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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E06B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  E06B
管理番号 1338145
異議申立番号 異議2017-701089  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-21 
確定日 2018-03-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第6151556号発明「日射遮蔽装置の駆動ユニット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6151556号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6151556号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成25年5月13日に特許出願され、平成29年6月2日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人寺田誠治(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

2 本件発明
特許第6151556号の請求項1ないし6の特許に係る発明(以下「本件発明1」等といい、全体を「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3 申立理由の概要
申立人は、証拠として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出し、本件発明1、2、6は、甲第1号証に記載された発明であるか、または、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明3ないし本件発明5は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨、主張している。
なお、本件発明4は本件発明3を引用しているので、本件発明4に対する申立人の主張する取消理由は、上記のとおりとした。

甲第1号証:実用新案登録第2564277号公報
甲第2号証:特開2000-328858号公報
甲第3号証:特開平10-184241号公報
甲第4号証:特開平7-279558号公報
甲第5号証:実用新案登録第2502622号公報

4 刊行物
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証の図1を参照すると、ヘッドボックス12は、操作コード26を挿通させる挿通孔を有することが看取できる。
また、図4を参照すると、操作ギヤ機構24の断面の左右下方の外側と、ヘッドボックス12の断面の左右下方の内側との間に隙間を有していることが看取できる。

イ 上記アの事項、及び段落【0006】?【0009】に記載の事項を考慮すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「ヘッドボックス12と、前記ヘッドボックス12内に収容され且つ回転によってスラット10を昇降させる回転軸22と、プーリー28の回転によって前記回転軸22を回転させる操作ギヤ機構24と、前記プーリー28に巻き掛けられている操作コード26を備え、
前記ヘッドボックス12は、前記操作コード26を挿通させる挿通孔を有し、
前記操作ギヤ機構24の断面の左右下方の外側と、ヘッドボックス12の断面の左右下方の内側との間に隙間を有している、ブラインド。」

5 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比すると、操作部ユニットについて、本件発明1は、操作コードを操作コード挿通孔に挿通させた状態で操作コードとヘッドボックスの干渉を低減してヘッドボックスに対して幅方向にスライド移動可能にするコード退避部を備えるのに対し、甲1発明は、そのようなコード退避部を備えるかどうか不明な点で相違している。
よって、本件発明1と甲1発明とは実質的な相違点を有しているから、本件発明1は甲1発明ではない。

相違点の判断
(ア)上記アで挙げた相違点について検討すると、甲1発明は、操作ギヤ機構24は、スライド移動可能なものか不明であって、また、操作ギヤ機構24をスライド移動可能とすることが、当業者にとって自明な事項であると認識できる証拠も提出されていないことから、甲1発明の操作ギヤ機構24が、スライド移動可能なものと認めることはできない。

(イ)そして、甲1発明は、操作ギヤ機構24の断面の左右下方の外側と、ヘッドボックス12の断面の左右下方の内側との間に隙間を有しているものの、当該隙間の意味について、甲第1号証において説明されていないことから、操作ギヤ機構24がスライド移動可能かどうか不明であることも併せて考慮すると、甲1発明の当該隙間を、操作コードを操作コード挿通孔に挿通させた状態で操作コードとヘッドボックスの干渉を低減してヘッドボックスに対して幅方向にスライド移動可能にするコード退避部とすることは、当業者が容易になし得たことではない。

ウ 申立人の主張について
申立人は、「図4から『前記操作部ユニットは、前記操作コードを前記操作コード挿通孔に挿通させた状態で前記操作コードと前記ヘッドボックスの干渉を低減して前記ヘッドボックスに対して幅方向にスライド移動可能にするコード退避部を備える、』点が看取できる。」(特許異議申立書9頁14?17行)、「(ア)本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明における・・・は、本件特許発明1における・・・に相当し、同様に・・・、『ケーシング25の下部のヘッドボックス12と対向する面とヘッドボックス12との間の空間』は『コード退避部』に相当する。」(特許異議申立書12頁12?18行」と主張している。
しかしながら、甲1発明は、操作ギヤ機構24の断面の左右下方の外側と、ヘッドボックス12の断面の左右下端の内側との間に隙間を有しているものの、当該隙間の意味について、甲第1号証において説明されていない。
そして、甲1発明の操作ギヤ機構24は、スライド移動可能なものとも認めることはできないから、当該隙間が、本件発明1のコード退避部とはいえない。
よって、申立人の主張を採用することはできない。

エ 小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

(2)本件発明2ないし本件発明6について
本件発明2ないし6は、本件発明1を更に減縮したものであるから、上記(1)の本件発明1についての判断と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

6 むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2018-02-19 
出願番号 特願2013-101001(P2013-101001)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (E06B)
P 1 651・ 113- Y (E06B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鳥井 俊輔藤脇 昌也  
特許庁審判長 前川 慎喜
特許庁審判官 西田 秀彦
住田 秀弘
登録日 2017-06-02 
登録番号 特許第6151556号(P6151556)
権利者 立川ブラインド工業株式会社
発明の名称 日射遮蔽装置の駆動ユニット  
代理人 奥野 彰彦  
代理人 伊藤 寛之  
代理人 SK特許業務法人  

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