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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C12N
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C12N
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C12N
管理番号 1360446
異議申立番号 異議2018-700969  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-30 
確定日 2020-01-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6334396号発明「安定化スブチリシン組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6334396号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-15〕について訂正することを認める。 特許第6334396号の請求項2-15に係る特許を維持する。 特許第6334396号の請求項1に係る特許についての特許異議申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6334396号の請求項1?15に係る特許についての出願は、平成24年6月29日に出願され、平成30年5月11日にその特許権の設定登録がされ、平成30年5月30日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての経緯は概ね次のとおりである。
平成30年11月30日 特許異議申立人 ビーエーエスエフ
ソシエタス・ヨーロピアによる
請求項1?15に係る特許に対する
特許異議の申立て
平成31年 1月21日付け 取消理由通知書
平成31年 4月23日 特許権者による訂正請求書及び意見書の提出
令和 1年 7月 4日付け 訂正請求があった旨の通知書
(特許法第120条の5第5項)
令和 1年 8月27日 特許異議申立人より意見書の提出
令和 1年 9月12日付け 取消理由通知書
令和 1年12月18日 特許権者による訂正請求書及び意見書の提出

なお、平成31年4月23日の訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなされる。
また、令和1年12月18日の訂正請求は、平成31年4月23日の訂正請求で訂正された特許請求の範囲の記載における軽微な不備を解消するものであるから、特許異議申立人にさらに意見を求める必要があるものではない。


第2 訂正の適否
1.訂正の内容
訂正前の一群の請求項〔1-15〕に対して請求された、令和1年12月18日の訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「Rが、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である、請求項1に記載の組成物。」とあるのを、「スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M
(式中、
a)Mは、H(水素)またはアルカリ金属であり、
b)Rは、NH-CHR-COをLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基であり、
c)B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Pro、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基であり、かつ
d)Xは、Z-B^(2)またはZ-B^(3)-B^(2)であり、ここで、B^(2)およびB^(3)が、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZが、N末端保護基であり、B^(2)が、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基であり、そしてB^(3)が、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleの残基である)
を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物と、を含む組成物であって、Rが、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である、組成物。」と訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3において、「(式中、B^(2)およびZは、請求項1のように定義される)」の記載を削除し、「請求項1または2に記載の組成物。」の記載を「請求項2に記載の組成物。」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4において、「請求項1?3のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2または3に記載の組成物。」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5において、「請求項1?4のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2?4のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6において、「請求項1?5のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2?5のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7において、「請求項1?6のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2?6のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8において、「請求項1?7のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2?7のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9において、「請求項1?8のいずれか一項に記載の組成物。」の記載を「請求項2?8のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項9の「第2の酵素、特定的には、」の記載を「第2の酵素として、」に訂正する。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項10において「(式中、M、R、B^(1)、およびXは、請求項1のように定義される)」の記載を削除し、「請求項1?9のいずれか一項に記載の」の記載を「請求項2?9のいずれか一項に記載の」に訂正する。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項11において「MおよびXは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、「請求項1?9のいずれか一項に記載の」の記載を「請求項2?9のいずれか一項に記載の」に訂正する。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項14において「RおよびMは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、「請求項1?9のいずれか一項に記載の」の記載を「請求項2?9のいずれか一項に記載の」に訂正する。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項15において「RおよびMは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、「請求項1?9のいずれか一項に記載の」の記載を「請求項2?9のいずれか一項に記載の」に訂正する。
(15)訂正事項15
願書に添付した明細書の段落【0028】の「Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)、」の記載を削除する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(2)訂正事項2
訂正事項2は 請求項1を引用していた訂正前の請求項2について、請求項1を引用しない独立形式の記載に改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。
そして、訂正事項2が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、請求項1を削除したことに伴い、請求項3において請求項1に関する、「(式中、B^(2)およびZは、請求項1のように定義される)」の記載を削除し、同時に請求項1を引用しないものとする訂正であるから、それぞれ特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項3が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(4)訂正事項4?9
訂正事項4?9は、請求項1を削除したことに伴い、請求項4?9において請求項1を引用しないものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項4?9が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(5)訂正事項10
訂正事項10は、請求項9の「第2の酵素、特定的には、」という記載を「第2の酵素として、」と訂正して、請求項9に係る発明を明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、訂正事項10が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(6)訂正事項11
訂正事項11は、請求項1を削除したことに伴い、請求項10において請求項1に関する「(式中、M、R、B^(1)、およびXは、請求項1のように定義される)」の記載を削除し、同時に請求項1を引用しないものとする訂正であるから、それぞれ特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項11が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(7)訂正事項12
訂正事項12は、請求項1を削除したことに伴い、請求項11において請求項1に関する「MおよびXは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、同時に請求項1を引用しないものとする訂正であるから、それぞれ特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項12が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(8)訂正事項13
訂正事項13は、請求項1を削除したことに伴い、請求項14において請求項1に関する「RおよびMは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、同時に請求項1を引用しないものとする訂正であるから、それぞれ特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項13が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(9)訂正事項14
訂正事項14は、請求項1を削除したことに伴い、請求項15において請求項1に関する「RおよびMは、請求項1のように定義され、」の記載を削除し、同時に請求項1を引用しないものとする訂正であるから、それぞれ特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項14が同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものであることは明らかである。

(10)訂正事項15
訂正事項15は、訂正前の明細書の段落【0028】に市販のスブチリシンの例として挙げられていた「Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)」を削除するものである。
「Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)」(膵臓トリプシン製品)は脊椎動物の消化酵素である酸性プロテアーゼであって、細菌のアルカリプロテアーゼであるスブチリシンとは異なるものと認められるから、「Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)」が市販のスブチリシンの例に該当するとはいえず、「Pancreatic Trypsin NOVO(PTN)、」の記載を削除する訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
そして、訂正事項15は、願書に添付した明細書に記載した範囲内の訂正であると認められ、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもないから、同法120条の5第9項で準用する同法126条第5項及び第6項に適合するものと認められる。

3.小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1ないし4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-15〕について訂正することを認める。


第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項2?15に係る発明(以下「本件発明2」、「本件発明3」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項2?15に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
(【請求項1】は削除された。)
【請求項2】
スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M
(式中、
a)Mは、H(水素)またはアルカリ金属であり、
b)Rは、NH-CHR-COをLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基であり、
c)B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Pro、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基であり、かつ
d)Xは、Z-B^(2)またはZ-B^(3)-B^(2)であり、ここで、B^(2)およびB^(3)が、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZが、N末端保護基であり、B^(2)が、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基であり、そしてB^(3)が、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleの残基である)
を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物と、を含む組成物であって、Rが、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である、組成物。
【請求項3】
Xが、Z-B^(2)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
B^(2)が、Gly、Arg、またはLeuの残基である、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
B^(3)が、Phe、Tyr、Trp、または、Leuの残基である、請求項2?4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
Zが、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、p-メトキシベンジル(PMB)、p-メトキシフェニル(PMP)、ホルミル、アセチル(Ac)、メチルオキシ、またはメチルオキシカルボニルである、請求項2?5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
液体形態または顆粒形態である、請求項2?6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
界面活性剤をさらに含む洗剤である、請求項2?7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
第2の酵素として、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、またはペルオキシダーゼをさらに含む、請求項2?8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物を含む水性溶液と、任意選択で界面活性剤と、を混合することを含む、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項11】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基であり、かつRは、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。
【請求項12】
Cbz-RA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-RV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-LV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-LGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-YGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-HまたはAc-WLV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H(ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Cbz-GA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH_(2)SCH_(3))(SO_(3)M)-H、MeO-CO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeNCO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、EtSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)SO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-LA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-FA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、およびMeO(OH)(O)P-LGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H(ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基を表し、Xは、Z-B^(2)、Z-B^(3)-B^(2)であり、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、Zは、N末端保護基であり、B^(3)は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleであり、かつB^(2)は、Gly、Thr、またはValである)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。
【請求項15】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基を表し、Xは、Z-B^(3)-B^(2)であり、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、Zは、N末端保護基であり、B^(3)は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleであり、かつB^(2)は、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基である)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。


第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1.取消理由の概要
(1)平成31年1月21日付け取消理由通知
訂正前の請求項1?15に係る特許に対して、当審が平成31年1月21日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
1.(進歩性)本件発明1?15は、下記引用例1?3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。
2.(サポート要件、実施可能要件)本件発明1?15は、特許法第36条第6項第1号の規定、および同法第36条第4項第1号の規定に違反して特許されたものである。
3.(明確性要件)本件発明9?15は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反して特許されたものである。
したがって、請求項1?15に係る発明の特許は、特許法第113条第2号及び第4号に該当し、取り消されるべきものである。

引用例1:国際公開第2011/036153号(甲第1号証)
引用例2:特表2011-515449号公報(甲第2号証)
引用例3:特開昭59-205359号公報(甲第4号証)

(2)令和1年9月12日付け取消理由通知
見なし取下げとなった平成31年4月23日の訂正請求により訂正された請求項1?15に対して、当審が令和1年9月12日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(明確性要件)訂正された請求項3?15に係る発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.引用例の記載事項
取消理由通知において引用した引用例1?3には以下の事項が記載されている。なお、引用例1は英文であるから翻訳文を記載する。また、下線は当審が付したものである。
(1)引用例1
ア 「【請求項1】
界面活性剤および/または助剤、プロテアーゼ、およびプロテアーゼ阻害剤を含む、粉末状洗浄剤組成物。
【請求項2】
洗浄力または前記洗浄剤溶液中の前記プロテアーゼの洗浄中の安定性の増加のために効果的な量の阻害剤を含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
・・・・
【請求項9】
前記プロテアーゼがサブチリシンまたは10Rプロテアーゼである、請求項1‐8のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
・・・・
【請求項14】
前記阻害剤が、式B^(2)‐B^(1)‐B^(0)‐R:
[式中、
a)Rが、水素、CH_(3)、CX_(3)、CHX_(2)、またはCH_(2)X、ここでXが、ハロゲン原子であり;
b)B^(0)が、単一アミノ酸残基であり;
c)B^(1)が、単一アミノ酸残基であり;および
d)B^(2)が、場合により、N末端保護基を含む、一またはそれ以上のアミノ酸残基からなる(好ましくは、一または二)。] を有するペプチドアルデヒドである、請求項1-13のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。」(特許請求の範囲)

イ 「B^(1)は、場合により、脂肪族側鎖、好ましくはアラニン、システイン、グリシン、プロリン、セリン、スレオニン、バリン、ノルバリンまたはノルロイシンで置換された小さな残基でもよい。」(5頁4?5行)

(2)引用例2
ア 「【要約】 C末端残基としてOH置換フェニルアラニンアルデヒドを有するペプチド化合物をはじめとする、ペプチドアルデヒド又はケトン誘導体は特に、液体洗剤のような水性組成物中のサブチリシン型プロテダーゼを安定化するのに効果的である。」(要約)

イ 「【請求項1】
サブチリシンと式B_(2)-B_(1)-B_(0)-Rのペプチド化合物とを含んでなる液体組成物であって、ここで
Rは水素、CH_(3)、CX_(3)、CHX_(2)又はCH_(2)X(Xはハロゲン原子である)であり;
B_(0)はパラ位及び/又はメタ位にOH置換基を有するフェニルアラニン残基であり;
B_(1)は単一アミノ酸残基であり;そして
B_(2)は随意にN末端保護基を含んで成る1又は複数個のアミノ酸残基から成ることを特徴とする液体組成物。」(特許請求の範囲)

ウ 「【0021】
本発明の特定の一態様では、ペプチド化合物は、C末端残基を包含する3個のみのアミノ酸残基を含んで成る。本発明のこの観点では、合成はよりコストが効果的であり、化合物はより高度に効果的な酵素活性阻害剤であると証明された。好ましくは、わずか3個のアミノ酸残基を有するペプチド化合物は、N末端保護基により保護される。従って、この観点では、本発明は、B_(2)がN末端保護基を含んで成る単一アミノ酸残基である化合物に関する。
【0022】
本発明の好ましい観点では、ペプチド化合物は3個のみのアミノ酸残基を含んで成り、B_(2)がN末端保護基を含有するアルギニン、グリシン及びロイシンの中から選択されるというアルデヒド化合物である。ペプチド化合物がわずか3個のアミノ酸残基を含んで成るアルデヒドである場合、B_(2)は好ましくはN末端保護基を含有するアルギニンとグリシンの中から選択される。
【0023】
本発明の別の観点では、ペプチド化合物は少なくとも4個のアミノ酸残基を含んで成る。好ましくは、少なくとも4個のアミノ酸残基を有するペプチド化合物がN末端保護基により保護される。従って、この観点では、本発明は、B_(2)がN末端保護基を含んで成る少なくとも2個のアミノ酸残基である化合物に関する。
【0024】
好ましい観点では、ペプチド化合物が少なくとも4個のアミノ酸残基を含んで成る場合、B_(2)は無極性の側鎖を有するN末端アミノ酸残基を含んで成る。より具体的な態様では、B_(1)への結合箇所から数えてB_(2)の2番目のアミノ酸残基は無極性の側鎖を有する。更により具体的な態様では、ペプチド化合物は4個のアミノ酸残基を含んで成り、ここで無極性の側鎖を有するN末端アミノ酸残基はグリシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンの中から選択される。好ましくは、該N末端アミノ酸残基が更にN末端保護基を含んで成る。
【0025】
B_(1)は小型のアミノ酸残基であるのが好ましい。より好ましくは、B_(1)はアラニン又はバリンである。この点では、次のものが小型アミノ酸であるとみなされる:アラニン、システイン、グリシン、プロリン、セリン、スレオニン、バリン、ノルバリン、ノルロイシン。
【0026】
ペプチド化合物は、Rが水素であり、B_(1)が好ましくはバリンやアラニンのような小型アミノ酸の中から選択された単一アミノ酸であり、B_(2)が少なくとも2個のアミノ酸残基を含んで成り、そして前記2個のアミノ酸残基のうちの少なくとも1個がフェニルアラニン、グリシン及びロイシンの中から選択され、そしてB_(2)の2番目のアミノ酸残基がフェニルアラニン、グリシン、ロイシン、チロシン及びトリプトファンの中から選択された無極性の側鎖を有するというアルデヒドである。好ましくは、B_(2)はアセチル(Ac)N末端保護基を含んで成り、特に、ペプチドアルデヒド化合物Ac-FGAY-H,Ac-LGAY-H,Ac-YGAY-H,Ac-FGVY-H及びAc-WLVY-Hを提供する。好ましくは、本発明のこの観点に従う化合物は、10個未満の残基、例えば9,8,7,6,5個又は最も好ましくは4個のアミノ酸残基を含んで成る。」

(3)引用例3
ア 「1 発明の名称
プロリン誘導体、その製法、これを含有するヒト白血球エラスタ-ゼ
2 特許請求の範囲
1. 式(I)、(II)又は(III):


〔式中R^(1)、R^(5)及びR^(9)は炭素原子数3?6を有する低級アルキル基を表わし、R^(2)、R^(3)、R^(6)、R^(7)及びR^(10)は、場合により1個の単環式アリール基によって又は1個のアミド、尿素又はカルバメート基によりその窒素原子を介して置換されていてよい、炭素原子数1?10のアルキル基を表わし、R^(4)及びR^(11)は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルコキシ又は置換低級アルコキシ基(ここでアルキル又はアルコキシは炭素原子数1?6個を有する)又は単環式又は二環式アリール基を表わし、R^(8)はヒドロキシ、炭素原子数1?6を有する低級アルコキシ基又は炭素原子数7?12を有するアルアルコキシ基を表わし、式中-CHR^(2)-、-CHR^(3)-、-CHR^(6)-、-CHR^(7)-、-CHR^(10)-及びプロリン基は、L-配置のものである〕のプロリン誘導体又はその薬物学的に認容性の酸-又は塩基-付加塩又はアルデヒド群の薬物学的に認容性の平衡付加化合物。」(1頁下欄)

イ 「式(I)、(II)及び(III)の本発明の化合物は、ヒト白血球エラスターゼ(HLE)の強力で、可逆性の、選択的で競争性の阻害剤である。これら化合物は、公知文献に記載の最も強力なアルデヒドHLE阻害剤よりも、40000倍までも大きい能力を有し(Szabo等による前記引用文献参照)、組織変性疾病例えば 気腫、アテローム性動脈硬化症、骨関節炎及びリウマチ性関節炎の治療及び予防に有用である。」(6頁左下欄9?17行)

ウ 「(I)、(II)又は(III)式のアルデヒド群の平衡付加化合物には重亜硫酸塩、ヘミアセタール及びヘミアミナール、同様にザ・ケミストリイ・オブ・ファンクショナル・グループス(The Chemistry of Functional Groups)、S.Patai Interscience Publishers,a division of John Wiley & Sons,New York(1970年)発行シリーズ第2巻のザ・ケミストリイ・オブ・ザ・カルボニル・グループ(The Chemistry of the Carbonyl Group)に記載のような他の遮へいされたアルデヒドが包含される。
この重亜硫酸塩付加生成物は、中の-CHO基が例えば亜硫酸塩例えば式NaHSO_(3)の亜硫酸水素ナトリウムとの反応により-CHOHSO_(3)Hに変えられているものである。」(7頁右下欄3?17行)

3.引用例1を主引用例とした進歩性
(1)引用発明1
上記2.(1)より、引用例1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「界面活性剤および/または助剤、プロテアーゼ、およびプロテアーゼ阻害剤を含む、粉末状洗浄剤組成物であって、
前記プロテアーゼ阻害剤が、式B^(2)‐B^(1)‐B^(0)‐R:
[式中、
Rが、水素、CH_(3)、CX_(3)、CHX_(2)、またはCH_(2)X、ここでXが、ハロゲン原子であり;
B^(0)が、単一アミノ酸残基であり;
B^(1)が、アラニン、システイン、グリシン、プロリン、セリン、スレオニン、バリン、ノルバリンまたはノルロイシンから選ばれるアミノ酸残基であり;および
B^(2)が、N末端保護基を含む、一またはそれ以上のアミノ酸残基である]
を有するペプチドアルデヒドである、洗浄剤組成物。」

(2)対比
本件発明2と引用発明1を対比する。
引用例1にはプロテアーゼとしてスブチリシンも例示されている(引用例1の請求項9など)。
また、引用例3(上記2.(3)ウ)に記載されるように、ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物、すなわちペプチドアルデヒドの重亜硫酸塩付加生成物とは、ペプチドアルデヒドの-CHO基に亜硫酸水素ナトリウム(「重亜硫酸ナトリウム」と同義。)などを反応させることにより、-CHO基が-CHOH-SO_(3)Hに変えられたものと認められるから、引用発明1の「式B^(2)‐B^(1)‐B^(0)‐R」を有するペプチドアルデヒドは、「ペプチドアルデヒド化合物」に対して上記反応を行って本件発明1の「ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物」とする前の「ペプチドアルデヒド化合物」に相当すると認められる。
したがって、両者は以下の点で相違すると認められる。

(相違点1)
「ペプチドアルデヒド化合物」が、本件発明2ではヒドロ亜硫酸付加物であるのに対して、引用発明1ではヒドロ亜硫酸付加物ではない点。

(3)判断
本件特許明細書の段落【0026】には「本発明に係るスブチリシンは、Siezen et al.(supra)により提案されたサブグループで表されるスブチラーゼと機能的に等価でありうる。」と記載され、さらに、本件明細書の段落【0028】の記載が訂正されたことからみて、本件発明2にいう「スブチリシン」とは、当業界において通常「スブチリシン」と呼ばれる範疇のものと認められ、当業者の技術常識に照らせば、引用例3に記載されたヒト白血球エラスターゼは、本件発明2にいう「スブチリシン」とは異なるものと認められる。
引用例3には、式(I)、(II)、又は(III)のプロリン誘導体又はその平衡付加化合物がヒト白血球エラスターゼの阻害剤であることが記載され(上記2.(3)イ)、該平衡付加化合物の具体例として重亜硫酸塩が記載されており(上記2.(3)ウ)、引用例3の記載から、式(I)、(II)、又は(III)のプロリン誘導体とその重亜硫酸塩は、いずれもヒト白血球エラスターゼという特定の酵素の阻害剤として機能することまでは理解できるが、ヒト白血球エラスターゼとは異なる酵素、例えば「スブチリシン」の場合にも同様であるかは明らかでない。
また、引用例3は式(I)、(II)、又は(III)のプロリン誘導体について記載するものであるところ、本件発明2と同様にB^(2)にN末端保護基を含むものである引用発明1の「ペプチドアルデヒド化合物」は、N末端保護基を含まないこのプロリン誘導体とは異なる化合物である。しかも、該「ペプチドアルデヒド化合物」のN末端保護基以外の部分は、このプロリン誘導体以外を広く含む化合物であるから、引用発明1の「ペプチドアルデヒド化合物」を重亜硫酸塩とすることについて引用例3に示唆されているとはいえない。
そうすると、特に、引用発明1のプロテアーゼがヒト白血球エラスターゼとは異なる酵素である「スブチリシン」などである場合に、引用発明1の「ペプチドアルデヒド化合物」に替えて該化合物のヒドロ亜硫酸付加物を用いることを当業者が容易に想到するとはいえない。
したがって、本件発明2は、引用例1、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明3?9は、本件発明2をさらに減縮したものであり、本件発明10?15は本件発明2を引用するものであるから、本件発明3?15についても、本件発明2についての判断と同様の理由により、引用例1、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.引用例2を主引用例とする進歩性
(1)引用発明2
上記2.(2)より、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「サブチリシンと、酵素活性阻害剤である式B_(2)-B_(1)-B_(0)-Rのペプチドアルデヒド化合物とを含んでなる液体組成物であって、ここで
Rは水素、CH_(3)、CX_(3)、CHX_(2)又はCH_(2)X(Xはハロゲン原子である)であり;
B_(0)はパラ位及び/又はメタ位にOH置換基を有するフェニルアラニン残基であり;
B_(1)はアラニン、システイン、グリシン、プロリン、セリン、スレオニン、バリン、ノルバリンまたはノルロイシンのアミノ酸残基であり;そして
B_(2)はN末端保護基を含んで成る1又は複数個のアミノ酸残基から成ることを特徴とする液体組成物。」

(2)対比
本件発明2に特定される式において、Rがパラ位及び/又はメタ位にOH置換基を有するフェニルアラニン残基であるようにする基である場合の本件発明2と、引用発明2とを対比する。
上記3.(2)のとおりであるから、引用発明2の「式B_(2)-B_(1)-B_(0)-Rのペプチドアルデヒド化合物」は、「ペプチドアルデヒド化合物」の-CHO基に亜硫酸水素ナトリウムなどを反応させて本件発明2の「ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物」とする前の「ペプチドアルデヒド化合物」に相当すると認められる。
したがって、両者は以下の点で相違すると認められる。

(相違点2)
「ペプチドアルデヒド化合物」が、本件発明2ではヒドロ亜硫酸付加物であるのに対して、引用発明2ではヒドロ亜硫酸付加物ではない点。

(3)判断
上記3.(3)のとおり、引用例3の記載から、式(I)、(II)、又は(III)のプロリン誘導体とその重亜硫酸塩は、いずれもヒト白血球エラスターゼという特定の酵素に対する阻害剤として機能することまでは理解できるが、引用発明2のサブチリシン(スブチリシン)はヒト白血球エラスターゼとは異なる酵素であり、引用例3の記載からスブチリシンの場合にも同様であるかは明らかでない。
また、引用例3は式(I)、(II)、又は(III)のプロリン誘導体について記載するものであるところ、本件発明2と同様にB_(2)にN末端保護基を含むものである引用発明2の「ペプチドアルデヒド化合物」は、N末端保護基を含まないこのプロリン誘導体とは異なる化合物である。しかも、該「ペプチドアルデヒド化合物」のN末端保護基以外の部分は、このプロリン誘導体以外を広く含む化合物であるから、引用発明2の「ペプチドアルデヒド化合物」を重亜硫酸塩とすることについて引用例3に示唆されているとはいえない。
そうすると、「サブチリシン(スブチリシン)」を含む引用発明2の「ペプチドアルデヒド化合物」に替えて該化合物のヒドロ亜硫酸付加物を用いることを当業者が容易に想到するとはいえない。
したがって、本件発明2は、引用例2、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明3?9は、本件発明2をさらに減縮したものであり、本件発明10?15は本件発明2を引用するものであるから、本件発明3?15についても、本件発明2についての判断と同様の理由により、引用例2、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.実施可能要件、サポート要件について
本件発明2の解決しようとする課題は、本件特許明細書の記載からみて、組成物中のスブチリシンが安定化された組成物の提供であると認められ、本件特許明細書の実施例には、いわゆる狭義のスブチリシンに該当すると認められるサビナーゼを使用した洗剤組成物における安定化について具体的に記載されていると認められる。
そして、令和1年12月18日の訂正請求により訂正された本件特許明細書の段落【0026】?【0028】の記載から、本件発明2にいう「スブチリシン」とはいわゆる狭義のスブチリシンと機能的に等価なものであることが理解でき、本件特許明細書の記載から、そのような「スブチリシン」であれば、本件特許明細書の実施例と同様の効果が得られることが推認される。
したがって、実施可能要件、サポート要件に関する取消理由は、訂正によっていずれも理由がなくなったといえる。

5.明確性要件について
明確性要件に関する取消理由は、令和1年12月18日の訂正請求による訂正によって、いずれも理由がなくなった。


第5 取消理由で採用しなかった特許異議申立人が主張する取消理由について
1.特許異議申立人の取消理由
取消理由で採用しなかった特許異議申立人が主張する取消理由は概ね次のとおりである。
(1)請求項1?15に係る発明は、主引用文献として甲第1号証、副引用文献として甲第3号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである。
(2)請求項1、3、4、7、8、9、10に係る発明は、主引用文献として甲第1号証、副引用文献として甲第3号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである。
(5)請求項1?15に係る発明は、主引用文献として甲第1号証、副引用文献として甲第5号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第8号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである。
(6)請求項1?15に係る発明は、主引用文献として甲第2号証、副引用文献として甲第5号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第8号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである。

なお、甲第1号証(以下「甲1」という。他の甲号証についても同様。)及び甲2は上記第4の1.の引用例1、引用例2であり、甲4は引用例3であるから、
(3)請求項1?15に係る発明は、主引用文献として甲第1号証、副引用文献として甲第4号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである、及び
(4)請求項1?15に係る発明は、主引用文献として甲第2号証、副引用文献として甲第4号証に記載された発明により当業者が容易に発明できたものである旨の理由については、上記第4の3.及び4.のとおりである。

2.引用文献の記載事項
(1)主引用文献
上記第4の2.(1)(引用例1:甲1)、(2)(引用例2:甲2)のとおりである。

(2)副引用文献
ア 甲3には、トロンビン阻害剤であるL-アルギニンアルデヒド誘導体のアルデヒド基は配位反転してエピマー化するから、配位反転に対して安定化された亜硫酸水素塩付加物とすることが記載されている。(段落【0004】、【0005】)

イ 甲5には、4-アリーデン-2-フェニル-5(4H)-オキサゾロンを合成する際に、アリールアルデヒド重亜硫酸付加物を用いること、アルデヒドの重亜硫酸付加物は塩基条件下でのアルデヒドの保護基として用いられることが記載されている。(要約、683頁左欄2段落)

ウ 甲6には、図1に、ピペリジニルインドリンンシンナミドを合成するために、2-シクロペンチルアセトアルデヒド(化合物2)を用いることが示され、図4に、2-シクロペンチルアセトアルデヒド(化合物2)に代えてその重亜硫酸付加物(化合物2a)を用いることが記載され、重亜硫酸付加物は通常結晶性固体であり、取り扱いが容易で、長期間にわたり安定であること(4032頁左欄1?5行)が記載されている。

エ 甲7には、還元的アミノ化反応において、アルデヒドの代替物として重亜硫酸付加物を使用すること、アルデヒドは不安定、非結晶性であるが、重亜硫酸付加物は安定であり、魅力的な中間体であることが記載されている。(要約、155頁左欄イントロダクション2段落、156頁左欄12?18行)

オ 甲8には、1,1-ジオキソ-ヘキサヒドロ-1λ6-チオピラン-4-カルボアルデヒドの単離・精製の際に、該アルデヒドを結晶形態の重亜硫酸付加物へ変換することが記載されている。(要約)

3.判断
(1)本件発明2について
甲1又は甲2に記載された発明(引用発明1又は引用発明2)と本件発明2とは、上記第4の3.及び4.のとおり、「ペプチドアルデヒド化合物」が、本件発明2ではヒドロ亜硫酸付加物であるのに対して、甲1又は甲2に記載された発明ではヒドロ亜硫酸付加物ではない点で相違する。
そこで、以下検討する。
まず、甲3にはL-アルギニンアルデヒド誘導体が配位反転しないようにするために、亜硫酸水素塩付加物とすることは記載されているが、L-アルギニンアルデヒド誘導体は甲1又は甲2に記載される「ペプチドアルデヒド化合物」とは異なる化合物であり、甲3にL-アルギニンアルデヒド誘導体ではない化合物、例えば甲1又は甲2に記載される「ペプチドアルデヒド化合物」をヒドロ亜硫酸付加物とすることが示唆されているとはいえない。
次に、甲5?8には甲1又は甲2に記載される「ペプチドアルデヒド化合物」は記載されておらず、甲5?8にはそれぞれの文献に記載された化合物ではない「ペプチドアルデヒド化合物」をヒドロ亜硫酸付加物とすることが示唆されているとはいえない。
したがって、本件発明2は、甲1?3、5?8に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものではない。

特許異議申立人は、本件特許明細書にペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物はペプチドアルデヒドと比較して水溶性が高いことの実験結果が示されていないことを指摘して、本件発明2の効果が格別でないことを主張しているが、甲1?3、5?8に記載された発明から本件発明2を容易に想到できないことは上述のとおりであるから、水溶性についての具体的な実験結果が示されていないことは、上記判断を左右しない。

(2)本件発明3?15について
本件発明3?15は、本件発明2をさらに減縮したものであるから、本件発明2についての判断と同様の理由により、甲1?3、5?8に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得るものではない。


第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項2?15に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項2?15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法第114条第4項の規定により、本件請求項2?15に係る発明について結論のとおり決定する。
本件請求項1に係る特許は、訂正により削除された。これにより、本件特許の請求項1に対する特許異議申立てについては、対象とする請求項が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】
安定化スブチリシン組成物
【技術分野】
【0001】
配列リストの参照
本出願は、コンピューター可読形式の配列リストを包含する。
【0002】
本発明は、ペプチドアルデヒド誘導体により安定化されたスブチリシンを含む組成物に関する。それはまた、この組成物の調製方法およびこの組成物で使用するための化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第98/13458号パンフレット、国際公開第94/04651号パンフレット、国際公開第98/13460号パンフレット、国際公開第95/25791号パンフレット、および国際公開第2009/118375号パンフレットには、ペプチドアルデヒドにより安定されたスブチリシン型プロテアーゼを含む液体洗剤が開示されている。国際公開第2011/036153号パンフレットには、粒状スブチリシン含有洗剤へのペプチドアルデヒドの添加により洗浄力を向上させうることが開示されている。
【0004】
アルデヒドがNaHSO_(3)との可溶性付加物(重亜硫酸またはヒドロ亜硫酸の付加物)を形成しうることおよびペプチドアルデヒドが水に溶けにくい傾向があることは、周知である。
【0005】
国際公開第98/47523号パンフレットおよび米国特許第6,500,802号明細書には、ペプチジル-2-アミノ-1-ヒドロキシアルカンスルホン酸およびプロテアーゼ阻害剤としてのその使用が開示されている。米国特許第5,436,229号明細書には、L-アルギニンアルデヒド誘導体の重亜硫酸付加物およびトロンビン阻害剤としてのその使用が開示されている。
【0006】
米国特許第4,703,036号明細書、米国特許第4,478,745号明細書、および米国特許第5,578,574号明細書には、乾燥形態のペプチドアルデヒドの調製方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
安定化スブチリシン組成物の大量生産では、安全性およびプロセス要件の両方のために、液体原料を取り扱うことがきわめて好ましい。ペプチドアルデヒドは、水に溶けにくい傾向があるので、濃厚水性溶液の調製が困難または不可能であり、液体配合物で使用すべく安定化スブチリシン溶液を作製する場合または顆粒組成物を製造すべく顆粒化する場合、乾燥生成物またはきわめて希薄な水性溶液のいずれかの使用が余儀なくされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ペプチドアルデヒドからヒドロ亜硫酸付加物への変換を用いることにより、ペプチドアルデヒドの精製時、水溶性を増加させることが可能である。有利なことに、我々は、このヒドロ亜硫酸付加物が、それ自体、スブチリシンの阻害剤および安定化剤として効果的であるうえに、第2の(非スブチリシン)酵素(存在する場合)を安定化させうることを見いだした。我々は、ヒドロ亜硫酸付加物がスブチリシン阻害剤として効果的であることを見いだすとともに、我々は、それが貯蔵時に液体洗剤中でその阻害効果および安定化効果を維持することを見いだした。したがって、ヒドロ亜硫酸付加物の使用により、元のペプチドアルデヒドに変換するコストおよび時間を回避することが可能であり、それに続くペプチドアルデヒドの乾燥を省くことが可能であるので、これにより、粉末形態でまたはきわめて希薄な水性溶液としてペプチドアルデヒドを取り扱う不便さを回避することが可能である。さらに、ペプチドアルデヒド重亜硫酸付加物の添加により、スブチリシン含有洗剤の洗浄力(洗浄/洗濯性能)を向上させることも可能である。
【0009】
したがって、本発明は、スブチリシンと式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物とを含む組成物を提供する。式中の基は、以下の意味を有する。すなわち
a)Mは、H(水素)またはアルカリ金属、好ましくはNaまたはKであり、
b)Rは、NH-CHR-COをLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基(以下ではB^(0)と記される)であり、
c)B^(1)は、1個のアミノ酸残基であり、かつ
d)Xは、1個以上のアミノ酸残基(好ましくは1個または2個)で構成され、任意選択でN末端保護基を含んでいてもよい。
【0010】
本発明はさらに、この組成物の調製方法を提供する。この方法は、スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、M、R、B^(1)、およびXは、以上のように定義される)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物を含む水性溶液と、任意選択で界面活性剤と、を混合することを含む。
【0011】
そのほかに、本発明は、この組成物で使用するための化合物を提供する。この化合物は、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である。Rは、p-ヒドロキシ-ベンジルでありうる。また、M、B^(1)、およびXは、以上のように定義される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
安定化スブチリシン組成物
本発明に係る組成物は、スブチリシンとペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物とを含み、任意選択で第2の酵素を含んでいてもよい。この組成物は、液体形態または顆粒形態をとりうる。それは、界面活性剤をさらに含む洗剤組成物であってもよい。
【0013】
液体洗剤や顆粒洗剤などの組成物では、各酵素(スブチリシンおよび任意選択の第2の酵素)の量は、純粋な酵素タンパク質として計算して、典型的には0.04?80μM(またはマイクロモル/kg)、特定的には0.2?30μM、より特定的には0.4?20μM(一般的には1?2000mg/lまたはmg/kg、特定的には5?750mg/l、より特定的には10?500mg/l)であろう。酵素濃縮物などの組成物では、各酵素の量は、純粋な酵素タンパク質として計算して、典型的には0.01?20mM、特定的には0.04?10mM、より特定的には0.1?5mM(一般的には0.3?500g/l、特定的には1?300g/l、より特定的には3?150g/l)であろう。
【0014】
本発明に係る酵素安定化剤または酵素阻害剤対スブチリシンのモル比は、少なくとも1:1または1.5:1であり、かつ1000:1未満、より好ましくは500:1未満である。さらにより好ましいのは、100:1?2:1または20:1?2:1であり、最も好ましいのは、モル比が10:1?3:1である。
【0015】
ペプチドアルデヒド
本方法で使用される重亜硫酸付加物は、式X-B^(1)-B^(0)-Hを有するペプチドアルデヒドから誘導可能である。式中の基は、以上のように定義され、B^(0)は、式:NH-CHR-COを有するL配置またはD配置の単一のアミノ酸残基である。
【0016】
NH-CHR-CO(B^(0))は、LまたはD-アミノ酸残基である。ただし、Rは、脂肪族または芳香族の側鎖、たとえば、ベンジルなどのアラルキルであってもよく、Rは、任意選択で置換されていてもよい。より特定的には、B^(0)残基は、嵩高、中性、極性、疎水性、および/または芳香族であってもよく、任意選択で置換されていてもよい。例は、D形またはL形のTyr(p-チロシン)、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、ノルバリン(Nva)、Leu、Ile、またはノルロイシン(Nle)、特定的には、Tyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe(Val)、Met、Nva、またはNleである。
【0017】
以上の式X-B^(1)-B^(0)-H中、B^(1)残基は、特定的には、小型、脂肪族、疎水性、および/または中性であってもよい。例は、アラニン(Ala)、システイン(Cys)、グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、バリン(Val)、ノルバリン(Nva)、およびノルロイシン(Nle)、特定的には、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、およびNleである。
【0018】
Xは、特定的には、任意選択のN末端保護基を有していてもよい1個または2個のアミノ酸残基でありうる(すなわち、この化合物は、保護基を有していても有していなくてもよいトリまたはテトラペプチドアルデヒドである)。したがって、Xは、B^(2)、B^(3)-B^(2)、Z-B^(2)、Z-B^(3)-B^(2)でありうる。ただし、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基である。
【0019】
B^(2)残基は、特定的には、小型、脂肪族、および/または中性であってもよく、たとえば、Ala、Gly、Thr、Arg、Leu、Phe、またはVal、とくに、Gly、Thr、またはValである。
【0020】
B^(3)残基は、特定的には、嵩高、疎水性、中性、および/または芳香族であってもよく、任意選択で置換されていてもよく、たとえば、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleである。
【0021】
N末端保護基Z(存在する場合)は、ホルミル基、アセチル(Ac)基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、フルオロメトキシカルボニル基、メトキシスクシニル基、芳香族および脂肪族のウレタン保護基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基、t-ブチルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基もしくはp-メトキシフェニル(PMP)基、メトキシカルボニル(Moc)基、メトキシアセチル(Mac)基、メチルカルバメート基、またはメチルアミノカルボニル/メチルウレア基から選択されうる。保護基を有するテトラペプチドアルデヒド(すなわちX=Z-B^(3)-B^(2))の場合、Zは、好ましくは、小型の脂肪族基、たとえば、ホルミル基、アセチル基、フルオロメトキシカルボニル基、t-ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル(Moc)基、メトキシアセチル(Mac)基、メチルカルバメート基、またはメチルアミノカルボニル基/メチルウレア基である。保護基を有するトリペプチドアルデヒド(すなわちX=Z-B^(2))の場合、Zは、好ましくは、嵩高い芳香族基、たとえば、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PMB)、またはp-メトキシフェニル(PMP)である。
【0022】
好適なペプチドアルデヒドは、国際公開第94/04651号パンフレット、国際公開第95/25791号パンフレット、国際公開第98/13458号パンフレット、国際公開第98/13459号パンフレット、国際公開第98/13460号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13462号パンフレット、国際公開第2007/141736号パンフレット、国際公開第2007/145963号パンフレット、国際公開第2009/118375号パンフレット、国際公開第2010/055052号パンフレット、および国際公開第2011/036153号パンフレットに記載されている。より特定的には、ペプチドアルデヒドは、Z-RAY-H、Ac-GAY-H、Z-GAY-H、Z-GAL-H、Z-VAL-H、Z-GAF-H、Z-GAV-H、Z-GGY-H、Z-GGF-H、Z-RVY-H、Z-LVY-H、Ac-LGAY-H、Ac-FGAY-H、Ac-YGAY-H、Ac-FGAL-H、Ac-FGAF-H、Ac-FGVY-H、Ac-FGAM-H、Ac-WLVY-H、MeO-CO-VAL-H、MeNCO-VAL-H、MeO-CO-FGAL-H、MeO-CO-FGAF-H、MeSO_(2)-FGAL-H、MeSO_(2)-VAL-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-VAL-H、EtSO_(2)-FGAL-H、PhCH_(2)SO_(2)-VAL-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-LAL-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-FAL-H、またはMeO(OH)(O)P-LGAL-Hでありうる。ここで、Zは、ベンジルオキシカルボニルであり、Meは、メチルであり、Etは、エチルであり、Acは、アセチルであり、Hは、水素であり、かつ他方文字は、標準的一文字表記(たとえば、F=Phe、Y=Tyr、およびL=Leu)により記されたアミノ酸残基を表す。他の選択肢として、ペプチドアルデヒドは、国際公開第2010/055052号パンフレットに記載の式:
P-O-(A_(i)-X’)_(n)-A_(n+1)-Q
(式中、
Qは、水素、CH_(3)、CX_(3)、CHX_(2)、またはCH_(2)Xであり、ここで、Xは、ハロゲン原子であり、
1つのX’は、「ダブルNキャッピング基」CO、CO-CO、CS、CS-CS、またはCS-COであり、最も好ましいのはウリド(CO)であり、他のX’は、存在せず、
n=1?10、好ましくは2?5、最も好ましくは2、
A_(i)およびA_(n+1)のそれぞれは、構造:
X=-CO-の右側の残基に対しては-NH-CR-CO-、または
X=-CO-の左側の残基に対しては-CO-CR-NH-
を有するアミノ酸残基であり、
Rは、H-または任意選択で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよく、任意選択でN原子に結合されていてもよく、かつ
Pは、水素または任意のC末端保護基である)
を有しうる。そのようなペプチドアルデヒドの例としては、α-MAPI、β-MAPI、F-尿素-RVY-H、F-尿素-GGY-H、F-尿素-GAF-H、F-尿素-GAY-H、F-尿素-GAL-H、F-尿素-GA-Nva-H、F-尿素-GA-Nle-H、Y-尿素-RVY-H、Y-尿素-GAY-H、F-CS-RVF-H、F-CS-RVY-H、F-CS-GAY-H、アンチパイン、GE20372A、GE20372B、キモスタチンA、キモスタチンB、およびキモスタチンCが挙げられる。
【0023】
ペプチドアルデヒドのさらなる例は、国際公開第2010/055052号パンフレットおよび国際公開第2009/118375号パンフレット、国際公開第94/04651号パンフレット、国際公開第98/13459号パンフレット、国際公開第98/13461号パンフレット、国際公開第98/13462号パンフレット、国際公開第2007/145963号パンフレット(P&G)に開示されている(参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物
ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物は、以上に記載のペプチドアルデヒドから誘導されうる。
【0025】
特定例は、Cbz-RA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-RV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-LV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-LGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-YGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH_(2)SCH_(3))(SO_(3)M)-H、Ac-WLV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-VA-NHCH-(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeNCO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)-C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、EtSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)SO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-LA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-FA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO(OH)(O)P-LGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、およびF-尿素-RV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-Hであり、ただし、M=負電荷、H、Na、もしくはK、または他の対イオンである。
【0026】
スブチリシン
スブチリシンは、セリンプロテアーゼのサブグループである。セリンプロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒するかつ活性部位に必須のセリン残基が存在する酵素である(White,Handler and Smith,1973“Principles of Biochemistry,”Fifth Edition,McGraw-Hill Book Company,NY,pp.271-272)。スブチリシンは、Siezen et al.,Protein Engng.4(1991)719-737およびSiezen et al.,Protein Science 6(1997)501-523により定義されるI-S1およびI-S2サブグループを含み、好ましくはそれらで構成される。セリンプロテアーゼの活性部位の構造が高度に保存されるので、本発明に係るスブチリシンは、Siezen et al.(supra)により提案されたサブグループで表されるスブチラーゼと機能的に等価でありうる。
【0027】
スブチリシンは、化学修飾または遺伝子修飾された突然変異体(タンパク質工学操作された変異体)を含めて、動物起源、植物起源、または微生物起源でありうる。スブチリシンの例は、バチルス属(Bacillus)に由来するもの、たとえば、スブチリシンノボ、スブチリシンカールスバーグ、スブチリシンBPN’、スブチリシン309、スブチリシン147、およびスブチリシン168(国際公開第89/06279号パンフレットに記載)、ならびにプロテアーゼPD138(国際公開第93/18140号パンフレット)である。例は、国際公開第98/020115号パンフレット、国際公開第01/44452号パンフレット、国際公開第01/58275号パンフレット、国際公開第01/58276号パンフレット、国際公開第03/006602号パンフレット、および国際公開第04/099401号パンフレットに記載されている。他の例は、国際公開第92/19729号パンフレット、国際公開第98/20115号パンフレット、国際公開第98/20116号パンフレット、国際公開第98/34946号パンフレット、国際公開第2011/036263号パンフレットに記載の変異体およびプロテアーゼの混合物である。
【0028】
市販のスブチリシンの例としては、Kannase(商標)、Everlase(商標)、Relase(商標)、Esperase(商標)、Alcalase(商標)、Durazym(商標)、Savinase(商標)、Ovozyme(商標)、Liquanase(商標)、Coronase(商標)、Polarzyme(商標)、Pyrase(商標)、Bio-Feed(商標)ProおよびClear-Lens(商標)Pro、Blazeが挙げられる(すべてNovozymes A/S,Bagsvaerd,Denmarkから入手可能)。他の市販のスブチリシンとしては、Ronozyme(商標)Pro、Maxatase(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(商標)、Opticlean(商標)、Properase(商標)、Purafast(商標)、Purafect(商標)、Purafect Ox(商標)、Purafact Prime(商標)、Excellase(商標)、FN2(商標)、FN3(商標)、およびFN4(商標)が挙げられる(Genencor International Inc.、Gist-Brocades、BASF、またはDSMから入手可能)。他の例は、Primase(商標)およびDuralase(商標)である。Blap R、Blap S、およびBlap Xは、Henkelから入手可能である。
【0029】
第2の酵素
スブチリシンに加えて、洗剤組成物は、任意選択で、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、および/またはペルオキシダーゼなどの第2の酵素を含んでいてもよい。この組成物は、1種、2種、またはそれ以上の非スブチリシン酵素を含有していてもよい。
【0030】
リパーゼおよびクチナーゼ
好適なリパーゼおよびクチナーゼとしては、細菌起源または菌類起源のものが挙げられる。化学修飾またはタンパク質工学操作された突然変異体が包含される。例としては、サーモマイセス属(Thermomyces)由来のリパーゼ、たとえば、欧州特許第258068号明細書および欧州特許第305216号明細書に記載のT.ラヌギノサス(T.lanuginosus)(旧名フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa))由来のリパーゼ、フミコラ属(Humicola)由来のクチナーゼ、たとえば、国際公開第96/13580号パンフレットに記載のH.インソレンス(H.insolens)由来のクチナーゼ、シュードモナス属(Pseudomonas)のリパーゼ、たとえば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)またはP.シュードアルカリゲネス(P pseudoalcaligenes)(欧州特許第218272号明細書)、P.セパシア(P.cepacia)(欧州特許第331376号明細書)、P.スツッツェリ(P.stutzeri)(英国特許第1,372,034号明細書)、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)、シュードモナス属(Pseudomonas)の種の株SD705(国際公開第95/06720号パンフレットおよび国際公開第96/27002号パンフレット)、P.ウィスコンシネンシス(P.wisconsinensis)(国際公開第96/12012号パンフレット)由来のリパーゼ、バチルス属(Bacillus)のリパーゼ、たとえば、B.サブチリス(B.subtilis)(Dartois et al.,1993,Biochemica et Biophysica Acta,1131:253-360)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)(特開昭64-744992号公報)、またはB.プミラス(B.pumilus)(国際公開第91/16422号パンフレット)由来のリパーゼが挙げられる。
【0031】
他の例は、リパーゼ変異体、たとえば、国際公開第92/05249号パンフレット、国際公開第94/01541号パンフレット、欧州特許第407225号明細書、欧州特許第260105号明細書、国際公開第95/35381号パンフレット、国際公開第96/00292号パンフレット、国際公開第95/30744号パンフレット、国際公開第94/25578号パンフレット、国際公開第95/14783号パンフレット、国際公開第95/22615号パンフレット、国際公開第97/04079号パンフレット、国際公開第97/07202号パンフレット、国際公開第00/060063号パンフレット、国際公開第2007/087508号パンフレット、および国際公開第2009/109500号パンフレットに記載のものである。
【0032】
好ましい市販のリパーゼ酵素としては、Lipolase(商標)、Lipolase Ultra(商標)、およびLipex(商標)、Lecitase(商標)、Lipolex(商標)、Lipoclean(商標)、Lipoprime(商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。他の市販のリパーゼとしては、Lumafast(Genencor Int Inc)、Lipomax(Gist-Brocades/Genencor Int Inc)、およびSolvay製のバチルス属(Bacillus)の種のリパーゼが挙げられる。
【0033】
アミラーゼ
好適なアミラーゼ(αおよび/またはβ)としては、細菌起源または菌類起源のものが挙げられる。化学修飾またはタンパク質工学操作された突然変異体が包含される。アミラーゼとしては、たとえば、バチルス属(Bacillus)から取得されるα-アミラーゼ、たとえば、より詳細には英国特許第1,296,839号明細書に記載されるバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)の特定の株から取得されるものが挙げられる。
【0034】
有用なアミラーゼの例は、国際公開第94/02597号パンフレット、国際公開第94/18314号パンフレット、国際公開第96/23873号パンフレット、および国際公開第97/43424号パンフレットに記載の変異体、特定的には、次の位置、すなわち、15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、および444の1つ以上に置換を有する変異体である。
【0035】
市販のアミラーゼは、Stainzyme、Stainzyme Plus、Duramyl(商標)、Termamyl(商標)、Termamyl Ultra、Natalase、Fungamyl(商標)、およびBAN(商標)(Novozymes A/S)、Rapidase(商標)およびPurastar(商標)(Genencor International Inc.製)である。
【0036】
リアーゼ
ペクチン酸リアーゼは、バチルス属(Bacillus)に由来する野生型酵素、特定的には、B.リケルニフォルミス(B.licherniformis)もしくはB.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)に由来するものまたはこれらのいずれかに由来する変異体、たとえば、米国特許第6,124,127号明細書、国際公開第1999/027083号パンフレット、国際公開第1999/027084号パンフレット、国際公開第2002/006442号パンフレット、国際公開第2002/092741号パンフレット、国際公開第2003/095638号パンフレットに記載のものであってもよい。市販のペクチン酸リアーゼは、XPect、Pectawash、およびPectaway(Novozymes A/S)である。
【0037】
マンナナーゼ
マンナナーゼは、ファミリー5または26のアルカリマンナナーゼであってもよい。それは、バチルス属(Bacillus)またはフミコラ属(Humicola)に由来する野生型、特定的には、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.クラウシー(B.clausii))、またはH.インソレンス(H.insolens)に由来するものであってもよい。好適なマンナナーゼは、国際公開第1999/064619号パンフレットに記載されている。市販のマンナナーゼは、Mannaway(Novozymes A/S)である。
【0038】
セルラーゼ
好適なセルラーゼとしては、細菌起源または菌類起源のものが挙げられる。化学修飾またはタンパク質工学操作された突然変異体が包含される。好適なセルラーゼとしては、バシラス(Bacillus)属、シュードモナス属(Pseudomonas)、フミコラ属(Humicola)、フザリウム属(Fusarium)、チエラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)に由来するセルラーゼ、たとえば、米国特許第4,435,307号明細書、米国特許第5,648,263号明細書、米国特許第5,691,178号明細書、米国特許第5,776,757号明細書、および国際公開第89/09259号パンフレットに開示されている、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から産生される菌類のセルラーゼが挙げられる。
【0039】
とくに好適なセルラーゼは、カラーケア効果を有するアルカリ性セルラーゼまたは中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、欧州特許第0495257号明細書、欧州特許第0531372号明細書、国際公開第96/11262号パンフレット、国際公開第96/29397号パンフレット、国際公開第98/08940号パンフレットに記載のセルラーゼである。他の例は、セルラーゼ変異体、たとえば、国際公開第94/07998号パンフレット、欧州特許第0531315号明細書、米国特許第5,457,046号明細書、米国特許第5,686,593号明細書、米国特許第5,763,254号明細書、国際公開第95/24471号パンフレット、国際公開第98/12307号パンフレット、および国際公開第99/01544号パンフレットに記載のものである。
【0040】
市販のセルラーゼは、Celluzyme、Celluclean、Endloase、Carezyme、Renozyme、whitezyme(Novozymes A/S)である。
【0041】
ペプチドアルデヒドおよびヒドロ亜硫酸/重亜硫酸付加物の調製
ペプチドアルデヒドは、March,J.Advanced Organic Chemistry,fourth edition,Wiley-Interscience,US 1992,p895などの書籍に記載されるように、重亜硫酸ナトリウムとの反応により水溶性ヒドロ亜硫酸付加物に変換しうる。
【0042】
ヒドロ亜硫酸付加物への変換は、可逆的である(たとえば、J.Am.Chem.Soc.1978,100,1228)。したがって、付加物は、液体洗剤中、液体スブチリシン配合物中、または洗浄/洗濯水中で、部分的にまたは完全に逆戻りしてペプチドアルデヒドを放出しうる。
【0043】
対象のペプチドアルデヒドは、公知の方法により、たとえば、米国特許第4,703,036号明細書、米国特許第4,478,745号明細書、または米国特許第5,578,574号明細書に記載されるように、最終乾燥工程を省略して調製されうるか、またはJ.Pept.Sci.2007;13;1-15にレビューされたもしくはSynthesis 1983,676に例示された方法のいずれかにより、調製されうる。ペプチドアルデヒドは、粗製でありうるか、または精製されて固体として単離されうるか、または有機溶媒により溶解状態を保持しうる。
【0044】
重亜硫酸付加物の水性溶液は、公知の方法で、たとえば、国際公開第98/47523号パンフレット、米国特許第6,500,802号明細書、米国特許第5,436,229号明細書、J.Am.Chem.Soc.1978,100,1228、Org.Synth.,Coll.Vol.7:361に記載の方法で、対応するペプチドアルデヒドと重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウムNaHSO_(3))、重亜硫酸カリウム(KHSO_(3))の水性溶液との反応により調製されうる。
【0045】
洗剤組成物
洗剤は、顆粒洗剤または液体洗剤でありうる。液体洗剤は、固体(またはガス)ではない物理形態をとり、それは、注加可能な液体、注加可能なゲル、または注加不能なゲルでありうる。それは、等方性または構造性のいずれか、好ましくは等方性でありうる。それは、自動洗浄/洗濯機による洗浄/洗濯または手による洗浄/洗濯に有用な配合物を含む。洗剤は、少なくとも1種の界面活性剤を含有する。洗剤はまた、ビルダーを含みうる。
【0046】
粒状洗剤組成物は、顆粒もしくは粉末でありうるか、または錠剤、ブリケット剤の形にプレスされた粉末/顆粒でありうる。組成物は、錠剤、棒剤、または多区画パウチを含めてパウチの形態をとりうる。組成物は、粉末、たとえば、自由流動性粉末、集塊スプレー乾燥粉末など、カプセル化物、押出し物、針状物、ヌードル、フレーク、またはそれらの任意の組合せの形態をとりうる。
【0047】
洗剤成分は、水溶性パウチ内または錠剤の異なる層内の区画により、互いに物理的に分離することが可能である(以下の単位用量を参照されたい)。それにより、成分間の貯蔵時有害相互作用を回避することが可能である。また、各区画の異なる溶解プロファイルにより、洗浄/洗濯溶液中の所定の成分の遅延溶解を引き起こすことが可能である。
【0048】
パウチは、組成物の保持に好適な任意の形態、形状、および材料でありうる。たとえば、水に接触する前にパウチから組成物を放出させないものでありうる。パウチは、内部空間を取り囲む水溶性フィルムから作製される。前記内部空間は、パウチの区画に分割することが可能である。好ましいフィルムは、高分子材料、好ましくはフィルム状またはシート状に形成されたポリマーである。好ましいポリマー、コポリマー、またはそれらの誘導体は、所定のポリアクリレートおよび水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムデキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、最も好ましくはポリビニルアルコールコポリマーおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。好ましくは、フィルム中のポリマーたとえばPVAのレベルは、少なくとも約60%である。好ましい平均分子量は、典型的には、約20,000?約150,000であろう。フィルムはまた、グリセロール、エチレングリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、およびそれらの混合物のような可塑剤が加えられたポリアクチドおよびポリビニルアルコール(Chris Craft In.Prod.Of Gary,Ind.,USにより販売されているM8630という商品名で知られる)などの加水分解性かつ水溶性のポリマーブレンドを含むブレンド組成物であってもよい。パウチは、水溶性フィルムにより分離された固体衣類クリーニング組成物もしくは部分成分および/または液体クリーニング組成物もしくは部分成分を含んでいてもよい。液体成分用の区画は、固体を含有する区画と組成が異なっていてもよい(たとえば、米国特許出願公開第2009/0011970号明細書を参照されたい)。
【0049】
洗剤成分の選択は、テキスタイルの保護のために、クリーニングされるテキスタイルのタイプ、汚れのタイプおよび/または程度、クリーニングが行われる温度、ならびに洗剤製品の配合を考慮することを含みうる。以下に挙げられた成分は、特定の機能に従って一般的な見出しにより分類されているが、これは、当業者であればわかるであろうが、成分が追加の機能を含みうるので、限定要件とみなすべきはでない。
【0050】
一実施形態では、本発明に係る安定化スブチリシン組成物は、洗浄/洗濯液1リットルあたり、0.001?100mgのタンパク質、たとえば0.01?100mgのタンパク質、好ましくは0.005?50mgのタンパク質、より好ましくは0.01?25mgのタンパク質、さらにより好ましくは0.05?10mgのタンパク質、最も好ましくは0.05?5mgのタンパク質、さらに最も好ましくは0.01?1mgのタンパク質に対応する量で洗剤組成物に添加されうる。
【0051】
単位用量
単位用量製品は、再使用不能な容器中の単回用量のパッケージである。それは、衣類洗濯用および食器洗浄用の洗剤でますます使用されるようになっている。洗剤単位用量製品は、1回の洗浄/洗濯に使用される洗剤量のパッケージ(たとえば、水溶性フィルムから作製されたパウチの形態)である。
【0052】
一態様では、洗剤組成物は、単位用量形態である。単位用量形態の洗剤製品は、錠剤、カプセル、サシェ、パウチなどを含む。ここで使用するために、一態様では、錠剤は、水溶性フィルムおよび水溶性パウチで包まれる。本発明に係る洗剤組成物の重量は、約10?約25グラム、約12?約24グラム、さらには14?22グラムである。これらの重量は、自動食器洗浄用洗剤製品のディスペンサーに適合させるのにきわめて便利である。洗剤組成物を包囲する水溶性材料を有する単位用量製品の場合、水溶性材料は、組成物の一部とみなされない。一態様では、単位用量形態は、水溶性パウチ(すなわち、洗剤組成物を包囲する水溶性フィルム)であり、一態様では、複数の区画を形成する複数のフィルムを有する多区画パウチである。この構成は、組成物の適応性および最適化に寄与する。それにより、さまざまな成分の分離および制御放出が可能なる。一態様では、1つの区画は、固体形態の洗剤組成物を含有し、他の区画は、液体形態の洗剤組成物を含有する。
【0053】
一態様では、多区画パウチの実施形態の2つの異なる区画は、2つの異なるクリーニング剤を含有しうる。一態様では、これらの2つの区画のフィルムは、異なる溶解プロファイルを有して、異なる時間で同一のまたは異なる作用剤の放出を可能にする。たとえば、1つの区画(第1の区画)からの作用剤は、汚れの除去に役立つように洗浄/洗濯プロセスの初期に送達可能であり、他の区画(第2の区画)からの第2の作用剤は、第1の区画からの作用剤の少なくとも2分後、さらには少なくとも5分後に送達可能である。
【0054】
一態様では、他方の区画上に重畳された2つの並んだ区画を含み、少なくとも2つの異なる区画が2つの異なる洗剤組成物を含有する多区画パウチが、開示される。
【0055】
多区画パックは、複数の区画を形成する複数の水溶性包囲材料により形成され、区画の1つは、洗剤組成物の一部または全部の成分を含有し、他の区画は、液体組成物を含有可能であり、液体組成物は、水性であり(すなわち、液体組成物の10重量パーセント超の水を含む)、区画は、温水に可溶な材料で作製可能である。一実施形態では、1つの区画は、冷水に可溶な材料で作製される。それにより、さまざまな成分の分離および制御放出が可能なる。他の実施形態では、区画はすべて、温水に可溶な材料で作製される。
【0056】
好適なパックは、他方の区画上に重畳された(すなわち上置された)少なくとも2つの並んだ区画を含み、とくに好適なのは、パウチである。この配置は、パックのコンパクト性、ロバスト性、および強度に寄与し、それに加えて、必要とされる水溶性材料の量を最小限に抑える。それは、3つの区画を形成するために、3片の材料を必要とするにすぎない。パックのロバスト性はまた、パックの物理的完全性を損なうことなく、非常に薄いフィルムの使用を可能にする。パックはまた、一定の幾何形状の機械ディスペンサーで使用するために区画を折り曲げる必要がないので、使用するのが非常に簡単である。パックの区画の少なくとも2つは、2つの異なる洗剤組成物を含有する。「異なる組成物」とは、本明細書では、少なくとも1つの成分が異なる洗剤組成物を意味する。
【0057】
一態様では、区画の少なくとも1つは、固体洗剤組成物を含有し、他の区画は、水性液体洗剤組成物を含有し、組成物は、典型的には、約20:1?約1:20、約18:1?約2:1、または約15:1?約5:1の固体対液体重量比である。この種のパックは、広範にわたる固体:液体比の値を有する組成物を収容可能であるので、非常に汎用性がある。洗剤成分の多くは、固体形態で、一態様では粉末形態で使用するのにとくに好適であるので、パウチは、高い固体:液体比を有する。本明細書に定義される固体:液体比は、パック中のすべての固体組成物の重量とすべての液体組成物の重量との間の関係を意味する。
【0058】
好適な固体:液体重量比は、約2:1?約18:1または約5:1?約15:1である。これらの重量比は、洗剤の成分のほとんどが液体形態である場合に好適である。
【0059】
一態様では、2つの並んだ区画は、同一であっても異なっていてもよい液体洗剤組成物を含有し、他の区画は、固体洗剤組成物、たとえば粉末形態のもの、一態様では緻密化粉末を含有する。固体組成物は、パックの強度およびロバスト性に寄与する。
【0060】
ディスペンサーに適合させるために、とくに自動食器洗浄機では、この場合の単位用量形態の製品は、正方形または長方形の底面および約1?約5cmまたは約1?約4cmの高さを有する。一態様では、固体組成物の重量は、約5?約20グラムまたは約10?約15グラムであり、液体組成物の重量は、約0.5?約4グラムまたは約0.8?約3グラムである。一態様では、異なる区画を形成するフィルムの少なくとも2つは、同一条件下で異なる溶解性を有する。これにより、部分的にまたは完全に包囲された組成物を異なる時間で放出することが可能なる。
【0061】
多区画パウチの成分の制御放出は、フィルムの厚さおよび/またはフィルム材料の溶解性を変化させることにより達成可能である。国際公開第2002/102955号パンフレットに記載されるように、たとえばフィルムを架橋することにより、フィルム材料の溶解を遅らせることが可能である。濯ぎ液中への放出のために設計された他の水溶性フィルムは、米国特許第4,765,916号明細書および米国特許第4,972,017号明細書に記載されている。フィルムのワックス被覆(米国特許第5,453,216号明細書を参照されたい)は、濯ぎ液中への放出に役立ちうる。pH制御放出手段、特定的には、選択的アセチル化度を有するアミノアセチル化ポリサッカリドは、米国特許第5,453,216号明細書に記載されている。
【0062】
異なる溶解性を有するフィルムで区画が作製された異なる区画を有する多区画パウチにより遅延放出を得る他の手段は、米国特許第6,727,215号明細書に教示されている。
【0063】
界面活性剤
洗剤組成物は、アニオン性および/またはカチオン性および/または非イオン性および/または半極性および/または双性イオン性またはそれらの混合物であってもよい1種以上の界面活性剤を含みうる。特定の実施形態では、洗剤組成物は、1種以上の非イオン性界面活性剤と1種以上のアニオン性界面活性剤との混合物を含むが、個別に使用することも可能である。
【0064】
界面活性剤は、典型的には、約0.1重量%?60重量%、たとえば、約1%?約40%または約3%?約20%または約3%?約10%のレベルで存在する。界面活性剤は、所望のクリーニング用途に基づいて選択され、当技術分野で公知の任意の従来型の界面活性剤を含む。洗剤で使用することが当技術分野で公知の任意の界面活性剤を利用しうる。
【0065】
アニオン性界面活性剤の例としては、スルフェートおよびスルホネート、特定的には、線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、LASの異性体、分岐状アルキルベンゼンスルホネート(BABS)、フェニルアルカンスルホネート、α-オレフィンスルホネート(AOS)、オレフィンスルホネート、アルケンスルホネート、アルカン-2,3-ジイルビス(スルフェート)、ヒドロキシアルカンスルホネートおよびジスルホネート、アルキルスルフェート(AS)、たとえば、ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)、脂肪アルコールスルフェート(FAS)、第一級アルコールスルフェート(PAS)、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)を含むアルコールエーテルスルフェート(AESまたはAEOSまたはFES、アルコールエトキシスルフェートまたは脂肪アルコールエーテルスルフェートとしても知られる)、石鹸または脂肪酸、第二級アルカンスルホネート(SAS)、パラフィンスルホネート(PS)、エステルスルホネート、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、メチルエステルスルホネート(MES)を含むα-スルホ脂肪酸メチルエステル(α-SFMeまたはSES)、アルキルまたはアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホコハク酸またはスルホ石鹸のジエステルおよびモノエステル、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
洗剤は、その中に含む場合、通常、約1重量%?約40重量%、たとえば、約5%?約30%、たとえば、約5%?約15%または約20%?約25%のアニオン性界面活性剤を含有するであろう。
【0067】
非イオン性界面活性剤の例としては、アルコールエトキシレート(AEまたはAEO)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、たとえば、エトキシル化および/またはプロポキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、またはグルコサミンN-アシルN-アルキル誘導体(グルカミドGAまたは脂肪酸グルカミドFAGA)、さらにはSPANおよびTWEENという商品名で入手可能な製品、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
洗剤は、その中に含む場合、通常、約0.2重量%?約40重量%、たとえば、約0.5%?約30%、特定的には、約1%?約20%、約3%?約10%、たとえば、約3%?約5%または約8%?約12%の非イオン性界面活性剤を含有するであろう。
【0069】
ビルダー
洗剤組成物は、約0?65重量%の洗剤ビルダーもしくはコビルダーまたはそれらの混合物を含有しうる。食器洗浄洗剤では、ビルダーのレベルは、典型的には40?65%、特定的には50?65%である。ビルダーおよび/またはコビルダーは、特定的にはCaおよびMgとの水溶性錯体を形成するキレート化剤でありうる。衣類洗剤で使用することが当技術分野で公知の任意のビルダーおよび/またはコビルダーを利用しうる。ビルダーの例としては、ゼオライト、ジホスフェート(ピロホスフェート)、トリホスフェートたとえば三リン酸ナトリウム(STPまたはSTPP)、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキルまたはアルケニルコハク酸、カーボネート、たとえば、炭酸ナトリウム、可溶性シリケート、たとえば、メタケイ酸ナトリウム、層状シリケート類(たとえば、Hoechst製のSKS-6)、エタノールアミン、たとえば、2-アミノエタン-1-オール(MEA)、イミノジエタノール(DEA)および2,2’,2”-ニトリロトリエタノール(TEA)、およびカルボキシメチルイヌリン(CMI)、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
ビルダーは、強いビルダー、たとえば、メチルグリシンジ酢酸(「MGDA」)またはN,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸テトラナトリウム塩(GLDA)であってもよく、中程度のビルダー、たとえば、ナトリウム-トリ-ポリホスフェート(STPP)であってもよく、弱いビルダー、たとえば、クエン酸ナトリウムであってもよい。
【0071】
漂白系
洗剤組成物は、0?50重量%の漂白系を含有しうる。衣類洗剤で使用することが当技術分野で公知の任意の漂白系を利用しうる。好適な漂白系成分としては、漂白触媒、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素源たとえば過炭酸ナトリウムおよび過ホウ酸ナトリウム、前形成過酸、およびそれらの混合物が挙げられる。好適な前形成過酸としては、ペルオキシカルボン酸および塩、過炭酸および塩、過イミド酸および塩、ペルオキシ一硫酸および塩、たとえばOxone(R))、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。漂白系の例としては、たとえば、過ホウ酸のナトリウム塩(通常、一水和物または四水和物)などのアルカリ金属塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩をはじめとする無機塩を、過酸形成漂白活性化剤と組み合わせて含みうる、過酸化物に基づく漂白系が挙げられるが、これに限定されるものではない。漂白活性化剤とは、本明細書では、過酸化水素のような過酸素漂白剤と反応して過酸を形成する化合物を意味する。こうして形成された過酸は、活性化漂白剤を構成する。ここで使用するのに好適な漂白活性化剤としては、エステル、アミド、イミド、またはアンヒドリドのクラスに属するものが挙げられる。好適な例は、テトラセチルアチレンジアミン(TAED)、ナトリウム3,5,5トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、ジペルオキシドデカン酸、4-(ドデカノイルオキシ)ベンゼンスルホネート(LOBS)、4-(デカノイルオキシ)ベンゼンスルホネート、4-(デカノイルオキシ)ベンゾエート(DOBS)、4-(3,5,5-トリメチルヘキサノイルオキシ)ベンゼンスルホネート(ISONOBS)、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、および4-(ノナノイルオキシ)ベンゼンスルホネート(NOBS)、ならびに/または国際公開第98/17767号パンフレットに開示されるものである。対象の漂白活性化剤の特定のファミリーは、欧州特許第624154号明細書に開示されており、そのファミリーでとくに好ましいのは、アセチルトリエチルシトレート(ATC)である。ATCまたはTriacinのような短鎖トリグリセリドは、最終的にクエン酸およびアルコールに分解するので環境にやさしいという利点を有する。さらに、アセチルトリエチルシトレートおよびトリアセチンは、貯蔵時、製品中で良好な加水分解安定性を有し、効率的な漂白活性化剤である。最後に、ATCは、洗濯添加剤に良好なビルダー能を提供する。他の選択肢として、漂白系は、たとえば、アミド型、イミド型、またはスルホン型のペルオキシ酸を含みうる。漂白系はまた、6-(フタロイルアミノ)過カプロン酸(PAP)などの過酸を含みうる。漂白系はまた、漂白触媒を含みうる。
【0072】
当技術分野でいずれも周知の洗剤組成物の他の成分としては、ヒドロトロープ剤、布染色剤、消泡剤、防汚性ポリマー、再付着防止剤などが挙げられる。
【0073】
方法および組成物
第1の態様では、本発明は、スブチリシンと式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物とを含む組成物を提供する。式中、
a)Mは、H(水素)またはアルカリ金属であり、
b)Rは、NH-CHR-COをLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基であり、
c)B^(1)は、1個のアミノ酸残基であり、かつ
d)Xは、1個以上のアミノ酸残基で構成され、任意選択でN末端保護基を含んでいてもよい。
【0074】
一実施形態では、Rは、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である。
【0075】
一実施形態では、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Pro、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基である。
【0076】
一実施形態では、Xは、B^(2)、B^(3)-B^(2)、Z-B2、またはZ-B^(3)-B^(2)である。ただし、B^(2)およびB^(3)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基である。好ましくは、B2は、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基である。好ましくは、B3は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleの残基である。
【0077】
一実施形態では、Zは、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、p-メトキシベンジル(PMB)、p-メトキシフェニル(PMP)、ホルミル、アセチル(Ac)、メチルオキシ、またはメチルオキシカルボニルである。
【0078】
一実施形態では、組成物は、液体形態または顆粒形態である。好ましくは、組成物は、界面活性剤をさらに含む洗剤である。
【0079】
一実施形態では、組成物は、第2の酵素、特定的には、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、またはペルオキシダーゼをさらに含む。
【0080】
他の態様では、本発明は、以上に記載の本発明に係る組成物の調製方法を提供する。この方法は、スブチリシンと、以上に記載の式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物を含む水性溶液と、任意選択で界面活性剤と、を混合することを含む。
【0081】
さらに他の態様では、本発明は、本発明に係る組成物で使用するための化合物を提供する。この化合物は、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である。式中、MおよびXは、以上に記載されるように定義され、B^(1)は、プロリン(Pro)とは異なるアミノ酸残基、かつRは、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である。
【0082】
一実施形態では、この化合物は、Cbz-RA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-RV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-LV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-LGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-YGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-HまたはAc-WLV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-Hである。ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである。
【0083】
さらに他の態様では、本発明は、本発明に係る組成物で使用するための化合物を提供する。この化合物は、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である。式中、M、R、およびXは、以上に記載されるように定義され、B^(1)は、アラニン(Ala)、システイン(Cys)、グリシン(GIy)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、バリン(Val)、ノルバリン(Nva)、およびノルロイシン(Nle)のアミノ酸残基である。
【0084】
一実施形態では、この化合物は、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH_(2)SCH_(3))(SO_(3)M)-H、MeO-CO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeNCO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))-C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、EtSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)SO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))-C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-LA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-FA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-H、およびMeO(OH)(O)P-LGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2))C(OH)(SO_(3)M)-Hである。ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである。
【0085】
さらに他の態様では、本発明は、本発明に係る組成物で使用するための化合物を提供する。この化合物は、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である。式中、RおよびMは、以上に記載されるように定義され、B^(1)は、プロリン(Pro)とは異なる1個のアミノ酸残基を表し、Xは、B^(2)、B^(3)-B^(2)、Z-B^(2)、Z-B^(3)-B^(2)であり、ただし、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基であり、B^(2)は、Gly、Thr、またはValである。
【0086】
さらに他の態様では、本発明は、本発明に係る組成物で使用するための化合物を提供する。この化合物は、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である。式中、RおよびMは、以上に記載されるように定義され、B^(1)は、プロリン(Pro)とは異なる1個のアミノ酸残基を表し、Xは、B^(3)-B^(2)、Z-B^(3)-B^(2)であり、ここで、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZは、N末端保護基であり、B^(3)は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleである。
【実施例】
【0087】
緩衝剤および基質として使用される化学品は、少なくとも試薬グレードの市販品であった。
【0088】
実施例1
ペプチドアルデヒドのヒドロ亜硫酸付加物の調製
以上に記載の式X-B^(1)-B^(0)-Hを有するペプチドアルデヒドを、対応する重亜硫酸付加物に変換する。周囲温度の8mlのエチルアセテート中の1mmolのX-B^(1)-B^(0)-Hの撹拌懸濁液に、6mlの水中の1.06mmolの重亜硫酸ナトリウム(114mg)を滴下し、次いで、反応系を2時間撹拌する。水性相を単離し、有機層を2×2mlの水で洗浄する。合わせた水性相を凍結乾燥させて、白色粉末としてX-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Na(予測収率66%)を与える。
【0089】
実施例2
ペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物の液体配合物の調製。
4mmolの固体X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Naを6gの脱塩水中に溶解させ、35℃で30分間攪拌し、続いて、冷却し、X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Naの25%水性溶液を与える。他の選択肢として、以上の合成からの水性相は、後続の工程で酵素安定化に供すべく容易に使用可能であり、この溶液は、約3%(w/w)である。
【0090】
実施例3
スブチリシンとペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物とを含む安定化スブチリシン配合物の調製。
3.6%の以上の25%水性溶液を用いて、市販のSavinase 16L(商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)に、0.9%のX-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Naを添加する。
【0091】
実施例4
ヒドロ亜硫酸付加物によるスブチリシンの安定化
スブチリシン(Savinase 16L)およびリパーゼ(Lipex 100L)を含み、X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Naを含むまたは含まない洗剤(スブチリシンを含有する洗剤にペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物を個別に添加することが可能である)を-18℃、35℃、および40℃で密閉ガラス容器中に配置し、さまざまな時間の後、標準的分析方法を用いてプロテアーゼおよびリパーゼの残存活性を測定する(プロテアーゼは、40℃、pH8.3でN,N-ジメチルカゼインの加水分解により、およびリパーゼは、40℃、pH7.7でpNp-バレレートの加水分解により)。好適量のペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物をすでに含有する洗剤にスブチリシンを添加することにより、類似の試験を行うことが可能である。すべての記載のペプチドアルデヒド重亜硫酸付加物で、類似の結果を得ることが可能である。
【0092】
安定化スブチリシン配合物を含む洗剤組成物の一例として、表1に記載の組成物を作製した。
【0093】
【表1】

【0094】
表2に示されているのは、X=Cbz-Gly、B^(1)=Ala、R=-CH_(2)p(C_(6)H_(4))-OHを用いて得られた結果であり、表1に記載の洗剤で40℃1週間のインキュベーション後に測定した安定性である。
【0095】
【表2】

【0096】
ペプチドアルデヒドのヒドロ亜硫酸付加物の添加によるスブチリシンの安定化が、結果から実証される。
【0097】
実施例5
スブチリシンおよびリパーゼの安定化
安定化スブチリシン配合物を含む洗剤組成物の一例として、表3に記載の組成物を作製した。
【0098】
【表3】

【0099】
表4に示されているのは、表3に記載の洗剤で35℃2週間のインキュベーション後に測定された結果である。
【0100】
【表4】

【0101】
ペプチドアルデヒドのヒドロ亜硫酸付加物の添加によりスブチリシンおよび第2の酵素(リパーゼ)を安定化させることが可能であり、しかも先行技術の安定化剤よりも効果的であることが、結果から実証される。
【0102】
実施例6
スブチリシンおよびリパーゼの安定化
安定化スブチリシン配合物を含む洗剤のさらに他の例として、表5に記載の組成物を作製した。
【0103】
【表5】

【0104】
表6に示されているのは、表5に記載の洗剤で37℃4週間のインキュベーション後および30℃8週間のインキュベーション後に測定された結果である。
【0105】
【表6】

【0106】
ペプチドアルデヒドのヒドロ亜硫酸付加物の添加によりスブチリシンおよび種々のスブチリシンに対する第2の酵素(リパーゼ)を安定化させることが可能であることが、結果から確認される。
【配列表】



(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M
(式中、
a)Mは、H(水素)またはアルカリ金属であり、
b)Rは、NH-CHR-COをLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基であり、
c)B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Pro、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基であり、かつ
d)Xは、Z-B^(2)またはZ-B^(3)-B^(2)であり、ここで、B^(2)およびB^(3)が、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、かつZが、N末端保護基であり、B^(2)が、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基であり、そしてB^(3)が、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleの残基である)
を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物と、を含む組成物であって、Rが、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、Leu、Ile、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である、組成物。
【請求項3】
Xが、Z-B^(2)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
B^(2)が、Gly、Arg、またはLeuの残基である、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
B^(3)が、Phe、Tyr、Trp、または、Leuの残基である、請求項2?4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
Zが、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、p-メトキシベンジル(PMB)、p-メトキシフェニル(PMP)、ホルミル、アセチル(Ac)、メチルオキシ、またはメチルオキシカルボニルである、請求項2?5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
液体形態または顆粒形態である、請求項2?6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
界面活性剤をさらに含む洗剤である、請求項2?7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
第2の酵素として、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラッカーゼ、またはペルオキシダーゼをさらに含む、請求項2?8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
スブチリシンと、式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)Mを有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物を含む水性溶液と、任意選択で界面活性剤と、を混合することを含む、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項11】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基であり、かつRは、NH-CHR-COをTyr、m-チロシン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、Phe、Val、Met、Nva、またはNleのLまたはD-アミノ酸残基であるようにする基である)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。
【請求項12】
Cbz-RA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-RV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-LV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-LGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-YGA-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-HまたはAc-WLV-NHCH(CH_(2)C_(6)H_(4)OH)C(OH)(SO_(3)M)-H(ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Cbz-GA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GA-NHCH(CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Cbz-GG-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、Ac-FGA-NHCH(CH_(2)CH_(2)SCH_(3))(SO_(3)M)-H、MeO-CO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeNCO-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、MeO-CO-FGA-NHCH(CH_(2)Ph)C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、MeSO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、EtSO_(2)-FGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)SO_(2)-VA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))-C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-LA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、PhCH_(2)O(OH)(O)P-FA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H、およびMeO(OH)(O)P-LGA-NHCH(CH_(2)CH(CH_(3))_(2)))C(OH)(SO_(3)M)-H(ここで、Acは、アセチルであり、かつCbzは、ベンジルオキシカルボニルである)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基を表し、Xは、Z-B^(2)、Z-B^(3)-B^(2)であり、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、Zは、N末端保護基であり、B^(3)は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleであり、かつB^(2)は、Gly、Thr、またはValである)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。
【請求項15】
式X-B^(1)-NH-CHR-CHOH-SO_(3)M(式中、B^(1)は、Ala、Cys、Gly、Ser、Thr、Val、Nva、またはNleの残基を表し、Xは、Z-B^(3)-B^(2)であり、B^(3)およびB^(2)は、それぞれ、1個のアミノ酸残基を表し、Zは、N末端保護基であり、B^(3)は、Phe、Tyr、Trp、フェニルグリシン、Leu、Val、Nva、Nle、またはIleであり、かつB^(2)は、Val、Gly、Ala、Arg、Leu、Phe、またはThrの残基である)を有するペプチドアルデヒドヒドロ亜硫酸付加物である、請求項2?9のいずれか一項に記載の組成物で使用するための化合物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-01-16 
出願番号 特願2014-517745(P2014-517745)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (C12N)
P 1 651・ 537- YAA (C12N)
P 1 651・ 536- YAA (C12N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 濱田 光浩  
特許庁審判長 田村 聖子
特許庁審判官 小暮 道明
中島 庸子
登録日 2018-05-11 
登録番号 特許第6334396号(P6334396)
権利者 ノボザイムス アクティーゼルスカブ
発明の名称 安定化スブチリシン組成物  
代理人 中島 勝  
代理人 福本 積  
代理人 中島 勝  
代理人 三橋 真二  
代理人 池田 達則  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 特許業務法人平木国際特許事務所  
代理人 石田 敬  
代理人 福本 積  
代理人 渡辺 陽一  
代理人 青木 篤  
代理人 池田 達則  
代理人 古賀 哲次  
代理人 渡辺 陽一  
代理人 古賀 哲次  
代理人 武居 良太郎  
代理人 武居 良太郎  
代理人 三橋 真二  
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