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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1350970
審判番号 不服2017-11463  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-02 
確定日 2019-04-16 
事件の表示 特願2015-182720「デバイスがネットワークにアクセスする方法、アクセスポイント、ネットワークアクセスデバイス、およびシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月 4日出願公開、特開2016- 21771〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2013年(平成25年)1月21日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年1月21日 中国)を国際出願日とする出願である特願2014-523198号の一部を,平成27年9月16日に新たな特許出願としたものであって,平成28年8月12日付けで特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由が通知され,同年12月19日に意見書及び手続補正書が提出されたところ,平成29年3月31日付けで平成28年12月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定がされ,同日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年8月2日に拒絶査定不服審判が請求され,同時に手続補正がされたものである。その後,審査官が同年9月8日付けで作成した前置報告書に対して同年12月12日に上申書が提出された。

第2 平成29年8月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成29年8月2日にされた手続補正を却下する。

[理由]

1 本願発明と補正後の発明(補正の概要)

平成29年8月2日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,出願当初の特許請求の範囲の請求項1に記載された

「デバイスがネットワークにアクセスする方法であって,
アクセスポイントによりブロードキャストフレームを生成するステップであって,前記ブロードキャストフレームが,ネットワークアクセスデバイスの特徴情報を含み,前記特徴情報が,前記ネットワークアクセスデバイスの特徴を示すために使用される,ステップと,
前記アクセスポイントにより前記ブロードキャストフレームをブロードキャストして,特定のネットワークアクセスデバイスが前記アクセスポイントに対するネットワークアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のネットワークアクセスデバイスは,前記ブロードキャストフレームを受信するとともに,前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイスである,ステップとを含む方法。
」(以下,「本願発明」という。)
を,
「デバイスがネットワークにアクセスする方法であって,
アクセスポイントによりブロードキャストフレームを生成するステップであって,前記ブロードキャストフレームが,ネットワークアクセスデバイスの特徴情報を含み,前記特徴情報が,前記ネットワークアクセスデバイスの特徴を示すために使用される,ステップと,
前記アクセスポイントにより前記ブロードキャストフレームをブロードキャストして,特定のネットワークアクセスデバイスが前記アクセスポイントに対するネットワークアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のネットワークアクセスデバイスは,前記ブロードキャストフレームを受信するとともに,前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイスである,ステップとを含み,
前記特徴情報によって示される前記特徴は,前記ネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの中の1つの特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,または前記ネットワークアクセスデバイスの前記MACアドレスの中の複数の特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,ということであり,前記1つの特定のビットまたは前記複数の特定のビットは,前記特徴情報の中で指定される,方法。
」(以下,「補正後の発明」という。)
に変更することを含むものである。([当審注]:下線部は補正箇所を示す。)

2 補正の適否
(1)新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件

請求項1についての上記補正は,本件補正前の「前記特徴情報によって示される前記特徴」について,「前記特徴情報によって示される前記特徴は,前記ネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの中の1つの特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,または前記ネットワークアクセスデバイスの前記MACアドレスの中の複数の特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,ということであり,前記1つの特定のビットまたは前記複数の特定のビットは,前記特徴情報の中で指定される」との限定を付して特許請求の範囲を減縮するものである。

そして,請求項1についての上記補正は,特許法第17条の2第3項,第4項に違反するところはなく,特許法17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

請求項1について上記補正は特許請求の範囲を減縮するものであるから,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて,以下検討する。

(2)独立特許要件

ア 補正後の発明
補正後の発明は,上記「1 本願発明と補正後の発明」の項の「補正後の発明」のとおりのものと認める。

イ 引用発明等
原査定の拒絶の理由に引用された欧州特許出願公開第02373110号明細書(以下,「引用例」という。)には,以下の事項が記載されている。

(ア)「
[0002]User Equipment (UE or UEs in plural) in a cellular network, such as Third Generation Partnership Project (3GPP) Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) or Long Term Evolution (LTE), make use of a random access procedure to gain access to the network.・・・(中略)・・・
[0014]Controlling access by a User Equipment (UE) with data to send to a cellular network may be effected by: receiving an instruction at the UE from a base station of the cellular network regarding transmission by the UE over a Random Access Channel (RACH) of the cellular network; and controlling when transmissions are made from the UE over the RACH, on the basis of the received instruction. As will be explained below, a transmission over the RACH may be made in response to the received instruction in some cases. Here, the instruction gives permission for the UE to make an access to the network if it has data to transmit. The UE may not be allowed to make an access for the purpose of sending data otherwise. The instruction may further specify a Group Identifier, which is compared with a Group Identifier specific to the UE and transmission over the RACH may be avoided based on the comparison. The UE may avoid transmission over the RACH even if it has data to transmit to the network.
[0015]In a first aspect, there is provided a method of controlling access by a User Equipment (UE) to a cellular network. The method comprises: receiving an instruction at the UE from a base station of the cellular network to make a transmission from the UE over a Random Access Channel, RACH, of the cellular network; and making a transmission from the UE over the RACH in response to the received instruction, if the UE has data to send over the cellular network, in order to send this data. It will be appreciated that the instruction from the base station advantageously gives permission for the UE to make a transmission over the RACH. The method may further comprise deciding at the UE to make a transmission over the RACH on the basis that the UE has data to send. Preferably, this step may further comprise deciding at the UE when to make a transmission over the RACH. Alternatively, the method may further comprise deciding at the UE not to make a transmission over the RACH on the basis that the UE has no data to send.
(中略)
[0018]Additionally or alternatively, the present invention may be embodied in a method of controlling access by a User Equipment (UE) to a cellular network.The method comprises: transmitting an instruction to the UE from a base station of the cellular network, the instruction commanding the UE to make a transmission from the UE over a Random Access Channel, RACH, of the cellular network in order for the UE to send data over the cellular network.
(中略)
[0021]In the preferred embodiment, the instruction is a paging message.Hence, this approach can fit directly into the paging message framework set up within existing standards.An MTC device may have capabilities to provide a specific handling of the paging message.
[0022]This approach can additionally or alternatively be improved by grouping UEs together and inviting a group of UEs to access the network at a given time.Then, the UE has an associated Group Identifier. In such cases, the method further comprises comparing the specified Group Identifier and the Group Identifier associated with the UE. Then, the step of making a transmission from the UE over the RACH may be based on the comparison. This also allows the base station to identify multiple UEs using fewer overhead bits in the invitation (paging message). Optionally, the instruction may identify a group of temporary identifiers associated with the Group Identifier. Then, the step of making a transmission from the UE over the RACH may use one of the received associated temporary identifiers.
[0023]The Group Identifier (ID) allows the network to divide the population of UEs into groups, preferably random groups. This division of UEs can prevent a large number from transmitting over the RACH at the same time. Additionally or alternatively, it can allow one instruction to be made applicable to multiple UEs, but not all of the UEs. This is particularly advantageous when the number of UEs in a cell is high.
[0024]The Group ID is known by each UE. However, it can obtain this information in different ways. In one approach, the method further comprises transmitting the Group Identifier associated with the UE from a base station of the cellular network to the UE. In other words, the Group ID is provided to the UE by the network. Alternatively, the method may further comprise determining the Group Identifier associated with the UE, at the UE, based on an identifier specific to the UE or to a Subscriber Identity Module (SIM) or Universal Subscriber Identity Module (USIM) associated with the UE. For example, the identifier specific to the UE, SIM or USIM may be an International Mobile Equipment Identity (IMEI) or an International Mobile Subscriber Identity (IMSI). The IMSI may be stored on the SIM or USIM.
[0025]The UE could determine the Group ID based on the identifier specific to the UE, SIM or USIM by using a known relationship, such as an algorithm or a look-up table. For example, the base station may broadcast an integer index which is used by the UE to determine its Group ID using a modulo operation. Additionally, the base station may broadcast a specific Group ID or a bit map indicating which Group ID or IDs from 0 up to the integer (index-1) is allowed or not allowed access at the specific time.」(3?4ページ)

([当審仮訳]:
[0002]セルラ・ネットワークではユーザ機器(複数のUE(1つ又は複数)は,第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)またはLTE(Long Term Evolution)のようなランダムアクセス手順をネットワークにアクセスするために使用する。・・・(中略)・・・
[0014]セルラーネットワークへ送信するデータを有するユーザ機器(UE)によるアクセスを制御することは,セルラーネットワークのランダムアクセスチャネル(RACH)上でのUEによる送信に関するセルラーネットワークの基地局からの命令をUEにおいて受信することと,受信された命令に基づいてRACH上でUEから送信がいつ行われるかを制御することとによって達成され得る。以下に説明するように,RACH上の送信は,場合によっては受信された命令に応答して行われる。ここで,命令は,送信するデータを有する場合,ネットワークへのアクセスをUEに対して許可する。そうでなければUEは,データを送信するためにアクセスを行うことを許可されない。命令はさらに,UEに固有のグループ識別子と比較されるグループ識別子を指定することができ,RACH上での送信は,比較に基づいて回避することができる。UEは,ネットワークに送信するデータを有する場合であっても,RACH上での送信を回避することができる。
[0015]第1の態様では,セルラーネットワークへのユーザ機器(UE)によるアクセスを制御する方法が提供される。この方法は,セルラーネットワークのランダムアクセスチャネルRACHを介してUEから送信するよう,セルラーネットワークの基地局からの命令をUEにおいて受信し,UEがセルラーネットワークを介して送信するデータを有している場合,このデータを送信するために,受信された命令に応答してRACH上でUEから送信することと,を含む。基地局からの命令は,RACHを介して送信を行うためにUEに有利に許可を与えることが好ましいことが理解されよう。本方法は,UEが送信するデータを有することに基づいてRACH上で送信することをUEに決定するステップをさらに含むことができる。好ましくは,このステップは,RACHを介して送信を行うときにUEにおいて決定することをさらに含むことができる。代替として,この方法は,UEが送信するデータを有さないということに基づいて,RACH上で送信を行わないことをUEにおいて決定することをさらに含み得る。
(中略)
[0018]追加的又は代替的に,本発明は,セルラーネットワークへのユーザ機器(UE)によるアクセスを制御する方法において実施され得る。この方法は,セルラーネットワークの基地局からUEに命令を送信するステップと,UEがセルラーネットワーク上でデータを送信するためにセルラーネットワークのランダムアクセスチャネルRACHを介してUEから送信を行うようにUEに命令するステップとを含む。
(中略)
[0021]好ましい実施形態では,命令はページングメッセージである。したがって,このアプローチは,既存の規格の中に設定されたページングメッセージのフレームワークに直接適合することができる。MTCデバイスは,ページングメッセージの特定の処理を提供する能力を有し得る。
[0022]このアプローチは,UEをグループ化し,所定の時間にUEのグループを招待してネットワークにアクセスすることによって,追加的又は代替的に改善することができる。そして,UEは,関連するグループ識別子を有する。そのような場合,方法は,指定されたグループ識別子と,UEに関連付けられたグループ識別子とを比較することをさらに含む。そのとき,RACHを介してUEから送信するステップは,比較に基づくことができる。これはまた,基地局が,招待(ページングメッセージ)においてより少ないオーバーヘッドビットを使用して複数のUEを識別することを可能にする。任意で,命令は,グループ識別子に関連付けられた一時識別子のグループを識別することができる。そのとき,RACHを介してUEから送信するステップは,受信された関連付けられた一時識別子のうちの一つを使用することができる。
[0023]グループ識別子(ID)は,ネットワークがUEの集合をグループ,好ましくはランダムグループに分割することを可能にする。このUEの分割は,多数のUEがRACH上で同時に送信することを防止することができる。追加的又は代替的に,1つの命令をすべてのUEではなく複数のUEに適用可能である。これは,セルの内のUEの数が多い場合に特に有利である。
[0024]グループIDは各UEによって既知である。しかしながら,この情報は異なる方法で得ることができる。1つの手法では,セルラーネットワークの基地局からUEに関連付けられたグループ識別子をUEに送信する方法をさらに含む。言い換えると,グループIDはネットワークによってUEに提供される。代替的に,本方法は,UEに関連する識別子,又はUEに固有の識別子,又はUEに関連する加入者識別モジュール(SIM)又はユニバーサル加入者識別モジュール(USIM)に基づいて,UEに関連付けられたグループ識別子をUEで決定することをさらに含み得る。例えば,UE,SIM,又はUSIMに固有の識別子は,国際移動体装置識別番号(IMEI)又は国際移動体加入者識別番号(IMSI)であってもよい。IMSIは,SIM又はUSIMに格納されてもよい。
[0025]UEは,アルゴリズム又はルックアップテーブルのような既知の関係を使用することによって,UE,SIM又はUSIMに固有の識別子に基づいてグループIDを決定することができる。例えば,基地局は,モジュロ演算を使用してそのグループIDを決定するためにUEによって使用される整数インデックスをブロードキャストすることができる。さらに,基地局は,0から整数(index-1)までのどのグループIDが特定の時刻にアクセスを許可されること又は許可されないことを示す特定のグループID又はビットマップをブロードキャストすることができる。)

上記摘記事項の記載及び当業者の技術常識を考慮すると,次のことがいえる。

a 段落[0014],[0015],[0018]の記載によれば,引用例には,セルラーネットワークのランダムアクセスチャネル(RACH)上でのUEによる送信に関するセルラーネットワークの基地局からの命令をUEにおいて受信し,受信された命令に基づいてRACH上でUEから送信が行われることにより,セルラーネットワークへ送信するデータを有するユーザ機器(UE)によるアクセスを制御する方法について記載されており,これは,ユーザ機器(UE)から見れば,「ユーザ機器(UE)がセルラーネットワークにアクセスする方法」といえる。

b 段落[0014],[0022]?[0025]の記載によれば,基地局からの命令には,特定の時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子が含まれ,命令を受信したUEは,受信したグループ識別子と当該UEに固有のグループ識別子とを比較し,比較に基づいてRACHを介して送信するものである。
そして,段落[0025]の記載によれば,特定のグループ識別子はブロードキャストされるものであり,セルラーネットワークの基地局において実際にブロードキャストするデータが生成されることは明らかである。
したがって,引用例には,「セルラーネットワークの基地局において実際にブロードキャストするデータを生成するステップであって,前記ブロードキャストするデータが,特定の時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子を含み,前記特定のグループ識別子が,前記ユーザ機器(UE)に固有のグループ識別子との比較のために使用される,ステップ」が記載されていると認められる。

c 段落[0014],[0015],[0018],[0022]の記載によれば,RACH上の送信は受信された命令に応答して行われるのであるから,特定のグループ識別子のブロードキャストにより,特定のユーザ機器(UE)が前記セルラーネットワークの基地局に対するランダムアクセス手順を開始するようにしているといえる。
そして,特定のユーザ機器(UE)は,ブロードキャストされた,特定の時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子を受信し,当該ユーザ機器(UE)に固有のグループ識別子との比較して,RACHを介して送信するのであるから,前記特定のグループ識別子に示されるグループに属すると解することができる。
したがって,引用例には,「前記セルラーネットワークの基地局により前記ブロードキャストするデータをブロードキャストして,特定のユーザ機器(UE)が前記セルラーネットワークの基地局に対するランダムアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のユーザ機器(UE)は,前記ブロードキャストするデータを受信するとともに,前記特定のグループ識別子に示されるグループに属するユーザ機器(UE)である,ステップ」が記載されていると認められる。

以上を総合すると,引用例には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ユーザ機器(UE)がセルラーネットワークにアクセスする方法であって,
セルラーネットワークの基地局において実際にブロードキャストするデータを生成するステップであって,前記ブロードキャストするデータが,特定の時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子を含み,前記特定のグループ識別子が,前記ユーザ機器(UE)に固有のグループ識別子との比較のために使用される,ステップと,
前記セルラーネットワークの基地局により前記ブロードキャストするデータをブロードキャストして,特定のユーザ機器(UE)が前記セルラーネットワークの基地局に対するランダムアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のユーザ機器(UE)は,前記ブロードキャストするデータを受信するとともに,前記特定のグループ識別子に示されるグループに属するユーザ機器(UE)である,ステップとを含む方法。」

[周知技術]
原査定の拒絶の理由に引用された特開2011-19104号公報(以下,「周知例1」という。)には,以下の事項が記載されている。

(イ)「
【0073】
基地局300の通信制御部320は,このポーリングリスト341を参照して,まず,グループAに属する通信端末400,つまり,MACアドレスの末尾数が0,4,8,Cである通信端末400をアソシエーションの対象にするためのビーコン(通信アドレス通知許可)をブロードキャストで,端末側通信インタフェース315から送出する。
【0074】
このビーコンの通信フレーム30は,図9に示すように,MACヘッダ31と,MACボディ35とを有している。MACヘッダ31には,宛先アドレス32及び送信元アドレス33等が収められている。ここでの宛先アドレス32は,ブロードキャストであることを示す“F”である。また,MACボディ35には,当該基地局300の識別子であるSSID(Service Set ID)等を含むビーコン一般情報要素36と,アソシエーション対象とする通信端末400のMACアドレスの末尾が“0,4,8,C”であることを示す末尾制限情報37とが収められている。なお,この末尾制限情報37は,ここでは,MACフレーム中で,無線LANメーカー等が独自に定義できるベンダースペック枠に収められている。
【0075】
車両1b,1c内の複数の通信端末400の第二通信制御部421がこのビーコンを受け取ると,フラッシュROM440中のMACアドレスを読み出して,自MACアドレスの末尾数が,ビーコンに含まれている末尾制限情報37を満たすか否かを判断する。自MACアドレスの末尾数が末尾制限情報37を満たさない場合には,当該ビーコンに伴うアソシエーション要求を行わず,自MACアドレスの末尾数が末尾制限情報37を満たす場合には,当該ビーコンに伴うアソシエーション要求を行う。すなわち,第二通信制御部421は,図9に示すアソシエーション要求の通信フレーム40を作成して,これを基地局300へ返す。この通信フレーム40も,MACヘッダ41とMACボディ45とを有し,MACヘッダ41には,宛先アドレス42として基地局300のアドレスと,送信元アドレス43として当該通信端末400のアドレスとが収められている。また,MACボディ45には,アソシエーション要求であることを示すメッセージ46が収められている。
【0076】
基地局300の通信制御部321が通信端末400からのアソシエーション要求を受け取ると,このアソシエーション要求に含まれている送信元アドレスを記憶制御部322に渡して,図6に示すポーリングリスト341中のグループAのMACアドレス領域341cに格納する。そして,基地局300の通信制御部321は,このアソシエーション要求を送ってきた通信端末400に対して,アソシエーション応答を送り,当該通信端末400からACK(ACKnowledgement)を受信する。
【0077】
基地局300は,以上の端末データ取得処理,つまり,通信アドレスの通知許可であるビーコンの送信(S11),アソシエーション要求の受信(S12),通信アドレスの登録,アソシエーション応答の送信,ACKの受信に関して,端末データ取得時間が終了するまで,全てのグループに関して繰り返して実行する。なお,図7では,図を簡略化するため,端末データ取得処理中の以上の処理のうち,ビーコンの送信(S11),アソシエーション要求の受信(S12)のみを描いている。
【0078】
基地局300は,この端末データ取得処理を,基本的に全ての放送時間B,Ba,…後に実行する。このため,本実施形態では,列車の走行中に電源が入れられた通信端末をも漏れなく,ポーリングリスト341に含めることができる。なお,ここでは,基本的に,全ての放送時間,Ba,…後の端末データ取得時間A,Aa,…において,グループ分けに基づく端末データ取得処理を実行しているが,列車が駅を出発してから,初回,さらには2回目程度までは,端末データ取得処理での通信衝突の確率が高いため,グループ分けに基づく端末データ取得処理を実行し,以降の端末データ取得時間では,グループ分けをせずに,又はグループ数を少なくして,端末データ取得処理を実行してもよい。また,初回,さらには2回目以降の端末データ取得時間では,この時間の全時間帯で端末データ取得処理を実行せず,空いた時間に,他の通信や補足データの放送等に割り当てるようにしてもよい。」

本件の優先日前に公開された特開2010-93612号公報(以下,「周知例2」という。)には以下の事項が記載されている。

(ウ)「
【0003】
ZigBeeは,ZigBeeアライアンスで標準化され,物理層及びMAC層にIEEE802.15.4を利用したものである。従って,ZigBeeは,Bluetoothよりも低速ながら低価格,低消費電力,設置が容易であり,無線中継装置が多数の無線端末装置と接続可能であるという特徴がある。
【0004】
ZigBeeを用いた無線通信システムは,無線中継装置と無線端末装置とから構成される。この無線通信システムの通信方式として,ビーコン・モードが用いられることが多い。ビーコン・モードは,無線中継装置が所定の周期で定期的にビーコン(Beacon)信号を送信し,全ての無線端末装置がビーコンを受信し,受信したビーコンに同期して無線端末装置が無線中継装置と無線通信を行うものである。
(中略)
【0023】
図3に,本実施の形態におけるビーコンフォーマットの例を示す。
図3に示すように,ビーコンは,MAC(Media Access Control)ヘッダ領域B1と,MACペイロード領域B2と,MFR(MAC Footer)領域B3とを有している。
【0024】
MACペイロード領域B2には,SS(Superframe Specification)B21,GTS(Guaranteed Time Slot)フィールドB22,PA(Pending Address)フィールドB23,ビーコンペイロードB24等が含まれている。
【0025】
SSは,スーパーフレームの詳細情報フィールドであり,ビーコンを受信した際の時間管理を行うためのビーコン送信間隔やビーコンの通信方式が定義されている。GTSフィールドには,特定の無線端末装置に保障された通信方式(例えば,GTS)の情報が含まれている。PAフィールドには,無線端末装置に送信するデータがある場合,データを送信する無線端末装置を識別する識別情報(ノードアドレス)が含まれている。ビーコンペイロードB24には,拡張シーケンスナンバーB24aとマスクビットB24bが含まれている。
【0026】
拡張シーケンスナンバーは,ビーコンの送信回毎に値が増加するものでありシーケンス番号として機能する。マスクビットは,複数の無線端末装置を分けるグループの総数に基づき拡張シーケンスナンバーのうち抽出する値が定められたものでありマスク情報として機能する。この拡張シーケンスナンバーとマスクビットとが,ビーコンの受信対象となる無線端末装置が属するグループを示すグループ識別情報として機能する。
(中略)
【0041】
図5に,拡張シーケンスナンバー,マスクビット,ノードアドレスの例を示す。図5を参照して第1算出値と第2算出値の算出例を説明する。
図5に示すように,拡張シーケンスナンバー,マスクビット,ノードアドレスをそれぞれ2進数で2Byte(16bit)とする。図5では,16進数で拡張シーケンスナンバーが「AAAA」,マスクビットが「0003」,ノードアドレスが「FFAA」と表される場合の例を用いて説明する。図5には,4bit毎に示される2進数の値に対応する16進数の値を示す。
【0042】
第1算出値は,拡張シーケンスナンバーとマスクビットとをANDして得られた値である。図5では,マスクビットの1がたっているbitに対応する拡張シーケンスナンバーの網掛けされているbitの値「10」が第1算出値として算出される。また,第2算出値は,ノードアドレスとマスクビットとをANDして得られた値である。図5では,マスクビットの1がたっているbitに対応するノードアドレスの網掛けされているbitの値「10」が第2算出として算出される。
【0043】
マスクビットの下位2bitが1である場合,拡張シーケンナンバー,ノードアドレスから抽出される第1算出値,第2算出値は,「00」,「01」,「10」,「11」の4通りである。従って,制御部20は,マスクビット及びノードアドレスにより,複数の無線端末装置をノードアドレスの下位2bitが同一である無線端末装置毎のグループに分けて識別する。マスクビットの下位2bitが1である場合には,複数の無線端末装置は4つのグループに分けられる。
【0044】
マスクビットの値(マスクビットの1となるbit数)は,ビーコンを送信する無線中継装置1と接続可能な無線端末装置の数に応じて変更されるものである。IEEE802.15.4では,1つのビーコンで最大7つのノードアドレスを格納するものと規定されていることから,無線端末装置の総数と7の倍数とに応じてマスクビットの値が定められる。
【0045】
算出した第1算出値と第2算出値とが一致する場合,制御部20は,受信したビーコンは自己が属するグループ宛のビーコンであると判別する。

上記(イ)?(ウ)の記載並びに当業者の技術常識を考慮すると,「端末装置のMACアドレスの中の複数の特定ビット値によってネットワークにアクセスが許可される端末装置のグループを示す。」ことは周知技術である。

ウ 対比・判断

補正後の発明と引用発明とを対比すると,以下のことがいえる。

(ア)引用発明の「ユーザ機器(UE)」は「デバイス(ネットワークアクセスデバイス)」に含まれ,「セルラーネットワーク」は「ネットワーク」に含まれるから,引用発明の「ユーザ機器(UE)がセルラーネットワークにアクセスする方法」は,「デバイスがネットワークにアクセスする方法」といえる。

(イ)引用発明の「セルラーネットワークの基地局」は「アクセスポイント」に含まれる。また,補正後の発明の「ブロードキャストフレーム」と引用発明の「実際にブロードキャストするデータ」とは,「実際にブロードキャストするデータ」の点で共通している。
ここで,本願明細書段落【0026】の「各特徴情報はそれぞれ,潜在的なすべてのネットワークアクセスデバイスをカバーするこれらのグループのうちの1つに対応する」との記載によれば,補正後の発明の「特徴情報」は「ネットワークに対するアクセスが許可されるネットワークアクセスデバイス」のグループを示すものを含んでいるから,引用発明の「特定に時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子」は,補正後の発明の「特徴情報」に含まれる。そして,引用発明の「前記特定のグループ識別子」は,「前記ユーザ機器(UE)に固有のグループ識別子との比較のために使用される」ものであり,「ユーザ機器(UE)の特徴を示すために使用される」といえる。
したがって,補正後の発明の「アクセスポイントによりブロードキャストフレームを生成するステップであって,前記ブロードキャストフレームが,ネットワークアクセスデバイスの特徴情報を含み,前記特徴情報が,前記ネットワークアクセスデバイスの特徴を示すために使用される,ステップ」と,引用発明の「セルラーネットワークの基地局において実際にブロードキャストするデータを生成するステップであって,前記ブロードキャストするデータが,特定に時刻にアクセスを許可されることを示す特定のグループ識別子を含み,前記特定のグループ識別子が,前記ユーザ機器(UE)に固有のグループ識別子との比較のために使用される,ステップ」とは,「アクセスポイントにより実際にブロードキャストするデータを生成するステップであって,前記ブロードキャストするデータが,ネットワークアクセスデバイスの特徴情報を含み,前記特徴情報が,前記ネットワークアクセスデバイスの特徴を示すために使用される,ステップ」の点で共通する。

(ウ)上記(ア),(イ)のとおりであるから,引用発明の「前記特定のグループ識別子に示されるグループに属するユーザ機器(UE)」は,「前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイス」といえる。
したがって,補正後の発明の「前記アクセスポイントにより前記ブロードキャストフレームをブロードキャストして,特定のネットワークアクセスデバイスが前記アクセスポイントに対するネットワークアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のネットワークアクセスデバイスは,前記ブロードキャストフレームを受信するとともに,前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイスである,ステップ」と,引用発明の「前記セルラーネットワークの基地局により前記ブロードキャストするデータをブロードキャストして,特定のユーザ機器(UE)が前記セルラーネットワークの基地局に対するランダムアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のユーザ機器(UE)は,前記ブロードキャストするデータを受信するとともに,前記特定のグループ識別子に示されるグループに属するユーザ機器(UE)である,ステップ」とは,「前記アクセスポイントにより前記ブロードキャストするデータをブロードキャストして,特定のネットワークアクセスデバイスが前記アクセスポイントに対するネットワークアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のネットワークアクセスデバイスは,前記ブロードキャストするデータを受信するとともに,前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイスである,ステップ」の点で共通する。

以上を総合すると,補正後の発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。

(一致点)
「デバイスがネットワークにアクセスする方法であって,
アクセスポイントにより実際にブロードキャストするデータを生成するステップであって,前記ブロードキャストするデータが,ネットワークアクセスデバイスの特徴情報を含み,前記特徴情報が,前記ネットワークアクセスデバイスの特徴を示すために使用される,ステップと,
前記アクセスポイントにより前記ブロードキャストするデータをブロードキャストして,特定のネットワークアクセスデバイスが前記アクセスポイントに対するネットワークアクセス手順を開始するようにするステップであって,前記特定のネットワークアクセスデバイスは,前記ブロードキャストするデータを受信するとともに,前記特徴情報によって示される前記特徴を有するネットワークアクセスデバイスである,ステップとを含む,
方法。」

(相違点1)
一致点の「実際にブロードキャストするデータ」に関して,補正後の発明は「ブロードキャストフレーム」であるのに対し,引用発明は当該発明特定事項を有していない点。

(相違点2)
一致点の「特徴情報」に関して,補正後の発明は,更に「前記特徴情報によって示される前記特徴は,前記ネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの中の1つの特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,又は前記ネットワークアクセスデバイスの前記MACアドレスの中の複数の特定のビットの値が,前記特徴情報によって示される値であること,ということであり,前記1つの特定のビット又は前記複数の特定のビットは,前記特徴情報の中で指定される,」との発明特定事項を有しているのに対し,引用発明は,当該発明特定事項を有していない点

以下,上記各相違点について検討する。
(相違点1について)
補正後の発明は,通信プロトコルを特定していないから,「ブロードキャストフレーム」は特定の通信プロトコルにおけるフレーム構造を規定するものではなく,単に実際にブロードキャストされるデータの単位と解するのが相当である。したがって,相違点1には実質的な相違は無い。
また,本願明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して補正後の発明の「ブロードキャストフレーム」がIEEE802.11プロトコルにおけるブロードキャストフレームであるしても,IEEE802.11プロトコルは周知慣用のものであり,IEEE802.11プロトコルにおけるアクセス手順もセルラーネットワークにおけるRACHによるランダムアクセス手順も競合方式によるものであることに鑑みれば,引用発明の技術的思想を周知のIEEE802.11プロトコルに適用すること,すなわち,引用発明の「セルラーネットワーク」をIEEE802.11プロトコルが適用されるネットワークとし,引用発明の「実際にブロードキャストするデータ」を「ブロードキャストフレーム」とすることは,格別困難なことではなく,当業者が適宜なし得ることに過ぎない。

(相違点2について)
上記「イ 引用発明等」の項の「[周知技術]」にて述べたとおり,「端末装置のMACアドレスの中の複数の特定ビット値によってネットワークにアクセスが許可される端末装置のグループを示す。」ことは当業者における周知技術であるから,引用発明における特徴情報を,「ネットワークアクセスデバイスの前記MACアドレスの中の複数の特定のビットの値であり,前記複数の特定のビットは,前記特徴情報の中で指定される」ものとすることは格別困難なことではなく,当業者が容易になし得ることである。

そして,補正後の発明の作用効果も,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測できる範囲のものにすぎず,格別顕著なものとはいえない。

したがって,補正後の発明は,引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

3 請求人の主張に対する検討

請求人は,平成29年8月2日に提出された審判請求書にて「引用文献2において,上記「末尾数」は,ビーコンの中で指定されません。なぜならば,上記「末尾数」の使用は,基地局と通信端末との両方において固定されているからです。しかしながら,新請求項1において,ネットワークアクセスデバイスをグループ分けするために使用されるMACアドレスの中のビットは,固定ではなく,特徴情報の中で指定されます。故に,ネットワークアクセスデバイスのグループ分けは,より柔軟性を有します。」と主張している。

しかし,上記引用文献2に対応する周知例1段落【0075】(上記2(イ)参照)には,「複数の通信端末400の第二通信制御部421がこのビーコンを受け取ると,フラッシュROM440中のMACアドレスを読み出して,自MACアドレスの末尾数が,ビーコンに含まれている末尾制限情報37を満たすか否かを判断する。」と記載されており,また周知例1段落【0074】及び図9(上記2(イ)参照)にもビーコンフレームに関する説明がされており,その中に末尾制限情報37として,例えばMACアドレスの末尾,0,4,8,Cが収められていることが記載されているから,審判請求書の上記主張は採用できない。

また,請求人は,平成29年12月12日に上申書を提出して補正案を提示しており,当該補正案の請求項1は「前記特徴情報によって示される前記特徴は,前記ネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの中の1つの特定のビットの値が,何ら演算を伴わずに前記特徴情報によって示される値であること,又は前記ネットワークアクセスデバイスの前記MACアドレスの中の複数の特定のビットの値が,何ら演算を伴わずに前記特徴情報によって示される値であること,ということであり,前記1つの特定のビット又は前記複数の特定のビットは,前記特徴情報の中で指定され,」とされ「何ら演算を伴わない」ことが特定された。しかしながら,ネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの特定のビット値と,ブロードキャストされたネットワークアクセスデバイスの特徴情報に含まれるビット値が同じであるか否かを判断することも演算であるから,何ら演算を伴わずネットワークアクセスデバイスのMACアドレスの中の特定のビット値が,特徴情報によって示される値であることを判断するようなものは,出願当初の明細書等に記載されていない。したがって,当該補正案の請求項1は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものである。したがって,当該補正案は採用できない。
よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

4 結語

したがって,本件補正は,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明
平成29年8月2日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成27年9月16日にされた特許願に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明は,上記「第2 平成29年8月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「1 本願発明と補正後の発明」の項の「本願発明」のとおりのものと認める。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶理由は,
1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
というものであり,請求項1に対して引用例(欧州特許出願公開第02373110号明細書)が引用されている。

3 引用発明
引用発明は,上記「第2 平成29年8月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「イ 引用発明等」の項で認定したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は,補正後の発明から当該補正に係る限定事項を省いたものである。
してみると,本願発明と引用発明を比較すると,上記「第2 平成29年8月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討した相違点1のみが存在し,相違点2は存在しない。したがって,前記「ウ 対比・判断」の項の「(相違点1について)」と同様の理由で,本願発明と引用発明と同一であり,また,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび

以上のとおり,本願発明は,引用発明と同一であり,また,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第1項第3号,同第2項の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-11-13 
結審通知日 2018-11-19 
審決日 2018-11-30 
出願番号 特願2015-182720(P2015-182720)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
P 1 8・ 575- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼木 裕子  
特許庁審判長 菅原 道晴
特許庁審判官 本郷 彰
海江田 章裕
発明の名称 デバイスがネットワークにアクセスする方法、アクセスポイント、ネットワークアクセスデバイス、およびシステム  
代理人 実広 信哉  
代理人 木内 敬二  
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