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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正しない C07K |
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管理番号 | 1351817 |
審判番号 | 訂正2019-390010 |
総通号数 | 235 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-07-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2019-01-26 |
確定日 | 2019-05-13 |
事件の表示 | 特許第5388259号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5388259号に係る出願(特願2013-169295号)は、平成25年3月27日を出願日とする特願2013-67504号の一部を新たな特許出願として平成25年8月17日に出願されたものであって、平成25年10月18日に特許権の設定の登録がなされた。 これについて、平成31年1月26日に本件訂正審判が請求され、平成31年2月26日付けで当審より訂正拒絶理由が通知され、それに対して、平成31年3月3日に意見書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5388259号の明細書を、審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであって、その内容は以下のとおりである。 1 訂正事項1 段落【0005】の「しかし、溶液中の対象物質を分離等するために使用されて来た従来の方法は、いずれも、界面活性剤の使用を前提としていた。界面活性剤を使用すると、分離等された対象物質から界面活性剤を除去する工程が必要となり、煩雑さが生じていた。従って、溶液中から対象物質を簡便に分離するための混合液が求められていた。」の記載のうち下線部分を削除し、「しかし、溶液中の対象物質を分離等するために使用されて来た従来の方法は、いずれも、煩雑さが生じていた。従って、溶液中から対象物質を簡便に分離するための混合液が求められていた。」に訂正する。 2 訂正事項2 段落【0020】の「本発明の第1のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第1のタンパク質抽出剤には、従来使用されてきた対象物質の分離等のためのエマルション等に含まれる界面活性剤よりも少ない量(例えば、タンパク質抽出剤全体に対して0?4質量%)の界面活性剤が含まれていてもよい。なお、本発明において「界面活性剤」とは、溶媒中でミセル構造をとり得る両親媒性分子を指す。」の記載のうち下線部分を削除し、「本発明の第1のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第1のタンパク質抽出剤には、界面活性剤が含まれていてもよい。なお、本発明において「界面活性剤」とは、溶媒中でミセル構造をとり得る両親媒性分子を指す。」に訂正する。 3 訂正事項3 段落【0041】の「<第2のタンパク質抽出剤> 本発明の第2のタンパク質抽出剤は、上記第1の高級アルコールとは異なる第2の高級アルコールと、炭化水素と、を含む。本発明の第2のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第2のタンパク質抽出剤には、従来使用されてきた対象物質の分離等のためのエマルション等に含まれる界面活性剤よりも少ない量(例えば、タンパク質抽出剤全体に対して0?4質量%)の界面活性剤が含まれていてもよい。」の記載のうち下線部分を削除し、「<第2のタンパク質抽出剤> 本発明の第2のタンパク質抽出剤は、上記第1の高級アルコールとは異なる第2の高級アルコールと、炭化水素と、を含む。本発明の第2のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第2のタンパク質抽出剤には、界面活性剤が含まれていてもよい。」に訂正する。 第3 当審の判断 1 設定登録時の特許請求の範囲、明細書及び図面の記載事項 設定登録時の特許請求の範囲、明細書及び図面には、次の事項が記載されている。なお、段落【0005】、【0020】及び【0041】の下線部分は、それぞれ訂正事項1?3により削除される部分である。 (1)特許請求の範囲 「【請求項1】 炭素数15?18の高級アルコールである第1の高級アルコールと、 炭素骨格中に1つの不飽和結合を有する脂肪酸又は飽和脂肪酸を含む、炭素数18の脂肪酸と、を少なくとも含み、 タンパク質と水性溶媒とを含む抽出対象液からタンパク質を抽出する混合液。 【請求項2】 前記第1の高級アルコールは、イソステアリルアルコール及びオレイルアルコールからなる群から選択される1種以上を含み、 前記脂肪酸は、オレイン酸及びイソステアリン酸からなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の混合液。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の前記第1の高級アルコールとは異なる、炭素数20の高級アルコールである第2の高級アルコールと、炭化水素と、を少なくとも含み、 タンパク質、水性溶媒、炭素数15?18の高級アルコール、及び炭素骨格中に1つの不飽和結合を有する脂肪酸又は飽和脂肪酸を含む、炭素数18の脂肪酸を含む抽出対象液からタンパク質を抽出する混合液。 【請求項4】 前記第2の高級アルコールは、オクチルドデカノールを含み、 前記炭化水素は、25℃で液体である炭化水素を含む請求項3記載の混合液。」 (2)明細書 ア 技術分野 「【0001】 本発明は、タンパク質を抽出する混合液に関する。」 イ 背景技術 「【0002】 溶液中の対象物質(例えば、タンパク質等)を分離又は抽出等するための方法としてはエマルションを利用した方法が挙げられる(例えば、特許文献1及び2を参照)。 【0003】 対象物質の分離等のためのエマルションを利用した方法としては、例えば、油層中の逆ミセル内部の水層に対象物質を分離等する方法、乳化型液膜抽出による方法、多層乳化したエマルションを転層させて対象物質を分離等する方法等が挙げられる。」 ウ 先行技術文献 「【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特許第3218031号公報 【特許文献2】特開平10-231240号公報」 エ 発明が解決しようとする課題 「【0005】 しかし、溶液中の対象物質を分離等するために使用されて来た従来の方法は、いずれも、界面活性剤の使用を前提としていた。界面活性剤を使用すると、分離等された対象物質から界面活性剤を除去する工程が必要となり、煩雑さが生じていた。従って、溶液中から対象物質を簡便に分離するための混合液が求められていた。 【0006】 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、タンパク質と水性溶媒とを含む抽出対象液からタンパク質を簡便に分離できる混合液を提供することを目的とする。」 オ 課題を解決するための手段 「【0007】 本発明者は、所定の高級アルコールと、脂肪酸とを少なくとも含むタンパク質抽出剤によれば上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。」 カ 発明を実施するための形態 「【0018】 以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。以下、タンパク質を抽出する混合液をタンパク質抽出剤という。 【0019】 <第1のタンパク質抽出剤> 本発明の第1のタンパク質抽出剤は、少なくとも第1の高級アルコールと、脂肪酸と、を含む。 【0020】 本発明の第1のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第1のタンパク質抽出剤には、従来使用されてきた対象物質の分離等のためのエマルション等に含まれる界面活性剤よりも少ない量(例えば、タンパク質抽出剤全体に対して0?4質量%)の界面活性剤が含まれていてもよい。なお、本発明において「界面活性剤」とは、溶媒中でミセル構造をとり得る両親媒性分子を指す。」 「【0036】 第1のタンパク質抽出剤には、本発明の目的を害さない限り、公知の添加剤(界面活性剤、炭素数15未満の高級アルコール等)を添加してもよい。添加剤の添加量は得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。」 「【0041】 <第2のタンパク質抽出剤> 本発明の第2のタンパク質抽出剤は、上記第1の高級アルコールとは異なる第2の高級アルコールと、炭化水素と、を含む。本発明の第2のタンパク質抽出剤は、界面活性剤を含まなくともよい。また、本発明の第2のタンパク質抽出剤には、従来使用されてきた対象物質の分離等のためのエマルション等に含まれる界面活性剤よりも少ない量(例えば、タンパク質抽出剤全体に対して0?4質量%)の界面活性剤が含まれていてもよい。」 「【0056】 第2のタンパク質抽出剤には、本発明の目的を害さない限り、公知の添加剤(界面活性剤、炭素数18未満の高級アルコール等)を添加してもよい。添加剤の添加量は得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。」 キ 実施例 第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)を用いた実施例1、3、5、9、11、及び第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)を用いた実施例2、4、6、7、8、10が記載されており、それぞれのタンパク質抽出剤の成分、抽出対象物及び結果が、次の表1及び2にまとめられている。 「【表1】 」 「【表2】 」 (3)図面 図1?11には、実施例の抽出結果を示す写真及び抽出されたタンパク質の観察結果が記載されている。 2 判断 (1)訂正事項1についての判断 段落【0005】は、上記1(2)のとおり、発明が解決しようとする課題の項目において従来技術の内容や問題点について記載した部分であるところ、それ自体意味の不明瞭な点があるとは認められない。 次に、特許請求の範囲、図面又は明細書中の他の記載との関係で不合理等を生じているために不明瞭となっているか否かについて検討すると、上記1によれば、本件特許発明は、タンパク質を抽出する混合液(タンパク質抽出剤)に関するもので、従来技術では界面活性剤を使用しており、抽出後のその除去工程により煩雑さが生じていたため、簡便に抽出するための混合液が求められているという課題を解決するために、第1の高級アルコールと脂肪酸とを少なくとも含む第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)、及び第2の高級アルコールと炭化水素とを少なくとも含む第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)という手段を提供するものと解される。そして、特許請求の範囲においては界面活性剤に関する発明特定事項はないものの、明細書においては、第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)も、第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)も、界面活性剤は含まなくてよいが、従来技術よりも少ない量(例えば、全体に対して0?4質量%)であれば含んでもよいこと(段落【0020】、【0041】)、本発明の目的を害さない限りであれば含んでもよいこと(段落【0036】、【0056】)が記載され、実施例1?11のタンパク質抽出剤(請求項1、2、3または4の混合液に相当する。)は界面活性剤を含まないものである。これら特許請求の範囲、明細書及び図面の記載は、特許請求の範囲に記載された、第1の高級アルコールと脂肪酸とを少なくとも含む第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)、及び第2の高級アルコールと炭化水素とを少なくとも含む第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)は、界面活性剤を使用していた従来技術の課題を解決するものであって、界面活性剤を含まないか、含むとしても課題が解決できる程度の少量であるという点で首尾一貫しており、段落【0005】の記載は、特許請求の範囲、図面及び明細書のその他の部分の記載との関係において何らの不合理や矛盾は認められず、不明瞭さが生じているとはいうことができない。そして、段落【0005】にその他の記載上の不備があるとも認められない。 したがって、訂正事項1は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものと認めることはできない。 また、訂正事項1は、特許請求の範囲を訂正するものではないから、同1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的としていないことは明らかである。 さらに、段落【0005】に誤記があるとも認められず、本件特許は外国語書面出願ではなく誤訳はないから、同2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的としていないことも明らかである。 以上のとおりであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き各号のいずれを目的としたものでもない。 (2)訂正事項2 段落【0020】は、上記1(2)のとおり、第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)は界面活性剤を含まなくてもよいし、従来技術よりも少ない量であれば含んでもよいことを記載しており、それ自体意味の不明瞭な点があるとは認められない。また、上記1(1)のとおり、請求項1、2は、第1の高級アルコールと脂肪酸とを少なくとも含む混合液(第1のタンパク質抽出剤)というものであって、界面活性剤に関する発明特定事項を有さないから、段落【0020】の記載が特許請求の範囲の記載との関係で不合理を生じているとはいえない。さらに、上記(1)で検討したとおり、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載は、特許請求の範囲に記載された、第1の高級アルコールと脂肪酸とを少なくとも含む第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)は、界面活性剤を使用していた従来技術の課題を解決するものであって、界面活性剤を含まないか、含むとしても課題が解決できる程度の少量であるという点で首尾一貫しており、段落【0020】の記載は、特許請求の範囲、図面及び明細書のその他の部分の記載との関係において何らの不合理や矛盾は認められず、不明瞭さが生じているとはいうことができない。そして、段落【0020】にその他の記載上の不備があるとも認められない。したがって、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものと認めることはできない。 また、訂正事項2は、特許請求の範囲を訂正するものではないから、同1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的としていないことは明らかである。 さらに、段落【0020】に誤記があるとも認められず、本件特許は外国語書面出願ではなく誤訳はないから、同2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的としていないことも明らかである。 したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き各号のいずれを目的としたものでもない。 (3)訂正事項3 段落【0041】は、上記1(2)のとおり、第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)は界面活性剤を含まなくてもよいし、従来技術よりも少ない量であれば含んでもよいことを記載しており、それ自体意味の不明瞭な点があるとは認められない。また、上記1(1)のとおり、請求項3、4は、第2の高級アルコールと炭化水素とを少なくとも含む混合液(第2のタンパク質抽出剤)というものであって、界面活性剤に関する発明特定事項を有さないから、段落【0041】の記載が特許請求の範囲の記載との関係で不合理を生じているとはいえない。さらに、上記(1)で検討したとおり、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載は、特許請求の範囲に記載された、第2の高級アルコールと炭化水素とを少なくとも含む第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)は、界面活性剤を使用していた従来技術の課題を解決するものであって、界面活性剤を含まないか、含むとしても課題が解決できる程度の少量であるという点で首尾一貫しており、段落【0041】の記載は、特許請求の範囲、図面及び明細書のその他の部分の記載との関係において何らの不合理や矛盾は認められず、不明瞭さが生じているとはいうことができない。そして、段落【0041】にその他の記載上の不備があるとも認められない。したがって、訂正事項3は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものと認めることはできない。 また、訂正事項3は、特許請求の範囲を訂正するものではないから、同1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的としていないことは明らかである。 さらに、段落【0041】に誤記があるとも認められず、本件特許は外国語書面出願ではなく誤訳はないから、同2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的としていないことも明らかである。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き各号のいずれを目的としたものでもない。 (4)請求人の主張に対して 審判請求書及び意見書における請求人の主張とそれに対する当審の判断は次のとおりである。 ア 請求人の主張 分割出願である本件特許は、原出願とは別の発明に係るものであるが、新規事項を追加すると判断されることを避けるために、明細書の記載の大部分について原出願の記載を踏襲したので、原出願に係る発明の説明としては妥当するが本件特許発明の説明としては妥当しない部分(段落【0005】、【0020】及び【0041】)が存在し、本件特許発明の内容と明細書の記載に齟齬が生じている。 具体的には、本件特許発明の解決しようとする課題は、従来技術が含んでいたエマルションや逆ミセルを調整する工程をなくして工程を単純化することにあり、界面活性剤の除去工程の排除は特に関係がない。しかし、段落【0005】の記載により、本件特許発明の目的が界面活性剤を除去する工程を排除することにあり、段落【0020】及び【0041】の記載により、請求項1?4に係る混合液に含まれる界面活性剤は少なくなければならず、全体に対して0?4質量%に限られると誤解される余地があるから、段落【0005】、【0020】及び【0041】には明瞭でない記載が含まれているといえる。したがって、訂正事項1?3は、特許請求の範囲の記載との関係において生じている不合理を正して本件特許発明の本来の意味を明らかにするものであって、特許法126条1項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的としたものである。 イ 判断 「明瞭でない記載の釈明」とは、設定登録時の明細書、特許請求の範囲及び図面に生じている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにすることをいう。記載上の不備があるかどうかは、それ自体の記載内容が不明瞭であるとか、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じているなど、設定登録時の明細書、特許請求の範囲及び図面の範囲内で判断すべき事項である。 この点、上記(1)で検討したとおり、設定登録時の特許請求の範囲、明細書及び図面の記載は、その全体を通じて、特許請求の範囲に記載された、第1の高級アルコールと脂肪酸とを少なくとも含む第1のタンパク質抽出剤(請求項1、2の混合液)、及び第2の高級アルコールと炭化水素とを少なくとも含む第2のタンパク質抽出剤(請求項3、4の混合液)は、界面活性剤を使用していた従来技術の課題を解決するものであって、界面活性剤を含まないか、含むとしても課題が解決できる程度の少量であるという点で首尾一貫しており、本件発明は界面活性剤の除去の排除とは関係がない、明細書中の界面活性剤の量に関する記載は誤解を招くから不明瞭な記載である、との請求人の主張は、設定登録時の特許請求の範囲、明細書及び図面の記載に基づかないものであり、原出願の明細書との関係から本件明細書等の記載上の不備を導き出すことは妥当性を欠くから、採用することができない。 3 むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法126条1項の規定に違反するものであるから、本件訂正審判の請求は拒絶すべきものである。 |
審理終結日 | 2019-03-13 |
結審通知日 | 2019-03-15 |
審決日 | 2019-03-28 |
出願番号 | 特願2013-169295(P2013-169295) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Z
(C07K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 崇之 |
特許庁審判長 |
大宅 郁治 |
特許庁審判官 |
小暮 道明 長井 啓子 |
登録日 | 2013-10-18 |
登録番号 | 特許第5388259号(P5388259) |
発明の名称 | タンパク質を抽出する混合液 |