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審決分類 審判 査定不服 2号主要部同一 取り消して特許、登録 H04M
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04M
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04M
管理番号 1323177
審判番号 不服2015-17125  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-09-17 
確定日 2017-01-23 
事件の表示 特願2012-526941「顧客コンタクトのためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 3月 3日国際公開、WO2011/025824、平成25年 1月31日国内公表、特表2013-503568、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2010年8月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年8月25日、米国、2009年8月25日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成26年7月2日付けで拒絶理由が通知され、同年12月26日付けで手続補正がされたが、平成27年5月8日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年9月17日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がされ、その後、当審において平成28年5月30日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年9月6日付けで手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?7に係る発明は、平成28年9月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるものと認められる。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
ユーザとサービスエージェントとの間の通信のためのシステムにおいて、
1つ以上のユーザインターフェーステンプレートを維持するデータストアと、
前記データストアと通信しているコンピューティングデバイスであって、
前記ユーザとのコンタクトに関して1人以上のサービスエージェントの現在の応対可能性を表すエージェントステータスを含む第1のユーザインターフェースに対する第1の要求を前記ユーザから取得し、
前記データストアから第1のユーザインターフェーステンプレートを取得し、
前記第1のユーザインターフェーステンプレートと、1人以上のサービスエージェントと通信しているコンタクトサービスから取得される前記エージェントステータスとを含む前記第1のユーザインターフェースを生成し、
前記ユーザに表示するために前記第1のユーザインターフェースを提供し、
第1のタイプのネットワークを介して、当該第1のタイプのネットワークとは異なる第2のタイプのネットワークを介した前記ユーザとサービスエージェントとの間のコンタクトの状態を表すコンタクトステータスを前記ユーザに提供するよう動作する、コンピューティングデバイスと、
を備える、システム。」

第3 原査定の理由について
1.原審の拒絶理由の概要
[拒絶理由の概要]
「1.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.(略)

刊行物1:特開2008-182353号公報
刊行物2:特開2008-172487号公報
刊行物3:特開2002-108794号公報

[理由1]
請求項1、3、4、8、9、11-16について/刊行物1
備考:
刊行物1には、IMサービス提供サーバから利用者端末に提供されるWEBページにコールセンタープレゼンス情報(エージェントステータスに相当)を含ませること、利用者端末に表示されたWEBページの「電話するならここをクリック」をクリックすることで、利用者端末のユーザとサービスエージェントとの通話が可能となることが記載されている。
また、刊行物1の特に段落0054-0060を参照すると、コールセンタープレゼンス情報を生成するためのオペレータプレゼンス情報は、サービスエージェントの操作等に基づくものと認められる。
刊行物1には、どのようにWEBページを作成するかについて具体的に記載されていないが、コールセンタープレゼンス情報は定期的に更新される情報であるから、当該情報を除くWEBページをテンプレートとして用意しておき、当該テンプレートにシステム制御部で判断されたコールセンタープレゼンス情報を入れ込むようにしてWEBページを作成することは、当業者が容易になし得ることである。
また、コンタクトやリクエストを識別するための識別子を用いることは、必要に応じて当業者が適宜なし得ることである。

請求項2について/刊行物1、2
備考:
WEBページに表示されたアイコンをクリックすることでサービスエージェントへのコンタクトの意思表示を行った場合に、ユーザのコンタクト情報を入力するためのユーザインターフェースを表示させることは、例えば刊行物2(特に段落0041-0047参照)などに記載されるよう周知事項である。

請求項5-7、10について/刊行物1、3
備考:
サービスエージェントへのコンタクトを要求した場合に、コンタクトステータスをユーザに提供することは、例えば刊行物3(特に段落0027、0034参照)などに記載されるよう周知事項である。」

[拒絶査定の概要]
「理由1(特許法第29条第2項)について

刊行物1:特開2008-182353号公報
刊行物2:特開2008-172487号公報
刊行物3:特開2002-108794号公報
刊行物4:特開2007-304985号公報
刊行物5:特開2003-99319号公報

・請求項1-7
・刊行物1-5
出願人は平成26年12月26日付けの意見書において、本願請求項に係る発明と刊行物1記載の発明とを比較し、『本願請求項1に係る発明は、「前記第1のユーザインターフェーステンプレートと、1人以上のサービスエージェントと通信しているコンタクトサービスから取得される前記エージェントステータスとを含む前記第1のユーザインターフェースを生成」するよう構成されたコンピューティングデバイスを備えるシステムです。刊行物1には、請求項1に係る発明のこの特徴は開示されていません。』、『刊行物1には、IMサービスサーバSAがテンプレート、とりわけ「ユーザインターフェーステンプレート」を含むインスタントメッセージを生成し、ユーザに送信することは開示も示唆もされていません。』と主張している。
刊行物1に記載される構成のうち、コールセンタープレゼンス情報が利用者端末のメッセンジャーのメイン画面に表示される実施形態においては(例えば段落0082-0087参照)、利用者端末はコールセンタープレゼンス情報を受信するものであり、サービス提供サーバー側でコールセンタープレゼンス情報とテンプレートとに基づいて生成されたユーザインタフェースを受信するものではないないと認められるから、出願人の上記主張は当を得ているといえる。
しかしながら、刊行物1の段落0126-0128には、コールセンタープレゼンス情報がメッセンジャーのメイン画面に表示されることにかえて、利用者端末がURLの指定により受信したWEBページ上に、コールセンタープレゼンス情報が表示される実施例が記載されている。そして、WEBページが、テンプレートと、当該テンプレート上に埋め込まれる情報とで生成されることは、例えば刊行物4の特に段落0075-0078、刊行物5の特に段落0005-0008などに記載されるよう周知技術であるから、当該周知技術を考慮すれば、刊行物1記載の発明において、サービス提供サーバー側で、テンプレートとコールセンタープレゼンス情報に基づいてWEBページを生成し、当該WEBページを利用者端末に提供し、利用者端末は受信したWEBページをユーザに提示するよう構成することは、当業者が適宜なし得たことである。
また、出願人は意見書において『さらに、刊行物1には、本願請求項1のような、オペレータステータスを含む「ユーザインターフェース」は開示されておらず、「ユーザインターフェース」が「ユーザに」提供されることも開示されていません。刊行物1には、ユーザがメッセージを受信することが開示されているのみであり、ユーザインターフェースは開示されていません。」とも主張している。
しかしながら、刊行物1の特に段落0127には、ユーザに提示されたWEBページを用いて、ユーザは電話をかけるためのクリック操作等を行うことが可能である旨が記載されていることから明らかなように、ユーザに提示されたWEBページは「ユーザインタフェース」と呼べるものである。
上記のとおり、出願人の意見書における主張は採用することができず、本願の請求項1-7に係る発明は、刊行物1に記載の発明、先の拒絶理由で引用された刊行物2、3に記載される周知技術、及び新たに引用された刊行物4、5に記載される周知技術に基いて当業者が容易に想到し得たものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」

2.原査定の理由の判断
(1)刊行物の記載事項
A 原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-182353号公報(刊行物1)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のサービスに関して利用者からの電話対応を行うコールセンター等の団体に属する複数のオペレータにより使用される複数のオペレータ端末装置と、前記利用者により使用される利用者端末装置と、前記オペレータ端末装置及び前記利用者端末装置がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えた情報提供システム等に技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の企業や公共機関には、商品販売や相談等のサービスに関して利用者(顧客)からの電話対応を行うコールセンターが設けられている。かかるコールセンターにおいては、複数のオペレータが属しており、利用者からの電話を例えば構内電話交換機(PBX:Private Branch eXchange)によって何れかのオペレータが使用する端末装置(電話端末)に振り分け、当該端末装置を通じてオペレータが電話対応を行うようになっている。
【0003】
このようなコールセンターに関する技術として、例えば特許文献1には、上記電話対応状況が悪くなってきた時(電話しても繋がらない利用者が多くなってきた時)には、各オペレータを管理するスーパバイザが迅速、的確に指示することができる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003-309656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コールセンターに電話をかける利用者は、当該コールセンターが電話対応可能状態にあるか否を、前もって判断することは困難であった。そのため、利用者は、コールセンターに電話をかけても例えば話し中である場合には、何度もかけなおす必要があった。
【0005】
また、コールセンターによっては、全てのオペレータが電話対応可能状態にないとき、利用者からの電話をとりあえず繋げ保留状態にしておき、何れかのオペレータが電話対応可能状態になった場合に、当該オペレータの端末装置に繋げる場合もあるが、電話料金が発生する上に、利用者はその間電話を待たなければならず、効率が悪い場合もある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、利用者が、コールセンター等の団体が電話対応可能状態にあるか否かを前もって判断でき、より効率良くコールセンター等の団体を利用することが可能な情報提供システム、情報提供方法、サーバ装置、及び情報提供処理プログラム等を提供することを目的とする。」(3?4頁)

ロ.「【0024】
図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、情報提供システムSは、IM(インスタントメッセンジャー)サービス提供サーバ(サーバ装置の一例)SAと、複数の利用者端末(利用者端末装置の一例)UTm(m=1,2・・・k)と、複数のオペレータ端末(オペレータ端末装置の一例)PTn(n=1,2・・・j)と、を備えて構成されている。
【0026】
なお、図1に示す例では、一つのIMサービス提供サーバSAを示しているが、当該IMサービス提供サーバSAは、複数のサーバ群(例えば、アプリケーションサーバ、プロキシサーバ、リダイレクトサーバ、レジストラ、及びロケーションサーバ等)から構成されるものであっても良い。
【0027】
また、IMサービス提供サーバSAは、ネットワークNWに接続されており、固有のIP(Internet Protocol)アドレス(グローバルIPアドレス)が割り当てられている。
【0028】
一方、利用者により使用される利用者端末UTm、及びコールセンターに属するオペレータにより使用されるオペレータ端末PTnは、例えばインターネットサービスプロバイダのサーバを通じてネットワークNW(通信回線及びルーター等の中継機器等により構成される)に接続可能になっており、当該ネットワークNWに接続する際、固有のIP(Internet Protocol)アドレス(例えばグローバルIPアドレス)が割り当てられるようになっている。
【0029】
また、利用者端末UTm及びオペレータ端末PTnは、ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間でテキストメッセージ(一般にインスタントメッセージと呼ばれる)の送受信を行うことが可能な例えば公知のSIP(Session Initiation Protocol)に基づくインスタントメッセンジャー(以下、単に、「メッセンジャー」という)機能、ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間で通話(音声通話(音声通信))を行うことが可能な通話機能(電話機能)、及びネットワークNWに接続された所定のサーバからWebページデータ(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)データ等及び画像データ等からなる)を取得するためのWebブラウザ機能を有する。なお、メッセンジャー機能に係るアプリケーションソフト、及びWebブラウザ機能に係るアプリケーションソフトは、事前に利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnにインストールされる。なお、本実施形態においては、メッセンジャー機能に係るアプリケーションソフトをインストールすることにより、通話機能(例えば公知のSIPに基づくIP電話機能)が使用可能となる。」(6?7頁)

ハ.「【0054】
また、オペレータプレゼンス情報は、オペレータがログオフ中は「オフライン」として登録されており、オペレータがログインすると「オンライン」として登録(変更登録)され、その後、オペレータの状態の変更(例えば、オペレータが通話中になった、或いは退席中になった)に応じて適宜登録されるようになっている。一方、コールセンタープレゼンス情報は、各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて登録されるようになっている。
【0055】
図4の例では、コールセンターC1において、オペレータC1-1,C1-2及びC1-5のオペレータプレゼンス情報は「通話中」となっており、オペレータC1-3のオペレータプレゼンス情報は「退席中」となっており、これらのオペレータC1-1,C1-2,C1-3及びC1-5は、利用者からの電話対応可能状態にない。一方、オペレータC1-4のオペレータプレゼンス情報は「オンライン」となっており、利用者からの電話対応可能状態にある。つまり、各オペレータが利用者からの電話対応可能状態にあるか否かが、コールセンター毎、且つオペレータ毎に判別可能に登録される。そして、このように、コールセンターC1においては、少なくともオペレータC1-4が利用者からの電話対応可能状態にあり、当該コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報は利用者からの電話対応可能(どのような内容が登録されるかは、特に限定されるものではなく、例えば、ただいま電話受付中、或いは、ただいま電話対応中等であっても良い)として登録されている。
【0056】
一方、コールセンターC2において、オペレータC2-1及びC2-3のオペレータプレゼンス情報は「通話中」となっており、オペレータC2-2のオペレータプレゼンス情報は「オフライン」となっており、全てのオペレータC2-1,C2-2及びC2-3が利用者からの電話対応可能状態にないので、当該コールセンターC2のコールセンタープレゼンス情報は利用者からの電話対応困難(どのような内容が登録されるかは、特に限定されるものではなく、例えば、ただいま電話取り込み中、或いは、ただいま電話混雑中等であっても良い)として登録されている。
【0057】
なお、オペレータプレゼンス情報としては、上記の他にも、例えば「使用中」、「取り込み中」等があり、「使用中」は電話対応可能状態にあることを意味し、「取り込み中」は電話対応可能状態にないことを意味する。
【0058】
システム制御部7は、CPU(Central Processing Unit)7a,ROM(Read Only Memory)7b,及びRAM(Random Access Memory)7c等を備えIMサービス提供サーバSA全体を統括制御するようになっている。そして、システム制御部7は、CPU7aが、ROM7bや記憶部5に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、利用者端末UTm及びオペレータ端末PTnからのログイン要求に応じて認証処理等を実行すると共に、本発明におけるオペレータ状態登録手段、団体状態判断手段、団体状態情報送信手段、予約受付情報送信手段、予約申込受信手段予約登録手段、電話対応可能状態情報送信手段、及び通話制御手段等として機能し、後述する処理を行うようになっている。
【0059】
例えば、システム制御部7は、オペレータ端末PTnからのメッセージャー機能に係るログイン要求に応じて当該ログインを許可した際に、当該ログインしたオペレータのオペレータプレゼンス情報(例えば、「オンライン」)を、コールセンター情報データベース52に登録し、その後、当該オペレータのオペレータプレゼンス情報が変更(例えば、「オンライン」から「退席中」に変更、或いは「オンライン」から「通話中」に変更)される度に、変更後のオペレータプレゼンス情報をコールセンター情報データベース52に登録するようになっている。
【0060】
ここで、オペレータが一定時間(例えば、1分間)オペレータ端末PTnの操作部を操作しなかった場合、或いは、オペレータがオペレータ端末PTnの操作部を操作して自己のオペレータプレゼンス情報を「退席中」に設定変更した場合に、「退席中」を示すプレゼンス情報が当該オペレータのユーザID等と共にIMサービス提供サーバSAに送信され、オペレータプレゼンス情報として「退席中」がシステム制御部7によりコールセンター情報データベース52に登録される。また、オペレータがオペレータ端末PTnを通じて利用者端末Umの利用者との間で通話を開始した場合、これがシステム制御部7により検知されて、オペレータプレゼンス情報として「通話中」がコールセンター情報データベース52に登録される。
【0061】
また、システム制御部7は、利用者端末UTmからのメッセージャー機能に係るログイン要求に応じて当該ログインを許可した際に、当該利用者端末UTmのユーザ(利用者)の友録メンバーの利用者プレゼンス情報(利用者情報データベース51に登録されている利用者プレゼンス情報であり、例えば、当該メンバーがログインしているのであれば「オンライン」、当該メンバーがログインしていないのであれば「オフライン」)、及び各コールセンターのコールセンタープレゼンス情報(コールセンター情報データベース52に登録されているコールセンタープレゼンス情報であり、例えば、「ただいま電話受付中」又は「ただいま電話取り込み中」)等を、通信部3及びネットワークNW等を介して当該利用者端末UTmに送信(PUSH型配信)する。これにより、友録メンバーの利用者プレゼンス情報及びコールセンタープレゼンス情報が当該利用者に対して提示される。このとき、システム制御部7は、コールセンタープレゼンス情報等と共に、現在電話対応可能状態にあるオペレータの人数を示す情報を利用者端末UTmに送信するように構成しても良い。」(10?11頁)

ニ.「【0081】
図8は、利用者端末UT2の表示部12における表示画面例を示す図である。
【0082】
例えば利用者端末UT2(その他の利用者端末UTmでも同様)においてメッセンジャーが起動しログインした後、メッセンジャーが起動していることを示す例えばアイコンが表示部12上におけるツールバー101に表示(図示せず)されると共に、図8(A)又は(B)に示すようなメイン画面100が表示部12上に表示され(開き)、更に、IMサービス提供サーバSAから送信されたコールセンタープレゼンス情報及び友録メンバーのプレゼンス情報等が通信部13を介して受信される。
【0083】
そして、受信されたコールセンタープレゼンス情報が、当該メイン画面100における例えば、広告表示部100aに表示され、夫々の友録メンバーの状態を示すプレゼンス情報が、当該メイン画面100における状態表示部100bに表示されるようになっている。なお、図8(A)及び図8(B)に示す広告表示部100aにおいては、一定時間(例えば、3秒)毎にコールセンタープレゼンス情報等の表示が、例えばコールセンターC1→コールセンターC2→コールセンターC3という順にローテーションされるようになっている。ただし、コールセンターC1?C3の夫々のコールセンタープレゼンス情報等を並べて表示するようにしても良い。
【0084】
また、図8(A)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」(電話対応可能)が受信された場合の表示例であり、この場合の広告表示部100aには、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」100aaが表示されると共に、当該コールセンターC1への通話開始ボタンである「電話するならここをクリック」100abが表示される。なお、IMサービス提供サーバSAから当該コールセンタープレゼンス情報と共に現在電話対応可能状態にあるオペレータの人数を示す情報が受信された場合には、広告表示部100aに当該オペレータの人数が表示されることになる。これにより、利用者は所望のコールセンターの混雑度を把握することができる。
【0085】
一方、図8(B)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」(電話対応困難)が受信された場合の表示例であり、この場合の広告表示部100aには、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」100acが表示されるが、コールセンターC1への通話開始ボタンは表示されていない(表示されるようにしても構わない)。
【0086】
そして、図8(A)のメイン画面100が表示されている状態で、当該利用者端末UT2の利用者が、例えばコールセンターC1へ電話をしたい場合、操作部11を操作して「電話するならここをクリック」100abを選択実行(例えば、マウスによりクリック)すると、図6に示すように、利用者端末UT2から当該コールセンターC1への接続要求がIMサービス提供サーバSAに送信されることになり、その結果、当該利用者端末UT2の利用者と、当該コールセンターC1に属するオペレータとは、マイク付きヘッドホン18を用いて通話(電話)を行うことができる。
【0087】
また、図8(A)及び図8(B)に示すメイン画面100には、「設定」ボタン100c、「新規メンバーの登録」ボタン100d、メニュー画面100を閉じるための「×」(閉じる)ボタン100e、ログアウトするための「ログアウト」ボタン100f、「チャット開始」ボタン100g、及び「通話開始」ボタン100hが、利用者により選択可能に設けられている。このような表示状態において、利用者端末UT2の利用者が操作部11を操作して「設定」ボタン100cを選択実行(例えば、マウスによりクリック)すると、各種設定を行うための設定画面(図示せず)が表示される。かかる設定画面において、当該利用者の指示により、例えば、コールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」(電話対応困難)が受信された場合に、コールセンターへの通話開始ボタンを広告表示部100aに表示するか否か等の設定をすることが可能となっており、設定内容は記憶部15に記憶される。」(14?15頁)

ホ.「【0126】
なお、上記実施形態においては、コールセンタープレゼンス情報が、メッセンジャー機能に係るメイン画面に表示されるように構成したが、別の例として、利用者端末UTmのブラウザ機能でURL(Uniform Resource Locator)を指定することによりIMサービス提供サーバSAに接続し、当該IMサービス提供サーバSAから送信されたWEBページ上にコールセンタープレゼンス情報等が表示されるように構成しても良い。この場合、WEBページは、利用者端末UTmが一定時間間隔でIMサービス提供サーバSAから取得され、更新されることになる。
【0127】
図12は、利用者端末UTmの表示部12に表示されたWEBページの一例を示す図である。図12(A)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」(電話対応可能)が受信された場合の表示例であり、この場合のWEBページ110には、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」110aが表示されると共に、当該コールセンターC1への通話開始ボタンである「電話するならここをクリック」110bが表示される。一方、図12(B)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」(電話対応困難)が受信された場合の表示例であり、この場合のWEBページ110には、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」110cが表示されると共に、電話対応予約を受け付けることを示す予約受付情報である「電話対応予約受付中」ボタン110dが表示される。
【0128】
なお、「電話するならここをクリック」110b又は「電話対応予約受付中」ボタン110dが選択実行(例えば、マウスによりクリック)された場合の動作は、上述したメイン画面100の広告表示部100aにおける「電話するならここをクリック」100ab又は「電話対応予約受付中」ボタン100adは選択実行された場合の動作と同様である。」(20頁)

上記刊行物1の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ロ.の【0025】における「図1に示すように、情報提供システムSは、IM(インスタントメッセンジャー)サービス提供サーバ(サーバ装置の一例)SAと、複数の利用者端末(利用者端末装置の一例)UTm(m=1,2・・・k)と、複数のオペレータ端末(オペレータ端末装置の一例)PTn(n=1,2・・・j)と、を備えて構成されている。」との記載、及び図1によれば、刊行物1の情報提供システムは、IMサービス提供サーバ(SA)を備えている。
また、上記ニ.の【0086】における「当該利用者端末UT2の利用者が、例えばコールセンターC1へ電話をしたい場合、操作部11を操作して「電話するならここをクリック」100abを選択実行(例えば、マウスによりクリック)すると、図6に示すように、利用者端末UT2から当該コールセンターC1への接続要求がIMサービス提供サーバSAに送信されることになり、その結果、当該利用者端末UT2の利用者と、当該コールセンターC1に属するオペレータとは、マイク付きヘッドホン18を用いて通話(電話)を行うことができる。」との記載、及び図6によれば、情報提供システムは、利用者とオペレータとの通話のためのシステムということができる。
また、上記ハ.の【0061】における「(IMサービス提供サーバ(SA)の)システム制御部7は、利用者端末UTmからのメッセージャー機能に係るログイン要求に応じて当該ログインを許可した際に、・・・各コールセンターのコールセンタープレゼンス情報(コールセンター情報データベース52に登録されているコールセンタープレゼンス情報であり、例えば、「ただいま電話受付中」又は「ただいま電話取り込み中」)等を、通信部3及びネットワークNW等を介して当該利用者端末UTmに送信(PUSH型配信)する。これにより、・・・コールセンタープレゼンス情報が当該利用者に対して提示される。」との記載によれば、情報提供システムは、利用者からのメッセンジャー機能に係るログイン要求を許可し、コールセンタープレゼンス情報を利用者に表示している。ここで、上記ハ.の【0054】における「コールセンタープレゼンス情報は、各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて登録されるようになっている。」との記載、上記ホ.の【0127】における「図12は、利用者端末UTmの表示部12に表示されたWEBページの一例を示す図である。図12(A)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」(電話対応可能)が受信された場合の表示例であり、この場合のWEBページ110には、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話受付中」110aが表示されると共に、当該コールセンターC1への通話開始ボタンである「電話するならここをクリック」110bが表示される。一方、図12(B)の例は、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」(電話対応困難)が受信された場合の表示例であり、この場合のWEBページ110には、コールセンターC1のコールセンタープレゼンス情報として「ただいま電話取り込み中」110cが表示されると共に、電話対応予約を受け付けることを示す予約受付情報である「電話対応予約受付中」ボタン110dが表示される。」との記載、及び図12(A)(B)によれば、前述のコールセンタープレゼンス情報は、各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて、「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のように生成されるものである。
また、上記ロ.の【0027】における「IMサービス提供サーバSAは、ネットワークNWに接続されており」との記載、同ロ.の【0029】における「利用者端末UTm及びオペレータ端末PTnは、ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間でテキストメッセージ(一般にインスタントメッセージと呼ばれる)の送受信を行うことが可能な例えば公知のSIP(Session Initiation Protocol)に基づくインスタントメッセンジャー(以下、単に、「メッセンジャー」という)機能、ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間で通話(音声通話(音声通信))を行うことが可能な通話機能(電話機能)、及びネットワークNWに接続された所定のサーバからWebページデータ(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)データ等及び画像データ等からなる)を取得するためのWebブラウザ機能を有する。・・・本実施形態においては、メッセンジャー機能に係るアプリケーションソフトをインストールすることにより、通話機能(例えば公知のSIPに基づくIP電話機能)が使用可能となる。」との記載、及び図1によれば、前述のIMサービス提供サーバ(SA)は、ネットワーク(NW)を介して、前記ネットワーク(NW)を介した利用者と、オペレータとが通話するための、コールセンタープレゼンス情報を利用者に提供している。

したがって、上記刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認める。

「利用者とオペレータとの通話のための情報提供システムにおいて、
IMサービス提供サーバ(SA)であって、
前記利用者からのメッセンジャー機能に係るログイン要求を許可し、
各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のようなコールセンタープレゼンス情報を生成して前記利用者に表示し、
ネットワーク(NW)を介して、前記ネットワーク(NW)を介した前記利用者とオペレータとが通話するための前記コールセンタープレゼンス情報を利用者に提供する前記IMサービス提供サーバ(SA)、
を備える、情報提供システム。」

B 原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-172487号公報(刊行物2)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0042】
まずユーザは、ユーザ端末5で表示されているウェブページにおいて、より詳細な情報を知りたい、何らかの問い合わせをしたい、などと思った場合、ウェブページに表示されているアイコンなどの所定領域を選択することで、オペレーター4への架電の意思表示を行う(S100、S110)。ウェブページの一例を図7に示す。
【0043】
アイコンなどの所定領域が選択されるとユーザ端末5からサーバ2に対して、オペレーター4へ架電するための確認画面の送信要求が送信され、それをサーバ2の電話番号受信部21が受け取る。・・・
【0044】
ユーザ端末5から受信したcookieを参照した電話番号受信部21は、cookieからその電話番号を抽出し、電話番号を含めた確認画面をユーザ端末5に送信する(S140)。この確認画面の一例を図8に示す。なお図8の場合、ユーザ電話機6の電話番号として、「090-○○○○-○○○○」がcookieに記録されており、その電話番号が当該確認画面に表示される。
【0045】
そしてユーザがユーザ端末5において、当該確認画面から、オペレーター4への承諾を指示するボタン等を選択(クリック)することによって、ユーザ端末5からサーバ2に対して、オペレーター4への架電要求が送信される。
【0046】
一方、確認画面の送信要求を受け取った電話番号受信部21において、ユーザ端末5から受信したcookieの情報にユーザ電話機6の電話番号の情報が含まれていない場合、あるいはユーザ端末5からcookieを受信していない場合には、この時点ではサーバ2はユーザ電話機6の電話番号が不明である。そこで、図9に示すような電話番号の欄が空欄となった確認画面をユーザ端末5に送信する。そしてユーザ端末5が確認画面の所定欄に、ユーザ電話機6の電話番号を入力する。そしてユーザがユーザ端末5において、当該確認画面からオペレーター4への承諾を指示するボタン等を選択(クリック)することによって、ユーザ端末5からサーバ2に対して、オペレーター4への架電要求が送信される。・・・」(9頁)

上記刊行物2の上記イ.の記載及び図7?8にみられるように、「ユーザとオペレータとの通信において、WEBページに表示されたアイコンをクリックすることでオペレータへのコンタクトの意思表示を行う場合に、ユーザのコンタクト情報を入力するためのユーザインターフェースを表示させること。」は、公知の技術ということができる。

C 原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-108794号公報(刊行物3)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0027】次に、チャット問い合わせ処理部14はそのチャット問い合わせ要求を通信入出力部13を介して受け取ると、通信入出力部13及びインターネットを介してユーザー20aの端末装置20における表示画面21に、「オペレータ呼び出し中、お待ち下さい・・・」というメッセージを表示させる(図6参照)(ステップS1)。」(7頁左欄)

ロ.「【0034】さらに、チャット問い合わせ処理部14は、オペレータ「加藤○子」の端末装置と要求ユーザー20aの端末装置20との間にチャット接続を確立し(ステップS7)、通信入出力部13及びインターネットを介して、端末装置20の表示画面21に「チャット接続の準備ができました!」というメッセージを表示させる(図7参照)。」(8頁左欄)

上記刊行物3の上記イ.及びロ.の記載並びに図6、7にみられるように、「ユーザとオペレータとの通信において、オペレータへのコンタクトを要求した場合に、コンタクトステータスをユーザに提供すること。」は、公知の技術ということができる。

D 原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-304985号公報(刊行物4)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0076】・・・テンプレートは、一般的にはインスタントメッセージやメールのボディ部分に相当するテキストベースの配信情報である。・・・」(15頁)

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-99319号公報(刊行物5)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ロ.「【0005】・・・Webサーバー2の記憶装置に、パーソナルコンピュータ用閲覧画面を形成するWebファイル形式のテンプレート8と、iモード携帯電話用閲覧画面を形成するWebファイル形式のテンプレート10と、J-Sky携帯端末用閲覧画面を形成するWebファイル形式のテンプレート12と、EZ-Web携帯端末用閲覧画面を形成するWebファイル形式のテンプレート14とが設定されている。・・・」(3頁左欄)

上記刊行物4の上記イ.の記載、及び上記刊行物5の上記ロ.の記載にみられるように、「通信システムにおいて、ファイル形式を表すテンプレートを用いること。」は、周知の技術ということができる。

(2)対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
a.引用発明1の「利用者」及び「オペレータ」は、本願発明の「ユーザ」及び「サービスエージェント」にそれぞれ相当するから、引用発明1の「利用者とオペレータとの通話のための情報提供システム」は、本願発明の「ユーザとサービスエージェントとの間の通信のためのシステム」ということができる。
b.引用発明1の「IMサービス提供サーバ(SA)」と、本願発明の「コンピューティングデバイス」とは、後述する相違点を除いて、「コンピューティング手段」という点で一致する。
c.引用発明1の「各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のようなコールセンタープレゼンス情報」と、本願発明の「1人以上のサービスエージェントの現在の応対可能性を表すエージェントステータス」とは、後述する相違点を除いて、「現在の応対可能性を表す情報」という点で一致する。
d.引用発明1の「利用者からの・・・ログイン要求を許可し」は、要求を許可して、要求を利用者から取得することであるから、「要求をユーザから取得し」ということができる。
したがって、引用発明1の「前記利用者からのメッセンジャー機能に係るログイン要求を許可し」と、本願発明の「前記ユーザとのコンタクトに関して1人以上のサービスエージェントの現在の応対可能性を表すエージェントステータスを含む第1のユーザインターフェースに対する第1の要求を前記ユーザから取得し」とは、後述する相違点を除いて、「前記ユーザとのコンタクトに関して現在の応対可能性を表す情報を含むユーザインターフェースに対する要求を前記ユーザから取得し」という点で一致する。
e.引用発明1の「各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のようなコールセンタープレゼンス情報を生成して前記利用者に表示し」と、本願発明の「前記第1のユーザインターフェーステンプレートと、1人以上のサービスエージェントと通信しているコンタクトサービスから取得される前記エージェントステータスとを含む前記第1のユーザインターフェースを生成し、前記ユーザに表示するために前記第1のユーザインターフェースを提供し」とは、後述する相違点を除いて、「前記(現在の応対可能性を表す)情報を含む前記ユーザインターフェースを生成し、前記ユーザに表示するために前記ユーザインターフェースを提供し」という点で一致する。
f.引用発明1の「ネットワーク(NW)」は、データ回線であり、本願発明の「第1のタイプのネットワーク」に相当するから、引用発明1の「ネットワーク(NW)を介して、前記ネットワーク(NW)を介した前記利用者とオペレータとが通話するための前記コールセンタープレゼンス情報を利用者に提供する」と、本願発明の「第1のタイプのネットワークを介して、当該第1のタイプのネットワークとは異なる第2のタイプのネットワークを介した前記ユーザとサービスエージェントとの間のコンタクトの状態を表すコンタクトステータスを前記ユーザに提供するよう動作する」とは、後述する相違点を除いて、「第1のタイプのネットワークを介して、所定のネットワークを介した前記ユーザとサービス提供側との間の接続に関する情報を前記ユーザに提供するよう動作する」という点で一致する。

したがって、本願発明と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。

<一致点>
「ユーザとサービスエージェントとの間の通信のためのシステムにおいて、
コンピューティング手段であって、
前記ユーザとのコンタクトに関して現在の応対可能性を表す情報を含むユーザインターフェースに対する要求を前記ユーザから取得し、
前記情報を含む前記ユーザインターフェースを生成し、
前記ユーザに表示するために前記ユーザインターフェースを提供し、
第1のタイプのネットワークを介して、所定のネットワークを介した前記ユーザとサービス提供側との間の接続に関する情報を前記ユーザに提供するよう動作する、コンピューティング手段、
を備える、システム。」

<相違点1>
本願発明は、「1つ以上のユーザインターフェーステンプレートを維持するデータストア」を備え、「コンピューティングデバイス」が「前記データストアと通信している」のに対し、引用発明1は、そのような構成を備えない点。

<相違点2>
一致点の「現在の応対可能性を表す情報」が、
本願発明は、「1人以上のサービスエージェントの現在の応対可能性を表すエージェントステータス」であるのに対し、引用発明1は、「「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のようなコールセンタープレゼンス情報」である点。

<相違点3>
一致点の「前記情報を含む前記ユーザインターフェースを生成し」に関し、
(i)本願発明は、「前記データストアから第1のユーザインターフェーステンプレートを取得し」「前記第1のユーザインターフェーステンプレート」を含むのに対し、引用発明1は、そのような構成を備えない点。
(ii)本願発明は、「1人以上のサービスエージェントと通信しているコンタクトサービスから取得される前記エージェントステータス」を含むのに対し、引用発明1は、各オペレータのオペレータプレゼンス情報に基づいて「ただいま電話受付中」「ただいま電話取り込み中」のようなコールセンタープレゼンス情報を含むものの、本願発明の「エージェントステータス」に相当するものは特定されていない点。

<相違点4>
一致点の「接続に関する情報」が、
本願発明では「前記ユーザとサービスエージェントとの間のコンタクトの状態を表すコンタクトステータス」であるのに対し、引用発明1では、「コールセンタープレゼンス情報」である点。

<相違点5>
一致点の「所定のネットワーク」が、
本願発明では、「当該第1のタイプのネットワークとは異なる第2のタイプのネットワーク」であるのに対し、引用発明1では、同じ「ネットワーク(NW)」であって、本願発明のように「異なる第2のタイプのネットワーク」には接続されていない点。

(3)判断
そこで、上記相違点5について検討する。
引用発明1の「ネットワーク(NW)」に関し、刊行物1の上記ロ.における「ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間でテキストメッセージ(一般にインスタントメッセージと呼ばれる)の送受信を行うことが可能な例えば公知のSIP(Session Initiation Protocol)に基づくインスタントメッセンジャー(以下、単に、「メッセンジャー」という)機能、ネットワークNWを通じて他の利用者端末UTm又はオペレータ端末PTnとの間で通話(音声通話(音声通信))を行うことが可能な通話機能(電話機能)」との記載によれば、引用発明1の「ネットワーク(NW)」により、メッセンジャー機能及び通話機能を実現するものであり、上記各機能を2つの異なるネットワークに分けて別々に実現することは、刊行物1に記載も示唆もされておらず、また、そのようにすべき合理的理由も見い出せない。よって、本願発明の相違点5に係る構成は、当業者が容易に想到し得たものではない。

よって、本願発明は、上記相違点1ないし4について検討するまでもなく、引用発明1、公知技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)小括
したがって、本願発明は、引用発明1、公知技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

請求項2?4は、請求項1を引用する従属項であり、本願発明の発明特定事項を含みさらに発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記(3)と同じ理由により、引用発明1、公知技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

請求項5は、請求項1に係る発明のカテゴリーを「方法」とした発明であるから、上記(3)と同じ理由により、引用発明1、公知技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

請求項6、7は、請求項5を引用する従属項であり、請求項5に係る発明の発明特定事項を含みさらに発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記(3)と同じ理由により、引用発明1、公知技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について
1.当審拒絶理由の概要
「1)本件出願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。
2)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

理由1について
1.請求項1?7に係る発明は、ユーザとサービスエージェントとの間の通信のためのシステムにおいて、ユーザインターフェーステンプレートを維持するデータストアと、コンピューティングデバイスと、を備えるシステム及び方法に係る発明であり、一方、請求項8?16に係る発明は、ユーザとサービスエージェントとの間のコンタクトを調整するためのシステムにおいて、サービスエージェント情報の取得元となるデータストアと、コンタクトサービスと、を備えるシステム及び方法に係る発明と認められる。
特に、請求項8?16に係る発明は、請求項1?7に係る発明の特別な技術的特徴である「ユーザインターフェーステンプレート」「サービスエージェントの現在の対応可能性を表すエージェントステータス」の構成を欠いている。
したがって、請求項1?7と、請求項8?16に係る発明は、対応する特別な技術的特徴を有しておらず、発明の単一性の要件を満たさない。

理由2について
1.請求項8?16に係る発明は、発明の詳細な説明の記載(本願明細書段落【0037】?【0039】【0048】【0049】【0054】?【0059】【0065】?【0069】、図2、4A、4B、6A、6B、8A、8B)の記載を参酌しても、コンタクトサービス(150)に関連して、ウェブサイト(154)、コンタクト分配サービス(120)、ストレージサービス(152)との間の要求・応答動作についての記載があるものの、請求項8?16に係る一連の処理に相当する事項は記載されておらず、かつ、出願時の技術常識を考慮しても、請求項8?16に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
したがって、請求項8?16に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。」

2.当審拒絶理由の判断
イ.平成28年9月6日付け手続補正書により、請求項8?16は削除された。これにより、請求項1?7に係る発明は、対応する特別な技術的特徴を有し、発明の単一性の要件を満たすものとなった。

ロ.平成28年9月6日付け手続補正書により、請求項8?16は削除された。これにより、請求項1?7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなった。

よって、当審拒絶理由1及び2は解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-05 
出願番号 特願2012-526941(P2012-526941)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04M)
P 1 8・ 537- WY (H04M)
P 1 8・ 642- WY (H04M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 須藤 竜也宮田 繁仁  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 林 毅
萩原 義則
発明の名称 顧客コンタクトのためのシステムおよび方法  
代理人 高橋 佳大  
代理人 久野 琢也  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
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