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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1328651
審判番号 不服2016-2832  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-25 
確定日 2017-05-23 
事件の表示 特願2013-242013「信頼できるネットワークを介した信頼できないネットワーク上での認証のためのデバイス,方法,および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月 3日出願公開,特開2014- 60784〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,2010年7月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年7月31日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2012-523056号の一部を,特許法第44条第1項の規定により,平成25年11月22日に新たな特許出願としたものであって,
平成25年12月24日付けで審査請求がなされ,平成27年2月2日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成27年5月11日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,平成27年10月21日付けで審査官により拒絶査定がなされ(謄本送達;平成27年10月26日),これに対して平成28年2月25日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成28年3月23日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされ,平成28年7月4日付けで上申書の提出があったものである。

第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成28年2月25日付け手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容
平成28年2月25日付けの手続補正(以下,「本件手続補正」という)により,平成27年5月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲,
「 【請求項1】
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによって送信するステップと,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するステップと,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信するステップと,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信するステップとを含む,方法。
【請求項2】
前記認証情報を獲得するステップは,サービスプロバイダによって生成された前記認証情報を受信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信頼できるネットワークの通信パラメータと前記信頼できないネットワークの通信パラメータとを比較することによって通信ルートを決定するステップと,より好ましい通信パラメータを有するネットワークを好ましい通信ルートとして指定するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,前記第2のサービス要求メッセージのヘッダに前記認証情報を挿入するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記認証情報を獲得するステップは,サービスプロバイダにおいて暗号化された暗号化済み認証情報を前記信頼できるネットワークを介して受信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,前記サービスプロバイダにおける前記認証情報の復号および認証のために,前記暗号化済み認証情報を送信するサブステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサービス要求メッセージを送信するステップは,サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダに前記第1のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のサービス要求メッセージを送信するステップは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを送信し,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得し,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信するように構成されたセキュリティエージェントを含む無線通信装置。
【請求項11】
前記認証情報は,サービスプロバイダによって生成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記セキュリティエージェントは,前記信頼できるネットワークの通信パラメータと前記信頼できないネットワークの通信パラメータとを比較することによって通信ルートを決定し,より好ましい通信パラメータを有するネットワークを好ましい通信ルートとして指定するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記第2のサービス要求メッセージは,前記認証情報を含むヘッダを含む請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項14】
受信される前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報は,サービスプロバイダにおいて暗号化される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記セキュリティエージェントは,サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダに前記第1のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記セキュリティエージェントは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記セキュリティエージェントは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項18】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを移動体デバイスによって送信するための手段と,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するための手段と,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信するための手段と,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信するための手段とを含む装置。
【請求項19】
移動体デバイスによって信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを送信させるための少なくとも1つの命令と,
コンピュータに,前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信させるための少なくとも1つの命令とを含むコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを移動体デバイスによって送信し,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得し,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む無線通信装置。
【請求項21】
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダにおいて受信するステップと,
認証情報を生成するステップと,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を送信するステップと,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを受信するステップと,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを送信するステップとを含む,方法。
【請求項22】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記第1のサービス要求メッセージが前記信頼できるネットワークの正規の加入者によって送信されたものと指定されるように前記信頼できるネットワークにおいて修正された前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記認証情報を生成するステップは,前記認証情報を暗号化するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記第2のサービス要求メッセージから暗号化済み認証情報を取り出すサブステップと,前記認証情報を復号するサブステップとをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のサービス要求メッセージを受信するステップは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項28】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを受信し,
認証情報を生成し,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を送信し,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを受信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを送信するように構成されたサービスプロバイダを含む無線通信装置。
【請求項29】
前記第1のサービス要求メッセージは,前記第1のサービス要求メッセージが前記信頼できるネットワークの正規の加入者によって送信されたものと指定されるように前記信頼できるネットワークにおいて修正される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項30】
前記サービスプロバイダは,前記認証情報を暗号化するようにさらに構成される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項31】
前記サービスプロバイダは,前記第2のサービス要求メッセージから暗号化済み認証情報を取り出し,前記認証情報を復号するようにさらに構成される請求項30に記載の無線通信装置。
【請求項32】
前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項33】
前記第1のサービス要求メッセージは,移動体通信事業者のネットワークを介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項34】
前記第2のサービス要求メッセージは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項35】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダにおいて受信するための手段と,
認証情報を生成するための手段と,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を送信するための手段と,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを受信するための手段と,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを送信するための手段とを含む装置。
【請求項36】
サービスプロバイダによって信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを受信させるための少なくとも1つの命令と,
コンピュータに,認証情報を生成させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を送信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを受信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを送信させるための少なくとも1つの命令とを含むコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを受信し,
認証情報を生成し,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を送信し,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを受信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む無線通信装置。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正前の請求項」という)は,
「 【請求項1】
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するとともに,前記認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証するステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダからコンテンツを受信するステップとを含む,方法。
【請求項2】
前記認証情報を獲得するステップは,サービスプロバイダによって生成された前記認証情報を受信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記信頼できるネットワークの通信パラメータと前記信頼できないネットワークの通信パラメータとを比較することによって通信ルートを決定するステップと,より好ましい通信パラメータを有するネットワークを好ましい通信ルートとして指定するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,前記第2のサービス要求メッセージのヘッダに前記認証情報を挿入するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記認証情報を獲得するステップは,サービスプロバイダにおいて暗号化された暗号化済み認証情報を前記信頼できるネットワークを介して受信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,前記サービスプロバイダにおける前記認証情報の復号および認証のために,前記暗号化済み認証情報を送信するサブステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサービス要求メッセージを送信するステップは,サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダに前記第1のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のサービス要求メッセージを送信するステップは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のサービス要求メッセージを送信するステップは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを送信するサブステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダへ送信し,
前記信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダから認証情報を獲得し,前記認証情報は,移動体デバイスが前記サービスプロバイダからコンテンツを信頼できないネットワークを介して獲得することを認証し,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセジを前記サービスプロバイダへ送信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記信頼できるネットワークを介して獲得された前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記コンテンツを前記サービスプロバイダから受信するように構成されたセキュリティエージェントを含み,
前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む,
無線通信装置。
【請求項11】
前記認証情報は,サービスプロバイダによって生成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記セキュリティエージェントは,前記信頼できるネットワークの通信パラメータと前記信頼できないネットワークの通信パラメータとを比較することによって通信ルートを決定し,より好ましい通信パラメータを有するネットワークを好ましい通信ルートとして指定するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記第2のサービス要求メッセージは,前記認証情報を含むヘッダを含む請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項14】
受信される前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報は,サービスプロバイダにおいて暗号化される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記セキュリティエージェントは,サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダに前記第1のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記セキュリティエージェントは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記セキュリティエージェントは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを送信するようにさらに構成される請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項18】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するための手段であって,前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含む手段と,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するとともに,前記認証情報が,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介して前記コンテンツを獲得することを認証するための手段と,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信するための手段であって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む手段と,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記信頼できるネットワークを介して獲得された前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダから前記コンテンツを受信するための手段とを含む装置。
【請求項19】
移動体デバイスによって信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダへ送信させるための少なくとも1つの命令と,
コンピュータに,前記信頼できるネットワークを介して前記サービスプロバイダから認証情報を獲得させるとともに,前記認証情報が,前記移動体デバイスが信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダからコンテンツを獲得することを認証するための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,信頼できないネットワークを介して,前記信頼できるネットワークを介して受信された前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダから前記コンテンツを受信させるための少なくとも1つの命令とを含み,
前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む
コンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信し,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するとともに,前記認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介してコンテンツを獲得することを認証し,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダから前記コンテンツを受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み,
前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む
無線通信装置。
【請求項21】
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して移動体デバイスから第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダにおいて受信するステップであって,前記前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含む,ステップと,
前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介して前記コンテンツを獲得することを認証するための認証情報を生成するステップと,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を前記移動体デバイスへ送信するステップと,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスから受信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む,ステップと,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記移動体デバイスへ前記コンテンツを送信するステップとを含む,方法。
【請求項22】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記第1のサービス要求メッセージが前記信頼できるネットワークの正規の加入者によって送信されたものと指定されるように前記信頼できるネットワークにおいて修正された前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記認証情報を生成するステップは,前記認証情報を暗号化するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記第2のサービス要求メッセージから暗号化済み認証情報を取り出すサブステップと,前記認証情報を復号するサブステップとをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,前記サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のサービス要求メッセージを受信するステップは,移動体通信事業者のネットワークを介して前記第1のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のサービス要求メッセージを受信するステップは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して前記第2のサービス要求メッセージを受信するサブステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項28】
信頼できるネットワークを介して移動体デバイスから第1のサービス要求メッセージを受信し,
前記移動体デバイスがサービスプロバイダから信頼できないネットワークを介してコンテンツを獲得することを認証するための認証情報を生成し,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を前記移動体デバイスへ送信し,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスから受信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記移動体デバイスへ前記コンテンツを送信するように構成された前記サービスプロバイダを含み,
前記前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む
無線通信装置。
【請求項29】
前記第1のサービス要求メッセージは,前記第1のサービス要求メッセージが前記信頼できるネットワークの正規の加入者によって送信されたものと指定されるように前記信頼できるネットワークにおいて修正される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項30】
前記サービスプロバイダは,前記認証情報を暗号化するようにさらに構成される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項31】
前記サービスプロバイダは,前記第2のサービス要求メッセージから暗号化済み認証情報を取り出し,前記認証情報を復号するようにさらに構成される請求項30に記載の無線通信装置。
【請求項32】
前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダと所定のサービス関係があるそれぞれの信頼できるネットワークを介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項33】
前記第1のサービス要求メッセージは,移動体通信事業者のネットワークを介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項34】
前記第2のサービス要求メッセージは,ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して受信される請求項28に記載の無線通信装置。
【請求項35】
信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージをサービスプロバイダにおいて移動体デバイスから受信するための手段であって,前記前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含む,手段と,
前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介して前記コンテンツを獲得することを認証するための認証情報を生成するための手段と,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を前記移動体デバイスへ送信するための手段と,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスから受信するための手段であって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む,手段と,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記移動体デバイスへ前記コンテンツを送信するための手段とを含む装置。
【請求項36】
サービスプロバイダによって信頼できるネットワークを介して移動体デバイスから第1のサービス要求メッセージを受信させるための少なくとも1つの命令と,
コンピュータに,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介してコンテンツを獲得することを認証するための認証情報を生成させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を前記移動体デバイスへ送信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスから受信させるための少なくとも1つの命令と,
前記コンピュータに,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記移動体デバイスへ前記コンテンツを送信させるための少なくとも1つの命令とを含み,
前記前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む
コンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
信頼できるネットワークを介して移動体デバイスから第1のサービス要求メッセージを受信し,
前記移動体デバイスがサービスプロバイダから信頼できないネットワークを介してコンテンツを獲得することを認証するための認証情報を生成し,
前記信頼できるネットワークを介して前記認証情報を前記移動体デバイスへ送信し,
信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスから受信し,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記移動体デバイスへ前記コンテンツを送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み,
前記前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第1の要求を含み,
前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む
無線通信装置。」(以下,上記引用の請求項各項を,「補正後の請求項」という)に補正された。

2.補正の適否
(1)新規事項
ア.当審の判断
本件手続補正が,特許法第17条の2第3項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正が,願書に最初に添付された,明細書,特許請求の範囲,及び,図面(以下,これを「当初明細書等」という)に記載した事項の範囲内でなされたものであるかについて,以下に検討する。
補正後の請求項1に,
「前記認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証」(以下,これを「引用記載1」という),
という記載が存在し,補正後の請求項10,請求項20に,
「前記認証情報は,移動体デバイスが前記サービスプロバイダからコンテンツを信頼できないネットワークを介して獲得することを認証し」(以下,これを「引用記載2」という),
という記載が存在し,補正後の請求項18,及び,請求項19に,
「前記認証情報が,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できるネットワーク介して前記コンテンツを獲得することを認証する」(以下,これを「引用記載3」という),
という記載が存在し,補正後の請求項21,請求項28,請求項35,請求項36,及び,請求項37に,
「前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから信頼できないネットワークを介して前記コンテンツ獲得することを認証するための認証情報」(以下,これを「引用記載4」という)

という記載が存在しているが,引用記載1?引用記載4に相当する記載は,当初明細書等には,存在しない。
そこで,当初明細書等に記載の内容から,引用記載1?引用記載4が読み取れるかについて,以下に検討する。

イ.引用記載1?引用記載4について
当初明細書等には,
「【0022】
一態様において,認証は,信頼できるネットワークを介してサービスプロバイダから認証情報を取得し,次に,認証情報を用いて信頼できないネットワークを介してサービスプロバイダからサービスを受信することによって遂行され得る。」(下線は,当審にて,説明の都合上付加したものである。以下,同じ。)

という記載が存在し,同じく,当初明細書等の段落【0035】に,
「信頼できるネットワーク104によって第1の要求メッセージに埋め込まれた識別情報に基づいて,第1の要求メッセージが信頼できる加入者に属することを特定する認証コンポーネントを実行することができる」,

という記載が存在し,同じく,当初明細書等に,
「【0036】
1つまたは複数の実装によれば,修正された第1の要求メッセージを確認および認証した後,サービスプロバイダ108は,移動体デバイス102がサービスプロバイダ108のサービスにアクセスすることを許可する認証情報(例えば,認証セッション番号(authentic session number))を含むセッショントークンを生成することができる。一態様によれば,認証情報は,サービスプロバイダ108のみが後続の受信メッセージ内の認証情報を後で復号し,当該メッセージがサービスプロバイダ108によって認証されたデバイスにより受信されたものであると確認できるように,サービスプロバイダ108によって暗号化され得る。次に,サービスプロバイダ108は,セッショントークンを信頼できるネットワーク104を介して移動体デバイス102に送信することができる。
【0037】
一例によれば,セッショントークンを受信すると,移動体デバイス102は,セッショントークンを移動体デバイス102のメモリに記憶することができる。その後,移動体デバイス102は,信頼できないネットワーク106を優先することが前もって確かめられているので,全ての後続の通信を信頼できるネットワーク104ではなく信頼できないネットワーク106を介してサービスプロバイダ108に振り向けることができる。したがって,移動体デバイス102は,第2の要求メッセージを信頼できないネットワーク106を介してサービスプロバイダ108に送信することができる。第2の要求メッセージは,第1の要求メッセージのフォーマットと同様かまたは異なるフォーマットで送信され得る。第2の要求メッセージは,サービスプロバイダ108から取得されたセッショントークンからの認証情報のコピーを含み得る。認証情報は,追加的なヘッダ,追加的なデータパケット,もしくは第2の要求メッセージのフォーマットタイプ(例えば,HTTP,TCP,UDPなど)に適した任意のその他の方法のいずれかに含まれるか,または何らかのその他の好適な手段によって含まれる可能性がある。サービスプロバイダ108が第2の要求メッセージを受信するとき,サービスプロバイダ108は,第2の要求メッセージから認証情報を取り出し,認証情報を復号し,その第2の要求メッセージが許可された移動体デバイス102から送信されたものであることを特定し,要求されたサービスを信頼できないネットワーク106を介して移動体デバイス102に送ることができる。1つまたは複数の態様によれば,サービスプロバイダ108は,たとえ移動体デバイス102がその他の信頼できないネットワークを介して,および/または異なるIPアドレスから第2の要求メッセージを送信するとしても,全ての後続のセッション中,与えられた認証情報によって移動体デバイス102の認証を続けることができることに留意されたい。」

という記載が存在していて,上記に引用した段落【0035】に記載された内容,及び,段落【0036】に記載された内容から,当初明細書等において,「認証情報」とは,“第1のメッセージを送信した移動体デバイスが,信頼できる加入者の移動体デバイスであることを,認証した結果,確かに,信頼できる移動体デバイスであることを示すための情報”であることが読み取れ,上記に引用した段落【0022】,段落【0035】,及び,段落【0036】に記載された内容から,当該「認証情報」は,“移動体デバイスが,信頼できないネットワークを介して,サービスプロバイダに,サービスの提供を要求する場合に,当該サービス要求が,許可された移動体デバイス(信頼できる加入者の移動体デバイス)であることを特定し,サービスを提供するために用いられる情報”あることは,読み取れるが,上記において検討したとおり,当初明細書等における「認証」とは,“移動体デバイスが,許可された移動体デバイスであるかを認証”することであり,当初明細書等における「認証情報」とは,前記「認証」の結果として,“当該移動体デバイスが,許可されたデバイスであることが認証されている”ことを示す情報であって,当該「認証情報」自体が,“移動体デバイスが,サービスプロバイダから,コンテンツを,信頼できないネットワークを介して獲得することを認証する”という認証処理を行うものでないことは明らかであり,当該「認証情報」に含まれている情報も,上述したとおり,高々,“サービスの要求をした移動体デバイスが,認証済みのデバイスである”ことを示す情報程度であって,当初明細書等から,当該「認証情報」を用いることで,“サービスプロバイダが,認証された移動体デバイスへの,サービスの提供を許可する”ことまでは読み取れても,当該「認証情報」が,“サービスプロバイダが,移動体デバイスが,信頼できないネットワークを介して,即ち,特定の通信路を介して,サービスの提供を受けられるか否かを認証する”ための情報であることまでは,読み取ることができない。
したがって,引用記載1?引用記載4は,当初明細書等に記載されたものではない。

ウ.以上,ア.,及び,イ.において検討したとおりであるから,本件補正発明は,当初明細書等の記載の範囲内においてなされたものではない。

エ.新規事項むすび
したがって,本件手続補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(2)目的要件
ア.当審の判断
上記「(1)新規事項」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるが,
仮に,本件手続補正が,当初明細書等の範囲内でなされたものであるとして,
本件手続補正が,特許法第17条の2第5項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件手続補正が,特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,以下に検討する。

イ.上記「(1)新規事項」において指摘した,引用記載1?引用記載4は,「認証情報」の機能を説明するものであるが,上記「(1)新規事項」において検討したとおり,「認証情報」とは,“サービスプロバイダに対して,サービス要求をした移動体デバイスを認証した結果の情報”である。
したがって,引用記載1?引用記載4は,「認証情報」に新たな機能を付加するものであるから,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る)に該当しない。
また,引用記載1?引用記載4を付加することが,明瞭でない記載の釈明,誤記の訂正,及び,請求項の削除を目的としたものでないことも,明らかである。
よって,本件手続補正は,特許法17条の2第5項に規定する要件を満たしていない。

ウ.目的要件むすび
上記イ.において検討したとおりであるから,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)独立特許要件
ア.上記「(1)新規事項」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり,
仮に本件手続補正が,当初明細書等の記載の範囲内でなされたものであるとしても,
上記「(2)目的要件」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるが,
仮に,本件手続補正が,当初明細書等の記載の範囲内でなされ,目的要件を満たすものであったとして,
本件手続補正が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定を満たすものであるか否か,即ち,補正後の請求項に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,以下に検討する。

イ.補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下,これを「本件補正発明」という)は,上記「1.補正の内容」において,補正後の請求項1として引用した,次の記載内容によって特定されるものである。

「信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するとともに,前記認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証するステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダからコンテンツを受信するステップとを含む,方法。」

ウ.引用刊行物に記載の事項
(ア)原審における平成27年2月2日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という)に引用された,本願の原出願の第1国出願前に既に公知である,特開2004-140563号公報(2004年5月13日公開,以下,これを「引用刊行物」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

A.「【0007】
一般に,PHSを含む携帯電話の移動体通信網は,それぞれの携帯電話事業者独自の専用回線および通信装置により構成された上で,それら限られた事業者により管理され,携帯電話以外からのアクセスは困難であるのでセキュリティ上の安全性は比較的高い。それに対し,無線LAN等を介して接続される高速基幹ネットワークのような高速系通信システムはインターネットと同様に,パソコン等のあらゆる通信機器により公衆回線を介して容易にアクセス可能であり,比較的セキュリティ性が低いと考えられる。
【0008】
つまり,上記したような高速系と低速系の両方の無線通信システムを使用する従来の無線通信通信システムでは,個人情報等のセキュリティ性の確保が必要な情報(セキュリティ情報)が,使用者の意図に関係なく比較的セキュリティ性の低い移動端末-高速系無線基地局間の通信やインターネット通信を介して行なわれる可能性がある。つまり,個人の重要なデータやサービス提供者の重要なデータが不正アクセスやハッキング等によって漏洩してしまう危険性がある。」

B.「【0016】
本実施の形態に係る無線通信システムの動作について説明する。なお,ここでは携帯端末装置MTが,既に高速系の通信が確立されている状態を仮定し,その状態からセキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合の動作を説明する。図2,図3及び図4はそれぞれ,その場合における無線通信システム全体の通信制御動作を示すシーケンス図,携帯端末装置MTの動作を示すフローチャート,サービスサーバーSSの動作を示すフローチャートである。なお,図2において,細線の矢印は低速系の通信システムを介して送受信される信号(低速通信用信号)を表しており,太線の矢印は高速系の通信システムを介して送受信される信号(高速通信用信号)を表している。以下の説明は,基本的に図2のシーケンス図に基づいて行うが,以下の説明中にカッコ書きで示したS101?S113は図3のフローチャートにおけるステップに対応しており,S121?S126は図4のフローチャートにおけるステップに対応している。」

C.「【0021】
このときコンテンツ情報105がセキュリティ処理専用コンテンツでない通常のコンテンツの情報のような場合には,そのコンテンツに適応した再生処理を行い(S112),ユーザー操作待ち状態になる(S113)。ここでは,コンテンツ情報105はセキュリティ処理専用コンテンツの情報であり,その場合,携帯端末MTは使用する通信システム(通信回線)を低速系の回線に切り替える処理を行う(S104)。そして,携帯端末装置MTは,使用者にセキュリティ情報の入力を促し,入力されたセキュリティ情報をセキュリティ情報106として低速系通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する(S105)。低速系無線基地局CSはセキュリティ情報106を受信し,それをセキュリティ情報107として移動体通信網MCNへ送信する。セキュリティ情報107を受信した移動体通信網MCNは,それをセキュリティ情報108としてセキュリティ管理サーバーSESへと送信する。
【0022】
セキュリティ管理サーバーSESは,セキュリティ情報108を受信すると,それに基づき個人認証やクレジット番号などの取得,照合あるいは課金といったセキュリティ処理を行う。セキュリティ処理の結果,正規の処理が正常に完了した場合には,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号109を生成し,移動体通信網MCNへ送信する。なお,アクセス許可信号109には,携帯端末装置MTから送信されたセキュリティ情報の内容は含まれていない。アクセス許可信号109を受信した移動体通信網MCNは,それをアクセス許可信号110として低速系無線基地局CSへ送信される。アクセス許可信号110を受信した低速系無線基地局CSは,それをアクセス許可信号111として携帯端末装置MTに送信する。そして携帯端末装置MTは,アクセス許可信号111を受信する(S106)。
【0023】
携帯端末装置MTは,アクセス許可信号111を受信すると,そのアクセス許可信号を利用するコンテンツ(そのアクセス権が必要なコンテンツ)の位置を示す情報を要求するコンテンツ位置情報要求112をセキュリティ管理サーバーSES宛てに送信する(S107)。」

D.「【0024】
コンテンツ位置情報要求112は低速系無線基地局CSに受信され,コンテンツ位置情報要求113として移動体通信網MCNへ送信される。コンテンツ位置情報要求113を受信した移動体通信網MCNは,それをコンテンツ位置情報要求114としてセキュリティ管理サーバーSESに送信する。セキュリティ管理サーバーSESは,コンテンツ位置情報要求114を受け取ると,当該アクセス権が必要なコンテンツの位置情報として,例えばそのURL等をコンテンツ位置情報115として移動体通信網MCNへ送信する。移動体通信網MCNは,それをコンテンツ位置情報116として低速系無線基地局CSへ送信する。コンテンツ位置情報116を受信した低速系無線基地局CSは,それをコンテンツ位置情報117として携帯端末装置MTに送信する。そして携帯端末装置MTは,コンテンツ位置情報117を受信する(S108)。
【0025】
携帯端末装置MTは,コンテンツ位置情報117を受信すると,使用する通信システム(通信回線)を高速系の回線に切り替える(S109)。そして,コンテンツ位置情報117が示すコンテンツの位置および先にアクセス許可信号111で獲得した入手したアクセス権の情報を含むコンテンツ要求118を生成し,高速系の通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する(S110)。ここでも,コンテンツ要求118に含まれるアクセス権情報には,携帯端末装置MTから送信されたセキュリティ情報の内容は含まれておらず,コンテンツ要求118全体としてもセキュリティ情報は含んでいない。
【0026】
コンテンツ要求118は高速系無線基地局APで受信され,コンテンツ要求119として高速基幹ネットワークHSNに送信される。コンテンツ要求119を受信した高速基幹ネットワークHSNは,それをコンテンツ要求120としてインターネット網INETを介してサービスサーバーSSに送信する。そして,サービスサーバーSSはコンテンツ要求120を受信する(S123)。」

E.「【0027】
サービスサーバーSSはコンテンツ要求120を受信すると,コンテンツ要求120に含まれているアクセス権情報およびコンテンツ位置情報を抽出し,その対象となるコンテンツにアクセス権があるかどうか調べる(S124)。アクセス権があると判断された場合には,そのコンテンツへのアクセスを許可し,当該コンテンツ位置情報に対応したコンテンツ情報121を携帯端末装置MT宛に送信し(S125),その後は要求待ち状態になる(S126)。また,アクセス権が無いと判断された場合には,アクセス不許可であることを示すエラー信号を携帯端末装置MT宛てに送信(S127)した後,要求待ち状態になる(S126)。ここでは,アクセス権があると判断されたと仮定する。
【0028】
コンテンツへのアクセスが許可され,サービスサーバーSSから送信されたコンテンツ情報121は,インターネット網INETを介して,高速基幹ネットワークHSNに受信される。高速基幹ネットワークHSNは,それをコンテンツ情報122として高速系無線基地局APへ送信する。高速系無線基地局APに受信されたコンテンツ情報122は,コンテンツ情報123として送信され,携帯端末装置MTに受信される(S111)。それにより,携帯端末装置MTによる,アクセス権が必要なコンテンツへのアクセスが完了する。」

(イ)本願の原出願の第1国出願前に,当業者には既に公知である,特開平10-056449号公報(1998年2月24日公開,以下,これを「周知技術文献」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

F.「【0030】図1において,「A」は可搬の被認証者の端末100(被認証者の装置),「B」は「A」の利用者及びその他の利用者を認証し,商取引サービスを提供するサーバ200(認証者の装置)である。
【0031】まず,端末「A」100及びサーバ「B」200は,上述した従来技術と同様のRSA暗号系「認証手段」110及び210を備える。
【0032】更に,端末「A」100は,端末の方向,姿勢及び3次元的な運動を検出するセンサ端末自身の位置を検出して,端末の現在地を常に検出する「端末位置検出手段」120と,立体的な地図上に端末位置及び取引許可エリアを対応付けることを可能にするグラフィック・ユーザ・インタフェース機能を含む「取引許可エリア設定手段」130とを備える。
【0033】ここでの立体的な地図とは,平面的な配置に加えて,建物の上下方向のどのフロアであるかが区別できる程度の地図をいう。
【0034】また,サーバ「B」200は各ユーザのパスワード及び取引許可エリアのデータを安全に保管し,認証時に参照する「セキュリティ機能サポート手段」220(登録エリア保存手段)と,上記データに基づいて取引許可の判定を行う「利用者取引許可エリア判定手段」230(エリア判定手段)とを備える。
【0035】端末「A」100とサーバ「B」200との間は,ネットワークを介して通信を行うが,「特別な場所」においては,安全性の保証された「安全な通信路」300により通信することが可能で,その他の場所では,利便性から「安全でない通信路」310を利用するものとする。
【0036】ここでいう「安全な通信路」300とは,一般的に盗聴不可能で契約外の第三者が許可なく同一アドレスあるいは電話番号を用いて通信できない回線,あるいはオープンな回線であっても,暗号技術等のセキュリティ技術により,前記と同等の安全性が保証された回線をいう。これに対して,「安全でない通信路」310とは,専門知識と設備を有する第三者が通信データを盗むことが技術的に可能とされる回線をいう。」

G.「



エ.引用刊行物に記載の発明
(ア)上記Aの「PHSを含む携帯電話の移動体通信網は,それぞれの携帯電話事業者独自の専用回線および通信装置により構成された上で,それら限られた事業者により管理され,携帯電話以外からのアクセスは困難であるのでセキュリティ上の安全性は比較的高い」という記載,同じく,上記Aの「高速系通信システムはインターネットと同様に,パソコン等のあらゆる通信機器により公衆回線を介して容易にアクセス可能であり,比較的セキュリティ性が低い」という記載,及び,上記Bの「高速系と低速系の両方の無線通信システムを使用する従来の無線通信通信システム」という記載から,引用刊行物には,
“セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムと,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システムを使用する無線通信通信システム”
が記載されていることが読み取れる。

(イ)上記Cの「コンテンツ情報105はセキュリティ処理専用コンテンツの情報であり,その場合,携帯端末MTは使用する通信システム(通信回線)を低速系の回線に切り替える処理を行う(S104)。そして,携帯端末装置MTは,使用者にセキュリティ情報の入力を促し,入力されたセキュリティ情報をセキュリティ情報106として低速系通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する(S105)」という記載が存在し,字句どおりであれば,「セキュリティ情報106」は,「低速系通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する」と読める。
そして,同じく,上記Cの「低速系無線基地局CSはセキュリティ情報106を受信し,それをセキュリティ情報107として移動体通信網MCNへ送信する。セキュリティ情報107を受信した移動体通信網MCNは,それをセキュリティ情報108としてセキュリティ管理サーバーSESへと送信する」という記載と,引用刊行物の【図1】において,「ゲートウェイ装置GW」を介して,「移動体通信網」と,「高速基幹ネットワーク」とが,接続されている構成を考慮すると,引用刊行物が,「MCN」が,送られてきた情報の種類に応じて,「SES」に送るか,「GW」に送るかを判断する構成を含み得ることは,当業者には,明らかな事項である。(引用刊行物の【図5】の記載には,「セキュリティ情報」が,「携帯端末装置」から,「セキュリティ管理サーバー」への矢印として示されているが,単に,実際の「セキュリティ情報」の到達先が,「セキュリティ管理サーバー」であることを示すに止まり,当該「セキュリティ情報」の宛先が,「サービスサーバーSS宛て」であることを妨げるものではない。)
そうすると,上記Cの記載内容と,上記Bの「携帯端末装置MTが,既に高速系の通信が確立されている状態を仮定し,その状態からセキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合の動作を説明する」という記載から,引用刊行物においては,
“携帯端末装置MTが,セキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合に,セキュリティ情報を,低速系通信システムを使用してサービスサーバ宛てに送信する”ものであることが読み取れる。

(ウ)上記Cの「セキュリティ管理サーバーSESは,セキュリティ情報108を受信すると,それに基づき個人認証やクレジット番号などの取得,照合あるいは課金といったセキュリティ処理を行う。セキュリティ処理の結果,正規の処理が正常に完了した場合には,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号109を生成し,移動体通信網MCNへ送信する。なお,アクセス許可信号109には,携帯端末装置MTから送信されたセキュリティ情報の内容は含まれていない。アクセス許可信号109を受信した移動体通信網MCNは,それをアクセス許可信号110として低速系無線基地局CSへ送信される。アクセス許可信号110を受信した低速系無線基地局CSは,それをアクセス許可信号111として携帯端末装置MTに送信する。そして携帯端末装置MTは,アクセス許可信号111を受信する(S106)」という記載と,上記(イ)において検討した事項から,引用刊行物においては,
“携帯端末装置MTが,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号を,低速系無線システムを介して受信する”ものであることが読み取る。

(エ)上記Cの「携帯端末装置MTは,アクセス許可信号111を受信すると,そのアクセス許可信号を利用するコンテンツ(そのアクセス権が必要なコンテンツ)の位置を示す情報を要求するコンテンツ位置情報要求112をセキュリティ管理サーバーSES宛てに送信する(S107)」という記載,上記Dの「セキュリティ管理サーバーSESは,コンテンツ位置情報要求114を受け取ると,当該アクセス権が必要なコンテンツの位置情報として,例えばそのURL等をコンテンツ位置情報115として移動体通信網MCNへ送信する」という記載,及び,同じく,上記Dの「そして携帯端末装置MTは,コンテンツ位置情報117を受信する(S108)」という記載から,引用刊行物においては,
“携帯端末装置MTは,アクセス許可信号を受信すると,前記アクセス許可信号を利用するコンテンツの位置情報を要求する,コンテンツ位置情報要求を,セキュリティ管理サーバに送信し,前記コンテンツ位置情報を,前記セキュリティ管理サーバより受信する”ものであることが読み取れる。

(オ)上記Dの「携帯端末装置MTは,コンテンツ位置情報117を受信すると,使用する通信システム(通信回線)を高速系の回線に切り替える(S109)。そして,コンテンツ位置情報117が示すコンテンツの位置および先にアクセス許可信号111で獲得した入手したアクセス権の情報を含むコンテンツ要求118を生成し,高速系の通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する(S110)」という記載から,引用刊行物においては,
“携帯端末装置MTは,コンテンツ位置情報,及び,アクセス許可信号を含む,コンテンツ要求を,高速系の通信システムを使用して,サービスサーバ宛てに送信する”ものであることが読み取れる。

(カ)上記Eの「サービスサーバーSSはコンテンツ要求120を受信すると,コンテンツ要求120に含まれているアクセス権情報およびコンテンツ位置情報を抽出し,その対象となるコンテンツにアクセス権があるかどうか調べる(S124)。アクセス権があると判断された場合には,そのコンテンツへのアクセスを許可し,当該コンテンツ位置情報に対応したコンテンツ情報121を携帯端末装置MT宛に送信し(S125)」という記載,及び,同じく,上記Eの「サービスサーバーSSから送信されたコンテンツ情報121は,インターネット網INETを介して,高速基幹ネットワークHSNに受信される。高速基幹ネットワークHSNは,それをコンテンツ情報122として高速系無線基地局APへ送信する。高速系無線基地局APに受信されたコンテンツ情報122は,コンテンツ情報123として送信され,携帯端末装置MTに受信される(S111)。それにより,携帯端末装置MTによる,アクセス権が必要なコンテンツへのアクセスが完了する」という記載と上記(オ)において検討した事項から,引用刊行物においては,
“サービスサーバは,コンテンツ要求を受信すると,前記コンテンツ要求に含まれるアクセス許可信号を用いて,携帯端末装置MTが,要求されたコンテンツへのアクセス権があるかを調べ,前記携帯端末装置MTが,前記アクセス権があると判断された場合は,前記コンテンツのコンテンツ情報を,高速系の通信システムを介して,前記携帯端末装置MTに送信し,前記携帯端末装置は,前記アクセス権の必要な,前記コンテンツを,前記高速系の通信端末を介して受信する”ものであることが読み取れる。

(キ)以上,(ア)?(カ)において検討した事項から,引用刊行物には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。

「セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムと,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システムを使用する無線通信通信システムにおいて,
携帯端末装置MTが,セキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合に,セキュリティ情報を,低速系通信システムを使用してサービスサーバ宛てに送信し,
前記携帯端末装置MTが,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号を,前記低速系無線システムを介して受信し,
前記携帯端末装置MTは,前記アクセス許可信号を受信すると,前記アクセス許可信号を利用するコンテンツの位置情報を要求する,コンテンツ位置情報要求を,セキュリティ管理サーバに送信し,前記コンテンツ位置情報を,前記セキュリティ管理サーバより受信し,
前記携帯端末装置MTは,前記コンテンツ位置情報,及び,前記アクセス許可信号を含む,コンテンツ要求を,高速系の通信システムを使用して,前記サービスサーバ宛てに送信し,
前記サービスサーバは,前記コンテンツ要求を受信すると,前記コンテンツ要求に含まれるアクセス許可信号を用いて,前記携帯端末装置MTが,要求されたコンテンツへのアクセス権があるかを調べ,前記携帯端末装置MTが,前記アクセス権があると判断された場合は,前記コンテンツのコンテンツ情報を,前記高速系の通信システムを介して,前記携帯端末装置MTに送信し,前記携帯端末装置MTは,前記アクセス権の必要な,前記コンテンツを,前記高速系の通信端末を介して受信する,方法。」

オ.本件補正発明と引用発明との対比
(ア)引用発明における「セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システム」は,“信頼できる無線ネットワークシステム”を意味するものであることは,明らかであるから,本件補正発明における「信頼できるネットワーク」に相当し,
同様に,引用発明における「比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システム」は,“信頼できない無線ネットワークシステム”を意味するものであることは,明らかであるから,本件補正発明における「信頼できないネットワーク」に相当する。

(イ)引用発明における「携帯端末装置MT」が,本件補正発明における「移動体デバイス」に相当し,
引用発明における「サービスサーバ」が,本件補正発明における「サービスプロバイダ」に相当し,
引用発明において,「携帯端末装置MTが,セキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合に,セキュリティ情報を,低速系通信システムを使用してサービスサーバ宛てに送信」することは,「サービスサーバ」に対して,「アクセス権の必要なコンテンツ」を要求するために行うものであるから,「コンテンツ」,即ち,「サービス」の「要求メッセージ」を送信することに相当する。
したがって,引用発明における「携帯端末装置MTが,セキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合に,セキュリティ情報を,低速系通信システムを使用してサービスサーバ宛てに送信」することは,
本件補正発明における「信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含むステップ」に相当する。

(ウ)引用発明において,「アクセス許可信号」は,「特定のコンテンツに対するアクセス権」を内包するものであり,当該「アクセス権」を有することで,「携帯端末装置MT」が,「サービスサーバ」から,当該「アクセス権」に対応する「コンテンツ」を受信するものである。
一方,本件補正発明において,「認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証する」という構成は,上記「2.補正の適否」における「(1)新規事項」において検討したとおり,当初明細書等には,記載されていない構成ではあるが,本件補正発明における「認証情報」が,当初明細書等に記載されているような,「要求メッセージが許可された移動体デバイス102から送信されたものであることを特定し,要求されたサービスを信頼できないネットワーク106を介して移動体デバイス102に送る」(当初明細書等の段落【0037】より引用)ために用いられる情報であるとすると,
引用発明における「アクセス許可信号」と,本件補正発明における「認証情報」とは,“コンテンツの獲得することを許可するための情報”である点で共通する。
以上に検討したことから,引用発明において,「前記携帯端末装置MTが,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号を,前記低速系無線システムを介して受信」することと,
本件補正発明における「前記移動体デバイスによって,前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するとともに,前記認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証するステップ」とは,
“移動体デバイスによって,信頼できるネットワークを介して,コンテンツの獲得することを許可するための情報を獲得し,前記許可するための情報は,前記移動体デバイスが,サービスプロバイダから,コンテンツを,信頼できないネットワークを介して獲得することを許可する情報であるステップ”である点で共通する。

(エ)上記(ア)?(ウ)において検討した事項を踏まえると,
引用発明における「携帯端末装置MTは,前記コンテンツ位置情報,及び,前記アクセス許可信号を含む,コンテンツ要求を,高速系の通信システムを使用して,前記サービスサーバ宛てに送信」することと,
本件補正発明における「移動体デバイスによって,前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含むステップ」とは,
“移動体デバイスによって,信頼できないネットワークを介して,コンテンツの獲得することを許可するための情報を含む第2のサービス要求メッセージを,サービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第2の要求および前記コンテンツの獲得することを許可するための情報を含むステップ”である点で共通する。

(オ)引用発明において,「サービスサーバは,前記コンテンツ要求を受信すると,前記コンテンツ要求に含まれるアクセス許可信号を用いて,前記携帯端末装置MTが,要求されたコンテンツへのアクセス権があるかを調べ,前記携帯端末装置MTが,前記アクセス権があると判断された場合は,前記コンテンツのコンテンツ情報を,前記高速系の通信システムを介して,前記携帯端末装置MTに送信し,前記携帯端末装置MTは,前記アクセス権の必要な,前記コンテンツを,前記高速系の通信端末を介して受信する」ことは,
“携帯端末装置MTが,アクセス許可信号に基づいて,サービスプロバイダから,要求したコンテンツを受信する”ことに他ならないから,上記(ア)?(エ)において検討した事項を踏まえると,
引用発明における「携帯端末装置MTが,アクセス許可信号に基づいて,サービスプロバイダから,要求したコンテンツを受信する」ことと,
本件補正発明における「移動体デバイスによって,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダからコンテンツを受信するステップ」とは,
“移動体デバイスによって,第2のサービス要求メッセージ内のコンテンツの獲得することを許可するための情報に基づいて,信頼できないネットワークを介してサービスプロバイダからコンテンツを受信するステップ”である点で共通する。

(カ)上記(ア)?(オ)において,検討した事項を踏まえると,引用発明は,
“セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムを介して,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システムを使用する無線通信通信システム用いて,携帯端末装置MTが,サービスサーバから,コンテンツを取得することを許可するための方法”であるといえ,
一方,本願発明において,「信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証する」ことも,“移動体デバイスが,信頼できないネットワークを介して,コンテンツを取得するために認証する”ものであるから,
引用発明における“セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムを介して,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システムを使用する無線通信通信システム用いて,携帯端末装置MTが,サービスサーバから,コンテンツを取得することを許可するための方法”と,
本件補正発明における「信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法」とは,
“信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスが,サービスを受けるための認証をするための方法”である点で共通する。

(キ)以上(ア)?(カ)において検討した事項を踏まえると,本件補正発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスが,サービスを受けるための認証をするための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できるネットワークを介して,コンテンツの獲得することを許可するための情報を獲得し,前記許可するための情報は,前記移動体デバイスが,前記サービスプロバイダから,前記コンテンツを,前記信頼できないネットワークを介して獲得することを許可する情報であるステップと,
前記移動体デバイスによって,前記信頼できないネットワークを介して,前記コンテンツの獲得することを許可するための情報を含む第2のサービス要求メッセージを,前記サービスプロバイダへ送信するステップであって,前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記コンテンツの獲得することを許可するための情報を含むステップと,
前記移動体デバイスによって,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記コンテンツの獲得することを許可するための情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダから前記コンテンツを受信するステップとから成る,方法。

[相違点1]
“移動体デバイスが,サービスを受けるための認証”に関して,
本件補正発明においては,「移動体デバイスを認証する」ものであるのに対して,
引用発明においては,「携帯端末装置MT」が,「特定のコンテンツ」へ「アクセスできるか」を「許可する」ものである点。

[相違点2]
“信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップ”に関して,
本件補正発明は,「信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップ」である。
一方,引用発明においては,上記「エ.引用刊行物に記載の発明」の(イ)において,上記Cに引用の記載内容を,その字句どおりに認定し,上記「オ.本件補正発明と引用発明との対比」の(イ)において,本件補正発明との一致点として認定しているが,
仮に,引用刊行物における上記Cに引用の,
「入力されたセキュリティ情報をセキュリティ情報106として低速系通信システムを使用してサービスサーバーSS宛てに送信する」が,
“入力されたセキュリティ情報をセキュリティ情報106として低速系通信システムを使用してセキュリティ管理サーバーSES宛てに送信する”の誤記であった場合は,
引用発明においては,「第1のサービス要求メッセージ」の宛先が,「サービスサーバ」ではない点。

[相違点3]
“コンテンツの獲得することを許可するための情報”に関して,
本件補正発明においては,「移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証する」,「認証情報」であるのに対して,
引用発明においては,「特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号」である点。

カ.相違点についての当審の判断
(ア)相違点1について
本件補正発明において,「移動体デバイス」を「認証」するとは,当該「移動体デバイス」が,「サービスプロバイダ」から「サービス」を受けるために行うものである。
一方,引用発明における「アクセス許可信号」は,「携帯端末装置MT」が,「サービスサーバ」の提供する「コンテンツ」への「アクセス」を「許可」されていることを示す情報である。
ここで,上記Cに引用した,引用刊行物の段落【0022】に,「セキュリティ情報108を受信すると,それに基づき個人認証やクレジット番号などの取得,照合あるいは課金といったセキュリティ処理を行う。セキュリティ処理の結果,正規の処理が正常に完了した場合には,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号109を生成」と記載されているように,引用発明においても,「アクセス許可信号を生成」するために,「携帯端末装置MT」から受信した「セキュリティ情報」に基づいて,「個人認証」を行う態様を含んでおり,当該「個人認証」は,「携帯端末装置MT」の使用者の「個人認証」であるから,「携帯端末装置MT」を「認証」する処理であると言い得るものである。
そして,引用発明における「アクセス許可信号」は,「携帯端末装置MT」が,「比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システム」を介して,「サービスサーバ」から「コンテンツ」を受信するために,「セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システム」を介して受信するものであるから,上記において検討した,当該「アクセス許可信号」を得るための「認証」する処理は,引用発明において,“セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムを介して,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システム上で,携帯端末装置MTがサービス受けるために,当該携帯端末装置MTを認証する”処理に他ならない。
以上に検討したとおりであるから,
引用発明における“「携帯端末装置MT」が,「特定のコンテンツ」へ「アクセスできるか」を「許可する」”ことと,
本件補正発明における「移動体デバイスを認証する」こととは,表現の差はあるものの,,実質的な処理内容に,格別の差異は存在しない。
よって,[相違点1]は,格別のものではない。

(イ)相違点2について
上記「オ.本件補正発明と引用発明との対比」において指摘したように,上記Cに引用の,引用刊行物の記載内容が誤記であったとしても,“サービスを提供する機能”と,“認証の機能”とを有する“サーバ”と,“サービスの提供を受ける端末”とを,「安全でない通信路」と,「安全な通信路」で接続し,セキュリティが要求されるような,特別な場合に,「安全な通信路」を使用し,その他の場合には,「安全でない通信路」を使用するようなことは,例えば,上記F,及び,上記Gに引用した,周知技術文献に開示されているように,本願の原出願の第1国出願前に,当業者には周知の技術事項であり,引用発明においても,「セキュリティ管理サーバ」が接続されている「セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システム」と,「サービスサーバ」が接続されている「比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システム」とは,「ゲートウェイ装置」を介して接続されており,引用発明も,周知技術文献に開示の技術も,ネットワークを介した,認証,サービスの提供に関連する技術であるから,引用発明において,「セキュリティ管理サーバ」と,「サービスサーバ」とを統合した「サーバ」を,安全でない通信路」と,「安全な通信路」で接続するよう構成することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,[相違点2]は,格別のものではない。

(ウ)相違点3について
本件発明における「認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証する」という構成は,上記「オ.本件補正発明と引用発明との対比」の(ウ)において指摘したように,上記「2.補正の適否」における「(1)新規事項」において検討したとおり,当初明細書等には,記載されていない構成ではあるが,本件補正発明における「認証情報」が,当初明細書等に記載されているような,「要求メッセージが許可された移動体デバイス102から送信されたものであることを特定し,要求されたサービスを信頼できないネットワーク106を介して移動体デバイス102に送る」(当初明細書等の段落【0037】より引用)ために用いられる情報であるとすると,
本件補正発明における「認証情報」は,「移動体デバイス」の正当性を「認証」するものであるのに対して,
引用発明における「携帯端末装置MT」が,「特定のコンテンツ」に「アクセス」することを許可するための情報である。
しかしながら,上記(ア)において検討したとおり,引用発明においても,「携帯端末装置MT」の使用者の認証,即ち,「携帯端末装置MT」の認証を行っていると言えるので,引用発明における「アクセス許可信号」に含む情報,或いは,「アクセス許可信号」そのものとして,前記認証に関する情報を用いることは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,[相違点3]は,格別のものではない。

(エ)以上,(ア)?(ウ)において検討したとおり,[相違点1」?[相違点3]はいずれも格別のものではなく,そして,本件補正発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。
よって,本件補正発明は,引用発明,及び,周知技術文献に開示の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際,独立して特許を受けることができない。

キ.独立特許要件むすび
したがって,本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.補正却下むすび
上記「2.補正の適否」の「(1)新規事項」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり,
上記「2.補正の適否」の「(2)目的要件」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであり,
上記「2.補正の適否」の「(3)独立特許要件」において検討したとおり,本件手続補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
平成28年2月25日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,平成27年5月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された,上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「1.補正の内容」において,補正前の請求項1として引用した,次のとおりのものである。

「信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスを認証するための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによって送信するステップと,
前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得するステップと,
前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信するステップと,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信するステップとを含む,方法。」

第4.引用刊行物に記載の発明
上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「ウ.引用刊行物に記載の事項」において,引用刊行物として引用した,本願の原出願の第1国出願前に既に公知である,特開2004-140563号公報(2004年5月13日公開)には,上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「エ.引用刊行物に記載の発明」において認定した,次の引用発明が記載されている。

「セキュリティ上の安全性が比較的高い,低速系の無線通信システムと,比較的セキュリティ性の低い,高速系の無線通信システムを使用する無線通信通信システムにおいて,
携帯情報端末MTが,セキュリティ処理によるアクセス権が必要なコンテンツにアクセスしようとする場合に,セキュリティ情報を,低速系通信システムを使用してサービスサーバ宛てに送信し,
前記携帯情報端末MTが,特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号を,前記低速系無線システムを介して受信し,
前記携帯情報端末MTは,前記アクセス許可信号を受信すると,前記アクセス許可信号を利用するコンテンツの位置情報を要求する,コンテンツ位置情報要求を,セキュリティ管理サーバに送信し,前記コンテンツ位置情報を,前記セキュリティ管理サーバより受信し,
前記携帯情報端末MTは,前記コンテンツ位置情報,及び,前記アクセス許可信号を含む,コンテンツ要求を,高速系の通信システムを使用して,前記サービスサーバ宛てに送信し,
前記サービスサーバは,前記コンテンツ要求を受信すると,前記コンテンツ要求に含まれるアクセス許可信号を用いて,前記携帯情報端末MTが,要求されたコンテンツへのアクセス権があるかを調べ,前記携帯情報端末MTが,前記アクセス権があると判断された場合は,前記コンテンツのコンテンツ情報を,前記高速系の通信システムを介して,前記携帯情報端末MTに送信し,前記携帯情報端末MTは,前記アクセス権の必要な,前記コンテンツを,前記高速系の通信端末を介して受信する,方法。」

第5.本願発明と引用発明との対比
本願発明は,上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」において検討した本件補正発明の構成において,
「信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによってサービスプロバイダへ送信するステップ」を,
「信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによって送信するステップ」とし,
「移動体デバイスによって,前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得する」を,
「前記信頼できるネットワークを介して認証情報を獲得する」とし,
「移動体デバイスによって,前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを前記サービスプロバイダへ送信する」を,
「前記信頼できないネットワークを介して前記認証情報を含む第2のサービス要求メッセージを送信する」とし,
「移動体デバイスによって,前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスプロバイダからコンテンツを受信する」を,
「前記第2のサービス要求メッセージ内の前記認証情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介してサービスを受信する」とし,
「第1のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからのコンテンツを要求するための第1の要求を含む」という構成と,
「認証情報は,前記移動体デバイスが前記サービスプロバイダから前記コンテンツを前記信頼できないネットワークを介して獲得することを認証する」という構成と,
「前記第2のサービス要求メッセージは,前記サービスプロバイダからの前記コンテンツを要求するための第2の要求および前記認証情報とを含む」という構成を,削除したものであって,「コンテンツ」は,「サービス」の一種として受信していたことは,明らかであるから,
本願発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,

[一致点]
信頼できるネットワークを介して信頼できないネットワーク上で移動体デバイスが,サービスを受けるための認証をするための方法であって,
前記信頼できるネットワークを介して第1のサービス要求メッセージを前記移動体デバイスによって送信するステップと,
前記信頼できるネットワークを介して,コンテンツの獲得することを許可するための情報を獲得するステップと,
前記信頼できないネットワークを介して,前記コンテンツの獲得することを許可するための情報を含む第2のサービス要求メッセージを,送信するステップと,
前記第2のサービス要求メッセージ内の前記コンテンツの獲得することを許可するための情報に基づいて,前記信頼できないネットワークを介して前記サービスを受信するステップとから成る,方法。

[相違点a]
“移動体デバイスが,サービスを受けるための認証”に関して,
本願発明においては,「移動体デバイスを認証する」ものであるに対して,
引用発明においては,「携帯端末装置MT」が,「特定のコンテンツ」へ「アクセスできるか」を「許可する」ものである点。

[相違点b]
コンテンツの獲得することを許可するための情報”に関して,
本願発明においては,「移動体デバイス」を「認証」した,「認証情報」であるのに対して,
引用発明においては,「特定のコンテンツに対するアクセス権を内包するアクセス許可信号」である点。

第6.相違点についての当審の判断
1.[相違点a]について
本願発明と,引用発明との[相違点a]は,本件補正発明と,引用発明との[相違点1]と同じものであるから,上記本願発明は,上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「カ.相違点についての当審の判断」において検討したとおり,格別のものではない。

2.[相違点b]について
本願発明における「認証情報」は,「移動体デバイス]を認証した「認証情報」である点で,本件補正発明における「認証情報」と同等のものであり,当該「認証情報」については,上記「第2.平成28年2月25日付けの手続補正の却下の決定」の「2.補正の適否」における「(3)独立特許要件」の「カ.相違点についての当審の判断」の(ア),及び,(ウ)において検討したとおりであるから,
[相違点b]は,格別のものではない。
以上に検討したとおり,[相違点a],及び,[相違点b]はいずれも格別のものではなく,そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。

第7.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-12-16 
結審通知日 2016-12-19 
審決日 2017-01-11 
出願番号 特願2013-242013(P2013-242013)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04L)
P 1 8・ 121- Z (H04L)
P 1 8・ 571- Z (H04L)
P 1 8・ 561- Z (H04L)
P 1 8・ 574- Z (H04L)
P 1 8・ 573- Z (H04L)
P 1 8・ 572- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青木 重徳  
特許庁審判長 高木 進
特許庁審判官 須田 勝巳
石井 茂和
発明の名称 信頼できるネットワークを介した信頼できないネットワーク上での認証のためのデバイス、方法、および装置  
代理人 黒田 晋平  
代理人 村山 靖彦  
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