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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F21V
管理番号 1344504
審判番号 不服2017-8386  
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-08 
確定日 2018-10-09 
事件の表示 特願2014-55303号「照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月8日出願公開、特開2015-179567号公報、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年3月18日に特許出願をしたものであって、平成28年3月10日付けで拒絶理由が通知され、同年5月20日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年7月12日付けで拒絶理由が通知され、同年9月2日付けで意見書及び補正書が提出され、平成29年2月23日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年6月8日付けで拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定(平成29年2月23日付け拒絶査定)の概要

この出願については、平成28年7月12日付け拒絶理由通知書に記載した以下の理由によって、拒絶をすべきものである。

この出願の請求項1に係る発明は、引用文献1?5に記載された発明に基いて、請求項2に係る発明は、引用文献1?6に記載された発明に基いて、請求項3に係る発明は、引用文献1?7に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2013-51193号公報
2.特開2010-165550号公報
3.特開2012-174353号公報
4.特開2013-41670号公報
5.特開平5-248018号公報
6.特開2007-265646号公報
7.特開2011-60428号公報

第3 審判請求時の補正について

1 補正の内容

平成29年6月8日付けの手続補正による補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正するものであって、補正後の記載を示すと以下のとおりである(下線は補正箇所を示し、本件補正において付されたとおりである。)。

「【請求項1】
両端が開放した円筒状透光パイプ内には、同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法とした平板状ベース板表面に、ラインLED群、同裏面にLED用電源を搭載した光源ユニットが収容され、該透光パイプの両端には、夫々透光パイプの円環状端を上回る外径とした一対の円板状体からなり、該透光パイプの円環状端に対峙する内側壁に、同透光パイプの円環状端が、該透光パイプ円環状端の先端に対応する円環状パッキンを介在させて嵌合可能な内外径および深さに設定した円環状シール溝が刻設されると共に、該円環状シール溝内径より内側には、当該光源ユニットベース板の端縁を嵌合可能な一文字状の片支持溝が、略水平であって、何れか一方に配されることになるハーネス接続用プラグ形成に支障のない上方位置に刻設されると共に、各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には取付け孔が貫通、穿設された一対の熱伝導性に秀でた素材製の防水蓋が、同円環状シール溝内底部に円環状パッキンを挟み込み、同一文字状の片支持溝にベース板の端縁を伝熱可能にして挿入され、先の取付け孔夫々から、それら取付け孔に対応、形成されている光源ユニットのベース板端縁の各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔に、夫々、該透光パイプ両端毎に独立した合計4本の締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ、各防水蓋が夫々当該透光パイプの対応端に向けて押圧され、各防水蓋環状シール溝が夫々当該透光パイプの両端に向けて嵌合・押圧し、各円環状パッキンが圧縮・密封状とされるようにして該透光パイプの両端の夫々に独立型となる緊締機構を介して締付け状装着とされた上、それら各防水蓋の外側壁には、夫々熱伝導性に秀でた素材製の取付け脚が一体化され、各取付け脚のアース状接地部には、電食防止用絶縁膜が被着されて電気的絶縁状態に固定されてなり、該透光パイプ両端毎に夫々独立型とされた前記緊締機構、該透光パイプ、該光源ユニットの平板状ベース板、および、一対の防水蓋の組み合わせが、互いの結合構造を相乗的に簡素化し、小型化および重量の軽量化を可能なものとされたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
ベース板表面に搭載するラインLED群が、同ベース板の全長寸法方向に延伸し、同ベース板の幅寸法方向両端がわに基端を支持し、上向き先端を互いに近接するよう断面八字状に傾斜させた一対の熱伝導性角度板の各外向き先端壁に沿って搭載されてなるものとした、請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
透光パイプが、光拡散材を混入してなる透明または半透明の合成樹脂製のものとされてなる、請求項1または2何れか一記載の照明装置。」

2 補正の適否

本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である以下の各点について、補正をしたものである。
A 「各一対のネジ孔」が、「合計4箇所の否貫通型めくら穴状」であるとした。
B 「締付ネジ」が、「該透光パイプ両端毎に独立した合計4本」であるとした。
C 「緊締機構」、「透光パイプ」、「光源ユニットの平板状ベース板」及び「一対の防水蓋」が、「該透光パイプ両端毎に夫々独立型とされた前記緊締機構、該透光パイプ、該光源ユニットの平板状ベース板、および、一対の防水蓋の組み合わせが、互いの結合構造を相乗的に簡素化し、小型化および重量の軽量化を可能なもの」であるとした。

(1)Aについて
「各一対のネジ孔」が、「合計4箇所の否貫通型めくら穴状」であるとする補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、単に「当初明細書等」という。)の「緊締機構7は、各防水蓋5,5の外側壁51,51から同内側壁50,50の各一文字状片支持溝53,53の中心を外した2箇所夫々に貫通するよう取付け孔70,70を穿設し、夫々の取付け孔70,70に対応する光源ユニット3ベース板30の端縁33,33には、各一対のネジ孔71,71、および、該防水蓋5,5外側壁51,51から各取付け孔70,70を通り、ベース板30端縁33.33の各ネジ孔71,71に螺合する、各防水蓋5,5夫々2本ずつの締付ネジ72,72,……からなるものとし、各締付ネジ72,72,……を締め付け、各防水蓋5,5を夫々該透光パイプ2の両端20,20に向けて押圧し、各円環状パッキン6を圧縮・密封状とするよう装着してなるものとしている。」(【0029】)の記載、図10、図12?図14の図示内容等に基づいて、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり、新規事項を追加するものではない。また、本件補正は、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第37条の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにされたものであることも明らかである。

(2)Bについて
「締付ネジ」が、「該透光パイプ両端毎に独立した合計4本」であるとする補正は、(1)において摘示した記載等に基づいて、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり、新規事項を追加するものではない。また、本件補正は、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第37条の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにされたものであることも明らかである。


(3)Cについて
「緊締機構」、「透光パイプ」、「光源ユニットの平板状ベース板」及び「一対の防水蓋」が、「該透光パイプ両端毎に夫々独立型とされた前記緊締機構、該透光パイプ、該光源ユニットの平板状ベース板、および、一対の防水蓋の組み合わせが、互いの結合構造を相乗的に簡素化し、小型化および重量の軽量化を可能なもの」であるとする補正は、当初明細書等の「加えて、各防水蓋の内側壁に刻設した環状シール溝内径より内側に、片支持溝を刻設したものとすることにより、透光パイプの両端に各防水蓋を装着すると共に、透光パイプ内の所望位置に光源ユニットベース板の端縁を嵌合状支持可能なものとしてあることから、部品構成を簡素化できると共に、組立工数を大幅削減して生産効率を一段と高めたものとすることが可能であり、しかも、緊締機構が、防水蓋の外側壁から同内側壁片支持溝に貫通する1個または複数個の取付け孔、各取付け孔に対応する光源ユニットベース板の端縁に穿設した1個または複数個のネジ孔および該防水蓋外側壁から各取付け孔を通り、ベース板端縁の各ネジ孔に螺合する1本または複数本の締付ネジからなるものとすることにより、同緊締機構を簡素化し、照明装置の一層の小型・軽量化を達成可能なものとすることができる利点が得られる。」(【0011】)の記載等に基づいて、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり、新規事項を追加するものではない。また、本件補正は、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第37条の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにされたものであることも明らかである。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第4項の規定に適合するものであり、また、補正前の請求項1に記載された発明と、補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして、後記「第4 本願発明」及び「第5 当審の判断」に示すように、補正後の請求項1に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明

本願の請求項1?3に係る発明(以下「本願発明1?3」という。)は、平成29年6月8日付けの手続補正により補正された、上記「第3 審判請求時の補正について 1 補正の内容」において摘示した特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるものである。

第5 当審の判断

1 引用文献の記載事項

(1) 引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。)。

(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開放した筒状のグローブに光源ユニットを収め、前記グローブの両端縁の各々を閉塞部材に挿入して閉じた照明装置において、
前記グローブの端縁と前記閉塞部材の間に防水パッキンを備え、
前記防水パッキンは、前記グローブの端縁によって押圧変形して前記閉塞部材との間をシールする第1シール部と、前記グローブ端部の外側面と前記閉塞部材との間に挟まれてシールする第2シール部とを一体に備えることを特徴とする照明装置。」

(1b)「【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明を適用した実施形態に係る照明装置1の斜視図であり、図2(A)は、照明装置1の断面図である。照明装置1は、共同溝、横断地下道、カルバート、ダム監査路、トンネル避難抗等で照明装置として用いられる。
図1、及び、図2(A)に示すように、照明装置1は、筒状のグローブ11を備え、このグローブ11に光源ユニット20を収めて構成されている。光源ユニット20は、エネルギーを受けて光を放射する光源を含むユニットであり、この光源としては、電球、蛍光灯、アーク灯、HIDランプ、発光ダイオード等を用いることができる。本実施形態では、光源ユニット20は、省エネルギー、及び、長寿命であるLEDを光源として用いるLEDユニットである場合を例に説明する。
グローブ11は、透過性のある材料、例えば樹脂材を用いて、断面略円形状に形成されている。グローブ11は、両端部12が開放しており、両端部12の両端縁13の各々は、閉塞部材30に挿入されて閉じられる。閉塞部材30は、例えば、アルミニウム合金を用いて、ダイキャストによって形成することができる。グローブ11の端縁13と閉塞部材30の間には防水パッキン50が備えられる。」

(1c)「【0016】
閉塞部材30は、底部40A、及び、環状部40Bを備える有底環状に形成される(図4参照)。LEDユニット20は、グローブ11の外側から、閉塞部材30の底部40Aに固定面29を密着させて、閉塞部材30の外側からグローブ11の同軸方向に差し込んだねじ5でねじ止めされている。閉塞部材30の環状部40Bの外周の所定位置には、台座部31が一体に設けられる。この台座部31には、照明装置1を設置面に取り付けるための取付脚38が固定される。台座部31には、取付脚38をねじ2でねじ止めするための1つのねじ孔32と、取付脚38を係止する係止部33とが設けられる。係止部33は、ねじ孔32の両サイドに設けられ、照明装置1の外側に向かって鉤爪状に延びている。取付脚38は、係止部33によって係止されると共に、ねじ孔32に通されるねじ2で台座部31に固定される。この構成によれば、ねじ2で取付脚38を台座部31にねじ止めする際に、取付脚38は、係止部33によって係止されるため、取付脚38がねじ止めする際の力で回転するのを防止することができる。
【0017】
取付脚38は、係止部33によって係止されるとともに、ねじ2で台座部31にねじ止めされる固定部38Aと、この固定部38Aの両端側に延出する取付部38Bとを備える角バンドである。取付部38Bには、取付孔39が設けられる。照明装置1は、この取付孔39を天井等の設置面から延びる不図示のアンカーボルトに固定して任意の場所に取り付けられる。この構成によれば、取付脚38がアンカーボルトに固定されている状態で、係止部33が取付脚38から脱落することは無い為、例えばねじ2の腐食等によってねじ2が脱落してしまった場合でも、照明装置1は、係止部33によって係止され、照明装置1が落下するのを防止することができる。これにより、取付脚38を一箇所だけねじ2で台座部31にねじ止めし、コストの削減を図ることができ、ねじ2が脱落してしまった場合でも照明装置1が落下するのを防止することができる。
【0018】
閉塞部材30には、外側から板材17A,17Bがねじ3でねじ止めされる。板材17A,17Bには、外周の一部を切り欠いて切欠き18が形成される。閉塞部材30には、切欠き18と対応する位置に凸部37が形成されている。板材17A,17Bは、閉塞部材30に対して、この切欠き18を凸部37に合わせることで位置決めされる。板材17Aには、LEDユニット20に電源を供給する配線が接続されるプラグ19が取り付けられる。照明装置1には、一方側から配線が接続されるが、閉塞部材30を共通部品化したため、配線が接続されない他方側に取り付けられる閉塞部材30にも同様に配線孔43が設けられる。板材17Bは、円形平板状に形成され、配線孔43、及び、LEDユニット20をねじ止めするねじ5が通るねじ孔41を外側から塞ぐように構成されている。
【0019】
図3は、照明装置1の展開図である。図3に示すように、LEDユニット20は、LEDモジュール25と、電源モジュール21と、LEDモジュール25、及び、電源モジュール21を一体に支持する支持体24と、を備える。LEDモジュール25は、LED基板26と、このLED基板26に並べて複数実装されるLED27と、を備える。照明装置1には、複数のLEDモジュール25を取り付けることができ、取り付けるLEDモジュールの数は、照明装置1に求められる明るさに応じて任意に変更可能に構成されている。本実施形態では、照明装置1は、各LED基板26に8個のLED27を並べて実装すると共に、断面略V字状に形成された支持体24の底面24Aに、4つのLEDモジュール25を取り付けて構成されている。各LEDモジュール25は、LED基板26を支持体24に底面24A側からねじ7でねじ止めして取り付けられる。
【0020】
電源モジュール21は、コンデンサやトランジスタ等が実装された電源基板23と、電源基板23を保持する基板ホルダー22と、電源基板23を覆うカバー22Bと、を備える。基板ホルダー22には、基板ホルダー22を支持体24にねじ止めするねじ孔22Aが設けられる。
支持体24は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性材料をプレス等で任意の形状に折り曲げて形成される。支持体24は、底面24Aに取り付けられたLED基板26に実装されるLED27の発熱を吸収するヒートシンクとしての役割を備え、LED27の熱を吸収して閉塞部材30に熱伝導させる。支持体24は、上面24Bが開口した上面開口中空部材である。支持体24の中空部24Cには、支持体24の長さ方向の2箇所に取付具28が架け渡されて設けられる。中空部24Cには、この取付具28に取り付けられる電源モジュール21が、支持体24と接触しないように収められる。取付具28は、電源モジュール21から支持体24への伝熱を妨げる程度に熱抵抗が大きな材料、例えばステンレス等、で形成される。
【0021】
これらの構成によれば、高熱伝導性材料で形成された支持体24をヒートシンクとして用いてLEDモジュール25の熱を支持体24で吸収することができる。また、支持体24の固定面29をアルミダイキャスト製の閉塞部材30の底部40Aに密着させて固定したため、支持体24で吸収したLEDモジュール25の熱を高熱伝導性材料であるアルミニウム合金などから形成される閉塞部材30に熱伝導して、閉塞部材30を介して効率よく照明装置1の外に放熱させることができる。また、電源モジュール21を支持体24への伝熱を妨げる程度に熱抵抗が大きい取付具28で支持体24に取り付けて、中空部24Cに収めたため、電源モジュール21とLEDモジュール25の相互の伝熱を妨げることができる。
【0022】
閉塞部材30の底部40Aには、LEDユニット20への配線を通す配線孔43が、円盤状の底部40Aの略中央に設けられている。底部40Aには、この配線孔43の外側に対角線上の対称位置に4箇所のねじ孔41が設けられる。LEDユニット20は、閉塞部材30に、このねじ孔41に外側から通されるねじ5で、支持体24の固定面29を密着させてねじ止めされる。
【0023】
閉塞部材30は、グローブ11の端部12の各々を閉じる閉塞部材30を共通部材化することにより、アルミダイキャストの金型の製造コストを削減することができる。閉塞部材30の外側からは、一方の端部12側に板材17Aが、他方の端部12側に板材17Bが取り付けられる。板材17Aには、プラグ19が接続されると共に、このプラグ19に接続された配線が通る貫通孔48が設けられる。一方、板材17Bは閉塞部材30の外側から、閉塞部材30の配線孔43を塞ぐように構成されている。」

(1d)「【0028】
また、環状部40Bの背面30B側には、底部40Aの外周に沿って、凹部34が設けられる。この凹部34には、図3に示すように、防水パッキン50の第1シール部51がグローブ11の端縁13によって閉塞部材30に押し込まれる。これにより、この凹部34内で第1シール部51が押圧変形し、グローブ11の端縁13と、閉塞部材30との間がシールされる。防水パッキン50は、シリコンゴム等の耐熱・耐水性に優れた弾性部材から形成される。
【0029】
防水パッキン50は、図5に示すように、第1シール部51と、第2シール部52とが断面略L字状に一体に形成されている。第1シール部51は、断面が略O形状に形成され、グローブ11の端縁13によって押圧変形して閉塞部材30との間をシールするOリング的な役割を果たす。第2シール部52は、第1シール部51の外周に沿って立設し、両側面に突起53,54を備えた蛇腹状に形成されている。第2シール部52は、グローブ11の外側面14に対して開き角度αを有し、外側に開くテーパ面55を備える。」

(1e)
引用文献1には、以下の図が記載されている。
【図3】

【図4】

(1f)
「LEDモジュール25は、LED基板26と、このLED基板26に並べて複数実装されるLED27と、を備える。」(摘示(1c)【0019】)の記載、「支持体24は、底面24Aに取り付けられたLED基板26に実装されるLED27の発熱を吸収するヒートシンクとしての役割を備え、」(摘示(1c)【0020】)の記載及び「中空部24Cには、この取付具28に取り付けられる電源モジュール21が、支持体24と接触しないように収められる。」(摘示(1c)【0020】)の記載を踏まえれば、図3(摘示(1e))から、「LEDモジュール25」は「支持体24」の「底面24A」に取り付けられ、「電源モジュール21」は「底面24A」の裏面に形成された「中空部24C」に「取付け具28」により取り付けられていることが看取される。

(2) 引用文献2の記載事項

引用文献2には、以下の記載がある。

(2a)「【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDが実装されたプリント回路基板と、このLEDから発する熱を放熱させるための放熱部材等を備えた照明装置に関する。」

(2b)「【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の円筒状の照明装置は、照明装置内部の構造が複雑でLEDの交換が容易に出来ない上に、LED交換のために一度解体すると再度組み付ける際に正しく組み付けることが容易ではなく装置内部の気密性が損なわれてしまう問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、LEDの交換が容易で、この交換によって再度組み付けても装置内部の気密性を損ねることがない照明装置を提供することを目的とする。」

(2c)「【実施例1】
【0015】
まず、本発明に係る実施例1の照明装置の構成を説明する。
【0016】
実施例1の照明装置100は、図1乃至図3に示すように、プリント回路基板14と、このプリント回路基板14に実装される高輝度LED(発光手段)14c,・・・と、この高輝度LED14c,・・・から発する熱を放熱させるための放熱板11と、両端が開口した円筒状ケース10と、この円筒状ケース10の両端10a,10bの開口を塞いで内部を密閉する一対の端部金属部材(蓋部材)21,22と、円筒状ケース10の両端と一対の端部金属部材との間に介在されるパッキン20,20と、一対の端部金属部材21,22を締結する全ネジ部材13,13,防水用の座金zk,・・・およびナットN1,・・・等を有している。全ネジ部材13、防水用の座金zkおよびナットN1で締結部材を構成する。
【0017】
プリント回路基板14の長手方向の長さは、円筒状ケース10のそれより短く設定され、その巾は円筒状ケース10の内径よりやや小さく設定されている。
・・・
【0020】
放熱板11は、アルミや鉄等の金属製で、長方状の平板部11aと、その一端に一体形成された円板状の当接板部11cとを有している。平板部11aは、長手方向の長さが円筒状ケース10より長く設定され、その巾がプリント回路基板14のそれと略同一に設定されている。
・・・
【0026】
さらに、右側面21d(図4において)において、この貫通穴21f,21fの内側には、放熱板11の端部11d(図2において左側)が嵌合する溝21gが形成されている。また、この蓋部21aには後述するプラグ用取付金具16差込み用の貫通穴21hが形成されている。」

(2d)「【実施例2】
【0048】
照明装置200は、図9および10に示すように、円筒状ケース10の軸線に沿って屈曲形成された3つの平板部140f,140g,140h(3つの回路基板)を有するプリント回路基板140と、円筒状ケース10の軸線に沿って複数の平面部110a,110b,110cを形成してプリント回路基板140の平板部140f,140g,140hの裏面に接合させた放熱部材110と、放熱部材110の両端を保持する端部金属部材210,220等を有している。
【0049】
プリント回路基板140の平板部140f,140g,140hの表面には高輝度LED14c,・・・が実装され、各平板部140f,140g,140hはそれぞれ異なる外側方向に向けられている。端部金属部材220の左側面220dには、全ネジ部材13を通す為の貫通穴220fとネジ穴220z,・・・が形成されている。
【0050】
端部金属部材210の右側面210dには、放熱部材110の断面形状の凹部210Kが形成され、その底面には、全ネジ13を通すための貫通穴210fが形成されている。
【0051】
放熱部材110は、断面が六角形の長尺状に形成され、その長尺方向の長さが円筒ケース10のそれより長く設定され、全ネジ部材13を通すための貫通穴110eが形成されている。
【0052】
この放熱部材110の一端にはフランジ110zが設けられており、このフランジ110zにはネジ穴(不図示)が形成されている。この放熱部材110は、端部金属部材220の左側面220dにネジ固定されている。
【0053】
これによりフランジ110zの外側面が端部金属部材220の左側面220dに当接している。また、放熱部材110の他端部は、端部金属部材210の凹部210kにその奥壁(底壁)と隙間が開いた状態で嵌合されている。
【0054】
この嵌合により、端部金属部材210の凹部210kの貫通穴210f、放熱部材110の貫通穴110eおよび端部金属部材220の貫通穴220fが一致し、この一致した穴に全ネジ13が貫装される。
【0055】
なお、実施例1と同一の部材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0056】
この実施例2の照明装置200に拠れば、照明装置200を組み付けた際に、放熱板110の他端面と端部金属部材210の凹部210k(不図示)の底壁との間に隙間が生じるので、実施例1と同様に、パッキン20,20に最適な面圧となるようにナットN1の締め付けの程度を調整することができる。
【0057】
締結部材としての全ネジ部材13が1本であるので、実施例1のものに比べて密閉構造が簡単で、円筒状ケース10内の密閉性が損なわれる虞が少なくなるとともに交換作業がより一層容易となる。
【0058】
プリント回路基板140の平板部140f,140g,140hが、それぞれ異なる外側方向に向けられているので、広範囲に亘って照明することができる。」

(2e)
引用文献2には、以下の図が記載されている。
【図4】

【図9】

【図10】


(3) 引用文献3の記載事項

引用文献3には、以下の記載がある。

(3a)「【0032】
図1において、取付け体14の長手方向の両端面14c,14dには、それぞれダボ21の貫通孔20に対応して設けられたねじ孔23が形成されている。そして、ガラス管2内に取付け体14を収容した状態で、口金4,5のそれぞれの凹部19からねじ22がねじ孔23に完全に螺着されている。これにより、取付け体14の端面14cと口金4の開口端面4cとが当接し、取付け体14の端面14dと口金5の開口端面5cとが当接して、ガラス管2が口金4,5により挟まれている。このとき、口金4,5のそれぞれの外面4d,5dと、ガラス管2の外面2aとは、同一面状の外周面となっている。」

(3b)
引用文献3には、以下の図が記載されている。
【図1】

【図2】

(4) 引用文献4の記載事項

引用文献4には、以下の記載がある。

(4a)「【0019】
また、口金30は固定手段50が取付けられる貫通孔31cが底面部31aに形成されている。口金30の外側から固定手段50を取付部23fに取付けることで口金30を支持体23の端部に固定することができる。」

(4b)
引用文献4には、以下の図が記載されている。
【図3】


(5) 引用文献5の記載事項

引用文献5には、以下の記載がある。

(5a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板状部材の支持構造に係り、さらに詳しくは、板ガラスなどからなる複数枚の板状部材を上下左右方向に同一平面を連続形成して取り付けることができる板状部材の支持構造に関する。」

(5b)「【0026】また、本発明の実施に際し、例えば前記支持部材21におけるボールスタッド29の球部30をステンレス材を用いて形成し、この球部30を受け部23により枢支しているソケット部22をアルミニウム材を用いて形成するなど、その使用素材を異にしてボールスタッド29の球部30とソケット部22とを形成している場合には、個々の使用素材に対応するイオン化傾向の違いにより生ずる電食を防止するため、球部30とソケット部22との接触面31又は27の少なくともいずれか一方の側の面、好ましくは双方の接触面31,27に例えばフッソ樹脂やアクリル樹脂など、適宜の絶縁材を用いて絶縁層(図示せず)を形成しておくのが望ましい。」

2 引用文献1に記載された発明

引用文献1には、特許請求の範囲の請求項1の記載(摘示(1a))、その第1実施形態を説明する【0013】(摘示(1b))の記載、【0016】?【0023】(摘示(1c))の記載、【0028】?【0029】(摘示)(1d))の記載及び図3(摘示(1e))によれば、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「 両端が開放した筒状のグローブ11にLEDユニット20を収め、前記グローブ11の両端縁13の各々を閉塞部材30に挿入して閉じた照明装置1において、
前記筒状のグローブ11は、透過性のある材料を用いて、断面略円形状に形成され、
前記LEDユニット20は、LEDモジュール25と、電源モジュール21と、LEDモジュール25、及び、電源モジュール21を一体に支持する断面略V字状に形成された支持体24と、を備えるとともに、
前記LEDモジュール25は前記支持体24の底面24Aに取り付けられ、
前記電源モジュール21は前記底面24Aの裏面に形成された中空部24Cに取付け具28により取り付けられ、
前記LEDモジュール25は、LED基板26と、該LED基板26に並べて複数実装されるLED27と、を備え、
前記閉塞部材30は、高熱伝導性材料であるアルミニウム合金などから形成され、その底部40Aには、外側から通される前記ねじ5で、前記LEDユニット20の前記支持体24の前記固定面29を密着させてねじ止めするための4箇所のねじ孔41及び該底部40Aの外周に沿った凹部34が設けられるとともに、その環状部40Bの外周の所定位置には、照明装置1を設置面に取り付けるための取付脚38が固定される台座部31が一体に設けられ、
前記凹部34には、前記グローブ11の端縁13によって、防水パッキン50が押し込まれ、
前記防水パッキン50は、前記グローブ11の端縁13によって押圧変形して前記閉塞部材30との間をシールする第1シール部51と、前記グローブ11端部の外側面と前記閉塞部材30との間に挟まれてシールする第2シール部52とを一体に備える
照明装置1。」

3 対比・判断

3-1 本願発明1について

(1) 対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「透過性のある材料を用いて、断面略円形状に形成され」ている「両端が開放した筒状のグローブ11」が、本願発明1の「両端が開放した円筒状透光パイプ」に相当する。

イ 引用発明の「筒状のグローブ11」に収まっている「LEDユニット20」の一部である「断面略V字状に形成された支持体24」と、本願発明1の「同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法とした平板状ベース板」とは、「同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法としたベース板」を限度として共通する。

ウ 引用発明の「LED基板26と、該LED基板26に並べて複数実装されるLED27と、を備え」た「LEDモジュール25」が、本願発明1の「ラインLED群」に相当する。

エ 引用発明の「電源モジュール21」が、本願発明1の「LED用電源」に相当する。

オ 上記イ?エを踏まえると、引用発明の「LEDモジュール25と、電源モジュール21と、LEDモジュール25、及び、電源モジュール21を一体に支持する断面略V字状に形成された支持体24と、を備えるとともに、LEDモジュール25は支持体24の底面24Aに取り付けられ、電源モジュール21は底面24Aの裏面に形成された中空部24Cに取付け具28により取り付けられ」る「LEDユニット20」と、本願発明1の「同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法とした平板状ベース板表面に、ラインLED群、同裏面にLED用電源を搭載した光源ユニット」とは、「同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法としたベース板表面に、ラインLED群、同裏面にLED用電源を搭載した光源ユニット」を限度として共通する。

カ 引用発明の「閉塞部材30」は、「前記グローブ11の両端縁13の各々を」「挿入して閉じ」るものであり、「防水パッキン50」によりシールしていることから、本願発明の「防水蓋」に相当するといえる。
そして、上記アを踏まえ、図3及び図4(摘示(1e))の記載も参照すれば、引用発明の「閉塞部材30」は、本願発明1の「該透光パイプの両端」に「組み合わされ」る「夫々透光パイプの円環状端を上回る外径とした一対の円板状体」の構成を有している。

キ 引用発明の「閉塞部材30」は、「底部40Aの外周に沿って、凹部34が設けられ」、「防水パッキン50」が、「前記グローブ11の端縁13によって前記凹部34に押し込まれ」、「前記グローブ11の端縁によって押圧変形して前記閉塞部材との間をシール」しているとともに、「グローブ11」は「断面略円形状」である。
また、「凹部34」の内外径及び深さは、「防水パッキン50」を適切に機能させるように、「グローブ11の端縁13」に対応する「防水パッキン50」を介在させて嵌合可能な内外径及び深さに設定されているといえる。
そして、引用発明の「防水パッキン50」及び「凹部34」が、本願発明1の「円環状パッキン」及び「円環状シール溝」にそれぞれ相当すること、及び、上記アを踏まえると、引用発明の「閉塞部材30」は、本願発明1の「該透光パイプの円環状端に対峙する内側壁に、同透光パイプの円環状端が、該透光パイプ円環状端の先端に対応する円環状パッキンを介在させて嵌合可能な内外径および深さに設定した円環状シール溝が刻設される」構成を有している。

ク 引用発明の「閉塞部材30」は、「高熱伝導性材料であるアルミニウム合金などから形成され」ており、「その底部40Aには、外側から通される前記ねじ5で、前記LEDユニット20の前記支持体24の前記固定面29を密着させてねじ止めするための4箇所のねじ孔41」が設けられている。
そして、「ねじ孔41」が本願発明1の「取付け孔」に相当するから、引用発明の「閉塞部材30」は、本願発明1の「取付け孔が貫通、穿設された一対の熱伝導性に秀でた素材製」である構成を有している。

ケ 上記カ?クを踏まえると、引用発明の「閉塞部材30」と、本願発明1の「該透光パイプの両端に」「組み合わされ」る「夫々透光パイプの円環状端を上回る外径とした一対の円板状体からなり、該透光パイプの円環状端に対峙する内側壁に、同透光パイプの円環状端が、該透光パイプ円環状端の先端に対応する円環状パッキンを介在させて嵌合可能な内外径および深さに設定した円環状シール溝が刻設されると共に、該円環状シール溝内径より内側には、当該光源ユニットベース板の端縁を嵌合可能な一文字状の片支持溝が、略水平であって、何れか一方に配されることになるハーネス接続用プラグ形成に支障のない上方位置に刻設されると共に、各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には取付け孔が貫通、穿設された一対の熱伝導性に秀でた素材製の防水蓋」とは、「該透光パイプの両端に」「組み合わされ」る「夫々透光パイプの円環状端を上回る外径とした一対の円板状体からなり、該透光パイプの円環状端に対峙する内側壁に、同透光パイプの円環状端が、該透光パイプ円環状端の先端に対応する円環状パッキンを介在させて嵌合可能な内外径および深さに設定した円環状シール溝が刻設されると共に、取付け孔が貫通、穿設された一対の熱伝導性に秀でた素材製の防水蓋」を限度として共通する。

コ 引用発明の「ねじ5」が、本願発明1の「締付ネジ」に相当し、引用発明の「ねじ5」は、「グローブ11」の両端に独立してねじ止めされている。

サ 上記ア、キ?ク及びコを踏まえると、引用発明の「『閉塞部材30』の『底部40Aには、外側から通される前記ねじ5で、前記LEDユニット20の前記支持体24の前記固定面29を密着させてねじ止めするための4箇所のねじ孔41及び該底部40Aの外周に沿った凹部34が設けられ、前記凹部34には、前記グローブ11の端縁13によって、防水パッキン50が押し込まれ、前記防水パッキン50は、前記グローブ11の端縁13によって押圧変形して前記閉塞部材30との間をシールする第1シール部51と、前記グローブ11端部の外側面と前記閉塞部材30との間に挟まれてシールする第2シール部52とを一体に備える』」構成と、本願発明1の「同円環状シール溝内底部に円環状パッキンを挟み込み、同一文字状の片支持溝にベース板の端縁を伝熱可能にして挿入され、先の取付け孔夫々から、それら取付け孔に対応、形成されている光源ユニットのベース板端縁の各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔に、夫々、該透光パイプ両端毎に独立した合計4本の締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ、各防水蓋が夫々当該透光パイプの対応端に向けて押圧され、各防水蓋環状シール溝が夫々当該透光パイプの両端に向けて嵌合・押圧し、各円環状パッキンが圧縮・密封状とされるようにして該透光パイプの両端の夫々に独立型となる緊締機構を介して締付け状装着とされた」構成とは、「同円環状シール溝内底部に円環状パッキンを挟み込み、先の取付け孔夫々から、それら取付け孔に対応、形成されている光源ユニットのベース板端縁のネジ孔に、夫々、該透光パイプ両端毎に独立した締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ、各防水蓋が夫々当該透光パイプの対応端に向けて押圧され、各防水蓋環状シール溝が夫々当該透光パイプの両端に向けて嵌合・押圧し、各円環状パッキンが圧縮・密封状とされるようにして該透光パイプの両端の夫々に独立型となる緊締機構を介して締付け状装着とされた」構成を限度として共通する。

シ 引用文献1の図3(摘示(1e))を参照すると、引用発明の「取付脚38」は両側の「閉塞部材30」の外側壁に一体化されて設けられている。
そうすると、上記コを踏まえると、引用発明の「取付脚38」の構成と、本願発明1の「それら各防水蓋の外側壁には、夫々熱伝導性に秀でた素材製の取付け脚が一体化され、各取付け脚のアース状接地部には、電食防止用絶縁膜が被着されて電気的絶縁状態に固定されて」いる構成とは、「それら各防水蓋の外側壁には、取付け脚が一体化され」ている構成を限度として共通する。

ス 引用発明の「照明装置」が、本願発明1の「照明装置」に相当する。

上記ア?スを総合すると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

<一致点>
「 両端が開放した円筒状透光パイプ内には、同透光パイプの両端間内に収まる全長寸法としたベース板表面に、ラインLED群、同裏面にLED用電源を搭載した光源ユニットが収容され、該透光パイプの両端には、夫々透光パイプの円環状端を上回る外径とした一対の円板状体からなり、該透光パイプの円環状端に対峙する内側壁に、同透光パイプの円環状端が、該透光パイプ円環状端の先端に対応する円環状パッキンを介在させて嵌合可能な内外径および深さに設定した円環状シール溝が刻設されると共に、取付け孔が貫通、穿設された一対の熱伝導性に秀でた素材製の防水蓋が、同円環状シール溝内底部に円環状パッキンを挟み込み、先の取付け孔夫々から、それら取付け孔に対応、形成されている光源ユニットのベース板端縁のネジ孔に、夫々、該透光パイプ両端毎に独立した締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ、各防水蓋が夫々当該透光パイプの対応端に向けて押圧され、各防水蓋環状シール溝が夫々当該透光パイプの両端に向けて嵌合・押圧し、各円環状パッキンが圧縮・密封状とされるようにして該透光パイプの両端の夫々に独立型となる緊締機構を介して締付け状装着とされた上、それら各防水蓋の外側壁には、取付け脚が一体化された、照明装置。」

<相違点1>
本願発明1の「ベース板」は「平板状ベース板」であり、「円環状シール溝内径より内側には、当該光源ユニットベース板の端縁を嵌合可能な一文字状の片支持溝が、略水平であって、何れか一方に配されることになるハーネス接続用プラグ形成に支障のない上方位置に刻設される」とともに、「同一文字状の片支持溝にベース板の端縁を伝熱可能にして挿入され」、「各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には」「各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔」が設けられ、「合計4本の」締付ネジを螺合、緊締して組み合わされているのに対し、引用発明の「支持体24」は「断面略V字状」であり、片側を「4箇所のねじ孔41」すなわち、合計8箇所の「ネジ孔41」により、「外側から通される前記ねじ5で、前記LEDユニット20の前記支持体24の前記固定面29を密着させてねじ止め」している点。

<相違点2>
本願発明1の「取付け脚」が、「夫々熱伝導性に秀でた素材製」であり、「各取付け脚のアース状接地部には、電食防止用絶縁膜が被着されて電気的絶縁状態に固定されて」いるのに対し、引用発明の「取付脚38」は、かかる特定がされていない点。

<相違点3>
本願発明は、「該透光パイプ両端毎に夫々独立型とされた前記緊締機構、該透光パイプ、該光源ユニットの平板状ベース板、および、一対の防水蓋の組み合わせが、互いの結合構造を相乗的に簡素化し、小型化および重量の軽量化を可能なものとされたこと」を特定しているのに対し、引用発明は、かかる特定をしていない点。

(2)判断

(2-1)相違点1について

(2-1-1)引用文献2の実施例2について

相違点1に関連して、原査定において引用文献2の実施例2を引用しているため、引用文献2の実施例2について検討する。

ア 引用文献2には、実施例2として、「LEDが実装されたプリント回路基板と、このLEDから発する熱を放熱させるための放熱部材等を備えた照明装置」(摘示(2a))であって、「円筒状ケース10の軸線に沿って屈曲形成された3つの平板部140f,140g,140h(3つの回路基板)を有するプリント回路基板140」(摘示(2d)【0048】)は、その表面には「高輝度LED14c,・・・が実装」(摘示(2d)【0049】)されており、「円筒状ケース10の軸線に沿って複数の平面部110a,110b,110cを形成してプリント回路基板140の平板部140f,140g,140hの裏面に接合させた放熱部材110」(摘示(2d)【0048】)を備えているとともに、「放熱部材110の断面形状の凹部210Kが形成され、」(摘示(2d)【0050】)「放熱部材110の他端部は、端部金属部材210の凹部210kにその奥壁(底壁)と隙間が開いた状態で嵌合され」(摘示(2d)【0053】)、「この嵌合により、端部金属部材210の凹部210kの貫通穴210f、放熱部材110の貫通穴110eおよび端部金属部材220の貫通穴220fが一致し、この一致した穴に全ネジ13が貫装された」(摘示(2d)【0054】)ものが記載されている。

イ 本願発明1の「ベース板」は、「平板状」であり、その端縁を「一文字状の片支持溝」に嵌合可能とするものであるから、「平板状」とは、断面が「一文字状」であることを意味すると解される。

ウ 上記ア及びイを踏まえると、引用文献2の実施例2における「放熱部材110」は、本願発明1の「ベース板」に相当するといえるが、その形状は「複数の平面部110a,110b,110cを形成して」いること及び図9(摘示(2e))から、上記イを踏まえれば、「平板状」であるとはいえず、「放熱部材」が嵌合可能である「凹部210K」も、図10(摘示(2e))から、本願発明1の「一文字状の片支持溝」であるともいえない。
さらに、「ベース板」の「各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には 各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔」が設けられ、「合計4本の締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ」ている構成も記載も示唆もされていない。

(2-1-2)引用文献2の実施例1について
引用文献2には、上記実施例2に加え、実施例1も記載されているので、以下、引用文献2の実施例1についても検討する。

ア 引用文献2には、実施例1として、「プリント回路基板14と、このプリント回路基板14に実装される高輝度LED(発光手段)14c,・・・と、この高輝度LED14c,・・・から発する熱を放熱させるための放熱板11と」を備えた「照明装置100」が記載されており(摘示(2c)【0016】)、「放熱板11は、アルミや鉄等の金属製で、長方状の平板部11aと、その一端に一体形成された円板状の当接板部11cとを有して」(摘示(2c)【0020】)いるとともに、その「蓋部21a」の「右側面21d」には、「放熱板11の端部11d(図2において左側)が嵌合する溝21gが形成され」(摘示(2c)【0026】)ている。
そして、図4(摘示(2e))を参照すれば、「溝21g」の形状は「一文字状」といえる。

イ しかし、引用文献2の実施例1には、「各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には 各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔」が設けられ、「合計4本の締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ」ている点は記載も示唆もされていない。

(2-1-3)引用文献3?5について
原査定において、この出願の請求項1に係る発明は、引用文献1?5(引用文献A?E)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるとされていることから、引用文献3?5についても検討する。

ア 引用文献3及び4には、蓋体(引用文献3の「口金4,5」(摘示(3a))及び引用文献4の「口金30、40」(摘示(4a))が相当)に2箇所の取付け孔(引用文献3の「貫通孔20」(摘示(3a))が相当、図1及び図2を参照(摘示(3b))、引用文献4については、図3(摘示(4b))を参照)を設ける技術が記載されている。
イ 引用文献5には、「板状部材の支持構造」(摘示(5a))に関し、電食を防止するため、支持部材(引用文献5の「球部30」が相当)と被支持部材(引用文献5の「ソケット部22」が相当)の間に絶縁層を用いることが記載されている。
ウ 上記ア及びイのとおり、引用文献3?5には、上記相違点1に係る本願発明1の構成は記載も示唆もされていない。

(2-1-4)小括
以上のとおり、引用文献1?5のいずれの文献にも、上記相違点1に係る本願発明1の「各一文字状の左右巾方向中心を外した2箇所夫々には 各一対合計4箇所の否貫通型めくら穴状のネジ孔」が設けられ、「合計4本の締付ネジを螺合、緊締して組み合わされ」ている構成は記載も示唆もされておらず、上記相違点1に係る本願発明1の構成は、当業者にとって、容易想到とはいえないものである。
そして、本願発明1は、当該構成により、「部品構成を簡素化できると共に、組立工数を大幅削減して生産効率を一段と高めたものとすることが可能」となり、「緊締機構を簡素化し、照明装置の一層の小型・軽量化を達成可能なものとする」(【0011】)という格別の効果を有する。

(2-2)その他の相違点について
(2-1)のとおりであるから、上記相違点1に係る本願発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、その余の相違点を検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1?5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3-2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮したものであるから、本願発明1と同様に当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第6 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-09-10 
出願番号 特願2014-55303(P2014-55303)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F21V)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松本 泰典柿崎 拓當間 庸裕野木 新治  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 仁木 学
氏原 康宏
発明の名称 照明装置  
代理人 佐々木 實  
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