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審決分類 審判 査定不服 原文新規事項追加の補正 特許、登録しない。 F04D
審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 F04D
管理番号 1347612
審判番号 不服2018-8107  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-13 
確定日 2019-01-04 
事件の表示 特願2017-538641「ファンアセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月 6日国際公開、WO2016/156174、平成30年 2月 8日国内公表、特表2018-503771〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1.手続の経緯

本願は、2016年(平成28年)3月24日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年(平成27年)3月30日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、特許法第184条の4第1項の外国語特許出願(外国語でされた国際特許出願)であり、その手続の経緯は以下のとおりである。

1.平成29年7月21日:国際出願日における国際特許出願の明細書並びに請求の範囲の翻訳文の提出、及び特許請求の範囲についての手続補正(以下「本件補正1」という。)
2.平成29年12月15日付け:拒絶理由通知
3.平成30年3月5日:意見書の提出、及び特許請求の範囲についての手続補正(以下「本件補正2」という。)
4.平成30年3月28日付け:拒絶査定
5.平成30年6月13日:審判請求、及び特許請求の範囲についての手続補正(以下「本件補正3」という。)

第2.本件補正3についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成30年6月13日にされた手続補正(本件補正3)を却下する。

[理由]

1.補正の適否について
本願は外国語特許出願であるので、特許法第184条の12第2項の規定により、外国語特許出願に係る明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる範囲について同法第17条の2第3項の読み替えがされる。本願の手続において、国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文、同条約第34条(2)(b)の規定に基づき提出された補正書の翻訳文、及び特許法第17条の2第2項の誤訳訂正書はいずれも提出されていないので、本件補正3は、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは請求の範囲の翻訳文又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるという要件を満たすものでなければならない。本件補正3がこの要件を満たすものであるか以下検討する。
なお、以下では、国際出願日における国際特許出願の明細書及び請求の範囲の翻訳文をそれぞれ「明細書の翻訳文」及び「請求の範囲の翻訳文」といい、国際出願日における国際特許出願の図面を単に「図面」という。そして、明細書の翻訳文、請求の範囲の翻訳文又は図面を「翻訳文等」という。

2.本件補正3の内容
本件補正3は特許請求の範囲についての補正であり、この補正後の請求項1の記載は次のとおりである。なお、下線は、当審が付したものであり、請求の範囲の翻訳文における請求項1の記載(下記3.(2)ア.参照)からの変更箇所を示す。

「【請求項1】
空気インレット、ファンインレット、及び、空気アウトレットを有する筐体と、
前記ファンインレットと前記空気アウトレットとの間のインペラであって、円周方向に配置された複数の離間ブレードを有する前記インペラと、
前記インペラを駆動するモータと、
ユーザが前記インペラに触れることを防止するため前記空気インレットと前記ファンインレットとの間に配置された空気透過性ガードであって、前記空気透過性ガードは、前記ファンインレットから第1の距離を空けられているとともに前記空気インレットから第2の距離を空けられており、前記空気透過性ガードは、前記ファンインレットの断面積よりも大きい断面積を持つ前記空気透過性ガードと、
前記空気インレットと前記空気透過性ガードとの間のフィルタであって、前記ファンインレットの断面積よりも大きい断面積を持つ前記フィルタと、
を有し、
前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路は、前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間で前記ファンインレットの断面積より大きい略等しい断面積を持ち、
前記円周方向に配置された複数の離間ブレードが、前記インペラのドーム状中心の周りに円周方向に配置され、前記モータから前記ドーム状中心へ向かう方向と前記ファンインレットからの空気の流入方向とが対向しており、前記ドーム状中心は、前記離間ブレードと共回転する、ファンアセンブリ。」

以上のとおり、本件補正3は、「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路」は「前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間で」「略等しい断面積を持」つという事項(以下「補正事項1」という。)を請求の範囲の翻訳文における請求項1に追加する補正を含むものである。この補正事項1が翻訳文等に記載した事項の範囲内のものであるか以下検討する。

3.翻訳文等に記載された事項
翻訳文等には、補正事項1に関して以下の記載がある。

(1)明細書の翻訳文

ア.「【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、効率を改善し、電力消費を低減するファンアセンブリに関する。」

イ.「【図面の簡単な説明】
【0020】
図面において、同様の参照符号は、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を例示するため強調されている。
【図1】図1は、一実施形態に係るファンアセンブリの断面図である。
・・・
【図5】図5は、一実施形態に係るファンアセンブリの分解図である。
・・・」

ウ.「【0023】
図1によれば、一実施形態では、筐体20、インペラ30、及び、モータ40を含むファンアセンブリ10が提供される。筐体20は、様々な形状、サイズ、及び、材料であり得る。例えば、筐体20は、幾つかある材料の中でも特に、プラスチック、金属、又は、それらの組み合わせで作ることができる。筐体20は、より小さいインペラ設計を囲むために小さくすることができ、又は、工業的サイズのインペラを収容するために大きくすることができる。ファンアセンブリ10は、上方を向いた水平位置にあり得るか、又は、ファンアセンブリは下方に面することができる。代替的に、ファンアセンブリは、垂直位置、傾斜位置、及び、多種多様な他の位置に配置され得る。
【0024】
また、筐体20は、ファンインレット60、空気インレット70、及び、空気アウトレット80を含む。ファンインレット及び空気インレットは、空気が周囲環境から入ってインペラ30と係合できるようなサイズ及び/又は形状である。従って、ファンインレット及び空気インレットは、円形、正方形、又は、任意の多種多様な形状であり得る。さらに、筐体20は、2以上の空気インレット70、及び/又は、2以上のファンインレット60を含むことができる。空気インレット70は、開いていてもよいし、グリッド、メッシュ、ネット、又は、視覚的に魅力的なカバーなどの他のカバーを含んでいてもよい。一実施形態によれば、ファンインレットは、インペラ領域への最大の空気フローを可能にするように開いている。一実施形態によれば、空気インレット及び/又はファンインレットは、円形であり、直径はインペラ30の直径の約50%乃至100%の範囲であり、好ましくはインペラ直径の約65%乃至90%の範囲である。ファンインレット60からインペラまでの距離は、例えば、様々な距離が可能であるが、「D」がインペラの直径である場合、0.03×D未満、好ましくは0.02×D未満であり得る。」

エ.「【0025】
開いたファンインレットを有することにより、ファンインレットへの空気の通過及び空気インレットからの空気の流れが、少なくとも部分的に回転して、インペラに遭遇することが可能になり、ファン効率が著しく増加する。しかしながら、ファンインレット60及び空気インレット70の両方が開いている場合、ユーザは、ファンの機能を妨げる可能性のある、又は、ユーザに怪我をもたらす可能性のあるインペラ30に直接アクセスすることができる。従って、ファンアセンブリ10は、空気インレット70とファンインレット60との間に配置された空気透過性ガード50を含む。一実施形態によれば、空気透過性ガード50は、指又は他の身体部分がファンインレットに入り、インペラ及び/又はモータに遭遇するのを防ぐと同時に、空気フローを最大にする、グリッド、メッシュ、ネット、又は、同様の設計である。
【0026】
一実施形態によれば、空気透過性ガード50は、最大空気流を可能にするのに十分な数及び/又はサイズの開口部を含む。図2に示されるように、例えば、空気透過性ガード50の実施形態は、上から見られ、ガードの総面積が「z」×「y」であるような高さ「z」及び幅「y」を有するが、他の構成も可能である。同様に、開口の各々は、指又は他の身体部分が開口を通過するのを防止するような寸法「l」及び「m」が設定された高さ「l」及び幅「m」を含むことができる。例えば、「l」及び「m」は、約4mm乃至18mmの範囲にあり、より好ましくは、約6mm乃至15mmの範囲にある。「l」及び「m」の値は異なっていてもよい。空気透過性ガード50を通る空気流は、ガードの全面積(「z」×「y」)に対する空気流を許容する面積(「l」×「m」×開口の数)の比として規定され得る。一実施形態によれば、当該比は、約30%乃至90%、好ましくは約50%乃至75%の範囲である。空気透過性ガード50は、図2では正方形として示されているが、ガードは、長方形、円形、及び、多くの他の形状を含む様々な形状のいずれかとすることができる。一例として、ガードコンポーネントは、他の多くの構成の中でも特に、空気流を最大にするために、前縁を丸くして後縁を指すことができる。また、2つ以上の異なる寸法及び/又は形状を有するように構成することができる。ガード50のバーは、前側に丸みを帯びていて、バーの丸み半径は0.5mm以上であるべきである。裏側(ファン側)のバーは鋭いが、好ましくは丸い。ガードは、均一に分布した穴を有する、65%乃至70%(292mm×372mmの表面積に基づく)の透磁率を有するべきである。穴の大きさは指の安全性試験に合格すべきである。」

オ.「【0027】
空気透過性ガード50がしばしばファンインレット60自体の全部又は一部を形成する従来技術の構成とは対照的に、本発明によれば、空気透過性ガード50は、図1に示されるように、ファンインレット60から分離して所定の距離54離れている。好ましい実施形態では、この所定の間隔は、空気透過性ガード50を通過した空気が、インペラに遭遇するファンインレットに入る前に少なくとも部分的に回転することを可能にする。これは、ファン効率を著しく増加させる。一実施形態によれば、空気透過性ガード50は、フィルタ90から分離され、フィルタ90から所定の距離52離れている。所定の距離52及び所定の距離54は、距離52又は距離54のいずれか大きい方が同じであっても異なっていてもよい。さらに、所定の距離52及び所定の距離54のうちの1又は複数を調整可能とすることができる。
【0028】
一実施形態によれば、所定距離52は、約0mm乃至80mmであり、好ましくは約2mm乃至10mmである。しかしながら、広範囲の距離が可能であり、筐体のサイズ、所望の空気流、及び、多くの他の要因を含む多くの要因に依存し得る。一実施形態によれば、所定距離54は、約2mm乃至80mmであり、好ましくは約2mm乃至30mmである。しかしながら、広範囲の距離が可能であり、筐体のサイズ、所望の空気流、及び、多くの他の要因を含む多くの要因に依存し得る。好ましくは、距離54は、空気を回転させ、したがって抵抗を減少させて性能を向上させるために、約15mm乃至25mm、好ましくは少なくとも18mmである。25mmを超える距離は、ファンアセンブリのサイズを不必要に増加させるようである。真空掃除機用途では、2mm乃至10mmの距離54で十分である。」

カ.「【0034】
図5は、ファンアセンブリ10の一実施形態の分解図である。ファンアセンブリは、空気アウトレット80を規定する筐体20を含む。空気アウトレットは、例えば、筐体内の空気フローの方向において配置され得る。筐体は、例えば、図5に示されるインペラ筐体22などの1又は複数の構成要素であってもよい。また、ファンアセンブリは、インペラ30と、インペラを駆動するためのモータ40と、を含む。モータ40の背後では、筐体は閉じられている。外部からインペラへの空気の流れに続いて、ファンアセンブリは、フロントプレートと筐体との間に少なくとも2cmの幅を有する空気インレット70と、フィルタ90と、空気透過性ガード50と、ファンインレット60とを含む。図5の空気インレット70の構成に示されるように、空気は、システムへの空気流を最大にするために複数の側面又は方向から入ることができる。好ましくは、空気インレット70の吸気口は、鋭い角部を有さず、(鋭い)屈曲部を有さない。好ましくは、ファンインレット60は、少なくとも空気インレットに面する側で、その厚さに亘って完全に丸められて、抵抗を低減する。インペラ筐体22は、好ましくは、ファンインレットとファンとの間の距離が5mm以下、より好ましくは3mm以下となるような寸法にされる。ファンブレードと螺旋構造との間の最小距離は、好ましくは約16mmである。」

(2)請求の範囲の翻訳文

ア.「【請求項1】
空気インレット、ファンインレット、及び、空気アウトレットを有する筐体と、
前記ファンインレットと前記空気アウトレットとの間のインペラであって、円周方向に配置された複数の離間ブレードを有する前記インペラと、
前記インペラを駆動するモータと、
を有する、ファンアセンブリであって、
前記ファンアセンブリは、
ユーザが前記インペラに触れることを防止するため前記空気インレットと前記ファンインレットとの間に配置された空気透過性ガードを有し、前記空気透過性ガードは、フィルタが前記空気インレットと前記空気透過性ガードとの間に供給され得るように、前記ファンインレットから第1の距離を空けられているとともに前記空気インレットから第2の距離を空けられている、ファンアセンブリ。」

イ.「【請求項2】
前記第1の距離が、流入空気が前記ファンインレットに入る前に少なくとも部分的に回転することを可能にする、請求項1記載のファンアセンブリ。」

ウ.「【請求項3】
前記円周方向に配置された複数の離間ブレードが、前記インペラのドーム状中心の周りに円周方向に配置され、前記ドーム状中心は、前記ファンインレットに対向しており、前記ドーム状中心は、前記離間ブレードと共回転する、請求項1又は2に記載のファンアセンブリ。」

(3)図面

ア.【図1】「



イ.【図5】「



4.補正の適否についての当審の判断
翻訳文等には、補正事項1である「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路」は「前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間で」「略等しい断面積を持」つという事項を示す明示的な記載は何ら存在しない。
翻訳文等には、発明の一実施形態として、「空気透過性ガード50は、フィルタ90から分離され、フィルタ90から所定の距離52離れている。」及び「空気透過性ガード50は、図1に示されるように、ファンインレット60から分離して所定の距離54離れている。」(上記3.(1)オ.)ものが記載されており、「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路」は、上記「所定の距離52」及び「所定の距離54」において存在し、特に「前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間」は上記「所定の距離54」において存在することが理解できる。しかしながら、明細書の翻訳文には、当該「空気流路」の形状や断面積について何ら記載されていない。
更に、図面の図1及び図5(上記3.(3))には、「一実施形態に係るファンアセンブリの断面図」及び「一実施形態に係るファンアセンブリの分解図」(上記3.(1)イ.)がそれぞれ示されているが、図1は断面図であるので、図1に示された断面以外での当該「空気流路」の形状が不明であることから、その断面積も不明であり、また、図5の分解図は斜視図になっており、空気透過性ガード50からファンインレット60までの部分が死角となって当該「空気流路」の形状が記載されていないため、その断面積も不明であるから、図面の記載から当該「空気流路」が「略等しい断面積を持」つとはいえない。
なお、一般に、特許出願の願書に添付される図面は、明細書の記載内容を補完し、特許を受けようとする発明に係る技術内容を当業者に理解させるための説明図であるから、当該発明の技術内容を理解するために必要な程度の正確さを備えていれば足り、設計図面に要求されるような正確性をもって描かれているとは限らない。本願についても同様であって、明細書の翻訳文に「図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を例示するため強調されている。」(上記3.(1)イ.)と記載されるとおりである。そして、先に検討したとおり、明細書の翻訳文には、当該「空気流路」の形状や断面積について何ら記載されておらず、これらの事項が図面に明確に反映されているとはいえない。
そうすると、当該「空気流路」が「略等しい断面積を持」つことは、翻訳文等の記載から自明な事項であるとはいえない。
以上のことから、補正事項1は、翻訳文等には何ら記載されておらず、翻訳文等の記載から自明な事項でもない。
請求人は審判請求書において、「本願図面の図1及び図5には、『前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路は、前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間で前記ファンインレットの断面積より大きい略等しい断面積を持』つことが明確に記載されております。」と主張するが、上記のとおり、図1及び図5の記載を補正事項1についての補正の根拠とすることはできないので、請求人の上記主張は採用できない。
したがって、補正事項1を請求項1に追加する補正は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるといえるので、当該補正を含む本件補正3は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

5.補正の却下についてのむすび
以上のとおり、本件補正3は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないので、特許法第184条の12第2項において読み替えられた同法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.原査定の拒絶理由

原査定の拒絶理由のうち、理由1(特許法第17条の2第3項)の概要は以下のとおりである。
本件補正2後の特許請求の範囲の請求項1の記載には「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路は、前記ファンインレットの断面積より大きい略等しい断面積を持ち」ということが記載されているが、このことは翻訳文等に記載されておらず、かつ、出願時の技術常識を参酌しても、翻訳文等の記載から自明な事項とも認められないので、本件補正2は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、依然として特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第4.本件補正2の内容

本件補正2は特許請求の範囲についての補正であり、この補正後における請求項1の記載は次のとおりである。なお、下線は、当審が付したものであり、請求の範囲の翻訳文における請求項1の記載(上記第2.3.(2)ア.参照)からの変更箇所を示す。

「【請求項1】
空気インレット、ファンインレット、及び、空気アウトレットを有する筐体と、
前記ファンインレットと前記空気アウトレットとの間のインペラであって、円周方向に
配置された複数の離間ブレードを有する前記インペラと、
前記インペラを駆動するモータと、
ユーザが前記インペラに触れることを防止するため前記空気インレットと前記ファンインレットとの間に配置された空気透過性ガードであって、前記空気透過性ガードは、前記ファンインレットから第1の距離を空けられているとともに前記空気インレットから第2の距離を空けられており、前記空気透過性ガードは、前記ファンインレットの断面積よりも大きい断面積を持つ前記空気透過性ガードと、
前記空気インレットと前記空気透過性ガードとの間のフィルタであって、前記ファンインレットの断面積よりも大きい断面積を持つ前記フィルタと、
を有し、
前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路は、前記ファンインレットの断面積より大きい略等しい断面積を持ち、
前記円周方向に配置された複数の離間ブレードが、前記インペラのドーム状中心の周りに円周方向に配置され、前記ドーム状中心は、前記ファンインレットに対向しており、前記ドーム状中心は、前記離間ブレードと共回転する、ファンアセンブリ。」

以上のとおり、本件補正2は、「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路」は「略等しい断面積を持」つという事項(以下「補正事項2」という。)を請求の範囲の翻訳文における請求項1に追加する補正を含むものである。

第5.翻訳文等に記載された事項

補正事項2に関する翻訳文等の記載事項は、上記第2.3.のとおりである。

第6.当審の判断

補正事項2は、補正事項1における「前記フィルタと前記ファンインレットとの間の空気流路」が「略等しい断面積を持」つ部分が「前記空気透過性ガードと前記ファンインレットとの間で」あるという限定事項を削除したものであるから、補正事項1を含むものである。
そして、上記第2.4.において補正事項1について判断したとおり、翻訳文等には補正事項2を示す明示的な記載は何ら存在せず、更に、明細書の翻訳文には当該「空気流路」の形状や断面積について何ら記載がなく、図面の記載を参照しても当該「空気流路」の形状や断面積は不明であることから、補正事項2は翻訳文等の記載から自明な事項でもない。
以上のことから、補正事項2を請求項1に追加する補正は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるといえる。当該補正を含む本件補正2は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第184条の12第2項において読み替えられた同法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第7.むすび

以上のとおり、本件補正2は、特許法第184条の12第2項において読み替えられた同法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-07-26 
結審通知日 2018-07-31 
審決日 2018-08-22 
出願番号 特願2017-538641(P2017-538641)
審決分類 P 1 8・ 55- Z (F04D)
P 1 8・ 562- Z (F04D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岸 智章  
特許庁審判長 久保 竜一
特許庁審判官 藤井 昇
永田 和彦
発明の名称 ファンアセンブリ  
代理人 笛田 秀仙  
代理人 五十嵐 貴裕  
代理人 浅村 敬一  
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