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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  H01L
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  H01L
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01L
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  H01L
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1332238
異議申立番号 異議2016-700892  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-20 
確定日 2017-08-03 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5889709号発明「太陽電池封止材および太陽電池モジュール」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5889709号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 特許第5889709号の請求項1、2及び5に係る特許を維持する。 特許第5889709号の請求項3及び4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5889709号の請求項〔1ないし5〕(以下、それぞれを「本件特許発明1」ないし「本件特許発明5」という。)に係る特許についての出願は、平成28年2月26日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人 特許業務法人朝日奈特許事務所(以下「申立人1」という。)、特許異議申立人 日本ポリエチレン株式会社(以下「申立人2」という。)及び特許異議申立人 浜俊彦(以下「申立人3」という。)より請求項〔1ないし5〕に対して特許異議の申立てがされ、平成28年12月7日付けで取消理由が通知され、平成29年3月1日付けで特許権者より意見書の提出及び訂正請求がされ、同年4月14日に申立人2より意見書が提出され、同年5月15日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、平成29年7月11日付けで特許権者より意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容(下線は、特許権者が付与したとおりであって、訂正箇所を示すものである。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(13)?1×10^(18)Ω・cmであり、」とあるのを、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmであり、」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「オレフィン系樹脂、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、環状オレフィン(共)重合体、α-オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・共役ジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン・スチレン共重合体、メタアクリル酸・スチレン共重合体から選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物からなる」とあるのを、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%であるエチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1乃至4いずれか一項に記載の太陽電池封止材により形成される」とあるのを、「請求項1または2に記載の太陽電池封止材により形成される」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無及び一群の請求項
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、請求項1において、体積固有抵抗を1.0×10^(13)?1×10^(18)Ω・cmから1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmに訂正するものであって、体積固有抵抗の範囲を減縮するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、発明特定事項である体積固有抵抗の範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。

ウ 新規事項の有無
訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本願明細書等」という。)に基づいて導き出される構成であり、本願明細書等に記載されたものであるから、当該訂正事項1は、本願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、請求項1における樹脂組成物を、訂正前の請求項4の構成を加えてエチレン・α-オレフィン共重合体に減縮し、さらにエチレン・α-オレフィン共重合体を構成するエチレンに由来する構成単位の含有割合と炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合を減縮するものであるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、発明特定事項である樹脂組成物を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。

ウ 新規事項の有無
(ア)訂正事項2に関して、本願明細書等には下記の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。)。
「【0040】
(要件a1)
エチレン・α-オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位(以下「α-オレフィン単位」とも記す)の割合は10?20mol%であり、好ましくは12?20mol%、より好ましくは12?18mol%、さらに好ましくは13?18mol%である。α-オレフィン単位の含有割合が10mol%未満であると、結晶性が高く、透明性が低下する傾向にある。さらに、低温での押出成形が困難となり、例えば130℃以上の高温での押出成形が必要となる。このため、エチレン・α-オレフィン共重合体に有機過酸化物を練り込む場合に、押出機内での架橋反応が進行してしまい、太陽電池封止材のシートにゲル状の異物が発生し、シートの外観が悪化する傾向にある。また、柔軟性が低く、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子であるセルの割れや、薄膜電極のカケなどが発生する場合がある。
【0041】
一方、α-オレフィン単位の含有割合が20mol%超であると、エチレン・α-オレフィン共重合体の結晶化速度が遅くなる。このため、押出機より押し出されたシートがベタつくため、第1冷却ロールでの剥離が困難になり、太陽電池封止材のシートを得ることが困難になり易くなる傾向にある。また、シートにベタツキが発生するのでブロッキングしてしまい、シートの繰り出し性が悪化する傾向にある。また、架橋が不十分となり、耐熱性が低下するおそれがある。」

(イ)したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に基づいて導き出される構成であり、本願明細書等に記載されたものであるから、当該訂正事項2は、本願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

(3)訂正事項3及び4
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は特許請求の範囲の請求項3を削除するものであり、訂正事項4は特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、いずれも、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3及び4は、請求項の削除であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。

ウ 新規事項の有無
訂正事項3及び4は、請求項の削除であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

(4)訂正事項5
ア 訂正の目的の適否
訂正事項5は、削除した請求項3および4を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係をそれぞれ解消し、削除した請求項3および4を引用しないものとするための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。

ウ 新規事項の有無
訂正事項5は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとする訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合する。

(5)訂正前の請求項1ないし5については、特許異議の申立てがされているため、訂正前の請求項1ないし5に係る訂正事項1ないし5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件を要しない。

(6)一群の請求項
訂正事項1ないし5に係る訂正前の請求項1ないし5は、当該訂正事項1を含む請求項1の記載を訂正前の請求項2ないし5がそれぞれ引用しているものであるから、これらに対応する訂正後の請求項〔1ないし5〕は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

3 小括
したがって、特許第5889709号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし5〕について訂正することを認める。

第3 本件訂正発明
上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1ないし5に係る発明(削除された請求項を含む。以下、それぞれを「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明5」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、
を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる太陽電池封止材であって、
JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmであり、
エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%であるエチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。
【請求項2】
シート状である請求項1に記載の太陽電池封止材。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
請求項1または2に記載の太陽電池封止材により形成される、前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、
を備えた太陽電池モジュール。」

第4 取消理由および申立て理由の概要
1 取消理由の概要
当審において平成29年5月15日付けで通知した取消理由(決定の予告。以下、単に「取消理由」という。)は、概略以下のとおりである。
なお、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明を、以下、請求項の項番に従い「本件発明1」などといい、全体をまとめて「本件発明」という。

・理由
本件発明1、2及び5は、本件特許の分割の基礎となる特許出願である特願2012-517965号(以下「原出願」という。)の最先の優先日前に日本国内または外国において頒布された下記の引用文献1または7に記載された発明に基いて、その原出願の最先の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

・引用文献1:特開2009-253130号公報(申立人1提出の甲第1号証)
・引用文献7:特表2010-504647号公報(申立人2提出の甲第7号証)

2 取消理由以外の申立て理由の概要
(1)申立人1ないし3は、上記取消理由以外に、以下の理由を申立てていた。
なお、引用文献2-1ないし6、及び、引用文献8ないし14-2は以下のとおりである。

・引用文献2-1:安田武夫、「プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果<15>」、プラスチックス、第52巻、第4号、p.158-163、2001年4月1日発行(申立人1提出の甲第2号証)
・引用文献2-2:国際公開第99/65957号(申立人1提出の甲第3号証)
・引用文献3:特開2010-275488号公報(申立人2提出の甲第3号証)
・引用文献4:「プラスチック成形加工データブック」社団法人日本塑性加工学会編 昭和63年3月25日 初版1刷発行 p.23(申立人2提出の甲第4号証)
・引用文献5:国際公開第2006/057361号(申立人2提出の甲第5号証)
・引用文献6:国際公開第2010/114028号(申立人2提出の甲第6号証)
・引用文献8:特開2011-192694号公報(申立人2提出の甲第8号証)
・引用文献9:特願2011-132908(特開2013-4646号公報)(申立人2提出の甲第9号証)
・引用文献10:コンバーテック 2002.11 株式会社加工技術研究会発行 p.32?p.40(申立人2提出の甲第10号証)
・引用文献11:JIS結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法JISC8917、平成10年2月20日改正、日本工業標準調査会審議、日本規格協会発行(申立人2提出の甲第11号証)
・引用文献12:国際公開2011/025575号及びその部分翻訳(申立人2提出の甲第12号証)
・引用文献13:特開2010-221674号公報(申立人3提出の甲第1号証)
・引用文献14-1:体積固有抵抗値測定結果報告書、株式会社ケミトックス、平成28年6月13日(申立人3提出の甲第2号証)
・引用文献14-2:株式会社プライムポリマー、エボリューの製品情報、[online]、[平成28年9月2日検索]、インターネット
〈URL:http://www.primepolymer.co.jp/product/pe/evolue.html〉(申立人3提出の甲第3号証)

(2)申立人1の特許異議の申立ての概要
ア 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人1提出の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、また、本件特許発明3及び4は、上記の申立人1提出の引用文献1に記載された発明から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

イ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人1提出の引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2-1及び引用文献2-2に記載された事項から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

ウ 本件請求項1ないし5は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号の規定を満たさない。

(3)申立人2の特許異議の申立ての概要
ア 本件特許発明1ないし5は、最先の優先日出願及び後の優先日出願に基づく優先権主張が認められない。
したがって、特許の要件(特許法第29条及び第29条の2)の判断基準日は、原出願の国際出願日である「平成23年10月7日(2011.10.7)」である。

イ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人2提出の引用文献3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものであるか、または、引用文献3に記載された発明及び上記の申立人2提出の引用文献4?7に記載された事項から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

ウ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人2提出の引用文献8に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものであるか、または、引用文献8に記載された発明及び引用文献4?7に記載された事項から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

エ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人2提出の引用文献6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものであるか、または、引用文献6に記載された発明及び引用文献4に記載された事項から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

オ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人2提出の引用文献7に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものであるか、または、引用文献7に記載された発明及び引用文献4に記載された事項から容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

カ 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人2提出の引用文献9に記載された発明であるから、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。

(4)申立人3の特許異議の申立ての概要
ア 本件特許発明1ないし5は、上記の申立人3提出の引用文献13に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものである。

イ 本件の発明の詳細な説明には不備があるから、請求項1ないし5は、特許法第36条第4項第1号の規定を満たさない。

ウ 本件の請求項1ないし5の記載には不備があるから、特許法第36条第6項第1号の規定を満たさない。

3 各引用文献に記載された発明及び記載された事項
引用文献1ないし14-2には、下記の事項が記載され、下記に示した発明ないし記載された事項が記載されていると認められる。
(1)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献1には、下記アの事項が記載され、また、下記イの発明が認められる。
ア(ア)「【請求項1】
樹脂を軟化させて密着させる樹脂封止シートにおいて、環状ダイを用いて製膜したことを特徴とする樹脂封止シート。・・・
【請求項5】
前記樹脂がエチレンモノマーと酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、又は脂肪族不飽和カルボン酸エステルのいずれかより選択される少なくとも1種類のモノマーとの共重合体、ポリエチレン系ポリマー、又はポリプロピレン系ポリマーを少なくとも1種類以上含む樹脂である、請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。・・・
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の樹脂封止シートを備えた太陽電池モジュール。」(特許請求の範囲)

(イ)「【0003】
この様に注目されている太陽電池には、いろいろな発電方式があり、代表的な発電方法としては単結晶もしくは多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものやアモルファスシリコンを用いたものや化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられるが、いずれの発電方法を用いても、かなりの長期間、屋外で風雨にさらされるため、発電部分を長期にわたって保護する目的でガラス板やバックシート等で貼り合せをしてモジュール化することによって、外部より水分の流入を防止し、発電部分の保護、漏電防止等の対策を施して、長期にわたって安定したモジュールの保護を達成している。長期間、発電部分を保護する構造は一般的に発電面には発電に必要な光源を透過する必要があるため、透明なガラスや透明樹脂を使用し、非発電面はバックシートといわれるアルミ箔、フッ化ポリビニル樹脂(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やそのシリカ等のバリアーコート加工の積層シートを使用する。モジュール化は発電部分を樹脂封止シートで挟んだ後、ガラスやバックシートでさらに外部を被覆して樹脂封止シートを高温にすることで樹脂封止シートを溶融し、すべてを一体化封止(モジュール化)する。」

(ウ)「【0038】
本発明のポリエチレン系樹脂は、従来から市販されている長鎖分岐を有するエチレンの単独重合体、又は小量のαーオレフィンで変成した共重合体を含むものを示す。また、エチレンと10重量%未満の共重合可能な以下のコモノマーと共重合した通常改質ポリエチレンとして使用されているもの、例えば酢酸ビニル基含有量10重量%未満のEVA等も含むものである。例えば、ポリエチレン系樹脂とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)、エチレン-脂肪族不飽和カルボン酸重合体、エチレン-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、αーオレフィン共重合体よりなる軟質重合体(例えば、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数が4?12のαーオレフィンから選ばれる1種、又はそれ以上のαーオレフィン又は自由な組み合わせからなる軟質の共重合体が挙げられ、そのX線法による結晶化度が一般に30%以下のもの)、等が挙げられる。エチレン-α-オレフィン系共重合体には、シングルサイト系触媒、又はマルチサイト系触媒と呼ばれる触媒を用いて重合するものが一般的であるが、その中でもシングルサイト系触媒により重合されたものが好ましい。より好ましくはエチレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー、及びオクテンコモノマーから選ばれるいずれか一つのコモノマーとの共重合体が、一般に樹脂メーカーも多く入手し易いのでより好ましい。」

(エ)「【0066】
<太陽電池発電部分隙間埋め評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cmX10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電部分(単結晶シリコンセル(厚さ250μm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートし、発電部分の単結晶シリコンセルの樹脂封止シートとの接触状況を目視にて確認した。」

イ 「太陽電池用ガラス板(発電面)と、
太陽電池用ガラス板(バックシート)と、
発電部分と、
前記発電部分を前記発電面の太陽電池用ガラス板と前記バックシートの太陽電池用ガラス板との間に封止し、かつ、前記発電部分の両面に接する樹脂封止シートと、
を備えた太陽電池モジュールを構成する前記樹脂封止シートであって、
エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィンからなる軟質の共重合体である、ポリエチレン系ポリマーを含む樹脂からなる樹脂封止シート。」(以下「引用発明1」という。)

(2-1)原出願の最先の優先日前に頒布された引用文献2-1には、下記の記載事項が認められる。
「ポリエチレンの100℃における体積固有抵抗値が、約1.5×10^(15)Ω・cmであること。」(以下「引用文献2-1に記載された事項」という。)

(2-2)原出願の最先の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2-2の特に69頁4行?70頁の表1には、下記の記載事項が認められる。
「エチレン・1-ヘキセン共重合体の90℃における体積抵抗値(Ω・cm)が4.0×10^(17)?6.0×10^(17)であること。」(以下「引用文献2-2に記載された事項」という。)

(3)原出願の最先の優先日出願の出願後であって、後の優先日出願前の出願前に頒布された刊行物である引用文献3には、下記アないしエの発明が認められる。
ア 「(構成1-1A’)太陽光が入射する側の透明な保護材と、
(構成1-1B’)他方の保護材と、
(構成1-1C’)太陽電池素子と、
(構成1-1D’)太陽光が入射する側の透明な保護材/封止材/太陽電池素子/封止材/他方の保護材の形態における封止材と、を備えた
(構成1-1E’)太陽電池モジュールを(構成する上記封止材の形成に用いられる太陽電池素子封止材であって、
(構成1-1F’)JISK6911に準拠し、温度80℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が4.32×10^(17)Ω・cmであり、
(構成1-1G’)プロピレン系熱可塑性エラストマー(プロピレンを主体として、これに他のα-オレフィンを共重合させてなるエラストマー)を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「引用発明3ア」という。)

イ 「(構成1-2A’)シート状である
(構成1-2B’)上記構成1-1A’?1-1G’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明3イ」という。)

ウ 「(構成1-3A’)樹脂組成物は、プロピレン系熱可塑性エラストマー(プロピレンを主体として、これに他のα-オレフィンを共重合させてなるエラストマー)を含む
(構成1-3B’)上記構成1-1A’?1-1G’又は1-2A’?1-2B’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明3ウ」という。)

エ 「(構成1-4A’)樹脂組成物は、プロピレン系熱可塑性エラストマー(プロピレンを主体として、これに他のα-オレフィンを共重合させてなるエラストマー)を含む
(構成1-4B’)上記構成1-1A’?1-1G、1-2A’?1-2B’、1-3A’?1-3B’に記載の太陽電池封止材。」

オ 「(構成1-5A’)太陽光が入射する側の透明な保護材と、
(構成1-5B’)他方の保護材と、
(構成1-5C’)太陽電池素子と、
(構成1-5D’)上記構成1-1A’?1-1G、1-2A’?1-2B’、1-3A’?1-3B’、1-4A’?1-4B’に記載の太陽電池封止材により形成される、太陽光が入射する側の透明な保護材/封止材/太陽電池素子/封止材/他方の保護材の形態における封止材と、
(構成1-5E’)を備えた太陽電池モジュール。」(以下「引用発明3エ」という。)

(4)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献4には、下記の記載事項が認められる。
「(1)ポリエチレン(PE)の100℃での体積抵抗率は1×10^(15)〔Ω・cm〕程度であること、
(2)1.0×10^(13)?1.0×10^(18)Ω・cmという数値範囲が、種々の高分子が0?200℃で採り得る体積抵抗値を含むものであること、
(3)様々な樹脂で、測定環境が25℃→100℃と変化すると、体積固有抵抗は、10^(1)?10^(3)程度値が下がること、」(以下「引用文献4に記載された事項」という。)

(5)原出願の最先の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献5には、下記の記載事項が認められる。
「太陽電池封止材の樹脂組成物にエチレン・α-オレフィン共重合体を用いることは周知であること。」(以下「引用文献5に記載された事項」という。)

(6)原出願の最先の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった本願出願の最先の優先日前に頒布された引用文献6には、下記の記載事項が認められ、また、下記イの発明が認められる。
ア 「太陽電池封止材の樹脂組成物にエチレン・α-オレフィン共重合体を用いることは周知であること。」(以下「引用文献6に記載された事項」という。)

イ(ア)「(構成3-1A’)上部透明保護材と、
(構成3-1B’)下部保護材と、
(構成3-1C’)太陽電池素子と、
(構成3-1D’)太陽電池素子を上記上部透明保護材と上記下部保護材との間に封止し、かつ上記太陽電池素子の両面に接する封止材と、を備えた
(構成3-1E’)太陽電池を構成する上記封止材に用いられる材料であって、
(構成3-1G’)エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「引用発明6ア」という。)

(イ)「(構成3-2A’)シート状である
(構成3-2B’)上記構成3-1A?3-1G’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明6イ」という。)

(ウ)「(構成3-3A’)樹脂組成物はエチレン・α-オレフィン共重合体を含む
(構成3-3B’)上記構成3-1A’?3-1G’、構成3-2A’?3-2B’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明6ウ」という。)

(エ)「(構成3-4A’)樹脂組成物はエチレン・α-オレフィン共重合体を含む
(構成3-4B’)上記構成3-3A’?3-3B’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明6エ」という。)

(オ)「(構成3-5A’)上部透明保護材と、
(構成3-5B’)下部保護材と、
(構成3-5C’)太陽電池素子と、
(構成3-5D’)上記構成3-1A’?3-1G’、3-2A’?3-2B’、3-3A’?3-3B’、3-4A’?3-4B’に記載の太陽電池封止材により形成される、太陽電池素子を上部透明保護材と下部保護材との間に封止する封止材と、
(構成3-5E’)を備えた太陽電池モジュール。」(以下「引用発明6オ」という。)

(7)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献7には、下記アの事項が記載され、また、下記イの発明が認められる。
ア(ア)「【0002】
技術分野
本発明は、電子装置モジュールに関する。一態様では、本発明は電子装置、例えばソーラーセルあるいは光起電力(PV)セル、および保護ポリマー材料を含む電子装置モジュールに関し、一方、別の態様では、本発明は、保護ポリマー材料が、(a)1立方センチメートル当たり約0.90グラム(g/cc)未満の密度、(b)低い弾性率、(c)約95℃未満の融点、(d)コポリマーの重量に基づいて約15から50重量パーセント(重量%)の間のα-オレフィン含量、(e)約-35℃未満のガラス転移温度(Tg)、および(f)50またはそれ以上の短鎖分枝分布指数(SCBDIまたはCDBI)のうちの少なくとも1つをもつポリオレフィンポリマーである電子装置モジュールに関する。さらに別の態様では、本発明は電子装置モジュールを作成する方法に関する。・・・
【0004】
米国特許出願公開第2001/0045229 A1号により、電子装置モジュールの構造における使用を目的とする任意のポリマー材料における多数の望ましい特性が識別される。これらの特性には、(i)特に長時間にわたる、外部環境、例えば湿度と外気への暴露から装置を保護すること、(ii)機械的衝撃から保護すること、(iii)電子装置および基板への強力な接着性、(iv)封止を含む易加工性、(v)特に光あるいは他の電磁放射線が重要な用途、例えばソーラーセルモジュールにおける優れた透明性、(vi)硬化の間のポリマーの収縮に起因する機械的応力から電子装置を保護する短い硬化時間、(vii)あるとしてもごくわずかな電気伝導度しかない高い電気抵抗、ならびに、(viii)低コスト、が含まれる。」

(イ)「【0064】
図1において、硬質PVモジュール10は、本発明の実践に用いられるポリオレフィンコポリマーを含む透明な保護層または封入剤12により包囲されているかまたは封入されている光起電力セル11を含む。ガラスカバーシート13は、PVセル11を覆って配置された透明な保護層の一部分のフロント面を覆う。バックスキンまたはバックシート14は、例えば、第2のガラスカバーシートまたは任意の種類の別の基材であり、PVセル11の裏面に配置された透明な保護層12の一部分の裏面を支持する。バックスキン層14は、その向かい合っているPVセルの面が日光に反応性でない場合、透明である必要はない。」

(ウ)「【実施例4】
【0084】
ランダムコポリマーポリエチレン系封入フィルム
ENGAGE(商標)8200 エチレン/1-オクテンランダムコポリマー(The Dow Chemical Company製)をこの実施例に使用する。その密度は0.87g/cm^(3)であり、メルトインデックスは5g/10分(標準的なASTM D1238、条件190℃/2.16kgに基づき測定)。この樹脂中には100ppmの抗酸化剤Irganox1076が存在する。官能価を加えるため、または樹脂の長期安定性を改良するために数種類の添加剤を選択する。それらはUV吸収剤Cyasorb UV531、UV安定剤Chimassorb 944 LD、抗酸化剤Tinuvin 622 LD、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、および過酸化物Luperox-101である。」

(エ)図1は次のものである。


イ(ア)「太陽電池封止材の樹脂組成物にエチレン・α-オレフィン共重合体を用いることは周知であること。」(以下「引用文献7に記載された事項」という。)

(イ)「ガラスカバーシート13と、
バックスキンまたはバックシート14と、
光起電カセル11と、
光起電カセル11を上記ガラスカバーシート13と上記バックスキンまたはバックシート14との間に封止し、かつ上記光起電カセル11の両面に接する封入剤12と、を備えた
硬質PVモジュール10を構成する上記封止剤12に用いられる材料であって、
ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「引用発明7」という。)

(ウ)「フイルムである
引用発明7の太陽電池封止材。」(以下「引用発明7イ」という。)

(エ)「ガラスカバーシート13と、
バックスキンまたはバックシート14と、
光起電カセル11と、
引用発明7または引用発明7イの太陽電池封止材により形成される、光起電カセル11をガラスカバーシート13とバックスキンまたはバックシート14との間に封止する封止剤12と、
を備えた硬質PVモジュール10。」(以下「引用発明7オ」という。)

(8)原出願の最先の優先日出願及び後の優先日出願の優先日後であって、原出願の国際出願日前に頒布された刊行物である引用文献8には、下記アの記載事項が認められ、また、下記イの発明が認められる。
ア 「太陽電池封止材において、高温環境下であっても優れた絶縁性を有することが求められていることは周知の課題であること。」(以下「引用文献8に記載された事項」という。)

イ(ア)「(構成2-1A’)表面側透明保護部材11と、
(構成2-1B’)裏面側保護部材12と、
(構成2-1C’)太陽電池用セル14と、
(構成2-1D’)太陽電池用セル14を上記表面側透明保護部材11と上記裏面側保護部材12との間に封止し、かつ上記太陽電池用セル14の両面に接する表面側封止膜13A又は裏面側封止膜13Bと、を備えた
(構成2-1E’)太陽電池を構成する上記表面側封止膜13A又は上記裏面側封止膜13Bに用いられる太陽電池用封止膜用の材料であって、
(構成2-1F’)温度60℃、印加電圧1000Vで測定される体積固有抵抗(log(Ω・cm))が15.8であり、
(構成2-1G’)エチレンー不飽和カルボン酸共重合体(EVA)を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「引用発明8ア」という。)

(イ)「(構成2-2A’)シート状である
(構成2-2B’)上記構成2-1A’?2-1G’に記載の太陽電池封止材。」(以下「引用発明8イ」という。)

(ウ)「(構成2-5A’)表面側透明保護部材11と、
(構成2-5B’)裏面側保護部材12と、
(構成2-5C’)太陽電池用セル14と、
(構成2-5D’)上記構成2-1A’?2-1G’、2-2A’?2-2B’に記載の太陽電池封止材により形成される、太陽電池用セル14を表面側透明保護部材11と裏面側保護部材12との間に封止する表面側封止膜13A又は裏面側封止膜13Bと、
(構成2-5E’)を備えた太陽電池。」(以下「引用発明8ウ」という。)

(9)原出願の最先の優先日出願及び後の優先日出願の優先日後であって、原出願の国際出願日前の他の出願であって、その国際出願後に出願公開された特願2011-132908号(以下「先願」という。特開2013-4646号公報(引用文献9)参照。)の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下「先願明細書」という。)には、図及び表とともに、下記の発明が認められる。
(ア)「(構成5-1A’)透明前面基板2と、
(構成5-1B’)裏面保護シート6と、
(構成5-1C’)太陽電池素子4と、
(構成5-1D’)太陽電池素子4を上記透明前面基板2と上記裏面保護シート6との間に封止し、かつ上記太陽電池素子4の上面に接する前面封止材層3及び上記太陽電池素子4の下面に接する背面封止材層5と、を備えた
(構成5-1E’)太陽電池モジュール1を構成する上記前面封止材層3又は上記背面封止材層5に用いられる材料であって、
(構成5-1F’)JIS-K6911に準拠した1og{体積固有抵抗(Ω・cm)}が17.0?19.0であり、
(構成5-1G’)低密度ポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE))を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「先願発明ア」という。)

(イ)「(構成5-2A’)シート状である
(構成5-2B’)上記構成5-1A’?5-1G’に記載の太陽電池封止材。」(以下「先願発明イ」という。)

(ウ)「(構成5-3A’)樹脂組成物は低密度ポリエチレン(LDPEやLLDPE)を含む
(構成5-3B’)上記構成5-1A’?5-1G’、構成5-2A’?5-2B’に記載の太陽電池封止材。」(以下「先願発明ウ」という。)

(エ)「(構成5-4A’)樹脂組成物は直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む
(構成5-4B’)上記構成5-3A’?5-3B’に記載の太陽電池封止材。」(以下「先願発明エ」という。)

(オ)「(構成5-5A’)透明前面基板2と、
(構成5-5B’)裏面保護シート6と、
(構成5-5C’)太陽電池素子4と、
(構成5-5D’)上記構成5-1A’?5-1G’、5-2A’?5-2B’、5-3A’?5-3B’、5-4A’?5-4B’に記載の太陽電池封止材により形成される、太陽電池素子4を透明前面基板2と裏面保護シート6との間に封止する前面封止材層3又は背面封止材層5と、
(構成5-5E’)を備えた太陽電池モジュール1。」(以下「先願発明オ」という。)

(10)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献10には、下記の記載事項が認められる。
「太陽電池封止材において、高温環境下であっても優れた絶縁性を有することが求められていることは周知の課題であること。」(以下「引用文献10に記載された事項」という。)

(11)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献11には、「結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法」(1頁表題)として、「附属書1(規定) 温度サイクル試験A-1」の内容が記載されている(以下「引用文献11に記載された事項」という。)。

(12)原出願の最先の優先日出願及び後の優先日出願の優先日後であって、原出願の国際出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献12には、下記の記載事項が認められる。
「太陽電池封止材において、高温環境下であっても優れた絶縁性を有することが求められていること。」(以下「引用文献12に記載された事項」という。)

(13)原出願の最先の優先日前に頒布された刊行物である引用文献13には、下記の発明が認められる。
「(要件a)透光性絶縁基板(白板ガラス)と、
(要件b)裏面絶縁基板(バックシート)と、
(要件c)太陽電池セル(多結晶シリコンセル)と、
(要件d)前記太陽電池セルを前記透光性絶縁基板と前記裏面絶縁基板との間に封止し、かつ、前記太陽電池セルの両面に接する樹脂封止シートと、
(要件e)を備えた太陽電池モジュールを構成する前記樹脂封止シートの形成に用いられる太陽電池封止材であって、
(要件g)線状低密度ポリエチレンを含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」(以下「引用発明13」という。)

(14-1)原出願国際出願後に作成された実験成績証明書である引用文献14-1には、下記の事項が認められる。
「プライムポリマー社製の商品名エボリューSP2120の、JISK6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が9.9×10^(16)Ω・cmであること。」(以下「引用文献14-1に記載された事項」という。)

(14-2)原国際出願後に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった製品「エボリュー」に関する製品情報である引用文献14-2には、下記の事項が認められる。
「製品エボリューが、エチレンとαオレフィン(ヘキセン-1)を共重合したLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)であること。」(以下「引用文献14-2に記載された事項」という。)

第5 当審の判断
1 取消理由についての検討
本件特許の請求項3及び4は本件訂正請求により削除されたので、請求項3及び4に係る特許に対する特許異議の申立ては却下する。
そして、本件訂正発明1、2及び5について以下に検討する。
(1)本件訂正発明1について
ア 本件訂正発明1と引用発明1の対比・判断
(ア)本件訂正発明1と引用発明1とを対比する。
a 引用発明1における「太陽電池用ガラス板(発電面)」、「太陽電池用ガラス板(バックシート)」、「発電部分」及び「樹脂封止シート」は、本件訂正発明1の「表面側透明保護部材」、「裏面側保護部材」、「太陽電池素子」及び「『封止層』」ないし『太陽電池封止材』」にそれぞれ相当する。

b 引用発明1の「樹脂封止シート」が、「前記発電部分を前記発電面の太陽電池用ガラス板と前記バックシートの太陽電池用ガラス板との間に封止し、かつ、前記発電部分の両面に接する樹脂封止シートと、を備えた太陽電池モジュールを構成する」ことは、本件訂正発明1の「太陽電池封止材」が、「前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる」ことに相当する。

c 引用発明1における「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィンからなる軟質の共重合体である、ポリエチレン系ポリマーを含む樹脂」は、本件訂正発明1の「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%であるエチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」と、「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」の点で一致する。

d 上記aないしcによれば、両者は
「表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、
を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる太陽電池封止材であって、
エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」
である点で一致し、下記各点で相違する。

(a)本件訂正発明1の「太陽電池封止材」は、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmであ」るのに対して、引用発明1の「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィンからなる軟質の共重合体である、ポリエチレン系ポリマーを含む樹脂からなる樹脂封止シート」は体積固有抵抗が特定されない点(以下「相違点1」という)。

(b)本件訂正発明1の「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」は、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」のに対して、引用発明1の「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィンからなる軟質の共重合体である、ポリエチレン系ポリマーを含む樹脂」はエチレンに由来する構成単位と炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が特定されない点(以下「相違点2」という)。

(イ)判断
上記相違点1及び2について検討する。
本件訂正発明1の「太陽電池封止材」は、「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」について、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」ものにおいて、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cm」となるものである。
これに対して、引用発明1の「樹脂封止シート」は、「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィン」に由来する構成単位の含有割合が特定されるものではなく、また、体積固有抵抗も特定されないものである。
そして、引用発明1において、上記相違点2に係る「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィン」に由来する構成単位の含有割合となした上で、上記相違点1に係る体積固有抵抗のものとなし得たとする証拠は、引用文献1ないし14-2には記載されておらず、また、上記相違点2に係る含有割合において上記相違点1に係る体積固有抵抗のものとなすことが設計的事項であったとする証拠もない。
さらに、引用発明1において、上記相違点2に係る「エチレンと炭素数が4?12のα-オレフィン」に由来する構成単位の含有割合となした上で、上記相違点1に係る体積固有抵抗のものとなす動機はないから、上記相違点2に係る含有割合において上記相違点1に係る体積固有抵抗のものとなすことが容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本件訂正発明1は、引用発明1に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

イ 本件訂正発明1と引用発明7の対比・判断
(ア)本件訂正発明1と引用発明7とを対比する。
a 引用発明7における「ガラスカバーシート13」、「バックスキンまたはバックシート14」、「光起電カセル11」、「『封入剤12』及び『太陽電池封止材』」は、本件訂正発明1の「表面側透明保護部材」、「裏面側保護部材」、「太陽電池素子」及び「『封止層』」ないし『太陽電池封止材』」にそれぞれ相当する。

b 引用発明7の「封止剤12に用いられる材料」が、「光起電カセル11を上記ガラスカバーシート13と上記バックスキンまたはバックシート14との間に封止し、かつ上記光起電カセル11の両面に接する封入剤12と、を備えた、硬質PVモジュール10を構成する」ことは、本件訂正発明1の「太陽電池封止材」が、「前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる」ことに相当する。

c 引用発明7における「ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)を含む樹脂組成物」は、本件訂正発明1の「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%であるエチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」と、「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」の点で一致する。

d 上記aないしcによれば、両者は
「表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、
を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる太陽電池封止材であって、
エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。」
である点で一致し、下記各点で相違する。

(a)本件訂正発明1の「太陽電池封止材」は、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmであ」るのに対して、引用発明7の「ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材」は体積固有抵抗が特定されない点(以下「相違点3」という)。

(b)本件訂正発明1の「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」は、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」のに対して、引用発明7の「ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)を含む樹脂組成物」はエチレンに由来する構成単位と炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が特定されない点(以下「相違点4」という)。

(イ)判断
上記相違点3及び4について検討する。
本件訂正発明1の「太陽電池封止材」は、「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」について、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」ものにおいて、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cm」となるものである。
これに対して、引用発明7の太陽電池封止材の「ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)」の「1-オクテンランダムコポリマー」(炭素数が4?12のα-オレフィンに含まれる)に由来する構成単位の含有割合は10?20mol%に含まれるものである。
また、その際に、エチレンに由来する構成単位の含有割合は「1-オクテンランダムコポリマー」に由来する構成単位の含有割合の残りの割合であってよいといえる。
したがって、引用発明7は、相違点4の「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」との構成と、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、1-オクテンランダムコポリマーに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」点で差異はなく、上記相違点4は格別なものとは認められない。
しかしながら、引用発明7において、「ENGAGE8200(エチレン/1-オクテンランダムコポリマー)」において、上記相違点3に係る体積固有抵抗のものとなし得たとする証拠は、引用文献1ないし14-2には記載されておらず、また、設計的事項であったとする証拠もない。
さらに、引用発明7において、上記相違点3に係る体積固有抵抗のものとなす動機はないから容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本件訂正発明1は、引用発明7に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件訂正発明2及び5について
本件訂正発明2及び5は、本件訂正発明1を引用する発明であるから、本件訂正発明2及び5は、本件訂正発明1の発明特定事項を全て含みさらに限定した発明である。
よって、本件訂正発明2及び5は、本件訂正発明1と同様に、当業者が引用発明1または引用発明7に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
よって、当審が通知した取消理由はいずれも理由がない。

2 取消理由以外の申立て理由について
(1)新規性進歩性・拡大先願について
申立人1は、上記「第4」「2」「(2)」「ア」及び「イ」に示した取消理由を申立て、申立人2は、上記「第4」「2」「(3)」「ア」の優先権が認められない旨の主張を踏まえて、上記「第4」「2」「(3)」「イ」ないし「カ」に示した取消理由を申立て、申立人3は、上記「第4」「2」「(4)」「ア」に示した取消理由を申立てていた。
しかしながら、本件訂正により、本件発明1ないし5は、それぞれ本件訂正発明1ないし5に訂正された。
そして、上記「1 取消理由についての検討」における検討のとおり、本件訂正発明1、2及び5は、「太陽電池封止材」が、「エチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物」について、「エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%である」ものにおいて、「JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cm」となるものとなし得たとする証拠は、申立人1ないし3が提出した引用文献1ないし14-2には記載されておらず、また、設計的事項であったとする証拠もなく、このような構成となす動機はないから、容易に想到し得たとはいえない。
したがって、本件訂正発明1、2及び5は、上記「第4」「2」「(2)」「ア」及び「イ」、上記「第4」「2」「(3)」「イ」ないし「カ」、及び、上記「第4」「2」「(4)」「ア」に示した取消理由によっては、その発明に係る特許は取り消すべきものであるとすることはできない。

(2)特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第1号について
ア 申立人1は、上記「第4」「2」「(2)」「ウ」に示した特許法第36条第6項第1号に基づく取消理由を申立て、申立人3は、上記「第4」「2」「(4)」「イ」及び「ウ」に示した特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第1号に基づく取消理由を申立てていた

イ これに対して、本件訂正発明1、2及び5は、上記「第2」「1」「(2) 訂正事項2」のとおりに訂正されたため、上記「ア」に係る理由は解消した。
したがって、本件訂正発明1、2及び5は、特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第1号に基づく取消事由を有するとはいえない。

(3)小括
よって、取消理由以外の申立ての理由及び証拠によっては、本件訂正発明1,2及び5に係る特許を取り消すことはできない。

第6 結び
以上のとおりであるから、取消理由及び申立ての理由によっては、本件訂正発明1,2及び5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正発明1,2及び5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件特許の請求項3及び4は、本件訂正請求により削除されたので、請求項3及び4に係る特許に対する申立てを却下する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止し、かつ、前記太陽電池素子の少なくとも片面に接する封止層と、
を備えた太陽電池モジュールを構成する前記封止層の形成に用いられる太陽電池封止材であって、
JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×10^(14)?1.0×10^(18)Ω・cmであり、
エチレンに由来する構成単位の含有割合が80?90mol%であるとともに、炭素数3?20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10?20mol%であるエチレン・α-オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなる太陽電池封止材。
【請求項2】
シート状である請求項1に記載の太陽電池封止材。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
請求項1または2に記載の太陽電池封止材により形成される、前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、
を備えた太陽電池モジュール。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-07-26 
出願番号 特願2012-104809(P2012-104809)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (H01L)
P 1 651・ 161- YAA (H01L)
P 1 651・ 536- YAA (H01L)
P 1 651・ 537- YAA (H01L)
P 1 651・ 851- YAA (H01L)
P 1 651・ 857- YAA (H01L)
P 1 651・ 113- YAA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 金高 敏康  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 伊藤 昌哉
松川 直樹
登録日 2016-02-26 
登録番号 特許第5889709号(P5889709)
権利者 三井化学株式会社 三井化学東セロ株式会社
発明の名称 太陽電池封止材および太陽電池モジュール  
代理人 速水 進治  
代理人 柳下 彰彦  
代理人 速水 進治  
代理人 速水 進治  

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