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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01G
管理番号 1327564
審判番号 不服2016-9265  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-22 
確定日 2017-04-27 
事件の表示 特願2013- 8957「フラッシュSSD」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月 7日出願公開、特開2014-143226〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成25年1月22日の出願であって、平成26年12月11日付けで拒絶理由通知がなされ、平成27年2月2日付けで手続補正がなされ、同年8月28日付けで最後の拒絶理由通知がなされたのに対して、同年9月11日付けで意見書のみが提出されたが、平成28年3月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月22日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされたものである。

第2 平成28年6月22日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成28年6月22日付の手続補正を却下する。

[理由]

1.補正後の本願発明
平成28年6月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであって、本件補正前(すなわち、平成27年2月2日付け手続補正による補正)に、

「 【請求項1】
フラッシュメモリと、
フラッシュメモリに電気的に接続されたコンデンサと、
を備え、
前記コンデンサがプロピレンカーボネートを含む電解液を備える電気二重層コンデンサにより構成されており、
前記電気二重層コンデンサは、複数の正極層と複数の負極層とが積層された積層体を有し、かつ静電容量が560mF以上、840mF以下である、フラッシュSSD。
【請求項2】
前記電解液を構成している溶媒は、プロピレンカーボネートを80体積%以上含有する、請求項1に記載のフラッシュSSD。」

とあったところを、

「 【請求項1】
フラッシュメモリと、
フラッシュメモリに電気的に接続されたコンデンサと、
を備え、
前記コンデンサがプロピレンカーボネートを含む電解液を備える電気二重層コンデンサにより構成されており、
前記電気二重層コンデンサは、複数の正極層と複数の負極層とが積層された積層体を有し、前記複数の正極層及び前記複数の負極層が、それぞれ、集電極と分極性電極とを有し、前記分極性電極の厚みが5μm?50μmの範囲にあり、前記電気二重層コンデンサの静電容量が560mF以上、840mF以下である、フラッシュSSD。
【請求項2】
前記電解液を構成している溶媒は、プロピレンカーボネートを80体積%以上含有する、請求項1に記載のフラッシュSSD。」

とするものである。なお、下線は請求人が補正箇所を明示するために付したものである。

2.新規事項の有無、特別な技術的特徴の変更の有無及び補正の目的要件について

本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものと認められ、特許法第17条の2第3項(新規事項)の規定に適合している。
また、特許法17条の2第4項(シフト補正)の規定に違反するものでもない。

補正された請求項1に係る発明は、補正前の請求項1の「正極層」と「負極層」について、「集電極と分極性電極とを有し、分極性電極の厚みが5μm?50μmの範囲」であるとの限定を付加したものであり、特許請求の範囲を減縮するものである。

よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項および第4項の規定に適合するものであり、また、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて以下検討する。

3.引用例
(1)引用例1
原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2012-174143号公報(平成24年9月10日公開。以下、「引用例1」という。)には、「記憶装置及びその制御方法」に関して図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。

ア.「【0009】
以下、本実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。
図1に不揮発性メモリを搭載した記憶装置の概略図を示す。
NAND型不揮発性メモリを制御するSoC1(System on a chip)には、SDRAM2、電源監視回路3、DDC(DC-DCコンバータ)4が接続されていて、外部のPC(パーソナルコンピュータ)などのホストシステムと交信する構成となっている。またDDC4は、電源監視回路3、DDC5と共に+5Vと+12Vの2種の電圧を供給され、また電気二重層コンデンサ6からも電圧を供給されあるいは供給している。
【0010】
またSoC1内には、NANDC(NAND Controller)11、SASC(SAS Controller)12、SAS(Serial Attached SCSI) I/F(インタフェース)13、CPUA14、CPUB15およびBuffer Controller16が在る。NANDC11は外部のNAND型不揮発性メモリに又Buffer Controller16はSDRAM2に接続されている。
【0011】
電源監視回路3にて電源断を検出時には電気二重層コンデンサ6から各ハードウェアに電源供給を行い、SDRAM2上にあるライトキャッシュデータを不揮発性メモリに書き込む処理を行うよう構成されている。電気二重層コンデンサ6の容量は、例えば100mF?150mFのものが開発されている。
【0012】
ホストシステムからは、SAS I/F13を経由して後述のコマンドを受け取る。このときSASC12は、SAS I/F13を制御してNANDC11、CPUA14およびBuffer Controller16と交信する。
【0013】
例えばコマンドは、Buffer Controller16を経由してSDRAM2に保持され後にCPUA14でフェッチされ実行に移される。CPUA14は、Buffer Controller16を通じてCPUB15に働きかけてNANDC11を動作させ、NAND型不揮発性メモリへの記録またはメモリからの読出しを制御させる。
【0014】
なおNAND型不揮発性メモリに書かれるホストシステムからのユーザデータは、SAS I/F13、SASC12そしてNANDC11を経由する。このユーザデータの読み出しは逆のルートとなる。」

イ.「【0024】
なお、図5にバックアップ電源付き装置の図3の容量測定の制御方法の概要を示す。
これをステップ毎に述べると、次のようになる。
ステップS51: まず電気二重層コンデンサ6の充電処理を行う。
ステップS52: 次に電気二重層コンデンサ6の放電開始電圧(VH)の測定を行う。
ステップS53: 次に「容量測定の設定された測定終了時間を取得し」放電を開始する。
ステップS54: 次に電気二重層コンデンサ6の端子電圧(V)の測定を行う。
ステップS55: この端子電圧(V)が測定された電気二重層コンデンサ6の放電終了電圧(VL)以下であるかの判定を行う。
この判定結果がYesであった場合には、ステップS56に進む。またこの判定結果がNoであった場合にはステップS54に戻る。
ステップS56: 次に測定終了時間を取得しまた終了電圧を取得する。
ステップS57: 次に容量を測定する。
ステップS58: 最後に再充電処理を行う。
本実施形態は,記憶装置(SSDなど)で性能向上の手段としてライトキャッシュ機能を使うために,電源断時の未書き込みデータ保証としてバックアップ電源(電気二重層コンデンサなど)を搭載した装置の制御方法に関する。効果として以下の点がある。」

上記アないしイの記載から、引用例1には以下の事項が記載されている。

・上記アによれば、不揮発性メモリを搭載した記憶装置は、NAND型不揮発性メモリを制御するSoC1には、SDRAM2、電源監視回路3、DDC(DC-DCコンバータ)4が接続されていて、外部のPC(パーソナルコンピュータ)などのホストシステムと交信する構成であり、DDC4は、電源監視回路3、DDC5と共に+5Vと+12Vの2種の電圧を供給され、また電気二重層コンデンサ6からも電圧を供給されあるいは供給しているものである。また、電源監視回路3にて電源断を検出時には電気二重層コンデンサ6から各ハードウェアに電源供給を行い、SDRAM2上にあるライトキャッシュデータをNAND型不揮発性メモリに書き込む処理を行うものである。

・上記イによれば、記憶装置(SSDなど)で、バックアップ電源(電気二重層コンデンサなど)を搭載した装置である。

以上の点を踏まえて、上記記載事項及び図面を総合的に勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「NAND型不揮発性メモリを搭載した記憶装置において、
電源断を検出時には電気二重層コンデンサ6から各ハードウェアに電源供給を行う記憶装置。」

4.対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。

a.引用発明の「NAND型不揮発性メモリ」は、本願補正発明の「フラッシュメモリ」に相当する。

b.引用発明の「電気二重層コンデンサ6」は、本願補正発明の「電気二重層コンデンサ」に相当し、当該コンデンサが電解質を備えるものであることは自明なことである。また、引用発明の「記憶装置」は、引用例1の【図1】および段落【0009】【0011】に記載されているように「NAND型不揮発性メモリを制御するSoC1には、SDRAM2、電源監視回路3、DDC(DC-DCコンバータ)4が接続され」た構成であって、「DDC4は、電源監視回路3、DDC5と共に+5Vと+12Vの2種の電圧を供給され、また電気二重層コンデンサ6からも電圧を供給されあるいは供給しているもの」であり、「電源監視回路3にて電源断を検出時には電気二重層コンデンサ6から各ハードウェアに電源供給を行い、SDRAM2上にあるライトキャッシュデータを不揮発性メモリに書き込む処理を行う」ものであることを鑑みれば、引用発明の「電気二重層コンデンサ6」は、本願補正発明と同様に「フラッシュメモリに電気的に接続されたコンデンサ」であるといえる。
したがって、引用発明の「電源断を検出時には電気二重層コンデンサ6から各ハードウェアに電源供給を行う」ことによれば、引用発明にあたっても、本願補正発明と同様に、「フラッシュメモリに電気的に接続されたコンデンサ」を有しているといえる。

c.引用例1の段落【0024】の記憶装置がSSDであるとの記載および上記a.ないしb.を鑑みれば、引用発明の「記憶装置」は、本願補正発明の「フラッシュSSD」に相当する。

そうすると、本願補正発明と引用発明とは以下の点で一致ないし相違する。

<一致点>
「 フラッシュメモリと、
フラッシュメモリに電気的に接続されたコンデンサと、
を備え、
前記コンデンサが電解質を備える電気二重層コンデンサにより構成されている、
フラッシュSSD。」

<相違点1>
電気二重層コンデンサの電解質について、本願補正発明は、「プロピレンカーボネートを含む」と特定するのに対して、引用発明には、そのような特定がなされていない点。

<相違点2>
電気二重層コンデンサについて、本願補正発明は、「複数の正極層と複数の負極層とが積層された積層体」を有すると特定するのに対して、引用発明には、そのような特定がなされていない点。

<相違点3>
電気二重層コンデンサについて、本願補正発明は、「前記複数の正極層及び前記複数の負極層が、それぞれ、集電極と分極性電極とを有し、前記分極性電極の厚みが5μm?50μmの範囲」であると特定するのに対して、引用発明は、そのような特定がなされていない点。

<相違点4について>
電気二重層コンデンサの静電容量について、本願補正発明は、「560mF以上、840mF以下」と特定するのに対して、引用発明には、そのような特定がなされていない点。

5.判断
以下、相違点について検討する。
ア.相違点1について
電気二重層キャパシタの電解質として、プロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)を含む電解液を採用することは、例えば、原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2012-182263号公報(特に、【0002】?【0005】 参照)、原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2011-44746号公報(特に、【0021】 参照)、本願の出願日前に頒布された文献である特開2005-64435号公報(特に、【0008】、【0014】 参照)、特開2011-233843号公報(特に、【0002】、【0046】 参照)、特開2007-19211号公報(特に、【0028】 参照)に記載されているように周知の技術事項である。
したがって、引用発明の電気二重層コンデンサにおいて、プロピレンカーボネートを含む電解液を採用して相違点1の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。

イ.相違点2について
電気二重層キャパシタにおいて集電極と分極電極を有する正極層及び負極層とが複数積層された積層体を構成させることは、例えば、原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2012-182263号公報(特に、【0002】?【0005】、【図2】 参照)、原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2011-44746号公報(特に、【0016】、【0017】、【図1】 参照)、本願の出願日前に頒布された文献である特開平10-321482号公報(特に、【0010】?【0013】、【図2】、【図3】 参照)、特開2004-349306号公報(特に、【0030】?【0038】、【図3】 参照)、特開2011-233843号公報(特に、【0017】?【0019】、【図1】?【図3】 参照)、特開2011-151171号公報(特に、【0029】?【0031】、【図3】 参照)に記載のように、周知の技術事項である。
したがって、引用発明の電気二重層コンデンサとして、該周知の構成を採用して相違点2の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。

ウ.相違点3について
正極層及び負極層が集電極と分極性電極とを有し、分極性電極の厚みを5μm?50μmの範囲の値として構成することは、例えば、本願の出願日前に頒布された文献である特開平10-321482号公報(特に、【0010】?【0013】、【図2】、【図3】 参照)、特開2004-349306号公報(特に、【0030】?【0038】、【表1】、【図3】 参照)、特開2011-233843号公報(特に、【0017】?【0019】、【図1】?【図3】 参照)、特開2011-151171号公報(特に、【0029】?【0031】、【図3】 参照)、特開2007-19211号公報(特に、【0019】 参照)に記載のように、周知の技術事項である。
したがって、引用発明の電気二重層コンデンサとして、該周知の構成を採用して相違点3の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。

なお、平成28年6月22日付けの審判請求書において、審判請求人は、「引用文献4では、段落[0016]において、分極性電極の厚みが数百μmと記載されているように、分極性電極の厚みがかなり厚くなっております。このような厚みの分極性電極を有する電気二重層コンデンサでは、充放電の際のイオンの移動に時間を要することとなります。従って、このような分極性電極の厚みが厚い電気二重層コンデンサは、SSDにおけるバックアップ電源としては適さないものにすぎません。」と主張している。
しかしながら、上記において検討したとおり、引用発明に周知の技術事項を採用することで、電気二重層コンデンサの分極性電極の厚みを5μm?50μmの範囲の値とすることは当業者であれば容易に想到し得たことであり、さらに、分極性電極の厚みが厚い電気二重層コンデンサは、充放電の際のイオンの移動に時間を要することとなり、SSDにおけるバックアップ電源としては適さないものである旨の主張については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていない効果であり、審判請求人の主張は採用できない。

エ.相違点4について
電気二重層キャパシタのキャパシタ容量として、1×10^(-3)?1Fであることが、例えば、原査定の拒絶理由に引用された、本願の出願日前に頒布された文献である特開2004-253562号公報(特に、【0062】 参照)に記載されているように、電気二重層キャパシタの静電容量として大きな容量を得ることは適宜設計し得るところ、特に、SSDのバックアップを用途とする電気二重層キャパシタの静電容量として700mF程度とすることも、例えば、
「“電気二重層キャパシタ”、[online]、2012年4月27日、株式会社村田製作所、[平成29年1月25日検索]、インターネット<URL:http://www.murata.co.jp/products/catalog/pdf/o82j.pdf>」(特に、第2頁の「用途」の「バックアップ」、「商品ラインアップ」の「公称容量」 参照)、

「“70℃/5年の期待寿命を達成 電源バックアップ用途向け「高信頼性電気二重層キャパシタ」の量産開始について”、[online]、2012年5月30日、株式会社村田製作所、[平成29年1月25日検索]、インターネット<URL:http://www.murata.com/ja-jp/about/newsroom/news/product/capacitor/2012/0530>」(特に、「要旨」、「用途」、「用語解説」、「特性図」の「公称容量」 参照)、

「“低抵抗、薄型! 電気二重層エネルギーデバイスの量産化について”、[online]、2011年9月16日、株式会社村田製作所、[平成29年1月25日検索]、インターネット<URL:http://www.murata.com/ja-jp/about/newsroom/news/product/capacitor/2011/1017>」(特に、「要旨」、「用途」、「用語解説」、「特性図」の「公称容量」 参照」)

に記載のように周知の技術事項であることから、引用発明において、SSDのバックアップ電源として用いる電気二重層コンデンサの静電容量を「560mF以上、840mF以下」とし相違点4の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことである。

してみれば、引用発明に周知の技術事項を採用することで相違点1ないし4の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことである。

したがって、本願補正発明は、引用発明および周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものである。そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明および周知の技術事項から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用例1に記載された発明および周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明
平成28年6月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし2に係る発明は、平成27年2月2日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されたものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2 1.補正後の本願発明」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例およびその記載事項は、上記「第2 3.引用例」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、本願補正発明における「正極層」と「負極層」について、「複数の正極層及び複数の負極層が、それぞれ、集電極と分極性電極とを有し、分極性電極の厚みが5μm?50μmの範囲」であるという限定事項を削除したものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の構成要件(「相違点3に係る構成」)を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 4.対比」および「第2 5.判断」に記載したとおり、引用例1に記載された発明および周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明および周知の技術事項により当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明および周知の技術事項により当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-17 
結審通知日 2017-02-21 
審決日 2017-03-14 
出願番号 特願2013-8957(P2013-8957)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01G)
P 1 8・ 121- Z (H01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 和彦  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 安藤 一道
井上 信一
発明の名称 フラッシュSSD  
代理人 特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所  

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