• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C08J
管理番号 1346718
審判番号 不服2018-1250  
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-30 
確定日 2018-12-25 
事件の表示 特願2013-172273「透明電極用フィルム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月 2日出願公開、特開2015- 41529、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成25年8月22日に出願された特許出願であって、平成29年3月21日付けで拒絶理由が通知され、同年5月26日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月26日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対して、平成30年1月30日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 原査定の概要

原査定(平成29年10月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1-6に係る発明は、以下の引用文献1に記載の発明及び引用文献2及び3に記載の周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.国際公開第2013/100041号
2.特開2005-251506号公報
3.特開2003-171487号公報

第3 本願発明の認定

本願の請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、平成29年5月26日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。

「【請求項1】
ポリエステルフィルムおよびその片面に設けられた易接着層を有するフィルムであって、
該ポリエステルフィルムの面内のレタデーションが7000nm以上であり、厚さが5?250μmであり、上記ポリエステルフィルムが、ポリエステルフィルムの質量を基準として0.1?10質量%の下記一般式(1)

(ただし、上記一般式(1)において、Arはn価のビフェニル残基を表す。また、該ビフェニル残基は置換基を有していてもよい。Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していてもよい。Xa、Xb、Xcは、互いに独立してヘテロ原子を表す。またXa、Xb、Xcは、置換基を有していてもよい。Rは1価の炭化水素基を表す。mは0?4の整数を表す。nは1?4の整数を表す。)で表される紫外線吸収剤を含有し、
該易接着層が、熱可塑性樹脂からなるバインダー成分を主たる成分として含有し、表面の濡れ指数が60mN/m以上である、
透明電極用フィルム。
【請求項2】
上記易接着層のバインダー成分が、バインダー成分の質量を基準として40?90質量%の共重合ポリエステルおよびバインダー成分の質量を基準として10?60質量%のポリビニルアルコールからなる、請求項1に記載の透明電極用フィルム。
【請求項3】
上記易接着層とは反対側の面にハードコート層を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載の透明電極用フィルム。
【請求項4】
請求項1?3に記載の透明電極用フィルムの上記易接着層とは反対側の面、もしくは、上記易接着層とは反対側の面にハードコート層を有する場合は該ハードコート層の上に透明導電層を設けた透明電極。
【請求項5】
上記易接着層の上にポリビニルアルコールからなる偏光子を有する、請求項4に記載の透明電極。
【請求項6】
液晶表示装置と共に用いられるタッチパネル用である、請求項4または5に記載の透明電極。」

第4 当審の判断

1 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(国際公開第2013/100041号)には、以下の事項が記載されている。なお、下線については当審において付与した。

ア 「[請求項1]
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有する偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムは、3000?30000nmのリタデーションを有し、前記被覆層は、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含み、前記被覆層の表面は、ポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相とポリエステル系樹脂が凝集した相から成るナノ相分離構造を有し、ポリビニルアルコール相の面積比率が、30%以上99%未満である、偏光子保護フィルム。
[請求項8]
前記ポリエステルフィルムが少なくとも3層以上からなり、 最外層以外の層は紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、請求項1?7のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。」(請求の範囲の請求項1、8)

イ 「[0008]
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、ポリエステルフィルムと偏光子又は偏光子上に塗布された接着剤等のポリビニルアルコール系樹脂層との接着性に優れ、液晶表示装置の薄型化に対応可能であり、且つ虹状の色斑による視認性の悪化が発生しない、液晶表示装置および偏光子保護フィルムを提供することである。」

ウ 「[0016]
(液晶表示装置)
一般に、液晶パネルは、バックライト光源側から画像を表示する側(視認側又は射出光側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セルおよび前面モジュールを有する。後面モジュールおよび前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側又は射出光側)に配置されている。」

エ 「[0024]
以上の原理から、本発明では幅広い発光スペクトルを有する白色発光ダイオードを光源に用いることで、比較的簡便な構成のみで透過光のスペクトルの包絡線形状を光源の発光スペクトルに近似させ、結果として液晶ディスプレイ上の虹斑を抑制することが可能になると考えられる。
[0025]
上記効果を奏するために、偏光子保護フィルムに用いられるポリエステルフィルムは、3000?30000nmのリタデーションを有することが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色を呈するため、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違し、良好な視認性を確保することができない。好ましいリタデーションの下限値は4500nm以上、より好ましくは6000nm以上、更に好ましくは8000nm以上、より更に好ましくは10000nm以上である。」

オ 「[0037]
ヨウ素色素などの光学機能性色素の劣化を抑制するために、本発明のフィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、本発明における透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U-3500型)を用いて測定することができる。ポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を配合する場合、ポリエステルフィルムを3層以上の構成とし、その最外層以外の層(即ち、中間層)に紫外線吸収剤を配合することが好ましい。
[0038]
本発明のフィルムの波長380nmの透過率を20%以下にすることは、フィルム中に紫外線吸収剤を添加すること、紫外線吸収剤を含有した塗布液をフィルム表面に塗布すること、紫外線吸収剤の種類、濃度、及びフィルムの厚みを適宜調節すること等によって達成できる。本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質である。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。しかし、耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、より紫外線吸収効果を改善することができる。
[0039]
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びアクリロニトリル系紫外線吸収剤としては、例えば、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノールなどが挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンズオキサジノン-4-オン)、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-ブチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンなどが挙げられる。しかし特にこれらに限定されるものではない。」

カ 「[0041]
本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子或いはその片面又は両面に設けられる水系接着剤等のポリビニルアルコール系樹脂層との接着性を向上させるために、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有する樹脂組成物からなる易接着層(被覆層)が積層されている。被覆層は、少なくともポリエステルフィルムの片側に設けられ、両面に設けてもよい。他方の面には異種の樹脂被覆層を設けても良く、さらにその被覆層の上に上述する機能層を設けても良い。 ポリエステル系樹脂(A)により基材フィルムとの接着性を図るとともに、ポリビニルアルコール系樹脂(B)により偏光子・水系接着剤との接着性を図ることで、これら両層との接着性を好適に両立することができる。」

キ 「[0100]
本発明のポリエステルフィルムの厚みは任意であるが、15?300μmの範囲が好ましく、より好ましくは15?200μmの範囲である。」

ク 「[0120]
(9)リタデーション(Re)
フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx-Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。」

2 引用文献1に記載された発明
引用文献1には、上記1ア及びキから、以下の発明が記載されていると認める。

「ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有する偏光子保護フィルムであって、前記ポリエステルフィルムは、3000?30000nmのリタデーションを有するとともに、紫外線吸収剤を含有し、その厚みは15?300μmであって、前記被覆層は、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含み、前記被覆層の表面は、ポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相とポリエステル系樹脂が凝集した相から成るナノ相分離構造を有し、ポリビニルアルコール相の面積比率が、30%以上99%未満である、偏光子保護フィルム。」(以下、「引用発明」という。)

3 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明との対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明のポリエステルフィルムの「リタデーション」は、上記1クの記載から、本願発明1の「レタデーション」に相当する。
引用発明の「被覆層」は、上記1カの記載から、本願発明1の「易接着層」に相当する。
引用発明の「被覆層」は「ポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含み、前記被覆層の表面は、ポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相とポリエステル系樹脂が凝集した相から成るナノ相分離構造を有」するから、本願発明1と同様に「易接着層が、熱可塑性樹脂からなるバインダー成分を主たる成分として含有」するといえる。
本願明細書における製造例3として記載されている本願発明1の透明電極用フィルムを利用した液晶ディスプレイをみれば、本願発明1の透明電極用フィルムは、偏光子に貼り付けられるものであって、偏光子保護フィルムとして機能しているものであるから、引用発明の「偏光子保護フィルム」は、本願発明1の「透明電極用フィルム」に相当する。

そうすると、本願発明1と引用発明とは、
「ポリエステルフィルムおよびその片面に設けられた易接着層を有するフィルムであって、
上記ポリエステルフィルムが、紫外線吸収剤を含有し、
該易接着層が、熱可塑性樹脂からなるバインダー成分を主たる成分として含有する、
透明電極用フィルム。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
紫外線吸収剤に関し、本願発明1は、「ポリエステルフィルムの質量を基準として0.1?10質量%」の含有量でポリエステルフィルムに含有されるものであり、かつ「下記一般式(1)

(ただし、上記一般式(1)において、Arはn価のビフェニル残基を表す。また、該ビフェニル残基は置換基を有していてもよい。Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していてもよい。Xa、Xb、Xcは、互いに独立してヘテロ原子を表す。またXa、Xb、Xcは、置換基を有していてもよい。Rは1価の炭化水素基を表す。mは0?4の整数を表す。nは1?4の整数を表す。)で表される」ものであるのに対して、引用発明は、この点を特定しない点。

<相違点2>
易接着層に関し、本願発明1は、「表面の濡れ指数が60mN/m以上である」と特定するのに対して、引用発明は、この点を特定しない点。

<相違点3>
ポリエステルフィルムの面内のレタデーションに関し、本願発明1は、「7000nm以上」と特定するのに対し、引用発明は、「3000?30000nm」である点。

<相違点4>
ポリエステルフィルムの厚みに関し、本願発明1は、「5?250μm」と特定するのに対し、引用発明は、「15?300μm」である点。

(2)本願明細書の記載
本願明細書には、以下の記載がある。
ア 「【0005】・・・そこで本発明は、有機系の易接着層を備え、より高度に干渉斑を抑制し、偏光サングラスを通して視認したとしても干渉斑が見え難く、また密着性にも優れた透明電極用フィルムを提供することを目的とする。」

イ 「【0006】・・・そこで本発明は、透明電極の基材として用いた際に干渉斑を好適に抑制できるような分子配向度を具備しながら、紫外線吸収剤のブリードアウトが抑制された透明電極用フィルムを提供することを、望ましい目的とする。」

ウ 「【0015】
[紫外線吸収剤]
本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの質量を基準として0.1?10質量%の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられるが、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤であることが好ましい。
【0016】
【化2】

(ただし、上記一般式(1)において、Arはn価のビフェニル残基を表す。また、該ビフェニル残基は置換基を有していてもよい。Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していてもよい。Xa、Xb、Xcは、互いに独立してヘテロ原子を表す。またXa、Xb、Xcは、置換基を有していてもよい。Rは1価の炭化水素基を表す。mは0?4の整数を表す。nは1?4の整数を表す。)
【0017】
このような構造を有する紫外線吸収剤を採用することによって、フィルムからのブリードアウトが抑制される。
上記一般式(1)中、Arは、1?4価のビフェニル残基を表す。本発明においては、かかる構造が肝要であり、ブリードアウト抑制の効果は、かかる構造によって奏されるところが大きい。Arは、コストや化合物の得やすさ等の観点から、2?4価の基であることが好ましく、2価であることがさらに好ましい。」

エ 「【0099】
[実施例1]
下記一般式(3)で表される紫外線吸収剤5質量部とポリエチレンテレフタレート(PET、固有粘度0.65(o-クロロフェノール、25℃))95質量部とを準備し、これらを押出機に投入し、紫外線吸収剤をPET中に練り込み、紫外線吸収剤を5質量%含有するマスターバッチ(固有粘度0.60(o-クロロフェノール、25℃))を作成した。
【0100】



オ 「【0113】
[実施例12]
紫外線吸収剤を、下記一般式(4)で表される紫外線吸収剤に代えた以外は、実施例2と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0114】



カ 「



(3)相違点の判断
相違点1について
相違点に係る紫外線吸収剤に関して、本願明細書の記載(上記(2)イないしエ)、特に実施例1?11と実施例12との対比から、本願発明1の「透明電極用フィルム」は、【化1】の紫外線吸収剤を配合することにより、干渉縞を好適に抑制できるような分子配向度を具備しながら、紫外線吸収剤のブリードアウトが抑制できるとの有利な効果(段落【0017】)を奏するものといえる。
ところで、引用発明の紫外線吸収剤に関し、引用文献1には、上記1オの記載のとおり「使用される紫外線吸収剤は公知の物質」であり、「有機系紫外線吸収剤が好まし」く、「ベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい」とされていて、具体的に多数の紫外線吸収剤が例示されており、また、引用文献2及び3には、【化1】に該当する紫外線吸収剤が実施例において使用されたことが記載されている。
しかし、透明電極用フィルムに含有される紫外線吸収剤として、【化1】のものが公知であるとしても、引用発明の紫外線吸収剤として【化1】の紫外線吸収剤を適用したとき、当業者は、上記の効果を予測できないといわざるをえない。
よって、相違点1は想到容易でない。

したがって、本願発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明2ないし6について
本願発明2ないし6は、本願発明1を直接又は間接的に引用する発明であるから、上記3と同様に、引用発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第5 むすび

以上のとおり、本願発明1-6は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-12-10 
出願番号 特願2013-172273(P2013-172273)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C08J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 赤樫 祐樹  
特許庁審判長 須藤 康洋
特許庁審判官 大島 祥吾
阪▲崎▼ 裕美
発明の名称 透明電極用フィルム  
代理人 為山 太郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ