ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 出願日、優先日、請求日 審決却下 A61B |
---|---|
管理番号 | 1351123 |
審判番号 | 不服2018-7168 |
総通号数 | 234 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-05-25 |
確定日 | 2019-05-07 |
事件の表示 | 特願2016- 26972「監視のための装置および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月14日出願公開、特開2016-127966〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求を却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯の概要 本件特許出願に対して平成29年10月13日に拒絶査定がされ、その査定の謄本は平成29年10月24日に本件審判請求人である出願人の代理人である弁理士吉田稔(以下、「本件代理人」という。)に電子情報処理組織により送達されている。 その拒絶をすべき旨の査定に対する審判の請求は、特許法第121条第1項の規定により査定の謄本の送達があった日から4月以内(職権による期間延長を含む。)である平成30年2月26日までにされなければならないところ、本件審判の請求は平成30年5月25日にされており、上記法定期間経過後に請求が行われている。 第2 本件審判請求人の主張について 本件審判請求人は、平成30年5月28日付け上申書(以下、「本件上申書」という。)において、本件拒絶査定不服審判の請求がその請求期間内にできなかった理由を述べて、当該理由が特許法第121条第2項で規定された「その責めに帰することができない理由」に該当する旨を主張している(本件上申書の4.の記載を参照)。より具体的には、要するに、 1 本件代理人が日本国特許庁に対して手続を行なうことは、年間を通じて比較的少ないため、可能な限りの慎重さを以って必要な手続の確認や該当条文の確認を行うことを常としていること。 2 本件分割出願(特願2018-030620)を行う際にも、特許法の条文や審査基準の該当箇所ならびに自己の所有する手引書等について確認する等により、分割の時期的要件の確認に十分に注意を払っていたこと。 3 それにもかかわらず、原出願(特願2016-026972)の実際の出願日(平成28年2月16日)を、本件分割出願に係る時期的要件の判断の基準日と認識し、現今の特許法第44条第1項第3号が適用されると確信するという過誤が生じたこと。 を理由とするものである。 第3 検討 本件審判請求人の主張は、本件特許出願の分割出願(特願2018-030620号。以下、「本件分割出願」という。)を適法に行うことができなかった理由について述べるものであるが、その主張を善解すると、本件分割出願を適法に行うには本件審判の請求をする必要があったにもかかわらず、原出願(特願2016-26972号、すなわち本願のことである。)の出願日を分割出願に係る時期的要件の判断の基準日として誤認したことにより、本件分割出願において特許法第44条第1項第3号が適用されるものと誤解し、その誤解に基づいて本件分割出願の出願において本件審判の請求が不要であると誤信した結果、請求期間内に本件審判の請求をすることができなかったことをいうものであると理解できる。 そこで検討するに、特許法第121条第2項に規定する「その責めに帰することができない理由」とは、天変地異その他客観的に避けることのできない事故のほか、審判請求人又はその代理人が通常なすべき注意を払っても避けることができなかったと認められる事由をいうものと解される(東京高判昭63年7月26日(昭和62年(行ケ)174号)参照)。そして、弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用に係る制度の適正な運用に寄与することを使命とし(弁理士法第1条)、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行う義務がある(同法第3条)。このような弁理士の職責に照らせば、特許法等の法令やその改正等を熟知し、個別案件における法の適用を誤らないようにすることは、弁理士が通常なすべき注意であるといえる。してみれば、仮に、上記第2の1?2に記載した事情があったとしても、弁理士である本件代理人が、上記第2の3のように、法の適用を誤解し、その誤解に基づいて本件審判の請求が不要であると誤信することは、「審判請求人又はその代理人が通常なすべき注意を払っても避けることができなかったと認められる事由」であるとはいえない。 第4 結び したがって、本件上申書のその余の主張を検討するまでもなく、本件審判の請求は、上記法定期間経過後の不適法なものであり、その補正をすることができないものであるから、特許法第135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2018-06-08 |
結審通知日 | 2018-06-12 |
審決日 | 2018-06-25 |
出願番号 | 特願2016-26972(P2016-26972) |
審決分類 |
P
1
8・
03-
X
(A61B)
|
最終処分 | 審決却下 |
前審関与審査官 | 佐藤 高之 |
特許庁審判長 |
伊藤 昌哉 |
特許庁審判官 |
福島 浩司 東松 修太郎 |
発明の名称 | 監視のための装置および方法 |
代理人 | 鈴木 泰光 |
代理人 | 臼井 尚 |
代理人 | 田中 達也 |
代理人 | 吉田 稔 |