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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02G
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02G
管理番号 1323140
審判番号 不服2015-8947  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-05-13 
確定日 2016-12-28 
事件の表示 特願2013- 4480「形状影響補強材を備えたアコーディオン風グロメット」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月15日出願公開、特開2013-158233〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成25年1月15日(パリ条約による優先権主張2012年1月12日、アメリカ合衆国)の外国語書面出願であって,平成25年1月15日付けで審査請求がなされ、同年2月6日付けで特許法第36条の2第2項の規定による外国語書面、及び、外国語要約書面の日本語による翻訳文が提出がなされ、平成25年8月2日付けで手続補正書の提出がなされ、同年11月27日付けで手続補正書の提出がなされ、平成26年1月21日付けで拒絶理由の通知がなされ、同年4月28日付けで意見書及び手続補正書の提出がなされ、同年9月9日付けで拒絶理由の通知がなされ、同年12月15日付けで意見書及び手続補正書の提出がなされ、平成27年1月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年5月13日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正書の提出がなされ、同年10月16日付けで上申書の提出がなされた。
そして、当審において、同年12月24日付けで拒絶理由が通知され、平成28年4月5日付けで意見書及び手続補正書の提出がなされたものである。


2 本願発明
平成28年4月5日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
電線を収納するためのグロメットであり、
乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着するように構成された第一および第二の装着構造体を備えており、前記第一および第二の装着構造体は、それを通って延びる第一および第二の通路を有しており、また、
前記第一および第二の装着構造体の間に延びており、前記第一および第二の装着構造体の前記第一および第二の通路と連絡した第三の通路を定めているチューブを備えており、前記チューブは、複数の尾根と、前記複数の尾根の間にはさまれた複数の溝を有している波状部を有しており、また、
前記複数の尾根のうちの前記波状部の一部の区域内に配置されたものの間にはさまれた複数の補強材を備えており、前記複数の補強材は、前記チューブから半径方向に外へ延びる高さを有しており、前記複数の補強材は、前記グロメットの第一の区間に配置された複数の第一の補強材と、前記グロメットの第二の区間に配置された複数の第二の補強材と、前記グロメットの第一の区間と前記第二の区間の間に配置された前記グロメットの第三の区間に配置された複数の第三の補強材を有しており、前記第一の補強材は、前記チューブ上を周方向に第一の長さだけ延びており、前記第二の補強材は、前記チューブ上を周方向に第二の長さだけ延びており、前記第三の補強材は、前記チューブ上を周方向に前記第一および第二の長さよりも大きい第三の長さだけ延びており、前記第一および第二の補強材が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに、前記第三の区間は、前記第一および第二の区間に比較して少なく曲がる、グロメット。」

ここで、請求項1における「前記第一および第二の補強材が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに」との記載について検討すると、請求項1には、「乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着するように構成された第一および第二の装着構造体を備えており」との記載、及び「前記グロメットの第一の区間に配置された複数の第一の補強材と、前記グロメットの第二の区間に配置された複数の第二の補強材と」との記載があり、また、本願の願書に最初に添付した明細書の発明の詳細な説明には、「第一の装着構造体12と第二の装着構造体14は、たとえば乗り物のさまざまなボデーパネルに定められた開口内に装着するように構成されていてもよい」(【0013】)との記載、及び「波状部46はまた、尾根50の間にはさまれた補強材54を有していてもよい。補強材54の量と配置は、グロメット10の所望の形を生むように選択されてもよい。たとえば、補強材54の量は、グロメット10の曲げ強度を増大させるために増大されてもよい。さらに、補強材54は、区域56のグロメット10の曲げ強度を増大させるために波状部46の区域56に配置されてもよい」(【0016】)との記載がある。
そうすると、請求項1における「前記第一および第二の補強材が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに」との記載における「第一および第二の補強材」は、請求項1における他の記載、及び本願の願書に最初に添付した明細書の記載からみて誤記であり、本来「第一および第二の装着構造体」と記載すべきものと認められる。
以上から、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。

「電線を収納するためのグロメットであり、
乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着するように構成された第一および第二の装着構造体を備えており、前記第一および第二の装着構造体は、それを通って延びる第一および第二の通路を有しており、また、
前記第一および第二の装着構造体の間に延びており、前記第一および第二の装着構造体の前記第一および第二の通路と連絡した第三の通路を定めているチューブを備えており、前記チューブは、複数の尾根と、前記複数の尾根の間にはさまれた複数の溝を有している波状部を有しており、また、
前記複数の尾根のうちの前記波状部の一部の区域内に配置されたものの間にはさまれた複数の補強材を備えており、前記複数の補強材は、前記チューブから半径方向に外へ延びる高さを有しており、前記複数の補強材は、前記グロメットの第一の区間に配置された複数の第一の補強材と、前記グロメットの第二の区間に配置された複数の第二の補強材と、前記グロメットの第一の区間と前記第二の区間の間に配置された前記グロメットの第三の区間に配置された複数の第三の補強材を有しており、前記第一の補強材は、前記チューブ上を周方向に第一の長さだけ延びており、前記第二の補強材は、前記チューブ上を周方向に第二の長さだけ延びており、前記第三の補強材は、前記チューブ上を周方向に前記第一および第二の長さよりも大きい第三の長さだけ延びており、前記第一および第二の装着構造体が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに、前記第三の区間は、前記第一および第二の区間に比較して少なく曲がる、グロメット。」


3 引用文献
(1)引用文献1について
平成27年12月24日付けの拒絶理由通知において引用された本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2002-374612号公報(以下「引用文献1」という。)には、下記の事項が記載されている。(下線は当審により付加した。以下同様)

ア 「【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。実施形態のグロメットはワイヤハーネスに外装した状態で、前記図6に示す車体とランゲージドアとの間に取り付けるものである。
【0015】第1実施形態のグロメット10を図1乃至図3に示す。グロメット10は、前記図7と同様な、蛇腹状筒部11の両端に大径筒部12、13を連続して備え、ゴムまたはエラストマーにより一体成形されたグロメット本体15と、大径筒部12、13の内部に装着された樹脂インナー14とからなるものを用いている。
【0016】蛇腹状筒部11は、詳細には谷部11aと山部分11bとが交互に連続する蛇腹部11cの長さ方向(軸線方向)の両端に山谷に設けていない筒部11d、11eを介して大径筒部12、13に連続しており、一方の筒部11dは屈曲させて大径筒部12に連続させている。上記蛇腹筒部11の蛇腹部11cの長さ方向両端の外面11fには、帯状のリブ16を、複数の谷部11aと山部11とに跨って軸線方向に一体的に成形している。リブ16は、谷部11aを埋めて設け、その表面を山部11bの頂点と同一位置まで肉盛し、軸線方向に連続する表面16aを平坦な直線面としている。
【0017】上記リブ16を周方向の一部に設けており、該リブを設ける位置は、屈曲時に応力が発生しやすい位置としている。本実施形態では、長さ方向の両端において、それぞれ周方向の1カ所にリブ16を設けている。リブ16の長さL1および幅W1は、所要の大きさとしており、長さL1は曲げ応力集中箇所の範囲に応じて設定し、幅W1は周方向に大きくすれば剛性が高まるので、他の部位の剛性等を考慮して、なだらかに屈曲することができるように設定すると好適である。
【0018】上記構成とすると、グロメット10が複雑に屈曲することによって曲げ応力が集中し易い蛇腹状筒部11の端部において、リブ16を軸線方向に備えることで谷部11aを埋めて厚肉としているので、蛇腹状筒部11の端部が補強されて屈曲しにくくなる。よって、上記端部でのグロメット10の局所的なねじれや曲げが緩和され、内部に挿通された電線の断線等の損傷を防ぐことができる。
【0019】また、複数の谷部11aと山部11bに跨がるリブ16の表面16aを平坦面としているので、リブ16の肉厚が軸線方向に規則的となり、軸線方向の剛性が均質化され、なだらかに屈曲することができると共に、出っ張り部分を設けないことで引っ掛り等を防ぐことができる。
【0020】次に、第2実施形態を図4に示す。本実施形態と第1実施形態との相違点は、リブ16′は、谷部11aだけでなく山部11bの外面11fにおいても肉盛りしている点である。
【0021】山部11bおよび谷部11aの両方の外面11fをリブ16′にて埋めて厚肉としていると共に、リブ16′の表面16a′を平坦面としている。このように、谷部11aだけでなく山部11bにおいても肉厚を大とするリブ16′を設けることで、蛇腹状筒部11の端部においてさらに剛性が向上し、より一層グロメット10の局所的な屈曲が防がれ、内部に挿通された電線の断線等の損傷を防止できる。他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。」

イ 図6には、グロメットの両端にある大径筒部の一方が車体1に取り付けられ、他方がランゲージドア2に取り付けられた構成が記載されていると認められる。

ウ 図1には、円筒形の蛇腹状筒部11の両端に大径筒部が備えられ、大径筒部の内部に装着された樹脂インナー14には、大径筒部内へワイヤハーネスWを入れるための開口を有した構成が記載されていると認められる。

よって、ア乃至ウの記載から、引用文献1には、下記の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ワイヤハーネスに外装した状態で、車体とランゲージドアとの間に取り付けられるグロメットであり、
前記グロメットは、蛇腹状筒部の両端に大径筒部を連続して備え、ゴムまたはエラストマーにより一体成形されたグロメット本体と、前記大径筒部の内部に装着され、前記大径筒部内にワイヤハーネスWを入れるための開口を有した樹脂インナーとからなり、
前記グロメットの両端にある前記大径筒部の一方が車体に取り付けられ、他方がランゲージドアに取り付けられており、
前記蛇腹状筒部は、谷部と山部分とが交互に連続する蛇腹部の長さ方向(軸線方向)の両端に山谷に設けていない筒部を介して前記大径筒部に連続しており、
前記蛇腹部の長さ方向両端の外面には、帯状のリブを、複数の谷部と山部とに跨って軸線方向に一体的に成形しており、
前記リブは、谷部を埋めて設け、前記リブの長さおよび幅は、所要の大きさとしており、前記長さは曲げ応力集中箇所の範囲に応じて設定し、前記幅は周方向に大きくすれば剛性が高まるので、他の部位の剛性等を考慮して、なだらかに屈曲することができるように設定した、
グロメット。」

(2)引用文献2について
平成27年12月24日付けの拒絶理由通知において引用された本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2007-181267号公報(以下「引用文献2」という。)には、下記の事項が記載されている。

エ 「【0001】
本発明は、自動車のスライドドア等のスライド構造体に取り付けられる補機に常時給電を行うためのスライド構造体用の給電装置に関するものである。」

オ 「【0036】
コルゲートチューブ13は、図4に示すように、筒状の本体部22と、該本体部22の外表面から突出した複数のリブ23と、リブ23同士を連結しかつ前記本体部22の外表面から突出した連結部24とを備え、あたかも蛇腹状に形成されている。」

カ 「【0059】
次に、本発明の第3の実施形態にかかるスライド給電装置(以下、単に給電装置と記す)1を、図7を参照して説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施形態は、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、図7に示すように、コルゲートチューブ13の両端部13aに高剛性部14を設け、該コルゲートチューブ13の中央部13bに低剛性部15を設けている。また、本実施形態では、高剛性部14のリブ23の前述した厚みT1と、低剛性部15のリブ23の前述した厚みT2とを等しく形成している。即ち、本実施形態では、全てのリブ23の厚みT1,T2を等しくしている。さらに、また、本実施形態では、高剛性部14のリブ23間の間隔D1と、低剛性部15のリブ23間の間隔D2とを等しく形成している。即ち、本実施形態では、全てのリブ23間の間隔D1,D2を等しくし、リブ23を等間隔に配置している。
【0061】
高剛性部14の連結部24のコルゲートチューブ13の周方向の幅H1より低剛性部15の連結部24のコルゲートチューブ13の周方向の幅H2が狭く形成している。こうすることで、本実施形態では、高剛性部14を低剛性部15より剛性が高く(弾性変形しにくく)形成している。即ち、本体部22即ちコルゲートチューブ13の両端部13aを、該本体部22即ちコルゲートチューブ13の中央部13bより剛性を高く形成して、コルゲートチューブ13の両端部13aを、該コルゲートチューブ13の中央部13bよりも曲がりにくくしている。なお、高剛性部14及び低剛性部15では、各々、連結部24の幅H1,H2を一定にしている。
【0062】
本実施形態によれば、両端部13aの連結部24の幅H1より中央部の連結部24の幅H2が狭く形成されているので、コルゲートチューブ13の両端部13aより中央部13bが確実に剛性が低くなり、スライドドア4がスライドしてコルゲートチューブ13が曲がる際に、確実に該コルゲートチューブ13の両端部13aが殆ど曲がらずに中央部13bが主に曲がる。したがって、コルゲートチューブ13の曲がりが該曲がりの外周に膨らむことを確実に防止できる。」

キ「【0070】
また、前述した第1の実施形態ではリブ23の厚みT1,T2を変更し、前述した第2の実施形態ではリブ23間の間隔D1,D2を変更し、前述した第3の実施形態では連結部24の幅H1,H2を変更し、前述した第4の実施形態では材料を変更することで、両端部13a(即ち一端部13a)より中央部13bの剛性を低くしている。しかしながら、本発明では、リブ23の厚みT1,T2を変更することと、前述した第2の実施形態ではリブ23間の間隔D1,D2を変更することと、前述した第3の実施形態では連結部24の幅H1,H2を変更することと、前述した第4の実施形態では材料を変更することとのうち少なくとも二つを組み合わせて、両端部13a(即ち一端部13a)より中央部13bの剛性を低くしても良い。要するに、如何なる手段を用いても、両端部13a(即ち一端部13a)より中央部13bの剛性を低くすれば良い。さらに、本発明では、リブ23の厚みT1,T2、リブ23間の間隔D1,D2や連結部24の幅H1,H2を徐々に変化させて、両端部13a(即ち一端部13a)から中央部13bに向かうにしたがって、コルゲートチューブ13の剛性を徐々に低くしても良い。」

ク 図7には、内部に電線束11を通したコルゲートチューブ13において、リブ23間の連結部分の幅をコルゲートチューブ13の長さ方向で変更した構成が記載されているものと認められる。

ここで、引用文献2の記載事項について検討する。

ケ コルゲートチューブの用途について
上記エには、「本発明は、自動車のスライドドア等のスライド構造体に取り付けられる補機に常時給電を行うためのスライド構造体用の給電装置に関するもの」と記載され、上記クからコルゲートチューブは電線束を内部に通したものと認められる。

コ コルゲートチューブの構成について
上記オには、コルゲートチューブが、「筒状の本体部22と、該本体部22の外表面から突出した複数のリブ23と、リブ23同士を連結しかつ前記本体部22の外表面から突出した連結部24とを備え、あたかも蛇腹状に形成」されていること、上記カには、「高剛性部14の連結部24のコルゲートチューブ13の周方向の幅H1より低剛性部15の連結部24のコルゲートチューブ13の周方向の幅H2が狭く形成している」こと、上記キには、「本発明では、・・・中略・・・連結部24の幅H1,H2を徐々に変化させて、・・・中略・・・コルゲートチューブ13の剛性を徐々に低くしても良い」ことが記載されている。

よって、上記エ乃至コの記載から、引用文献2には、下記の事項が記載されていると認められる。

「自動車に用いられる電線束を内部に通したコルゲートチューブは、筒状の本体部と、該本体部の外表面から突出した複数のリブと、リブ同士を連結しかつ前記本体部の外表面から突出した連結部とを備え、低剛性部における連結部のコルゲートチューブの周方向の幅は、高剛性部における連結部のコルゲートチューブの周方向の幅より狭く形成し、連結部のコルゲートチューブの周方向の幅を徐々に変化させて、コルゲートチューブの剛性を徐々に低くすること。」

(3)引用文献4について
平成27年12月24日付けの拒絶理由通知において引用された本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2008-99476号公報(以下「引用文献4」という。)には、下記の事項が記載されている。

サ 「【0001】
本発明は、グロメットに関し、詳しくは、自動車の車体パネルとドアあるいはトランクリッドの間に配索される電線群に外装するグロメットに関するものである。」

シ 「【0018】
グロメット10は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等のゴムまたはエラストマーにより一体成形され、長さ方向の両端に車体パネル20とトランクリッド21とにそれぞれ穿設した貫通孔20a、21aに挿入係止する円環形状の係止溝11a、12aを備えた短尺な大径筒部11、12と、該大径筒部11、12に連続した長尺な小径筒部13、14と、該両側の小径筒部13、14の間に連続させて設ける蛇腹筒部15とを備えている。
【0019】
グロメット10の蛇腹筒部15は、全長にわたり大径の山部15aと小径の谷部15bを蛇腹筒部15の長さ方向に同一ピッチで交互に設けて屈曲可能としており、図3に示すように、トランクリッド21の閉鎖時にU形状に屈曲される。なお、本実施形態においては、蛇腹筒部15の非伸長時の全長を18cmとし、山部15aの外径を20mm、ピッチを5mmとしている。
【0020】
また、図3に示すように、蛇腹筒部15がU形状に屈曲された状態で、屈曲部の頂点15pを挟む所要領域15A-1を他の領域15Bより肉厚を大とする領域とし、屈曲部の曲率Rを大きくしている。本実施形態において、前記屈曲部の頂点15pとなるのは、図1に示す非伸長状態の蛇腹筒部15の、車体パネル20係止側の小径筒部13と蛇腹筒部15との連続部16から7cm離れた点15pであり、この点15pを挟む前記連続部16から5?9cmの領域を、肉厚を大とする領域15A-1としている。この領域15A-1は、U形状に屈曲された状態で、屈曲部の頂点15pから両側部15C、15Dの中央位置15C-1、15D-1の長さ以下の領域となっている。
また、肉厚を大とする領域15A-1では、屈曲部の頂点15pにおける肉厚を2mmとして最大肉厚とし、両側に向けて肉厚1mmまで次第に薄くしている。
【0021】
また、蛇腹筒部15において、車体パネル20の係止側の小径筒部13と蛇腹筒部15との連続部16から3cmまでの領域も、他の領域15Bより肉厚を大とする領域15A-2とし、この領域15A-2は、U形状に屈曲された状態で、両側部15Cの中央位置15C-1に達するまでの領域としている。この肉厚を大とする領域15A-2では、車体パネル20の係止側の小径筒部13と連続する蛇腹筒部15の肉厚を2mmとして最大肉厚とし、中央位置15C-1側に向けて肉厚1mmまで次第に薄くしている。
蛇腹筒部15においては、前記肉厚を大とする領域15A-1および15A-2以外の領域を他の領域15Bとし、その領域の肉厚を1mm(一定)としている。」

ス 「【0025】
前記構成によれば、グロメット10の蛇腹筒部15がU形状に屈曲された状態で、屈曲部の頂点15pを挟む所要領域15A-1における蛇腹筒部15の肉厚を他の領域15Bよりも大として、屈曲部の曲率Rを大としているため、屈曲部の頂点15pを挟む所要領域15A-1における蛇腹筒部15の剛性が高められ、蛇腹筒部15の鋭角的な屈曲を防止することができる。よって、グロメット10に挿通される電線本数にかかわらず、トランクリッド21の開閉によってグロメット10が直線状態と屈曲状態を繰り返しても、グロメット10に挿通される電線に金属疲労が発生するのを低減することができる。」

ここで、引用文献4の記載事項について検討する。

セ グロメットの用途について
上記サには、「本発明は、グロメットに関し、詳しくは、自動車の車体パネルとドアあるいはトランクリッドの間に配索される電線群に外装するグロメットに関するもの」と記載されているから、引用文献4には、「自動車の車体パネルとトランクリッドの間に配索される電線群に外装するグロメット」が記載されている。

ソ グロメットの構成について
上記シには、「グロメット10は、・・・中略・・・大径筒部11、12と、該大径筒部11、12に連続した長尺な小径筒部13、14と、該両側の小径筒部13、14の間に連続させて設ける蛇腹筒部15とを備えている」こと、「蛇腹筒部15がU形状に屈曲された状態で、屈曲部の頂点15pを挟む所要領域15A-1を他の領域15Bより肉厚を大とする領域とし、屈曲部の曲率Rを大きくしている」こと、「肉厚を大とする領域15A-1では、屈曲部の頂点15pにおける肉厚を2mmとして最大肉厚とし、両側に向けて肉厚1mmまで次第に薄くしている」こと、上記スには、「屈曲部の頂点15pを挟む所要領域15A-1における蛇腹筒部15の剛性が高められ、蛇腹筒部15の鋭角的な屈曲を防止することができる」こと、「グロメット10に挿通される電線に金属疲労が発生するのを低減する」ことが記載されている。

よって、上記サ乃至ソの記載から、引用文献4には、下記の事項が記載されていると認められる。

「自動車の車体パネルとトランクリッドの間に配索される電線群に外装する蛇腹筒部を備えたグロメットにおいて、蛇腹筒部15がU形状に屈曲された状態で、屈曲部の頂点を最大肉厚とし、その両側に向けて肉厚を次第に薄くして、所要領域における蛇腹筒部の剛性が高められ、蛇腹筒部の鋭角的な屈曲を防止し、グロメットに挿通される電線に金属疲労が発生するのを低減すること。」


4 対比
(1)本願発明と引用発明との対応関係
ア グロメット内に収納されるものについて
引用発明は、「ワイヤハーネスに外装した状態で、車体とランゲージドアとの間に取り付けられるグロメット」であるから、グロメット内には「ワイヤハーネス」が収納されるものであり、「ワイヤハーネス」は電線の下位概念であることから、引用発明も「電線を収納するためのグロメット」であるといえる。

イ グロメットが装着される対象と装着構成について
本願発明の「グロメット」は、「乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着」されるものであり、引用発明の「グロメット」は、両端の一方が「車体に取り付けられ」、他方が「ランゲージドアに取り付けられ」ているので、引用発明の「車体」は、本願発明の「乗り物の第一および第二のパネル」のうちの一方のパネルに相当し、引用発明の「ランゲージドア」は、本願発明の「乗り物の第一および第二のパネル」のうちの他方のパネルに相当している。

ウ グロメットを装着するための構成について
本願発明の「グロメット」は、「第一および第二のパネル」に装着する「第一および第二の装着構造体を備えており」、該「第一および第二の装着構造体」は、「それを通って延びる第一および第二の通路を有し」たものであり、引用発明の「グロメット」は、「蛇腹状筒部の両端に大径筒部を連続して備え、ゴムまたはエラストマーにより一体成形されたグロメット本体と、大径筒部の内部に装着され、前記大径筒部内にワイヤハーネスWを入れるための開口を有した樹脂インナー」とからなり、「前記グロメットの両端にある前記大径筒部の一方が車体に取り付けられ、他方がランゲージドアに取り付けられ」たものとなっているので、引用発明の内部に「樹脂インナー」が装着された「大径筒部」の「一方」および「他方」は、本願発明の「第一および第二の装着構造体」に相当している。
そして、引用文献1には、段落【0014】に「実施形態のグロメットはワイヤハーネスに外装した状態で、前記図6に示す車体とランゲージドアとの間に取り付けるものである」こと、図1に樹脂インナーが大径筒部内にワイヤハーネスWを入れるための開口を有していることが記載されているので、グロメットの蛇腹状筒部及び蛇腹状筒部の両端の樹脂インナーが装着された大径筒部は、ワイヤハーネスを内部に挿通するための通路を有していることは明らかである。

エ 上記ア乃至ウから、引用発明の「グロメット」は、本願発明の「電線を収納するためのグロメットであり、乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着するように構成された第一および第二の装着構造体を備えており、前記第一および第二の装着構造体は、それを通って延びる第一および第二の通路を有」したものと認められる。

オ チューブの構成について
引用発明の「蛇腹状筒部」は、「両端に大径筒部」を備え、「谷部と山部分とが交互に連続する蛇腹部」を有しており、また、上記ウより蛇腹状筒部の内部にはワイヤハーネスが挿通していることから、引用発明の「蛇腹状筒部」は、本願発明の「前記第一および第二の装着構造体の間に延びており、前記第一および第二の装着構造体の前記第一および第二の通路と連絡した第三の通路を定めているチューブ」に相当している。そして、引用発明の「蛇腹部」は、「谷部と山部分とが交互に連続する」ものなので、引用発明の「蛇腹部」は本願発明の「波状部」に相当し、引用発明の交互に連続する「山部」と「谷部」は、本願発明の「複数の尾根」と「前記複数の尾根の間にはさまれた複数の溝」に相当している。

カ グロメットの曲がりを調整する構成について
引用文献1の図1には、円筒形の蛇腹状筒部が記載されていると認められるところ、引用発明の「リブ」は、「蛇腹部」の「谷部を埋め、複数の谷部と山部とに跨って軸線方向に一体的に成形」されたものであるから、「蛇腹部」の「半径方向に外へ延びる高さを有」しているといえる。また、引用発明の「リブ」の「長さ」は、「曲げ応力集中箇所の範囲に応じて設定」されるものなので、引用発明の「リブ」は「蛇腹部」の一部の区域内に配置されているといえる。
よって、引用発明の「リブ」は、下記の相違点を除いて本願発明の「複数の補強材」に相当し、本願発明と引用発明は、「前記複数の尾根のうちの前記波状部の一部の区域内に配置されたものの間にはさまれた複数の補強材を備えており、前記複数の補強材は、前記チューブから半径方向に外へ延びる高さを有している」点で共通している。

(2)本願発明と引用発明の一致点について
上記の対応関係から、本願発明と引用発明は、下記の点で一致し、また相違する。

(一致点)
「電線を収納するためのグロメットであり、
乗り物の第一および第二のパネルにそれぞれ装着するように構成された第一および第二の装着構造体を備えており、前記第一および第二の装着構造体は、それを通って延びる第一および第二の通路を有しており、また、
前記第一および第二の装着構造体の間に延びており、前記第一および第二の装着構造体の前記第一および第二の通路と連絡した第三の通路を定めているチューブを備えており、前記チューブは、複数の尾根と、前記複数の尾根の間にはさまれた複数の溝を有している波状部を有しており、また、
前記複数の尾根のうちの前記波状部の一部の区域内に配置されたものの間にはさまれた複数の補強材を備えており、前記複数の補強材は、前記チューブから半径方向に外へ延びる高さを有している、グロメット。」

(相違点)
「複数の補強材」について、本願発明は「前記複数の補強材は、前記グロメットの第一の区間に配置された複数の第一の補強材と、前記グロメットの第二の区間に配置された複数の第二の補強材と、前記グロメットの第一の区間と前記第二の区間の間に配置された前記グロメットの第三の区間に配置された複数の第三の補強材を有しており、前記第一の補強材は、前記チューブ上を周方向に第一の長さだけ延びており、前記第二の補強材は、前記チューブ上を周方向に第二の長さだけ延びており、前記第三の補強材は、前記チューブ上を周方向に前記第一および第二の長さよりも大きい第三の長さだけ延びており、前記第一および第二の装着構造体が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに、前記第三の区間は、前記第一および第二の区間に比較して少なく曲がる」ものであるのに対し、引用発明の複数の補強材である「リブ」は、第一の区間、第二の区間、第三の区間にそれぞれ配置された構成とはなっていない点。


5 当審の判断
(1)相違点について
引用発明は、「前記蛇腹部の長さ方向両端の外面には、帯状のリブを、複数の谷部と山部とに跨って軸線方向に一体的に成形しており、前記リブは、谷部を埋めて設け、前記リブの長さおよび幅は、所要の大きさとしており、前記長さは曲げ応力集中箇所の範囲に応じて設定し、前記幅は周方向に大きくすれば剛性が高まる」ものなので、蛇腹部を備えたグロメットにおいて、蛇腹部の山部と山部の間の谷部をグロメットの周方向に埋める長さ(リブの幅)が長いほど、グロメットのその部分の剛性が高くなることは、引用発明に開示されている。
また、上記3(2)から引用文献2には、「連結部のコルゲートチューブの周方向の幅を徐々に変化させて、コルゲートチューブの剛性を徐々に低くすること」が記載され、上記3(3)から引用文献4には、「グロメット」の「屈曲部の頂点を最大肉厚とし、その両側に向けて肉厚を次第に薄く」することが記載されており、引用文献2及び引用文献4は自動車に用いられるグロメット(コルゲートチューブ)であること、肉厚が大きいほど剛性が高いことを踏まえれば、自動車に用いられるグロメットにおいて、蛇腹部(コルゲートチューブ)の剛性を徐々に変化させる構成は周知な構成である。
そして、蛇腹部を備えた自動車に用いられる内部に複数の電線を通したグロメットでは、グロメットが係止される貫通孔の位置や向き等に応じて大きく屈曲する部分が異なるものと認められるところ、上記3(3)から該大きな屈曲による内部の電線の金属疲労を低減するため、「屈曲部の頂点を最大肉厚とし、その両側に向けて肉厚を次第に薄く」すること、すなわち、屈曲部の頂点部分の剛性をその両端部分の剛性より高くすることは、引用文献4に記載されている。
してみると、引用発明のグロメットにおいても、蛇腹部に大きな屈曲が生じる状況で配置される場合に対応して、ワイヤーハーネスの損傷を防止するため、該大きな屈曲が生じる部分に幅が周方向に大きく長さがその部位の応力に対応して設定したリブを成形し、その両側に大きな屈曲が生じる部分に成形されたリブよりも幅が周方向に小さく長さがその部位の応力に対応して設定したリブを成形すること、換言すれば、相違点の「前記複数の補強材は、前記グロメットの第一の区間に配置された複数の第一の補強材と、前記グロメットの第二の区間に配置された複数の第二の補強材と、前記グロメットの第一の区間と前記第二の区間の間に配置された前記グロメットの第三の区間に配置された複数の第三の補強材を有しており、前記第一の補強材は、前記チューブ上を周方向に第一の長さだけ延びており、前記第二の補強材は、前記チューブ上を周方向に第二の長さだけ延びており、前記第三の補強材は、前記チューブ上を周方向に前記第一および第二の長さよりも大きい第三の長さだけ延びており」とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
また、引用発明に、「該大きな屈曲が生じる部分に幅が周方向に大きく長さがその部位の応力に対応して設定したリブを成形し、その両側に大きな屈曲が生じる部分に成形されたリブよりも幅が周方向に小さく長さがその部位の応力に対応して設定したリブを成形」することで、「大きな屈曲が生じる部分」は「その両側」の部分よりも剛性が高くなるため、相違点の「前記第一および第二の装着構造体が前記乗り物の前記第一および第二のパネルに装着されたときに、前記第三の区間は、前記第一および第二の区間に比較して少なく曲がる」と同じことになると認められ、本願発明の作用効果も、引用発明、引用文献2及び引用文献4に記載された事項及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献4に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)審判請求人の意見書に対して
審判請求人は、平成28年4月5日付け意見書において、
「審査官殿は、グロメットの端部以外の部分に過度の屈曲が生じ、当該部分の屈曲を防止することは周知の技術であることを引用文献4が教示していると主張しています。それから、審査官殿は、引用文献4によって教示されるとされるこの問題と引用文献2および3によって教示されるとされる解決策を考慮すると、グロメットの端部以外の部分にリブを設けるとともに、リブの幅を段階的に変化させることは、この分野の通常の技能を有する者が容易に想到し得ると結論づけています。
出願人は、審査官の結論には同意しかねます。出願人は、引用文献2および3によって教示されているとされる解決策の変形を使用して引用文献4によって教示されているとされる問題を解決するように引用文献1を修正することは自明ではないと具申いたします。多数の引用文献と多数の変更は、それ自体、そのような変更が自明ではなかったことを示しています。したがって、出願人は、そのような変更が、本願の教示なくして、本当に容易に想到され得るものであるかを再考することを審査官殿に謹んで要望いたしたい。
さらに、補正後の請求項1は、前回提案した請求項1に対する補正を超えて追加特徴を必要とする。上に述べたように、補正後の請求項1は、第一の補強材と第二の補強材と第三の補強材が、それぞれ、第一の区間と第二の区間と第三の区間で配置され、補強材が乗り物のパネルに装着されたときに、第三の区間は、第一および第二の区間に対して少なく曲がることを必要とします。
引用文献4は、これらの特徴を教示も示唆もしておらず、また、これらの特徴を使用して解決することを示唆する問題すら教示していません。代わりに、引用文献4は単に、領域15A-1の曲率半径を大きくするために、他の領域15Bよりも領域15A-1の蛇腹筒部15の厚さを大きくすることを開示しているに過ぎません(図3および段落[0020])。蛇腹筒部15は、車体パネル20とトランクリッド21にそれぞれ装着される
大径筒部11、12を増大させるグロメット10の一部です。引用文献4は、たとえば、大径筒部11、12が車体パネル20とトランクリッド21にそれぞれ装着されたときに領域15A-1が領域15Bに対して少なく曲がるように領域15A-1の蛇腹筒部15の厚さを増大させることを開示ししていません。代わりに、引用文献4の図3に明白に示されるように、大径筒部11、12が車体パネル20とトランクリッド21にそれぞれ装着されたときに領域15A-1は領域15Bに対して大きく曲がります。」
と主張している。
しかしながら、上記の主張では、引用文献4の「領域15A-1」は本願発明の「第三の区間」、引用文献4の「領域15B」は本願発明の「第一の区間」または「第二の区間」に対応させて述べられているが、引用文献4の段落【0021】には、「蛇腹筒部15においては、前記肉厚を大とする領域15A-1および15A-2以外の領域を他の領域15Bとし、その領域の肉厚を1mm(一定)としている。」と記載されていることから、引用文献4において、「領域15B」は肉厚が大とされないことから、本願発明の補強材を有する「第一の区間」及び「第二の区間」に対応するものとはならない。
そして、上記5(1)に記載したように、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献4に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記請求人の主張を採用することはできない。


6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献4に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-07-26 
結審通知日 2016-08-02 
審決日 2016-08-15 
出願番号 特願2013-4480(P2013-4480)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (H02G)
P 1 8・ 121- WZ (H02G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 月野 洋一郎林 毅  
特許庁審判長 飯田 清司
特許庁審判官 河口 雅英
鈴木 匡明
発明の名称 形状影響補強材を備えたアコーディオン風グロメット  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 峰 隆司  
代理人 堀内 美保子  
代理人 岡田 貴志  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 佐藤 立志  
代理人 砂川 克  

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