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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06K |
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管理番号 | 1336429 |
審判番号 | 不服2017-12715 |
総通号数 | 219 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-08-29 |
確定日 | 2018-01-30 |
事件の表示 | 特願2013-115249「情報コード表示媒体及び情報コード読取システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月15日出願公開、特開2014-235488、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成25年5月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 2月 4日 審査請求 平成28年12月15日 拒絶理由通知 平成29年 2月20日 意見書・手続補正書 平成29年 3月 6日 拒絶理由通知 平成29年 5月 8日 意見書・手続補正書 平成29年 5月26日 拒絶査定 平成29年 8月29日 審判請求・手続補正書 第2 原査定の概要 原査定(平成29年5月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願の請求項1ないし8に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 1.特開2001-160121号公報 2.特開平07-085229号公報 3.特表平09-509516号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正(以下、「本件補正」という。)により請求項1、2、6、7、及び段落【0007】ないし【0011】に追加された事項は、本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項6及び明細書の段落【0016】に記載されているから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。 また、平成29年3月6日付け拒絶理由通知において特許をすることができるものか否かについての判断が示された発明と、本件補正後の請求項1ないし7に係る発明とは、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合する。 さらに、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、下記「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、本件補正後の請求項1ないし7に係る発明は、独立特許要件を満たすものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 第4 本願発明 本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となり、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記透過状態よりも透過性の低い状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第1情報コードと、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、前記第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射すると共に当該第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1情報コードの少なくとも一部と重なる構成で配置され、 前記第2情報コードには、少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録されていることを特徴とする情報コード表示媒体。 【請求項2】 少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第1情報コードと、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射すると共に当該第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1情報コードの少なくとも一部と重なる構成で配置され、 前記第2情報コードには、少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録されていることを特徴とする情報コード表示媒体。 【請求項3】 前記被形成部における前記第2面側に接着媒体による接着層が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報コード表示媒体。 【請求項4】 前記被形成部は、撓み変形可能な板材又はシート材として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の情報コード表示媒体。 【請求項5】 前記被形成部は、可視光が照射された可視光環境下で不透明状態となることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報コード表示媒体。 【請求項6】 情報コードが表示される情報コード表示媒体と、前記情報コード表示媒体に付された前記情報コードを読み取る情報コード読取装置とを備えた情報コード読取システムであって、 前記情報コード表示媒体は、 少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となり、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記透過状態よりも透過性の低い状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第1情報コードと、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、前記第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射すると共に当該第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1情報コードの少なくとも一部と重なる構成で配置されており、 前記第2情報コードには、少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録され、 前記情報コード読取装置は、 前記第1波長帯の光を照射可能な照射光源と、 前記情報コード表示媒体に対して前記照射光源によって前記第1波長帯の光が照射されていない状態で前記第1情報コードの像を撮像し、前記情報コード表示媒体に対して前記照射光源によって前記第1波長帯の光が照射された状態で前記第2情報コードの像を撮像する撮像部と、 前記撮像部によって前記第1情報コードが撮像された場合に当該第1情報コードを解読し、前記撮像部によって前記第2情報コードが撮像された場合に当該第2情報コードを解読する解読部と、 を有することを特徴とする情報コード読取システム。 【請求項7】 情報コードが表示される情報コード表示媒体と、前記情報コード表示媒体に付された前記情報コードを読み取る情報コード読取装置とを備えた情報コード読取システムであって、 前記情報コード表示媒体は、 少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第1情報コードと、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射すると共に当該第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1情報コードの少なくとも一部と重なる構成で配置されており、 前記第2情報コードには、少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録され、 前記情報コード読取装置は、 前記第1波長帯の光を照射可能な照射光源と、 前記情報コード表示媒体に対して前記照射光源によって前記第1波長帯の光が照射されていない状態で前記第1情報コードの像を撮像し、前記情報コード表示媒体に対して前記照射光源によって前記第1波長帯の光が照射された状態で前記第2情報コードの像を撮像する撮像部と、 前記撮像部によって前記第1情報コードが撮像された場合に当該第1情報コードを解読し、前記撮像部によって前記第2情報コードが撮像された場合に当該第2情報コードを解読する解読部と、 を有することを特徴とする情報コード読取システム。」 第5 引用文献及び引用発明 1 引用文献1 (1)引用文献1の記載事項 原査定において引用された特開2001-160121号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(当審注.下線は当審において付した。以下同様。) ア「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、情報を記録する情報記録媒体および情報記録方法ならびにそれらを用いた情報読み取りシステムおよび情報読み取り方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、様々な商品またはその包装に各種情報を表示するためにバーコードが用いられている。例えば、お菓子やそのパッケージの表面に黒色塗料でバーコードが印刷されている。商品またはその包装に付されたバーコードをバーコードリーダを用いて読み取ることにより、商品の情報を取得することができる。 【0003】図13は従来の情報読み取りシステムの一例を示す概略図である。図13の例では、基板101の表面に黒いインキでストライプ状のバーコード102が印刷されている。基板101の上部からレーザ光源103により赤色レーザ光104をバーコード102に照射するとともにバーコード102を横切るようにして走査させ、反射光106を検出器105により検出する。検出器105の出力信号に基づいて反射強度を判別することによりバーコード102を読み取ることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のバーコードは、読み取りを容易にするために、商品またはその包装の表面に付されており、人目につく状態にある。特に、バーコードが商品またはその包装のデザイン中にある場合には、見苦しく、違和感がある。また、従来のバーコードは、人目につく状態にあるため、秘密性の高い情報をバーコードを用いて管理することはできない。 【0005】本発明の目的は、人間の目に見えずまたは見えにくい状態で情報を表示しかつ読み取ることができる秘密性の高い情報記録媒体および情報記録方法ならびにそれらを用いた情報読み取りシステムおよび情報読み取り方法を提供することである。」 イ「【0051】 【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例における情報読み取りシステムの概略斜視図、図2は図1の情報読み取りシステムの概略断面図である。 【0052】図1および図2において、基板10は、可視光を透過せずまたは透過しにくくかつ近赤外領域の光を良好に透過する材料(近赤外良透過材)により形成される。基板10の材料としては、プラスチック等の樹脂、紙等を用いることができる。 【0053】なお、近赤外領域の光とは、波長が約750nmから約2500nmの範囲内の光であり、本実施例でも、特に波長が750nm?2500nmの光を用いる。 【0054】基板10の裏面に、近赤外領域の光を反射または散乱する材料を用いてバーコード20が表示されている。近赤外領域の光を反射する材料としては、例えば金属の蒸着膜を用いることができる。また、近赤外領域の光を散乱する材料としては、例えばTiO_(2)(二酸化チタン)等の金属酸化物またはSiO_(2)(二酸化ケイ素)等のセラミックを用いることができる。基板10の表面には、近赤外領域の光を良好に透過する青色、赤色等のインキを用いて図形60が印刷されている。 【0055】本実施例では、基板10およびバーコード20が情報記録媒体を構成し、基板10が被覆体に相当し、バーコード20が情報に相当する。 【0056】基板10の上方には、近赤外領域のレーザ光を出射するレーザ光源30および光を検出する検出器50が配置されている。 【0057】レーザ光源30から出射された近赤外領域のレーザ光40は、基板10の表面に照射されるとともに裏面のバーコード20を横切るように走査される。この場合、近赤外領域のレーザ光40は、図形60および基板10を透過し、バーコード20で反射または散乱される。基板10を透過した反射光41は検出器50により検出される。検出器50の出力信号に基づいて反射強度を判別することによりバーコード20を読み取ることができる。」 ウ「【0062】本実施例の情報読み取りシステムにおいては、基板10が可視光を透過せずまたは透過しにくいので、基板10の裏面側に付与されたバーコード20が人間の目には見えず、または見えにくい。また、基板10および図形60が近赤外領域の光を良好に透過しかつバーコード20が近赤外領域の光を反射または散乱するので、バーコード20のパターンに対応する反射光が得られる。それにより、近赤外領域の光を用いてバーコード20を読み取ることができる。 【0063】このように、本実施例では、人の目の感度領域の可視光をほとんど透過せずかつ少なくともバーコード20を読み取るための近赤外領域の光を良好に透過する基板10の裏面側に当該近赤外領域の光を良好に反射または散乱する材料からなるバーコード20を配置しているので、利匿性や美観性に優れた構成となる。 【0064】さらに、本実施例では、利匿性を保持しつつ、基板10上に近赤外領域の光を良好に透過する有色の材料にて図形や装飾を施すことができるので、基板10の両面にそれぞれ情報を付与することができる。」 (2)引用発明 上記(1)より、引用文献1には、下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「可視光を透過しにくくかつ近赤外領域の光を良好に透過する近赤外良透過材により形成された基板10と、 前記基板10の表面に、近赤外領域の光を良好に透過する青色、赤色等のインキを用いて印刷された図形60と、 前記基板10の裏面に、近赤外領域の光を反射する材料を用いて表示されたバーコード20と、 を有し、 前記図形60は、近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を透過し、 前記バーコード20は、近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を反射すると共に前記近赤外領域のレーザ光40を反射した反射光の反射強度を判別することによりバーコード20を読み取ることができる ことを特徴とする情報記録媒体。」 2 引用文献2 原査定において引用された特開平07-085229号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。 ア「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、カード上に印刷されたバーコードの偽造を検出しカードの正当性を判定するカード判定方式に関する。」 イ「【0011】ところで、磁気カード1には、図2に示すように構成され、磁気データを記録する磁気データ部1Aの他に、磁気カードのセキュリティ向上の目的で上述したバーコードを記録するバーコード部1Bが設けられている。ここでバーコード部1Bは、図3の断面図に示すように、下層から、基材1B_(1)、磁性層1B_(2)、バーコード1Cが印刷されるバーコード印刷層1B_(3)、印刷されたバーコード1Cを隠蔽する隠蔽層1B_(4)の順に各層が積層されている。 【0012】このような磁気カードのセキュリティ向上の目的で設けられたバーコード1Cは、赤外線光を吸収する物質で印刷されているため、光学センサ37を構成する図3の赤外線センサ部37Aによりそのパターンが検出されるものである。そして、制御回路31は、赤外線センサ部37Aを介してこのバーコードパターンを検出すると、この磁気カードの正当性を認識し、カードの使用を許可する。このようなバーコード1Cのパターンは、隠蔽層1B_(4)で覆われ目視では解読は困難であるものの、上記赤外線センサ出力或いはその他の要因により、これが一旦解読されてしまうと、この解読されたバーコードパターンによりカードの偽造が容易に行われてしまうという問題が生じている。即ち、一旦解読されたバーコードパターンをこのカードと異なるカードのバーコード部の隠蔽層1B_(4)上に同様の赤外線光吸収物質で印刷すると、これが赤外線センサ部37によって検出されて正当カードとして識別され、この結果上記カードと異なるカードが使用可能となってしまう不具合を生じる。 【0013】このため、本装置の光学センサ37に、図3に示すような可視光線センサ部37Bを別途設けて、この可視光線センサ部37Bの検出出力と上記の赤外線センサ部37Aの検出出力とにより、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にバーコードパターンが記録されているか否か、即ちバーコード部1B内のバーコード1Cが故意に書き換えられているか否かを判定できるようにする。 【0014】即ち図3において、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にパターン1Dが記録されている場合、或いはパターン1Dが記録された用紙が貼り付けられている場合に、このパターン1Dが赤外光透過物質により形成されていれば、赤外線センサ部37Aにとってはパターン1Dが存在しないことと同一になり、したがって赤外線センサ部37Aの発光部からの赤外線はパターン1D,隠蔽層1B_(4)を透過してバーコード印刷層1B_(3)に達してバーコード1Cに吸収されると共に、バーコード1Cに照射されない赤外線は磁性層1B_(2)の表面で反射されて隠蔽層1B_(4)を介し赤外線センサ部37Aの受光部において受光される。また、パターン1Dが赤外光吸収物質により形成されていれば、赤外線センサ部37Aからの赤外線はパターン1Dにより吸収されると共に、パターン1Dに照射されない赤外線は、隠蔽層1B_(4)を透過してバーコード印刷層1B_(3)に達しこの印刷層1B_(3)のバーコードパターンの印刷状況に応じ、吸収及び反射が行われる。 【0015】一方、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にパターン1Dが記録されている場合、或いはパターン1Dが記録された用紙が貼り付けられている場合に、可視光線センサ部37Bの発光部からの可視光はパターン1Dに吸収されると共に、パターン1Dに照射されない可視光は隠蔽層1B_(4)で反射されて可視光線センサ部37Bの受光部において受光される。したがって、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にパターン1Dが存在しない場合は、赤外線センサ部の受光出力は、バーコード印刷層1B_(3)の印刷状況に応じて図4(a)のように変化すると共に、可視光線センサ部37Bの可視光は全て隠蔽層1B_(4)で反射されその受光出力は図4(b)に示すように無変化状態を呈する。このような場合は、制御回路31はこの磁気カードを正常カードと判定する。 【0016】また、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にパターン1Dが存在すれば、赤外線センサ部37Aの受光出力は、パターン1Dの記録状況及びバーコード印刷層1B_(3)の印刷状況に応じて図5(a)のように変化すると共に、可視光線センサ部37Bの受光出力は、パターン1Dの記録状況に応じて図5(b)に示すように変化する。このように赤外線センサ部37Aの受光出力と可視光線センサ部37Bの受光出力とが共に変動する場合は、この磁気カードのバーコード部1Bにパターン1Dが貼り付けられておりこの磁気カードのバーコードが偽造されているものとして制御回路31は、この磁気カードを不正カードと判定する。 【0017】なお、バーコード部1Bの隠蔽層1B_(4)上にただし書き等が印刷されていることがあり、このような場合は、赤外線センサ部37Aの受光出力と可視光線センサ部37Bの受光出力とが共に変動する。したがってこれを見分けるために制御回路31は、赤外線センサ部37Aの受光出力の変動と可視光線センサ部37Bの受光出力の変動とが一致すれば不正カードとすると共に、双方の出力が一致しない場合は、赤外線センサ部37Aの受光出力を検出してこれが正当性を有するものか否かを識別する。即ち、赤外線センサ部37A及び可視光線センサ部37Bの各受光出力が一致しない場合は、赤外線センサ部37Aの受光出力を検出してこの受光出力データのビット当たりの時間幅のチェックやパリティチェックを行ってバーコードデータの正当性を識別し、磁気カードの正否を決定する。」 3 引用文献3 原査定において引用された特表平09-509516号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「図6の実施態様では、実質的に完全にバーコード12および所定領域11を被覆するオーバーレイ27が設けられ、実際に基体10の重ね合わせ領域28を被覆する。バーコード12は図1に記載のとおりであるが、機密保護27ブロックという形式を取るオーバーレイは、コード12が不透過である光の波長に透過であり、電磁エネルギーの第2の所定波長には不透過であるトナーにより構成する。この実施態様では、ブロック27がコード12を隠すのに十分に不透明の物である限り、スペクトルの可視領域内で透過である必要はない。 ブロック27は、トナーベースのプロセスによりコード12を重ねている基体10上にイメージングされる必要はない。イメージングは、従来のインクジェット印刷や従来のリソまたはフレキソ印刷技法のような多数の他のプロセスによってなすことができる。ブロック27は黒い必要はないが、任意の数の異なる「スポットカラー」またはスポットカラーから成る複数の層とすることができる。 上述のように本発明を実現する1つの例では、バーコード12の模擬バーが、ICMI QA6-14B赤外吸収不可視トナーを用いて紙の基体10上にイメージングされ、固定された。これらのバーは、赤外波長走査ヘッドを備えたRJS自動走査装置により走査された。(正確な波長および帯域幅は未知である。)バーの幅は0.0740インチと測定された。その後、バーコード12の模擬バーは、黒いスポットカラーのブロッブ(blob)27を、そして、キャノンBJ-10バブルジェットプリンタを用いて第2のバーコードを上に印刷された。使用されたカートリッジは、標準的な大量生産されたインクを入れたキャノンBC-01カートリッジであった。これは、予め試験され、スペクトルの赤外領域では透過であることが判明した。RJS自動走査の赤外走査ヘッドが赤外吸収不可視トナー27であるブロッブおよびバーコード上に配置されたとき、走査ヘッドが記録する唯一のものはその下にある、赤外不透過トナーで作られたバーコード12の模擬バーのみであった。バー幅は、0.0742インチと測定され、実験的な誤差の十分な範囲内であった。」(13ページ28行ないし14ページ25行) 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 ア 引用発明の「可視光」及び「近赤外領域の光」は、それぞれ、本願発明1の「可視光領域の第2波長帯の光」及び「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光」に相当するといえる。 そうすると、引用発明の「可視光を透過しにくくかつ近赤外領域の光を良好に透過する近赤外良透過材により形成された基板10」は、本願発明1の「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となり、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記透過状態よりも透過性の低い状態となる被形成部」に相当するといえる。 イ 引用発明の「基板10の表面」は、本願発明1の「被形成部の所定の第1面」に相当するといえる。 また、引用発明の「図形60」と、本願発明1の「第1情報コード」は、情報の表示である点において共通するといえる(以下、当該表示を「第1表示」という。)。 さらに、引用発明の「図形60」は、「基板10の表面」に「青色、赤色等のインキを用いて印刷され」たものであるから、「暗色部」と「基板10の表面側を露出させることで構成される明色部」を備えたものであるといえ、当該「暗色部」及び「明色部」と、本願発明1の「暗色モジュール」及び「明色モジュール」は、それぞれ、「暗色部」及び「明色部」である点において共通するといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色部と前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色部とを備えてなる第1表示」を有する点において共通し、後述する相違点1において相違するといえる。 ウ 引用発明の「基板10の裏面」は、本願発明1の「前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面」に相当するといえる。 また、引用文献1の【図1】及び【図2】の記載より、引用発明の「バーコード20」は「暗色モジュール」と「明色モジュール」を備えたものであるといえ、引用文献1の【図2】の記載より、前記「明色モジュール」は、「基板10の裏面」側を露出させることで構成されたものであるといえる。 そうすると、引用発明の「バーコード20」は、後述する相違点1を除き、本願発明1の「第2情報コード」に相当するといえ、本願発明1と引用発明は、「前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コード」を有する点において共通するといえる。 エ 引用発明の「図形60」は、「近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を透過」するものである。 また、引用発明の「図形60」は、「近赤外領域の光を良好に透過する青色、赤色等のインキを用いて印刷され」たものであるから、「図形60」の暗色部が可視光を反射するものであることは明らかである。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「前記第1表示の前記暗色部は、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、前記第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射する」との点において共通し、後述する相違点1において相違するといえる。 オ 引用発明の「前記バーコード20は、近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を反射すると共に前記近赤外領域のレーザ光40を反射した反射光の反射強度を判別することによりバーコード20を読み取ることができる」との構成は、本願発明1の「前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり」との構成に相当するといえる。 カ 引用文献1の【図1】より、引用発明の「バーコード20」は、「基板10の裏面」側に対して、「基板10の表面」側から見て「図形60」の少なくとも一部と重なる構成で配置されたものであるといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1表示の少なくとも一部と重なる構成で配置され」との点において共通するといえる。 キ 引用発明の「情報記録媒体」は、本願発明1の「情報コード表示媒体」に相当するといえる。 ク 以上より、本願発明1と引用発明は、下記aにおいて一致し、下記bにおいて相違すると認める。 a 一致点 「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となり、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記透過状態よりも透過性の低い状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色部と前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色部とを備えてなる第1表示と、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1表示の前記暗色部は、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、前記第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射する構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1表示の少なくとも一部と重なる構成で配置されていることを特徴とする情報コード表示媒体。」 b 相違点 ・相違点1 本願発明1は、「第1表示」が「暗色モジュール」と「明色モジュール」を備えてなる「第1情報コード」であり、前記「暗色モジュール」は「第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成」であり、「第2情報コードには少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録されている」のに対し、引用発明はそうではない点。 (2)判断 引用文献1の段落【0004】、【0005】及び【0063】の記載より、引用発明は、「従来のバーコードは、人目につく状態にあり、見苦しく、違和感がある。」との課題を解決するために、基板10の裏面側にバーコード20を配置したものと認められるところ、引用発明において相違点1に係る構成を採用した場合には、基板10の表面側に情報コードが配置されることとなり、上記課題を解決できなくなることは明らかであるから、引用発明において相違点1に係る構成を採用することには、阻害要因があるといえる。 また、引用文献2及び3の記載からは、相違点1に係る構成が当該技術分野において周知であったということはできず、引用発明に対して引用文献2及び3に記載された技術事項を適用する動機付けを見いだすこともできない。 したがって、本願発明1は、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2について (1)対比 ア 引用発明の「近赤外領域の光」は、本願発明2の「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光」に相当するといえる。 そうすると、引用発明の「可視光を透過しにくくかつ近赤外領域の光を良好に透過する近赤外良透過材により形成された基板10」は、本願発明2の「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となる被形成部」に相当するといえる。 イ 引用発明の「基板10の表面」は、本願発明2の「被形成部の所定の第1面」に相当するといえる。 また、引用発明の「図形60」と、本願発明2の「第1情報コード」は、情報の表示である点において共通するといえる(以下、当該表示を「第1表示」という。)。 さらに、引用発明の「図形60」は、「基板10の表面」に「青色、赤色等のインキを用いて印刷され」たものであるから、「暗色部」と「基板10の表面側を露出させることで構成される明色部」を備えたものであるといえ、当該「暗色部」及び「明色部」と、本願発明2の「暗色モジュール」及び「明色モジュール」は、それぞれ、「暗色部」及び「明色部」である点において共通するといえる。 そうすると、本願発明2と引用発明は、「前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色部と前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色部とを備えてなる第1表示」を有する点において共通し、後述する相違点2において相違するといえる。 ウ 引用発明の「基板10の裏面」は、本願発明2の「前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面」に相当するといえる。 また、引用文献1の【図1】及び【図2】の記載より、引用発明の「バーコード20」は「暗色モジュール」と「明色モジュール」を備えたものであるといえ、引用文献1の【図2】の記載より、前記「明色モジュール」は、「基板10の裏面」側を露出させることで構成されたものであるといえる。 そうすると、引用発明の「バーコード20」は、後述する相違点2を除き、本願発明2の「第2情報コード」に相当するといえ、本願発明2と引用発明は、「前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コード」を有する点において共通するといえる。 エ 引用発明の「図形60」は、「近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を透過」するものである。 また、引用発明の「図形60」は、「近赤外領域の光を良好に透過する青色、赤色等のインキを用いて印刷され」たものであるから、「図形60」の暗色部が可視光を反射するものであることは明らかである。 そうすると、本願発明2と引用発明は、「前記第1表示の前記暗色部は、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射する」との点において共通し、後述する相違点2において相違するといえる。 オ 引用発明の「前記バーコード20は、近赤外領域のレーザ光40が照射されたときに前記近赤外領域のレーザ光40を反射すると共に前記近赤外領域のレーザ光40を反射した反射光の反射強度を判別することによりバーコード20を読み取ることができる」との構成は、本願発明2の「前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり」との構成に相当するといえる。 カ 引用文献1の【図1】より、引用発明の「バーコード20」は、「基板10の裏面」側に対して、「基板10の表面」側から見て「図形60」の少なくとも一部と重なる構成で配置されたものであるといえる。 そうすると、本願発明2と引用発明は、「前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1表示の少なくとも一部と重なる構成で配置され」との点において共通するといえる。 キ 引用発明の「情報記録媒体」は、本願発明2の「情報コード表示媒体」に相当するといえる。 ク 以上より、本願発明2と引用発明は、下記aにおいて一致し、下記bにおいて相違すると認める。 a 一致点 「少なくとも可視光領域とは異なる第1波長帯の光が照射されたときに当該第1波長帯の光を透過する透過状態となる被形成部と、 前記被形成部の所定の第1面側に設けられ、暗色部と前記被形成部の第1面側を露出させることで構成される明色部とを備えてなる第1表示と、 前記被形成部の前記第1面とは反対の第2面側に設けられ、暗色モジュールと前記被形成部の第2面側を露出させることで構成される明色モジュールとを備えてなる第2情報コードと、 を有し、 前記第1表示の前記暗色部は、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を透過し、可視光領域の第2波長帯の光が照射されたときに前記第2波長帯の光を反射する構成であり、 前記第2情報コードの前記暗色モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに前記第1波長帯の光を反射すると共に前記第1波長帯の光を反射した反射光によって当該第2情報コードの像が生成される構成であり、 前記第2情報コードは、前記被形成部の前記第2面側に対して前記第1面側から見て前記第1表示の少なくとも一部と重なる構成で配置されていることを特徴とする情報コード表示媒体。」 b 相違点 ・相違点2 本願発明2は、「第1表示」が「暗色モジュール」と「明色モジュール」を備えてなる「第1情報コード」であり、前記「暗色モジュール」は「第2波長帯の光を反射した反射光によって当該第1情報コードの像が生成される構成」であり、「第2情報コードには少なくとも前記第1情報コードに記録されていないデータが記録されている」のに対し、引用発明はそうではない点。 (2)判断 引用文献1の段落【0004】、【0005】及び【0063】の記載より、引用発明は、「従来のバーコードは、人目につく状態にあり、見苦しく、違和感がある。」との課題を解決するために、基板10の裏面側にバーコード20を配置したものと認められるところ、引用発明において相違点2に係る構成を採用した場合には、基板10の表面側に情報コードが配置されることとなり、上記課題を解決できなくなることは明らかであるから、引用発明において相違点2に係る構成を採用することには、阻害要因があるといえる。 また、引用文献2及び3の記載からは、相違点2に係る構成が当該技術分野において周知であったということはできず、引用発明に対して引用文献2及び3に記載された技術事項を適用する動機付けを見いだすこともできない。 したがって、本願発明2は、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本願発明3ないし5について 本願発明3ないし5は、本願発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものであるから、上記1及び2のとおり、本願発明1及び2が引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本願発明3ないし5も、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4 本願発明6について 本願発明6は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものであるから、上記1のとおり、本願発明1が引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本願発明6も、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5 本願発明7について 本願発明7は、本願発明2の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものであるから、上記2のとおり、本願発明2が引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本願発明7も、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第7 原査定について 上記第6のとおり、本願発明1ないし7は、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第8 結言 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-01-09 |
出願番号 | 特願2013-115249(P2013-115249) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06K)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 梅沢 俊 |
特許庁審判長 |
深沢 正志 |
特許庁審判官 |
須藤 竜也 小田 浩 |
発明の名称 | 情報コード表示媒体及び情報コード読取システム |
代理人 | 田下 明人 |