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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A01N
管理番号 1340062
異議申立番号 異議2017-700053  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-01-20 
確定日 2018-02-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5954522号発明「水中への溶出が促進される固形農薬組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5954522号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。 特許第5954522号の請求項1、3及び6に係る特許を取り消す。 特許第5954522号の請求項2、4及び5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5954522号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成23年11月11日に特許出願され、平成28年6月24日に特許権の設定登録がされ、平成28年7月20日にその特許公報が発行され、平成29年1月20日に、その請求項1?6に係る発明の特許に対し、岩田博明(以下「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
その後の手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 3月17日付け 取消理由通知書
同年 5月22日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年 7月12日 意見書(特許異議申立人)
同年 8月21日付け 取消理由通知書(決定の予告)
同年10月23日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年12月12日 意見書(特許異議申立人)

第2 訂正の適否についての判断
特許権者は、特許法第120条の5第1項の規定により審判長が指定した期間内である平成29年10月23日に訂正請求書を提出し、本件特許の特許請求の範囲及び明細書を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり訂正後の請求項1?6について訂正することを求めた(以下「本件訂正」という。)。
なお、平成29年5月22日付けでなされた訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。

1 訂正の内容
(1)請求項1?6に係る一群の請求項に係る訂正について
ア 訂正事項1
訂正前の請求項1に「(a)農薬活性成分、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)スルホネート系界面活性剤および(d)カルボキシメチルセルロース塩を含有する固形農薬組成物」と記載されているのを、「(a)ブタクロール、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)ジアルキルスルホコハク酸塩、(d)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(e)ポリアクリル酸塩を含有する固形農薬組成物」に訂正する。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

ウ 訂正事項3
訂正前の請求項3に「ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸もしくはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩」及び「請求項1または2」と記載されているのを、「ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩」及び「請求項1」に訂正する。

エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

カ 訂正事項6
訂正前の請求項6に「請求項1ないし5から選ばれるいずれか1項記載」と記載されているのを、「請求項1または3記載」に訂正する。

(2)明細書の訂正について
ア 訂正事項7
訂正前の明細書の段落【0006】に「〔1〕?〔6〕」と記載されているのを、「〔1〕、〔3〕及び〔6〕」に訂正する。

イ 訂正事項8
訂正前の明細書の段落【0007】に「〔1〕 (a)農薬活性成分、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)スルホネート系界面活性剤および(d)カルボキシメチルセルロース塩を含有する固形農薬組成物。」と記載されているのを、「〔1〕 (a)ブタクロール、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)ジアルキルスルホコハク酸塩、(d)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(e)ポリアクリル酸塩を含有する固形農薬組成物(但し、水溶性フィルムに内包されている農薬組成物を除く。)。」に訂正する。

ウ 訂正事項9
訂正前の明細書の段落【0008】の記載を削除する。

エ 訂正事項10
訂正前の明細書の段落【0009】に「ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸もしくはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である上記〔1〕または〔2〕記載」と記載されているのを、「ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である上記〔1〕記載」に訂正する。

オ 訂正事項11
訂正前の明細書の段落【0010】の記載を削除する。

カ 訂正事項12
訂正前の明細書の段落【0011】の記載を削除する。

キ 訂正事項13
訂正前の明細書の段落【0012】に「〔1〕ないし〔5〕から選ばれるいずれかに記載」と記載されているのを、「〔1〕または〔3〕記載」に訂正する。

ク 訂正事項14
訂正前の明細書の段落【0046】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正し、また、「本発明の粒状農薬組成物」と記載されているのを「粒状農薬組成物」に訂正する。

ケ 訂正事項15
訂正前の明細書の段落【0048】に「実施例3」と記載されているのを「参考例3」に訂正し、また、「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正し、さらに、「本発明の農薬粒状組成物」と記載されているのを「農薬粒状組成物」に訂正する。

コ 訂正事項16
訂正前の明細書の段落【0050】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正する。

サ 訂正事項17
訂正前の明細書の段落【0053】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正する。

シ 訂正事項18
訂正前の明細書の段落【0056】に「実施例6」と記載されているのを「参考例6」に訂正し、また、「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正し、さらに、「本発明の粒状農薬組成物」と記載されているのを「粒状農薬組成物」に訂正する。

ス 訂正事項19
訂正前の明細書の段落【0057】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正する。

セ 訂正事項20
訂正前の明細書の段落【0058】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正する。

ソ 訂正事項21
訂正前の明細書の段落【0060】に「実施例2」と記載されているのを「参考例2」に訂正する。

タ 訂正事項22
訂正前の明細書の段落【0061】に「実施例6」と記載されているのを「参考例6」に訂正する。

チ 訂正事項23
訂正前の明細書の段落【0062】に「実施例6」と記載されているのを「参考例6」に訂正する。

ツ 訂正事項24
訂正前の明細書の段落【0063】に「実施例2?5」と記載されているのを「実施例4?5」に訂正し、また、「、実施例6および比較例4、5で製造した粒状農薬組成物各20mg」という記載を削除し、さらに、「第1表および第2表」と記載されているのを「第1表」に訂正する。

テ 訂正事項25
訂正前の明細書の段落【0064】に記載の第1表中から実施例2及び実施例3に関する記載を削除する。また、第2表に関する記載を削除する。

2 判断
(1)請求項1?6に係る一群の請求項について
ア 一群の請求項について
訂正事項1?6に係る訂正前の請求項1?6について、請求項2?6はそれぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1?6に対応する訂正後の請求項1?6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

イ 訂正事項1について
(ア)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の「(a)農薬活性成分」を「(a)ブタクロール」とすることで農薬活性成分を限定する訂正と、「(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤」を「(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤」とすることで、選択肢からポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤を削除して(b)成分を限定する訂正と、訂正前の「(c)スルホネート系界面活性剤」を「(c)ジアルキルスルホコハク酸塩」とすることで、スルホネート系界面活性剤を限定する訂正と、「(d)カルボキシメチルセルロース塩」を「(d)カルボキシメチルセルロースナトリウム」とすることで、カルボキシメチルセルロース塩を限定する訂正と、固形農薬組成物に「(e)ポリアクリル酸塩を含有する」ことを加入することで固形農薬組成物を限定する訂正であるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項1は、上記(ア)で述べたとおり、いずれも特許請求の範囲を減縮する訂正であるから、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものではない。

(ウ)新規事項の追加について
訂正事項1のうち、訂正前の「(a)農薬活性成分」を「(a)ブタクロール」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0035】には農薬活性成分の具体例としてブタクロールが記載されているから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内であるといえる。また、「(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤またはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤」を「(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤」とする訂正は、固形農薬組成物の成分を限定する訂正であるから新規事項の追加に当たらないことは明らかである。さらに、「(c)スルホネート系界面活性剤」を「(c)ジアルキルスルホコハク酸塩」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0024】にはスルホネート系界面活性剤の具体例としてジアルキルスルホコハク酸塩が記載されているから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内であるといえ、「(d)カルボキシメチルセルロース塩」を「(d)カルボキシメチルセルロースナトリウム」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0026】にはカルボキシメチルセルロース塩の対イオンとしてナトリウムが記載されているから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内であるといえる。そして、固形農薬組成物に「(e)ポリアクリル酸塩を含有する」ことを加入する訂正については、願書に添付した明細書の段落【0028】には、本発明で使用されるポリカルボン酸塩として、ポリアクリル酸の塩が記載されているから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内であるといえる。

ウ 訂正事項2、4及び5について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2、4及び5は、それぞれ請求項2、4及び5を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
訂正事項2、4及び5は、請求項2、4及び5を削除する訂正であるから、実質上特許請求の範囲の拡張・変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

エ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的について
訂正事項3は、請求項3において、訂正前の「(b)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸もしくはポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である」を「(b)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である」とすることで、選択肢からポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸を削除して(b)成分を限定する訂正と、訂正事項2により請求項2を削除したことに伴い、引用する請求項が「1または2」であったものを、「1」とする訂正であるから、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
訂正事項3は、上記(ア)で述べたとおり、特許請求の範囲を減縮する訂正であるから、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

オ 訂正事項6について
(ア)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正事項2、4及び5により請求項2、4及び5を削除したことに伴い、請求項6において、引用する請求項が「1ないし5」であったものを、「1または3」とする訂正であるから、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
訂正事項6は、上記(ア)で述べたとおり、特許請求の範囲を減縮する訂正であるから、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

(2)明細書の訂正について
ア 訂正事項7?13について
(ア)訂正の目的について
訂正事項7?13は、明細書の段落【0006】?【0012】において、特許請求の範囲の訂正事項1?6と記載内容を整合させる訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記(1)イ(イ)及び(ウ)、ウ(イ)?オ(イ)で述べたとおり、訂正事項1?6が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項7?13も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

イ 訂正事項14及び15について
(ア)訂正の目的について
訂正事項14及び15は、特許請求の範囲の訂正事項1のうち、固形農薬組成物に「(e)ポリアクリル酸塩を含有する」ことを加入する訂正に伴い、明細書の段落【0046】及び【0048】において、ポリアクリル酸塩を含有しないため訂正後の請求項1に係る発明の具体例でなくなった「実施例2」及び「実施例3」を「参考例2」及び「参考例3」と訂正し、また、「本発明の粒状農薬組成物」を「粒状農薬組成物」とする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記(1)イ(イ)及び(ウ)で述べたとおり、訂正事項1が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項14及び15も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

ウ 訂正事項16、17、19?21について
(ア)訂正の目的について
訂正事項16、17、19?21は、訂正事項14により、明細書の段落【0046】において、「実施例2」が「参考例2」と訂正されたことに伴い、明細書の段落【0050】、【0053】、【0057】、【0058】及び【0060】において、「実施例2」を「参考例2」とする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記イ(イ)で述べたとおり、訂正事項14が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項16、17、19?21も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

エ 訂正事項18について
(ア)訂正の目的について
訂正事項18は、特許請求の範囲の訂正事項1のうち、固形農薬組成物に「(e)ポリアクリル酸塩を含有する」ことを加入する訂正に伴い、明細書の段落【0056】において、ポリアクリル酸塩を含有しないため訂正後の請求項1に係る発明の具体例でなくなった「実施例6」を「参考例6」と訂正し、また、「本発明の粒状農薬組成物」を「粒状農薬組成物」と訂正し、さらに、訂正事項14により、明細書の段落【0046】において、「実施例2」が「参考例2」と訂正されたことに伴い、明細書の段落【0056】において、「実施例2」を「参考例2」とする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記(1)イ(イ)及び(ウ)で述べたとおり、訂正事項1が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もなく、また、同様に、上記イ(イ)で述べたとおり、訂正事項14が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項18も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

オ 訂正事項22及び23について
訂正事項22及び23は、訂正事項18により、明細書の段落【0056】において、「実施例6」が「参考例6」と訂正されたことに伴い、明細書の段落【0061】及び【0062】において、「実施例6」を「参考例6」とする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記エ(イ)で述べたとおり、訂正事項18が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項22及び23も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

カ 訂正事項24について
(ア)訂正の目的について
訂正事項24は、特許請求の範囲の訂正事項1のうち、固形農薬組成物に「(e)ポリアクリル酸塩を含有する」ことを加入する訂正に伴い、明細書の段落【0046】及び【0048】において、ポリアクリル酸塩を含有しないため訂正後の請求項1に係る発明の具体例でなくなった実施例2及び3を削除するために、【0063】の「実施例2?5」という記載を「実施例4?5」と訂正し、また、同様に、明細書の段落【0056】において、ポリアクリル酸塩を含有しないため訂正後の請求項1に係る発明の具体例でなくなった実施例6という記載を削除するために、さらに、訂正前の実施例6で用いられた粒状農薬組成物の成分を変更した比較例4及び5という記載を削除するために、「実施例6および比較例4、5で製造した粒状農薬組成物各20mg」という記載を削除した訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記(1)イ(イ)及び(ウ)で述べたとおり、訂正事項1が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項24も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

キ 訂正事項25について
(ア)訂正の目的について
訂正事項25は、訂正事項24において、明細書の段落【0063】の「実施例2?5」を「実施例4?5」と訂正したことに伴い、【0064】の第1表において、実施例2及び3の項目を削除する訂正と、訂正事項24において、明細書の段落【0063】の実施例6並びに比較例4及び5の記載を削除した訂正に伴い、実施例6並びに比較例4及び5が記載された第2表を削除する訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(イ)実質上の特許請求の範囲の拡張・変更、新規事項の追加について
上記カ(イ)で述べたとおり、訂正事項24が、実質上の特許請求の範囲を拡張・変更せず、また、新規事項の追加もないから、訂正事項25も、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更に該当せず、また、新規事項の追加に当たらないことは明らかである。

ケ 明細書の訂正に係る請求項について
上述のとおり、訂正事項1?6を含む請求項1?6に係る訂正は、願書に添付した明細書に係る訂正事項7?25と関係し、訂正事項7?25と関係するすべての一群の請求項である請求項1?6が訂正請求の対象とされている。
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合する。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正の請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合する。
よって、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?6〕について訂正することを認める。

第3 本件発明
上記のとおり、本件訂正は認められるので、特許第5954522号の請求項1?6に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明6」といい、これらをまとめて「本件発明」ともいう。)は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
(a)ブタクロール、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)ジアルキルスルホコハク酸塩、(d)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(e)ポリアクリル酸塩を含有する固形農薬組成物(但し、水溶性フィルムに内包されている農薬組成物を除く。)。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
(b)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である請求項1記載の固形農薬組成物。
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
【請求項6】
固形農薬組成物が、粒状である請求項1または3記載の固形農薬組成物。」

第4 取消理由通知(決定の予告)の概要
当審が取消理由通知(決定の予告)で通知した取消理由のうち理由1の概要は、以下のとおりである。

理由1 平成29年5月22日付け訂正請求により訂正された本件請求項1、3、4及び6に係る発明は、下記の点で、特許請求の範囲に記載された特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえないから、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、平成29年5月22日付け訂正請求により訂正された本件請求項1、3、4及び6に係る発明の特許は、同法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

平成29年5月22日付け訂正請求により訂正された本件請求項1、3、4及び6に係る発明が解決しようとする課題は、水溶解度が極めて低い農薬活性成分であっても、水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させた固形農薬組成物を提供することにあるものと認められるところ、カルボキシメチルセルロース塩について、実際に、実施例として、上記課題が解決できたことが記載されているのは、カルボキシメチルセルロース塩が、「セロゲン6A(商品名、第一工業製薬(株)製)」のみであって、カルボキシメチルセルロース塩の分子量の違いによって、農薬固形製剤の水中での崩壊性が異なることは技術常識であるから、すべてのカルボキシメチルセルロース塩についてこれらの課題が解決できた固形農薬組成物が得ることができるとはいえない。

なお、本件発明1、3及び6(本件訂正(平成29年10月23日付け訂正請求による訂正)により訂正された請求項1、3及び6に係る発明)は、平成29年5月22日付け訂正請求により訂正された請求項1、3及び6に係る発明を減縮しつつ、それぞれ対応した発明である。

第5 当審の判断
当審は、上記取消理由(理由1)について、以下のとおり判断する。

1 特許法第36条第6項第1号について
特許法第36条第6項は、「第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。」と規定し、その第1号において「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」と規定している。同号は、明細書のいわゆるサポート要件を規定したものであって、特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
よって、この観点に立って検討する。

2 特許請求の範囲の記載
上記「第3」に記載したとおりである。

3 発明の詳細な説明の記載
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
(a)「【0002】
粒状農薬組成物は安全性の高い製剤形態であるが、農薬活性成分の水溶解度が極めて低い場合、粒状農薬組成物中から農薬活性成分を水中にすばやく溶出させることが難しく、満足できる薬効が得られない場合がある。これらの問題点を解決するためには、粒状組成物からの農薬活性成分の水中溶出性を向上させる必要があり、そのための種々の試みがなされている。」

(b)「【0005】
しかしながら、上記のいずれの方法を用いても、農薬活性成分の水溶解度や溶剤に対する水溶解度が極めて低い場合には、粒状農薬組成物からの農薬活性成分の溶出性を向上させる効果が未だ不十分であり、実用上問題があった。」

(c)「【0013】
本発明の固形農薬組成物は、従来のものと比べて水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させることができる。」

(d)「【0015】
本発明で使用される(b)の界面活性剤とは、以下の(1)?(6)の界面活性剤である。
【0016】
(1)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルが挙げられる。
・・・
【0018】
(3)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸およびその塩:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
・・・
【0020】
(5)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸およびその塩:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルリン酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
・・・
【0022】
上記の(1)?(6)における塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0023】
(b)の界面活性剤の中で好ましいものは、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、・・・ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸、・・・およびそれらの塩であり、特に好ましいものはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸・・・およびそれらの塩である。」

(e)「【0024】
本発明で使用される(c)スルホネート系界面活性剤とは、スルホン酸基を有する界面活性剤であり、例えば、・・・ジアルキル(例えばC_(8)?_(12))スルホコハク酸、・・・並びにそれらスルホン酸の塩が挙げられる。該塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。」

(f)「【0026】
本発明で使用される(d)カルボキシメチルセルロース塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。この中で好ましい対イオンはアルカリ金属であり、より好ましいものはナトリウムである。
【0027】
(d)カルボキシメチルセルロース塩の具体例としては、例えばセロゲン701A、セロゲン703A、セロゲン5A、セロゲン6A、セロゲン7A、セロゲンPR、セロゲンWS-A、セロゲンPL-15、セロゲンWS-CN、セロゲンWS-C、セロゲンWS-D、セロゲンBS、セロゲンBS-H、セロゲンBSH-3、セロゲンBSH-4、セロゲンBSH-5、セロゲンBSH-6、セロゲンBSH-10、セロゲンBSH-12、セロゲン6HS9、セロゲンEPおよびセロゲンHE-1500F(以上、商品名/第一工業製薬(株)製)、サンローズF10LC、サンローズF20LC、サンローズF01MC、サンローズF10MC、サンローズF30MC、サンローズF50MC、サンローズFT-1、サンローズFT-3、サンローズ04HC、サンローズFT-8、サンローズF20HC、サンローズAPP-84、サンローズA02SH、サンローズA04SH、サンローズA10SH、サンローズA20SH、サンローズA100SH、サンローズPN01L、サンローズPN05L、サンローズPN20L、サンローズSN01L、サンローズSN30C、サンローズSN60C、サンローズSN80C、サンローズB1B、サンローズB3B、Hi-サンローズH-755およびサンローズSLD-F1(以上、商品名/日本製紙ケミカル(株)製)等が挙げられる。」

(g)「【0030】
(b)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し1?10重量部であることが望ましい。(c)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し0.1?5重量部であることが望ましい。(d)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し1?10重量部であることが望ましい。(e)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し0.1?5重量部であることが望ましい。」

(h)「【0034】
本発明で使用される農薬活性成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0035】
除草剤:・・・ブタクロール(butachlor)、・・・等。」

(i)「【0041】
これらの農薬活性成分は単独でまたは2種以上混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。農薬活性成分の含有量は適宜選択できるが、固形農薬組成物100重量部に対して0.1?50重量部の範囲が好ましい。」

(j)「【0045】
〔実施例1〕
約5ミクロン程度に微粉砕したピラゾスルフロンエチル(一般名、スルホニルウレア系除草活性成分)4.3部、H微粉(商品名、啓和炉材(株)製、二酸化ケイ素)65.7部および石油系パラフィンワックス(融点69?72℃)30.0部を、約100℃でニーダーを用いて溶融、混練した。その後、約75℃まで冷却し、直径1.2mmの穴を有するスクリーンにて押出造粒し、これをピンミルで粉砕して、ピラゾスルフロンパラフィンプレミックスを得た。
【0046】
〔参考例2〕
ブタクロール(一般名、クロロアセトアニリド系除草活性成分)7.88部、ピラゾスルフロンエチルパラフィンプレミックス7.14部、セロゲン6A(商品名 、第一工業製薬(株)製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)5.00部、マイクロセルE(商品名、セライトコーポレーション製、吸収剤)5.00部、クニゲルV2(商品名 、クニミネ工業(株)製、ベントナイト)5.00部、ネオキャリアK(商品名、浅田製粉(株)製、クレー)65.56部を均一混合した後、エアロールCT-1L(商品名、東邦化学工業(株)製、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩)1.50部、ソルポール7556(商品名、東邦化学工業(株)製 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩)9.00部^(*1)と水を加えて混練し、次いで口径1.0mmのスクリーンを装着した押出式造粒機を用いて造粒した。50℃で乾燥後、0.71 mm?1.40 mmの篩で整粒して粒状農薬組成物を得た。
【0047】
*1 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩として3.15部である。
・・・
【0050】
〔実施例4〕
ソルポール7556 9.00部、マイクロセルE 5.00部、クニゲルV2 5.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200(商品名、花王(株)製、ポリアクリル酸ナトリウム塩)10.0部^(*3)、ニューカルゲンNX-6115 4.00部^(*4)、マイクロセルE 4.00部、クニゲルV2 25.00部、ソーダ灰ライト(商品名、トクヤマ(株)製、炭酸ナトリウム)1.00部およびネオキャリアK 41.61部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、本発明の粒状農薬組成物を得た。
【0051】
*3 ポリアクリル酸ナトリウム塩として3.10部である。
【0052】
*4 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩として2.00部である。
【0053】
〔実施例5〕
ソルポール7556 9.00部、エアロールCT-1L 1.50部、マイクロセルE 5.00部、クニゲルV2 5.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200 3.00部^(*5)、ソルポール7556 7.00部^(*6)、エアロールCT-1L 2.00部、マイクロセルE 7.00部、クニゲルV2 25.00部、ソーダ灰ライト 1.00部およびネオキャリアK 41.90部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、本発明の粒状農薬組成物を得た。
【0054】
*5 ポリアクリル酸ナトリウム塩として0.93部である。
【0055】
*6 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩として2.45部である。
・・・
【0057】
〔比較例1〕
セロゲン6AをパインデクッスY(商品名 、松谷化学工業(株)製、デキストリン)に変更した以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0058】
〔比較例2〕
ソルポール7556 9.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200 10.00部^(*7)、およびネオキャリアK 64.56部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0059】
*7 ポリアクリル酸ナトリウム塩として3.10部である。
【0060】
〔比較例3〕
エアロールCT-1L 1.50部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、ネオキャリアK 67.06部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。」

(k)「【0063】

〔試験例1〕 農薬活性成分の水中溶出試験
実施例4?5および比較例1?3で製造した粒状農薬組成物各100mgを1リットルの水を入れたビーカーに投入し、経時的にビーカーの中央部から溶液の一部を採取して、HPLC(高速液体クロマトグラフ)により24時間後に水中に溶出した農薬活性成分量を定量し、下記の式より、水中溶出率を算出した。
結果は第1表に示す。
【0064】
水中溶出率(%)=(A/B)×100
A:水中に溶出した農薬活性成分量
B:粒状農薬組成物中の農薬活性成分含有量

第1表
????????????????????
ブタクロールの水中溶出率%
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実施例4 62%
実施例5 55%
比較例1 44%
比較例2 21%
比較例3 37%
???????????????????? 」

4 甲号証の記載事項
(1)甲第12号証の記載事項
甲第12号証:特開2001-39801号公報
甲第12号証には、以下の事項が記載されている。
(12a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】分子中にエチレングリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を湿式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒することにより得られる高濃度農薬固形製剤。」

(12b)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中にエチレングリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤を配合して高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液(スラリー)を湿式粉砕し、得られた懸濁液を練り込み造粒することにより得られる高濃度農薬固形製剤・・・に関する。
・・・
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記のような現状に鑑み、できるだけ高濃度の農薬有効成分を懸濁状態で湿式粉砕することができ、しかも、特に、水田投げ込み用農薬製剤を製造する場合に、水田に投げ込んだ際に、製剤の水面での拡展性に悪影響を与えないような粉砕助剤を求めて鋭意検討を加えた。その結果、分子中にエチレングリコールとプロピレングリコールとをブロック状に含有するポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤を、配合すること(好ましくは、少量)により、高濃度の農薬有効成分を含有する懸濁液を、ゲル化させることなく、低粘度で粉砕でき、かつ得られた粉砕懸濁液を練りこんで造粒した水田投げ込み用農薬製剤に含有される水面拡展剤に悪影響を及ぼさず、該水田投げ込み用農薬製剤が良好な拡展性を示すことを見出し、本発明を完成した。」

(12c)「【0044】本発明の高濃度農薬固形製剤は、粉末原料を造粒して高濃度農薬固形製剤を調製する場合に、製剤に硬度を付与するために結合剤を含有することができる。用いられる結合剤は、高濃度農薬固形製剤が水中で崩壊した方が好ましいか、崩壊しない方が好ましいかにより異なるが、崩壊した方が好ましい場合には、例えば、比較的低分子量の、デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の塩若しくはカルボキシメチルセルロースの塩、比較的低分子量で鹸化率の低いポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸の塩、アラビアゴム等の水溶性高分子物質又はベントナイト等のモンモリロナイト系の鉱物質微粉であり得、好適には、低分子量のデキストリン、低分子量のカルボキシメチルセルロースの塩、リグニンスルホン酸の塩又はベントナイトであり、崩壊しない方が好ましい場合には、例えば、澱粉;水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉、その他種々の澱粉誘導体;又は比較的高分子量の、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロースの塩若しくはポリビニルアルコールであり得、好適には、水溶性澱粉、デキストリン、α化澱粉又はその他の澱粉誘導体である。
【0045】用いられる結合剤の配合量は、処方構成や造粒方法、粒の大きさ等によって異なるが、通常、高濃度農薬固形製剤中に、0.1?30質量%であり、好適には、0.5?20質量%である。」

(12d)「【0046】本発明の高濃度農薬固形製剤は、粒を水中で崩壊させ、有効成分を水中に懸濁・分散させるために崩壊・分散剤を含有することができる。用いられる崩壊・分散剤は、多くの場合、好適には、アニオン界面活性剤である。用いられる崩壊・分散剤は、共通のものであり得、これらの崩壊・分散剤は、湿潤剤としても有用な場合が多い。崩壊・分散剤及び湿潤剤はこれらに限らず、ノニオン性、カチオン性又は両性イオン性の界面活性剤であっても、適当なものであり得る。また、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル化澱粉及びこれらの塩、ポリビニルピロリドンの架橋体、微結晶セルロース及び高吸水性樹脂等の水を吸収して膨張する性質を有するものを崩壊剤として使用できる。
【0047】これら崩壊・分散剤、崩壊剤又は湿潤剤の配合量は、通常、高濃度農薬固形製剤中に、0.01?30質量%であり、好適には、0.03?20質量%であり、より好適には、0.05?10質量%である。」

(2)甲第14号証の記載事項
甲第14号証:カルボキシメチルセルロース セロゲン○R(注:Rが○で囲まれている。) 総合カタログ、 第一工業製薬株式会社
甲第14号証には、以下の事項が記載されている。
(14a)「カルボキシメチルセルロースナトリウム セロゲンについて・・・」の項目の下、
「セロゲンは、化学名をカルボキシメチルセルロースナトリウムという、セルロールを主原料にした代表的なアニオン性の水溶性高分子で、一般には、CMC(省略)とよばれています。」(第1頁第1?4行)と記載されている。

(14b)「セロゲンの主な品種」の項目とともに


」(第3頁上段)と記載されている。

(14c)「セロゲン水溶液の性質」という項目の下「セロゲンの粘度」の中で、
「[1.粘度と平均重合度]
セロゲンの粘度は主として、構造の骨格をなしているセルロース鎖の平均重合度に支配されます。代表的なセロゲンの平均重合度と平均分子量については表2に示します。

」(第12頁下段)と記載されている。

5 本件発明の課題
発明の詳細な説明には、「農薬活性成分の水溶解度や溶剤に対する水溶解度が極めて低い場合には、粒状農薬組成物からの農薬活性成分の溶出性を向上させる効果が未だ不十分であり、実用上問題があった」ことが記載され(摘記(b)参照)、農薬活性成分としてブタクロールが記載され(摘記(h))、上記問題を解決するために、本件発明の「固形農薬組成物は、従来のものと比べて水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させることができる」ことが記載されている(摘記(c)参照)。
そうすると、本件発明が解決しようとする課題は、「ブタクロールの水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させた固形農薬組成物を提供すること」にあるものと認められる。

6 判断
(1)本件発明1について
本件発明1である固形農薬組成物を構成する成分のうち「(d)カルボキシメチルセルロースナトリウム」について、発明の詳細な説明には、使用されるカルボキシメチルセルロース塩の具体例として、「セロゲン」と数字やアルファベットを組み合わせた表記の商品名が数多く例示されている(摘記(f)参照)。この商品名のセロゲンについて、カタログである甲第14号証をみてみると、セロゲンはカルボキシメチルセルロースナトリウムであると記載されている(摘記(14a))から、「セロゲン」と数字やアルファベットを組み合わせた表記のカルボキシメチルセルロース塩は、カルボキシメチルセルロースナトリウムであると解することができる。
そして、発明の詳細な説明に記載の実施例において、ブタクロールの水中溶出性が向上していることを具体的なデータと共に確認した固形農薬組成物は、カルボキシメチルセルロースナトリウムとして、「セロゲン6A(商品名、第一工業製薬(株)製)」を使用したものだけである(摘記(j)(k)参照)。

ここで、甲第12号証には、水田投げ込み用農薬固形製剤が良好な拡展性を示すことを課題の1つとする非イオン界面活性剤を含む高濃度農薬固形製剤が記載されており(摘記(12a)(12b))、この農薬固形製剤を水中で崩壊させ、有効成分を水中に懸濁・分散させるために更なる界面活性剤が例示される崩壊・分散剤を農薬固形製剤中により好適には0.05?10質量%含有することができることが記載され(摘記(12d))、また、農薬固形製剤に硬度を付与するため結合剤を配合すること、そして、この結合剤の具体例としてカルボキシメチルセルロース塩が例示され、好適には0.5?20質量%含有することができるという一般記載がなされ、この結合剤としてカルボキシメチルセルロース塩を使用する場合、低分子量であれば、農薬固形製剤が水中で崩壊しやすく、高分子量になると、農薬固形製剤が水中で崩壊しにくくなることが記載されている(摘記(12c))。
このように、甲第12号証によれば、複数の界面活性剤や結合剤としてカルボキシメチルセルロース塩を本件発明において望ましい量と同程度含み、有効成分を水中で良好に懸濁・分散する農薬固形製剤において、カルボキシメチルセルロース塩の分子量が、低分子量であれば農薬固形製剤が水中で崩壊しやすく、高分子量になると農薬固形製剤が水中で崩壊しにくくなることが技術常識として理解できるといえる。

また、甲第14号証には、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された上記カルボキシメチルセルロースナトリウムの商品名「セロゲン」が、その種類ごとに粘度が異なることが記載され(摘記(14b))、実施例で具体的に使用されているセロゲン6Aの粘度の値は、他の種類のセロゲンと比べて低い粘度であることが示されているといえ、さらに、セロゲンの粘度は、セルロース鎖の平均重合度に支配され、甲第14号証の表2をみると、粘度が大きい値であるほど分子量が大きくなることが示されている(摘記(14c))ことからみれば、「セロゲン6A」は、比較的低粘度すなわち低分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムであると解することができる。

そうすると、比較的低粘度であり低分子量であると解されるカルボキシメチルセルロースナトリウムである「セロゲン6A」を使用した場合に、ブタクロールの水中溶出性が向上していることが具体的データと共に示され、本件発明1の課題が解決できると認識できたとしても、高分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用する場合には、農薬固形製剤が水中で崩壊しにくくなることが技術常識により認識されるといえることから、低分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを配合した場合と同様にブタクロールの良好な水中溶出性が得られるとは当業者が理解できるとはいえない。
したがって、本件発明1の「(d)カルボキシメチルセルロースナトリウム」について、いかなる分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムであったとしても、「ブタクロールの水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させた固形農薬組成物」を提供するとの課題を解決できると当業者が認識できるように発明の詳細な説明に記載されているとはいえない。

(2)特許権者の主張について
審判請求人は、平成29年5月22日付け意見書において、一般に、界面活性剤は、乳化、可溶化、水和、分散、付着、拡展、浸透、崩壊、潤滑などの諸効果のために農薬製剤のあらゆる剤型に使用されるものであり、本件発明における農薬活性成分の水中の溶出性は、(d)カルボキシメチルセルロース塩成分だけでなく、他の成分も影響しており、本件発明は、(b)?(e)の組合せを採用したことにより、上記した課題を解決できたものである旨を主張する(平成29年5月22日付け意見書第7頁第9行?第8頁第3行)(以下「主張ア」という。)。
また、平成29年10月23日付け意見書において、甲第12号証及び甲第14号証の記載、並びに、本件訂正明細書の記載、特に段落【0064】の記載に接した当業者であれば、本件発明の水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させた固形農薬組成物が得られるとの課題を解決するためには、本件発明のカルボキシメチルセルロースナトリウムとして、セロゲン6Aと同程度の分子量を有するものを採用することが理解できるから、本件発明のカルボキシメチルセルロースナトリウムについて、本件発明の課題を解決できるように発明の詳細な説明に記載がされていると認識できるとも主張する(平成29年10月23日付け意見書第6頁第6行?第7頁第17行)(以下「主張イ」という。)。

(3)特許権者の主張の検討
ア 主張アについて
一般に、界面活性剤は、乳化、可溶化、水和、分散、付着、拡展、浸透、崩壊、潤滑などの諸効果のためにあらゆる剤型の農薬製剤に使用され、本件発明1の(b)、(c)及び(e)成分がこれらの効果のために農薬製剤に配合されていることが技術常識であったとしても、このことはあくまで一般的な界面活性剤の個々の効果を示しただけであり、具体的に(b)?(e)成分を組合せて用いることにより、本件発明の「ブタクロールの水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させた固形農薬組成物を提供すること」という課題を解決できると当業者が認識できるとまではいえない。
そして、本件特許明細書の発明の詳細な説明においては、低分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いて(b)?(e)成分を組み合わせた場合に、本件発明の課題が解決できたことが具体的なデータと共に示されているだけであり、高分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用する場合には、農薬固形製剤が水中で崩壊しにくくなることが技術常識により認識されるといえることから、どのような分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムであっても(b)、(c)及び(e)成分が組み合わせて用いられていれば、同様の効果を奏するとまではいえないことは、上記(1)で述べたとおりであり、本件発明において、どのような分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いた場合であっても、(b)?(e)の組合せを採用すれば、上記した課題を解決できたものであると当業者が認識できるということはできない。
したがって、主張アは採用できない。

イ 主張イについて
審判請求人が主張するように本件発明1のカルボキシメチルセルロースナトリウムとして、セロゲン6Aと同程度の分子量を有するものを採用することにより、本件発明の課題が解決できることが認識できるとしても、これは、特許請求の範囲に記載された発明のうち一部の態様において本件発明の課題が解決できることを認識できたことにすぎず、特許請求の範囲に記載された発明の全般にわたり、当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できるものであるとはいえないから、審判請求人の主張によりサポート要件が解消しているとはいえない。
したがって、主張イは採用できない。

(4)本件発明3及び6について
本件発明3及び6は、本件発明1を引用した固形農薬組成物の発明であって、(d)成分として「カルボキシメチルセルロースナトリウム」を含有する点において本件発明1と同じであるから、上記(1)で述べた理由と同じ理由によりサポート要件を満たすとはいえない。

7 まとめ
以上のとおり、本件発明1、3及び6は、特許請求の範囲に記載された特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえないから、特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、本件発明1、3及び6に係る特許は、同法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

第6 むすび
したがって、本件発明1、3及び6に係る特許は、特許法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
請求項2、4及び5は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項2、4及び5に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
水中への溶出が促進される固形農薬組成物
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中への溶出が促進される固形農薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粒状農薬組成物は安全性の高い製剤形態であるが、農薬活性成分の水溶解度が極めて低い場合、粒状農薬組成物中から農薬活性成分を水中にすばやく溶出させることが難しく、満足できる薬効が得られない場合がある。これらの問題点を解決するためには、粒状組成物からの農薬活性成分の水中溶出性を向上させる必要があり、そのための種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、20℃における溶解度80ppm以下の水難溶性農薬活性成分、リグニンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマースチリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ベントナイトおよび担体を粒剤中に含有することで農薬活性成分の溶出が促進されることが知られている(特許文献1参照)。また、農薬活性成分、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル系界面活性剤、スルホネート系界面活性剤およびポリカルボン酸系界面活性剤を粒状組成物中に含有することで農薬活性成分の溶出が促進されることが知られている(特許文献2参照)。さらに、a)農薬活性成分、b)ナトリウムモンモリロナイト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびc)アルキルベンセンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型界面活性剤およびポリカルボン酸型界面活性剤から選ばれる群からなる界面活性剤の一種を粒剤中に含有することで高湿度条件下での保存において粒子硬度の低下が少なくなることが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-143403号公報
【特許文献2】特開2010-13389号公報
【特許文献3】特開平7-179302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のいずれの方法を用いても、農薬活性成分の水溶解度や溶剤に対する水溶解度が極めて低い場合には、粒状農薬組成物からの農薬活性成分の溶出性を向上させる効果が未だ不十分であり、実用上問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕、〔3〕及び〔6〕に記載された固形農薬組成物に関するものである。
【0007】
〔1〕 (a)ブタクロール、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)ジアルキルスルホコハク酸塩、(d)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(e)ポリアクリル酸塩を含有する固形農薬組成物(但し、水溶性フィルムに内包されている農薬組成物を除く。)。
【0008】(削除)
【0009】
〔3〕 (b)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である上記〔1〕記載の固形農薬組成物。
【0010】(削除)
【0011】(削除)
【0012】
〔6〕 固形農薬組成物が、粒状である上記〔1〕または〔3〕記載の固形農薬組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明の固形農薬組成物は、従来のものと比べて水中での崩壊性、拡展性及び分散性が改良され、農薬活性成分の水中溶出性をより向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の固形農薬組成物としては、粉剤、粉粒剤、微粒剤、粒剤、水面に浮上し拡散する粒を水溶性フィルムで包装したジャンボ剤、使用時に水に希釈する水和剤や顆粒水和剤を挙げることができる。これらの中では、粒状農薬組成物である微粒剤、粒剤、ジャンボ剤および顆粒水和剤が好ましく、特に粒剤が好ましい。
【0015】
本発明で使用される(b)の界面活性剤とは、以下の(1)?(6)の界面活性剤である。
【0016】
(1)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルが挙げられる。
【0017】
(2)ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル:例えば、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルおよびポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルが挙げられる。
【0018】
(3)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸およびその塩:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
【0019】
(4)ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸およびその塩:例えば、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
【0020】
(5)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸およびその塩:例えば、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルリン酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
【0021】
(6)ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸およびその塩:例えば、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルリン酸エステルおよびそれらの塩が挙げられる。
【0022】
上記の(1)?(6)における塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0023】
(b)の界面活性剤の中で好ましいものは、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸およびそれらの塩であり、特に好ましいものはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸、ポリオキシプロピレンアリールフェニルエーテル硫酸およびそれらの塩である。
【0024】
本発明で使用される(c)スルホネート系界面活性剤とは、スルホン酸基を有する界面活性剤であり、例えば、パラフィン(例えばC_(8?22))スルホン酸、アルキル(例えばC_(8?12))ベンゼンスルホン酸、アルキル(例えばC_(8?12))ベンゼンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、α-オレフィン(例えばC_(8?16))スルホン酸、ジアルキル(例えばC_(8?12))スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC_(8?12))フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC_(8?18))エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸、(モノまたはジ)アルキル(例えばC_(1?6))ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、(モノまたはジ)アルキル(例えばC_(1?6))ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、アルキル(例えばC_(8?12))ジフェニルエーテルジスルホン酸、イゲポンT(商品名)、ポリスチレンスルホン酸およびスチレンスルホン酸とメタアクリル酸の共重合物等のスルホン酸、並びにそれらスルホン酸の塩が挙げられる。該塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0025】
(c)スルホネート系界面活性剤の中で好ましいものは、ジアルキルスルホコハク酸塩である。
【0026】
本発明で使用される(d)カルボキシメチルセルロース塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。この中で好ましい対イオンはアルカリ金属であり、より好ましいものはナトリウムである。
【0027】
(d)カルボキシメチルセルロース塩の具体例としては、例えばセロゲン701A、セロゲン703A、セロゲン5A、セロゲン6A、セロゲン7A、セロゲンPR、セロゲンWS-A、セロゲンPL-15、セロゲンWS-CN、セロゲンWS-C、セロゲンWS-D、セロゲンBS、セロゲンBS-H、セロゲンBSH-3、セロゲンBSH-4、セロゲンBSH-5、セロゲンBSH-6、セロゲンBSH-10、セロゲンBSH-12、セロゲン6HS9、セロゲンEPおよびセロゲンHE-1500F(以上、商品名/第一工業製薬(株)製)、サンローズF10LC、サンローズF20LC、サンローズF01MC、サンローズF10MC、サンローズF30MC、サンローズF50MC、サンローズFT-1、サンローズFT-3、サンローズ04HC、サンローズFT-8、サンローズF20HC、サンローズAPP-84、サンローズA02SH、サンローズA04SH、サンローズA10SH、サンローズA20SH、サンローズA100SH、サンローズPN01L、サンローズPN05L、サンローズPN20L、サンローズSN01L、サンローズSN30C、サンローズSN60C、サンローズSN80C、サンローズB1B、サンローズB3B、Hi-サンローズH-755およびサンローズSLD-F1(以上、商品名/日本製紙ケミカル(株)製)等が挙げられる。
【0028】
本発明で使用される(e)ポリカルボン酸塩とは、カルボキシル基を複数有する界面活性剤であり、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ無水マレイン酸、マレイン酸または無水マレイン酸とオレフィン(例えばイソブチレンおよびジイソブチレン等)との共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸または無水マレイン酸とスチレンの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸の共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸または無水マレイン酸の共重合物、N-メチル-脂肪酸(例えばC_(8?18))サルコシネート、樹脂酸および脂肪酸(例えばC_(8?18))等のカルボン酸、並びにそれらカルボン酸の塩が挙げられる。該塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0029】
(e)ポリカルボン酸塩の中で好ましいものは、ポリアクリル酸塩であり、平均分子量が4,000?1,0000のナトリウム塩やカリウム塩が特に好ましい。
【0030】
(b)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し1?10重量部であることが望ましい。(c)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し0.1?5重量部であることが望ましい。(d)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し1?10重量部であることが望ましい。(e)の含有量は、固形農薬組成物100重量部に対し0.1?5重量部であることが望ましい。
【0031】
本発明の固形農薬組成物には、必要に応じて増量剤として鉱物質微粉あるいは水溶性粉末を用いることができる。鉱物質微粉としては、例えばケイソウ土、タルク、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム等が用いられる。水溶性粉末としては、例えば乳糖、果糖、ショ糖、ブドウ糖、デキストリン、デンプン等の糖類、尿素および硫酸、燐酸、塩酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩等が用いられる。これらの増量剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
また、必要に応じてその他の補助剤として、pH調整剤、溶剤、防腐剤、吸収性微粉末、結合剤、粉砕助剤、分解防止剤、着色剤、消泡剤等を添加することもできる。
【0033】
pH調整剤としては、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ホウ酸ナトリウム、塩酸、硝酸、リン酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸、フタル酸、安息香酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウムおよびリン酸二水素カリウムが挙げられる。pH調整剤として好ましいものは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩酸およびクエン酸である。これらのpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0034】
本発明で使用される農薬活性成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0035】
除草剤:ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron ethyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、キノクラミン(quinoclamin)、メタゾスルフロン(metazosulfron)、ピラクロニル(pyraclonil)、アミノシクロピラクロール(Aminocyclopyrachlor)、テフリルトリオン(tefuryltirione)、メソトリオン(mesotrione)、ピリミスルファン、(pyrimisulfan)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、ペノキススラム(penoxsulam)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、オルソスルファムロン(orthosulfamrun)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、モノスルフロン(monosulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンーナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾン-メチル(thiencarbazone-methyl)、トプラメゾン(topramezon)、メタミトロン(metamitron)、エスプロカルブ(esprocarb)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ピリフタリド(pyriftalid)、ビスピリバック(bispyribac)、ベンタゾンの塩、2,4-D、2,4-Dの塩、2,4-Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobac methyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofop butyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、キンクロラック(quinclorac)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(bethrodinebenefin)、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4-PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、OK-701(試験名)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)およびMCC等。
【0036】
殺菌剤:アミスルブロム(amisulbrom)、アシベンゾラール(acibenzolar)、アムプロピルホス(ampropyfos)、アニラジン(anilazine)、アザコナゾール(azaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベノダニル(benodanil)、ベノミル(benomyl)、ベンザマクリル(benzamacril)、ビナパクリル(binapacryl)、ビフェニル(biphenyl)、ビテルタノール(bitertanol)、ベトキサジン(bethoxazine)、ボルドー液(bordeaux mixture)、ブラストサイジン-S(blasticidin-S)、ブロモコナゾール(bromoconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブチオベート(buthiobate)、カルシウムポリスルフィド(calcium polysulfide)、キャプタフォール(captafol)、キャプタン(captan)、カッパーオキシクロリド(copper oxychloride)、カルプロパミド(carpropamid)、カルベンダジン(carbendazim)、カルボキシン(carboxin)、キノメチオネート(chinomethionat)、クロベンチアゾン(chlobenthiazone)、クロルフェナゾール(chlorfenazol)、クロロネブ(chloroneb)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロゾリネート(chlozolinate)、クフラネブ(cufraneb)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazol)、シプロジニル(cyprodinil)、シプロフラム(cyprofuram)、デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン(dichlorophen)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、ジクロフラニド(diclhlofluanid)、ジクロメジン(diclomedine)、ジクロラン(dicloran)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジクロシメット(diclocymet)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジフルメトリン(diflumetorim)、ジメチリモール(dimethirimol)、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、ジノカップ(dinocap)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムホス(ditalimfos)、ジチアノン(dithianon)、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドラゾクソロン(drazoxolon)、エデフェノホス(edifenphos)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモル(ethirimol)、エトリジアノール(etridiazole)、ファモキサゾン(famoxadone)、フェナリモル(fenarimol)、フェブコナゾール(febuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンチン(fentin)、フェルバン(ferbam)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルオロイミド(fluoroimide)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアフォール(flutriafol)、フォルペット(folpet)、フォセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminium)、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フェナミドン(fenamidone)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、グアザチン(guazatine)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、イマザリル(imazalil)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン(iminoctadine)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンホス(iprobenfos)、イプロジオン(iprodione)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イソピラザム(isopyrazam)、カスガマイシン(kasugamycin)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、マンカッパー(mancopper)、マンゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メトコナゾール(metconazole)、メチラム(metiram)、メトミノストロビン(metominostrobin)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ナバム(nabam)、ニッケルビス(ジメチルジチオカーバメート)(nickel bis(dimethyldithiocarbamate))、ニトロタール-イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、ヌアリモル(nuarimol)、オクチリノン(octhilinone)、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、オキポコナゾールフマール酸塩(oxpoconazole fumarate)、ペフラゾエート(pefurzoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、フタライド(phthalide)、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン(polyoxins)、プロベナゾール(probenazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キントゼン(quintozene)、硫黄(sulfur)、スピロキサミン(spiroxamine)、テブコナゾール(tebuconazole)、テクナゼン(tecnazene)、テトラコナゾール(tetraconazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チフルザミド(thifluzamide)、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl)、チラム(thiram)、トルクロホス-メチル(tolclofos-methyl)、トリルフラニド(tolylfluanid)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(toriadimenol)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(triforine)、トリチコナゾール(triticonazole)、バリダマイシン(validamycin)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、オキシン銅(oxine-copper)等。
【0037】
殺バクテリア剤:ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxyterracycline)、オキソリニックアシド(oxolinic acid)等。
【0038】
殺線虫剤:アルドキシカルブ(aldoxycarb)、フォスチアゼート(fosthiazate)、フォスチエタン(fosthietan)、オキサミル(oxamyl)、フェナミホス(fenamiphos)等。
【0039】
殺ダニ剤:シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyfulmetofen)等のアクリロニトリル系化合物、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、ピリダベン(pyridaben)、アミトラズ(amitraz)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、チノメチオネート(chinomethionat)、クロロベンジラート(chlorobezilate)、クロフェンテジン(clofentezine)、サイヘキサチン(cyhexatine)、ジコフォール(dicofol)、ジエノクロール(dienochlor)、エトキサゾール(etoxazole)、フェナザキン(fenazaquin)、フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンプロキシメート(fenproximate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、ミルベメクチン(milbemectin)、プロパルギット(propargite)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)。
【0040】
殺虫剤:アバメクチン(abamectin)、アセフェート(acephate)、アセタミピリド(acetamipirid)、アジンホス-メチル(azinphos-methyl)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンスルタップ(bensultap)、ビフェントリン(bifenthrin)、ブプロフェジン(buprofezin)、ブトカルボキシン(butocarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、カルタップ(cartap)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロチアニジン(clothianidin)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(beta-cyfluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、シロマジン(cyromazine)、シハロトリン(cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ダイアジノン(diazinon)、ジアクロデン(diacloden)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジオフェノラン(diofenolan)、ジスルフォトン(disulfoton)、ジメトエート(dimethoate)、EPN、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチプロール(ethiprole)、エトフェンプロックス(etofenprox)、エトリムホス(etrimfos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノキシカーブ(fenoxycarb)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フィプロニル(fipronil)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、フルフェンプロックス(flufenprox)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、ホノホス(fonophos)、フォルメタネート(formetanate)、フォルモチオン(formothion)、フラチオカルブ(furathiocarb)、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、イミダクロプリド(imidacloprid)、イソフェンホス(isofenphos)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、イソキサチオン(isoxathion)、ルフェヌウロン(lufenuron)、マラチオン(malathion)、メタルデヒド(metaldehyde)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メタクリホス(methacrifos)、メタルカルブ(metalcarb)、メソミル(methomyl)、メンプレン(methoprene)、メトキシクロール(methoxychlor)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、モノクロトホス(monocrotophos)、ムスカルーレ(muscalure)、ニテンピラム(nitenpyram)、オメトエート(omethoate)、オキシデメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、オキサミル(oxamyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、ペルメトリン(permethrin)、フェントエート(phenthoate)、フォキシム(phoxim)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ロテノン(rotenone)、スルプロホス(sulprofos)、シラフルオフェン(silafluofen)、スピノサド(spinosad)、スルホテップ(sulfotep)、テブフェノジド(tebfenozide)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthorin)、テルブホス(terbufos)、テトラクロロビンホス(tetrachlorvinphos)、チオジカルブ(thiodicarb)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チオファノックス(thiofanox)、チオメトン(thiometon)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トラロメスリン(tralomethrin)、トリクロルホン(trichlorfon)、トリアズロン(triazuron)、トリフルムロン(triflumuron)、バミドチオン(vamidothion)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)等。
【0041】
これらの農薬活性成分は単独でまたは2種以上混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。農薬活性成分の含有量は適宜選択できるが、固形農薬組成物100重量部に対して0.1?50重量部の範囲が好ましい。
【0042】
本発明の固形農薬組成物の製造方法は例えば以下の方法で製造できる。粉状農薬組成物の場合は、農薬活性成分、界面活性剤、および必要に応じて増量剤、その他の補助剤を必要量添加し、均一に混合した後、微粉砕することにより得られる。微粉砕は衝撃式粉砕機、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機により行なうことができる。
【0043】
粒状農薬組成物の場合の造粒方法は、押出式造粒機、加圧式造粒機、流動層造粒機、撹拌造粒機、転動造粒機等の造粒機により行なうことができる。例えば、押出式造粒の場合は、上記の方法で得られた粉状農薬組成物に適量の水を加え、混練した後造粒機を用いて造粒し乾燥して得られる。あるいは押出式造粒の別法として適量の水に、農薬活性成分、界面活性剤、その他の補助剤を必要量加え、均一に混合してスラリーとし、湿式粉砕機で微粉砕する。微粉砕は、ボールミル、サンドミル等の湿式粉砕機により行なうことができる。次いで得られた微粉砕スラリーに界面活性剤、増量剤、その他の補助剤を適量加えてペースト状に混練した後、造粒機を用いて造粒し乾燥して得られる。
【実施例】
【0044】
次に本発明の実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、部とあるのはすべて重量部を示す。
【0045】
〔実施例1〕
約5ミクロン程度に微粉砕したピラゾスルフロンエチル(一般名、スルホニルウレア系除草活性成分)4.3部、H微粉(商品名、啓和炉材(株)製、二酸化ケイ素)65.7部および石油系パラフィンワックス(融点69?72℃)30.0部を、約100℃でニーダーを用いて溶融、混練した。その後、約75℃まで冷却し、直径1.2mmの穴を有するスクリーンにて押出造粒し、これをピンミルで粉砕して、ピラゾスルフロンパラフィンプレミックスを得た。
【0046】
〔参考例2〕
ブタクロール(一般名、クロロアセトアニリド系除草活性成分)7.88部、ピラゾスルフロンエチルパラフィンプレミックス7.14部、セロゲン6A(商品名、第一工業製薬(株)製、カルボキシメチルセルロースナトリウム)5.00部、マイクロセルE(商品名、セライトコーポレーション製、吸収剤)5.00部、クニゲルV2(商品名、クニミネ工業(株)製、ベントナイト)5.00部、ネオキャリアK(商品名、浅田製粉(株)製、クレー)65.56部を均一混合した後、エアロールCT-1L(商品名、東邦化学工業(株)製、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩)1.50部、ソルポール7556(商品名、東邦化学工業(株)製 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩)9.00部^(*1)と水を加えて混練し、次いで口径1.0mmのスクリーンを装着した押出式造粒機を用いて造粒した。50℃で乾燥後、0.71mm?1.40mmの篩で整粒して粒状農薬組成物を得た。
【0047】
*1 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩として3.15部である。
【0048】
〔参考例3〕
ソルポール7556 9.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、ニューカルゲンNX-6115(商品名、竹本油脂(株)製、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、ホワイトカーボン)6.00部^(*2)およびネオキャリアK 62.71部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、農薬粒状組成物を得た。
【0049】
*2 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩として3.00部である。
【0050】
〔実施例4〕
ソルポール7556 9.00部、マイクロセルE 5.00部、クニゲルV2 5.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200(商品名、花王(株)製、ポリアクリル酸ナトリウム塩)10.0部^(*3)、ニューカルゲンNX-6115 4.00部^(*4)、マイクロセルE 4.00部、クニゲルV2 25.00部、ソーダ灰ライト(商品名、トクヤマ(株)製、炭酸ナトリウム)1.00部およびネオキャリアK 41.61部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、本発明の粒状農薬組成物を得た。
【0051】
*3 ポリアクリル酸ナトリウム塩として3.10部である。
【0052】
*4 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩として2.00部である。
【0053】
〔実施例5〕
ソルポール7556 9.00部、エアロールCT-1L 1.50部、マイクロセルE 5.00部、クニゲルV2 5.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200 3.00部^(*5)、ソルポール7556 7.00部^(*6)、エアロールCT-1L 2.00部、マイクロセルE 7.00部、クニゲルV2 25.00部、ソーダ灰ライト 1.00部およびネオキャリアK 41.90部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、本発明の粒状農薬組成物を得た。
【0054】
*5 ポリアクリル酸ナトリウム塩として0.93部である。
【0055】
*6 ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩として2.45部である。
【0056】
〔参考例6〕
ブタクロール 7.88部、ピラゾスルフロンエチルパラフィンプレミックス 7.14部、マイクロセルE 5.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アミスルブロム(一般名、スルファモイルトリアゾール系殺菌活性成分)0.50部およびネオキャリアK 85.08部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0057】
〔比較例1〕
セロゲン6AをパインデクッスY(商品名、松谷化学工業(株)製、デキストリン)に変更した以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0058】
〔比較例2〕
ソルポール7556 9.00部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、アグリゾールG-200 10.00部^(*7)、およびネオキャリアK 64.56部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0059】
*7 ポリアクリル酸ナトリウム塩として3.10部である。
【0060】
〔比較例3〕
エアロールCT-1L 1.50部、ネオキャリアK 65.56部の代わりに、ネオキャリアK 67.06部を用いた以外は、参考例2と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0061】
〔比較例4〕
セロゲン6AをパインデクッスYに変更した以外は、参考例6と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0062】
〔比較例5〕
エアロールCT-1L 1.50部、ネオキャリアK 85.08部の代わりに、ネオキャリアK 86.35部を用いた以外は、参考例6と同様の方法にて製造し、粒状農薬組成物を得た。
【0063】
〔試験例1〕 農薬活性成分の水中溶出試験
実施例4?5および比較例1?3で製造した粒状農薬組成物各100mgを1リットルの水を入れたビーカーに投入し、経時的にビーカーの中央部から溶液の一部を採取して、HPLC(高速液体クロマトグラフ)により24時間後に水中に溶出した農薬活性成分量を定量し、下記の式より、水中溶出率を算出した。
結果は第1表に示す。
【0064】
水中溶出率(%)=(A/B)×100
A:水中に溶出した農薬活性成分量
B:粒状農薬組成物中の農薬活性成分含有量

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の固形農薬組成物は、雑草、害虫、病原菌等の有害生物の防除に使用できる。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ブタクロール、(b)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系界面活性剤、(c)ジアルキルスルホコハク酸塩、(d)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(e)ポリアクリル酸塩を含有する固形農薬組成物(但し、水溶性フィルムに内包されている農薬組成物を除く。)。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
(b)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸またはそれらの塩である請求項1記載の固形農薬組成物。
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
【請求項6】
固形農薬組成物が、粒状である請求項1または3記載の固形農薬組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-01-17 
出願番号 特願2011-247142(P2011-247142)
審決分類 P 1 651・ 537- ZAA (A01N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 松本 淳斉藤 貴子  
特許庁審判長 守安 智
特許庁審判官 木村 敏康
佐藤 健史
登録日 2016-06-24 
登録番号 特許第5954522号(P5954522)
権利者 日産化学工業株式会社
発明の名称 水中への溶出が促進される固形農薬組成物  
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所  
代理人 伴 知篤  
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所  
代理人 加藤 勉  
代理人 伴 知篤  
代理人 加藤 勉  

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