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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04W 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H04W 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W |
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管理番号 | 1356733 |
審判番号 | 不服2018-8982 |
総通号数 | 240 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-06-29 |
確定日 | 2019-11-05 |
事件の表示 | 特願2016-118927「ACK/NACKの伝送方法及びユーザー機器、並びにACK/NACKの受信信方法及び基地局」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月 8日出願公開、特開2016-165161〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2011年(平成23年)11月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年12月20日 米国、2011年2月13日 米国、2011年3月31日 韓国)を国際出願日とする特願2013-544379号の一部を、平成28年6月15日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年 6月22日付け 拒絶理由通知書 平成29年 9月15日 意見書、手続補正書の提出 平成30年 2月26日付け 拒絶査定 平成30年 6月29日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出 第2 平成30年6月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成30年6月29日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正の概要 本件補正は、平成29年9月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された 「 無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK反復情報を受信することと、 サブフレームn-4においてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信することと、 サブフレームnから始めてNrep個の連続したサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通して前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である、ことと を含み、 前記ACK/NACK情報は、前記サブフレームnにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースn(1)PUCCH,1を用いて前記2つのアンテナポートのうちの一方のアンテナポート(アンテナポートp0)を通して、および、第2のPUCCHリソースn(1)PUCCH,2を用いて前記2つのアンテナポートのうちの他方のアンテナポート(アンテナポートp1)を通して、伝送され、n(1)PUCCH,1=nCCE+N(1)PUCCHであり、n(1)PUCCH,2=nCCE+1+N(1)PUCCHであり、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され、 前記ACK/NACK情報は、サブフレームn+1?サブフレームn+Nrep-1の各々において、第3のPUCCHリソースn(1)PUCCH,3を用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースn(1)PUCCH,4を用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,3、n(1)PUCCH,4は、前記ACK/NACK反復情報によって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される、方法。」 という発明(以下、「本願発明」という。)を、 「 TDD(Time Division Duplex)を用いて無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK反復の回数Nrepを指示する情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信することと、 少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信することと、 特定の上りリンクサブフレームから始めてNrep個の連続した上りリンクサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通して前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である、ことと を含み、 前記ACK/NACK情報は、前記特定の上りリンクサブフレームにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースn(1)PUCCH,1を用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp0を通して、および、第2のPUCCHリソースn(1)PUCCH,2を用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,1は、nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定され、n(1)PUCCH,2は、N(1)PUCCH,1に1を加算することによって決定され、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され、 前記ACK/NACK情報は、前記Nrep個の連続した上りリンクサブフレームのうちの前記特定の上りリンクサブフレーム以外の残りの上りリンクサブフレームにおいて、第3のPUCCHリソースn(1)PUCCH,3を用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースn(1)PUCCH,4を用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,3、n(1)PUCCH,4は、前記RRCメッセージによって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される、方法。」 という発明とすることを含むものである(下線は新たに追加された補正箇所を示すものとして請求人が付与したものである。)。 2.補正の適否 (1)新規事項の有無、シフト補正の有無、目的要件 請求項1についての上記補正は、本件補正前の「n(1)PUCCH,1=nCCE+N(1)PUCCHであり、n(1)PUCCH,2=nCCE+1+N(1)PUCCHであり、」について、「n(1)PUCCH,1は、nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定され、n(1)PUCCH,2は、N(1)PUCCH,1に1を加算することによって決定され」と補正するものである。 また、請求項1についての上記補正は、本件補正前の「サブフレームn-4においてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信する」について、「少なくとも1つの下りリンクサブフレームおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信する」と補正するものである。 ア 「N(1)PUCCH,1」は請求項1に定義が記載されておらず、当初明細書等にも記載されていない。 ここで、「N」と「n」について、本願明細書では、段落83において【数1】に関して「n^((1))_(PUCCH)は、PUCCHフォーマット1/1a/1bのためのPUCCHリソースインデックスを表し、N^((1))_(PUCCH)は、上位レイヤーから伝達されたシグナリング値を表す。n_(CCE)は、PDCCH伝送に用いられたCCEインデックスのうち、最も小さい値を表すことができる。」と記載され、段落88、89の【数2】、【数3】に関して「N^((2))_(RB)は、PUCCHフォーマット2/2a/2bにより使用可能な帯域幅を表し、」「n^((2))_(PUCCH)は、PUCCHフォーマット2/2a/2bのためのPUCCHリソースインデックス」と記載され、段落93に「スロットn_(S)」と記載されている。よって、本願明細書において「n」は変化する値の中の1つの値を表すのに対し、「N」は決められた値を表しており、異なる意味で使用している。したがって、請求項1の「N(1)PUCCH,1」の「N」も同様の使い分けがされていると解される。 してみると、補正後の請求項1には「n(1)PUCCH,1」とは異なる新規の値「N(1)PUCCH,1」が導入されている。 したがって、補正により追加された「N(1)PUCCH,1」は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであるから、平成30年6月29日付け手続補正書でした補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 イ サブフレームnからACK/NACK情報を伝送する際に、補正前の請求項1では「サブフレームn-4においてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信する」と記載されているのに対し、補正後の請求項1では「少なくとも1つの下りリンクサブフレームおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信する」を補正している。 補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項「サブフレームn-4」を補正後の「少なくとも1つの下りリンクサブフレーム」に補正することは「サブフレームn-4」を限定するものではない。 したがって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮とはいえない、また、これらの補正は明らかに、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正や特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明に該当しない。 ウ サブフレームnからACK/NACK情報を伝送する際に、LTEのFDDによる通信の場合はサブフレームn-4においてPDCCHを受信するのに対し、LTEのTDDによる通信の場合はサブフレームn-kにおいてPDCCHを受信し、kは常に4ではないことは技術常識であるから、補正前の請求項1に係る発明はFDDを用いる無線通信システムであるのに対し、補正後の請求項1に係る発明はTDDを用いる無線通信システムとなっている。 FDDを用いる無線通信システムとTDDを用いる無線通信システムとは異なる無線通信システムであり、ACK/NACK情報の伝送方法が異なるものであるから、別発明であり、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではない。 したがって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではない。このため、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定を満たしていない。 エ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に違反するものである。 (2)独立特許要件 上記(1)のとおり、本件補正は特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に違反するものであるが、更に進めて、仮に特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものとして、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下に検討する。 ア 特許法第36条第6項第1号又は第2号について (ア)請求項1において、「N(1)PUCCH,1」が発明の詳細な説明には記載されていないことから、請求項1に係る発明と明細書の対応関係が不明である。 (イ)請求項1において、「N(1)PUCCH,1」は請求項に定義が記載されておらず、発明として不明確である。 (ウ)したがって、本件出願は、請求項1の記載が特許法第36条第6項第1号又は第2号に規定する要件を満たしていないため、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 イ 特許法第29条第2項について (ア)本願補正発明 上述のとおり、「N(1)PUCCH,1」は新規事項であり、不明確であり、発明の詳細な説明との対応関係が不明であることから、明細書段落172の【数6】及び段落173の【数7】を参酌し、「N(1)PUCCH,1」が「n(1)PUCCH,1」の誤記として、本件補正後の請求項1に係る発明は、次のとおりのものと認める(以下、「本願補正発明」という。)。 「 TDD(Time Division Duplex)を用いて無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK反復の回数Nrepを指示する情報を含むRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信することと、 少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信することと、 特定の上りリンクサブフレームから始めてNrep個の連続した上りリンクサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通して前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である、ことと を含み、 前記ACK/NACK情報は、前記特定の上りリンクサブフレームにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースn(1)PUCCH,1を用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp0を通して、および、第2のPUCCHリソースn(1)PUCCH,2を用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,1は、nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定され、n(1)PUCCH,2は、n(1)PUCCH,1に1を加算することによって決定され、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され、 前記ACK/NACK情報は、前記Nrep個の連続した上りリンクサブフレームのうちの前記特定の上りリンクサブフレーム以外の残りの上りリンクサブフレームにおいて、第3のPUCCHリソースn(1)PUCCH,3を用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースn(1)PUCCH,4を用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,3、n(1)PUCCH,4は、前記RRCメッセージによって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される、方法。」 (イ)引用例に記載された事項及び引用発明 原査定の拒絶の理由で引用されたMotorola,Introduction of Rel-10 LTE-Advanced features in 36.213(当審訳:36.213のリリース10LTEアドバンストの特徴の紹介),3GPP TSG-RAN Meeting #63 R1-106557,2010年12月17日アップロード,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106557.zip>(以下、「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている。 a 「Using the PUCCH formats defined in section 5.4.1 and 5.4.2 in [3], the following combinations of uplink control information on PUCCH are supported: (中略) -Format 1b for up to 4-bit HARQ-ACK with channel selection when UE is configured with more than one serving cell or in the case for TDD when UE is configured with a single serving cell 」(82ページ19?20行) (当審訳: [3]の5.4.1節及び5.4.2節に定義されているPUCCHフォーマットが使われ、PUCCHのアップリンクコントロール情報の以下の組み合わせがサポートされる。 (中略) -UEが複数のサービングで構成されている場合、あるいはTDDでUEが1つのサービングセルで構成されている場合のチャネル選択を伴う4ビットのHARQ-ACKのフォーマット1b) b 「A UE is configured by higher layers to transmit HARQ-ACK on one antenna port (p = p0) or two antenna ports (p ∈[p0, p1]) .」(83ページ下から10?9行) (当審訳: UEは、1つのアンテナポート(p = p0)あるいは2つのアンテナポート(p∈[p0, p1])でHARQ-ACKを伝送するように上位層によって構成されている。) c 「For FDD and one configured serving cell, the UE shall use PUCCH resource n^((1,p))_(PUCCH) for transmission of HARQ-ACK in subframe n on antenna port p for PUCCH format 1a/1b, where -for a PDSCH transmission indicated by the detection of a corresponding PDCCH in subframe n-4 on the primary cell, or for a PDCCH indicating downlink SPS release (defined in section 9.2) in subframe n-4 on the primary cell, the UE shall use n^((1,p=p0))_(PUCCH) = n_(CCE) + N^((1))_(PUCCH) , where n_(CCE) is the number of the first CCE (i.e. lowest CCE index used to construct the PDCCH) used for transmission of the corresponding DCI assignment and N^((1))_(PUCCH )is configured by higher layers. For two antenna port transmission the PUCCH resource for p = p1 is given by n^((1,p=p1))_(PUCCH) = n_(CCE) +1 + N^((1))_(PUCCH).」(83ページ下から8行?末行) (当審訳: FDD及び1つの構成されたサービングセルの場合、UEは、サブフレームnにおいてアンテナポートpでPUCCHフォーマット1a/1bのHARQ-ACKの伝送のためにPUCCHリソースn^((1,p))_(PUCCH)を使用する。ここで、 -プライマリセルのサブフレームn-4において対応するPDCCHの検出によって示されるPDSCH伝送に対して、あるいはプライマリセル上のサブフレームn-4において(9.2節で定義されている)ダウンリンクSPS解放を示すPDCCHに対して、UEはn^((1,p=p0))_(PUCCH)=n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使う。ここでn_(CCE) は対応するDCI割り当ての伝送に使用される最初のCCE(すなわち、PDCCHを構成するために使用される最低のCCEインデックス)の番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成される。2アンテナポート伝送の場合、 p=p1のためのPUCCHリソースは n^((1,p=p1))_(PUCCH)=n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)によって与えられる。) d 「For TDD ACK/NACK bundling or TDD ACK/NACK multiplexing and a subframe n with M= 1 where M is the number of elements in the set K defined in Table 10.1-1, the UE shall use PUCCH resource n^((1,p))_(PUCCH) for transmission of HARQ-ACK in subframe n on antenna port p for PUCCH format 1a/1b, where -If there is PDSCH transmission on the primary cell indicated by the detection of corresponding PDCCH or there is PDCCH indicating downlink SPS release within subframe(s) n-k, where k∈K and K(defined in Table 10.1-1) is a set of M elements {k_(0),k_(1),…k_(M-1)} depending on the subframe n and the UL-DL configuration (defined in Table 4.2-2 in [3]), the UE first selects a c value out of {0, 1, 2, 3} which makes N_(c)=n_(CCE)N_(c+1) and shall use n^((1,p=p0))_(PUCCH) = (M-m-1)・N_(c) +m・N_(c+1) +n_(CCE) + N^((1))_(PUCCH) ,where N^((1))_(PUCCH) is configured by higher layers, N_(c) = max{略} , and n_(CCE) is the number of the first CCE used for transmission of the corresponding PDCCH in subframe n-k_(m) and the corresponding m,where k_(m) is the smallest value in set K such that UE detects a PDCCH in subframe n-k_(m). For two antenna port transmission the PUCCH resource for ACK/NACK bundling p=p1 is given by n^((1,p=p1))_(PUCCH) = (M-m-1)・N_(c) +m・N_(c+1) +n_(CCE) + 1+N^((1))_(PUCCH) .」(87ページ1?13行) (当審訳: TDDのACK/NACKバンドリング、あるいはTDDのACK/NACK多重化のために、そしてテーブル10.1.1で定義されたセットKの要素の数MがM=1のサブフレームnのために、UEは、サブフレームnにおいてアンテナポートpでPUCCHフォーマット1a/1bのHARQ-ACKの伝送のためにPUCCHリソースn^((1,p))_(PUCCH)を使用する、ここで、 -対応するPDCCHの検出によって示されるプライマリセル上でPDSCH伝送があるか、又はサブフレームn-kにおいてダウンリンクSPS解放を示すPDCCHがあるなら(ここでk∈Kで(表10.1-1で定義された)Kはサブフレームnと([3]の表4.2-2で定義された)UL-DL構成に依存するM要素{k_(0),k_(1),…k_(M-1)}のセット)、UEは最初に{0,1,2,3}からN_(c)<=n_(CCE)<N_(c+1)とするcの値を選び、n^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用する(ここでN^((1))_(PUCCH)は上位レイヤーによって構成され、N_(c)=max{略}、そしてn_(CCE)はサブフレームn-k_(m)と対応するmに関連するPDCCHの伝送のために使われた最初のCCEの値であり、ここでk_(m)は、UEがサブフレームn-k_(m)においてPDCCHを検出するように、セットK内の最小値である。)。2アンテナポート伝送の場合、ACK/NACKバンドリングP=P1用のPUCCHリソースはn^((1,p=p1))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)によって与えられる。) e 「ACK/NACK repetition is enabled or disabled by a UE specific parameter ackNackRepetition configured by higher layers. Once enabled, the UE shall repeat any ACK/NACK transmission with a repetition factor N_(ANRep) , where N_(ANRep) is provided by higher layers and includs the initial ACK/NACK transmission, until ACK/NACK repetition is disabled by higher layers. For a PDSCH transmission without a corresponding PDCCH detected, the UE shall transmit the corresponding ACK/NACK response N_(ANRep) times using PUCCH resource n^((1,p))_(PUCCH )configured by higher layers. For a PDSCH transmission with a corresponding PDCCH detected, or for a PDCCH indicating downlink SPS release, the UE shall first transmit the corresponding ACK/NACK response once using PUCCH resource derived from the corresponding PDCCH CCE index (as described in Section 10.1), and repeat the transmission of the corresponding ACK/NACK response N_(ANRep)-1 times always using PUCCH resource n^((1,p))_(PUCCH,ANRep), where n^((1,p))_(PUCCH,ANRep) is configured by higher layers. For TDD, ACK/NACK repetition is only applicable for ACK/NACK bundling and is not applicable for ACK/NACK multiplexing.editor’s note: To be determined whether the configured resource that is used for ACK/NACK repetition is only for antenna port p = p0 .」(89ページ下から4行?90頁9行) (当審訳: ACK/NACK反復は、上位層によって構成されたUE特有のパラメータackNackRepetitionによって有効又は無効にされる。いったん有効にされると、UEはACK/NACK反復が上位レイヤーによって無効にされるまで反復しファクタN_(ANRep)で任意のACK/NACK伝送を反復する、N_(ANRep)は上位レイヤーによって提供され、最初のACK/NACK伝送を含む。対応するPDCCHが検出されていないPDSCH伝送の場合、UEは、上位レイヤーで設定されたPUCCHリソースn^((1,p))_(PUCCH)を使用して、N_(ANRep)回、対応するACK/NACK応答を伝送する。対応するPDCCHが検出されたPDSCH伝送、又はダウンリンクSPS解放を示すPDCCHに対して、UEは最初に(セクション10.1に述べられているように)対応するPDCCH CCEインデックスから導出されたPUCCHリソースを使用して対応するACK/NACK応答を1回伝送する、そして上位レイヤーで構成されるn^((1,p))_(PUCCH,ANRep)であるPDCCH リソースn^((1,p))_(PUCCH,ANRep)をいつも使って N_(ANRep)-1 回対応するACK/NACK応答の伝送を反復する。 TDDの場合、ACK/NACK反復はACK/NACKバンドリングにのみ適用可能であり、ACK/NACK多重化には適用できない。<編集者注:ACK/NACKの反復に使用される構成済みリソースがアンテナポート p=p0専用であるかどうかが決定される>) f 「10.2 Uplink ACK/NACK timing For FDD, the UE shall upon detection of a PDSCH transmission in subframe n-4 intended for the UE and for which an ACK/NACK shall be provided, transmit the ACK/NACK response in subframe n. If ACK/NACK repetition is enabled, upon detection of a PDSCH transmission in subframe n-4 intended for the UE and for which ACK/NACK response shall be provided, and if the UE is not repeating the transmission of any ACK/NACK in subframe n corresponding to a PDSCH transmission in subframes n-N_(ANRep) -3,…,n-5, the UE: ・shall transmit only the ACK/NACK response (corresponding to the detected PDSCH transmission in subframe n-4 ) on PUCCH in subframes n , n +1, …, n + N_(ANRep) -1; ・shall not transmit any other signal in subframes n , n +1, …, n + N_(ANRep) -1; and ・shall not transmit any ACK/NACK response repetitions corresponding to any detected PDSCH transmission in subframes n-3, …, n + N_(ANRep) -5. For TDD, the UE shall upon detection of a PDSCH transmission within subframe(s) n-k , where k ∈K and K is defined in Table 10.1-1 intended for the UE and for which ACK/NACK response shall be provided, transmit the ACK/NACK response in UL subframe n. If ACK/NACK repetition is enabled, upon detection of a PDSCH transmission within subframe(s) n-k , where k ∈K and K is defined in Table 10.1-1 intended for the UE and for which ACK/NACK response shall be provided, and if the UE is not repeating the transmission of any ACK/NACK in subframe n corresponding to a PDSCH transmission in a DL subframe earlier than subframe n-k , the UE: ・shall transmit only the ACK/NACK response (corresponding to the detected PDSCH transmission in subframe n-k ) on PUCCH in UL subframe n and the next N_(ANRep) -1 UL subframes denoted as n_(1),…, n_(NANRep-1); ・shall not transmit any other signal in UL subframe n , n_(1), …, n_(NANRep-1) ; and ・shall not transmit any ACK/NACK response repetitions corresponding to any detected PDSCH transmission in subframes n_(i)-k , where k ∈ K_(i) , K_(i) is the set defined in Table 10.1-1 corresponding to UL subframe n_(i) , and 1<=i <=N_(ANRep)-1. 」(90ページ下から8行?91ページ17行) (当審訳: 10.2 アップリンクのACK/NACKのタイミング FDDの場合、UEは、UEのためのACK/NACKが提供されるサブフレームn-4におけるPDSCH伝送を検出すると、サブフレームnにおいてACK/NACK応答を伝送する。ACK/NACK反復が可能にされている場合、UEのためのACK/NACK応答が提供されるべきサブフレームn-4におけるPDSCH伝送を検出し、そして、UEがサブフレームn-N_(ANRep)-3,…,n-5におけるPDSCH伝送に対応するサブフレームnにおいてACK/NACKの伝送を反復しない場合、UEは ・サブフレームn,n+1,…,n+N_(ANRep)-1においてPUCCH上で(サブフレームn-4において検出されたPDSCH伝送に対応する)ACK/NACK応答のみを伝送するものとする; ・サブフレームn,n+1,…,n+N_(ANRep)-1において他の信号を伝送しない;そして ・サブフレームn-3,…,n+N_(ANRep)-5において検出されたPDSCH伝送に対応するACK/NACK応答の反復を伝送してはならない。 TDDの場合、UEは、UEのためのACK/NACK応答が提供されるサブフレームn-kにおいてPDSCH伝送を検出したとき、ここでk∈KでKは表10.1-1で定義され、ULサブフレームnにおいてACK/NACK応答を伝送する。ACK/NACK反復が有効になっている場合、UEのためのACK/NACK応答が提供されるサブフレームn-kにおいてPDSCH伝送を検出したとき、ここでk∈KでKは表10.1-1で定義され、そしてUEがサブフレームn-kよりも前のDLサブフレームにおいてPDSCH伝送に対応するサブフレームnにおいていかなるACK/NACKの伝送も反復しない場合、UEは: ・ ULサブフレームnとn_(1),…,n_(NANRep-1)として示される次のN_(ANRep)-1個のサブフレームのPUCCHで(サブフレームn-kにおいて検出されたPDSCH伝送に対応する)ACK/NACK応答だけを伝送する; ・ULサブフレームn,n_(1),…,n_(NANRep-1)において他の信号を伝送しない; そして ・サブフレームn_(i)-kにおいて検出されたPDSCH伝送に対応するACK/NACK応答の反復を伝送しない。ここでk∈K_(i)でK_(i)はULサブフレームn_(i)に対応する表10.1-1で定義されるセットで、1<=i<=N_(ANRep)-1) 上記の摘記した引用例の記載及び当業者における技術常識からみて、 (a)引用例のタイトルにLTEアドバンスと記載されているように、引用例はLTEアドバンスを前提としている。LTEアドバンスは無線通信システムの通信方式であり、上記fの記載にもあるように、FDDによる通信方式とTDDによる通信方式があることは技術常識である。また、上記eの記載によればUEのACK/NACK応答の反復伝送方法が記載されている。 したがって、引用例に記載されたUEの伝送方法は「FDDによる通信方式又はTDDによる通信方式の無線通信システムにおいてUEによってACK/NACK応答を伝送する方法」といえる。 (b)上記eの記載によれば、ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep)は上位レイヤーによってUEに提供されていることから、UEは「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep)を上位レイヤーで受信する」といえる。 (c)上記eの記載によれば、PDCCH CCEインデックスを導出するためにはPDCCHを受信していることは明らかであるから、UEは「少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCHを受信する」といえる。 また、上記cの記載によれば、UEは「FDDの場合には、サブフレームn-4においてPDCCHを受信」するといえる。 (d)上記eの記載によれば、N_(ANRep)回ACK/NACK応答を反復することが記載されており、N_(ANRep)が1よりも大きい整数であることは明らかである。そして、上記fの記載によれば、FDDの場合もTDDの場合も連続したサブフレームでACK/NACK応答を伝送することが記載されているといえる。 また、上記cの記載によれば、FDDの場合には、サブフレームn-4のPDCCHを受信した場合にはACK/NACK応答が最初に行われるのはサブフレームnであることは明らかである。 そして、上記bの記載によれば、2つのアンテナポートの場合にはpはp0とp1が取りうる値であることが前提として記載されており、FDDの場合の上記eにおけるpの取りうる値としてはp0とp1が取りうる値であることは明らかである。したがって、FDDの場合には2つのアンテナポートを通して連続したサブフレームでACK/NACK応答を伝送していることは明らかである。 したがって、UEは「FDDの場合もTDDの場合も特定の上りサブフレームから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々においてACK/NACK応答を伝送し、N_(ANRep)が1よりも大きい整数であり、FDDの場合には、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通してPDCCHに関連付けられたACK/NACK応答を伝送する」といえる。 (e)上記eの記載によれば、UEは最初の1回目のACK/NACK応答の伝送はセクション10.1で述べられているPDCCH CCEインデックスから導出されたPDCCHリソースを使用する。 ここで、FDDの場合は、上記(d)で述べたようにFDDの場合には、サブフレームn-4のPDCCHを受信した場合にはACK/NACK応答が最初に行われるのはサブフレームnであることは明らかであり、セクション10.1の記載である上記cの記載によれば、UEから伝送される「ACK/NACK応答は、FDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送であるサブフレームnは、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHを構成するために使用される最初(最低)のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され」ているといえる。 また、TDDの場合は、セクション10.1の記載である上記dの記載によれば、UEから伝送される「ACK/NACK応答は、TDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送は、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHの伝送のために使われた最初のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され」ているといえる。 (f)上記(d)で述べたようにFDDの場合には上記eにおけるpの取りうる値としてはp0とp1が取りうる値であることは明らかである。よって、FDDの場合に最初の1回目以外のACK/NACK応答の反復伝送では上位レイヤーで構成されるp=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH),_(ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH),_(ANRep)を使用することは明らかである。 したがって、FDDの場合には、UEは「ACK/NACK応答は、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームのうちの最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を用いて伝送され、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を上位レイヤーによって設定される」ことは明らかである。 したがって、上記の摘記した引用例の記載及び図面の記載並びに当業者における技術常識からみて、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「FDDによる通信方式又はTDDによる通信方式の無線通信システムにおいてUEによってACK/NACK応答を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep)を上位レイヤーで受信することと、 少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCHを受信し、FDDの場合には、サブフレームn-4においてPDCCHを受信することと、 FDDの場合もTDDの場合も特定の上りサブフレームから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々においてACK/NACK応答を伝送し、N_(ANRep)が1よりも大きい整数であり、FDDの場合には、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通してPDCCHに関連付けられたACK/NACK応答を伝送する、ことと、 を含み、 ACK/NACK応答は、FDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送であるサブフレームnは、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHを構成するために使用される最初(最低)のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され、 ACK/NACK応答は、TDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送は、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHの伝送のために使われた最初のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され、 ACK/NACK応答は、FDDの場合、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームのうちの最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を用いて伝送され、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を上位レイヤーによって設定される、方法」 (ウ)対比及び判断 本願補正発明と引用発明を対比すると、 a 引用発明の「TDDによる通信方式」、「UE」、「ACK/NACK応答」は、それぞれ本願補正発明の「TDD(Time Division Duplex)」、「ユーザー機器」、「ACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報」に相当する。したがって、引用発明はFDDによる通信方式又はTDDによる通信方式であるところ、引用発明の「TDDによる通信方式の無線通信システムにおいてUEによってACK/NACK応答を伝送する方法」は、「TDD(Time Division Duplex)を用いて無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法」といえる。 b 引用発明の「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep)」は本願補正発明の「ACK/NACK反復の回数Nrep」に相当する。したがって、引用発明の「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep)を上位レイヤーで受信すること」は「ACK/NACK反復の回数Nrepを指示する情報を含む情報を受信する」点で本願補正発明と共通する。 c 引用発明の「少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCHを受信すること」は、本願補正発明の「少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信すること」に相当する。 d 引用発明の「特定の上りサブフレーム」は本願補正発明の「上りリンクサブフレーム」に相当するから、引用発明のTDDの場合は「特定の上りサブフレームから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々においてACK/NACK応答を伝送し、N_(ANRep)が1よりも大きい整数であ」ることから、「特定の上りリンクサブフレームから始めてNrep個の連続した上りリンクサブフレームの各々においてPDCCHに関連付けられたACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である」点で本願補正発明と共通する。 e 引用発明の「最初の1回目のACK/NACK応答の伝送」は「特定の上りリンクサブフレーム」における伝送といえる。 また、引用発明の「n_(CCE)」、「N^((1))_(PUCCH)」は本願補正発明の「nCCE」、「N(1)PUCCH」に相当し、引用発明の「n^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)」は「nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定」されたものといえ、n^((1,p=p0))_(PUCCH)を第1のPUCCHリソースと称することは任意である。 そして、引用発明において「n^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)」であるから、引用発明の「n^((1,p=p1))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)」はn^((1,p=p1))_(PUCCH)=n^((1,p=p0))_(PUCCH) +1と変形できることから、「第1のPUCCHリソースに1を加算することによって決定」されたものといえ、n^((1,p=p1))_(PUCCH)を第2のPUCCHリソースと称することは任意である。 したがって、引用発明の「ACK/NACK応答は、TDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送は、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=(M-m-1)・N_(c)+m・N_(c+1)+n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHの伝送のために使われた最初のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され、」は、「ACK/NACK情報は、特定の上りリンクサブフレームにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースを用いて2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp0を通して、および、第2のPUCCHリソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp1を通して、伝送され、第1のPUCCHリソースは、nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定され、第2のPUCCHリソースは、第1のPUCCHリソースに1を加算することによって決定され、nCCEは、PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され」の点で本願補正発明と共通する。 以上を総合すると、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「TDD(Time Division Duplex)を用いて無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK反復の回数Nrepを指示する情報を含む情報を受信することと、 少なくとも1つの下りリンクサブフレームにおいてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信することと、 特定の上りリンクサブフレームから始めてNrep個の連続した上りリンクサブフレームの各々において前記PDCCHに関連付けられたACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である、ことと を含み、 前記ACK/NACK情報は、前記特定の上りリンクサブフレームにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースを用いて2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp0を通して、および、第2のPUCCHリソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちのアンテナポートp1を通して、伝送され、第1のPUCCHリソースは、nCCEおよびN(1)PUCCHを加算することによって決定され、第2のPUCCHリソースは、第1のPUCCHリソースに1を加算することによって決定され、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定される、方法。」 (相違点1) 一致点の「ユーザー機器が受信する情報」について、本願補正発明では「RRC(Radio Resource Control)メッセージ」で受信しているのに対し、引用発明では上位レイヤーで受信しているが、RRCメッセージと特定されていない点。 (相違点2) 一致点の「第1のPUCCHリソース」及び「第2のPUCCHリソース」について、本願補正発明では「n(1)PUCCH,1」及び「n(1)PUCCH,2」であるのに対し、引用発明では「n^((1,p=p0))_(PUCCH)」及び「n^((1,p=p1))_(PUCCH)」である点。 (相違点3) 本願補正発明ではTDDによる通信の場合に、特定の上りリンクサブフレームから始めてNrep個の連続した上りリンクサブフレームの各々において「2つのアンテナポートを通して」前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送し、「前記ACK/NACK情報は、前記Nrep個の連続した上りリンクサブフレームのうちの前記特定の上りリンクサブフレーム以外の残りの上りリンクサブフレームにおいて、第3のPUCCHリソースn(1)PUCCH,3を用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースn(1)PUCCH,4を用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,3、n(1)PUCCH,4は、」「それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される」のに対し、引用発明のFDDの場合には特定の上りサブフレームから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々において、「2つのアンテナポートを通して」ACK/NACK応答を伝送」し、「ACK/NACK応答は、FDDの場合、最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を用いて伝送され、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を上位レイヤーによって設定される」が、TDDの場合に特定の上りリンクサブフレーム以外の残りの上りリンクサブフレームにおいて「2つのアンテナポートを通して」ACK/NACK応答を伝送することは特定されていない点。 以下、各相違点について検討する。 (相違点1について) LTEの規格において上位レイヤーによる通信としてRRCメッセージによる通信を行うことは技術常識である。したがって、上位レイヤーによる通信としてRRCメッセージによる通信を採用することは引用発明において自明であるし、当業者が適宜なし得ることである。 (相違点2について) 本願明細書段落153において「n(1)PUCCH,i(i=0,…,A-1)は、チャネル選択に使用されるA個のPUCCHリソースのうち、i番目のPUCCHリソースのインデックスを意味する。」と記載されているように、「n(1)PUCCH,i」はチャネル選択に使用されるA個のPUCCHリソースであると認められる。 ここで、チャネル選択を行うことは周知であるところ、引用例にもチャネル選択を用いることが示唆されている(上記(イ)のa参照)から、引用発明においてチャネル選択を採用することは適宜選択しうる事項にすぎない。そして、チャネル選択においてどのチャネルを使用するかは当業者にとって設計的事項にすぎない。 よって、引用発明においてチャネル選択を採用し、PUCCHリソース「n^((1,p=p0))_(PUCCH)」及び「n^((1,p=p1))_(PUCCH)」を「n(1)PUCCH,1」及び「n(1)PUCCH,2」とすることは当業者が適宜なし得ることである。 (相違点3について) 引用発明のFDDの場合には、UEでは、特定の上りリンクサブフレームから始めて連続した上りリンクサブフレームの各々において「2つのアンテナポートを通して」PDCCHに関連付けられたACK/NACK情報を伝送し、「ACK/NACK応答は、FDDの場合、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームのうちの最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を用いて伝送され、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を上位レイヤーによって設定される」ことが行われている。 また相違点2で検討したように、引用発明においてチャネル選択を採用し、「n^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)」及び「n^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)」を「n(1)PUCCH,3」及び「n(1)PUCCH,4」とすることは当業者が適宜なし得ることである。 したがって、引用発明の最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、TDDの場合においてもFDDと同様に「2つのアンテナポートを通して」PDCCHに関連付けられたACK/NACK情報を伝送し、「前記ACK/NACK情報は、前記Nrep個の連続した上りリンクサブフレームのうちの前記特定の上りリンクサブフレーム以外の残りの上りリンクサブフレームにおいて、第3のPUCCHリソースn(1)PUCCH,3を用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースn(1)PUCCH,4を用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、n(1)PUCCH,3、n(1)PUCCH,4は、前記RRCメッセージによって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される」ようにすることは、阻害要因はなく、格別困難なことでもなく、当業者が容易に想到しうることである。 (請求人の主張について) ここで、平成30年6月29日付け審判請求書において、請求人は、 「引用文献1のEditor’s noteは、ACK/NACK反復のために使用される設定されたリソースがアンテナポートp=p1に対して適用されるということはまだ決定されていないということを明示的に開示しています。従いまして、引用文献1のEditor’s noteから、ACK/NACK反復のために使用される設定されたリソースがアンテナポートp=p1に対して適用されるということを開示していないことは明らかです。」 「第1に、引用文献1のEditor’s noteは、アンテナポートp=p1に対してのACK/NACK反復に関連する問題は3GPP規格化の専門家によるさらなる検討および議論が必要であるということを記載しているものですので、引用文献1のEditor’s noteは、アンテナポートp=p1に対するACK/NACK反復に関連する問題は、3GPP規格化の専門家の立場から容易に考え付くものではなく解決可能な技術的課題でもないということを示唆するものです。今日、500人以上の専門家が各3GPP規格化会議で集まって3GPP規格への新たな特徴の導入について激しく議論しているという事実を考慮すると、引用文献1のEditor’s noteは、将来の3GPP規格化会議で何を採用するかということを記載するものに過ぎるものではなく、この問題が解決にあたって非常に困難な技術的課題であって3GPP規格化の専門家でさえもTDDの場合でACK/NACK反復のために使用される設定されたリソースがアンテナポートp=p1に対して適用されるか否かを容易に決定することはできないということをも示唆するものです。」 「第2に、引用文献1のEditor’s noteに鑑みれば、当業者は、TDDについてアンテナポートp=p1に対してACK/NACK反復を適用するという特徴が用いられないと3GPP規格化の専門家が決定する可能性があると考え得ます。そのため、引用文献1のEditor’s noteは、3GPP規格化会議での議論によってACK/NACK反復のために使用される設定されたリソースがアンテナポートp=p1に対して適用されないことがあり得るということを示唆するものなのです。」 と主張している。 しかしながら、上記「(イ)引用例に記載された事項及び引用発明」の「d」の記載には、「TDDの場合、ACK/NACK反復はACK/NACKバンドリングにのみ適用可能であり、ACK/NACK多重化には適用できない。 <編集者注:ACK/NACKの反復に使用される構成済みリソースがアンテナポート p=p0専用であるかどうかを決定される>」と記載されているが、これは今後の検討事項を記載したものであって、TDDの場合にp=p0とp=p1の2アンテナポートでACK/NACK反復を行うことの技術的阻害要因を記載したものではないことから、請求人の主張は採用できない。 また、本願補正発明の作用効果も、引用発明の奏する作用効果から当業者が予測し得る範囲内のものである。 そうすると、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 以上を総合すると、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3.まとめ したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に違反するものであり、また、特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、 「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」、 というものであり、本件補正前の請求項1に対して引用例が引用されている。 引用例:Motorola,Introduction of Rel-10 LTE-Advanced features in 36.213(当審訳:36.213のリリース10LTEアドバンスの特徴の紹介),3GPP TSG-RAN Meeting #63 R1-106557,2010年12月17日アップロード,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106557.zip> 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?16に係る発明は、平成29年9月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明は、上記「第2 平成30年6月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の「1.補正の概要」の項目で示した本願発明のとおりのものと認める。 2.引用発明 引用発明は、上記「第2 平成30年6月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2.補正の適否」の「(2)独立特許要件について」の「イ 特許法第29条第2項について」の「(イ)引用例に記載された事項及び引用発明」の項で認定したとおりである。 3.対比・判断 本願発明と引用発明を対比すると、 (1) 引用発明の「UE」、「ACK/NACK応答」は、それぞれ本願発明の「ユーザー機器」、「ACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報」に相当する。したがって、引用発明では「無線通信システムにおいてUEによってACK/NACK応答を伝送する方法」であるから、「無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法」といえる。 (2) 引用発明の「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep) 」は「ACK/NACK反復情報」といえる。したがって、引用発明の「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep) を上位レイヤーで受信すること」は「ACK/NACK反復情報を受信する」といえる。 (3) 引用発明の「FDDの場合には、サブフレームn-4においてPDCCHを受信すること」は、本願発明の「サブフレームn-4においてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信すること」に相当する。 (4) 引用発明の「ACK/NACK応答の反復回数であるN_(ANRep) 」は本願発明の「Nrep」に相当することから、引用発明のFDDの場合は「サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通してPDCCHに関連付けられたACK/NACK応答を伝送する、ことと」「N_(ANRep)が1よりも大きい整数であ」ることは、本願発明の「サブフレームnから始めてNrep個の連続したサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通して前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である」に相当する。 (5) 引用発明の「最初の1回目のACK/NACK応答の伝送であるサブフレームn」は本願発明の「サブルームn」に相当する。 また、引用発明の「n_(CCE)」、「N^((1))_(PUCCH)」は本願発明の「nCCE」、「N(1)PUCCH」に相当することから、引用発明の「n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)」は「nCCE+N(1)PUCCH」といえ、n^((1,p=p0))_(PUCCH)を第1のPUCCHリソースを称することは任意である。 そして、引用発明の「n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)」は「nCCE+1+N(1)PUCCH」といえ、n^((1,p=p1))_(PUCCH)を第2のPUCCHリソースを称することは任意である。 したがって、引用発明の「ACK/NACK応答は、FDDの場合の最初の1回目のACK/NACK応答の伝送であるサブフレームnは、アンテナポートp0にはPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH)=n_(CCE)+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、アンテナp1にはPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH)=n_(CCE)+1+N^((1))_(PUCCH)を使用して伝送され、n_(CCE) はPDCCHを構成するために使用される最初(最低)のCCEインデックスの番号であり、N^((1))_(PUCCH)はより上位レイヤーによって構成され、」は、「前記ACK/NACK情報は、前記サブフレームnにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちの一方のアンテナポート(アンテナポートp0)を通して、および、第2のPUCCHリソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちの他方のアンテナポート(アンテナポートp1)を通して、伝送され、第1のPUCCHリソース=nCCE+N(1)PUCCHであり、第2のPUCCHリソース=nCCE+1+N(1)PUCCHであり、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され、」の点で本願発明と共通する。 (6) 引用発明の「サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームのうちの最初の1回目以外の上りサブフレーム」は本願発明の「サブフレームn+1?サブフレームn+Nrep-1の各々」に相当し、引用発明の「p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)」と「p=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)」を「第3のPUCCHリソース」、「第4のPUCCHリソース」と称することは任意である。 したがって、引用発明の「ACK/NACK応答は、FDDの場合、サブフレームnから始めてN_(ANRep)個の連続した上りサブフレームのうちの最初の1回目以外の上りサブフレームにおいて、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を用いて伝送され、p=p0に対するPUCCHリソースn^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)とp=p1に対するPUCCHリソースn^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)を上位レイヤーによって設定される」は、「前記ACK/NACK情報は、サブフレームn+1?サブフレームn+Nrep-1の各々において、第3のPUCCHリソースを用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースを用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、第3のPUCCHリソース、第4のPUCCHリソースは、前記ACK/NACK反復情報によって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される」の点で本願発明と共通する。 以上を総合すると、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 無線通信システムにおいてユーザー機器によってACK/NACK(ACKnowledgement/Negative ACK)情報を伝送する方法であって、前記方法は、 ACK/NACK反復情報を受信することと、 サブフレームn-4においてPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を受信することと、 サブフレームnから始めてNrep個の連続したサブフレームの各々において2つのアンテナポートを通して前記PDCCHに関連付けられた前記ACK/NACK情報を伝送することであって、Nrepは、1よりも大きい整数である、ことと を含み、 前記ACK/NACK情報は、前記サブフレームnにおいて、第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちの一方のアンテナポート(アンテナポートp0)を通して、および、第2のPUCCHリソースを用いて前記2つのアンテナポートのうちの他方のアンテナポート(アンテナポートp1)を通して、伝送され、第1のPUCCHリソース=nCCE+N(1)PUCCHであり、第2のPUCCHリソース=nCCE+1+N(1)PUCCHであり、nCCEは、前記PDCCHのCCE(Control Channel Element)インデックスの中の最も低いCCEインデックスであり、N(1)PUCCHは、上位レイヤーによって設定され、 前記ACK/NACK情報は、サブフレームn+1?サブフレームn+Nrep-1の各々において、第3のPUCCHリソースを用いて前記アンテナポートp0を通して、および、第4のPUCCHリソースを用いて前記アンテナポートp1を通して、伝送され、第3のPUCCHリソース、第4のPUCCHリソースは、前記ACK/NACK反復情報によって、それぞれ、前記アンテナポートp0、前記アンテナポートp1に対して設定される、方法。」 (相違点) 一致点の「第1のPUCCHリソース」、「第2のPUCCHリソース」、「第3のPUCCHリソース」、「第4のPUCCHリソース」について、本願補正発明では「n(1)PUCCH,1」、「n(1)PUCCH,2」、「n(1)PUCCH,3」、「n(1)PUCCH,4」であるのに対し、引用発明では「n^((1,p=p0))_(PUCCH)」、「n^((1,p=p1))_(PUCCH)」、「n^((1,p=p0))_(PUCCH,ANRep)」と「n^((1,p=p1))_(PUCCH,ANRep)」である点。 そうすると、両者は上記相違点のみ相違するが、上記「第2 平成30年6月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2.補正の適否」の「(2)独立特許要件」の「イ 特許法第29条第2項について」の「(ウ)対比及び判断」の「相違点2」で検討したとおりであるから、本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2019-06-13 |
結審通知日 | 2019-06-14 |
審決日 | 2019-06-25 |
出願番号 | 特願2016-118927(P2016-118927) |
審決分類 |
P
1
8・
57-
Z
(H04W)
P 1 8・ 561- Z (H04W) P 1 8・ 121- Z (H04W) P 1 8・ 575- Z (H04W) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 吉村 真治▲郎▼ |
特許庁審判長 |
菅原 道晴 |
特許庁審判官 |
中木 努 畑中 博幸 |
発明の名称 | ACK/NACKの伝送方法及びユーザー機器、並びにACK/NACKの受信信方法及び基地局 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 森下 夏樹 |