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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 F16L 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 F16L 審判 全部申し立て 特17条の2、3項新規事項追加の補正 F16L |
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管理番号 | 1343023 |
異議申立番号 | 異議2017-701090 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-11-21 |
確定日 | 2018-08-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6182226号発明「補強金具の外嵌部材」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6182226号の請求項1?4に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯の概略 特許第6182226号の請求項1?4に係る特許(以下「本件特許」という。)についての手続の経緯は,概ね,次のとおりである。 すなわち,平成21年4月30日に出願された特願2009-110937号(後記甲第3号証)の一部を,平成25年4月1日に新たな特許出願(特願2013-76134号(後記甲第2号証))とし,その一部を平成26年6月23日に新たな特許出願(特願2014-127910号(後記甲第1号証))とし,その一部をさらに平成28年1月19日に新たな特許出願(後記甲第6号証)としたものであり,平成29年7月28日に特許権の設定登録がされ,平成29年8月16日に特許掲載公報が発行された。 これに対し,平成29年11月21日に特許異議申立人日高康博(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ,平成30年4月25日付けで取消理由が通知され,特許権者より平成30年6月20日付けで意見書が提出された。 第2 本件発明 本件特許の請求項1?4に係る発明は,特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される,次のとおりのものである。以下,本件特許に係る発明を請求項の番号に従って「本件発明1」などといい,総称して「本件発明」という。 【請求項1】 互いに接続される一方の管の端部に形成された受口に,他方の管の端部に形成された挿口を挿入してなる既設管の接続箇所に取り付けられ,その受口挿口間での抜け出しを防止するように構成された補強金具に備えられ,周方向の複数箇所に分割部を有し,前記挿口に外嵌装着される外嵌部材において, 周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり, 前記受口に係合可能なフック状の係合部が設けられ,しかも前記分割片の各々に複数の前記係合部が周方向に離間して設けられていて, 前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり, 前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されており, 四つの前記分割片が,二つの第1の分割片と,前記第1の分割片とは前記係合部,前記抜止め部材及び前記押ボルトの数が異なる二つの第2の分割片とからなり,前記第1の分割片と前記第2の分割片とが周方向に交互に配置されていることを特徴とする補強金具の外嵌部材。 【請求項2】 前記分割部に設けられたフランジには,締結具を挿通するための挿通孔が形成されており,前記締結具を締結して前記分割部を閉じたときに,その分割部にて互いに対向する分割面の間に隙間が設けられない請求項1に記載の補強金具の外嵌部材。 【請求項3】 周方向に隣り合う前記抜止め部材が,前記爪部を管軸方向に互いに重ねるように配置されている請求項1又は2に記載の補強金具の外嵌部材。 【請求項4】 前記挿口に向かって開口する環状溝が内周面に設けられていて,その環状溝に複数の前記抜止め部材が収容されている請求項1?3いずれか1項に記載の補強金具の外嵌部材。 第3 取消理由の概要 1 本件特許に対し通知した取消理由は,概ね,次のとおりである。 (1) 本件発明は,本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された後記甲第4号証に記載された発明並びに後記甲第5号証,後記甲第8号証及び後記甲第9号証に記載された事項に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから,その発明に係る特許は取り消すべきものである。 (2) 本件発明は,本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された後記甲第9号証に記載された発明並びに後記甲第5号証,後記甲第8号証及び後記甲第4号証に記載された事項に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから,その発明に係る特許は取り消すべきものである。 2 証拠方法 申立人が提出した証拠方法(甲第1号証?甲第9号証)は以下のとおりである。以下,各号証を証拠の番号に従って「甲1」などという。 甲1:特開2014-211235号公報(前記特願2014-127910号) 甲2:特開2013-174354号公報(前記特願2013-76134号) 甲3:特開2010-261480号公報(前記特願2009-110937号) 甲4:特開平10-122466号公報 甲5:実願昭57-38500号(実開昭58-140391号)のマイクロフィルム 甲6:特開2016-106201号公報(本件特許出願の公開特許公報) 甲7:特願2016-7976号(本件特許出願)の手続補正書 甲8:特開平11-311379号公報 甲9:実願昭62-158980号(実開平1-63891号)のマイクロフィルム 第4 取消理由について 1 甲4について (1) 甲4に記載された事項 甲4には,以下の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 互いに接合される一方の管の端部に形成された受口の内部に,他方の管の端部に形成された挿口が挿入されて,受口挿口間で環状のシール材を圧縮するように構成された管継手において,受口側の管の外面から挿口側の管の外面にわたって外ばめされる筒状のハウジングと,このハウジングの一端と受口との間に管軸方向の力を伝達させることができる第1の部材と,このハウジングの他端と挿口との間に管軸方向の力を伝達させることができる第2の部材とを設けたことを特徴とする管継手の耐震構造。」 ・「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は管継手の耐震構造に関する。」 ・「【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし,従来の離脱防止機能を有しない管継手では,地震の際に受口挿口間の抜け出しが発生しやすいという問題点がある。 【0005】そこで本発明は,このような問題点を解決して,離脱防止機能を有しない管継手に耐震対策を講じることができるようにすることを目的とする。特に本発明は,既設の管路における管継手に耐震対策を講じることができるようにすることを目的とする。」 ・「【0008】 【発明の実施の形態】図1は,本発明の第1の実施の形態を示す。ここで,1,2は互いに接合される一対の管であり,一方の管1の端部には受口3が形成され,他方の管2の端部には,この受口3の内部に挿入される挿口4が形成されている。受口3の開口端の外周にはフランジ5が一体に形成され,その開口部の内周には奥すぼまりのテーパ状のシール材圧接面6が形成されている。シール材圧接面6と挿口4の外周面との間には,ゴム製の環状のシール材7が配置されている。挿口4には,受口3よりも外側の部分において押輪8が外ばめされている。フランジ5のボルト孔9と押輪8のボルト孔10とに管軸方向のT頭ボルト11が通され,周方向に複数のT頭ボルト11により押輪8がフランジ5にナット12締めされることで,この押輪8によりシール材7が圧縮されて,受口挿口間に所定のシール機能が付与されている。これによって,いわゆるメカニカル継手が構成されている。 【0009】受口3側の管1の外面から挿口4側の管2の外面にわたって,筒状のハウジング15が外ばめされている。図示は省略するが,このハウジング15は周方向の二つ割りの構成とされ,その分割部はボルトなどの締結手段によって互いに一体化されている。 【0010】ハウジング15における受口3側の端部には,第1の部材としての内フランジ16が一体に形成されている。この内フランジ16は,T頭ボルト11の頭部に掛かり合い可能とされることで,このT頭ボルト11を介して受口に管軸方向の力を伝達可能である。 【0011】ハウジング15における挿口4側の端部には径方向に内向きの環状突部17が一体に形成され,この環状突部17の内周部分には,管軸方向部18が,受口3から遠ざかる方向に一体に形成されている。 【0012】管軸方向部18には,内周溝20が形成されている。この内周溝20は,周方向にわたり連続して,あるいは周方向に分断して形成されており,それに対応して,この内周溝20には,周方向一つ割り,あるいは周方向に沿って複数に分断された第2の部材としてのロック部材21が収容されている。このロック部材21の内周には周方向に延びる一対の刃部22が互いに管軸方向に距離をおいて形成されており,またロック部材21の外周には,受口3から遠ざかるにつれて先すぼまり状となるテーパ面23が形成されている。管軸方向部18の外周側から内周側に向けて,セットボルト24が,ロック部材21のテーパ面23に対応した斜め方向に貫通状態でねじ合わされており,このセットボルト24によりロック部材21のテーパ面23を管径方向の内向きに押圧することで,このロック部材21を挿口4の外周面へ押圧可能である。こうすることで,ロック部材21は,その刃部22が挿口4の外面に食い込むようにした状態で,この挿口4の外周面に固定される。 【0013】このようにセットボルト24によってロック部材21が挿口4の外周面に固定されることで,ハウジング15が挿口4および受口3に対し芯出しされた状態で固定される。このとき,図示のように,内フランジ16とT頭ボルト11の頭部との間には,管軸方向に沿って間隔Aが保たれている。 【0014】継手部に耐震性能を付与する際には,管接合時に受口3内に挿口4を挿入して継手の接合が完了した後に,あるいは既設の管路の管継手において,図示のようにハウジング15を外ばめする。またセットボルト24によりロック部材21を挿口4の外周に押圧させることで,このハウジング15を挿口4の外周に固定させる。 【0015】このような構成によれば,ハウジング15の内フランジ16とT頭ボルト11との間に間隔Aが設けられているため,この間隔Aが詰まるまでの範囲で,すなわち,内フランジ16がT頭ボルト11に当たるまでの範囲で,受口3と挿口4とが管軸方向に自由に伸縮することができる。また,内フランジ16がT頭ボルト11に当たったときには,挿口4がそれ以上受口3から抜け出すことが防止され,所要の離脱防止機能が付与される。したがって,受口挿口間に耐震機能を付与できることになる。なお,地震発生時においても受口挿口間の水密性を保持させる目的で,挿口4の先端がシール材7の位置を越える抜け出しが生じないように間隔Aの寸法が規定されている。 【0016】詳細には,受口挿口間に抜け出し力が作用して内フランジ16がT頭ボルト11に当たったときには,それによりハウジング15と受口3とが管軸方向に相対移動することが防止される。また,この抜け出し力にもとづいてセットボルト24がロック部材21のテーパ面23を管径方向の内向きに押し,このロック部材21の刃部22が挿口4の外周面に強く食い付くことになって,この環状体15と挿口4とが管軸方向に相対移動することが防止される。 【0017】したがって,このように管1,2の外周にハウジング15を装着してセットボルト24によりロック部材21を押圧するだけで耐震機能を付与することができる。このため,受口3と挿口4とを接合した直後のみならず,既設の管路においても容易に耐震機能を付与することができる。」 ・「【0026】図6?図8は,本発明の第5の実施の形態を示す。ここでは,ハウジング15の内フランジ16は,受口3のフランジ5に掛かり合い可能に構成されている。そして,この受口3のフランジ5に掛かり合ったときにT頭ボルト11の頭部と干渉しないように,この内フランジ16には,T頭ボルト11に対応した周方向の複数の位置に切り欠き45が形成されている。ハウジング15における挿口4側の端部には図1の場合と同様の径方向に内向きの環状突部17が一体に形成され,この環状突部17の内周部分には,管軸方向部18が,受口3から遠ざかる方向に一体に形成されている。管軸方向部18には第2の部材としての周方向に複数のセットボルト46が貫通状態でねじ込まれており,このセットボルト46の先端で挿口4の外周面を押圧することで,この挿口4に対しハウジング15が固定されている。図8に示すように,ハウジング15は周方向二つ割りの構成とされ,その分割部48では,分割端49どうしが半分の肉厚で形成されて互いに重ね合わされ,その重ね合わせ部にセットボルト46が通されることで,このハウジング15が周方向に一体化されている。なお,このような構成に代えて,図3に示される分割部の構成を採用することもできる。反対に,上述の第1?第4の実施の形態において,図8に示される分割部の構成を採用することもできる。」 ・「【0028】 【発明の効果】以上のように本発明によると,受口側の管の外面から挿口側の管の外面にわたって外ばめされる筒状のハウジングと,このハウジングの一端と受口との間に管軸方向の力を伝達させることができる第1の部材と,このハウジングの他端と挿口との間に管軸方向の力を伝達させることができる第2の部材とを設けたため,受口挿口間の抜け出しを防止することができて,この受口挿口間に耐震対策を講じることができる。」 (2) 甲4の図7,8において,分割部48の各々に複数の内フランジ16が周方向に離間して設けられている点が見て取れる。 また,図1において,フック状の内フランジ16と同じ周方向位置に,ロック部材21とセットボルト24が配置されている点が見て取れる。 (3) 以上の記載からすると,甲4には次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されているといえる。 (甲4発明) 「互いに接続される管1の端部に形成された受口3に,管2の端部に形成された挿口4を挿入してなる既設管の接続箇所に取り付けられ,その受口3挿口4間での抜け出しを防止するように構成された耐震構造に備えられ,周方向の複数箇所に分割部を有し,前記挿口4に外ばめされるハウジング15において, 周方向の二箇所に前記分割部を有して二つの分割片からなり, 前記受口3に係合可能なフック状の内フランジ16が設けられ,しかも前記分割片の各々に複数の前記内フランジ16が周方向に離間して設けられていて, 前記挿口4の外周面に食い込み可能な刃部22を有する複数のロック部材21を径方向内側に押圧するセットボルト24が設けられ,前記セットボルト24が,前記受口3から前記挿口4が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,ロック部材21の外周に形成されたテーパ面23を押圧することによって前記ロック部材21を前記挿口4側に押圧するものであり, 前記内フランジ16と同じ周方向位置に前記ロック部材21とそれを押圧する前記セットボルト24が配置されている, 耐震構造のハウジング15。」 2 甲9について (1) 甲9に記載された事項 甲9には,以下の事項が記載されている。 ・「2.実用新案登録請求の範囲 (1)二以上の分割体1a,1b,1cを連結ピン2により開閉自在に連結して一方連結管Aの外周に巻きつけ可能とした輪本体3と,他方の連結管BのフランジCに係止できるように各分割体1a,1b,1cに形成された係止部4と,分割体の駒収納部5内に収納されて連結管Aの外周面Dに押当する駒6とからなる離脱防止連結具において,連結される分割体のうち一方の分割体には二枚の連結挟着片7a,7bが形成され,他方の分割体には一枚の挿入片8が形成され,この連結挟着片7a,7bと挿入片8には連結ピン2を挿入する挿入孔9,10,11が形成され,二つの挿入孔9,10のうち一方の挿入孔9にはダボ差し込み溝12が,挿入孔11の外側にはダボ差し込み溝13が形成され,連結ピン2の長手方向中央部にはダボ差し込み溝12,13に嵌入するダボ14が突設され,ダボ14の長さが連結挾着片7a,7b間の幅以下に形成されていることを特徴とする管の離脱防止連結具。」(1頁4行?2頁3行) ・「本考案は例えば地中に埋設する水道管などを連結する離脱防止連結具に関するものであり,連結部分の水密性を保持し且つ連結された管が水圧や外部からの振動により離脱しないようにしたものである。」(2頁10?14行) ・「本考案の目的は従来技術の各種問題点を解決し,運搬や連結作業時の取り扱いが容易で,しかも連結管の離脱を確実に防止できる離脱防止連結具を提供することにある。」(4頁7?10行) ・「本考案の管の離脱防止連結具は第1図,第2図のようにのように二以上の分割体1a,1b,1cを連結ピン2により開閉自在に連結して第3図のように連結管Aの外周に巻きつけ可能とした輪本体3と,第3図のように他の連結管BのフランジCに係止できるように各分割体1a,1b,1cに形成された係止部4と,第1図,第2図,第4図のように分割体の駒収納部5内に収納されて第5図のように連結管Aの外周面Dに押当する駒6とからなる離脱防止連結具において,…」(4頁12行?5頁1行) ・「本考案の第1図の離脱防止連結具を使用するには,同図のように予め駒収納部5内に駒6を収納し,…。この状態で第1図のボルト23を外して分割体1a,1bを開いて第3図,第5図のように連結管Aの外周に巻きつけ,他方の連結管B(例えばタイトン管)のフランジCに分割体1の係止部4を被嵌する。」(5頁下から5行?6頁4行) ・「この状態で連結管Aが水圧により第5図Aの矢印X方向(連結管Aが抜ける方向)に押されて少しでも動くと,駒6が第5図Bのように一方の内側押当部6dを支点として左上方に回動し,更に動くと第5図Cのように先鋭な内側押当部6dが連結管Aの外周面Dに食い込み,連結管Aはそれ以上第5図の矢印X方向に抜けなくなる。」(6頁下から8?2行) ・「第1図の輪本体3は二つの分割体1a,1bを連結したものであり,…」(7頁2?3行) ・「第1図の4は係止部4であり,一方の分割体1aには係止部4が二つ形成され,他方の分割体1bには係止部4が一つだけ形成されている。この係止部4は連結管BのフランジCに被嵌できるように長溝にしてある。 第1図の5は駒収納部であり,これは夫々の分割体1a,1bに係止部4と同じ数だけ形成されている。… 第4図の6は駒であり,これは第5図のように上面の左半分6eを下りテーパにし,右半分6bを水平にし,右半分6bを駒収納部5の天井に押当する外側押当部とし,押当面6aを連結管Aの外周面Dに沿うよう湾曲させ,押当面6aの幅方向両端部6c,6dの下方に突出させて連結管Aの外周面Dに押当する内側押当部としてある。」(9頁5行?10頁1行) (2) 甲9の第1図において,分割体1aに二つの係止部4が周方向に離間して設けられている点,フック状の係止部4と同じ周方向位置に駒6が配置されている点が見て取れる。 (3) 以上の記載からすると,甲9には次の発明(以下「甲9発明」という。)が記載されているといえる。 (甲9発明) 「互いに接続される連結管Bの端部に形成された受口に,連結管Aの端部に形成された挿口を挿入してなる管の接続箇所に取り付けられ,その受口挿口間での離脱を防止するように構成された管の離脱防止連結具に備えられ,周方向の複数箇所に分割部を有し,前記挿口の外周に巻きつける輪本体3において, 周方向の二箇所に前記分割部を有して二つの分割体1a,1bからなり, 前記受口に係合可能なフック状の係止部4が設けられ,前記分割体1aに二つの前記係止部4が周方向に離間して設けられ,前記分割体1bに一つの前記係止部4が設けられていて, 分割体1a,1bに形成された駒収納部5内に収納され,前記駒収納部5の天井に押当する外側押当部6b及び前記挿口の外周面Dに食い込み可能な内側押当部6dをもつ駒6を有し,前記駒6が,連結管Aが抜ける方向に動くと,前記内側押当部6dを支点として回動して前記内側押当部6dが前記挿口の外周面Dに食い込むものであり, 前記係止部4と同じ周方向位置に前記駒6が配置されている, 管の離脱防止連結具の輪本体3。」 3 甲5,8について (1) 甲5 甲5には,以下の事項が記載されている。 ・「2.実用新案登録請求の範囲 1.受口内周に形成された環状凹部と挿口外周との間に環状パッキン材を圧嵌せしめてなる管継手において,受口開口端外周に鍔部を形成し,この鍔部に係合可能な鉤部と受口端面に向けて径大となる内周テーパ面とを有し,かつ周方向適当数に分割されてこの分割部がボルト締めされたハウジングを,受口外側における挿口部分に外嵌し,外周面が前記内周テーパ面に対応したテーパ状をなし,かつ内周に複数条の掛止刃を有する周方向ひとつ割りのリング状ストッパを,前記内周テーパ面と挿口外周との間に嵌装し,このストッパを前記ハウジングに貫設した押ボルトにて外方から挿口外周面に圧着せしめてなることを特徴とする離脱防止管継手。」(1頁4行?下から3行) ・「本考案は離脱防止管継手に関し,特に,離脱防止機能を有しない通常のプッシュオンジョイント形の管継手に対して,受口外側において離脱防止機能を有せしめるようにした離脱防止管継手に関する。」(1頁末行?2頁4行) ・「第1図?第2図において,(1)は受口,(2)は挿口であり,…。…受口(1)の開口端外周には鍔部(8)が形成されている。 (9)は,鍔部(8)に係合可能な鉤部(10)と,受口端面(11)に向けて径大となる内周テーパ面(12)とを有し,かつ周方向に2分割されたハクジングである。」(4頁11?末行) ・「内周テーパ面(12)と,挿口(2)外周との間には,その外周面(17)が内周テーパ面(12)に対応したテーパ状をなし,かつ内周の両側端部に2条の掛止刃(18)を有する周方向ひとつ割りのリング状ストッパ(19)が嵌装されている。(20)はハウジング(9)の外周から内周テーパ面(12)に向けて貫入された押ボルトであり,ストッパ(19)の外周面(17)に当接してこのストッパ(19)を挿口(2)外周に押圧させるものである。」(5頁7?14行) ・「上記構成によれば,挿口(2)が抜け出そうとすると,ストッパ(19)が挿口(2)の抜け出し作用に伴って内周テーパ面(12)の径小側へ変位し,内周テーパ面(12)によるくさび作用によりストッパ(19)が縮径されて強く締まり,その内周の掛止刃(18)が挿口(2)外周に喰い込むように一層強く圧着し,挿口(2)の抜け出しを阻止できる。」(6頁9?15行) ・「さらに,ハウジング(9)の分割数も適宜選択し得るものである。」(7頁2?4行) (2) 甲8 甲8には,以下の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 既設管の接続箇所に取り付けることによって既設管どうしの接続箇所における密閉性を保持しつつ伸縮機能を付与可能な補強金具であって,前記既設管に外嵌可能な内径を有する外嵌部と,この外嵌部内側に形成された凹部に内嵌されテーパー状の接当面を有するとともに前記既設管の一方と円周方向に接当する接当部を有していて前記既設管どうしが互いに離間する方向に外力が作用すると前記既設管の一方との接触抵抗が増大する接当部材と,前記既設管どうしが互いに離間する方向に外力が作用した際に前記既設管の他方と係合可能な係合部とを備えていることを特徴とする補強金具。」 ・「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は補強金具に関し,詳しくは,土中埋設水道管などの既設管どうしの接続箇所に耐震性を高めるために取り付ける補強金具に関する。」 ・「【0014】 …図1は,土中埋設水道管などの鋳鉄製既設管1,2の端部接続箇所10を示し,この接続箇所10に本実施形態の補強金具3を取り付けた状態を示す。ここに,既設管1は端部が大径の受け口構造となっており,既設管2は既設管1の端部の受け口構造に挿入される挿入管になっている。… 【0015】…この補強金具3は,既設管1,2に外嵌可能な内径を備えた2つ割り構造になっており,既設菅の接続箇所10近傍の外周面にこの補強金具3を外嵌させた後,側面視で左右両端部に形成されたフランジ部の2箇所をボルト11とナット12の組み合わせにより,既設管に取付・固着できるようになっている。… 【0016】既設管に外嵌する補強金具3の外嵌部たる内側箇所に,既設菅の円周方向に拡がる弧状の接当部材たる爪部材8が4個配設されている。補強金具3が既設菅の外周面に取り付けられ,前記ボルト11とナット12により締めつけ固定された際には,4個の爪部材8の先端が既設菅1,2の外周面に軽く食い込んだ状態になって当接する。これら爪部材8は,後述するように,既設管と当接する接当部たる先端8aが尖ったエッジ状になっているとともに上面8bが既設菅の軸芯方向に対してテーパー状になっていて,両既設菅の離間移動に対して既設管への爪部材8の食い込みが,いわゆる楔効果により増大するようになっている。この爪部材8は,2つ割りの補強金具部分のそれぞれに対して2個,円周方向に並設されており,既設管円周長さの略80%以上と接当するようになっている。… 【0017】図2に示す補強金具3を一方の既設管2に外嵌させ,2つ割り構造をなす断面半円状の各補強金具3の中央部に形成されている断面略L字状の係合部3aを,一方の既設管2が他方の既設管1から離間するような外力が作用した場合に,他方の既設管1のフランジ部1aに引っ掛かる位置に配置することにより,図1(イ)に示すように,係合部3aの内面と他方の既設管1のフランジ部1aとの間に融通代aが生成される。… 【0018】一方の既設管2の外周面に接当する補強金具3の接当部内側には,図3,4にその構造を拡大して示す爪部材8が移動可能に内嵌される凹部9が形成されている。この凹部9の内面上部と爪部材8の上面8bとは互いに平行になっているが,既設管の軸芯方向に対してはテーパー状をなっている。そして,凹部9の内面上部のテーパーは,図1に示すように,両既設管が離間する方向に向かうに従い凹部空間が狭くなるようになっていて,既設管どうしが離間する方向に外力が作用した場合には,一方の既設管2の移動に追随する爪部材8と補強金具の凹部9内面上部との間に楔効果が生じ,凹部9の内面上部が爪部材8の上面8bを押圧する。この押圧作用により,爪部材8の尖った先端8aが一層既設管2の外周面に食い込む。このように,既設管どうしが離間する方向に外力が作用すればするほど両既設菅の離間作用を抑制する効果が働く。 … 【0020】更に,前記爪部材8を説明する。図4に断面形状を拡大して示すように,前記一方の既設管2の外周面に接当する爪部材8の部分に,既設菅2の外周面に沿って延設され拡がる断面略V字状の線状突起8aを,既設菅の軸芯方向に互いに離れて2箇所有する。この略V字状の突起8aが既設管2の外周面に接当しており,既設管2が他方の既設管1とは離間する方向に移動するような事態が生じれば,前述したように,略V字状の突起8aが既設管2の外周面に深く食い込み,突起8aと既設管2の外周面との接当箇所に大きな接触抵抗が生じるようになる。つまり,既設管1,2どうしが離間する方向に外力が作用すると,図1(ロ)に示すように,爪部材の突起8aが既設管2外周面に食い込んだまま,前記融通代aだけ移動し一旦停止する。しかし,更に大きな外力が作用した場合には,凹部9の内面上部と爪部材8の上面8bとの接当面どうしの楔効果により,爪部材の突起8aが一層深く既設管2の外周面に食い込むようになって,既設管2の離間動作を強く抑制する。この間,前記ゴム輪7により水密に維持されていて,管内部の水が漏れ出すようなことはなく,もとより管外側から異物が管内部に混入することもない。」 ・「【0023】更に,その他2つ割り構造の補強金具の代わりに,3つ割り構造,あるいは4つ割り構造などとしてもよい。」 4 甲4に基づく検討 (1) 本件発明1について ア 対比 (ア) 本件発明1と甲4発明とを,その機能に照らして対比すると,甲4発明の「管1」,「受口3」,「管2」,「挿口4」,「耐震構造」,「ハウジング5」は,それぞれ,本件発明1の「一方の管」,「受口」,「他方の管」,「挿口」,「補強金具」,「外嵌部材」に相当する。 (イ) 甲4発明の「ハウジング5」は,本件発明1の「外嵌部材」と同様,分割片よりなり,「内フランジ16」は,その機能に照らして,本件発明1の「係合部」に相当し,甲4発明は,本件発明1と同様,分割片の各々に複数の内フランジ16(係合部)が周方向に離間して設けられている。 (ウ) 甲4発明の「刃部22」,「ロック部材21」は,その機能に照らして,それぞれ,本件発明1の「爪部」,「抜止め部材」に相当する。 (エ) 甲4発明の「セットボルト24」は,ロック部材21(抜止め部材)を径方向内側に押圧するもので,前記受口3から前記挿口4が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,「セットボルト24」は,ロック部材21(抜止め部材)の外周に形成されたテーパ面23を押圧することによって前記ロック部材21(抜止め部材)を前記挿口4側に押圧するものである。「セットボルト24」のこうした機能は楔効果によるものであるから,「セットボルト24」は,本件発明1の「押圧部材」に相当し,「押ボルト」に相当する。 (オ) 甲4発明は,本件発明1と同様に,前記内フランジ16(係合部)と同じ周方向位置に前記ロック部材21(抜止め部材)とそれを押圧する前記セットボルト24(押ボルト)が配置されている。 (カ) そうすると,本件発明1と甲4発明とは,以下の点で一致し,相違する。 (一致点) 「互いに接続される一方の管の端部に形成された受口に,他方の管の端部に形成された挿口を挿入してなる既設管の接続箇所に取り付けられ,その受口挿口間での抜け出しを防止するように構成された補強金具に備えられ,周方向の複数箇所に分割部を有し,前記挿口に外嵌装着される外嵌部材において, 周方向に前記分割部を有して分割片からなり, 前記受口に係合可能なフック状の係合部が設けられ,しかも前記分割片の各々に複数の前記係合部が周方向に離間して設けられていて, 前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり, 前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されている, 補強金具の外嵌部材。」 (相違点1) 本件発明1は,外嵌部材が「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「四つの前記分割片が,二つの第1の分割片と,前記第1の分割片とは前記係合部,前記抜止め部材及び前記押ボルトの数が異なる二つの第2の分割片とからなり,前記第1の分割片と前記第2の分割片とが周方向に交互に配置されている」のに対し,甲4発明は,外嵌部材が二つの分割片からなり,そのように構成されていない点。 イ 判断 甲4には,「ハウジング15」を二つ割りの構成する点が記載されているのみで,これを四つの分割片とすることについて特段記載はない。 甲5,8には,本件発明1や甲4発明と同様の補強金具の外嵌部材について,外嵌部材の分割数を適宜に選択し得ること(甲5),3つ割り,4つ割り構造とし得ること(甲8)が記載され,また,甲9には,甲9発明が記載されているが,いずれの証拠にも,四つの分割片を備えるとともに,抜止め部材及び押ボルトの数を異ならせた二種の分割片を周方向に交互に配置する点は記載されていない。 そうすると,甲4発明において,前記相違点1に係る構成を採用することについて,動機付けは特段認められない。 これに対し,本件発明1は,前記相違点1に係る構成を有することにより,「取り付け作業を安定して簡便に行うことができて離脱防止力に優れる補強金具の外嵌部材を提供すること」(本件特許明細書【0008】)ができる。その上,「既設管の口径が比較的大きい場合(例えば呼び径でφ500以上)には,各分割片…が重量物となるため,それらをクレーンで吊るし上げ,降下作業により上方から装着することが好適である。」ところ(同【0037】), ・ワイヤを繋げてクレーンで吊し上げる際に,頂部に分割部を位置させてバランスよく吊し上げることができ,頂部に位置する分割部を広げる大きさを二分割に比べ小さくできバランスのよい姿勢にすることができる, ・要求される離脱阻止力が大きくなるため,荷重を均等に受けるために,例えば14の係合部,抜止め部材及び押ボルトを配置することが想定され,3つの係合部等をもつ分割片と,4つの係合部等をもつ分割片とが交互に配置される構成は,クレーンで吊し上げた際に左右対称でバランスのよい姿勢とすることができる(図7,9), ・相対的に強度の弱い分割部が周方向に均等に配置されるため,荷重バランスが良好となる, などの所定の効果が期待できる(意見書4?6頁)。これらの点を踏まえると,前記相違点1に係る構成が,単なる設計的事項とは認められない。 このように,甲5,8,9に記載された事項を考慮しても,甲4発明において,前記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは,当業者が容易に想到することができたものとは認められない。 ウ 以上のとおりであるから,本件発明1は,甲4発明及び甲5,8,9に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (2) 本件発明2?4について 本件発明2?4は,本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるところ,既に述べたとおり,本件発明1は,甲4発明及び甲5,8,9に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 そうすると,本件発明2?4は,その余の事項を検討するまでもなく,同様の理由により,甲4発明及び甲5,8,9に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 5 甲9に基づく検討 (1) 本件発明1について ア 対比 (ア) 本件発明1と甲9発明とを,その機能に照らして対比すると,甲9発明の「連結管B」,「受口」,「連結管A」,「挿口」,「管の離脱防止連結具」,「輪本体3」は,それぞれ,本件発明1の「一方の管」,「受口」,「他方の管」,「挿口」,「補強金具」,「外嵌部材」に相当し,甲9発明の「管の離脱防止連結具」が,本件発明1と同様,既設管の接続箇所に取り付けられるものであることは,その構造に照らして明らかである。 (イ) 甲9発明の「輪本体3」は,本件発明1の「外嵌部材」と同様,分割片よりなり,「係止部4」は,その機能に照らして,本件発明1の「係合部」に相当する。 (ウ) 甲9発明の「内側押当部6d」,「駒6」は,その機能に照らして,それぞれ,本件発明1の「爪部」,「抜止め部材」に相当する。 (エ) 甲9発明の「駒6」の「外側押当部6b」は,「前記駒収納部5の天井に押当する」ものであるから,「駒収納部5の天井」は「駒6」を径方向内側に押圧しているといえ,その意味で,「駒収納部5の天井」は,本件発明1の「押圧部材」に相当する。 (オ) そうすると,本件発明1と甲9発明とは,以下の点で一致し,相違する。 (一致点) 「互いに接続される一方の管の端部に形成された受口に,他方の管の端部に形成された挿口を挿入してなる既設管の接続箇所に取り付けられ,その受口挿口間での抜け出しを防止するように構成された補強金具に備えられ,周方向の複数箇所に分割部を有し,前記挿口に外嵌装着される外嵌部材において, 周方向に前記分割部を有して分割片からなり, 前記受口に係合可能なフック状の係合部が設けられていて, 前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられた, 補強金具の外嵌部材。」 (相違点2) 本件発明1は,外嵌部材が「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からな(る)」のに対し,甲9発明は,輪本体3が二つの分割片からなる点。 (相違点3) 本件発明1は,「前記受口に係合可能なフック状の係合部が設けられ,しかも前記分割片の各々に複数の前記係合部が周方向に離間して設けられてい(る)」のに対し,甲9発明は,一方の分割片に複数の係止部4が周方向に離間して設けられているものの,他方の分割片には係止部4は1つしか設けられていない点。 (相違点4) 本件発明1は,「前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであ(る)」のに対し,甲9発明は,そのような構成を備えていない点。 (相違点5) 本件発明1は,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されており」,「四つの前記分割片が,二つの第1の分割片と,前記第1の分割片とは前記係合部,前記抜止め部材及び前記押ボルトの数が異なる二つの第2の分割片とからなり,前記第1の分割片と前記第2の分割片とが周方向に交互に配置されている」のに対し,甲9発明は,係合部と同じ周方向位置に押ボルトは配置されておらず,「四つの前記分割片が,二つの第1の分割片と,前記第1の分割片とは前記係合部,前記抜止め部材及び前記押ボルトの数が異なる二つの第2の分割片とからなり,前記第1の分割片と前記第2の分割片とが周方向に交互に配置されている」なる構成を備えていない点。 イ 判断 甲9発明は,駒収納部5内に収納された駒6が,連結管Aが抜ける方向に動くと,内側押当部6dを支点として回動して内側押当部6dが挿口の外周面Dに食い込むことで,管の離脱を防止するものであるが,甲4,5に記載された事項を考慮しても,甲9発明において,駒収納部5内で当該駒6が回動することに代えて,楔効果によって抜止め部材を挿口側に押圧する押ボルトを採用する(相違点4)理由は特段認められない。 そして,甲9発明において,このような押ボルトを採用することを前提に,輪本体3を,四つの分割片からなるものとし(相違点2),分割片の各々に複数の係止部4を周方向に離間して設けるとともに(相違点3),係止部4と同じ周方向位置に駒6とそれを押圧する押ボルトを配置し,四つの分割片が,二つの第1の分割片と,第1の分割片とは係止部4,駒6及び押ボルトの数が異なる二つの第2の分割片とからなり,第1の分割片と第2の分割片とを周方向に交互に配置する(相違点5),といった構成とする動機付けは認められない。 また,甲5,8には,本件発明1や甲4発明と同様の補強金具の外嵌部材について,分割数を適宜に選択し得ること(甲5),3つ割り,4つ割り構造とし得ること(甲8)が記載され,甲4には,甲4発明が記載されているが,いずれの証拠にも,四つの分割片を備えるとともに,抜止め部材及び押ボルトの数を異ならせた二種の分割片を周方向に交互に配置する点は記載されていない。 これに対し,本件発明1は,既に述べたとおりの効果が期待できるものであって(前記(1)イ),前記相違点2?5に係る構成が単なる設計的事項とは認められない。 このように,甲5,8,4に記載された事項を考慮しても,甲9発明において,前記相違点2?5に係る本件発明1の構成とすることは,当業者が容易に想到することができたものとは認められない。 ウ 以上のとおりであるから,本件発明1は,甲9発明及び甲5,8,4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 (2) 本件発明2?4について 本件発明2?4は,本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるところ,既に述べたとおり,本件発明1は,甲9発明及び甲5,8,4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 そうすると,本件発明2?4は,その余の事項を検討するまでもなく,同様の理由により,甲9発明及び甲5,8,4に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立ての理由について 1 29条2項違反について (1) 既に述べたとおり(前記第1),本件特許出願は,甲3に係る出願の一部を新たな特許出願とした甲2に係る出願について,その一部を新たな特許出願とした甲1に係る出願の一部を,さらに新たな特許出願としたものである。 そして,本件発明は,外嵌部材が,「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり」,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」ものであるところ(前記第2),申立人は,この点に関し,甲1?3に係る出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面(以下,それぞれ,証拠の番号に従って「甲1当初明細書等」などという。)に記載された事項とは認められないから,本件特許出願は分割要件を満たしていない旨主張し,それを前提に,本件発明が,甲1に記載された発明及び甲4,5に記載された事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。 (2) そこで,甲1当初明細書等?甲3当初明細書等の記載内容を確認するに,まず,甲3当初明細書等には次の事項が記載されている。 ・「【0019】 [第1実施形態] 図1は,既設管としての流体管P1,P2の接続箇所に,本発明の第1実施形態に係る補強金具10を取り付けた状態を示す側面図である。この接続箇所では,互いに接続される一方の管P1の端部に形成された受口1に,他方の管P2の端部に形成された挿口2が挿入され,その受口挿口間での抜け出しを補強金具10により防止している。」 ・「【0021】 補強金具10は,流体管P1,P2の接続箇所に取り付けられ,受口挿口間での抜け出しを防止するように構成されている。補強金具10は,周方向の複数箇所に分割部15を有し,挿口2に外嵌装着される外嵌部材11と,外嵌部材11から管軸方向に延びて受口1の外周側に達し,受口挿口間に抜け出し力が作用したときに受口1に係合可能な係合部12と,挿口2の外周面に食い込み可能な爪部14を有し,外嵌部材11の内周側にて周方向の複数箇所に配設された抜止め部材13とを備える。」 ・「【0034】 図2に示すように,本実施形態では,両分割面15a,15bの間に隙間Gを設けて分割部15を閉じた状態で,その両分割面15a,15bから突出した爪部14同士が管軸方向に重なるように配置される。これにより,分割部15において爪部14の接触領域を連続させ易くなり,挿口2の外径のバラツキにも対応することができる。本実施形態では,分割部15に隙間Gを設けた状態で,各抜止め部材13の内周面が挿口2の外周面に当接し,そこから締結具17を締め付けることで爪部14が食い込むように構成しているため,分割部15に隙間Gを設ける必要があり,かかる構成が特に有用となる。 【0035】 この補強金具10を管P1,P2の接続箇所に取り付けるに際しては,図4に示す状態から分割片11A,11Bを近接させて分割部15を閉じ,挿口2に外嵌部材11を外嵌装着して,爪部14の先端が挿口2の外周面に軽く食い込むまで締結具17を締め付ければよい。受口挿口間に抜け出し力が作用した場合には,既述のように挿口2への爪部14の食い込みが楔効果により増大する。」 ・「【0037】 本実施形態は,外嵌部材11が挿口2を図2の上下方向から挟み込むため,各分割片11A,11Bの中央に配設された抜止め部材13では,締結具17の締め付けにより爪部14が挿口2に均等に押し付けられる。しかし,その他の抜止め部材13では,偏って押し付けられることにより楔効果に支障を来たす恐れがある。そのような懸念がある場合には,抜止め部材13を径方向内側に押圧する押圧部材を設けることが有用である。 【0038】 例えば,各分割片11A,11Bの両端に配設された抜止め部材13に,図6のような押ボルト7を設けておけば,外嵌部材11を装着した後,押ボルト7を操作して抜止め部材13を挿口2側に押圧することで,爪部14を均等に押し付けることができる。これにより,受口挿口間に抜け出し力が作用した際には,各抜止め部材13における楔効果を偏りなく発現して,離脱防止力の改善効果を確保できる。 【0039】 上記では,両分割面15a,15bの間に隙間Gを設け,締結具17の締め付けにより爪部14が食い込むように構成した例を示したが,本発明はこれに限られず,分割部15を閉じたときに両分割面15a,15bの間に隙間が設けられないものでも構わない。その場合,締結具17の締め付けにより爪部14を食い込ませることができないため,図6の押ボルト7のような押圧部材を抜止め部材13の各々に設置することが好ましい。」 ・「【0040】 [第2実施形態] 図7は,本発明の第2実施形態に係る補強金具20を管軸方向に沿って見た図である。この補強金具20は,以下に説明する構成の他は,前述した補強金具10と略同様の構成・作用であるので,共通点を省略して主に相違点について説明する。 【0041】 補強金具20は,周方向の四箇所に分割部25を有し,四つの分割片21A?21Dからなる外嵌部材21を備える。係合部22及び抜止め部材23は,周方向の十四箇所に設けられ,分割片21A及び分割片21Cに四つずつ,分割片21B及び分割片21Dに三つずつ割り当てられている。第1実施形態と同様に,分割部25の各々では,両分割面から爪部24が突出し,その突出した爪部24同士が管軸方向に重なるように配置されている。 【0042】 各分割部25には,ボルトとナットからなる締結具27が挿通される挿通孔26aと,分割部25を閉じた状態にて径方向外側に向かって互いから遠ざかる方向に延びる一対の当接面28とを有するフランジ26が設けられている。本実施形態では,フランジ26が図8に示すように三つの挿通孔26aを有しており,その中の一つの挿通孔26a1が長穴状に形成されている。 【0043】 施工時においては,作業者の負担軽減と施工時間の短縮を図るべく,分割片21A?21Dを予め仮組みし,それを管P1,P2の接続箇所に取り付けることが望ましい。また,既設管の口径が比較的大きい場合(例えば呼び径でφ500以上)には,各分割片21A?21Dが重量物となるため,それらをクレーンで吊るし上げ,降下作業により上方から装着することが好適である。 【0044】 図9は,仮組みした補強金具20を吊るし上げた様子を示している。分割片21Aと分割片21Bに結び付けたワイヤ8の上端は,不図示のクレーンに繋がれている。各分割部25では,分割片21Cと分割片21Dとの間を除き,締結具27を緩目に締結している。このとき,テーパ状に傾斜した一対の当接面28を互いに当接させることで,分割部25がV字状に開くようにガイドし,仮組みによる取り付け作業を安定して簡便に行うことができる。また,分割部25をV字状に開くことで,両分割面から突出した爪部24同士を周方向に離間させ,それらが施工時に干渉して損傷することを防止できる。 【0045】 この仮組み状態では,長穴状に形成された挿通孔26a1にのみ締結具27を挿通しており,挿通孔26aに締結具27を挿通した状態でも分割部25をV字状に開けるようにしている。この仮組みした補強金具20を降下させて,管P1,P2の接続箇所に上方から外嵌し,各挿通孔26aに挿通した締結具27を締め付けて分割部25を閉じれば,図7の状態となる。このように,本実施形態によれば,外嵌部材21を挿口2に外嵌装着する作業が安定して簡便になる。」 また,甲3当初明細書等には,本件特許と同じ内容の図面が開示されている(図1?13)。 以上の記載からすると,甲3当初明細書等には, ・第1実施形態に係る各分割片11A,11Bの中央以外に配設された抜止め部材13では,締結具17の締め付けにより爪部14が挿口2に偏って押し付けられることにより楔効果に支障を来たす恐れがあり,そのような懸念がある場合には,抜止め部材13を径方向内側に押圧する押圧部材を設けることが有用であり,例えば,各分割片11A,11Bの両端に配設された抜止め部材13に,図6のような押ボルト7を設け,押ボルト7を操作して抜止め部材13を挿口2側に押圧することで,爪部14を均等に押し付けることができ,これにより,受口挿口間に抜け出し力が作用した際には,各抜止め部材13における楔効果を偏りなく発現して,離脱防止力の改善効果を確保できること ・分割部15を閉じたときに両分割面15a,15bの間に隙間が設けられないものの場合,締結具17の締め付けにより爪部14を食い込ませることができないため,図6の押ボルト7のような押圧部材を抜止め部材13の各々に設置することが好ましいこと ・第2実施形態に係る補強金具20(図7)は,【0041】?【0045】,図7?9に記載された構成の他は,第1実施形態に係る補強金具10と略同様の構成・作用を有すること が記載されていることがわかる。 また,当該押圧部材である当該押ボルト7に係る構成は,二つの分割片からなる外嵌部材に特有のものではなく,四つの分割片からなる外嵌部材においても採用可能な構成であることは技術的に明らかである。 そして,第2実施形態に係る外嵌部材21は,分割部25を閉じたときに両分割面の間に隙間が設けられておらず(図7),甲3当初明細書等には第2実施形態に関し,抜止め部材13を押圧する構成について特段記載がないことからすると,外嵌部材21において,押圧部材である楔効果を発揮する押ボルト7を,抜止め部材13の各々に設置しているものと認められる。 このように,甲3当初明細書等には,外嵌部材が,「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり」,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」点が記載されているものと認められる。 甲2当初明細書等,甲1当初明細書等についても,甲3当初明細書等と同等の記載が認められる。 そうすると,本件発明に係る,外嵌部材が,「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり」,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」点は,甲1当初明細書等?甲3当初明細書等に記載された事項と認められるから,この点に関して,本件特許出願が分割要件を満たしていないとは認められない。 (3) 以上のとおりであるから,本件特許出願は,甲3に係る出願の時にしたものとみなされる(特許法44条2項)。 よって,甲1は本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物とは認められないから,このような甲1を前提に,本件発明の特許法29条2項違反をいうことはできない。 2 特許法17条の2第3項違反について (1) 本件発明は,「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり」,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」ものであるが(前記第2),この「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」点は,手続補正により新たに加えられた事項である(甲7)。 申立人は,この点に関し,本件特許出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面(以下「本件当初明細書等」という。甲6)に記載された事項の範囲内のものではないから,当該補正は新規事項を追加したものである旨主張している。 (2) そこで,本件当初明細書等を確認すると,本件当初明細書等には次の事項が記載されている。 ・「【0031】 本実施形態は,外嵌部材11が挿口2を図2の上下方向から挟み込むため,各分割片11A,11Bの中央に配設された抜止め部材13では,締結具17の締め付けにより爪部14が挿口2に均等に押し付けられる。しかし,その他の抜止め部材13では,偏って押し付けられることにより楔効果に支障を来たす恐れがある。そのような懸念がある場合には,抜止め部材13を径方向内側に押圧する押圧部材を設けることが有用である。 【0032】 例えば,各分割片11A,11Bの両端に配設された抜止め部材13に,図6のような押ボルト7を設けておけば,外嵌部材11を装着した後,押ボルト7を操作して抜止め部材13を挿口2側に押圧することで,爪部14を均等に押し付けることができる。これにより,受口挿口間に抜け出し力が作用した際には,各抜止め部材13における楔効果を偏りなく発現して,離脱防止力の改善効果を確保できる。 【0033】 上記では,両分割面15a,15bの間に隙間Gを設け,締結具17の締め付けにより爪部14が食い込むように構成した例を示したが,本発明はこれに限られず,分割部15を閉じたときに両分割面15a,15bの間に隙間が設けられないものでも構わない。その場合,締結具17の締め付けにより爪部14を食い込ませることができないため,図6の押ボルト7のような押圧部材を抜止め部材13の各々に設置することが好ましい。 【0034】 [本発明の実施形態] 図7は,本発明に係る外嵌部材21を備える補強金具20を管軸方向に沿って見た図である。この補強金具20は,以下に説明する構成の他は,前述した補強金具10と略同様の構成・作用であるので,共通点を省略して主に相違点について説明する。なお,本発明に係る外嵌部材では,抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,その押圧部材は,受口から挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって抜止め部材を挿口側に押圧する押ボルトであるが,この点は上述の通りである。 【0035】 補強金具20は,周方向の四箇所に分割部25を有し,四つの分割片21A?21Dからなる外嵌部材21を備える。係合部22及び抜止め部材23は,周方向の十四箇所に設けられ,分割片21A及び分割片21Cに四つずつ,分割片21B及び分割片21Dに三つずつ割り当てられている。参考実施形態と同様に,分割部25の各々では,両分割面から爪部24が突出し,その突出した爪部24同士が管軸方向に重なるように配置されている。」 このように,実施形態の外嵌部材21は,図6に記載のような,抜止め部材23を径方向内側に押圧する押圧部材であって,押ボルトが設けられたものであることがわかる。 そして,図7において,係合部22と同じ周方向位置に抜止め部材23が配置されていることが見て取れる。 そうすると,本件当初明細書等には,係合部と同じ周方向位置に抜止め部材とそれを押圧する押ボルトが配置されている点が記載されていると認められるから,当該補正は新規事項を追加したものであるとは認められない。 (3) よって,当該補正は,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとは認められない。 3 特許法36条6項1号違反について 既に述べたとおり,本件発明は,「周方向の四箇所に前記分割部を有して四つの分割片からなり」,「前記挿口の外周面に食い込み可能な爪部を有する複数の抜止め部材を径方向内側に押圧する押圧部材が設けられ,前記押圧部材が,前記受口から前記挿口が管軸方向に離脱する外力が作用したときに,楔効果によって前記抜止め部材を前記挿口側に押圧する押ボルトであり」,「前記係合部と同じ周方向位置に前記抜止め部材とそれを押圧する前記押ボルトが配置されて(いる)」ものである(前記第2)。 申立人は,この点に関し,本件特許明細書の発明の詳細な説明の実施例にサポートされていない旨主張している。 しかしながら,本件特許明細書等には,既に検討した本件当初明細書等と同じ内容(前記2(2))の記載があるから,本件発明は発明の詳細な説明の実施例においてサポートされていないとは認められない。 よって,本件特許請求の範囲の記載は,特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていないとは認められない。 第6 むすび 以上のとおり,本件の請求項1?4に係る特許は,特許法29条2項の規定に違反してされたものとは認められず,同法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものとは認められないとともに,同法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものとは認められないから,前記取消理由及び特許異議申立ての理由により取り消すことはできない。 また,他に本件の請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-07-27 |
出願番号 | 特願2016-7976(P2016-7976) |
審決分類 |
P
1
651・
537-
Y
(F16L)
P 1 651・ 121- Y (F16L) P 1 651・ 561- Y (F16L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 黒石 孝志 |
特許庁審判長 |
山崎 勝司 |
特許庁審判官 |
窪田 治彦 井上 哲男 |
登録日 | 2017-07-28 |
登録番号 | 特許第6182226号(P6182226) |
権利者 | 株式会社水道技術開発機構 |
発明の名称 | 補強金具の外嵌部材 |
代理人 | 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 |