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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A61H
管理番号 1353940
審判番号 無効2018-800035  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2018-03-23 
確定日 2019-08-15 
事件の表示 上記当事者間の特許第6121026号発明「美容器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6121026号(以下、「本件特許」という。)は、平成26年3月27日に出願した特願2014-65029号の一部を平成28年4月26日に新たな特許出願とした特願2016-88002号に係り、平成29年4月7日にその特許権の設定登録がされ、その後、本件特許無効審判が請求されたものである。
審判請求後の手続の経緯は、以下のとおりである。

平成30年 3月23日 審判請求書の提出
同年 6月12日 審判事件答弁書の提出
同年 8月 9日 上申書の提出(請求人)
同年 8月10日 口頭審理陳述要領書の提出(請求人)
同年 8月10日 口頭審理陳述要領書の提出(被請求人)
同年 8月27日 第1回口頭審理

第2 本件特許発明
本件特許の請求項1?4に係る発明(以下、「本件特許発明1」?「本件特許発明4」という。また、これらをまとめて「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1?4に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】
棒状のハンドル本体と、該ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部と、上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバーとからなるハンドルと、
上記ハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成された一対の分枝部と、
該一対の分枝部のそれぞれに形成されているとともに、上記凹部に連通する軸孔と、
該軸孔に挿通された一対のローラシャフトと、
該一対のローラシャフトに取り付けられた一対のローラと、
を備え、
上記ハンドル本体の表面及び上記ハンドルカバーの表面が、上記ハンドルの表面を構成している、美容器。
【請求項2】
上記凹部には、上記軸孔に挿通された上記ローラシャフトを支持するシャフト支持台が設けられている、請求項1に記載の美容器。
【請求項3】
上記凹部には電源部が収納されており、該電源部は上記ローラシャフトを介して、上記ローラに電気的に接続されており、該ローラと肌との間に微弱電流が流れるように構成され、上記凹部の底には上記ハンドル本体を貫通して上記電源部としての太陽電池パネルに外光を到達させる窓部が形成されている、請求項1又は2に記載の美容器。
【請求項4】
上記一対のローラの並び方向から見たときに、上記一対のローラシャフトは上記ハンドル本体に対して傾斜しており、上記凹部は上記一対のローラシャフトが傾斜する側に開口するように形成されている、請求項1?3のいずれか一項に記載の美容器。」

第3 請求人の主張の概要
請求人は、本件特許発明1?4についての特許を無効とする、との審決を求めており、証拠方法として甲第1号証?甲第21号証を提出し、次の無効理由を主張している。

1 無効理由1
本件特許発明1?4は、以下の理由で特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(1)本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件特許発明2?4は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

2 無効理由2
本件特許発明1?4は、以下の理由で特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(1)本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件特許発明2?4は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3 無効理由3
本件特許発明1?4は、以下の理由で特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(1)本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第11?14号証に例示される周知技術、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)本件特許発明2?4は、甲第1号証に記載された発明、甲第11?14号証に例示される周知技術、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

[証拠方法]
甲第1号証 :国際公開第2011/004627号の写し(以下、「
写し」である旨の表記は省略する。)
甲第2号証 :登録実用新案第3169597号公報
甲第3号証 :登録実用新案第3051580号公報
甲第4号証 :意匠登録第1374522号公報
甲第5号証の1 :韓国意匠登録第30-0408623号公報
甲第5号証の2 :韓国意匠登録第30-0408623号公報の翻訳文
甲第6号証 :実願平1-82324号(実開平3-21333号)の
マイクロフィルム
甲第7号証 :登録実用新案第3159255号公報
甲第8号証 :登録実用新案第3164829号公報
甲第9号証 :特開2009-142509号公報
甲第10号証 :Webページ「シングルマザーブログ(今日のタローズ
家)」の2014年2月3日付け記事(http://blog.ma
ma.mods.jp/?day20140203)
甲第11号証 :特開2005-46190号公報
甲第12号証 :特開2011-11040号公報
甲第13号証 :意匠登録第1484426号公報
甲第14号証 :特開平9-351号公報
甲第15号証 :特開2012-85809号公報
甲第16号証 :特開2013-103085号公報
甲第17号証 :特開2013-158608号公報
甲第18号証の1:中国実用新案第201586180号明細書
甲第18号証の2:中国実用新案第201586180号明細書の翻訳文
甲第19号証 :特開2012-85808号公報
甲第20号証 :陳述書(株式会社ファイブスター代表取締役 浅野剛) (原本)
甲第21号証 :意匠登録第1500116号公報

甲第1号証?甲第21号証は、審判請求書に添付されたものである。
また、甲第1号証?甲第21号証の成立につき当事者間に争いはない。(第1回口頭審理調書「被請求人」欄の2)

第4 被請求人の主張の概要
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求めており、証拠方法として乙第1号証?乙第5号証を提出し、請求人の主張する無効理由にはいずれも理由がない旨主張している。

[証拠方法]
乙第1号証:実公昭50-29338号公報
乙第2号証:実公昭55-11707号公報
乙第3号証:東京地方裁判所平成29年(ワ)第32839号の原告(被請
求人)準備書面(5)
乙第4号証:東京地方裁判所平成29年(ワ)第32839号の被告(請求
人)準備書面(10)
乙第5号証:東京地方裁判所平成29年(ワ)第32839号の原告(被請
求人)準備書面(7)

乙第1号証?乙第2号証は、審判事件答弁書に添付されたものであり、乙第3号証?乙第5号証は、口頭審理陳述要領書に添付されたものである。
また、乙第1号証?乙第5号証の成立につき当事者間に争いはない。(第1回口頭審理調書「請求人」欄の2)

第5 当審の判断
1 本件特許発の技術的意義について
本件特許の明細書には、次の記載がある。
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばハンドルを中心線に沿って上下又は左右に分割して、ハンドルの内部に各部材を収納する構成とした場合には、ハンドルの成形精度や強度が低下したり、各部材がハンドルの内部を密閉する作業に手間がかかって美容器の組み立て作業性が低下したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、組み立て作業性の向上が図られる美容器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様は、棒状のハンドル本体と、該ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部と、上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバーとからなるハンドルと、
上記ハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成された一対の分枝部と、
該一対の分枝部のそれぞれに形成されているとともに、上記凹部に連通する軸孔と、
該軸孔に挿通された一対のローラシャフトと、
該一対のローラシャフトに取り付けられた一対のローラと、
を備え、
上記ハンドル本体の表面及び上記ハンドルカバーの表面が、上記ハンドルの表面を構成している、美容器にある。
【発明の効果】
【0007】
上記美容器において、ハンドル本体は棒状であって、長手方向の一端に一対の分枝部が一体的に形成されている。そして、ハンドル本体には凹部が形成され、該凹部は分枝部に形成された軸孔が連通するとともに、ハンドルカバーによって覆われている。上記美容器は、このような構成を有することにより、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できることから美容器の組み立て作業性が向上する。」

以上の記載によれば、本件特許発明の技術的意義は、特に、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるようにしたことであると認められる。

2 各甲号証の記載事項
(1)甲第1号証
甲第1号証には、図面とともに次の記載がある。
ア 「[0018] 図1?図3に示すように、この実施形態の美容器11は、平面形状が略Y字状をなすハンドル12を備えており、このハンドル12は、使用者の手によって把持される棒状の把持部12bと、この把持部12bの先端に形成された二叉部12aとを有している。ハンドル12は、合成樹脂よりなる電気絶縁の芯材13と、一対の外装カバー14とから構成されている。外装カバー14,15は、合成樹脂材料より形成され、芯材13の外周に被覆されて複数のネジ16により同芯材13に固定されている。外装カバー14,15の外表面には、導電金属メッキが施されている。ここで、外装カバー14,15の外壁は、ハンドル12の導電部を構成している。
[0019] 図1及び図4に示されるように、前記ハンドル12の芯材13において二叉部12aに対応する部分には、一対のローラ支持軸17が設けられている。これらのローラ支持軸17の基端部(図4の右側の端部)は芯材13の中心部に形成された空間に嵌入され、同ローラ支持軸17の先端部(図4の左側の端部)は、二叉部12aから突出している。なお、図4において、ローラ支持軸17は、切断されていない状態で示されている。こうした構造により、これらのローラ支持軸17は、外装カバー14,15と接触しない離間状態で芯材13の先端部に支持されており、ハンドル12の外表面の導電金属メッキとローラ支持軸17とは、電気的に絶縁されている。ローラ支持軸17は金属材料により形成され、その両端部にはネジ部17aが形成されている。
[0020] 図1及び図4に示すように、前記両ローラ支持軸17には、円筒状をなすローラ18がそれぞれ各一対の軸受19を介して回転可能に支持されている。これらの軸受19は、磁性のある金属材料により構成されている。ローラ支持軸17の先端のネジ部17aには、ローラ18がローラ支持軸17から抜けることを防止するための雌ネジ部材20が螺合されている。各ローラ18は、合成樹脂よりなり、その外周面及び内周面に導電金属材料よりなる導電メッキが施されている。ここで、両ローラ18の内外両壁は、同ローラ18の導電部を構成している。」
イ 「[0025] ハンドル12の把持部12bの先端部,即ち把持部12bにおいて二叉部12aに近接する端部には透明板23が設けられ、その内側には太陽電池パネル24が設置されている。この太陽電池パネル24の出力端子がハンドル12及びローラ18の導電部に接続されている。こうした構成により、太陽電池パネル24は、光を受けると、ハンドル12とローラ18との導電部の間に電位差を発生させる。
[0026] 次に、前記のように構成された美容器の作用を説明する。
図1及び図2に示すように、使用者が美容器11を使用する際に、ハンドル12を把持した状態で、両ローラ18を肌Sに押し付けて回転させる。これにより、ローラ18の外周面の接触部18aが肌Sを含む人体の表面組織に適度な刺激を与え、美肌効果等の美容効果が得られる。
[0027] この状態では、ローラ18の導電部とハンドル12の導電部との間に人体を介在させた電路が形成される。また、両ローラ18の回転にともなって、永久磁石22がローラ支持軸17に対して相対的に回転される。これにより、ローラ支持軸17において微量の電荷が発生して、その電荷がローラ18の外壁の導電部に伝えられる。そして、ローラ18の外壁の導電部に伝えられた電荷は、ローラ18から肌Sを含む人体を通じてハンドル12の導電部に流れる。このように形成した微電流により、人体への刺激が増進されてさらに高い美肌効果等の美容効果を得ることができる。
[0028] 一方、太陽電池パネル24は、光を受けた際に発電して、ハンドル12とローラ18との導電部の間に電位差を発生させる。これにより、使用者が美容器11を使用する際に、ハンドル12の導電部、人体及びローラ18の導電部によって形成された電路において電流が発生する。このように太陽電池パネル24によって発生した電流が人体を流れることにより、美容効果を得ることもできる。」

また、上記ア及びイの記載並びに図面の記載から、次のことが認められる。
ウ 図2?3の記載から、一対の外装カバー14,15は、上下に分割されている。
エ 図1,3?4の記載から、ハンドル12を構成する芯材13及び一対の外装カバー14,15は、把持部12bから二叉部12aまで一体的に延在する部材である。
オ 上記イによれば、ハンドル12の内部には、太陽電池パネル24が設置されており、太陽電池パネル24の出力端子はハンドル12及びローラ18の導電部に接続されるのであるから、ハンドル12の内部には、太陽電池パネル24の出力端子をハンドル12及びローラ18の導電部に接続するための配線等の構成も配置されていると認められる。
カ 芯材13の中心部に形成された空間は、一対の二叉部12aのそれぞれに形成されている。

上記ア?カより、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

[甲1発明]
「 芯材13と、芯材13の外周に被覆され上下に分割された一対の外装カバー14,15とから構成され、内部に太陽電池パネル24並びに太陽電池パネル24の出力端子をハンドル12及びローラ18の導電部に接続するための構成が配置されたハンドル12と、
上記ハンドル12の先端に一体的に形成された一対の二叉部12aと、
該一対の二叉部12aのそれぞれに形成されている芯材13の中心部に形成された空間と、
該芯材13の中心部に形成された空間に嵌入された一対のローラ支持軸17と、
該一対のローラ支持軸17に回転可能に支持された一対のローラ18と、
を備え、
上記一対の外装カバー14,15の表面が、上記ハンドル12の表面を構成している、美容器11。」

(2)甲第2号証
甲第2号証には、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0020】
本考案の一実施の形態によるマッサージローラーを図1及び図2に示す。本マッサージローラー1は、長尺状把持部2の先端部に設けられたヘッド部3にステンレス鋼製の第1?6の6本の円筒状ローラー(11,12,13,14,15,16)を備えたものである。ヘッド部3は、把持部2から延在する枠状の本体ケース4に収められたローラーホルダー7の軸受部に各回転軸(11s,12s,13s,14s,15s,16s)の両端が軸支されることによってローラーがヘッド部3の表面側に把持部長軸方向に沿って並列配置され、本体ケース4の背面側が背面カバー部材5によって覆われるものである。
【0021】
なお、本実施形態においては、本体ケース4の表面側には中央位置に2?3mm幅の仕切り部4sが設けられており、ローラーホルダー7の第3のローラーの回転軸13sと第4のローラーの回転軸14sを軸支する軸受部の位置がこの仕切り部4sの幅に対応して離されている。これによって、ヘッド部3の表面側で、先端側の第1?第3のローラー(11,12,13)の軸支領域と後端側の第4?第6のローラー(14,15,16)の軸支領域とが互いに区分けされ、該領域同士が若干離れた配置となっている。
【0022】
一方、背面カバー部材5には、中央部にアクリル等の光透過性部材からなる透明窓部6が設けられており、その内側に太陽電池8が配置されている。従って、太陽電池は、透明窓部を透過した光を受光面で受けると、光起電力効果により光エネルギーを電力に変換して出力することができる。
【0023】
さらにその下方には、太陽電池8に対して絶縁された収納空間を、ローラーを軸支しているローラーホルダー7との間に形成するための絶縁ケースが配置されている。この絶縁ケースは、上下一対の絶縁部材(20,21)からなり、両部材の間に形成された収納室内にセラミックス22と磁石23とが収納されている。このうち下側の絶縁部材21には、セラミックス22と磁石23とが、それぞれ部分的にヘッド表面方向に露呈する開口部を備えた嵌合枠部21fで固定されるものとした。
【0024】
また、ホルダー7と第2のローラー12の回転軸12sと第5のローラー15の回転軸15sとを、導電性のポリアセタール樹脂製とすると共に、太陽電池8と絶縁ケース20の間に太陽電池8の電極に接するマイナス導電ゴム部材9aとプラス導電ゴム部材9bを介在させ、上下絶縁部材(20,21)を貫通して配置された導電コイルバネ10によってマイナス及びプラス導電ゴム部材(9a,9b)とローラーホルダー7とを電気的に接続した。これらの通電機構により、太陽電池8から、第2と第5のローラー(12,15)を介してこれらのローラーに接する皮膚に微弱電流が流れる。」
イ 「【0028】
さらに、本実施形態においては、把持部2の末端にステンレス鋼製の突起17を設け、把持部2の内部に配線した電線18によって、太陽電池8と突起17とを接続した。この突起17を皮膚に押し付ければ、つぼ押しマッサージを行うことができる。このつぼ押しの際にも、電線18を介して太陽電池8から送られる微弱電流を突起17から皮膚に流すことができる。」

また、上記ア及びイの記載並びに図面の記載から、次のことが認められる。
ウ 本体ケース4は、図1の記載から、把持部2からヘッド部3まで延在している。
エ 図1の記載から、本体ケース4内には、ヘッド部3の部分に太陽電池8及びローラー11?16が配置される空間、並びに、把持部2の部分に把持部2のほぼ全長にわたって電線18が配線された空間があり、これらの空間は、本体ケース4の表面から内方に窪んだ凹部であるということができる。また、該凹部は、本体ケース4のほぼ全長にわたって延在するものである。
オ 背面カバー部材5は、図1の記載から、凹部のうちヘッド部3の部分を覆うものである。
カ 下記参考図にて「ハンドルカバー」との名称を付す部材は、図1の記載から、凹部のうち把持部2の部分を覆うものである。
[参考図]
(甲第2号証の図1(a)?(c)に、当審が部材名称「ハンドルカバー」を付したもの)

キ 図1の記載から、本体ケース4の把持部2の部分の表面及びハンドルカバーの表面は、把持部2の表面を構成している。

上記ア?キより、甲第2号証には、次の事項(以下、「甲2事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲2事項]
「 長尺状把持部2及びヘッド部3を備えるマッサージローラー1において、
把持部2からヘッド部3まで延在する本体ケース4に、本体ケース4の表面から内方に窪み、本体ケース4のほぼ全長にわたって延在する凹部を設け、
凹部のうちヘッド部3の部分に、太陽電池8及びローラー11?16を配置し、
凹部のうち把持部2の部分に、把持部2のほぼ全長にわたって電線18を配線し、
透明窓部6が設けられた背面カバー部材5により、凹部のうちヘッド部3の部分を覆い、
ハンドルカバーにより、凹部のうち把持部2の部分を覆い、
本体ケース4の把持部2の部分の表面及びハンドルカバーの表面により、把持部2の表面を構成すること。」

(3)甲第4?10号証
(3-1)甲第4号証
甲第4号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「意匠に係る物品の説明
本物品は、健康や美容のために、足首からふくらはぎ、二の腕等の肌や筋肉をマッサージするための器具である。本物品のローラーを肌上でころがしながらグリップ部を肌に対し立てたり寝かせたりするなど角度を変えると、軸部の高さがローラー高さより大きいために、ローラーが中心へ向かって動き、肌や筋肉をググッとつまみあげるというマッサージ効果を得ることができる(使用状態を示す参考図(1)、(2)参照)。」(第1ページ)

(3-2)甲第5号証の1
甲第5号証の1には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。(翻訳文は、甲第5号証の2のものである。)



(翻訳文)
「意匠の対象となる物品
マッサージ器
意匠の説明
1.材質は合成樹脂材である。
2.本願意匠の上部に形成されている2つの円形体は、透明体で形成されており、内部が見えるようにデザインしたものである。
意匠創作内容の要点
本願マッサージ器は、人体の部位を引っ張り、押して筋肉をほぐすマッサージ器であって、安定感と立体感を強調し、新しい美感を生じさせるようにしたことを創作内容の要点とする。」

(3-3)甲第6号証
甲第6号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「この考案の一実施例を図面にもとづいて説明すると、柄(1)の一端に、V字状に分岐する支持軸(2)を有するローラー支持具(3)を設け、該ローラー支持具(3)でローラー(4)を軸支したことを特徴とする美顔ローラーである。」(明細書第2ページ第18行?第3ページ第2行)

(3-4)甲第7号証
甲第7号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0019】
以下、本考案の実施例について、具体的に説明する。本考案に係るマグネット美容ローラ1は、図1に示すように、柄本体部2と、ローラ部5とによって構成される。
【0020】
前記柄本体部2は、本実施例では亜鉛合金によって成形され、図2及び図3に示されるように、使用者によって保持される把持部3と、この把持部3から一方の側に角度αで、例えば手前側に傾斜すると共に、角度βで両側に広がるように延出するローラ保持部4とによって構成され、さらにローラ保持部4は、前記把持部3から分かれて延出する大径部4aと、その先端に一体に形成された小径部4bとによって構成される。この小径部4bには、下記するベアリング8が固着される。また、前記把持部3は、一端側の前記ローラ保持部4の分岐部分から他端側に向けて漸次大きくなるように形成され、持ちやすさを向上させるものである。さらに、把持部3の断面は、この実施例では長円形状に形成されるものであるが、円形であっても良いものである。
・・・
【0023】
また、前記ローラ部5のローラ本体部50には、軸方向に形成された小径孔53と大径孔54とが連設され、小径孔53には前記ローラ保持部4の小径部4bが挿通され、大径孔54には前記小径部4bに固着されたベアリング8が挿入され、前記大径孔54の内周面に固定される。これによって、前記ローラ部5は、前記ローラ保持部4に対して回転自在に保持されるものである。」

(3-5)甲第8号証
甲第8号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0023】
図1?図5において、美顔用ローラマッサージ器具Aは、主として頬、顎、喉、頸部などを含む顔の皮膚をマッサージするためのもので、3方向に分岐した形状の杆体1に、平滑な外周面を有する2個のローラ2,3を回転自在に取り付けてなり、杆体1は、細長い有底筒体からなる把持柄4と、この把持柄4の先端開口部に後述する連結構造によって分離可能に連結された略Y字形の頭部5とを備える。
【0024】
把持柄4の先端開口部に雌ねじ4aが形成され、略Y字形の頭部5は、左右一対の分岐軸部6,7(図3参照)を先端部で収束した基部8を備え、一方の分岐軸部6に一方のローラ2が回転自在に取り付けられ、他方の分岐軸部7に他方のローラ3が回転自在に取り付けられる。そして、基部8の後端径小部8aの外周に形成した雄ねじ8bを、スペースリング9を挟んで把持柄4の雌ねじ4aに螺着する連結構造(図5参照)によって、把持柄4と略Y字形の頭部5とが分離可能に連結される。また、左右一対の分岐軸部6,7の開き角度θ(図3参照)は120?145度に設定され、分岐軸部6,7のそれぞれに各分岐軸部6,7と略同一長さのローラ2,3が回転自在に取り付けられており、各ローラ2,3は、ホルミシスイオンを放射する希土類元素を練り込んで成形された柔軟性を有するシリコン樹脂で形成されている。」

(3-6)甲第9号証
甲第9号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0011】
図1及び図2に示すように、本実施形態の美肌ローラは、柄10と、柄10の一端に一対のローラ20と、を備える。また、太陽電池30を備えていてもよい。
【0012】
図3は本実施形態の美肌ローラのローラ部分の拡大図である。図3に示すように、ローラ20の回転軸φ1、φ2が、柄10の長軸方向の中心線Xとそれぞれ鋭角θ1、θ2に設けられ、一対のローラ20の回転軸φ1、φ2のなす角が鈍角θ0に設けられる。
・・・
【0020】
軽く押さえつけながらローラ20を回転させれば、適度な圧でリンパに働きかけ、顔および全身のリフトアップマッサージができる。引けばつまみ上げ、押せば押し広げるという2パターンの作用により、こり固まったセルライト、脂肪を柔らかくもみほぐす。これにより、セルライト、脂肪を低減させることが可能となる。
【0021】
以上述べたように、本実施形態の美肌ローラは一対のローラ20を角度をつけて柄10の一端に設けた。このため、ローラ20を肌に押し付けて押し引きすることにより、効率的に毛穴の汚れを除去することが可能となるという効果がある。」

(3-7)甲第10号証
甲第10号証には、一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術に関して、写真とともに次の記載がある。
「2014.02.03 Monday
・・・
ゲルマミラーボール美容ローラー シャイン
昨日からせっせと顔とお腹を中心にコロコロとしております。」

(4)甲第16?19号証
(4-1)甲第16号証
甲第16号証には、太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術に関して、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0010】
以下に、この発明を具体化した美容器の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、この実施形態の美容器11は、先端に二叉部12aを有するほぼY字状のハンドル12を備えている。図2及び図3に示すように、このハンドル12は、合成樹脂よりなるベース体13と、そのベース体13の外周に被覆された一対のカバー体14,15とより構成されている。このカバー体14,15は合成樹脂により形成され、その外表面には導電部としての導電金属メッキが施されている。そして、一方のカバー体14がベース体13にネジ16により固定され、他方のカバー体15は前記カバー体14の外周縁に嵌め込まれている。」
イ 「【0013】
図4及び図5に示すように、前記ベース体13の両支持筒18には、金属製の一対の支持軸20がシールリング21を介して、交差軸線L1,L2上に位置するとともに外側に突出した状態で嵌合支持されている。このシールリング21は、支持軸20の周りからハンドル12の内部へ向かう水の侵入を防止している。各支持軸20の基端には、大径状の抜け止め頭部20aが形成されている。図4及び図9に示すように、両支持軸20の基端部間においてベース体13上には、ホルダ22が配置されている。このホルダ22の両端部には、各支持軸20の基端側を押さえるためのほぼ半円筒状の押さえ部22aが形成されている。ホルダ22の中間部には、円筒状のネジ止め部22bが形成されている。そして、ホルダ22の両端の押さえ部22aにより両支持軸20の基端が押さえられた状態で、ホルダ22の中間のネジ止め部22bがネジ23によりベース体13に固定されることによって、各支持軸20がベース体13の支持筒18に対する嵌合支持状態に抜け止め固定されている。すなわち、支持軸20の組み付け時には、ハンドル12のベース体13に形成された一対の支持筒18に外側(図4の左側)から支持軸20をそれぞれ嵌挿して、交差軸線L1,L2上に位置するように配置する。次に、図5及び図9に示すように、両支持軸20の基端間におけるベース体13上にホルダ22を配置し、そのホルダ22の両端の押さえ部22aにより両支持軸20の基端側を押さえる。これにより、図4及び図9に示すように、各支持軸20の基端の抜け止め頭部20aが押さえ部22aの端縁に係合される。この状態で、ホルダ22の中間のネジ止め部22bをネジ23によりベース体13に固定すると、一対の支持軸20がベース体13に対して同時に抜け止め固定される。」
ウ 「【0015】
図4に示すように、前記各支持軸20の突出端部には、合成樹脂よりなる円筒状の軸受け部材25が嵌合されて、ストップリング26により抜け止め固定されている。この軸受け部材25の表裏両面を含む外側前面には金属メッキが施され、軸受け部材25と支持軸20との間の導電が確保されている。また、金属メッキに代えて、軸受け部材25を導電性樹脂によって構成することにより前記導電を確保してもよい。図4及び図8に示すように、各軸受け部材25の外周には、一対の弾性変形可能な係止爪25aが突設されている。各支持軸20上の軸受け部材25には、ほぼ球体状をなす一対の回転体27が回転可能に嵌挿支持されている。そして、前記各回転体27は、合成樹脂よりなる芯材28と、その芯材28の先端内周に嵌着された合成樹脂よりなるキャップ材29と、芯材28及びキャップ材29の外周に被覆成形された合成樹脂よりなる外被材30とより構成されている。外被材30の外表面には、導電部としての導電金属メッキが施され、軸受け部材25との間の導電が確保されている。芯材28の内周には、前記軸受け部材25の係止爪25aに係合可能な段差部28aが形成されている。そして、回転体27が軸受け部材25に嵌挿された状態で、係止爪25aが段差部28aに係合され、回転体27が軸受け部材25に対して抜け止め保持されている。
【0016】
図1及び図3に示すように、前記ハンドル12の二叉部12aの付け根部付近において一方のカバー体14上には、透孔31が形成されている。透孔31内には、透明な合成樹脂よりなる受光レンズ32がシール材33を介して嵌着されている。受光レンズ32の下方においてハンドル12のベース体13上には太陽電池パネル34が配置され、そのプラス、マイナスの出力端子がハンドル12の外表面の導電部及び支持軸20に接続されている。前記シール材33は太陽電池パネル34側及びハンドル12内への水の侵入を防止している。」

また、上記ア?ウの記載及び図面から、次のことが認められる。
エ 図2?4の記載から、ベース体13とカバー体14との間には空間が形成されており、該空間には太陽電池パネル34が配置されている。
オ 図4の記載から、支持軸20を嵌挿するための孔は、太陽電池パネル34側の空間まで貫通状態となっている。

上記ア?オより、甲第16号証には、次の事項(以下「甲16事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲16事項]
「美容器11において、回転体27の支持軸20を嵌挿するための孔が、太陽電池パネル34側の空間まで貫通状態となっていること。」

(4-2)甲第17号証
甲第17号証には、太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術に関して、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0014】
以下に、この発明を具体化した美容器の一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態の美容器11は、正面形ほぼ銀杏葉状のハンドル12を備えている。図3に示すように、このハンドル12は、合成樹脂よりなるベース体13と、そのベース体13の外周に被覆装着された半割状の第1及び第2ハンドル片14,15とより構成されている。このベース体13及び第1及び第2ハンドル片14,15は合成樹脂により形成され、第1及び第2ハンドル片14,15の外表面には導電部としての金属メッキが施されている。図4に示すように、第1ハンドル片14及びベース体13の基端部には、後述するシャフト24を貫通させるための各一対の透孔14a,13aが形成されている。」
イ 「【0018】
図4及び図5に示すように、前記第1ハンドル片14及びベース体13の透孔14a,13aには、金属材料よりなる一対のシャフト24が貫通されている。各シャフト24の透孔14a,13a側の内端部,すなわち貫通端部には、シャフトホルダ20の保持室22内の雌ネジ部材23に螺合可能な雄ネジ部24aが形成されている。各シャフト24の中間部には、大径段差状のカラー支持部24b及びカラー押さえ部24cが形成されている。各シャフト24の外端部には、小径状のボール支持部24dが形成されている。
【0019】
そして、前記第1及び第2ハンドル片14,15の組み付け状態で、両シャフト24が第1ハンドル片14の外側から第1ハンドル片14及びベース体13の透孔14a,13aに挿入されて、それらの雄ネジ部24aが雌ネジ部材23に螺合されている。これにより、両シャフト24がシャフトホルダ20に対して固定されて、上向きの傾斜状態で、かつ自由端側ほど開いた傾斜状態をなすとともに、カラー支持部24b、カラー押さえ部24c及びボール支持部24dを第1ハンドル片14の外側に突出させた状態に配置されている。」
ウ 「【0022】
図1?図4に示すように、前記各シャフト24のボール支持部24dには、合成樹脂よりなる軸受け部材27が嵌合されて、クッションスペーサ28aを介してストップリング28により抜け止め固定されている。各軸受け部材27の外周には、一対の弾性変形可能な係止爪27aが突設されている。前記第1ハンドル片14における透孔14aの周側外面の凹部14b内に位置するように、各シャフト24上の軸受け部材27には、回転体としてのほぼ球体状をなす一対のボール29が回転可能に支持されている。このボール29は前記クッションスペーサ28aによってガタ付きが防止されている。」
エ 「【0024】
図1に示すように、前記ハンドル12の基端部付近において第2ハンドル片15上には、貫通孔33が形成されている。貫通孔33内には、透明な合成樹脂よりなる受光レンズ34が嵌着されている。受光レンズ34の下方においてハンドル12のベース体13上には太陽電池パネル35が配置され、その出力端子がハンドル12及びボール29の外表面の金属メッキにそれぞれ接続されている。」

また、上記ア?エの記載及び図面から、次のことが認められる。
オ 図1,3?4の記載から、ベース体13と第2ハンドル片15との間には空間が形成されており、該空間には太陽電池パネル35が配置されている。
カ 図4の記載から、シャフト24が挿入される透孔14a,13aは、太陽電池パネル35側の空間まで貫通状態となっている。

上記ア?カより、甲第17号証には、次の事項(以下「甲17事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲17事項]
「美容器11において、ボール29を支持するシャフト24が挿入される透孔14a,13aが、太陽電池パネル35側の空間まで貫通状態となっていること。」

(4-3)甲第18号証の1
甲第18号証の1には、太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術に関して、図面とともに次の記載がある。(翻訳文は、甲第18号証の2のものである。)
ア 「


(翻訳文)
「3.前記ソーラーエレクトロニクス装置(17)は、透明レンズ(12)、シールリングC(19)、ソーラーシート(10)、接続バネ(11)及び電極コネクタ(21)を含み、透明レンズ(12)、シールリングC(19)、ソーラーシート(10)、接続バネ(11)は上から下へと順に持ち手(15)の表面に固定され、電極コネクタ(21)は持ち手(15)とY型マッサージヘッド(16)を接続していることを特徴とする請求項1に記載のY型構造の美容器具。」
イ 「


(翻訳文)
「[0013] 本考案は、持ち手(15)、ソーラーエレクトロニクス装置(17)及びY型マッサージヘッド(16)から構成される。持ち手(15)は、上部装飾カバー(1)、下部装飾カバー(4)、内蔵される固定フレーム(2)、シールリングA(3)、シールリングB(18)及びネジ(13)を含む。上下の装飾カバー(1、4)の接続箇所にはシールリングA(3)が内蔵されており、固定フレーム(2)部分はシールリングB(18)とネジ(13)により固定されている。ソーラーエレクトロニクス装置(17)は、透明レンズ(12)、シールリングC(19)、ソーラーシート(10)、接続バネ(11)及び電極コネクタ(21)を含む。透明レンズ(12)、シールリングC(19)、ソーラーシート(10)、接続バネ(11)は、上から下へと順に持ち手(15)の表面に固定されている。また、電極コネクタ(21)は、陽極がマッサージローラ(5)に接続されており、陰極が持ち手(15)に接続されている。Y型マッサージヘッド(16)は持ち手(15)の一端の両側に設けられ、持ち手(15)とともに全体としてY字形状を構成している。Y型マッサージヘッド(16)は、2組の固定カバー(6)、シールリングD(20)、スタッドボルト(9)、軸受(14)、鉱物リング(7)、固定ナット(8)及びマッサージローラ(5)を含む。持ち手(15)のY型に分岐した先端にはシールリングD(20)を介してスタッドボルト(9)が接続されており、スタッドボルト(9)の外周には軸受(14)と鉱物リング(7)が固定されている。また、固定カバー(6)は軸受(14)の外周に固定されている。マッサージローラ(5)の表面は多角形状に設計されているため、人の手でマッサージされているかのような心地よさを与えられる。マッサージローラ(5)は固定カバー(6)の外周に覆設されている。また、スタッドボルト(9)の他端には固定ナット(8)が設けられている。」

また、上記ア及びイの記載並びに図面から、次のことが認められる。
ウ 図3の記載から、固定フレーム(2)と上部装飾カバー(1)との間には空間が形成されており、該空間にはソーラーシート(10)が配置されている。
エ 図3の記載から、スタッドボルト(9)を接続するための孔は、ソーラーシート(10)側の空間まで貫通状態となっている。

上記ア?エより、甲第18号証には、次の事項(以下「甲18事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲18事項]
「美容器具において、マッサージローラ(5)を支持するスタッドボルト(9)を接続するための孔が、ソーラーシート(10)側の空間まで貫通状態となっていること。」

(4-4)甲第19号証
甲第19号証には、太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術に関して、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0013】
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化した美容器の第1実施形態を図1に従って説明する。
図1に示すように、第1実施形態の美容器11を構成するハンドル12はほぼ円筒状をなし、軸線方向xに沿って延びる下側ハンドル片13と、同じく軸線方向xに沿って延びる上側ハンドル片14とに分割して構成されている。そして、下側ハンドル片13と上側ハンドル片14とは図示しない凹凸部が互いに係合された状態で組み付けられてハンドル12が構成されている。下側ハンドル片13は電気絶縁材料としてのABS樹脂により形成されるとともに、その外周面にはクロムメッキが施されて導電膜24が形成されている。
【0014】
前記上側ハンドル片14には軸線方向xに延びる長孔状の取付孔14aが形成され、該取付孔14a内には上面を開口したほぼ箱形状の保持部材15が嵌合されている。この保持部材15の内底面には、電源としての太陽電池パネル16が固定されている。前記上側ハンドル片14はカーボンブラック、金属等の導電性粉末が分散された導電性樹脂で形成され、保持部材15は電気絶縁材料としてのABS樹脂で形成されている。
【0015】
前記下側ハンドル片13の一端に形成された端壁13aには軸受け部17が接合され、これら端壁13a及び軸受け部17には軸線方向xに延びる支持軸18がその先端部をハンドル12外に突出させた状態で回転可能に支持されている。軸受け部17はABS樹脂で形成され、支持軸18は銅等の金属で形成されている。支持軸18の先端部には、円筒状をなすマッサージ用の回転ローラ20が支持体19を介して回転可能に支持されている。この場合、合成樹脂製の回転ローラ20の外周面にクロムメッキが施されることにより、回転ローラ20への通電性が確保されている。そして、使用者がハンドル12を把持した状態で、この回転ローラ20の外周面を顔等の肌に接触させて円周方向に相対移動させることにより、回転ローラ20が支持軸18を中心に回転されるようになっている。
【0016】
前記太陽電池パネル16の一方の電極を構成する+側の端子16aはリード線21aを介して支持軸18に接続されるとともに、他方の電極を構成する-側の端子16bはリード線21bを介して上側ハンドル片14の内面に突設された導電突起22に接続されている。そして、太陽電池パネル16の+側の端子16aからリード線21aを介して支持軸18、支持体19、回転ローラ20から人体23を経て下側ハンドル片13の導電膜24、上側ハンドル片14、導電突起22及びリード線21bを介して太陽電池パネル16の-側の端子16bへと微弱電流が流れる電気回路が形成されるようになっている。」

また、上記アの記載及び図面から、次のことが認められる。
イ 図1の記載から、下側ハンドル片13と上側ハンドル片14との間には空間が形成されており、該空間には太陽電池パネル16が配置されている。
ウ 図1の記載から、支持軸18を支持するための孔は、太陽電池パネル16側の空間まで貫通状態となっている。

上記ア?ウより、甲第19号証には、次の事項(以下「甲19事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲19事項]
「美容器11において、回転ローラ20の支持軸18を支持するための孔が、太陽電池パネル16側の空間まで貫通状態となっていること。」

(5)甲第15?17号証
(5-1)甲第15号証
甲第15号証には、シャフト支持部を設ける技術に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0014】
以下に、この発明を具体化した美容器の一実施形態を、図1?図4に従って説明する。
図1?図3に示すように、この実施形態の美容器11の細長いハンドル12は、軸線方向に沿って延びる合成樹脂(例えば、ABS:アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)よりなる第1ハンドル片13と、同じく合成樹脂よりなる第2ハンドル片14とに分割して構成されている。従って、ハンドル12は電気絶縁材料によって形成されている。第1ハンドル片13の上端開口縁の両側部には凹凸部13aが形成されるとともに、第2ハンドル片14下端開口縁の両側部には第1ハンドル片13の凹凸部13aに係合可能な凹凸部14aが形成されている。そして、両ハンドル片13,14の凹凸部13a,14aが互いに係合された状態で、ハンドル片13,14の軸線方向の両端部に円環状の止め輪15,16が嵌着されることにより、ハンドル12が組み付けられている。
【0015】
図2に示すように、前記ハンドル12の一端内部において両ハンドル片13,14間には、支持軸17がその先端部をハンドル12外に突出させた状態で挟着固定されている。支持軸17の先端部には、円筒状をなすマッサージ用の回転ローラ18が支持筒19及び一対の軸受メタル20を介して回転可能に支持されている。回転ローラ18の外周には、複数の突条18aが軸線方向に沿って延びるように形成されている。」

(5-2)甲第16号証
甲第16号証には、シャフト支持部を設ける技術に関して、図面とともに上記(4)(4-1)アで摘記した記載がある。

(5-3)甲第17号証
甲第17号証には、シャフト支持部を設ける技術に関して、図面とともに上記(4)(4-2)イで摘記した記載がある。

(6)甲第3号証
甲第3号証には、図面とともに次の記載がある。
ア 「 【0005】
そこで、製造コストの点で前記押出し成形ないしはブロー成形と比較した場合に問題があるものの、すぐれた機能美を有し、耐久性、斬新さなどを特に重視した、前掲の洗車ブラシの提案がなされ、それらの柄部は射出成形によって製作されていた。それらは、確かに量産性、耐久性、経済性にすぐれていることは認められる。しかしながら、前記パイプ製の柄部と比較すれば、軽量性、製造コストでは遜色のあることは否めないことである。
従って、特に相反する軽量性と機能美(実用品としての機能を十分に発揮することで発現する美しさ)を共に満足させる提案が求められていたが、その解決策はいまだ提案されるに至っていなかった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記問題の解決をはかるため、柄部内部を射出成形になじむ中空構造とするため、係合突縁部相互間に形成される有底の区画部上面に閉塞部材をもって閉蓋固定できるようにした清掃用具の提供を目的とするものである。」
イ 「 【0011】
図面上、Sはプラスチック資材について射出成形のごとき手段を使用して一体成形した基材主体であり、それは柄部1前端にブラシ毛を植設した刷子頭部2が一体のもとに形成されている。
3は係合突縁部であり、柄部1の両端部近傍位置に設けられ、それぞれの下縁には係止段部7が対設してある。
4は係合突縁部3相互間に形成される有底の区画部であって、該区画部の上面は開放してある。
【0012】
5は前記区画部4上面の全体に載架、すなわちかけわたすように載置されて閉蓋する閉蓋部材であって、それは両側に垂設した係止爪片8が前記係止段部7に係合して固定される。
6は柄部1の長手方向に沿って囲繞する周壁部である。
11は必要により前記区画部4の適宜位置に植設される挿通受入部であって、それは図示例のごとく円筒状とすることが好ましい。
12は前記閉塞部材5下面に前記挿通受入部11と対応して設けてなる挿入材ある。
【0013】
従って、前記係止段部7と係止爪片8との係合による固定に加えて、挿入材12の挿通受入部11への挿着によって閉塞部材5は撓むことなく好ましい状態で載架し固定が維持される。挿通受入部11、挿入材12の構成は柄部1が長尺の場合に特に効果的である。
なお、挿通受入部11、挿入材12は複数個とすることもよい(図示を省略した。)。
【0014】
本考案の構成上、図示例においては刷子頭部2と柄部1前端には間隙(空間部分)13Aが、また柄部2後端にはドーム形状の間隙13Bがそれぞれ表現されているが、それら間隙13A,13Bを塞いで、区画部4の有底に倣って同一面の有底とすることもよく、図示例は単なるデザイン的工夫の一例を示したにすぎないものである。
図中、14はすべり止めにとして刻設した細幅模様である。
【0015】
更に、本考案の構成に際し、図示を省略したが、前記係止段部7を下縁とすることに代えて上縁に有する係合突縁部となし、有底の区画部4を天蓋付きの区画部として、その下面を開放し、係合突縁部3の上縁に有する前記一対の係止段部と係合する係止爪片を閉蓋部材5に立設することもよい。かくすることにより、閉蓋部材5は天蓋付きの区画部下面の全体に添装、すなわち区画部4に添わせて取り付けられ閉蓋固定できるので、例えば柄部1上面に複雑な加飾を必要とする場合に好適である。
【0016】
【考案の効果】
以上のとおりの構成を有する本考案によれば、以下の効果をもたらすものである。
請求項1の本考案の場合、閉塞部材5を基材主体Sと別体とした結果、該基材主体Sの柄部1上面全体が射出成形に親しむ形状となり、それは軽量性をもたらすことに加えて、特別の熟練を要せずに区画部4上面を閉塞部材5により簡単に載架して固定できるので、量産性、経済性に寄与し実用性に富んだものである。しかも、柄部1自体は人間工学的見地からの作業性にすぐれた形状、あるいは機能美を有する形状が成形上の障害もなく製造でき、商品価値の高い製品を得ることができる。
【0017】
請求項2の本考案の場合、請求項1のそれと対比すると、区画部4を天蓋付きとした結果、係合突縁部3の上縁に係止段部が、また該係止段部と係合する係止爪片が閉蓋部材5に立設される点で相違するが、組立要領は共通するものであり、その結果、商品設計上、柄部1上面に商品としての訴及的効果を強調したデザイン的工夫などの加飾を施す場合に好適なものである。
また請求項3の本考案の場合、請求項1または2の効果に加えて柄部1が長尺であっても閉塞部材5は撓むこともなく、清掃時に強い握持を受けてもその保形性は確保され、しかも閉塞部材5の固定状態の向上に資するものである。」

また、上記ア及びイの記載並びに図面の記載から、次のことが認められる。
ウ 図1,2,4の記載から、区画部4は、柄部1の表面から内方に窪んでいる。
エ 図1,2,5の記載から、柄部1に閉塞部材5が取り付けられた状態において、閉塞部材5の両側に垂設した係止爪片8は、露出した状態で、係合突縁部3の下縁に対設された係止段部7に係合している。
オ 柄部1及び閉塞部材5は、使用者が把持する把持部であることは明らかである。そして、図1,2,4の記載から、柄部1の表面及び閉塞部材5の表面は、把持部の表面を構成している。

上記ア?オより、甲第3号証には、次の事項(以下、「甲3事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲3事項]
「 柄部1と刷子頭部2とを一体となした基材主体Sと、閉塞部材5と、を備える清掃用具において、
柄部1に、柄部1の表面から内方に窪んだ区画部4を設け、
係止爪片8が露出した状態で柄部1に係合する閉塞部材5により、区画部4を閉蓋し、
柄部1の表面及び閉塞部材5の表面により把持部の表面を構成すること。」

(7)甲第11?14号証
(7-1)甲第11号証
甲第11号証には、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0021】
図1及び図2に示すように、ヘアブラシ装置1は、折畳式のヘアブラシであって、その外郭が筐体2によって形成されている。筐体2は、折畳機構3を通じて互いが連結された第1ケーシング5及び第2ケーシング6を備えるケーシング本体7と、接触子としてのブラシ群8が直接的に植設されたブラシ支持体9とから構成されている。ケーシング本体7の第1ケーシング5には、ブラシ群8を支持する上記ブラシ支持体9が接触子支持体として設けられている。一方、第2ケーシング6には、その表面に鏡10が形成された電池蓋11が装着されている。さらに、この第2ケーシング6は、ユーザによって把持される把持部(柄部)としての機能を有している。」
イ 「【0026】
次に、本実施形態のヘアブラシ装置1が備える毛髪のトリートメントを実現するための構成について説明する。
すなわち、図1ないし図4に示すように、着脱自在な電池蓋11を取り外した第2ケーシング6の内部には、装置本体の駆動電源として例えば単三電池等の乾電池22が装着されている。ここで、装置本体の駆動電源として充電池を適用できるようにヘアブラシ装置1を構成してもよいし、AC(交流)電源等の電力導入回路をヘアブラシ装置1に設けてもよい。また、毛髪のトリートメントを行う際に、電池蓋11に形成された上記鏡10を利用して、ユーザが頭皮の汚れ状態等を把握することが可能である。」
ウ 「【0069】
さらに、着脱自在な電池蓋11を取り外した第2ケーシング6の電池装着部126内には、装置本体の駆動電源である充電池122が端子部127に接触するかたちで装着されている。」

上記ア?ウの記載及び図面の記載から、次のことが認められる。
エ 図1,3,11,13の記載から、電池装着部は、第2ケーシング6の表面から内方に窪んでいる。
オ 図1,11の記載から、電池蓋11は、第2ケーシング6との結合部分が露出しない状態で第2ケーシング6に装着されている。
カ 図1,11の記載から、第2ケーシング6の表面及び電池蓋11の表面は、把持部の表面を構成している。

上記ア?カより、甲第11号証には、次の事項(以下、「甲11事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲11事項]
「 ヘアブラシ装置1において、
把持部としての機能を有する第2ケーシング6の表面から内方に窪んだ電池装着部を設け、
電池装着部に、乾電池22又は充電池122を装着し、
第2ケーシング6との結合部分が露出しない状態で第2ケーシング6に装着される電池蓋11により、電池装着部を覆い、
第2ケーシングの表面及び電池蓋11の表面により把持部の表面を構成すること。」

(7-2)甲第12号証
甲第12号証には、図面とともに次の記載がある。
ア 「【0014】
図1から図3には、マルチ治療ブラシ10が様々な視点から示されている。図2、図3によく示されるように、マルチ治療ブラシ10は、ハンドル部材12および処置部材14を備える。ハンドル部材12は、ブラシングや髪をとかすのに際してユーザが握ったり、適切に動作させるために、延長部分あるいはハンドルを備えていることが理解される。図1に示されるように、ハンドル部材12はさらに、典型的にはバッテリ運搬部材18の上に取り付けられる取り外し可能な電池カバー16を備える。いくつかのバッテリ20は、マルチ治療ブラシ10の中に適切な電力を提供するために収納される。本実施の形態において、適切なレベルの電力を供給するために、4つのバッテリが使用される。」

上記アの記載及び図面の記載から、次のことが認められる。
イ 図1の記載から、バッテリ運搬部材18には、バッテリ20が収納される、表面から内方に窪んだ凹部がある。
ウ 図2,3の記載から、電池カバー16は、バッテリ運搬部材18との結合部分が露出しない状態でバッテリ運搬部材18に装着されている。
エ 図2,3の記載から、バッテリ運搬部材18の表面及び電池カバー16の表面は、ハンドル部材12の表面を構成している。

上記ア?エより、甲第12号証には、次の事項(以下、「甲12事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲12事項]
「 マルチ治療ブラシ10において、
バッテリ運搬部材18に、バッテリ運搬部材18の表面から内方に窪んだ凹部を設け、
バッテリ運搬部材18との結合部分が露出しない状態でバッテリ運搬部材18に取り付けられる電池カバー16により、凹部を覆い、
バッテリ運搬部材18の表面及び電池カバー16の表面によりハンドル部材12の表面を構成すること。」

(7-3)甲第13号証
甲第13号証には、次の記載がある。
ア 「【意匠に係る物品】美顔器
・・・
【意匠に係る物品の説明】この意匠に係る物品は、主に顔や首筋などに使用される美顔器であり、正面図において左側に表れるローラーを肌の上で転がしてマッサージを行うものである。」
イ 「【斜視図】


ウ 「【内部機構を省略したB-B断面図】



(7-4)甲第14号証
甲第14号証には、図面とともに次の記載がある。
「【0011】本実施例の電子イオン歯ブラシは、図1及び図2にその全体図が示されるように、概略、ブラシ毛3を植毛したヘッド部1と、前記ヘッド部1に連接される把持部11と、前記ヘッド部1及び把持部11の双方に設置した外部電極2,12と、前記双方の外部電極2,12を介して口内に微小電流を供給する電池部とを備えた形式の電子イオン歯ブラシである。そして、公知の電子イオン歯ブラシと同様に、把持部11を握って口内にヘッド部1を入れると、使用者の体液を介して数100μAの電流が歯磨き中に口内へ流れる。この電流イオン効果により、歯垢が取り除かれる等のクリーニング効果を発揮するものである。
【0012】更に、本実施例において、前記把持部11は、本体ケース21(図3及び図4参照)と、本体ケース21に収納される、尾栓31bを備えた内部ブロック31(図5及び図6参照)と、前記本体ケース21に装着固定される導電プレートからなる外部電極12とを具備して構成されている。
・・・
【0016】前記本体ケース21は、図3及び図4に示すように、前述した外部電極12を装着する電極装着部23が正面側に設けられている。前記電極装着部23は、比較的大きな面積を有する外部電極12の正面側の外部形状にほぼ等しく形成されており、先端側には、外部電極12の先端部を挿入させるための挿入溝23aが設けられている。更に、電極装着部23の後端側には、外部電極12の後端部を係止するための後端壁部23bが設けられている。これらの後端壁部23bの間には、外部電極12の後述する折曲部15を挿通するための凹部23cが形成されている。
【0017】また、本体ケース21の内部には、前記内部ブロック31を挿入するための空洞部24が形成されている。尚、25は、内部ブロック31の回路基板33の先端部を装着するための溝であり、26は、前記導電軸37を挿通するための孔である。
・・・
【0019】前記内部ブロック31は、図5及び図6に示すように、基本的には電池部32及び回路基板33を実装するもので、前記本体ケース21内に装着される。本実施例では、ブロック本体31aの内部に電池部32を導通板34で導通して設けており、更に先端側には、使用時にメロディー音を発するとともにLEDを点滅する発音体35a及び発光体35bを設置している。
【0020】前記電池部32からの電力供給は、回路基板33の先端部及び後端部に設けた端子36,36から、導電軸37,37を経由して各外部電極2,12へなされる。前記各端子36は、金属板を曲折形成して構成され、一端を回路基板33に固着し、他端で導電軸37の端部を押圧付勢して、電気的導通が確実に行われるように設けられている。尚、内部ブロック31の後端部に配設される導電軸37は、尾栓31bから内部に圧入される。
・・・
【0024】前記外部電極12は、金属製の導電プレートで形成され、前述したように、本体ケース21の電極装着部23に固着される。外部電極12のプレート本体13は、先端部に、折曲形成された鈎状部14を設けている。前記鈎状部14は、本体ケース21の前記挿入溝23aに挿入されて係止される。
・・・
【0032】次いで、外部電極12を、本体ケース21の電極装着部23に取付ける。外部電極12のプレート本体13は、先端部の鈎状部14を本体ケース21の前記挿入溝23aに挿入して係止し、更に折曲部15を、本体ケース21の凹部23c及び内部ブロック31のスリット39に挿入する。折曲部15は、切欠円弧状溝15cで前記導電軸37を挟持し、これにより、プレートの電気的導通が図られる。そして、プレート本体13は、その後端部が本体ケース21の後端壁部23bに係止される。これにより、当該折曲部15によって内部ブロック31の離脱が阻止される。
【0033】そして、把持部11を握ると、外部電極12は比較的大きな面積を備えているので、どのような握りかたでも使用者の手は外部電極12のプレート本体13に接触することとなり、更に、口内にヘッド部1を入れると、他方の外部電極2が口内で導通して、使用者の体液を介して数100μAの電流が歯磨き中に口内へ流れる。すると、発音・発光体35はメロディー音を発するとともにLEDを点滅させ、電気的導通が図られていて歯ブラシが正常に機能していることを知らせる。この電流イオン効果により、歯垢が取り除かれる等のクリーニング効果が発揮される。」

3 無効理由1について
(1)本件特許発明1について
(1-1)対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
ア 本件特許発明1は、上記1のとおり、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるようにしたものであるのに対し、甲1発明は、ハンドル12が芯材13及び上下に分割された一対の外装カバー14,15を備えたもの、すなわち、ハンドルを上下に分割したものである。
イ 本件特許発明1の「ハンドル本体」には、「該ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部」があるところ、仮に、甲1発明の「外装カバー14」(又は「外装カバー15」)が本件特許発明1の「ハンドルカバー」に相当するとした場合、甲1発明の「芯材13」及び「外装カバー15」(又は「外装カバー14」)には、その表面から内方に窪んだ凹部がないことから、甲1発明の「芯材13」及び「外装カバー15」(又は「外装カバー14」)は、本件特許発明1の「表面から内方に窪んだ凹部」がある「ハンドル本体」に相当するとはいえず、また、甲1発明の「外装カバー14」(又は「外装カバー15」)は、本件特許発明1の「上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバー」に相当するとはいえない。したがって、甲1発明のハンドル12は、本件特許発明1の「表面から内方に窪んだ凹部」がある「ハンドル本体」、「ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部」及び「上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバー」に相当する構成を備えていない。
ウ 上記ア及びイから、本件特許発明1の「棒状のハンドル本体と、該ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部と、上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバーとからなるハンドル」と、甲1発明の「芯材13と、芯材13の外周に被覆され上下に分割された一対の外装カバー14,15とから構成され、内部に太陽電池パネル24並びに太陽電池パネル24の出力端子をハンドル12及びローラ18の導電部に接続するための構成が配置されたハンドル12」とは、「ハンドル」である点でのみ共通する。
エ 本件特許発明1の「上記ハンドル本体の長手方向の一端」と、甲1発明の「上記ハンドル12の先端」とは、「上記ハンドルの長手方向の一端」である点で共通する。
オ 甲1発明の「二叉部12a」は、本件特許発明1の「分枝部」に相当する。
カ 甲1発明の「芯材13の中心部に形成された空間」は、本件特許発明1の「軸孔」に相当する。
キ 甲1発明の「に嵌入された」は、本件特許発明1の「に挿通された」に相当する。
ク 甲1発明の「ローラ支持軸17」は、本件特許発明1の「ローラシャフト」に相当する。
ケ 甲1発明の「に回転可能に支持された」は、本件特許発明1の「に取り付けられた」に相当する。
コ 甲1発明の「ローラ18」は、本件特許発明1の「ローラ」に相当する。
サ 甲1発明の「美容器11」は、本件特許発明1の「美容器」に相当する。

以上より、本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 ハンドルと、
上記ハンドルの長手方向の一端に一体的に形成された一対の分枝部と、
該一対の分枝部のそれぞれに形成されている軸孔と、
該軸孔に挿通された一対のローラシャフトと、
該一対のローラシャフトに取り付けられた一対のローラと、
を備える、美容器。」

(相違点1)
「ハンドル」について、甲1発明は、本件特許発明1の「表面から内方に窪んだ凹部」がある「ハンドル本体」、「ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部」及び「上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバー」に相当する構成を備えておらず、代わりに「芯材13と、芯材13の外周に被覆され上下に分割された一対の外装カバー14,15」を備え、その結果として、本件特許発明1は、「上記ハンドル本体の表面及び上記ハンドルカバーの表面が、上記ハンドルの表面を構成している」のに対し、甲1発明は、「上記一対の外装カバー14,15の表面が、上記ハンドル12の表面を構成している」点。
(相違点2)
「ハンドルの長手方向の一端」について、本件特許発明1は、「ハンドル本体の長手方向の一端」であるのに対し、甲1発明は、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備えていないため、「ハンドル本体の長手方向の一端」であるとはいえない点。
(相違点3)
「軸孔」について、本件特許発明1は、「凹部に連通する」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成とはなっていない点。

(1-2)判断
ア 相違点1について
(ア) 本件特許発明1は、上記1のとおり、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるようにしたものであるところ、甲1発明は、ハンドルを上下に分割したものであり、本件特許の明細書の段落【0004】において、ハンドルの成形精度や強度が低下したり、密閉する作業に手間がかかるという問題点が指摘されているものである。
しかしながら、甲第1号証及び甲第2号証には上記問題点について何ら記載されていないから、甲1発明において、上記問題点に着目して相違点1に係る構成を採用すべき動機付けは存在しない。
また、甲1発明は、相違点1に係る構成を備えていなくとも、上下に分割された一対の外装カバー14,15とこの間に位置する芯材13とにより、太陽電池等の構成を内部に収容することができているのであるから、相違点1に係る構成を採用する必要性を見出すことができない。
(イ) 甲2事項は、本体ケース4が甲1発明のようにハンドル12の先端に形成された一対の二叉部12aを備える構成ではなく、甲1発明と甲2事項とは、全体的な形状が異なっている。
また、甲2事項は、太陽電池8が凹部のうち把持部2の部分ではなくヘッド部3の部分に配置されており、甲1発明のようにハンドル12の内部に太陽電池パネル24が配置される構成ではない上、甲1発明は、ハンドル12が甲2事項のように把持部2のほぼ全長にわたって電線18を配置する構成ではなく、甲1発明と甲2事項とは、内部の部品の配置も異なっている。
このように、甲1発明と甲2事項とは、全体的な形状及び内部の部品の配置が異なることから、甲2事項の本体ケース4のほぼ全長にわたって延在する凹部や該凹部を覆う背面カバー部材5及びハンドルカバーを設ける構成を甲1発明に適用すべき動機付けは存在しない。
(ウ) 仮に、甲1発明に甲2事項を適用すべき動機付けが存在し、適用を試みたとしても、甲1発明は、甲2事項のように把持部2及びヘッド部3を備える構成ではなく、ハンドル12の先端に一対の二叉部12aが一体的に形成されたものである上、ハンドル12及び一対の二叉部12aは、芯材13と芯材13の外周に被覆され上下に分割された一対の外装カバー14,15とから構成されており、甲2事項とは構造が大きく異なることから、甲1発明に甲2事項の構造をそのまま適用することはできず、具体的に適用しようとする際には相当の設計変更が必要になると考えられる。
そうすると、甲1発明に甲2事項の構造を適用することは、当業者といえども困難であるといわざるを得ない。
(エ) 甲2事項におけるハンドルカバーが、本体ケース4又は背面カバー部材5に対してどのように取り付けられるかについては、甲第2号証において何ら説明されておらず、図面を参酌しても、ハンドルカバーが本体ケース4との結合部分を備えているかどうかは不明である。
そうすると、仮に、甲1発明に甲2事項を適用したとしても、「上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で・・・上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバー」との事項を含む相違点1に係る構成には到達し得ない。
上記(ア)?(エ)より、甲1発明及び甲2事項から相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲第4?10号証記載の事項は、いずれも一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術を、甲第16?19号証記載の事項は、いずれも太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術を開示するにすぎないから、これらに基づき相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。

イ 相違点2について
上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。
したがって、相違点2に係る構成を容易想到とすることはできない。

ウ 相違点3について
(ア) 上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。そうすると、甲1発明において、軸孔を該凹部に連通する構成とすることも容易想到でない。
(イ) 仮に、甲1発明に甲2事項を適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることが容易想到であるとした場合について検討する。
甲1発明において表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とした場合に、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部に連通させることについては、甲第1号証及び甲第2号証のいずれにも記載されておらず、甲1発明及び甲2事項から相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲1発明及び甲2事項に加え、例えば甲16?19事項のように、「支持軸のための軸孔を太陽電池パネル側の空間まで貫通状態とすること」が周知技術(以下、「周知技術A」という。)であることも考慮して、甲1発明、甲2事項及び周知技術Aから相違点3に係る構成を想到し得たとしても、甲1発明に甲2事項を適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることを想到した上で、さらに、周知技術Aにおいて太陽電池パネル側の空間を表面から内方に窪んだ凹部に置き換えた技術を適用して、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を表面から内方に窪んだ凹部に連通させることを想到し、相違点3に係る構成に至ることとなる。このように、甲1発明に基づいて、2つの段階を経て相違点3に係る構成に至ることは、格別な努力が必要であり、当業者にとって容易であったということはできない。そうすると、甲1発明、甲2事項及び甲16?19事項のような周知技術Aから相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。

エ 当事者の主張について
(ア) 被請求人は、「本件発明1の容易想到性の判断にあたっては、ハンドルの具体的構成(本件発明1のハンドル本体と、ハンドル本体の凹部、ハンドルカバー等の構成)を発明特定事項としているのであるから、甲1発明のハンドル12も同様に特定すべきである。・・・甲1発明のハンドル12は、「中心線に沿って上下に分割された一対の外装カバー14とこの間に位置する芯材13から構成される」点を特定する必要がある。」(審判事件答弁書第3ページ第18行?第4ページ第9行)と主張している。
これに対し、請求人は、「甲1発明の請求項(甲第1号証11頁ないし12頁)においては,ハンドルの構成につき,上下に分割される一対の外装カバー14や芯材13との限定が加えられておらず、被請求人が主張するように、甲1発明について、「中心線に沿って上下に分割された一対の外装カバー14とこの間に位置する芯材13から構成される」との技術要素を加えるのは誤りである。」(口頭審理陳述要領書第7ページ第21?25行)と主張している。
しかしながら、当業者が刊行物の記載から技術的思想を把握しようとする際に、刊行物の記載事項の全てを考慮し得ることは当然のことであり、刊行物の請求項において限定されていない事項を引用発明の内容に含めることが許されないわけではない。そして、本件特許発明1は「棒状のハンドル本体と、該ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部と、上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバーとからなるハンドル」及び「上記ハンドル本体の表面及び上記ハンドルカバーの表面が、上記ハンドルの表面を構成している」とのハンドルの具体的構成を発明特定事項として含んでいるのであるから、請求人の主張には理由がない。
(イ) 請求人は、相違点3について、
「 甲第2号証に記載の技術的事項を甲1発明に対して適用することにより、甲1発明のハンドル(12)に凹部が形成されることになる。
しかし、甲1発明においては、第1の配線によって太陽電池パネル(24)とローラ支持軸(17)との接続が必要であり、そのためには、ローラ支持軸(17)が第1の配線が存在する凹部にまで挿入されている、すなわち、ローラ支持軸(17)の軸孔は、凹部に連通する貫通した孔でなければならない。
このように、甲第2号証に記載の技術的事項を甲1発明に対して適用する場合、ローラ支持軸(17)の軸孔は、自ずと凹部に連通する貫通した孔でなければならず」(審判請求書第75ページ第8?15行)と主張している。
しかしながら、甲第1号証には、太陽電池パネル24の端子とローラ支持軸17との電気的接続の方法について具体的な記載がないことから、甲1発明において、太陽電池パネル24の端子とローラ支持軸17との電気的接続の方法は特定されていないところ、甲1発明は、ローラ支持軸17が嵌入された空間を太陽電池パネル24側まで貫通した孔とする以外の方法(例えば、芯材13又は外装カバー14,15に配線のための孔や溝を形成するとしても、接着剤等で該孔や溝を充填する形態もあり得るし、配線用の導体を芯材13や外装カバー14,15に埋設するような形態も想定し得る。)によっても、太陽電池パネル24の出力端子をローラ支持軸17に接続し得るものである。そうすると、甲1発明に甲2事項を適用してハンドル12に凹部を形成した場合であっても、該ローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部まで貫通した孔でなければならないとまではいえない。
したがって、請求人の主張は採用できない。

オ 小括
上記ア?エで検討したとおり、相違点1?3に係る構成のいずれも容易想到とすることはできないから、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件特許発明2?4について
本件特許発明2?4は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付すものであるから、本件特許発明2?4と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1?3で相違する。
そして、相違点1?3に係る構成のいずれも、甲1発明、甲2事項、甲第4?10号証記載の事項及び甲16?19事項のような周知技術Aから容易想到でないことは、上記(1)(1-2)のとおりである。
よって、本件特許発明2?4は、その詳細を検討するまでもなく、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 無効理由2について
(1)本件特許発明1について
(1-1)対比
本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、上記3(1)(1-1)のとおりである。

(1-2)判断
ア 相違点1について
(ア) 本件特許発明1は、上記1のとおり、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるようにしたものであるところ、甲1発明は、ハンドルを上下に分割したものであり、本件特許の明細書の段落【0004】において、ハンドルの成形精度や強度が低下したり、密閉する作業に手間がかかるという問題点が指摘されているものである。
しかしながら、甲第1号証及び甲第3号証には上記問題点について何ら記載されていないから、甲1発明において、上記問題点に着目して相違点1に係る構成を採用すべき動機付けは存在しない。
また、甲1発明は、相違点1に係る構成を備えていなくとも、上下に分割された一対の外装カバー14,15とこの間に位置する芯材13とにより、太陽電池等の構成を内部に収容することができているのであるから、相違点1に係る構成を採用する必要性を見出すことができない。
(イ) 甲3事項は、清掃用具に関するものであり、甲第3号証の段落【0006】,【0016】の記載(上記2(6)ア及びイ)によれば、柄部1と閉塞部材5とを別体とし、柄部1内部を射出成形になじむ中空構造とすることで、軽量性及び成形性をもたらすことを課題とするものであると認められる。
一方、甲1発明は、美容器に関するものであり、甲3事項の清掃用具とは技術分野が異なるものである。また、甲第1号証には、軽量性及び成形性をもたらすことについて何ら記載がなく、美容器において軽量性及び成形性をもたらすことが課題であることを示す証拠もない。さらに、甲1発明は、ローラ18を肌Sに押し付けて回転させることにより、人体の表面組織に適度な刺激を与え、美肌効果等の美容効果を得るものであるところ(上記2(1)イ)、押し付けや刺激のために適した重量が存在するとも考えられ、甲1発明において軽量性及び成形性をもたらすことが自明の課題であるともいえない。そうすると、甲1発明が甲3事項と同様の課題を有するとはいえない。
したがって、甲1発明に甲3事項を適用すべき動機付けが存在するとはいえない。
(ウ) 仮に、甲1発明に甲3事項を適用したとしても、甲3事項の閉塞部材5は、係止爪片8が露出した状態で柄部1に係合するものであるから、「上記ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で・・・上記ハンドル本体に取り付けられたハンドルカバー」との事項を含む相違点1に係る構成には到達し得ない。
上記(ア)?(ウ)より、甲1発明及び甲3事項から相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲第4?10号証記載の事項は、いずれも一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術を、甲第16?19号証記載の事項は、いずれも太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術を開示するにすぎないから、これらに基づき相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。

イ 相違点2について
上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。
したがって、相違点2に係る構成を容易想到とすることはできない。

ウ 相違点3について
(ア) 上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。そうすると、甲1発明において、軸孔を該凹部に連通する構成とすることも容易想到でない。
(イ) 仮に、甲1発明に甲3事項を適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることが容易想到であるとした場合について検討する。
甲1発明において表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とした場合に、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部に連通させることについては、甲第1号証及び甲第3号証のいずれにも記載されておらず、甲1発明及び甲3事項から相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲1発明及び甲3事項に加え、例えば甲16?19事項のように、「支持軸のための軸孔を太陽電池パネル側の空間まで貫通状態とすること」が周知技術(周知技術A)であることも考慮して、甲1発明、甲3事項及び周知技術Aから相違点3に係る構成を想到し得たとしても、甲1発明に甲3事項を適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることを想到した上で、さらに、周知技術Aにおいて太陽電池パネル側の空間を表面から内方に窪んだ凹部に置き換えた技術を適用して、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を表面から内方に窪んだ凹部に連通させることを想到し、相違点3に係る構成に至ることとなる。このように、甲1発明に基づいて、2つの段階を経て相違点3に係る構成に至ることは、格別な努力が必要であり、当業者にとって容易であったということはできない。そうすると、甲1発明、甲3事項及び甲16?19事項のような周知技術Aから相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。

エ 当事者の主張について
(ア) 甲1発明の認定については、上記3(1)(1-2)エ(ア)のとおりである。
(イ) 請求人は、甲1発明に甲3事項を適用する動機付けについて、
「 甲1発明のハンドル(12)と甲3発明の柄部(1)とは、共に、樹脂成形品であることに加えて、ハンドル(12)又は柄部(1)を把持して、器具を上下等に移動させるという点で、操作方法においても、共通点を有する。
したがって、かかる点が動機付けとなって、甲1発明のハンドル(12)に対して、甲3発明の柄部(1)の構成を適用し、ハンドル(12)において、凹部を閉塞する閉塞部材(5)を設けて、ハンドル(12)の内部に存在する太陽電池パネル(24)からローラ(18)の導電部に接続するための配線等の部品を収納する構成とすることは、当業者にとって、容易に発明することができるものである。」(審判請求書第75ページ第25行?第76ページ第4行))と主張している。
しかしながら、甲1発明に甲3事項を適用するべき動機付けが存在しないことは上記ア(ア)及び(イ)のとおりであり、樹脂成形品であるとの共通点及び器具を上下等に移動させるとの共通点があることをもって、甲1発明が甲3事項の上記課題と同様の課題を有するとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(ウ) 請求人は、甲1発明に甲3事項を適用する動機付けについて、さらに、
「 ところで,被請求人は,甲3発明の閉塞部材5が軽量化を目的とするものであるのに対し,甲1発明の芯材13に重量があり,甲1発明が軽量化を目的とした発明でないことを理由に,甲1発明に甲3発明適用の動機付けがないと主張する。
しかし,被請求人が想定する芯材13の重量については請求人として推し測りかねるが,甲1発明のハンドルの一部分が閉塞部材5に置き換わったところで,甲1発明の総重量が大きく変化することなど想定できない。
よって,甲1発明の目的が軽量化でなくても,甲1発明に甲3発明の閉塞部材5を適用することの動機付けを否定する理由にはならない。」(口頭審理陳述要領書第11ページ第16?23行)と主張している。
この主張は、「甲1発明のハンドルの一部分が閉塞部材5に置き換わったところで,甲1発明の総重量が大きく変化することなど想定できない。」とあることから、甲1発明において、凹部を設けずにハンドル12の一部分を閉塞部材5で置き換えることを前提としていると解される。すなわち、甲1発明に甲3事項を適用する際、区画部4を設ける点は適用せずに閉塞部材5を設ける点のみを適用することを前提とした主張であると解される。
しかしながら、甲3事項において、閉塞部材5は区画部4を閉蓋するためのものであるから、区画部4から切り離して閉塞部材5のみを技術思想として把握することはできない。
したがって、請求人の上記主張は、その前提に誤りがあり採用できない。
(エ) 請求人は、「また、甲第3号証の請求項3及び【0017】に記載のように、挿通受入部と挿入材とを設ければ、ハンドル(12)が撓むことなく丈夫な構造とすることができ、本件発明1と同様の効果を有することができる。」(審判請求書第76ページ第5?7行)と主張している。
しかしながら、甲第3号証の段落【0013】の記載(上記2(6)イ)によれば、挿通受入部11及び挿入材12は、閉塞部材5の撓みを抑制するためのものであり、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるという本件特許発明1と同様の効果を奏するものとはいえない。
(オ) 相違点3については、上記3(1)(1-2)エ(イ)と同様に、甲1発明に甲3事項を適用してハンドル12に凹部を形成した場合であっても、ローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部まで貫通した孔でなければならないとまではいえない。

オ 小括
上記ア?エで検討したとおり、相違点1?3に係る構成のいずれも容易想到とすることはできないから、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件特許発明2?4について
本件特許発明2?4は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付すものであるから、本件特許発明2?4と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1?3で相違する。
そして、相違点1?3に係る構成のいずれも、甲1発明、甲3事項、甲第4?10号証記載の事項及び甲16?19事項のような周知技術Aから容易想到でないことは、上記(1)(1-2)のとおりである。
よって、本件特許発明2?4は、その詳細を検討するまでもなく、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 無効理由3について
(1)本件特許発明1について
(1-1)対比
本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、上記3(1)(1-1)のとおりである。

(1-2)判断
ア 相違点1について
(ア) 本件特許発明1は、上記1のとおり、棒状のハンドル本体に表面から内方に窪んだ凹部を形成し、該凹部をハンドルカバーによって覆うことで、ハンドルを上下又は左右に分割した場合に比べて、ハンドルの成形精度や強度を高く維持することができるとともに、ハンドルカバーによって凹部の内部を容易に密閉できるようにしたものであるところ、甲1発明は、ハンドルを上下に分割したものであり、本件特許の明細書の段落【0004】において、ハンドルの成形精度や強度が低下したり、密閉する作業に手間がかかるという問題点が指摘されているものである。
しかしながら、甲第1号証及び甲第11?14号証には上記問題点について何ら記載されていないから、甲1発明において、上記問題点に着目して相違点1に係る構成を採用すべき動機付けは存在しない。
また、甲1発明は、相違点1に係る構成を備えていなくとも、上下に分割された一対の外装カバー14,15とこの間に位置する芯材13とにより、太陽電池等の構成を内部に収容することができているのであるから、相違点1に係る構成を採用する必要性を見出すことができない。
(イ) 例えば甲11事項及び甲12事項のように、「ハンドルを備える器具において、ハンドル本体にハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設け、凹部に電池を収納し、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態でハンドル本体に取り付けられるハンドルカバーにより、凹部を覆い、ハンドル本体の表面及びハンドルカバーの表面によりハンドルの表面を構成すること」は、周知技術(以下、「周知技術B」という。)である。
そして、甲1発明と周知技術Bとは、ハンドル本体内に電池を収納する点で共通している。
しかしながら、周知技術Bは、電池を交換又は充電する際に電池をハンドル本体から取り出すことができるように、ハンドルカバーをハンドル本体に着脱可能に取り付けたものと考えられ、一方、甲1発明は、電池が太陽電池であることから、通常の使用ではハンドル本体から電池を取り出す必要がなく、また、甲第1号証には、太陽電池パネル24を着脱可能とする旨や太陽電池パネル24に換えて取り出し可能な乾電池や充電池等の電池を用いる旨の記載はない。さらに、美容器において乾電池や充電池を用いることを示す証拠もない。
そうすると、甲1発明において、太陽電池パネル24を収納する及び覆うために周知技術Bを適用すべき動機付けは存在しない。
上記(ア)及び(イ)より、甲1発明及び甲11?12事項のような周知技術Bから相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲第13?14号証記載には、ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設け、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態でハンドル本体に取り付けられるハンドルカバーにより該凹部を覆う構成が記載されておらず、いずれを参照しても、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。
さらに、甲第4?10号証記載の事項は、いずれも一対の分岐部をハンドル本体の長手方向の一端に一体的に形成する構成とする技術を、甲第16?19号証記載の事項は、いずれも太陽電池パネルとローラシャフトとを電気的に接続する技術を開示するにすぎないから、これらに基づき相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。

イ 相違点2について
上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。
したがって、相違点2に係る構成を容易想到とすることはできない。

ウ 相違点3について
(ア) 上記アのとおり、相違点1に係る構成を容易想到とすることはできないから、甲1発明において、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることは容易想到でない。そうすると、甲1発明において、軸孔を該凹部に連通する構成とすることも容易想到でない。
(イ) 仮に、甲1発明に甲11?12事項のような周知技術Bを適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることが容易想到であるとした場合について検討する。
甲1発明において表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とした場合に、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部に連通させることについては、甲第1号証、甲第11号証及び甲第12号証のいずれにも記載されておらず、甲11?12事項のような周知技術Bから相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、甲1発明及び周知技術Bに加え、例えば甲16?19事項のように、「支持軸のための軸孔を太陽電池パネル側の空間まで貫通状態とすること」が周知技術(周知技術A)であることも考慮して、甲1発明、周知技術B及び周知技術Aから相違点3に係る構成を想到し得たとしても、甲1発明に周知技術Bを適用して、表面から内方に窪んだ凹部があるハンドル本体を備える構成とすることを想到した上で、さらに、周知技術Aにおいて太陽電池パネル側の空間を表面から内方に窪んだ凹部に置き換えた技術を適用して、一対のローラ支持軸17が嵌入された空間を表面から内方に窪んだ凹部に連通させることを想到し、相違点3に係る構成に至ることとなる。このように、甲1発明に基づいて、2つの段階を経て相違点3に係る構成に至ることは、格別な努力が必要であり、当業者にとって容易であったということはできない。そうすると、甲1発明、甲11?12事項のような周知技術B及び甲16?19事項のような周知技術Aから相違点3に係る構成を容易想到とすることはできない。

エ 当事者の主張について
(ア) 甲1発明の認定については、上記3(1)(1-2)エ(ア)のとおりである。
(イ) 請求人は、「甲第11号証ないし甲第14号証に記載のように、ハンドル本体の内部に部材を有する器具において、ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設けて、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたカバーを設けることは、出願時において周知技術である。」(審判請求書第50ページ第16行?第51ページ第1行)と主張している。
そこで、甲第11?14号証に記載された事項についてさらに検討する。
a 甲第11号証に記載されたヘアブラシ装置1は、第2ケーシング6の内部に乾電池22又は充電池122を有しているものの、乾電池22又は充電池122の交換又は充電の際に、乾電池22又は充電池122を第2ケーシング6から取り出すことができるように、電池蓋11を第2ケーシング6に着脱可能に取り付けたものであると考えられ、乾電池22又は充電池122と電池蓋11とを技術思想としてを把握しようとする場合、乾電池22又は充電池122は、第2ケーシング6から取り出すことができるものであると把握するべきであって、請求人が認定する周知技術のように、単に「ハンドル本体の内部に部材を有する」とすることはできない。
b 甲第12号証に記載されたマルチ治療ブラシ10は、ハンドル部材12の内部にバッテリ20を有しているものの、バッテリ20は、図1の記載から、乾電池等の取り外し可能な電池であり、電池の交換等の際に、電池をハンドル部材12から取り出すことができるように、電池カバー16をハンドル部材12に着脱可能に取り付けたものであると考えられ、電池と電池カバー16とを技術思想としてを把握しようとする場合、電池は、ハンドル部材12から取り出すことができるものであると把握するべきであって、請求人が認定する周知技術のように、単に「ハンドル本体の内部に部材を有する」とすることはできない。
c 甲第13号証に記載された美顔器は、【内部機構を省略したB-B断面図】の記載から、ハンドルの内部には、内部機構が配置される空間が形成されていることは見て取れるが、甲第13号証には、ハンドルの内部や表面の具体的な構造については何ら説明がなく、該空間がハンドルの表面から内方に窪んだ凹部であるかどうかや、ハンドルカバーによりハンドルの表面から内方に窪んだ凹部を覆うものであるかどうかは、不明であるといわざるを得ない。
d 甲第14号証に記載された電子イオン歯ブラシは、本体ケース21の内部に電池等の部品が内蔵されており、また、外部電極12により本体ケース21に設けられた電極装着部23を覆ってはいるものの、電池等の部品が内蔵される空間は、筒状の本体ケース21の内部に形成されている一方、電極装着部23は、本体ケース21の表面に形成された浅い凹部であると認められ、電池等の部品が内蔵される空間と電極装着部23とが連通しているとは認められない。すなわち、外部電極12により電池等の部品が内蔵される凹部を覆うものであるとは認められない。
以上によれば、甲第11?14号証記載の事項から、「ハンドル本体の内部に部材を有する器具において、ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設けて、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたカバーを設けること」が周知技術であるということはできない。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(ウ) 請求人は、
「 甲第11号証ないし甲第14号証に記載のように、ハンドル本体の内部に部材を有する器具において、ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設けて、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたカバーを設けることは、出願時において周知技術である。
上記(4)ク(ア)「当業者による甲1発明の把握」で述べたとおり、甲1発明では、太陽電池パネル(24)からローラ(18)の導電部に接続するための配線等の部品が、ハンドル(12)の内部に設けられている。
したがって、ハンドル(12)の内部に設けられた部品を、ハンドル(12)の内部に収容するという目的が動機付けとなって、上記周知技術を、甲1発明に適用することは、当業者にとって、容易である。」(審判請求書第76ページ第17?26行(空行は含まない))と主張するので、仮に、請求人の主張するように「ハンドル本体の内部に部材を有する器具において、ハンドル本体の表面から内方に窪んだ凹部を設けて、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で上記凹部を覆うように上記ハンドル本体に取り付けられたカバーを設けること」が周知技術(以下、「周知技術C」という。)であるとした場合について検討する。
請求人の主張するように、甲1発明は、太陽電池パネル24からローラ18の導電部に接続するための配線等の部品がハンドル12の内部に設けられてはいるものの、芯材13と芯材13の外周に被覆され上下に分割された一対の外装カバー14,15とにより、該部品を内部に収容することができているのであるから、その構造を変更して、本件特許発明1の構成を採用する必要性を見出すことができない。
そうすると、甲1発明及び周知技術Cから相違点1に係る構成を容易想到とすることはできない。
また、相違点3について、上記ウ(イ)と同様に、甲1発明、周知技術C及び周知技術Aから相違点3に係る構成を想到し得たとしても、甲1発明に基づいて、2つの段階を経て相違点3に係る構成に至ることは、格別な努力が必要であり、当業者にとって容易想到ではない。
(エ) 相違点3について、上記3(1)(1-2)エ(イ)と同様に、甲1発明に周知技術B又は周知技術Cを適用してハンドル12に凹部を形成した場合であっても、ローラ支持軸17が嵌入された空間を該凹部まで貫通した孔でなければならないとまではいえない。

オ 小括
上記ア?エで検討したとおり、相違点1?3に係る構成のいずれも容易想到とすることはできないから、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第11?14号証に例示される周知技術、甲第4?10号証に例示される周知技術及び甲第16?19号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件特許発明2?4について
本件特許発明2?4は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付すものであるから、本件特許発明2?4と甲1発明とは、少なくとも上記相違点1?3で相違する。
そして、相違点1?3に係る構成のいずれも、甲1発明、甲11?12事項のような周知技術B、甲第13?14号証記載の事項、甲第4?10号証記載の事項及び甲16?19事項のような周知技術Aから容易想到でないことは、上記(1)(1-2)のとおりである。
よって、本件特許発明2?4は、その詳細を検討するまでもなく、甲第1号証に記載された発明、甲第11?14号証に例示される周知技術、甲第4?10号証に例示される周知技術、甲第16?19号証に例示される周知技術及び甲第15?17号証に例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、請求人の主張する無効理由1?3及び提出した証拠方法によっては、本件特許発明1?4に係る特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-09-27 
結審通知日 2018-10-01 
審決日 2018-10-19 
出願番号 特願2016-88002(P2016-88002)
審決分類 P 1 113・ 121- Y (A61H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 智弥  
特許庁審判長 長屋 陽二郎
特許庁審判官 瀬戸 康平
高木 彰
登録日 2017-04-07 
登録番号 特許第6121026号(P6121026)
発明の名称 美容器  
代理人 小林 徳夫  
代理人 ▲高▼山 嘉成  
代理人 冨宅 恵  
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