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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C04B
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C04B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C04B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C04B
管理番号 1354925
異議申立番号 異議2018-700317  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-17 
確定日 2019-07-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6219729号発明「マグネシアカーボンれんが」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6219729号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 特許第6219729号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6219729号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成26年1月15日(優先権主張 平成25年1月16日)の出願であって、平成29年10月6日にその特許権の設定登録がされ、平成29年10月25日に特許掲載公報が発行されたものである。その後、その請求項1?4に係る特許について、特許異議申立人品川リフラクトリーズ株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。その申立て後の手続の経緯は次のとおりである。

平成30年 4月17日付け 申立人による特許異議の申立て
6月12日付け 取消理由通知書
8月 2日付け 特許権者による訂正請求書及び意見書の 提出
9月27日付け 申立人による意見書の提出
10月19日付け 取消理由通知書(決定の予告)
12月21日付け 特許権者による訂正請求書及び意見書の 提出
平成31年 1月24日付け 申立人による意見書の提出
2月15日付け 取消理由通知書(決定の予告)
4月19日付け 特許権者による訂正請求書及び意見書の 提出

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
平成31年4月19日付け訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部が訂正箇所である。)。なお、本件訂正により平成30年12月21日付けの訂正の請求は取下げられたものとみなす。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」と記載されているのを、「マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、前記マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有し、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」と記載されているのを、「さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。」に訂正する。

(3)訂正事項3
明細書の段落【0011】に「(1)マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」と記載されているのを、「(1)マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、前記マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」に訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の【0011】に「(2)マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有し、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」と記載されているのを、「(2)さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する(1)に記載のマグネシアカーボンれんが。」に訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0038】に「実施例2は黒鉛13質量%に対し粒径が75μm以下の金属Alを1.9質量%添加し、添加黒鉛量に対する金属Al比率を14.6%とした結果、見かけ気孔率は低減、耐酸化性が向上する結果が得られた。」と記載されているのを、「参考例2は黒鉛13質量%に対し粒径が75μm以下の金属Alを1.9質量%添加し、添加黒鉛量に対する金属Al比率を14.6%とした結果、見かけ気孔率は低減、耐酸化性が向上する結果が得られた。」に訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0039】に「参考例3,実施例4は参考例1,実施例2をもとに、粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比を4.2以上の、5.38に調整を行い評価を行った結果である。見かけ気孔率、耐食性は実施例1,2のそれよりも向上する結果が得られた。」と記載されているのを、「参考例3,実施例4は参考例1,参考例2をもとに、粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比を4.2以上の、5.38に調整を行い評価を行った結果である。見かけ気孔率、耐食性は参考例1,2のそれよりも向上する結果が得られた。」に訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0044】の【表1】に「実施例2」と記載されているのを、「参考例2」に訂正する。

2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に、発明を特定するための事項として、「マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり」なる事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件特許の願書に添付された明細書の段落【0025】には、「マグネシア原料は粒度構成としては、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合させ、」との記載があり、また、願書に添付された明細書の段落【0044】の表1及び段落【0045】の表2に開示されている実施例は、全て、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の配合量が36質量%以上であるから、本件訂正は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものである。
また、本件訂正は、本件訂正前の請求項1に、発明を特定するための事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2における「さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。」との訂正は、実質的には、本件訂正前の請求項2に、発明を特定するための事項として、請求項1に記載された「さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し」なる事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、願書に添付された明細書の段落【0014】には、「一方、金属Siの添加も見かけ気孔率を低減するために有効であることが判明した。金属Siはその昇温過程でMgO-Cれんが内でSiC、続いてSiO_(2)を生成する。このSiO_(2)はMgOと反応し比較的融点の低いEnstatite,Forsteriteを生成するが、この反応過程の液相がMgO-Cれんがの微細気孔を埋め低気孔率化が図られる。さらに金属Alとの共存下では、さらに低融点であるCordieriteも生成し、より効率よく液相が気孔を埋める効果が発現される。」との記載があり、金属Siを金属Alと併用添加することが好ましいことが明示されているから、本件訂正は、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、本件訂正は、実質的には、訂正前の請求項2に、発明を特定するための事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

(3)訂正事項3?7について
訂正事項3?7は、訂正事項1及び2に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を整合させるための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付された明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)一群の請求項について
本件訂正前の請求項3及び4は訂正前の請求項1を引用するものであって、請求項1の記載を訂正する訂正事項1によって請求項3及び4も連動して訂正されるものである。
また、本件訂正前の請求項3及び4は訂正前の請求項2を引用するものでもあって、請求項2の記載を訂正する訂正事項2によって請求項3及び4も連動して訂正されるものである。
したがって、本件訂正前の請求項1?4は一群の請求項を構成するから、請求項1?4を対象とする訂正事項1及び2に係る訂正は、一群の請求項1?4について請求されたものである。また、訂正事項3?7に係る明細書の訂正は、この一群の請求項全てについて請求されたものである。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項?第6項までの規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1?4〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 訂正後の本件発明

上記「第2 訂正の適否についての判断」のとおり訂正することを認めたので、訂正後の請求項1?4に係る発明(以下、「本件発明1」?「本件発明4」といい、これらをまとめて「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(下線は訂正箇所を示す。)。

【請求項1】
マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、前記マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。
【請求項2】
さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。
【請求項3】
ピッチ系原料の含有量がマグネシア原料と黒鉛との合量に対して外掛けで1質量%未満である請求項1又は2に記載のマグネシアカーボンれんが。
【請求項4】
結合材として、残炭率が48%以上のフェノール樹脂を使用した請求項1乃至3のいずれかに記載のマグネシアカーボンれんが。

2 特許異議申立の概要
申立人は、甲第1?5号証を提示し、次の申立理由により、本件訂正前の請求項1?4に係る特許は取り消すべきものである旨主張している。

申立理由
(1)本件訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
(2)本件訂正前の請求項2に係る発明は、甲第3号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
(3)本件訂正前の請求項3に係る発明は、甲第1?第4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
(4)本件訂正前の請求項4に係る発明は、甲第1?第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

証拠方法
甲第1号証:特許第2676227号公報
甲第2号証:特開2010-105891号公報
甲第3号証:国際公開第2008/056655号
甲第4号証:特開平8-259312号公報
甲第5号証:特開平8-081256号公報

申立人は平成31年1月24日付け意見書とともに以下の参考文献を提出した。
参考文献1:特開2008-151425号公報

3 取消理由について
当審において通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。

取消理由1:平成30年8月2日付けの訂正後の請求項1?4に係る発明の課題は、「MgO-Cれんがの一層の緻密性向上(気孔率低減)を図り、今までになかった耐用性の高いMgO-Cれんがを提供すること」であって、その課題解決には、マグネシア原料中に、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合することが必須であると認められるところ、訂正前の請求項1?4に係る発明においてはマグネシア原料の粒度について何ら限定がないから、訂正前の請求項1?4に係る発明には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、発明の詳細な説明に記載された発明とはいえないから、訂正前の請求項1?4に係る発明に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。(平成30年10月19日付け取消理由通知書)

取消理由2:本件訂正前の請求項2及び4に係る発明は、甲第3号証に記載された発明であるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、また、本件訂正前の請求項4に係る発明は、甲第1号証、甲第3号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。(申立理由(2)、(4)に対応,平成30年6月12日付け取消理由通知書)

取消理由3:本件訂正前の請求項1、3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、また、本件訂正前の請求項4に係る発明は、甲第1号証、甲第3号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。(申立理由(1)、(3)、(4)に対応,平成30年6月12日付け取消理由通知書)

取消理由4:平成31年1月24日付けの訂正後の請求項1、2及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、参考文献1に記載された事項、及び、甲第4、5号証に記載される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。(平成31年2月15日付け取消理由通知書)

取消理由5:平成30年8月2日付けの訂正後の請求項1、2及び4に係る発明は、甲第2号証に記載された発明及び甲第1、2号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。(平成30年10月19日付け取消理由通知書)

4 当審の判断

4-1 取消理由1について
本件発明1は、訂正事項1により「マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上」であることが特定されたので、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないとはいえない。また、本件発明1を引用する本件発明2?4についても同様である。
したがって、本件発明1?4は、発明の詳細な説明に記載したものといえるから、取消理由1によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。

申立人は、平成31年1月24日付け意見書第3頁の「(3)-1 サポート要件」において、訂正に付随して生じた発明特定事項「マグネシア原料中に、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合し」について、当該発明特定事項には配合量の上限が定めされておらず、また、実施例では当該配合比率が最大で47質量%までのものしか示されていないこと、そして、れんがの緻密性が粒度構成に依存して変化することは当業者の広く知るところであるかから、本件の請求項1、2、4に特定された前記発明特定事項の全ての範囲においてまで、同等の緻密性が得られるとはいえない旨、主張する。
申立人の主張について検討するに、前記の取消理由1についての検討でも指摘したように、本件発明の課題は、「MgO-Cれんがの一層の緻密性向上(気孔率低減)を図り、今までになかった耐用性の高いMgO-Cれんがを提供すること」(本件特許明細書の【0010】参照。)と認められるところ、本件発明1では、訂正事項1により「マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上」であることが特定された。
そして、本件特許明細書の【0025】には、マグネシア原料の粒度分布について「マグネシア原料は粒度構成としては、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合させ、かつ0.075mm未満のマグネシア原料に対する0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比(0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量/0.075mm未満のマグネシア原料の質量)が4.2以上となるよう配合することが好ましい。こうすることで比較的大きな開放気孔を生成する1mm超のマグネシア原料は57質量%未満に抑制されることになる。粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合する理由は、これ未満の配合量では上述の機構による気孔率抑制効果が不十分なためである。また粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比を4.2以上とすることにより、粒径0.075mm未満の粒子が過多に配合されることを防ぎ、マトリックス中のマグネシア粒子間の距離が適度に保たれ充填性が確保され緻密性を向上させることができるとともに、耐スポール性も確保できる。」と記載されていることからして、当業者であれば、緻密性の向上という本件発明の課題解決のためには、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の配合量を35%以上とすることで1mm超のマグネシア原料の配合量を一定以下としつつ、粒径0.075mm未満のマグネシア原料の配合量も一定程度に抑制することが重要であることを理解できるものと認められる。
したがって、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の配合量に上限がないことにより、本件発明1、及び本件発明1を引用する本件発明2?4に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定するサポート要件を満たしていない特許出願に対してされたものとはいえない。
よって、申立人の主張は採用できない。

4-2 取消理由2について
本件発明2は、訂正事項2により請求項1に従属する形式となり、新たな発明特定事項が付加されたため、本取消理由は解消した。
したがって、取消理由2によっては、請求項2及び4に係る特許を取り消すことはできない。

4-3 取消理由3及び4について
ア 甲第1号証の記載
甲第1号証には、以下の記載がある。(なお、下線は強調のために当審で付与したものであり、「・・・」は記載の省略を表す。以下同様。)

(甲1a)「産業上の利用分野
この発明は、溶融金属容器の内張りや、各種のノズル,ストッパーなどを対象とした炭素含有耐火物に関するものである。」(第1欄第8?11行)

(甲1b)「炭素含有耐火物へ金属アルミニウム粉末を添加するのは、アルミニウム金属粉末の酸素親和力を利用して酸化生成物あるいは骨材との反応生成物を気孔中に生成させることによって緻密化を図り、酸化を抑制するためである。酸化生成物あるいは骨材との反応生成物が生成する際の体積膨張を有効に作用させるのである。」(第2欄第9?14行)

(甲1c)「この発明による炭素含有耐火物においては、平均粒径10μm以下の金属アルミニウム微粉末を耐火骨材と黒鉛の配合物に含有させる。
・・・(中略)・・・
また、金属アルミニウム微粉末の含有量は、耐火骨材と黒鉛との合量100重量部に対して0.1?3.0重量部とする。金属アルミニウム微粉末の添加量が3重量部を越えると、膨脹量が大きくなりすぎて、耐火物組織の緩みが生じやすくなる。また、金属アルミニウム微粉末の添加量が0.1重量部よりも少ないと、十分な耐酸化性と耐食性が得られなくなる。
また、好ましい金属アルミニウム微粉末の粒度は平均粒径が5?10μmである。金属アルミニウム微粉末を少量添加することによって高い耐酸化性を得るためには平均粒径を10μm以下にする必要がある。
耐火骨材はMgO,Al_(2)O_(3),ZrO_(2)等を主成分とする。」(第3欄第13?33行)

(甲1d)「実施例(1)?(5)
焼成マグネシアクリンカーと、鱗状黒鉛と、金属アルミニウム粉末をそれぞれ表1に示した割合で調合して、混練および成形を従来と同様の方法で行った。しかるのち、所定の寸法の小片(試料)にプレスで成形して、それらの成形体を180℃で乾燥した。同様に、参考例(1)?(3)と従来品(1)?(4)を製造した。」(第3欄第43行?第4欄第6行)

(甲1e)「

」(第5?6欄)

そして、上記(甲1e)において実施例1及び2として記載された炭素含有耐火物は、鱗状黒鉛15重量部と、平均粒径5μmの金属アルミニウム粉末を0.5重量部又は1重量部含むものであるから、これらの耐火物は、平均粒径5μmの金属アルミニウム粉末を、添加鱗状黒鉛量に対して3.3質量%又は6.7質量%含有するものということができる。

したがって、上記(甲1a)?(甲1e)の記載から、実施例の炭素含有耐火物として、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。

「焼成マグネシアクリンカーと鱗状黒鉛を含有する炭素含有耐火物において、焼成マグネシアクリンカーと鱗状黒鉛の合量に占める割合で、鱗状黒鉛を15質量%、焼成マグネシアクリンカーを85質量%含有し、さらに平均粒径5μmの金属アルミニウム粉末を添加鱗状黒鉛量に対し3.3質量%又は6.7質量%含有する、炭素含有耐火物。」

イ 参考文献1の記載事項
参考文献1には、以下の記載がある。

(参1a)「【請求項1】
溶融金属容器にライニングされたマグネシアカーボンれんがの補修方法であって、固定炭素量が13質量%以下(0を含まず)のマグネシアカーボンれんがに対して溶射を行うマグネシアカーボンれんがの補修方法。」

(参1b)「【請求項3】
マグネシアカーボンれんがが、粒径1mm超?5mmのマグネシアクリンカーが10?50質量%、粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーが10?70質量%、粒径75μm以下のマグネシアクリンカーが10質量%以下(0を含む)、粒径45?1000μmの鱗状黒鉛が1?10質量%、粒径45μm未満の鱗状黒鉛が3質量%以下(0を含む)、およびAlまたはAl合金がAl含有量として3質量%以下である耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し、成形後熱処理して得られたものである請求項1に記載のマグネシアカーボンれんがの補修方法。」

(参1c)「【0016】
本発明が解決しようとする課題は、低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがをライニングした溶融金属容器の寿命を向上させるために、低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがと溶射施工体との接着性を向上させるができる補修方法を提供することにある。」

(参1d)「【0025】
また、マグネシアカーボンれんがには黒鉛等の炭素質材料の酸化を防止するためにAl、Mg、Ca、Siまたはそれらを組み合わせた合金、SiC、B_(4)Cなどの炭化物、さらには硼化金属化合物の適用が可能である。」

(参1e)「【0027】
また、粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーは、溶射施工体との接着力の面から、耐火原料配合物に占める割合で10?70質量%含有させることが好ましく、より好ましくは20?60質量%含有させる。10質量%未満ではれんが組織が粗になり強度が不足することにより溶射施工体の接着力が低下する。70質量%を超えるとれんが中のマグネシア同士あるいは溶射施工体との焼結が過剰となることから、原れんが部との組織差が大きくなり、温度サイクルの過程において境界部に亀裂が発生し、溶射施工体が安定して接着しづらくなる。」

(参1f)「【0039】
実施例11?14は耐火原料配合物中における粒径75μm以下のマグネシアクリンカーの占める割合が溶射施工体との接着性に与える影響を調査したものである。粒径75μm以下のマグネシアクリンカーの占める割合が少ないほど溶射施工体との接着強度が高い傾向になっており、実施例11および実施例12は接着力、耐食性ともに実施例13および実施例14よりも優れる結果になっている。
【0040】
実施例15?18は耐火原料配合物中における粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーの占める割合が溶射施工体との接着性に与える影響を調査したものである。粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーの占める割合が5質量%と少ない実施例15および75質量%と多い実施例18は溶射施工体との接着強度がやや低くなっている。
【0041】
・・・
【表2】



ウ 甲第4号証の記載事項
甲第4号証には、以下の記載がある。

(甲4a)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、MgO-C質煉瓦の酸化を抑制する手段として、これまで酸化防止剤の添加に関する検討結果が種々報告されている。現在知られている酸化防止剤としては、Al,Si,Al-Mg合金,SiC,B_(4)C,Mg-B合金,CaB_(6),AlB_(12),Mg_(2)Si等がある。」

(甲4b)「【0022】図1及び図2から、ピッチ粉末の併用添加(複合添加)により煉瓦熱間強度の増大及び熱間での耐摩耗性の向上が認められるが、これは、添加したピッチ粉末が溶融し、炭化する過程で煉瓦組織中の微細な間隙に侵入してカ-ボンボンドを形成するためと考えられる。」

(甲4c)「【0024】このことから、微細な間隙へのピッチの侵入、充填は、ピッチに特有な挙動であることが理解でき、これは、微細な間隙が耐酸化性に優れるピッチで充填されることにより[図3(B)参照]、黒鉛粒子間のカ-ボンボンド部分の耐酸化性も向上すると推定される。これらの結果から、出鋼口スリ-ブ用MgO-C煉瓦にピッチ粉末を複合添加し、カ-ボンボンドの強化を図ることができることが理解できた。」

(甲4d)「【0033】また、本発明に係る低カ-ボン質MgO-C耐火物において、上記マグネシア原料及びカ-ボン原料の合計量に対し外割りでピッチ粉:0.3?5wt%を添加することを特徴とする。ピッチ粉が0.3wt%未満では、本発明で意図するカ-ボンボンドの強化をはかることができず、逆に5wt%を超えると耐火物全体の揮発分量が多くなり、製造時に亀裂が発生するので好ましくない。また、使用時における揮発分による亀裂発生を考慮すると、3wt%以下がより好ましい。」

エ 甲第5号証の記載事項
甲第5号証には、以下の記載がある。

(甲5a)「【0014】
【実施例】表1に示すような組成の炭素含有れんがを混練、プレス成形した後300℃で10時間熱処理した。比較例として同様に表2に示した配合のものも用意した。そのれんがについての各種試験結果も同じく表1および表2中に示す。なお、使用したフェノール樹脂は残炭率53%のものである。」

オ 対比・判断
(ア)本件発明1について
本件発明1と甲1発明を対比する。
甲1発明の「焼成マグネシアクリンカー」、「鱗状黒鉛」、「平均粒径5μmの金属アルミニウム粉末」は、それぞれ、本件発明1の「マグネシア原料」、「黒鉛」、「粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Al」に相当する。そして、甲1発明の「炭素含有耐火物」は、マグネシアを主な構成成分とするものであるから、本件発明1の「マグネシアカーボンれんが」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲1発明は「マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有する、マグネシアカーボンれんが。」である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)本件発明1は、「マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上で」あって、「1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下である」のに対し、甲1発明は、マグネシア原料(焼成マグネシアクリンカー)の粒度分布及び1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が明らかでない点。

相違点について検討する。
参考文献1(上記(参1b)、(参1e)及び(参1f)を参照)には、粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーが耐火原料配合物に占める割合で10?70質量%含有させることが好ましく、より好ましくは20?60質量%含有させることが記載され、前記(参1f)の【表2】には、耐火原料配合物中の粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーの割合を35%、65%(実施例17)、75%(実施例18)とした実施例や、粒径75μm以下のマグネシア原料に対する粒径75μm超?1000μmのマグネシア原料の質量比を4.2以上とした実施例も(実施例6?11、17、18)記載されているが、参考文献1記載の発明において、マグネシアクリンカーの粒度構成を上記のものとする主たる目的は、マグネシアカーボンれんがと溶射施工体との接着性の向上を図ることである。また、(参1f)から、粒径75μm以下のマグネシアクリンカーの占める割合が少ないほど、すなわち、粒径75μm以下のマグネシア原料に対する粒径75μm超?1000μmのマグネシア原料の質量比が高いことが好ましいことがうかがえるものの、その目的は、同様にマグネシアカーボンれんがと溶射施工体との接着性の向上を図ることであって、当業者といえども、参考文献1の記載に基づいて甲1発明のマグネシアクリンカーの粒度構成を調整したとしても、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率を7.8%以下まで低減し得ることは予測し得ない。
加えて、(参1a)、(参1b)、(参1c)から、参考文献1に記載されたマグネシアクリンカーの粒度構成は、固定炭素量が13質量%以下であって、鱗状黒鉛の含有量が1?10質量%であるような低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがに適したものであるということができ、一方、甲1発明は、炭素成分として鱗状黒鉛を15質量%含有するものであるから、参考文献1でいう低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがにはあたらないともいえる。
そうすると、甲1発明において、参考文献1の記載に基づき、マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上とし、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下のれんがとすることは、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
なお、甲第4号証及び甲第5号証には、マグネシア原料の粒度構成を前記相違点に係るものとすることについて何ら記載ないし示唆がない。
したがって、本件発明1は、甲1発明ではなく、また、甲1発明、並びに参考文献1に記載された事項、及び第4、5号証に記載される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(イ)本件発明2?4について
本件発明2?4は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、前記(ア)の本件発明1の検討を踏まえると、甲1発明ではなく、また、甲1発明、並びに参考文献1に記載された事項、及び第4、5号証に記載される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)のとおりであるから、本件発明1?4は、甲1発明ではなく、また、甲1発明、並びに参考文献1に記載された事項、及び第4、5号証に記載される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、取消理由3及び4によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。

4-4 取消理由5について
ア 甲第2号証の記載
甲第2号証には、以下の記載がある。

(甲2a)「【0001】
本発明は、高炉、混銑車、転炉、取鍋、溶融還元炉等の溶融金属容器の内張りや、高炉出銑口充填材、連続鋳造設備に具備されるノズル、浸漬ノズル、ロングノズル、スライディングノズル、ストッパー等、その他非鉄金属用溶解炉などに好適に使用される耐火物組成物に関するものである。」

(甲2b) 「【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より固定炭素量を増大させることができ、耐酸化性や耐スポーリング性、耐食性が良好な耐火物を得ることができる耐火物組成物を提供することを目的とするものである。」

(甲2c)「【0023】
本発明によれば、バインダー中の2-フルアルデヒドはフェノール樹脂とタールやピッチをそれぞれ溶解させる溶剤としても作用し、特にフェノール樹脂が20?60質量%、タールやピッチが15?40質量%、2-フルアルデヒドが20?50質量%の含有比率であることによって、これらを相溶性高く溶解させることができるものであり、成形性を高めることができるものである。またバインダー100質量部に対してホルムアルデヒドを生成する化合物の配合量が9.5質量部以上であることによって、この硬化剤として使用するホルムアルデヒドを生成する化合物によって、フェノール樹脂を硬化させる他に、2-フルアルデヒドをフェノール樹脂やタールあるいはピッチと十分に反応させて高分子化することができ、固定炭素量が高く耐食性や耐スポーリング性の良好な耐火物を得ることができるものである。」

(甲2d)「【0025】
本発明において耐火骨材としては、通常耐火物の原料として使用されている各種のものを用いることができるものであり、粗粒から微粉まで任意の耐火原料を粒度配合して使用することができる。例えば、電融マグネシア等の電融品、焼結マグネシア等の焼結品、天然マグネシア、ボーキサイト、アンダリュサイト、シリマナイト等の天然原料の他、仮焼アルミナ、シリカフラワー等の超微粉原料などを使用することができる。耐火骨材としてはさらに、Al,Mg,Ca,Siやこれらの合金の一種あるいは二種以上を配合して用いることもできる。さらに炭素質材料の酸化防止剤などとして各種の炭化物、硼化物、窒化物、例えばSiC,B_(4)C,BN,Si_(3)N_(4)等を用いることもできる。
【0026】
これらのなかでも本発明では、耐火物の少なくとも一部としてマグネシアを用いるものである。マグネシアは耐火物用に用いられる骨材のなかでは融点が高く、耐食性が優れているためである。またこのマグネシアとしては、MgO含有率85質量%以上のものを用いるのが好ましい。MgO含有率85質量%未満のマグネシアは、耐火度が低下するので好ましくない。
【0027】
また耐食性を向上させるために、溶融スラグとの濡れ性が悪い炭素質材料の粉末を耐火骨材として配合するものである。この炭素質材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、ピッチ、コークス、カーボンブラック、キッシュ黒鉛、メソフェースカーボン、木炭など任意の炭素質のものを用いることができるが、できるだけ高純度のものを用いるのが好ましい。」

(甲2e)「【0029】
これらの耐火骨材にバインダーを配合して混練することによって、耐火物組成物を得ることができるものであり、本発明ではバインダーとして、フェノール樹脂、タールやピッチ、2-フルアルデヒドの3成分を用い、さらに硬化剤、及び必要に応じて反応触媒を配合するものである。」

(甲2f)「【0054】
そして、耐火骨材として電融マグネシア(MgO含有率98.3質量%)80質量部、純度98%の天然黒鉛18質量部、Alの粉末2質量部を用い、これをミキサーに投入すると共に、さらに上記のノボラック型フェノール樹脂A、上記のピッチA、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを表1に示す配合で投入し、10分間混練した後、70?80℃で、これに2-フルアルデヒド(沸点161.7℃)を表1の配合で添加し、これらを20分間混練することによって、湿潤状態の混練物(坏土)を得た。この坏土に用いた配合でフェノール樹脂、ピッチ、ヘキサメチレンテトラミン、2-フルアルデヒドを混合したものについて、JIS K 6910(1999)に準拠して固定炭素量を測定し、表1に示した。」

(甲2g)「【0066】
また、上記の実施例1?9及び比較例1?7において、混練翌日に作製したれんがから試料を切り出し、耐スポーリングテストと耐酸化テストを行なった。・・・(中略)・・・
【0067】
さらに混練翌日に作製したれんがから50×50×50mmのテストピースを切り出し、コークスブリーズ中で1400℃、3時間還元焼成した後の気孔率を測定した。
【0068】
上記の実施例1?9及び比較例1?7の配合及び測定・テスト結果を表1及び表2に示す。
【0069】
【表1】



上記(甲2e)?(甲2g)によれば、甲第2号証に実施例9として開示されているれんがは、耐火骨材として電融マグネシア(MgO含有率98.3質量%)80質量部、純度98%の天然黒鉛18質量部及びAlの粉末2質量部を含有し、さらにバインダーとしてフェノール樹脂、ピッチ、2-フルアルデヒド、硬化剤及び反応触媒を含むものであり、1400℃、3時間還元焼成した後の気孔率が6.7%であり、また、フェノール樹脂、ピッチ、2-フルアルデヒド、硬化剤及び反応触媒を混合して測定した固定炭素量、すなわち、バインダーの固定炭素量が68.3%である。

上記(甲2a)?(甲2g)から、甲第2号証には以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認める。
「耐火骨材として電融マグネシア(MgO含有率98.3質量%)80質量部、純度98%の天然黒鉛18質量部及びAlの粉末2質量部を含有し、さらにバインダーとしてフェノール樹脂、ピッチ、2-フルアルデヒド、硬化剤及び反応触媒を含み、1400℃、3時間還元焼成した後の気孔率が6.7%であり、バインダーの固定炭素量が68.3%である、れんが。」

イ 甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、前記4-3のアで摘示したとおりの記載がある。

ウ 対比・判断
(ア)本件発明1について
本件発明1と甲2発明を対比する。
甲2発明の「Alの粉末」及び「気孔率」は、それぞれ、本件発明1の「金属Al」及び「見かけ気孔率」に相当する。また、甲2発明においては、MgO含有率98.3質量%の電融マグネシアを用いているところ、本件特許明細書の段落【0026】には、「より高い耐食性を得るためにはMgO純度が高いマグネシア骨材を使用したほうがよく、MgO純度は96%以上、さらに望ましくは98%以上である。」と記載されているから、甲2発明の「電融マグネシア(MgO含有率98.3質量%)」は、本件発明1の「マグネシア原料」に相当する。また、甲2発明においては、純度98%の天然黒鉛を用いているところ、本件特許明細書の段落【0027】には、「より高い耐食性を得るためにはC純度が高い黒鉛を使用したほうがよく、C純度は85%以上、さらに望ましくは98%以上である。」と記載されているから、甲2発明の「純度98%の天然黒鉛」は、本件発明1の「黒鉛」に相当する。そして、甲2発明の「れんが」は、マグネシア原料と黒鉛とを含有するものであるから、本件発明1の「マグネシアカーボンれんが」に相当する。
また、甲2発明におけるマグネシア原料の含有量は、マグネシア原料と黒鉛の合量に占める割合で約82質量%(80質量部/(80+18)質量部)であり、黒鉛の含有量は、約18質量%(18質量部/(80+18)質量部)であるから、甲2発明におけるマグネシア原料及び黒鉛の含有量は、本件発明1に規定された数値範囲内である。加えて、甲2発明における金属Alの含有量は、添加黒鉛量に対して約11質量%(2質量部/18質量部)であり、本件発明1に規定された数値範囲内である。
そうすると、本件発明1と甲2発明は、
「マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
本件発明1は、「マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上で」あるのに対し、甲2発明は、マグネシア原料(焼成マグネシアクリンカー)の粒度分布が明らかでない点。

(相違点2)
本件発明1においては、「粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Al」を用いるのに対し、甲2発明においてはAlの粉末を用いているものの、その粒度分布が不明である点。

まず、相違点1について検討する。
甲第1号証には、マグネシア原料の粒度構成を前記相違点に係るものとすることについて何ら記載ないし示唆がないから、甲2発明において、甲第1号証の記載に基づき、マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上とすることは、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
なお、参考文献1についても検討すると、参考文献1には、先に検討したとおり(前記(参1b)、(参1e)及び(参1f)を参照)、粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーが耐火原料配合物に占める割合で10?70質量%含有させることが好ましく、より好ましくは20?60質量%含有させることが記載され、前記(参1f)の【表2】には、耐火原料配合物中の粒径75μm超?1000μmのマグネシアクリンカーの割合を35%、65%(実施例17)、75%(実施例18)とした実施例や、粒径75μm以下のマグネシア原料に対する粒径75μm超?1000μmのマグネシア原料の質量比が4.2以上とした実施例も(実施例6?11、実施例17、18)記載されている。
しかし、(参1a)、(参1b)、(参1c)から、参考文献1に記載されたマグネシアクリンカーの粒度構成は、固定炭素量が13質量%以下であって、鱗状黒鉛の含有量が1?10質量%であるような低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがに適したものであるということができ、一方、甲2発明は、(参2b)の記載から、固定炭素量を増大させることで、耐酸化性や耐スポーリング性、耐食性が良好な耐火物を得ることを課題とするものであって、さらに、炭素成分として天然黒鉛だけでも18質量%含有するものであることから、甲2発明は参考文献1における低カーボンタイプのマグネシアカーボンれんがにあたらないことは明らかである。
そうすると、甲2発明において、参考文献1の記載に基づき、マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上とすることは、当業者が容易に想到し得たとはいえない。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、参考文献1の記載を考慮しても、本件発明1は、甲2発明、及び甲第1号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(イ)本件発明2?4について
本件発明2?4は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、前記(ア)の本件発明1の検討を踏まえると、参考文献1の記載を考慮しても、甲2発明、及び甲第1号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)のとおりであるから、本件発明1?4は、甲2発明、及び甲第1号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、取消理由5によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。

4-5 取消理由において採用しなかった申立理由について
申立人は、異議申立書において、本件訂正前の請求項1及び請求項2に係る発明と、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された発明とをそれぞれ対比し、両請求項に係る発明とも、マグネシアカーボンれんがの構成成分が一致するとしたうえで、相違点として「1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下」であることが甲第1及び第3号証に記載されていないことを挙げ、当該相違点にかかる見かけ気孔率を達成したマグネシアカーボンれんがは甲第2号証に記載されていることから、甲第1及び第3号証に記載された発明において、甲第2号証の記載に基づいて1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率を7.8%以下に調整することは、当業者が容易に想到し得る旨主張している。(申立理由(1)及び(2)に相当。)
しかし、前記4-3で検討したように、本件訂正によって本件発明1及び2に、マグネシア原料の粒度構成として「マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上」という発明特定事項が付加されたことで、甲1発明とは、前記の見かけ気孔率の点に加え、マグネシア原料の粒度構成が相違するものとなった。
また、甲第2及び第3号証について検討しても、マグネシア原料の粒度構成を前記発明特定事項のものとすることについては記載も示唆もされていない。
そうすると、本件発明1及び2は、甲第1?第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、申立人の申立理由(1)及び(2)は理由がない。

第4 むすび
したがって、前記取消理由並びに特許異議の申立の理由及び証拠によっては、請求項1ないし4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
マグネシアカーボンれんが
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属の運搬、貯蔵、精製などを行う窯炉全般の内張り材に好適に使用されるマグネシアカーボンれんがに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネシアカーボンれんが(以下「MgO-Cれんが」という。)はマグネシアと黒鉛を主骨材として構成される耐食性、耐スポール性に優れたれんがであり、転炉をはじめとする窯炉全般の内張り材として汎く用いられている。
【0003】
近年の精錬容器の操業過酷化に伴い、より耐用性に優れるMgO-Cれんがが求められるようになった。このMgO-Cれんがの耐用性を示す指標として耐酸化性や耐食性が挙げられる。これらの特性を向上させるためにはMgO-Cれんがを緻密化し、外気との通気性を低くすること、スラグや溶鉄の浸透を抑制することが有効である。これまでも、MgO-Cれんが組織の緻密化のため、配合内容の改良、大容量真空成形機の導入などにより大幅な低気孔率化が図られ、同時に耐用性も向上することが確認され、炉材原単位の削減へ大きく貢献してきた。
【0004】
一方、MgO-Cれんがについて評価技術も進展がみられ、過去には専ら乾燥後の特性が評価されていたのに対し、最近ではMgO-Cれんがを予め還元焼成し、その特性が評価されるようになった。これによると見かけ気孔率は乾燥後で3%以下であっても、1400℃で3時間還元焼成後では10%あるいはこれ以上に達することがあり、使用後れんがのそれにより近い値が得られる。つまり、試料を予め還元焼成したほうが実使用時の試料により近い状態を表すことができ、材料の改善指標として有効と判断される。
【0005】
また、MgO-Cれんがの緻密性向上等を目的としてAl、Siなどの金属を添加することも定常的に行われるようになり、その添加量、形状、粒度について種々検討されてきた。例えば特許文献1では粒径0.1mm以下のアトマイズ型金属Al粉を1?8重量%添加したMgO-Cれんがが耐用性改善に有効であることが示されている。ここでアトマイズ粉を使う理由としては、比表面積が小さいため反応が抑制され持続されやすいことが挙げられているが、このとき受熱による組織形成は遅くなることが考えられる。さらに、その添加量は炭化アルミニウムの生成に消費されてもなお酸化防止に必要な金属Alが残存するよう比較的多量に添加することが望ましいとされているが、昇温にともなって最終的に生成されるスピネルによりMgO-Cれんがは膨張し、例えば残存膨張の増大により緻密性は損なわれてしまうおそれがある。
【0006】
一方、特許文献2には微量の金属Siを金属Alと併用添加することにより耐酸化性、熱間強度の改善効果があることが示されている。ただし、ここではれんがの緻密性すなわち見かけ気孔率に関しての効能は明確にされておらず、金属Alの添加量も比較的多いほうが望ましいとされており、前述のような緻密性の低下が懸念される。
【0007】
特許文献3には金属Alと金属Siを併用添加し、高熱間強度で耐食性に優れたMgO-Cれんがが開示されており、このなかには後述する本発明と同様に金属Al、Siの添加量が比較的少ないものも含まれている。しかし、これらの粒度は150μm以下と比較的粗粒なものが使用されており、1200℃還元焼成後の気孔率はいずれも9%を下回ることができておらず、緻密化が不十分である。
【0008】
マグネシア原料の粒度構成もMgO-Cれんがの緻密化に影響を及ぼすことが知られており、例えば特許文献4では1?0.2mmの範囲の中間粒を30?45重量%、0.2mm以下の微粒を15?25重量%とすることで耐酸化性、耐食性、熱間強度の向上が可能な緻密質MgO-Cれんがが提案されている。中間粒を増量することにより緻密化が図られることは本発明とも趣旨を同じくするところであるが、この際に微粉の量をある程度少量に限定しないと充填性を損なうため緻密性が向上せず、さらに耐スポール性の劣化を伴うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001-72474号公報
【特許文献2】特開昭56-59669号公報
【特許文献3】特開昭56-59668号公報
【特許文献4】特開平1-270564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、MgO-Cれんがの一層の緻密性向上(気孔率低減)を図り、今までになかった耐用性の高いMgO-Cれんがを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は添加金属の種類、添加量、粒度を最適化することによりMgO-Cれんがの一層の気孔率低減を図り、今までになかった耐用性の高いMgO-Cれんがの提供を可能にしたものである。すなわち、本発明によれば以下のMgO-Cれんがが提供される。
(1)マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、前記マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。
(2)さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する(1)に記載のマグネシアカーボンれんが。
(3)ピッチ系原料の含有量がマグネシア原料と黒鉛との合量に対して外掛けで1質量%未満である(1)又は(2)に記載のマグネシアカーボンれんが。
(4)結合材として、残炭率が48%以上のフェノール樹脂を使用した(1)乃至(3)のいずれかに記載のマグネシアカーボンれんが。
【0012】
従来においてもMgO-Cれんがを還元焼成して見かけ気孔率を測定した例は散見されるが、それらは殆どが焼成温度は1200℃以下であり、1400℃という高熱負荷下において7.8%以下の低気孔率を達成した例はない。本発明者らは、高熱負荷後のMgO-Cれんがの見かけ気孔率を7.8%以下へとさらに低くさせることによって、従来にない耐食性や耐酸化性を向上させることが可能であるという知見を得た。このことは以下の手法、効果によって達成されたものである。
【0013】
MgO-Cれんがへの金属Alの添加は公知であるが、その添加方法は弾性率上昇、耐スポール性劣化が許される範囲で可能な限り多量に添加し、耐酸化性、熱間強度向上の効果を得ようと考えられてきた。しかし今回、本発明者らは金属Alを多量に添加するとその昇温過程で生成されるアルミナ、スピネルは体積膨張を伴うため微細組織中に気孔を生じ、さらに残存膨張率の上昇により組織の緻密性を低下させる場合があることを知見した。金属Alの添加を比較的少量に留めると耐酸化性の低下が懸念されるが、MgO-Cれんがの緻密性を確保することにより通気率を低減できるため耐酸化性は維持される。またその粒度も小さいほうが見かけ気孔率を低減するためには好ましい。これは金属Alが昇温過程で溶融、揮発して生じる気孔径を小さくでき、開放気孔化する確率が小さくなるためである。さらにこのことはMgO-Cれんがの組織を早期に形成するためにも有効と考えられる。
【0014】
一方、金属Siの添加も見かけ気孔率を低減するために有効であることが判明した。金属Siはその昇温過程でMgO-Cれんが内でSiC、続いてSiO_(2)を生成する。このSiO_(2)はMgOと反応し比較的融点の低いEnstatite,Forsteriteを生成するが、この反応過程の液相がMgO-Cれんがの微細気孔を埋め低気孔率化が図られる。さらに金属Alとの共存下では、さらに低融点であるCordieriteも生成し、より効率よく液相が気孔を埋める効果が発現される。また金属Siの粒度も小さいほうが低気孔率化には有効であり、これは金属Alの場合と同様に昇温過程で溶融、揮発して生じる気孔径を小さくでき開放気孔化する確率が小さくなるためである。
【0015】
MgO-Cれんがの結合材としては一般的にフェノール樹脂が使用されるが、その残炭率は高いほうが望ましい。これは加熱過程において溶剤の揮発、重縮合反応に伴う揮発分を少なくできるためであり、さらにそれらが揮発する際の系外へのいわゆる抜け道が開放気孔化を助長するためである。
【0016】
MgO-Cれんがの耐スポール性を補償するためピッチ系原料の添加が汎く実施されるようになった。このピッチ系原料は種々の軟化点、残炭率のものが市販されているが、いずれのピッチ系原料を添加しても揮発分を含有するため気孔率を上昇させてしまう傾向がある。またその添加量が多くなるとれんがの充填性を低下させ、かつ成形時のスプリングバックが増大し緻密性を低下させてしまう傾向がある。この点からピッチ系原料の含有量は、マグネシア原料と黒鉛との合量に対して外掛けで1質量%未満であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0017】
マグネシア原料の粒度構成はMgO-Cれんがの緻密性に影響する。マグネシア原料は加熱、冷却の過程で膨張、収縮するが、周囲の黒鉛よりも膨張率が大きいため収縮する際にその周囲に空隙が生成する。1mm超の粗粒の周囲には比較的大きな空隙が生成し容易に開放気孔化してしまうため見かけ気孔率の上昇が大きい。このような理由から1mm以下の粒子を多く配合することで見かけ気孔率は低減される。さらに75μm未満の微粉は、その配合量をある程度抑制しマグネシア粒子間の距離を保ち互いに衝突しないようにすることで充填性が確保され、緻密性が向上する。また75μm未満の微粉の配合量を抑制することは耐スポール性の確保にもつながる。
【0018】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0019】
MgO-Cれんがの見かけ気孔率を評価するときの焼成温度は1400℃とした。これ未満の温度ではMgO-Cれんが内部での反応が完了しきれず、熱負荷も充分でないため緻密性の評価として適当ではない。またこれを超える温度では焼結が進行してこの効果を分離して評価することが困難になるうえ、焼成する炉への負荷が大きく定常的な測定評価として好ましくなくなる。焼成時間は試料が1400℃に晒される時間として3時間とした。3時間未満ではMgO-Cれんが内部での反応が完了しきれず適当ではない。さらにこれよりも長時間の焼成では焼結が進行してこの効果を分離して評価することが困難になる。本発明は、1400℃で3時間還元雰囲気で焼成した後の試料を、媒液を白灯油としたアルキメデス法(JIS R 2205)により測定された見かけ気孔率を7.8%以下に抑制することを特徴とする。
【0020】
金属の添加量は添加黒鉛量との比率で規定した。酸化防止材としての金属の必要添加量は酸化消失する黒鉛の量に応じて決定するのが妥当であるからである。
【0021】
金属Alの添加量は添加黒鉛量に対して15質量%以下が適当であり、さらには10質量%以下であることが望ましい。このように金属Alの添加量を比較的少量に留めることにより、膨張性を抑制し、金属Alが揮発して生じる気孔を少なくでき、結果としてMgO-Cれんがは緻密化される。1質量%以上添加する理由は、これ未満の添加量では耐酸化性が不十分であるためであり、さらに望ましい添加割合は3質量%以上である。この効果は粒径75μm以下の細かい金属Alを使用することで一層の効果が発現される。具体的には、粒度構成として粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを使用することが望ましく、粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを使用することがさらに望ましい。
【0022】
金属Siの添加量は添加黒鉛量に対して5質量%以下と極微量で充分であり、粒径75μm以下の細かい金属Si、具体的には粒度構成として粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを使用することで一層の効果が発現される。これ以上の過多な添加はMgO-Cれんが内での低融物生成量を増大させ、耐食性低下の原因となり耐用性を低下させる。金属Siの添加量の下限は特に限定されないが、金属Siの効果を顕著に発現させるには添加黒鉛量に対して1質量%以上であることが望ましい。
【0023】
結合材として使用するフェノール樹脂はノボラック型、レゾール型、及びこの混合型のいずれでもよいが、MgO-Cれんがにおいては経時変化をおこし難いノボラック型がより好ましい。粉末、または適当な溶剤に溶かした液状、さらに液状と粉末の併用のいずれも使用でき、通常はヘキサメチレンテトラミンなどの硬化材を適量添加して残炭率を確保する。その残炭率は34%以上であることが望ましく、さらに望ましくは48%以上であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。通常市販されている耐火物用のフェノール樹脂でこのような高残炭樹脂はあまり知られていないが、例えば特開2010-105891号公報に開示されているようにピッチを相溶させたり溶媒種、量を調整することにより50%以上の残炭率を達成することも可能である。
【0024】
ピッチ系原料は軟化点、残炭率のいずれのものも使用可能であり、必要により複数種を併用添加してもよい。さらに国際公開第2007/011038号に開示されているように分散性を高めて添加することにより他特性の劣化を抑制したうえで一層の耐スポール性改善効果が得られる。ただし前述のような理由から、その添加量はマグネシア原料と黒鉛との合量に対して外掛けで、1.0質量%未満に留めることが望ましく、さらに望ましくは0.6質量%未満である。
【0025】
マグネシア原料は粒度構成としては、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合させ、かつ0.075mm未満のマグネシア原料に対する0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比(0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量/0.075mm未満のマグネシア原料の質量)が4.2以上となるよう配合することが好ましい。こうすることで比較的大きな開放気孔を生成する1mm超のマグネシア原料は57質量%未満に抑制されることになる。粒径0.075mm以上1mm以下のものを35質量%以上配合する理由は、これ未満の配合量では上述の機構による気孔率抑制効果が不十分なためである。また粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比を4.2以上とすることにより、粒径0.075mm未満の粒子が過多に配合されることを防ぎ、マトリックス中のマグネシア粒子間の距離が適度に保たれ充填性が確保され緻密性を向上させることができるとともに、耐スポール性も確保できる。
【0026】
本発明により製造されるMgO-Cれんがにおいて使用されるマグネシア原料は電融マグネシア、焼結マグネシアのいずれもよく、これらを混合して使用してもよい。その組成も特に規定されるものではないが、より高い耐食性を得るためにはMgO純度が高いマグネシア骨材を使用したほうがよく、MgO純度は96%以上、さらに望ましくは98%以上である。
【0027】
黒鉛は通常の鱗状黒鉛が使用されるが、これに換えてまたはこれと併用して膨張黒鉛、人造黒鉛、キッシュグラファイトなどを使用してもよい。その組成は特に規定されるものではないが、より高い耐食性を得るためにはC純度が高い黒鉛を使用したほうがよく、C純度は85%以上、さらに望ましくは98%以上である。粒度は極端に細粒なものでは緻密性の維持が難しいため、粒径0.04mm以上の、さらに望ましくは粒径0.15mm以上の黒鉛をその配合量の40質量%以上使用したほうがよい。
【0028】
さらに諸特性改善を目的として、Mg、Ca、Cr、Zrなど他の金属、及びこれら元素の2種以上の合金、これらとB、Cとの化合物を添加することが可能である。本発明はこれらの添加効果を損なうものではないが、これらも過多に添加すると緻密性が低下するなどの弊害があるため、その添加量は金属Alと同様に添加黒鉛量に対して15質量%以下とすることが望ましい。
【0029】
この他、主に耐スポール性を補償するために単球型及び/又はアグリゲート型カーボンブラック、及びこれらの分散、解砕処理粉などを使用することができる。しかしこれらも過多に添加すると緻密性を低下させるため、その添加量はC成分の合計で1.5質量%以下が望ましい。
【0030】
これらのMgO-Cれんがの製造にあたっては、混練機、成形機、乾燥機の種類やその製造内容を限定するものではない。ただし緻密なMgO-Cれんがを得るために、混練については添加する原料が十分に分散かつ練り込みを行うことが可能な混練機を用いて混練を行うことが望ましい。成形圧力は120MPa程度以上、さらには150MPa以上にて成形されることが望ましい。乾燥温度は結合材の溶媒の沸点以上必要だが400℃以下に留めたほうが酸化防止の点で好ましい。
【発明の効果】
【0031】
こうして得られた緻密な、つまり低気孔率なMgO-Cれんがは耐食性が極めて良好である。また通気率も大幅に低減されることから金属添加量が少ないにも関わらず耐酸化性が劣ることはない。マグネシア原料の粒度構成も微粉の配合量を抑制し耐スポール性に配慮して設計されているため、稼動中に割れる心配がない点は特筆される。
【0032】
このような本発明のMgO-Cれんがは転炉の全部位、鋼鍋スラグライン部、二次精錬容器に好適に適用され、炉寿命向上、炉材原単位低減に大きく貢献できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
試料作製は転炉用製品製造ラインを用いた。表1、2に記載の割合にて原料秤量を行い、混練はハイスピードミキサーを使用し、成形は長さ810mmの側壁用標準形状において真空フリクションにより最高180MPaの成形圧力で成形した。乾燥はバッチ炉において最高280℃で5時間保持した。
【0035】
これから物性測定用試料を切り出して試験を行った。見かけ気孔率の測定においては形状60×60×60mmの試料をコークスブリーズ中に埋め、電気炉において1400℃まで昇温し、3時間保持して自然放冷した。この後溶媒を白灯油とし、JIS R 2205に準拠して見かけ気孔率を測定した。耐酸化性の評価は乾燥後試料からφ50×50mmに切り出し、大気雰囲気下で電気炉中1400℃で5時間焼成した。この後試料の高さ方向の中央を切断し、炭素成分が脱炭して変色した部分の厚さを4方向計測してこの値の平均値を脱炭層厚さとした。耐食性は、回転侵食試験にて評価した。回転侵食試験では、水平の回転軸を有するドラムの内面に供試れんがでライニングし、スラグを投入、加熱してれんが表面を侵食させた。熱源は酸素-プロパンとしたバーナーで、試験温度は1700℃、スラグ組成はCaO/SiO_(2)=3.4、FeO=20%、MgO=3%とし、スラグの排出、投入を30分毎に10回繰り返した。試験終了後、各れんがの最大溶損部の寸法を測定し、これから耐食性指数を算出した。この耐食性指数は数値が大きいものほど耐食性が優れることを示す。
【0036】
表1は、添加黒鉛量(マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で示す。以下同じ。)に対する金属Alの添加量の影響を調査した結果である。耐食性指数は、表1に記載の「比較例1」の侵食量を100とする耐食性指数で表示した。
【0037】
参考例1は黒鉛13質量%に対し粒径が75μm以下の金属Alを0.13質量%添加し、添加黒鉛量に対する金属Al比率を1.0%とした結果、見かけ気孔率7.8%が達成され耐酸化性、耐食性ともに優れる結果となった。これに対し比較例1は金属Alの添加量が少ない即ち添加黒鉛量に対する金属Alの比率が少ないため、見かけ気孔率が上昇し、耐酸化性、耐食性も劣る結果となった。
【0038】
参考例2は黒鉛13質量%に対し粒径が75μm以下の金属Alを1.9質量%添加し、添加黒鉛量に対する金属Al比率を14.6%とした結果、見かけ気孔率は低減、耐酸化性が向上する結果が得られた。これに対し比較例2は添加黒鉛量に対する金属Alの添加量が過多であるため耐酸化性は若干向上するものの見かけ気孔率は上昇した。
【0039】
参考例3,実施例4は参考例1,参考例2をもとに、粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比を4.2以上の、5.38に調整を行い評価を行った結果である。見かけ気孔率、耐食性は参考例1,2のそれよりも向上する結果が得られた。
【0040】
表2と3は、さらに添加する金属の種類と添加量、黒鉛の添加量、フェノール樹脂の残炭率の影響を調査した結果である。耐食性指数は表3に記載の「比較例3」の侵食量を100とする耐食性指数で示した。比較例3、4は添加黒鉛量に対する金属Al比率を各々0.9%、15.4%とした結果である。表1に記載の比較例1,2と同様、見かけ気孔率は大きく、耐食性に劣る結果となった。実施例5は金属Al添加量を1質量%にし添加黒鉛量に対する金属Al比率を7.7%とした結果、一層の見かけ気孔率低減と耐食性の向上が図られた。これに対し比較例5は金属Alを1%即ち添加黒鉛量に対する金属Al比率を7.7%としても0.15mm以下の比較的粗粒の金属Al(粒径75μm以下の含有量は10質量%)を添加した結果、十分な気孔率低減効果が得られず、耐酸化性、耐食性も劣る結果となった。
【0041】
実施例6,7,8は金属Siを併用し、さらに金属Al、Siを細粒化することにより低気孔率化が図られたものである。実施例9は実施例8にB_(4)Cを0.1質量%添加し、さらに特性改善効果が確認されたものである。実施例10,11,12,13は黒鉛をそれぞれ3,8,18,25質量%配合したMgO-Cれんがである。いずれも低見かけ気孔率であり耐酸化性、耐食性ともに良好な特性が確認された。これに対し比較例6は添加黒鉛量を2質量%としたMgO-Cれんがであるが、見かけ気孔率は増大し、それに伴い耐酸化性、耐食性ともに低下した。この場合、充填性が低下することに起因すると考えられる。また比較例7の添加黒鉛量26質量%においても、見かけ気孔率が大きく、耐食性も低下することが確認された。
【0042】
実施例14,15,16は残炭率が48%、52%のフェノール樹脂を結合材として使用したMgO-Cれんがである。いずれも実施例9,11の残炭率が42%のそれを使用した場合と比較して特性が改善される。実施例17は実施例15に対しピッチの添加量を0.9質量%と増量したものであり、この場合、若干気孔率が上昇し耐食性は低下するが、十分な改善効果が得られている。実施例18,19は実施例15に対しピッチの添加量を0.2質量%、0質量%と減量したものであり、一層の気孔率低減、耐食性向上効果が得られていることが確認できる。実施例20,21は粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.22及び11.00であるMgO-Cれんがであるが、低気孔率であり、耐酸化性、耐食性ともに優れた特性が達成されている。これに対し比較例8はこの質量比が3.90の場合だが、実施例20と比べて見かけ気孔率が大きく耐食性も大幅に劣化している。比較例9では粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が全体のマグネシア原料の35質量%未満しか配合されず粒径1mm超の粒子の配合量が過多となり、見かけ気孔率が大きく耐食性も大きく劣る結果となった。
【0043】
実施例22は残炭率が30%のフェノール樹脂を結合材として使用したMgO-Cれんが、実施例23はピッチ系原料の含有量が2質量%の例であるが、本発明の範囲内であり緻密な組織となっている。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシア原料と黒鉛とを含有するマグネシアカーボンれんがにおいて、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、黒鉛を3質量%以上25質量%以下、マグネシア原料を75質量%以上97質量%以下含有し、さらに粒径45μm以下の含有量が85質量%以上の金属Alを添加黒鉛量に対して3質量%以上15質量%以下含有し、前記マグネシア原料の粒度構成として、マグネシア原料と黒鉛との合量に占める割合で、粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料が36質量%以上配合され、かつ粒径0.075mm未満のマグネシア原料に対する粒径0.075mm以上1mm以下のマグネシア原料の質量比が4.2以上であり、1400℃で3時間還元焼成後の見かけ気孔率が7.8%以下であるマグネシアカーボンれんが。
【請求項2】
さらに粒径75μm以下の含有量が85質量%以上の金属Siを添加黒鉛量に対して5質量%以下含有する請求項1に記載のマグネシアカーボンれんが。
【請求項3】
ピッチ系原料の含有量がマグネシア原料と黒鉛との合量に対して外掛けで1質量%未満である請求項1又は2に記載のマグネシアカーボンれんが。
【請求項4】
結合材として、残炭率が48%以上のフェノール樹脂を使用した請求項1乃至3のいずれかに記載のマグネシアカーボンれんが。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-07-12 
出願番号 特願2014-5237(P2014-5237)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C04B)
P 1 651・ 851- YAA (C04B)
P 1 651・ 121- YAA (C04B)
P 1 651・ 537- YAA (C04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 貴之増山 淳子末松 佳記  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 櫛引 明佳
宮澤 尚之
登録日 2017-10-06 
登録番号 特許第6219729号(P6219729)
権利者 黒崎播磨株式会社
発明の名称 マグネシアカーボンれんが  
代理人 特許業務法人英和特許事務所  
代理人 福井 豊明  
代理人 特許業務法人英和特許事務所  
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