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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 B32B 審判 一部申し立て 2項進歩性 B32B 審判 一部申し立て 発明同一 B32B |
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管理番号 | 1332229 |
異議申立番号 | 異議2016-701085 |
総通号数 | 214 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-10-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-11-24 |
確定日 | 2017-07-27 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5922008号発明「転写フィルムおよび透明積層体、それらの製造方法、静電容量型入力装置ならびに画像表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5922008号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔18-22〕について訂正することを認める。 特許第5922008号の請求項1?11、14、16、17、20?22に係る特許を維持する。 特許第5922008号の請求項18に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第5922008号の請求項1?22に係る特許についての出願は、平成24年11月30日に特許出願され、平成28年4月22日にその特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1?11、14、16?18、20?22に係る特許について、特許異議申立人株式会社レクレアル及び浜俊彦により特許異議の申立てがされ、平成29年2月20日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年4月24日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。また、訂正を「本件訂正」という。)があったものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア.?エ.のとおりである(下線部は、訂正箇所を示す。)。 ア.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項18を削除する。 イ.訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項19に 「前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有することを特徴とする請求項18に記載の透明積層体。」とあるのを 「 透明電極パターンと、 該透明電極パターンに隣接して配置された第二の硬化性透明樹脂層と、 該第二の硬化性透明樹脂層に隣接して配置された第一の硬化性透明樹脂層とを有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.6以上であり、 前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有することを特徴とする透明積層体。」に訂正する。 (請求項19の記載を引用する請求項20?22も同様に訂正する。) ウ.訂正事項3 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項20に 「前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項18または19に記載の透明積層体。」とあるのを 「前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項19に記載の透明積層体。」に訂正する。 (請求項20の記載を引用する請求項21及び22も同様に訂正する。) エ.訂正事項4 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項21に 「請求項18?20のいずれか一項に記載の透明積層体を含むこと、を特徴とする静電容量型入力装置。」とあるのを 「請求項19または20に記載の透明積層体を含むこと、を特徴とする静電容量型入力装置。」に訂正する。 (請求項21の記載を引用する請求項22も同様に訂正する。) (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項について ア.訂正事項1について 訂正事項1は、請求項18を削除するもので、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 イ.訂正事項2について 訂正事項2は、請求項19の記載を、請求項18を引用する形式から、請求項18を引用しない独立形式にするもので、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項を引用しないものとすることを目的とするものである。 訂正事項2は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 ウ.訂正事項3、4について 訂正事項3、4は、訂正事項1で請求項18を削除したことに伴い、整合を図るために、引用する請求項から請求項18を削除するもので、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 訂正事項3、4は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)一群の請求項について 本件訂正は、訂正前の請求項18と、請求項18を直接あるいは間接に引用する請求項19?22とを対象とするものであるから、本件訂正は、請求項18?22について、一群の請求項ごとに請求されたものである。 (4)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するから、訂正後の請求項〔18?22〕について訂正を認める。 (5)補足 上記(4)のとおり、本件訂正は、実質的に請求項18の削除のみをする訂正である。そうすると、訂正請求の内容が実質的な判断に影響を与えるものではなく、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別な事情があるときといえるから、特許法第120条の5第5項ただし書の規定により、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えることなく以下審理を行った。 3.本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1?22に係る発明(以下、「本件発明1?22」という。)は、その訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?22に記載された次の事項により特定されるとおりのものであると認める。 「【請求項1】 仮支持体と、 第一の硬化性透明樹脂層と、 該第一の硬化性透明樹脂層に隣接して配置された第二の硬化性透明樹脂層とをこの順で有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする転写フィルム。 【請求項2】 前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率が、1.5?1.53であることを特徴とする、請求項1に記載の転写フィルム。 【請求項3】 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.65以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の転写フィルム。 【請求項4】 前記第二の硬化性透明樹脂層の膜厚が、500nm以下であることを特徴とする、請求項1?3のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項5】 前記第二の硬化性透明樹脂層の膜厚が、100nm以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項6】 前記第一の硬化性透明樹脂層および前記第二の硬化性透明樹脂層が透明電極パターン上に配置されることを特徴とする、請求項1?5のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項7】 前記第一の硬化性透明樹脂層が、重合性化合物および光重合性開始剤を含むことを特徴とする請求項1?6のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項8】 前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項1?7のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項9】 前記第二の硬化性透明樹脂層が、屈折率1.55以上の微粒子を含有することを特徴とする請求項1?8のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項10】 前記第二の硬化性透明樹脂層が、重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1?9のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項11】 前記第一の硬化性樹脂層および前記第二の硬化性樹脂層が、いずれも熱硬化性樹脂層であることを特徴とする、請求項1?10のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項12】 前記仮支持体と前記第一の硬化性透明樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1?11のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項13】 前記第一の硬化性透明樹脂層と前記熱可塑性樹脂層との間に、さらに中間層を含むことを特徴とする請求項12に記載の転写フィルム。 【請求項14】 仮支持体上に、 (b)重合性化合物および光重合開始剤を含む第一の硬化性透明樹脂層を形成する工程と、 (c)露光により、前記第一の硬化性透明樹脂層を硬化する工程と、 (d)硬化後の前記第一の硬化性透明樹脂層の上に直接第二の硬化性透明樹脂層を形成する工程と、 を有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が、1.6以上であることを特徴とする転写フィルムの製造方法。 【請求項15】 前記仮支持体上に前記第一の硬化性透明樹脂層を形成する前に、さらに(a)熱可塑性樹脂層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の転写フィルムの製造方法。 【請求項16】 透明電極パターン上に、 請求項1?13のいずれか一項に記載の転写フィルムの前記第二の硬化性透明樹脂層および前記第一の硬化性透明樹脂層をこの順で積層する工程を含むことを特徴とする透明積層体の製造方法。 【請求項17】 さらに、前記仮支持体を取り除く工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の透明積層体の製造方法。 【請求項18】 (削除) 【請求項19】 透明電極パターンと、 該透明電極パターンに隣接して配置された第二の硬化性透明樹脂層と、 該第二の硬化性透明樹脂層に隣接して配置された第一の硬化性透明樹脂層とを有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.6以上であり、 前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有することを特徴とする透明積層体。 【請求項20】 前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項19に記載の透明積層体。 【請求項21】 請求項19または20に記載の透明積層体を含むこと、を特徴とする静電容量型入力装置。 【請求項22】 請求項21に記載の静電容量型入力装置を構成要素として備えたことを特徴とする画像表示装置。」 4.取消理由の概要 本件訂正前の請求項1?11、14、16?18、20?22に係る特許に対して平成29年2月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。なお、特許異議申立人株式会社レクレアルによる特許異議申立書(以下、「申立書1」という。)及び特許異議申立人浜俊彦による特許異議申立書(以下、「申立書2」という。)に記載された特許異議申立理由は、すべて通知した。 1)本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2)本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3)本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 記 <刊行物等一覧> 刊行物1.特開2003-251751号公報(申立書1の甲第1号証) 刊行物2.特開2012-81663号公報(申立書1の甲第2号証) 刊行物3.特開2002-46143号公報(申立書1の甲第3号証) 刊行物4(先願発明).特許5387801号公報(申立書2の甲第1号証)(特願2012-115367号出願) 刊行物5.特開2008-65748号公報(申立書2の甲第2号証) 刊行物6.特開2010-434号公報(申立書2の甲第3号証) 刊行物7.特開2005-303076号公報(申立書2の甲第4号証) <理由1:第29条第1項第3号>及び<理由2:第29条第2項> ア.請求項1?5に係る発明に対し 本件特許の請求項1?5に係る発明は、刊行物1に記載された発明である。 本件特許の請求項1?5に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 イ.請求項6に係る発明に対し 本件特許の請求項6に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 ウ.請求項7?10に係る発明に対し 本件特許の請求項7?10に係る発明は、刊行物1に記載された発明である。 本件特許の請求項7?10に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 エ.請求項11に係る発明に対し 本件特許の請求項11に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 オ.請求項14に係る発明に対し 本件特許の請求項14に係る発明は、刊行物1に記載された発明である。 本件特許の請求項14に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 カ.請求項16、18に係る発明に対し 本件特許の請求項16、18に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 キ.請求項20?22に係る発明に対し 本件特許の請求項20?22に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び技術常識(刊行物2、3)に基いて当業者が容易に想到し得た発明である。 <理由3:第29条の2> 本件特許の請求項1?11、14、16?18、20?22に係る発明は、先願発明(刊行物4に記載された発明)と同一である。 5.刊行物の記載事項 (1)刊行物1:特開2003-251751号公報(申立書1の甲第1号証) 刊行物1には、以下の事項が記載されている。 「【請求項1】基材フィルムの一方の面に、(a)厚さ2?20μmのハードコート層を有すると共に、他方の面に、(b)屈折率が1.47?1.56の範囲にある厚さ2?20μmの電離放射線による硬化樹脂層、及び(c)金属酸化物を含む屈折率が1.65?1.72の範囲にある厚さ40?250nmの電離放射線による硬化樹脂層が順に積層されてなるハードコートフィルム。」 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコートフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、抵抗膜方式のタッチパネル用として用いられ、屈折率調整層を設けることで、ハードコート性能を低下させることなく、画像の表示性や視認性を向上させたタッチパネル用ハードコートフィルムに関するものである。」 「【0013】本発明においては、前記(b)層及び(c)層の形成は、以下に示す方法で行うのが有利である。・・・次いで、このようにして形成されたハーフキュア状態の硬化層上に、(c)層形成用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、電離放射線を十分に照射し、前記(b)層と共に完全に硬化させる。・・・」 「【0016】実施例1 (1)多官能アクリル系樹脂の混合物[荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット577」、固形分濃度100%]100重量部に、光開始剤[チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」]5重量部を添加し、さらに全体の濃度が50重量%になるようにトルエンで希釈して、(a)層形成用塗工液を調製した。次に、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡績(株)製、商品名「A4300」]の一方の面に、上記の(a)層形成用塗工液を、完全硬化後の厚さが5μmになるようにマイヤーバーNo8にて塗布したのち、これに紫外線を光量300mJ/cm^(2)で照射して、(a)層のハードコート層を形成した。 (2)多官能アクリル系樹脂の混合物[荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット577」、固形分濃度100%]100重量部に、光開始剤[チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」]2重量部を添加し、さらに全体の濃度が50重量%になるようにトルエンで希釈して、(b)層形成用塗工液を調製した。次に、前記(1)の工程で形成したハードコート層の反対側の面に、上記の(b)層形成用塗工液を、完全硬化後の厚さが5μmになるようにマイヤーバーNo8にて塗布したのち、これに紫外線を光量80mJ/cm^(2)で照射して、ハーフキュア状態に硬化させ、ハードコート層を形成した。 (3)酸化ジルコニウム含有紫外線硬化型アクリル系コート剤[JSR(株)製、商品名「デソライトKZ7252C」、酸化ジルコニウムの平均粒径70nm、固形分濃度46重量%]をイソブチルアルコールで希釈し、固形分濃度2重量%の(c)層形成用塗工液を調製した。次に、前記(2)の工程で形成したハーフキュア状態のハードコート層上に、上記の(c)層形成用塗工液を、完全硬化後の厚さが70nmになるようにマイヤーバーNo3にて塗布したのち、これに紫外線を光量500mJ/cm^(2)照射して、該ハーフキュア状態のハードコート層と共に完全硬化させ、PETフィルムの(a)層とは反対側の面に、屈折率1.53の(b)層及び屈折率1.69の(c)層を順に形成させて、目的のハードコートフィルムを作製した。このハードコートフィルムの性能を第1表に示す。また、前記(c)層上に、スパッタリングにより厚さ30nmのITO膜を形成し、このハードコートフィルムの透過b*値を測定した。この結果も第1表に示す。なお、該ITO膜の屈折率は2である。」 「【0019】表1 」 上記記載事項(特に、【0016】の実施例1)より、刊行物1には、以下の発明(以下、「刊行物1発明1」という。)が記載されている。 「ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、(a)厚さ5μmのハードコート層を有すると共に、他方の面に、(b)屈折率が1.53、厚さが5μmであり、多官能アクリル系樹脂の混合物と光開始剤とを含有する組成物を電離放射線により硬化させた硬化樹脂層、及び(c)屈折率が1.69、厚さ70nmであり、平均粒径70nmの酸化ジルコウムを含む紫外線硬化型アクリル系コート剤を電離放射線により硬化させた硬化樹脂層が順に積層されてなるハードコートフィルム。」 また、上記記載事項(特に、【0013】及び【0016】の実施例1)より、刊行物1には、以下の発明(以下、「刊行物1発明2」という。)も記載されている。 「ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、(a)ハードコート層を形成する工程と、 他方の面に、(b)多官能アクリル系樹脂の混合物と光開始剤とを含有する組成物を塗布して、ハーフキュア状態に硬化させ、屈折率が1.53、厚さが5μmの硬化樹脂層を形成する工程と、 ハーフキュア状態の(b)硬化樹脂層上に、(c)平均粒径70nmの酸化ジルコウムを含む紫外線硬化型アクリル系コート剤をコーティングして塗膜を形成させ、電離放射線を十分に照射し、前記(b)層と共に完全に硬化させ、屈折率が1.69である硬化樹脂層を形成する工程とを、を有するハードコートフィルムの製造方法。」 (2)刊行物2:特開2012-81663号公報(申立書1の甲第2号証) 刊行物2には、以下の事項が記載されている。 「【0002】 近年、液晶パネル等の表示画像に指やペンなどを用いて接触操作して、その接触位置を入力するタッチパネルが広く用いられている。 なかでも静電容量式タッチパネルは、マルチ入力(2点以上の同時位置入力)が可能という特徴を有しているため、従来の抵抗式タッチパネルに比べ、高機能タッチパネルとして普及が加速しつつある。この静電容量式タッチパネルは、指で触れた位置の静電容量変化を検出する方式であり、通常は、ガラス等の透明基板上にマトリックス状の透明導電層からなる第1パターン透明電極と第2パターン透明電極を設けた構造を有している。 【0003】 この透明導電層の形成材料としては、従来から導電性酸化物である錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide、以下、「ITO」と表記する場合がある)が使用されており、そのITOからなる透明導電層(ITO層と称す)の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の蒸着法(気相法)が広く適用されている。 ところで、静電容量式タッチパネルにおいて、蒸着法(気相法)で形成されたマトリックス状のパターン透明導電層(ITO電極)を、操作面側から見るとパターン透明導電層(ITO電極)が形成されている部分とそうでない部分が存在している。このため、パターン透明導電層(ITO電極)が形成された部分と、そうでない部分では、透明基板よりも屈折率の高いパターン透明導電層(ITO電極)に起因して、反射プロファイルや透過プロファイルに差が生じ、パターン透明導電層(ITO電極)が容易に視認されて、タッチパネルとしての商品価値を低下させるという問題があった。 【0004】 そこで、この問題(パターン透明導電層の不可視化問題)を解決する方法として、蒸着法(気相法)で形成されたパターン透明導電層(ITO電極)と透明基板の間に、屈折率が透明導電層や透明基板と異なる少なくとも1層以上からなる下地層を形成して、パターン透明導電層(ITO電極)を視認しにくくする方法(特許文献1、2参照)、あるいは、透明基板、及びその透明基板上に形成されたパターン透明導電層(ITO電極)の上に、透明導電層と屈折率が同等の高屈折率のオーバーコート層を形成して、パターン透明導電層(ITO電極)を視認しにくくする方法(特許文献3参照)が既に提案されている。」 (3)刊行物3:特開2002-46143号公報(申立書1の甲第3号証) 刊行物3には、以下の事項が記載されている。 「【0016】図1は、この発明の低反射部材の一実施例を示す断面図である。図2は、この発明の低反射部材の製造方法に用いる転写材の一実施例を示す断面図である。図3は、この発明の低反射部材の製造方法の一工程を示す断面図である。図中、1は透明基板、2は接着層、3は図柄層、4はハードコート層、5は防汚層、6は低反射部材、7は金型、8は転写材、9は基体シート、10は転写層である。 【0017】この発明の低反射部材6は、透明基板1の一方の面にハードコート層4と防汚層5とが少なくとも順に積層され、防汚層5が一般式化1で示されるシラン化合物からなるものである(図1参照)。 【0018】ハードコート層4を透明基板1の上に設けるには、転写材8を利用した成形同時転写法を用いるのが好ましい。 【0019】転写材8は、基体シート9上に、ハードコート層4などからなる転写層10を設けたものである(図2参照)。低反射部材6の透明基板1の上に形成するすべての層を成形同時転写法によって形成するのではなく、成形同時転写法によって形成するのが好適な層のみを成形同時転写法によって形成し、その他の層は別途形成するのが好ましい。特に、図柄層3およびハードコート層4は成形同時転写法によって形成するのが適している。」 「【0024】ハードコート層4は、成形同時転写後、その上に防汚層5が形成されるまでは半硬化の状態であり、未反応の縮合あるいは重合部位を多く有していることが必要である。」 (4)刊行物4(先願発明):特許5387801号公報(申立書2の甲第1号証。特願2012-115367号を優先権主張の基礎とする特願2013-522414号の特許掲載公報) 特願2012-115367号の明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された発明(以下「先願発明」という。)は、以下の発明である(特に、表2の「実施例2」参照。)。 「透明下地基板の上面から、ITO薄膜(I)、膜厚が0.1μmであり、屈折率が1.66であり、有機系薄膜(II)、膜厚が2.5μmであり、屈折率が1.52である、有機系薄膜(III)、の順に薄膜が積層されている部位を有する、基板。」 6.当審の判断 (1)理由1(29条第1項第3号) ア.本件発明1 本件発明1と刊行物1発明1と比較すると、少なくとも以下の点で相違する。 〈相違点1〉本件発明1は仮支持体を有する転写フィルムであるのに対して、刊行物1発明1は仮支持体を有さないハードコートフィルムである点。 相違点1を検討するに、本件特許明細書の段落【0016】及び【0017】の記載によれば、本件発明1の転写フィルムは、仮支持体を有するもので、【0156】の「保護フィルムを剥離した前記転写材料を用いて、ガラス製透明基板上に、透明硬化性樹脂層を熱可塑性樹脂および中間層およびPET仮支持体と共に転写したのち、PET仮支持体を剥離した。」の記載によれば、仮支持体は、剥離することを予定しているものである。これに対して、刊行物1発明1には、剥離することを予定している仮支持体はなく、ハードコートフィルムも転写フィルムとはいえない。 よって、相違点1は実質的な相違点であるから、本件発明1は、刊行物1発明1ではない。 イ.本件発明2?5、7?10 本件発明2?5、7?10は、本件発明1の発明特定事項をすべてを含みさらに限定したものであるから、上記「ア.」で述べた本件発明1と同様な理由で、刊行物1発明1ではない。 ウ.本件発明14 本件発明14と刊行物1発明2とを比較すると、少なくとも以下の点で相違する。 〈相違点2〉本件発明14は仮支持体上に樹脂層を形成する転写フィルムの製造方法であるのに対して、刊行物1発明2は仮支持体が存在しないハードコートフィルムの製造方法である点。 上記相違点1についての検討を踏まえると、相違点2は実質的な相違点であるから、本件発明14は、刊行物1発明2ではない。 (2)理由2(29条第2号) ア.本件発明1 本件発明1と刊行物1発明1と比較すると、少なくとも上記「(1)ア.」で述べた相違点1で相違する。 相違点1について検討する。 本件特許明細書の段落【0010】の記載によれば、本件発明1は、透明電極パターンが視認される問題がない透明積層体を形成することができる転写フィルムを提供することを課題とするものである。そして、当該課題を解決するために、上記相違点1に係る構成を備えるものである。 一方、刊行物1発明1は、刊行物1の段落【0003】の記載によれば、抵抗膜方式タッチパネルにおけるタッチ側プラスチック基板として用いられるハードコートフィルムであって、ハードコート性能を低下させることなく、あるいはヘイズ値や全光線透過率を損なうことなく、表示性及び視認性などを向上させ得るタッチパネル用ハードコートフィルムを提供することを課題とするものであって、このようなハードコートフィルムを転写フィルムに転用する動機付けが存在しない。 また、転写フィルム(転写材)に関する記載があるのは、刊行物1?3のうち、刊行物3のみである。刊行物3には、段落【0018】に「ハードコート層4を透明基板1の上に設けるには、転写材8を利用した成形同時転写法を用いるのが好ましい。」と記載され、段落【0024】に「ハードコート層4は、成形同時転写後、その上に防汚層5が形成されるまでは半硬化の状態であり、未反応の縮合あるいは重合部位を多く有していることが必要である。」と記載され、転写材を利用した成形同時転写法は、転写材の適用する層が完全に硬化していないことを必要としている。一方、刊行物1の段落【0013】に「本発明においては、前記(b)層及び(c)層の形成は、以下に示す方法で行うのが有利である。・・・次いで、このようにして形成されたハーフキュア状態の硬化層上に、(c)層形成用塗工液をコーティングして塗膜を形成させ、電離放射線を十分に照射し、前記(b)層と共に完全に硬化させる。」と記載されているように、刊行物1発明1のハードコートフィルムの(b)層及び(c)層は完全に硬化しているもので、刊行物3の転写材を刊行物1発明1に適用することに阻害要因がある。 そうすると、相違点1に係る事項は、刊行物1?3に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 よって、本件発明1は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ.本件発明2?11 本件発明2?11は、本件発明1の発明特定事項をすべてを含み、さらに限定したものである。 上記ア.で示したように、本件発明1は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないので、本件発明1をさらに限定した、本件発明2?11は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ.本件発明14 本件発明14と刊行物1発明2とを比較すると、少なくとも上記「(1)ウ.」で述べた相違点2で相違する。 相違点2について検討する。 相違点2は、相違点1を製造方法の観点から表したもので、相違点1の検討と同様に、刊行物1発明2の「ハードコートフィルム」を転写フィルムに転用とする動機付けが存在しない。また、同様に、刊行物3の転写材を利用した成形同時転写法を刊行物1発明2に適用することに阻害要因がある。 そうすると、相違点2に係る事項は、刊行物1?3に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 よって、本件発明14は、刊行物1発明2及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ.本件発明16、17 本件発明16、17は、本件発明1の発明特定事項をすべてを含み、さらに限定したものである。 上記「ア.」で示したように、本件発明1は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないので、本件発明1をさらに限定した、本件発明16、17は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ.本件発明20?22 本件発明20は、本件発明19の発明特定事項をすべて含み、さらに限定した限定したものである。そして、本件発明20の「前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有する」「透明積層体」は、刊行物1?3に、記載も示唆もないから、本件発明20は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明21、22は、本件発明20の発明特定事項をすべて含み、さらに限定した限定したものであるから、本件発明20と同様な理由により、本件発明21、22は、刊行物1発明1及び刊行物2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)理由3(29条の2) ア.本件発明1 本件発明1と先願発明と比較すると、本件発明1は仮支持体を有する転写フィルムであるのに対して、先願発明は仮支持体を有さない基板である点で、少なくとも相違し、当該相違点は実質的な相違点といえるものであるから、本件発明1は、先願発明ではない。 イ.本件発明2?11 本件発明2?11は、本件発明1の発明特定事項をすべてを含みさらに限定したものであるから、上記「ア.」で述べた本件発明1と同様な理由により、本件発明2?11は、先願発明ではない。 ウ.本件発明14 本件発明14と先願発明とを比較すると、上記「ア.」と同様に、本件発明14は仮支持体を有する転写フィルムに係る発明であるのに対して、先願発明は仮支持体を有さない基板に係る発明である点で、少なくとも相違し、当該相違点は実質的な相違点といえるものであるから、本件発明14は、先願発明ではない。 エ.本件発明16、17 本件発明16、17は、本件発明1の発明特定事項をすべてを含みさらに限定したものであるから、上記「ア.」で述べた本件発明1と同様な理由により、本件発明16、17は、先願発明ではない。 オ.本件発明20?22 本件発明20は、本件発明19の発明特定事項をすべて含み、さらに限定した限定したものである。そして、本件発明20と先願発明とは、「前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有する」点で相違し、当該相違点は実質的な相違点といえるものであるから、本件発明20は、先願発明ではない。 また、本件発明21、22は、本件発明20の発明特定事項をすべて含み、さらに限定した限定したものであるから、本件発明20と同様な理由により、本件発明21、22は、先願発明ではない。 7.むすび 上記6.に示したとおり、本件訂正請求により訂正された請求項1?11、14、16、17、20?22に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由によっては、取り消すことができない。 また、他に本件訂正請求により訂正された請求項1?11、14、16、17、20?22に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項18に係る特許は、本件訂正請求により、削除されたため、本件特許の請求項18に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。よって、本件発明18に係る特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであることから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 仮支持体と、 第一の硬化性透明樹脂層と、 該第一の硬化性透明樹脂層に隣接して配置された第二の硬化性透明樹脂層とをこの順で有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする転写フィルム。 【請求項2】 前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率が、1.5?1.53であることを特徴とする、請求項1に記載の転写フィルム。 【請求項3】 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.65以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の転写フィルム。 【請求項4】 前記第二の硬化性透明樹脂層の膜厚が、500nm以下であることを特徴とする、請求項1?3のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項5】 前記第二の硬化性透明樹脂層の膜厚が、100nm以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項6】 前記第一の硬化性透明樹脂層および前記第二の硬化性透明樹脂層が透明電極パターン上に配置されることを特徴とする、請求項1?5のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項7】 前記第一の硬化性透明樹脂層が、重合性化合物および光重合性開始剤を含むことを特徴とする請求項1?6のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項8】 前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項1?7のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項9】 前記第二の硬化性透明樹脂層が、屈折率1.55以上の微粒子を含有することを特徴とする請求項1?8のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項10】 前記第二の硬化性透明樹脂層が、重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1?9のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項11】 前記第一の硬化性樹脂層および前記第二の硬化性樹脂層が、いずれも熱硬化性樹脂層であることを特徴とする、請求項1?10のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項12】 前記仮支持体と前記第一の硬化性透明樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1?11のいずれか一項に記載の転写フィルム。 【請求項13】 前記第一の硬化性透明樹脂層と前記熱可塑性樹脂層との間に、さらに中間層を含むことを特徴とする請求項12に記載の転写フィルム。 【請求項14】 仮支持体上に、 (b)重合性化合物および光重合開始剤を含む第一の硬化性透明樹脂層を形成する工程と、 (c)露光により、前記第一の硬化性透明樹脂層を硬化する工程と、 (d)硬化後の前記第一の硬化性透明樹脂層の上に直接第二の硬化性透明樹脂層を形成する工程と、 を有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が、1.6以上であることを特徴とする転写フィルムの製造方法。 【請求項15】 前記仮支持体上に前記第一の硬化性透明樹脂層を形成する前に、さらに(a)熱可塑性樹脂層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の転写フィルムの製造方法。 【請求項16】 透明電極パターン上に、 請求項1?13のいずれか一項に記載の転写フィルムの前記第二の硬化性透明樹脂層および前記第一の硬化性透明樹脂層をこの順で積層する工程を含むことを特徴とする透明積層体の製造方法。 【請求項17】 さらに、前記仮支持体を取り除く工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の透明積層体の製造方法。 【請求項18】(削除) 【請求項19】 透明電極パターンと、 該透明電極パターンに隣接して配置された第二の硬化性透明樹脂層と、 該第二の硬化性透明樹脂層に隣接して配置された第一の硬化性透明樹脂層とを有し、 前記第一の硬化性透明樹脂層の膜厚が1μm以上であり、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が前記第一の硬化性透明樹脂層の屈折率よりも高く、 前記第二の硬化性透明樹脂層の屈折率が1.6以上であり、 前記透明電極パターンの前記第二の硬化性透明樹脂層が形成された側と反対側に、屈折率1.6?1.78であり膜厚が55?110nmの透明膜をさらに有することを特徴とする透明積層体。 【請求項20】 前記第一の硬化性透明樹脂層の二重結合消費率が10%以上であることを特徴とする請求項19に記載の透明積層体。 【請求項21】 請求項19または20に記載の透明積層体を含むこと、を特徴とする静電容量型入力装置。 【請求項22】 請求項21に記載の静電容量型入力装置を構成要素として備えたことを特徴とする画像表示装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-07-18 |
出願番号 | 特願2012-262982(P2012-262982) |
審決分類 |
P
1
652・
113-
YAA
(B32B)
P 1 652・ 121- YAA (B32B) P 1 652・ 161- YAA (B32B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩本 昌大 |
特許庁審判長 |
久保 克彦 |
特許庁審判官 |
蓮井 雅之 井上 茂夫 |
登録日 | 2016-04-22 |
登録番号 | 特許第5922008号(P5922008) |
権利者 | 富士フイルム株式会社 |
発明の名称 | 転写フィルムおよび透明積層体、それらの製造方法、静電容量型入力装置ならびに画像表示装置 |
代理人 | 特許業務法人特許事務所サイクス |
代理人 | 松浦 孝 |
代理人 | 特許業務法人特許事務所サイクス |