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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61K
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A61K
管理番号 1339376
審判番号 訂正2018-390012  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-01-18 
確定日 2018-03-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6244497号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6244497号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、明細書及び訂正後の請求項[1?10]について訂正することを認める。 
理由 第1.手続の経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第6244497号は、平成27年12月10日(パリ条約による優先権主張 2014年12月11日 (EP)欧州特許庁、2015年4月15日 (EP)欧州特許庁 )を国際出願日とするものであって、平成29年11月17日にその特許権の設定登録がなされ、その後、平成30年1月18日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2.請求の要旨

本件訂正審判の請求は、特許第6244497号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は次のとおりである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2を削除する(これに伴い請求項4?請求項10が削除した請求項を2を引用しないように訂正する(書き下す))。

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「・・・10mの化合物1・・・」と記載されているのを、「・・・10mgの化合物1・・・」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3も同様に訂正する。)。

訂正事項3
明細書の段落0007、0011、0012にそれぞれ「・・・10mの化合物1・・・」と記載されているのを、「・・・10mgの化合物1・・・」に訂正する。

第3.判断

(1)訂正事項1の訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであり、また、これにともなって請求項4?10が削除した請求項2を引用しないように訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると認められる。
また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張・変更するものでもないから、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(2)訂正事項2の訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に「・・・10mの化合物1・・・」と記載されているのを、「・・・10mgの化合物1・・・」に訂正するものであり、また、これにともなって、請求項1の記載を引用する請求項3の記載についても同様に訂正するものである。
訂正事項2に係る「10mの化合物1」との記載は、「10m」という長さによって「化合物1」を限定することは通常ありえないことから非常に不自然な記載であるところ、請求項1には当該記載の直前に、
「第1及び2日に2mgの化合物1;
第3及び4日に3mgの化合物1;
第5及び6日に4mgの化合物1;
第7日に5mgの化合物1;
第8日に6mgの化合物1;
第9日に7mgの化合物1;
第10日に8mgの化合物1;及び
第11日に9mgの化合物1;
次いで、」
と記載されている。
そうすると、訂正事項2に係る「10mの化合物1」という記載は、その直前の記載と併せ鑑みれば、「10mgの化合物1」の誤記であることは明らかである。

したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張・変更するものでもないから、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)訂正事項3の訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、明細書の段落0007、0011、0012にそれぞれ「・・・10mの化合物1・・・」と記載されているのを、「・・・10mgの化合物1・・・」に訂正するものであり、実質的に訂正事項2と同様の訂正をするものである。
上記(2)で説示したとおり、「10mの化合物1」との記載は、非常に不自然な記載であるところ、訂正事項3に係る「10mの化合物1」(段落【0007】)との記載の直前に「第1及び2日に2mgの化合物1;第3及び4日に3mgの化合物1;第5及び6日に4mgの化合物1;第7日に5mgの化合物1;第8日に6mgの化合物1;第9日に7mgの化合物1;第10日に8mgの化合物1;第11日に9mgの化合物1;次いで、
(a) 第12日以降に、維持用量である10mgの化合物1を、1日に1回、経口投与するか;又は、
(b) 」(段落【0007】)と記載されている。
また、段落【0011】及び段落【0012】の「10mの化合物1」との記載の直前にも、それぞれ、同様の記載がある。
そうすると、これらの記載も、いずれも、「10mgの化合物1」の誤記であることは明らかである。

したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであると認められる。
また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張・変更するものでもないから、訂正事項3は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(4)一群の請求項に対して請求されたものであることについて
訂正前の請求項2?10は、訂正事項2に係る訂正前の請求項1を引用するものであるから、訂正前の請求項1?10は、一群の請求項を構成する。そして、訂正事項1及び2は、当該一群の請求項ごとに訂正を請求するものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合し、訂正事項3は、当該一群の請求項の全てについて訂正を請求するものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合する。

(5)独立特許要件
訂正事項1?3に係る訂正後の請求項1、3?10に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるといえる理由はない。
したがって、訂正事項1?3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4.むすび

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第3項ないし第7項の規定に適合するので、本件訂正を認める。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
選択的S1P1レセプターアゴニストの投与法
【技術分野】
【0001】
本発明は、(R)-5-[3-クロロ-4-(2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-ベンゾ[Z]イリデン]-2-([Z]-プロピルイミノ)-3-o-トリル-チアゾリジン-4-オン(以下、「化合物1」とも記載する。)の投与法に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の記述
本発明は、治療開始期における、又は、断薬後の投与の再開に際しての有害事象を対象/患者において最小化する、化合物1の投与法を提供する。
【0003】
化合物1は選択的S1P_(1)レセプターアゴニストであり、その経口投与は、末梢血リンパ球数の一貫的、持続的及び用量依存的な減少をもたらす。化合物1は、活性化した免疫系に関連する疾患又は障害の治療及び/又は予防に有用であることが記載されている(例えば、WO2005/054215及びWO2009/115954を参照。)。特に、化合物1(INN:ponesimod)は、中等度から重篤な慢性尋常乾癬の患者及び再発-寛解型多発性硬化症の患者において、第II相試験で臨床的有益性を示した(Olsson T.ら、Oral ponesimod in relapsing-remitting multiple sclerosis:a randomised phase II trial。J Neurol Neurosurg Psychiatry。2014;85(11):1198-1208;及びVaclavkova A.ら、Oral ponesimod in patients with chronic plaque psoriasis:a randomised,double-blind,placebo-controlled phase 2 trial。Lancet。2014;384(9959):2036-2045)。化合物1は、WO2005/054215、WO2008/062376及びWO2014/027330に記載されたいずれかの手順に従って製造してもよい。
【0004】
WO2010/046835は化合物1の種々の結晶形を開示する;本発明は、化合物1の非晶質並びに結晶形を含むいかなる形態の化合物1をも包含するものとする。さらに、化合物1の結晶形はすべての種類の化合物1の結晶形を包含し、単分子、溶媒和物、水和物、分子塩及び共結晶(同じ分子が異なる共結晶形成体と共結晶を形成できる場合)の多形体を含むものとするが、それらは薬学的投与に適するものであるものとする。好ましい態様において、化合物1は、WO2010/046835に記載の結晶形A又はCである。最も好ましい態様において、化合物1は結晶形Cである。
【0005】
5mg又はそれを超える化合物1をヒトに対して繰り返し連日経口投与すると、末梢血リンパ球数の一貫的、持続的及び用量依存的な減少をもたらす。しかしながら、驚くべきことに、選択的S1P_(1)レセプターアゴニストである化合物1が、ヒトにおいて、一時的に心拍を減少させ、その効果は投与後1?3時間後に最大になることが見出された。個体によっては、心電図(ECG)におけるPRインターバルの、同様に一時的な増大、及び関連した不規則な心拍(いわゆる、Wenckebachリズム)を伴う。投与後の期間には、倦怠感及びめまいも時折生じる。これらの効果のすべては、投与を繰り返すことにより減衰する。例えば心拍、房室伝導に対する急性効果又は倦怠感若しくはめまいは、望ましいものではなく、そしてこれらの効果を最小化する方法は、化合物1の忍容性(tolerability)及び安全性を最大化し、そして投与開始の初期又は、断薬後の薬剤療法再開時の関連するモニターの必要性を最小化する上で価値あるものである。
【0006】
従って、本発明の主題は、治療開始期又は、断薬後の治療再開時の有害事象の発生又は重篤度を最小化する、化合物1の投与法を提供する。WO2009/115954は、例えば化合物1等の選択的S1P_(1)レセプターアゴニストについての投与レジメを開示する。臨床第2相試験において、化合物1を、以下に投与法Bとも記載する投与法に従って投与した。この投与法は、化合物1を10mgの用量で7日間、次いで、第8日に20mgを、1日1回経口投与する(Olsson T.ら、Oral ponesimod in relapsing-remitting multiple sclerosis:a randomised phase II trial、J Neurol Neurosurg Psychiatry。2014;85(11):1198-1208;及びVaclavkova A.ら、Oral ponesimod in patients with chronic plaque psoriasis:a randomised,double-blind,placebo-controlled phase 2 trial、Lancet。2014;384(9959):2036-2045)。しかしながら、本発明の投与法は、投与法Bと比較して利点を有する(下記の実験の項を参照。)。本発明の新規な漸増レジメを用いることにより、以前の漸増レジメと比較して、初回投与及びそれに続く心臓力学的効果並びに化合物1の安全性及び忍容性が軽減される。
【0007】
i) 特に、本発明は、活性化された免疫系に関連する疾患又は障害の治療において使用するための化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療開始期又は、断薬後の治療再開時に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:第1及び2日に2mgの化合物1;第3及び4日に3mgの化合物1;第5及び6日に4mgの化合物1;第7日に5mgの化合物1;第8日に6mgの化合物1;第9日に7mgの化合物1;第10日に8mgの化合物1;第11日に9mgの化合物1;次いで、
(a) 第12日以降に、維持用量である10mgの化合物1を、1日に1回、経口投与するか;又は、
(b) 10mgの化合物1を、1日に1回、2、3又は4日間(すなわち、第12及び13日;第12、13及び14日;又は第12、13、14及び15日に)、特に3日間(すなわち、第12、13及び14日に)経口投与し、次いで、維持用量である20mgの化合物1を1日に1回経口投与する(すなわち、10mgの用量を最後に投与した日の翌日以降)。
【0008】
明確性を期すために、1日1回の経口用量は、上記態様i)において、遊離形態の化合物1の量を意味するものとする。例えば、化合物1の薬学的に許容される塩が使用される場合、上記の量は、適宜に調整されなければならないであろう。本発明の好ましい態様において、化合物1はその遊離形態で投与される。
【0009】
特に、化合物1が単剤療法として投与される場合には、そして、特に、多発性硬化症の治療のための単剤療法の場合には、上記の副態様i)、(b)、すなわち、1日1回のp.o.による20mgの維持用量への化合物1の漸増が好ましい。例えば、末梢血リンパ球数が許容限界未満に落ちた場合に、例えば、安全上の理由により、副態様i)、(b)に従う投与法は、1日1回のp.o.による20mgの維持用量を、後に、例えば、1日1回のp.o.による10mgに下げることを除外するものではないことが理解されるべきである。
【0010】
化合物1の経口医薬組成物(経口薬学的組成物)の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]を見よ。)、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0011】
ii) 本発明のさらなる態様は、態様i)に従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:第1及び2日に2mgの化合物1;第3及び4日に3mgの化合物1;第5及び6日に4mgの化合物1;第7日に5mgの化合物1;第8日に6mgの化合物1;第9日に7mgの化合物1;第10日に8mgの化合物1;第11日に9mgの化合物1;次いで、10mgの化合物1を、1日に1回、2、3又は4日間、特に3日間経口投与し、次いで、維持用量である20mgの化合物1を1日に1回経口投与する。
【0012】
iii) 本発明のさらなる態様は、態様i)に従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:第1及び2日に2mgの化合物1;第3及び4日に3mgの化合物1;第5及び6日に4mgの化合物1;第7日に5mgの化合物1;第8日に6mgの化合物1;第9日に7mgの化合物1;第10日に8mgの化合物1;及び第11日に9mgの化合物1;次いで、10mgの化合物1を、第12、13及び14日に、1日に1回、経口投与し、次いで、第15日から、維持用量である20mgの化合物1を1日に1回経口投与する。
【0013】
iv) 本発明のさらなる態様は、態様i)に従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:第1及び2日に2mgの化合物1;第3及び4日に3mgの化合物1;第5及び6日に4mgの化合物1;第7日に5mgの化合物1;第8日に6mgの化合物1;第9日に7mgの化合物1;第10日に8mgの化合物1;及び第11日に9mgの化合物1;次いで、第12日から、維持用量である10mgの化合物1を1日に1回経口投与する。
【0014】
v) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜及び皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、及びブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎及び皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌並びに腫瘍転移からなる群より選択される。
【0015】
vi) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が、腎臓、肝臓、心臓及び肺から選択される移植された臓器に対する拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;並びにアトピー性皮膚炎;からなる群より選択される。
【0016】
vii) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が移植片対宿主病である。
【0017】
viii) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が慢性移植片対宿主病である。
【0018】
ix) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が多発性硬化症である。
【0019】
x) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が再発多発性硬化症である。
【0020】
xi) 本発明のさらなる態様は、態様i)?iv)のいずれか1つに従う使用のための、化合物1又はその薬学的に許容される塩に関し、治療されるべき疾患又は障害が再発-寛解型多発性硬化症である。
【0021】
従って、上記に開示した種々の態様の従属関係に基づいて、下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:
i)、ii)+i)、iii)+i)、iv)+i)、v)+i)、v)+ii)+i)、v)+iii)+i)、v)+iv)+i)、vi)+i)、vi)+ii)+i)、vi)+iii)+i)、vi)+iv)+i)、vii)+i)、vii)+ii)+i)、vii)+iii)+i)、vii)+iv)+i)、viii)+i)、viii)+ii)+i)、viii)+iii)+i)、viii)+iv)+i)、ix)+i)、ix)+ii)+i)、ix)+iii)+i)、ix)+iv)+i)、x)+i)、x)+ii)+i)、x)+iii)+i)、x)+iv)+i)、xi)+i)、xi)+ii)+i)、xi)+iii)+i)及びxi)+iv)+i)。
【0022】
上記の表中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様への従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「viii)+iii)+i)」は、態様viii)であって、態様iii)に従属し、態様i)に従属することを意味し、すなわち、態様「viii)+iii)+i)」は、態様iii)及びviii)の特徴によりさらに限定された態様i)に相当する。
【0023】
本発明は、それを必要とする対象としてのヒトにおいて、末梢血リンパ球数を減少させる方法にも関し、治療開始期又は、断薬後の治療再開時に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、上記態様i)?iv)のいずれか1つに記載の通りに経口投与する。
【0024】
上記及び/又は下記に使用する一般的用語及び表現は、本開示において、好ましくは下記の意味を有する:
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持し、かつ最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。そのよう塩としては、対象化合物中の塩基性基及び/又は酸性基の存在に応じた、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩が挙げられる。参考としては、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.」、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Wiley-VCH、2008;及び「Pharmaceutical Salts and Co-crystals」、Johan Wouters and Luc Quere(Eds.)、RSC Publishing、2012を参照されたい。
【0025】
「断薬後の治療再開時」という表現は、治療を再開する前に、化合物1又はその薬学的に許容される塩の投与を、少なくとも1日、少なくとも2日、又は好ましくは少なくとも3日中断することを意味する。
【0026】
「p.o.」という用語は、経口投与を意味する。
【0027】
明確さを期すために、再発多発性硬化症は、再発を伴う多発性硬化症の型を含む多発性硬化症の再発型を意味する。再発多発性硬化症の例は、再発-寛解型多発性硬化症、再発を伴う二次性進行型多発性硬化症及び進行型再発多発性硬化症である。
【実施例】
【0028】
実験の項
単一施設二重盲検プラセボ対照ランダム化2元配置クロスオーバー試験(a single-center,double-blind,placebo-controlled,randomized,two-way cross-over study)において、32人の健常な対象(男性15人)に、第1日にプラセボを投与し、次いで、ponesimod又はプラセボ(3:1の比)のいずれかの反復投与を行った。Ponesimodは、レジメ(投与法)A(2から20mgへの用量の増大)又はB(10mgを7日間、次いで20mgの単回投与)を用いて投与した。心臓力学的(ホルター及び12誘導ECG)、薬物動態学的、薬力学的(総リンパ球計数)及び安全性項目を評価した。
【0029】
対象
本試験においては、18歳から57歳の間(34±12.7歳)の、対象としての健常な男性及び女性32人(それぞれ15人及び17人;体重の平均±標準偏差[SD]は、73.4±11.5kgであった。)が登録され、ponesimod又は釣り合う用量のプラセボ(活性成分:プラセボの比は3:1)を投与された。対象の健康は検診にて評価し、これには、病歴の記録、検診前3か月間に受けた薬物治療、健康検診、体重及び身長の測定、臨床検査、バイタルサイン(vital signs)及び標準ECGの記録が含まれる。スクリーニング時及び最初の投与前において、対象は、200ms未満のPRインターバル、毎分50ビートを超える心拍(HR)(bpm)、それぞれ90-145及び50-90mmHgの収縮期(SBP)及び拡張期(DBP)血圧、24hのホルターECGにおいて臨床関連異常がないこと、1秒間における強制呼気容量(FEV_(1))及び努力肺活量(FVC)が標準値の80%を超え、FEV_(1)/FVCが70%を超えること、並びに正常な総リンパ球計数(1000を超える総リンパ球計数/μL)を有さなければならない。懐妊能力のある女性は2種の信頼性のある避妊法を使用しなければならず、妊娠又は授乳すべきではない。
【0030】
試験計画
登録された対象は、各処置期間の第-2日に試験センターに来、第-1日に治験導入(治験薬投与無しですべての試験手順を行った。)に参加した。第1日に、対象を、2種の漸増レジメA及びB(1:1の割合)の2種の可能な工程の一方に無作為に割り当てた。第1日に、すべての対象はプラセボを投与され;最初の治験薬投与(又は、その釣り合う用量のプラセボ)を第2日に行った。レジメAは新規な漸増レジメであり:ponesimodを、第2日及び第3日に2mg、第4日及び第5日に3mg、第6日及び第7日に4mg、第8日に5mg、第9日に6mg、第10日に7mg、第11日に8mg、第12日に9mg、第13日及び第14日に10mg、そして第15日に20mgの用量で、1日に1回(o.d.)、経口投与した。参照レジメ(レジメB)は、以前の試験(Olsson T.ら、Oral ponesimod in relapsing-remitting multiple sclerosis:a randomised phase II trial。J Neurol Neurosurg Psychiatry。2014;85(11):1198-1208;及び、Vaclavkova A.ら、Oral ponesimod in patients with chronic plaque psoriasis:a randomised,double-blind,placebo-controlled phase 2 trial。Lancet。2014;384(9959):2036-2045)に基づくものであり、ponesimodを10mgの用量で7日間(すなわち、第2日から第8日まで)、そして、第9日に20mgの用量でo.d.経口投与した。第10日から第15日まで、対象は釣り合う用量のプラセボをo.d.投与された。プラセボ群(男女比、1:1)において、対象は、第1日から第15日までプラセボを投与された。すべての投与は、約240mLの水を用いて朝(絶食条件)に同時に行われた。
【0031】
対象は、少なくとも各処置期間の第16日の朝までクリニックに留まった。HRが45bpmを超え、ベースラインのHRの70%を超え、いかなる臨床関連ECG異常がない場合に、対象は解放された。第1の処置期間における最後の治験薬投与(すなわち第15日)と第2の処置期間における最初の治験薬投与の間に、12?14日の休薬期間があった。対象は、各処置期間の終わりの最後の治験薬投与後5?7日後に、第1期間終了時(the end-of-first period)(EOFP)診療及び試験終了時(the end-of-study)(EOS)診療のためにクリニックに戻った。
【0032】
心臓力学的評価
ホルター及び12誘導ECGを用いて、心臓力学的評価項目を評価した。24-hホルター記録を、第-1日、第1日、第2日、第9日、第13日及び第15日に行った。他の日には、12-hホルター記録を行った。加えて、ホルターデータを、HRの効果曲線下の面積(AUEC)を評価するために使用した。第-1日から第16日まで、投与前並びに治験薬投与後1、2、3、4、5、6、8、10及び12hに、12誘導ECGを行った。さらなる12誘導ECG記録をEOFP及びEOSに行った。心拍ナディア(Nadir)、E_(max)(平均毎時HRのベースラインからの最大減少。ベースラインは、第-1日及び第1日に投薬前に測定した間を一致させた(time-matched)評価の平均と定義される。)及び注意すべき値の発生(45bpm未満のHR、ベースラインからの20bpmを超えるHRの減少及びベースラインからの20msを超えるPRインターバルの増大)並びに房室ブロック(すなわち、210msを超えるPRインターバル)を、12誘導ECGを用いて得た。
【0033】
安全性及び忍容性
安全性及び忍容性を、有害事象(AE)のモニター、バイタルサインの測定(仰臥位血圧)、肺機能試験(PFT;すなわち、FEV_(1)及びFVC)、臨床、健康及び神経学的検査により評価した。血圧の記録は12誘導ECGと同じ時点で行った。
【0034】
薬物動態及び薬力学的評価
各処置期間において、第1日から第15日まで、投与前及び治験薬投与後3hに、約3mLの血液試料をエチレンジアミン四酢酸チューブ中に採取した。遠心後、血漿をポリプロピレンチューブに移し、分析までの間-21℃(±5℃)にて保存した。ponesimodの血漿濃度を、1ng/mLの定量下方限界を有するタンデム質量分析試験と組み合わせたバリデーション済みの(validated)液体クロマトグラフィーを用いて測定した(Brossard P.ら、Pharmacokinetics and pharmacodynamics of ponesimod,a selective S1P_(1) receptor modulator,in the first-in-human study。British journal of clinical pharmacology。2013;76(6):888-896)。
【0035】
トラフ試料(Trough samples)を、各処置期間の第-1日、第3日、第6日、第9日、第12日及び第15日並びにEOFP及びEOS時に、血球算定法により総リンパ球計数を評価するために採取した。
【0036】
統計的分析
心臓力学的及び薬力学的データを平均±SDとして表した。群間(すなわち、プラセボ vs. レジメA vs. レジメB)比較を行うために、反復測定1元配置分散分析(Repeated measure one-way ANOVA)、次いでTukeyの多重比較試験(Tukey’s multiple-comparisons tests)を使用した。群内(ベースライン vs. 処置)比較を行うために、Student t検定を採用した。p<0.05で差異は統計的に有意であると判断した。SAS(登録商標) version 9.2(SAS Institute、Cary、NC、USA)を、統計分析及び臨床データの記述統計量のために使用した。
【0037】
結果:
心臓力学的評価項目
第-1日(治験導入)と第1日(すべての対象をプラセボで処置。)の間で平均毎時HR(ホルターECG)に関連する差異はなかった。第1日において、平均毎時HRに対するプラセボ効果は各処置期間の間で類似であった。ponesimodの初回の投与(第2日)は、平均毎時HRのベースラインからの減少を引き起こした。この効果は、プラセボで処置した対象においては限定的であり、平均最大減少(±SD)は投与後2hで観察された(0±5.2bpm、p>0.05 vs. ベースライン[ベースラインは、第-1日及び第1日の投与前評価の平均として定義される。])。平均毎時HR減少はponesimodの投与後により顕著であり、それぞれレジメA及びレジメBにおけるponesimodの投与後2h(-6±7.4bpm、p<0.05 vs. ベースライン)及び3h(-12±6.9bpm、p<0.05 vs. ベースライン)でナディアが観察された。平均毎時HRは、投与後4?5hで投与前の値に戻った。この効果は、第3日(投与後2h)に、プラセボ(-2±4.9bpm、p>0.05 vs. ベースライン)、レジメA(-8±5.3bpm、p<0.05 vs. ベースライン)及びレジメB(-9±5.7bpm、p<0.05 vs. ベースライン)で再び観察された。処置の第4日から最終日までに、ponesimodの投与に続く平均毎時HRのさらなる有意な減少は観察されなかった。第2日及び第3日の評価によれば、ponesimodの投与後のHRナディアの値は、レジメA(p<0.05)及びプラセボ(p<0.05)よりもレジメBにおいてより低かった。
【0038】
第1日に、すべての対象にプラセボを投与した場合、種々の処置群において、同様の投与後0?12h後の平均AUECが算出された(AUEC_(0-12))(プラセボ:-33.3±32.7、処置レジメA:-11.8±34.4及び処置レジメB:-26.4±37.0bpm・h)。第2日に、ponesimodの初回投与によりHRの減少が起こり、これは、処置レジメA(-70.7±38.7bpm・h)及び処置レジメB(-128.6±63.3bpm・h)の両方において、プラセボ群(-5.3±36.8bpm・h、p<0.05 プラセボ vs. ponesimod)よりもAUEC_(0-12)が低いことにより反映された。初回投与の後、処置レジメB(p<0.05)と比較して、漸増レジメAにおいて、AUECは有意に大きかった(すなわち、より小さい効果)。第3日に・10mgのponesimod(-146.6±59.8bpm・h、p<0.05)よりも処置レジメA(-105.5±49.0bpm・h)において、平均AUEC_(0-12)はなお大きかった。
【0039】
これらのホルターデータは、12誘導ECGデータにより支持された。複数の比較により、第1日において1日のHRプロファイルは類似であることが明らかになった:投与後最初の2hの間にわずかに減少し(?-2.7bpm)、次いで上昇した(?12bpm、プラセボ投与後5h)。第2日に、2mg(レジメA)及び10mg(レジメB)の用量のponesimodにより、投与後2hで有意な減少が観察され、ベースラインからの平均最大変化(ベースラインは、第-1日及び第1日の投与前評価の平均として定義される。)は、それぞれ-9±5.3bpm(p<0.05)及び-13±6.2bpm(p<0.05)であった。HR減少に対する初回投与効果は、プラセボ(-4±7.6bpm、投与後2h、p<0.05 vs. ベースライン)又はレジメA(p<0.05)と比較して、レジメBにおいてより大きかった。HRは、処置レジメA及びレジメBにおいて、それぞれ投与後3及び4h以内にベースライン値に戻った。第3日に、2mg(-9±5.2bpm vs. ベースライン)又は10mg(-10±5.1bpm vs. ベースライン)の用量の2回目のponesimodの投与後2hで、HRの減少が観察された。この減少は、プラセボ(ナディア:-4±4.7bpm、p<0.05 vs. ベースライン)と比較した場合、より顕著であった。これらの差異はE_(max)値により支持された。第4日からponesimodの投与の最終日(すなわち、レジメAでは第15日、レジメBでは第9日)までにおいて、投与前HR値は、プラセボを投与された対象(範囲:60-64bpm)と比較して、ponesimod処置対象(範囲:56-60bpm)においてわずかに低かったが、HR時間プロファイルは類似していた。
【0040】
(レジメのいずれかの時点において12誘導ECGによる)45bpm未満のHRの発生は、レジメA(3対象で20回)と比較して、レジメB(4対象で58回)においてより顕著であった。プラセボ群において45bpm未満のHRを経験した対象はなかった。
【0041】
試験の間、210msを超えるPRインターバルの発生は、レジメA(6対象において79回)及びレジメB(8対象において143回)よりも、プラセボ(4対象において33回)においてより少なかった。
【0042】
第2日の最初の12hの間の45bpm未満のHR、ベースライン(ベースラインは、第-1日及び第1日の投与前評価の平均として定義される。)からの20bpmを超えるHRの減少、200ms以上のPRインターバル又はベースライン(ベースラインは、第-1日及び第1日の投与前評価の平均として定義される。)からの20msを超えるPRインターバルの増大の発生及びこれらの事象の少なくとも1つを経験した対象の百分率は、プラセボ(5対象において15回、すなわち対象の31.3%)及びレジメA(6対象において14回、すなわち対象の25%)の間で同様であった。事象及び少なくとも1つの事象を示した対象の数は、レジメB(12対象において43回、すなわち対象の50%)においてより高かった。
【0043】
12誘導ECG異常の分析により、洞性徐拍は、レジメAと比較して、レジメBにおいてより頻繁に生じた(表1)。第1度房室ブロック、第2度房室ブロック及びQT延長は、プラセボ及びレジメBにおいてのみ報告された(表1)。
【0044】
【表1】

【0045】
安全性及び忍容性
AEの総数及びこれらのAEの強度は、異なる処置群間で同様であった。すべてのAEは軽度から中等度の強度であった。ponesimodについて最も普通に報告されたAEは、頭痛、めまい及び処置部位反応(procedural site reaction)であり、これらのAEは、プラセボ群における対象により最も普通に報告されたものにも含まれる。洞性徐拍及び鼓動等の心機能に関連する特に重要なAEは、レジメAと比較して、レジメBの間により頻繁に報告された。重篤なAEの1つである心房細動は、20mgのponesimodの投与後6hに報告された(レジメB)。この事象は24h以内に後遺症なく解消された。
【0046】
バイタルサイン、PFT及び臨床検査値の評価
いずれの処置レジメについても、第-1日と第1日(プラセボ)の間で血圧(BP)の変化は観察されなかった。SBP及びDBPの減少は、レジメA(SBP:-4±4.4及びDBP:-7±5.3mmHg)及びレジメB(SBP:-5±7.7及びDBP:-10±4.4mmHg)におけるponesimodの初回投与に続いて観察された。SBP及びDBPの減少は、プラセボ(SBP:-7±12.5及びDBP:-6±5.7mmHg)に続いて生じたものと同様であった。第1日(プラセボ)、第2日(ponesimodの初回投与)及び試験期間を通じて、同様の数の対象が、少なくとも1回、90mmHg未満のSBPを報告した。SBPの20mmHgを超えるベースラインからの減少は、処置レジメB及びプラセボと比較して、処置レジメAにおけるponesimodの投与に続いては発生頻度が少なかった。50mmHg未満のDBP又はベースラインからの15mmHgを超えるDBPの減少の発生回数及び経験対象数は、プラセボと比較して、ponesimod処置群においてはるかに顕著であった。
【0047】
PFT項目及び血液学項目(ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球計数、好塩基球、好酸球、好中球、単球及び血小板計数)について、処置効果は観察されなかった。なお、ほとんどの対象について範囲外の値がいくつか報告されたが、いずれも臨床的に重要なものとはみなされなかった。
【0048】
薬物動態及び薬力学的評価項目
漸増レジメAを用いると、最低血中濃度(trough)及び投与後3hの血漿濃度は着実に増大した。レジメAでは、10mgのponesimodを2回目に投与した後3hで(すなわち第14日)、レジメBでは10mgのponesimodを5回目に投与した後3hで(第6日)、同様の濃度に到達した。外観検査により、レジメBを用いた場合、第6日に10mgの定常状態条件に到達したことが明らかになった。20mgのponesimodを投与した後3hの血漿濃度は、レジメA(第15日:144.0±36.9ng/mL)及びレジメB(第9日:144.0±41.9ng/mL)において同様であった。
【0049】
その作用機序により期待されるように、ponesimodの初回投与(initiation)の後に、循環総リンパ球計数の減少が観察された。レジメBと比較して、レジメAにおいて、減少はより緩慢であった。第3日において、ベースラインからの変化の平均百分率(±SD)は、レジメB(-28.9±12.2%)において、レジメA(-11.6±10.2%、p<0.05)及びプラセボ(-0.3±22.2%、p<0.05)よりも大きかった。第6日において、総リンパ球計数のベースラインからの減少は、レジメA(-15.0±14.4%)又はレジメB(-46.5±12.3%)のいずれかにおいて、プラセボ(-0.2±11.3%)よりもより顕著であった。10mgのponesimodの最後の投与に続いて、レジメA(第15日[20mgの用量の投与前]、-50.8±12.1%)及びレジメB(第9日[20mgの用量の投与前]、-52.3±11.0%)において、総リンパ球計数の同様の減少が観察された。EOFP及びEOSにて、個々の総リンパ球計数は正常範囲(すなわち、ベースラインの80%)内に戻った。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として(R)-5-[3-クロロ-4-(2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-ベンゾ[Z]イリデン]-2-([Z]-プロピルイミノ)-3-o-トリル-チアゾリジン-4-オン(化合物1)又はその薬学的に許容される塩を含み、
治療の初期の間又は、断薬後の治療再開時に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:
第1及び2日に2mgの化合物1;
第3及び4日に3mgの化合物1;
第5及び6日に4mgの化合物1;
第7日に5mgの化合物1;
第8日に6mgの化合物1;
第9日に7mgの化合物1;
第10日に8mgの化合物1;及び
第11日に9mgの化合物1;
次いで、10mgの化合物1を、1日に1回、2、3又は4日間経口投与し、次いで、維持用量である20mgの化合物1を1日に1回経口投与する、
活性化された免疫系に関連する疾患又は障害の治療用の経口医薬組成物。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
治療の初期の間又は、断薬後の治療再開時に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を、対象としてのヒトに、1日に1回、下記の通りに経口投与する:
第1及び2日に2mgの化合物1;
第3及び4日に3mgの化合物1;
第5及び6日に4mgの化合物1;
第7日に5mgの化合物1;
第8日に6mgの化合物1;
第9日に7mgの化合物1;
第10日に8mgの化合物1;及び
第11日に9mgの化合物1;
次いで、10mgの化合物1を、第12、13及び14日に、1日に1回、経口投与し、次いで、第15日から、維持用量である20mgの化合物1を1日に1回経口投与する、請求項1に記載の経口医薬組成物。
【請求項4】
治療されるべき疾患又は障害が、腎臓、肝蔵、心臓、肺、膵臓、角膜及び皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、及びブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎及び皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌並びに腫瘍転移からなる群より選択される、
請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項5】
治療されるべき疾患又は障害が、腎臓、肝臓、心臓及び肺から選択される移植された臓器に対する拒絶反応;移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;並びにアトピー性皮膚炎;からなる群より選択される、
請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項6】
治療されるべき疾患又は障害が移植片対宿主病である、請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項7】
治療されるべき疾患又は障害が慢性移植片対宿主病である、請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項8】
治療されるべき疾患又は障害が多発性硬化症である、請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項9】
治療されるべき疾患又は障害が再発多発性硬化症である、請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
【請求項10】
治療されるべき疾患又は障害が再発-寛解型多発性硬化症である、請求項1又は3に記載の経口医薬組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-03-05 
結審通知日 2018-03-07 
審決日 2018-03-22 
出願番号 特願2017-531167(P2017-531167)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A61K)
P 1 41・ 851- Y (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 樹理  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 淺野 美奈
蔵野 雅昭
登録日 2017-11-17 
登録番号 特許第6244497号(P6244497)
発明の名称 選択的S1P1レセプターアゴニストの投与法  
代理人 大渕 美千栄  
代理人 大渕 美千栄  
代理人 布施 行夫  
代理人 布施 行夫  

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