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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A23G
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23G
管理番号 1340045
異議申立番号 異議2017-700627  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-20 
確定日 2018-03-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6050923号発明「チョコレート」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6050923号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕、〔6-9〕、〔10-13〕について訂正することを認める。 特許第6050923号の請求項3?5、7?9、11?13に係る特許を維持する。 特許第6050923号の請求項1、2、6、10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6050923号の請求項1?13に係る特許についての出願は、2016年5月24日(優先権主張 2015年5月28日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年12月2日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年6月20日に特許異議申立人米田 記三子により特許異議の申立てがなされ、当審において平成29年9月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年11月22日に訂正の請求及び意見書の提出がされ、その後、特許法第120条の5第5項の規定に基づき、当該訂正の請求に対して特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えたが、意見書が提出されなかったものである。

第2 訂正の請求についての判断
1.訂正の内容
平成29年11月22日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6050923号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?13について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。

(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(訂正事項2)
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(訂正事項3)
特許請求の範囲の請求項3に「前記油脂に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、請求項2に記載のチョコレート。」とあるのを、「チョコレート中の油脂に占める、MMMの含有量が0.01質量%以上5質量%未満であり、L2MおよびLM2の合計含有量が0.01?10質量%である、テンパー型チョコレートであって、前記油脂に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記テンパー型チョコレート。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール」と訂正する。

(訂正事項4)
特許請求の範囲の請求項4に「請求項1?3の何れか1項に記載のチョコレート。」とあるのを、「請求項3に記載のチョコレート。」と訂正する。

(訂正事項5)
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4の何れか1項に記載のチョコレート。」とあるのを、「請求項4に記載のチョコレート。」と訂正する。

(訂正事項6)
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(訂正事項7)
特許請求の範囲の請求項7に「前記ハードバターに占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、請求項6に記載のハードバター。」とあるのを、「0.03?15質量%のMMM、0.03?30質量%のL2MおよびLM2、および、45?95質量%のLOL、を含むハードバターであって、前記ハードバターに占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、ココアバターを含まない、前記ハードバター。
ただし、M、L、O、MMM、L2M、LM2およびLOLは、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LOL:グリセロール1分子の、1位と3位にLが、2位にOが結合した、トリアシルグリセロール」と訂正する。

(訂正事項8)
特許請求の範囲の請求項8に「請求項6または7に記載のハードバター。」とあるのを、「請求項7に記載のハードバター。」と訂正する。

(訂正事項9)
特許請求の範囲の請求項9に「請求項6?8の何れか1項に記載のハードバター」とあるのを、「請求項7または8に記載のハードバター」と訂正する。

(訂正事項10)
特許請求の範囲の請求項10を削除する。

(訂正事項11)
特許請求の範囲の請求項11に「前記チョコレート用添加剤に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、請求項10に記載のチョコレート用添加剤。」とあるのを、「2?70質量%のMMMと、20?98質量%のL2MおよびLM2と、を有効成分とする、テンパー型チョコレートに使用する、チョコレート用添加剤であって、前記チョコレート用添加剤に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記チョコレート用添加剤。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール」と訂正する。

(訂正事項12)
特許請求の範囲の請求項12に「請求項10または11に記載のチョコレート用添加剤。」とあるのを、「請求項11に記載のチョコレート用添加剤。」と訂正する。

(訂正事項13)
特許請求の範囲の請求項13に「請求項10?12の何れか1項に記載のチョコレート用添加剤」とあるのを、「請求項11または12に記載のチョコレート用添加剤」と訂正し、「チョコレート。」とあるのを、「、テンパー型チョコレート。」と訂正する。

2.訂正の適否
(訂正事項1について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項2について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項3について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項3は、請求項1の記載を引用する請求項2の記載をさらに引用する請求項3の記載を当該請求項1及び2の記載を引用しないものとするとともに、「チョコレート」について、「テンパー型」のものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、本件特許明細書の「テンパー型チョコレート」(【0002】)、及び「テンパー型に適したチョコレート」(【0024】)の記載から、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項4について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項4は、上記訂正事項1及び2の請求項1及び2の削除に伴い、請求項1及び2を引用するものを除くものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項5について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項5は、上記訂正事項1及び2の請求項1及び2の削除に伴い、請求項1及び2を引用するものを除くとともに、請求項3を引用するものを削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項6について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項6は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項7について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項7は、請求項6の記載を引用する請求項7の記載を当該請求項6の記載を引用しないものとするとともに、「ハードバター」について、「ココアバターを含まない」ものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項7は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項7は、本件特許明細書の「本発明のハードバターは、チョコレートの油脂中に、ココアバター100質量部に対して、10?1000質量部使用されてもよい。」(【0002】)の記載、及び【表4】に「チョコレートの原材料配合」として「ハードバター」が「ココアバター」とは別に記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項8、9について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項8、9は、上記訂正事項6の請求項6の削除に伴い、請求項6を引用するものを除くものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項8、9は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項8、9は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項10について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項10は、訂正前の請求項10を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項10は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項10は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項11について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項11は、請求項10の記載を引用する請求項11の記載を当該請求項10の記載を引用しないものとするとともに、「チョコレート用添加剤」について、「テンパー型チョコレートに使用する」ものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項11は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項11は、本件特許明細書の「本発明のチョコレートは、テンパー型に適したチョコレート」(【0024】)、及び「本発明は、また、本発明のチョコレートの製造に適したチョコレート用添加剤を提供する。」(【0036】)の記載から、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項12について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項12は、上記訂正事項10の請求項10の削除に伴い、請求項10を引用するものを除くものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項12は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項12は、上記アのとおりであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(訂正事項13について)
ア 訂正の目的
上記訂正事項13は、上記訂正事項10の請求項10の削除に伴い、請求項10を引用するものを除くとともに、「チョコレート」について、「テンパー型」のものに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
上記訂正事項13は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項13は、本件特許明細書の「テンパー型チョコレート」(【0002】)、及び「テンパー型に適したチョコレート」(【0024】)の記載から、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号、又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕、〔6?9〕、〔10?13〕についての訂正を認める。

第3 本件特許発明
上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1?13に係る発明(以下「本件発明1?13」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?13に記載された以下の事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
チョコレート中の油脂に占める、MMMの含有量が0.01質量%以上5質量%未満であり、L2MおよびLM2の合計含有量が0.01?10質量%である、テンパー型チョコレートであって、前記油脂に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記テンパー型チョコレート。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
【請求項4】
前記油脂に占める、LOLの含有量が45?95質量%である、請求項3に記載のチョコレート。
ただし、OおよびLOLは、以下を意味する。
O:オレイン酸
LOL:グリセロール1分子の、1位と3位にLが、2位にOが結合した、トリアシルグリセロール
【請求項5】
前記LOLに占める、SOSの含有量が25?60質量%である、請求項4に記載のチョコレート。
ただし、SおよびSOSは、以下を意味する。
S:ステアリン酸
SOS:1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
0.03?15質量%のMMM、0.03?30質量%のL2MおよびLM2、および、45?95質量%のLOL、を含むハードバターであって、前記ハードバターに占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、ココアバターを含まない、前記ハードバター。
ただし、M、L、O、MMM、L2M、LM2およびLOLは、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LOL:グリセロール1分子の、1位と3位にLが、2位にOが結合した、トリアシルグリセロール」と訂正する。
【請求項8】
前記LOLに占める、SOSの含有量が30?90質量%である、請求項7に記載のハードバター。
ただし、SおよびSOSは、以下を意味する。
S:ステアリン酸
SOS:1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール
【請求項9】
請求項7または8に記載のハードバターを、油脂中に3?100質量%含有するチョコレート。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
2?70質量%のMMMと、20?98質量%のL2MおよびLM2と、を有効成分とする、テンパー型チョコレートに使用する、チョコレート用添加剤であって、前記チョコレート用添加剤に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記チョコレート用添加剤。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
【請求項12】
エステル交換油脂であって、前記エステル交換油脂が有する構成脂肪酸全量のうち、炭素数6?10の構成脂肪酸が、25?65質量%を占め、炭素数16?18の飽和の構成脂肪酸が、35?75質量%を占める、エステル交換油脂である、請求項11に記載のチョコレート用添加剤。
【請求項13】
請求項11または12に記載のチョコレート用添加剤を、油脂中に0.05?15質量%含む、テンパー型チョコレート。」

第4 当審の判断
1.取消理由の概要
平成29年9月21日付け取消理由通知の概要は、以下のとおりである。

引用例1:特開2015-82999号公報(甲第1号証)
引用例2:特開平5-184297号公報(甲第2号証)
引用例3:特開平5-184295号公報(甲第3号証)
引用例4:特開2008-182961号広報(甲第4号証)
引用例5:特開2015-62410号公報(甲第5号証)
引用例6:Ralph E.Timms、「製菓用油脂ハンドブック」、株式会社幸書房、2010年2月14日発行、p.191-197(甲第6号証)
引用例7:社団法人 日本油化学協会編、「改訂三版 油脂化学便覧」、丸善株式会社、平成4年1月15日、p.104-109(甲第7号証)
引用例8:松井宣也、「エステル交換反応とその食用油脂工業への利用」、油化学、1979年、第28巻、第10号、p.680-688(甲第8号証)

(1)本件発明1?13は、引用例1に記載された発明であるから、本件発明1?13に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、本件発明1?13は、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1?13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
さらに、本件発明10?13に係るチョコレート用添加剤は、引用例1に記載された「エステル交換油脂4」と、同一の原材料及び同一の製造方法で作成されたものであり、本件発明10?13に係る発明は、引用例1に記載された「エステル交換油脂4」であるから、本件発明10?13に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、相違するとしても、本件発明10?13は、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明10?13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(2)本件発明1、2、4?6、8?10、13は、引用例2に記載された発明であるから、本件発明1、2、4?6、8?10、13に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、相違するとしても、本件発明1、2、4?6、8?10、13は、引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1、2、4?6、8?10、13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(3)本件発明1、2、4?6、8?10、13は、引用例3に記載された発明であるから、本件発明1、2、4?6、8?10、13に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、相違するとしても、本件発明1、2、4?6、8?10、13は、引用例3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1、2、4?6、8?10、13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(4)本件発明1?3は、引用例4に記載された発明であるから、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、相違するとしても、本件発明1?3は、引用例4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(5)本件発明1、4、5は、引用例5に記載された発明であるから、本件発明1、4、5に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。また、相違するとしても、本件発明1、4、5は、引用例5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1、4、5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

2.取消理由についての判断
(1)本件発明3に係る新規性及び進歩性について
ア 引用例1を主引用例とした場合
(ア)対比
引用例1の比較例2のチョコレートは、【0034】の製造方法の記載から、非テンパー型チョコレートである。
そうすると、本件発明3と引用例1の比較例2のチョコレート(【0031】?【0037】、特に【0036】の【表2】参照。以下「引用1発明1」という。)とを対比するに、本件発明3と引用1発明1とは、少なくとも以下の点で相違する。

<相違点1>
本件発明3は、「テンパー型チョコレート」であるのに対して、引用1発明1は、非テンパー型チョコレートである点。

(イ)当審の判断
テンパー型チョコレートと非テンパー型チョコレートとは、結晶の状態が異なるものであるから、上記相違点1は実質的な相違点であり、本件発明3は引用1発明1であるとはいえない。
そして、引用1発明1の非テンパー型チョコレートをテンパー型チョコレートとする動機付けはなく、仮に引用1発明1の非テンパー型チョコレートをテンパー型チョコレートとしようとしたとしても、その際の油脂組成が本件発明3を満たすとはいえない。
したがって、本件発明3は、引用1発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

イ 引用例4を主引用例とした場合
(ア)対比
引用例4の実施例1、実施例3又は比較例4のハードバターを使用したチョコレートは、【0034】の製造方法及び【0007】の記載から、非テンパリング型チョコレートである。
そうすると、本件発明3と引用例4の実施例1、実施例3又は比較例4のハードバターを使用したチョコレート(【0025】?【0036】、特に【0034】参照。以下「引用4発明」という。)とを対比するに、本件発明3と引用4発明とは、少なくとも以下の点で相違する。

<相違点2>
本件発明3は、「テンパー型チョコレート」であるのに対して、引用4発明は、非テンパリング型チョコレートである点。

(イ)当審の判断
テンパー型チョコレートと非テンパリング型チョコレートとは、結晶の状態が異なるものであるから、上記相違点2は実質的な相違点であり、本件発明3は引用4発明であるとはいえない。
そして、引用4発明の非テンパリング型チョコレートをテンパー型チョコレートとする動機付けはなく、仮に引用4発明の非テンパリング型チョコレートをテンパー型チョコレートとしようとしたとしても、その際の油脂組成が本件発明3を満たすとはいえない。
したがって、本件発明3は、引用4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本件発明4、5に係る新規性及び進歩性について
本件発明4、5は、本件発明3の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付した発明であるから、少なくとも、上記(1)ア(イ)と同じ理由で、本件発明4、5は、引用1発明1であるとはいえないし、引用1発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3)本件発明7に係る新規性及び進歩性について
ア 対比
引用例1の比較例2のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂1」は、【0033】の記載から、MCT1を50質量部と、パーム極度硬化油50質量部とを混合した混合油を、ナトリウムメチラートでエステル交換したものである。そして、MCT1が本件特許明細書の「MMM-2」と同じであることを考慮すると、引用例1の「エステル交換油脂1」は、本件明細書の50質量部の菜種油の極度硬化油と50質量部のMMM-2とを混合した混合油を、ナトリウムメチラートでランダムエステル交換した「(MMM+L2M+LM2-1)」と、M及びLの含有量が同程度であるといえる。そうすると、「エステル交換油脂1」は、本件特許明細書の【0046】の記載から、MMMの含有量が20質量%程度、L2MおよびLM2の合計含有量が75質量%程度、および、LM2の含有量に対するL2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.7程度であるといえる。
そうすると、本件発明7と引用例1の比較例2のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂1」(【0031】?【0037】。以下「引用1発明2」という。)とを対比するに、本件発明7と引用1発明2とは、少なくとも以下の点で相違する。

<相違点3>
MMMの含有量について、本件発明7では、「0.03?15質量%」であるのに対して、引用1発明2では、20質量%程度である点。

イ 当審の判断
上記相違点3は実質的な相違点であり、本件発明7は引用1発明2であるとはいえない。
そして、引用1発明2において、MMMの含有量を調整する動機付けはない。
したがって、本件発明7は、引用1発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(4)本件発明8、9に係る新規性及び進歩性について
本件発明8、9は、本件発明7の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付した発明であるから、少なくとも、上記(3)イと同じ理由で、本件発明8、9は、引用1発明2であるとはいえないし、引用1発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(5)本件発明11に係る新規性及び進歩性について
ア 引用例1の比較例2及び比較例4のチョコレートは、【0034】の製造方法の記載から、非テンパー型チョコレートである。
そして、比較例2のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂1」と「ココアバター」とを合わせた油脂及び比較例4のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂4」は、非テンパー型チョコレートに混合するものであるから(【0034】)、非テンパー型チョコレートに使用する、チョコレート用添加剤と表現できるものである。
そうすると、本件発明11と、引用例1の比較例2のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂1」及び「ココアバター」を合わせた油脂、又は比較例4のチョコレートに用いられる「エステル交換油脂4」(以下「引用1発明3」という。)とを対比するに、本件発明11と引用1発明3とは、少なくとも以下の点で相違する。

<相違点4>
チョコレート用添加剤について、本件発明11では、「テンパー型チョコレートに使用する」のに対して、引用1発明3では、非テンパー型チョコレートに使用する点。

イ 当審の判断
テンパー型チョコレートと非テンパー型チョコレートとは、結晶の状態が異なるものであるから、テンパー型チョコレートに使用する添加剤と非テンパー型チョコレートに使用する添加剤とは、異なるものである。したがって、上記相違点4は実質的な相違点であり、本件発明11は引用1発明3であるとはいえない。
そして、引用1発明3の非テンパー型チョコレートに使用する添加剤をテンパー型チョコレートに使用する動機付けはない。
したがって、本件発明11は、引用1発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(6)本件発明12に係る新規性及び進歩性について
本件発明12は、本件発明11の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付した発明であるから、少なくとも、上記(5)イと同じ理由で、本件発明12は、引用1発明3であるとはいえないし、引用1発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(7)本件発明13に係る新規性及び進歩性について
本件発明13は、本件発明11又は12のチョコレート用添加剤を含むテンパー型チョコレートであって、本件発明11の発明特定事項を全て含む発明であるから、少なくとも、上記(5)イと同じ理由で、本件発明13は、引用1発明3を含むチョコレートであるとはいえないし、引用1発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、取消理由(1)?(5)によっては、請求項3?5、7?9、11?13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項3?5、7?9、11?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項1、2、6、10に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項1、2、6、10に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
チョコレート中の油脂に占める、MMMの含有量が0.01質量%以上5質量%未満であり、L2MおよびLM2の合計含有量が0.01?10質量%である、テンパー型チョコレートであって、前記油脂に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記テンパー型チョコレート。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
【請求項4】
前記油脂に占める、LOLの含有量が45?95質量%である、請求項3に記載のチョコレート。
ただし、OおよびLOLは、以下を意味する。
O:オレイン酸
LOL:グリセロール1分子の、1位と3位にLが、2位にOが結合した、トリアシルグリセロール
【請求項5】
前記LOLに占める、SOSの含有量が25?60質量%である、請求項4に記載のチョコレート。
ただし、SおよびSOSは、以下を意味する。
S:ステアリン酸
SOS:1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
0.03?15質量%のMMM、0.03?30質量%のL2MおよびLM2、および、45?95質量%のLOL、を含むハードバターであって、前記ハードバターに占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、ココアバターを含まない、前記ハードバター。
ただし、M、L、O、MMM、L2M、LM2およびLOLは、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LOL:グリセロール1分子の、1位と3位にLが、2位にOが結合した、トリアシルグリセロール
【請求項8】
前記LOLに占める、SOSの含有量が30?90質量%である、請求項7に記載のハードバター。
ただし、SおよびSOSは、以下を意味する。
S:ステアリン酸
SOS:1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール
【請求項9】
請求項7または8に記載のハードバターを、油脂中に3?100質量%含有するチョコレート。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
2?70質量%のMMMと、20?98質量%のL2MおよびLM2と、を有効成分とする、テンパー型チョコレートに使用する、チョコレート用添加剤であって、前記チョコレート用添加剤に占める、前記LM2の含有量に対する前記L2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、0.05?4.5である、前記チョコレート用添加剤。
ただし、M、L、MMM、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6?10の脂肪酸
L:炭素数16?24の飽和脂肪酸
MMM:グリセロール1分子に3分子のMが結合したトリアシルグリセロール
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
【請求項12】
エステル交換油脂であって、前記エステル交換油脂が有する構成脂肪酸全量のうち、炭素数6?10の構成脂肪酸が、25?65質量%を占め、炭素数16?18の飽和の構成脂肪酸が、35?75質量%を占める、エステル交換油脂である、請求項11に記載のチョコレート用添加剤。
【請求項13】
請求項11または12に記載のチョコレート用添加剤を、油脂中に0.05?15質量%含む、テンパー型チョコレート。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-03-02 
出願番号 特願2016-555640(P2016-555640)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A23G)
P 1 651・ 113- YAA (A23G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松原 寛子  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 佐々木 正章
中村 則夫
登録日 2016-12-02 
登録番号 特許第6050923号(P6050923)
権利者 日清オイリオグループ株式会社
発明の名称 チョコレート  
代理人 引地 進  
代理人 引地 進  

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