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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1327329 |
審判番号 | 不服2016-5516 |
総通号数 | 210 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-04-14 |
確定日 | 2017-04-19 |
事件の表示 | 特願2014-128200「文脈アクションを提示するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月12日出願公開、特開2015- 28770〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2009年4月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年5月19日、米国)を国際出願日とする出願である特願2011-510537号(以下、「原出願」という。)の一部を平成26年6月23日に新たな特許出願としたものであって、平成27年4月13日付けで拒絶理由が通知され、平成27年7月21日付けで手続補正がされ、平成28年2月12日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成28年4月14日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされたものである。 第2 補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成28年4月14日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正後の本願発明 本件補正により、補正前の特許請求の範囲の請求項1は、 「ワイヤレスデバイス上に1つ以上の文脈アクションを提示する方法において、 前記方法は、 前記ワイヤレスデバイスにおいて、第1のウェブページコンテンツを受信することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを解釈して対象のキーワードを識別することにより、インジケータを導出することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツへと処理することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを前記1つ以上の文脈アクションに関係付けることと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを含む前記第2のウェブページコンテンツを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に提示することにより、前記インジケータのユーザ選択が前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを実行することと、 前記ワイヤレスデバイスのユーザによって前記インジケータを選択するときに、前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを含むメニューを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に前記ワイヤレスデバイスによって提示することとを含み、 前記1つ以上の文脈アクションは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記ワイヤレスデバイス上の前記第2のウェブページコンテンツのディスプレイからの前記インジケータの選択の際に前記ワイヤレスデバイスにより実行されるアクションを識別し、 前記1つ以上の文脈アクションの選択は前記第1のウェブページコンテンツによって提供されず、 前記1つ以上の文脈アクションは、前記ユーザによる選択のための1つ以上の代替文脈アクションを含むメニューを表示することを含み、 前記1つ以上の代替文脈アクションは、前記第2のウェブページコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションと共有するための少なくとも1つの文脈アクションを含む方法。」(下線部は補正箇所を示す。) と補正された。 2 新規事項の有無、補正の目的要件について 本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「ネイティブアプリケーション」について、「ウェブブラウザ以外の」との限定を付加して特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び第5項第2号(補正の目的)の規定に適合している。 また、特許法第17条の2第4項(シフト補正)に違反するものでもない。 3 独立特許要件について 上記本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。 (1)補正発明 本件補正により補正された請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)は、上記「1 補正後の本願発明」に記載したとおりのものである。 (2)引用発明及び周知技術 ア 引用例及び引用発明 原審の拒絶理由に引用された特開2008-77227号公報(以下、「引用例」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。 (ア)「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 近年では、無償または有償で提供されている様々なウェブサービス機能を結びつけてウェブコンテンツを作成するシンジケーションと呼ばれる手法が注目を浴びている。しかしながら、ウェブ文書ファイルのテキストに出現する単語について、その単語を何らかのウェブサービスに入力して情報を得たいとユーザが考えても、文書ファイルの作成者によってその単語に対して適当なウェブサービスへのハイパーリンクが設定されていないと、ユーザは直接ウェブサービスを利用することができない。この場合、ユーザは、テキスト内のその単語をコピーし、使用したいウェブサービスのページをブラウザで表示させてから、コピーした単語を所定のフォームにペーストする必要がある。また、文書ファイルの作成者によってウェブサービスへのハイパーリンク予め設定されていたとしても、リンク先のウェブサービスがユーザの希望するものではない場合も、やはり上述のように単語のコピーアンドペーストをする必要がある。特に、マウスを使わない携帯型情報機器や情報家電では、コピーアンドペーストの操作をするのは手間がかかる。 【0006】 本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、文書ファイル中の文字列を検出し、その文字列に関連するサービスとして動作するサーバへのハイパーリンクを自動的に作成するリンク生成技術を提供することにある。」(段落【0005】-【0006】) (イ)「【0027】 図1は、本実施形態に係るリンク生成機能を備えた携帯型情報機器10を含むネットワークシステムの全体構成を示す。 【0028】 携帯型情報機器10は、通信機能を備えるラップトップ型のPC(パーソナルコンピュータ)、PDA、携帯電話、カーナビゲーション装置などの、ユーザと共に移動可能な任意のハードウェアである。携帯型情報機器10は、ユーザの操作によってアクセスポイント16または基地局18などを介してLAN、インターネット等のネットワーク14に接続され、URLで特定されるサーバ12にアクセスし、所望のデータを取得することが可能である。 【0029】 サーバ12は、ネットワーク14を介して、携帯型情報機器10にテキストデータ、イメージデータ、音声データ、動画データなどのデータを提供する。このサーバは、例えばウェブサーバその他インターネット上のサービス主体でもよく、その場合、CGI(Common Gateway Interface)のようにサーバ側に処理の主たる機能が残るもの、Java(商標)アプレットのようにクライアント側に処理の主たる機能が移動するもの、サーバとクライアントの両方に処理の主たる機能であるJavaアプリケーションなどを配するものなど、いろいろな態様で実現できる。」(段落【0027】-【0029】)(下線は当審で付した。以下同様。) (ウ)「【0041】 図3は、携帯型情報機器10のうち、本実施の形態に係るリンク生成装置100に関与する部分の構成を示す。この構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したが、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。 【0042】 好ましくは、本実施形態に係るリンク生成機能は、周知のブラウザプログラムの一部で実現される。なお、図3に示されていない機能であっても、一般のブラウザプログラムが備えている機能は当然に有しているものとする。 【0043】 続いて、各機能ブロックの動作および構成の詳細を述べる。 【0044】 受信部102は、ブラウザを用いたURLの入力、検索サイトにおける検索結果の選択、またはショートカットファイルの選択などのユーザの操作に応じて、ネットワーク経由でウェブページの文書ファイルを受け取る。文書ファイルは、SGML(Standard Generalized Markup Language)、HTML(HyperText Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)などのマークアップ言語で記述されている。文書ファイルにJavaスクリプトなどのスクリプト言語が含まれていてもよい。 【0045】 ファイル保持部110は、受信部102で受け取られた文書ファイルを記憶する。文書ファイルの表示内容を規定するCSS(Cascading Style Sheet)等の外部スタイルシートやEcmaScript等の外部スクリプトが存在する場合は、それらも合わせて記憶する。 【0046】 ルール設定部130には、ファイル保持部110に格納された文書ファイルに含まれている文字列を検出するための検出ルールが保持されている。検出ルールの詳細については後述する。 【0047】 コンテンツ分析部120は、予めルール設定部130で設定されている検出ルールにしたがって、ファイル保持部110に格納された文書ファイルから文字列を検出する。検出された文字列は、ネットワーク上で提供されているウェブサービスのうち、文書ファイルを閲覧するユーザにとって有用と考えられるものを導き出すために用いられる。検出された文字列は、サービス対応付け部150に送られる。 【0048】 ルール設定部130には、ネットワーク上で提供されるウェブサービスとして動作するサーバのURLと、コンテンツ分析部120で検出された文字列とを関連付けするための対応付けルールが保持されている。対応付けルールの詳細については後述する。 【0049】 サービス対応付け部150は、予めルール設定部130で設定されている対応付けルールにしたがって、コンテンツ分析部120で検出された文字列と対応付けるウェブサービスのURLを決定する。 【0050】 表示部104は、サービス対応付け部150で決定された対応付けにしたがってURLへのハイパーリンクを生成し、ブラウザ等のファイル閲覧アプリケーション上に、文書ファイルのテキストを表示するとともにハイパーリンクを所定の表示態様で表示する。この表示態様は、ルール保持部140内の表示ルール保持部156に記憶されている表示ルールにしたがう。表示ルールの詳細については後述する。文書ファイルがマークアップ言語で記載されている場合、表示部104は、文書ファイルの論理的な構造を解釈し、各タグで定められた表現形式と実際の表示画面に関する情報とを用いてレイアウトを実行する。 【0051】 表示部104の生成するハイパーリンクは、リンク先のウェブサービスとして動作するサーバのURLの他に、そのウェブサービスにおける情報の入力先に対応付けされた文字列を入力するような形式になっていることが好ましい。こうすることで、例えば、ある場所を示す文字列に対応付けされたハイパーリンクのリンク先が地図サービスであれば、ユーザがそのハイパーリンクを選択した結果、地図サービスにおいて文字列に対応する場所を検索したときの地図画像が表示される。ある商品を示す文字列に対応付けされたハイパーリンクのリンク先がショッピングサービスであれば、ユーザがそのハイパーリンクを選択した結果、ショッピングサービスにおいて商品を検索したときの検索結果が表示される。 【0052】 送信部106は、画面表示されたリンクがユーザによって選択されると、そのリンク先のサーバに対してリンク元の文字列を送信すると共に、対応するページのファイルを送信するように要求する。」(段落【0041】-【0052】) (エ)「【0085】 図9は、図5に示すようなルールがルール保持部140に保持されている場合のリンク生成の手順を示すフローチャートである。 【0086】 受信部102は、サーバからウェブページの文書ファイルを取得し、ファイル保持部110に格納する(S10)。コンテンツ分析部120は、ファイル保持部110から文書ファイルを取り出し、適用ルール情報保持部142を参照して、予め設定されている使用すべき検出ルールを決定する(S12)。図5の例を参照すると、コンテンツ分析部120は、チェックボックス420にチェックマークが入れられたルールを全てルール保持部140から取り出す。コンテンツ分析部120は、S12で決定された検出ルールにしたがって文書ファイルのテキストデータから複数の文字列を検出する(S14)。 【0087】 続いて、サービス対応付け部150は、検出された複数の文字列に、S12で決定されたルールに規定されているURLをそれぞれ対応付ける(S16)。図5の例であれば、検出ルール列422に表示されている検出ルールにしたがって文書ファイルから検出された文字列に、URL列424に示されているURLをそれぞれ対応付ける。文字列と対応付けたURLの情報は、表示部104に渡される。表示部104は、サービス対応付け部150でなされた対応付けにしたがってURLへのハイパーリンクを生成し、文書ファイルのテキストを表示するとともに文字列に関連させてハイパーリンクを所定の表示態様で表示する(S18)。このとき表示されたハイパーリンクをユーザが選択すると、ハイパーリンクに関連する文字列の情報が送信部106によってウェブサービスとして動作するサーバに伝わり(S20)、サーバは、その文字列を入力した結果としてのウェブページを受信部102に送る(S22)。 【0088】 このフローチャートの処理は、受信部102が文書ファイルをネットワークから受け取ってファイル保持部110に格納した直後に実行することが好ましい。しかしながら、ブラウザプログラムによってディスプレイに表示されるブラウザ画面のメニューバーにリンク生成機能のラジオボタンを表示しておき、そのボタンがクリックされたときに、文書ファイル内の文字列の検索、URLへの対応付け、およびハイパーリンクの表示が実行されるようにしてもよい。 【0089】 続いて、検出ルールにしたがった文字列の検出とハイパーリンクの表示の具体例を説明する。 【0090】 図10(a)は、ブラウザの画面160に表示される文書ファイルのテキストを示す。 図示するように、このテキストには、場所162と、電話番号164と、URL166とが含まれている。URL166については、文書ファイルの作成者により予めリンクが作成されており、クリック可能な表示となっている。この文書ファイルを、上述した手順にしたがってコンテンツ分析部120、サービス対応付け部150、および表示部104で処理することを考える。 【0091】 この実施例では、コンテンツ分析部120は、検出ルールとして正規表現ルール128を使用することとする。コンテンツ分析部120は、「場所」という語句の後ろに来る文字列「水道橋」172と、「電話番号」という語句の後に来る文字列「03-XXXX-XXXX」174を検出する。サービス対応付け部150は、文字列172と文字列174とにウェブサービスとして動作するサーバのURLを対応付けし、表示部104は、図10(b)に示すように、それぞれをクリック可能な態様で表示する。一例として、文字列172には地図サービスを、文字列174には電話番号を入力することで道順が検索されるウェブサービスを対応付けしてもよい。 【0092】 表示部104は、リンク生成装置100において処理される前の文書ファイル、すなわちネットワークから取得した時点の文書ファイルに元々含まれているリンク(176)と、新たに作成したリンク(172、174)とが、表示画面上で外観的に識別できる態様で表示することが好ましい。例えば、表示部104は、新たに作成したリンクの文字を強調表示したり、文字サイズまたは文字色を元々のリンクとは変えて表示する。または、新たに作成したリンクの近傍に所定のマークを標示する。こうすることで、ユーザは、リンク生成装置100で新たに埋め込まれたリンクを識別することができるため、そのリンクをクリックしたとき文書ファイルの作成者が設定したウェブサービスに接続されるのか、または適用ルール情報保持部142で予め設定されているウェブサービスに接続されるのかを前もって知ることができる。 【0093】 図11(a)は、ブラウザの画面180に表示される別の文書ファイルのテキストを示す。図示するように、このテキストには「場所」や「電話番号」などの語句は含まれておらず、会議の開催場所と連絡先を説明する文章182が含まれている。この文書ファイルを、上述した手順にしたがってコンテンツ分析部120、サービス対応付け部150、および表示部104で処理することを考える。 【0094】 この実施例では、コンテンツ分析部120は、検出ルールとして辞書とのマッチングルール126と正規表現ルール128とを併用することとする。コンテンツ分析部120は、例えば、地名辞書を参照することで、「東京タワー」というランドマークの文字列192を検出する。また、専門用語辞書を参照することで、「カンファレンス」という文字列193を検出する。さらに、正規表現ルール128にしたがって、コンテンツ分析部120は、「0」から始まる10桁の数字として、文字列「03-XXXX-XXXX」194を検出する。 【0095】 サービス対応付け部150は、文字列192、193、194にウェブサービスのプログラムのURLを対応付けし、表示部104は、図11(b)に示すように、それぞれをクリック可能な態様で表示する。一例として、文字列192には地図サービスを、文字列193には百科事典サービスを、文字列194には道順検索サービスを対応付けしてもよい。文字列184は、元からクリック可能な態様なので、そのまま表示される。 【0096】 図10および図11では、表示部104はハイパーリンクを文字列にアンダーラインを付ける表示態様でブラウザの画面に表示した。この場合、表示部104は、図12(a)に示すように、文書ファイル中に<a href>タグを埋め込むことによってハイパーリンクを表現する。表示部104は、これ以外の表示態様を採用することもできる。例えば、図12(b)に示すように、文書ファイルの中にスクリプトを埋め込むことによってハイパーリンクを実現してもよい。この場合、ひとつのキーワードに対して複数のウェブサービスをリンクさせるなど、より複雑なリンクを生成することができる。さらに、文書ファイルには手を加えず、文書ファイルに関連するスタイルシートの中に<a href>タグやスクリプトを埋め込んでもよい。 【0097】 また、表示部104は、ブラウザやオペレーションシステムに予め備えられている機能を用いてハイパーリンクを実現してもよい。例えば、図13は、図11(a)の文書ファイルに対してプルダウンメニュー224を表示させた例を示す。コンテンツ分析部120で検出された文字列222をクリックすると、その下方にプルダウンメニュー224が表示される。この場合、表示されたメニューのなかからリンク先のウェブサービスを選択可能である。 【0098】 表示部104がいずれの表示態様でハイパーリンクを表示するかは、表示ルール保持部156内に保持されている表示ルールのうちいずれをユーザが選択するかによって決まる。 【0099】 以上説明したように、本実施形態に係るリンク生成装置では、マークアップ言語で記述された文書ファイルから検出ルールにしたがって複数の文字列を自動的に検出し、それぞれの文字列に対して、ユーザが利用するであろうウェブサービスのURLを対応付けするようにした。これによって、ユーザは、ブラウザの画面に表示されたリンクを選択することで、対応するウェブサービスを簡単に利用することができる。言い換えると、本実施形態のリンク生成装置は、ユーザに対して、検出した文字列に関するウェブサービスの利用を提案することができる。また、本実施形態によれば、文書ファイルの作成者は、予め文書ファイル内にリンクを埋め込んでおく必要はない。特に、マウスを備えない携帯型情報機器や情報家電では、文字列のコピーアンドペーストの操作をするのは手間がかかるため、本実施形態は有利である。 【0100】 例えば、文書ファイルから地名辞書を使用して地名が検出された場合でも、ユーザによっては、その場所の地図を表示したい場合もあれば、その場所の天気予報を見たり、その場所への行き方を知りたい場合もある。本実施形態では、図5を参照して説明したように、検出ルール毎に直接URLを割り当てることも可能なので、文書ファイルから同一の文字列が検出される場合でも、ユーザ毎に好みのウェブサービス提供サイトにリンクを張ることができる。」(段落【0085】-【0100】) 上記引用例の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 a 上記(エ)の段落【0097】及び図13には、携帯型情報機器10において、検出された文字例222をクリックすると、「地図」、「天気予報」、「百科事典」、「道順検索」、「株価検索」といった、前記検出された文字例222に関連する1つ以上のウェブサービスからなるプルダウンメニュー224が表示部104に表示されることが記載されており、引用例には「携帯型情報機器10上に1つ以上のウェブサービスを提示する方法」が記載されているといえる。 b 上記(エ)の段落【0086】には、携帯型情報機器10の「受信部102は、サーバからウェブページの文書ファイルを取得し」と記載されており、引用例には「携帯型情報機器10において、文書ファイルを取得すること」が記載されているといえる。 c 上記(エ)の段落【0091】、【0094】、【0097】の記載及び図11、13の記載によれば、携帯型情報機器10は、検出ルールに照らして、場所や電話番号等に関する文字列、すなわちキーワードを識別することで、アンダーラインを付すべき文字列222を検出しているから、引用例には、「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを解釈して対象のキーワードを識別することにより、アンダーラインを付すべき文字列222を検出すること」が記載されているといえる。 d 上記(エ)の段落【0093】?【0097】及び図11(a)、13の記載によれば、携帯型情報機器10は、図11(a)の文書ファイルを、図13のように、前記文書ファイルと検出された文字列222にアンダーラインを付したものに変化させており、どのような技術的手段を用いるかは特定されていないが、何らかの処理を実施しているといえる。したがって、引用例には「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを、前記文書ファイルと文字列222にアンダーラインを付したものを含むものに処理すること」が記載されているといえる。 e 上記aでも指摘したとおり、上記(エ)の段落【0097】及び図13には、携帯型情報機器10において、検出された文字例222をクリックすると、「地図」、「天気予報」、「百科事典」、「道順検索」、「株価検索」といった、前記検出された文字例222に関連する1つ以上のウェブサービスからなるプルダウンメニュー224が表示部104に表示されることが記載されており、引用例には「前記携帯型情報機器10によって、前記文字列222にアンダーラインを付したものを前記1つ以上のウェブサービスに関係付けること」が記載されているといえる。 f 上記(エ)の段落【0093】?【0097】及び図11(a)、13の記載によれば、携帯型情報機器10は、図11(a)の文書ファイルを、図13のように、前記文書ファイルと検出された文字列222にアンダーラインを付したものに変化させて表示部104に表示しており、検出された文字例222をクリックすると、「地図」、「天気予報」、「百科事典」、「道順検索」、「株価検索」といった、前記検出された文字例222に関連する1つ以上のウェブサービスからなるプルダウンメニュー224が表示されるものであり、そのうち1つを選択することにより、リンク先のウェブサービスを選択可能なものである。したがって、引用例には、「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むものを前記携帯型情報機器10の表示部104上に提示することにより、前記文字列222にアンダーラインを付したもののユーザ選択が前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを実行すること」、「携帯型情報機器10のユーザによって前記文字列222にアンダーラインを付したものを選択するときに、前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を前記携帯型情報機器10の表示部104上に前記携帯型情報機器10によって提示すること」、「1つ以上のウェブサービスは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記携帯型情報機器10上の前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもののディスプレイからの前記文字列222にアンダーラインを付したものの選択の際に前記携帯型情報機器10により実行されるウェブサービスを識別」すること、及び「1つ以上のウェブサービスは、前記ユーザによる選択のための複数のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を表示すること」が記載されているといえる。 g 上記(エ)の【0093】?【0097】及び図11(a)、13の記載によれば、処理を施す前の文書ファイル(図11(a))は、文字列がクリック可能、すなわち選択可能な状態で表示部104に表示されていない。したがって、引用例には「1つ以上のウェブサービスの選択は前記文書ファイルによって提供され」ないことが記載されているといえる。 h 上記(ウ)の段落【0051】の記載及び上記(エ)の段落【0087】には、ウェブサービスに対し、検出された文字列に関する情報を伝えることが記載されている。すなわち、引用例には「1つ以上のウェブサービスは、前記文字列222にアンダーラインを付したものに関する情報を携帯型情報機器10上のブラウザと共有するための少なくとも1つのウェブサービスを含む」ことが記載されているといえる。 以上を総合すると、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「携帯型情報機器10上に1つ以上のウェブサービスを提示する方法において、 前記方法は、 前記携帯型情報機器10において、文書ファイルを取得することと、 前記携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを解釈して対象のキーワードを識別することにより、アンダーラインを付すべき文字列222を検出することと、 前記携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを、前記文書ファイルと文字列222にアンダーラインを付したものを含むものに処理することと、 前記携帯型情報機器10によって、前記文字列222にアンダーラインを付したものを前記1つ以上のウェブサービスに関係付けることと、 前記携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むものを前記携帯型情報機器10の表示部104上に提示することにより、前記文字列222にアンダーラインを付したもののユーザ選択が前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを実行することと、 前記携帯型情報機器10のユーザによって前記文字列222にアンダーラインを付したものを選択するときに、前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を前記携帯型情報機器10の表示部104上に前記携帯型情報機器10によって提示することとを含み、 前記1つ以上のウェブサービスは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記携帯型情報機器10上の前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもののディスプレイからの前記文字列222にアンダーラインを付したものの選択の際に前記携帯型情報機器10により実行されるウェブサービスを識別し、 前記1つ以上のウェブサービスの選択は前記文書ファイルによって提供されず、 前記1つ以上のウェブサービスは、前記ユーザによる選択のための複数のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を表示することを含み、 前記1つ以上のウェブサービスは、前記文字列222にアンダーラインを付したものに関する情報を携帯型情報機器10上のブラウザと共有するための少なくとも1つのウェブサービスを含む方法。」 イ 周知例及び周知技術 (ア)原審の拒絶理由に周知例として挙げられた、原出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2005-352730号公報(平成17年12月22日公開、以下、「周知例1」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0053】 図7は、図6のメイン画面からメモ帳の名前が設定されたアイコンが操作され、メモ帳アプリケーションが実行されたときに表示されるメモ帳画面の例を示す図である。なお、図6に示すステータス領域203などの詳細についてはここでは省略している。後述する画面の例についても同様である。 【0054】 図7のメモ帳画面の第1行目には「第12回MTG 議事録」の文字が表示され、第2行目には「参加者:山田」の文字が表示されている。このメモは、ユーザにより予め入力されていたものである。 【0055】 ここで、「文字」には、平仮名、片仮名、漢字、アルファベット、数字、記号(図6の「:」など)などの、キーボード34やシルク領域202を用いることによってPDA1に入力可能なものの全てが含まれる。 【0056】 このように所定の文字が表示されているとき、ユーザは、表示されている文字の中から所定の文字列をスタイラス2を用いるなどして選択し、その選択した文字列に応じた機能を容易に実現させることができるようになされている。 【0057】 例えば、図8に示すように、図7の「第12回MTG 議事録」、「参加者:山田」の文字の中からユーザが「山田」の文字列を選択した場合、図9の機能候補一覧211が、それまで表示されていたメモの上に重ねて自動的に表示される。図8、図9の例においては、選択された文字列は白抜きの文字に反転して表示されている。 【0058】 図9の機能候補一覧211には、上から、「アドレス帳を開く」、「メールを作成する」、「メールを見る」、「電話をかける」、「コピー」、・・・が選択可能な機能として表示されている。 【0059】 「アドレス帳を開く」は、選択された文字列により特定される人物である「山田」のアドレス帳(個人情報)を表示する機能を表し、「メールを作成する」は、「山田」宛のメールを作成する機能を表す。また、「メールを見る」は、「山田」から送信されてきたメールを表示する機能を表し、「電話をかける」は、「山田」に電話をかける機能を表す。「コピー」は、「山田」の文字列をコピーする機能を表す。 【0060】 これらの各機能は、選択された文字列である「山田」のカテゴリ分けが行われ、人名のカテゴリの文字列が選択されたときに提示するものとしてPDA1に予め設定されている機能である。また、アドレス帳の表示機能、メールの作成機能、電話をかける機能などは、「山田」のメールアドレスや電話番号などの個人情報がアドレス帳に登録されていることから選択され、提示されるものである(逆に、メールアドレスや電話番号などがアドレス帳に登録されていない場合、これらの機能を選択可能な機能として提示しないようにすることも可能である)。 【0061】 ユーザは、カーソル212により機能候補一覧211から所定の機能を選択することができ、例えば、2番目の候補である「メールを作成する」を選択したとき、図9のメモ帳画面は図10のメール作成画面に切り替わる。 【0062】 図10のメール作成画面には、上から、メールの送信先(宛先)の入力欄であるメールアドレス入力欄221、メールのタイトルの入力欄であるタイトル入力欄222が表示され、その下にメール本文の入力欄が表示されている。 【0063】 また、メールアドレス入力欄221には、「山田」のメールアドレスである「Yamada@AAA.ne.jp」がユーザの操作(メールアドレスを選択する操作)によることなく自動的に入力されている。これは、ユーザにより選択された文字列である「山田」の個人情報から取得されたものである。 【0064】 すなわち、図9の機能候補一覧211から「メールを作成する」が選択されたとき、アドレス帳アプリケーションからメールの作成等を管理するメーラに対して、「山田」の個人情報の中から選択されたメールアドレス「Yamada@AAA.ne.jp」が提供され、図10のメールアドレス入力欄221に表示されることになる。 【0065】 これにより、ユーザは、メモに表示される文字の中から「山田」を選択するだけでメーラを起動させることができるとともに、「山田」のメールアドレスを入力する操作を省くことができる。仮に、このように選択可能な機能の一覧の中から実行させる機能を選択することができない場合、「山田」宛にメールを送るためには、ユーザは、図6のメイン画面からアドレス帳アプリケーションを実行させてから「山田」の個人情報を表示させ、個人情報として表示される「山田」のメールアドレスをコピーした後、再度、図6のメイン画面からメーラを実行させ、表示されるメールアドレス入力欄221に「山田」のメールアドレスをペーストするなどの複数の段階に渡る操作が必要になる。 【0066】 同様に、図9の機能候補一覧211から「アドレス帳を開く」が選択されたとき、図9のメモ帳画面は、「山田」の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報が表示されるアドレス帳画面に切り替わる。すなわち、ユーザは、アドレス帳アプリケーションを実行させ、登録されている全ての個人情報の中から「山田」の個人情報を表示させる操作を行う必要がない。 【0067】 また、図9の機能候補一覧211から「メールを見る」が選択されたとき、例えば、図9のメモ帳画面は「山田」から送信されてきたメールの画面に切り替わる。すなわち、ユーザは、メーラを実行させ、過去に受信したメールの中から、「山田」から送信されてきたメールを表示させる操作を行う必要がない。 【0068】 図9の機能候補一覧211から「電話をかける」が選択されたとき、例えば、アドレス帳に登録されている「山田」の携帯電話機の電話番号に対して発信が行われる。すなわち、ユーザは、アドレス帳アプリケーションを実行させ、「山田」の個人情報を表示させてから、そこに登録されている電話番号に電話をかけるなどの操作を行う必要がない。これは、アドレス帳アプリケーションから電話の発信を管理する電話発番アプリケーションに対して、「山田」の個人情報の中から選択された電話番号が提供されることによって実現されるものである。 【0069】 このように、ユーザは、表示されている文字の中から所定の文字列を選択し、提示される一覧の中から選択するといった直感的な操作で、文字列の内容に応じた機能を実現させることができる。 【0070】 なお、文字列の選択は、図7に示すようなメモの中からに限らず、例えば、スケジュール帳に表示される文字、Webページに表示される文字、受信したメールに含まれる文字、テキストファイルを表示している画面に含まれる文字などの、PDA1に表示される全ての文字の中からも行われる。 【0071】 上述したように、機能候補一覧211に表示される機能は、選択された文字列のカテゴリに応じて選択されるものであり、人名ではないカテゴリの文字列が選択された場合には例えば次のような機能が表示される。 【0072】 図11は、メモ帳画面の他の例を示す図である。 【0073】 図11のメモ帳画面の第1行目には「レポート提出」の文字が表示され、第2行目には2004年5月11日を表す「04/05/11」に続いて「打ち合わせまで」の文字が表示されている。このメモも、ユーザにより予め入力されていたものである。 【0074】 図11のメモの中から、図12に示すように「04/05/11」の文字列が選択されたとき、それまで表示されていたメモに重ねて、図13に示すような機能候補一覧211が自動的に表示される。 【0075】 図13の機能候補一覧211には、上から、「スケジュールを開く」、「送ったメールを見る」、「送られてきたメールを見る」、「作成したデータ・コンテンツを見る」、「コピー」が選択可能な機能として表示されている。 【0076】 「スケジュールを開く」は、2004年5月11日のスケジュールを表示する機能を表し、「送ったメールを見る」は、2004年5月11日にユーザが送ったメールを表示する機能を表す。また、「送られてきたメールを見る」は、2004年5月11日に送られてきたメールを表示する機能を表し、「作成したデータ・コンテンツを見る」は、例えば、カメラ部21(図5)を用いて撮影した画像や、メモ帳アプリケーションを用いて作成したメモなどのうち、2004年5月11日に作成したデータ等の一覧を表示する機能を表す。作成されたデータ等には属性情報として作成日の情報が含まれているから、それに基づいて一覧が表示されることになる。「コピー」は、上述したように「04/05/11」の文字列をコピーする機能を表す。 【0077】 これらの各機能は、選択された文字列である「04/05/11」が日付のカテゴリの文字列として分類され、そのカテゴリの文字列が選択されたときに提示するものとしてPDA1に予め設定されている機能である。 【0078】 ユーザは、機能候補一覧211から所定の機能を選択することができ、例えば、1番目の候補である「スケジュールを開く」を選択したとき、図13のメモ帳画面は図14のスケジュール画面に切り替わる。 【0079】 図14のスケジュール画面は、その左上に「04/05/11」が表示されており、2004年5月11日のユーザのスケジュールを表示する画面であることが示されている。図14のスケジュール画面に表示されている8時から17時までの時間帯にはスケジュールがまだ入力されていない。 【0080】 このように、ユーザは、「04/05/11」の文字列を選択し、表示される一覧の中から機能を選択するだけで2004年5月11日のスケジュールを表示させることができる。従って、ユーザは、スケジューラを起動させ、表示されるカレンダーの中から2004年5月11日を選択する操作などを行うことなく、例えば、図15に示すような、図12のメモを見て思い立った直後にスケジュールの登録を行うことができる。図15の例においては、13時から14時の時間帯のスケジュールとして「打ち合わせ レポート提出忘れずに」が入力されている。 【0081】 同様に、図13の機能候補一覧211から「送ったメールを見る」が選択されたとき、図13のメモ帳画面は2004年5月11日に送ったメールの画面に切り替わる。すなわち、ユーザは、メーラを実行させ、2004年5月11日に送ったメールを表示させる操作を行う必要がない。 【0082】 なお、現在が、選択された文字列により表される日付である2004年5月11日より前である場合の「送ったメールを見る」のような、実行不可能な機能は機能候補一覧211に表示されないようにすることも可能である。 【0083】 また、図13の機能候補一覧211から「送られてきたメールを見る」が選択されたとき、図13のメモ帳画面は2004年5月11日に送られてきたメールの画面に切り替わる。すなわち、ユーザは、メーラを実行させ、2004年5月11日に送られてきたメールを表示させる操作を行う必要がない。 【0084】 さらに、図13の機能候補一覧211から「作成したデータ・コンテンツを見る」が選択されたとき、図13のメモ帳画面には、2004年5月11日に作成したメモ、テキストデータ、カメラ部21で撮影した画像などの一覧がメモに重ねて表示される。すなわち、ユーザは、ファイル管理アプリケーションを実行させ、2004年5月11日に作成したデータ・コンテンツを検索する操作を行う必要がない。 【0085】 このように、選択された文字列のカテゴリに応じて、機能候補一覧211に表示される機能が切り替えられる。カテゴリと機能の対応については後に詳述する。」(段落【0053】-【0085】) (イ)原審の拒絶理由に周知例として挙げられた、原出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2000-330681号公報(平成12年11月30日公開、以下、「周知例2」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0061】メニュー表示部103は、文字列解析部102から供給された種類IDを関連付管理部104に送出する。関連付管理部104は、文字列の種類に対応して実行し得る複数種類のアプリケーションに関するアプリ情報の一覧からなる関連付データベース104Aを所有しており、メニュー表示部103から供給された種類IDに基づいて関連付データベース104Aから対応するアプリ情報D3を検索して取り出し、これをメニュー表示部103へ送り返す。 【0062】メニュー表示部103は、関連付管理部104から供給されたアプリ情報D3に基づいて、文字列の種類に対応して実行し得る複数種類のアプリケーションのアプリ選択メニューを追加して新たなポップアップメニューを生成し、これを液晶ディスプレイ21のアプリケーション画面上に表示する。 【0063】すなわち、図9に示すようにアプリケーション画面上では、電話番号が表示されている文字列にカーソルが重ねられると、文字列解析部102によってその文字列の種類が電話番号であると判定され、メニュー表示部103によって電話番号に基づいて実行し得るアプリケーションを示す3種類のアプリ選択メニューM1がポップアップメニューPM2に表示される。 【0064】そしてメニュー表示部103は、アプリ選択メニューM1の追加されたポップアップメニューPM2の中からユーザのマウス操作によって所望のアプリケーションが選択されたことを検出すると、選択信号S1をディスパッチ部105に送出する。 【0065】ディスパッチ部105は、メニュー表示部103から供給された選択信号S1を関連付管理部104に送出し、当該関連付管理部104から選択信号S1に対応したアプリケーションのファイル名F1の供給を受ける。これによりディスパッチ部105は、ファイル名F1に対応するアプリケーションをハードディスク60から読み出し、当該アプリケーションをAPIを介してOS上で起動させた後に文字列データD2をアプリケーションに供給して所望の処理を実行するようになされている。 【0066】実際上、ポップアップメニューPM2のアプリ選択メニューM1の中から「電話番号の中から個人情報を検索」がユーザによって選択されると、ディスパッチ部105は[AAAA Org]と記入されたファイル名に対応する個人情報検索アプリケーションを起動させて、与えられた文字列データD2(03-5448-○△△×)に基づいて電話番号の中から個人情報を検索する処理を実行させる。 【0067】または、ポップアップメニューPM2のアプリ選択メニューM1の中から「電話をかける」がユーザによって選択されると、ディスパッチ部105は[BBBB Phone]と記入されたファイル名に対応する自動発呼アプリケーションを起動させて、与えられた文字列データD2(03-5448-○△△×)に基づく電話番号に対して電話をかける処理を実行させる。 【0068】あるいは、ポップアップメニューPM2のアプリ選択メニューM1の中から「電話番号から地図を表示」がユーザによって選択されると、ディスパッチ部105は[CCCC Map]と記入されたファイル名に対応する地図アプリケーションを起動させて、与えられた文字列データD2(03-5448-○△△×)の電話番号に対応した地図上の位置を検索し、その領域を表した地図を表示する処理を実行させる。」(段落【0061】-【0068】) 上述のとおり、上記周知例1には、ユーザが「山田」の文字列を選択した場合、「アドレス帳を開く」等の機能候補一覧が表示され、「メールを作成する」を選択したとき、メール作成画面に切り替わり、メールの作成等を管理するメーラに対して、「山田」のメールアドレスが提供されることでメールアドレス入力欄に「山田」のメールアドレスがユーザの操作によることなく自動的に入力されることが記載され、上記周知例2には、電話番号が表示されている文字列にカーソルが重ねられると、電話番号に基づいて実行し得るアプリケーションを示す3種類のアプリ選択メニューがポップアップメニューに表示され、ポップアップメニューから所望のアプリケーションである個人情報検索アプリケーション、自動発呼アプリケーション、地図アプリケーションのいずれかが選択されると、当該アプリケーションを起動させた後に、文字列データをアプリケーションに供給して所望の処理を実行すると記載されている。 そして、周知例1における「メーラ」、周知例2における「個人情報検索アプリケーション」、「自動発呼アプリケーション」及び「地図アプリケーション」は、いずれも特定のコンピュータやオペレーションシステム上で直接実行可能な、いわゆるネイティブアプリケーションであるから、「選択された文字列に関連付けて、1つ以上のウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションによるサービスのメニューをユーザに提示し、当該メニューからサービスが選択されると、対応するウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションを立ち上げるとともに、当該ウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションに対して、選択された文字列に関する情報を共有すること。」は、周知の技術(以下「周知技術」という。)ということができる。 (3)対比・判断 補正発明と引用発明とを対比する。 ア 上記引用例の段落【0028】及び図1によれば、「携帯型情報機器10は、ユーザの操作によってアクセスポイント16または基地局18などを介してLAN、インターネット等のネットワーク14に接続され」ており、携帯型情報機器10は無線接続される機器であることが明らかであるから、引用発明の「携帯型情報機器10」は補正発明の「ワイヤレスデバイス」に相当する。 イ 引用発明の「ウェブサービス」は、補正発明の「文脈アクション」及び「アクション」と、ユーザーの選択により実行される「サービス」である点で共通する。 ウ したがって、引用発明の「携帯型情報機器10上に1つ以上のウェブサービスを提示する方法」は、補正発明の「ワイヤレスデバイス上に1つ以上の文脈アクションを提示する方法」と、「ワイヤレスデバイス上に1つ以上のサービスを提示する方法」である点で共通するといえる。 エ 上記引用例の段落【0044】及び【0086】によれば、「文書ファイル」は「ウェブページ」であるから、引用発明の「文書ファイル」は、補正発明の「第1のウェブページコンテンツ」に相当し、また、引用発明の「取得」と補正発明の「受信」とは、表現上の差異はあるものの、技術的に見て実質的に同義である。したがって、引用発明の「携帯型情報機器10において、文書ファイルを取得すること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスにおいて、第1のウェブページコンテンツを受信すること」に相当する。 オ 補正発明の「前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを解釈して対象のキーワードを識別することにより、インジケータを導出すること」における「インジケータ」と、「前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツへと処理すること」のように記載される、前記以外の「インジケータ」では、前者は表示態様を異ならしめるべき対象を、後者は表示態様を異ならしめた後のものを、それぞれ意味する点で異なっている。したがって、引用発明の「アンダーラインを付すべき文字列222」は、補正発明の「インジケータ」のうち前者の意のものに、引用発明の「文字列222にアンダーラインを付したもの」は、補正発明の「インジケータ」のうち後者の意のものに、それぞれ相当する。また、引用発明の「検出」と補正発明の「導出」とは、表現上の差異はあるものの、技術的に見て実質的に同義であるから、引用発明の「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを解釈して対象のキーワードを識別することにより、アンダーラインを付すべき文字列222を検出すること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスによって、第1のウェブページコンテンツを解釈して対象のキーワードを識別することにより、インジケータを導出すること」に相当する。 カ 引用発明の「文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもの」と、補正発明の「第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツ」とは、「第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含」み、元のコンテンツに処理を施した「第2のコンテンツ」、すなわち、「第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のコンテンツ」である点で共通する。 キ したがって、引用発明の「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルを、前記文書ファイルと文字列222にアンダーラインを付したものを含むものに処理すること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツへと処理すること」と、「ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のコンテンツへと処理すること」で共通する。 ク 引用発明の「携帯型情報機器10によって、前記文字列222にアンダーラインを付したものを前記1つ以上のウェブサービスに関係付けること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを前記1つ以上の文脈アクションに関係付けること」と、「ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを前記1つ以上のサービスに関係付けること」で共通する。 ケ 引用発明の「表示部104」、「プルダウンメニュー224」は、補正発明のそれぞれ「電子ディスプレイ」、「メニュー」に相当する。 コ したがって、引用発明の「携帯型情報機器10によって、前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むものを前記携帯型情報機器10の表示部104上に提示することにより、前記文字列222にアンダーラインを付したもののユーザ選択が前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを実行すること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを含む前記第2のウェブページコンテンツを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に提示することにより、前記インジケータのユーザ選択が前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを実行すること」と、「ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを含む前記第2のコンテンツを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に提示することにより、前記インジケータのユーザ選択が前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上のサービスを実行すること」で共通し、引用発明の「携帯型情報機器10のユーザによって前記文字列222にアンダーラインを付したものを選択するときに、前記選択された文字列222にアンダーラインを付したものに関係付けられた前記1つ以上のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を前記携帯型情報機器10の表示部104上に前記携帯型情報機器10によって提示すること」は、補正発明の「ワイヤレスデバイスのユーザによって前記インジケータを選択するときに、前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを含むメニューを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に前記ワイヤレスデバイスによって提示すること」と、「ワイヤレスデバイスのユーザによって前記インジケータを選択するときに、前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上のサービスを含むメニューを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に前記ワイヤレスデバイスによって提示すること」で共通する。 サ さらに、引用発明の「1つ以上のウェブサービスは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記携帯型情報機器10上の前記文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもののディスプレイからの前記文字列222にアンダーラインを付したものの選択の際に前記携帯型情報機器10により実行されるウェブサービスを識別」することは、補正発明の「1つ以上の文脈アクションは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記ワイヤレスデバイス上の前記第2のウェブページコンテンツのディスプレイからの前記インジケータの選択の際に前記ワイヤレスデバイスにより実行されるアクションを識別」することと、「1つ以上のサービスは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記ワイヤレスデバイス上の前記第2のコンテンツのディスプレイからの前記インジケータの選択の際に前記ワイヤレスデバイスにより実行されるサービスを識別」する点で共通し、引用発明の「1つ以上のウェブサービスの選択は前記文書ファイルによって提供され」ないことは、補正発明の「1つ以上の文脈アクションの選択は前記第1のウェブページコンテンツによって提供され」ないことと、「1つ以上のサービスの選択は前記第1のウェブページコンテンツによって提供され」ないことで共通し、引用発明の「1つ以上のウェブサービスは、前記ユーザによる選択のための複数のウェブサービスを含むプルダウンメニュー224を表示することを含」むことは、補正発明の「1つ以上の文脈アクションは、前記ユーザによる選択のための1つ以上の代替文脈アクションを含むメニューを表示することを含」むことと、「1つ以上のサービスは、前記ユーザによる選択のための1つ以上の代替サービスを含むメニューを表示することを含」むことで共通する。 シ 引用発明の「文字列222にアンダーラインを付したものに関する情報」が上記の「文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもの」に含まれ、また、引用発明の「ブラウザ」は、携帯型情報機器10上の「アプリケーション」の一種であるから、引用発明の「文字列222にアンダーラインを付したものに関する情報を携帯型情報機器10上のブラウザと共有する」ことと、補正発明の「第2のウェブページコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションと共有する」こととは、「第2のコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のアプリケーションと共有する」点で共通する。 ス したがって、引用発明の「1つ以上のウェブサービスは、前記文字列222にアンダーラインを付したものに関する情報を携帯型情報機器10上のブラウザと共有するための少なくとも1つのウェブサービスを含む」ことは、補正発明の「1つ以上の代替文脈アクションは、前記第2のウェブページコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションと共有するための少なくとも1つの文脈アクションを含む」ことと、「1つ以上の代替サービスは、前記第2のコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のアプリケーションと共有するための少なくとも1つのサービスを含む」点で共通する。 以上を総合すると、補正発明と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。 (一致点) 「ワイヤレスデバイス上に1つ以上のサービスを提示する方法において、 前記方法は、 前記ワイヤレスデバイスにおいて、第1のウェブページコンテンツを受信することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを解釈して対象のキーワードを識別することにより、インジケータを導出することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のコンテンツへと処理することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを前記1つ以上のサービスに関係付けることと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを含む前記第2のコンテンツを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に提示することにより、前記インジケータのユーザ選択が前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上のサービスを実行することと、 前記ワイヤレスデバイスのユーザによって前記インジケータを選択するときに、前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上のサービスを含むメニューを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に前記ワイヤレスデバイスによって提示することとを含み、 前記1つ以上のサービスは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記ワイヤレスデバイス上の前記第2のコンテンツのディスプレイからの前記インジケータの選択の際に前記ワイヤレスデバイスにより実行されるサービスを識別し、 前記1つ以上のサービスの選択は前記第1のウェブページコンテンツによって提供されず、 前記1つ以上のサービスは、前記ユーザによる選択のための1つ以上の代替サービスを含むメニューを表示することを含み、 前記1つ以上の代替サービスは、前記第2のコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のアプリケーションと共有するための少なくとも1つのサービスを含む方法。」 (相違点1) 一致点の「第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のコンテンツ」に関し、補正発明の「第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツ」は「ウェブページ」であるのに対し、引用発明の「文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもの」は、ウェブページか否かが特定されていない点。 (相違点2) 一致点の「サービス」に関し、補正発明はウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションによるサービスである「文脈アクション」及び「アクション」を含むのに対し、引用発明は「ウェブサービス」であり、この相違に伴って、一致点の「第2のコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のアプリケーションと共有する」点に関し、補正発明は「ウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーション」とデータを共有するのに対し、引用発明は「ブラウザ」とデータを共有する点。 (4)判断 上記相違点につき検討する。 (相違点1)について 引用例の段落【0096】及び図10、11、12(a)には、検出された文字列にハイパーリンクのアンダーラインを付加するための手法として、ウェブページである「文書ファイル」にタグを埋め込むことが記載されている。したがって、引用発明における「文書ファイルと前記文字列222にアンダーラインを付したものを含むもの」の実現手法として、ウェブページを採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。 (相違点2)について 上記「(2)引用発明及び周知技術」の「イ 周知例及び周知技術」のとおり、「選択された文字列に関連付けて、1つ以上のウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションによるサービスのメニューをユーザに提示し、当該メニューからサービスが選択されると、対応するウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションを立ち上げるとともに、当該ウェブブラウザ以外のネイティブアプリケーションに対して、選択された文字列に関する情報を共有すること。」は、周知技術である。 そうすると、上記周知技術に接した当業者であれば、引用発明におけるブラウザを利用したウェブサービスの選択に加えて、ブラウザ以外のネイティブアプリケーションをも選択可能に構成することは、容易に想到し得ることである。 (5)まとめ 以上のとおり、補正発明は、引用発明に基づいて周知技術を参酌することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成28年4月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年7月21日付けで提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。 「ワイヤレスデバイス上に1つ以上の文脈アクションを提示する方法において、 前記方法は、 前記ワイヤレスデバイスにおいて、第1のウェブページコンテンツを受信することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを解釈して対象のキーワードを識別することにより、インジケータを導出することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記第1のウェブページコンテンツを、前記第1のウェブページコンテンツと前記インジケータとを含む第2のウェブページコンテンツへと処理することと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを前記1つ以上の文脈アクションに関係付けることと、 前記ワイヤレスデバイスによって、前記インジケータを含む前記第2のウェブページコンテンツを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に提示することにより、前記インジケータのユーザ選択が前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを実行することと、 前記ワイヤレスデバイスのユーザによって前記インジケータを選択するときに、前記選択されたインジケータに関係付けられた前記1つ以上の文脈アクションを含むメニューを前記ワイヤレスデバイスの電子ディスプレイ上に前記ワイヤレスデバイスによって提示することとを含み、 前記1つ以上の文脈アクションは、前記識別した対象のキーワードに関連していて、前記ワイヤレスデバイス上の前記第2のウェブページコンテンツのディスプレイからの前記インジケータの選択の際に前記ワイヤレスデバイスにより実行されるアクションを識別し、 前記1つ以上の文脈アクションの選択は前記第1のウェブページコンテンツによって提供されず、 前記1つ以上の文脈アクションは、前記ユーザによる選択のための1つ以上の代替文脈アクションを含むメニューを表示することを含み、 前記1つ以上の代替文脈アクションは、前記第2のウェブページコンテンツからのデータを前記ワイヤレスデバイス上のネイティブアプリケーションと共有するための少なくとも1つの文脈アクションを含む方法。」 2.引用発明及び周知技術 引用発明及び周知技術は、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3 独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明及び周知技術」の項で認定したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は上記補正後の発明から当該本件補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成に当該本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、本願発明も同様の理由により、容易に発明できたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-11-17 |
結審通知日 | 2016-11-22 |
審決日 | 2016-12-05 |
出願番号 | 特願2014-128200(P2014-128200) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 坂東 博司、▲はま▼中 信行 |
特許庁審判長 |
新川 圭二 |
特許庁審判官 |
土谷 慎吾 山田 正文 |
発明の名称 | 文脈アクションを提示するためのシステムおよび方法 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 岡田 貴志 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 井関 守三 |