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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1343885
異議申立番号 異議2017-700703  
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-20 
確定日 2018-08-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6068701号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6068701号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6068701号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6068701号(以下、「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成22年10月6日に出願した特願2010-226309号の一部を平成28年3月16日に新たな特許出願(特願2016-51826号)としたものであって、平成29年1月6日にその特許権の設定登録がされ、その後、同年7月20日付けで特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より請求項1について特許異議の申立てがされ、当審において同年9月19日付けで取消理由が通知され、同年11月17日付けで意見書が提出されるとともに訂正の請求がされ、同年12月13日付けで訂正拒絶理由が通知され、平成30年1月18日付けで意見書が提出され、同年2月8日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年4月13日付けで意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、これに対して、特許異議申立人より同年6月11日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求に係る訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、」の後に、
「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」を加える。
なお、下線は訂正箇所を示す。以下、同様。

(2)訂正事項2
上記訂正事項1の「該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」の後に、
「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」を加える。

(3)訂正事項3
上記訂正事項2の「前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」の後に、
「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」を加える。

(4)訂正事項4
上記訂正事項3の「前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」の後に、
「前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」を加える。

(5)訂正事項5
上記訂正事項4の「前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」の後に、
「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、」を加える。

(6)訂正事項6
願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0006】に
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。」とあるのを、
「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。」に訂正する。

2 訂正の適否の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0107】の「第1ガイド溝部283aは直線状であるのに対し、第2ガイド溝部283bは円弧状に形成されており、第2ガイド溝部283bは、第1ガイド溝部283aに対して屈曲部283cから所定角度後向きに屈曲されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図12、17、21より、「左右方向(第1の方向)に直線状に延びる役物連結用後溝282L(第1溝)と、」「該役物連結用後溝282L(第1溝)に平行に並設され左右方向(第1の方向)に直線状に延びる役物連結用前溝281L(第2溝)と、」「役物連結用後溝282L(第1溝)と役物連結用前溝281L(第2溝)とに平行に並設され左右方向(第1の方向)に直線状に延びる第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)と、該第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)に連続し後方向(第2の方向)に円弧状に延びる第2ガイド溝部283b(第2ガイド溝部)とから構成される役物用ガイド溝283L(第3溝)と、」「左右方向(第3の方向)に直線状に延びる役物連結用後溝282R(第4溝)と、」「該役物連結用後溝282R(第4溝)に平行に並設され左右方向(第3の方向)に直線状に延びる役物連結用前溝281R(第5溝)と、」「役物連結用後溝282R(第4溝)と役物連結用前溝281R(第5溝)とに平行に並設され左右方向(第3の方向)に直線状に延びる第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)と、該第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)に連続し後方向(第4の方向)に円弧状に延びる第2ガイド溝部283b(第4ガイド溝部)とから構成される役物用ガイド溝283R(第6溝)と、」「を備え、」なる訂正事項が導き出せる。

したがって、上記訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図12、17、20、21より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)と第2部材230b(第2可動部)とを左右方向(第1の方向)に案内する第1案内部は、役物連結用後溝282L(第1溝)と、役物連結用前溝281L(第2溝)と、役物用ガイド溝283L(第3溝)の第1ガイド溝部283a(第1ガイド溝部)とから構成され、」「前記第1案内部に案内された役物230Lの第2部材230b(第2可動部)をヒンジ347L(屈曲部)中心に屈曲させて、後方向(第2の方向)に移動案内する第2案内部は、役物用ガイド溝283L(第3溝)の第2ガイド溝部283b(第2ガイド溝部)から構成され、」「役物230Rの第1部材230a(第3可動部)と第2部材230b(第4可動部)とを左右方向(第3の方向)に案内する第3案内部は、役物連結用後溝282R(第4溝)と、役物連結用前溝281R(第5溝)と、役物用ガイド溝283R(第6溝)の第1ガイド溝部283a(第3ガイド溝部)とから構成され、」「前記第3案内部に案内された役物230Rの第2部材230b(第4可動部)をヒンジ347R(屈曲部)中心に屈曲させて、後方向(第4の方向)に移動案内する第4案内部は、役物用ガイド溝283R(第6溝)の第2ガイド溝部283b(第4ガイド溝部)から構成され、」なる事項が導き出せる。

したがって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0142】の「第1部材230aの底面には、図18に示すように、取付ネジ341aのネジ穴が下端面に形成された取付ボス346aが下向きに突設されているとともに、取付ネジ341bのネジ穴が下端面に形成された左右一対の取付ボス346bが下向きに突設されている。よって、第1部材230aは、役物連結用後溝282Lに上方から挿通された取付ボス346aの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342aに下方から取り付けられた取付ネジ341aを螺入するとともに、役物連結用前溝281Lに上方から挿通された取付ボス346bの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342bに下方から取り付けられた取付ネジ341bを螺入することで、ベース板336b上に起立姿勢で立設支持される。」なる記載、本件特許明細書の【0144】の「一方、第2部材230bは、第1部材230aにヒンジ347Lを介して上下方向を向く軸周りに屈曲可能に連結されている。また、左端部には、役物用ガイド溝283L内に嵌挿されて移動案内されるガイド支柱348Lが下方に向けて突設されている。」なる記載、及び図17、18、20、21より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)は、役物連結用後溝282L(第1溝)に挿通される取付ボス346a(第1支持部)と、役物連結用前溝281L(第2溝)の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される左右一対の取付ボス346b(第2支持部及び第3支持部)とを備え、」「役物230Lの第2可動部230b(第2可動部)は、役物用ガイド溝283L(第3溝)に挿通されるガイド支柱348L(第4支持部)を備え、」「役物230Lの第1部材230a(第3可動部)は、役物連結用後溝282R(第4溝)に挿通される取付ボス346a(第5支持部)と、役物連結用前溝281R(第5溝)の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される左右一対の取付ボス346b(第6支持部及び第7支持部)とを備え、」「役物230Rの第2可動部230b(第4可動部)は、役物用ガイド溝283R(第6溝)に挿通されるガイド支柱348L(第4支持部)を備え、」なる事項が導き出せる。

したがって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0105】の「シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L、230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L、281Rおよび役物連結用後溝282L、282R間には、役物230L、230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L、283Rが形成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0106】の「役物用ガイド溝283L、283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L、282Rや役物用ガイド溝283L、283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。」なる記載、本件特許明細書の【0141】の「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。」なる記載、本件特許明細書の【0142】の「第1部材230aの底面には、図18に示すように、取付ネジ341aのネジ穴が下端面に形成された取付ボス346aが下向きに突設されているとともに、取付ネジ341bのネジ穴が下端面に形成された左右一対の取付ボス346bが下向きに突設されている。よって、第1部材230aは、役物連結用後溝282Lに上方から挿通された取付ボス346aの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342aに下方から取り付けられた取付ネジ341aを螺入するとともに、役物連結用前溝281Lに上方から挿通された取付ボス346bの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342bに下方から取り付けられた取付ネジ341bを螺入することで、ベース板336b上に起立姿勢で立設支持される。」なる記載、本件特許明細書の【0144】の「一方、第2部材230bは、第1部材230aにヒンジ347Lを介して上下方向を向く軸周りに屈曲可能に連結されている。また、左端部には、役物用ガイド溝283L内に嵌挿されて移動案内されるガイド支柱348Lが下方に向けて突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「・・・分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図17、18、20、21より、「役物連結用後溝282L(第1溝)は、役物230Lの第1部材230aの取付ボス346a(第1支持部)を案内し、」「役物連結用前溝281L(第2溝)は、役物230Lの第1部材230aの左右一対の取付ボス346b(第2支持部及び第3支持部)を案内し、」「役物用ガイド溝283L(第3溝)は、役物230Lの第2部材230bのガイド支柱348L(第4支持部)を案内し、」「役物連結用後溝282R(第4溝)は、役物230Rの第1部材230aの取付ボス346a(第5支持部)を案内し、」「役物連結用前溝281R(第5溝)は、役物230Rの第1部材230aの左右一対の取付ボス346b(第6支持部及び第7支持部)を案内し、」「役物用ガイド溝283R(第6溝)は、役物230Rの第2部材230bのガイド支柱348R(第8支持部)を案内し、」なる事項が導き出せる。

したがって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから、当該訂正事項5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0137】の「駆動部材336Lは、特に図19(b)(c)に示すように、駆動軸335Lの外周に環装される円筒状のガイド筒336aと、該ガイド筒336aの側部に連設されるベース板336bと、から構成されている。ガイド筒336aは、その内面所定箇所に螺旋溝334に係合する係合凸部340(図20参照)が突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0138】の「ベース板336bには、役物230Lを取り付けるための取付ネジ341a(図18参照)が取り付けられる取付孔342aと、取付ネジ341b(図18参照)が取り付けられる取付孔342bが形成されているとともに、取付孔342bの側方には、支持ボス343がそれぞれ上向きに突設されている。」なる記載、本件特許明細書の【0147】の「ここで、役物モータ56Lにより駆動ギヤ331Lが回転され、これに伴い従動ギヤ332L、333Lが回転することで、駆動軸335Lが軸心周りに回転する。これにより、螺旋溝334に係合凸部340を介して係合されている駆動部材336Lは、ガイドレール349と下板202とにより上下から挟まれて駆動軸335Lの軸心周りの回動が規制されていることで、駆動軸335Lの回転により合体位置に向けて右側に移動していく。そして、役物230Lが右側に移動して、取付ボス346a、346bが役物連結用前溝281Lおよび役物連結用後溝282Lの右端部に到達し、また、ガイド支柱348Lが役物用ガイド溝283Lの右端部に到達するとともに、被検出片345が役物センサ57bにより検出されることにより役物モータ56Lの駆動が停止することで、役物230Lは合体位置に停止される。」なる記載、本件特許明細書の【0182】の「また、第1部材230aに対してヒンジ347L、347Rを介して屈曲可能に設けられる第2部材230bと、から少なくとも構成される役物230L、230Rを、分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L、330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L、347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、」なる記載、及び図19、20より、「役物230Lの第1部材230a(第1可動部)は、役物モータ56L及び駆動部材336L(第1駆動手段)の駆動により、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Lの第1部材230aに対してヒンジ347Lを介して屈曲可能に設けられる役物230Lの第2可動部230b(第2可動部)は、役物モータ56L及び駆動部材336L(第1駆動手段)による役物230Lの第1可動部230a(第1可動部)の移動に追従して、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Rの第1部材230a(第3可動部)は、役物モータ56R及び駆動部材336R(第2駆動手段)の駆動により、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」「役物230Rの第1部材230aに対してヒンジ347Rを介して屈曲可能に設けられる役物230Rの第2可動部230b(第4可動部)は、役物モータ56R及び駆動部材336R(第2駆動手段)による役物230Rの第1可動部230a(第3可動部)の移動に追従して、合体位置(重畳部)から分離位置(非重畳部)へ移動し、」なる事項が導き出せる。

したがって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、上記「(1)訂正事項1」?「(5)訂正事項5」の訂正に伴い、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【0006】の不明瞭な記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから、当該訂正事項6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項6に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る訂正事項1?5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、訂正事項6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(A?N4は、特許権者及び特許異議申立人の主張を考慮して、当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技が可能な遊技機であって、
B 前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
C 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
D 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
E 前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
F 前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
G 前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
H 前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
J1 前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
J2 該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
J3 前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
J4 前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
J5 該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
J6 前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
K1 前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
K2 前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
K3 前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
K4 前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
L1 前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
L2 前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
L3 前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
L4 前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
M1 前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
M2 前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
M3 前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
M4 前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
M5 前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
M6 前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
N1 前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N2 前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N3 前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N4 前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
I 前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴とする遊技機。」

2 特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるか、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号及び特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2009-160229号公報

3 平成29年9月19日付け取消理由の概要
平成29年9月19日付け取消理由通知は、訂正前の請求項1に係る発明は、特許異議申立人が甲第1号証として提出した特開2009-160229号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、とするものである。

4 平成30年2月8日付け取消理由(決定の予告)の概要
平成29年11月17日付け訂正請求書の請求項1に係る特許に対して平成30年2月8日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。

(1)訂正の適否
訂正後の請求項1に係る発明は、「前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部」(下線は、当審で付与。)と特定されているところ、訂正前の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面において、第1案内部を構成する「役物連結用後溝282L」(第1溝)及び「役物連結用前溝281L」(第2溝)が、「第2部材230b」(第2可動部)を移動案内するように構成する点は記載されていないから、訂正後の請求項1について訂正することを認めない。

(2)特許法第29条第2項について
訂正は認められないから、訂正前の請求項1に係る発明は、特許異議申立人が甲第1号証として提出した特開2009-160229号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

5 平成30年6月11日付け意見書(特許異議申立人)の概要
特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、証拠方法として甲第2?3号証を提出し、ア)本件訂正は適法なものではなく、イ)本件訂正が適法であったとしても、本件特許の請求項1における訂正事項1?5の構成は、甲第1号証に記載された発明および周知技術(甲第2?3号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、ウ)本件は本来不適法な分割出願である旨主張している。

6 刊行物の記載
(1)甲第1号証(特開2009-160229号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審にて付した。以下同じ。)。

(1-a)「【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。」

(1-b)「【0059】
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左側部には、スルーゲート34が配置されている。このスルーゲートは、遊技球の通過によって、所定の抽選が行われて当選が出た結果、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車32が配設されている。」

(1-c)「【0129】
図42および図43に示すように、シャッタユニット44の左側にはレール形成部材443Lが配置されている。レール形成部材443Lは、上下にやや長く延び、上端部に、上下方向にやや幅狭で後方にやや長く延出する上延出部443Tを有するとともに、下端部に、上下方向にやや幅広で後方にやや短く延出する下延出部443Bを有する、概略コ字形状の平板状に樹脂を成形してなる部材であり、シャッタユニット44の左側面部を構成している。
レール形成部材443Lの内側面には、前側端縁に沿って上下に直線状に延びる縦レール443Aが形成され、該縦レール443Aの上端部および下端部にそれぞれ隣接して後方に延びる上レール443Bおよび下レール443Cが形成されている。縦レール443Aは、レール形成部材443Lを厚み方向に貫通するように形成され、また、中央部に仕切板443Sが形成されて上下に仕切られている。上レール443Bは、縦レール443Aの中央よりやや上方の高さ位置から、該縦レール443Aの後側に隣接しながら上方に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から、前記上延出部443T内を緩い角度で上傾しながら後方に延びていて、全体として「へ」の字形状をなすように形成されている。下レール443Cは、縦レール443Aの下端よりやや上方の高さ位置において該縦レール443Aの後側に隣接する位置から、前記下延出部443B内を急角度で下傾しながら後方に直線状に延びるように形成されている。
レール形成部材443Lの内側面において、上記縦レール443A、上レール443Bおよび下レール443Cにより前側、上側および下側を包囲される領域には、この領域に対応する形状を有する平板状の内装部材444Lが取り付けられる。」

(1-d)「【0135】
図42および図43に示すように上側部材441は、概略横長の長方形状の平板状の部材となっており、裏面側は垂直面、表面側は上端から下端にかけて緩やかに湾曲しながら漸次前方に膨出する形状となっている。上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、両分割体441H、441Lは境界に沿って一直線に並ぶように裏面側の左右両端部に形成された軸挿通部(図示せず)に軸ピン441Pが両側からそれぞれ挿通されることにより、回動自在に連結されている。即ち、遮蔽部材441、442の一部をなす上側部材441が、該上側部材441のスライド方向に沿って並置された複数の部材すなわち上下の両分割体441H、441Lが回動可能に連結された構成となっている。なお上記軸ピン441Pは、両分割体441H、441Lを折り畳んだ状態でのみ着脱することができ、両分割体441H、441Lが一平面上に位置するように開いた状態では脱落し得ない構成となっている。
【0136】
上記上側の分割体441Hにおける両側面の上端部ならびに下側の分割体441Lにおける両側面の後上の隅部には、それぞれスライダ458A、458Bが両側から取り付けられ、両スライダ458A、458Bは前記上レール443Bに係合して該上レール443B内にスライド自在に保持される構成となっている。下側の分割体441Lにおける両側面の前下の隅部には、先端より係合ピンがさらに突出した構成を有するスライダ(以下、係合スライダとも称す)459が両側から取り付けられており、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持されるとともに、該係合スライダ459の係合ピンがレール形成部材443R、443Lを貫通し、前記シャッタ駆動機構445R、445Lにおける一方のラック447Tの上端に形成された係合孔に挿通されて係合し、該ラック447Tの上下動にともなって上下動する構成となっている。
・・・
【0138】
上記下側部材442における両側面の下端部には、前記上側部材441に取り付けられたスライダ458A、458Bと同一構成のスライダ458がそれぞれ両側から取り付けられ、該スライダ458は前記下レール443Cに係合して該下レール443C内にスライド自在に保持される構成となっている。上記下側部材442における両側面の前上の隅部には、前記上側部材441に取り付けられたものと同一の係合スライダ459が両側から取り付けられており、前記上側部材441の場合と同様に、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持されるとともに、該係合スライダ459の係合ピンがレール形成部材443R、443Lを貫通し、前記シャッタ駆動機構445R、445Lにおける他方のラック447Bの下端に形成された係合孔に挿通されて係合し、該ラック447Bの上下動にともなって上下動する構成となっている。なお、左右のピニオン446R、446Lの回転方向が反転する配置となっていることから、上側部材441の左側を駆動するラック447Tは前側に配置され、右側を駆動するラック447Tは後側に配置されており、主としてこの点で、左右のシャッタ駆動機構445R、445Lの構成は全的には左右対称となっていない。上側部材441の左側を駆動するラック447Tとしては下側部材442の右側を駆動するラック447Bと同一の部材が使用され、上側部材441の右側を駆動するラック447Tとしては下側部材442の左側を駆動するラック447Bと同一の部材が使用されている。換言すれば、右側のシャッタ駆動機構445Rの2本のラック447T、447Bと、左側のシャッタ駆動機構445Lの2本のラック447T、447Bとは、前後方向に延びる直線を軸として180°回転させると重なる関係(前後方向に延びる直線に関して対称)となっている。
【0139】
遮蔽部材441、442が閉じた状態では、図45(a)(あるいは図36および図42)に示すように、上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443Aの中央部の仕切板443Sを挟んで上下に近接して並び、上側部材441の係合スライダ459に係合するラック(以下、上側ラックとも称す)447Tは最も下方に、下側部材442の係合スライダ459に係合するラック(以下、下側ラックとも称す)447Bは最も上方にそれぞれ位置している。この時点で上側部材441および下側部材442の係合スライダ459およびスライダ458A、458B、458が位置する各点は、上側部材441および下側部材442が閉じた状態にあるときの位置であるから、即ちこれが閉位置に相当する。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たり、上側部材441の下端面と下側部材442の上端面とは互いに重なり合って前方からは見えない体勢にあり、図42に示すように、遮蔽部材441、442が全体として前記したような側面視概略弓形状の平板状の形状を有する閉塞板を構成して、図5に示すように前記装飾図柄表示装置42の表示面を覆うようになっている。
【0140】
モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、図44(b)(c)(あるいは図41および図43)に示すように、上側ラック447Tは上方へ、下側ラック447Bは下方へそれぞれ移動し、これにともなって上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。このとき、図中に明示されているように、上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。上下の両分割体441H、441Lは回動可能に連結されているので、上側部材441はこの連結部分でやや折曲するようにして、上レール443Bの屈曲形状に追随しながら移動する。一方これと同時に、下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内される。この図44(c)に示す時点で上側部材441および下側部材442の係合スライダ459およびスライダ458A、458B、458が位置する各点は、上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、即ちこれが開位置に相当し、より厳密には全開位置ともいうべきものである。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが上下に大きく離隔し、即ち図4に示すように、遮蔽部材441、442が開放されて、前記装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見するようになっている。またこのとき、上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向および前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となっている。」

上記(1-a)?(1-d)の記載事項から、以下(1-e)?(1-i)の事項が導かれる。

(1-e)段落【0139】には、「遮蔽部材441、442が閉じた状態では、・・・上側部材441の下端面と下側部材442の上端面とは互いに重なり合って前方からは見えない体勢にあり、図42に示すように、遮蔽部材441、442が全体として前記したような側面視概略弓形状の平板状の形状を有する閉塞板を構成して、図5に示すように前記装飾図柄表示装置42の表示面を覆うようになっている。」と記載されているから、甲第1号証には、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態となる、上側部材441と下側部材442とが記載されているといえる。
また、段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、・・・下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、・・・上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、即ちこれが開位置に相当し、より厳密には全開位置ともいうべきものである。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが上下に大きく離隔し、即ち図4に示すように、遮蔽部材441、442が開放されて、前記装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見するようになっている。」と記載されており、上記段落【0139】の記載を参酌すると、上側部材441及び下側部材442は、上記装飾図柄表示装置42の表示面を多う綴じた状態から、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置へ、それぞれ上側、下側で移動するといえる。
よって、甲第1号証には、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441、及び、装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442が記載されているといえる。

(1-f)段落【0129】には、「前側端縁に沿って上下に直線状に延びる縦レール443Aが形成され、・・・縦レール443Aは、・・・中央部に仕切板443Sが形成されて上下に仕切られ・・・上レール443Bは、縦レール443Aの中央よりやや上方の高さ位置から、該縦レール443Aの後側に隣接しながら上方に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から、前記上延出部443T内を緩い角度で上傾しながら後方に延びていて、全体として「へ」の字形状をなすように形成されている。下レール443Cは、縦レール443Aの下端よりやや上方の高さ位置において該縦レール443Aの後側に隣接する位置から、前記下延出部443B内を急角度で下傾しながら後方に直線状に延びるように形成されている。」と記載されているから、甲第1号証には、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と下の部分、上下に直線状に延びる縦レール443A、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B、及び、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cが記載されているといえる。
また、段落【0135】には、「上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、」と記載され、段落【0136】には、「上記下側の分割体441Lにおける両側面の前下の隅部には、先端より係合ピンがさらに突出した構成を有するスライダ(以下、係合スライダとも称す)459が両側から取り付けられており、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持される」と記載され、段落【0139】には、「上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443Aの中央部の仕切板443Sを挟んで上下に近接して並び、」と記載され、段落【0138】には、「上記下側部材442における両側面の前上の隅部には、前記上側部材441に取り付けられたものと同一の係合スライダ459が両側から取り付けられており、前記上側部材441の場合と同様に、該係合スライダ459は前記縦レール443Aに係合して該縦レール443A内にスライド自在に保持される」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分とがあることが記載されているといえる。
そして、段落【0135】には、「上側部材441はさらに、上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、」と記載され、段落【0136】には、「上記上側の分割体441Hにおける両側面の上端部ならびに下側の分割体441Lにおける両側面の後上の隅部には、それぞれスライダ458A、458Bが両側から取り付けられ、両スライダ458A、458Bは前記上レール443Bに係合して該上レール443B内にスライド自在に保持される構成となっている。」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する上レール443Bがあることが記載されているといえる。
さらに、段落【0138】には、「上記下側部材442における両側面の下端部には、前記上側部材441に取り付けられたスライダ458A、458Bと同一構成のスライダ458がそれぞれ両側から取り付けられ、該スライダ458は前記下レール443Cに係合して該下レール443C内にスライド自在に保持される構成となっている。」と記載されているから、甲第1号証には、下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する下レール443Cがあることが記載されているといえる。
加えて、上記認定事項(1-e)及び段落【0140】の「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。・・・それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。・・・スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、」との記載より、上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際に、上記各スライダが上記各レール内をスライドし、上記各レール及び上記各スライダにより案内されることは、明らかである。
以上より、甲第1号証には、上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、
上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、
下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、
上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、
下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cと、
を備えたことが記載されているといえる。

(1-g)段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、図44(b)(c)(あるいは図41および図43)に示すように、上側ラック447Tは上方へ、下側ラック447Bは下方へそれぞれ移動し、これにともなって上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。このとき、図中に明示されているように、上側部材441の前下部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から上端まで直線的に上昇し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。」と記載されている。
そして、図44(a)には、上レール443Bの上下方向への直線状部分の下端部にスライダ458Bが位置している点が、図44(b)には、上レール443Bの上下方向への直線状部分の上端部にスライダ458Bが位置している点が図示されており、また、図44(a)及図44(b)には、共に係合スライダ459が上下方向の縦レール443A内に位置している点が図示されているから、図44(a)から図44(b)のスライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある範囲においては、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動することは、明らかである。
さらに、図44(a)には、スライダ458Bの上部にスライダ458Aが位置し、スライダ458Aとスライダ458Bとに支持される上側の分割体441Hが上下方向を向いた姿勢で位置する点が、図44(b)には、スライダ458Bの右上方向にスライダ458Aが位置し、スライダ458Aとスライダ458Bに支持される上側の分割体441Hが右上方向を向いた姿勢で右上方向に位置している点が記載されているから、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分(上記認定事項(1-f))にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて屈曲しながら上側後方に移動することは、明らかである。また、段落【0135】には、「両分割体441H、441Lは境界に沿って一直線に並ぶように裏面側の左右両端部に形成された軸挿通部(図示せず)に軸ピン441Pが両側からそれぞれ挿通されることにより、回動自在に連結されている。」と記載されているから、上側の分割体441Hが屈曲移動する際には、軸挿通部を中心に屈曲することは、明らかである。
以上より、甲第1号証には、第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動する点が記載されているといえる。

(1-h)段落【0140】には、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、・・・上側部材441および下側部材442のそれぞれの係合スライダ459が縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動する。・・・これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内される。・・・一方これと同時に、下側部材442の前上部は係合スライダ459にともない縦レール443A内を中央部から下端まで直線的に降下し、これにより下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内される。」と記載され、上記(1-f)において検討したように、甲第1号証には、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459」「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458B」が記載されているから、甲第1号証には、モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され、これと同時に、下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内されることが記載されているといえる。

(1-i)段落【0139】には、「上側部材441および下側部材442が閉じた状態にあるときの位置であるから、即ちこれが閉位置に相当する。この状態では、上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たり」、段落【0140】には、「上側部材441および下側部材442が最も大きく開放された状態にあるときの位置であり、・・・上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向および前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となっている。」、段落【0143】には、「上記上側部材441の下端面および下側部材442の上端面はそれぞれ透明樹脂板で構成され、さらに、図39、図41、図43等に示すように、各面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、」と記載されているから、甲第1号証には、上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる点が記載されているといえる。

上記(1-a)?(1-d)の記載事項及び(1-e)?(1-i)の認定事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(a?nは、本件発明のA?Nに対応させて付した。)。
「a 遊技機であって、(段落【0001】)
b 遊技盤の中央に配置された装飾図柄表示装置42と、(段落【0059】)
c 装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441と、(認定事項(1-e))
d 装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442と、(認定事項(1-e))
e、j、k、l、m 上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、
上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、
下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、
上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、
下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443Cと、
を備え、(認定事項(1-f))、
f 上側部材441は、軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結された上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され、(段落【0135】)
h 第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動し、(認定事項(1-g))
n モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され、上側の分割体441Hの上端部ならびに下側の分割体441Lの後上部は、それぞれスライダ458A、458Bが上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され、これと同時に、下側部材442の全体は下方へ押し下げるように駆動され、下側部材442の下端部は、スライダ458が下レール443C内をスライドすることにより、該下レール443Cに沿って後下方向へ案内され、(認定事項(1-h))
i 上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる、(認定事項(1-i))遊技機。」

(2)甲第2号証(特開2007-236625号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(2-a)「【0004】
ところで、可動部材は支持されつつ移動せしめられることが多く、移動案内のために案内路が設けられることが多い。案内路は、例えばレールや溝、孔などとして形成されるが、予め可動部材の移動方向に沿って配設されている必要がある。そして、大きな移動距離を確保するためには、案内路は可動部材の大きさに比して十分に大きく形成する必要がある。また、可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい。すると、案内路は、可動部材の両端部から移動方向に向けて延び出して形成される必要がある。
【0005】
ところが、可動部材から延び出した案内路が遊技者に視認されてしまうと、遊技者に対して、それが移動せしめられる部材であることが予測されると共に、案内路の延び出し方向からその移動方向までもが容易に予測されてしまう。それ故、可動部材を移動せしめたとしても遊技者の予測通りの動きを行なうに過ぎず、遊技者に与える演出上の効果に乏しいという問題があった。」

(2-b)「【0018】
図1には、本発明の一実施形態として、遊技機としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、縦長な方形状に枠組み形成された外枠12を備えている。外枠12には、その一側において開閉自在に軸支された状態で、パチンコ機の主要構成部の略全てが集約して設けられる中枠14が組み付けられている。また、中枠14の表側には、中枠14に対して裏側から取り付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板を備えたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22がそれぞれ中枠14の一側に開閉自在に軸支された状態で組み付けられている。更にまた、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が突設されている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
【0026】
このような構造とされた落下部材48は、図5に示すように、上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bが、取付板部45に鉛直方向に延びて形成された上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、図6および図7にモデル的に示すように、取付板部45における貫通孔44の右側には、鉛直方向に延びる一対の取付板上溝70a、70bが貫設されていると共に、これら取付板上溝70a、70bの下方には、鉛直方向に延びる一対の取付板下溝72a、72bが貫設されている。そして、取付板上溝70a、70bおよび取付板下溝72a、72bに対応する大きさおよび形状を有するカバー上溝74a、74bおよびカバー下溝76a、76bが貫設されたカバー部材78が取付板部45の裏面に取り付けられている。これにより、取付板上溝70a、70bとカバー上溝74a、74bが重ね合わされて上脚案内溝66a、66bが形成されると共に、取付板下溝72a、72bとカバー下溝76a」

上記(2-a)?(2-b)の記載事項を総合すると、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲第2号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい、落下部材48の上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bを、上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けるパチンコ機10」

(3)甲第3号証(特開2007-268207号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(3-a)「【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は本体101と本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102とを備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。」

(3-b)「【0030】
移動機構710は、上軌道に沿って配設され、移動部材703の移動を案内する案内棒711を有する。本実施形態の場合、案内棒711が2本設けられ、左右方向に延びている。2本の案内棒711は奥行き方向並びに上下方向にずれて配設されている。案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができ、特に、移動部材703が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材703を案内することができる。
・・・
【0037】
延設部703d、704dを有することにより、移動部材703、704はLCD602の上下の側部をその厚さ方向に跨って形成される。これにより、LCD602の背面側に移動機構710、720を配設しながら、LCD602の正面側に演出部材701を配設することが可能となる。LCD602の背面側に移動機構710、720を配設することにより、上下方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。移動部材703、704は案内棒711、712による片持ち支持となるが、案内棒711、712を2本設けることで上記の通り、移動部材703、704をより安定して案内できる。」

上記(3-a)?(3-b)の記載事項を総合すると、甲第3号証には、次の事項(以下、「甲第3号証に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができるスロットマシン100」

第4 当審の判断
1 特許法第29条第2項について
本件発明は、甲1発明及び甲第2?3号証に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるか検討する。

(1)対比
本件発明と甲1発明とを対比する(下記の(a)?(n)は、甲1発明の構成a?nに対応している。)。

(a)甲1発明の「遊技機」は、遊技が可能なものであることは当業者にとって自明であるから、本件発明の「遊技が可能な遊技機」に相当する。

(b)甲1発明の「遊技盤の中央」は、本件発明の「遊技機の所定箇所」に相当する。
したがって、甲1発明の「遊技盤の中央に配置された装飾図柄表示装置42」は、
本件発明の「前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段」に相当する。

(c)甲1発明において、「上側部材441」は、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」においては「装飾図柄表示装置42」に重畳することは明らかであるから、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」は、本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部」に相当する。
また、「上側部材441」は、「最も大きく開放された状態の位置」においては、「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する」から、「装飾図柄表示装置42」に重畳しないことは明らかである。さらに、「最も大きく開放された状態の位置」は、「閉じた状態の位置」から「上側部材441」が移動可能な位置であるから、「閉じた状態の位置」に並設された位置であるといえる。
よって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置」は、本件発明の「該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部」に相当する。また、甲1発明における「上側から」移動可能であることは、本件発明における「一側から」移動可能であることに相当する。
したがって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、上側から移動可能に設けられる上側部材441」は、
本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物」に相当する。

(d)甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」及び「装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置」は、それぞれ、本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部」及び「該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部」に相当する。また、甲1発明における「下側から」移動可能であることは、本件発明における「他側から」移動可能であることに相当する。
したがって、甲1発明の「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置と、装飾図柄表示装置42の表示面が前方に最も大きく露見する、最も大きく開放された状態の位置との間で、下側から移動可能に設けられる下側部材442」は、
本件発明の「前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物」に相当する。

(e)甲1発明の「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」、「上レール443B」及び「下レール443C」は、それぞれ、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459」、「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458B」及び「下側部材442に取り付けられたスライダ458」が「スライド自在に保持され係合する」ものであるから、上記各スライダ及び上記各レールが「上側部材441」及び「下側部材442」の移動を案内する案内手段であるといえる。
したがって、甲1発明の「上側部材441及び下側部材442が閉じた状態の位置と最も大きく開放された状態の位置との間で移動する際の案内する手段として、上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分と、上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A、及び上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443Bと、下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」は、
本件発明の「前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段」に相当する。

(f)甲1発明において、「上側の分割体441Hと下側の分割体441L」とは、「軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結され」ているから、「軸挿通部」は、「上側の分割体441H」と「下側の分割体441L」との接続部であるといえ、また、「下側の分割体441L」は、「上側の分割体441H」に対して「軸挿通部」を屈曲部中心として屈曲可能に設けられているといえる。
したがって、甲1発明において、「上側部材441は、軸挿通部に軸ピン441Pが挿通されることにより回動自在に連結された上側の分割体441Hと下側の分割体441Lとに分割構成され」ていることは、
本件発明において、「前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され」ていることに相当する。

(h)甲1発明の「上下方向」は、本件発明の「第1の方向」に相当する。
また、甲1発明において、「上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」する際の移動方向は、「上下方向」に対して上側後方に傾いた方向であり、「上下方向」と交差する方向であることは自明であるから、本件発明における「前記第1の方向と交差する第2の方向」に相当する。
そして、甲1発明において、「スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動」するものであるから、「縦レール443A」及び「上レール443Bの上下方向に直線状の部分」は、第1可動部を上下方向に移動案内する第1案内部であるといえる。
それに加えて、甲1発明において、「スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」するから、「上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分」は、第2可動部を屈曲部中心に屈曲させて、第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部であるといえる。
したがって、甲1発明の「第1可動物が閉じた状態の位置から最も大きく開放された状態へ移動する際に、スライダ458Bが上レール443Bの上下方向に直線状の部分にある場合には、下側の分割体441Lは縦レール443A及び上レール443Bに案内されて上下方向に直線状に移動し、スライダ458Aが上レール443Bの屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている部分にある場合には、上側の分割体441Hは上レール443Bに案内されて軸挿通部を中心に屈曲しながら上側後方に移動」することは、
本件発明の構成Hと、「前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部」「を第1の方向に移動案内する第1案内部と」、「前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と」「から少なくとも構成され」る点で共通する。

(j1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」という構成を有している。
甲1発明の「上下」は、本件発明の「第1の方向」に相当する。
したがって、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、
本件発明の「前記第1の方向に直線状に延びる第1溝」に相当する。

(j3)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
上記(j1)で検討したように、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、本件発明の「第1ガイド溝部」に相当し、甲1発明の「縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている」部分は、円弧状に延びていない点で異なるが、本件発明の「第2ガイド溝部」に相当する。
また、甲1発明は、本件発明の「第2溝」に相当する構成がない。
したがって、甲1発明の「縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」は、
本件発明の構成J3と、「前記第1溝と」「平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に」「延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝」の点で共通しているといえる。

(j4)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」という構成を有している。
甲1発明の「上下」は、本件発明の「第3の方向」に相当する。
したがって、甲1発明の「上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、
本件発明の「前記第3の方向に直線状に延びる第4溝」に相当する。

(k1?4)本件発明の構成K1?K4は、「前記第1溝」?「前記第6溝」の構成を有するが、上記(j1)、(j3)?(j4)において既に検討したように、甲1発明は「第1溝」及び「第4溝」に相当する構成は有しているが、「第2溝」?「第3溝」、「第5溝」?「第6溝」に相当する構成は有していないので、甲1発明は、「前記第2溝」?「前記第3溝」、「前記第5溝」?「前記第6溝」の構成を含む本件発明の構成K1?K4は有していない。

(l1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」と、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」及び「スライダ458B」は、本件発明の「第1支持部」及び「第2支持部」に相当する。
しかしながら、甲1発明は、本件発明の「第2溝部」に相当する構成を有していない。
したがって、甲1発明の「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」と、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられたスライダ458Bがスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」とは、
本件発明の構成L1と、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、」「第2支持部」「とを備え」た点で共通している。

(l2)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A」「がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」という構成を有している。
甲1発明の「スライダ458A」は、本件発明の「第4支持部」に相当する。
したがって、甲1発明の「上側部材441の上側の分割体441Hに取り付けられたスライダ458A」「がスライド自在に保持され係合する、縦レール443Aの後側に隣接しながら上下方向に直線状に延び、縦レール443Aの上端近傍の高さ位置で後方に湾曲するように屈曲し、この屈曲部分から緩い角度で上傾しながら後方に延びている上レール443B」は、
本件発明の「前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部」に相当する。

(l3)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」と、「下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」及び「スライダ458B」は、本件発明の「第5支持部」及び「第6支持部」に相当する。
しかしながら、甲1発明は、本件発明の「第5溝部」に相当する構成を有していない。
したがって、甲1発明の「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」と、「下側部材442に取り付けられたスライダ458がスライド自在に保持され係合する、急角度で下傾しながら後方に直線状に延びる下レール443C」とは、
本件発明の構成L3と、「前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、」「第6支持部」「とを備え」た点で共通している。

(m1)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」は、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」に「スライド自在に保持され係合」されているから、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、「係合スライダ459」を案内しているといえる。
したがって、甲1発明の「上側部材441の下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより上の部分」は、
本件発明の「前記第1溝は、前記第1支持部を案内」することに相当する構成を有している。

(m4)甲1発明は、構成e、j、k、l、mにおいて、「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」という構成を有している。
甲1発明の「係合スライダ459」は、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」に「スライド自在に保持され係合」されているから、「縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、「係合スライダ459」を案内しているといえる。
したがって、甲1発明の「下側部材442に取り付けられた係合スライダ459がスライド自在に保持され係合する、上下に直線状に延びる縦レール443Aの中央部の仕切板443Sより下の部分」は、
本件発明の「前記第4溝は、前記第5支持部を案内」することに相当する構成を有している。

(n1)甲1発明は、構成nにおいて、「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され」る構成を有している。
甲1発明の「モータ449R、449L」は、本件発明の「第1駆動手段」に相当する。
上記(c)において既に検討したように、甲1発明の「上側部材441」は、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」(重畳部)と、「最も大きく開放された状態の位置」(非重畳部)との間を移動するから、甲1発明の「下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459」が「縦レール443A内を」「上端」「まで移動」することは、本件発明の「前記第1可動部は、」「前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。
したがって、甲1発明の「モータ449R、449Lにより左右のピニオン446R、446Lを回転させると、下側の分割体441Lに取り付けられた係合スライダ459と、下側部材442に取り付けられた係合スライダ459とが、縦レール443A内を上下に離隔するようにそれぞれ上端および下端まで移動し、これにより上側部材441の全体は上方へ押し上げるように駆動され」ることは、
本件発明の「前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。

(n2)甲1発明は、構成nにおいて、「上側の分割体441Hの上端部」「は、」「スライダ458A」「が上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され」る構成を有している。
甲1発明の「スライダ458A」は「上レール443B内をスライドする」から、上記(n1)で検討した内容を考慮すると、甲1発明の「上側の分割体441H」は、「下側の分割体441L」(第1可動部)に追従して、「装飾図柄表示装置42の表示面を覆う閉じた状態の位置」(重畳部)から、「最も大きく開放された状態の位置」(非重畳部)に移動するといえる。
したがって、甲1発明の「上側の分割体441Hの上端部」「は、」「スライダ458A」「が上レール443B内をスライドすることにより、該上レール443Bに沿って後上方向へ案内され」ることは、
本件発明の「前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」することに相当する。

(i)甲1発明において、「上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たる」ことは、本件発明において、「前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体する」ことに相当する。そして、甲1発明の「上側部材441の下端面」及び「下側部材442の上端面」は本件発明の「該合体する際に当接する当接面」に相当し、当該「上側部材441の下端面」及び「下側部材442の上端面」には「上側装飾板441Nおよび下側装飾板442N」が配置されているから、装飾が施されているといえる。
また、甲1発明において、「最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる」ことは、本件発明における、「該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である」ことに相当する。
したがって、甲1発明において、「上側部材441及び下側部材442は、閉じた状態にあるときには上側部材441の下端と下側部材442の上端とが突き当たるものであり、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面の面上にはそれぞれ上側装飾板441Nおよび下側装飾板442Nが配置され、最も大きく開放された状態では、上側部材441の下端面及び下側部材442の上端面はそれぞれ前下方向及び前上方向を向いて、前方から十分に視認し得る体勢となる」ことは、
本件発明において、「前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である」ことに相当する。

以上、(a)?(n2)の対比より、本件発明と甲1発明とは、
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
C 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
D 前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
E 前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
F 前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
H’前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部を第1の方向に移動案内する第1案内部と、第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、から少なくとも構成され、
J1 前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
J3’前記第1溝と平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
J4 前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
L1’前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、第2支持部とを備え、
L2 前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
L3’前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、第6支持部とを備え、
M1 前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
M4 前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
N1 前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
N2 前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
I 前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴とする遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)(構成G)
「第2可動物」に関して、
本件発明は、「前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され」ていると特定されているのに対して、
甲1発明の「下側部材442」(第2可動物)は、そのように特定されていない点。

(相違点2)(構成H)
「案内手段」に関して、
本件発明は、「前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部」及び「前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部」とから少なくとも構成されると特定されているのに対して、
甲1発明の「上レール443Bの上下方向に直線状の部分」(第1案内部)は、「上側の分割体441H」(第2可動部)を上下方向(第1の方向)に移動案内するか不明な点。

(相違点3)(構成H)
「案内手段」に関して、
本件発明は、「前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部」とから少なくとも構成されると特定されているのに対して、
甲1発明において「下側部材442」(第2可動物)を移動案内する「縦レール443A」及び「下レール443C」は、そのように特定されていない点。

(相違点4)(構成J2?3、5?6、K1?4、L1、3?4、M2?3、5?6)
本件発明は、「該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と」(J2)、「前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と」(J3)、「該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と」(J5)、「前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、を備え」(J6)、「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され」(K1)、「前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され」(K2)、「前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され」(K3)、「前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され」(K4)、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え」(L1)、「前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え」(L3)、「前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え」(L4)、「前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し」(M2)、「前記第3溝は、前記第4支持部を案内し(M3)、前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し」(M5)、「前記第6溝は、前記第8支持部を案内」する(M6)のに対して、
甲1発明は、本件発明の「第2溝」(J2、M2)、「第5溝」(J5、M5)、「第3可動部」?「第4可動部」(L3?4)に相当する構成を有しておらず、「上レール443B」、「下レール443C」は本件発明の「第3溝」(J3、M3)、「第6溝」(J6、M6)と同様の構成ではなく、甲1発明の「下側の分割体441L」は本件発明の「第1可動部」(L1)に相当する構成でない点。

(相違点5)(N3?4)
本件発明は、「前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し」(N3)、「前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動」する(N4)のに対して、
甲1発明は、本件発明の「第3可動部」?「第4可動部」(N3?4)に相当する構成がないため、そのような構成でない点。

(2)判断
事情に鑑み、先ず相違点4から判断する。

(相違点4について)
上記第3 6(2)に記載したように、甲第2号証に記載された事項として「可動部材の移動時の姿勢や動きの安定化を図るためには、可動部材を移動方向の両端部分等の複数箇所で支持して案内した方が好ましい、落下部材48の上側脚部54a、54bおよび下側脚部56a、56bを、上脚案内溝66a、66bおよび下脚案内溝68a、68bによって、鉛直方向に移動可能に取り付けるパチンコ機10」が記載され、上記第3 6(3)に記載したように、甲第3号証に記載された事項として「案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができるスロットマシン100」が記載されている。
甲第2号証に記載された事項は、1つの案内溝に1つの脚部を設ける技術に過ぎず、1つの案内溝に複数の脚部を設ける技術、及び直線状に延びるガイド溝部に連続して円弧状に延びるガイド溝部を設ける技術は記載されていない。
また、甲第3号証に記載された事項は、移動部材を2本の案内棒で案内する技術に過ぎず、可動部を溝に挿通される支持部で案内する技術ではない。

これらのことから、相違点4の構成のうちの第1?2可動物に関する構成である「該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と」(J2)、「前記記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、前記第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と」(J3)、を備え、「前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の第1ガイド溝部とから構成され」(K1)、「前記第2案内部は、前記第3溝の第2ガイド溝部から構成され」(K2)、「前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え」(L1)、「前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し」(M2)、「前記第3溝は、前記第4支持部を案内」する(M3)構成とした点は、甲第2号証及び甲第3号証には記載されておらず、示唆もされておらず、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項から周知であるともいえず、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を適用しても、このような構成にはならない。
本件発明は、第3?4可動物に関する構成として、第1?2可動物に関する構成と同様の構成を有しているから、相違点4の構成のうちの第3?4可動物に関する構成(相違点4の構成のうち、第1?2可動物に関する構成以外。J5?6、K3?4、L3?4、M5?6)とした点も、甲第2号証及び甲第3号証には記載されておらず、示唆もされておらず、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項から周知であるともいえず、甲1発明に、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を適用しても、このような構成にはならない。

そして、本件発明は、上記相違点4に係る構成を備えることにより、直線状に延びる第1溝(第4溝)及び第2溝(第5溝)を移動する第1可動部(第3可動部)は、第1溝(第4溝)により案内される第1支持部(第4支持部)、及び第2溝(第5溝)により案内される第2支持部及び第3支持部(第6支持部及び第7支持部)の3点で支持されて移動するので、第1可動部(第3可動部)の直線移動を安定して行うことができる一方、円弧状に延びる第3溝(第6溝)の第2ガイド溝部(第4ガイド溝部)を移動する第2可動部(第4可動部)は、第3溝(第6溝)により案内される第2案内部(第4案内部)の1点で支持されて移動するので、第2可動部(第4可動部)の円弧移動を滑らかに行うことができる、という効果を奏するものである。
したがって、本件発明の上記相違点4に係る構成は、甲1発明及び周知技術(甲第2?3号証に記載された事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

したがって、上記相違点1?3、5について検討するまでもなく、本件発明は甲1発明及び周知技術(甲第2?3号証に記載された事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

2 特許異議申立理由について
当審による平成30年2月8日付け取消理由通知は、上記第3 2及び4において検討したように、特許異議申立の理由と同じものであることから、特許異議申立理由は、「第4 当審の判断」において検討済みである。

3 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、本件訂正は新たな効果を伴うもので、実質上特許請求の範囲を変更するものであるから、適法なものではない旨主張している。
しかしながら、上記第2 2において既に検討したように、訂正事項1?6は適法な訂正であり、特許権者が平成30年4月13日付け意見書で主張している効果は、本件特許明細書等に記載された構成が有する自明な効果に過ぎず、実質上特許請求の範囲を変更するものではないから、異議申立人の主張を採用することはできない。

また、特許異議申立人は、平成30年6月11日付け意見書において、本件発明の構成Iの「前記第1可動物及び前記第2可動物は、」「合体する際に当接する当接面には装飾が施されており」とした点は、本件特許の原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面には記載されておらず、自明な事項でもないから、本件特許に係る出願は不適法な分割出願であり、出願日は遡及せず、本件発明は、原出願の公開公報から当業者が容易に発明できたものである旨主張している。
しかしながら、本件特許明細書等、本件特許に係る出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、「本件当初明細書等」という。)、及び原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、「原出願当初明細書等」という。)における、図17?18において、役物230L(第1可動物)の230R(第2可動物)との当接面には装飾が施されていることが図示されていると共に、段落【0141】には「役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L、230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。」と記載されているから、フィギュアの左半分である役物230L(第1可動物)だけでなく、右半分である230R(第2可動物)にも装飾が施されていることは明らかであるから、本件発明の構成Iの「前記第1可動物及び前記第2可動物は、」「合体する際に当接する当接面には装飾が施されており」とした点は、本件特許明細書等、本件当初明細書等、原出願当初明細書等のいずれにも記載されており、本件特許に係る出願は適法な分割出願であり、出願日は遡及するといえるから、異議申立人の主張を採用することはできない。

第4 むすび
以上のことから、上記取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例であるスロットマシン等にあっては、遊技の期待感を高めることを目的とした演出を液晶表示装置や演出専用のリール等を用いて行っており、特に液晶表示装置のような画像表示装置を搭載したタイプのスロットマシンは、画面上に様々なキャラクタ等を表示して多彩な演出を実施可能とされている。
【0003】
また、このような表示装置の前方に、画像表示領域を半分ずつ遮蔽可能な左右一対の扉(移動ユニット)を、画像表示領域の前方に配置される閉塞位置(当接位置)と画像表示領域の左右側方の開放位置(非当接位置)との間で左右方向に移動可能に設け、画像表示領域の前面で扉を動かすことによって遊技者の注意を喚起できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、演出手段の大型化を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿涌される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。
【0007】
本発明の手段1の遊技機は、
正面視直線状をなす当接面に合わさるように当接可能な被当接面を有する移動ユニットを備える遊技機であって、
前記当接面及び前記被当接面は前記移動ユニットの上端部側から下端部側にわたり形成され、
前記移動ユニットを、前記当接面に対し前記被当接面が当接する当接位置と前記当接面に対し前記被当接面が当接しない非当接位置との間で移動させる駆動手段と、
前記移動ユニットにおける前記当接面の前記下端部側に設けられ、前記駆動手段の駆動力が伝達される駆動力伝達部と、を備え、
前記移動ユニットに設けられた前記被当接面は、前記非当接位置において、前記当接面に対し前記下端部側から前記上端部側に向けて漸次近接する方向に傾斜され、
前記駆動手段は、前記移動ユニットを前記当接位置まで移動させる際に、前記当接面に対して、前記被当接面の前記上端部側が当接した後、前記当接面と前記被当接面が前記上端部側から前記下端部側に向けて漸次当接して前記下端部側が当接するまで移動させ、
前記当接面に対向する前記移動ユニットの前記被当接面には装飾が施されており、
前記装飾は前記非当接位置において遊技者から視認可能である
ことを特徴としている。
【0008】
本発明の手段2の遊技機は、
正面視直線状をなす当接辺(例えば、前端縁350L)に合わさるように当接可能な被当接辺(例えば、前端縁350R)を有する移動ユニット(役物230R)を備える遊技機(スロットマシン1)であって、
前記移動ユニットを、前記当接辺に対し前記被当接辺が当接する当接位置(合体位置)と前記当接辺に対し前記被当接辺が当接しない非当接位置(分離位置)との間で移動させる駆動手段(役物モータ56L,56R、駆動ギヤ331L,331R、従動ギヤ332L,332R、333L,333R、駆動軸335L,335R、駆動部材336L,336R)と、
前記移動ユニットにおける前記当接辺の一端(下端)側に設けられ、前記駆動手段の駆動力が伝達される駆動力伝達部{駆動部材336L,336Rに対する取付部(例えば取付ボス346a,346b等)}と、を備え、
前記移動ユニットに設けられた前記被当接辺は、前記非当接位置において、前記当接辺に対し前記一端側から他端側に向けて漸次近接する方向に傾斜され(図20参照)、
前記駆動手段は、前記移動ユニットを前記当接位置まで移動させる際に、前記当接辺に対して、前記被当接辺の前記他端側が当接した後、前記一端側が当接するまで移動させる(図26参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、移動ユニットを当接位置に移動させる際において、当接辺と被当接辺とは、駆動力伝達部から遠い他端側が先に当接した後、駆動力伝達部に近い一端側が当接する。よって、移動ユニットが被当接辺の一端側のみに駆動力が伝達されるものであっても、当接位置において当接辺と被当接辺とを隙間なく当接させることができる。
なお、当接辺に合わさるようにとは、当接辺に対し被当接辺全体が重なるように線接触にて当接することである。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記当接辺(前端縁350L)を有し、前記移動ユニットとは別個に移動可能に設けられた第2移動ユニット(役物230L)を備え、
前記駆動手段(役物モータ56L,56R、駆動ギヤ331L,331R、従動ギヤ332L,332R、333L,333R、駆動軸335L,335R、駆動部材336L,336R)は、前記移動ユニット(役物230R)を前記当接位置に向けて移動させる際に、前記第2移動ユニットも前記当接位置に向けて移動させる(図26参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、移動ユニットおよび第2移動ユニット双方が互いに近づくことになるため、他端側が擦れて磨耗しにくくなる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、手段2または手段3に記載の遊技機であって、
前記駆動手段は、
前記移動ユニット(役物230R)を移動させるための駆動モータ(例えば変形例として、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタモータ58L,58R)と、
前記駆動モータにより回転可能に設けられ、回転中心に対し偏心する偏心位置に連結ピン(例えば、連結ピン305)が突設された回転盤(例えば、従動ギヤ302L,302R)と、
一端が所定のベース部(例えば、上板201)に揺動可能に支持されるとともに、他端に前記可動物が設けられ、前記連結ピンが摺動可能に挿入される長孔(例えば、長孔306)が形成された揺動アーム(例えば、揺動アーム303L,303R)と、から構成され、
前記駆動モータによる前記回転盤の回転力が前記連結ピンと前記長孔とを介して前記揺動アームに伝達され、該揺動アームが一端を中心に揺動することにより前記可動物が前記当接位置(例えば、合体位置)と前記非当接位置(開放位置)との間で移動する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、揺動アームの揺動により移動ユニットを移動させることができることで、駆動モータ等を移動ユニットから離れた位置に配置することが可能となるため、駆動手段の配置自由度が向上する。
【0011】
本発明の手段5の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記揺動アーム(例えば、揺動アーム303L,303R)が、前記回転中心(回転軸)と前記連結ピン(例えば、連結ピン305)とを結ぶ線(例えば、垂線P2)が前記長孔に対して略直交する死点位置近傍に到達する位置に配置されるときに、前記移動ユニット(役物230R)が前記当接位置に配置される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、揺動アームをモータにより定速で移動させても、停止位置において減速されることで該停止位置において大きな衝撃が生じることがないばかりか、停止位置でトルクが増加することによって、当接辺に対して被当接辺を密接させることができる。
【0012】
本発明の手段6の遊技機は、手段1?5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記移動ユニット(役物230L,230R)が配設される箱状のベース部材(演出ユニット200の筐体200a)の内部に、前記駆動手段(役物モータ56L,56R、駆動ギヤ331L,331R、従動ギヤ332L,332R、333L,333R、駆動軸335L,335R、駆動部材336L,336R)とは別個の第2駆動手段(シャッタモータ58L,58R、従動ギヤ302L,302R、揺動アーム303L,303R)にて移動する可動物(シャッタ210L,210R)が設けられ、
前記ベース部材の一面(下板202の下面)側に前記駆動手段が設けられ、他面(上板201の上面)側に前記第2駆動手段が設けられている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動手段と第2駆動手段とを干渉しないように配設することができる。
【0013】
本発明の手段7の遊技機は、手段6に記載の遊技機であって、
前記移動ユニット(役物230L,230R)と前記可動物(シャッタ210L,210R)とは、各々の移動軌跡(シャッタ用上ガイド凹溝261、シャッタ用下ガイド凹溝280と役物用ガイド長孔283L’,283R’)が一部で交差するように移動可能に設けられている(図27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、構造物と可動物とを互いに交差する方向に移動する場合であっても、駆動手段と第2駆動手段とが干渉することを回避できる。
【0014】
本発明の手段8の遊技機は、手段1?7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段(液晶表示器51)と、
前記演出手段に重畳する重畳部(シャッタ210L,210Rの閉鎖位置)と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部(シャッタ210L,210Rの開放位置)との間で移動可能に設けられる可動物(シャッタ210L,210R)と、
前記可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段(シャッタ用上ガイド凹溝261、シャッタ用下ガイド凹溝280)と、を備え、
前記可動物は、第1可動部(第1シャッタ210a)と、該第1可動部の前記非重畳部側の屈曲部(ヒンジ321a,321b)中心として屈曲可能に設けられる第2可動部(第2シャッタ210b/第2部材230b)と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向(左右方向)に移動案内する第1案内部(第1ガイド溝部261a,280a)と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向(後方向)に移動案内する第2案内部(第2ガイド溝部261b,280b)と、から少なくとも構成される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動物が非重畳部に向けて移動したときに、第2案内部により第2可動部のみが第1可動部に対して屈曲部を中心として屈曲されることで、非重畳部において可動物の第1の方向の幅寸法を短くすることができる。よって、非重畳部での可動物の配置スペースを確保するために演出手段の幅寸法が制限されることがないので、演出手段の大型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明を適用したスロットマシンの正面図である。
【図2】 スロットマシンの内部構造図である。
【図3】 前面扉を示す背面図である。
【図4】 スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】 (a)は通常時、(b)はシャッタ閉鎖時、(c)は役物合体時を示す概略図である。
【図6】 筐体上部の内部構造を示す断面図である。
【図7】 (a)は演出ユニットを斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、(b)は斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】 演出ユニットの構造を示す分解斜視図である。
【図9】 上板を示す平面図、右側面図、正面図である。
【図10】 (a)は図9のA-A断面図であり、(b)は上板の前部下面を示す拡大図である。
【図11】 下板を示す平面図、右側面図、正面図である。
【図12】 (a)は図11のB-B断面図であり、(b)は下板の前部上面を示す拡大図である。
【図13】 シャッタ機構を示す分解斜視図である。
【図14】 シャッタを示す分解斜視図である。
【図15】 (a)はシャッタの背面を示す分解斜視図、(b)は(a)の拡大図である。
【図16】 (a)は開放位置、(b)は閉鎖位置を示すシャッタ機構の概略図である。
【図17】 役物機構を示す分解斜視図である。
【図18】 図17の役物機構を背面から見上げた状態を示す分解斜視図である。
【図19】 (a)は役物機構の底面図であり、(b)(c)は駆動部材を示す斜視図である。
【図20】 役物を示す概略背面図である。
【図21】 (a)は分離位置、(b)は合体位置を示す役物機構の概略説明図である。
【図22】 演出ユニットを示す縦断面図である。
【図23】 演出ユニットの前面とシャッタとの関係を示す図である。
【図24】 (a)は開放位置、(b)は中間位置、(c)は閉鎖位置、(d)は屈曲させない場合を示すシャッタの概略動作説明図である。
【図25】 (a)は分離位置、(b)は中間位置、(c)は合体位置を示す役物の概略動作説明図である。
【図26】 (a)は分離位置、(b)(c)は中間位置、(d)は合体位置を示す役物の概略動作説明図である。
【図27】 本発明の変形例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例を図面に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造図である。図3は、前面扉を示す背面図である。図4は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。図5は、(a)はシャッタおよび役物の開放状態、(b)はシャッタの閉鎖状態、(c)は役物の閉鎖状態を示す概略図である。図6は、演出ユニットが取り付けられた筐体上部を示す構造図である。尚、以下においては、スロットマシンの正面図である図1の左側を左側、右側を右側、上側を上側、下側を下側、手前側を前面側、奥側を背面側として説明する。
【0018】
まず、本実施例のスロットマシン1の概略を説明すると、図1?図3に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する箱状に形成された筐体1a(図2参照)と、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1b(図3参照)と、から構成されている。
【0019】
筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0020】
リール2L,2C,2Rそれぞれの外周面には、例えば「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」(図示略)、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」(図示略)、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0021】
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられるリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0022】
リール2L,2C,2Rの内側には、図2に示すように、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)と、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55(図4参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0023】
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
【0024】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するレギュラーボーナス(以下、RBと略称する)では2、RB以外の遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0025】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、後述するRB中である旨を点灯により報知するRB中LED19が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0026】
MAXBETスイッチ6の内部には、該MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0027】
前面扉1bの背面には、図3に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のビッグボーナス(以下、BBと略称する)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有する投入メダルセレクタ131、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
【0028】
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)を備えるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0029】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0030】
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。尚、これらスイッチの前面には開閉扉が設けられており、各スイッチが被覆されるようになっている。
【0031】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1?L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数としてRBでは2が定められ、RB以外の遊技状態では3が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1?L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0032】
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0033】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0034】
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では10枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0035】
また、前面扉1bにおける透視窓3の上方位置は、透明な上部パネル112が左右幅方向に渡り設けられ、その背面側には、前面が開閉可能な箱状の演出ユニット200が配設されている(図6、図7参照)。演出ユニット200の内部には、液晶表示器51や、該液晶表示器51を開閉可能なシャッタ210L,210Rおよび役物230L,230R等が、上部パネル112を透して遊技者から視認可能に配置されている。
【0036】
図5に示すように、シャッタ210L,210Rは、それぞれ縦長長方形状に形成された左右一対のシャッタ210L,210Rからなり、上部パネル112の背面側に、図5(a)に示すように左右側に配置される開放位置と、図5(b)に示すように互いの一辺同士が当接する閉鎖位置と、の間で左右方向にスライド移動自在に設けられている。
【0037】
役物230L,230Rは、正面視形状がシャッタ210L,210Rよりも僅かに小さく、奥行き幅がある立体状構造物としての左右一対の役物230L,230Rからなり、シャッタ210L,210Rの背面側に、図5(a)に示すように左右側に配置される分離位置と、図5(c)に示すように互いの一辺同士が当接する合体位置と、の間で左右方向にスライド移動自在に設けられている。
【0038】
液晶表示器51は、役物230L,230Rの背面側における左右方向の中央位置に配置され、図5(a)に示すように、シャッタ210L,210Rおよび役物230L,230Rが開放位置に位置している状態で表示画面51aを視認可能となる。また、液晶表示器51の左右側におけるシャッタ210L,210Rの前面側には、非透光性の遮蔽板205L,205Rが固設されている。
【0039】
よって、図5(a)に示すように、シャッタ210L,210Rが開放位置、役物230L,230Rが分離位置に位置した状態では、上部パネル112を通して中央の表示画面51aを視認できる。図5(b)に示すように、シャッタ210L,210Rが閉鎖位置または役物230L,230Rが合体位置に位置した状態では、表示画面51aの前面がシャッタ210L,210Rまたは役物230L,230Rにより遮蔽される。尚、役物230L,230Rは遮蔽板205L,205Rにより前面側が被覆されるので視認できない。図5(c)に示すように、シャッタ210L,210Rが開放位置、役物230L,230Rが合体位置に位置した状態では、表示画面51aの前面が役物230L,230Rにより隠蔽され、役物230L,230Rのみが視認可能となる。
【0040】
本実施例では、例えば通常時では、図5(a)に示すように液晶表示器51にて演出が実行され、所定条件の成立に応じて図5(b)(c)に示すようにシャッタ210L,210Rや役物230L,230Rを開閉して様々な演出を実行するようになっている。
【0041】
このように構成された演出ユニット200は、図3および図6に示すように、遮蔽板205L,205Rを上部パネル112に臨ませるように前面扉1bの背面上部に取り付けられる。前面扉1bを閉鎖した状態において、リールユニット2の上方に形成された空間内に配置される。なお、演出ユニット200の詳細な構造については後述することとする。
【0042】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101及び各種中継基板が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0043】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0044】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0045】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0046】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、RB中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0047】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0?65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0048】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0049】
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0050】
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0051】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
【0052】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された複数の演出効果LED52、スピーカ53L,53R、演出に用いられる演出スイッチ54(図1参照)、リールLED55、後述する演出ユニット200に設けられる液晶表示器51、役物230L,230R(構造物)を駆動する役物モータ56L,56R、該役物230L,230Rの位置を検出する役物センサ57a?57d、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタモータ58L,58R、該シャッタ210L,210Rの位置を検出するシャッタセンサ59a?59d、演出ユニットLED60等が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0053】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、演出効果LED52、スピーカ53L,53R、リールLED55、液晶表示器51、役物モータ56L,56R、シャッタモータ58L,58R等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0054】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53L,53Rからの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に直接または中継基板を介して接続された演出スイッチ54、役物センサ57a?57d、シャッタセンサ59a?59d等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、役物モータ56L,56Rやシャッタモータ58L,58Rの駆動を行うモータ駆動回路99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0055】
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
【0056】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0057】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0058】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0059】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0060】
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0061】
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0062】
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
【0063】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0064】
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
【0065】
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインCPU41aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0066】
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
【0067】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
【0068】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0069】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。RTワークは、現在の遊技状態がリプレイタイム(以下、RTと略称する)(0)?(4)のいずれかである場合にその旨を示すRTフラグ、RT残りゲーム数が格納されるワークである。停止相ワークは、リールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L,32C,32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0070】
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
【0071】
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及びRTワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、RTワーク及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
【0072】
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
【0073】
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
【0074】
これに対して本実施例では、リールモータ32L,32C,32Rの停止時における停止相を示すデータがRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらのロータの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
【0075】
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
【0076】
尚、本実施例では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしても良い。
【0077】
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態としてRB、RT(0)?(4)があり、RBでは規定数の賭数として2が定められ、RB以外の遊技状態では規定数の賭数として3が定められており、RTでは賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、RB以外の遊技状態では、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1?L5の全てが有効化されることとなる。
【0078】
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0079】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0080】
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)(2)が、再遊技役としてリプレイ(1)、リプレイ(2)が、小役としてブドウ、スイカ、チェリー、10枚役(1)?(3)、2枚役(1)?(4)、1枚役(1)?(4)が定められている。
【0081】
ブドウは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ-ブドウ-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
【0082】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では5枚のメダルが払い出される。
【0083】
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、RBでは5枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では4枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄は左リールの上段または下段のいずれかに必ず停止するように制御されるようになっており、入賞ラインL1、L3の入賞ラインまたは入賞ラインL2、L4の入賞ラインにチェリー組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるため、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では8枚のメダルが払い出されることとなる。
【0084】
10枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-黒7-プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-白7-プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-オレンジ-プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
【0085】
2枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ-プラム-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ-スイカ-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ-チェリー-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ-ベル-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。
【0086】
1枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ-プラム-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ-スイカ-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ-チェリー-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ-ベル-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。
【0087】
リプレイ(1)は、RT(0)?(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイ(2)は、RT(0)?(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)(2)のいずれかが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0088】
尚、本実施例では、RT(2)(3)においてリプレイ(2)は、必ずBB(1)(2)のいずれかと当選するため、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、RT(2)(3)においてリプレイ(2)の組合せが入賞ラインに揃うことはない。
【0089】
BB(1)は、RT(0)?(4)において入賞ラインのいずれかに「黒7-黒7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、BB(2)は、RT(0)?(4)において入賞ラインのいずれかに「白7-白7-白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。尚、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、BB(1)(2)は、RT(4)においてのみ入賞可能となる。
【0090】
BB(1)(2)のいずれかが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行する。RBは、小役、特にブドウの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が348枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
【0091】
(演出ユニット)
次に、演出ユニット200の詳細な構造について説明する。図7は、(a)は演出ユニットを斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、(b)は斜め後方から見た状態を示す斜視図である。図8は、演出ユニットの構造を示す分解斜視図である。図9は、上板を示す平面図、右側面図、正面図である。図10は、(a)は図9のA-A断面図であり、(b)は上板の前部下面を示す拡大図である。図11は、下板を示す平面図、右側面図、正面図である。図12は、(a)は図11のB-B断面図であり、(b)は下板の前部上面を示す拡大図である。図13は、シャッタ機構を示す分解斜視図である。図14は、シャッタを示す分解斜視図である。図15は、(a)はシャッタの背面を示す分解斜視図、(b)は(a)の拡大図である。図16は、(a)は開放位置、(b)は閉鎖位置を示すシャッタ機構の概略図である。図17は、役物機構を示す分解斜視図である。図18は、図17の役物機構を背面から見た状態を示す分解斜視図である。図19は、(a)は役物機構の底面図であり、(b)(c)は駆動部材を示す斜視図である。図20は、役物を示す概略背面図である。図21は、(a)は分離位置、(b)は合体位置を示す役物機構の概略説明図である。図22は、演出ユニットを示す縦断面図である。図23は、演出ユニットの前面とシャッタとの関係を示す図である。図24は、(a)は開放位置、(b)は中間位置、(c)は閉鎖位置、(d)は屈曲させない場合を示すシャッタの概略動作説明図である。図25は、(a)は分離位置、(b)は中間位置、(c)は合体位置を示す役物の概略動作説明図である。図26は、(a)は分離位置、(b)(c)は中間位置、(d)は合体位置を示す役物の概略動作説明図である。
【0092】
なお、以下の説明においては、前面扉1bの背面に取り付けられた演出ユニット200をスロットマシン1の正面から見た場合を規準として上下左右方向を説明することとする。
【0093】
(筐体)
図7および図8に示すように、演出ユニット200の筐体200aは、透光性を有する合成樹脂板からなる上板201と、非透光性の合成樹脂板からなる下板202と、透光性を有する合成樹脂板からなる左側板203、右側板204と、前面左右側に配設される遮蔽板205L,205Rと、透光性を有する合成樹脂板からなり、背面に演出制御基板ケース800が取り付けられる背板206と、非透光性の合成樹脂板からなり、上板201を上方から被覆する上カバー207と、非透光性の合成樹脂板からなり、下板202を下方から被覆する下カバー208とにより、前面の左右方向中央位置が開口する箱状に構成されている。
【0094】
背板206の背面には、パネル中継基板804が取り付けられているとともに、演出制御基板ケース800を係止するための弾性係止爪206eおよび複数の取付溝206a?206dが形成されている。上カバー207の上面には前面扉1bへ取り付けるための上取付金具209aが固定されている。また、下カバー208には、前面扉1bへ取り付けるための下取付金具209b(図6参照)が固定されている。
【0095】
上板201、下板202、上カバー207、下カバー208の前辺は、前方に膨出する円弧状に形成されているため、筐体200aの前面は、長手方向の左右側から中央に向けて前方に膨出する湾曲面を構成している。また、筐体200aの前面は、左右側が遮蔽板205L,205Rにて遮蔽されているとともに、遮蔽板205L,205R間に形成される中央開口は、内部に設けられる液晶表示器51の表示画面51aを視認可能とする窓部を構成している。なお、この中央開口は、後述するシャッタ210L,210Rにて開閉可能とされている。
【0096】
図9および図10に示すように、上板201は、前辺が所定曲率の円弧にて形成される横長略長方形状に形成されている。前後方向の中央位置よりもやや前位置には左右方向に延びる段部250が形成され、この段部250よりも前側は後側よりも低位置に配置されている。
【0097】
上板201には、上カバー207を取り付けるためのネジ穴が形成された上カバー取付用ボス251が上面複数箇所に突設されている。また、段部250よりも前側の下面に取り付けられる装飾板256(図13参照)を取り付けるためのネジ穴257が複数箇所に形成されている。
【0098】
前辺の近傍左右および中央位置には、複数の演出ユニットLED60が下面に設けられた円弧状の演出ユニットLED基板252(図13参照)を取り付けるためのネジ穴が形成された複数のLED基板取付用ボス253および位置決め突部が形成された2つのLED基板位置決め用ボス254が突設されている。また、LED基板取付用ボス253およびLED基板位置決め用ボス254の背面側には、演出ユニットLED60の光を下方に投光するための長孔255が、演出ユニットLED60と対向するように前辺に沿って複数形成されている。
【0099】
長孔255の後側には、前辺と同曲率にて所定長さに延設される左右一対の円弧状のシャッタ連結用溝260L,260Rが前辺に沿うように左右対称に配設されている。また、上板201の下面における長孔255の配設位置には、前辺と同曲率にて延設されるシャッタ用上ガイド凹溝261が、前辺に沿うように左右方向に延設されている。シャッタ用上ガイド凹溝261は、図10(b)に示すように、左右方向に延設され、前辺やシャッタ連結用溝260L,260Rとほぼ平行に配置される円弧状の第1ガイド溝部261aと、該第1ガイド溝部261aの左右端の屈曲部261cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部261bと、から構成される。
【0100】
第1ガイド溝部261aは円弧状であるのに対し、第2ガイド溝部261bは直線状に形成されており、第2ガイド溝部261bは、第1ガイド溝部261aに対して屈曲部261cから所定角度後向きに屈曲されている。なお、シャッタ用上ガイド凹溝261は断面視下向き凹状に形成されているが、長孔255の配置位置だけ上下に貫通されている。
【0101】
上板201の上面における段部250の前側には、補強用金具262(図13参照)を取り付けるためのネジ穴263が複数箇所に形成されている。また、段部250の後左右側には、シャッタモータ58L,58Rが下方から挿通されるモータ孔266がそれぞれ形成されているとともに、このモータ孔266の周囲には、シャッタモータ58L,58R等を支持する支持板264L,264R(図13参照)を取り付けるための支持板取付用ボス265が3つずつ突設されている。左右のモータ孔266の内側には、支持板264L,264Rを支持するとともに、後述する揺動アーム303L,303Rを軸支する軸用ボス267が突設されている。
【0102】
また、左右方向中央位置には配線孔268が形成されており、演出ユニットLED基板252からの配線を内部に挿通できるようになっている。左右辺には、左側板203および右側板204を取り付けるためのネジ穴269が形成されているとともに、前辺の前面左右側には、遮蔽板205L,205Rを取り付けるためのネジ穴が形成された遮蔽板取付用ボス270が前向きに突設されている。
【0103】
図11および図12に示すように、下板202は、前辺が所定曲率の円弧にて形成される横長略長方形状に形成されている。下板202の上面における前辺近傍位置には、前辺と同曲率をなしシャッタ用上ガイド凹溝261と同形に形成されたシャッタ用下ガイド凹溝280が、前辺に沿うように左右方向に延設されている。シャッタ用下ガイド凹溝280は、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、前辺とほぼ平行に配置される円弧状の第1ガイド溝部280aと、該第1ガイド溝部280aの左右端の屈曲部280cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部280bと、から構成される。
【0104】
第1ガイド溝部280aは円弧状であるのに対し、第2ガイド溝部280bは直線状に形成されており、第2ガイド溝部280bは、第1ガイド溝部280aに対して屈曲部280cから所定角度後向きに屈曲されている。なお、シャッタ用下ガイド凹溝280は、下板202の上面に左右方向に凹設された幅広の凹溝280dの底面上におけるシャッタ用上ガイド凹溝261の直下に形成されている。
【0105】
シャッタ用下ガイド凹溝280の後左右側には、役物230L,230Rを左右方向に移動案内する役物連結用前溝281L,281Rおよび役物連結用後溝282L,282Rが互いに前後に平行に並設されているとともに、これら役物連結用前溝281L,281Rおよび役物連結用後溝282L,282R間には、役物230L,230Rの一部を移動案内する役物用ガイド溝283L,283Rが形成されている。
【0106】
役物用ガイド溝283L,283Rは、図12(b)に示すように、左右方向に延設され、役物連結用後溝282L,282Rや役物用ガイド溝283L,283Rとほぼ平行に配置される直線状の第1ガイド溝部283aと、該第1ガイド溝部283aの左右端の屈曲部283cにてそれぞれ後向きに屈曲される第2ガイド溝部283bと、から構成される。
【0107】
第1ガイド溝部283aは直線状であるのに対し、第2ガイド溝部283bは円弧状に形成されており、第2ガイド溝部283bは、第1ガイド溝部283aに対して屈曲部283cから所定角度後向きに屈曲されている。
【0108】
また、第1ガイド溝部283aに対する第2ガイド溝部283bの屈曲角度は、シャッタ用下ガイド凹溝280(およびシャッタ用上ガイド凹溝261)の第1ガイド溝部280aに対する第2ガイド溝部280bの屈曲角度よりも大きいとともに、円弧形状に形成されている。つまり、シャッタ用下ガイド凹溝280(およびシャッタ用上ガイド凹溝261)に比べて、屈曲部283cにおいて緩やかに屈曲(方向変換)するようになっている。
【0109】
役物連結用後溝282L,282Rの後側には、左右方向に延びる横長長方形状の開口284が形成され、該開口284を通して液晶表示器51が挿通可能とされている。液晶表示器51は、開口284の上方から差し込まれて下方に突出した下端を下カバー208に取り付けられる液晶取付具285(図22参照)に取り付けられることにより起立姿勢で保持される。
【0110】
開口284の左右側には、下面が開口する四角箱状に形成されたギヤカバー286L,286Rが上方に凸設されており、役物モータ56L,56R等を収納可能な空間を形成している。また、前辺の左右側には、左右一対の遮蔽板取付用ボス287がそれぞれ前方に向けて突設されている。
【0111】
(シャッタ機構)
次に、図13?図16にもとづいて、シャッタ210L,210Rをそれぞれ個別に駆動するシャッタ機構300L,300Rについて説明する。なお、シャッタ機構300L,300Rは構造は同一であるため、以下、左側のシャッタ機構300Lについて説明し、右側のシャッタ機構300Rについては説明を省略する。
【0112】
シャッタ機構300Lは、シャッタモータ58Lと、シャッタモータ58Lの出力軸に固着される駆動ギヤ301Lと、駆動ギヤ301Lに噛合する従動ギヤ302Lと、従動ギヤ302Lに連結される揺動アーム303Lと、揺動アーム303Lの先端に軸支されたガイド部材304Lと、前述したシャッタ210L,210Rと、から主に構成されており、シャッタ210L,210Rを除く構造物により駆動手段が構成されている。
【0113】
支持板264Lの下面には、シャッタモータ58Lが上板201の下面側からモータ孔266を挿通して固設されているとともに、従動ギヤ302Lが回動可能に設けられている。従動ギヤ302Lの下面における周縁近傍、つまり回転軸心から偏心した偏心位置には、上下方向を向く連結ピン305(図16参照)が下向きに突設されている。
【0114】
揺動アーム303Lは、図13および図16に示すように、後端が上下方向を向く軸用ボス267に軸支され、先端側が水平方向に揺動可能に支持されており、左右方向の中央位置には連結長孔306が長手方向に向けて形成されており、従動ギヤ302Lの連結ピン305が上方から長手方向に摺動可能に挿入されるとともに、先端には長孔308が長手方向に向けて形成されており、ガイド部材304Lに突設された軸ピン307が下方から長手方向に摺動可能に挿入されている。
【0115】
ガイド部材304Lは、図14に示すように、中央に前述した軸ピン307が上向きに突設されているとともに、左右側には前後方向を向く軸周りに回動可能に設けられた左右一対のガイドローラ309が配設されている。ガイドローラ309は、上板201の上面におけるシャッタ連結用溝260Lの後側に配置され、シャッタ連結用溝260Lに沿って転動する。左右方向の中央位置の前側には、シャッタ210L,210Rに取り付けるための取付ネジ310の取付孔311aが形成された取付片311が前方に向けて突設されている。また、軸ピン307の上端面には、揺動アーム303Lの逸脱を規制する止板312L(図13参照)の取付ネジ313が螺入されるネジ穴が形成されている。
【0116】
左側後部には、シャッタ連結用溝260Lの左端部近傍に設けられたシャッタセンサ59a(図16参照)に検出される被検出片320aと、シャッタ連結用溝260Lの右端部近傍に設けられたシャッタセンサ59b(図16参照)に検出される被検出片320bと、がそれぞれ後向きに突設されており、後述する閉鎖位置と開放位置とでシャッタモータ58Lの駆動が停止されるようになっている。
【0117】
図14および図15に示すように、シャッタ210L,210Rは、左右方向の中央寄りに配置される第1シャッタ210aと、該第1シャッタ210aの左側に配置される第2シャッタ210bと、から構成されている。第1シャッタ210aおよび第2シャッタ210bは、シャッタ連結用溝260Lとほぼ同曲率をなすように左右幅方向に向けて湾曲する平面視湾曲形状に形成されている。
【0118】
第1シャッタ210aおよび第2シャッタ210bは、非透光性樹脂材からなるベース板313a,313bと、ベース板313a,313bの前面側に取付ネジ315により取り付けられる透光性樹脂材からなる装飾板314a,314bと、から構成されている。装飾板314a,314bは、所定の板厚を有するアクリル樹脂板等にて構成され、その背面には、断面視凹状の装飾溝326により所定の模様が形成されている。装飾溝326の背面には、例えばサンドブラスト加工が施されて微細な凹凸面が形成されている。よって、上方に配置される演出ユニットLED60から装飾板314a,314bの上端面に照射された入射光が、凹凸面にて前面側に反射することにより発光するようになっている。
【0119】
ベース板313aの上下端面の左右側には、軸心が上下方向を向く円筒状のガイドローラ316a,316bが設けられており、ベース板313bの上下端面の左側には、軸心が上下方向を向く円筒状のガイドローラ316c,316dが設けられている。また、ベース板313aの背面上部には、ガイド部材304Lの取付ネジ310のネジ穴318aが形成された連結用ボス318が上向きに突設されている。
【0120】
また、ベース板313aの右当接辺の後縁には、凸条317が上下方向に向けて延設されている。特に図示はしないが、反対側のシャッタ210L,210Rのベース板313aの左当接辺の前縁には、凸条317と同様の凸条が上下方向に向けて延設されており、互いのシャッタ210L,210Rの当接辺同士が当接したときに、互いの凸条317同士が前後に重畳して当接辺間に隙間が生じないようにしている。
【0121】
また、図15に示すように、ベース板313a,313bは互いに上下に設けられたヒンジ321a,321bにより、上下方向を向く軸心周りに回動可能に連結されている。また、ベース板313bにおけるベース板313aとの対向辺には、ベース板313aに対するベース板313bの回動規制を行う断面視L字形のストッパ片319が形成されており、図15(a)中1点鎖線で示す位置においてストッパ片319がベース板313aに当接することによって回動が規制されるようになっている。
【0122】
このようにシャッタ210L,210Rは、上部のガイドローラ316a,361cが上板201下面のシャッタ用上ガイド凹溝261内に摺動可能に嵌合されるとともに、下部のガイドローラ316b,316dが下板202上面のシャッタ用下ガイド凹溝280内に摺動可能に嵌合されることで、上板201および下板202の前辺に沿うように左右方向に移動可能に案内される。
【0123】
また、ガイドされた状態において連結用ボス318がシャッタ連結用溝260L,260Rを挿通して上方に突出され、ガイド部材304L,304Rが取付ネジ310により取り付けられて揺動アーム303L,303Rに連結されることで、下部のガイドローラ316b,316dがシャッタ用下ガイド凹溝280の底面上から僅かに浮き上がった状態で、シャッタ210L,210Rはガイド部材304L,304Rにより吊支される。つまり、シャッタ210L,210Rの荷重は上板201上を転動するガイド部材304L,304Rにかかるようになっている。
【0124】
ここで、このように構成されたシャッタ機構300L,300Rの作用について、図16にもとづいて説明する。なお、シャッタ機構300L,300Rは同様に構成されているため、シャッタ機構300Lのみ説明し、シャッタ機構300Rの説明は省略する。
【0125】
シャッタ210L,210Rは、図16(a)に示す開放位置と、図16(b)に示す閉鎖位置と、の間で左右方向に移動可能に設けられている。本実施例では、開放位置が駆動制御の初期位置とされており、ガイド部材304Lはシャッタ連結用溝260Lの左端部に位置し、被検出片320aがシャッタセンサ59aにより検出されている。また、第2シャッタ210bの上下のガイドローラ316c(316d)が第2ガイド溝部261b内に配置されることで、第1シャッタ210aに対して第2シャッタ210bが後方に屈曲されている。
【0126】
ここで、シャッタモータ58Lにより駆動ギヤ301Lが時計回りに回転され、従動ギヤ302Lが反時計回りに回転することで、揺動アーム303Lは後端を中心として右側に揺動する。これにより、シャッタ210L,210Rが右側に移動してガイド部材304Lがシャッタ連結用溝260Lの右端部に到達し、被検出片320bがシャッタセンサ59bにより検出されることによりシャッタモータ58Lの駆動が停止することで、シャッタ210L,210Rは閉鎖位置に停止される。
【0127】
なお、揺動アーム303Lは長孔308を介してガイド部材304Lの軸ピン307と連結されているため、シャッタ210L,210Rを、揺動中心である軸用ボス267を中心とする円弧よりも曲率が小さいシャッタ用上ガイド凹溝261、シャッタ用下ガイド凹溝280に沿って移動させることができる。
【0128】
また、第1シャッタ210aの上下のガイドローラ316a(316c)および第2シャッタ210bの上下のガイドローラ316c(316d)が第1ガイド溝部261a内に配置されることで、第1シャッタ210aおよび第2シャッタ210bにより液晶表示器51の表示画面51aが遮蔽される。
【0129】
開放位置において、連結ピン305は、連結長孔306の後端寄りであって、従動ギヤ302Lの中心を通過するとともに連結長孔306に対して垂直に交わる垂線P1よりもやや後側に位置している。また、閉鎖位置においては、連結長孔306の後端寄りであって、従動ギヤ302Lの中心を通過するとともに連結長孔306に対して垂直に交わる垂線P2よりもやや後側に位置している。
【0130】
このように、開放位置や閉鎖位置において、連結ピン305が垂線P1,P2上の近傍位置に配置されることで、シャッタ210L,210Rを緩やかに停止させることが可能となる。具体的に説明すると、シャッタモータ58Lを定速駆動した場合、従動ギヤ302Lは定速回転することになるが、連結ピン305が垂線P1上または垂線P2上に近づくにつれて、揺動アーム303Lが減速することになる。つまり、例えば図16(b)中2点鎖線で示すように、開放位置と閉鎖位置との略中間位置付近において、従動ギヤ302Lが所定角度回転した場合における揺動アーム303Lの左右方向の移動ストローク量に対し、開放位置または閉鎖位置付近において、従動ギヤ302Lが所定角度回転した場合における揺動アーム303Lの左右方向の移動ストローク量は小さい。
【0131】
よって、シャッタモータ58Lを定速駆動させるだけで、開放位置または閉鎖位置近傍において揺動アーム303Lを減速させることができるため、モータの駆動制御を複雑化することなく、左右のシャッタ210L,210Rを閉鎖したときや開放したときの衝突音や破損の発生を防止できる。
【0132】
また、開放位置または閉鎖位置において、連結ピン305が垂線P1,P2を僅かに乗り越えて連結長孔306の後端部に配置されることで、連結ピン305が連結長孔306に当接して揺動アーム303Lの逆方向への移動が規制されるため、シャッタモータ58Lの駆動を停止させたときに、従動ギヤ302Lが振動等により逆回転してシャッタ210L,210Rが動いてしまうこと等が防止される。また、閉鎖位置や開放位置近傍において、シャッタ210L,210Rが減速するものの移動させる力(トルク)が大きくなるため、シャッタ210L,210Rを開放位置や閉鎖位置において奥側に強い力で押し込むことができる。
【0133】
特に、第2シャッタ210bのガイドローラ316c(316d)が屈曲部261c(280c)に差し掛かったときに、開放位置と閉鎖位置との間を移動させるときよりも低速で、かつ、強い力でシャッタ210L,210Raを移動させることができるため、引っ掛かりなくスムーズに屈曲させることができる。
【0134】
(役物機構)
次に、図17?図20にもとづいて、シャッタ210L,210Rをそれぞれ個別に駆動する役物機構330L,330Rについて説明する。なお、役物機構330L,330Rは構造は同一であるため、以下、左側の役物機構330Lについて説明し、右側の役物機構330Rについては説明を省略する。
【0135】
役物機構330Lは、役物モータ56Lと、役物モータ56Lの出力軸に固着される駆動ギヤ331Lと、駆動ギヤ331Lに噛合する従動ギヤ332Lと、従動ギヤ332Lに噛合する従動ギヤ333Lと、従動ギヤ333Lが左端部に固着され、表面に螺旋状の螺旋溝334が形成された駆動軸335Lと、駆動軸335Lに軸心方向に移動可能に嵌挿された駆動部材336Lと、駆動部材336Lに支持される役物230Lと、から主に構成され、役物230Lを除く構造物により駆動手段が構成されている。
【0136】
役物モータ56Lは、駆動ギヤ331L、従動ギヤ332Lが回動可能に設けられたギヤ板338が一体化される取付部材337に取り付けられた状態で、ギヤカバー286Lの内部に下方から取り付けられる。駆動軸335Lは、下板202の下面にネジ止めされる軸受部材339a,339bにより左右端部が回転可能に軸支された状態で、役物連結用後溝282L,282Rのやや後側に該役物連結用後溝282L,282Rに沿って左右方向に水平に配設される。
【0137】
駆動部材336Lは、特に図19(b)(c)に示すように、駆動軸335Lの外周に環装される円筒状のガイド筒336aと、該ガイド筒336aの側部に連設されるベース板336bと、から構成されている。ガイド筒336aは、その内面所定箇所に螺旋溝334に係合する係合凸部340(図20参照)が突設されている。
【0138】
ベース板336bには、役物230Lを取り付けるための取付ネジ341a(図18参照)が取り付けられる取付孔342aと、取付ネジ341b(図18参照)が取り付けられる取付孔342bが形成されているとともに、取付孔342bの側方には、支持ボス343がそれぞれ上向きに突設されている。
【0139】
取付孔342bの前側には、前後方向を向く軸周りに回転可能に設けられたガイドローラ344a,344bが左右側に設けられている。このガイドローラ344a,344bは、下板202の下面にネジ349aにより固定される金属製のガイドレール349の上面を転動するように設けられている。よって、役物230Lの荷重はこのガイドローラ344a,344bを介して金属製の強固なガイドレール349上にかかるようになっている。
【0140】
また、ベース板336bの前右側には、役物センサ57a,57bにより検出される被検出片345が前方に向けて突設されており、後述する分離位置において役物センサ57aにより検出され、合体位置において役物センサ57bにより検出されるようになっている。
【0141】
役物230Lは、例えばロボットを模したフィギュアの左半分を構成してなり、右半分を構成する右側の役物230L,230Rと合体することにより一体のフィギュアが構成されるようになっている。より詳しくは、役物230Lは、顔部と胸部とを構成する第1部材230aと、肩部を構成する第2部材230bと、から主に構成されている。
【0142】
第1部材230aの底面には、図18に示すように、取付ネジ341aのネジ穴が下端面に形成された取付ボス346aが下向きに突設されているとともに、取付ネジ341bのネジ穴が下端面に形成された左右一対の取付ボス346bが下向きに突設されている。よって、第1部材230aは、役物連結用後溝282Lに上方から挿通された取付ボス346aの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342aに下方から取り付けられた取付ネジ341aを螺入するとともに、役物連結用前溝281Lに上方から挿通された取付ボス346bの下端面に形成されたネジ穴に、駆動部材336Lの取付孔342bに下方から取り付けられた取付ネジ341bを螺入することで、ベース板336b上に起立姿勢で立設支持される。
【0143】
第1部材230aの右側面、つまり右側役物230Rとの対向面における前端縁350Lは、前後方向に屈曲するが左右方向には屈曲しない正面視直線状に延設されており、特に図20に示すように、上部から下部に向けて右側役物230Rから遠ざかる方向に傾斜して形成されている。つまり、前端縁350Lと前端縁350Rとの上端部間の離間幅L1は、下端部間の離間幅L2よりも短寸となるように、第1部材230a,230aの対向面は互いに傾斜して設けられている。
【0144】
一方、第2部材230bは、第1部材230aにヒンジ347Lを介して上下方向を向く軸周りに屈曲可能に連結されている。また、左端部には、役物用ガイド溝283L内に嵌挿されて移動案内されるガイド支柱348Lが下方に向けて突設されている。
【0145】
ここで、このように構成された役物機構330L,330Rの作用について、図21にもとづいて説明する。なお、役物機構330L,330Rは同様に構成されているため、役物機構330Lのみ説明し、役物機構330Rの説明は省略する。
【0146】
役物230Lは、図21(a)に示す分離位置と、図21(b)に示す合体位置と、の間で左右方向に移動可能に設けられている。本実施例では、分離位置が駆動制御の初期位置とされており、駆動部材336Lは役物連結用前溝281Lおよび役物連結用後溝282Lの左端部に位置し、被検出片345が役物センサ57aにより検出されている。また、第2部材230bのガイド支柱348Lが役物用ガイド溝283Lに配置されることで、第1部材230aに対して第2部材230bが後方に屈曲されている。
【0147】
ここで、役物モータ56Lにより駆動ギヤ331Lが回転され、これに伴い従動ギヤ332L,333Lが回転することで、駆動軸335Lが軸心周りに回転する。これにより、螺旋溝334に係合凸部340を介して係合されている駆動部材336Lは、ガイドレール349と下板202とにより上下から挟まれて駆動軸335Lの軸心周りの回動が規制されていることで、駆動軸335Lの回転により合体位置に向けて右側に移動していく。そして、役物230Lが右側に移動して、取付ボス346a,346bが役物連結用前溝281Lおよび役物連結用後溝282Lの右端部に到達し、また、ガイド支柱348Lが役物用ガイド溝283Lの右端部に到達するとともに、被検出片345が役物センサ57bにより検出されることにより役物モータ56Lの駆動が停止することで、役物230Lは合体位置に停止される。
【0148】
このように合体位置に配置され、これにより左右の役物230L、230Rの前端縁350L,350Rが当接して合体することにより、液晶表示器51の表示画面51aのほぼ全域が遮蔽される。
【0149】
(演出ユニット内部構造)
図22に示すように、演出ユニット200は、前面に遮蔽板205Lが配置され、その後方にシャッタ210L,210R、役物230L,230R、液晶表示器51が順次配設されている。本実施例では、液晶表示器51は前後方向の略中央位置に起立姿勢で配設され、その後方には所定の空間Sが確保されており、この空間S内には、役物モータ56Lやシャッタモータ58Lが収容されたり、これらモータや演出ユニットLED基板252からの配線を収納するスペースとして機能しているが、液晶表示器51をより後方に配置してその前方空間を大としてもよい。
【0150】
また、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタ機構300L,300Rと、役物230L,230Rを駆動する役物機構330L,330Rとは、演出ユニット200の上下にそれぞれ別個に配設されている。よって、互いの駆動機構同士が干渉しあうことを回避できるため、それぞれを別個に駆動することが可能となる。
【0151】
また、左右方向に移動可能なシャッタ210L,210Rは、揺動アーム303Lの揺動により左右方向に移動する機構が採用されていることで、前述したように、開放位置および閉鎖位置近傍において減速されるため、衝突による衝撃音の発生や破損が防止される。また、前方位置に配置されるシャッタ210L,210Rを駆動するシャッタモータ58Lを、極力液晶表示器51の後方に配設することができる。
【0152】
次いで、図23には、演出ユニット200の前面領域とシャッタ210L,210Rとの幅寸法関係が示されている。演出ユニット200の前面は、前面扉1bの上部パネル112の左右幅寸法とほぼ同寸に形成されており、左右側に配設される遮蔽板205L,205Rにて構成される非表示領域Z1,Z1と、これら遮蔽板205L,205R間に形成される表示領域Z2と、により構成されている。表示領域Z2に対応する箇所には、液晶表示器51が配置されていることにより、該表示領域Z2は表示画面51aにて構成される。
【0153】
そして、非表示領域Z1の左右幅寸法aに対し、表示領域Z2の左右幅寸法bは左右の非表示領域Z1の合計左右幅寸法2aよりも大きく形成されている(b>2a)。これに対し、シャッタ210L,210Rの左右幅寸法cは、表示領域Z2の左右幅寸法の半分(b/2)および非表示領域Z1の左右幅寸法aよりも長寸とされているため(c>b/2>a)、左右のシャッタ210L,210Rを閉鎖位置に配置することで、表示領域Z2を完全に閉鎖できるようになっている。
【0154】
ここで、シャッタ210L,210Rを閉鎖位置から開放位置まで前向き姿勢のまま側方に退避させると、シャッタ210L,210Rの左右幅寸法cは非表示領域Z1の左右幅寸法aよりも長寸であるため、表示領域Z2から完全に退避させることができない。しかし、シャッタ210L,210Rは、左右幅寸法aよりも短寸の左右幅寸法dを有する第1シャッタ210aと、該第1シャッタ210aに対して屈曲可能に設けられ、第1シャッタ210aの左右幅寸法dよりも短寸の左右幅寸法eを有する第2シャッタ210bと、から構成されている。よって、第2シャッタ210bが左右側にて後方に誘導されて第1シャッタ210aに対して屈曲することで、第1シャッタ210aを前向き姿勢のまま遮蔽板205L,205Rの背面に退避させることが可能となる。
【0155】
このように、シャッタ210L,210Rを表示領域Z2を閉鎖可能な閉鎖位置と該閉鎖位置の側方の開放位置との間で移動させるものにおいて、シャッタ210L,210Rの一端部を後方に屈曲可能に構成することで、左右の非表示領域Z1の合計左右幅寸法2aよりも表示領域Z2の左右幅寸法bの方を大とすることが可能となるので、限られた左右幅スペースにおいて、表示領域Z2の左右幅寸法を極力長寸とすることができるため、迫力ある演出画像を遊技者に提供することが可能となる。
【0156】
また、本実施例では、表示領域Z2を左右一対のシャッタ210L,210Rにて開閉できるようになっているが、表示領域Z2を1枚のシャッタにて開閉するものの場合、シャッタの左右幅寸法cは、表示領域Z2の左右幅寸法bおよび非表示領域Z1の左右幅寸法aよりも長寸とされればよい(c<b<a)。
【0157】
また、図24に示すように、シャッタ210L,210Rを移動案内するシャッタ用上ガイド凹溝261およびシャッタ用下ガイド凹溝280は、第1ガイド溝部261a,280aと該第1ガイド溝部261a,280aに対して後方に屈曲する第2ガイド溝部261b,280bとから構成されていることで、開放位置に配置する際に、シャッタ210L,210Rの背面側に近接して配置される役物230L,230Rとの干渉を回避することができる。
【0158】
すなわち、図24(d)に示すように、第1シャッタ210aおよび第2シャッタ210bを左右2つのガイドローラ316a,316cのみによって一直線姿勢で移動案内する場合に比べて、第1シャッタ210aに対して第2シャッタ210bを屈曲させた方が、第1シャッタ210aを遮蔽板205L,205R側に、第2シャッタ210bを側方にそれぞれ寄せて平面視略L字形に配置することができ、これにより第1シャッタ210aと第2シャッタ210bとの角部内側に役物230L,230Rを収容するスペースが確保されるため、役物230L,230Rとの間に干渉を回避するための無駄なスペースを設ける必要がなくなる。
【0159】
なお、本実施例では、シャッタ210L,210Rとその背面側に配設されている役物230L,230Rとの干渉を回避するための構造を開示したが、例えばシャッタ210L,210Rの背面側に演出ユニット200を構成する固定的な構造物配設されている場合、このような構造物との干渉も回避することができる。
【0160】
また、後方に構造物等がない役物230L,230Rについては、第1ガイド溝部261aに対する第2ガイド溝部261bの屈曲角度よりも、第1ガイド溝部283aに対する第2ガイド溝部283bの屈曲角度の方が小さい、つまりシャッタ210L,210Rに比べて第2部材230bは第1部材230aに対して緩やかに屈曲されるため、分離位置に向けて移動する際に屈曲部283cにて引っ掛かりが生じることが防止される。
【0161】
なお、屈曲部261c,280c,283cにて屈曲するとは、第1ガイド溝部に対して第2ガイド溝部が後方または前方に方向変換することであり、例えば、屈曲部はガイド溝部が直線から曲線または曲線から直線に切り替わることであってもよいし、直線の方向や円弧の曲率が変更することであってもよい。
【0162】
また、本実施例では、第1ガイド溝部261aが円弧であるのに対し、第2ガイド溝部261bが直線とされ、逆に第1ガイド溝部283aが直線であるのに対し、第2ガイド溝部283bが円弧とされていることで、互いに干渉させることなく効率よく収容することができる。
【0163】
役物230L,230Rは、図25および図26に示すように、遮蔽板205Lの背面側の分離位置(図25(a)参照)と、液晶表示器51の前方に配置され、他方の役物の前端縁350L,350R同士が当接する合体位置(図25(c)参照)と、の間で左右方向に移動可能に設けられている。
【0164】
また、役物230L,230Rは、駆動軸335L,335Rに軸心方向に移動可能に連結された駆動部材336L,336Rにより、下方からのみ起立姿勢で片持ち支持されている。言い換えると、駆動軸335L,335Rからの駆動力が伝達される駆動力伝達部が、正面視上下方向を向く前端縁350L,350Rの一端側である下部位置にのみ設けられている。このように役物230L,230Rが片持ちで支持される場合、例えば役物機構330L,330Rの組み付け精度や各部材の成型精度等によって、合体位置に位置したときに、前端縁350L,350Rにおける役物230L,230Rを支持する駆動部材336L,336R側の下端部同士のみが先に当接してしまうことで、上端部間に隙間が生じてしまう虞がある。
【0165】
しかし、役物230L,230Rの前端縁350L,350Rは、上端から下端に向けて互いに離間する方向に傾斜して形成されているため、合体位置に到達する前に、駆動部材336L,336Rから遠い側の上端部から先に当接していくことになる。
【0166】
具体的には、図26(a)に示すように、分離位置においては遮蔽板205L,205Rの背面側に配置される。このとき、シャッタ210L,210Rと同様に、役物用ガイド溝283L,283Rにより第1部材230aに対して第2部材230bが後方に屈曲して配置されるため、左右幅寸法の短い遮蔽板205L,205Rの背面側にコンパクトに退避させることができる。
【0167】
次いで、分離位置から合体位置に向けて移動させた後(図25(b)、図26(b)参照)、図26(c)に示すように、互いの前端縁350L,350R同士が近接すると、まず最初に、前端縁350L,350Rの下端部よりも先に、上端部同士が当接する。そしてさらに役物モータ56L,56Rが継続して駆動し、役物230L,230R同士がさらに近づく方向に向けて移動される。
【0168】
この駆動力により、前端縁350L,350Rの変形、もしくは、駆動部材336L,336Rに対する役物230L,230Rの取付部の遊びにより、上端側から下端側に向けて前端縁350L,350R同士が漸次当接していき、最終的に前端縁350L,350R同士が上下方向にわたり当接する。そして、下端同士が当接する位置に到達したときに役物モータ56L,56Rの駆動が停止される。
【0169】
このように、役物230L,230Rが下方の駆動部材336L,336Rにて片持ち支持される場合であっても、合体位置に到達する直前において、前端縁350L,350Rは、駆動部材336L,336Rと反対側の上端部から下端部に向けて漸次当接していくとともに、下端部が当接するまで役物モータ56L,56Rが継続して駆動するため、合体位置において前端縁350L,350R同士を上方から下方まで隙間なく合わさるように密接させることができる。
【0170】
本実施例では、前端縁350L,350Rは前後方向に屈曲するが、正面視で上下方向に延びる直線形状をなす縁部とされているため、上端から下端に向けて傾斜させるだけでなく、前方から後方に向けて互いに離間する方向に傾斜させることで、より確実に密接させることができる。
【0171】
また、少なくとも遊技者側の前端縁350L,350R同士が上端から下端にかけて傾斜して設けられ、合体位置においてこれらが当接するように構成されていれば、対向面同士は必ずしも当接してもしなくてもよい。
【0172】
図27には、本発明の変形例が示されている。前記実施例では、役物230L,230Rはシャッタ210L,210Rとほぼ平行に左右方向にのみ移動可能に構成されていたが、例えば役物230L’,230R’を移動案内する役物用ガイド長孔283L’,283R’の一部を、シャッタ210L,210Rを移動案内するシャッタ用上ガイド凹溝261およびシャッタ用下ガイド凹溝280と交差するように前後方向に延設してもよい。
【0173】
このようにすることで、役物230L’,230R’に前後方向の動きを持たせることができるため、演出効果を向上させることができる。また、このように役物230L’,230R’の移動軌跡とシャッタ210L,210Rの移動軌跡とを交差させる場合でも、それぞれの駆動機構が上下に別個に配設されていることで、互いの機構同士が干渉しあうことがないように自由に設計することができるので、双方の動きを複雑化することが可能となる。
【0174】
また、本実施例では、シャッタ210L,210Rも上部で吊支された片持ち構造であるため、閉鎖位置において、互いに向き合う当接辺同士が下から上に向けて漸次当接するようにしてもよく、このようにした場合も、上記と同様の作用・効果を奏する。
【0175】
以上説明したように、本発明の実施例としての演出ユニット200にあっては、シャッタ210L,210Rが開放位置に向けて移動したときに、第2ガイド溝部261b,280bにより第2シャッタ210bのみが第1シャッタ210aに対して屈曲部であるヒンジ321bを中心として屈曲されることで、開放位置においてシャッタ210L,210Rの左右幅寸法を短くすることができる。よって、開放位置でのシャッタ210L,210Rの配置スペースを確保するために表示画面51aの左右幅寸法が制限されることがないので、液晶表示器51の大型化を図ることが可能となる。
【0176】
また、前記実施例では、シャッタ用上ガイド凹溝261およびシャッタ用下ガイド凹溝280は、平面視所定曲率の円弧形状に形成されていたが、直線状に形成されていてもよく、直線状に形成した場合でも、揺動アーム303L,303Rにより左右方向に移動させることが可能である。
【0177】
また、シャッタ210L,210Rが閉鎖位置に位置した状態で該シャッタ210L,210Rよりも後面側に配置される構造物としての役物230L,230Rが設けられているが、第2ガイド溝部261b,280bは、第1ガイド溝部261a,280aに案内された第2シャッタ210bを役物230L,230Rの左右側方に移動案内することで、役物230L,230Rを回り込むように第2シャッタ210bが屈曲するので、シャッタ210L,210Rとの干渉を避けることができる。
【0178】
なお、本実施例では、シャッタ210L,210Rが閉鎖位置に位置した状態で該シャッタ210L,210Rよりも後面側に配置される構造物としての役物230L,230Rは、移動可能に設けられているが、このような移動可能な構造物だけでなく、装飾部材等固定構造物等が配設されている場合であっても、固定構造物を回り込むように第2シャッタ210bを屈曲させてシャッタ210L,210Rとの干渉を避けることが可能である。
【0179】
また、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタ機構300L,300Rは、シャッタモータ58L,58Rと、シャッタモータ58L,58Rにより回転可能に設けられ、回転中心に対し偏心する偏心位置に連結ピン305が突設された従動ギヤ302L,302Rと、後端が上板201に揺動可能に支持されるとともに、前端にシャッタ210L,210Rが設けられ、連結ピン305が摺動可能に挿入される連結長孔306が形成された揺動アーム303L,303Rと、から構成され、シャッタモータ58L,58Rによる従動ギヤ302L,302Rの回転力が連結ピン305と連結長孔306とを介して揺動アーム303L,303Rに伝達され、該揺動アーム303L,303Rが後端を中心に揺動することによりシャッタ210L,210Rが閉鎖位置と開放位置との間で移動することにより、揺動アーム303L,303Rの揺動によりシャッタ210L,210Rを移動させることができることで、シャッタモータ58L,58R等をシャッタ210L,210Rから離れた位置に配置することが可能となるため、駆動手段の配置自由度が向上する。
【0180】
また、揺動アーム303L,303Rが、回転軸と連結ピン305とを結ぶ垂線P1が連結長孔306に対して略直交する死点位置近傍に到達する位置に配置されるときに、第2シャッタ210bが後方向に移動案内されることで、揺動アーム303L,303Rをシャッタモータ58L,58Rにより定速で移動させても、停止位置において減速されることで該停止位置において大きな衝撃が生じることがないばかりか、停止位置でトルクが増加することによって、第2シャッタ210bが屈曲位置で引っ掛かることなくスムーズに移動される。
【0181】
さらに、垂線P1,P2が連結長孔306に対して略直交する死点位置近傍に到達する位置に配置されるときに、シャッタ210L,210Rが閉鎖位置または開放位置に配置されることで、シャッタ210L,210Rを閉鎖位置または開放位置に正確に配置することができる。
【0182】
また、第1部材230aに対してヒンジ347L,347Rを介して屈曲可能に設けられる第2部材230bと、から少なくとも構成される役物230L,230Rを、分離位置と合体位置との間で移動可能に案内する役物機構330L,330Rは、合体位置から分離位置への移動に際して、第1部材230aと第2部材230bとを左右方向に移動案内する第1ガイド溝部283aと、第2部材230bをヒンジ347L,347Rを中心として屈曲させて、後方向に移動案内する第2ガイド溝部283bと、を備えており、第1ガイド溝部283aに対する第2ガイド溝部283bの屈曲角度は、第1ガイド溝部261a,280aに対する第2ガイド溝部261b,280bの屈曲角度よりも大きいことで、役物230L,230Rが後非重畳部に向けて移動したときに、第4案内部により第2構造部のみが第1構造部に対して屈曲部を中心として屈曲されることで、分離位置において役物230L,230Rの左右幅寸法を短くすることができる。よって、分離位置での役物230L,230Rの配置スペースを確保するために表示画面51aの左右幅寸法が制限されることがないので、液晶表示器51の大型化を図ることが可能となる。
【0183】
また、本実施例では、シャッタ210L,210Rや役物230L,230Rを移動案内する案内手段として、シャッタ210L,210Rや役物230L,230Rに突設されたガイドローラやガイドピン等のガイド部が摺動可能に嵌挿される被ガイド部としてガイド溝が適用されていたが、ガイドレール等であってもよい。
【0184】
また、本実施例では、役物230L,230Rの前端縁350L,350Rは、上端から下端に向けて互いに離間する方向に傾斜しているため、役物230L,230Rを合体位置に移動させる際において、前端縁350Lと350Rとは、駆動力伝達部である取付ボス346a,346bから遠い上端側が先に当接した後、駆動力伝達部に近い下端側が当接する。よって、役物230L,230Rが前端縁350L,350Rの下端側のみに駆動力が伝達されるものであっても、合体位置において前端縁350L,350Rとを隙間なく当接させることができる。
【0185】
また、本実施例では、役物230L,230Rの下部、つまり、上下方向に延びる前端縁350L,350Rの一端側である下部に設けられた取付ボス346a,346bを介して、役物機構330L,330Rの駆動力が伝達されるようになっていたが、前端縁350L,350Rの他端側である上部に設けられた駆動力伝達部を介して、役物機構330L,330Rの駆動力が伝達されるようにしてもよい。
【0186】
なお、駆動力伝達部は、駆動軸335L,335Rに環装され、該駆動軸335L,335Rの回転により軸心方向に移動する駆動部材336L,336Rとの取付部に限定されるものではなく、役物230L,230Rにおいて、駆動手段により駆動する伝達部材と連結する連結部であれば、例えば伝達部材としての駆動ギヤ部に噛合する従動ギヤ部等であってもよい。
【0187】
また、本実施例では、左右の役物230L,230R双方を合体位置に向けて移動させることで、左右の役物230L,230R双方が互いに近づくことになるため、上端側が擦れて磨耗しにくくなる。
【0188】
なお、本実施例では、左右の役物230L,230R双方が合体位置に向けて移動可能に設けられていたが、左右のうちいずれか一方のみが移動可能に設けられていてもよい。
【0189】
また、本実施例では、左右の役物230L,230R双方が合体位置に位置したときに、ロボットを模した一の役物が構成されるようになっているが、正面視直線状をなす当接辺に合わさるように当接可能な被当接辺を有する移動ユニットが移動可能に設けられていれば、当接辺と被当接辺とが当接したときに必ずしも1つの装飾部や役物等が構成されなくてもよい。つまり、正面視直線状に形成される当接辺を、役物等でなく所定の構造部位に設けてもよい。
【0190】
例えば、シャッタ210L,210Rは、閉鎖位置において互いに当接するシャッタ210Lの右側辺とシャッタ210Rの左側辺とが上下方向に向けて延設されており、駆動手段としての揺動アーム303L,303Rに対して、右側辺と左側辺との一端側である上部に設けられた連結用ボス318(駆動力伝達部)を介して連結されている。よって、特に図示はしないが、右側辺と左側辺とを、開放位置において駆動力伝達部に近い上端側から下端側に向けて漸次近接する方向に傾斜するようにすれば、閉鎖位置に移動させる際に、例えば右側辺に対し、左側辺の下端側が当接した後、上端側が当接するようにすることができる。
【0191】
また、役物230L,230Rの当接辺および被当接辺を構成する前端縁350L,350Rは、正面視で上下方向を向く直線状をなすように設けられていれば、本実施例のように前後方向に湾曲する曲線にて構成されていてもよいし、上下方向に延びる直線にて構成されていてもよく、直線の場合には、前後方向に傾倒していてもよい。また、当接辺と被当接辺とは、合体位置のような当接位置において、当接辺に対し被当接辺全体が重なるように線接触にて当接するようになっていればよい。
【0192】
また、本実施例では、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタ機構300L,300Rは、シャッタモータ58L,58Rと、シャッタモータ58L,58Rにより回転可能に設けられ、回転中心に対し偏心する偏心位置に連結ピン305が突設された従動ギヤ302L,302Rと、後端が上板201に揺動可能に支持されるとともに、前端にシャッタ210L,210Rが設けられ、連結ピン305が摺動可能に挿入される連結長孔306が形成された揺動アーム303L,303Rと、から構成されていたが、役物230L,230Rを駆動する役物機構330L,330Rとして、揺動アームにより揺動することにより合体位置と分離位置との間で移動させるシャッタ機構300L,300Rと同様の駆動機構を採用してもよい。
【0193】
また、役物230L,230Rを駆動する役物機構330L,330Rは、役物モータ56L,56Rと、該役物モータ56L,56Rの駆動ギヤ331L,331Rに噛合する従動ギヤ332L,332R、333L,333Rと、従動ギヤ333L,333Rに噛合する駆動軸335L,335Rと、から構成されていたが、シャッタ210L,210Rを駆動するシャッタ機構300L,300Rとして、役物機構330L,330Rと同様の駆動機構を採用してもよい。
【0194】
すなわち、本実施例では、シャッタ210L,210Rの背面側に役物230L,230Rが配設されていたが、役物230L,230Rの背面側にシャッタ210L,210Rを配設してもよい。
【0195】
また、本実施例では、役物230L,230Rが配設される演出ユニット200の筐体200aの内部に、役物機構330L,330Rとは別個のシャッタ機構300L,300Rにて移動するシャッタ210L,210Rが設けられ、筐体200aの下面側に役物機構330L,330Rが設けられ、上面側にシャッタ機構300L,300Rが設けられていることで、役物230L,230Rを駆動する役物機構330L,330Rとシャッタ210L,210Rを駆動するシャッタ機構300L,300Rとを干渉しないように配設することができる。
【0196】
また、前記実施例では、シャッタ210L,210Rおよび役物230L,230Rは左右方向に移動可能に設けられていたが、液晶表示器51の表示画面51aに重畳する重畳位置と重畳しない非重畳位置との間で移動可能に設けられていれば、移動方向は左右方向に限定されるものではなく、例えば上部パネル112に沿うように上下方向あるいは斜め方向に移動可能に設けられていてもよい。
【0197】
さらに、シャッタ210L,210Rおよび役物230L,230Rは、必ずしも同一方向に移動可能に設けられていなくてもよく、互いに異なる方向、例えば一方が左右方向、他方が上下方向に移動可能に設けられていてもよい。
【0198】
また、前記実施例では、シャッタ210L,210Rおよび役物230L,230Rは、左右側に観音開き可能に設けられた左右一対の部材にて構成されていたが、単一の部材にて構成されていてもよいし、それぞれ2以上のユニットにて構成されていてもよい。
【0199】
また、前記実施例では、演出手段の一例として、画像を表示可能な表示装置である液晶表示器51が適用されていたが、このような表示装置に限定されるものではなく、機械的構造物からなる演出装置や装飾部材等であってもよい。
【0200】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0201】
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機等にも適用可能である。この場合、例えば液晶表示器51を、パチンコ遊技機の遊技盤に設けられる可変表示装置として適用し、該液晶表示器51に重畳する重畳位置と重畳しない非重畳位置との間で、シャッタ210L,210Rや役物230L,230Rを移動可能に設ければよい。
【符号の説明】
【0202】
1 スロットマシン
200 演出ユニット
210L,210R シャッタ
230L,230R 役物
261 シャッタ用上ガイド凹溝
261a,261b ガイド溝部
261c 屈曲部
280 シャッタ用下ガイド凹溝
281L,281R 役物連結用前溝
282L,282R 役物連結用後溝
283L,283R 役物用ガイド溝
283a,283b ガイド溝部
300L,300R シャッタ機構
303L,303R 揺動アーム
305 連結ピン
306 連結長孔
330L,330R 役物機構
336L,336R 支持部材
350L,350R 前端縁
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機の所定箇所に配設される演出手段と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で一側から移動可能に設けられる第1可動物と、
前記演出手段に重畳する重畳部と、該重畳部に並設され前記演出手段に重畳しない非重畳部との間で他側から移動可能に設けられる第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を、前記重畳部と前記非重畳部との間で移動案内する案内手段と、
を備え、
前記第1可動物は、第1可動部と、該第1可動部の前記非重畳部側であって前記第1可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第2可動部と、から少なくとも構成され、
前記第2可動物は、第3可動部と、該第3可動部の前記非重畳部側であって前記第3可動部との接続部を屈曲部中心として屈曲可能に設けられる第4可動部と、から少なくとも構成され、
前記案内手段は、前記第1可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第1可動部と前記第2可動部とを第1の方向に移動案内する第1案内部と、前記第1案内部に案内された前記第2可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動案内する第2案内部と、前記第2可動物の前記重畳部から前記非重畳部への移動に際して、前記第3可動部と前記第4可動部とを第3の方向に移動案内する第3案内部と、前記第3案内部に案内された前記第4可動部を前記屈曲部中心に屈曲させて、前記第3の方向と交差する第4の方向に移動案内する第4案内部と、から少なくとも構成され、
前記第1の方向に直線状に延びる第1溝と、
該第1溝に平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝とに平行に並設され前記第1の方向に直線状に延びる第1ガイド溝部と、該第1ガイド溝部に連続し前記第2の方向に円弧状に延びる第2ガイド溝部とから構成される第3溝と、
前記第3の方向に直線状に延びる第4溝と、
該第4溝に平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第5溝と、
前記第4溝と前記第5溝とに平行に並設され前記第3の方向に直線状に延びる第3ガイド溝部と、該第3ガイド溝部に連続し前記第4の方向に円弧状に延びる第4ガイド溝部とから構成される第6溝と、
を備え、
前記第1案内部は、前記第1溝と、前記第2溝と、前記第3溝の前記第1ガイド溝部とから構成され、
前記第2案内部は、前記第3溝の前記第2ガイド溝部から構成され、
前記第3案内部は、前記第4溝と、前記第5溝と、前記第6溝の前記第3ガイド溝部とから構成され、
前記第4案内部は、前記第6溝の前記第4ガイド溝部から構成され、
前記第1可動部は、前記第1溝に挿通される第1支持部と、前記第2溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第2支持部及び第3支持部とを備え、
前記第2可動部は、前記第3溝に挿通される第4支持部を備え、
前記第3可動部は、前記第4溝に挿通される第5支持部と、前記第5溝の延びる方向に沿ってそれぞれ挿通される第6支持部及び第7支持部とを備え、
前記第4可動部は、前記第6溝に挿通される第8支持部を備え、
前記第1溝は、前記第1支持部を案内し、
前記第2溝は、前記第2支持部及び前記第3支持部を案内し、
前記第3溝は、前記第4支持部を案内し、
前記第4溝は、前記第5支持部を案内し、
前記第5溝は、前記第6支持部及び前記第7支持部を案内し、
前記第6溝は、前記第8支持部を案内し、
前記第1可動部は、第1駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第2可動部は、前記第1駆動手段による前記第1可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第3可動部は、第2駆動手段の駆動により、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第4可動部は、前記第2駆動手段による前記第3可動部の移動に追従して、前記重畳部から前記非重畳部へ移動し、
前記第1可動物及び前記第2可動物は、前記重畳部において合体するものであり、該合体する際に当接する当接面には装飾が施されており、該装飾は前記非重畳部において遊技者から視認可能である
ことを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-07-30 
出願番号 特願2016-51826(P2016-51826)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 井海田 隆  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 濱野 隆
瀬津 太朗
登録日 2017-01-06 
登録番号 特許第6068701号(P6068701)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 溝渕 良一  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 林 修身  
代理人 石川 好文  
代理人 重信 和男  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 林 修身  
代理人 重信 和男  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  
代理人 溝渕 良一  
代理人 石川 好文  
代理人 大久保 岳彦  

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