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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09J
審判 全部申し立て 発明同一  C09J
管理番号 1356807
異議申立番号 異議2019-700055  
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-12-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-01-25 
確定日 2019-09-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6361798号発明「接着剤組成物、電池用包装材、及び電池用容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6361798号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 特許第6361798号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6361798号の請求項1に係る特許についての出願は、平成25年8月12日に出願された特願2013-167262号の一部を、平成29年7月12日に新たな特許出願としたものであって、平成30年7月6日にその特許権の設定登録がされ、平成30年7月25日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、平成31年1月25日に特許異議申立人岡林茂(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
その後の手続の経緯は以下のとおりである。
平成31年 4月22日付け:取消理由通知
令和 元年 6月24日 :訂正請求書、意見書の提出(特許権者)

以下、令和元年6月24日に提出された訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。
なお、令和元年7月2日付けで、当審から申立人に訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)を送付し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、指定期間内に申立人から意見書は提出されなかった。

2.訂正請求について
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正事項は、以下のとおりである。
ア 訂正事項1 請求項1に係る訂正
特許請求の範囲の請求項1に、「金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、下記接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ、未硬化の接着剤層を形成した後、60?150、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80で3?10日程度静置し、接着剤層をエージングすることを特徴とする、積層体の製造方法。」とあるのを、「金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、下記接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ、未硬化の接着剤層を形成した後、60?150℃、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80℃で3?10日程度静置し、接着剤層をエージングすることを特徴とする、積層体の製造方法。」に訂正する。

イ 訂正事項2 請求項1に係る訂正
特許請求の範囲の請求項1に、「前記ポリオレフィン樹脂(A)が、下記(ア)または(イ)のいずれかである接着剤組成物。
(ア) プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体もしくはエチレンとプロピレンと1-ブテンとの三元共重合体に、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物と、スチレン、ドデシル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるモノマーとをグラフト重合させた変性ポリオレフィン樹脂。
(イ) プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)に、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト重合させた変性ポリオレフィン樹脂。」とあるのを、「前記ポリオレフィン樹脂(A)が、プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)に、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト重合させた変性ポリオレフィン樹脂である接着剤組成物。」に訂正する。

(2)訂正の適否についての判断
ア 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
(ア)訂正事項1について
a.訂正の目的について
訂正前の請求項1には、「60?150、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80で3?10日程度静置し」という、数字に単位が付記されていない記載があったため、発明の構成が技術的に不明瞭となっていた。 訂正事項1は、上記の記載について、本件明細書の段落[0042]における「本発明の接着剤組成物を用いてなる積層体は、例えば、以下のようにして得ることができる。
金属箔(又は熱融着性フィルム)の一方の面に、・・・未硬化の接着剤層を形成し、60?150℃、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム(又は金属箔)を重ねた後、40?80℃で3?10日程度静置し、接着剤層を十分硬化させ(エージングとも称する)、・・・積層体を得ることができる」との記載に基づいて、「60?150」を「60?150℃」と訂正し、「40?80」を「40?80℃」と訂正することにより、その本来の意を明らかにするものであるから、特許法第120条の5ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項1は、本件明細書の[0042]の記載に基づくものであるから、本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(イ)訂正事項2について
a.訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項1において、「ポリオレフィン樹脂(A)」が「下記(ア)または(イ)のいずれかである」として択一的な記載がされていたものを、訂正により(ア)の選択肢を削除し、訂正前の(イ)に相当する構成に限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

b.新規事項、及び特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項2は、訂正前の請求項1に記載されていた二つの選択肢のうちの一方を削除し、他方に限定するものであるから、本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり、また、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

イ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項である請求項1に対して特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1及び2については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

ウ 訂正請求についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において読み替えて準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項1について訂正を認める。

3.本件発明について
本件訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「[請求項1]
金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、下記接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ、未硬化の接着剤層を形成した後、60?150℃、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80℃で3?10日程度静置し、接着剤層をエージングすることを特徴とする、積層体の製造方法。
<接着剤組成物> カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、
前記ポリオレフィン樹脂(A)のガラス転移温度が-30?10℃であり、融点が60?110℃であり、融解エネルギーが15?50(mJ/mg)であり、
前記ポリオレフィン樹脂(A)が、プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)に、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト重合させた変性ポリオレフィン樹脂である接着剤組成物。」

4.取消理由通知に記載した取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成31年4月22日付けで特許権者に通知した取消理由(理由I及び理由II)の要旨は次のとおりである。
なお、引用した出願及び文献は、下記5.(2)「引用文献及びその記載事項」に記載したとおりである。
理由I(明確性)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
本件発明には、「未硬化の接着剤層を形成した後、60?150、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80で3?10日程度静置し」という発明特定事項が含まれているが、単位のない「60?150」及び「40?80」という数値範囲がそれぞれ何を意味しているのかが不明であるから、特許を受けようとする発明が明確でない。

理由II(拡大先願)
本件特許の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願1の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもなく、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
<引用文献等一覧>
1.特願2013-152466号(特開2015-21108号)(甲第1号証)
2.特開2004-277617号公報(甲第2号証)
3.特開2017-160375号公報(甲第3号証)
4.特開2013-112697号公報(甲第5号証)

5.取消理由通知に記載した取消理由についての判断
(1)理由I(明確性)について
上記2.「訂正請求について」に記載したとおり、本件訂正は認められるものであり、訂正前の請求項1に含まれていた単位のない「60?150」及び「40?80」という数値範囲の記載は、本件訂正によりそれぞれ「60?150℃」及び「40?80℃」に訂正され、いずれも温度範囲を意味していることが明瞭になったから、訂正後の本件発明の記載は明確であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。
よって、取消理由通知に記載した理由I(明確性)の取消理由により、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

(2)引用文献及びその記載事項
<引用文献等一覧>(再掲)
1.特願2013-152466号(特開2015-21108号)(甲第1号証)
2.特開2004-277617号公報(甲第2号証)
3.特開2017-160375号公報(甲第3号証)
4.特開2013-112697号公報(甲第5号証)

(i)本件特許に係る出願の原出願の出願日前の特許出願(出願日:平成25年7月23日)であって、本件特許に係る出願の原出願の出願後に出願公開(特開2015-21108号公報)された特願2013-152466号(以下、「先願1」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「先願1明細書等」という。)には、以下の事項が記載されている。
なお、先願1の発明者は伊藤隆浩、外2名であり、本件特許に係る出願の原出願の出願日における先願1の出願人は東亞合成株式会社であり、いずれも本件特許に係る出願の発明者及び出願人と同一ではない。
(1-1)「[請求項1]
有機溶剤と、該有機溶剤に溶解する変性ポリオレフィン系樹脂と、多官能イソシアネート化合物とを含有する接着剤組成物であって、
前記変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン樹脂(A)がα,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(B)、及び下記一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル(C)でグラフト変性された樹脂であり、
前記変性ポリオレフィン系樹脂中の前記(B)、(C)のグラフト重量は、各々0.1?20重量%、0.1?30重量%であり、かつ、当該樹脂の重量平均分子量は、15,000?200,000であることを特徴とする接着剤組成物。
CH_(2)=CR^(1)COOR^(2) ・・・(I)
[式(I)中、R^(1)は水素原子又はメチル基であり、R^(2)は炭素数8?18のアルキル基である。]
[請求項2]
上記ポリオレフィン樹脂(A)が、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の接着剤組成物。
[請求項3]
上記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(B)が、無水イタコン酸及び/又は無水マレイン酸である請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
[請求項4]
請求項1?3のいずれか1項に記載の接着剤組成物が硬化してなる接着剤層と、該接着剤層の一面側に接合された金属層と、該接着剤層の他面側に接合された熱融着性樹脂層とを備えることを特徴とする熱融着性部材。」

(1-2)「[0002]
従来、接着性に乏しいポリオレフィン樹脂からなる成形体を、他部材に接合させるための各種の接着剤組成物が提案されている。例えば、特許文献1には、軟化点が70℃?100℃である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂、特定量のブロックイソシアネート及び有機溶剤を含有するポリオレフィン系シート用接着剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂と、カルボン酸含有エポキシ樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、必要に応じてエポキシ樹脂とからなる成分を有機溶剤に溶解、分散させてなる接着剤組成物が開示されている。
これらの接着剤組成物は、複数の部材どうしの接着に用いられた結果、複合物を形成する。そして、この複合物は、食品、薬品等を収容する密封用容器、生活雑貨等の用途に適用されている。一般に、このような複合物は、生活環境の中で用いられると、形状安定性を得ることができるが、耐熱性や耐溶剤性が要求される用途では、必ずしも、形状安定性が得られるわけではない。具体的には、リチウムイオン電池の収納ケースに用いられる材料として、ポリオレフィンフィルムとアルミニウム箔と耐熱性樹脂フィルムからなるラミネート包装材が使用されているが、当該用途では80℃程度の耐熱性と、耐電解液性を有する包装材用接着剤が要望されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[0003]
[特許文献1]特開平10-273637号公報
[特許文献2]特開平4-18480号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
[0004]
特許文献1及び2に記載された接着剤組成物は、室温における接着性は良好であるものの、2つの部材の接合体が80℃程度の高い温度の条件にあると、接着部における耐熱性や耐溶剤性が不十分であるという問題がある。そのため、これらの接着剤組成物を用いてリチウムイオン電池の包装材を製造すると、高温における耐電解液性が不十分であるという問題がある。
本発明は、リチウムイオン電池の包装材に用いた場合でも、十分な接着強度が得られる接着剤組成物を提供することを目的とする。更に、本発明は、この接着剤組成物により、アルミニウム箔等の金属箔とポリオレフィン樹脂フィルム等の熱融着性樹脂フィルムとが接合されてなる熱融着性部材を提供することを目的とする。」

(1-3)「[0011]
また、上記変性ポリオレフィン系樹脂の示差走査型熱量計(以下「DSC」ともいう)による融点は、50?90℃であることが好ましく、60?85℃であることがより好ましい。融点が50℃以上であることにより、十分な接着強度を得ることができる。一方、融点が90℃以下であることにより接着剤組成物の安定性が良好であり、低温での十分な保管安定性を得ることができる。
[0012]
ポリオレフィン樹脂(A)は、特に限定されないが、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数2以上20以下、好ましくは2以上6以下のオレフィンの単独重合体又は共重合体が好ましい。ポリオレフィン樹脂中のこれらモノマーの割合は任意に選択できるが、結晶性ポリエチレン、ポリプロピレン等難接着性非極性ポリオレフィン樹脂を被着体とする場合は、本発明の変性ポリオレフィン樹脂は、エチレン-プロピレン、プロピレン-ブテン、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体が好ましく、特にこれらの樹脂中のプロピレンの割合が50モル%以上98モル%以下であることが好ましい。50モル%よりも少ないと被着体への接着性が劣り、98モル%より多いと柔軟性が不足する。また、出発原料であるポリオレフィン樹脂(A)の分子量には、特に制限はない。」

(1-4)「[0013]
α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体(B)は、変性ポリオレフィン系樹脂のグラフト成分である。成分(B)としては、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、アコニット酸、フタル酸、トリメリット酸、ノルボルネンジカルボン酸等の不飽和ポリカルボン酸又はこれらの誘導体(例えば、酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等)である。これらの中では、無水イタコン酸、無水マレイン酸が、変性ポリオレフィン系樹脂の諸被膜物性及び取り扱い性やコストの点で好ましい。成分(B)は、α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の化合物であればよく、α,β-不飽和カルボン酸1種以上とその誘導体1種以上の組み合わせ、α,β-不飽和カルボン酸2種以上の組み合わせ、α,β-不飽和カルボン酸の誘導体2種以上の組み合わせであってもよい。
・・・
[0016]
(メタ)アクリル酸エステル(C)は、下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である。
CH_(2)=CR^(1)COOR^(2) ・・・(I)
一般式(I)中、R^(1)は水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。R^(2)は炭素数8?18のアルキル基を表す。式(I)で示される化合物としては、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。」

(1-5)「[0024]
上記多官能イソシアネート化合物は、変性ポリオレフィン系樹脂のカルボキシ基と反応し、接着剤組成物を硬化させる作用を有する。」

(1-6)「[0033]
本発明の接着剤組成物において、塗膜を形成した後、塗膜を乾燥させ、有機溶剤を揮発させることにより、乾燥塗膜、即ち、硬化物、が作製される。この乾燥塗膜により、60℃以上の温度における、粘着性及び接着性を発現させることができる。塗膜の乾燥温度は、特に限定されず、作業性の観点から、好ましくは30℃?100℃である。乾燥塗膜は、変性ポリオレフィン系樹脂と、多官能イソシアネートとの反応生成物、即ち、変性ポリオレフィン系樹脂におけるカルボキシ基と、多官能イソシアネートにおけるイソシアネート基とが反応して得られた化合物を含み、この反応生成物が、2つの部材を接着させる接着剤として作用する。尚、2つの部材の間に、強固な接着性を得るためには、80℃以上の温度において、圧着等する方法等を適用することができる。」

(1-7)「[0041]
図1に示される熱融着性部材の製造方法は、以下の通りである。
(1)接着剤組成物を、金属層13形成用の金属箔、金属製フィルム等の表面に塗布し、その後、組成物中の有機溶剤を除去して接着剤層12を形成し、次いで、接着剤層12が形成された面に、熱融着性樹脂層11形成用樹脂フィルム(熱融着性樹脂フィルム)を接触させて、加熱しながら、圧着する方法。
(2)接着剤組成物を、熱融着性樹脂層11形成用樹脂フィルム(熱融着性樹脂フィルム)の表面に塗布し、その後、組成物中の有機溶剤を除去して接着剤層12を形成し、次いで、接着剤層12が形成された面に、金属層13形成用の金属箔等を接触させて、加熱しながら、圧着する方法。」

(1-8)「[0044]
接着剤組成物は、従来、公知の方法により塗布することができ、例えば、バーコーター、グラビアコーター等を用いて塗布することができる。塗膜の厚さ及びその乾燥温度は、特に限定されない。塗膜の乾燥温度は、好ましくは30℃?100℃である。上記のように、乾燥した塗膜は、一般に、粘着性及び接着性を有するので、加熱することなく、2つの部材を接着することができるが、本発明の熱融着性部材を製造する場合には、変性ポリオレフィン系樹脂に基づく樹脂成分の融点並びに溶融粘度等を考慮した温度に加熱しながら、圧着等に供される。熱融着性部材を完成させるための、加熱条件及び圧着条件は、特に限定されず、金属箔の材質及び熱融着性樹脂フィルムの材質、溶融温度等、接着剤層の組成等により設定することが好ましい。」

(1-9)「[0050]
1-5.はく離接着強さ
(1)試験片の作製
表面を化成処理した厚さ40μmのアルミニウム箔(100mm×200mm)に、接着剤組成物をバーコーターで塗布し、その後、80℃で60秒間、更に180℃で20秒間乾燥させ、接着剤組成物に含有されていた有機溶剤を除去して膜厚4μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層の表面に、熱融着性樹脂フィルムとして厚さ80μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(以下「CPP」と略記する)を貼合し、熱傾斜試験機を用いて、アルミニウム箔の面から加圧して圧着させた。このときの接着条件は、温度180℃、圧力0.3MPa、圧着時間2秒とした。その後、この一体化物を40℃に調温された熱風循環式オーブンに3日間収容し、試験片を得た。
(2)Tはく離接着強さの測定
試験片を15mm幅に裁断し、アルミニウム箔とCPPとの間のTはく離接着強さ(N/15mm)を測定した。測定条件は、温度が25℃及び80℃であり、引張速度は100mm/分である。」

(1-10)「[0052]
2.変性ポリオレフィン系樹脂の製造
合成例1
L/D=42、φ=58mmの二軸押出機に、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分72モル%、エチレン成分7モル%、ブテン成分21モル%、重量平均分子量120,000、Tm=100℃)100重量部、無水マレイン酸1.5重量部、メタクリル酸ラウリル4重量部、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は180℃(第1バレル?第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は92,000、Tm=90℃、無水マレイン酸のグラフト重量は1.1重量%、メタクリル酸ラウリルのグラフト重量は3.6重量%であった。カルボキシ基の含有量は、22.4mmol/100gである。」

(1-11)「[0057]
合成例5
L/D=42、φ=58mmの二軸押出機に、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000、Tm=70℃)100重量部、無水マレイン酸18重量部、メタクリル酸ラウリル25重量部、ラウロイルパーオキサイド2重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は170℃(第1バレル?第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は62,000、Tm=70℃、無水マレイン酸のグラフト重量は16重量%、メタクリル酸ラウリルのグラフト重量は24重量%であった。カルボキシ基の含有量は、326mmol/100gである。」

(1-12)「[0066]
3.接着剤組成物の製造及び評価
実施例1
コンデンサー及び攪拌機が付設された内容積300mlのフラスコに、合成例1で合成した変性ポリオレフィン樹脂15g、メチルシクロヘキサン68g及びメチルエチルケトン17gを仕込み、60℃で10分間撹拌し、溶液を得た。室温まで冷却した後、この溶液に、反応促進剤としてジブチルスズジラウレート(以下「DBTL」という)1.5mgを添加して更に混合し、25℃における粘度が54mPa・sであり、樹脂濃度が15重量%である、液状の樹脂組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を主剤とし、この主剤に多官能イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラネートTPA-100」)を、1.5g(NCO/OH=2.07)配合して混合し、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物を用いて、上記の評価を行った。尚、試験片の作製に際して、多官能イソシアネート化合物を配合後、1時間以内に、接着剤組成物を使用した。配合組成及び評価結果を表1に示す。
[0067]
実施例2?6
変性ポリオレフィン樹脂を合成例2?6で合成した変性ポリオレフィン樹脂とし、多官能イソシアネート化合物の配合量を表1に示した量とした以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。そして、上記の評価を行った。配合組成及び評価結果を表1に示す。」

(1-13)「[0070]
[表1]



(1-14)「[図1]



(ii)引用文献2に記載された事項
引用文献2には、以下の事項が記載されている。
(2-1)「[0026]
(試作例1)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機((株)テクノベル製)に、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量70,000)100重量部、無水マレイン酸8重量部、ラウリルメタクリレート8重量部、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は180℃(第1バレル?第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は59,000、無水マレイン酸のグラフト重量は5.2重量%、ラウリルメタクリレートのグラフト重量は6.2重量%、Tgは-26.7℃であった。
[0027]
(試作例2)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量70,000)100重量部、無水イタコン酸12重量部、トリデシルアクリレート6重量部、ラウロイルパ-オキサイド2重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は190℃(第1バレル?第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は57,000、無水イタコン酸のグラフト重量は7.5重量%、トリデシルアクリレートのグラフト重量は4.6重量%、Tgは-26.1℃であった。
[0028]
(試作例3)
撹拌機、冷却管、及び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量70,000)100gをトルエン400g中に110℃にて加熱溶解
させた後、無水マレイン酸15g、ステアリルメタクリレート8g、ヒドロキシエチルメタクリレート12g、過酸化ベンゾイル0.5gをそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温に冷却した後、反応物を大量のアセトン中に投下して精製し、重量平均分子量が50,000、無水シトラコン酸のグラフト重量が9.7重量%、ステアリルメタクリレートのグラフト重量が5.5重量%、ヒドロキシエチルメタクリレートのグラフト重量が7.8重量%、Tgが-25.8℃の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
[0029]
(試作例4)
撹拌機、冷却管、及び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン成分97.0モル%、エチレン成分3.0モル%、重量平均分子量250,000)100gをトルエン400g中に加熱溶解させた後、系の温度を110℃に保持して撹拌しながらジクミルパーオキサイド1gを滴下し、その後1時間減成処理した。次に、無水シトラコン酸15g、ステアリルメタクリレート20g、過酸化ベンゾイル0.5gをそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温に冷却した後、反応物を大量のアセトン中に投下して精製し、重量平均分子量が76,000、無水シトラコン酸のグラフト重量が9.4重量%、ステアリルメタクリレートのグラフト重量が13.8重量%、Tgが-4.0℃の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
[0030]
(試作例5)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量70,000)100重量部、無水イタコン酸15重量部、オクチルメタクリレート5重量部、ラウロイルパ-オキサイド2重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は220℃(第1バレル?第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は13,000、無水イタコン酸のグラフト重量は12.5重量%、オクチルメタクリレートのグラフト重量は4.2重量%、Tgが-26.0℃であった。」

(iii)引用文献3に記載された事項
引用文献3には、以下の事項が記載されている。
(3-1)「[0083]
<ポリオレフィン樹脂(A1)の製造>
ポリオレフィン樹脂の重合反応として、窒素置換した内容積500mLのガラス製オートクレーブに精製トルエン250mL、メチルアルミノキサンをAl原子換算で2.0mg、ジメチルシリル-ビス-(4,5,6,7,8-ペンタヒドロアズレン-2-イル)ジルコニウムジクロライドをZr原子換算で4.0μg原子を投入し、20℃に昇温した。続いてプロピレンを、100L/hrの一定速度で供給しながら、20℃で1.32MPaの一定圧力を維持するように1-ブテンモノマーを連続供給し、重合を開始した。20℃、8時間、重合を行った後、イソプロパノールを添加して重合を停止した。得られたポリマー溶液を、多量のメタノールに添加し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーをろ過、乾燥することにより、プロピレン/1-ブテン=72/28(モル比)で共重合されたポリオレフィン樹脂を得た。
ポリオレフィン樹脂へのモノマーグラフト反応として、3Lフラスコに、得られたポリオレフィン樹脂371gと、トルエン600gと、グラフトモノマーとして無水マレイン酸25gを仕込み、窒素気流下、加熱溶解させ、溶液温度の100℃にした。1時間攪拌した後に、tert-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)4gを添加して4時間その温度で反応を続けた。得られた溶液を室温まで冷却し、アセトンを加えてマレイン化されたポリオレフィン樹脂を析出させた。析出した樹脂を繰り返しアセトンで洗浄した後、乾燥することで固形樹脂を得た。これをポリオレフィン樹脂(A1)とする。
ポリオレフィン樹脂(A1)の数平均分子量、ガラス転移温度、融点、ΔE、酸無水物価は、それぞれ22000、-17℃、76℃、30mJ/mg、0.38mmol/gであった。」

(3-2)「[0087]
<ポリオレフィン樹脂(A5)の製造>
ポリオレフィン樹脂へのモノマーグラフト反応の際にポリオレフィン樹脂を360g、グラフトモノマーとして無水マレイン酸を32g、ラウリルメタアクリレートを3g使用した以外はポリオレフィン樹脂(A1)の製造と同様の条件で製造を行い、プロピレン/1-ブテン=72/28(モル比)で共重合されたポリオレフィン樹脂(A5)を得た。
ポリオレフィン樹脂(A5)の数平均分子量、ガラス転移温度、融点、ΔE、酸無水物価は、それぞれ22000、-17℃、77℃、30mJ/mg、0.54mmol/gであった。」

(3-3)「[0089]
[表1]



(iv)引用文献4に記載された事項
引用文献4には、以下の事項が記載されている。
(4-1)「[請求項1]
下記(A)?(D)を含有する接着剤組成物であって、
カルボキシル基を有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)を含有する非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と粘着付与剤(B)との合計100重量%中に、前記カルボキシル基含有非結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)を20?90重量%、前記粘着付与剤(B)を10?80重量%含み、
前記非結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と前記粘着付与剤(B)との合計1g中に含まれる前記カルボキシル基含有非結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)由来のカルボキシル基の量が0.001?0.675(mmol)であり、
前記のカルボキシル基の合計1molに対して、アジリジン基の量が0.3?10molとなる範囲でアジリジン基含有化合物(C)を含有し、
前記のカルボキシル基の合計1molに対して、沸点が70?300℃の3級アミン(D)を0.5mol以上含有する、接着剤組成物。
・・・
[請求項5]
金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、
請求項1又は2記載の接着剤組成物を塗工し、未硬化の接着剤層を形成し、
前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ね、
前記未硬化の接着剤層を硬化し、金属箔と熱融着性フィルムとを貼り合わせることを特徴とする、金属箔と熱融着性フィルムとの積層体の製造方法。」

(4-2)「[技術分野]
[0001]
本発明は、二次電池用の電池容器の形成に好適な積層体に関する。詳しくは、熱融着性フィルムと金属箔との接着において高い接着強度を有し、長時間電解質に浸漬されても接着強度を高レベルで維持できる積層体に関する。
本発明は、前記のような二次電池容器用の積層体の形成に好適な接着剤組成物に関する。
また、本発明は、前記のような二次電池容器用の積層体を用いてなる二次電池に関する。
さらに詳しくは、本発明は、非水電解質二次電池用の積層体、前記積層体形成用の接着剤組成物、及び前記積層体を用いてなる非水電解質二次電池に関する。」

(4-3)「[発明が解決しようとする課題]
[0010]
本発明は、熱融着性フィルムと金属箔の接着において、短期のエージング期間で高い接着強度を発現し、かつ長期ポットライフを有し、長期に亘り電解質溶液に浸漬されても接着強度を高レベルで維持できる積層体を形成できる、生産性に優れた接着剤組成物を提供することを課題とする。」

(4-4)「[0045]
本発明の接着剤組成物は、前記カルボキシル基含有非結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)中ないし粘着付与剤(B)中のカルボキシル基と反応する硬化性成分として、アジリジン基含有化合物(C)を含む。
[0046]
本発明で使用されるアジリジン基含有化合物(C)は、前記カルボキシル基含有非結晶性ポリオレフィン樹脂(A1)や粘着付与剤(B)中のカルボキシル基との反応性が極めて高く、熱融着性フィルムとの接着性を著しく向上させ、短時間のエージング(例えば、通常40℃で5日のところ、40℃で1日程度)で接着剤に高い接着力を与える。また、反応により得られる架橋構造が高い電解液耐性を有するため、接着剤に電解液耐性を与える。」

(4-5)「[0060]
本発明の接着剤組成物を用いてなる積層体は、例えば、以下のようにして得ることができる。
金属箔(又は熱融着性フィルム)の一方の面に、本発明の接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ(乾燥させ)、未硬化の接着剤層を形成し、60?150℃、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム(又は金属箔)を重ねた後、40?80℃で3?7日程度静置し、接着剤層を十分硬化させ(エージングとも称する)、金属箔と熱融着性フィルムとを貼り合わせる。
接着剤組成物の塗工には、コンマコーター等の一般的な塗工機を用いることができる。また、乾燥硬化時の硬化接着剤層の厚み(量)は、1?30g/m^(2)程度であることが好ましい。」

(3)引用文献等に記載された発明
ア 先願1明細書等に記載された発明
先願1明細書等には、「有機溶剤と、該有機溶剤に溶解する変性ポリオレフィン系樹脂と、多官能イソシアネート化合物とを含有する接着剤組成物」及び当該「接着剤組成物が硬化してなる接着剤層と、該接着剤層の一面側に接合された金属層と、該接着剤層の他面側に接合された熱融着性樹脂層とを備える・・・熱融着性部材」が記載されており(摘記1-1の請求項1、4)、上記接着剤組成物に含まれる変性ポリオレフィン系樹脂は、「ポリオレフィン樹脂(A)がα,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(B)、及び一般式(I)(当審注:式の定義は摘記1-1の請求項1を参照。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(C)でグラフト変性された樹脂」であること(摘記1-1の請求項1)、上記ポリオレフィン樹脂(A)は「エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種」であることが好ましいこと(摘記1-1の請求項2、摘記1-3)、上記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(B)は「マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、アコニット酸、フタル酸、トリメリット酸、ノルボルネンジカルボン酸等の不飽和ポリカルボン酸又はこれらの誘導体(例えば、酸無水物・・・等)」であること(摘記1-4)、上記(メタ)アクリル酸エステル(C)は「(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましい」こと(摘記1-4)、「上記変性ポリオレフィン系樹脂の示差走査型熱量計・・・による融点は、50?90℃であることが好まし」いこと(摘記1-3)、及び上記接着剤組成物に含まれる「多官能イソシアネート化合物」は、「変性ポリオレフィン系樹脂のカルボキシ基と反応し、接着剤組成物を硬化させる作用を有する」こと(摘記1-5)が記載され、上記熱融着性部材の製造方法としては、図1(摘記1-13)とともに、「(1)接着剤組成物を、金属層13形成用の金属箔、金属製フィルム等の表面に塗布し、その後、組成物中の有機溶剤を除去して接着剤層12を形成し、次いで、接着剤層12が形成された面に、熱融着性樹脂層11形成用樹脂フィルム(熱融着性樹脂フィルム)を接触させて、加熱しながら、圧着する方法」及び「(2)接着剤組成物を、熱融着性樹脂層11形成用樹脂フィルム(熱融着性樹脂フィルム)の表面に塗布し、その後、組成物中の有機溶剤を除去して接着剤層12を形成し、次いで、接着剤層12が形成された面に、金属層13形成用の金属箔等を接触させて、加熱しながら、圧着する方法」(摘記1-7)が記載されている。
また、上記製造方法において、接着剤組成物は、金属箔等又は熱融着性樹脂フィルムの表面に「例えば、バーコーター、グラビアコーター等を用いて塗布」され、塗膜が「好ましくは30℃?100℃」の乾燥温度で乾燥されることにより接着剤層を形成すること(摘記1-6、1-8)、「乾燥塗膜は、変性ポリオレフィン系樹脂におけるカルボキシル基と多官能イソシアネートとの反応生成物」を含み、「この反応生成物が2つの部材を接着させる接着剤として作用」し、「強固な接着性を得るためには、80℃以上の温度において、圧着等する方法」を適用することができること(摘記1-6)、乾燥により得られた接着剤層と熱融着性樹脂フィルム又は金属箔等とは、「変性ポリオレフィン系樹脂に基づく樹脂成分の融点並びに溶融粘度等を考慮した温度に加熱しながら、圧着等に供され」、「熱融着性部材を完成させるための、加熱条件及び圧着条件は、特に限定されず、金属箔の材質及び熱融着性樹脂フィルムの材質、溶融温度等、接着剤層の組成等により設定することが好ましい」こと(摘記1-8)が記載されているところ、上記「乾燥」されることにより形成された接着剤層は未硬化の組成物であり、その後「加熱しながら、圧着等に共され」ることにより「接着剤組成物が硬化してなる接着剤層」を有する「熱融着性部材」が「完成」するものと理解することができる。
さらに、上記接着剤組成物の具体例としては、合成例1(摘記1-10)に従って「プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分72モル%、エチレン成分7モル%、ブテン成分(当審注:「α-オレフィン」との記載からみて、「1-ブテン」であると認められる。)21モル%、重量平均分子量120,000、Tm=100℃)」に「無水マレイン酸」(当審注:「酸無水物」の一種と認められる。)及び「メタクリル酸ラウリル」をグラフトさせた変性ポリオレフィン系樹脂を得た後、実施例1(摘記1-12)に従って、有機溶媒(メチルシクロヘキサン及びメチルエチルケトン)に溶解させ、反応促進剤(ジブチルスズジラウレート)を添加して液状の樹脂組成物(主剤)とし、この主剤に多官能イソシアネート化合物を配合して混合することにより調製された実施例1の接着剤組成物、及び合成例5(摘記1-11)に従って「プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分(当審注:「α-オレフィン」との記載からみて、「1-ブテン」であると認められる。)24モル%、重量平均分子量50,000、Tm=70℃)」に「無水マレイン酸」及び「メタクリル酸ラウリル」をグラフトさせた変性ポリオレフィン系樹脂を得た後、実施例1と同様にして調製された実施例5の接着剤組成物(摘記1-12、1-13)が記載されており、上記熱融着性部材及びその製造方法の具体例としては、はく離接着強さの試験片の作製例(摘記1-9)に従って、「表面を化成処理した厚さ40μmのアルミニウム箔(100mm×200mm)に、接着剤組成物をバーコーターで塗布し、その後、80℃で60秒間、更に180℃で20秒間乾燥させ、接着剤組成物に含有されていた有機溶剤を除去して膜厚4μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層の表面に、熱融着性樹脂フィルムとして厚さ80μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(以下「CPP」と略記する)を貼合し、熱傾斜試験機を用いて、アルミニウム箔の面から加圧して圧着させた。このときの接着条件は、温度180℃、圧力0.3MPa、圧着時間2秒とした。その後、この一体化物を40℃に調温された熱風循環式オーブンに3日間収容し、試験片を得た」ことが記載され、評価結果は表1(摘記1-13)のとおりであったことが記載されている。
そうすると、先願1明細書等には次の発明が記載されている。
「金属箔又は熱融着性樹脂フィルムの一方の表面に、下記接着剤組成物を塗布し、乾燥させることにより接着剤組成物に含有されていた有機溶剤を除去して未硬化の接着剤層を形成し、次いで、未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性樹脂フィルム又は金属箔を貼合し、80℃以上に加熱しながら圧着する工程を有する、接着剤組成物が硬化してなる接着剤層と、該接着剤層の一面側に接合された金属層と、該接着剤層の他面側に接合された熱融着性樹脂層とを備える熱融着性部材の製造方法。
<接着剤組成物>
エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリオレフィン樹脂(A)に、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)、及び(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルから選ばれる(メタ)アクリル酸エステル(C)でグラフト変性された変性ポリオレフィン系樹脂と、接着剤組成物を硬化させる作用を有する多官能イソシアネート化合物と、有機溶剤とを含有し、上記変性ポリオレフィン系樹脂の融点は50?90℃である、接着剤組成物。」(以下、「引用発明」という。)

(4)理由II(拡大先願)について
ア 本件発明と引用発明との対比
本件発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「金属箔」、「熱融着性樹脂フィルム」、「一方の表面」、「接着剤組成物」、「塗布」、「乾燥させることにより接着剤組成物に含有されていた有機溶剤を除去」、「未硬化の接着剤層を形成」、「未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性樹脂フィルム又は金属箔を貼合」、「接着剤組成物が硬化してなる接着剤層と、該接着剤層の一面側に接合された金属層と、該接着剤層の他面側に接合された熱融着性樹脂層とを備える熱融着性部材」及び「製造方法」は、それぞれ本件発明における「金属箔」、「熱融着性フィルム」、「一方の面」、「接着剤組成物」、「塗工」、「溶剤を揮散」、「未硬化の接着剤層を形成」、「未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ね」、「積層体」及び「製造方法」に相当し、引用発明における「80℃以上に加熱しながら圧着」する工程は、本件発明における「60?150℃、加圧下」と、加熱及び加圧している点で共通する。
また、引用発明における「ポリオレフィン樹脂(A)」のうち「プロピレン-1-ブテン共重合体」は、本件発明における「プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体」に相当し、引用発明における「α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)」は、本件発明における「エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物」に相当し、引用発明における「グラフト変性」及び「変性ポリオレフィン系樹脂」は、上記のとおり「α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)」がグラフトマーに含まれていることからみて、本件発明における「グラフト重合」及び「カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)」に相当し、引用発明における「変性ポリオレフィン系樹脂の融点」の「50?90℃」は、本件発明における「ポリオレフィン樹脂(A)の・・・融点」の「60?110℃」と重複する。
さらに、引用発明における「接着剤組成物を硬化させる作用を有する多官能イソシアネート化合物」及び「有機溶剤」は、それぞれ本件発明における、「多官能イソシアネート硬化剤(B)」及び「溶剤(C)」に相当する。
そうすると、両者は、
「金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、下記接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ、未硬化の接着剤層を形成した後、加熱及び加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねる工程を有する、積層体の製造方法。
<接着剤組成物>
カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有する、接着剤組成物。」
の点で一致し、
相違点1:「加熱及び加圧」の温度条件が、本件発明においては「60?150℃」であるのに対し、引用発明においては「80℃以上」である点
相違点2:本件発明は、「40?80℃で3?10日程度静置し、接着剤層をエージングする」工程を有するのに対し、引用発明はそのような工程を有することが特定されていない点
相違点3:「カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)」の融点が、本件発明においては「60?110℃」であるのに対し、引用発明においては「50?90℃」である点
相違点4:「カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)」が、本件発明においては「ガラス転移温度が-30?10℃」であり「融解エネルギーが15?50(mJ/mg)」であるのに対し、引用発明においてはそのようなことが明らかでない点
相違点5:「カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)」において、グラフト変性されるポリオレフィン樹脂が、本件発明においては「プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)」であるのに対し、引用発明においては「エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリオレフィン樹脂(A)」である点
相違点6:「カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)」において、ポリオレフィン樹脂にグラフト重合させる化合物が、本件発明においては「エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物」であるのに対し、引用発明においては「α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)、及び(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルから選ばれる(メタ)アクリル酸エステル(C)」である点
で相違する。そこで、上記相違点について検討する。

イ 相違点5について
事案に鑑み、まず、相違点5について検討する。
先願1明細書等の特許請求の範囲の請求項2(摘記1-1)及び[0012](摘記1-3)には、ポリオレフィン樹脂(A)の好ましい選択肢として「エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体」の三種類が記載されているが、「プロピレン-ブテン共重合体」という選択肢が「1-ブテンが60モル%以下の場合を除く」ものであることは具体的には記載されていない。
むしろ、上記[0012]には、「特にこれらの樹脂中のプロピレンの割合が50モル%以上98モル%以下であることが好ましい。50モル%よりも少ないと被着体への接着性が劣り、98モル%より多いと柔軟性が不足する。」と記載されているから、「プロピレン-ブテン共重合体」でいえば、プロピレンの割合が50モル%よりも少ないこと、すなわち、ブテンの割合が50モル%より多いことは、先願1明細書では被着体への接着性が劣るため好ましくないと認識されていたといえる。
さらに、先願1明細書等に記載された「ポリオレフィン樹脂(A)」の具体例を参照しても、「プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体」の合成例1及び5は記載されているが(摘記1-10、1-11)、「プロピレン-1-ブテン共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)」に相当する合成例は記載されておらず、特にプロピレン成分のみに着目して精査しても、上記[0012]に接着性が劣ることが記載されたプロピレン成分の割合が50モル%よりも少ない共重合体(ブテンの割合が50モル%より多い共重合体)の合成例は記載されていない。
加えて、本件特許に係る出願の出願日とみなされる日における技術常識について検討しても、積層体の製造に用いられる接着剤組成物の技術分野において、上記相違点5に係る「プロピレン-1-ブテン共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)」を用いることが周知の技術的事項であったとも認められない。
そうすると、上記相違点5に係る「プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)」を用いることは、先願1明細書等に実質的に記載されていない事項であるといえる。

ウ 引用文献2?4について
念のため、引用文献2?4について検討すると、引用文献2には変性ポリオレフィン樹脂のTgについて記載され(摘記2-1)、引用文献3には変性ポリオレフィン樹脂のガラス転移温度、融点及びΔE(融解エネルギー)が記載され(摘記3-1?3-3)、引用文献4には積層体の製造方法における熱圧着の具体的な条件等(摘記4-1?4-5)が記載されているが、これらの記載を参酌しても、上記相違点5が実質的な相違点ではないということはできない。

エ 理由II(拡大先願)についての判断
以上のことから、本件発明と引用発明とは、少なくとも上記相違点5の点で実質的に相違するものである。そうすると、他の相違点1?4及び6について検討するまでもなく、本件発明は引用発明と実質的に同一であるということはできないから、本件発明は特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものではない。
よって、取消理由通知に記載した理由II(拡大先願)の取消理由により、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

6.特許異議申立理由について
申立人が申し立てた申立理由は、平成31年4月22日付け取消理由通知に記載した理由II(拡大先願)に相当するから、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立て理由はない。
なお、申立人は、取消理由通知で引用した証拠に加え、甲第4号証(国際公開第2014/123183号)を提出しているが、甲第4号証にも、上記相違点5に係る「プロピレン-1-ブテン共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)」を用いることは記載されておらず、甲第4号証の記載を参酌しても、上記相違点5が実質的な相違点ではないということはできない。

7.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔又は熱融着性フィルムの一方の面に、下記接着剤組成物を塗工し、溶剤を揮散させ、未硬化の接着剤層を形成した後、60?150℃、加圧下に前記未硬化の接着剤層の表面に、熱融着性フィルム又は金属箔を重ねた後、40?80℃で3?10日程度静置し、接着剤層をエージングすることを特徴とする、積層体の製造方法。
<接着剤組成物> カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリオレフィン樹脂(A)と、多官能イソシアネート硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、
前記ポリオレフィン樹脂(A)のガラス転移温度が-30?10℃であり、融点が60?110℃であり、融解エネルギーが15?50(mJ/mg)であり、
前記ポリオレフィン樹脂(A)が、プロピレンと1-ブテンとの二元共重合体(但し、1-ブテンが60モル%以下の場合を除く)に、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト重合させた変性ポリオレフィン樹脂である接着剤組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-09-11 
出願番号 特願2017-136112(P2017-136112)
審決分類 P 1 651・ 161- YAA (C09J)
P 1 651・ 537- YAA (C09J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菅野 芳男  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 蔵野 雅昭
天野 宏樹
登録日 2018-07-06 
登録番号 特許第6361798号(P6361798)
権利者 東洋モートン株式会社 東洋インキSCホールディングス株式会社 トーヨーケム株式会社
発明の名称 接着剤組成物、電池用包装材、及び電池用容器  
代理人 家入 健  
代理人 家入 健  
代理人 家入 健  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
代理人 家入 健  
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