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審決分類 |
審判 査定不服 出願日、優先日、請求日 審決却下 A61G |
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管理番号 | 1328892 |
審判番号 | 不服2016-16939 |
総通号数 | 211 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-07-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-11-11 |
確定日 | 2017-06-07 |
事件の表示 | 特願2013-512243号「多層支持システム」拒絶査定不服審判事件〔平成23年12月 1日国際公開、WO2011/150215、平成25年 6月27日国内公表、特表2013-526972号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求を却下する。 |
理由 |
本件出願に対して平成28年1月6日付けで拒絶査定がなされ、その査定の謄本は平成28年1月12日に本件審判請求人である出願人の代理人に電子情報処理組織により送達されている。 その拒絶査定不服審判の請求は、特許法第121条の規定により拒絶査定の謄本の送達があった日から4月以内(職権による延長期間を含む)である平成28年5月12日までになされなければならないところ、本件審判の請求は、平成28年11月11日にされているので、明らかに上記法定期間経過後の請求である。 ここで、本件審判請求人は、平成28年11月14日付け上申書において、本件拒絶査定不服審判の請求がその請求期間内にできなかった理由を述べて、当該理由が特許法第121条第2項で規定された「その責めに帰することができない理由」に該当する旨を主張している。 より具体的には、本件拒絶査定不服審判の請求がその請求期間内にできなかったのは、本件に携わった国内代理人の事務担当補助者が、拒絶査定の報告及び以降の連絡を、出願人(請求人)の退社した英国担当者ではなく、米国管理部門宛てに発信されなければならないところ、すでに辞めた英国担当者宛てに発信してしまったことによるものである。しかしながら、本件に携わった国内代理人の事務担当補助者は2人とも少なくとも7年以上国内代理人事務所に勤務し、毎年数百件の外内出願事務に従事しており、国内代理人は20年以上このような事故を生じさせたことがないから、代理人による事務担当補助者の選任及び指導監督は適切である。また、事務担当補助者は、本件拒絶査定不服審判の請求期限の1月以上前から5通にわたるリマインダを出願人元担当者宛てに発信しており、さらに英国に直接電話をかけて審判請求の是非の指示を仰ごうとしており、十分な措置を講じているというものである。 そこで、検討するに、特許法第121条第2項に規定する「その責めに帰することができない理由」とは、天変地変その他客観的に避けることのできない事故のほか、審判請求人又はその代理人が通常なすべき注意を払っても避けることができなかったと認められる事由をいうものと解される(東京高判昭63年7月26日(昭和62年(行ケ)174号)参照)。そして、審判請求人の代理人の事務担当補助者の過失は、代理人の過失と同視すべきものであるから(東京高判昭63年7月26日(昭和62年(行ケ)174号)、知財高判平成19年12月26日(平成19年(行ケ)10271号)参照)、事務担当補助者による連絡先の錯誤という過失に起因して本件拒絶査定に対する不服審判請求をすることができる法定期間を徒過した場合には、これをもって、審判請求人又はその代理人が通常なすべき注意を払っても避けることができなかった事由とは認めることができない。 したがって、本件審判の請求は、不適法であり、補正をすることができないものであるから、特許法第135条の規定により却下すべきものである。 なお、本件審判請求人は上記平成28年11月14日付け上申書において、「国内代理人は、 a.補助者として業務の遂行に適任な者を選任しており、 b.補助者に対し的確な指導及び指示を行っており、 c.補助者に対し十分な管理・監督を行っている、ことの要件をすべて満たすものといえる。」と主張している。 上記a?cの要件は、期間徒過後の救済規定(特許法第36条の2第6項等に規定する「正当な理由」に関するもの。)について、「正当な理由」の充足性を判断する際の観点とされているものと同等のものである(「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン」(平成28年3月 特許庁)27ページ参照)。 上記事情に照らせば、本件審判請求人の上記主張は、特許法第121条第2項の「その責めに帰することができない理由」についても、上記「正当な理由」と同様に解釈して本件事案に適用すべきである、との趣旨であると理解することはできる。 しかしながら、期間徒過後の救済の点で同じであるとはいっても、特許法上、異なる要件である第121条第2項の「その責めに帰することができない理由」と第36条の2第6項等の「正当な理由」について、同様に解釈するのは合理性を欠く。よって、本件審判請求人の上記主張は、当審の判断を何ら左右するものではない。 以上により、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-12-22 |
結審通知日 | 2017-01-10 |
審決日 | 2017-01-23 |
出願番号 | 特願2013-512243(P2013-512243) |
審決分類 |
P
1
8・
03-
X
(A61G)
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最終処分 | 審決却下 |
前審関与審査官 | 岩田 洋一、金丸 治之 |
特許庁審判長 |
山口 直 |
特許庁審判官 |
平瀬 知明 長屋 陽二郎 |
発明の名称 | 多層支持システム |
代理人 | 特許業務法人北青山インターナショナル |