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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02K 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H02K |
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管理番号 | 1356635 |
審判番号 | 不服2018-588 |
総通号数 | 240 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-01-17 |
確定日 | 2019-11-06 |
事件の表示 | 特願2016-540806「両極平衡を用いた時間差発電機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月12日国際公開、WO2015/034255、平成28年 9月29日国内公表、特表2016-530868〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、2014年9月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年9月5日:韓国)を国際出願日とするものであって、平成29年9月22日付で拒絶査定がなされ(発送日:平成29年9月26日)、これに対し、平成30年1月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ、当審により平成30年11月21日付で拒絶の理由が通知され(発送日:平成30年11月27日)、これに対し、平成31年3月27日付で意見書及び手続補正書が提出されたものである。 2.特許請求の範囲 平成31年3月27日付の手続補正で特許請求の範囲は以下のように補正された。 「【請求項1】 中心点に回転軸通過孔が形成され、所定の直径を有する円周に沿って定められた間隔を置いて複数のフェライトコア固定孔が形成された構成を持ち、垂直方向に平行な状態を維持するように固定及び間隔保持手段を介して相互に一体に結合された一対の固定板と; 棒形状を有し、前記フェライトコア固定孔にそれぞれ両端部が挟まれる形態で一対の固定板の間に固定設置されて、固定板の外側に露出されている両端部によりそれぞれ永久磁石が通過する瞬間に永久磁石から発生する磁場が閉回路をなすようにする複数のフェライトコアと; 前記フェライトコアの外周面にそれぞれ定められた回転数だけ巻かれた形態を持ち、それぞれのフェライトコアを介して永久磁石の磁場が通過する時に発生する誘導起電力または誘導電流をそれぞれ誘起させて、電力制御部に伝達する複数の巻線コイルと; 前記一対の固定板の外側にそれぞれ近接されるように配置された状態で固定板の中心点に形成された回転軸通過孔を貫通する形態で設置されている回転軸の両端部にそれぞれ固定されて回転力発生手段の軸に接続された回転軸の回転数に対応して回転軸と一緒に回転する一対の回転子用回転板と; 前記回転子用回転板の内側で、S極とN極が互いに反対方向を持つように向き合う形態を持ち、決められた間隔と配列で固定設置されて、前記複数のフェライトコアに磁界を提供する複数の永久磁石と;を含んで構成され、 前記永久磁石は、前記回転子用回転板の回転に応じて回転され、フェライトコアの両端部に近接する瞬間、一度に一対以上のフェライトコアと近接するように回転子用回転板の中心点から見るとき、"I"字、"Y"字または"+"字型を持つように配置し、 前記回転子用回転板は、I"字、"Y"字、及び"+"字状の中いずれか一つにし、前記回転子用回転板の各周縁部に前記永久磁石を配置する ことを特徴とする両極平衡を用いた時間差発電機。 【請求項2】 前記一対の固定板には、互いに異なる直径を有する複数の円周に沿って一定の間隔を置いて複数のフェライトコア固定孔を多段的にさらに形成し、外面に巻線コイルが巻かれた形態を有するフェライトコアをそれぞれ設置し、 前記回転子用回転板の内側には、前記一対の固定板で互いに異なる直径を有する複数の円周に沿って一定の間隔を置いて多段に形成された複数のフェライトコア固定孔にそれぞれ固定設置されたフェライトコアの設置位置に対応して、互いに異なる直径を有する複数の円周に沿って一定の間隔を置いて複数の永久磁石を多段的にさらに設置した 請求項1に記載の両極平衡を用いた時間差発電機。 【請求項3】 前記一対の固定板で互いに異なる直径を有する複数の円周に沿って一定の間隔を置いて多段に形成される複数のフェライトコア固定孔及びこれに固定設置されているフェライトコアは、前記固定板の中心点からそれぞれ定められた角度を持ちながら放射状に成形及び設置された 請求項2に記載の両極平衡を用いた時間差発電機。 【請求項4】 前記一対の固定板のいずれか一側または両側固定板には、それぞれのフェライトコアに巻き取られた巻線コイルの両端部と各巻線コイルが接続されている電力制御部の入力端子とを固定設置できるようにする複数の端子を備えた端子板をさらに具備した 請求項1に記載の両極平衡を用いた時間差発電機。 【請求項5】 前記固定及び間隔保持手段は、 所定の直径及び長さを有する円棒形状に成形されて、一対の固定板の間に設置されている複数のサポーターと; 前記一対の固定板とサポーターとをそれぞれ貫通するように設置された状態で相互に締結される複数のボルト及びナットと;で構成した 請求項1に記載の両極平衡を用いた時間差発電機。」 3.拒絶の理由 平成30年11月21日付の当審の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。 「この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号及び第6項第1号、第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (1)明細書【0050】に「また、一対の回転子用回転板5は、絶縁性を有する合成樹脂材を用いて図3の(a)-(d)に示すように、所定の厚さと体積を有する円形板状または"Y"字または"I"字または“+”字状中のいずれか一形状を持つように成形したものであり」とある。図2の様に発電機の永久磁石、フェライトコア3等を配置した場合、左側回転板の上側N極から出た磁束は、対向するフェライトコア3を通り、右側回転板の上側S極に入った後、右側回転板の上側N極から出て、左側回転板の上側S極に戻らなければ、磁束のループを作れず、発電をすることができない(ガウスの法則:divB=0 磁気単極子は存在せず、磁気双極子として存在する。磁力線は必ず閉曲線となる。)が、回転板は合成樹脂(非磁性体)であるので磁束の通り道とはならず、左側回転板の上側N極から出た磁束は、対向するフェライトコア3に一旦は入っても、巻線コイルを通過すること無くフェライトコア3の端部から左側回転板の上側S極に戻る磁束のループを作り(右側回転板上側N極から出て左側回転板の上側S極に磁束が戻ると磁路が空気となって磁気抵抗が高い)、巻線コイルには誘導電流が発生しないか発生するとしても極めて微量であると考えられ、【0023】に記載があるような発電効率の大幅向上が何故できるのか不明である。また、明細書等に一切記載は無いが、仮に、回転板が磁性体とすると、図2において、左側回転板の上側N極から出た磁束は、対向するフェライトコア3を通り、右側回転板の対向する上側S極に入った後、右側回転板の上側N極から出ても、右側回転板の下側N極の磁束と同方向の磁束となるから、下側フェライトコア3を通って左側回転板の上側S極に戻る磁束のループを作ることはできず、左側回転板の上側N極から出た磁束は、フェライトコア3に一旦は入っても、巻線コイルを通過すること無くフェライトコア3の端部から左側回転板の上側S極に戻る磁束のループを作るものと考えられ、発電効率の大幅向上が何故できるのか不明である。 (2)図1において、回転力発生手段はモータであるが、モータは駆動のために電力が必要であり、モータにロスがあるから、電気の入力エネルギーより小さい機械エネルギーしか取り出せず、又、当該機械エネルギーを用いて発電機を駆動すれば、発電機にもロスがあるので、当該機械エネルギーより小さい電気エネルギーしか取り出せないから、モータに供給する電気エネルギーを直接負荷に供給する方がモータ駆動発電機による発電機より効率が高く、何故図1の様なシステムを用いるのか不明である。 (3)請求項1に「両端部によりそれぞれ永久磁石が通過する時に永久磁石から発生する磁場が閉回路をなすようにする複数のフェライトコア」とあるが、(1)記載のように、回転板が合成樹脂のため、フェライトコアに磁場の閉回路はできず、どの様なことを意味するのか不明である。 (4)請求項1記載の発電機は、(1)記載のように、発電することはできないものと考えられ、どの様な原理で効率的な発電ができるのか明細書を参照しても全く不明である。 (5)請求項2に「前記フェライトコアは、奇数または偶数個で設置し、前記永久磁石は、前記フェライトコアとは反対になるように、偶数または奇数個で設置した」とあり、対応する記載が【0058】にあるが、例えば磁石が3個でフェライトコアが6個の場合、何れの永久磁石もフェライトコアと対向し、【0058】記載の作用効果を何故奏することができるのか不明である。」 4.拒絶の理由に対する当審の判断 (1)本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、「2.特許請求の範囲」に示したとおりであって、発明の詳細な説明の記載によれば、「従来の発電機で、磁気とコイルとの間で電気が発生する過程を見てみると、 逆起電流によるヒステリシス損失と磁気運動による渦電流が発生して無駄な強力な負荷がかかり、熱が発生」(【0008】)し、「出力よりも常に少量を使用する必要があり、それに応じて発生する損失は、思ったより莫大であり、これが現在の発電運営の実態であ」(【0010】)ったところ、「一対以上の永久磁石が互いに反対方向の極性(すなわち、S極とN極)が対向するようにして決められた間隔と配列を持つように固定設置された回転者用回転軸(当審注:「回転子用回転軸」の誤記)を設置するが、前記回転子用回転板の中心点に固定設置された回転軸は、回転力発生手段の軸に接続して、両極が平衡をなす状態で、複数のフェライトコアにそれぞれ巻かれた巻線コイルで互いに他の時間差を置いて、それぞれ独立して誘導起電力または誘導電流が発生される独立した発電機として作用するようにすることにより」(【0014】)「フェライトコア及び巻線コイルから発生する熱を最小限に抑えることができて、発電効率を大幅に向上させることができるだけでなく、発電容量を大幅に増大させることができる」(【0014】)ことを課題としてなされたものと理解できる。 【0050】に「また、一対の回転子用回転板5は、絶縁性を有する合成樹脂材を用いて図3の(a)-(d)に示すように、所定の厚さと体積を有する円形板状または"Y"字または"I"字または“+”字状中のいずれか一形状を持つように成形したものであり」とある。図2の様に発電機の永久磁石、フェライトコア3等を配置した場合、左側回転板の上側N極から出た磁束は、対向するフェライトコア3を通り、右側回転板の上側S極に入った後、右側回転板の上側N極から出て、左側回転板の上側S極に戻らなければ、磁束のループを作れず、発電をすることができない(ガウスの法則:divB=0 磁気単極子は存在せず、磁気双極子として存在する。磁力線は必ず閉曲線となる。)が、回転板は合成樹脂(非磁性体)であり、空気の透磁率とほぼ同等の透磁率を有しているから、所謂継鉄(ヨーク)としての磁束の通り道とはならず、左側回転板の上側N極から出た磁束は、対向するフェライトコア3に一旦は入っても、巻線コイルを通過すること無くフェライトコア3の端部から左側回転板の上側S極に戻る磁束のループを作り(右側回転板上側N極から出て左側回転板の上側S極に磁束が戻ると磁路が空気となって磁気抵抗が高い)、巻線コイルには誘導電流が発生しないか発生するとしても極めて微量であり、【0023】に記載があるような発電効率の大幅向上が何故できるのか不明である。なお、回転子用回転板5が磁性体からなることは、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く)(以下、翻訳文等という)には一切記載がない。 したがって、本願の発明の詳細な説明は、本願発明が課題とする「発電効率を大幅に向上させることができるだけでなく、発電容量を大幅に増大させることができる」(【0014】)ものを当業者が実施できる程度に記載したものではないから、特許法第36条第4項1号に規定する要件を満たしていない。 なお、請求人は、平成31年3月27日付意見書で、「回転子用回転板5には回転軸通過孔11があり、そこに永久磁石6が配置されているため、回転子用回転板5は合成樹脂(非磁性体)であっても、回転子用回転板5の回転軸通過孔11は磁束の通り道となり得、また、回転軸通過孔11は、回転子用回転板5の端部に配置されているため、回転軸通過孔11近傍の空気部分も磁束の通り道となり得る。特に、回転子用回転板5は高速回転するため、永久磁石6がフェライトコア3に接近する瞬間においては、フェライトコアに磁場の閉回路はでき得る。」と主張するが、合成樹脂(非磁性体)の回転子用回転板5を磁束が通過することはあっても、継鉄(ヨーク)のように磁束を外部に漏らさないよう集中的に通過させることはできず、又、回転軸通過孔11は永久磁石6から距離があるため、永久磁石6の磁束はフェライトコア3に一旦は入っても、巻線コイルを通過すること無くフェライトコア3の端部から永久磁石6に戻り、しかも、永久磁石6の磁束が回転軸通過孔11近傍の空気部分が磁束の通り道になることは翻訳文等に記載がないから、請求人の上記主張は採用できない。 (2)図1において回転力発生手段はモータであり、モータを回転力発生手段とすることは【0051】に「このような一対の回転子用回転板5は、電動モーターを含むタービンや風力や水力などによって回転する回転体などの回転力発生手段9の軸に接続された回転軸51の回転数に対応して回転軸51と一緒に回転し」と記載があるが、モータは駆動のために電力が必要であり、モータは動作時に鉄損、銅損等のロスがあるから、電気の入力エネルギーより小さい機械エネルギーしか取り出せず、又、当該機械エネルギーを用いて発電機を駆動すれば、発電機にもロスがあるので、当該機械エネルギーより小さい電気エネルギーしか取り出せないから、モータに供給する電気エネルギーを直接負荷に供給する方がモータ駆動の時間差発電機より効率が高く、何故図1の様な時間差発電機のシステムを用いて本願の発明の詳細な説明の「上記のような従来技術で発生する問題を解消」(【0014】)し、従来より発電効率が向上するのか不明である。 したがって、本願の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項1号に規定する要件を満たしていない。また、請求項1の記載は、上記課題を解決するための手段が反映されていないから、特許法第36条第6項1号に規定する要件を満たしておらず、上記課題を解決するための手段が不明であって発明を明確に把握することが困難であるから、請求項1の記載は、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 なお、請求人は、平成31年3月27日付意見書で、「また、審査官の指摘通り、図1において、回転力発生手段はモータのようにも見えるが、【0051】における記載「このような一対の回転子用回転板5は、電動モーターを含むタービンや風力や水力などによって回転する回転体などの回転力発生手段9の軸に接続された回転軸51の回転数に対応して回転軸51と一緒に回転し、‥‥‥」のように、回転力発生手段9の軸に接続された回転軸51は、タービンや風力や水力などによって回転するものであり、回転力発生手段はモータではない。なお、【0051】には「このような一対の回転子用回転板5は、電動モーターを含むタービンや風力や水力など」と「電動モーター」も記載されているが、モーターであれば、本装置はいわばエネルギー増幅装置にならなければならず、そのような非常識なことは考えるはずがないため、この部分は明らかな誤記である。」と主張するが、「誤記」は「本来その意であることが明細書等の記載から明らか」でなければならないが、図1の駆動源はモータであり、【0051】に明確にモーターと記載があるから、当該記載を誤記とは認められず、請求人の上記主張は採用できない。 (3)請求項1に「固定板の外側に露出されている両端部によりそれぞれ永久磁石が通過する瞬間に永久磁石から発生する磁場が閉回路をなすようにする複数のフェライトコア」とあるが、(1)記載のように、回転板が合成樹脂のため、フェライトコアを通過する永久磁石が発生する磁場の閉回路はできないから、請求項1に記載された閉回路がどの様なものか不明であり、請求項1に記載された発明が明確に把握できない。 したがって、請求項1の記載は、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 (4)請求項1記載の発電機は、(1)記載のように、発電することはできないかできても極微量であり、どの様な原理で従来より効率的な発電ができるのか発明の詳細な説明を参照しても全く不明である。 したがって、発明の詳細な説明は、当業者が容易に発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1の記載は、上記課題を解決するための手段が不明であって発明を明確に把握することが困難であるから、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 (5)【0056】に「また、本発明が適用された発電機の各巻線コイル4から出力される発電電圧、電流及び周波数などを包含して発電の中に熱に変換されて発振器の効率を低下させる要因として作用する逆起電力による渦電流の発生可否は、前記回転力発生手段9により回転数が決定される回転子用回転板5及び永久磁石6の回転数によって決定される。」とあり、【0057】に「一方、前記フェライトコア3及び永久磁石6を設置する場合において、双方の偶数で設置する場合は、前記回転子用回転板5と一緒に回転する永久磁石6が同時にフェライトコア3と同じ数で一致されて永久磁石から発生する磁力により前記回転子用回転板5の回転を妨げる力(すなわち逆起電力)が発生することになる。」とあり、【0058】に「したがって、本発明では、前記フェライトコア3及び永久磁石6を設置するときに、それぞれ互いに逆になるように、奇数または偶数や偶数または奇数で設置することによって、前記回転子用回転板5と一緒に回転する永久磁石6の中いずれか一つは、前記フェライトコア3と一致しなくなるので、永久磁石から発生されて、回転子用回転板5の回転に阻害を与える磁力の強さ(すなわち、逆起電力)が不備になって、複数の永久磁石を備えた前記回転子用回転板が円滑に回転することになる。」とあるから、時間差発電機の効率的な運転のためには逆起電力阻止が必要であって、当該阻止のために、フェライトコア3及び永久磁石6を奇数または偶数や偶数または奇数で設置することとなるが、例えば磁石が3個でフェライトコアが6個の場合、何れの永久磁石もフェライトコアと対向し、【0058】記載の作用効果を何故奏することができるのか不明である。 したがって、発明の詳細な説明の記載を参照してもフェライトコアと永久磁石の数及び配置について不明であるから、特許法第36条第4項1号に規定する要件を満たしていない。 5.むすび したがって、発明の詳細な説明の記載は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、特許請求の範囲の記載は、発明の詳細な説明に記載されたものではなく且つ明確ではないから、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。 そうすると、本願を拒絶すべきであるとした原査定は維持すべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2019-05-30 |
結審通知日 | 2019-06-04 |
審決日 | 2019-06-21 |
出願番号 | 特願2016-540806(P2016-540806) |
審決分類 |
P
1
8・
536-
WZ
(H02K)
P 1 8・ 537- WZ (H02K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 尾家 英樹 |
特許庁審判長 |
佐々木 芳枝 |
特許庁審判官 |
長馬 望 堀川 一郎 |
発明の名称 | 両極平衡を用いた時間差発電機 |
代理人 | 新保 斉 |