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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08L
審判 全部申し立て 発明同一  C08L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08L
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08L
管理番号 1333198
異議申立番号 異議2017-700011  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-01-05 
確定日 2017-08-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5950135号発明「位相差フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5950135号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-16〕について訂正することを認める。 特許第5950135号の請求項1ないし6、8ないし16に係る特許を維持する。 特許第5950135号の請求項7に係る特許についての申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第5950135号の請求項1ないし16に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2012年10月4日(パリ条約による優先権主張 2011年10月4日、2012年10月4日 いずれも韓国(KR))を国際出願日とする特許出願(特願2014-515779号)であって、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人 竹口美穂(以下、単に「特許異議申立人」という。)により請求項1ないし16(全請求項)に係る特許について特許異議の申立てがされ、平成29年3月14日付けで請求項1ないし6及び9ないし16に係る特許について取消理由が通知され、その指定期間内である同年6月13日付け(受理日:同年同月14日)で意見書の提出及び訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、同年同月20日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知がされたところ、特許異議申立人から意見書が提出されなかったものである。



第2 訂正の適否についての判断

1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の訂正事項(1)ないし(4)のとおりである。

訂正事項(1)
特許請求の範囲の請求項1において、
「平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用の位相差フィルムであって、
(A)(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位からなる2元共重合体と、
(B)(b)スチレン系単位及び(d)ビニルシアナイド単位からなる2元共重合体と、
を含み、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式1で示される厚さ方向位相差(R_(th))の値が-50?-250であり、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式2で示される面方向位相差(R_(in))の値が50?200であり、
[式1]R_(th)=[(n_(x)+n_(y))/2-n_(z)]×d
[式2]R_(in)=(n_(x)-n_(y))×d
ここで、n_(x)はフィルムの面方向において最も屈折率が大きい方向の屈折率、n_(y)はフィルムの面方向においてn_(x)方向の垂直方向の屈折率、n_(z)は厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さを意味する、
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」とあるのを、
「平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用の位相差フィルムであって、
(A)(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位からなる2元共重合体と、
(B)(b)スチレン系単位及び(d)ビニルシアナイド単位からなる2元共重合体と、
フェノキシ系樹脂と、
を含み、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式1で示される厚さ方向位相差(R_(th))の値が-50?-250であり、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式2で示される面方向位相差(R_(in))の値が50?200であり、
[式1]R_(th)=[(n_(x)+n_(y))/2-n_(z)]×d
[式2]R_(in)=(n_(x)-n_(y))×d
ここで、n_(x)はフィルムの面方向において最も屈折率が大きい方向の屈折率、n_(y)はフィルムの面方向においてn_(x)方向の垂直方向の屈折率、n_(z)は厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さを意味する、
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」と訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2ないし16も同様に訂正する。下線は、訂正個所であり、当審で付与した。以下同じ。)。

訂正事項(2)
特許請求の範囲の請求項7を削除する。

訂正事項(3)
特許請求の範囲の請求項8において、
「請求項7に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」とあるのを、
「請求項1から6のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」と訂正する(請求項8を直接引用する請求項16も同様に訂正する。)。

訂正事項(4)
特許請求の範囲の請求項16において、
「請求項1から15のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」とあるのを、
「請求項1から6及び8から15のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 上記訂正事項(1)の訂正は、特許請求の範囲の請求項1において、「フェノキシ樹脂」との特定を付加するもの、すなわち、あってもなくとも良い任意成分だった「フェノキシ樹脂」を必須成分とすることで、位相差フィルム中にフェノキシ樹脂を有しないものを除外するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 上記訂正事項(2)の訂正は、特許請求の範囲の請求項7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 上記訂正事項(3)の訂正は、訂正事項(1)及び(2)の訂正に伴って、引用する請求項7が削除されたことから、引用する請求項の関係を整理し、特許請求の範囲の記載の整合性を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ 上記訂正事項(4)の訂正は、訂正事項(2)の訂正に伴って、引用する請求項7を削除したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ そして、これら訂正は一群の請求項ごとに適法に請求されたものである。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし16について訂正を認める。



第3 本件発明について

本件訂正請求により訂正された請求項1ないし16に係る発明(以下、それぞれ順に「本件特許発明1」ないし「本件特許発明16」という。また、総称して「本件特許発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「【請求項1】
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用の位相差フィルムであって、
(A)(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位からなる2元共重合体と、
(B)(b)スチレン系単位及び(d)ビニルシアナイド単位からなる2元共重合体と、
フェノキシ系樹脂と、
を含み、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式1で示される厚さ方向位相差(R_(th))の値が-50?-250であり、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式2で示される面方向位相差(R_(in))の値が50?200であり、
[式1]R_(th)=[(n_(x)+n_(y))/2-n_(z)]×d
[式2]R_(in)=(n_(x)-n_(y))×d
ここで、n_(x)はフィルムの面方向において最も屈折率が大きい方向の屈折率、n_(y)はフィルムの面方向においてn_(x)方向の垂直方向の屈折率、n_(z)は厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さを意味する、
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項2】
前記(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位のアルキル部(moiety)は、メチル基またはエチル基である、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項3】
前記(b)スチレン系単位は、スチレンのベンゼン環またはビニル基がC_(1-4)アルキル及びハロゲンを含む基より選択される一つ以上の置換基で置換されたスチレンからなる群より選択される一種以上である、
請求項1または2に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項4】
前記(b)スチレン系単位は、α-メチルスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン及びp-クロロスチレンからなる群より選択される一種以上である、
請求項1または2に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項5】
前記(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環系単位は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタムからなる群より選択される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項6】
前記(d)ビニルシアナイド単位は、メタクリロニトリル及びアクリロニトリルからなる群より選択される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項7】 (削除)
【請求項8】
前記フェノキシ系樹脂は、前記位相差フィルムを構成する樹脂組成物全体100重量部に対して1?5重量部で混合される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項9】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位50?99重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位1?50重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項10】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位80?97重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位3?20重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項11】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位85?95重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位5?15重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項12】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位50?99重量部及び(d)ビニルシアナイド単位1?50重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項13】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位65?95重量部及び(d)ビニルシアナイド単位5?35重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項14】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位70?90重量部及び(d)ビニルシアナイド単位10?30重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項15】
前記(A)共重合体及び(B)共重合体が70:30?90:10の重量比で混合される、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項16】
前記位相差フィルムを構成する樹脂組成物は、コンパウンディング樹脂である、
請求項1から6及び8から15のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。」



第4 取消理由の概要

当審において平成29年3月14日付けで通知した取消理由の概要は、
請求項1ないし6、9及び12ないし16に係る発明は、本件特許の優先日前の平成23年6月9日に頒布された特開2011-112733号公報(特許異議申立人による特許異議の申立てにおける甲第1号証。以下、「甲1文献」という。)あるいは本件特許の優先日前の2009年11月19日に頒布された国際公開第2009/139353号(特許異議申立人による特許異議の申立てにおける甲第2号証。以下、「甲2文献」という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は取り消すべきものであり(以下、「取消理由1」という。)、
請求項1ないし6及び9ないし16に係る発明は、甲1文献あるいは甲2文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その特許は取り消すべきものであり(以下、「取消理由2」という。)、
請求項1ないし6及び9ないし16に係る発明は、本件特許の優先日前の特許出願であって、本件特許の優先日後に出願公開がされた特願2010-79274号(特許異議申立人による特許異議の申立てにおける甲第5号証。以下、「甲5出願」という。特開2011-209627号公報参照。)あるいは本件特許の優先日前の特許出願であって、本件特許の優先日後に出願公開がされた特願2010-213132号(特許異議申立人による特許異議の申立てにおける甲第6号証。以下、「甲6出願」という。特開2012-68430号公報参照。)の願書に最初に添付された明細書又は特許請求の範囲に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許の出願の発明者が本件特許の優先日前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許の出願日において、その出願人が本件特許の出願人と同一でもなく、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである(以下、「取消理由3」という。)、
というものである。

第5 当審の判断

1.取消理由について
本件訂正請求による訂正により、本件訂正請求後の本件特許発明1ないし6及び8ないし16は、本件訂正請求前の本件特許発明7の発明特定事項により特定されるものを含むものとなった。
そうすると、本件訂正請求前の請求項7に係る発明については、取消理由は通知されていないことから、これらの取消理由は全て解消している。
なお、特許異議申立人は、本件特許異議の申立てにおいて、本件訂正請求前の本件特許発明7及び8について、特許法第29条第1項第3号、同法同条第2項及び同法第29条の2に基づく申立てをしていない。
したがって、本件特許発明1ないし6及び8ないし16は、特許法第29条第1項第3号に該当するものではなく、かつ、同法同条第2項及び同法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものではないから、それらに係る特許は、同法第113条第2号に該当するものではなく、取り消すことはできない。

2.取消理由において採用しなかった特許異議の申立ての理由について
特許異議申立人は、特許異議の申立ての理由として、1.に加えてさらに、本件特許発明に係る特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである旨も主張する。
しかしながら、本件特許明細書の記載を検討したが、本件特許請求の範囲の記載は、特定された範囲についてまで本件特許発明に係る課題を解決することができると当業者が認識できるものといえる。
したがって、本件特許発明に係る特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではないから、同法第113条第4号に該当するものではなく、取り消すことはできない。



第6 むすび

以上のとおりであるから、取消理由に記載した理由並びに特許異議申立人による特許異議の申立ての理由及び提出した証拠によっては、本件特許発明1ないし6及び8ないし16に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許発明1ないし6及び8ないし16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件特許発明7に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許発明7に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用の位相差フィルムであって、
(A)(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位からなる2元共重合体と、
(B)(b)スチレン系単位及び(d)ビニルシアナイド単位からなる2元共重合体と、
フェノキシ系樹脂と、
を含み、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式1で示される厚さ方向位相差(R_(th))の値が-50?-250であり、
前記位相差フィルムは、550nm波長の光において下記式2で示される面方向位相差(R_(in))の値が50?200であり、
[式1]R_(th)=[(n_(x)+n_(y))/2-n_(z)]×d
[式2]R_(in)=(n_(x)-n_(y))×d
ここで、n_(x)はフィルムの面方向において最も屈折率が大きい方向の屈折率、n_(y)はフィルムの面方向においてn_(x)方向の垂直方向の屈折率、n_(z)は厚さ方向の屈折率、dはフィルムの厚さを意味する、
平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項2】
前記(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位のアルキル部(moiety)は、メチル基またはエチル基である、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項3】
前記(b)スチレン系単位は、スチレンのベンゼン環またはビニル基がC_(1-4)アルキル及びハロゲンを含む基より選択される一つ以上の置換基で置換されたスチレンからなる群より選択される一種以上である、
請求項1または2に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項4】
前記(b)スチレン系単位は、α-メチルスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン及びp-クロロスチレンからなる群より選択される一種以上である、
請求項1または2に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項5】
前記(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環系単位は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタムからなる群より選択される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項6】
前記(d)ビニルシアナイド単位は、メタクリロニトリル及びアクリロニトリルからなる群より選択される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項7】 (削除)
【請求項8】
前記フェノキシ系樹脂は、前記位相差フィルムを構成する樹脂組成物全体100重量部に対して1?5重量部で混合される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項9】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位50?99重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位1?50重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項10】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位80?97重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位3?20重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項11】
前記(A)共重合体は、(A)共重合体100重量部に対して(a)アルキル(メタ)アクリレート系単位85?95重量部及び(c)少なくとも一つのカルボニル基で置換された3?6元素ヘテロ環単位5?15重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項12】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位50?99重量部及び(d)ビニルシアナイド単位1?50重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項13】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位65?95重量部及び(d)ビニルシアナイド単位5?35重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項14】
前記(B)共重合体は、(B)共重合体100重量部に対して(b)スチレン系単位70?90重量部及び(d)ビニルシアナイド単位10?30重量部を含む、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項15】
前記(A)共重合体及び(B)共重合体が70:30?90:10の重量比で混合される、
請求項1に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
【請求項16】
前記位相差フィルムを構成する樹脂組成物は、コンパウンディング樹脂である、
請求項1から6及び8から15のいずれか一項に記載の平面内スイッチング(IPS)モードの液晶表示装置用位相差フィルム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-08-15 
出願番号 特願2014-515779(P2014-515779)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C08L)
P 1 651・ 161- YAA (C08L)
P 1 651・ 113- YAA (C08L)
P 1 651・ 121- YAA (C08L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松元 洋  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 堀 洋樹
小野寺 務
登録日 2016-06-17 
登録番号 特許第5950135号(P5950135)
権利者 エルジー・ケム・リミテッド
発明の名称 位相差フィルム  
代理人 龍華国際特許業務法人  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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