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審決分類 審判 査定不服 出願日、優先日、請求日 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1326246
審判番号 不服2015-3668  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-26 
確定日 2017-03-16 
事件の表示 特願2013- 21651「ハンドオーバ中にノードBを調整しかつ拡張アップリンク(EnhancedUplink)送信をサポートするワイヤレス通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 6月13日出願公開,特開2013-118682〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は,2004年10月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2003年11月5日 米国, 2003年11月14日 米国, 2003年11月17日 米国, 2004年6月10日 米国, 2004年10月12日 米国)を国際出願日とする特許出願である特願2006-538407号(以下,「原出願1」という。)の一部を,平成20年8月29日に新たな特許出願とした特願2008-222378号(以下,「原出願2」という。)の一部を,平成23年7月28日に新たな特許出願とした特願2011-165491号(以下,「原出願3」という。)の一部を平成25年2月6日に新たな特許出願としたものであって,同年12月27日付けで拒絶理由が通知され,これに対し,平成26年6月16日に手続補正がなされ,同年7月2日付けで最後の拒絶理由が通知され,これに対し,同年9月12日に意見書が提出され,同年10月23日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成27年2月26日に拒絶査定不服審判が請求され,その後,平成28年3月17日付けで当審より拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)が通知され,これに対し,同年9月23日付けで意見書が提出されたものである。
そして,請求項1に係る発明は,平成26年9月12日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下,「本願発明」という。)

「 複数のセルを介して,拡張アップリンク送信をワイヤレス送受信ユニット(WTRU)から受信するように構成された受信機であって,前記複数のセルのうちの1つのセルは,前記WTRUについて主セルとして指定され,前記複数のセルのうちの残りの1つまたは複数は,副セルとして指定される,受信機と,
前記受信された拡張アップリンク送信に応答して,前記主セルを介して,肯定応答(ACK)および否定応答(NACK)を前記WTRUに送信するように構成された送信機と,を備え,
前記送信機は,前記受信された拡張アップリンク送信に応答して,前記副セルを介して前記否定応答(NACK)を前記WTRUに送信しないようにさらに構成されたことを特徴とするノードB。」

第2 出願日の遡及について
本願の原出願である原出願3の審査においては,平成25年7月16日付けで通知された拒絶理由において「請求項1ないし13に係る発明は,…分割要件を満たしておらず,出願日の遡及は認められない。」と記載され,その後の平成26年6月6日付けでなされた拒絶査定において,「そして,請求項1に係る発明は,本願のいずれの原出願にも記載されていないから,出願日の遡及は認められない。」及び「出願日(遡及日) 平成23年 7月28日」と記載されているように,特許出願の分割に係る要件を満たさないとの判断が示され,当該拒絶査定の謄本の送達があった日から,拒絶査定不服審判を請求することができる4月以内に,拒絶査定不服審判は請求されることなく,前記判断の下で前記拒絶査定が確定している。
したがって,本願は,上記原出願3の出願時である平成23年7月28日にしたものとみなすが,その原出願である原出願2又はその原出願である原出願1の出願のときにしたものとはみなさない。
(特許・実用新案審査基準「第VI部第1章第1節 特許出願の分割の要件」の「5.1 分割出願を原出願とする分割出願」及び審査ハンドブック「6102 孫出願の審査に当たっての留意事項」を参照。)
よって,本願の出願日(遡及日)は,平成23年7月28日と認める。
その結果,本願は,優先日から12月を超えて出願されたものとなるから,優先権主張の効果は認められない。

第3 引用例,対比・判断
当審拒絶理由に引用された国際公開第2005/048503号(以下,「引用例1」という。)は,原出願1に係る国際出願を国際公開したものであり,当審拒絶理由に引用された特表2007-511135号(以下,「引用例2」という。)は,原出願1の公表公報である。
そして,引用例1及び引用例2には,本願の明細書及び図面と実質的に同一の事項が記載され,かつ,本願発明は,本願の明細書及び図面に記載されたものである。
そうすると,引用例1及び引用例2には,本願発明が記載されていることが明らかであるから,本願発明は,引用例1又は引用例2に記載された発明である。
よって,本願発明は,引用例1又は引用例2に記載された発明であり,特許法第29条第1項第3号の発明であるから,特許を受けることができない。
また,本願発明は,引用例1又は引用例2に記載された発明により,新規性を有しない以上,進歩性を有しないことが明らかである。
よって,本願発明は,引用例1又は引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 請求人の主張について
請求人は,平成28年9月23日付けの意見書において,本願の原出願である特願2011-165491号(原出願3)について,
「本願の原出願は,分割の要件を満たしており,その原出願である特願2008-222378号及びその原出願である特願2006-538407号の出願のときにしたものとみなされるべきものであり,その出願日(遡及日)は,特願2006-538407号の出願日である平成16年10月29日であると思料致します。」(以下,「主張1」という。)
と主張した上で,本願について,
「(2)本願について
本願は,分割の要件を満たしており,本願の原出願である特願2011-165491号,その原出願である特願2008-222378号及びその原出願である特願2006-538407号の出願のときにしたものとみなされるべきものであり,その出願日(遡及日)は,特願2006-538407号の出願日である平成16年10月29日であると思料致します。
そして本願は,優先日(平成15年11月5日)から12月以内に出願されたものとなりますから,優先権主張の効果が認められると思料致します。
3.新規性乃至進歩性欠如について(理由1,2)
引用文献1は,平成17年5月26日に国際公開された文献であり,引用文献2は,平成19年4月26日に国内公表された文献であり,いずれも本願の優先日より後に公知になった刊行物です。
したがって引用文献1,2は,いずれも本願の新規性乃至進歩性を否定する引例とはなり得ないものであると思料致します。」(以下,「主張2」という。)
と主張している。

主張1に関し,「第2 出願日の遡及について」の項に記載したとおり,原出願3(原出願である特願2008-222378号)は,前記拒絶査定の謄本の送達があった日から,拒絶査定不服審判を請求することができる4月以内に,拒絶査定不服審判は請求されることなく,特許出願の分割に係る要件を満たさないとの判断の下で前記拒絶査定が確定している。
よって,主張1は,妥当ではないので採用することができない。
そうすると,主張1が妥当であることを前提とした主張2についても,採用することができない。

第5 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第1項第3号の発明であるから,又は,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
したがって,本願は,その余の請求項に論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-10-13 
結審通知日 2016-10-19 
審決日 2016-11-01 
出願番号 特願2013-21651(P2013-21651)
審決分類 P 1 8・ 113- WZ (H04W)
P 1 8・ 03- WZ (H04W)
P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 林 毅
山中 実
発明の名称 ハンドオーバ中にノードBを調整しかつ拡張アップリンク(EnhancedUplink)送信をサポートするワイヤレス通信方法  
代理人 長門 侃二  

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