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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1327201
審判番号 訂正2016-390154  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-12-01 
確定日 2017-03-24 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5760107号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5760107号に係る明細書及び(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5760107号(以下、「本件特許」という。)は、平成21年12月15日に出願された特願2009-283769号の一部を平成24年12月25日に新たに特許出願した特願2012-280634号の一部が新たに特許出願されたものであって、その請求項1?10に係る発明は、平成27年6月12日に特許権の設定登録がなされ、平成28年11月30日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
さらに当審において平成29年1月6日付けで訂正拒絶理由通知を通知したところ、同年2月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところである。

第2 平成29年2月2日付けの手続補正書の適否について
平成29年2月2日付けの手続補正書による補正は、当審が訂正拒絶理由通知書により訂正の要件を満たしていないとした平成28年11月30日付け審判請求書の「請求の理由」における訂正事項1の項目を削除し、訂正事項1の項目の削除に伴い、訂正事項6、7の項目の訂正事項1に対応する部分を削除するとともに、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲の記載においても、訂正事項1及び訂正事項6、7の訂正事項1に対応する部分によって訂正しようとした箇所を、特許第5760107号の明細書及び特許請求の範囲の記載に戻すものである。
これらの補正は、いずれも、訂正事項の削除に係るものであるから、特許法第131条の2第1項の規定を満たすものである。

第3 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書(以下、「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり(下線部は訂正箇所を意味する。)、その訂正内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1における
「前記表示手段は、第一の期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第一の期間に前記第一の選択状態画像を表示する手段であり、」
という記載を、
「前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、」
と訂正する。

(2)訂正事項3
本件特許請求の範囲の請求項1における
「前記表示手段は、第二の期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第二の期間に前記第一の選択変更アニメーションを表示する手段であり、」
という記載を、
「前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、」
と訂正する。

(3)訂正事項4
本件特許請求の範囲の請求項9における
「前記選択表示中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上である、」
という記載を、
「前記選択表示の表示中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上である、」
と訂正する。

(4)訂正事項5
本件特許請求の範囲の請求項10における
「前記選択表示中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上である、」との記載を、
「前記選択表示の表示中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上である、」
と訂正する。

(5)訂正事項6
本件特許明細書の段落【0006】における
「本発明は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、第一の期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第一の期間に前記第一の選択状態画像を表示する手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、第二の期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第二の期間に前記第一の選択変更アニメーションを表示する手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しないことを特徴とする遊技台である。」
という記載を、
「本発明は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しないことを特徴とする遊技台である。」
と訂正する。

(6)訂正事項7
本件特許明細書の段落【0181】における
「・・・
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、第一の期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第一の期間に前記第一の選択状態画像を表示する手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、第二の期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第二の期間に前記第一の選択変更アニメーションを表示する手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しないことを特徴とする遊技台である。」
という記載を、
「・・・
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しないことを特徴とする遊技台である。」
と訂正する。

(7)訂正事項8
本件特許明細書の段落【0181】における
「・・・また、前記選択演出中に表示可能な選択状態画像の数は4以上であってもよい。」
という記載を、
「・・・また、前記選択表示の表示中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上であってもよい。」
と訂正する。

(8)訂正事項9
本件特許明細書の段落【0181】における
「・・・また、前記選択演出中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上であってもよい。」
という記載を、
「・・・また、前記選択表示の表示中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上であってもよい。」
と訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項1においては、「前記表示手段は、第一の期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第一の期間に前記第一の選択状態画像を表示する手段であり、」と記載されていた。
しかしながら、「第一の期間」という記載を用いたため「第一の選択状態画像を表示する」期間が、選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な期間であるか不明瞭であった。
訂正事項2は、これを是正するため、請求項1の訂正前の「前記表示手段は、第一の期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第一の期間に前記第一の選択状態画像を表示する手段であり、」という記載を、「第一の期間」との記載を用いなくても実質的に意味の変わらない記載である「前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、」と訂正することにより、「前記第一の選択状態画像を表示する期間」が「選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な期間」であることを明確にするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許明細書の段落【0150】には、「・・・同図(a)に示す第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像の表示中にチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、同図(c)?(f)に示すように、第2のキャラクタ(爺)を明るく表示させるとともに、この第2のキャラクタ(爺)を、左後方から正面中央に徐々に移動させる移動表示を行なう。(・・・中略・・・)これにより、同図(f)および図12(f)に示すような第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像の最終画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。」と記載されている。
そして、本件特許明細書の段落【0181】には、「前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示すものであり・・・前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり・・・前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、」と記載されている。
このことから、上記段落【0150】、【0181】には、第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像(第一の選択状態画像)を表示する期間にチャンスボタン136の押下の検出をした場合(選択変更条件の成立があった場合)に、第2のキャラクタ(爺)を明るく表示させるとともに正面中央に徐々に移動させる移動表示がされ、第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像の最終画像が装飾図柄表示装置208の表示領域に表示(第一の表示)される点が記載されているといえる。
以上のことにより、訂正事項2の「前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能」な構成は、本件特許明細書の段落【0150】、【0181】の記載に基づくものであって、本件特許明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。

また、訂正事項2に係る訂正は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない

以上のことにより、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

2 訂正事項3について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項1においては、「前記表示手段は、第二の期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第二の期間に前記第一の選択変更アニメーションを表示する手段であり、」と記載されていた。
しかしながら、「第二の期間」という記載を用いたため、「前記第一の選択変更アニメーションを表示する」期間が、選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な期間であるか不明瞭となっていた。
訂正事項3は、これを是正するため、請求項1の訂正前の 「前記表示手段は、第二の期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記第二の期間に前記第一の選択変更アニメーションを表示する手段であり、」という記載を、「第二の期間」という記載を用いなくても実質的に意味の変わらない記載である「前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、」と訂正することにより、「前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間」が「選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な期間」であることを明確にするものである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許明細書の段落【0161】には、「第2のキャラクタ(爺)の移動表示中に、第1副制御部400がチャンスボタン136の押下の検出をした場合(同図(e))には、第2のキャラクタ(爺)を、同図(d)に示す位置から、同図(f)に示す正面中央やや右寄りまで移動させた上で暗く表示させるとともに、第3のキャラクタ(姫)を、同図(d)に示す位置から、同図(f)に示す位置まで移動させた上で明るく表示させる。続いて、第1副制御部400は、上述のキャラクタ移動表示の処理にしたがって、同図(g)?(i)に示すように、第3のキャラクタ(姫)を左後方から正面中央に移動させる移動表示を行なう。」と記載されている。
そして、本件特許明細書の段落【0181】には、「・・・前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第三の選択状態画像は、前記選択画像が第三の画像(例えば、図15に示す第3のキャラクタ(姫)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から前記第三の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、・・・前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示するものである、」と記載されている。
このことから、上記段落【0161】、【0181】には、第2のキャラクタ(爺)の移動表示(第一の選択変更アニメーションを表示)中に、チャンスボタン136の押下の検出をした場合(選択変更条件の成立があった場合)に、第3のキャラクタ(姫)を明るく表示させ正面中央に移動させる移動表示がされ、第3キャラクタ(姫)の仮選択動画像の最終画像が装飾表示装置208の表示領域に表示(第二の表示)される点が記載されている。
以上のことにより、訂正事項3の「前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能」な構成は、本件特許明細書の段落【0161】、【0181】の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。

また、訂正事項3に係る訂正は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

以上のことにより、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 訂正事項4について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項9では「前記選択表示中」と記載されている。訂正前の請求項9の上記記載の前、及び請求項9が引用する請求項1及び4には「選択表示」という記載があるものの、「選択表示中」という記載がないから、「前記選択表示中」はどの構成を受けて「前記」とされたのか不明瞭となっていた。
訂正事項4は、これを是正するために、「前記選択表示中」を「前記選択表示の表示中」に訂正するものである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許明細書の段落【0181】には、「前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり・・・また、前記選択演出中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上であってもよい。」と記載されているから、上記段落【0181】には「選択表示の期間」に4以上の「選択状態画像」を「表示可能な」ことについて記載されているといえる。そして、訂正事項4による訂正後の請求項9に記載された「前記選択表示の表示中」との記載は、上記段落【0181】の「選択表示の期間」に基づくものである。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
また、訂正事項4に係る訂正は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
以上のことにより、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

4 訂正事項5について
(1)訂正の目的の適否について
訂正前の請求項10では「前記選択表示中」と記載されている。訂正前の請求項10の上記記載の前、及び請求項10が引用する請求項1及び4には「選択表示」という記載があるものの、「選択表示中」という記載がないから、「前記選択表示中」はどの構成を受けて「前記」とされたのか不明瞭となっていた。
訂正事項5は、これを是正するために、「前記選択表示中」を「前記選択表示の表示中」に訂正するものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許明細書の段落【0181】には「前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、・・・また、前記選択演出中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上であってもよい。」と記載されているから、上記段落【0181】には、「選択表示の期間に」 「3以上」の「選択変更アニメーション」を「表示可能な」ことについて記載されているといえる。そして、訂正事項5による訂正後の請求項9に記載された「前記選択表示の表示中」との記載は、上記段落【0181】の「選択表示の期間」に基づくものである。
よって、訂正事項5は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
また、訂正事項5に係る訂正は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
以上のことにより、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

5 訂正事項6について
(1)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正事項2?3の訂正により、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の記載の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0006】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項6は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

6 訂正事項7について
(1)訂正の目的について
訂正事項7は、訂正事項2?3の訂正により、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の記載の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0181】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項7は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項7は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

7 訂正事項8について
(1)訂正の目的について
訂正事項8は、訂正事項4の訂正により、訂正前の請求項9における特許請求の範囲の記載の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0181】を、訂正後の請求項9の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項8は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項8は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって訂正事項8は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

8 訂正事項9について
(1)訂正の目的について
訂正事項9は、訂正事項5の訂正により、訂正前の請求項10における特許請求の範囲の記載の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0181】を、訂正後の請求項10の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項9は、本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項9は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって訂正事項9は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技台
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機に代表される遊技台は、発射装置から球を発射し、所定の遊技領域に設けられた所定の入賞口に球が入球することで所定の利益を獲得できるように構成されている。このような遊技台の一つとして、動きのある可動物を用いて演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上させるように構成した遊技台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台は、選択表示について改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、選択表示に特徴を持った遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しない、ことを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技台によれば、選択表示に特徴を持った遊技台を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】同パチンコ機を背面側から見た外観図である。
【図3】遊技盤を正面から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)特図の停止図柄態様の一例を示したものである。(b)装飾図柄の停止図柄態様の一例を示したものである。(c)普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】(a)主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。(b)主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)当否先読み用テーブルの一例を示した図である。(b)特図当否先読み結果用テーブルの一例を示した図である。
【図8】(a)当否判定用テーブルの一例を示した図である。(b)特図決定用テーブルの一例を示した図である。(c)テーブルセット選択テーブルの一例を示した図である。
【図9】特図タイマ番号選択テーブルの一例を示した図である。
【図10】変動時間テーブルの一例を示した図である。
【図11】(a)第1副制御部のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。(b)第1副制御部のコマンド受信割込み処理のフローチャートである。(c)第1副制御部のタイマ割込処理のフローチャートである。(d)第1副制御部の画像制御処理のフローチャートである。
【図12】キャラクタセレクト演出の一例を示した図である。
【図13】キャラクタセレクト演出のタイムチャートである。
【図14】第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像(キャラクタ移動表示)の一例を詳細に示した図である。
【図15】キャラクタ移動表示中にチャンスボタンが押下された場合にキャラクタ移動表示を中断する例を示した図である。
【図16】キャラクタ移動表示中にチャンスボタンが押下された場合にキャラクタ移動表示を中断しない例を示した図である。
【図17】キャラクタセレクト演出の第2の例を示した図である。
【図18】キャラクタセレクト演出の第2の例のタイムチャートである。
【図19】キャラクタセレクト演出の第3の例を示した図である。
【図20】キャラクタセレクト演出の第3の例のタイムチャートである。
【図21】キャラクタセレクト演出の演出期間の変形例を示した図である。
【図22】(a)?(d)キャラクタセレクト演出の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0011】
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0012】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0013】
本体104は、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。
【0014】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。
【0015】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。
【0016】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0017】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
【0018】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0019】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0020】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0021】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
【0022】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
【0023】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0024】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
【0025】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0026】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
【0027】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0028】
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0029】
一般入賞口226は、本実施例では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0030】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0031】
第1特図始動口230は、本実施例では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0032】
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0033】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0034】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0035】
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0036】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
【0037】
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0038】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
【0039】
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0040】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0041】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0042】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0043】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。
【0044】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0045】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0046】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0?65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0047】
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0048】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0049】
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0050】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する。
【0051】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0052】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。
【0053】
第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0054】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500と、を接続している。
【0055】
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
【0056】
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0057】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0058】
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0059】
<図柄の種類>
次に、図5(a)?(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214が停止表示する特図(特図1、特図2)と、装飾図柄表示装置208が停止表示する装飾図柄と、普通図柄表示装置210が停止表示する普図の種類について説明する。
【0060】
図5(a)は特図(特図1、特図2)の停止図柄態様の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサが検出したことを条件として第1特図変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサが検出したことを条件として第2特図変動遊技が開始される。第1特図変動遊技が開始されると、第1特図表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、第2特図変動遊技が開始されると、第2特図表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動表示の開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特図表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、また、特図2の変動表示の開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特図表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を「図柄変動停止表示」と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0061】
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図C」までの3種類の特図が示されている。同図においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0062】
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄(大当り図柄1)であり、「特図B」は15ラウンド(15R)大当り図柄(大当り図柄2)であって大当り遊技終了後に所定回数(本実施形態では、100回)の電サポ状態に移行する。なお、電サポ状態とは、第2特図始動口232(電チュー)の羽根232aを、所定時間、所定の時間間隔(例えば、2秒開放、0.5秒閉鎖)で開閉させる状態をいう。
【0063】
また、本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、上述の電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。すなわち、上述の大当り図柄1は特図高確率普図低確率状態であり、大当り図柄2は特図低確率普図高確率状態である。これらの大当り図柄1や大当り図柄2は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。また、「特図C」は、はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
【0064】
図5(b)は装飾図柄の停止図柄態様の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」?「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第1特図始動口232に球が入球したことを球検出センサが検出したことを条件として(第1特図変動遊技の開始を条件として)、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。また、例えば、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾2-装飾2-装飾2」や「装飾4-装飾4-装飾4」等)を3つの図柄表示領域に停止表示する。また、「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を3つの図柄表示領域に停止表示する。また、「特図C」のはずれを報知する場合には、同図(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを3つの図柄表示領域に停止表示する。
【0065】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。同図においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0066】
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って、同図(a)に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0068】
まず、ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。また、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
【0069】
ステップS103では、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値(タイマ番号決定用乱数値)それぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0?20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込許可の設定を行ってステップS105に進む。
【0070】
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。主制御部300のRAM308には、0から127の範囲の値を取り得る第1特図予告抽選乱数値を生成する第1特図予告抽選乱数カウンタ、および同じく0から127の範囲の値を取り得る第2特図予告抽選乱数値を生成する第2特図予告抽選乱数カウンタが設けられている。このステップS105では、これらのカウンタそれぞれの値を更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS103およびステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0071】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0073】
ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ等、また各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0074】
また、ステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS201では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS201では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0075】
ステップS203およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。本実施形態の基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS103で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、特図1乱数値(大当り判定用乱数値)、および特図2乱数値(大当り判定用乱数値)をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、特図1乱数値として取り得る数値範囲が0?100とすると、RAM308に設けた特図1乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0?100の数値範囲で変動する特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、特図1乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、特図1乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、特図1乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
【0076】
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0077】
ステップS209では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0078】
ステップS211では、普図関連処理を行う。この普図関連処理では、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0079】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄および外れ図柄のいずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0080】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0081】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0082】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS213に移行するようにしている。
【0083】
また、ステップS211の普図関連処理では、続いて普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0084】
ステップS213では、特図状態更新処理(特図2状態更新処理および特図1状態更新処理)と特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理および特図1関連抽選処理)を行なう。まず、特図2状態更新処理では、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。
【0085】
例えば、特図変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図関連処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
【0086】
主制御部300のRAM308には、大当りフラグ、第1はずれフラグ、特図確率変動フラグなどが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、大当り図柄やはずれ図柄などの確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0087】
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0088】
また、大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0089】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0090】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0091】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0092】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、第1はずれフラグがオンされる。この第1はずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。
【0093】
ステップS213では、続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0094】
特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0095】
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11?14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0?10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0096】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド設定送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0097】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
【0098】
さらに、このコマンド設定送信処理では、払出制御部600に出力予定情報および払出要求情報を出力する。なお、出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4?5に暗号化のための今回加工種別(0?3)、およびビット0?3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0099】
ステップS217では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0100】
ステップS219は、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS201の入力ポート状態更新処理において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、ステップS215のコマンド設定送信処理で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0101】
<主制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。
【0102】
<当否先読み用テーブル>
図7(a)に示す当否先読み用テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している特図抽選状態の種類(特図確率)と、抽選データと、当否先読み結果と、を関連付けして記憶したデータテーブルの一例である。
【0103】
主制御部300の基本回路302は、この当否先読み用テーブルと、特図抽選状態の情報(特図確率)に基づいて、特図変動遊技の抽選結果を当選(大当り)とするか不当選(はずれ)とするかを事前に判定する特図先読み抽選を行う。
【0104】
なお、特図抽選状態の情報は、特図変動遊技を所定の低確率(この例では、約1/300(=218/65536))で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率(この例では、約1/60(=1090/65536))で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報などを含むが、以下、これらを単に低確率(または確変なし)および高確率(または確変あり)と称する場合がある。
【0105】
当否先読み用テーブルの抽選データは、特図変動遊技の当否先読み結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、特図確率が低確率であって、取得した大当り判定用乱数値が1000?1217である場合は、当否先読み結果として大当りと判定する。一方、特図抽選状態が低確率状態であって、取得した大当り判定用乱数値が1000?1217以外の数値である場合には、当否先読み結果としてはずれと判定する。
【0106】
なお、本実施形態では、大当り判定用乱数値の取り得る数値範囲は0?65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率における大当りの抽選データの数値範囲は1000?1217(数値範囲の大きさは218)であるから、低確率において大当りと判定する確率は、約1/300(=218/65536)である。これに対して、高確率における大当りの抽選データの数値範囲は1000?2089(数値範囲の大きさは1090)であるから、高確率において大当りと判定する確率は、約1/60(=1090/65536)である。
【0107】
<特図当否先読み結果用テーブル>
図7(b)に示す特図当否先読み結果用テーブルは、上述の特図変動遊技の当否先読み結果と、抽選データと、特図先読み結果と、を関連付けして記憶したデータテーブルの一例である。
【0108】
主制御部300の基本回路302は、上述の特図変動遊技の当否先読み結果が大当りの場合に、この特図先読み用テーブルと、特図変動遊技の当否先読み結果、および大当り時用特図決定用乱数値に基づいて、大当りの種別(特図先読み結果)を事前に判定する大当り種別先読み抽選を行う。
【0109】
例えば、特図変動遊技の当否先読み結果が大当りで、大当り時用特図決定用乱数値が0?49の数値である場合には、特図先読み結果として大当り図柄1を選択し、大当り時用特図決定用乱数値が50?99の数値である場合には、特図先読み結果として大当り図柄2を選択する。なお、本実施形態では、大当り時用特図決定用乱数値の取り得る数値範囲は0?99(数値範囲の大きさは100)としている。また、特図変動遊技の当否先読み結果がはずれの場合には、特図先読み用テーブルを用いることなく、特図先読み結果として特図C(はずれ図柄)を選択する。
【0110】
<当否判定用テーブル>
図8(a)に示す当否判定用テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している特図抽選状態の種類(特図確率)と、抽選データと、当否判定結果と、を関連付けして記憶したデータテーブルの一例である。
【0111】
主制御部300の基本回路302は、この当否判定用テーブルと、特図抽選状態の情報(特図確率)に基づいて、特図変動遊技の抽選結果を当選(大当り)とするか不当選(はずれ)とするかを決定する特図当否抽選を行う。
【0112】
当否判定用テーブルの抽選データは、特図変動遊技の当否判定結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、特図確率が低確率であって、取得した大当り判定用乱数値が1000?1217である場合は、特図変動遊技の当選(大当り)と判定し、大当りフラグをオンに設定する。一方、特図抽選状態が低確率状態であって、取得した大当り判定用乱数値が1000?1217以外の数値である場合には、特図変動遊技のはずれと判定し、大当りフラグをオフに設定する。
【0113】
なお、本実施形態では、大当り判定用乱数値の取り得る数値範囲は0?65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率における大当りの抽選データの数値範囲は1000?1217(数値範囲の大きさは218)であるから、低確率の特図変動遊技の大当りの当選確率は、約1/300(=218/65536)である。これに対して、高確率における大当りの抽選データの数値範囲は1000?2089(数値範囲の大きさは1090)であるから、高確率の特図変動遊技の大当りの当選確率は、約1/60(=1090/65536)であり、特図変動遊技の大当りの当選確率は、低確率よりも高確率の方が高くなるように設定している。
【0114】
<特図決定用テーブル>
図8(b)に示す特図決定用テーブルは、上述の特図変動遊技の当否判定結果と、抽選データと、特図決定結果と、を関連付けして記憶したデータテーブルの一例である。
【0115】
主制御部300の基本回路302は、上述の特図変動遊技の当否判定結果が大当りの場合に、この特図決定用テーブルと、特図変動遊技の当否判定結果、および大当り時用特図決定用乱数値に基づいて、大当りの種別(特図決定結果)を決定する大当り種別抽選を行う。
【0116】
例えば、特図変動遊技の当否判定結果が大当りで、大当り時用特図決定用乱数値が0?49の数値である場合には、特図決定結果として大当り図柄1を選択し、大当り時用特図決定用乱数値が50?99の数値である場合には、特図決定結果として大当り図柄2を選択する。なお、本実施形態では、大当り時用特図決定用乱数値の取り得る数値範囲は0?99(数値範囲の大きさは100)としている。また、特図変動遊技の当否判定結果がはずれの場合には、特図決定用テーブルを用いることなく、特図決定結果として特図C(はずれ図柄)を選択する。
【0117】
<テーブルセット選択テーブル>
図8(c)はテーブルセット選択テーブルの一例を示した図である。このテーブルセット選択テーブルは、上述の特図決定結果と、特図変動回数と、タイマ選択テーブルと、を関連付けして記憶したデータテーブルである。
【0118】
主制御部300の基本回路302は、上述の特図決定結果が選択された場合に、このテーブルセット選択テーブルと、選択された特図決定結果に基づいて、特図変動回数と、タイマ選択テーブルを決定するテーブルセット選択抽選を行う。
【0119】
例えば、選択された特図決定結果が大当り図柄1(特図A)の場合には、変動回数が90回、タイマ選択テーブルがテーブル2の組み合わせと、変動回数が10回、タイマ選択テーブルがテーブル3の組み合わせと、変動回数が0回、タイマ選択テーブルがテーブル2の組み合わせを、それぞれ選択する。
【0120】
<特図タイマ番号選択テーブル>
図9は特図タイマ番号選択テーブルの一例を示した図である。この特図タイマ番号選択テーブルは、上述の特図決定用テーブルに基づく特図決定結果と、上述のタイマ選択テーブルと、上述の特図保留数記憶領域に記憶している特図変動遊技の保留数によって分類された抽選データと、タイマ番号決定結果と、を関連付けして記憶したデータテーブルである。
【0121】
主制御部300の基本回路302は、この特図タイマ番号選択テーブル、上述の特図決定用テーブルに基づく特図決定結果、上述のテーブルセット選択抽選で選択されたタイマ選択テーブル、上述の特図保留数、およびタイマ番号決定用乱数値に基づいて、タイマ番号を決定する特図タイマ番号抽選を行う。例えば、上述の特図決定結果が特図C(はずれ図柄)で、上述のタイマ選択テーブルがテーブル1で、特図保留数が0?2で、取得したタイマ番号決定用乱数値が0?89の範囲である場合には、タイマ番号としてタイマ3(変動時間10秒)を選択する。また、例えば、上述の特図決定結果が大当り図柄1(特図A)または大当り図柄2(特図B)で、上述のタイマ選択テーブルがテーブル1で、特図保留数が3で、取得したタイマ番号決定用乱数値が0?1の範囲である場合には、タイマ番号としてタイマ4(変動時間12秒)を選択する。なお、本実施形態では、タイマ番号決定用乱数値の取り得る数値範囲は0?99(数値範囲の大きさは100)としている。
【0122】
<変動時間テーブル>
図10は変動時間テーブルの一例を示した図である。この変動時間テーブルは、上述のタイマ番号決定結果と、変動時間と、を関連付けして記憶したデータテーブルである。
【0123】
主制御部300の基本回路302は、この変動時間テーブルと、上述のタイマ番号決定結果に基づいて、変動時間を選択する。例えば、上述のタイマ番号決定結果がタイマ1の場合には、変動時間として2秒を選択し、上述のタイマ番号決定結果がタイマ7の場合には、変動時間として20秒を選択する。
【0124】
<第1副制御部400の処理>
次に、図11を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込み処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
【0125】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0126】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0127】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0128】
ステップS311では、チャンスボタン制御処理を行なう。このチャンスボタン制御処理では、チャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0129】
ステップS313では、同図(d)に示す画像制御処理(詳細は後述)を行う。ステップS315では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。ステップS317では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。ステップS319では、ステップS309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。ステップS321では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0130】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0131】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0132】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0133】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS321で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0134】
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0135】
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP434は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
【0136】
ステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0137】
ステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0138】
ステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0139】
<キャラクタセレクト演出>
次に、パチンコ機100が実行するキャラクタセレクト演出について詳細に説明する。、図12は、キャラクタセレクト演出の一例を示した図であり、図13は、キャラクタセレクト演出のタイムチャートである。
【0140】
主制御部300は、所定の条件が成立した場合(例えば、大当り判定で大当りに当選した場合)に、上記ステップS215のコマンド設定送信処理において、第1副制御部400に、キャラクタセレクト演出の実行を指示するためのキャラクタセレクト演出開始コマンドを送信する。続いて、主制御部300は、上記ステップS213の特図関連処理において、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド332に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力した後、所定の開放期間が終了したタイミングで、所定の閉鎖期間(例えば1秒間)、可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド332に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力する。主制御部300は、この扉部材の開放・閉鎖制御(大当り遊技)を所定回数(例えば、15R(ラウンド))繰り返し実行する。なお、図12に示した演出は、大当り遊技の10R(ラウンド)目に実行しているキャラクタセレクト演出の一例である。
【0141】
上述のキャラクタセレクト演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、所定の条件が成立した場合(例えば、大当り遊技における各々のラウンドの開始条件が成立した場合)に、キャラクタセレクト演出を開始する。本実施形態に係るキャラクタセレクト演出は、図12(a)?(c)に示すキャラクタ紹介演出と、同図(d)、(f)、(h)、(j)に示すキャラクタ選択演出の2種類の演出で構成されている。
【0142】
<キャラクタ紹介演出>
最初に、キャラクタ紹介演出について説明する。第1副制御部400のCPU404は、上記ステップS309の演出制御処理において、図12(a)に示すような、第1のキャラクタ(この例では、殿)が表示領域の正面中央に、また、第2のキャラクタ(この例では、爺)が左後方、第3のキャラクタ(この例では、姫)が右後方にそれぞれ位置する画像(以下、「第1のキャラクタ(殿)の紹介画像」と称する場合がある)の画像データと、「好きなキャラを選んでね!」という文字を含む画像の画像データと、現在のラウンド数を示す画像(この例では、10Rという文字を含む画像)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601の画像転送指示において、上述の複数の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、同図(a)に示すような第1のキャラクタ(殿)の紹介画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。
【0143】
続いて、第1副制御部400のCPU404は、上記ステップS309の演出制御処理において、同図(b)に示すような、第2のキャラクタ(爺)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた正面中央に、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた右後方に、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた左後方に、それぞれ移動する動画像(以下、「第2のキャラクタ(爺)の紹介画像」と称する場合がある)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601の画像転送指示において、上述の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送(上書き)するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、同図(b)に示すような第2のキャラクタ(爺)の紹介画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。
【0144】
続いて、第1副制御部400のCPU404は、上記ステップS309の演出制御処理において、同図(c)に示すような、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた正面中央に、第2のキャラクタ(爺)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた右後方に、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた左後方に、それぞれ移動する動画像(以下、「第3のキャラクタ(姫)の紹介画像」と称する場合がある)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601において、上述の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送(上書き)するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、同図(c)に示すような第3のキャラクタ(姫)の紹介画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。
【0145】
また、第1副制御部400は、このキャラクタ紹介演出の実行中は、上記ステップS311のチャンスボタン制御処理においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合でも、上記ステップS309で更新した演出データ(この例では、キャラクタ紹介演出用の演出データ)をチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行なわないように構成している。すなわち、図13の(a)?(d)で示すキャラクタ紹介演出の実行期間を、チャンスボタン136の受付を行なわない(チャンスボタン136の押下操作を無視する)ボタン非受付期間に設定している。
【0146】
<キャラクタ選択演出>
次に、キャラクタ選択演出について説明する。第1副制御部400のCPU404は、上述のキャラクタ紹介演出を所定時間(例えば、5秒間)実行した後に、キャラクタ選択演出を実行する。このキャラクタ選択演出では、第1副制御部400のCPU404は、上記ステップS309の演出制御処理において、図12(d)に示すような、第1のキャラクタ(殿)が表示領域の正面中央、また、第2のキャラクタ(爺)が左後方、第3のキャラクタ(姫)が右後方にそれぞれ位置し、正面中央の第1のキャラクタ(殿)を目立たせて明るく表示させた画像(以下、「第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像」と称する場合がある)の画像データと、現在のラウンド数を示す画像の画像データと、チャンスボタン136を模した画像の画像データと、「ボタンを押してキャラを選べ!」という文字を含む画像の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601において、上述の複数の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、同図(d)に示すような第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、この表示を行なう際に、第1副制御部400は、第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像の表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(例えば、数値の1)を、RAM408に設けたキャラクタ識別情報記憶領域に記憶する。
【0147】
また、第1副制御部400は、このキャラクタ選択演出の実行中は、上記ステップS311のチャンスボタン制御処理においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、上記ステップS309で更新した演出データ(この例では、キャラクタ選択演出用の演出データ)をチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行うように構成している。すなわち、図13の(d)?(k)で示すキャラクタ選択演出の実行期間を、チャンスボタン136の受付を行なうボタン受付期間に設定している。
【0148】
より具体的には、第1副制御部400は、図12(e)に示すように、上記ステップS311のチャンスボタン制御処理においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、上記ステップS309で更新した前回の演出データを、第2のキャラクタ(爺)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた正面中央に、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた右後方に、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた左後方に、それぞれ移動し、かつ正面中央に移動する第2のキャラクタ(爺)を明るくした動画像(以下、「第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像」と称する場合がある)の画像データに変更する処理を行なう。これにより、同図(f)に示すような第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、この動画像の表示を行なう際に、第1副制御部400は、第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像の表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(例えば、数値の2)を、上述のキャラクタ識別情報記憶領域に上書き記憶する。
【0149】
図14は、上述の第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像(キャラクタ移動表示)の一例を詳細に示した図である。なお、同図(a)、(b)、(f)は、上記図12(d)、(e)、(f)に相当する図であり、同図(c)?(e)は、上記図12(d)?(f)の間の動画像の変化の様子を示した図である。
【0150】
第1副制御部400は、同図(a)に示す第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像の表示中にチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、同図(c)?(f)に示すように、第2のキャラクタ(爺)を明るく表示させるとともに、この第2のキャラクタ(爺)を、左後方から正面中央に徐々に移動させる移動表示を行なう。また、第1副制御部400は、この第2のキャラクタ(爺)の移動表示と同期して、第3のキャラクタ(姫)を右後方から左後方に移動させる移動表示を行なう。さらに、第1副制御部400は、これらの第2のキャラクタ(爺)と第3のキャラクタ(姫)の移動表示と同期して、第1のキャラクタ(殿)を暗く表示させるとともに、正面中央から右後方に移動させる移動表示を行なう。これにより、同図(f)および図12(f)に示すような第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像の最終画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。
【0151】
図12に戻って、続いて、第1副制御部400は、同図(g)に示すように、上記ステップS311のチャンスボタン制御処理においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、上記ステップS309で更新した前回の演出データを、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた正面中央に、第2のキャラクタ(爺)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた右後方に、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた左後方に、それぞれ移動し、かつ正面中央に移動する第3のキャラクタ(姫)を明るくした動画像(以下、「第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像」と称する場合がある)の画像データに変更する処理を行なう。これにより、同図(h)に示すような第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、この動画像表示を行なう際に、第1副制御部400は、第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(例えば、数値の3)を、上述のキャラクタ識別情報記憶領域に上書き記憶する。
【0152】
続いて、第1副制御部400は、同図(i)に示すように、上記ステップS311のチャンスボタン制御処理においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、上記ステップS309で更新した前回の演出データを、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた正面中央に、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた右後方に、第3のキャラクタ(姫)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた左後方に、それぞれ移動し、かつ正面中央に移動する第1のキャラクタ(殿)を明るくした動画像(第1のキャラクタ(殿)の仮選択動画像)の画像データに変更する処理を行なう。これにより、同図(j)に示すような第1のキャラクタ(殿)の仮選択動画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。
【0153】
以降、第1副制御部400は、チャンスボタン136の押下の検出をするたびに、同図(d)に示す第1のキャラクタ(殿)の仮選択動画像の表示、および当該表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(この例では1)の記憶→同図(f)に示す第2のキャラクタ(爺)の仮選択動画像の表示、および当該表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(この例では2)の記憶→同図(h)に示す第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の表示、および当該表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(この例では3)の記憶→・・・の順番で、装飾図柄表示装置208の表示を切り替える処理と、仮選択されているキャラクタを特定するためのキャラクタ識別情報をキャラクタ識別情報記憶領域に上書き記憶する処理を行なう。
【0154】
続いて、主制御部300は、図12(k)に示すように、上述のステップS213の特図関連処理において、大当り遊技終了条件が成立した場合(例えば、ラウンドを開始した後に所定時間(例えば30秒)が経過した場合、または、1回のラウンド中に可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球が入賞した場合)に、可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド332に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、上記ステップS215のコマンド設定送信処理で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行し、第1副制御部400に、キャラクタセレクト演出の実行を終了するためのキャラクタセレクト演出終了コマンドを送信する。
【0155】
このキャラクタセレクト演出終了コマンドを受信した第1副制御部400は、当該コマンドを受信した時点で所定の条件に従って複数のキャラクタの中から1つのキャラクタを自動的に選択するように構成されており、本実施形態では、上述のキャラクタ識別情報記憶領域に記憶されているキャラクタ識別情報(この例では、第1のキャラクタ(殿)を示す数値の1)を、キャラクタ確定情報として、RAM408に設けたキャラクタ確定情報記憶領域に記憶(コピー)する。
【0156】
また、第1副制御部400は、上述のキャラクタ確定情報(この例では、第1のキャラクタ(殿)を示す数値の1)に基づいて、当該キャラクタ(殿)を自動的に選択したことを表す画像(以下、「キャラクタ決定画像」と称する場合がある)の画像データと、自動選択されたキャラクタ(殿)を示唆する文字(この例では、「殿に決定!」という文字)を含む画像の画像データと、次回のラウンド数を示す画像(この例では、11Rという文字を含む画像)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。
【0157】
続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601の画像転送指示において、上述の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、同図(l)に示すようなキャラクタ決定画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、第1副制御部400は、図13の(k)?(l)で示す期間、すなわち、キャラクタセレクト演出終了後から次回のラウンド(この例では11R)開始までの期間を上述のボタン非受付期間に設定し、チャンスボタン136の受付を行なわないように(チャンスボタン136の押下を無視するように)構成している。
【0158】
<キャラクタ移動表示中のボタン操作>
次に、上述のキャラクタ移動表示中にチャンスボタン136が押下された場合における移動表示の変更態様について説明する。
【0159】
図15は、キャラクタ移動表示中にチャンスボタン136が押下された場合にキャラクタ移動表示を中断する例を示した図である。
【0160】
第1副制御部400は、同図(a)に示す第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像の表示中にチャンスボタン136の押下の検出をした場合には、同図(c)?(d)に示すように、第2のキャラクタ(爺)の移動表示を開始する。そして、この第2のキャラクタ(爺)の移動表示中に、第1副制御部400がチャンスボタン136の押下の検出をした場合(同図(e))には、移動表示中の第2のキャラクタ(爺)に代えて、同図(f)?(i)に示すように、第3のキャラクタ(姫)の移動表示を行なう。
【0161】
より具体的には、第2のキャラクタ(爺)の移動表示中に、第1副制御部400がチャンスボタン136の押下の検出をした場合(同図(e))には、第2のキャラクタ(爺)を、同図(d)に示す位置から、同図(f)に示す正面中央やや右寄りまで移動させた上で暗く表示させるとともに、第3のキャラクタ(姫)を、同図(d)に示す位置から、同図(f)に示す位置まで移動させた上で明るく表示させる。続いて、第1副制御部400は、上述のキャラクタ移動表示の処理にしたがって、同図(g)?(i)に示すように、第3のキャラクタ(姫)を左後方から正面中央に移動させる移動表示を行なう。また、第1副制御部400は、この第3のキャラクタ(姫)の移動表示と同期して、第1のキャラクタ(殿)を右後方から左後方に移動させる移動表示を行なう。さらに、第1副制御部400は、これらの第3のキャラクタ(姫)と第1のキャラクタ(殿)の移動表示と同期して、第2のキャラクタ(爺)を正面中央から右後方に移動させる移動表示を行なう。これにより、同図(i)に示すような第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の最終画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、この動画像表示を行なう際に、第1副制御部400は、第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(例えば、数値の3)を、上述のキャラクタ識別情報記憶領域に上書き記憶する。
【0162】
図16は、キャラクタ移動表示中にチャンスボタン136が押下された場合にキャラクタ移動表示を中断しない例を示した図である。
【0163】
第1副制御部400は、同図(a)に示す第1のキャラクタ(殿)の仮選択画像の表示中にチャンスボタン136の押下の検出をした場合には、同図(c)?(d)に示すように、第2のキャラクタ(爺)の移動表示を開始する。そして、この第2のキャラクタ(爺)の移動表示中に、第1副制御部400がチャンスボタン136の押下の検出をした場合(同図(e))でも、同図(f)?(g)に示すように、第2のキャラクタ(爺)の移動表示を継続し、続けて、上述のキャラクタ移動表示の処理にしたがって、同図(h)?(k)に示すように、第3のキャラクタ(姫)を、左後方から正面中央に移動させる移動表示を行なう。また、第1副制御部400は、この第3のキャラクタ(姫)の移動表示と同期して、第1のキャラクタ(殿)を右後方から左後方に移動させる移動表示を行なう。さらに、第1副制御部400は、これらの第3のキャラクタ(姫)と第1のキャラクタ(殿)の移動表示と同期して、第2のキャラクタ(爺)を正面中央から右後方に移動させる移動表示を行なう。これにより、同図(k)に示すような第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の最終画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、この動画像表示を行なう際に、第1副制御部400は、第3のキャラクタ(姫)の仮選択動画像の表示を行なっていることを示すキャラクタ識別情報(例えば、数値の3)を、上述のキャラクタ識別情報記憶領域に上書き記憶する。
【0164】
<キャラクタセレクト演出の第2の例>
次に、図17および図18を用いて、キャラクタセレクト演出の第2の例について説明する。なお、図17は、キャラクタセレクト演出の第2の例を示した図であり、図18は、キャラクタセレクト演出の第2の例のタイムチャートである。
【0165】
上記図12および図13に示すキャラクタセレクト演出では、キャラクタ紹介演出の終了後のキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)において遊技者がチャンスボタン136を押下操作した後に、大当り遊技終了条件が成立する例を示したが、この第2の例は、図17(a)?(c)で示すキャラクタ紹介演出中(ボタン非受付期間演出中)に大当り遊技終了条件(この例では、1回のラウンド中に可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球が入賞)が成立した例、すなわち、遊技者がチャンスボタン136を一度も押下操作しないまま大当り遊技終了条件が成立した例である。
【0166】
また、上記図12および図13に示すキャラクタセレクト演出では、第1副制御部400は、大当り遊技終了条件が成立に基づいてキャラクタセレクト演出終了コマンドを受信した時点で上述のキャラクタ識別情報記憶領域に記憶されている情報を、(遊技者のチャンスボタン136の操作に基づく)キャラクタ確定情報として、上述のキャラクタ確定情報記憶領域に記憶(コピー)したが、この第2の例では、キャラクタセレクト演出終了コマンドを受信した時点で、所定の条件(例えば、1?3の数値の中から1つの数値を決定する抽選)で決定したキャラクタ識別情報(この例では、第2のキャラクタ(爺)を示す数値の2)を、(遊技者のチャンスボタン136の操作に基づかない)キャラクタ確定情報として、上述のキャラクタ確定情報記憶領域に記憶する。
【0167】
なお、「所定の条件」は抽選に限定されるものではなく、例えば、遊技状態(大当り遊技中のラウンド数や特図変動遊技の保留数など)に基づいてキャラクタ識別情報を決定してもよく、キャラクタ識別情報を予め決めておいてもよく、前回に自動選択されたキャラクタ識別情報に決定してもよく、予め遊技者が選択したキャラクタ識別情報に決定してもよい。
【0168】
また、第1副制御部400は、上述のキャラクタ確定情報(この例では、第2のキャラクタ(爺)を示す数値の2)に基づいて、当該キャラクタ(爺)を自動的に選択したことを表す画像(以下、「キャラクタ決定画像」と称する場合がある)の画像データと、自動選択されたキャラクタ(爺)を示唆する文字(この例では、「爺に決定!」という文字)を含む画像の画像データと、現在のラウンド数を示す画像(この例では、10Rという文字を含む画像)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。
【0169】
続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601の画像転送指示において、上述の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、図17(e)に示すようなキャラクタ決定画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、第1副制御部400は、図18の(a)?(e)で示す期間、すなわち、キャラクタ紹介演出開始後から次回のラウンド(この例では11R)開始までの期間を上述のボタン非受付期間に設定し、チャンスボタン136の受付を行なわないように(チャンスボタン136の押下を無視するように)構成している。
【0170】
<キャラクタセレクト演出の第3の例>
次に、図19および図20を用いて、キャラクタセレクト演出の第3の例について説明する。なお、図19は、キャラクタセレクト演出の第3の例を示した図であり、図20は、キャラクタセレクト演出の第3の例のタイムチャートである。
【0171】
上記図12および図13に示すキャラクタセレクト演出では、キャラクタ紹介演出の終了後のキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)において遊技者がチャンスボタン136を押下操作した後に、大当り遊技終了条件が成立する例を示したが、この第3の例は、図19(a)?(c)で示すキャラクタ紹介演出(ボタン非受付期間)の終了後、図19(d)に示すキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)において遊技者がチャンスボタン136を一度も押下操作しないまま大当り遊技終了条件が成立した例である。
【0172】
また、上記図12および図13に示すキャラクタセレクト演出では、第1副制御部400は、大当り遊技終了条件が成立に基づいてキャラクタセレクト演出終了コマンドを受信した時点で上述のキャラクタ識別情報記憶領域に記憶されている情報を、(遊技者のチャンスボタン136の操作に基づく)キャラクタ確定情報として、上述のキャラクタ確定情報記憶領域に記憶(コピー)する例を示したが、この第3の例では、キャラクタセレクト演出終了コマンドを受信した時点で、所定の条件(例えば、1?3の数値の中から1つの数値を決定する抽選)で決定したキャラクタ識別情報(この例では、第3のキャラクタ(姫)を示す数値の3)を、(遊技者のチャンスボタン136の操作に基づかない)キャラクタ確定情報として、上述のキャラクタ確定情報記憶領域に記憶する。
【0173】
また、第1副制御部400は、上述のキャラクタ確定情報(この例では、第3のキャラクタ(姫)を示す数値の3)に基づいて、当該キャラクタ(姫)を自動的に選択したことを表す画像(以下、「キャラクタ決定画像」と称する場合がある)の画像データと、自動選択されたキャラクタ(姫)を示唆する文字(この例では、「姫に決定!」という文字)を含む画像の画像データと、次回のラウンド数を示す画像(この例では、11Rという文字を含む画像)の画像データを、ROM406から読み出す等の処理を行なう。
【0174】
続いて、第1副制御部400は、上記ステップS601の画像転送指示において、上述の画像データをROM406からVRAM436の描画領域に転送するように指示する命令をVDP434のアトリビュートレジスタに設定した後、次回のステップS601において、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、図19(f)に示すようなキャラクタ決定画像が、装飾図柄表示装置208の表示領域に表示される。また、第1副制御部400は、図20の(e)?(f)で示す期間、すなわち、キャラクタセレクト演出終了後から次回のラウンド(この例では11R)開始までの期間を上述のボタン非受付期間に設定し、チャンスボタン136の受付を行なわないように(チャンスボタン136の押下を無視するように)構成している。
【0175】
なお、上記実施形態では、可変入賞口234を開放状態から閉鎖状態に変化させるタイミングでキャラクタセレクト演出を終了する例を示したが、図21に示すように、可変入賞口234を開放状態から閉鎖状態に変化させた後、閉鎖状態を所定時間(例えば、1秒間)、保持した後にキャラクタセレクト演出を終了するように構成してもよい。
【0176】
<キャラクタセレクト演出の他の例>
次に、図22を用いて、キャラクタセレクト演出の他の例について説明する。同図(a)に示す例では、第1副制御部400は、同図の左側に示すような、表示領域の正面中央に位置する第1のキャラクタ(殿)が楕円形のカーソルで囲まれ、また、第2のキャラクタ(爺)が左後方、第3のキャラクタ(姫)が右後方にそれぞれ位置する画像を装飾図柄表示装置208の表示領域に表示させる処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上述のキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、同図の右側に示すような、第1のキャラクタ(殿)が第3のキャラクタ(姫)が位置していた右後方に、第3のキャラクタ(姫)が第2のキャラクタ(爺)が位置していた左後方に、第2のキャラクタ(爺)が第1のキャラクタ(殿)が位置していた正面中央に、それぞれ移動し、かつ正面中央の第2のキャラクタ(爺)を、楕円形のカーソルで囲まれた画像装飾図柄表示装置208の表示領域に表示させる処理を行なう。この例のように、キャラクタの明暗ではなく、カーソルなどの図形を用いて複数のキャラクタのうちの一つを特定するように構成してもよい。
【0177】
また、同図(b)に示す例では、第1副制御部400は、同図の左側に示すような、表示領域の正面中央に位置する第1のキャラクタ(殿)が楕円形のカーソルで囲まれ、また、第2のキャラクタ(爺)が左後方、第3のキャラクタ(姫)が右後方にそれぞれ位置する画像を装飾図柄表示装置208の表示領域に表示させる処理を行なう。続いて、第1副制御部400は、上述のキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、同図の右側に示すように、第1?第3のキャラクタを移動させることなく、第1のキャラクタ(殿)の場所に位置していたカーソルを、右後方の第3のキャラクタ(姫)に移動する。この例のように、キャラクタの表示位置を変えることなく、カーソルなどの図形を移動させることによって、複数のキャラクタのうちの一つを特定するように構成してもよい。
【0178】
また、同図(c)に示す例では、第1副制御部400は、同図の左側に示すように、矩形状の複数の領域のうち、表示領域の中央に位置する領域(この例では、「M3:Sense or Reality」という文字を含む領域)の背景色を、他の画像の背景色とは異なる色に設定する。続いて、第1副制御部400は、上述のキャラクタ選択演出(ボタン受付期間)においてチャンスボタン136の押下の検出をした場合に、同図の右側に示すように、矩形状の複数の領域を下方から上方に順番にローテーションさせることによって、表示領域の中央に位置する領域(この例では、「M2:Distance」という文字を含む領域)の背景色を、他の画像の背景色とは異なる色に設定する。この例のように、特定の領域の色を、その他の領域の色を異ならせることによって、複数の情報のうちの一つを特定するように構成してもよい。
【0179】
同図(d)に示す例では、上記図19を用いて説明した、所定条件に基づいて選択させるキャラクタをカーソルで囲み、自動選択されるキャラクタを事前に報知するように構成している。このような構成とすれば、自動選択されるキャラクタを事前に把握することができるため、当該キャラクタを選択したい遊技者は、キャラクタの選択を気にすることなく現在の遊技に集中することができ、他のキャラクタを選択したい遊技者は、前もって好みのキャラクタに変更することができる。
【0180】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機100は、所定の移行条件が成立した場合(例えば、大当り判定で大当りに当選した場合、所定の図柄表示装置(例えば、特図1表示装置、特図2表示装置、装飾図柄表示装置)に特定の図柄態様を停止表示させた場合、所定の時期(例えば、結果として特定の図柄態様を停止表示させた図柄変動停止表示の後)から、所定の回数の図柄変動停止表示が行なわれた場合など)に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(例えば、可変入賞口234の扉部材を閉鎖した状態、所定の図柄表示装置で図柄変動停止表示が行なわれている制御状態、確変ありの制御状態、電サポありの制御状態など)から該第1の有利度より有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態(例えば、可変入賞口234の扉部材の開放・閉鎖を所定回数行なう大当り遊技状態)に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、特図関連処理における特図状態更新処理)と、遊技を演出する演出画像(例えば、キャラクタセレクト演出の画像、所定の図柄表示装置で図柄変動停止表示を行なっている期間中に、該図柄変動停止表示の結果として特定の図柄態様を停止表示する場合に、複数のキャラクタ画像のうちの特定のキャラクタ画像が他のキャラクタに勝利する所定の競技画像(例えば、徒競争))を表示する演出表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208、該装飾図柄表示装置とは別体で設けられた画像表示装置)と、所定の画像選択演出期間中(例えば、キャラクタセレクト演出中)に複数の画像(例えば、第1?第3のキャラクタの画像)のうちから遊技者により選択された画像を特定可能な特定の画像情報(例えば、キャラクタ識別情報)を記憶する記憶手段(例えば、RAM408に設けたキャラクタ識別情報記憶領域)と、前記記憶手段に記憶されている前記特定の画像情報によって特定された画像を前記演出表示手段に表示させる演出制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、遊技者による選択操作を受け付けるための操作受付部(例えば、チャンスボタン136)と、を備えた遊技台であって、前記画像選択演出期間は所定の第1の期間(例えば、キャラクタ紹介演出の実行期間)と該第1の期間の開始よりも後で開始される所定の第2の期間(例えば、キャラクタ選択演出の実行期間)を含み、前記演出制御手段は、前記第2の期間中に前記操作受付部で受け付けた遊技者による選択操作に基づいて、前記演出表示手段に表示させる画像を特定するための前記特定の画像情報を前記記憶手段に記憶するとともに、予め定められた第2の期間の開始条件が成立(例えば、ボタン非受付期間であるキャラクタ紹介演出が終了)する以前に、予め定められた画像選択演出期間の終了条件が成立した場合(例えば、ラウンドを開始した後に所定時間(例えば30秒)が経過した場合および1回のラウンド中に可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球が入賞した場合のうちの一方又は両方の成立や他の所定の条件が成立)には、前記遊技者に代って前記複数の画像のうちから所定の画像(例えば、図17(e)や図19(f)における中央のキャラクタ画像、予め定められた所定のキャラクタ画像(例えば、殿を示すキャラクタ画像、前回のキャラクタセレクト演出で遊技者に選択されたキャラクタ画像)を選択し、該所定の画像を前記演出表示手段に表示させることを特徴とする、遊技台である。
【0181】
本実施形態に係るパチンコ機100では、演出面よりもゲーム性を楽しみたいために迅速に遊技を進める遊技客に対しては、その迅速な遊技の進行によって画像選択演出(キャラクタセレクト演出)をキャンセルするように構成しておき、その場合には制御手段が遊技者に変わって画像を選択するので、画像選択をすべての遊技客に強制せずに済むようにしている。このため、多彩な遊技客の個性に合った遊技進行を可能にできる場合がある。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置)と、前記表示手段の制御を少なくとも実行可能な制御手段(例えば、第1副制御部400)と、情報を記憶可能な記憶手段(例えば、ROM406、RAM408)と、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、チャンスボタン136)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択演出を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第一の選択状態画像を表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第二の選択状態画像を表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第三の選択状態画像を表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第一の選択変更アニメーションを表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第二の選択変更アニメーションを表示可能なものであり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第三の選択状態画像は、前記選択画像が第三の画像(例えば、図15に示す第3のキャラクタ(姫)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から前記第三の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、前記選択画像は、選択状態にある画像であり、前記制御手段は、選択操作を受付ける制御を少なくとも実行可能なものであり、前記選択操作は、遊技者によって前記操作手段を用いて行なわれる操作を示すものであり、前記制御手段は、第一の期間中に前記選択操作を受付けた場合に、第一の制御を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記第一の期間中に前記第一の選択状態画像を表示可能なものであり、前記第一の制御は、前記第一の選択変更アニメーションの後で前記第二の選択状態画像を前記表示手段に表示させる制御であり、前記制御手段は、第二の期間中に前記選択操作を受付けた場合に、第二の制御を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記第二の期間中に前記第一の選択変更アニメーションを表示可能なものであり、前記第二の制御は、前記第一の選択変更アニメーションの表示を中止させ、前記第二の選択変更アニメーションの後で前記第三の選択状態画像を前記表示手段に表示させる制御であり、前記記憶手段は、前記選択演出中に前記制御手段によって前記選択操作が受付けられた場合に、第一の情報を記憶可能なものであり、前記記憶手段は、前記選択演出中に前記制御手段によって前記選択操作が受付けられなかった場合に、第二の情報を記憶可能なものであり、前記第一の情報は、前記選択画像に対応する情報であり、前記第二の情報は、前記選択演出中に遊技者が選択可能な複数の画像のうちの何れかの画像に対応する情報である、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)によれば、選択変更アニメーション中に操作があっても遊技者の意思を反映することができ、遊技への参画意識を高めて遊技の興趣を向上させることができる場合がある。また、操作があった時点での選択変更アニメーションの表示を中止して次の選択変更アニメーションを開始するため、遊技者の操作を反映した表示を行いつつ選択状態画像までの演出効果を高めることができる場合がある。また、遊技者が誤って複数回操作した場合であっても、該複数回の操作を次の選択変更アニメーションが行われることによって自覚することができる場合がある。また、選択演出中に選択操作を受付けない場合には、遊技台が遊技者に変わって画像を選択することが可能なため、画像選択をすべての遊技者に強制することがなく、多彩な遊技者の個性に合った遊技進行を行うことができる場合がある。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択演出を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第一の選択状態画像を表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第二の選択状態画像を表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第一の選択変更アニメーションを表示可能なものであり、前記表示手段は、前記選択演出中に第二の選択変更アニメーションを表示可能なものであり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示すものであり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すものであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、第一の期間中に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記第一の期間中に前記第一の選択状態画像を表示するものであり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示するものであり、前記表示手段は、第二の期間中に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能なものであり、前記表示手段は、前記第二の期間中に前記第一の選択変更アニメーションを表示するものであり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示するものである、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)によれば、選択変更アニメーション中に操作があっても遊技者の意思を反映することができ、遊技への参画意識を高めて遊技の興趣を向上させることができる場合がある。また、操作があった時点での選択変更アニメーションの表示を中止して次の選択変更アニメーションを開始するため、遊技者の操作を反映した表示を行いつつ選択状態画像までの演出効果を高めることができる場合がある。また、遊技者が誤って複数回操作した場合であっても、該複数回の操作を次の選択変更アニメーションが行われることによって自覚することができる場合がある。
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像(例えば、図15に示す第1のキャラクタ(殿)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像(例えば、図15に示す第2のキャラクタ(爺)の画像)であることを少なくとも示す画像であり、前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しない、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)によれば、選択変更アニメーション中に操作があっても遊技者の意思を反映することができ、遊技への参画意識を高めて遊技の興趣を向上させることができる場合がある。また、操作があった時点での選択変更アニメーションの表示を中止して次の選択変更アニメーションを開始するため、遊技者の操作を反映した表示を行いつつ選択状態画像までの演出効果を高めることができる場合がある。また、遊技者が誤って複数回操作した場合であっても、次の選択変更アニメーションが行われることによって該複数回の操作を自覚することができる場合がある。また、選択表示において選択可能な選択肢の数は選択表示の期間に変化しないため、選択操作が分かりやすく、遊技者による選択操作ミスを回避できる場合がある。
また、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記選択変更条件の成立要件は、選択操作があったことを少なくとも含む要件であり、前記選択操作とは、遊技者によって前記操作手段を用いて行なわれる操作のことであってもよい。
また、前記第二の表示は、前記第一の選択変更アニメーションの表示を中止し、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示可能なものであってもよい。
また、前記選択演出は、大当り遊技中に実行可能なものであってもよい。
また、前記第一の選択状態画像は、第一の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第二の選択状態画像は、前記第一の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示されるものであってもよい。
また、前記第一の選択変更アニメーションは、前記第二の画像が第二の表示位置から前記第一の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むものであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記第二の画像とは異なる画像が前記第一の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むものであってもよい。
また、前記第一の選択状態画像は、第三の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第一の選択状態画像は、第四の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第一の選択状態画像は、第五の表示位置に第三の画像(例えば、図15に示す第3のキャラクタ(姫)の画像)が少なくとも表示されるものであり、前記第五の表示位置は、前記第四の表示位置よりも前記第三の表示位置に近い表示位置であり、前記第二の選択状態画像は、前記第三の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第二の選択状態画像は、前記第四の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第二の選択状態画像は、第六の表示位置に前記第三の画像が少なくとも表示されるものであり、前記第五の表示位置は、前記第三の表示位置よりも前記第四の表示位置に近い表示位置であってもよい。
また、前記第一の選択変更アニメーションは、前記第三の画像が前記第五の表示位置から前記第六の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むものであり、前記第二の選択変更アニメーションは、前記第三の画像が前記第六の表示位置から該第六の表示位置とは異なる表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むものであってもよい。
また、前記選択表示の表示中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上であってもよい。
また、前記選択表示の表示中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上であってもよい。
【0182】
また、前記演出制御手段は、前記第1の期間(例えば、キャラクタ紹介演出の実行期間(ボタン非受付期間)中に前記操作受付部が受け付けた遊技者による選択操作を無視するように構成してもよい。
【0183】
このような構成とすれば、確実に実行したい特定の演出の演出期間を第1の期間に設定することによって、遊技者の選択操作に関わらず、特定の演出を確実に実行することができる場合がある。
【0184】
また、所定の閉状態(例えば、閉鎖状態)および該閉状態よりも遊技球の入賞が容易な所定の開状態(例えば、開放状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞口(例えば、可変入賞口234)を備え、前記第2の制御状態は、前記閉状態から前記開状態に前記可変入賞口の開閉状態を所定の回数変化させるラウンド動作を所定の回数(例えば、15回)行なう制御状態であり、前記第1の制御状態は、前記ラウンド動作が行なわれていない制御状態であり、画像選択演出期間の終了条件は、前記第2の制御状態中の特定のラウンド動作を開始してから前記可変入賞口に入賞した遊技球の個数が特定の個数以上となった場合に成立するように構成してもよい。
【0185】
このような構成とすれば、小当り中、可変入賞口動作中、可変入賞口開放中または大当り中などに画像選択演出を行うので、遊技者に有利な場面で遊技に一段落した遊技客に画像を選択させることができ、より遊技を楽しませることが可能になる場合がある。また、演出面よりもゲーム性を楽しむ、すなわち迅速に可変入賞口に遊技球を進入させる遊技客については、画像選択を強制せずに制御手段が代わって画像を選択するので、遊技客に応じた遊技進行をすることが可能になる場合がある。
【0186】
また、遊技者の操作に基づいて所定の発射期間の経過ごとに遊技球を発射する発射装置(例えば、発射装置110)と、前記発射装置が発射した遊技球を流下させるとともに前記可変入賞口が設けられた遊技領域(例えば、遊技領域124)と、を備え、前記第1の期間は、特定の個数の前記遊技球を発射するために必要な期間(例えば、6秒)よりも短い期間であってもよい。
【0187】
このような構成とすれば、非動作中(例えば、特定のラウンド開始前)の可変入賞口の直上で、ある程度遊技球を貯めておき、可変入賞口動作中(例えば、ラウンド開始)で遊技球を可変入賞口に多数進入させるなど遊技スキルがなければ困難な時間を設定することで、画像選択したいと考えている遊技客が注意すれば画像選択の機会を失わずに済むように構成したので、遊技客に応じた遊技進行を可能にできる場合がある。
【0188】
また、複数の前記可変入賞口と、遊技球の落下の方向に変化を与える遊技釘(例えば、遊技釘238)と、前記発射装置により発射された遊技球が進入するための進入領域と、を前記遊技領域に設け、前記複数の可変入賞口は、第1の可変入賞口(例えば、パチンコ機100に向かって左側に配設した可変入賞口)および第2の可変入賞口(例えば、パチンコ機100に向かって右側に配設した可変入賞口)を含み、前記遊技釘は、前記進入領域から進入した遊技球が前記第2の可変入賞口に到達するまでに接触する可能性のある遊技釘の本数より、前記進入領域から進入した遊技球が前記第1の可変入賞口に到達するまでに接触する可能性のある遊技釘の本数が多くなるように配置され、前記特定のラウンド動作は、前記第2の制御状態中において前記第1の可変入賞口の開閉状態を所定の回数変化させるラウンド動作であってもよい。
【0189】
このような構成とすれば、非動作中(例えば、特定のラウンド開始前)の可変入賞口の直上で、ある程度遊技球を貯めておき、可変入賞口作動(例えば、ラウンド開始)で遊技球を可変入賞口に多数進入させる構成にしたので、画像選択したいと考えている遊技客が注意すれば画像選択の機会を失わずに済み、遊技客に応じた遊技進行を可能にできる場合がある。
【0190】
なお、上記実施形態では、キャラクタセレクト演出を画像(静止画像や動画像)を用いて行なう例を示したが、スピーカ120による音の演出や、演出可動体224の動作による演出や、各種ランプ418による演出などを行ってもよい。また、主制御部300からの指令に基づいて第1副制御部400がキャラクタセレクト演出の演出制御を行う例を示したが、これに限定されるものではない。
【0191】
また、本発明に係る遊技台は、上記した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記パチンコ機100(1種)以外に、パチンコ機(2種、3種)、封入式パチンコ機、およびパチロット等にも適用することができるし、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール等にも適用することができる。
【0192】
また、例えば、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも適用可能である。ここで、本発明が適用されるスロットマシンとしては、複数種類の図柄が施された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、前記複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが前記抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かにより前記入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えたものが一例として挙げられる。
【0193】
また、例えば、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。
【0194】
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0195】
本発明に係る遊技台は、スロットマシンや遊技機(パチンコ等)に代表される遊技台に適用することができる。
【符号の説明】
【0196】
100 パチンコ機
136 チャンスボタン
208 装飾図柄表示装置
210 普図表示装置
212 第1特図表示装置
214 第2特図表示装置
224 演出可動体
226 一般入賞口
228 普図始動口
230 第1特図始動口
232 第2特図始動口
234 可変入賞口
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の表示を少なくとも実行可能な表示手段と、
を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、選択表示を少なくとも実行可能な手段であり、
前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択状態画像を表示可能な手段であり、
前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択状態画像を表示可能な手段であり、
前記表示手段は、前記選択表示の期間に第一の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、
前記表示手段は、前記選択表示の期間に第二の選択変更アニメーションを表示可能な手段であり、
前記第一の選択状態画像は、選択画像が第一の画像であることを少なくとも示す画像であり、
前記第二の選択状態画像は、前記選択画像が第二の画像であることを少なくとも示す画像であり、
前記第一の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第一の画像から前記第二の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、
前記第二の選択変更アニメーションは、前記選択画像が前記第二の画像から該第二の画像とは別の画像に変更される態様を少なくとも示すアニメーションであり、
前記選択画像とは、選択状態にある画像のことであり、
前記表示手段は、前記第一の選択状態画像を表示する期間に選択変更条件の成立があった場合に、第一の表示を少なくとも実行可能な手段であり、
前記第一の表示は、前記第一の選択変更アニメーションのあとで前記第二の選択状態画像を表示する表示であり、
前記表示手段は、前記第一の選択変更アニメーションを表示する期間に前記選択変更条件の成立があった場合に、第二の表示を少なくとも実行可能な手段であり、
前記第二の表示は、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示する表示であり、
前記選択表示において選択可能な選択肢の数は、第一の数であり、
前記第一の数は、前記選択表示の期間に変化しない、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記選択変更条件の成立要件は、選択操作があったことを少なくとも含む要件であり、
前記選択操作とは、遊技者によって前記操作手段を用いて行なわれる操作のことである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
前記第二の表示は、前記第一の選択変更アニメーションの表示を中止し、前記第二の選択状態画像を表示せずに、前記第二の選択変更アニメーションを少なくとも表示可能な表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記選択表示は、大当り遊技の期間に実行可能な表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の選択状態画像は、第一の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第二の選択状態画像は、前記第一の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示される画像である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項5に記載の遊技台であって、
前記第一の選択変更アニメーションは、前記第二の画像が第二の表示位置から前記第一の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むアニメーションであり、
前記第二の選択変更アニメーションは、前記第二の画像とは異なる画像が前記第一の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むアニメーションである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の選択状態画像は、第三の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第一の選択状態画像は、第四の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第一の選択状態画像は、第五の表示位置に第三の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第五の表示位置は、前記第四の表示位置よりも前記第三の表示位置に近い表示位置であり、
前記第二の選択状態画像は、前記第三の表示位置に前記第一の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第二の選択状態画像は、前記第四の表示位置に前記第二の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第二の選択状態画像は、第六の表示位置に前記第三の画像が少なくとも表示される画像であり、
前記第五の表示位置は、前記第三の表示位置よりも前記第四の表示位置に近い表示位置である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項8】
請求項7に記載の遊技台であって、
前記第一の選択変更アニメーションは、前記第三の画像が前記第五の表示位置から前記第六の表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むアニメーションであり、
前記第二の選択変更アニメーションは、前記第三の画像が前記第六の表示位置から該第六の表示位置とは異なる表示位置に移動表示される態様を少なくとも含むアニメーションである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記選択表示の表示中に表示可能な選択状態画像の数は、4以上である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記選択表示の表示中に表示可能な選択変更アニメーションの数は、3以上である、
ことを特徴とする遊技台。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-02-27 
結審通知日 2017-03-02 
審決日 2017-03-14 
出願番号 特願2014-59642(P2014-59642)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 841- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲吉▼川 康史  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 瀬津 太朗
金田 理香
登録日 2015-06-12 
登録番号 特許第5760107号(P5760107)
発明の名称 遊技台  
代理人 横田 一樹  
代理人 横田 一樹  

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