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審決分類 |
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 A61K 審判 全部申し立て 1項1号公知 A61K 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61K 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 A61K 審判 全部申し立て 2項進歩性 A61K |
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管理番号 | 1341062 |
異議申立番号 | 異議2017-700228 |
総通号数 | 223 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-07-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-03-06 |
確定日 | 2018-04-27 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5989271号発明「頭皮用外用組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5989271号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第5989271号の請求項1、2、4-6に係る特許を維持する。 特許第5989271号の請求項3、7に係る特許についての申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5989271号は、平成28年8月19日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、請求項1-7に係る特許に対して、平成29年3月6日に特許異議申立人 細川桂司から特許異議の申立てがなされたものである。そして、その後の経緯は以下のとおりである。 平成29年 5月 8日付け:取消理由の通知 同年 7月11日 :訂正の請求及び意見書の提出(特許権者) 同年 9月21日 :意見書の提出(申立人) 同年10月18日付け:取消理由(決定の予告)の通知 同年12月21日 :訂正の請求及び意見書の提出(特許権者) 第2 訂正の可否 1 訂正の内容 平成29年12月21日付け訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである。 (1)訂正事項1-4 特許請求の範囲の請求項1の 「低級アルコールと、 ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種とを含有し、」 を、 「低級アルコールと、 ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種と、 セルロース系増粘剤と、を含有し、 前記低級アルコールが、エタノールであり、 前記ステロイドが、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルであり、 前記低級アルコールの含有量が、外用組成物全量を基準として10?50w/w%であり、」 に訂正する。 (2)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1の 「軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器に収容されてなる」 を、 「軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器(但し、薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具を除く。)に収容されてなる」 に訂正する。 (3)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項4の 「請求項1?3のいずれか一項に記載の」 を、 「請求項1又は2に記載の」 に訂正する。 (5)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項5の 「請求項1?4のいずれか一項に記載の」 を、 「請求項1、2及び4のいずれか一項に記載の」 に訂正する。 (6)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項6の 「請求項1?5のいずれか一項に記載の」 を、 「請求項1、2、4及び5のいずれか一項に記載の」 に訂正する。 (7)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1-4 訂正事項1-4は、本件特許の請求項1に係る頭皮用外用組成物の構成成分において、「セルロース系増粘剤」を追加し(訂正事項1)、「低級アルコール」を「エタノール」に限定し(訂正事項2)、「ステロイド」を「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」に限定し(訂正事項3)、さらに、当該「低級アルコール」について、その含有量を「外用組成物全量を基準として10?50w/w%」とする(訂正事項4)ものである。 訂正事項1は、本件訂正前の請求項7の「増粘剤を更に含有する、請求項1?6のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。」との記載、及び、【0054】の「増粘剤としては、本発明による効果をより一層顕著に得られ易いという観点から、セルロース系増粘剤、…が好ましく」との記載に基づくものである。 訂正事項2は、本件訂正前の請求項5の「前記低級アルコールが、エタノールである、請求項1?4のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。」との記載に基づくものである。 訂正事項3は、【0029】-【0030】の「ステロイドの具体例としては、例えば、…より具体的には、…吉草酸酢酸プレドニゾロン(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、…が挙げられる。 ステロイドとしては、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、…吉草酸酢酸プレドニゾロンがより好ましい。」との記載に基づくものである。 訂正事項4は、【0022】の「頭皮用外用組成物における低級アルコールの含有量は、本発明による効果をより一層顕著に奏することから、外用組成物全量を基準として、…10?50w/w%が更に好ましく、…。」との記載に基づくものである。 そうすると、上記訂正事項1-4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものといえ、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (2)訂正事項5 訂正事項5は、本件特許の請求項1に係る頭皮用外用組成物の「軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器」において、「薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具」を除くものである。 そして、「軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器」から特定の薬液塗布用具を除くような訂正は、新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項5は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものといえ、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (3)訂正事項6及び10 これらの訂正は、請求項の記載を削除する訂正であり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。また、これらの訂正が新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (4)訂正事項7-9 これらの訂正は、訂正事項6により削除された請求項の引用を解消するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。また、これらの訂正が新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正を認める。 第3 本件訂正後の請求項1、2、4-6に係る発明 本件訂正により訂正された訂正請求項1、2、4-6に係る発明(以下、「本件発明1」等という。)は、その特許請求の範囲の請求項1、2、4-6に記載された以下の事項によって特定されるとおりのものである。 【請求項1】 低級アルコールと、 ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種と、 セルロース系増粘剤と、を含有し、 前記低級アルコールが、エタノールであり、 前記ステロイドが、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルであり、 前記低級アルコールの含有量が、外用組成物全量を基準として10?50w/w%であり、 軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器(但し、薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具を除く。)に収容されてなる頭皮用外用組成物。 【請求項2】 発毛部位に対して用いられる、請求項1に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 頭皮における湿疹、皮膚炎、抜け毛、薄毛、フケ、痒み、乾燥及びバリア機能低下からなる群より選択される少なくとも1つの症状の予防、治療、及び/又は改善用である、請求項1又は2に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項5】 前記低級アルコールが、エタノールである、請求項1、2及び4のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項6】 可溶化系の組成物である、請求項1、2、4及び5のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項7】 (削除) 第4 取消理由通知(決定の予告)について 1 取消理由通知(決定の予告)の概要 当審は平成29年10月18日付け取消理由通知(決定の予告)において、概要以下のとおりの取消理由を通知した。 「本件発明は、下記の甲第6号証刊行物により本件出願前において公知であった発明又は本件出願前において頒布された下記の甲第6号証刊行物に記載された発明であり、特許法第29条第1項第1号又は同第3号に該当し、本件発明に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。あるいは、本件発明1は、同公知発明又は同刊行物記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <刊行物> 甲第6号証:「液体ムヒS2a」の添付文書」 2 取消理由(特許法第29条第1項第1号及び同条第2項)について (1)「液体ムヒS2a」(甲第6号証)に係る公然知られた発明について ア 甲第6号証に記載された事項 甲第6号証は、第2類医薬品である商品名「液体ムヒS2a」の添付文書(以下、「甲6文書」という。)であり、甲6文書には、以下の事項が記載されている。 (ア)「効 能 かゆみ、虫さされ、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、しっしん、しもやけ、あせも 用法・用量 1日数回、適量を患部に塗布してください。」(2頁「効能」「用法・用量」の項) (イ)「塗布部を患部に数回ゆっくり押し当て、ラバーに薬液を充分しみ込ませてください。(薬液が出にくい場合は、手の甲など肌の固いところに押し当ててください。)」(2頁「容器の使用方法」の項) (ウ)「有効成分(100mL中) ┌──────────────┬────┬─────────┐ │ 成 分 │ 分量 │ は た ら き │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │デキサメタゾン酢酸エステル │ 25mg │ … │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │ジフェンヒドラミン塩酸塩 │ 2.0g │ … │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │l-メントール │ 3.5g │ … │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │dl-カンフル │ 1.0g │ … │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │グリチルレチン酸 │ 0.2g │ … │ ├──────────────┼────┼─────────┤ │イソプロピルメチルフェノール│ 0.1g │ … │ └──────────────┴────┴─────────┘ 添加物としてBHT、クエン酸、クエン酸Na、エタノールを含有します。」(2頁「成分とそのはたらき」の項) (エ)「1.次の部位には使用しないでください (1)水痘(水ぼうそう)、みずむし・たむし等又は化膿している患部。 (2)創傷面、目の周囲、粘膜等。 2.顔面には、広範囲に使用しないでください 3.長期連用しないでください(目安として顔面で2週間以内、その他の部位で4週間以内)」(1頁「使用上の注意」の項) イ 甲第6号証により公知となった発明 甲6文書には、エタノールと、デキサメタゾン酢酸エステル、l-メントール、dl-カンフル、及びジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する皮膚用外用組成物((1)ア(ア)、(ウ))が、塗布部が薬液をしみ込ませるラバーとなっている容器に収容されている((1)ア(イ))ことが記載されている。 ところで、甲第1号証705頁右欄下から4行-706頁左欄8行には、「液体ムヒS2a」についての記載があり、また、甲第1号証には「本書収載製品:2015年4月に該当企業を対象に行った調査より得られた要指導・一般用医薬品(配置用医薬品含む)および指定医薬部外品(新指定医薬部外品・新範囲医薬部外品)約12,000品目(一部,弊社が独自に入手した情報も含む).なお,医療機関における持参薬の確認等に対応できるよう,2014年5月以降に販売を取りやめた製品については原則として掲載している.」(「凡例」の頁2-4行)と記載されていることに鑑みると、「液体ムヒS2a」は本件出願前である2014年5月には販売されていたものと認められる。 そうすると、「液体ムヒS2a」について、以下の事項を公然知られた発明(以下、「甲6公知発明」という。)として認定することができる。 「エタノールと、デキサメタゾン酢酸エステル、l-メントール、dl-カンフル、及びジフェンヒドラミン塩酸塩を含有し、ラバーで形成された塗布部を備える容器に収容されてなる皮膚用外用組成物。」 (2)本件発明1について ア 対比 甲6公知発明における「エタノール」は、低級アルコールである。「l-メントール、dl-カンフル」はモノテルペンであり、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」は抗ヒスタミン成分である。また、「ラバー」は、ゴム、あるいはゴム様の物質であることに鑑みると軟質であり、「薬液を充分しみ込ませて」使用することからみて、多孔性材料であるといえる。そして、甲6公知発明の「容器」は、「薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具」ではない。 そうすると、本件発明1と甲6公知発明とは以下の点で一致する。 「低級アルコールと、 ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有し、 前記低級アルコールが、エタノールであり、 軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器(但し、薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具を除く。)に収容されてなる皮膚用外用組成物。」 そして、本件発明1と甲6公知発明とは、以下の点で相違する。 相違点1:本件発明1では「セルロース系増粘剤」を含有するのに対し、甲6公知発明ではその明示がない点。 相違点2:ステロイドにおいて、本件発明1に係るものは「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」であるのに対し、甲6公知発明に係るものは「デキサメタゾン酢酸エステル」である点。 相違点3:低級アルコールの含有量において、本件発明1では「外用組成物全量を基準として10?50w/w%」であるのに対し、甲6公知発明では明らかでない点。 相違点4:外用組成物において、本件発明1に係るものは「頭皮用」であるのに対し、甲6公知発明に係るものは「皮膚用」である点。 イ 判断 (ア)取消理由(特許法第29条第1項第1号)について a 相違点2に関し、本件発明1は、ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種が含まれていればよく、甲6公知発明には、モノテルペン及び抗ヒスタミン成分が含まれている。 このため、相違点2は、本件発明1と甲6公知発明との間の相違点とはいえない。 b 相違点4に関し、甲第6号証「使用上の注意」の項((1)ア(エ))には、頭皮への使用を否定する記載はない。 また、甲第46号証の1に示されるウェブサイト(http://web.archive.org/web/20160324022615/http://www.ikedamohando.co.jp/qa/qa_insect_bite.html)に記載された事項は、平成26年3月24日2時26分15秒(グリニッジ標準時。我が国においても平成26年3月24日。)の時点、すなわち、本件出願前において公衆に利用可能であったところ、甲第46号証の1には以下の記載がある。 「液体ムヒS2aは頭の毛髪部のかゆみに使ってよいですか? お使いいただけます。液だれして薬液が眼に入らないように注意してお使いください。…」(二問目及びその回答) この記載からみて、甲第6号証に係る商品名「液体ムヒS2a」は、頭皮に使用することが本件出願前において公知であったといえる。そうすると、甲6公知発明は、「頭皮用」としても本件出願前において公知であったといえる。 このため、相違点4は、本件発明1と甲6公知発明との間の相違点とはいえない。 c しかし、本件発明1と甲6公知発明とは、相違点1及び3において、実質的に相違するものである。 このため、本件発明1は、甲6公知発明によって、本件出願前において公知であったということはできない。 (イ)取消理由(特許法第29条第2項)について 相違点1について検討する。 本件明細書には、以下の記載がある。 「本実施形態に係る頭皮用外用組成物が添加剤として増粘剤を含む場合、その増粘作用により外用組成物を頭皮に適用しても毛包への有効成分又は機能性成分の送達効率が抑制される傾向が懸念される。しかし、本発明によれば、外用組成物を軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器に収容して用いているため、増粘剤を含む場合であっても、頭皮そしてその毛包への有効成分又は機能性成分の送達効率が高められる。」(【0052】) また、本件明細書には、試験例1及び試験例5として、以下の記載がある。 「〔試験例1:容器の比較(1)〕 表1に示す各処方を調製し、軟質多孔性の天然ゴム発泡体で形成された軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器、又は液体用細口容器に収容して試験製剤とした。なお、青色1号は、処方の視認性を高めるために添加している。 【表1】 〔試験方法〕に記載した方法により、各試験製剤の浸透量(毛髪なし)及び浸透量(毛髪あり)を測定した。結果を表2及び図3に示す。図3(a)は、浸透量(毛髪なし)をエタノール濃度に対してプロットしたグラフである。図3(b)は、浸透量(毛髪あり)をエタノール濃度に対してプロットしたグラフである。 【表2】 表2及び図3に示すとおり、意外にも、毛髪の有無に関わらず、少なくともエタノール濃度が5?70w/w%の範囲において、軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器の方が頭皮の毛包への浸透量がより多かった。特に、軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器は、毛髪ありの場合、エタノール濃度が5?50w/w%の範囲において、頭皮の毛包への浸透量が顕著に多かった。」(【0080】-【0082】) 「〔試験例5:容器の比較(2)〕 表10に示す各処方を調製し、軟質多孔性の天然ゴム発泡体で形成された軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器、又は液体用細口容器に収容して試験製剤とした。なお、青色1号は、処方の視認性を高めるために添加している。 【表10】 〔試験方法〕に記載した方法により、各試験製剤の浸透量(毛髪あり)を測定した。結果を併せて表11に示す。 【表11】 増粘剤(疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含有する外用組成物は粘性がやや高まるため、頭皮の小さな毛包には一般に浸透し難い傾向がある。しかし、表11に示すように、増粘剤が配合された外用組成物であっても、軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器を用いることにより頭皮の毛包への浸透量(毛髪あり)が顕著に増加した。」(【0093】-【0095】) これらの記載から、本件発明1は、増粘剤を含むことで、その増粘作用により毛包への有効成分又は機能性成分の送達効率が抑制される傾向が懸念されるところ、増粘剤が配合された外用組成物であっても、軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器を用いることにより頭皮の毛包への浸透量が顕著に増加するという、所望の作用効果を奏することが確認できる。 これに対し、甲6公知発明からは、増粘剤が配合されたとしても、頭皮の毛包への浸透量が顕著に増加すると認識しうるとはいえない。 また、下記第5に示した甲各号証のいずれの記載を参照しても、甲6公知発明が該当する外用液剤に増粘剤が配合されることで、頭皮に適用した際の毛包への浸透量が顕著に増加するという作用効果を奏するとの認識に至るとはいえない。 このため、甲6公知発明からは、本件発明1が容易に想到し得るものとはいえない。 (3)本件発明2、4-6について 本件発明2、4-6は、本件発明1を更に限定するものである。したがって、上記(2)で検討したことと同様、本件発明2、4-6は、特許法第29条第1項第1号に該当するものとも、甲6公知発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 3 取消理由(特許法第29条第1項第3号及び同条第2項)について (1)甲第6号証に記載された事項及び発明 甲第6号証に「2012年7月改訂」(1頁1行)とあること、また、上記2(1)イに示したとおり、甲6文書に係る「液体ムヒS2a」について本件出願前に販売されていた事実が認められることから、甲6文書は本件出願前に頒布された刊行物と認められる。また、甲6文書には上記2(1)アに示したとおりの記載事項があるから、上記2(1)イに示したとおりの発明(甲6発明)が記載されているといえる。 (2)対比・判断 本件発明1、2、4-6と甲6発明とは、上記2(2)-(3)で検討したことと同様の理由で相違し、また、本件発明1、2、4-6は、甲6発明から容易に想到し得るものとはいえない。 したがって、本件発明1、2、4-6は、特許法第29条第1項第3号に該当するものとも、甲6発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 4 まとめ 以上のことから、本件発明1、2、4-6は、甲6公知発明又は甲6発明からは特許法第29条第1項又は同第3号に該当するものとはいえず、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものとはいえない。また、本件発明1、2、4-6は、甲6公知発明又は甲6発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。 よって、平成29年10月18日付け取消理由の通知(決定の予告)において示した取消理由には、理由がない。 第5 特許異議の申立てについて 申立人の異議申立ての理由は、概要以下のとおりである。 ・理由1 本件発明1-7は、公然知られた発明でありかつ甲第1号証に記載された発明であるから、本件発明1-7に係る特許は、特許法第29条第1項第1号ないし第3号の規定に違反してされたものである。 ・理由2 本件発明1-2は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第44号証の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件発明3は、甲第1号証、甲第2号証、甲第44号証及び甲第45号証の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件発明4-7は、甲第1号証、甲第2号証及び甲第44号証の記載事項に基づいて、あるいは、甲第1号証、甲第2号証、甲第44号証及び甲第45号証の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 このため、本件発明1-7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 甲各号証については、異議申立書に添付の、 甲第1号証:日本医薬品集フォーラム監、 「日本医薬品集 一般薬 2016-17」、 株式会社じほう、平成27年8月25日、701?746頁 甲第2号証:「第十六改正 日本薬局方解説書 2011」、廣川書店、 平成23年、「厚生労働省告示第65項」を記した頁、 11頁、A-128?A-134頁 甲第3号証:「ウインブルダンPCローション」の添付文書 甲第4号証:「ウナコーワα」の添付文書 甲第5号証:「ウナコーワエースL」の添付文書 甲第6号証:「液体ムヒS2a」の添付文書 甲第7号証:「液体ムヒアルファEX」の添付文書 甲第8号証:「エコルデEX液」の添付文書 甲第9号証:「エプールα液」の添付文書 甲第10号証:「エプールEX液」の添付文書 甲第11号証:「エルスカットD」の添付文書 甲第12号証:「メンタームペンソールSP」の添付文書 甲第13号証:「オブラチルEX液」の添付文書 甲第14号証:「かゆみグーバローション」の添付文書 甲第15号証:「カユミーローション」の添付文書 甲第16号証:「カンピオーネEX液」の添付文書 甲第17号証:「コンプラックPCローション」の添付文書 甲第18号証:「コンプラックPCローションX」の添付文書 甲第19号証:「新液体エミリエントEX」の添付文書 甲第20号証:「スカージルL」の添付文書 甲第21号証:「スカーニーEX液」の添付文書 甲第22号証:「スクミントEX液」の添付文書 甲第23号証:「ノンカユミールL」の添付文書 甲第24号証:「ハイカユミーNIローション」の添付文書 甲第25号証:「ハイセデPCローション」の添付文書 甲第26号証:「パイルスキットEX液」の添付文書 甲第27号証:「バルクロンEX液」の添付文書 甲第28号証:「ヒフールEX液」の添付文書 甲第29号証:「プオリナートEX液」の添付文書 甲第30号証:「プレアデスPCローション」の添付文書 甲第31号証:「プロテジェPCローション」の添付文書 甲第32号証:「マキロンsかゆみどめ液」の添付文書 甲第33号証:「ミルスキットEX液」の添付文書 甲第34号証:「ムルコスEX液アルファ」の添付文書 甲第35号証:「ラクピオンEXローション」の添付文書 甲第36号証:「ラクピオンEXローションα」の添付文書 甲第37号証:「ラシュリアL」の添付文書 甲第38号証:「ラスキーヌS液」の添付文書 甲第39号証:「ラホヤPVA9液」の添付文書 甲第40号証:「リドベートQ液」の添付文書 甲第41号証:「リファットPCローション」の添付文書 甲第42号証:「ルメジEX液」の添付文書 甲第43号証:独立行政法人医薬品医療機器総合機構 「一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索」のサイト (https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/otcSearch/)の 甲第3号証?甲第42号証に係る医薬品に関する 検索結果のページ 甲第44号証:特許第5652796号公報 甲第45号証:日本医薬品添加剤協会編、 「医薬品添加物事典 2016」、株式会社薬事日報社、 2016年2月18日、(3)?(5)頁、55?56頁」 及び、平成29年9月21日付け意見書に添付の、 甲第46号証:「虫さされ/商品Q&A-池田模範堂」 http://webarchive.org/web/20100419115750/http://www. ikedamohando.co.jp/qa/qa_insect_bite.html 甲第46号証の1:「虫さされ|よくあるご質問|池田模範堂」 http://webarchive.org/web/20160324022615/http://www. ikedamohando.co.jp/qa/qa_insect_bite.html 甲第47号証:「頭皮湿疹や炎症などのトラブル対策・ケア方法」 http://touhi.kagu7.com/article/224425026.html 甲第47号証の1:「頭皮湿疹や炎症などのトラブル対策・ケア方法」 http://webarchive.org/web/20120616073004/http:// touhi.kagu7.com/article/224425026.html 甲第48号証:「池田模範堂液体ムヒS(医薬品)」 http://cosme.net/product/product_id/2894735/review/ 504190510 甲第49号証:「頭が痒い場合頭皮にウナコーワクールを塗っても大丈夫 ですか?」 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_ detail/q1026744540?_ysp=6aCt6YOoIOOCpuODiuOCs%2BO DvOODrw%3D%3D 甲第50号証:「頭皮湿疹|徒然なるmamaに」 http://ameblo.jp/turukokemomo3/entry-11243887187.html 甲第51号証:「新ウナコーワクール」の添付文書 甲第51号証の1:独立行政法人医薬品医療機器総合機構 「一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索」のサイトの 「新ウナコーワクール」に関する検索結果のページ http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/otcDetail/ GeneralList/270072_J0601007091_03_03 が提出された。 (1)理由1について 甲第1号証には、甲第3-5号証ないし甲第7-42号証に係る添付文書で示され、本件出願前において公知となった外用鎮痒消炎薬が記載されている。 (以下、甲第3-5号証ないし甲第7-42号証により公知となった発明を「甲3公知発明」等といい、これらをまとめて「甲各公知発明」といい、甲第3-5号証ないし甲第7-42号証に記載された発明を「甲3発明」等といい、これらをまとめて「甲各発明」という。) そして、本件発明1と甲各公知発明、本件発明1と甲各発明との間には、少なくとも、第4_2(2)アで示した相違点3及び4と同様の、以下の相違点が存在する。 相違点3’:低級アルコールの含有量において、本件発明1では「外用組成物全量を基準として10?50w/w%」であるのに対し、甲各公知発明、甲各発明では明らかでない点。 相違点4’:外用組成物において、本件発明1に係るものは「頭皮用」であるのに対し、甲各公知発明、甲各発明に係るものは「皮膚用」である点。 そして、上記第4_2(2)イ(ア)、第4_2(3)、第4_3(2)で示したことと同様、本件発明1、2、4-6と、甲各公知発明又は甲各発明とは同一ではなく、特許法第29条第1項第1号又は同第3号に該当するものとはいえない。 (2)理由2について 相違点4’について検討する。 本件明細書には、上記第4_2(2)イ(イ)において摘示したとおりの記載がある。 この記載から、増粘剤を含む本件発明1は、頭皮に適用した際、その増粘作用により、頭皮の毛包への有効成分又は機能性成分の送達効率が抑制される傾向が懸念されるところ、増粘剤が配合されていても、軟質多孔性塗布部を備えた液体塗布用栓式容器を用いることにより、頭皮に適用した際の毛包への浸透量が顕著に増加するという、所望の作用効果を奏することが確認できる。 これに対し、甲各公知発明や甲各発明は、頭皮用として用いられることが明らかでなく、仮に頭皮用に用いたとしても、増粘剤を含むものとした甲各公知発明や甲各発明において、頭皮の毛包への浸透量が顕著に増加するとの認識に至るとはいえない。 また、第4_2(2)イ(イ)で検討したことと同様、甲第2号証の如何なる記載をみても、甲各公知発明や甲各発明が該当する外用液剤に増粘剤が配合されていても、頭皮に適用した際の毛包への浸透量が顕著に増加するという作用効果を奏するとの認識に至るとはいえない。 このため、甲各公知発明や甲各発明からは、本件発明1が容易に想到し得るものとはいえない。 したがって、本件発明1は、甲各公知発明あるいは甲各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 そして、上記第4_2(3)、第4_3(2)で示したことと同様、本件発明2、4-6は、甲各公知発明あるいは甲各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)まとめ 以上のことから、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第1項第1号又は同第3号の規定に違反してされたものであるとも、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるともいえない。 よって、異議申立ての理由には、理由がない。 第6 平成29年5月8日付け取消理由通知について 当審は平成29年5月8日付け取消理由通知において、概要以下のとおりの取消理由を通知した。 「A 本件特許の請求項1?7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明であるから、特許法第29条第1項第1号に該当し、特許を受けることができないものであり、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 B 本件特許の請求項1?7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 C 本件特許の請求項1?7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 記 (決定注:甲第1号証-甲第45号証は、上記第5_1に記載のとおり。)」 そして、上記第5及び第6で検討したとおりであるから、本件発明1、2、4-6と、甲各公知発明又は甲各発明とは同一ではなく、特許法第29条第1項第1号又は同第3号に該当するものとはいえず、本件発明1、2、4-6は、甲各公知発明あるいは甲各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 このため、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第1項第1号又は同第3号の規定に違反してされたものであるとも、本件発明1、2、4-6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるともいえず、平成29年5月8日付け取消理由通知で示した取消理由には、理由がない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、異議申立ての理由及び当審からの取消理由によっては、請求項1、2、4-6に係る特許を取り消すことはできない。また、他に当該特許を取り消すべき理由を発見しない。 請求項3、7に係る特許については、上述のとおり、これら請求項を削除する訂正を含む本件訂正が認容されるため、特許異議申立ての対象となる特許が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 低級アルコールと、 ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種と、 セルロース系増粘剤と、を含有し、 前記低級アルコールが、エタノールであり、 前記ステロイドが、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルであり、 前記低級アルコールの含有量が、外用組成物全量を基準として10?50w/w%であり、 軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器(但し、薬液を毛髪や頭皮に塗布する塗布部と、前記塗布部に供給する薬液を貯留する薬液貯蔵部を有する薬液塗布用具であり、前記塗布部は、前記薬液貯蔵部に連通し薬液を吐出させる吐出通路と、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させる導き機能を有する中棒部材と、前記中棒部材を前記吐出通路を閉じ方向に付勢し、押し上げ力に対して負荷を与える付勢手段と、を有し、前記中棒部材は、押し上げにより移動して前記吐出通路を開き薬液を吐出させ、押し上げによる前記中棒部材の移動に応じて薬液の吐出量を変化させることを特徴とする薬液塗布用具を除く。)に収容されてなる頭皮用外用組成物。 【請求項2】 発毛部位に対して用いられる、請求項1に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項3】(削除) 【請求項4】 頭皮における湿疹、皮膚炎、抜け毛、薄毛、フケ、痒み、乾燥及びバリア機能低下からなる群より選択される少なくとも1つの症状の予防、治療、及び/又は改善用である、請求項1又は2に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項5】 前記低級アルコールが、エタノールである、請求項1、2及び4のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項6】 可溶化系の組成物である、請求項1、2、4及び5のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。 【請求項7】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-04-18 |
出願番号 | 特願2016-61606(P2016-61606) |
審決分類 |
P
1
651・
851-
YAA
(A61K)
P 1 651・ 111- YAA (A61K) P 1 651・ 113- YAA (A61K) P 1 651・ 853- YAA (A61K) P 1 651・ 121- YAA (A61K) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今村 明子 |
特許庁審判長 |
須藤 康洋 |
特許庁審判官 |
長谷川 茜 大熊 幸治 |
登録日 | 2016-08-19 |
登録番号 | 特許第5989271号(P5989271) |
権利者 | ロート製薬株式会社 |
発明の名称 | 頭皮用外用組成物 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 吉住 和之 |
代理人 | 坂西 俊明 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 清水 義憲 |
代理人 | 坂西 俊明 |
代理人 | 吉住 和之 |