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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1353456
審判番号 不服2018-8870  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-27 
確定日 2019-07-10 
事件の表示 特願2014-537746「半導体ウェハのハンドリングおよび搬送」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月23日国際公開、WO2013/072760、平成27年 1月22日国内公表、特表2015-502654〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成24年(2012年)10月26日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2011年10月26日(以下,「本願優先日」という。)米国)とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年10月28日付け 拒絶理由通知
平成29年 5月 1日 意見書・手続補正
平成29年 7月14日付け 拒絶理由通知
平成30年 1月25日 意見書・手続補正
平成30年 2月22日付け 拒絶査定(以下,「原査定」という。)
平成30年 6月27日 審判請求・手続補正
平成30年11月27日 上申書

第2 補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
審判請求と同時にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正により,本件補正前の特許請求の範囲の請求項1は,本件補正後の請求項1へ補正された。
(1)本件補正前
「【請求項1】
少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバと,搬送ロボットとを備える基板処理システムであって,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのそれぞれが,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバから分離し,かつ前記別の搬送チャンバとは別個であり,
垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含み,
前記垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの少なくとも1つは,線形搬送チャンバを形成するために別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバが,前記線形搬送チャンバから分離し,かつ前記線形搬送チャンバとは別個の別の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記線形搬送チャンバおよび前記別の線形搬送チャンバが,前記開口部の垂直方向の積み重ねにおいて分離し,別個であり,それによって,前記線形搬送チャンバのそれぞれの開口部が,それぞれ独立して,前記線形搬送チャンバを,前記別の線形搬送チャンバから独立して,前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結し,
前記線形搬送チャンバ,前記別の線形搬送チャンバ,およびそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの高さにより画定され,
前記搬送ロボットが,前記搬送チャンバモジュールのそれぞれに配置され,前記搬送ロボットの連結部が,前記線形搬送チャンバのそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される基板処理システム。」
(2)本件補正後(当審で補正個所に下線を付した。下記(3)において同じ。)
「【請求項1】
少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバと,搬送ロボットとを備える基板処理システムであって,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのそれぞれが,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバから分離し,かつ前記別の搬送チャンバとは別個であり,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部に,垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の側部の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含み,
前記垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの少なくとも1つは,可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバが,前記可変長の線形搬送チャンバから分離し,かつ前記可変長の線形搬送チャンバとは別個の別の可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記可変長の線形搬送チャンバおよび前記別の可変長の線形搬送チャンバが,前記開口部の垂直方向の側部の積み重ねにおいて分離し,別個であり,それによって,前記可変長の線形搬送チャンバのそれぞれの開口部が,それぞれ独立して,前記可変長の線形搬送チャンバを,前記別の可変長の線形搬送チャンバから独立して,前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結し,
前記可変長の線形搬送チャンバ,前記別の可変長の線形搬送チャンバ,および前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部におけるそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの積み重ね高さにより画定され,
前記搬送ロボットが,前記搬送チャンバモジュールのそれぞれに配置され,前記搬送ロボットの連結部が,前記線形搬送チャンバのそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される基板処理システム。」
(3)補正事項
本件補正は,本件補正前の請求項1に記載されていた「開口部」について「前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部に」ないし「側部の」との限定を付加し,同「線形搬送チャンバ」について「可変長の」との限定を付加し,同「処理モジュールの高さ」について「積み重ね」との限定を付加する補正(以下,「本件補正事項」という。)を含むものである。
2 補正の適否
特許法184条の12第2項に規定された翻訳文等(以下,「翻訳文等」という。)の段落0259ないし0264及び同図109ないし112の記載からみて,本件補正事項は,翻訳文等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,同項の規定により読み替えて適用する特許法17条の2第3項の規定に適合する。
また,本件補正事項は,特許請求の範囲の減縮を目的とするから,特許法17条の2第4項の規定に適合し,同条5項2号に掲げるものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法17条の2第6項で準用する同法126条第7項)につき,更に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は,本件補正後の請求項1に記載された,次のとおりのものと認める。(再掲)
「少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバと,搬送ロボットとを備える基板処理システムであって,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのそれぞれが,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバから分離し,かつ前記別の搬送チャンバとは別個であり,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部に,垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の側部の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含み,
前記垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの少なくとも1つは,可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバが,前記可変長の線形搬送チャンバから分離し,かつ前記可変長の線形搬送チャンバとは別個の別の可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記可変長の線形搬送チャンバおよび前記別の可変長の線形搬送チャンバが,前記開口部の垂直方向の側部の積み重ねにおいて分離し,別個であり,それによって,前記可変長の線形搬送チャンバのそれぞれの開口部が,それぞれ独立して,前記可変長の線形搬送チャンバを,前記別の可変長の線形搬送チャンバから独立して,前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結し,
前記可変長の線形搬送チャンバ,前記別の可変長の線形搬送チャンバ,および前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部におけるそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの積み重ね高さにより画定され,
前記搬送ロボットが,前記搬送チャンバモジュールのそれぞれに配置され,前記搬送ロボットの連結部が,前記線形搬送チャンバのそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される基板処理システム。」
(2)引用文献及び引用発明
ア 引用文献1について
(ア)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された,特表2007-511104号公報(以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに,次の記載がある。(下線は当審で付加した。以下同じ。)
a「【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造分野に関し,より詳細には真空処理システム内での材料移送に対して利用される機械装置に関する。」
b「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
線形ツールの問題を回避しながら,クラスターツール固有の制限を克服することができる半導体製造装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では,非常に小さな設置面積において,ウェハ又は他の基板を移動することができる材料を移送する方法及びシステムを提供し,特に真空処理システムのような処理システムを提供する。本方法及びシステムは半導体製造に対して利用可能であるが,本明細書で開示する方法及びシステムを,真空下において材料を処理することが有利である任意の工程又は業界において利用することが可能であることは理解されなければならない。文脈で指示される場合を除いて,製造装置,処理システム,ロボット処理システム,真空処理システム,半導体処理システム,半導体製造装置,ウェハ処理システム,製造システムなどの用語を,半導体ウェハ又は他の品物のような品物を処理し,製造するための全ての形式のシステム,工程,装置を含むことを意図して本明細書では使用する。」
c「【0083】
本明細書で使用するように,「スロット弁」は,ロボットアームが通過可能(真空チャンバのポンプによる排気を制御する真空(遮断)弁とは対照的に)であるように開閉する長方形の弁を含む。例えば半導体製造装置材料協会のE21.1-1296標準(半導体製造に関する公開標準),特定の半導体製造工程モジュールでは,300 mmのウェハに対するスロット弁は,開口の幅が336mm,開口の高さが50 mmであり,弁の全厚みが60 mmであり,また標準は,取り付けボルト及び位置合わせピンを指定している。
【0084】
本明細書で使用するように,「移送平面」は,材料が,ロボットチャンバから加工モジュールチャンバへスロット弁を介して通過する平面(高さ)を含む。半導体製造装置に関する半導体製造装置材料協会のE21.1-1296標準によって,移送平面は,スロット弁の中心線の上方14mmである。」
d「【0099】
図4は,製造工程において,品物を処理する線形加工構成4000の高レベルのコンポーネントを示す。この構成は,直線的に配列されている2つ又はそれ以上の静止ロボット4002を利用する。ロボット4002は,システムの底部に取り付け,又はチャンバの蓋部から下方につり下げ,あるいは同時に底部に取り付け,つり下げることができる。線形システムは,ロボットの周囲で真空チャンバ4012を利用する。システムは,それぞれが直線的に配列されているそれぞれのロボットを含む真空チャンバ4012を備えている複数の接続された真空チャンバ4012からなる。実施形態では,単一の制御器を,構成の1つ又はそれ以上の部分を処理するように調整することができる。実施形態では,真空チャンバ4012の部分が伸張可能であり,すなわち製造業者は,付加的な部分/チャンバ4012を容易に加えることができ,したがってクラスター構成よりも一層容易に工程能力を加えることができる。各部分は独立したロボット駆動部4004及びアーム4002を利用するため,付加的な部分したがってロボットが付加された場合,依然として高い処理能力が維持される。それに反して,クラスターツールでは,製造業者が工程チャンバ2002を付加すると,システムは単一のロボットに対する負荷を増大させ,ロボットが双腕を備えている場合でさえも,結局,ロボットの速度が律速因子となる。実施形態では,システムは,単一の駆動部に付加的なロボットアームを加えることによって,この問題を解決する。他の製造業者は,デュアルスカラ又は双対フロッグレッグのような2つの完全に独立したアームを備えている四軸ロボットを利用している。本明細書で開示する線形システムは,各部分4012がロボットを含んでいるので,各部分4012がクラスターツールよりも材料をより多く移送することができ,ロボットの能力による制限を受けない。
(中略)
【0102】
本明細書で開示する方法及びシステムは,ロボット駆動部の間に最適なバッファステーション4010を利用することが可能である。ロボットは互いに対して直接渡すことができるが,これは技術的に最適化することがより困難であり,また2つのロボットを占有し,それらの双方が同時に渡すことを可能としなくてはならないため,ロボットの準備ができると,他のロボットが取り上げることが可能な,ロボットの間のダミー位置4010に配置される場合よりも一層制限される。またバッファ4010は,システムが両方のロボットを利用可能とするために待機する必要がないため,より高い処理能力を可能とする。さらにまたバッファ4010は,加熱,冷却,位置合わせ,検査,計測,試験,清浄のようなウェハにいくつかの細かな工程を実施するのに好機をもたらす。
【0103】
実施形態では,本明細書に開示する方法及びシステムは,ロボット領域/部分4012の間に随意的な真空遮断弁4006を利用する。各部分4012は,他の部分4012から完全に分離可能である。ロボットが,その部分4012内で極清浄であり敏感な材料(例えばウェハ)を処理する場合に,さらにシステムの残りの部分からその部分4012を分離することによって,清浄な部分4012に対する汚染された部分4012からの二次汚染を防ぐことができる。また製造業者は,さらに,異なる圧力で,部分4012を動作させることができる。製造業者は,真空度を段階的にすることができ,機械装置内の真空がさらに上がる。部分4012間に真空遮断弁4006を利用することの大きな利点は,極微に清浄なウェハ(清浄ステップの後に生成され,工程モジュールの間で,周囲環境からの汚染のない移送を必要とする)を処理することが,システムの他の一部において材料又はウェハからの気体放出なしに,分離されているチャンバ部分4012に入ることを可能とすることにある。
【0104】
実施形態において,ロボット間の真空の遮断は,バッファモジュール4010,ミニ工程モジュール,検査モジュール4010を利用することのように,ロボット間の材料バッファリングとして可能である。
【0105】
図5は,図4と同様の線形構成を備えているような線形加工システム4000の平面図である。」
e「【0141】
他の利点が本明細書で開示する方法及びシステムによってもたらされる。デュアルアーム(上部に取り付けられ,底部に取り付けられている)を協調的な仕方で動作させ,非常に素早く材料の交換を行うことができる。正確なアーム設計(3リンク,4リンク,その他)に関わらず,底部のアームに機械的に接続されていない蓋部にアームを取り付けることは有利である。本明細書で提供する4リンクスカラアームのリンク長は,スロット弁とチャンバ半径の機構的な制限によって画定される従来のアームと異なり,非常に有利である。また本明細書で開示する4リンクスカラアームは,Zモータに加えて3つのモータではなく,Zモータとともにリンクに対する2つのモータを利用することができるという利点を有する。」
f「【0159】
図40は,真空の環境内に材料を入れるための積層真空ロードロック4008,40004を示す。真空システム内にウェハ31008を持ち込む際の1つの制限要素は,ロードロックが高真空にまで真空引きされるその速度にある。ロードロックのポンプによる排気が速すぎるならば,ロードロックのチャンバ内で空気の凝縮が発生し,ウェハ31008の表面上に核発生が結果生じ,それによって粒子が結果生じて,装置の性能を不良とし,低下させることとなる。クラスターツールは,それぞれが交互に真空引きされる並んだ2つのロードロックを使用する。各ロードロックのポンプによる排気速度は,したがってより遅く,結果としてシステムの性能を改善する。垂直に積層されている2つのロードロック408,40004の場合には,装置の設置面積は非常に小さく食い止められるが,より遅いポンプによる排気速度の利点を維持することができる。実施形態では,ロードロック40004を随意的に加えることができる。実施形態では,ロボットアーム4004,40006のそれぞれが2つのロードロック408,40004のどちらか一方に接近することができる。実施形態では,残る引き渡しモジュール7008を単一平面の引き渡しモジュールとすることができる。
【0160】
図40Bは,他のロードロック配列を示す。この図では,ウェハ31008は,システムのどちらかの側の2つの平面において,入り又は出ることが可能であるが,システムの残る部分は共有平面にしたがう。
【0161】
図41は,積層ロードロック4008,40004の先の原理が,2つの工程モジュール41006,41008を積層させることによって工程を通して如何に実施可能であるかを詳細に示す。このようなモジュールは半導体製造装置材料協会標準に適合しないが,このような構成は,装置の設置面積及び処理能力において相当な利益をもたらす。
【0162】
図42は,2つの処理平面4008,40004,4010,42004を備えているシステムを示し,ウェハは上部リンク40006又は底部リンク4004のどちらかを利用して,モジュール間を独立して移送される。随意的に,各処理平面は2つのロードロックを有し,上記した低下した真空引き速度の利点をもたらす。したがって4つの入力ロードロック,2つの処理平面,随意的に4つの出力ロードロックを備えているシステムがまた,付加的なロードロック及び処理平面を備えているシステムであるように,本明細書でもたらされる説明によって予期される。
【0163】
図43は,図42のシステムの平面図を示す。」
g 図42は次のとおりである。(90度右回転して記載した。下記hも同じ。)


h 図43は次のとおりである。


(イ)引用発明
図42には,ロボットアーム4004,40006を含む真空チャンバ(図中指示番号4004,40006で指示される太線の四角で表されたもの。前記(ア)d【0099】参照。)が2つ記載されており,左側の真空チャンバを「第1の真空チャンバ」とし,右側の真空チャンバを「第2の真空チャンバ」とし,また同図中指示番号4010で指示される太線の四角で表されたものは「バッファステーション」であり(前記(ア)d【0102】)これが指示番号42004で指示される太線の四角で表されたものと積層されていると認められ,さらに同図中長方形の中に×印で表されたものは,「スロット弁」である(前記(ア)c【0083】参照。)と認められる。
また,図43から,「第1の真空チャンバ」には,その左右の側面に,それぞれ「スロット弁」を介して積層工程モジュール43002が接続されており,図42を参酌すれば,前記「第1の真空チャンバ」の側面への積層工程モジュール43002の接続は,上下2つの「スロット弁」を介した積層工程モジュール41006,41008との接続であると認められる。
すると,前記(ア)より,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「積層ロードロック4008,40004と,積層ロードロック4008,40004に接続された第1の真空チャンバと,第1の真空チャンバに積層バッファステーション4010,42004を介して接続された第2の真空チャンバとを備える,システムであって,第1の真空チャンバ及び第2の真空チャンバは,それぞれ2つのロボットアーム4004,40006を含み,第1の真空チャンバは,その側面に上下2つのスロット弁を介して積層工程モジュール41006,41008と接続され,システムは2つの処理平面4008,40004,4010,42004を備え,ウェハは上部リンク40006又は底部リンク4004のどちらかを利用して,モジュール間を独立して移送されるもの。」
イ 引用文献2について
(ア)引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された,特開2003-060009号公報(以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板処理装置および基板処理方法に関し,特に半導体ウェーハ処理装置に関し,そのなかでも特に,プラズマエッチング装置,プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )装置,プラズマアッシング装置等,プラズマを利用して半導体ウェーハを処理する半導体ウェーハ処理装置および半導体ウェーハ処理方法に関する。」
「【0064】半導体ウェーハ処理装置1は,カセットローダユニット100と,2つの連結モジュール300とを備えている。
【0065】カセットローダユニット100は,カセットローダ室10を備え,カセットローダ室10の室壁12に,2つの連結モジュール300がそれぞれ取り外し可能に取り付けられている。また,2つの連結モジュール300は,互いに離間して鉛直方向に積み重ねられている。
【0066】このように,複数の連結モジュール300を鉛直方向に積み重ねて設けているから,連結モジュール300を複数使用してウェーハ5の処理効率を高くしても,半導体ウェーハ処理装置1によるクリーンルームの占有面積を増加させることがない。
【0067】また,半導体ウェーハ処理装置1のメンテナンス領域は,カセットローダユニット100側のメンテナンス領域112と反応処理室56側のメンテナンス領域114のみであるので,連結モジュール300を複数使用してウェーハ5の処理効率を高くしても,半導体ウェーハ処理装置1のメンテナンス領域を増加させることがない。
【0068】さらに,このように鉛直方向に積み重ねられた複数の連結モジュール300が,互いに離間して,それぞれが取り外し可能にカセットローダ室10の室壁12に取り付けられているから,いずれかの連結モジュール300にメンテナンスが必要となった場合に,メンテナンスが必要な連結モジュール300のみを容易に取り外すことができ,その連結モジュール300のメンテナンスを行っている際にも他の連結モジュール300を稼働させることができ,その結果,半導体ウェーハ処理装置1の稼働効率が大幅に向上する。また,このように鉛直方向に積み重ねられた複数の連結モジュール300が,互いに離間して,それぞれが取り外し可能にカセットローダ室10の室壁12に取り付けられているから,いずれかの連結モジュール300にメンテナンスが必要となった場合に,メンテナンスが必要な連結モジュール300のみを取り外し,その連結モジュール300のメンテナンスを行い,メンテナンスが終了すると,その連結モジュール300内において反応処理室56内のサセプタ90とウェーハ搬送ロボット80とウェーハボート70との間でウェーハ5の搬送が可能なように,ウェーハ搬送ロボット80と反応処理室56内のサセプタ90との間やウェーハ搬送ロボット80とウェーハボート70との間における平行度や高さ方向の調整等を予め行っておき,調整後に,連結モジュール300をカセットローダ室10の室壁12に再び取り付けることができる。このように,連結モジュール300内で反応処理室56内のサセプタ90とウェーハ搬送ロボット80とウェーハボート70との間でのウェーハ5の搬送に関する調整を予め行っておくことができるので,その調整作業が容易かつ正確に行える。そして,その後,メンテナンスを行った連結モジュール300をカセットローダ室10の室壁12に取り付けた場合には,もはや,その連結モジュール300内における反応処理室56内のサセプタ90とウェーハ搬送ロボット80とウェーハボート70との間のウェーハ5の搬送に関する調整を行う必要がなくなるから,半導体ウェーハ処理装置1の稼働効率を大幅に向上させることができる。なお,連結モジュール300のメンテナンスとしては,例えば,反応処理室56を取り外して反応処理室56の洗浄を行いその後反応処理室56を再び取り付けたり,ウェーハ搬送ロボット80が故障等した際にウェーハ搬送ロボット80を修理または取り替えたりすることが行われるが,このようなメンテナンスを行った後には,ウェーハ搬送ロボット80と反応処理室56内のサセプタ90との間やウェーハ搬送ロボット80とウェーハボート70との間における平行度や高さ方向の調整等が必要となる。本実施の形態においては,上述のように,予め連結モジュール300単位でこれらの間の調整を行っておくことができるので,その調整作業が容易かつ正確に行え,また,半導体ウェーハ処理装置1の稼働効率を大幅に向上させることができる。」
「【0075】搬送室54には,ウェーハ搬送ロボット80と,ウェーハ搬送ロボット80を駆動する駆動部55とが設けられている。このウェーハ搬送ロボット80はウェーハ5をウェーハボート70とサセプタ90との間で搬送可能である。
【0076】このように,各連結モジュール300の搬送室54にウェーハ5をウェーハボート70とサセプタ90との間で搬送可能なウェーハ搬送ロボット80が設けられているので,他の連結モジュール300の反応処理室56における処理状態とは無関係に反応処理室56にウェーハ5を搬入でき反応処理室56からウェーハ5を搬出できる。このように,各連結モジュール300に反応処理室56とウェーハ搬送ロボット80とがそれぞれ設けられているから,他の反応処理室56での処理状態とは無関係にウェーハ5を搬出でき,その結果,各連結モジュール300においてウェーハが加熱される時間をそれぞれ一定に保つことができる。」
(イ)公知技術2
前記(ア)より,引用文献2には次の技術的事項(以下,「公知技術2」という。)が記載されていると認められる。
「各連結モジュールの搬送室にウェーハを搬送可能なウェーハ搬送ロボットが設けられており,鉛直方向に積み重ねられた複数の連結モジュールが,互いに離間している,半導体処理装置であって,メンテナンスが必要な連結モジュールのみを容易に取り外すことができ,メンテナンスを行っている際にも他の連結モジュールを稼働させることができ,その結果半導体ウェーハ処理装置の稼働効率が大幅に向上すること。」
(3)本願補正発明と引用発明との対比
ア 引用発明において,「2つの処理平面4008,40004,4010,42004」と「上部リンク40006又は底部リンク4004のどちらか」のうち,「処理平面4008,4010」及び「底部リンク4004」を「利用して」「ウェハ」が「独立して移送される」移送路を読み取ることができ(前記(2)ア(ア)c【0084】及びg参照。),同様に,「処理平面40004,42004」及び「上部リンク40006」を利用した移送路を読み取ることができ,これら2つの移送路と本願補正発明の「2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバ」とは,「2つの垂直方向に積み重ねられた」移送路という点で共通する。
イ 引用発明の「2つのロボットアーム4004,40006」は,本願補正発明の「搬送ロボット」に相当する。
ウ 引用発明の「システム」は,「ウェハ」が「モジュール間を独立して移送されるもの」であるから,本願補正発明の「基板処理システム」に相当する。
エ 引用発明において「第1の真空チャンバは,その側面に上下2つのスロット弁を介して積層工程モジュール41006,41008と接続され」るから,「第1の真空チャンバ」は「2つのロボットアーム4004,40006を含」むことを考慮し,さらに「スロット弁」が開口を含むこと(前記(2)ア(ア)c【0083】)を考慮すると,引用発明の「移送路」は「前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路の側部に,垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の側部の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含」むものである。
オ 前記アのとおり,引用発明における「2つの垂直方向に積み重ねられた」移送路は,それぞれ2つの処理平面を含み,また「スロット弁」とも「移送平面」を形成する(前記(2)ア(ア)c【0084】)から,「基板移送面を形成」するものであり,そして,「上下2つのスロット弁を介して積層工程モジュール41006,41008と接続され」るということは,積層工程モジュールすなわち積層された加工モジュールチャンバへ移送平面の高さを合わせる(同【0084】)ということであるから,「前記移送路,前記別の移送路,および前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路の側部におけるそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの積み重ね高さにより画定され」るということである。
カ 引用発明において,ロボットアームは「システムの底部に取り付け,又はチャンバの蓋部から下方につり下げ」られている(前記(2)ア(ア)d【0099】及び同g)から,「前記搬送ロボットの連結部が,前記移送路のそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される」ものである。
キ よって,本願補正発明と引用発明とは,下記クの点で一致し,下記ケの点で相違する。
ク 一致点
「少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路と,搬送ロボットとを備える基板処理システムであって,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路のそれぞれが,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路の側部に,垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の側部の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含み,
前記移送路,前記別の移送路,および前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた移送路の側部におけるそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの積み重ね高さにより画定され,
前記搬送ロボットの連結部が,前記移送路のそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される基板処理システム。」
ケ 相違点
(ア)相違点1
本願補正発明の「移送路」は「搬送チャンバ」であり,「前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバから分離し,かつ前記別の搬送チャンバとは別個であり,」「前記開口部の垂直方向の側部の積み重ねにおいて分離し,別個であり,それによって,」搬送チャンバのそれぞれの開口部が,それぞれ独立して,搬送チャンバを,前記別の搬送チャンバから独立して,前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するもので「前記搬送ロボットが,前記搬送チャンバモジュールのそれぞれに配置され」るのに対し,引用発明の「移送路」は「上部リンク40006又は底部リンク4004のどちらかを利用して」移送されるものであり,2つの移送路が分離しておらず,別個のものでもない点。
(イ)相違点2
本願補正発明においては「前記垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの少なくとも1つは,可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,」「前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバが,前記可変長の線形搬送チャンバから分離し,かつ前記可変長の線形搬送チャンバとは別個の別の可変長の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,」「前記可変長の線形搬送チャンバおよび前記別の可変長の線形搬送チャンバ」であるのに対し,引用発明では移送路が「可変長」であることが明示されない点。
(4)判断
ア 相違点1について
公知技術2では,半導体処理装置において,メンテナンスを行っても稼働効率が大幅に向上するように,鉛直方向に積み重ねられた複数の連結モジュールが互いに離間している半導体処理装置が開示されている。そして,引用発明においても,ウェハの汚染を防ぐために定期的な清掃等のメンテナンスが必要であることは当業者の周知の課題であり,その際に稼働効率の向上を目指すべきことは当然のことであるから,当業者にとって,引用発明に公知技術2を採用する動機づけがあるといえる。
一方,引用文献1には「デュアルアームを協調的な仕方で動作させ,非常に素早く材料の交換を行うことができる」ことが記載されている(前記(2)ア(ア)e)。しかし,引用発明においては「ウェハはモジュール間を独立して移送されるもの」であるから,ウェハの移送のタイミングが独立しており,すると「上部リンク又は底部リンク」からなるデュアルアームをタイミングを合わせて「協調的な仕方で動作させる」こととは整合しないから,この部分の記載は引用発明に当てはまるものでないことは当業者に明らかである。してみると,引用発明はもともと「2つのロボットアーム」を「協調的な仕方で動作させ」その結果として「非常に素早く材料の交換を行う」ものではないから,引用発明と公知技術2を組み合わせたものが「非常に素早く材料の交換を行う」ものでなくても,それは引用文献1全体の記載からみて許容されていることであり,引用発明に公知技術2を採用することに,阻害要因は認められない。
以上のとおりであるから,引用発明に公知技術2を採用して,相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易になし得ることである。
イ 相違点2について
引用文献1には「線形システムは,直線的に配列されているそれぞれのロボットを含む真空チャンバを備えている複数の接続された真空チャンバからなり,真空チャンバの部分が伸張可能であり」「付加的な部分/チャンバを容易に加えることができ」ることが記載されており(前記(2)ア(ア)d【0099】),「真空チャンバの部分が伸張可能」であることを前提として引用発明が記載されていると読むことができ,このことを否定すべき記載は引用文献1にない。
してみると,前記前提の下で引用発明を解釈することにより,相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易になし得ることである。
(5)まとめ
よって,本願補正発明は,引用文献1及び2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
したがって,本件補正は,特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので,同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明の特許性の有無について
1 本願発明
審判請求と同時にされた手続補正は前記第2のとおり却下された。
そして,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成30年1月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された,次のとおりのものと認める。
「少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバと,搬送ロボットとを備える基板処理システムであって,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのそれぞれが,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバから分離し,かつ前記別の搬送チャンバとは別個であり,
垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結するように構成された開口部の垂直方向の積み重ねを形成するように配置された複数の開口部を含み,
前記垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの少なくとも1つは,線形搬送チャンバを形成するために別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバのうち別の搬送チャンバが,前記線形搬送チャンバから分離し,かつ前記線形搬送チャンバとは別個の別の線形搬送チャンバを形成するために,別の搬送チャンバモジュールに連結するように配置された少なくとも1つの搬送チャンバモジュールを含み,
前記線形搬送チャンバおよび前記別の線形搬送チャンバが,前記開口部の垂直方向の積み重ねにおいて分離し,別個であり,それによって,前記線形搬送チャンバのそれぞれの開口部が,それぞれ独立して,前記線形搬送チャンバを,前記別の線形搬送チャンバから独立して,前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールに連結し,
前記線形搬送チャンバ,前記別の線形搬送チャンバ,およびそれぞれの開口部が,それぞれの基板移送面を形成し,前記それぞれの基板移送面の高さが,互いに隣接して積み重ねられる前記垂直方向に積み重ねられた処理モジュールにおけるそれぞれの処理モジュールの高さにより画定され,
前記搬送ロボットが,前記搬送チャンバモジュールのそれぞれに配置され,前記搬送ロボットの連結部が,前記線形搬送チャンバのそれぞれによって形成される線形経路に沿って位置的に固定される基板処理システム。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は次のとおりである。
本願発明は,本願優先日前に日本国内において頒布された引用文献1及び2に記載された発明に基いて,本願優先日前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
3 引用文献
引用文献1及び2の記載及び引用発明は,前記第2の2(2)のとおりである。
4 判断
本願発明は,本願補正発明から「前記少なくとも2つの垂直方向に積み重ねられた搬送チャンバの側部に」,「側部の」,「可変長の」及び「積み重ね」という発明特定事項を取り除いたものである。(前記第2の1(3)参照。)
そうすると,本願発明にさらに前記発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が,前記第2の2(1)ないし(4)のとおり,引用文献1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も同様に,引用文献1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 まとめ
以上のとおり,本願発明は,引用文献1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

第4 結言
したがって,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができないから,その余の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-02-06 
結審通知日 2019-02-12 
審決日 2019-02-25 
出願番号 特願2014-537746(P2014-537746)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中田 剛史  
特許庁審判長 加藤 浩一
特許庁審判官 深沢 正志
梶尾 誠哉
発明の名称 半導体ウェハのハンドリングおよび搬送  
代理人 特許業務法人朝日奈特許事務所  

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