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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G01N
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G01N
審判 全部申し立て 2項進歩性  G01N
管理番号 1341939
異議申立番号 異議2017-700610  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-15 
確定日 2018-05-09 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6047103号発明「ガスセンサ用電極及びガスセンサ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6047103号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?10〕、〔11?13〕、〔14?18〕、〔19?22〕、〔23?28〕について訂正することを認める。 特許第6047103号の請求項11?28に係る特許を維持する。 特許第6047103号の請求項1?10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6047103号(以下「本件特許」という。)の請求項1?10に係る特許についての出願は、2012年(平成24年)12月4日(優先権主張:平成23年12月14日)を国際出願日として出願したものであって、平成28年11月25日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年6月15日に特許異議申立人 植松 愛(以下、「申立人」という。)より全請求項1?10に対して特許異議の申立てがされ、同年9月27日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年12月4日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)があり、その訂正の請求に対して平成30年2月2日付けで申立人から意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について(下線部は訂正箇所を示す。)
(1)本件訂正請求の内容
特許権者は、以下の訂正事項1?28により特定されるとおり訂正することを請求する。

ア 訂正事項1?10
それぞれ、特許請求の範囲の請求項1?10を削除する。

イ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項7に
「固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の電極と、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の電極として、請求項1?6のいずれかに記載のガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
とあるうち、請求項1を引用するものを、独立形式に改めた、

「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対のガスセンサ用電極と、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対のガスセンサ用電極として、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」を、

訂正により、
「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極として、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
と訂正し、新たに請求項11とする。

ウ 訂正事項12
請求項1を引用する請求項2を引用する請求項7について、上記「訂正事項11」と同じ訂正をし、新たな請求項12とする。

エ 訂正事項13
請求項1を引用する請求項6を引用する請求項7、及び請求項2を引用する請求項6を引用する請求項7について、それぞれ、上記「訂正事項11」と同じ訂正をし、新たな請求項13とする。

オ 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項7に
「固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の電極と、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の電極として、請求項1?6のいずれかに記載のガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
とあるうち、請求項3を引用するものを、独立形式に改めた、

「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対のガスセンサ用電極と、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対のガスセンサ用電極として、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」を、

訂正により、
「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極として、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
と訂正し、新たに請求項14とする。

カ 訂正事項15
請求項3を引用する請求項4を引用する請求項7について、上記「訂正事項14」と同じ訂正をし、新たな請求項15とする。

キ 訂正事項16
請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用する請求項7について、上記「訂正事項14」と同じ訂正をし、新たな請求項16とする。

ク 訂正事項17
請求項3を引用する請求項6を引用する請求項7、及び、請求項3を引用する請求項4を引用する請求項6を引用する請求項7、及び、請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用する請求項6を引用する請求項7について、上記「訂正事項14」と同じ訂正をし、新たな請求項17とする。

ケ 訂正事項18
請求項10のうち請求項7を引用するもののうち、請求項1を引用するものに上記「訂正事項11」と同じ訂正をし、請求項3を引用するものに上記「訂正事項14」と同じ訂正をし、新たな請求項18とする。

コ 訂正事項19
特許請求の範囲の請求項8に
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、請求項1?6のいずれかに記載のガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
とあるうち、請求項1を引用するものを、独立形式に改めた、
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
を、新たに請求項19とする。

サ 訂正事項20
請求項1を引用する請求項2を引用する請求項8について、新たな請求項20とする。

シ 訂正事項21
請求項1を引用する請求項6を引用する請求項8、及び、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項6を引用する請求項8について、新たな請求項21とする。

ス 訂正事項22
請求項9のうち請求項1を引用する請求項8を引用するものついて、新たな請求項22とする。

セ 訂正事項23
特許請求の範囲の請求項8に
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、請求項1?6のいずれかに記載のガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
とあるうち、請求項3を引用するものを、独立形式に改めた、
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
を、新たに請求項23とする。

ソ 訂正事項24
請求項3を引用する請求項4を引用する請求項8について、新たな請求項24とする。

タ 訂正事項25
請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用する請求項8について、新たな請求項25とする。

チ 訂正事項26
請求項8のうち請求項6を引用するものついて、新たな請求項26とする。

ツ 訂正事項27
請求項9のうち請求項3を引用する請求項8を引用するものについて、新たな請求項27とする。

テ 訂正事項28
請求項10のうち請求項8又は9を引用するものついて、新たな請求項28とする。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正事項1?10は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 訂正事項11?13について

イ-1 訂正事項11は、実質的にガスセンサの「一対のガスセンサ用電極」を、「一対の酸素ポンプ用電極」に限定するとともに、
「ガスセンサ」が「ジルコニアを主体とする固体電解質体」と「一対のガスセンサ用電極」を備えたものから、「ジルコニアを主体とする固体電解質体」と「一対の酸素ポンプ用電極」を有する「酸素ポンプセル」とを備えると構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、特許明細書の段落【0012】に「本発明のガスセンサは、第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、・・・を少なくとも備えたガスセンサであって、」と記載されており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ-2 訂正事項12?13は、訂正前の請求項7のうち、
・請求項1を引用する請求項2を引用するもの、
・請求項1を引用する請求項6を引用するもの、及び請求項2を引用する請求項6を引用するもの、
それぞれについて、請求項1と各請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。
さらに、それぞれ、上記「訂正事項11」を含むものであるから、上記「イ-1」での説示のとおり、それぞれ、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 訂正事項14?17について

ウ-1 訂正事項14は、実質的にガスセンサの「一対のガスセンサ用電極」を、「一対の酸素ポンプ用電極」に限定するとともに、
「ガスセンサ」が「ジルコニアを主体とする固体電解質体」と「一対のガスセンサ用電極」を備えたものから、「ジルコニアを主体とする固体電解質体」と「一対の酸素ポンプ用電極」を有する「酸素ポンプセル」とを備えるとの構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、特許明細書の段落【0012】に「本発明のガスセンサは、第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、・・・を少なくとも備えたガスセンサであって、」と記載されており、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ-2 訂正事項15?17は、訂正前の請求項7のうち、
・請求項3を引用する請求項4を引用するもの、
・請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用するもの、
・請求項3を引用する請求項6を引用するもの、及び、請求項3を引用する請求項4を引用する請求項6を引用するもの、及び、請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用する請求項6を引用するもの、
それぞれについて、請求項3と各請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。
さらに、それぞれ、上記「訂正事項14」を含むものであるから、それぞれ、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ 訂正事項18は、訂正前の請求項10のうち、請求項7を引用するもの、について、請求項7と各請求項間の引用関係を解消し、請求項7の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。
さらに、それぞれ、上記「訂正事項11」または、「訂正事項14」を含むものであるから、それぞれ、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ 訂正事項19?21について

オ-1 訂正事項19は、訂正前の請求項8のうち、請求項1を引用するもの、について、請求項1と各請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ-2
訂正事項20?21は、訂正前の請求項8のうち、
・請求項1を引用する請求項2を引用するもの、
・請求項1を引用する請求項6引用するもの及び、請求項1を引用する請求項2引用する請求項6を引用するもの、
それぞれについて、請求項1と各請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

カ 訂正事項22は、訂正前の請求項9のうち、請求項8を引用するもの、について、請求項8と各請求項間の引用関係を解消し、請求項8の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

キ 訂正事項23は、訂正前の請求項8のうち、請求項3を引用するものについて、請求項3と各請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ク 訂正事項24?25は、訂正前の請求項8のうち、
・請求項3を引用する請求項4を引用するもの、
・請求項3を引用する請求項4を引用する請求項5を引用するもの、
それぞれについて、請求項3と各請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ケ 訂正事項26は、訂正前の請求項8のうち、請求項6を引用するものについて、請求項6と各請求項間の引用関係を解消し、請求項6の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

コ 訂正事項27は、訂正前の請求項9のうち、請求項3を引用する請求項8を引用するものについて、請求項8と各請求項間の引用関係を解消し、請求項8の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

サ 訂正事項28は、訂正前の請求項10のうち、請求項8又は9を引用するものについて、請求項8又は9と各請求項間の引用関係を解消し、請求項8又は9の記載を引用しないものと改める訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

シ 一群の請求項
訂正前の請求項2、6?10は請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、訂正前の請求項4?10は請求項3を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項3によって訂正される請求項3に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1?10は、一群の請求項である。

したがって、訂正事項1?28は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

ス 訂正後の請求項
本件訂正請求において、「訂正後の請求項11、14、19、23については、引用関係の解消を目的とする訂正であるから、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正すること」を「求め」ているので、訂正前の一群の請求項1?10は、訂正後の請求項〔1?10〕、〔11?13〕、〔14?18〕、〔19?22〕、〔23?28〕となる。

(3)小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1?28は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項で準用する同法第126条第4項から第7項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?10〕、〔11?13〕、〔14?18〕、〔19?22〕、〔23?28〕について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件特許発明
上記「第2 訂正請求について」で述べたとおり、本件訂正は認められることとなったから、請求項1?28に係る発明(以下、それぞれの発明を「本件特許発明1」などという。)は、平成29年12月4日付けの訂正請求書の訂正特許請求の範囲の請求項1?28に記載された以下のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極として、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、A1_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項12】
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である請求項11記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項11又は12記載のガスセンサ。
【請求項14】
ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極として、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項15】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が0.1体積%以上50体積%未満である請求項14記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である請求項15記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項14?16のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記ガスセンサ用電極の厚みが20μm以上である請求項11?17のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項19】
第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、A1_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項20】
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である請求項19記載のガスセンサ。
【請求項21】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項19又は20記載のガスセンサ。
【請求項22】
前記ガスセンサ用電極が、酸素ポンプ用電極である請求項19?21記載のガスセンサ。
【請求項23】
第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、A1_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項24】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が0.1体積%以上50体積%未満である請求項23記載のガスセンサ。
【請求項25】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である請求項24記載のガスセンサ。
【請求項26】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項23?25のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項27】
前記ガスセンサ用電極が、酸素ポンプ用電極である請求項23?26記載のガスセンサ。
【請求項28】
前記ガスセンサ用電極の厚みが20μm以上である請求項19?27のいずれかに記載のガスセンサ。」

2 取消理由の概要
平成29年9月27日付けで通知した当審の取消理由の概要は以下のとおりである。

(1)取消理由1(特許法第36条第6項第1号違反について)
特許明細書の発明の詳細な説明には、「【0001】 本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサ用の電極及びガスセンサに関する。」と技術分野が記載され、「【0005】・・・ そこで、本発明は、多孔質電極の電極抵抗を安定して低減し、低温活性に優れたガスセンサ用電極及びガスセンサの提供を目的とする。」と発明が解決しようとする課題が記載されているが、課題を解決するための手段として、技術的裏付けを持って開示されているガスセンサは特許明細書の【0017】?【0040】、図1?6に第1の実施形態として記載された、酸素濃度検出セルと酸素ポンプセルを備えた酸素センサ、または、【0041】?【0050】、図7に第2の実施形態として記載された、第1ポンプセルと第2ポンプセルを備えたNO_(X)センサのみである。
そうすると、出願時の技術常識に照らしても、ガスセンサの構成の特定か、ガスセンサのどの電極であるかの限定がなされていない請求項1に記載された「ガスセンサ用電極」まで、発明の詳細な説明に記載された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。
してみると、本件特許発明1?7は、発明の詳細な説明の記載からサポートされるものとはいえないから、請求項1?7の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(2)取消理由2(特許法第36条第6項第2号違反について)
請求項9は「前記ガスセンサ用電極が、酸素ポンプ用電極である請求項7又は8記載のガスセンサ。」であり、請求項9が引用する請求項8には「酸素ポンプセル」が特定されているので、「酸素ポンプ用電極」は明確であるが、請求項9が引用する請求項7には「酸素ポンプセル」が特定されていないので、「酸素ポンプ用電極」が明確でない。
よって、請求項7を引用する請求項9は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(3)取消理由3(特許法第29条関連の違反について)
ア 理由1 本件特許発明1ないし5、7、9は、本件特許に係る出願の優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物である甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、同法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

イ 理由2 本件特許発明1ないし7、9、10は、本件特許に係る出願の優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、同法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。



甲第1号証:特開2003-294695号公報
甲第2号証:特開平6-288967公報
甲第3号証:特開2007-114216号公報
甲第4号証:特開昭55-36781公報
甲第5号証:特開2001-66280号公報
甲第6号証:化学辞典、第9刷、2012年6月1日発行、株式会社東京化学同人、p.521
甲第7号証:窯業協会誌 92 1984年、社団法人日本セラミックス協会、p.233-241
以下、特許異議申立書に添付された甲各号証を「甲1」などという。

第4 特許法第36条第6項第1号に関する取消理由1についての当審の判断
上記「第3の2(1)」で述べたとおり、取消理由は訂正前の請求項1?7に対して通知されているが、請求項1?7は削除され、訂正前の請求項7は一部が訂正により、請求項11?18と訂正されており、いずれも、「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極として、・・・」とガスセンサのどの電極であるかの限定がなされる訂正がなされたので、発明の詳細な説明の記載からサポートされるものとなり、取消理由1は解消した。

第5 特許法第36条第6項第2号に関する取消理由2についての当審の判断
上記「第3の2(2)」で述べたとおり、取消理由は訂正前の請求項7を引用する請求項9に対して通知されているが、請求項9は削除され、訂正前の請求項9は一部が訂正により、請求項22、27と訂正されているが、いずれも、訂正前の請求項7を引用していないものであり、訂正前の請求項7を引用する請求項9は削除されているので、取消理由2は解消した。

第6 特許法第29条第1項第3号及び第2項に関する取消理由3についての当審の判断

1 各甲号証に記載の事項
(1)甲1に記載の事項
本願の優先権主張日前に頒布された甲1には、「可燃性ガスセンサ」について、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

(ア)
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エンジン等の空燃比(燃料と吸入空気との混合比)を排気ガス中の酸素濃度等から検出するのに好適に用いられる空燃比検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等では、例えば排気管の途中に空燃比センサ(酸素センサ)を設け、この空燃比センサを用いて排気ガス中に含まれる酸素濃度等を検出するようにしている。
・・・
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術による空燃比検出素子は、細長いプレート状をなすヒータ部に対して固体電解質層等を積層化することにより形成され、全体がプレート構造(平板形状)をなすものであるために、検出素子の製作時に何度も印刷、積層作業を繰返す必要が生じ、素子構造が複雑となって生産性が悪いという問題がある。
・・・
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、全体を円形のロッド状に形成することによって取付方向による検出精度のバラツキを抑えることができ、空燃比を安定して検出できるようにした空燃比検出装置を提供することにある。」

(イ)
「【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による空燃比検出装置を、自動車用エンジンの排気管側に取付けられる広域空燃比センサに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0031】ここで、図1ないし図14は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は空燃比センサのケーシングで、該ケーシング1は、軸方向一側(先端側)外周に取付部としてのおねじ部2Aが形成された段付筒状のホルダ2と、該ホルダ2の軸方向他側(基端側)に一体的に固着された有底筒状のキャップ3と、該キャップ3内に同軸に配設され、後述のシールキャップ10とホルダ2との間に位置決めされたガイド筒4とにより構成されている。」

(ウ)
「【0040】次に、21は空燃比検出装置としての空燃比検出素子で、該空燃比検出素子21は、ケーシング1のホルダ2内に絶縁支持体5を介して取付けられ、先端側がホルダ2から軸方向に突出している。そして、空燃比検出素子21は、図2ないし図6に示す如く後述のヒータ部22、固体電解質層27、保護層33および拡散層34等によって構成されている。
・・・
【0048】27はヒータ部22のヒータ被覆層25外周側に曲面印刷等の手段を用いて形成された酸素イオン伝導性の固体電解質層を示し、該固体電解質層27は、例えば95%モルのジルコニア(ZrO_(2))の粉体に対して、5%モルのイットリア(Y_(2)O_(3))の粉体を混合して所謂イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなるペースト状物を調整した後、このペースト状物を図5に示す如くヒータ被覆層25の外周側に厚膜印刷することにより筒状に形成されている。
【0049】そして、固体電解質層27は、例えば50?100μm程度の厚さを有し、後述の電極28,29間、電極28,31間でそれぞれ酸素イオンを輸送させる。これにより、固体電解質層27は、後述の空燃比に応じて変化するネルンスト電圧Vnl,Vnt,Vnrを発生させるものである。
【0050】28はヒータ部22のヒータ被覆層25と固体電解質層27との間に位置して固体電解質層27の内周側に設けられた第1の電極としての内側電極で、該内側電極28は、図5に示すように固体電解質層27を曲面印刷する前に、ヒータ被覆層25(多孔質絶縁層)の外周側に曲面印刷等の手段を用いて筒状に形成されるものである。
・・・
【0052】そして、内側電極28は、図2に示す如く軸方向一側(先端側)が後述の測定電極29と固体電解質層27の径方向で対向し、軸方向他側(基端側)が後述の基準電極31と固体電解質層27の径方向で対向するものである。
・・・
【0054】29はヒータ部22の先端側寄りに位置して固体電解質層27の外周面に設けられた第2の電極としての測定電極で、該測定電極29は、図2に示す如く内側電極28との間で固体電解質層27を挟むことにより第1のポンプセルとしての測定セル30を構成するものである。
・・・
【0056】そして、これらの測定電極29,基準電極31は、白金等からなる導電性ペーストを図5に示す如き印刷パターンに成形した状態で、これらを固体電解質層27の外周面に曲面印刷することによって形成される。
・・・
【0059】一方、測定セル30側では、後述のリーン空燃比(λ>1)のときに測定電極29が後述の化1による接触分解反応を行う陰極となり、内側電極28は陽極となって酸素を吸引する。また、後述のリッチ空燃比(λ<1)のときには、測定電極29が陽極に転極され、このときには内側電極28が陰極として作用するものである。」

(エ)
「【0074】次に、図7を参照して内側電極28の構造について説明する。まず、内側電極28は、白金等の貴金属材料41と、セラミックス粒子42,42,…と、空孔43,43,…とにより構成されている。そして、セラミックス粒子42は、例えば粒径が0.4?1.0μm程度のジルコニアの粉体と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体を混合することにより形成される。
【0075】また、空孔43は、例えば粒径が0.4?3.0μm程度のカーボン粉等からなる空孔形成剤を用いて形成され、この空孔形成剤は、空燃比検出素子21の焼成時に焼き飛ばされて内側電極28内に連続気泡となる空孔43,43,…を形成するものである。そして、空孔43は、セラミックス粒子42の粒径と同等、または粒径よりも大きい孔径をもって形成されている。
【0076】即ち、内側電極28は、貴金属材料41の粉体に、例えば15?20重量%のジルコニア粉、1?2重量%のアルミナ粉と、1?5重量%のカーボン粉とを添加して、ペースト状物を調整することにより形成される。この場合、アルミナの粉体に替えて、例えば1?2重量%のムライト(3Al_(2)O_(3)・2SiO_(2))の粉体を用いてもよいものである。
【0077】そして、内側電極28は、貴金属材料41が電極反応を起こすことにより内部で電子を移動させる働きをする。また、セラミックス粒子42は、ジルコニアの粉体とアルミナまたはムライトの粉体とを含有することにより、図7に示すヒータ被覆層25(多孔質絶縁層)と固体電解質層27との間で内側電極28の接合性を高める働きをするものである。」

(オ)
「【0089】そして、次なる焼成工程では、前述の如く形成したコアパイプ23、ヒータパターン24、ヒータ被覆層25、固体電解質層27、電極28,29,31、保護層33および拡散層34からなる空燃比検出素子21の成形品を、例えば1300?1500℃前,後の高温度下で2時間程度焼成してこれらを一体的に焼結させる。なお、図3に示した栓部26は、焼成工程の前にコアパイプ23の軸穴23A内に嵌合して設けるようにし、その後にコアパイプ23等と一緒に焼成するのがよい。」

(カ)
「【0157】特に、セラミックス粒子42の構成材料として、ヒータ被覆層25、固体電解質層27と同一の材料を用いることにより、素子の焼成時には内側電極28をヒータ被覆層25と固体電解質層27との間で両者に対して強く接合できる。そして、前記3相界面(電極反応点)を多数、均一に分布させることができ、内側電極28と測定電極29、基準電極31との対向面全体で電極反応を均一に生起することができる。
【0158】そして、空孔43内で酸素を拡散できるため、電極反応、温度変化で生じる酸素の濃度、圧力差を減らすことができ、前記3相界面(電極反応点)での酸素の滞留、欠乏を防ぐことができる。これにより、センサの内部抵抗を下げることが可能となり、空燃比検出素子21の低温活性化を促進することができる。
【0159】さらに、空燃比検出素子21の固体電解質層27等に対して昇温、降温等を繰返すような耐久試験を行った場合でも、固体電解質層27と内側電極28との3相界面において剥離等が生じるのを抑えることができ、これによる内部抵抗の増大等も防止することができる。
【0160】次に、図15及び図16は本発明の第2の実施の形態を示し、・・・」

(キ)
上記(ウ)には「該固体電解質層27は、例えば95%モルのジルコニア(ZrO_(2))の粉体に対して、5%モルのイットリア(Y_(2)O_(3))の粉体を混合して所謂イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなるペースト状物」により形成することが記載され、上記(カ)には「特に、セラミックス粒子42の構成材料として固体電解質層27と同一の材料を用いること」が記載されていることから、セラミック粒子42の構成材料としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)が用いられているといえる。

(2)甲2?7に記載の事項
甲2には、「酸素濃度センサ」に関する技術事項が記載されており、センサ素子を構成する酸素イオン導電性固体電解質セラミック粉末として、イットリアで部分安定化したジルコニアなどを用いることができる点が記載されている。
甲3には、「酸素センサ素子」に関する技術事項が記載されており、セラミック粒子11として、ジルコニアまたはアルミナを主成分とするセラミックスからなることが望ましいことが記載されている。
甲4には、「酸素センサ素子」に関する技術事項が記載されており、固体電解質がジルコニア(ZrO_(2))で構成され、安定化のためにこの固体電解質材料に少量のY_(2)O_(3),CaO,またはMgOを添加して焼結し固溶体としたものが有利に用いられる点が記載されている。
甲5には、「セラミック積層体及びその製造方法、それを用いた酸素センサ素子」に関する技術事項が記載されている。
甲6には、アルミナ(酸化アルミニウム)の密度が4.0g/cm^(3)であることが記載されている。
甲7には、各種イットリア安定化ジルコニアの密度が約6g/cm^(3)であることが記載されている。

2 甲1発明

上記1(ア)?(キ)の記載を参照すると、上記甲1には、次の発明が記載されていると認められる。
「空燃比検出素子21のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28であって、白金等の貴金属材料41の粉体と、セラミックス粒子42,42,と、空孔43,43,とにより構成されており、そのセラミックス粒子42は、粒径が0.4?1.0μm程度のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%により形成される内側電極28と、固体電解質層27の外周面に設けられた白金等からなる測定電極29と、を有する、焼成して一体的に形成された酸素を吸引する第1のポンプセルを備えた円形のロッド状の空燃比検出素子21。」(以下、「甲1発明」という。)

3 甲1発明との対比・判断
(1)本件特許発明11について
ア 本件特許発明11と甲1発明とを対比する。
請求項11については、当審において分説し、記号を付け整理した。
「【請求項11】
A ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極として、
B 貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
C 前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
D 第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である
E ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」

(ア)甲1発明の「空燃比検出素子21」、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27」、及び「内側電極28」と「測定電極29」は、それぞれ、本件特許発明11の「ガスセンサ」、「ジルコニアを主体とする固体電解質体」、及び「一対の酸素ポンプ用電極」に相当する。

そうすると、甲1発明の「空燃比検出素子21のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28」と、「固体電解質層27の外周面に設けられた」「測定電極29」は、本件特許発明11の「A ガスセンサ」の「ジルコニアを主体とする固体電解質体」「上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極」に相当する。

したがって、甲1発明の「空燃比検出素子21のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28」と、「固体電解質層27の外周面に設けられた」「測定電極29と、を有する、焼成して一体的に形成された酸素を吸引する第1のポンプセルを備えた円形のロッド状の空燃比検出素子21」の「内側電極28」及び「測定電極29」は、
本件特許発明11の「A ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極」に相当する。

(イ)甲1発明の「白金等の貴金属材料41の粉体」、及び「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」は、それぞれ、本件特許発明11の「貴金属又はその合金の粒子」、「安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子」に相当する。
さらに、甲1発明の「アルミナの粉体またはムライトの粉体」は、本件特許発明11の「Al_(2)O_(3)、ムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子」に相当する。

そして、甲1発明の内側電極は「固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28であって、白金等の貴金属材料41の粉体と、セラミックス粒子42,42,と、空孔43,43,とにより構成されており、そのセラミックス粒子42は、粒径が0.4?1.0μm程度のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%により形成されるから、
甲1発明の「空燃比検出素子21」と、本件特許発明11の「ガスセンサ」とは、
「前記一対の酸素ポンプ用電極のうち、一方の電極は、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、ムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなる電極で共通する。

(ウ)甲1発明は「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%」、「アルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%」であるから、上記(イ)に照らせば、甲1発明の「空燃比検出素子21」の内側電極と、
本件特許発明11の「酸素ポンプ用電極」とは、
「前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少な」い点で共通する。

(エ)甲6には、「アルミナ(酸化アルミニウム)の密度が4.0g/cm^(3)であること。」が記載されており、また、甲7には、各種イットリア安定化ジルコニアの密度が約6g/cm^(3)であること。」が記載されており、これらの数値は物質固有の密度であるから、この値を用いて甲1発明の重量%を体積%に変換する。
「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%により形成される」ことは、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対し、「アルミナの粉体またはムライトの粉体」の含有割合重量比で、1/20?2/15となる。
また、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対する、「アルミナの粉体」の密度比が4/6=2/3であるから、
「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対し、「アルミナの粉体またはムライトの粉体」の含有割合体積比で、最小で(3・1)/(2・20)?最大で(3・2)/(2・15)となり、
すなわち、7.5%?20%となる。
したがって、甲1発明の「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%」、「アルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%」であることは、上記(ウ)に加えて、
本件特許発明11の「D 第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であること」と、
「第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が7.5体積%以上20体積%未満であること」で一致する。

そうすると、両者は、
(一致点)
「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極のうち、一方の電極は、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、及びムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなるものであり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が7.5体積%以上20体積%未満である
ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
一対の酸素ポンプ用電極の他方の電極が、本件特許発明11は、酸素ポンプ用電極の一方の電極と同じ「貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からな」るものであるのに対して、甲1発明が、白金等からなる測定電極29である点。

イ 判断
上記相違点1を検討する。
甲1発明の円形のロッド状の空燃比検出素子21の酸素を吸引する第1のポンプセルの内側電極がセラミック粒子42を含有しているのは甲1の段落【0077】に記載されたとおり、ヒータ被覆層25との接合性を高めるためである。一方第1のポンプセルの他方の電極である測定電極29は、ヒータ被覆層25と接していないので、セラミックス粒子42,42を含有させる必要性がないことは明らかである。
そして、電極にセラミック粒子を含有させると、電気抵抗が大きくなること、そして、感度を良くするためには電極の電気抵抗はできるだけ小さく設計しなければならないことが技術常識であるから、測定電極29にセラミックス粒子42,42を含有させることには、阻害要因があるといえる。
そうすると対向する電極として、ヒータ被覆層25との接合性を高めるための内側電極の構成を、ヒータ被覆層25と接しない測定電極29の構成に用いることは、当業者であっても容易に想到できるものとはいえない。

したがって、甲1発明から、相違点1に係る本件特許発明11の構成を容易に想到できるものとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明11は、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(2)本件特許発明12?13について
本件特許発明12?13は、本件特許発明11を引用する発明であるから、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(3)本件特許発明14?18について
ア 本件特許発明14と甲1発明とを対比する。
請求項14については、当審において分説し、記号を付け整理した。
「【請求項14】
A ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、前記一対の酸素ポンプ用電極として、
B′ 貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
C 前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
F 前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である
E ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」

そうすると、本件特許発明14は、上記(1)で検討した本件特許発明11から、「構成D」を削除し、「構成B」の群に「MgO」を追加し、「F 前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である」構成を付加した発明である。

したがって、両者は、
(一致点)
「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極のうち、一方の電極は、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、及びムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなるものであり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少ない、
ガスセンサ用電極を有するガスセンサ。」
である点で一致し、(1)での(相違点1)に加えて次の(相違点2)で相違する。

(相違点2)
本件特許発明14が、前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるのに対して、甲1発明が、第1セラミックス粒子に相当する「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」と、第2セラミックス粒子に相当する「アルミナの粉体またはムライトの粉体」の粒径が共に0.4?1.0μm程度である点。

イ 判断
(相違点1)について判断は、上記(1)の「イ 判断」に記載したとおりである。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件特許発明14は、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

本件特許発明15?17は、本件特許発明14を引用する発明であるから、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。
本件特許発明18は、本件特許発明11を引用する発明、または、本件特許発明14を引用する発明であるから、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(4)本件特許発明19について
ア 本件特許発明19と甲1発明とを対比する。
請求項19については、当審において分説し、記号を付け整理した。
「【請求項19】
G 第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、
B 貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
C 前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
D 第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である
E ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」

アー1 本件特許発明19のうち、上記「構成G」で「ガスセンサ用電極」を「前記一対の酸素ポンプ用電極」とした場合の発明と甲1発明とを対比する。

(ア)甲1発明の「空燃比検出素子21」、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27」、及び「内側電極28」と「測定電極29」は、それぞれ、本件特許発明19の「ガスセンサ」、「ジルコニアを主体とする固体電解質体」、及び「一対の酸素ポンプ用電極」に相当する。

甲1発明の「空燃比検出素子21のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28」と、「固体電解質層27の外周面に設けられた」「測定電極29と、を有する焼成して一体的に形成された酸素を吸引する第1のポンプセルを備えた円形のロッド状の空燃比検出素子21」と、
本件特許発明19の「G 第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサ」とは、
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルを少なくとも備えたガスセンサ」の点で共通する。

さらに、甲1発明の「空燃比検出素子21のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28」と、「固体電解質層27の外周面に設けられた」「測定電極29と、を有する焼成して一体的に形成された酸素を吸引する第1のポンプセルを備えた円形のロッド状の空燃比検出素子21」の「内側電極28」と、
本件特許発明19の「G 前記一対の酸素ポンプ用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極」とは、
「一対の酸素ポンプ用電極の一方の電極として、ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極」の点で共通する。

(イ)甲1発明の「白金等の貴金属材料41の粉体」、及び「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」は、それぞれ、本件特許発明19の「貴金属又はその合金の粒子」、「安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子」に相当する。
さらに、甲1発明の「アルミナの粉体またはムライトの粉体」と、本件特許発明19の「Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子」とは、
「Al_(2)O_(3)、ムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子」で一致する。

そして、甲1発明の内側電極は「固体電解質層27の内周側に設けられた内側電極28であって、白金等の貴金属材料41の粉体と、セラミックス粒子42,42,と、空孔43,43,とにより構成されており、そのセラミックス粒子42は、粒径が0.4?1.0μm程度のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%により形成されるから、
甲1発明の「空燃比検出素子21」と、本件特許発明19の「ガスセンサ」とは、
「前記一対の酸素ポンプ用電極のうち、一方の電極として、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、ムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなる電極で共通する。

(ウ)甲1発明の「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%」、「アルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%」であるから、上記(イ)に照らせば、甲1発明の「空燃比検出素子21」の内側電極と、
本件特許発明19の「前記一対の酸素ポンプ用電極」とは、
「前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少な」い点で共通する。

(エ)甲6には、「アルミナ(酸化アルミニウム)の密度が4.0g/cm^(3)であること。」が記載されており、また、甲7には、各種イットリア安定化ジルコニアの密度が約6g/cm^(3)であること。」が記載されており、これらの数値は物質固有の密度であるから、この値を用いて甲1発明の重量%を体積%に変換する。
「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%と、粒径が0.4?1.0μm程度のアルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%により形成される」ことは、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対し、「アルミナの粉体またはムライトの粉体」の含有割合重量比で、1/20?2/15となる。
また、「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対する、「アルミナの粉体」の密度比が4/6=2/3であるから、
「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体」に対し、「アルミナの粉体またはムライトの粉体」の含有割合体積比で、最小で(3・1)/(2・20)?最大で(3・2)/(2・15)となり、
すなわち、7.5%?20%となる。
したがって、甲1発明の「イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の粉体15?20重量%」、「アルミナの粉体またはムライトの粉体1?2重量%」であることは、上記(ウ)に加えて、本件特許発明19の「D 第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であること」と「第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が7.5体積%以上20体積%未満であること」で一致する。

そうすると、両者は、
(一致点)
「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルを少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極のうち、一方の電極は、ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、
貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、及びムライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなるものであり、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が7.5体積%以上20体積%未満である
ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。」
である点で一致し、(1)での(相違点1)に加えて次の(相違点3)で相違する。

(相違点3)
本件特許発明19が、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルを備えるのに対して、甲1発明はそのような検知セルを備えていない点。

アー2 本件特許発明19のうち、上記「構成G」で「ガスセンサ用電極」を「前記一対の検知用電極」としても、本件特許発明19は、「第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セル」を備えているので、上記(相違点3)で相違する。

イ 判断
上記アー1、アー2で共通する上記相違点3を検討する。
甲1?5には、本件特許発明19の「第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セル」に相当する2つのセルからなる構成が記載も示唆もされていない。

したがって、相違点3に係る本件特許発明19の構成は、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて、当業者がを容易に想到できるものとはいえない。

そうすると、本件特許発明19は、甲1発明ではなく、また、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(5)本件特許発明20?22について
本件特許発明20?22は、本件特許発明19を引用する発明であるから、甲1発明ではなく、また、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(6)本件特許発明23?27について
ア 本件特許発明23と甲1発明とを対比する。
請求項23については、当審において分説し、記号を付け整理した。
「【請求項23】
G 第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、
B′ 貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、
C 前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、
F 前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である
ガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。

そうすると、本件特許発明23は、「構成G」と「構成F」を備えている。
「構成G」は上記「(4)本件特許発明19について」で検討した(相違点1)及び(相違点3)を有しており、「構成F」は上記「(3)本件特許発明14?18について ア」で検討した(相違点2)を有している。

イ 判断
(相違点3)について判断は、上記「(4)本件特許発明19について」の「イ 判断」に記載したとおりである。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件特許発明23は、甲1発明ではなく、また、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

本件特許発明24?27は、本件特許発明23を引用する発明であるから、甲1発明ではなく、また、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

(7)本件特許発明28について
本件特許発明28は、本件特許発明19?27を引用する発明であるから、上記本件特許発明19?27と同様に、甲1発明ではなく、また、甲1発明と、甲1ないし甲5に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

4 以上のとおり、本件特許発明11?28は、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できるものとはいえない。

第7 申立人の意見について
申立人は、意見書において、「甲第1号証には、測定電極29及び基準電極31は、白金等からなる導電性ペーストを用いて形成されたことが記載されているものの、該導電性ペーストが内側電極28に用いる導電性ペーストと同一の材料であることまでは明記されていません。しかし、通常、一対の電極を同一の材料及び構造で構成することは技術常識で有り周知慣用技術に過ぎません。・・・したがって、一対の電極の双方(構成B)が構成C、構成Dを有することは甲第1号証に記載されているに等しい、或いは、当業者が容易に想到できることにすぎないといえます。」と主張する。

しかしながら、測定電極29にセラミックス粒子を含有させることに阻害要因があることは、「第6の3(1)イ」で検討したとおりである。

したがって、申立人の上記主張は採用できない。

第8 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
申立人は、(特許法第36条第6項第2号違反)において、本件特許発明1?6の「ガスセンサ用電極」は「(a)電極部及びリード部の両方が所定の構成を有する場合、(b)電極部のみが所定の構成を有する場合、(c)リード部のみが所定の構成を有する場合」の3通りが考えられるが、その何れを対象としているのか、不明確な文言である旨主張されているが、この点に関しては、「ガスセンサ用電極」が明細書に記載された構成以外の構成まで拡張ないし一般化できないとした取消理由1を解消することにより解消されるものであり、この取消理由1は、上記第4で検討したとおり「ガスセンサ用電極」は「ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサ」の「前記一対の酸素ポンプ用電極」と訂正されることにより解消し、その結果「ガスセンサ用電極」は、上記(b)であることが明確になったので、本件特許が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものとはいえない。

第9 むすび
以上のとおりであるから、平成29年9月27日付けの取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、請求項11?28に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項11?28に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項1?10は、本件訂正請求により削除されたので請求項1?10に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

よって、結論の通り決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極として、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項12】
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である請求項11記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項11又は12記載のガスセンサ。
【請求項14】
ジルコニアを主体とする固体電解質体と、当該固体電解質体上に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極として、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項15】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が0.1体積%以上50体積%未満である請求項14記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である請求項15記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項14?16のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記ガスセンサ用電極の厚みが20μm以上である請求項11?17のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項19】
第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項20】
前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下である請求項19記載のガスセンサ。
【請求項21】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項19又は20記載のガスセンサ。
【請求項22】
前記ガスセンサ用電極が、酸素ポンプ用電極である請求項19?21記載のガスセンサ。
【請求項23】
第1の固体電解質体と、当該第1の固体電解質体の表面に設けられる一対の酸素ポンプ用電極とを有する酸素ポンプセルと、第2の固体電解質体と、当該第2の固体電解質体に配置された一対の検知用電極とを有する検知セルと、を少なくとも備えたガスセンサであって、
前記一対の酸素ポンプ用電極または前記一対の検知用電極として、
ジルコニアを主体とする固体電解質体の表面に設けられるガスセンサ用電極であって、貴金属又はその合金の粒子と、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる第1セラミックス粒子と、Al_(2)O_(3)、MgO、La_(2)O_(3)、スピネル、ジルコン、ムライト及びコージェライトの群から選ばれる1種以上の第2セラミックス粒子と、からなり、前記第2セラミックス粒子は、前記第1セラミックス粒子よりも含有量が少なく、前記第2セラミックス粒子の焼結平均粒子径は、前記第1セラミックス粒子の0.1倍以上1倍以下であるガスセンサ用電極を用いるガスセンサ。
【請求項24】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が0.1体積%以上50体積%未満である請求項23記載のガスセンサ。
【請求項25】
前記ガスセンサ用電極において、第1セラミックス粒子に対し、前記第2セラミックス粒子の含有割合が3体積%以上40体積%未満である請求項24記載のガスセンサ。
【請求項26】
前記第1セラミックス粒子が部分安定化ジルコニアからなる請求項23?25のいずれかに記載のガスセンサ。
【請求項27】
前記ガスセンサ用電極が、酸素ポンプ用電極である請求項23?26記載のガスセンサ。
【請求項28】
前記ガスセンサ用電極の厚みが20μm以上である請求項19?27のいずれかに記載のガスセンサ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-04-24 
出願番号 特願2013-549103(P2013-549103)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (G01N)
P 1 651・ 113- YAA (G01N)
P 1 651・ 121- YAA (G01N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 櫃本 研太郎  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
信田 昌男
登録日 2016-11-25 
登録番号 特許第6047103号(P6047103)
権利者 日本特殊陶業株式会社
発明の名称 ガスセンサ用電極及びガスセンサ  
代理人 中島 浩貴  
代理人 中島 浩貴  

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