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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61K
審判 査定不服 1項2号公然実施 取り消して特許、登録 A61K
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 A61K
管理番号 1359878
審判番号 不服2019-484  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-16 
確定日 2020-03-03 
事件の表示 特願2017- 25377「スキンケア化粧料」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月15日出願公開、特開2017-105825、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年 6月25日(優先権主張 平成26年 4月24日)を国際出願日とする特願2015-504468号の一部を平成29年 2月14日に新たな出願としたものであって、平成30年 3月29日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月12日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成31年 1月16日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定(平成30年10月12日付け拒絶査定)の理由の概要は次のとおりである。

理由1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

理由3.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、下記の点でその出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であるから、特許法第29条第1項第2号に該当し、特許を受けることができない。

●理由1(新規性)及び理由2(進歩性)について
A ・請求項 1、4?6
・引用文献等 1

B ・請求項 1、4?6
・引用文献等 2

C ・請求項 1、4?6
・引用文献等 3

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)及び理由3(新規性)について
D ・請求項 1、3?6
・引用文献等 4

E ・請求項 1?2、4?6
・引用文献等 5

F ・請求項 1?2、4?6
・引用文献等 6

G ・請求項 1?2、4?6
・引用文献等 7

●理由2(進歩性)について
H ・請求項 2、4
・引用文献等 1、8

I ・請求項 3?4
・引用文献等 1、9?10

引用文献等一覧
1.特表2005-529946号公報
2.特開平09-124430号公報
3.特表2009-520707号公報
4.White Skin Liquid (Ochre10),ID355656,Mintel GNPD,2005年 4月,[検索日2018年3月27日],インターネット<URL:http://www.portal.mintel.com>
5.Moisturize Whitening Lotion SPF 10,ID1601819,Mintel GNPD,2011年 7月,[検索日2018年3月27日],インターネット<URL:http://www.portal.mintel.com>
6.Neck & Body Exfoliant Lotion,ID1030755,Mintel GNPD,2009年 1月,[検索日2018年3月27日],インターネット<URL:http://www.portal.mintel.com>
7.Whitening Hand & Body Lotion SPF 10,ID2201360,Mintel GNPD,2013年10月,[検索日2018年3月27日],インターネット<URL:http://www.portal.mintel.com>
8.特開2004-352723号公報
9.特開2004-262857号公報
10.特開2011-178769号公報

第3 本願発明
本願の請求項1?4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、平成31年 1月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
(A)0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、
(B)1?40質量%のオクチルメトキシシンナメート及び/又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルと、
を含有することを特徴とする大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料。
【請求項2】
(C)多孔性粉末を更に含有する、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
(D)クエン酸(塩)を更に含有する、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
(E)抗酸化剤を更に含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。」

第4 引用文献の記載事項並びに引用発明及び公然実施発明
1 引用文献の記載
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1?10には、それぞれ次の事項が記載されている。

(1)引用文献1
ア 記載事項1-1
「【請求項1】
複数段階の顔面用ファンデーション製品として適用するのに好適な化粧キットであって、前記キットは:
a)第1の組成物であって:
(i)安全且つ有効な量の吸収剤;及び
(ii)第1の皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む第1の組成物;並びに
b)第2の組成物であって:
(i)安全且つ有効な量の1種または複数の着色剤類;及び
(ii)第2の皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む第2の組成物を特徴とし、
ここで、前記第2の組成物が、前記第1の組成物の後に顔面の皮膚に局所適用される、化粧キット。」

イ 記載事項1-2
「【0011】
別途指示されない限り、すべてのパーセンテージ及び比は重量ベースで計算されている。別途指示されない限り、すべてのパーセンテージは組成物全体をベースにして計算されている。」

ウ 記載事項1-3
「【0015】
(第1の組成物)
本特許請求の範囲に記載されるキットの第1の組成物は、皮膚の状態を改善するため使用者の顔面の皮膚に局所適用される。特に第1の組成物が、顔面の皮膚上に生じる油、皮脂、及び汗の生成を遅らせる援助をすることが意図される。より油性でない皮膚の表面は、第2の顔料製品の適用の受容及び保持についてより受容的であることが、観察されている。例えば、第1の組成物の適用は、滑らかな、自然の外観の、及び審美的に感じのよい有色層のための改善された基礎層を提供し、その結果消費者に受け入れられる顔面用有色製品を実現することが観察された。第1の組成物は吸収剤を含有するが、改善された油、皮脂、及び汗の吸収のために、その後に適用される組成物中に同じまたは類似の吸収剤類が包含されてもよいことが想定される。
【0016】
好適な吸収剤類には、以下に限定されないが、シリカ類、シリケート類、ポリアクリレート類、架橋シリコーン類、架橋炭化水素類、活性炭、デンプン系物質(例えば、コーンスターチ(局所デンプン)、タルク、コメデンプン、オート麦デンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、豆デンプン類、大豆デンプン、カブデンプン)、微結晶セルロース(例えば、アビセル(Avicel)(登録商標))、アルミニウムスターチオクテニルスクシネート(ナショナルスターチ・アンド・ケミカル社(National Starch & Chemical Co.)によりドライフロ(DryFlo)(登録商標)ピュア(Pure)、ドライフロ(DryFlo)(登録商標)XT、ドライフロ(Dry Flo)(登録商標)PC、及び/またはドライフロ(Dry Flo)(登録商標)AF(アルミニウムを含まない等級)として販売されている)、カオリン、ケイ酸カルシウム、非晶質シリカ類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、または炭酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で有用なシリケート類及び炭酸塩類の幾つかの具体例は、バン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Reinhold)の化学百科事典(Encyclopediaof Chemist[y)、第4版、155、169、556、及び849頁(1984年)に更に詳細に説明されている。好ましくは、組成物は、組成物の約0.1重量%?約30.0重量%、より好ましくは約0.1重量%?約25.0重量%、及び最も好ましくは約0.5重量%?約20.0重量%の吸収剤を含む。」

エ 記載事項1-4
「【0047】
(日焼け止め活性物質類)
日焼け止め活性物質も本明細書で化粧効果を有する試剤として有用である。・・・本発明の組成物において有用な日焼け止め剤の非限定的な例には、2-エチルヘキシル-p-メトキシケイ皮酸、・・・からなる群から選択されるものがある。・・・」

オ 記載事項1-5
「【0076】
(実施例9)
(圧縮粉末の第1の組成物)
【0077】
【表3】
成分 実施例9
A相:
タルク 適量
雲母 18.00
セリサイト 29.00
二酸化チタン 12.00
ナイロン-12 2.00
無水珪酸 2.70
プロピルパラベン 0.10
メチルパラベン 0.30
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.10
吸収性粒子類^(1) 5.00
アルミニウムクロロハイドレート 5.00
B相:
ジメチコン及びトリメチルシロキシシリケート 6.5
コハク酸ジオクチル 0.80
ヒドロキシステアリン酸オクチル 1.00
酢酸トコフェロール 0.006
メトキシケイ皮酸オクチル 3.00

^(1)皮脂及び汗を吸収する粒子類、例えば、以下に限定されないが、コボ・プロダクツ(Kobo Products)製のシリカシェルズ(Silica Shells)、シリカシェルズ(Silica Shells)-SH、またはMSS-500/3H4の形態のシリカ、アムコル・ビューティ・ソルーションズ(Amcol Beauty Solutions)製のポリポアE200またはL200の形態のアリルメタクリレートクロスポリマー、ミヨシ化成(Miyoshi Kasei)製のセブマーゼ(Sebumase)の形態のアルミノメタシリケートマグネシウム、またはナショナル・スターチ(National Starch)製のナトラソーブ・バス(Natrasorb Bath)若しくはナトラソーブ(Natrasorb)HFBなどの吸収性デンプン類など
A相の成分をバルク混合(例えば、リボンブレンダー、ダブルコーンブレンダー、または手動で)で合わせ、続いて、高剪断混合し(例えば、ハンマーミル、粉砕機、またはチョッピングブレード)、あらゆる粒塊を破壊する。B相の成分をプロペラ混合機で合わせ、75℃に加熱する。B相の成分をA相に添加し、バルクと高剪断混合の組み合わせで分散させる。」

(2)引用文献2
ア 記載事項2-1
「【0010】本発明のメ-キャップ化粧料においては、外観安定性や粘度、硬度などの品質を損なわない範囲内で化粧品に一般的に使用される油剤、界面活性剤、着色剤、粉末、ワックス、紫外線吸収剤、保湿成分、薬効成分、香料、安定化剤等を配合することが可能である。」

イ 記載事項2-2
「【0013】本発明に使用される粉末は、・・・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・・・等の無機粉末、・・・等が挙げられるが、化粧品に用いることができる粉末であるならこれらに限定されるものではない。・・・」

ウ 記載事項2-3
「【0019】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらによって限定されるものではない。配合量は重量%である。実施例に先立ち、本発明の評価方法について説明する。」

エ 記載事項2-4
「【0026】
【実施例3】 油性ファンデ-ション
(1) タルク 8.0
(2) マイカ 7.0
(3)酸化チタン 15.0
(4)酸化鉄(黄) 0.40
(5)酸化鉄(赤) 0.25
(6)酸化鉄(黒) 0.03
(7)オクタメチルテトラシクロシロキサン 27.32
(8)固形パラフィン 8.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)カルナバロウ 2.0
(11)高分子有機シリコ-ン樹脂 注3) 20.0
(12)流動パラフィン 3.0
(13)オリ-ブ油 2.0
(14)オクチルメトキシシンナメ-ト 3.0
(15)イソステアリン酸 1.0
(16)メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 1.0
(商品名:ノイシリン(富士化学(株)製)
(17)香料 適量
(18)酸化防止剤 適量
(19)γ-オリザノ-ル 適量
(20)ビタミンE 適量
(21)BHT 適量
注3)(CH_(3) )_(3) SiO1/2 単位および(CH_(3) )_(2) SiO単位およびSiO_(2) 単位よりなり、(CH_(3) )_(3) SiO1/2 単位対(CH_(3) )_(2) SiO単位対SiO_(2) 単位の比率が0.6/0.2/1.0で重量平均分子量が15000である有機シリコ-ン樹脂
(製法)(7)?(15)、(17)?(21)の油性成分を70?80℃で加熱溶解し、オイルパートとする。(1)?(6)、(16)の粉末成分をオイルパートに添加し、十分に分散処理を行う。脱気処理を行い、容器に充填後、冷却し本品を得る。」

(3)引用文献3
ア 記載事項3-1
「【0192】
実施例11:日焼け止め剤(SPF:43.6)
成分(INCI):[%]
A
3-(アセチルブチルアミノ)プロピオン酸エチル:10.00
イカリジン:2
酢酸トコフェリル:0.25
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、BHT:7.50
オクトクリレン:10.00
ブチルメトキシジベンゾイルメタン:0.90
ベンゾフェノン-3:1.10
ステアリン酸グリセリル、PEG-100ステアレート:3.20
ココ-グルコシド、ココナツアルコール :1.30
アジピン酸ジブチル:3.00
B
LAURETH-7、ポリアクリルアミド、C13?14イソパラフィン:1.20
シクロペンタシロキサン:5.00
C
グリセリン:7.00
キサンタンガム:0.15
ケイ酸マグネシウムアルミニウム:0.60
EDTA二ナトリウム:0.10
AQUA(水):100になるまで
D
防腐剤:十分量
香料:0.20
E
トロメタミン:十分量
調製:
すべての相を別々に調製する。C相:キサンタンガムおよびケイ酸マグネシウムアルミニウムを75?80℃に加熱して他の構成成分と混合する。A相を75℃でC相に加える。ホモジナイズ後、B相を60℃で加える。ホモジナイズ後、D相を40℃で加える。次にE相を加える(pH=6.5)。」

(4)引用文献4(引用文献4は英語のため、当審による日本語訳文にて記す。)
ア 記載事項4-1(本文1行目)
「ホワイトスキンリキッド(オークル10)」

イ 記載事項4-2(Product Details)
「会社 資生堂 日本
・・・
カテゴリー カラー化粧品>フェイスカラー化粧品-ファンデーション/フルイドイルミネーター
・・・
発行日 2005年4月
・・・」

ウ 記載事項4-3(Ingredients)
「成分
・・・エチルヘキシルメトキシシンナメート、・・・マグネシウムアルミノシリケート、・・・クエン酸ナトリウム、・・・ビタミンE・・・」

(5)引用文献5(引用文献5は英語のため、当審による日本語訳文にて記す。)
ア 記載事項5-1(本文1行目)
「モイスチャライズホワイトニングローション SPF10」

イ 記載事項5-2(Product Details)
「会社 スプラッシュ コーポレーション フィリピン
・・・
カテゴリー スキンケア>ボディケア
・・・
発行日 2011年7月
・・・」

ウ 記載事項5-3(Ingredients)
「成分
・・・オクチルメトキシシンナメート、・・・酢酸トコフェロール、・・・シリカ、・・・マグネシウムアルミニウムシリケート、・・・」

(6)引用文献6(引用文献6は英語のため、当審による日本語訳文にて記す。)
ア 記載事項6-1(本文1行目)
「ネック&ボディエクスフォリアントローション」

イ 記載事項6-2(Product Details)
「会社 スプラッシュ フィリピン
・・・
カテゴリー スキンケア>ボディケア
・・・
発行日 2009年1月
・・・」

ウ 記載事項6-3(Ingredients)
「成分
・・・オクチルメトキシシンナメート、・・・セルロース、・・・酢酸トコフェロール、・・・ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル、・・・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、・・・シリカ、・・・」

(7)引用文献7(引用文献7は英語のため、当審による日本語訳文にて記す。)
ア 記載事項7-1(本文1行目)
「ホワイトニングハンド&ボディローション SPF10」

イ 記載事項7-2(Product Details)
「会社 スプラッシュ コーポレーション フィリピン
・・・
カテゴリー スキンケア>ボディケア
・・・
発行日 2013年10月
・・・」

ウ 記載事項7-3(Ingredients)
「成分
・・・オクチルメトキシシンナメート、・・・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、・・・酢酸トコフェロール、・・・シリカ、・・・ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル、・・・」

(8)引用文献8
ア 記載事項8-1
「【0001】
本発明は、皮膚、特に顔をメイクアップする及び/又はケアするための化粧料組成物に関する。」

イ 記載事項8-2
「【0083】
用語“フィラー”とは白色又は無色の、鉱物又は合成の、ラメラ又は非ラメラの粒子を意味すると理解されるべきである。
【0084】
これらのフィラーはタルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末、ポリエチレン粉末、ラウロイルリジンの粉末、澱粉、窒化ホウ素、中空のポリマー微小球、例えばポリビニリデンクロライド/アクリロニトリル、例えばExpancel(商標)(Nobel Industrie)、アクリルポリマー粒子、特にアクリル酸コポリマー、例えばPolytrap(商標)(Dow Corning)、ポリウレタン粉末、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば東芝製のTospearls(商標))、沈殿された炭酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、炭酸マグネシウム、及び重炭酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(Maprecos製のシリカビーズ(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8?22、好ましくは12?18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、及びそれらの混合物から選択され得る。」

(9)引用文献9
ア 記載事項9-1
「【0064】
(実施例4 ファンデーション)
(配 合 成 分) (質量%)
デカメチルシクロペンタシロキサン 40
オクタメチルシクロテトラシロキサン 10
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチル
ポリシロキサン共重合体(MW=50000) 5
1,3-ブチレングリコール 8
黄酸化鉄被覆雲母チタン 適量
酸化チタン 10
タルク 10
架橋型シリコーン末(トレフィルE-506) 6
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン 適量
酢酸DL-α-トコフェロール 0.01
D-δ-トコフェロール 0.02
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.2
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.1
パルミチン酸デキストリン 1
メリロートエキス 3
精製水 4
製造例1のゲル化剤 0.5
製造例2のゲル化剤 0.5
(評価)
さっぱり感:◎、分離:○であった。」

(10)引用文献10
ア 記載事項10-1
「【0111】
「実施例1:日焼け止めローション」
イミダゾリニウムベタイン 7.0
POE(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 3.0
2-エチルヘキシルモノグリセリルエーテル 6.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
トリエタノールアミン 1.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
オクタン酸オクチル 11.3
2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート 3.8
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5-トリアジン 0.5
4-tert-4’-メトキシジベンゾイルメタン 0.5
【0112】
「実施例2:日焼け止めミスト」
イミダゾリニウムベタイン 7.0
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5
POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5
2-エチルヘキシルモノグリセリルエーテル 5.9
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.5
トリエタノールアミン 1.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
ノナン酸ノニル 11.3
2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート 3.75
2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン 1.0
オクトクリレン 1.0
【0113】
「実施例3:日焼け止めローション」
フィタントリオール 28.5
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
ジメチルポリシロキサン 61.0
2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート 5.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
【0114】
「実施例4:日焼け止めリキッド」
モノイソステアリン酸グリセリル 44.4
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
キレート剤 適 量
イオン交換水 残 余
イソドデカン 45.0
オクトクリレン 2.2
4-tert-4’-メトキシジベンゾイルメタン 1.1
2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン 0.5
2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート 1.6
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5」

2.引用文献に記載された発明、公然実施発明
(1)引用文献1に記載された発明
引用文献1の記載事項1-1?1-5、特に記載事項1-5からみて、引用文献1には、以下の発明が記載されているといえる。
「第1の組成物と第2の組成物を含む複数段階の顔面用ファンデーション製品として適用するのに好適な化粧キットのうちの第1の組成物であって、吸収性粒子類としてアルミノメタシリケートマグネシウムを5.00重量%、メトキシケイ皮酸オクチルを3.00重量%及びその他の所定成分を含む第1の組成物。」(以下、「引用発明1」という。)

(2)引用文献2に記載された発明
引用文献2の記載事項2-3?2-4からみて、引用文献2には、以下の発明が記載されているといえる。
「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム1.0重量%、オクチルメトキシシンナメート3.0重量%及びその他の所定成分を含有する油性ファンデーション。」(以下、「引用発明2」という。)

(3)引用文献3に記載された発明
引用文献3の記載事項3-1からみて、引用文献3には、以下の発明が記載されているといえる。
「ケイ酸マグネシウムアルミニウム0.60%、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びその他の所定成分を含有する日焼け止め剤。」(以下、「引用発明3」という。)

(4)引用文献4に記載された発明、引用文献4の記載から把握される公然実施発明
引用文献4の記載事項4-1?4-3からみて、引用文献4には、資生堂の「ホワイトスキンリキッド(オークル10)」というリキッドファンデーションが記載され、該リキッドファンデーションは、成分として、エチルヘキシルメトキシシンナメート、マグネシウムアルミノシリケート、クエン酸ナトリウム及びビタミンEなどを含むことが記載されている。さらに、引用文献4の記載事項4-2から、上記リキッドファンデーションが遅くとも2005年4月には上市されていたことが認められる。そうすると、引用文献4には以下の発明が記載されているといえ、該発明は、本願優先日前に公然実施されたものと認められる。
「エチルヘキシルメトキシシンナメート、マグネシウムアルミノシリケート及びその他の所定成分を含むリキッドファンデーション。」(以下、「引用発明4」という。)

(5)引用文献5に記載された発明、引用文献5の記載から把握される公然実施発明
引用文献5の記載事項5-1?5-3からみて、引用文献5には、スプラッシュ コーポレーションの「モイスチャライズホワイトニングローション SPF10」というボディケアローションが記載され、該ボディケアローションは、成分として、オクチルメトキシシンナメート、酢酸トコフェロール、シリカ及びマグネシウムアルミニウムシリケートなどを含むことが記載されている。さらに、引用文献5の記載事項5-2から、上記ボディケアローションが遅くとも2011年7月には上市されていたことが認められる。そうすると、引用文献5には以下の発明が記載されているといえ、該発明は、本願優先日前に公然実施されたものと認められる。
「オクチルメトキシシンナメート、マグネシウムアルミニウムシリケート及びその他の所定成分を含むボディケアローション。」(以下、「引用発明5」という。)

(6)引用文献6に記載された発明、引用文献6の記載から把握される公然実施発明
引用文献6の記載事項6-1?6-3からみて、引用文献6には、スプラッシュの「ネック&ボディエクスフォリアントローション」というボディケアローションが記載され、該ボディケアローションは、成分として、オクチルメトキシシンナメート、セルロース、酢酸トコフェロール、ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びシリカなどを含むことが記載されている。さらに、引用文献6の記載事項6-2から、上記ボディケアローションが遅くとも2009年1月には上市されていたことが認められる。そうすると、引用文献6には以下の発明が記載されているといえ、該発明は、本願優先日前に公然実施されたものと認められる。
「オクチルメトキシシンナメート、ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びその他の所定成分を含むボディケアローション。」(以下、「引用発明6」という。)

(7)引用文献7に記載された発明、引用文献7の記載から把握される公然実施発明
引用文献7の記載事項7-1?7-3からみて、引用文献7には、スプラッシュ コーポレーションの「ホワイトニングハンド&ボディローション SPF10」というボディケアローションが記載され、該ボディケアローションは、成分として、オクチルメトキシシンナメート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、酢酸トコフェロール、シリカ及びハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラルなどを含むことが記載されている。さらに、引用文献7の記載事項7-2から、上記ボディケアローションが遅くとも2013年10月には上市されていたことが認められる。そうすると、引用文献7には以下の発明が記載されているといえ、該発明は、本願優先日前に公然実施されたものと認められる。
「オクチルメトキシシンナメート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル及びその他の所定成分を含むボディケアローション。」(以下、「引用発明7」という。)

第5 対比・判断
1.引用発明1を主引例とする拒絶理由
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明1の「アルミノメタシリケートマグネシウム」、「メトキシケイ皮酸オクチル」は、それぞれ、本願発明1における「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」に相当する。また、引用発明1の「アルミノメタシリケートマグネシウム」の含有量は「5.00重量%」であるので、本願発明1の「0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム」と重複し、引用発明1の「メトキシケイ皮酸オクチル」の含有量は「3.00重量%」であるので、本願発明1の「1?40質量%のオクチルメトキシシンナメート」と重複する。なおここで、質量%と重量%は、実質的に同義であるのは技術常識である。
さらに、引用発明1は、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」以外の成分も含むが、本願発明1は両成分を含有する化粧料であって、本願明細書の段落【0020】?【0040】の記載からみて、他の成分や他の任意成分を含み得るものであるから、この点は両者の相違点とはならない。
また、引用発明1の「第1の組成物」は、顔面用ファンデーション製品として適用するのに好適な化粧キットを構成する組成物であることから、「化粧料」であるといえる。
したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「(A)0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、
(B)1?40質量%のオクチルメトキシシンナメートと、
を含有することを特徴とする化粧料。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」であるのに対し、引用発明1はかかる特定のない「化粧料」である点。

イ 判断
「アンチポリューション化粧料」について、本願明細書には、「【0002】 皮膚や毛髪は常に外的刺激に曝されており、外的環境から様々なダメージを受けている。特に最近注目されている微小粒子状物質等の大気汚染物質や酸性雨等の酸性液体は、皮膚に付着することにより肌に悪影響を及ぼすことが知られている。また、UVA、UVB等の紫外線も、皮膚にダメージを与え、肌老化の原因となることが解明されている。 これらの外的刺激から肌を保護するためには、ダメージの原因となり得る物質を肌に付着させないこと及び/又は付着した刺激原因物質による悪影響を緩和(酸化防止又は中和)すること等が考えられる。」、「【0003】 化粧品に前記のような肌を保護する機能を持たせた、いわゆる「アンチポリューション化粧料」・・・」、「【0007】 よって本発明は、大気汚染物質や酸性液体のみならず紫外線を含む様々な外的刺激から肌を有効に保護することができるスキンケア化粧料、即ちアンチポリューション化粧料を提供することを目的とする。」と記載されていることから、本願発明1における「アンチポリューション化粧料」とはいわゆる日焼け止めクリーム等として外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料であると認められるところ、引用発明1は顔面用ファンデーション製品として適用するのに好適な化粧キットのうちの第1の組成物であることから、外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料である点においては、本願発明1と引用発明1とは一致しているものと認められる。
しかしながら、本願発明1は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの属性(実施例1)に基づくものとして、「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途を規定したものであるところ、引用文献1には、引用発明1におけるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが「皮脂及び汗を吸収する粒子類」であることは記載されるものの(記載事項1-5)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することについては記載も示唆もない。
そうすると、本願発明1で規定される「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの未知の属性に基づく新たな用途というべきものであり、本願発明1と引用発明1とは、かかる用途の点において、実質的に相違するものである。
よって、本願発明1は、引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、上述のとおり、引用文献1には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明1は、引用発明1及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるともいえない。

(2)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1において「(C)多孔性粉末を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明2は、引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、引用文献8には、化粧料組成物にフィラーとして配合するための多孔性粉末が記載されているだけであって、当該記載及び引用文献8のその他の記載をみても、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することについての記載ないし示唆はないから、引用発明1において、相違点1の構成を採ることは、引用文献1及び8の記載事項から当業者であっても容易に想到し得たことではない。
よって、本願発明2は引用発明1並びに引用文献1及び8に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

(3)本願発明3について
本願発明3は、本願発明1又は2において「(D)クエン酸(塩)を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明3は、引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、引用文献9?10には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムやオクチルメトキシシナメート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを含有する化粧料において、pH調整剤であるクエン酸-クエン酸塩を含有させる点について記載されているだけであって、当該記載及び引用文献9?10のその他の記載をみても、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することについての記載ないし示唆はないから、引用発明1において、相違点1の構成を採ることは、引用文献1及び9?10の記載事項から当業者であっても容易に想到し得たことではない。
よって、本願発明2は引用発明1並びに引用文献1及び9?10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

(4)本願発明4について
本願発明4は、本願発明1?3のいずれかにおいて「(E)抗酸化剤を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明4は、引用文献1に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、先の(1)で示したとおり、引用文献1には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明4は、引用発明1及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

2.引用発明2を主引例とする拒絶理由
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明2の「油性ファンデーション」は、本願発明1の「化粧料」に相当する。
また、引用発明2の「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」の含有量は「1.0重量%」であるので、本願発明1の「0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム」と重複し、引用発明2の「オクチルメトキシシンナメート」の含有量は「3.0重量%」であるので、本願発明1の「1?40質量%のオクチルメトキシシンナメート」と重複する。
さらに、引用発明2は、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」以外の成分も含むが、本願発明1は両成分を含有する化粧料であって、本願明細書の段落【0020】?【0040】の記載からみて、他の成分や他の任意成分を含み得るものであるから、この点は両者の相違点とはならない。
したがって、本願発明1と引用発明2との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「(A)0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、
(B)1?40質量%のオクチルメトキシシンナメートと、
を含有することを特徴とする化粧料。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」であるのに対し、引用発明2はかかる特定のない「化粧料」である点。

イ 判断
上述のとおり、本願発明1における「アンチポリューション化粧料」とは、いわゆる日焼け止めクリーム等として外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料であると認められるところ、引用発明2は油性ファンデーションであり肌に塗布される化粧料であることから、外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料である点においては、本願発明1と引用発明2とは一致しているものと認められる。
しかしながら、本願発明1は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの属性(実施例1)に基づくものとして、「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途を規定したものであるところ、引用文献2には、引用発明2におけるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが化粧品に一般的に使用される「粉末」であることは記載されるものの(記載事項2-1?2-2)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することについては記載も示唆もない。
そうすると、本願発明1で規定される「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの未知の属性に基づく新たな用途というべきものであり、本願発明1と引用発明2とは、かかる用途の点において、実質的に相違するものである。
よって、本願発明1は、引用文献2に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、上述のとおり、引用文献2には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明1は、引用発明2及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるともいえない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2は、本願発明1において「(C)多孔性粉末を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明3は、本願発明1又は2において「(D)クエン酸(塩)を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明4は、本願発明1?3のいずれかにおいて「(E)抗酸化剤を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明2?4は本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明2?4は、引用文献2に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、先の(1)で示したとおり、引用文献2には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明2?4は、引用発明2及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

3.引用発明3を主引例とする拒絶理由
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明3とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明3の「ケイ酸マグネシウムアルミニウム」、「メトキシケイ皮酸エチルヘキシル」、「日焼け止め剤」は、それぞれ、本願発明1の「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」、「化粧料」に相当する。
また、引用発明3の「ケイ酸マグネシウムアルミニウム」の含有量は「0.60%」であるので、本願発明1の「0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム」と重複する。
さらに、引用発明3は、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」以外の成分も含むが、本願発明1は両成分を含有する化粧料であって、本願明細書の段落【0020】?【0040】の記載からみて、他の成分や他の任意成分を含み得るものであるから、この点は両者の相違点とはならない。
したがって、本願発明1と引用発明3との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「(A)0.001?10質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、
(B)オクチルメトキシシンナメートと、
を含有することを特徴とする化粧料。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」であるのに対し、引用発明3はかかる特定のない「化粧料」である点。

(相違点2)本願発明1はオクチルメトキシシンナメートの含有量が「1?40質量%」と特定されているのに対し、引用発明3はかかる含有量の特定がない点。

イ 判断
上述のとおり、本願発明1における「アンチポリューション化粧料」は、いわゆる日焼け止めクリーム等として外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料であると認められるところ、引用発明3は日焼け止め剤であり肌に塗布される化粧料であることから、外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料である点においては、本願発明1と引用発明3とは一致しているものと認められる。
しかしながら、本願発明1は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの属性(実施例1)に基づくものとして、「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途を規定したものであるところ、引用発明3における、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの添加目的は明らかでないが、引用文献3には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載や示唆は見い出せない。
そうすると、本願発明1で規定される「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの未知の属性に基づく新たな用途というべきものであり、本願発明1と引用発明3とは、かかる用途の点において、実質的に相違するものである。
よって、本願発明1は、引用文献3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、上述のとおり、引用文献3には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明3及び引用文献3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるともいえない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2は、本願発明1において「(C)多孔性粉末を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明3は、本願発明1又は2において「(D)クエン酸(塩)を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明4は、本願発明1?3のいずれかにおいて「(E)抗酸化剤を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明2?4は本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明2?4は、引用文献3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。
また、先の(1)で示したとおり、引用文献3には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明2?4は、引用発明3及び引用文献3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

4.引用発明4?7をそれぞれ主引例とする拒絶理由
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明4?7とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明4の「マグネシウムアルミノシリケート」、引用発明5の「マグネシウムアルミニウムシリケート」、引用発明6及び7の「ハイドレートマグネシウムアルミニウムシリケートミネラル」は、本願発明1における「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」に相当する。また、引用発明4の「エチルヘキシルメトキシシンナメート」は、本願発明1における「オクチルメトキシシンナメート」に相当する。
さらに、引用発明4?7は、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」、「オクチルメトキシシンナメート」、「ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル」以外の成分も含むが、本願発明1はこれらの成分を含有する化粧料であって、本願明細書の段落【0020】?【0040】の記載からみて、他の成分や他の任意成分を含み得るものであるから、この点は両者の相違点とはならない。
また、引用発明4の「リキッドファンデーション」、引用発明5?7の「ボディケアローション」は、本願発明1の「化粧料」に相当する。
したがって、本願発明1と各引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「(A)メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、
(B)オクチルメトキシシンナメート及び/又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルと、
を含有することを特徴とする化粧料。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」であるのに対し、各引用発明はかかる特定のない「化粧料」である点。

(相違点2’)本願発明1はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量が「0.001?10質量%」と特定され、オクチルメトキシシンナメート及び/又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルの含有量が「1?40質量%」と特定されているのに対し、各引用発明はかかる含有量の特定がない点。

イ 判断
上述のとおり、本願発明1における「アンチポリューション化粧料」は、いわゆる日焼け止めクリーム等として外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料であると認められるところ、引用発明4?7のそれぞれは肌に塗布される化粧料であることから、外的環境にさらされる肌に適用されるスキンケア化粧料である点においては、本願発明1と引用発明4?7とは一致しているものと認められる。
しかしながら、本願発明1は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの属性(実施例1)に基づくものとして、「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途を規定したものであるところ、引用発明4?7における、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの添加目的は明らかでないが、引用文献4?7には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載や示唆は見い出せない。
そうすると、本願発明1で規定される「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」なる用途は、微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性というメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの未知の属性に基づく新たな用途というべきものであり、本願発明1と引用発明4?7とは、かかる用途の点において、実質的に相違するものである。
よって、本願発明1は、引用文献4?7に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。また、本願発明1は公然実施された発明ではなく、特許法第29条第1項第2号に該当しない。
また、上述のとおり、引用文献4?7には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、相違点2’について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明4?7及び引用文献4?7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるともいえない。

(2)本願発明2?4について
本願発明2は、本願発明1において「(C)多孔性粉末を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明3は、本願発明1又は2において「(D)クエン酸(塩)を更に含有する」ことを更に特定するものであり、本願発明4は、本願発明1?3のいずれかにおいて「(E)抗酸化剤を更に含有する」ことを更に特定するものであって、本願発明2?4は本願発明1の発明特定事項の全てを具備するものである。
よって、本願発明1について説示したのと同様の理由から、本願発明2?4は、引用文献4?7に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当しない。また、本願発明2?4は公然実施された発明ではなく、特許法第29条第1項第2号に該当しない。
また、先の(1)で示したとおり、引用文献4?7には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが微小粒子状物質等の大気汚染物質に対する吸着性を有することを示す記載は何らないことから、本願発明2?4は、引用発明4?7及び引用文献4?7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1?4は「大気汚染物質、酸性液体及び紫外線を含む外的刺激から肌を保護するためのアンチポリューション化粧料」という事項を有するものとなっており、前記第5で説示したとおり、この点において、引用発明1?7とは相違点を有するものであり、本願発明1?4は特許法第29条第1項第3号に該当せず、同項第2号に該当しない。また、本願発明1?4は、拒絶査定において引用された引用文献1?10に基づいて当業者が容易に発明できたものともいえない。
よって、原査定の理由1?3を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-02-14 
出願番号 特願2017-25377(P2017-25377)
審決分類 P 1 8・ 112- WY (A61K)
P 1 8・ 113- WY (A61K)
P 1 8・ 121- WY (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 雅之池田 周士郎  
特許庁審判長 關 政立
特許庁審判官 吉田 知美
冨永 みどり
発明の名称 スキンケア化粧料  
代理人 内田 直人  
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