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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 特29条の2 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1324317
審判番号 不服2015-12578  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-02 
確定日 2017-02-14 
事件の表示 特願2014-525989「低速PHY構造用のシステム、方法、及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 2月28日国際公開、WO2013/028216、平成26年10月30日国内公表、特表2014-529224、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2011年(平成23年)12月23日(優先権主張 2011年(平成23年)8月24日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成26年2月18日付けで手続補正書が提出され,同年7月24日付けで手続補正書が提出され,同年11月14日付けで拒絶理由が通知され,平成27年2月9日付けで意見書とともに手続補正書が提出され,同月26日付けで拒絶査定され,同年7月2日に拒絶査定不服審判が請求されるのと同時に手続補正され,同年8月10日付けで前置報告書が作成され,平成28年7月13日付けで拒絶理由を当審から通知し,同年12月16日付けで意見書とともに手続補正書が提出されたものである。


第2 当審拒絶理由及び本願発明

1.当審拒絶理由について
(1) 当審拒絶理由の概要
平成28年7月13日付けで当審から通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」)という。)の概要は次のとおりである。

理由
(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

○ 請求項3,6,9,12,15及び18(平成27年7月2日付け手続補正書による)について

請求項3の記載では,「アンテナ」の接続構成が明確でない。

<補正等の示唆>
平成28年7月11日にファクシミリにより提出した案のように補正することによって,上記の拒絶の理由は解消する。

(2) 当審拒絶理由に関する検討及び判断
平成28年12月16日付けの手続補正により,特許請求の範囲は補正され,次のとおりとなった。(下線は請求人が付与。)

【請求項1】
無線通信に関連して使用するための装置であって、前記装置は、
プリアンブル及びデータ・フィールドを生成し、かつ/又は送信するためのモデムを備え、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記モデムは、無線伝送用の信号に前記パケット構造を変換する装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、
前記装置は更に、タッチ画面ユーザ・インタフェース・デバイス、センシング・デバイス、少なくとも1つのアンテナ、及び/又はバッテリを更に備え、かつ/又は、
前記モデムは更に、
無線トランシーバ、及び/又は、
マシンによって実行されると、少なくとも部分的に前記プリアンブル及び前記データ・フィールドを生成させ、かつ/又は送信させるマシン実行可能な命令を記憶するための少なくとも1つのメモリを備える装置。
【請求項4】
無線通信に関連して使用するための装置であって、前記装置は、
プリアンブル及びデータ・フィールドを受信するためのモデムを備え、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは、2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置であって、
前記モデムは、受信された無線周波数信号を前記パケット構造に変換する装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の装置であって、
前記装置は更に、タッチ画面ユーザ・インタフェース・デバイス、センシング・デバイス、少なくとも1つのアンテナ、及び/又はバッテリを更に備え、かつ/又は、
前記モデムは更に、
無線トランシーバ、及び/又は、
マシンによって実行されると、少なくとも部分的に前記プリアンブル及び前記データ・フィールドを受信させるマシン実行可能な命令を記憶するための少なくとも1つのメモリを備える装置。
【請求項7】
無線通信に関連して使用するための方法であって、前記方法は、
プリアンブル及びデータ・フィールドをモデムにより、生成し、かつ/又は送信する工程を含み、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは、2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、
前記モデムは、無線伝送用の信号に前記パケット構造を変換する方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法であって、
前記モデムは更に、
タッチ画面ユ?ザ・インタフェース・デバイス、
センシング・デバイス、
バッテリ、
無線トランシーバ、及び/又は、
マシンによって実行されると、少なくとも部分的に前記プリアンブル及び前記データ・フィールドを生成させ、かつ/又は送信させるマシン実行可能な命令を記憶するための少なくとも1つのメモリを備える方法。
【請求項10】
無線通信に関連して使用するための方法であって、前記方法は、
プリアンブル及びデータ・フィールドをモデムによって受信する工程を含み、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは、2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、
前記モデムは、受信された無線周波数信号を前記パケット構造に変換する方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法であって、
前記モデムは更に、
タッチ画面ユ?ザ・インタフェース・デバイス、
センシング・デバイス、
バッテリ、
無線トランシーバ、及び/又は、
マシンによって実行されると、少なくとも部分的に前記プリアンブル及び前記データ・フィールドを受信させるマシン実行可能な命令を記憶するための少なくとも1つのメモリを備える方法。
【請求項13】
マシンによって実行されると、
無線通信において使用するためのプリアンブル及びデータ・フィールドをモデムにより、生成し、かつ/又は送信する工程を含む処理を行わせるマシン実行可能な命令を記憶する少なくとも1つのメモリであって、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは、2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する、少なくとも1つのメモリ。
【請求項14】
請求項13記載の少なくとも1つのメモリであって、
前記モデムは、無線伝送用の信号に前記パケット構造を変換する、少なくとも1つのメモリ。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の少なくとも1つのメモリであって、
前記モデムは更に、
タッチ画面ユ?ザ・インタフェース・デバイス、
センシング・デバイス、
バッテリ、及び/又は
無線トランシーバを備える、少なくとも1つのメモリ。
【請求項16】
マシンによって実行されると、
プリアンブル及びデータ・フィールドをモデムにより、無線通信を介して受信する工程を含む処理を行わせるマシン実行可能な命令を記憶する少なくとも1つのメモリであって、
前記プリアンブルは、反復したショート・トレーニング・フィールド及び反復したロング・トレーニング・フィールドを含み、
前記反復したロング・トレーニング・フィールドは、前記プリアンブル内の前記反復したショート・トレーニング・フィールドに続き、
動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、
前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドはパケット構造内に含まれ、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは、
2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、
前記プリアンブル及び前記データ・フィールドは1/2の符号化率で符号化され、
前記データ・フィールドは前記パケット構造において反復し、
前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する、少なくとも1つのメモリ。
【請求項17】
請求項16記載の少なくとも1つのメモリであって、
前記モデムは、受信された無線周波数信号を前記パケット構造に変換する、少なくとも1つのメモリ。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の少なくとも1つのメモリであって、
前記モデムは更に、
タッチ画面ユ?ザ・インタフェース・デバイス、
センシング・デバイス、
バッテリ、及び/又は
無線トランシーバを備える、少なくとも1つのメモリ。

該手続補正により,本願の請求項3,6,9,12,15及び18における記載は明確となった。

2.本願発明
上記1.のとおりであるから,本願の請求項1から18に係る発明は,平成28年12月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1から18に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記1.(2)参照。)

そして,以下において,請求項に係る発明を,請求項の番号に従って,「本願第1発明」などといい,「本願第1発明」から「本願第18発明」を併せて「本願発明」という。


第3 原査定の理由について

1.原査定の理由の概要
(1) 原査定の概要
この出願については、平成26年11月14日付け拒絶理由通知書に記載した理由1のうち特許法第36条第6項第2項違背,理由2によって、拒絶をすべきものです。

理由1のうち特許法第36条第6項第2項違背について:
平成27年2月9日付け手続補正された請求項1,4,7,10,13,16(及びこれらを引用する請求項2-3,5-6,8-9,11-12,14-15,17-18)においては、上記理由1において示した、
「動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における検出を可能にする」ための技術事項が請求項においては不明である。
平成27年2月9日付け意見書の2.(理由1)における、
「補正後の請求項1、4、7、10、13、及び16の当該記載は、例えば、本願明細書段落0005、0014、0015、0030、0025、0035、及び0039等の記載に対応しています。」
という主張は、何ら上記理由の解消に寄与していない。

理由2について:
上記手続補正された請求項1,4,7,10,13,16(及びこれらを引用する請求項2-3,5-6,8-9,11-12,14-15,17-18)について、
本願における「1メガヘルツの帯域幅」は、本願が明細書段落0005,0019にあるように、IEEE 802.11ahに関連するものであり、「1ギガヘルツの帯域幅」の誤記であることを踏まえると、先願(特願2014-505407号(特表2014-511094号)ただし、該出願の優先権主張の基礎となる米国特許仮出願61/475814号(内容はhttp://mirror.patentscope.wipo.int/patentscope/docservicepdf_pct_mirror/id00000018920148.pdf)のものが、やはり802.11ahに関するものであることから、1ギガヘルツ帯におけるOFDMを用いることを踏まえると、
「動作中、無線通信は、1ギガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重(OFDM)を使用し、前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1ギガヘルツの帯域幅における検出を可能に」するものであり、
さらに、下記文献のスライド4のBPSK 1/2 rate codedにあるように、変調タイプとして
「プリアンブル及びデータ・フィールドは2値位相シフト・キーイングに応じて変調され、プリアンブル及びデータ・フィールドは1/2の符号化率で符号化」されることもIEEE 802.11ahの技術的前提にすぎないことを踏まえると、本願発明と上記先願発明は実質的に同一の発明である。

文献:Introductory Submission for TGah,doc:IEEE 802.11-11/0062r1,2011年 1月,URL,https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/11/11-11-0062-01-00ah-introductory-submission-for-tgah.pptx

(2) 平成26年11月14日付け拒絶理由の概要
理 由
1.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1,2号に規定する要件を満たしていない。
2.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。

平成26年7月24日付け手続補正された請求項(以下請求項)1,4,7,10,13,16について:
「動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における検出を可能にする」(特に下線部)ための技術事項が請求項においては不明であるとともに、明細書の発明の詳細な説明中の裏付けを欠く。
上記請求項を引用する請求項2-3,5-6,8-9,11-12,14-15,17-18についても同様。

請求項1-18について:
特願2014-505407号(特表2014-511094号)
上記出願の優先権主張の基礎となる米国特許仮出願61/475814号
(内容はhttp://mirror.patentscope.wipo.int/patentscope/docservicepdf_pct_mirror/id00000018920148.pdfより参照されたい)
のとりわけFig.6-7、[0075]-[0085]を参照のこと。

2.原査定の理由に関する当審の判断
(1) 原査定の理由1(36条6項2号)について
ア 原査定の理由1に対する請求人の主張
原査定の理由のうち,本願が特許法第36条第6項第2号に規定にする要件を満たしていないとされた点に対し,請求人は,審判請求書及び平成27年2月9日付け意見書(以下,単に「意見書」という。)において,本願明細書段落0005,0014,0015,0030,0025,0035,及び0039等の記載によって解消される旨主張していると解される。

そこで,本願明細書の【0005】,【0014】,【0015】,【0025】,【0030】,【0035】,及び【0039】における記載を確認する。(下線は当審が付与。)

【0005】
IEEE802.11ah作業グループは、1GHz以下の帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムを提供するために最近、編成されている。IEEE802.11ah作業グループの目標の1つは、(例えば、長距離センサ用の)長距離、低データ速度サービスを含む、特定の基準を充足する新たな機能を有するIEEE802.11n/acシステムを再使用することである。したがって、約1乃至16MHzの帯域を有するシステムが、IEEE802.11ahに使用するために検討されている。前述の帯域は、IEEE802.11acシステムのダウンクロックを行うことによって提供し得る。しかし、IEEE802.11acPHY構造に対する更なる修正なしで、サービスを提供するための要件の全てを充足し得る訳でない。

【0014】
本発明の特定の実施例は、特定の無線通信プロトコルに関連付けられた受信及び検出のために、オープン・システム相互接続モデル(OSIモデル)内の新たな物理層実現(PHY)構造をイネーブルし得る。例示的な実施例により、例えば、インターネットに対する長距離センサの無線接続において使用するための、特定の増加距離の要件に対応し得る。例示的な実施例により、例えば、バッテリを電源とする装置との無線通信のための低減された電力の要件に対応し得る。例示的な実施例によれば、IEEE802.11ahに関連付けられた特定の要件の目標に対応し得る。例示的な実施例は、IEEE802.11ah技術仕様の長距離部分の新たなプリアンブル構造を含み得る。例示的な実施例は、特定のハードウェアの再使用又は再目的化を可能にし得る。
【0015】
例示的な実施例は、より低いクロック速度を供給するようIEEE802.11acPHYを修正し得る。しかし、IEEE802.11ac技術仕様によれば、PHY構造は、より長い距離における装置を検知するために十分長いプリアンブルを含まないことがあり得る。ペイロードのデータ部分を単純に繰り返しても、受信器が適切に機能することを可能にしないことがあり得る。プリアンブルが、高品質の獲得、タイミング、及びチャネル推定のために十分長くないことがあり得るからである。(符号分割多元アクセスなどの)スペクトラム拡散技術を使用することにより、より低いクロック速度において、獲得、タイミング、及びチャネル推定に対する特定の便益が提供され得るが、前述の技術は、異なるPHYを必要とし得、IEEE802.1ahの他のモードに要求され得るOFDMハードウェアの完全な再使用を可能にしないことがあり得る。

【0025】
例示的な実施例によれば、特定のレガシー・フィールドは、特定のシグナリングの場合に新たな低速度PHYにおいて保持される必要がある情報を含み得る。例えば、変調及び符号化手法(MCS)シグナリング及びデータ・レート・シグナリングは、新たなPHY構造において伝達する必要があり得る。例示的な実施例によれば、低速PHYは、2つのMCS(すなわち、BPSK及びQPSK。何れも符号化率1/2を使用)を伝達する必要があり得るに過ぎない。よって、例示的な実施例によれば、2つのモードのみを検出し、又は受信器に通知する必要があり得る。例示的な実施例によれば、現在のIEEE802.11acフィールドはできる限り再使用し得る。例示的な実施例によれば、LR-LTF及び/又はLR-STFの反復に、オーバレイ系列が必要であり得る。例えば、低速モードの距離要件が、4個の反復が必要なようなものである場合、例示的な実施例により、BPSKモードはL-LTFを反復し、4つのL-LTF系列を送出し得る。同様に、例示的な実施例によれば、BPSKモードは、L-STFを反復し、4つのL-LTF系列を反復し得る。本実施例の例を図4に表す。

【0030】
もう一度、図4乃至図7を参照するに、かつ、例示的実施例によるに、L-STF及び/又はL-LTFフィールドは、単一のインスタンスを含むか、又は、距離要件を充足するために必要に応じて反復し得る。

【0035】
例示的な実施例によれば、1つ又は複数のトレーニング・フィールドを生成する工程は低速ショート・トレーニング・フィールド(LR-STF)を生成する工程を含み、LR-STFは少なくとも1つのレガシー・ショート・トレーニング・フィールド(L-STF)、及びL-STFの1つ又は複数の反復を含み、L-STFの反復の数は、ハードウェア伝送媒体の距離又は感度の要件に対応する。例示的な実施例によれば、1つ又は複数のトレーニング・フィールドは低速ロング・トレーニング・フィールド(LR-LTF)を生成する工程を含み、LR-LTFは少なくとも1つのレガシー・ロング・トレーニング・フィールド(L-LTF)、及びL-LTFの1つ又は複数の反復を含み、L-LTFの反復の数は、ハードウェア伝送媒体の距離又は感度の要件に対応する。例示的な実施例によれば、プリアンブル及びデータ・フィールドのグループ化により、IEEE802.11ahのPHY構造と互換の低速PHY構造がもたらされる。例示的な実施例によれば、データ・フィールドを生成する工程は、データ・フィールドにおける長さフィールド情報を伝達する工程を含む。例示的な実施例によれば、プリアンブル及びデータ・フィールドを低速PHY構造にグループ化する工程は、1つ又は複数の変調符号化手法をプリアンブルに符号化する工程を含み、変調符号化手法は、2値位相シフト・キーイング(BPSK)又は直交位相シフト・キーイング(QPSK)の1つ又は複数を含み、1つ又は複数の変調符号化手法をプリアンブルに符号化する工程は、交互の1つ又は複数のL-LTFフィールドを選択的にネゲートする工程を含み得る。

【0039】
例示的な実施例によれば、1つ又は複数のトレーニング・フィールドは低速ショート・トレーニング・フィールド(LR-STF)を含み得、LR-STFは少なくとも1つのレガシー・ショート・トレーニング・フィールド(L-STF)、及びL-STFの1つ又は複数の反復を含み得、L-STFの反復の数は、ハードウェア伝送媒体の距離又は感度の要件に対応する。例示的な実施例によれば、1つ又は複数のトレーニング・フィールドは低速ロング・トレーニング・フィールド(LR-LTF)を含み得、LR-LTFは少なくとも1つのレガシー・ロング・トレーニング・フィールド(L-LTF)、及びL-LTFの1つ又は複数の反復を含み得、L-LTFの反復の数は、ハードウェア伝送媒体の距離又は感度の要件に対応する。例示的な実施例によれば、データ・フィールドは長さフィールド情報を含み得る。例示的な実施例によれば、プリアンブルは1つ又は複数の変調符号化手法を含み得、変調符号化手法は、2値位相シフト・キーイング(BPSK)又は直交位相シフト・キーイング(QPSK)のうちの1つ若しくは複数を含む。例示的な実施例によれば、1つ又は複数の変調符号化手法は、交互の1つ又は複数のL-LTFフィールドを選択的にネゲートすることにより、プリアンブルに符号化し得る。

イ 原査定の理由1に関する当審の判断
上記本願明細書の記載を踏まえると,本願発明が「IEEE802.11ah」に関連するものであり,また,該「IEEE802.11ah」においては,1GHz以下の帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムが提供されることは明白である。
ここで,本願明細書【0005】における「1GHz以下の帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システム」との記載が技術的に意味するところが,該「OFDMシステム」の搬送周波数(「キャリア周波数」とも呼ばれる。)が「1GHz以下」で動作することを意味することは技術的に明らかである。
このことから,本願明細書【0005】における「約1乃至16MHzの帯域」との記載が,上記「OFDM」における帯域幅の「約1乃至16MHz」を意味することは当然である。

したがって,本願明細書には,本願第1発明を特定する事項である「動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し」との事項が記載されているということができる。
また,本願明細書に,「前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし」との事項が記載されているということができる。

よって,本願発明における「動作中、前記無線通信は、1メガヘルツの帯域幅を有し、直交周波数分割多重を使用し、前記反復したショート・トレーニング・フィールド及び前記反復したロング・トレーニング・フィールドは前記1メガヘルツの帯域幅における所望の検出確率を可能にし」との事項については,本願明細書に裏付けがあり,また,明確でもあるので,本願発明は明確である。

ウ 原査定の理由1に関するまとめ
以上のとおりであるから,原査定の理由1によっては,本願を拒絶することはできない。

(2) 原査定の理由2(29条の2)について
ア 先願及び優先基礎出願
原査定の理由2で「先願」として引用された特願2014-505407号(2012年(平成24年)4月16日国際出願。国際公開第2012/142612号(2012年(平成24年)10月18日国際公開)),及び該先願の優先権主張の基礎となった米国特許61/475814号(2011年(平成23年)4月15日。以下「優先基礎出願」という。)明細書には,それぞれ次の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

イ 優先基礎出願記載事項1
[0035]
Popular wireless network technologies may include various types of wireless local area networks (WLANs). A WLAN may be used to interconnect nearby devices together, employing widely used networking protocols. The various aspects described herein may apply to any communication standard, such as WiFi or, more generally, any member of the IEEE 802.11 family of wireless protocols. For example, the various aspects described herein may be used as part of the IEEE 802.11ah protocol, which uses sub-1GHz bands.
[0036]
In some aspects, wireless signals in a sub-gigahertz band may be transmitted according to the 802.11ah protocol using orthogonal frequency-division multiplexing (OFDM). Implementations of the 802.11ah protocol may be used for sensors, metering, and smart grid networks. Advantageously, aspects of certain devices implementing the 802.11ah protocol may experience increased battery life with respect to other wireless protocols, and may be used to transmit wireless signals across a relatively long range, for example about one kilometer or longer.

ウ 優先基礎出願記載事項2
[0075]
FIG. 6 illustrates an example of a packet 600. The packet 600 may comprise a physical (PHY) layer packet or frame for use with the wireless device 202, wherein certain fields of the packet 600 are repeated in order to be used in long range communications. Similar to the packet 500, the packet 600 may include a preamble 610 and a payload 620. The preamble 610 may include a training field and signal (SIG) field 616. Further, like the packet 500, the training field may include a short training field (STF) 612 followed by a long training field (LTF) 614.
[0076]
In order to aid in long range communications as described above, certain portions of the packet 600 may be repeated any number of times. As shown, each of the STF field 612, LTF field 614, SIG field 616, and payload 620 are repeated 2 times. It should be noted that each of the fields do not need to be repeated and any combination of fields may be repeated without repeating the other fields, for example, only the STF field 612 and the LTF field 614 may be repeated. Further, it should be noted that each of the fields that is repeated do not need to be repeated the same number of times as another field. For example, the STF field 612 may be repeated 4 times, while the SIG field 616 is repeated only 2 times. Further, only portions of a given field may be repeated, for example, only a subset of the SIG field 616 may be repeated such as if only a subset of the data is relevant. In addition, the number of times any of the fields or portions of fields are repeated may vary from packet to packet.
[0077]
The repetition of the fields in the packet 600 may be performed at any one of several stages in the processing of data to be sent by the wireless device 202. For example, as discussed above with respect to FIG. 3, bits to be transmitted by the wireless device 202 are modulated by a modulator 302 to form symbols or otherwise modulated bits. The symbols or otherwise modulated bits are then transformed, such as by transform module 304, to a time domain, such as into an OFDM symbol. Accordingly, in one aspect, repetition of the fields can be performed at the bit level, meaning that the bits that make up a given field may be repeated before going through the modulator 302. In another aspect, the bits that make up a given field may first by modulated by the modulator 302 to form symbols, and the symbols themselves may be repeated. In yet another aspect, the bits that make up a given field may be modulated to form symbols, the symbols may be transformed to the time domain, and the transformed output may then be repeated. In a similar aspect, the transformed output, such as an OFDM symbol may be repeated, but instead of repeating exact copies, each copy may be a rotated OFDM symbol, or the order of the tones in the signal may be changed for each copy. Accordingly, one will recognize that repetition of the fields in the packet 600 may occur at any appropriate stage in the processing of a packet.
[0078]
In one aspect, the STF field 612 and/or the LTF field 614 are repeated. In one aspect, when repeating either or both of the STF field 612 and the LTF field 614, the same data is copied multiple times in the packet 600. Accordingly, there may be multiple STF fields 612 and/or LTF fields 614 each with the same data as their respective field type copies. In another aspect, different sequences are used in each copy of the either or both of the STF field 612 and the LTF field 614. When these copies using different sequences arc combined, they can form a long sequence that has increased processing gain, which essentially boosts the SNR. For example, if the STF field 612 is repeated K times with different sequences, the resulting long sequence may have K times the processing gain, and accordingly K times the SNR, as a single STF field 612.
[0079]
In one aspect, the SIG field 616 may be repeated, in its entirety or only a portion of the SIG field 616, in order to boost SNR of the received signal. In another aspect, the SIG field 616 could be redesigned using a more reliable modulation, spreading, coding, and/or repetition scheme in order to boost the SNR. In another aspect, the payload 620 may be repeated to boost SNR. In yet another aspect, the coding rate of the payload 620 may be decreased in order to boost the SNR.
[0080]
As discussed above, the portions of the packet 600 may be repeated in the time-domain and/or the frequency domain. The repetition in each of the domains is described below with respect to FIGS. 7 and 8.
[0081]
FIG. 7 illustrates repetition of fields of a packet 700 in the time-domain. Repetition in the time-domain requires transmitting the fields over the same frequency range or ranges at different times. The packet 700 may be similar to the packet 600. As shown, portions of the packet 700 are repeated over time, while occupying the same frequency range. In one aspect, repetition in the time-domain may be used for any field type of the packet 700.
[0082]
FIG. 8 illustrates repetition of fields of a packet in the frequency-domain. As shown, data packets may be transmitted over both time and different frequencies. In the time domain, transmission of data is separated into set time segments 804, which may be referred to as OFDM symbols. In a given time segment 804, transmission of data is separated into blocks of frequency ranges 802, which may be referred to as tones. Therefore, a time segment 804 may comprise a plurality of frequency ranges 802. In one aspect, repetition of portions of a packet in the frequency domain is performed as follows. The available frequency ranges 802 in a given time segment 804 are divided into K groups, K being representative of the number of times a portion of the packet is to be repeated. The groups of frequency ranges 802 may be contiguous, or the groups may be interleaved with each other. Further, a copy of the portion of the packet to be repeated is then placed in each of the K groups. The receiver may then receive the K copies of the repeated portion or portions of the packet and combine them constructively to boost the SNR. In some aspects, since multiple frequency ranges 802 arc used to transmit the same data, only a portion equal to approximately 1/K of the amount of unique data to be sent in the packet is transmitted in a given time segment 804. Without repetition, an entire packet may be sent in a single time segment 804. Accordingly, it may take K time segments 804 to transmit the entire packet of data. In one aspect, repetition in the frequency-domain may be used for any field type of a packet. In another aspect, repetition in the frequency-domain may be limited to the SIG fields and/or payload.
[0083]
As discussed above, portions of a packet may repeated in the time-domain and/or frequency-domain to boost SNR of a received signal. Increasing the repetition of portions of a packet, while keeping transmission power constant, can increase the SNR of the received signal. Other techniques used to boost SNR include using different modulation techniques for modulating the packet to be sent. In one aspect, one parameter of such modulation that may be adjusted is a rate of modulation for a packet. For example, in QAM modulation, different rates may be used, such as 64-QAM, 32-QAM, QPSK, and BPSK. A 64-QAM modulation scheme has a higher rate than a 32-QAM modulation scheme, meaning more bits are transmitted per symbol. If symbols of different rates are transmitted at the same power level, the higher the modulation rate, the lower the SNR is with respect to portions of the packet received as the power is divided among the bits sent in the symbol. Therefore, reducing the modulation rate while keeping the transmission power constant can increase the SNR of the received signal.
[0084]
In one aspect, a wireless device 202 may modify the number of times a portion of a packet is repeated based on at least one characteristic (e.g., SNR, carrier to interference (C/I) ratio, signal to interference-plus-noise ratio (SINR), etc.) of a communication channel over which the wireless device 202 transmits the packet. For example, the wireless device 202 may determine information regarding a channel characteristic at another device receiving data from the wireless device 202. In one aspect, if the information about that channel characteristic indicates that the signal is unable to be properly decoded (e.g., SNR is too low) at the receiver, the transmitter may increase the number of times a portion of a packet is repeated and/or decrease the rate at which the portion of the packet is modulated. In another aspect, if the information about that channel characteristic indicates that the signal is able to be properly decoded (e.g., SNR is high enough) at the receiver, but also indicates the signal is stronger than necessary to decode, the transmitter may decrease the number of times a portion of a packet is repeated and/or increase the rate at which the portion of the packet is modulated so as to be able to transfer more data using the same amount of communications resources (e.g., time segments, frequency ranges, etc.). In one aspect, the wireless device 202 may adjust a rate of modulation of the data packet before adjusting a number of times the data is repeated in the packet. For example, the wireless device 202 may adjust the rate to a lowest supported rate (e.g., BPSK) as necessary, and if the signal is still unable to be properly decoded, only then the wireless device 202 may adjust the number of times data is repeated in the packet. Similarly, as signal quality improves, repetition of data may be reduced before the rate is increased.
[0085]
In one aspect, the wireless device 202 may determine the information about the channel characteristics by receiving information about the channel characteristics from the device to which the data packet is being transmitted. Alternatively, the wireless device 202 may receive such information from another source, such as a network component with which the wireless device 202 and/or the device to which the data packet is being transmitted communicate.

エ 先願明細書記載事項1
先願は外国語特許出願であるところ,その国際公開された国際出願の明細書には次の記載がある。

[0036] Popular wireless network technologies may include various types of wireless local area networks (WLANs). A WLAN may be used to interconnect nearby devices together, employing widely used networking protocols. The various aspects described herein may apply to any communication standard, such as WiFi or, more generally, any member of the IEEE 802.11 family of wireless protocols. For example, the various aspects described herein may be used as part of the IEEE 802.11ah protocol, which uses sub-1GHz bands.

[0037] In some aspects, wireless signals in a sub-gigahertz band may be transmitted according to the 802.11ah protocol using orthogonal frequency-division multiplexing (OFDM). Implementations of the 802.11ah protocol may be used for sensors, metering, and smart grid networks. Advantageously, aspects of certain devices implementing the 802.11ah protocol may experience increased battery life with respect to other wireless protocols, and may be used to transmit wireless signals across a relatively long range, for example about one kilometer or longer.

[0038] In some implementations, a WLAN includes various devices which are the components that access the wireless network. For example, there may be two types of devices: access points ("APs") and clients (also referred to as stations, or "STAs"). In general, an AP serves as a hub or base station for the WLAN and an STA serves as a user of the WLAN. For example, an STA may be a laptop computer, a personal digital assistant (PDA), a mobile phone, etc. In an example, an STA connects to an AP via a WiFi (e.g., IEEE 802.11 protocol such as 802.11ah) compliant wireless link to obtain general connectivity to the Internet or to other wide area networks. In some implementations an STA may also be used as an AP.

オ 先願明細書記載事項2
[0076] FIG. 6 illustrates an example of a packet 600. The packet 600 may comprise a physical (PHY) layer packet or frame for use with the wireless device 202, wherein certain fields of the packet 600 are repeated in order to be used in long range communications. Similar to the packet 500, the packet 600 may include a preamble 610 and a payload 620. The preamble 610 may include a training field and signal (SIG) field 616. Further, like the packet 500, the training field may include a short training field (STF) 612 followed by a long training field (LTF) 614.

[0077] In order to aid in long range communications as described above, certain portions of the packet 600 may be repeated any number of times. As shown, each of the STF field 612, LTF field 614, SIG field 616, and payload 620 are repeated 2 times. It should be noted that each of the fields do not need to be repeated and any combination of fields may be repeated without repeating the other fields, for example, only the STF field 612 and the LTF field 614 may be repeated. Further, it should be noted that each of the fields that is repeated do not need to be repeated the same number of times as another field. For example, the STF field 612 may be repeated 4 times, while the SIG field 616 is repeated only 2 times. Further, only portions of a given field may be repeated, for example, only a subset of the SIG field 616 may be repeated such as if only a subset of the data is relevant. In addition, the number of times any of the fields or portions of fields are repeated may vary from packet to packet.

[0078] The repetition of the fields in the packet 600 may be performed at any one of several stages in the processing of data to be sent by the wireless device 202. For example, as discussed above with respect to FIG. 3, bits to be transmitted by the wireless device 202 are modulated by a modulator 302 to form symbols or otherwise modulated bits. The symbols or otherwise modulated bits are then transformed, such as by transform module 304, to a time domain, such as into an OFDM symbol. Accordingly, in one aspect, repetition of the fields can be performed at the bit level, meaning that the bits that make up a given field may be repeated before going through the modulator 302. In another aspect, the bits that make up a given field may first by modulated by the modulator 302 to form symbols, and the symbols themselves may be repeated. In yet another aspect, the bits that make up a given field may be modulated to form symbols, the symbols may be transformed to the time domain, and the transformed output may then be repeated. In a similar aspect, the transformed output, such as an OFDM symbol may be repeated, but instead of repeating exact copies, each copy may be a rotated OFDM symbol, or the order of the tones in the signal may be changed for each copy. Accordingly, one will recognize that repetition of the fields in the packet 600 may occur at any appropriate stage in the processing of a packet.

[0079] In one aspect, the STF field 612 and/or the LTF field 614 are repeated. In one aspect, when repeating either or both of the STF field 612 and the LTF field 614, the same data is copied multiple times in the packet 600. Accordingly, there may be multiple STF fields 612 and/or LTF fields 614 each with the same data as their respective field type copies. In another aspect, different sequences are used in each copy of the either or both of the STF field 612 and the LTF field 614. When these copies using different sequences are combined, they can form a long sequence that has increased processing gain, which essentially boosts the SNR. For example, if the STF field 612 is repeated K times with different sequences, the resulting long sequence may have K times the processing gain, and accordingly K times the SNR, as a single STF field 612.

[0080] In one aspect, the SIG field 616 may be repeated, in its entirety or only a portion of the SIG field 616, in order to boost SNR of the received signal. In another aspect, the SIG field 616 could be redesigned using a more reliable modulation, spreading, coding, and/or repetition scheme in order to boost the SNR. In another aspect, the payload 620 may be repeated to boost SNR. In yet another aspect, the coding rate of the payload 620 may be decreased in order to boost the SNR.

[0081] As discussed above, the portions of the packet 600 may be repeated in the time- domain and/or the frequency domain. The repetition in each of the domains is described below with respect to FIGS. 7 and 8.

[0082] FIG. 7 illustrates repetition of fields of a packet 700 in the time-domain. Repetition in the time-domain requires transmitting the fields over the same frequency range or ranges at different times. The packet 700 may be similar to the packet 600. As shown, portions of the packet 700 are repeated over time, while occupying the same frequency range. In one aspect, repetition in the time-domain may be used for any field type of the packet 700.

[0083] FIG. 8 illustrates repetition of fields of a packet in the frequency-domain. As shown, data packets may be transmitted over both time and different frequencies. In the time domain, transmission of data is separated into set time segments 804, which may be referred to as OFDM symbols. In a given time segment 804, transmission of data is separated into blocks of frequency ranges 802, which may be referred to as tones. Therefore, a time segment 804 may comprise a plurality of frequency ranges 802. In one aspect, repetition of portions of a packet in the frequency domain is performed as follows. The available frequency ranges 802 in a given time segment 804 are divided into K groups, K being representative of the number of times a portion of the packet is to be repeated. The groups of frequency ranges 802 may be contiguous, or the groups may be interleaved with each other. Further, a copy of the portion of the packet to be repeated is then placed in each of the K groups. The receiver may then receive the K copies of the repeated portion or portions of the packet and combine them constructively to boost the SNR. In some aspects, since multiple frequency ranges 802 are used to transmit the same data, only a portion equal to approximately 1/K of the amount of unique data to be sent in the packet is transmitted in a given time segment 804. Without repetition, an entire packet may be sent in a single time segment 804. Accordingly, it may take K time segments 804 to transmit the entire packet of data. In one aspect, repetition in the frequency-domain may be used for any field type of a packet. In another aspect, repetition in the frequency-domain may be limited to the SIG fields and/or payload.

[0084] As discussed above, portions of a packet may be repeated in the time-domain and/or frequency-domain to boost the SNR of a received signal. Increasing the repetition of portions of a packet, while keeping transmission power constant, can increase the SNR of the received signal. Other techniques used to boost SNR include using different modulation techniques for modulating the packet to be sent. In one aspect, one parameter of such modulation that may be adjusted is a rate of modulation for a packet. For example, in QAM modulation, different rates may be used, such as 64-QAM, 32-QAM, QPSK, and BPSK. A 64-QAM modulation scheme has a higher rate than a 32-QAM modulation scheme, meaning more bits are transmitted per symbol. If symbols of different rates are transmitted at the same power level, the higher the modulation rate, the lower the SNR is with respect to portions of the packet received as the power is divided among the bits sent in the symbol. Therefore, reducing the modulation rate while keeping the transmission power constant can increase the SNR of the received signal.

[0085] In one aspect, a wireless device 202 may modify the number of times a portion of a packet is repeated based on at least one characteristic (e.g., SNR, carrier to interference (C/I) ratio, signal to interference-plus-noise ratio (SINR), etc.) of a communication channel over which the wireless device 202 transmits the packet. For example, the wireless device 202 may determine information regarding a channel characteristic at another device receiving data from the wireless device 202. In one aspect, if the information about that channel characteristic indicates that the signal is unable to be properly decoded (e.g., SNR is too low) at the receiver, the transmitter may increase the number of times a portion of a packet is repeated and/or decrease the rate at which the portion of the packet is modulated. In another aspect, if the information about that channel characteristic indicates that the signal is able to be properly decoded (e.g., SNR is high enough) at the receiver, but also indicates the signal is stronger than necessary to decode, the transmitter may decrease the number of times a portion of a packet is repeated and/or increase the rate at which the portion of the packet is modulated so as to be able to transfer more data using the same amount of communications resources (e.g., time segments, frequency ranges, etc.). In one aspect, the wireless device 202 may adjust a rate of modulation of the data packet before adjusting a number of times the data is repeated in the packet. For example, the wireless device 202 may adjust the rate to a lowest supported rate (e.g., BPSK) as necessary, and if the signal is still unable to be properly decoded, only then the wireless device 202 may adjust the number of times data is repeated in the packet. Similarly, as signal quality improves, repetition of data may be reduced before the rate is increased.

[0086] In one aspect, the wireless device 202 may determine the information about the channel characteristics by receiving information about the channel characteristics from the device to which the data packet is being transmitted. Alternatively, the wireless device 202 may receive such information from another source, such as a network component with which the wireless device 202 and/or the device to which the data packet is being transmitted communicate.

カ 国際公開された記載事項
以上によると,優先基礎出願の明細書の[0035],[0036],[0075]から[0082],[0084],及び[0085]は,それぞれ先願明細書の[0036],[0037],[0076]から[0083],[0085],及び[0086]に記載された事項であるから,国際公開された記載事項であるということができる。
そして,優先基礎出願の明細書の[0083]における「As discussed above, portions of a packet may repeated in the time-domain and/or frequency-domain to boost SNR of a received signal.」との記載が,先願明細書の[0084]では「As discussed above, portions of a packet may be repeated in the time-domain and/or frequency-domain to boost the SNR of a received signal.」となった。
このため,この部分を,優先基礎出願の明細書の[0083]から除いた「Increasing the repetition of portions of a packet, while keeping transmission power constant, can increase the SNR of the received signal. Other techniques used to boost SNR include using different modulation techniques for modulating the packet to be sent. In one aspect, one parameter of such modulation that may be adjusted is a rate of modulation for a packet. For example, in QAM modulation, different rates may be used, such as 64-QAM, 32-QAM, QPSK, and BPSK. A 64-QAM modulation scheme has a higher rate than a 32-QAM modulation scheme, meaning more bits are transmitted per symbol. If symbols of different rates are transmitted at the same power level, the higher the modulation rate, the lower the SNR is with respect to portions of the packet received as the power is divided among the bits sent in the symbol. Therefore, reducing the modulation rate while keeping the transmission power constant can increase the SNR of the received signal.」が国際公開された記載事項であるということができる。

以上のことを踏まえると,上記優先基礎出願の明細書記載事項([0035],[0036],[0075]から[0085])であって,国際公開された記載事項([0036],[0037],[0076]から[0086])は,次の事項であるということができる。(ここで,先願に対応する日本語公報である特表2014-511094号公報(平成25年5月1日公表)を参考する。なお,[ ]内の数字は優先基礎出願の明細書における段落番号示し,< >内の数字は国際公開公報で対応する段落番号を示している。また,【 】内の数字は参考した公報における段落番号を示している。)

[0035]<0036>
普及しているワイヤレスネットワーク技術は、様々なタイプのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を含み得る。WLANは、広く使われるネットワークプロトコルを利用して、近くのデバイスを一緒に相互接続するのに使われ得る。本明細書に記載する様々な態様は、WiFiなど、どの通信規格、または、より全般的には、ワイヤレスプロトコルのIEEE802.11群のうちどのメンバーにも応用することができる。たとえば、本明細書に記載する様々な態様は、サブ1GHz帯域を使うIEEE802.11ahプロトコルの一部として使われ得る。(【0024】)
[0036]<0037>
いくつかの態様において、サブギガヘルツ帯域内のワイヤレス信号は、直交周波数分割多重化(OFDM)を使う802.11ahプロトコルに従って送信することができる。802.11ahプロトコルの実装形態は、センサ、計測、およびスマートグリッドネットワーク用に使われ得る。有利には、802.11ahプロトコルを実装するいくつかのデバイスの態様は、他のワイヤレスプロトコルに対して、バッテリー寿命の増加を受ける場合があり、かつ比較的長いレンジ、たとえば、約1キロメートル以上にわたってワイヤレス信号を送信するのに使われ得る。(【0025】)

[0075]<0076>
図6は、パケット600の例を示す。パケット600は、ワイヤレスデバイス202とともに使用するための物理(PHY)レイヤパケットまたはフレームを含んでよく、パケット600のいくつかのフィールドは、ロングレンジ通信において使うために反復される。パケット500と同様に、パケット600は、プリアンブル610およびペイロード620を含み得る。プリアンブル610は、トレーニングフィールドおよび信号(SIG)フィールド616を含み得る。さらに、パケット500のように、トレーニングフィールドは、ショートトレーニングフィールド(STF)612と、それに続くロングトレーニングフィールド(LTF)614を含み得る。(【0064】)
[0076]<0077>
上述したようにロングレンジ通信を助けるために、パケット600のいくつかの部分は、任意の回数だけ反復されてよい。図示するように、STFフィールド612、LTFフィールド614、SIGフィールド616、およびペイロード620の各々は、2回反復される。フィールドの各々は、反復される必要がなく、フィールドのどの組合せも、他のフィールドを反復せずに反復することができ、たとえば、STFフィールド612およびLTFフィールド614のみが反復され得ることに留意されたい。さらに、反復されるフィールドの各々は、別のフィールドと同じ回数だけ反復される必要がないことに留意されたい。たとえば、STFフィールド612は4回反復することができるが、SIGフィールド616は2回だけ反復される。さらに、所与のフィールドの部分のみが反復されてよく、たとえば、データのサブセットのみが関係する場合などには、SIGフィールド616のサブセットのみが反復されればよい。さらに、フィールドまたはフィールドの部分のいずれかが反復される回数は、パケットごとに変わり得る。(【0065】)
[0077]<0078>
パケット600中のフィールドの反復は、ワイヤレスデバイス202によって送られるべきデータの処理におけるいくつかの段階のうちのどの1つにおいても実施することができる。たとえば、図3を参照して上述したように、ワイヤレスデバイス202によって送信されるべきビットは、変調器302によって変調されて、シンボルまたは場合によっては変調ビットが形成される。シンボルまたは場合によっては変調ビットは次いで、たとえば変換モジュール304によって、時間領域、たとえばOFDMシンボルに変換される。したがって、一態様では、フィールドの反復はビットレベルで実施することができ、このことは、所与のフィールドを構成するビットが、変調器302を通る前に反復されてよいことを意味する。別の態様では、所与のフィールドを構成するビットが変調器302によって最初に変調されてシンボルを形成してよく、シンボル自体が反復され得る。さらに別の態様では、所与のフィールドを構成するビットは、シンボルを形成するように変調されてよく、シンボルは時間領域に変換されてよく、変換された出力が次いで、反復されてよい。同様の態様において、OFDMシンボルなどの変換された出力が反復されてよいが、正確なコピーを反復するのではなく、各コピーは循環OFDMシンボルでよく、または信号中のトーンの順序は各コピーに対して変えてよい。したがって、パケット600中のフィールドの反復は、パケットの処理におけるどの適切な段階で起こってもよいことが認識されよう。(【0066】)
[0078]<0079>
一態様では、STFフィールド612および/またはLTFフィールド614が反復される。一態様では、STFフィールド612とLTFフィールド614のいずれかまたは両方を反復するとき、同じデータが、パケット600中で複数回コピーされる。したがって、各々がそれぞれのフィールドタイプコピーとして同じデータを有する複数のSTFフィールド612および/またはLTFフィールド614が存在し得る。別の態様では、STFフィールド612とLTFフィールド614のいずれかまたは両方の各コピー中で、異なるシーケンスが使われる。異なるシーケンスを使うこれらのコピーが組み合わされると、処理利得が増大した長いシーケンスを形成することができ、その結果、SNRが本質的に高められる。たとえば、STFフィールド612が、異なるシーケンスでK回反復される場合、結果として得られる長いシーケンスは、処理利得がK倍になり、したがって、単一のSTFフィールド612としてはSNRがK倍になり得る。(【0067】)
[0079]<0080>
一態様では、SIGフィールド616は、その全体またはSIGフィールド616の一部分のみが、受信信号のSNRを高めるために反復されてよい。別の態様では、SIGフィールド616は、SNRを高めるために、より信頼できる変調、拡散、符号化、および/または反復方式を使って設計し直されてもよい。別の態様では、SNRを高めるために、ペイロード620が反復されてよい。さらに別の態様では、SNRを高めるために、ペイロード620の符号化レートが低下される場合がある。(【0068】)
[0080]<0081>
上述したように、パケット600の部分は、時間領域および/または周波数領域において反復されてよい。領域の各々における反復については、図7および図8に関して以降で説明する。(【0069】)
[0081]<0082>
図7は、時間領域におけるパケット700のフィールドの反復を示す。時間領域における反復には、異なる時間に、同じ周波数レンジまたは複数のレンジにわたってフィールドを送信することが必要である。パケット700は、パケット600と同様であってよい。図示するように、パケット700の部分は、同じ周波数レンジを占有しながら、時間的に反復される。一態様では、時間領域における反復は、パケット700のどのフィールドタイプに対しても使うことができる。(【0070】)
[0082]<0083>
図8は、周波数領域内のパケットのフィールドの反復を示す。図示するように、データパケットは、時間と、異なる周波数の両方にわたって送信することができる。時間領域において、データの送信は、OFDMシンボルと呼ばれ得るセット時間セグメント804に分離される。所与の時間セグメント804において、データの送信は、トーンと呼ばれ得る周波数レンジ802のブロックに分離される。したがって、時間セグメント804は、複数の周波数レンジ802を含むことができる。一態様では、周波数領域におけるパケットの部分の反復は、次のように実施される。所与の時間セグメント804における利用可能な周波数レンジ802は、K個のグループに分割され、Kは、パケットのある部分が反復されるべき回数を表す。周波数レンジ802のグループは連続してもよく、グループは互いとインターリーブされてもよい。さらに、反復されるべきパケットの部分のコピーは次いで、K個のグループの各々の中に置かれる。受信機は次いで、パケットの1つまたは複数の反復部分のK個のコピーを受信し、SNRを高めるように建設的に組み合わせることができる。いくつかの態様において、同じデータを送信するのに、複数の周波数レンジ802が使われるので、パケット中で送られるべき固有のデータの量のほぼ1/Kに等しい部分のみが、所与の時間セグメント804中で送信される。反復されない場合、パケット全体が、単一の時間セグメント804中で送られ得る。したがって、データパケット全体を送信するのに、K個の時間セグメント804を必要とし得る。一態様では、周波数領域における反復は、パケットのどのフィールドタイプに対しても使うことができる。別の態様では、周波数領域における反復は、SIGフィールドおよび/またはペイロードに限定してよい。(【0071】)
[0083]<0084>
送信電力を一定に保ちながら、パケットの部分の反復を増やすと、受信信号のSNRを高めることができる。SNRを高めるのに使われる他の技法は、送られるべきパケットを変調するための異なる変調技法の使用を含む。一態様では、調整することができる、そのような変調の1つのパラメータは、パケット用の変調レートである。たとえば、QAM変調では、64QAM、32QAM、QPSK、およびBPSKなど、異なるレートを使うことができる。64QAM変調方式は、32QAM変調方式よりも高いレートをもち、これは、シンボルごとにより多くのビットが送信されることを意味する。異なるレートのシンボルが同じ電力レベルで送信される場合、変調レートが高い程、シンボル中で送られるビットの間で電力が分割されるので、受信されるパケットの部分に対してSNRが低くなる。したがって、送信電力を一定に保ちながら変調レートを低下させると、受信信号のSNRを高めることができる。(【0072】)
[0084]<0085>
一態様では、ワイヤレスデバイス202は、ワイヤレスデバイス202がパケットを送信するための通信チャネルの少なくとも1つの特性(たとえば、SNR、キャリア対干渉(C/I)比、信号対干渉雑音比(SINR)など)に基づいて、パケットの部分が反復される回数を修正することができる。たとえば、ワイヤレスデバイス202は、ワイヤレスデバイス202からデータを受信する別のデバイスにおけるチャネル特性に関する情報を判断することができる。一態様では、そのチャネル特性についての情報が、受信機において信号が正しくデコードされ得ない(たとえば、SNRが低すぎる)ことを示す場合、送信機は、パケットの部分が反復される回数を増やし、かつ/またはパケットの部分が変調されるレートを低くすればよい。別の態様では、そのチャネル特性についての情報が、受信機において信号が正しくデコードされ得る(たとえば、SNRが十分に高い)ことを示すが、信号が、デコードするのに必要とされるよりも強いことも示す場合、送信機は、同じ量の通信リソース(たとえば、時間セグメント、周波数レンジなど)を使ってより多くのデータを転送することができるように、パケットの部分が反復される回数を減らし、かつ/またはパケットの部分が変調されるレートを上げればよい。一態様では、ワイヤレスデバイス202は、パケット中でデータが反復される回数を調整する前に、データパケットの変調レートを調整することができる。たとえば、ワイヤレスデバイス202は、レートを、必要に応じて、最も低いサポートレート(たとえば、BPSK)に調整することができ、信号が依然として正しくデコードされ得ない場合にのみ、ワイヤレスデバイス202は、パケット中でデータが反復される回数を調整することができる。同様に、信号品質が向上すると、レートが増大する前にデータの反復を減少させることができる。(【0073】)
[0085]<0086>
一態様では、ワイヤレスデバイス202は、データパケットが送信されているデバイスからチャネル特性についての情報を受信することによって、チャネル特性についての情報を判断することができる。あるいは、ワイヤレスデバイス202は、そのような情報を、データパケットが送信されているワイヤレスデバイス202および/またはデバイスが通信するネットワーク構成要素など、別のソースから受信することができる。(【0074】)

キ 原査定の理由2に関する当審の判断
上記優先基礎出願記載事項1及び2から導き得る発明(以下「先願発明」という。)と本願第1発明とを比較すると,本願第1発明においては,「動作中,無線通信は,1メガヘルツの帯域幅を有し」との発明特定事項を備えるのに対して,先願発明においては,そのような帯域幅についての特定がない点で,少なくとも相違する。

したがって,本願第1発明が,優先基礎出願の明細書に記載された発明と同一であるということはできない。

また,本願第4発明,本願第7発明,本願第10発明,本願第13発明,及び本願第16発明についても,同様に,優先基礎出願の明細書に記載された発明と同一であるということはできない。
そして,本願第2発明及び本願第3発明は本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第5発明及び本願第6発明は本願第4発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第8発明及び本願第9発明は本願第7発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第11発明及び本願第12発明は本願第10発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第14発明及び本願第15発明は本願第13発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第17発明及び本願第18発明は本願第16発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であるから,同様に,優先基礎出願の明細書に記載された発明と同一であるということはできない。

ク 原査定の理由に関するまとめ
以上のとおりであるから,上記優先基礎出願を特許法第41条にいう「先の出願」とし,同条第3項の規定により同法第29条の2本文を適用し,本願発明を,特許法第184条の13による同法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであるということはできない。

(3) 前置報告書記載事項について
ア 前置報告の概要
平成27年8月10日付け前置報告書(以下「前置報告書」という。)においては,次の事項が報告(以下「前置報告」という。)された。

この審判請求に係る出願については、下記のとおり報告します。

補正後の請求項1には、「前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する」という記載があるが、当該記載は新規事項の追加に該当する。
出願人は審判請求書にて、当該補正の根拠として本願出願当初明細書[0016]?[0019]、[0028]?[0029]を挙げている。
しかしながら、当該補正の根拠を検討しても、1メガヘルツの帯域幅を基準として、信号フィールドの期間を変更することは記載されていない。また、本願出願当初明細書及び図面(以下、当初明細書等とする。)の他の記載を参照しても1メガヘルツの帯域幅を基準として信号フィールドの期間を変更することは記載されておらず、このことが当初明細書等の記載から当業者に自明のことともいえない。
したがって、この補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
そして、この出願は原査定の理由に示したとおり拒絶されるべきものである。

なお、原査定で示される先願(特願2014-505407号(PCT/US2012/033834、WO2012/142612、特表2014-511094号(必要に応じて米国特許仮出願61/475814号参照))には、ah規格の一部として使用する際に、SIGを反復することについても言及(米国特許仮出願61/475814号の FIG.6, [0072]-[0081]、国際公開第2012/142612号の FIG.6, [0073]-[0082] 参照)があることから、先願においても、IEEE802.11ah規格に沿って通信を行う際には、信号フィールドを反復することで、ah規格に沿って通信を行わない場合と比べて信号フィールドが長くなるものといえる。

イ 前置報告に関する当審の判断
本願の明細書【0019】には「単純にダウンクロッキングされたIEEE802.11acシステムと比較して、オーバヘッドにおけるかなりの削減を本発明の例示的な実施例によって達成し得る。更に、L-SIG106後にフィールドを除外するようIEEE802.11acシステムが修正された場合、本発明の例示的な実施例において4*8*4=128sの削減という更なる効果を実現し得る。」との事項が記載されている(以下「本願明細書記載事項[あ]」という。)。

本願明細書記載事項[あ]を,審判請求書における記載及び請求項1の記載で照らすと,上記本願明細書記載事項[あ]における「128sの削減」が請求項1に記載された「前記第1の期間に比べて減少した第2の期間」に相当すると解することができる。
ここで,該「第1の期間」は,前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において,前記信号フィールドが送信されるときに有する期間であることは,請求項1における記載から明白である。
このことから,本願の明細書における記載全体からみて,上記「第1の期間」がIEEE802.11ahシステムにおいて,信号フィールドが送信されるときに有する期間を意味していると解することができる。

そして,本願明細書【0005】における「約1乃至16MHzの帯域を有するシステムが、IEEE802.11ahに使用するために検討されている。前述の帯域は、IEEE802.11acシステムのダウンクロックを行うことによって提供し得る。」との記載等があり,さらに「IEEE802.11acシステム」における「帯域幅」が「約1乃至16MHz」よりも「大きい帯域幅」を使用することが,本願の優先権主張日より前において,例を示すまでもなく周知であった。

以上のことを総合すると,本願明細書には,「IEEE802.11ahの1メガヘルツの帯域幅において,信号フィールドは,送信されるときに,第1の期間を有し,かつ,前記1メガヘルツの帯域幅より大きいIEEE802.11acの帯域幅において,前記信号フィールドは,第1の期間に比べて(128s)減少した第2の期間を有する」との事項が記載されている,若しくは記載されているに等しいということができる。

ウ 前置報告書記載事項についてのまとめ
したがって,「前記プリアンブルは信号フィールドも含み、
前記無線通信の前記1メガヘルツの帯域幅において、前記信号フィールドは、送信されるときに、第1の期間を有し、かつ、
前記1メガヘルツの帯域幅より大きい前記無線通信の他の帯域幅において、前記信号フィールドは、前記第1の期間に比べて減少した第2の期間を有する」との事項は,新たな技術的事項には当たらない。

(4) 原査定の理由1及び2に関するまとめ
上記(1)から(3)に述べたとおりであるから,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。


第4 むすび

以上のとおりであるから,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
また,ほかに,本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-30 
出願番号 特願2014-525989(P2014-525989)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04W)
P 1 8・ 121- WY (H04W)
P 1 8・ 561- WY (H04W)
P 1 8・ 16- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 古市 徹川崎 優  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 佐藤 智康
近藤 聡
発明の名称 低速PHY構造用のシステム、方法、及び装置  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
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