に応答して」については、映像を再生している時に、利用者がクリックするのであるから、補正後発明1の構成Dの「前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して」に相当する。 また、引用例1発明の構成cの「映像再生を継続」することは、利用者がクリックしたときの映像画面が、クリックした後にも再生が継続されており、映像の再生中の画面であることから、補正後発明1の構成Dの「前記ビデオストリームの再生を中断することなく、」に相当する。 引用例1発明の構成cでは、「広告映像位置情報が記録された動画対応記録部を検索し、広告映像位置情報の中からクリックされた座標を含む映像座標位置を抽出して、その広告サイトアドレスを取得するが、」「インターネット接続を保留し、選択された広告サイトの名称ボタン群を表示し、動画映像の再生が中断又は終了したとき、そのボタンをクリックすることにより広告サイトを接続表示」しており、ここで、「広告サイトを接続表示」とは、『広告サイトに接続することにより広告が表示されること』といえ、当該『広告』は、広告サイトにインターネット接続されることにより、入手されるものであり、動画には含まれていないものである。 したがって、構成cにおいて、『広告サイトに接続することにより広告が表示されること』の『広告』は、補正後発明1の構成Dのように「前記ビデオストリームに含まれていなかった広告」である。 そして、構成cの『広告』は、インターネット接続されることにより、入手されるものであるから、インターネットを介した外部の予め決められた場所に保管されているといえ、このような広告が保管されている場所は、補正後発明1の「所定の広告在庫レポジトリ」に相当する。また、インターネット接続されることにより、送信されるものであるから、構成cの『広告』は、補正後発明1の構成Dのように「所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告」であるといえる。 引用例1発明の構成cの「広告映像位置情報の中からクリックされた座標を含む映像座標位置を抽出して、その広告サイトアドレスを取得する」ことにおいて、「広告サイトアドレス」は、見たい商品の広告を参照するための情報であるから、補正後発明1の構成Dのように「広告への参照を含む」ものであり、「特定の製品に対応する」ものである。また、上記(4-1)の検討から、「広告サイトアドレス」は、補正後発明1の「メタデータ」に相当する。 そして、利用者のクリックにより取得するが、インターネット接続を保留するのであるから、取得された広告サイトアドレスを記憶していることは自明である。したがって、引用例1発明の構成cの「広告映像位置情報の中からクリックされた座標を含む広告映像座標位置を抽出して、その広告サイトアドレスを取得する」ことは、補正後発明1の構成Dのように「広告への参照を含む」、前記特定のユーザ入力が受信された時に「特定の製品に対応する」前記メタデータに基づく記録を記憶することといえる。 そうすると、引用例1発明の構成cと補正後発明1の構成Dとは「前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶する」点で共通する。 しかし、「特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶する」ことについて、引用例1発明は、補正後発明1のように、「前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合」に限定されているものでない。(相違点3)また、「前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しない」ものでもない。(相違点6) さらに、上記(4-1)、(4-3)で検討したように、「製品表示領域」を含む構成でなく、したがって、製品表示領域に「視覚インジケータ」を表示する構成でもないため、引用例1発明は、補正後発明1のように、特定の製品が「前記視覚インジケータによって指示される」ものでない。(相違点4)また、「前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更」する構成でもない。(相違点5) (4-5)補正後発明1の構成Eについて 引用例1発明の構成cの「利用者が映像画面をクリックした信号に応答して、」「その広告サイトアドレスを取得するが、」「選択された広告サイトの名称ボタン群を表示し、動画映像の再生が中断又は終了したとき、そのボタンをクリックすることにより広告サイトを接続表示する」ことにおいて、「動画映像の再生が中断又は終了したとき」が、広告を挿入するのに適した箇所と設定しているものであるから、補正後発明1の構成Eの「前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を自動的に挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させる」こととは、「前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させる」点で共通する。 しかし、引用例1発明は、「選択された広告サイトの名称ボタン群を表示し、」「そのボタンをクリックすることにより広告サイトを接続表示する」ものである、すなわち、手動で広告を再生するものであるが、補正後発明1は、自動的に再生するものである。(相違点7) また、引用例1発明の広告挿入ポイントは、「動画映像の再生が中断又は終了したとき」の位置であるのに対し、補正後発明1は、「広告挿入ポイントは、前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現」するものである。(相違点8) さらに、上記(4-3)で検討したように、引用例1発明は、製品表示領域に「視覚インジケータ」を表示する構成ではないため、補正後発明1のように、「前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているもの」でない。(相違点9) そして、上記(4-4)で検討したように、引用例1発明は、「前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しない」ものでないため、補正後発明1のように、「前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させる」ものでない。(相違点10) (4-6)補正後発明1の構成Fについて 引用例1発明の構成eは、補正後発明1の構成Fと一致する。 したがって、補正後発明1と引用例1発明は、以下の点で一致ないし相違する。 [一致点] ビデオストリーム及び関連データを、前記ビデオストリームを再生するためのビデオプレーヤへ送信するステップであって、前記関連データは、前記ビデオストリーム中のコンテンツに関連する複数の製品のそれぞれに対応するメタデータを含み、前記ビデオプレーヤはビデオ表示領域を含むステップと、 前記ビデオプレーヤにより前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生するステップと、 前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを再生している間に、特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記ビデオストリームの再生を中断することなく、前記ビデオストリームに含まれていなかった広告であって、所定の広告在庫レポジトリにおいて格納され、当該所定の広告在庫レポジトリがやりとり先へ送信する広告への参照を含む、前記特定のユーザ入力が受信された時に特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶するステップと、 前記記録がある場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記特定のユーザ入力の受信後において対応できる広告挿入ポイントに前記広告を挿入して前記広告挿入ポイントで前記広告を再生させるステップと、 を含むことを特徴とする方法。」 [相違点1] ビデオプレーヤの表示領域に関して、補正後発明1は、「製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離している」のに対し、引用例1発明は、映像を表示する、すなわち、ビデオ表示領域を有するものではあるが、製品表示領域を含み、ビデオ表示領域は製品表示領域と分離している構成でない点。 [相違点2] 補正後発明1は、「前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップ」を含むのに対し、引用例1発明は、そのようなステップを含むものではない点。 [相違点3] 特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶することに関して、補正後発明1は、「前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合、」記憶するのに対し、引用例1発明は、記憶するものではあるが、どのような場合についてであるかの限定がない点。 [相違点4] 特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶することに関して、補正後発明1の特定の製品は、「前記視覚インジケータによって指示される」特定の製品であるのに対し、引用例1発明は、そのような限定がない点。 [相違点5] 補正後発明1は、「前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更」するのに対し、引用例1発明は、そのような構成を有しない点。 [相違点6] 補正後発明1は、「前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されている場合、当該記録を記憶しない」のに対し、引用例1発明は、そのような構成を有しない点。 [相違点7] 広告挿入ポイントに広告を挿入することに関して、補正後発明1は、「自動的に挿入」するのに対し、引用例1発明は、「ボタンをクリックすることにより」挿入するものである点。 [相違点8] 広告挿入ポイントに関して、補正後発明1は、「前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現」するのに対し、引用例1発明は、「動画映像の再生が中断又は終了したとき」である点。 [相違点9] 特定の製品に関して、補正後発明1は、「それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているもの」であるのに対し、引用例1発明は、そのような限定がない点。 [相違点10] 補正後発明1は、「前記記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させる」のに対し、引用例1発明は、そのような構成を有しない点。 (5)判断 上記相違点について検討する。 (5-1)相違点1、2、4、5、9について 相違点1、2、4、5、9は、いずれも、補正後発明1が「製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離している」ことに起因して生じる相違点であるから、これらの相違点について順に検討する。 (5-1-1)相違点1について 上記相違点1に関し、引用例2には、上記(3-2-2)のとおり、ビデオデータと、商品のインターネットウェブページへの電子リンクを含む広告情報を受信し、受信したビデオデータを含むテレビジョン番組の再生時に、再生されている番組の場面に登場するアイテムに対応する広告情報を表示することに際して、画面上のビデオデータの表示領域とは別に、各アイテムの広告マーク表示用に画面の一部を割り当て、番組の再生時には、前記割り当てられた領域に、再生されている場面に登場するアイテムの広告マークを選択可能に表示させ、当該広告マークを選択することにより広告情報を表示する技術が記載されている。 引用例2に記載された技術も、ビデオデータ中の商品(アイテム)についての広告をウェブサイトにアクセスすることにより取得する技術であり、引用例1発明において、「映像画面をクリック」することにより、「広告サイトアドレスを取得」し、「広告サイトを接続表示する」ことに代えて、「画面上のビデオデータの表示領域とは別に、各アイテムの広告マーク表示用に画面の一部を割り当て、番組の再生時には、前記割り当てられた領域に、再生されている場面に登場するアイテムの広告マークを選択可能に表示させ、当該広告マークを選択することにより広告情報を表示する」引用例2に記載された技術を用いることにより、補正後発明1のように、「前記ビデオプレーヤは」「製品表示領域を含み、前記ビデオ表示領域は前記製品表示領域と分離している」構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点1に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-1-2)相違点2について 上記相違点2に関して、引用例2では、再生されている番組の場面に登場するアイテムの広告マークを視聴者が選択するものであるから、広告マーク表示用の画面には、ビデオデータの表示領域にて現在再生されている番組の場面に登場するアイテムの広告マークが表示されているといえる。 ここで、引用例2の「アイテム」は、補正後発明1の「特定の製品」に相当し、引用例2の「広告マーク」は、広告を指し示すものであり、目で見えるものであるから、補正後発明1の「視覚インジケータ」に相当する。 さらに、「アイテム」は、ビデオデータに登場しているものであり、ビデオデータの内容に関連しているといえるから、補正後発明1の「前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連」するものである。 また、引用例2の「広告情報」は、商品のインターネットウェブページへの電子リンクを含むものであり、かつ、ビデオデータと共に受信するものであるから、補正後発明1の「関連データ」に相当し、メタデータが存在しているといえる。 そうすると、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、補正後発明1のように、「前記ビデオプレーヤが前記ビデオストリームを前記ビデオ表示領域で再生している間に、前記ビデオ表示領域に現在表示されている特定の製品を特定する視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップであって、前記特定の製品は、(a)前記再生されるビデオストリームのコンテンツに関連し、かつ(b)前記関連データ中にメタデータが存在するような、製品であるステップ」を含むようにすることは、容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点2に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-1-3)相違点4について 上記相違点4に関して、引用例2では、広告マークを選択すると、広告マークのアイテムの広告情報が表示されるので、アイテムは、広告マークによって指示されるものであり、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、特定の製品は、補正後発明1のように、「前記視覚インジケータによって指示される特定の製品」とするようにすることは、容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点4に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-1-4)相違点5について 上記相違点5に関して、上記(3-1-2)で検討したように、引用例2では、広告マーク表示用の画面には、ビデオデータの表示領域にて現在再生されている番組の場面に登場するアイテムの広告マークが表示されているといえ、ビデオデータの表示が違うアイテムに変更されれば、広告マークもそれに合わせて変更されるものであると考えられる。 そうすると、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、補正後発明1のように、「前記視覚インジケータを前記ビデオプレーヤの製品表示領域に表示するステップにおける製品表示領域において特定される製品を、前記再生されているビデオストリームのコンテンツに現在関連している製品を反映するように変更」するようにすることは、容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点5に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-1-5)相違点9について 上記相違点9に関して、引用例2では、「再生されている場面に登場するアイテムの広告マークを選択可能に表示させ、当該広告マークを選択する」ものであり、広告マークを選択した時点では、再生されている場面に表示されているアイテムの広告マークが表示されているものである。そうすると、、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、補正後発明1のように、「前記特定の製品は、それの指示が、前記特定のユーザ入力を受信した時点において前記視覚インジケータに表示されているもの」とするようにすることは、容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点9に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-1-6)(5-1)の小活 したがって、引用例1発明において、引用例2に記載された技術を用いることにより、相違点1、2、4、5、9に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-2)相違点3、6、10について 上記相違点3、6、10は、いずれも、前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されているか否かに応じて行われる処理であり、これらをまとめると、補正後発明1は、『前記特定のユーザが前記ビデオプレーヤへのアクセスが制限されていない場合には、特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶し、アクセスが制限されている場合には、当該記録を記憶せず、記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させるものである』のに対し、引用例1発明は、『特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶するものであるが、アクセス制限の有無についての限定がなく、記録がない場合についての限定もない』点で相違するものである。(以下、「相違点A」という。) ここで、ユーザのアクセス制限の有無に応じて、制御を異ならせ、例えば、当該ユーザがアクセス制限がないユーザであれば、ユーザの指示に応じた制御を行うが、アクセス制限があるユーザであれば、ユーザの指示を無視して、制御を行わないように設定することは、様々な電子機器において、周知慣用に利用されていることであり、引用例1発明における『特定の製品に対応する前記メタデータに基づく記録を記憶する』のは、ユーザがアクセスが制限されていない場合とし、アクセスが制限されている場合には、当該記録を記憶しないようにすることに関しては、当業者が容易に想到し得ると判断できる。 しかし、引用例1発明に、そのような周知慣用の技術を組み合わせた場合を想定しても、記録がない場合については、(a)何もしない、すなわち、広告を挿入しない、(b)予め決められた間隔で、予め決められた広告を挿入するということまでは想定できるものの、補正後発明1のような『記録がない場合、前記特定のユーザ入力を受信したことに応答して、前記広告以外の他の広告を前記広告挿入ポイントで再生させる』ことは、想定できないものである。 また、引用例1発明に、引用例2?5に記載された技術を用いた場合を想定しても、同様に、想定できないものである。 したがって、引用例1発明及び引用例2?5に記載された技術を勘案しても、上記相違点Aに係る構成を思い至ることは、論理に飛躍があり、容易に想到できるといえない。 (5-3)相違点7について 広告挿入ポイントに広告を挿入することに関して、引用例1発明は、「ボタンをクリックすることにより」挿入、すなわち、広告挿入ポイントで、確認した後に指示により挿入するものであるが、何らかの処理を行う際に、確認してから行うことに代えて、確認せずに自動で行うようにすることは、様々な電子機器において、周知慣用に利用されていることであり、引用例1発明における「ボタンをクリックすることにより」挿入することに代えて、「自動的に挿入」するようにすることは、当業者が容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、周知の技術を用いることにより、相違点7に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (5-4)相違点8について 引用例1発明は、「動画映像の再生が中断又は終了したとき」を挿入ポイントとするものであるが、引用例3、引用例4に記載されたように、シーンチェンジの箇所に広告を挿入することは周知の技術であり、また、シーンチェンジの箇所は、2つのビデオセグメントの間であるといえるので、引用例1発明における「動画映像の再生が中断又は終了したとき」に広告を挿入することにおいて、このような周知の技術を適用することにより、シーンチェンジの箇所に広告を挿入するようにするようにし、補正後発明1のように「前記ビデオストリーム内の2つのビデオセグメント間のポイントであって、前記広告が挿入可能かに基づいて決定されるポイントのことであり、前記ビデオストリームが再生されると、前記広告挿入ポイントの前に前記2つのビデオセグメントのうちの第1のビデオセグメントが出現し、前記広告挿入ポイントの後に第2のビデオセグメントが出現」するようにすることは当業者が容易に想到し得るものである。 したがって、引用例1発明において、引用例3、引用例4に記載された周知の技術を用いることにより、相違点8に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 (6)記載要件について 上記2.(1)(1-2)、(1-5)、(2-2)、(2-5)で検討したように、補正後の請求項1ないし12に係る発明は、補正により、発明の詳細な説明に記載したものとなり、明確なものとなった。 また、記載要件に関する他の拒絶理由は無い。 (7)小活 したがって、補正後発明1は、当業者が引用例1発明及び引用例2?5に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 補正後の請求項2ないし12に係る発明についても、上記相違点に係る構成を全て有しているものであるので、補正後発明1と同様に、当業者が引用例1発明及び引用例2?5に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 また、補正後の請求項1ないし12に係る発明について、記載要件に関する拒絶理由は無い。 さらに、独立特許要件違反となるその他の理由も発見しない。 よって、本件補正の補正事項1?12は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 3.むすび 本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。 第3 本願発明 本件補正は、上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1ないし12に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、請求項1ないし12に係る発明は、第2の2.のとおり、当業者が引用例1発明及び引用例2、5に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審拒絶理由についても、請求項1ないし12に係る発明は、第2の2.のとおり、当業者が引用例1発明及び引用例2?4に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえず、請求項1ないし12に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなり、明確なものとなったので、当審拒絶理由は解消した。 第4 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することができない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-12-27 |
出願番号 | 特願2013-162725(P2013-162725) |
審決分類 |
P
1
8・
574-
WY
(H04N)
P 1 8・ 572- WY (H04N) P 1 8・ 575- WY (H04N) P 1 8・ 121- WY (H04N) P 1 8・ 537- WY (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 豊島 洋介、赤穂 州一郎 |
特許庁審判長 |
藤井 浩 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 渡辺 努 |
発明の名称 | ビデオ内ブックマーキングに関する方法、及び非一時的コンピュータ可読記録媒体 |
代理人 | 酒井 宏明 |