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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1334115 |
審判番号 | 不服2017-1816 |
総通号数 | 216 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-02-07 |
確定日 | 2017-11-02 |
事件の表示 | 特願2015- 96532「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月15日出願公開、特開2015-180261〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成25年10月25日に出願した特願2013-221982号の一部を平成27年5月11日に新たな特許出願としたものであって、平成28年12月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成29年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、本願出願時の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものであると認められる(記号A?Mは、分説するため当審で付した。)。 「A 収納手段に収納された遊技用記録媒体に記録された情報に基づいて遊技を行うことが可能な遊技機であって、 B 遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、 C 前記特別遊技判定手段の判定結果に対応する特別図柄を表示可能であり、前記特別遊技判定手段の抽選1回毎に前記特別図柄の変動表示と停止を行う特別図柄表示手段と、 D 前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 E 遊技者に対して前記遊技用記録媒体の取り忘れを注意する注意表示を行う注意表示手段と、 F 遊技媒体の遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口および第2始動口と、 G 前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉塞状態とに作動し得る特別入賞口と、 H1 前記第2始動口に遊技球が入球し難い非特定遊技状態または H2 前記第2始動口に遊技球が入球し易い特定遊技状態にて遊技を進行させる遊技進行手段と、を備え、 I 前記特別遊技判定手段は、前記第1始動口または前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技を行うか否かを判定し、 J1 前記特別遊技実行手段は、 前記特別遊技として、前記特別入賞口を開放させることにより、該特別入賞口への遊技球の入球を可能とするラウンド遊技が複数回実行される開放特別遊技であって、前記ラウンド遊技における前記特別入賞口の総開放時間が所定時間に設定される第1の開放特別遊技、または、 J2 前記総開放時間が前記所定時間よりも短い時間に設定される第2の開放特別遊技、を制御可能な特別遊技制御手段を備え、 K1 前記特別遊技制御手段は、前記非特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第1始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、第1の期間にわたるエンディング動作を制御し、 K2 前記特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたるエンディング動作を制御し、 L1 前記注意表示手段は、 前記第1の開放特別遊技が制御されたとき、前記収納手段に前記遊技用記録媒体が収納されているか否かに関係なく、前記第1の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行い、前記第2の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行わず、 L2 前記第2の開放特別遊技が制御されたとき、前記注意表示を行わないことを特徴とする M 遊技機。」 3.先願明細書等及びその記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の原出願の日前の他の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特願2013-151693号(特開2015-19934号公報を参照。以下、「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【請求項1】 所定の始動条件の成立を契機に所定の特別遊技に当選したか否か、及び前記特別遊技後に遊技者に有利な特定遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段による判定結果に基づいて前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 前記判定手段による判定結果に基づいて遊技状態を前記特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、を備え、 該遊技状態設定手段によって遊技状態が前記特定遊技状態に設定されていない状態で前記判定手段によって前記特別遊技後に前記特定遊技状態に移行すると判定された場合、前記特別遊技実行手段による当該特別遊技の開始後に外部装置に挿入された遊技媒体の取り忘れに遊技者の注意を喚起するための注意喚起演出を演出手段に実行させる制御を行うことが可能であることを特徴とする遊技機。」 (イ)「【0004】 しかしながら、特許文献2に記載されるプリペイドカード取り忘れ対策では、遊技者が遊技を中断して離席するときにのみカードの取り忘れを報知することが出来た。また、球供給皿内に遊技球がなく、発射ボリュームがゼロの場合に行うため、本来、プリペイドカードの取り忘れが起こりやすいと想定される状況で、カード取り忘れ対策がなされているとは言えない。 上記の現状を鑑みて、本発明は、遊技者がプリペイドカードを挿入していることを失念しやすい、遊技中のより適切なタイミングで報知を行うことにより、より効果的にプリペイドカードの取り忘れを防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。」 (ウ)「【0010】 遊技機1の左側には、外部装置である遊技媒体貸出装置(以下、カードサンド)1Aが隣接して配置されている(図3参照)。 この遊技球貸出装置1Aには、プリペイドカード等の遊技用カードを挿入するためのカード挿入口100が設けられている。このカード挿入口100に遊技用カードが挿入されると、この遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、その引き落とし金額に応じた遊技媒体(遊技球)を貸し出す。 また、カード挿入口100に遊技用カードを挿入した後は、遊技球の貸出、カードの排出に係る操作の全てを遊技機1側で行うことが出来るようになっている。このため、遊技機1には、上記した購入ボタン280、返却ボタン281が設けられている。 また、遊技機1は、遊技球受皿部内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きホタン282、遊技用カードの金額に応じた度数が表示される残度数表示部283等を備えている。 なお、本実施形態はパチスロ機にも適用可能であり、その場合、遊技媒体はコインである。 【0011】 音声出力装置312は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置313a、313bは、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。 さらに、ガラス枠310の下側には、受皿ユニット315が設けられている。受皿ユニット315には、複数の遊技球を貯留する球皿部が設けられており、この球皿部は、操作ハンドル311の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。そして、遊技者が操作ハンドル311を回動させると、遊技球が遊技領域3に発射されることとなる。 上記のようにして発射された遊技球がレール5a、5b間を上昇して球戻り防止片5cを超えると、遊技領域3に到達し、その後、遊技領域3内を落下する。このとき、遊技領域3に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。 【0012】 次に、遊技盤2の遊技領域3の構成について説明する。 図1、図2において、遊技領域3の中央には開口部3Aが形成されており、開口部3Aの周縁に沿って遊技球の流下に影響を与える飾り部材6が設けられている。この飾り部材6の略中央部分(開放部)であって遊技盤2の背面側には、液晶表示装置等からなる画像表示装置7が設けられている。 また、遊技領域3の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口13及び第2始動口14が設けられている。 第2始動口14は、第2始動口開閉扉14bを有しており、第2始動口開閉扉14bが閉状態に維持される第1の態様と、第2始動口開閉扉14bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口14は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。 【0013】 ここで、第1始動口13には遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ13a(図3参照)が設けられ、第2始動口14には遊技球の入球を検出する第2始動口スイッチ14a(図3参照)が設けられている。そして、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aが遊技球の入球を検出すると、後述する特別図柄判定用乱数値等を取得し、大当たり遊技や小当たり遊技といった特別遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「特別遊技抽選」という)が行われる。また、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aが遊技球の入球を検出した場合には、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。なお、本実施形態の遊技機1では、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球した場合、例えば3個程度の払い出しを行うようにしているが、始動口への遊技球の入球に伴う賞球は必ずしも行う必要は無い。 さらに飾り部材6の右側の領域には、ゲート15、大入賞領域である第1大入賞口16及び第2大入賞口17が設けられている。 このため、ゲート15、第1大入賞口16及び第2大入賞口17には、操作ハンドル311を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、遊技球が通過または入賞しないように構成されている。 【0014】 ゲート15には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ15a(図3参照)が設けられており、ゲートスイッチ15aが遊技球の通過を検出すると、補助図柄判定用乱数値を取得し、後述する「補助図柄の当たり抽選」が行われる。 第1大入賞口16は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。第1大入賞口16の下部には、遊技盤面側からガラス板側(前面側)に突出可能な第1大入賞口開閉扉16bが設けられており、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第1大入賞口開閉扉16bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。 【0015】 第2大入賞口17は、通常、第2大入賞口開閉扉(可動片)17bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、所定の特別遊技が開始されると、第2大入賞口開閉扉17bが開放されるとともに、第2大入賞口開閉扉17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口スイッチ17a(図3参照)が設けられており、第2大入賞口スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。 さらに遊技領域3の最下部の領域には、一般入賞口18、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口16及び第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が設けられている。 一般入賞口18に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。 【0016】 遊技盤2の左下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、補助図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、補助図柄保留表示器25等の表示領域9が設けられている。 上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口13に遊技球が入球したことを契機として行われた特別遊技抽選の結果と、特別遊技抽選の結果が大当たりの場合は大当たりのラウンド回数を報知するものである。第2特別図柄表示装置21は、第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた特別遊技抽選の結果と、特別遊技抽選の結果が大当たりの場合は大当たりのラウンド回数を報知するためのものである。 【0017】 ここで、「特別遊技抽選」とは、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、あるいは「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。特別遊技抽選の結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21において特別図柄用の複数のLEDが点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、特別遊技抽選の結果に対応する組み合わせでLEDを停止表示させて、遊技者に抽選結果と大当たりの場合は大当たりラウンド回数を報知するようにしている。なお、特別図柄判定用乱数値については後述する。」 (エ)「【0029】<主制御基板> 次に、本実施形態の遊技機1の主制御基板である遊技制御基板211が実行する各種動作について説明する。 図4は、遊技機1の遊技制御基板211において取得される各種乱数の説明図であり、(a)は特別図柄判定用乱数、(b)は大当たり図柄判定用乱数、(c)はリーチ判定用乱数、(d)は補助図柄判定用乱数の一例をそれぞれ示した図である。 遊技制御基板211では、図4(a)に示す特別図柄判定用乱数と図4(b)に示す大当たり図柄判定用乱数とにより特別図柄が決定される。また、図4(d)に示す補助図柄判定用乱数により補助図柄が決定される。 ・・・ 【0031】 次に、図4(b)に示す大当たり図柄判定用乱数は、「0」?「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて、複数種類の大当たりの中から何れか1つの大当たりを決定する。 本実施形態では、複数種類の大当たりとして、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりが用意されている。 なお、時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入賞し易い遊技状態をいう。即ち、後述する所定条件が成立したときに第2始動口14の第2始動口開閉扉14bを遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化させることにより、第2始動口14への遊技球の入球確率を高めた第2始動口開閉扉14bの開放サポートを伴う遊技状態をいう。」 (オ)「【0034】 また、本実施形態の遊技機1では、第1始動口13に遊技球が入球した場合と第2始動口14に遊技球が入球した場合とでは、一部の種類の大当たりについては選択される割合が異なるように構成されている。 例えば、通常時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と第2始動口14に遊技球が入賞した場合のいずれも35/250で同一とされる。・・・ 【0035】 一方、高確率時短付き長当たり及び高確率時短付き短当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と、第2始動口14に遊技球が入賞した場合で異なり、例えば高確率時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合は25/250、第2始動口14に遊技球が入賞した場合は175/250とされる。」 (カ)「【0040】 次に、上記タイマ割込処理として実行される各種処理について説明する。 [始動口SW処理] 図6は、遊技制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。 この場合、CPU212は、ステップS101において、第1始動口13の第1始動口SW13aがオンであるか否かの判定を行い、第1始動口SW13aがオンであると判定した場合は、ステップS102において、第1始動口SW13aの保留個数U1が「4」より少ないか否かの判定を行う。 ここで、保留個数U1が「4」より少ないと判定した場合は、ステップS103において、保留個数U1に「1」を加算する。この後、ステップS104において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。 なお、本実施形態では、変動パターン乱数値が180個(0?179)用意されているものとする。 ・・・ 【0042】 次に、CPU212は、ステップS106において、第2始動口14の第2始動口SW14aがオンであるか否かの判定を行い、第2始動口SW14aがオンであると判定した場合は、ステップS107において、第2始動口SW14aの保留個数U2が「4」より少ないか否かの判定を行う。 ここで、保留個数U2が「4」より少ないと判定した場合は、ステップS108において、保留個数U2に「1」を加算する。この後、ステップS109において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。」 (キ)「【0045】[特別図柄処理] 図8は、遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、ステップS131において、特別遊技フラグがONであるか否か、つまり大当たり遊技中または小当たり遊技中であるか否かの判定を行い、大当たり遊技中または小当たり遊技中でないと判定した場合は、続くステップS132において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄が変動中であるか否かの判定を行う。 ステップS132において、特別図柄が変動中でないと判定した場合は、次にステップS133において、優先的に消化する第2始動口SW14aの保留個数U2が「1」より多いか否かの判定を行い、ステップS133において、保留個数U2が「1」より多いと判定した場合は、ステップS134において、保留個数U2を「1」減算する。 【0046】 一方、ステップS133において、保留個数U2が≧1でないと判定した場合、つまり保留個数U2が「0」である場合は、次にステップS135において、第1始動口SW13aの保留個数U1が「1」より多いか否かの判定を行い、ステップS135において、保留個数U1が「1」より多いと判定した場合は、続くステップS136において、保留個数U1を「1」減算する。 【0047】 次に、CPU212は、ステップS137において、客待ちフラグがONであればOFFにした後、ステップS138において、後述する特別遊技判定処理を実行する。ステップS138における特別遊技判定処理実行後は、ステップS139において、後述する変動パターン選択処理を実行する。ステップS139における変動パターン選択処理実行後は、ステップS140において、対応する第1特別図柄表示装置20、または第2特別図柄表示装置21の図柄変動を開始させると共に、続くステップS141において、演出制御基板221に送信する変動開始コマンドをセットする。 変動開始コマンドには、特別図柄の変動時間を示した変動パターンコマンド、大当たり抽選の抽選結果を示す大当たりまたは小当たりコマンド、大当たり図柄の抽選結果を示す大当たり図柄コマンド、リーチ抽選の抽選結果を示すリーチコマンド、現在の遊技状態に関する遊技状態コマンド等が含まれる。 【0048】 次に、CPU212は、ステップS142において、第1または第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。 ステップS142において、所定の変動時間を経過したと判定した場合は、続くステップS143において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動を停止して所定特別図柄を表示させる。 この後、ステップS144において、変動停止コマンドをセットし、続くステップS145において、後述する停止中処理を実行して特別図柄処理を終了する。」 (ク)「【0050】[特別遊技判定処理] 図9は、遊技制御基板のCPUが実行する特別遊技判定処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、ステップS151において、RAM214に記憶された特別図柄判定用乱数値の判定を行い、続くステップS152において、大当たりに当選したか否かの判定を行う。 ステップS152において、大当たりに当選したと判定した場合は、続くステップS153において、RAM214に記憶された大当たり図柄判定用乱数値の判定を行い、ステップS154において、その判定結果に基づいて、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する大当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。 【0051】 一方、ステップS152において、大当たりに当選していないと判定した場合は、次にステップS155において、特別図柄判定用乱数値に基づいて小当たりに当選したか否かの判定を行う。 ステップS155において、小当たりに当選したと判定した場合は、続くステップS156において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する小当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。 また、ステップS155において、小当たりに当選していない判定した場合は、ステップS157において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示するハズレ図柄を設定して特別遊技判定処理を終了する。」 (ケ)「【0052】[変動パターン選択処理] 図10は、遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、先ず、ステップS161において、時短遊技状態であることを示す時短フラグがONであるか否かの判定を行う。ステップS161において、時短フラグがONであると判定した場合は、続くステップS162において、変動パターンテーブルとして、時短遊技状態用テーブルをセットしてステップS164に進む。 一方、ステップS161において、時短フラグがONでないと判定した場合は、ステップS163において、変動パターンテーブルとして、非時短遊技状態用テーブルをセットしてステップS164に進む。 次に、CPU212は、ステップS164において、先に取得した変動パターン乱数値の判定を行い、続くステップS165において、セットされた変動パターンテーブルと変動パターン乱数値とに基づいて、変動パターンの設定を行って、変動パターン選択処理を終了する。 【0053】 図11は、変動パターンテーブルの一例を示した図であり、(a)は非時短遊技状態用変動パターンテーブル、(b)は時短遊技状態用変動パターンテーブルの一例をそれぞれ示した図である。 【0054】 先ず、図11(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルについて説明する。 図11(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルでは、特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「0?89」のときは大当たり1を選択する。この場合は変動時間が90秒と長い変動パターン1が選択される。変動パターン1が選択された場合はリーチAを伴う当たり演出が行われる。 また特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「90?179」のときは大当たり2を選択する。この場合は変動時間が60秒とされる変動パターン2が選択される。変動パターン2が選択された場合はリーチBを伴う当たり演出が行われる。 また特別図柄判定用乱数値が「150、200、250」の小当たりの場合は、選択される変動パターン乱数値「0?179」に関わらず、変動時間が60秒とされる変動パターン3を選択する。変動パターン3が選択された場合はチャンス演出が行われる。 ・・・ 【0058】 次に、図11(b)に示す時短遊技状態用変動パターンテーブルについて説明する。なお、図11(b)に示す時短遊技状態用変動パターンテーブルは、大当たりまたは小当たり時における変動パターンの決定方法が、図11(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルと同一とされるので説明は省略し、ここでは特別図柄判定用乱数値がハズレであって遊技状態が時短遊技状態の場合についてのみ説明する。」 (コ)「【0062】[停止中処理] 図12は、遊技制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャートである。 ・・・ 【0064】 次に、CPU212は、ステップS179において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21にセットされた特別図柄により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりでないと判定した場合は、次にステップS180において、セットされている特別図柄が「小当たり」であるか否かの判定を行う。ここで、小当たりであると判定した場合は、ステップS181において、小当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにする。この後、ステップS182において、大当たりのオープニングを開始すると共に、ステップS183において、大当たりオープニングコマンドをセットして、停止中処理を終了する。 【0065】 一方、ステップS180において、小当たりでないと判定した場合は、小当たり遊技フラグをONにすることなく変動停止中処理を終了する。 また、ステップS179において、大当たりであると判定した場合は、次にステップS184において、大当たりが長当たりであるか否かの判定を行い、長当たりであると判定した場合は、ステップS185において、長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにし、そうでなければステップS186において、短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにする。この後、ステップS187において、時短ゲームの残ゲーム回数J、及び高確率ゲームの残回数Xをそれぞれ「0」にセットして、残ゲーム回数J/Xをリセットした後、ステップS188において、時短フラグと高確フラグをOFFにして、ステップS182に進む。」 (サ)「【0067】[補助図柄処理] 図14は、遊技制御基板のCPUが実行する補助図柄処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、ステップS201において、補助遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、補助遊技フラグがONであると判定した場合は、補助図柄処理を終了する。 一方、ステップS201において、補助遊技フラグがONでないと判定した場合は、ステップS202において、補助図柄が変動中であるか否かの判定を行う。ステップS202において、補助図柄が変動中でないと判定した場合は、ステップS203において、遊技球がゲートSW15aを通過した回数を記憶したゲート通過回数Gが「1」より多いか否かの判定を行い、ゲート通過回数Gが「1」より多い場合は、続くステップS204において、ゲート通過回数Gを「1」減算し、ゲート通過回数Gが「1」より多くないと判定した場合、つまり「0」の場合は、補助図柄処理を終了する。 次に、CPU212は、ステップS205において、補助図柄判定用乱数値の判定を行い、続くステップS206において、補助図柄表示装置22に停止表示する停止図柄を設定し、ステップS207において、変動時間を設定する。 ここで、補助図柄の変動時間は、時短フラグがOFFであれば、例えば4.0秒、時短フラグがONであれば、例えば1.5秒に設定することが考えられる。 【0068】 次に、CPU212は、ステップS209において、補助図柄の変動時間が所定時間経過したか否かの判定を行い、所定の変動時間を経過したと判定した場合は、ステップS210において、変動を停止する。一方、ステップS209において、補助図柄の変動時間が所定時間経過していないと判定した場合は、補助図柄処理を終了する。 次に、CPU212は、ステップS211において、補助図柄が当たり図柄であるか否かの判定を行い、補助図柄が当たり図柄である場合は、ステップS212において、補助遊技フラグをONにして、補助図柄処理を終了する。 なお、ステップS211において、停止図柄が当たり図柄でないと判定した場合は、補助遊技フラグをONにすることなく、補助図柄処理を終了する。 また、ステップS202において、補助図柄が変動中であると判定した場合は、ステップS209に進み、補助図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。」 (シ)「【0069】[大入賞口処理] 図15は、遊技制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、ステップS221において、特別遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、特別遊技フラグがONであると判定した場合は、ステップS222において、オープニング中であるか否かの判定を行う。ステップS222において、大当たりのオープニング中であると判定した場合は、次にステップS223において、オープニング時間を経過したか否かの判定を行う。ステップS223において、オープニング時間を経過したと判定した場合は、続くステップS224において、ラウンド回数Rの値に「0」をセットする共に、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。 【0070】 図16は、ラウンド回数/作動パターンの設定例を示した図であり、例えば特別遊技が通常時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する。また大当たりが通常時短付き短当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。更に大当たりが高確率時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定し、大当たりが高確率時短付き短当たり及び高確率時短無し短当たりであった場合は、それぞれラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。 また特別遊技が小当たりであった場合は、例えばラウンド数(R数)を1R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×2回に設定する。 【0071】 次に、CPU212は、ステップS225において、第1大入賞口16または第2大入賞口17への1ラウンドあたりの入賞個数を示す個数カウンタCに「0」をセットすると共に、続くステップS226において、ラウンド回数Rの値に「1」を加算する。そして、続くステップS227において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を開始する。つまり、第1大入賞口16または第2大入賞口17の何れかを閉状態から開状態にする。 次に、CPU212は、ステップS228において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動時間が所定時間を経過したか否かの判定を行い、作動時間が所定時間を経過していないと判定した場合は、続くステップS229において、個数カウンタCの値が規定個数に達したか否かの判定を行う。 ステップS229において、個数カウンタCの値が規定個数Cであると判定した場合は、ステップS230において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を終了する。つまり、開状態にある第1大入賞口16または第2大入賞口17を閉状態にする。 一方、個数カウンタCの値が規定個数に達していないと判定した場合は、大入賞口処理を終了する。 また、ステップS228において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合は、ステップS229の処理をスキップして、個数カウンタCの個数をチェックすることなく、ステップS230において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を終了する。 【0072】 次に、CPU212は、ステップS231において、大当たりラウンド回数が最大ラウンド回数Rであるか否かの判定を行う。つまり、大当たりラウンドが最終ラウンドであるか否かの判定を行う。 ステップS231において、大当たりラウンドが最終ラウンドであると判定した場合は、ステップS232において、エンディングを開始すると共に、ステップS233において、エンディングコマンドをセットする。 次いで、CPU212は、ステップS234において、ラウンド回数Rの値を「0」にセットする。この後、ステップS235において、エンディング時間が経過したか否かの判定を行い、エンディング時間を経過したと判定した場合は、続くステップS236において、後述する遊技状態設定処理を実行する。この後、ステップS237において、特別遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する。」 (ス)「【0074】[遊技状態設定処理] 図17は、遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャートである。 ・・・ 一方、ステップS241において、小当たりでないと判定した場合は、次にステップS242において、通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)であるか否かの判定を行い、通常当たりであると判定した場合は、ステップS243において、時短フラグをONにすると共に、ステップS244において、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「100」をセットして、遊技状態設定処理を終了する。 ・・・ 【0076】[第2始動口開放処理] 図18は、遊技制御基板のCPUが実行する第2始動口開放処理の一例を示したフローチャートである。 CPU212は、ステップS261において、補助遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、補助遊技フラグがONであると判定した場合は、次にステップS262において、第2始動口開閉扉14bが作動中であるか否かの判定を行う。ステップS262において、第2始動口開閉扉14bが作動中(開放中)でなければ、ステップS263において、遊技状態に応じて第2始動口開閉扉14bの作動パターンを設定し、ステップS264において、第2始動口開閉扉14bの作動を開始する。 ここで、設定する第2始動口開閉扉14bの作動パターン(時間)は、例えば時短フラグがOFFであれば、0.15秒開放×1回、時短フラグがONであれば、1.80秒開放×3回に設定することが考えられる。」 (セ)「【0081】 さらに本実施形態の遊技機1は、第2始動口14に遊技球が入球したときのほうが、第1始動口13に遊技球が入球したときより遊技者に有利な大当たりに当選する割合が高くなっていることから時短遊技中は通常遊技中より遊技者に有利な大当たりに当選し易い構成になっている。」 (ソ)「【0086】 次に、CPU222は、ステップS409において、エンディング演出選択処理を実行するエンディングコマンドを受信したか否かの判定を行い、エンディングコマンドを受信したと判定した場合は、続くステップS410において、エンディング演出選択処理を実行する。 エンディング演出選択処理としては、エンディングコマンドの解析、エンディング演出パターン選択、及びエンディング演出開始コマンドをセットする処理等が挙げられる。 また、ステップS408におけるエンディング演出選択処理は、下記に説明するように、特別遊技のエンディング期間において本実施形態に係る注意喚起演出を行うか否かの判断を決定する処理を含む。 【0087】 以下に、本発明の特徴的な実施形態を説明する。 本発明は、遊技中における所定のタイミングで、カードサンド(遊技媒体貸出装置)1Aに挿入されているプリペイドカードを取り忘れないよう、遊技者に注意喚起する演出を行うことを特徴としている。」 (タ)「【0089】 次に、本実施形態に示す、遊技中の各タイミングにおける注意喚起演出の態様を説明する。 <賞球を伴う大当たり遊技開始後に注意喚起を行う場合> 大当たり、特に図16に示す長当たり(第1の特別遊技)に当選すると、一定量の出球(賞球)を獲得することが出来るため、遊技者は、その大当たり遊技後は獲得した出球を用いて遊技を続行することが出来る。すなわち所謂「持ち球遊技」を行うことが出来る。 その場合遊技者は、獲得した持ち球が尽きるまではプリペイドカードを用いた遊技球の貸出を受けずに遊技を続けることが可能である。そうすると、遊技者はプリペイドカードの存在に注意が行かず、そのまま置き忘れてしまう虞がある。 従って、長当たり遊技、すなわち所定数以上の出球の獲得が期待される「出球有り大当たり」開始後(オープニング時、ラウンド中、エンディング時)に上記の注意喚起を行う意義が存在する。 なお、「出球有り大当り」とは、例えば、最大獲得可能出球の1/4以上の賞球が払い出される大当たりを含む。例えば、図16に示すように遊技機に設定されている最大ラウンド数の大当たりが16ラウンドの大当たりである場合、ラウンド数が4ラウンド以上の大当たりを「出球有り大当たり」と見なすこととする。図16に示す場合では、通常時短付き長当たり、高確率時短付き長当たりが、「出球有り大当たり」に該当する。 ・・・ 【0092】 図25は、大当たり遊技のエンディング中に注意喚起演出を行う場合の画面遷移を説明する図(その1)である。 図25(a)に示すように、画像表示装置7で演出図柄31が変動表示されて大当たり態様で停止後(図25(b))、図25(c)のオープニング画像が画像表示装置7に表示される。 その後、図25(d)、(e)に示すように所定ラウンド数(大当たり図柄乱数で決められる大当たり種別に基づくラウンド数)の大当たり遊技が行われ、それが終了するとエンディング期間となる。 エンディング期間において、図25(f)に示すように社名ロゴを画像表示装置7に表示した後、図25(g)に示すように、図21の注意画像50や図22の音声付き注意画像51を画像表示装置7に表示する。 所定数以上の出球の獲得が期待される「出球有り大当たり」のエンディング時に注意喚起を行うことで、プリペイドカードの取り忘れを効果的に防止することが出来る。 特に、出球有り大当たりの終了時には所定数の出球が既に獲得されており、遊技者が持ち球遊技を始める直前に注意喚起を行うことで、非常に効果的にプリペイドカードの取り忘れを防止することが出来る。 【0093】 図26は、大当たり遊技のエンディング中に注意喚起演出を行う場合の画面遷移を説明する図(その2)である。 (a)?(e)までは図25と同じであるため、説明を省略する。 図26の例では、図26(f)において、(d)?(e)のラウンド遊技終了後に移行するモードを報知する演出(モード移行演出)を行った後で、(g)において社名ロゴを表示する。そして、(f)に示すモード移行演出の画像に注意喚起演出画像50aを重畳させて表示する。 このようにすることで、モード移行演出を行う場合でも、専用画面で注意喚起演出画像50を表示する場合に比べてエンディング時間を短縮することが出来る。もちろん、(f)のモード移行演出ではなく、(g)の社名ロゴに注意喚起演出画像50aを重畳して表示しても良い。 なお、図25に示すようにモード移行演出を行わない場合でも、社名ロゴに注意喚起演出画像50aを重畳して表示することでさらにエンディング時間を短縮できる。 エンディング時間を短縮することで、ラウンド遊技終了後、遊技者が直ぐに遊技球の発射を開始するため、遊技機の稼働の向上にも繋がる。 なお、注意喚起演出画像50aを他の演出や画像と重畳して表示する場合は、専用画面での表示に比べて注意喚起演出が目立たなくなるため、発光するエフェクトをかけるなどして他の演出に埋没しないようするのが望ましい。」 (チ)「【0106】 図32は、演出制御基板のCPUが実行するエンディング演出選択処理の一例を示したフローチャートである。 これは、図25、図26に示したエンディング中の注意喚起演出に対応する処理である。 CPU222は、ステップS520において、変動開始コマンドに含まれる大当たり図柄乱数の判定結果が長当たりあるか否かを判定する。 判定結果が長当たり遊技であると判定した場合、CPU222は、ステップS521において、注意喚起演出を含むエンディング演出を選択する。 判定結果が長当たり遊技ではないと判定した場合、CPU222は、ステップS522において注意喚起演出を含まないエンディング演出を選択する。 なお、S520において長当たりと判断された場合、その長当たりが、出球有り大当たりへの当選があまり期待出来ない(と遊技者が考える)通常遊技状態から、出球有り大当たりへの当選が期待出来る確変や時短を伴う有利状態に移行可能な長当たり(初当たり)である場合に限って注意喚起演出を行うようにしても良い。 すなわち、上記の初当たりでない場合すなわち有利状態における長当たりでは、注意喚起演出を行わずとも良い。その理由は、図31について述べた理由と同様である。」 (ツ)図25には、(c)の「オープニング」なる表示がなされた状態から、(d)の「ラウンド1」と表示された状態、(e)の「ラウンド16」と表示された状態、(f)の「KYOR」と表示された状態、(g)の「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」と表示された状態へと順に画面表示が遷移することが記載され、合わせて、前記(f)と(g)の表示状態について「エンディング」と附記されている。 上記記載事項(ア)?(ツ)から、以下の(あ)?(し)の事項が導かれる。 (あ)上記【0010】には、「遊技機1の左側には、外部装置である遊技媒体貸出装置(以下、カードサンド)1Aが隣接して配置され」、「この遊技球貸出装置1Aにはプリペイドカード等の遊技用カードを挿入するためのカード挿入口100が設けられ」「このカード挿入口100に遊技用カードが挿入されると、この遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、その引き落とし金額に応じた遊技媒体(遊技球)を貸し出」し、「カード挿入口100に遊技用カードを挿入した後は、遊技球の貸出、カードの排出に係る操作の全てを遊技機1側で行うことが出来るようになっている」ことが記載されているといえる。 ここで、「遊技用カードからのカード残高」は、遊技用カードに直接記録されている情報から直接読み出すか、または該カードに記録されている該カードの識別情報等に基づいて別の場所から読み出すこと等により遊技媒体貸出装置1Aまたは遊技機1が知ることとなる情報であることが技術常識から明らかである。 また、遊技機1は、カード残高の引き落としを受けて、遊技媒体貸出装置1Aから遊技球の貸出しを受ければ、遊技を行うことが可能となることが明らかであるといえる。 そうすると、先願明細書等には、「遊技機1に隣接して設置された遊技媒体貸出装置1Aのカード挿入口に挿入された遊技用カードに記録された情報に基づいて、遊技機1側からの操作により、該遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、遊技を行うことが可能となる遊技機1」が記載されているといえる。 (い)上記【0050】には、「CPU212は、」「RAM214に記憶された特別図柄判定用乱数値の判定を行い、」「大当たりに当選したか否かの判定を行う。」ことが記載されているといえる。ここで、「大当たり」遊技が遊技者にとって有利な遊技状態であることは自明である。 よって先願明細書等には、「遊技者にとって有利な遊技状態である大当たりに当選したか否かの判定を行うCPU212」が記載されているといえる。 (う)上記【0045】?【0048】には、遊技制御基板のCPUが実行する特別図柄処理についての図8のフローチャートに沿った説明として、順に抜記すれば(「(a)」などは便宜上当審にて付した。以下同様。)、 (a)「CPU212は、ステップS131において、」「大当たり遊技中または小当たり遊技中でないと判定した場合は、続くステップS132において、」「特別図柄が変動中でないと判定した場合は、次にステップS133において、」(【0045】) (b)「優先的に消化する第2始動口SW14aの保留個数U2が」「1」より多いと判定した場合は、」「保留個数U2を「1」減算」し、「保留個数U2が「0」である場合は、次に」「第1始動口SW13aの保留個数U1が」「「1」より多いと判定した場合は、」「保留個数U1を「1」減算」し、(【0045】【0046】) (c)「ステップS138において、後述する特別遊技判定処理を実行する。」(【0047】) (d)「特別遊技判定処理実行後は、ステップS139において、後述する変動パターン選択処理を実行する。」(【0047】) (e)「変動パターン選択処理実行後は、ステップS140において、対応する第1特別図柄表示装置20、または第2特別図柄表示装置21の図柄変動を開始させる」。(【0047】) (f)「次に、CPU212は、ステップS142において、第1または第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。」「ステップS142において、所定の変動時間を経過したと判定した場合は、続くステップS143において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動を停止して所定特別図柄を表示させる。」(【0048】) ことが記載されているといえる。 他方、上記【0040】?【0042】には、前記(b)の「保留個数U1」「保留個数U2」に関連して以下の事項(g)(h)がそれぞれ記載されているといえる。 (g)「「遊技制御基板のCPU212」は、「第1始動口13の第1始動口SW13aがオンであると判定し」、「第1始動口SW13aの保留個数U1が」「「4」より少ないと判定した場合は、」「保留個数U1に「1」を加算する。この後、ステップS104において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。」(【0040】) (h)「「遊技制御基板のCPU212」は、「第2始動口14の第2始動口SW14aがオンであると判定し」、「第2始動口SW14aの保留個数U2が」「「4」より少ないと判定した場合は、」「保留個数U2に「1」を加算する。この後、ステップS109において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。」(【0042】) (g-1)ここで、(g)における「第1始動口SW13aがオン」とは遊技球が第1始動口に入賞したことを指し、 (h-1)同じく(h)における「第2始動口SW14aがオン」とは遊技球が第2始動口に入賞したことを指すことは明らかである。 また、前記(c)の「特別遊技判定処理」に関しては上記【0050】?【0051】に以下の事項(i)?(l)がそれぞれ記載されているといえる。 (i)「CPU212は、」「RAM214に記憶された特別図柄判定用乱数値の判定を行い、」「大当たりに当選したか否かの判定を行」い、(【0050】) (j)「大当たりに当選したと判定した場合は、」「RAM214に記憶された大当たり図柄判定用乱数値の判定を行い、」「第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する大当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。」 (【0050】) (k)「小当たりに当選したと判定した場合は、」「第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する小当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。」(【0051】) (l)「小当たりに当選していない判定した場合は、」「第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示するハズレ図柄を設定して特別遊技判定処理を終了する。」(【0051】) (m)そうすると、前記(b)のステップで減算対象となる「保留個数U1」「保留個数U2」は、前記記載事項(g)(h)によれば、それぞれ第1始動口の第1始動口SW13a、第2始動口の第2始動口SW14aがオン、すなわち該各始動口に遊技球が入賞したことを契機として1つ加算される個数値であり、また、該(g)(h)によれば、前記保留個数の加算1つにつき、「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」「大当たり図柄判定用乱数値」がそれぞれ取得・記憶されるものであるといえる。 (n)また、前記(b)に続く(c)のステップで実行される「特別遊技判定処理」は、先行する(b)で、第2始動口または第1始動口何れかの保留個数が1つ減算、即ち消費されることに対応して1回実行される処理であり、前記記載事項(i)?(l)によれば、前記記載事項(m)で「保留個数」の加算と共に取得・記憶された「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」の大当たり等当否を判定、即ち抽選する処理であるといえる。ここでの該抽選が保留個数の1個消費につき1回なされることは自明である。 ここで、前記(j)から、「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」の判定による大当たり当否結果と、「大当たり図柄判定用乱数値」の判定により判定された結果としての各「特別図柄表示装置に表示する大当たり図柄」とが対応していることは自明である。 (o)また、前記(c)の「特別遊技判定処理」に引き続き、前記(d)の「変動パターン選択処理」を経て前記(e)の「対応する第1特別図柄表示装置20、または第2特別図柄表示装置21の図柄変動を開始させる」処理が行われ、次いで前記(f)で「第1または第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過」「したと判定した場合は、」「第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動を停止して所定特別図柄を表示させる」処理が行われるといえる。 以上から、先願明細書等には、 (うー1)「「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」の判定による大当たり当否結果」に対応した「大当たり図柄」が表示される特別図柄表示装置であって、((j)(n)) CPU212によって、第1・第2始動口の(入賞球の)保留個数が1個消費されるごとに、該各始動口に入賞したことを契機として取得・記憶された「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」「大当たり図柄判定用乱数値」に基づいて、「特別遊技判定処理」において、「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値」の大当たり等当否を判定する抽選が1回行われ、それに対応して図柄変動を開始し、次いで、所定の変動時間を経過したとの判定に基づき変動を停止する、第1特別図柄表示装置20、または第2特別図柄表示装置21」((m)(n)(o)) が記載されているといえる。 また、前記(う)の各認定事項から、さらに、 (p)「「遊技球が第1始動口に入賞」したと判定した場合に保留個数U1<4であれば保留個数U1に1を加算し、((g)(g-1)) 「遊技球が第2始動口に入賞」したと判定した場合に保留個数U2<4であれば保留個数U2に1を加算し、((h)(h-1)) 「大当たり遊技中または小当たり遊技中でな」く「特別図柄が変動中でないと判定した場合」は、「優先的に消化する第2始動口SW14aの保留個数U2が」「「1」より多いと判定した場合は、」「保留個数U2を「1」減算」し、「保留個数U2が「0」である場合は、次に」「第1始動口SW13aの保留個数U1が」「「1」より多いと判定した場合は、」「保留個数U1を「1」減算」し、((a)(b)) 「ステップS138において・・・特別遊技判定処理を実行する」(c) 「CPU212」(a)」なる事項が導かれるといえる。 (q)(p)では、特別遊技判定処理を実行するにあたりCPU212は、各始動入賞口に入賞した遊技球の個数を一旦保留個数U1・U2なる各変数に加算・蓄積した上で、大当たり遊技中または小当たり遊技中でなく特別図柄が変動中でないと判定した場合に該加算した各保留個数U1・U2を減算・消費して、特別遊技判定処理を実行する手順を踏むことにより、特別遊技判定処理が第1始動口または第2始動口へ入賞(入球)したことにより実行されるものであるといえる。 そうすると、先願明細書等には、 (うー2)「「第1始動口または第2始動口へ入賞(入球)したことにより」「特別遊技判定処理」を「実行」する(q)「CPU212」(p)」 が記載されているといえる。 (え)上記【0048】には、上記(う)の(f)で抜記した特別図柄を停止表示するステップに引き続き「停止中処理」なる処理が実行されることが記載されており、該「停止中処理」については上記【0062】?【0065】に、 (a)「「遊技制御基板の」(【0062】) 「CPU212は、ステップS179において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21にセットされた特別図柄により大当たりであるか否かの判定を行い、」(【0064】) 「大当たりであると判定した場合は、」「大当たりが長当たりであるか否かの判定を行い、長当たりであると判定した場合は」「長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにし、そうでなければステップS186において、短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにする。」」(【0065】)処理であることが記載されているといえる。 (b)また、前記(a)からは、「特別遊技フラグ」が「長当たり遊技フラグ」「短当たり遊技フラグ」の総称であることも、「長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)」などの記載から読みとることができる。 一方、上記【0069】?【0071】には、 (c)「CPU212は、」「特別遊技フラグがONであると判定した場合は、」「オープニング中であるか否かの判定を行」い、「オープニング時間を経過したと判定した場合は」「ラウンド回数Rの値に「0」をセットする共に、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。」(【0069】) (d)「例えば特別遊技が通常時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する。また大当たりが通常時短付き短当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。更に大当たりが高確率時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定し、大当たりが高確率時短付き短当たり及び高確率時短無し短当たりであった場合は、それぞれラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。」【0070】) (e)「次に、CPU212は」「第1大入賞口16または第2大入賞口17の何れかを閉状態から開状態にする。」「次に、CPU212は」「個数カウンタCの値が規定個数Cであると判定した場合は、」「開状態にある第1大入賞口16または第2大入賞口17を閉状態にする。」「第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合は」「個数カウンタCの個数をチェックすることなく」「第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を終了する。」(【0071】) ことが記載されているといえる。ここで、「作動を終了する」とは開状態から閉状態とすることを意味することが明らかである。 (f)前記(e)で、各大入賞口の作動形態が(c)(d)で設定された「ラウンド回数(R数)/作動パターン」に基づくもので、各大入賞口の開放時間を決める「所定の作動時間」は、前段ステップである前記(c)(d)で設定された開放時間等の作動パターンに基づいて設定されたものであることは自明である。 以上から、先願明細書等には、 (えー1)「「CPU212」「により大当たりであるか否かの判定を行い」、(a) 「大当たりであると判定した場合は」「特別遊技フラグをONにし」(a) 「特別遊技フラグがONであると判定した場合は、」(c) 「例えば」「ラウンド数を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する」というような、(d) 「ラウンド回数/作動パターンの設定を行」い、(c) 次いで前記設定に基づいて何れかの大入賞口を閉状態から開状態にし、前記設定に基づいた所定の作動時間経過後に該大入賞口を開状態から閉状態にする、CPU212」((e)(f)) が記載されているといえる。 以上からはまた、先願明細書等には、 (えー2)「CPU212」は、「停止中処理」において、(a) 「特別遊技フラグがONであると判定した場合、」(c) すなわち、「長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)」が「ON」または「短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)」が「ON」であれば、(a) 「ラウンド数」を「4R」または「16R」、「1R中の作動パターン」を「29.5秒開放×1回に設定する」各種「長当たり」、または「ラウンド数を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する」各種「短当たり」に「ラウンド回数/作動パターンの設定を行」い、((c)(d)) 該「ラウンド回数/作動パターンの設定」に基づいて、「1R中の作動パターン」を「29.5秒開放×1回に設定する」各種「長当たり」、または、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する」各種「短当たり」に各大入賞口を作動する手段としてのCPU212でもある」こと((d)(e)(f)) が記載されているといえる。 (お)上記【0106】には、 (a)「エンディング演出選択処理」として「注意喚起演出を含むエンディング演出を選択する」「演出制御基板のCPU」である「CPU222」が記載されている。 (b)ここで、「エンディング演出選択処理」について上記【0087】において「エンディング演出パターン選択、及びエンディング演出開始コマンドをセットする処理等が挙げられる」と記載されていることから、単にエンディング演出の内容を選択するのみならず、演出開始コマンドをセットをした後の処理、即ち該選択された演出を実行する処理も行われることが明らかである。 また、上記【0087】には、注意喚起演出が (c)「プリペイドカードを取り忘れないよう、遊技者に注意喚起する演出」であることが説明されている。 以上から、先願明細書等には、 「プリペイドカードを取り忘れないよう、遊技者に注意喚起する」「注意喚起演出」を実行する、「演出制御基板のCPU」である「CPU222」((a)(c)) が記載されているといえる。 (か)上記【0012】には、「遊技領域3の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口13及び第2始動口14が設けられ」ることが記載されている。 (き)上記【0012】?【0015】には、順に抜記すると、 (a)「「遊技盤2の遊技領域3」には、(【0012】) 「飾り部材6の右側の領域には、ゲート15、大入賞領域である第1大入賞口16及び第2大入賞口17が設けられて」おり、(【0013】) (b)「第1大入賞口16は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。第1大入賞口16の下部には、遊技盤面側からガラス板側(前面側)に突出可能な第1大入賞口開閉扉16bが設けられており、・・・第1大入賞口開閉扉16bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能とな」り、(【0014】) (c)「第2大入賞口17は、通常、第2大入賞口開閉扉(可動片)17bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。・・・第2大入賞口開閉扉17bが開放されるとともに、第2大入賞口開閉扉17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。」」(【0015】)なる事項が記載されている。 (d)前記【0015】の抜記事項から、少なくとも第2大入賞口は、その開閉扉の開閉に応じて遊技球の入球可能な開放状態と入球不可能な閉状態とに作動するものといえる。 以上から、先願明細書等には、 「遊技盤の遊技領域に設けられ、(a) その開閉扉の開閉に応じて遊技球の入球可能な開放状態と入球不可能な閉状態とに作動する、第2大入賞口(d)」が記載されているといえる。 (く)上記【0031】には、 (a)「時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入賞し易い遊技状態をいう。即ち、後述する所定条件が成立したときに第2始動口14の第2始動口開閉扉14bを遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化させることにより、第2始動口14への遊技球の入球確率を高めた第2始動口開閉扉14bの開放サポートを伴う遊技状態をいう」との記載がある。 前記(a)から、「通常遊技状態」では「第2始動口14の第2始動口開閉扉14bを遊技球が入賞し難い閉状態」であり、「時短遊技状態」では「第2始動口14の第2始動口開閉扉14b」が「遊技球が入賞し易い開状態」であるといえる。 また、上記【0029】には、 (b)「「主制御基板である遊技制御基板211が実行する各種動作」として「各種乱数」の「取得」があり、該乱数として「大当たり図柄判定用乱数」が含まれること」が記載されているといえる。 また、上記【0031】には、 (c)「「取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて、複数種類の大当たりの中から何れか1つの大当たりを決定」し、該「複数種類の大当たりとして、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりが用意されている」」ことが記載されているといえる。 また、上記【0074】には、 (d)「「遊技制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理」として、「通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)であるか否かの判定を行い、通常当たりであると判定した場合は」「時短フラグをONにする」」ことが記載されているといえる。 また、上記【0076】には、 (e)「「遊技制御基板のCPUが実行する第2始動口開放処理」として「CPU212は」「遊技状態に応じて第2始動口開閉扉14bの作動パターンを」、「例えば時短フラグがOFFであれば、0.15秒開放×1回、時短フラグがONであれば、1.80秒開放×3回に設定」し、「第2始動口開閉扉14bの作動を開始する。」」ことが記載されているといえる。 以上から、先願明細書等には、 「「主制御基板である遊技制御基板211」が「取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて」、(b)(c) 「通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)」であると判定され、「時短フラグ」が「ON」とされたか否かに応じ、(d) 時短フラグがOFFであれば「第2始動口」の開放時間が短く(e) 該第2始動口へ「遊技球が入賞し難い」「通常遊技状態」に設定し、(a) 時短フラグがONであれば、「第2始動口」の開放時間が長く(e) 該第2始動口へ「遊技球が入賞し易い」「時短遊技状態」に設定し、第2始動口開閉扉14bの作動を開始する、(e) 遊技制御基板のCPU212(e)」 が記載されているといえる。 (け)上記【0052】?【0058】には、順に抜記すると、 (a)「「遊技制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理」「において、時短遊技状態であることを示す時短フラグがONであるか否かの判定を行」い、「時短フラグがONであると判定した場合は、」「変動パターンテーブルとして、時短遊技状態用テーブルをセットし」、「時短フラグがONでないと判定した場合は、」「変動パターンテーブルとして、非時短遊技状態用テーブルをセット」し、(【0052】) 「非時短遊技状態用変動パターンテーブルでは、特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「0?89」のときは大当たり1を選択」し、「特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「90?179」のときは大当たり2を選択」し、(【0052】) 「時短遊技状態用変動パターンテーブルは、大当たりまたは小当たり時における変動パターンの決定方法が、図11(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルと同一とされる」」(【0058】) ことが記載されているといえる。 (a-1)前記(a)によれば、時短フラグがONでない、すなわち非時短状態である場合には変動パターンテーブルとして「非時短遊技状態用テーブル」がセットされ、特別図柄判定用乱数値が3の場合に変動パターン乱数値に応じ「大当たり1」「大当たり2」が選択され、時短フラグがON、すなわち時短状態である場合には変動パターンテーブルとして「時短遊技状態用テーブル」がセットされ、大当たり時における変動パターンの決定方法が非時短遊技状態用変動パターンテーブルと同一、なのであるから、時短状態でも特別図柄判定用乱数値が3の場合に変動パターン乱数値に応じ「大当たり1」「大当たり2」が選択される点に変わりがなく、時短状態でも非時短状態でも大当たりが発生しうることが記載されているといえる。 また、上記【0067】?【0068】には、「補助図柄処理」として (b)「「CPU212は、」「遊技球がゲートSW15aを通過した回数を記憶したゲート通過回数Gが「1」より多いか否かの判定を行い、ゲート通過回数Gが「1」より多い場合は、続くステップS204において、ゲート通過回数Gを「1」減算し、」(【0067】) 「次に、」「補助図柄が当たり図柄であるか否かの判定を行い、補助図柄が当たり図柄である場合は、ステップS212において、補助遊技フラグをONに」する」(【0068】)ことが記載されているといえる。 また、上記【0076】には、「遊技制御基板のCPUが実行する第2始動口開放処理」として、 (c)「「CPU212は、」「遊技状態に応じて第2始動口開閉扉14bの作動パターンを設定し、」「第2始動口開閉扉14bの作動を開始する。」「ここで、」「第2始動口開閉扉14bの作動パターン(時間)は、例えば時短フラグがOFFであれば、0.15秒開放×1回、時短フラグがONであれば、1.80秒開放×3回に設定する。」ことが記載されているといえる。 (c-1)ここで、非時短状態での前記開放時間は1回あたり0.15秒と極めて短く、遊技球が第2始動口に入賞することは、皆無ではないもののまれであるといえる。 一方で、時短状態での1回の開放時間は1.8秒であるから、時短状態下で第2始動口が開放される場合には充分に第2始動口入賞を期待しうる開放時間の設定であるといえる。 また、上記【0012】には、 (d)「「第2始動口14は、第2始動口開閉扉14bを有しており、第2始動口開閉扉14bが閉状態に維持される第1の態様と、第2始動口開閉扉14bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口14は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる」と記載されており、ここでは、下線を施したように、第2始動口14は、第1の態様すなわち第2始動口開閉扉14bが閉状態に維持される状態にあるときには遊技球の入賞機会がない、言い換えれば第2始動口14は、第2の態様すなわち第2始動口開閉扉14bが開状態に維持される状態にあるときしか入賞機会が無いとされている。 また、上記【0031】には、 (e)「時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入賞し易い遊技状態をいう。即ち、後述する所定条件が成立したときに第2始動口14の第2始動口開閉扉14bを遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化させることにより、第2始動口14への遊技球の入球確率を高めた第2始動口開閉扉14bの開放サポートを伴う遊技状態をいう。」なる記載もある。 (f)一方、第1始動口については、時短・非時短状態如何により入賞を左右される機構や制御について先願明細書等に特段の言及がないことから、一般的な遊技機と同様、時短・非時短状態にかかわらず入賞が可能であるといえる。 (g)また、上記(く)(c)で抜記したとおり、上記【0031】には第1・第2始動口入賞により当選可能な大当たりのうち「長当たり」として通常時短付き長当たり、および高確率時短付き長当たりの2種が用意されることが記載されており、前記各始動口についての前記両長当たりの当選確率について、上記【0034】?【0035】には、 「通常時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と第2始動口14に遊技球が入賞した場合のいずれも35/250で同一とされる。」(【0034】) 「高確率時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合は25/250、第2始動口14に遊技球が入賞した場合は175/250とされる。」(【0035】) なる記載があり、いずれの始動口への入賞によっても前記「長当たり」が当選し得るように設定されているといえる。 (h)また、上記【0069】?【0072】には、「大入賞口処理」として、 「「CPU212は、」「特別遊技フラグがONであると判定した場合は、」「・・・ラウンド回数Rの値に「0」をセットする共に、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。」(【0069】) 「例えば特別遊技が通常時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する。また」「大当たりが高確率時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定」する。(【0070】) 「次に、CPU212は、」「第1大入賞口16または第2大入賞口17の何れかを閉状態から開状態にする。」「次に、CPU212は、」「個数カウンタCの値が規定個数Cであると判定した場合は、」「開状態にある第1大入賞口16または第2大入賞口17を閉状態にする。」(【0071】) 「次に、CPU212は、」「大当たりラウンドが最終ラウンドであると判定した場合は、」「エンディングを開始すると共に、」「エンディングコマンドをセットする」」(【0072】) との処理フローが記載されているといえる。 (h-1)ここで、上記(えー1)で認定したとおり、「特別遊技フラグ」がONとされるのは、CPU212により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりであると判定した場合」であり、当該判定は「第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21にセットされた特別図柄」によりなされるから(【0064】)、遊技球が第1・第2何れの始動口に入球した場合でも特別遊技フラグはONとされうる。 そうすると、前記(h)では、特別遊技フラグがONであることを条件としてその後の大入賞口開放・閉鎖に引き続き「エンディング」が「開始」されるのであり、上記(えー1)から、特別遊技フラグがONとされるのは長当たりを含む大当たりに当選した場合であり、前記(g)から、第1始動口入球によっても大当たりの長当たりに当選し得るのであり、前記(f)から、第1始動口は時短・非時短状態にかかわらず入賞が可能な入賞口であることから、(h)でのこの場合の「エンディング」に必要な期間を差し当たり「第1の期間」ということにすると、 (けー1)「非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第1の期間にわたるエンディングが開始される」場合が存在する、すなわち先願明細書等にはこの場合について記載されているといえる。 一方、同じく前記(h)から、特別遊技フラグがONであることを条件としてその後の大入賞口開放・閉鎖に引き続き「エンディング」が「開始」されるのであり、上記(えー1)から、特別遊技フラグがONとされるのは長当たりを含む大当たりに当選した場合であり、前記(g)から、第2始動口入球によっても大当たりの長当たりに当選し得るのであり、前記(d)(e)から、第2始動口は第2始動口開閉扉が開状態の場合しか入賞(入球)機会が無く、前記(c-1)から、第2始動口開閉扉が、第2始動口に遊技球が入賞し易い長期間にわたり開放されるのは時短状態であることから、(h)でのこの場合の「エンディング」に必要な期間を差し当たり「第2の期間」ということにすると、 (けー2)「時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球することで、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第2の期間にわたるエンディングが開始される」場合が存在する、すなわち先願明細書等にはこの場合について記載されているといえる。 (こ)上記【0106】には、 (a)「「演出制御基板のCPUが実行するエンディング演出選択処理」において、「CPU222は、ステップS520において」「判定結果が長当たり遊技であると判定した場合、」「注意喚起演出を含むエンディング演出を選択する。」「判定結果が長当たり遊技ではないと判定した場合、CPU222は、」「注意喚起演出を含まないエンディング演出を選択する。」 「S520において長当たりと判断された場合、その長当たりが、出球有り大当たりへの当選があまり期待出来ない(と遊技者が考える)通常遊技状態から、出球有り大当たりへの当選が期待出来る確変や時短を伴う有利状態に移行可能な長当たり(初当たり)である場合に限って注意喚起演出を行うようにしても良い。すなわち、上記の初当たりでない場合すなわち有利状態における長当たりでは、注意喚起演出を行わずとも良い。」」ことが記載されているといえる。 (a-1)ここで、「出球有り大当たり」については上記【0089】に、 「「出球有り大当り」とは、例えば、最大獲得可能出球の1/4以上の賞球が払い出される大当たりを含む。例えば、図16に示すように遊技機に設定されている最大ラウンド数の大当たりが16ラウンドの大当たりである場合、ラウンド数が4ラウンド以上の大当たりを「出球有り大当たり」と見なすこととする。図16に示す場合では、通常時短付き長当たり、高確率時短付き長当たりが、「出球有り大当たり」に該当する。」との説明がなされている。 また、大当たりの種類については上記【0031】に、 「複数種類の大当たりとして、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりが用意されている。」との記載があることから、「出球有り大当たり」とは複数種類の大当たりのうち「長当たり」に該当する大当たりのすべてに該当する、すなわち、「長当たり」と言い換えうるものといえる。 (a-2)また、前記(a)には、注意喚起演出の実行条件として、 (a-2-1)「「その長当たりが、」「通常遊技状態から」「確変や時短を伴う有利状態に移行可能な長当たり(初当たり)である場合に限って注意喚起演出を行」い、「初当たりでない場合すなわち有利状態における長当たりでは、注意喚起演出を行わ」ない」こと、および、 (a-2-2)「「長当たり遊技であると判定した場合、」「注意喚起演出を含むエンディング演出を選択」し、「判定結果が長当たり遊技ではないと判定した場合、」「注意喚起演出を含まないエンディング演出を選択」すること、が含まれている。 (a-3)ここで、前記(a-1)から、長当たりには「通常時短付き長当たり」「高確率時短付き長当たり」の2種しかなく、該いずれの長当たりも「時短付き」すなわち当該長当たりに当選し実行されたあとに時短状態に移行するものであること、該いずれの長当たりも、第1特別図柄装置または第2特別図柄装置にセットされた図柄、すなわち第1・第2何れの始動口への入球による大当たりでも当選しうるものであること(上記(え)(a))、第1始動口への入球は時短状態か非時短状態かに関わらず生じうること(上記(け)(f))、第2始動口への入球は、開扉時間が長い時短状態の方が生じ易いものの、上記(け)(c-1)から、非時短状態でもその可能性が皆無とはいえないこと、から、通常遊技状態(非時短状態)でも第1始動口または第2始動口への入球により前記時短付き大当たりの長当たりに当選し得、この場合が前記(a-2-1)でいう「通常遊技状態から確変や時短を伴う有利状態に移行可能な長当たり」に該当する。 (b)また、先願明細書等には、そもそもプリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かを検出することや、そのことについて遊技機側から照会を行うことについて言及が無く、前記プリペイドカードの挿入有無に応じて注意喚起演出を行うか否かの制御を行うことについても言及がない。また、パチンコ遊技機は一般に、プリペイドカードを用いた遊技球の貸与を随時受けなくても球供給皿内の遊技球のみによっても遊技を継続しうるものであることから、一般的にパチンコ遊技機においてプリペイドカードの挿否が遊技継続上の条件となるといった事情もない。 よって、先願明細書に記載された発明においては、注意喚起演出の実行において、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否か条件としない態様が少なくとも含まれるといえる。 よって、前記(a-3)を踏まえ、前記(a-2-1)(a-2-2)(b)を合わせ読むと、先願明細書等には、 (こ-1)「「CPU222は」「非時短遊技状態にて第1始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行う」こと、」(a-2-1)(a-2-2)(b) (こ-2)「「CPU222は」「非時短遊技状態にて第2始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行う」こと、」(a-2-1)(a-2-2)(b) (こ-3)「「CPU222は」「時短遊技状態にて第1・第2始動口への入球により大当たりの長当たりとなってもエンディング演出にて注意喚起演出を行わない」こと、」(a-2-1)(a-2-2) (こ-4)「「CPU222は」「時短・非時短に関わりなく、「判定結果が長当たり遊技でない」場合に含まれる「短当たり」当選である場合は、注意喚起演出を行わないこと」(a-2-2) がそれぞれ記載されているといえる。 (さ)上記(け)の (けー1)「非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第1の期間にわたるエンディングが開始される」 (けー2)「時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球することで、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第2の期間にわたるエンディングが開始される」 と、上記(こ)の、 (こ-1)「非時短遊技状態にて第1始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらずエンディング演出において注意喚起演出を行う」こと、 (こ-2)「非時短遊技状態にて第2始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行う」こと、 (こ-3)「時短遊技状態にて第1・第2始動口への入球により大当たりの長当たりとなってもエンディング演出にて注意喚起演出を行わない」こと、 とから、上記(けー1)の場合は上記(こー1)の場合に該当し、上記(けー2)の場合は上記(こー3)の場合に該当する。 (a)そうすると、(けー1)のエンディングでは注意喚起演出が実行され、(けー2)のエンディングでは注意喚起演出が実行されないといえる。 また、エンディング中の注意喚起演出について上記【0092】には、「エンディング期間において、図25(f)に示すように社名ロゴを画像表示装置7に表示した後、図25(g)に示すように、図21の注意画像50や図22の音声付き注意画像51を画像表示装置7に表示する。」なる記載がある。また、ここで引用される図25には上記のとおりの記載があり、「エンディング」との附記は(f)(g)に対してのみ「}」で区分してなされている。 これらの記載から、先願明細書等には、 (さー1)「注意喚起演出がないエンディングは画像表示装置に社名ロゴを表示して終了する演出であるのに対し、注意喚起演出を行うエンディングでは、画像表示装置に社名ロゴを表示した後、注意画像を表示して終了する演出であること」が記載されているといえる。 (b)また、上記【0093】には、注意喚起演出を行う場合のエンディング時間の短縮について、エンディング期間に、「ラウンド遊技終了後に移行するモードを報知する演出(モード移行演出)を行った後で、」「社名ロゴを表示する」場合を例に、「モード移行演出の画像に注意喚起演出画像50aを重畳させて表示」または「社名ロゴに注意喚起演出画像50aを重畳して表示」することで「モード移行演出を行う場合でも、専用画面で注意喚起演出画像50を表示する場合に比べてエンディング時間を短縮することが出来る」ことについて言及している。 (c)さらに、前記(さー1)で認定した図25の例(モード移行演出を行わない例)に関しても、「モード移行演出を行わない場合でも、社名ロゴに注意喚起演出画像50aを重畳して表示することでさらにエンディング時間を短縮できる」との記載がある。 (d)前記(b)(c)から、先願明細書等の記載においては、エンディング演出として注意喚起演出以外には社名ロゴ表示演出しか行わない前記(さー1)に係る実施例とは別の実施例(その2)として、注意喚起演出を専用画面で社名ロゴ表示などの他のエンディング演出の表示とは別に行うことによりエンディング時間が長くなることについて、該他のエンディング演出の表示を短くするのではなく、注意喚起演出を該他のエンディング演出の表示に重畳して表示することによって解決することしか開示されていないといえる。つまり、注意喚起演出以外のエンディング演出の時間を短縮するとの技術思想は、前記別の実施例(その2)はもとより先願明細書等に全く開示が無い。 そうすると、前記(さー1)の具体的な実現形態としては、以下の3つの場合、すなわち、 (d1)社名ロゴの表示時間は注意喚起表示有無により不変とし、注意喚起表示有無によりエンディング期間は注意喚起表示の時間分相違する場合、 (d2)注意喚起表示を行う場合は社名ロゴの表示時間を短縮するが、注意喚起表示が実行される場合の方がされない場合よりもエンディング期間は長い場合、 (d3)注意喚起表示を行う場合は社名ロゴの表示時間を短縮し、注意喚起表示が実行される場合とされない場合とで、エンディング期間は同じか、または前者の方が短い場合、 が考えられるところ、少なくとも(d3)のみに限定解釈する理由はなく、(d1)((d2))の形態が選択される場合が少なくとも排除されない、つまり、先願明細書等に記載された発明に含まれるということができる。 よって、先願明細書等に記載された発明を前記排除されない(d1)の形態が選択されたものであると認定すると、前記(さー1)をもとに先願明細書等には、 (さー2)「注意喚起演出がないエンディングは画像表示装置に社名ロゴを表示して終了する演出であるのに対し、注意喚起演出を行うエンディングは、画像表示装置に社名ロゴを表示した後、注意画像を表示して終了する演出であり、前記注意喚起演出がないエンディングよりも長いこと」 が記載されているといえる。 そうすると、前記認定した先願発明においては、前記(けー1)(けー2)(a)(さー2)から、エンディングで注意喚起演出が行われない(けー2)におけるエンディングの「第2の期間」のほうが、エンディングで注意喚起演出が行われる(けー1)におけるエンディングの「第1の期間」よりも短い、といえる。 つまり、先願明細書等には、 (さー3)「非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第1の期間にわたるエンディングが開始され」 (さー4)「時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球することで、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、前記第1の期間より短い第2の期間にわたるエンディングが開始される」ことが記載されているといえる。 (し)上記(ア)?(ツ)の記載事項、および上記(あ)?(さ-4)の認定事項から、先願明細書等には次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる(a?mは、本願発明のA?Mに対応させて付した。)。 「a 遊技機に隣接して設置された遊技媒体貸出装置に挿入された遊技用カードに記録された情報に基づいて、遊技機側からの操作により、該遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、遊技を行うことが可能となる遊技機であって、(あ) b 遊技者にとって有利な遊技状態である大当たりに当選したか否かの判定を行うCPU212と、(い) c 特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の判定による大当たり当否結果に対応した大当たり図柄が表示される特別図柄表示装置であって、CPU212によって、第1・第2始動口の(入賞球の)保留個数が1個消費されるごとに、該各始動口に入賞したことを契機として取得・記憶された特別図柄用の特別図柄判定用乱数値大当たり図柄判定用乱数値に基づいて、特別遊技判定処理において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の大当たり等当否を判定する抽選が1回行われ、それに対応して図柄変動を開始し、次いで、所定の変動時間を経過したとの判定に基づき変動を停止する、第1特別図柄表示装置、または第2特別図柄表示装置と、(うー1) d CPU212により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりであると判定した場合は特別遊技フラグをONにし、特別遊技フラグがONであると判定した場合は、例えばラウンド数を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定するというようなラウンド回数/作動パターンの設定を行い、次いで前記設定に基づいて何れかの大入賞口を閉状態から開状態にし、前記設定に基づいた所定の作動時間経過後に該大入賞口を開状態から閉状態にする、CPU212と、(えー1) e プリペイドカードを取り忘れないよう、遊技者に注意喚起する注意喚起演出を実行する、演出制御基板のCPUであるCPU222と、(お) f 遊技領域の中央下側の領域に設けられた、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口及び第2始動口と、(か) g 遊技盤の遊技領域に設けられ、その開閉扉の開閉に応じて遊技球の入球可能な開放状態と入球不可能な閉状態とに作動する、第2大入賞口と、(き) h1 主制御基板である遊技制御基板211が取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)であると判定され、時短フラグがONとされたか否かに応じ、時短フラグがOFFであれば、第2始動口の開放時間が短く、該第2始動口へ遊技球が入賞し難い通常遊技状態に設定し、 h2 時短フラグがONであれば、第2始動口の開放時間が長く、該第2始動口へ遊技球が入賞し易い時短遊技状態に設定し、第2始動口開閉扉の作動を開始する、遊技制御基板のCPU212と、(く) i 第1始動口または第2始動口へ入賞(入球)したことによりCPU212により特別遊技判定処理を実行し、(うー2) j1 停止中処理において、特別遊技フラグがONであると判定した場合、すなわち、長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)がONまたは短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)がONであれば、ラウンド数を4Rまたは16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり、または、ラウンド数を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たりにラウンド回数/作動パターンの設定を行い、該「ラウンド回数/作動パターンの設定」に基づいて、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり、または、 j2 1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たりに各大入賞口を作動する、CPU212と、(えー2) k1 非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第1の期間にわたるエンディングが開始され、(さー3) k2 時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、前記第1の期間より短い第2の期間にわたるエンディングが開始され、(さー4) l1 CPU222は、 非時短遊技状態にて第1始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行い、(こー1) 非時短遊技状態にて第2始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行い、(こー2) 時短遊技状態にて第1・第2始動口への入球により大当たりの長当たりとなってもエンディング演出にて注意喚起演出を行わず、(こー3) l2 時短・非時短状態に関わりなく、判定結果が大当たりの短当たりの当選である場合は、注意喚起演出を行わない、(こー4) m 遊技機。」(ア) 4.対比 本願発明と先願発明とを、分説に従い対比する。(以下、先願発明の各構成については単に「構成a」などといい、本願発明の各構成は単に「構成A」などということがある。) ア 先願発明における構成aの「遊技媒体貸出装置」、「遊技用カード」、「遊技用カードに記録された情報に基づいて、遊技機側からの操作により、該遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、遊技を行うことが可能」となること、は、それぞれ本願発明における構成Aの、「収納手段」、「遊技用記録媒体」、「遊技用記録媒体に記録された情報に基づいて遊技を行うことが可能」となること、に相当する。 したがって、先願発明における構成aの「遊技機に隣接して設置された遊技媒体貸出装置に挿入された遊技用カードに記録された情報に基づいて、遊技機側からの操作により、該遊技用カードからのカード残高の引き落としを受けて、遊技を行うことが可能となる遊技機」は、本願発明の構成Aの「収納手段に収納された遊技用記録媒体に記録された情報に基づいて遊技を行うことが可能な遊技機」に相当する。 また、先願発明の構成mが、本願発明の構成Mに相当することは明らかである。 イ 先願発明における構成bの「遊技者にとって有利な遊技状態である大当たり」、「CPU212」はそれぞれ本願発明における構成Bの「遊技者にとって有利な特別遊技」、「特別遊技判定手段」に相当する。 よって、先願発明における構成bの「遊技者にとって有利な遊技状態である大当たりに当選したか否かの判定を行うCPU212」は、本願発明における構成Bの「遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段」に相当する。 ウ 先願発明における構成cの、「CPU212による、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の判定」、「CPU212によって、・・・特別遊技判定処理において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の大当たり等当否を判定の抽選が1回行われ、それに対応して」、「大当たり図柄が表示される」こと、「図柄変動を開始し、次いで、所定の変動時間を経過したとの判定に基づき変動を停止する」、「特別図柄表示装置」、および「第1特別図柄表示装置、または第2特別図柄表示装置」はそれぞれ、本願発明における構成Cの「前記特別遊技判定手段の判定結果」、「前記特別遊技判定手段の抽選1回毎に」、「特別図柄を表示可能」なこと、「前記特別図柄の変動表示と停止を行う」、「特別図柄表示手段」に相当する。 よって、先願発明における構成cの「特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の判定による大当たり当否結果に対応した大当たり図柄が表示される特別図柄表示装置であって、CPU212によって、第1・第2始動口の(入賞球の)保留個数が1個消費されるごとに、該各始動口に入賞したことを契機として取得・記憶された特別図柄用の特別図柄判定用乱数値大当たり図柄判定用乱数値に基づいて、特別遊技判定処理において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値の大当たり等当否を判定の抽選が1回行われ、それに対応して図柄変動を開始し、次いで、所定の変動時間を経過したとの判定に基づき変動を停止する、第1特別図柄表示装置、または第2特別図柄表示装置」は、本願発明における構成Cの「前記特別遊技判定手段の判定結果に対応する特別図柄を表示可能であり、前記特別遊技判定手段の抽選1回毎に前記特別図柄の変動表示と停止を行う特別図柄表示手段」に相当する。 エ 先願発明における構成dの「CPU212により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりであると判定した場合」は、本願発明における構成Dの「前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合」に相当することが明らかである。 また、構成dの「特別遊技フラグをONにし、特別遊技フラグがONであると判定した場合は、例えばラウンド数を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定するというようなラウンド回数/作動パターンの設定を行い、次いで前記設定に基づいて何れかの大入賞口を閉状態から開状態にし、前記設定に基づいた所定の作動時間経過後に該大入賞口を開から閉にする」ことは、一連の大当たり遊技におけるCPU212による大入賞口の制御態様であるから、本願発明における構成Dの「当該特別遊技を実行する」ことに相当する。 よって、先願発明における構成dの「CPU212により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりであると判定した場合は特別遊技フラグをONにし、特別遊技フラグがONであると判定した場合は、例えばラウンド数を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定するというようなラウンド回数/作動パターンの設定を行い、次いで前記設定に基づいて何れかの大入賞口を閉状態から開状態にし、前記設定に基づいた所定の作動時間経過後に該大入賞口を開状態から閉状態にする、CPU212」は、本願発明における構成Dの「前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段」に相当する。 オ 先願発明における構成eの「プリペイドカードを取り忘れないよう、遊技者に注意喚起する注意喚起演出を実行する、演出制御基板のCPUであるCPU222」が本願発明における構成Eの「遊技者に対して前記遊技用記録媒体の取り忘れを注意する注意表示を行う注意表示手段」に相当することは明らかである。 カ 先願発明における構成fの「遊技領域の中央下側の領域に設けられた、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口及び第2始動口」が本願発明における構成Fの「遊技媒体の遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口および第2始動口」に相当することは明らかである。 キ 先願発明における構成gの「遊技盤の遊技領域に設けられ、その開閉扉の開閉に応じて遊技球の入球可能な開放状態と入球不可能な閉状態とに作動する、第2大入賞口」が本願発明における構成Gの「前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉塞状態とに作動し得る特別入賞口」に相当することは明らかである。 ク 先願発明における構成h1の「第2始動口の開放時間が短く、該第2始動口へ遊技球が入賞し難い通常遊技状態」が本願発明における構成H1の「前記第2始動口に遊技球が入球し難い非特定遊技状態」に相当し、先願発明における構成h2の「第2始動口の開放時間が長く、該第2始動口へ遊技球が入賞し易い時短遊技状態」が本願発明における構成H2の「前記第2始動口に遊技球が入球し易い特定遊技状態」に相当することは明らかである。 また、構成h1及びh2において前記「通常遊技状態」・「時短遊技状態」に制御する「CPU212」は、構成H1及びH2で前記非特定・特定遊技状態にて遊技を進行させる「遊技進行手段」に相当する。 よって、先願発明における構成h1及びh2の「主制御基板である遊技制御基板211が取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)」であると判定され、時短フラグがONとされたか否かに応じ、時短フラグがOFFであれば、第2始動口の開放時間が短く、該第2始動口へ遊技球が入賞し難い通常遊技状態に設定し、時短フラグがONであれば、第2始動口の開放時間が長く、該第2始動口へ遊技球が入賞し易い時短遊技状態に設定し、第2始動口開閉扉の作動を開始する、遊技制御基板のCPU212」は、本願発明における構成H1及びH2の「前記第2始動口に遊技球が入球し難い非特定遊技状態または前記第2始動口に遊技球が入球し易い特定遊技状態にて遊技を進行させる遊技進行手段」に相当する。 ケ 先願発明における構成iの「第1始動口または第2始動口へ入賞(入球)したことによりCPU212により特別遊技実行判定処理を実行」することが、本願発明における構成Iの「前記特別遊技判定手段は、前記第1始動口または前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技を行うか否かを判定」することに相当することは明らかである。 コ 先願発明における構成j1の「ラウンド数を4Rまたは16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり、または、ラウンド数を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たり」は、本願発明における構成J1の「前記特別入賞口を開放させることにより、該特別入賞口への遊技球の入球を可能とするラウンド遊技が複数回実行される開放特別遊技」に相当し、先願発明における構成j1及びj2の「1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり」および「1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たり」は、前者の総開放時間(29.5秒×1回)より後者の総開放時間(0.1秒開放×1回)の方が短いことから、それぞれ本願発明における構成J1及びJ2の「前記ラウンド遊技における前記特別入賞口の総開放時間が所定時間に設定される第1の開放特別遊技」および「前記総開放時間が前記所定時間よりも短い時間に設定される第2の開放特別遊技」に相当する。 また、本願発明における構成J1の「特別遊技実行手段」には先願発明の「CPU212」が相当することは上記エのとおりであり、先願発明における構成j1及びj2の動作(処理)を実行するのも「CPU212」である。 よって、先願発明における構成j1及びj2の「CPU212は、停止中処理において、特別遊技フラグがONであると判定した場合、すなわち、長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)がONまたは短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)がONであれば、ラウンド数を4Rまたは16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり、または、ラウンド数を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たりにラウンド回数/作動パターンの設定を行い、該ラウンド回数/作動パターンの設定に基づいて、1R中の作動パターンが29.5秒開放×1回に設定する各種長当たり、または、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する各種短当たりに各大入賞口を作動する手段としてのCPU212でもある」こと、は、本願発明における構成J1及びJ2の「前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技として、前記特別入賞口を開放させることにより、該特別入賞口への遊技球の入球を可能とするラウンド遊技が複数回実行される開放特別遊技であって、前記ラウンド遊技における前記特別入賞口の総開放時間が所定時間に設定される第1の開放特別遊技、または、前記総開放時間が前記所定時間よりも短い時間に設定される第2の開放特別遊技、を制御可能な特別遊技制御手段を備え」ること、に相当する。 サ 先願発明における構成k1及びk2の「CPU212」、「非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球する」こと、「大当たりの長当たりへの当選と判定され」ること、「大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了」すること、「第1の期間にわたるエンディングが開始」すること、「時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球する」こと、「大当たりの長当たりへの当選と判定」すること、「前記第1の期間より短い第2の期間にわたるエンディングが開始」すること、は、それぞれ本願発明における構成K1及びK2の「前記特別遊技制御手段」および「前記特別遊技判定手段」、「前記非特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第1始動口に遊技球が入球する」こと、「前記特別遊技を行うと判定される」こと、「前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了」すること、「第1の期間にわたるエンディング動作を制御」すること、「前記特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第2始動口に遊技球が入球する」こと、「前記特別遊技を行うと判定」すること、「前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたるエンディング動作を制御」すること、に相当する。 よって、先願発明における構成k1及びk2の「非時短状態のときに第1始動口に遊技球が入球することで、CPU212により、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、第1の期間にわたるエンディングが開始され、時短状態のときに第2始動口に遊技球が入球することで、大当たりの長当たりへの当選と判定され、特別遊技フラグがONとされ、大当たりの長当たりに共通に設定されている最終ラウンドである16Rが終了すると、前記第1の期間より短い第2の期間にわたるエンディングが開始され、」は、本願発明における構成K1及びK2の「前記特別遊技制御手段は、前記非特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第1始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、第1の期間にわたるエンディング動作を制御し、前記特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたるエンディング動作を制御し、」に相当する。 シ 先願発明における構成l1及びl2の「CPU222」、「大当たりの長当たり」、「大当たりの短当たり」は、それぞれ本願発明における構成L1及びL2の「前記注意表示手段」、「前記第1の開放特別遊技」、「前記第2の開放特別遊技」に相当する。 また、上記(さ)で検討したとおり、先願発明においてエンディング動作が(第2の期間より長い)第1の期間となるのは、エンディング中に注意喚起演出を「専用画面で社名ロゴ表示などの他のエンディング演出の表示とは別に」(付加的に)行うことによるから、前記「第1の期間」はエンディング動作中に専用画面での注意喚起演出を含み、前記「第1の期間」より短い前記「第2の期間」は注意喚起演出を含まない。 そうすると、構成l1において、非時短遊技状態で大当たりの長当たりに当選した場合に、いずれもエンディングにおいて注意喚起演出を行うのであるから、当該エンディングは注意喚起演出の分だけ長い前記「第1の期間」行われるエンディングであるといえる。 他方、構成l1における時短遊技状態にて大当たりの長当たりとなった場合や、構成l2における、大当たりの短当たりの当選である場合は、いずれも注意喚起演出を行わないのであるから、エンディングは前記「第1の期間」より注意喚起演出分だけ短い「第2の期間」行われるエンディングであるといえる。 よって、構成l1の「非時短遊技状態にて第1始動口への入球により大当たりの長当たりに当選」したとき、「非時短遊技状態にて第2始動口への入球により大当たりの長当たりに当選」したとき、はいずれも構成L1の「第1の期間にわたるエンディング動作」が行われる場合に該当し、構成l1の「時短遊技状態にて第1・第2始動口への入球により大当たりの長当たり」となるとき、はいずれも、構成L1の「第2の期間にわたるエンディング動作」が行われる場合に該当する。 以上から、先願発明における構成l1及びl2の 「CPU222は、 非時短遊技状態にて第1始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらずエンディング演出において注意喚起演出を行い、 非時短遊技状態にて第2始動口への入球により大当たりの長当たりに当選すると、プリペイドカードが遊技媒体貸出装置に挿入されているか否かに関わらず、エンディング演出において注意喚起演出を行い、 時短遊技状態にて第1・第2始動口への入球により大当たりの長当たりとなってもエンディング演出にて注意喚起演出を行わず、 時短・非時短状態に関わりなく、判定結果が大当たりの短当たりの当選である場合は、注意喚起演出を行わない、」 は、本願発明における構成L1及びL2の 「前記注意表示手段は、 前記第1の開放特別遊技が制御されたとき、前記収納手段に前記遊技用記録媒体が収納されているか否かに関係なく、前記第1の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行い、前記第2の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行わず、 前記第2の開放特別遊技が制御されたとき、前記注意表示を行わない」 に相当する。 ス 上記ア?シから、本願発明と先願発明とは [一致点] 「A 収納手段に収納された遊技用記録媒体に記録された情報に基づいて遊技を行うことが可能な遊技機であって、 B 遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かを判定する特別遊技判定手段と、 C 前記特別遊技判定手段の判定結果に対応する特別図柄を表示可能であり、前記特別遊技判定手段の抽選1回毎に前記特別図柄の変動表示と停止を行う特別図柄表示手段と、 D 前記特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、 E 遊技者に対して前記遊技用記録媒体の取り忘れを注意する注意表示を行う注意表示手段と、 F 遊技媒体の遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口および第2始動口と、 G 前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉塞状態とに作動し得る特別入賞口と、 H1 前記第2始動口に遊技球が入球し難い非特定遊技状態または H2 前記第2始動口に遊技球が入球し易い特定遊技状態にて遊技を進行させる遊技進行手段と、を備え、 I 前記特別遊技判定手段は、前記第1始動口または前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技を行うか否かを判定し、 J1 前記特別遊技実行手段は、 前記特別遊技として、前記特別入賞口を開放させることにより、該特別入賞口への遊技球の入球を可能とするラウンド遊技が複数回実行される開放特別遊技であって、前記ラウンド遊技における前記特別入賞口の総開放時間が所定時間に設定される第1の開放特別遊技、または、 J2 前記総開放時間が前記所定時間よりも短い時間に設定される第2の開放特別遊技、を制御可能な特別遊技制御手段を備え、 K1 前記特別遊技制御手段は、前記非特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第1始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、第1の期間にわたるエンディング動作を制御し、 K2 前記特定遊技状態にて遊技が進行されているときに前記第2始動口に遊技球が入球することにより前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されると、前記第1の開放特別遊技のラウンド遊技の最終ラウンドが終了した後、前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたるエンディング動作を制御し、 L1 前記注意表示手段は、 前記第1の開放特別遊技が制御されたとき、前記収納手段に前記遊技用記録媒体が収納されているか否かに関係なく、前記第1の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行い、前記第2の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行わず、 L2 前記第2の開放特別遊技が制御されたとき、前記注意表示を行わないことを特徴とする M 遊技機。」 である点で一致し、両者の間に相違点はない。 よって、本願発明は先願発明と同一であり、しかも、本願発明の発明者がその先願発明の発明者と同一ではなく、また本願の原出願の出願時において、その出願人が上記先願の出願人と同一でもないので、本願発明は特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 セ 請求人は、審判請求書の3.(3)において、 (主張1)「特許庁審査官殿は、平成28年4月27日付け拒絶理由通知書におきまして、出願1について、『注意喚起をモード移行演出や社名ロゴに重畳して表示することでエンディング時間を短縮することが記載されており』という指摘を行われております。しかしながら、この指摘を受けたその後の記載の『注意喚起を専用画面で行うエンディングより、注意喚起を行わないエンディングの方がエンディング時間が短いものと認められる』という認定は誤りであり、『注意喚起を専用画面で行うエンディングより、注意喚起をモード移行演出や社名ロゴに重畳表示して行うエンディングの方が、エンディング時間が短いものと認められる』との認定が妥当であると思料いたします。」 (主張2)「従いまして、出願1には、非時短中に第1始動口に遊技球が入球することにより実行される長当たりの最終ラウンドが終了した後、第1の期間にわたるエンディング動作中に注意表示を行い、時短中に第1始動口に遊技球が入球することにより実行される長当たりの最終ラウンドが終了した後、前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたるエンディング動作中に前記注意表示を行わないことを示す記載はありません。」 と主張している。 しかし、請求人が前記主張1で指摘する審査官の 「出願1について、『注意喚起をモード移行演出や社名ロゴに重畳して表示することでエンディング時間を短縮することが記載されており』という指摘」「を受けたその後の記載の『注意喚起を専用画面で行うエンディングより、注意喚起を行わないエンディングの方がエンディング時間が短いものと認められる』という認定」 は、出願1(本審決でいう「先願明細書等」)に記載された「注意喚起をモード移行演出や社名ロゴに重畳して表示することでエンディング時間を短縮する」ことの背景に、注意喚起を専用画面にてモード移行演出や社名ロゴとは別に表示すると全体のエンディング演出の時間が注意喚起演出分長くなるという言外の課題の存在を推認しての認定と推察され、認定誤りとの指摘はあたらない。 また、請求人の前記主張2は本願発明の構成K1?L1に相当する構成が先願明細書等中にない点を主張するものと考えられるが、該各構成が先願明細書等に開示されていることについては、上記4.サ・シにて検討したとおりである。 したがって、上記請求人の主張を採用することはできない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-08-23 |
結審通知日 | 2017-08-29 |
審決日 | 2017-09-19 |
出願番号 | 特願2015-96532(P2015-96532) |
審決分類 |
P
1
8・
161-
Z
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 酒井 保 |
特許庁審判長 |
長井 真一 |
特許庁審判官 |
長崎 洋一 樋口 宗彦 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 特許業務法人 エビス国際特許事務所 |