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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61K
管理番号 1336990
異議申立番号 異議2017-700432  
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-04-28 
確定日 2017-12-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6018191号発明「熱の投入によるケラチン繊維を処置する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 1.特許第6018191号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?15〕、16、17について訂正することを認める。2.特許第6018191号の請求項1?4、6、7、9、10、12?16に係る特許を維持する。3.特許第6018191号の請求項5、8、11、17に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6018191号(請求項の数は17、以下「本件特許」という。)は、2012年(平成24年)6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年6月23日 フランス(FR)、2011年7月20日 米国(US))に国際出願された特許出願に係るものであって、平成28年10月7日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人中嶋美奈子(以下、単に「異議申立人」という。)より本件特許の請求項1?17に係る発明についての特許に対して特許異議の申立てがなされたものである。そして、その後の経緯は以下のとおりである。

平成29年 6月28日付け:取消理由の通知
同年 9月28日 :訂正の請求及び意見書の提出(特許権者)
同年11月16日 :意見書の提出(異議申立人)

第2 訂正の可否
1.訂正の趣旨
特許権者は、本件特許の特許請求の範囲を、平成29年9月28日付けの訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?15、16及び17について訂正(以下、「本件訂正」という。)することを求める。

2.訂正の内容
本件訂正の内容は、実質的に以下のとおりである。なお、訂正前の請求項1?15は、一群の請求項である。

・訂正事項
特許請求の範囲を、請求項5、8、11、17の削除を含め、以下のとおり訂正する。

<本件訂正前>
「【請求項1】
ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 前記繊維を40?250℃の温度まで加熱する、
方法。
【請求項2】
前記脂肪性物質が、脂肪アルコール、脂肪酸、天然または合成起源の非シリコーンワックスおよびシリコーンガムから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、軟化点または融点が40?150℃の少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間内で、1秒?60分の範囲の時間、加熱される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間(20)内で機械的張力下にない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
熱交換液体が、前記装置を閉じる前または後に、前記ケラチン繊維を受け取る、2つの可動要素によって画定される空間中に加えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ケラチン繊維を平滑化するステップも実施される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ケラチン繊維が、加熱ステップ後に濯がれる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記加熱手段(30)が、熱抵抗器、赤外放射源、マイクロ波放射源、レーザーおよび超短パルス光源から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記装置(10)が、閉じられた空間(20)の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
各可動要素(11;12)が、閉じられた空間の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含み、可動要素(11;12)の封止材(70)が閉鎖位置において互いに対して適用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
可動要素(11;12)が、互いに連結されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
- 開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)、および加熱手段(30)を含む装置(10)、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する区画
を含むキット。
【請求項17】
開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)、およびケラチン繊維を処置する加熱手段(30)を含む装置(10)の使用。」

<本件訂正後>(下線は訂正箇所。)
「【請求項1】
ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 前記繊維を40?250℃の温度まで加熱し、
- 前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入され、
- 可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む、
方法。
【請求項2】
前記脂肪性物質が、脂肪アルコール、脂肪酸、天然または合成起源の非シリコーンワックスおよびシリコーンガムから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、軟化点または融点が40?150℃の少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間内で、1秒?60分の範囲の時間、加熱される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間(20)内で機械的張力下にない、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
熱交換液体が、前記装置を閉じる前または後に、前記ケラチン繊維を受け取る、2つの可動要素によって画定される空間中に加えられる、請求項1から4および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される、請求項1から4、6および7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ケラチン繊維が、加熱ステップ後に濯がれる、請求項1から4、6、7および9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
前記加熱手段(30)が、熱抵抗器、赤外放射源、マイクロ波放射源、レーザーおよび超短パルス光源から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記装置(10)が、閉じられた空間(20)の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含む、請求項1から4、6、7、9、10および12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
各可動要素(11;12)が、閉じられた空間の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含み、可動要素(11;12)の封止材(70)が閉鎖位置において互いに対して適用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
可動要素(11;12)が、互いに連結されている、請求項1から4、6、7、9、10および12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
- 開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)、および加熱手段(30)を含む装置(10)、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する区画
を含み、
ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される、キット。
【請求項17】
(削除)」

3.本件訂正の可否についての判断
(1)請求項1についての訂正
この訂正は、請求項1に係る発明である「ケラチン繊維を処置する方法」を特定するための事項として、「前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入され」及び「可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む」なる要件を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。また、上記要件は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項5、11、及び同明細書の段落【0160】、【0170】に記載されており、この訂正は新規事項の追加に該当しない。そして、この訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)請求項5、8、11、17についての訂正
これらの訂正は、請求項の記載を削除する訂正であり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。また、これらの訂正が新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。

(3)請求項2?4、6、7、9、10、12?15についての訂正
これらの訂正は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2?4、6、7、9、10、12?15について、実質的に請求項1についての訂正と同様に訂正するとともに、請求項5、8、11の記載を削除するのに伴い、その引用関係を整理するものである。
よって、これらの訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。また、これらの訂正が新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。

(4)請求項16についての訂正
この訂正は、請求項16に係る発明である「キット」を特定するための事項として、「ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される」なる要件を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。また、上記要件は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項5及び同明細書の段落【0160】に記載されており、この訂正は新規事項の追加に該当しない。そして、この訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第6項の規定に適合する。
よって、結論1.のとおり、本件訂正を認める。

第3 本件発明
上記第2の3.で検討のとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1?4、6、7、9、10、12?16に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?4、6、7、9、10、12?16に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、本件発明1及び16は、以下のとおりである。
(以下、本件特許の請求項1等に係る発明を「本件発明1」等という。また、これらをまとめて「本件発明」という。)

<本件発明1>
ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 前記繊維を40?250℃の温度まで加熱し、
- 前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入され、
- 可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む、
方法。

<本件発明16>
- 開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)、および加熱手段(30)を含む装置(10)、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する区画
を含み、
ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される、キット。

第4 当審による取消理由について
1.取消理由の概要
平成29年6月28日付け取消理由の内容は、概略、以下のとおりである。(なお、以下、甲第1号証等を、甲1等と省略して表記する。)

理由1.本件発明17は、本件特許の優先日前に頒布された以下の刊行物に記載された発明であって、特許法29条1項3号に該当し特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

甲1:米国特許第2263718号明細書

理由2.本件特許の以下の請求項に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内または外国において頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

A.請求項1?4、7?16/甲1、3、5
B.請求項1?10、15/甲2

甲1:米国特許第2263718号明細書
甲2:米国特許第4942893号明細書
甲3:特開平10-231235号公報
甲5:特表平11-509556号公報

理由3.本件特許に係る特許請求の範囲の記載不備のため、本件発明8は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、取り消すべきものである。

2.取消理由についての判断
(1)理由1について
本件発明17に係る特許は本件訂正により削除されたため、理由1は解消した。

(2)理由2について
ア.刊行物の記載事項
甲1及び2には、特許異議申立書第8頁第22行?第12頁第6行に記載されるとおりの事項が記載されている。
また、甲1には以下の事項1-f、甲2には以下の事項2-f及び2-gも記載されている。(なお、甲1及び甲2は英語文献であるため、以下には当審による翻訳文を示す。)

・記載事項1-f
「巻き取りロッドCに固定された髪の房Bについて、装置10は図4に示すように開かれ、巻き取りロッドCの末端はバネクリップ22に挿入され、クリップの取り付け部分25よってロッドは支持される。その後、操作者は蒸気発生器36のパッド本体47の湿潤化を、それを水に浸すことによって進める。水は、蒸気噴射口40を通過してパッド本体47に到達する。完全に飽和した時、蒸気発生器36は、末端プラグピン41をそれぞれの末端ソケット26に挿入することによって、ケーシング部11に挿入される。その後、ケーシング部11及び12は回動して閉められ、ベールクランプ20と保持器部21をかみ合わせて密閉される。」(第2頁右欄第51?67行参照)

・記載事項2-f
「容易に製造でき、簡単に使用でき、選択的かつ再現可能な毛髪染色を可能とする毛髪染色用の装置が求められている。このような装置は、染色工程の間にスタイリストが毛髪を確認できるようにするため、透明であることが好ましい。」(第2欄第3?7行参照)

・記載事項2-g
「雄側部16、ヒンジ20及び雌側部12は、1枚の材料シートから形成され得る。該材料は、用いられ得る漂白又は染色溶液による化学的攻撃に抵抗性を有するものでなければならず、好ましくは、PVCのようなクリアな透明性を有する材料である。」(第4欄第51?56行)

イ.理由2のA(請求項1?4、7?16/甲1、3、5)について
(ア)引用発明
記載事項1-a、1-d、1-e及び1-fによれば、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「毛髪にウェーブをかける方法であって、
熱の適用でウェーブを形成するのに必要な通常の化学溶液を、巻き取りロッドに巻き付けられた毛髪に適用し、
閉じられた際に蒸気チャンバを提供するように協働するヒンジで連結された2つの相補的ケーシング部からなる円筒状のケーシングと、一方のケーシング部によって着脱可能に支持される電気蒸気発生器、とを備えるヘアウェービング装置に、巻き取りロッドに巻き付けられた毛髪を挿入し、
ケーシング部を回動して閉鎖し、
電気蒸気発生器で発生した蒸気によって、巻き取りロッドに巻き付けられた毛髪を加熱する、
方法」

(イ)本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者における「毛髪」、「毛髪にウェーブをかける方法」、「熱の適用でウェーブを形成するのに必要な通常の化学溶液」及び「閉じられた際に蒸気チャンバを提供するように協働するヒンジで連結された2つの相補的ケーシング部からなる円筒状のケーシング」は、それぞれ前者における「ケラチン繊維」、「ケラチン繊維を処置する方法」、「毛髪処置用組成物」及び「開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)」に相当する。また、後者における「ケーシング部を回動して閉鎖し」及び「一方のケーシング部によって着脱可能に支持される電気蒸気発生器」は、前者における「ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき」及び「可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む」に相当する。
そうすると、上記両発明は、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
「ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 前記繊維を加熱し、
- 可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む、
方法。」

<相違点>
・相違点1-1
ケラチン繊維の加熱温度に関し、本件発明1においては「40?250℃の温度まで加熱する」ことが特定されているのに対し、甲1発明においては、加熱温度が特定されていない点。

・相違点1-2
「毛髪処置用組成物」に関し、本件発明1においては、「脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む」ことが特定されているのに対し、甲1発明では、そのように特定されていない点。

・相違点1-3
本願発明1においては、「前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入され」ることが特定されているのに対し、甲1発明ではそのことが特定されていない点。

以下、上記相違点について検討する。
相違点1-3について、甲1に「蒸気チャンバ内で直接発生した蒸気によって生成される熱は、化学パッドD及び巻き付けられた毛Bに作用して、パーマネントウェーブとして知られているものを生成するために必要な処理を提供する。」(記載事項1-e参照。下線は当審による。)と記載されていることからも明らかなように、甲1発明は、「巻き取りロッドに巻き付けられた毛髪」に対して加熱処理を行うことを前提とするものである。そして、甲1発明において、毛髪を巻き取りロッドに巻き付けなければ、毛髪にウェーブがかからないことは、当業者に自明の事項である。
そうすると、甲1発明において、毛髪を巻き取りロッドに巻き付けずにヘアウェービング装置に挿入すること、すなわち、ケラチン繊維を、事前に機械的張力下に置かずに装置に挿入することは、当業者といえども容易には想到し得ないことである。
したがって、相違点1-1及び1-2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるということはできない。

(ウ)本件発明2?4、7、9、10、12?15
請求項2?4、7、9、10、12?15の記載は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものである。そして、本件発明1が、甲1発明に基づいて想到容易であるということができないことは上述のとおりであるから、本件発明2?4、7、9、10、12?15も同様の理由により、甲1発明に基づいて想到容易であるということはできない。

(エ)本件発明16について
本件発明16と甲1に記載された発明とを対比すると、両者の相違点は、実質的に、上記相違点1-2及び1-3と同じである。
そして、相違点1-3が想到容易でないことは上記(イ)で述べたとおりであるから、同様の理由により、本件発明16が甲1に記載された発明に基づいて想到容易であるということはできない。

ウ.理由2のB(請求項1?10、15/甲2)について
(ア)引用発明
記載事項2-a?2-eによれば、甲2には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「毛髪を染色する方法であって、
毛髪及び化学染色溶液を、ヒンジで結合された雌側部と雄側部とを有するヘアライティングカプセル内に封入し、
ドライヤーによって当該カプセルを加熱する、
方法」

(イ)本件発明1について
本件発明1と甲2発明とを対比すると、後者における「毛髪」及び「毛髪を染色する方法」は、それぞれ前者における「ケラチン繊維」及び「ケラチン繊維を処置する方法」に相当する。また、後者における「化学染色溶液」は毛髪を染色するために用いる溶液であるから、当然に酸化染料前駆体や直接染料を含有するものであり、前者における「脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物」に相当する。そして、後者における「ヒンジで結合された雌側部と雄側部とを有するヘアライティングカプセル」は、カプセル内に閉じ込められた溶液がカプセルから漏出しないものであるから(記載事項2-c参照)、前者における「開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)」に相当する。さらに、後者において「毛髪」をヘアライティングカプセル内に「封入」することは、前者において「ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持ってい」くことに相当し、甲2発明においては、毛髪を事前に機械的張力下に置くことは特定されていない。
そうすると、上記両発明は、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

<一致点>
「ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用する工程、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入する工程、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、その後、前記繊維を加熱する工程、
を有し、
- 前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される、
方法。」

<相違点>
・相違点2-1
ケラチン繊維の加熱温度に関し、本件発明1においては「40?250℃の温度まで加熱する」ことが特定されているのに対し、甲2発明においては、温度が特定されていない点。

・相違点2-2
本件発明1においては、工程が以下の(i)?(iv)の順番で行われることが特定されているのに対し、甲2発明においては、加熱((iv)の工程に相当)の前にカプセルを閉じる((iii)の工程に相当)ことは特定されているものの、それ以外の工程の順番が特定されていない点。

(i)「・・・毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し」
(ii)「ケラチン繊維を・・・装置(10)に挿入し」
(iii)「ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき」
(iv)「前記繊維を40?250℃の温度まで加熱する」

・相違点2-3
本願発明1においては、「可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む」ことが特定されているのに対し、甲2発明ではそのことが特定されていない点。

以下、上記相違点について検討する。
相違点2-3について、甲2には、ドライヤーによって毛髪を加熱することは記載されているものの(記載事項2-d参照)、可動要素である雌側部又は雄側部の少なくとも一方に加熱手段を設けることについては記載も示唆もされていない。むしろ、甲2には、容易に製造でき、染色工程の間にスタイリストが毛髪を確認できるようにするため、透明な毛髪染色用の装置が求められているとの課題が示されており(記載事項2-f参照)、甲2発明において、雌側部や雄側部を一枚の材料シートから形成し得ることや、PVCのようなクリアな透明性を有する材料を用いることが好ましいことも示されている(記載事項2-g参照)。
ここで、甲2発明の雌側部や雄側部に対して加熱手段を設けると、製造の容易性や装置内部の毛髪の視認性が悪化することは明らかであるから、甲2発明において、可動要素である雌側部や雄側部の少なくとも一方に加熱手段を設けることは、当業者といえども容易には想到し得ないことである。
したがって、相違点2-1及び2-2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるということはできない。

(ウ)本件発明2?4、6、7、9、10、15
請求項2?4、6、7、9、10、15の記載は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものである。そして、本件発明1が、甲2発明に基づいて想到容易であるということができないことは上述のとおりであるから、本件発明2?4、6、7、9、10、15も同様の理由により、甲2発明に基づいて想到容易であるということはできない。

エ.まとめ
以上のとおり、本件発明1?4、6、7、9、10、12?16に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるとはいえない。
また、本件発明5、8、11に係る特許は本件訂正により削除された。
よって、理由2は解消した。

(3)理由3について
本件発明8に係る特許は本件訂正により削除されたため、理由3は解消した。

第5 特許異議申立理由について
1.特許異議申立理由の概要
異議申立人の主張する異議申立理由は、概略、以下のとおりである。

・申立理由1
本件発明17は、甲1に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。

・申立理由2
本件発明1-17は、甲1-7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・申立理由3
本件特許に係る特許請求の範囲の記載不備のため、本件発明9は特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

・申立理由4
本件特許に係る特許請求の範囲の記載不備のため、本件発明1-17は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

甲1:米国特許第2263718号明細書
甲2:米国特許第4942893号明細書
甲3:特開平10-231235号公報
甲4:特開2002-325619号公報
甲5:特表平11-509556号公報
甲6:アシュランド社ウェブサイト、「Antara^(TM)430(Polectron^(TM)430)polymer」
甲7:アシュランド社パンフレット、「Antara^(TM)430 copolymer」

2.当合議体の判断
(1)申立理由1について
本件発明17に係る特許は本件訂正により削除されたため、申立理由1には理由がない。

(2)申立理由2について
異議申立人は、甲1又は甲2に記載の発明を主要な発明として、本件発明1-17が想到容易である旨を主張している。
しかしながら、本件発明1?4、6、7、9、10、12?16が、甲1発明又は甲2発明に基づいて想到容易であるということができないことは、上記第4の2.(2)で述べたとおりである。
また、本件発明5、8、11、17に係る特許は本件訂正により削除された。
よって、申立理由2には理由がない。

(3)申立理由3について
異議申立人は、請求項9に記載された「前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される」という実施形態が発明の詳細な説明に記載も示唆もされていない点を指摘し、本件発明が、特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができない旨主張をしている。
しかしながら、特許法第36条第6項第1号に規定する要件(いわゆるサポート要件)を満たすか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
この点に関し、本件発明の解決すべき課題は、本件明細書段落【0002】、【0003】及び【0006】の記載を考慮すると、「少量の出発原料でより良好な美容結果を得ることができる方法を提供すること」であるものと認められるところ、本件明細書には、本件発明1の方法を用いることによって、上記課題を解決し得ることが、具体的な試験結果によって示されている(実施例1及び2参照)。
異議申立人主張のとおり、本件明細書には、「前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される」という実施形態についての明示的な記載はないが、本件特許の出願時の技術常識を考慮すれば、「前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される」との実施態様がどのようなものであるかは当業者に自明であるし、請求項9の記載は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用するものであるから、当然に、本件発明9においても本件発明1と同様に、上記課題が解決されるものと推認される。
よって、本願発明9は、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえるから、申立理由3には理由がない。

(4)申立理由4について
異議申立人は、「実質的に漏れのない閉じられた空間」が具体的にどのような空間であるかが明確でない点を指摘し、本件発明が、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができない旨主張をしている。
また、本件明細書段落【0010】には「本発明において、「実質的に漏れのない閉じられた空間」という表現は、この空間が加熱ステップの間に液体または気体をほとんどまたは全く通さず、この空間が2つの可動要素の間で閉鎖されていることを意味する。」との記載があるところ、異議申立人は、「ほとんどまたは全く通さず」が、どの程度までの漏れを許容するのかが不明である旨も併せて主張している。
しかしながら、本件明細書【0180】及び【0181】には、「装置の2つの可動要素は、特に水および適用される組成物の漏れがないため、加熱時間を通じて、組成物、および適切な場合、熱交換液体は装置から流出しない。」及び「これにより、先ず、配合物の蒸発によって僅かな過剰圧力を産出する密閉媒体を作り、第二に事前に頭髪に適用する化粧品の流出を回避することが可能になる。」と記載されており、これらの記載を参酌すれば、「実質的に漏れのない」が、加熱時間を通じて、組成物を毛髪に適切に適用することが可能となる程度の密閉性を意味していることは、当業者であれば当然に理解できるものと認められる。
よって、異議申立人の上記主張を採用することはできず、申立理由4には理由がない。

(5)意見書における異議申立人の主張について
異議申立人は、平成29年11月16日付け意見書の第2頁第24行?第4頁第26行において、「ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される」との記載が明確でなく、本件特許は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は取り消されるべきものである旨主張している。
上記主張は、特許異議申立書に記載されていなかった新たな取消理由を主張するものであるが、「ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される」との記載は、本件訂正前の請求項5に記載されていたものであり、上記新たな取消理由は、本件訂正の内容に付随して生じた理由であるとは認められない。
よって、異議申立人の上記主張を採用できない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1?4、6、7、9、10、12?16に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?4、6、7、9、10、12?16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項5、8、11、17に係る特許は訂正により削除されたため、本件特許の請求項5、8、11、17に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)を含む装置(10)に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素(11;12)を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 前記繊維を40?250℃の温度まで加熱し、
- 前記ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入され、
- 可動要素(11;12)のうちの少なくとも一方が加熱手段(30)を含む、
方法。
【請求項2】
前記脂肪性物質が、脂肪アルコール、脂肪酸、天然または合成起源の非シリコーンワックスおよびシリコーンガムから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、軟化点または融点が40?150℃の少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間内で、1秒?60分の範囲の時間、加熱される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
前記ケラチン繊維が、閉じられた空間(20)内で機械的張力下にない、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
熱交換液体が、前記装置を閉じる前または後に、前記ケラチン繊維を受け取る、2つの可動要素によって画定される空間中に加えられる、請求項1から4および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
前記ケラチン繊維が、装置(10)の中に導入される前に、少なくとも部分的に乾燥される、請求項1から4、6および7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ケラチン繊維が、加熱ステップ後に濯がれる、請求項1から4、6、7および9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
前記加熱手段(30)が、熱抵抗器、赤外放射源、マイクロ波放射源、レーザーおよび超短パルス光源から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記装置(10)が、閉じられた空間(20)の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含む、請求項1から4、6、7、9、10および12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
各可動要素(11;12)が、閉じられた空間の範囲を少なくとも部分的に定める封止材(70)を含み、可動要素(11;12)の封止材(70)が閉鎖位置において互いに対して適用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
可動要素(11;12)が、互いに連結されている、請求項1から4、6、7、9、10および12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
- 開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間(20)を画定する2つの要素(11;12)、および加熱手段(30)を含む装置(10)、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40?150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する区画
を含み、
ケラチン繊維が、事前に機械的張力下に置かれずに、装置(10)に挿入される、キット。
【請求項17】
(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-12-06 
出願番号 特願2014-516385(P2014-516385)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (A61K)
P 1 651・ 537- YAA (A61K)
P 1 651・ 121- YAA (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 團野 克也松本 直子小出 直也  
特許庁審判長 須藤 康洋
特許庁審判官 安川 聡
関 美祝
登録日 2016-10-07 
登録番号 特許第6018191号(P6018191)
権利者 ロレアル
発明の名称 熱の投入によるケラチン繊維を処置する方法  
代理人 志賀 正武  
代理人 村山 靖彦  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 実広 信哉  
代理人 実広 信哉  

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