ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C07D 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C07D 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C07D 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C07D 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C07D 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C07D |
---|---|
管理番号 | 1360754 |
審判番号 | 訂正2019-390122 |
総通号数 | 245 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-05-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2019-12-05 |
確定日 | 2020-02-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6606545号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6606545号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6606545号(以下、「本件特許」という。)は、2015年9月2日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2014年9月3日、同年12月3日、2015年4月17日及び同年5月20日 いずれもアメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2017-512775号の請求項1?30に係る発明について、令和1年10月25日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、令和1年12月5日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6606545号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、次のとおりである。 (1)訂正事項1 本件特許明細書の段落【0007】の 「本発明の1つの目的は、以下の式: 【化1】 ![]() 【化2】 ![]() 【化3】 ![]() 【化4】 ![]() 【化5】 ![]() または 【化6】 ![]() (式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下の式: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J(A) により表され、その他の2つは、同じであるか異なっていて、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 Z_(1)及びZ_(2)のうち一方は-C(=O)-であり、他方は-NR_(5)-であり、 Pは、アミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり; R_(x)は、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルであり、 Jは、細胞障害性化合物を細胞結合剤に共有結合で連結させることができる反応性基を含む部分であり、 NとCの間の二重線 【化7】 ![]() は、単結合または二重結合を表すが、ただし、二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、Yは-Hであるか、または炭素原子を1?4個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、二重線が単結合である場合、Xは-Hであるかアミン保護部分であり、 Yは、-OR、-OCOR’、-OCOOR’、-OCONR’R’’、-NR’R’’、-NR’COR’’、-NR’NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環(例えば、窒素原子を介して結合した、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、-NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジニウム、アミノ酸残基、もしくは-NRCOP’で表されるペプチド、-SR、-SOR’、ハロゲン、シアノ、アジド、-OSO_(3)H、亜硫酸基(-SO_(3)Hまたは-SO_(2)H)、メタ重亜硫酸基(H_(2)S_(2)O_(5))、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸基(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(2)、POS_(3)H_(2)、PS_(4)H_(2))、チオリン酸エステル(R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)S-、R^(i)SO、R^(i)SO_(2)、R^(i)SO_(3)、チオ硫酸基(HS_(2)O_(3))、亜ジチオン酸基(HS_(2)O_(4))、ホスホロジチオアート(P(=S)(OR^(k’))(S)(OH))、ヒドロキサム酸(R^(k’)C(=O)NOH)、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸基(HOCH_(2)SO_(2)-)、またはそれらの混合物から選択される脱離基であり、式中、R^(i)は、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、かつ-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)は随意に、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k’)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくアルキニルか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールであり、 P’は、1つのアミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 Rは、存在する場合それぞれ、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、またはO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環からなる群より選択され、 R’及びR’’は、それぞれ独立して、-H、-OH、-OR、-NHR、-NR_(2)、-COR、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、及びO、S、N、及びPから独立して選択される1?6個のヘテロ原子を有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R^(c)は、-Hであるか、炭素原子を1?4個有する随意に置換される直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、 nは、1?24の整数であり、 X’は、-H、アミン保護基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、随意に置換される6員?18員のアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ヘテロ原子を1?6個有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NCO、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)^(-)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’からなる群より選択され、 R_(6)は、-H、-R、-OR、-SR、-NR’R’’、-NO_(2)、またはハロゲンであり、 Gは、-CH-または-N-であり、 A及びA’は、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-O-、オキソ(-C(=O)-)、-CRR’O-、-CRR’-、-S-、-CRR’S-、-NR_(5)、及びCRR’N(R_(5))-から選択され、 R_(5)は、存在する場合それぞれ、独立して、-Hであるか、あるいは炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖または分岐鎖のアルキルである)のいずれか1つ、またはその薬学上許容される塩により表される細胞障害性化合物を提供することである。」 との記載を 「【化1】 ![]() 」 に訂正する(審決注:下線は訂正箇所を示す。以下同じ。)。 (2)訂正事項2 本件特許明細書の段落【0010】の 「具体的には、本発明のコンジュゲートは、細胞障害性化合物及び細胞結合剤(CBA)を含む場合があり、該細胞障害性化合物は、CBAに共有結合で連結しており、以下の式: 【化8】 ![]() 【化9】 ![]() 【化10】 ![]() 【化11】 ![]() 【化12】 ![]() または 【化13】 ![]() のいずれか1つ、またはその薬学上許容される塩により表され、式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下の式: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J’(A’) により表され、その他の2つは、同じであるか異なっていて、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’で表されるスルホキシド、-SO_(2)R’で表されるスルホン、スルホン酸基-SO_(3)M、硫酸基-OSO_(3)M、-SO_(2)NR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 J’は、細胞結合剤に共有結合で連結している連結基を含む部分であり、 残りの可変要素は、式(I)?(VI)について上述のとおりである。」 との記載を 「【化4】 ![]() 」 に訂正する。 (3)訂正事項3 本件特許明細書の段落【0014】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載(同段落内に2箇所)を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 (4)訂正事項4 ア 訂正事項4-1 本件特許明細書の段落【0016】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載(同段落内に5箇所)を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 イ 訂正事項4-2 本件特許明細書の段落【0016】の「アルキニル、アルケニル、もしくアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、もしくアルキニル」と訂正する。 (5)訂正事項5 本件特許明細書の段落【0026】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 (6)訂正事項6 本件特許明細書の段落【0041】の 「置換基が、最大で特定の個数の非水素置換基で随意に置換されると記載される場合、その置換基は、(1)置換されない、または(2)最大でその特定の個数の非水素置換基もしくは最大で置換基上の最大数の置換可能な部位のいずれか少ない方により置換されている、のいずれかであってもよい。すなわち、例えば、置換基が、最大3つの非水素置換基で随意に置換されるヘテロアリールであると記載される場合、置換可能な位置が3つ未満である任意のヘテロアリールは随意に、最大でもそのヘテロアリールが有する置換可能な位置と同数の非水素置換基のみで置換されることになる。そのような置換基の非限定例は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR^(100)、NR^(101)R^(102)、-NO_(2)、-NR^(101)COR^(102)、-SR^(100)、-SOR^(101)で表されるスルホキシド、-SO_(2)R^(101)で表されるスルホン、スルホン酸基-SO_(3)M、硫酸基-OSO_(3)M、-SO_(2)NR^(101)R^(102)で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、-COR^(101)、-OCOR^(101)、-OCONR^(101)R^(102)、及びポリエチレングリコール単位(-CH_(2)CH_(2)O)_(n)R^(101)から選択することができ、式中、Mは、Hまたはカチオン(Na^(+)またはK^(+)など)であり、R^(101)、R^(102)、及びR^(103)は、それぞれ独立して、H、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、ポリエチレングリコール単位(-CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(104)(式中、nは、1?24の整数である)、炭素原子を6?10個有するアリール、炭素原子を3?10個有する複素環式環、及び炭素原子を5?10個有するヘテロアリールから選択され、R^(104)は、Hであるか、炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、式中、R^(100)、R^(101)、R^(102)、R^(103)、及びR^(104)で表される基中のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上)の置換基で随意に置換され、この置換基は、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NO_(2)、及び炭素原子を1?4個有する未置換の直鎖または分岐鎖のアルキルから選択される。好ましくは、上記の随意に置換されるアルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの置換基として、ハロゲン、-CN、-NR^(102)R^(103)、-CF_(3)、-OR^(101)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-SR^(101)、-SOR^(101)、-SO_(2)R^(101)、及びSO_(3)Mが挙げられる。」 との記載を 「「環状アルケニル」という用語は、環構造中に少なくとも1つの二重結合を有する炭素環式環ラジカルを指す。 「環状アルキニル」という用語は、環構造中に少なくとも1つの三重結合を有する炭素環式環ラジカルを指す。」 と訂正する。 (7)訂正事項7 本件特許明細書の段落【0052】の「アルキニル、アルケニル、またはアルキニル」との記載(同段落内に2箇所)を「アルキル、アルケニル、またはアルキニル」と訂正する。 (8)訂正事項8 本件特許明細書の段落【0056】の 「「イミン反応性試薬」という用語は、イミン基と反応することができる試薬を指す。イミン反応性試薬の例として、亜硫酸化合物(H_(2)SO_(3)、H_(2)SO_(2)、またはカチオンで形成されるHSO_(3)^(-)、SO_(3)^(2-)、もしくはHSO_(2)^(-)の塩)、メタ重亜硫酸化合物(H_(2)S_(2)O_(5)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(5)^(2-)の塩)、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸化合物(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(3)、POS_(3)H_(3)、PS_(4)H_(3)、またはカチオンで形成されるPO_(3)S^(3-)、PO_(2)S_(2)^(3-)、POS_(3)^(3-)、もしくはPS_(4)^(3-)の塩)、チオリン酸エステル((R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)SH、R^(i)SOH、R^(i)SO_(2)H、R^(i)SO_(3)H)、種々のアミン(ヒドロキシルアミン(例えば、NH_(2)OH)、ヒドラジン(例えば、NH_(2)NH_(2))、NH_(2)O-R^(i)、R^(i’)NH-R^(i)、NH_(2)-R^(i))、NH_(2)-CO-NH_(2)、NH_(2)-C(=S)-NH_(2)、チオ硫酸化合物(H_(2)S_(2)O_(3)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(3)^(2-)の塩)、亜ジチオン酸化合物(H_(2)S_(2)O_(4)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(4)^(2-)の塩)、ホスホロジチオ酸化合物(P(=S)(OR^(k))(SH)(OH)またはカチオンで形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(R^(k)C(=O)NHOHまたはカチオンで形成されるその塩)、ヒドラジド(R^(k)CONHNH_(2))、ホルムアルデヒドスルホキシル酸化合物(HOCH_(2)SO_(2)Hまたはカチオンで形成されるHOCH_(2)SO_(2)^(-)の塩、例えばHOCH_(2)SO_(2)^(-)Na^(+)など)、糖化ヌクレオチド(GDP-マンノースなど)、フルダラビン、またはそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されず、式中、R^(i)及びR^(i’)は、それぞれ独立して、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)及びR^(i’)は随意で、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルであるか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールである(好ましくは、R^(k)は、炭素原子を1?4個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、より好ましくは、R^(k)は、メチル、エチル、またはプロピルである)。好ましくは、カチオンは、Na^(+)またはK^(+)などの一価カチオンである。好ましくは、イミン反応性試薬は、亜硫酸化合物、ヒドロキシルアミン、尿素、及びヒドラジンから選択される。より好ましくは、イミン反応性試薬は、NaHSO_(3)またはKHSO_(3)である。」 との記載を 「「キラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせできない性質を有する分子を示し、一方「アキラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせできる分子を指す。 「立体異性体」という用語は、同一の化学組成及び連結性を有するが、それらの原子の空間配置が異なり、単結合の回転により相互変換することができない化合物を指す。」 と訂正する。 (9)訂正事項9 本件特許明細書の段落【0063】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 (10)訂正事項10 本件特許明細書の段落【0074】の 「1つの実施形態において、反応性エステルなどの反応性基が一方の端に結合した結合基は、以下から選択される。 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q’’)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)-(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)-(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’(式中、 m、n、p、q、m’、n’、t’は、1?10の整数であるか、あるいは随意に0であり、 t、m’’、n’’、及びp’’は、0または1であり、 X’’は、OR_(36)、SR_(37)、NR_(38)R_(39)から選択され、式中、R_(36)、R_(37)、R_(38)、R_(39)は、Hであるか、または炭素原子を1?20個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であり、R_(37)は、t=1の場合に、随意にチオール保護基であり、COX’’は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシフタルイミドエステル、N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミドエステル、p-ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、及びそれらの誘導体から選択される反応性エステルを形成し、該誘導体はアミド結合形成を促進し、 Y’’は存在しないか、またはO、S、S-S、もしくはNR_(32)から選択され、式中、R_(32)は、Rについて以上で与えられたものと同じ定義を有するか、または Y’’がS-Sではなく、かつt=0の場合、X’’は、マレイミド基、ハロアセチル基、またはSR_(37)から選択され、式中、R_(37)は上記と同じ定義を有し、 A’’は、1つのアミノ酸残基であるか、2?20のアミノ酸残基を含有するポリペプチドであり、 R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(23)、R_(24)、R_(25)、R_(26)、及びR_(27)は、同一であるかまたは異なっていて、かつ-Hであるか、または炭素原子を1?5個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、 R_(29)及びR_(30)は、同一であるかまたは異なっていて、かつ-Hであるか、または炭素原子を1?5個有するアルキルであり、 R_(33)は、H、または炭素原子を1?12個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位R-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であるか、または、R_(33)は、-COR_(34)、-CSR_(34)、-SOR_(34)、もしくは-SO_(2)R_(34)であり、式中、R_(34)は、H、または炭素原子を1?20個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルか、またはポリエチレングリコール単位-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であり、 R_(40)及びR_(41)の一方は、随意に、負に荷電した、または正に荷電した官能基であり、他方は、H、または炭素原子を1?4個有するアルキル、アルケニル、アルキニルである。」 との記載を 「「保護基」または「保護部分」という用語は、化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲートの他の官能基が反応している間、特定の官能基をブロックまたは保護するために一般的に使用される置換基を指す。例えば、「アミン保護基」または「アミノ保護部分」は、化合物のアミノ官能基をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。そのような基は、当技術分野で周知であり(例えば、P.Wuts and T.Greene,2007,Protective Groups in Organic Synthesis,Chapter 7,J.Wiley & Sons,NJを参照)、代表的なものとして、メチルカルバミン酸基及びエチルカルバミン酸基などのカルバミン酸基、FMOC、置換エチルカルバミン酸基、1,6-β-脱離で切断されるカルバミン酸基(「自壊(selfimmolative)型」とも称される)、尿素、アミド、ペプチド、アルキル、及びアリール誘導体がある。適切なアミノ保護基として、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。保護基の全般的な説明及びそれらの使用については、P.G.M.Wuts & T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,2007を参照のこと。」 と訂正する。 (11)訂正事項11 本件特許明細書の段落【0080】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 (12)訂正事項12 本件特許明細書の段落【0101】の 「第9の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、もしくは第8の特定実施形態で上記したとおりである。」 との記載を 「第6の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、Pは、2?10のアミノ酸残基を含有するペプチドであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、もしくは第5の特定実施形態で上記したとおりである。」 と訂正する。 (13)訂正事項13 本件特許明細書の段落【0110】の「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル」と訂正する。 (14)訂正事項14 本件特許明細書の段落【0229】の 「第9の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、もしくは第8の特定実施形態で上記したとおりである。」 との記載を 「のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 別の実施形態において、抗Muc1抗体は、huDS6抗体である。 さらに別の実施形態において、抗Muc1抗体は、配列番号21の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号22の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはMuc1と特異的に結合する。」 と訂正する。 (15)訂正事項15 本件特許明細書の段落【0278】の「アルキニル、アルケニル、またはアルキニル」との記載を「アルキル、アルケニル、またはアルキニル」と訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正要件判断の前提 請求人は、訂正の目的として誤訳の訂正を含めて主張しているので、その前提を確認した上で判断する。 (1)本件特許に係る出願について 本件特許に係る出願は、特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願PCT/US2015/048059(国際公開第2016/036801号参照。以下、「本件国際出願」という。)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものである。 (2)誤訳の訂正について 誤訳の訂正とは、翻訳により外国語書面における意味とは異なる意味を有するものとなった記載(誤訳)を、外国語書面における意味を表す記載に訂正することをいうものであるから、誤訳の訂正であるか否かは、本件特許明細書の記載の意味が、外国語書面における意味と異なることが必要である。 (3)誤訳の訂正を目的とする場合の新規事項の判断について 特許法第184条の19の規定により、同法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とする場合にあっては、同条第5項を適用する際には、同法第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「本件国際出願明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。 以下、これらを前提として検討する。 2 訂正事項1及び2について (1)訂正の目的要件の適否について ア 訂正事項1及び2が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0007】及び【0010】の記載は、【課題を解決するための手段】に関する記載であり、段落【0006】に「・・・本発明の1つの目的は、以下の式:」と記載されているのに続けて、段落【0007】の最初にも「本発明の1つの目的は、以下の式:」と同じ記載が繰り返されている。 その後には、式(I)?(VI)と、前記式中の符号の説明が記載され、段落【0007】の最後には「・・・その薬学上許容される塩により表される細胞障害性化合物を提供することである。」と記載されている。 それに続く段落【0008】には、式(II)のみが、続く段落【0009】には、式(III)のみが記載されている。 そして、その後に続く訂正事項2が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0010】には、「具体的には、本発明のコンジュゲートは、細胞障害性化合物及び細胞結合剤(CBA)を含む場合があり、該細胞障害性化合物は、CBAに共有結合で連結しており、以下の式:」と記載され、式(I’)?(VI’)と、前記式中の符号の説明が記載されている。 また、その後の段落【0011】には、式(V)のみが記載され、段落【0012】の「または」に続けて、段落【0013】には、式(VI)のみが記載されている。 さらに続く段落【0014】?【0016】には、段落【0007】の式(I)?(VI)の付号の説明とほとんど同じ記載が繰り返され、段落【0018】?【0026】には、段落【0010】とほとんど同じ記載が繰り返されている。 このように、本件特許明細書の段落【0006】?【0026】の記載は、前後の段落との関係からみて文脈のつながりが整合していないといえる。 イ 一方、本件国際出願明細書等における、本件特許明細書の段落【0006】?【0026】に対応する記載(なお、記載箇所は国際公報の段落で示す。以下同じ。)にあたる[07]?[10]には、本件特許明細書の段落【0007】に該当する箇所に式(I)のみが記載され、同段落【0010】に該当する箇所に式(IV)のみが記載され、その他の記載箇所については、段落【0006】、【0008】?【0009】、【0011】?【0026】とほとんど同じ記載がされている。 ウ 以上のことから、本件特許明細書の段落【0007】及び【0010】の記載は、本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった誤訳が生じたものと考えられ、訂正事項1及び2は、本件特許明細書の誤訳を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項1及び2は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 上記(1)のとおり、訂正事項1及び2は、本件特許明細書の記載を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであり、また実質的には、繰り返し記載されていた一部を削除する訂正であるといえ、これらの訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項1及び2により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 3 訂正事項3について (1)訂正の目的要件の適否について 訂正事項3が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0014】には、式中の符号の説明が記載されているところ、「L’、L’’、及びL’’’」の選択肢の一つとして、「炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」との記載があり、R_(x)の選択肢として「炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」と記載されており、いずれも「アルキニル」が重複して記載されている(なお、下線は当審で付与。以下同じ。)。 これについて、本件国際出願明細書等の上記記載に対応する[07]には、いずれも「an optionally substituted linear, branched or cyclic alkyl, alkenyl or alkynyl having from 1 to 10 carbon atoms」と記載されている。 そうすると、本件特許明細書の上記記載は、本件国際出明細書等の「alkyl」を、それとは異なる意味の「アルキニル」と誤訳したものを、本来の意味を表す記載である「アルキル」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項3は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 上記(1)のとおり、訂正事項3は、本件特許明細書の記載を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであり、この訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項3により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項3は、特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 4 訂正事項4、5、7、9、11、13及び15について (1)訂正の目的要件の適否について 訂正事項4、5、13及び15は、それらが訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0016】、【0026】、【0110】及び【0278】にある、式(I)?(VI)又は式(I’)?(VI’)の式中の符号の説明中の記載について、また、訂正事項7、9及び11は、それらが訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0052】、【0063】及び【0080】にある、用語の定義に関する記載における符号の説明中の記載について、それぞれ、上記3(1)と同様に、「アルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル」、「アルキニル、アルケニル、もしくアルキニル」あるいは「アルキニル、アルケニル、またはアルキニル」のように「アルキニル」が重複して記載されているものについて、それぞれ順に、本件国際出願明細書等の上記記載に対応する[07]、[10]、[124]及び[252]と、[64]、[79]及び[97]のいずれにも「alkyl, alkenyl or alkynyl」と記載されているうちの「alkyl」を、それとは異なる意味の「アルキニル」と誤訳したものを、本来の意味を表す記載である「アルキル」に訂正するものである。よって、訂正事項4、5、7、9、11、13及び15は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項4、5、7、9、11、13及び15は、いずれも本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 上記(1)のとおり、訂正事項4、5、7、9、11、13及び15は、いずれも本件特許明細書の記載を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであり、これらの訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項4、5、7、9、11、13及び15のいずれによっても何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項4、5、7、9、11、13及び15は、いずれも特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 5 訂正事項6について (1)訂正の目的要件の適否について ア 訂正事項6が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0041】の記載は、本明細書中で使用される用語の「定義」に関する記載である。 そして、段落【0036】には「直鎖または分岐鎖のアルキル」、段落【0037】には「直鎖または分岐鎖のアルケニル」、段落【0038】には「直鎖または分岐鎖のアルキニル」、段落【0039】には「炭素環」、「カルボシクリル」及び「炭素環式環」、段落【0040】には「環状アルキル」及び「シクロアルキル」についての記載がそれぞれされている。 また、段落【0042】には「アリール」、段落【0043】には「複素環」、「ヘテロシクリル」及び「複素環式環」、段落【0044】には「ヘテロアリール」に関する記載がそれぞれされているところ、その間にある段落【0041】には、置換基についての説明が、ヘテロアリールを例示して記載されている。 さらに、段落【0051】に「置換基」、「ラジカル」及び「基」に関する記載があり、段落【0052】には、段落【0041】とほとんど同じ置換基についての説明が記載されている。 このように、本件特許明細書の段落【0041】の記載は、前後の段落との関係からみて文脈のつながりが整合していないといえる。 イ 一方、本件国際出願明細書等における、本件特許明細書の段落【0036】?【0052】に対応する記載にあたる[45]?[64]には、本件特許明細書の段落【0041】に該当する箇所には「環状アルケニル」及び「環状アルキニル」に関する記載がされ、その他の記載箇所については、段落【0036】?【0040】及び【0042】?【0052】とほとんど同じ記載がされている。 ウ 以上のことから、本件特許明細書の段落【0041】の記載は、本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった誤訳が生じたものと考えられ、訂正事項6は、本件特許明細書の誤訳を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項6は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 訂正事項6は、本明細書中で使用される用語の「定義」には記載がなかった「環状アルケニル」及び「環状アルキニル」について「定義」するものであり、これらの用語は、特許請求の範囲で使用される用語でもある。 しかしながら、訂正後の段落【0041】による「環状アルケニル」及び「環状アルキニル」についての定義は、有機化合物の構造を示す一般的な技術用語の説明を記載したものであり、定義として技術常識に即したものであるので、この訂正により特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項6により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項6は、特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 6 訂正事項8及び10について (1)訂正の目的要件の適否について 訂正事項8及び10がそれぞれ訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0056】及び【0074】の記載は、本明細書中で使用される用語の「定義」に関する記載であり、上記5(1)で検討したのと同様に、別の段落に、ほとんど同じ記載が繰り返されているとともに、これらの段落の前後の段落との関係からみて文脈のつながりが整合していない内容となっている。 そして、本件国際出願明細書等における、本件特許明細書の段落【0056】及び【0074】に対応する記載にあたる[70]?[71]及び[91]には異なる意味を表す記載がされ、それらの段落の前後の記載箇所については、本件特許明細書の段落【0056】及び【0074】の前後の記載とほとんど同じ意味を表す記載がされている。 したがって、本件特許明細書の段落【0056】及び【0074】の記載は、本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった誤訳が生じたものと考えられ、訂正事項8及び10は、本件特許明細書の誤訳を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項8及び10は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 訂正事項8及び10は、本明細書中で使用される用語の「定義」には記載がなかった「キラル」、「アキラル」、「立体異性体」及び「保護基」又は「保護部分」について「定義」するものであり、これらの用語には、特許請求の範囲で使用される用語もある。 しかしながら、訂正後の段落【0056】及び【0074】による「キラル」、「アキラル」、「立体異性体」及び「保護基」又は「保護部分」についてする定義は、いずれも有機化合物の構造や反応において用いる置換基の一般的な技術用語の説明を記載したものであり、定義として技術常識に即したものであるので、この訂正により特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項8及び10により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項8及び10は、いずれも特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 7 訂正事項12ついて (1)訂正の目的要件の適否について 訂正事項12が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0101】の記載は、「細胞障害性化合物」の実施形態に関する記載であるところ、本件特許明細書の記載は、第1の実施形態から第16の実施形態についてほぼその順に記載されていると解される一方で、段落【0101】では、その前の第5の実施形態の記載の次に第9の実施形態の説明が記載されることとなっており、その後で第6の実施形態、第7の実施形態の記載が続く内容となっている。 そして、本件国際出願明細書等における、本件特許明細書の段落【0101】に対応する記載にあたる[117]には第6の実施形態の記載がされ、それらの段落の前後の記載箇所については、本件特許明細書の段落【0101】の前後の記載とほとんど同じ意味を表す記載がされている。 したがって、本件特許明細書の段落【0101】の記載は、本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった誤訳が生じたものと考えられ、訂正事項12は、本件特許明細書の誤訳を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項12は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 訂正事項12は、特許請求の範囲に記載の式(I)?(VI)の式中の符号の「P」についての具体的な記載や置換基を特定した実施形態に関するものであるが、この訂正による記載は、特許請求の範囲に記載の式(I)?(VI)の最も上位概念の説明から具体的な化合物の例示までの順に説明された記載の間における説明を記載したものであり、かつ、本件特許明細書の段落【0607】の[18]には同様の記載もあり、この訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項12により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項12は、特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 8 訂正事項14ついて (1)訂正の目的要件の適否について 訂正事項14が訂正の対象とする本件特許明細書の段落【0229】の記載は、「細胞結合剤」の実施形態に関する記載であって、段落【0225】?【0228】及び【0230】には、細胞結合剤の実施形態のうちの「抗Muc1抗体」に関する記載がされているのに対し、段落【0229】には、式(I’)?(VI’)の第9の実施形態に関する記載がされている。 そして、本件国際出願明細書等における、本件特許明細書の段落【0225】?【0230】に対応する記載にあたる[212]?[215]には一貫して「抗Muc1抗体」に関する記載がされ、そのうち本件特許明細書の段落【0229】に対応する記載にあたる[214]以外の記載箇所については、本件特許明細書の記載とほとんど同じ意味を表す記載がされている。 したがって、本件特許明細書の段落【0229】の記載は、本件国際出願明細書等における意味とは異なる意味を有するものとなった誤訳が生じたものと考えられ、訂正事項14は、本件特許明細書の誤訳を、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 したがって、特許法第126条第1項の要件に適合する。 (2)新規事項の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項14は、本件国際出願明細書等における意味を表す記載に訂正するものであるから、本件国際出願明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。 したがって、特許法第126条第5項の要件に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて 訂正事項14は、特許請求の範囲に記載の細胞結合剤の実施形態のうちの「抗Muc1抗体」に関する記載において、段落【0228】の配列番号22が免疫グロブリン軽鎖領域を含むことを説明した記載、抗Muc1抗体がhuDS6抗体であることを説明した記載、及び抗Muc1抗体が配列番号21の重鎖CDR1-CDR3及び/又は配列番号22の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはMuc1と特異的に結合することを説明したものであるが、これらは本件特許明細書における他の抗体に関する記載や、本件特許明細書の段落【0607】の[111]及び[112]の記載から明らかな事項であり、この訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 したがって、特許法第126条第6項の要件に適合する。 (4)独立特許要件について 上記(3)のとおり、訂正事項14により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、それによって特許要件を満たさなくなるものではないといえる。 したがって、特許法第126条第7項の要件に適合する。 (5)小括 以上のとおり、訂正事項14は、特許法第126条第1、5?7項の要件に適合する。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項、第5項ないし第7項に規定する要件に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 細胞障害性ベンゾジアゼピン誘導体 【技術分野】 【0001】 関連出願の参照 本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2014年9月3日出願の米国仮出願第62/045,248号、2014年12月3日出願の米国仮出願第62/087,040号、2015年4月17日出願の米国仮出願第62/149,370号、及び2015年5月20日出願の米国仮出願第62/164,305号の出願日の利益を主張する。これらの出願の全内容はそれぞれ、全ての図面、式、明細書、及び請求項を含めて、本明細書中に参照により援用される。 【0002】 本発明は、新規の細胞障害性化合物、ならびにこれら細胞障害性化合物及び細胞結合剤を含む細胞障害性コンジュゲートに関連する。より詳細には、本発明は、医薬、特に抗増殖剤として有用な、新規のベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、それらの中間体、それらのコンジュゲート、及びそれらの薬学上許容される塩に関する。 【背景技術】 【0003】 ベンゾジアゼピン誘導体は、様々な障害の治療に有用な化合物であり、抗てんかん薬(イミダゾ[2,1-b][1,3,5]ベンゾチアジアゼピン、米国特許第4,444,688号、米国特許第4,062,852号)、抗菌薬(ピリミド[1,2-c][1,3,5]ベンゾチアジアゼピン、GB1476684)、利尿薬及び降圧薬(ピロロ(1,2-b)[1,2,5]ベンゾチアジアゼピン5,5ジオキシド、米国特許第3,506,646号)、脂質低下薬(WO03091232)、抗うつ薬(米国特許第3,453,266号)、骨粗鬆症薬(JP2138272)などの医薬を含む。 【0004】 ベンゾジアゼピン誘導体、例えば、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、(N-2-イミダゾリルアルキル置換1,2,5-ベンゾチアジアゼピン-1,1-ジオキシド、米国特許第6,156,746号)、ベンゾピリドまたはジピリドチアジアゼピン(WO2004/069843)、ピロロ[1,2-b][1,2,5]ベンゾチアジアゼピン及びピロロ[1,2-b][1,2,5]ベンゾジアゼピン誘導体(WO2007/015280)、トマイマイシン誘導体(例えば、ピロロ[1,4]ベンゾジアゼピン)、例えばWO00/12508、WO2005/085260、WO2007/085930、及びEP2019104に記載されるものなどは抗腫瘍剤として作用することが、動物腫瘍モデルで示されている。ベンゾジアゼピンはまた、細胞増殖及び分化に影響することが既知である(Kamal A.,et al.,Bioorg Med Chem.2008 Aug 15;16(16):7804-10(及びその中で引用される参照文献);Kumar R,Mini Rev Med Chem.2003 Jun;3(4):323-39(及びその中で引用される参照文献);Bednarski J J,et al.,2004;Sutter A.P,et al.,2002;Blatt N B,et al.,2002),Kamal A.et al.,Current Med.Chem.,2002;2;215-254,Wang J-J.,J.Med.Chem.,2206;49:1442-1449,Alley M.C.et al.,Cancer Res.2004;64:6700-6706,Pepper C.J.,Cancer Res 2004;74:6750-6755,Thurston D.E.and Bose D.S.,Chem Rev 1994;94:433-465、及びTozuka,Z.,et al.,Journal of Antibiotics,(1983)36;1699-1708。PBDの一般構造は、米国公開番号第20070072846号に記載されている。PBDは、それらの芳香族A環及びピロロC環の両方における置換基の個数、種類、及び位置、ならびにC環の飽和度が様々である。PBDは、副溝で付加物を形成しDNAを架橋することができるため、DNAプロセシングに干渉することが可能であり、したがって、抗増殖剤として使用される場合がある。 【0005】 臨床試験に入った最初のピロロベンゾジアゼピンであるSJG-136(NSC694501)は、DNA鎖間架橋を引き起こす強力な細胞障害性剤である(S.G Gregson et al.,2001,J.Med.Chem.,44:737-748;M.C.Alley et al.,2004,Cancer Res.,64:6700-6706;J.A.Hartley et al.,2004,Cancer Res.,64:6693-6699;C.Martin et al.,2005,Biochemistry.,44:4135-4147;S.Arnould et al.,2006,Mol.Cancer Ther.,5:1602-1509)。SJG-136の第I相臨床評価の結果から、この薬物は、極めて低用量で毒性があることが明らかになった(最大耐量45μg/m^(2)、血管漏出症候群、末梢性浮腫、肝臓毒性、及び疲労をはじめとする複数の副作用が認められた)。全ての用量で、循環リンパ球におけるDNA損傷が認められた(D.Hochhauser et al.,2009,Clin.Cancer Res.,15:2140-2147)。したがって、毒性がより低く、さらに様々な増殖性疾患の状態、例えば癌の治療になお治療効果のある改善されたベンゾジアゼピン誘導体が必要とされている。 【発明の概要】 【課題を解決するための手段】 【0006】 本明細書中に記載される新規のベンゾジアゼピン化合物及びそれらのコンジュゲートは、様々な腫瘍細胞に対して驚くほど高い効力を有する。 本発明の1つの目的は、以下の式: 【0007】 【化1】 ![]() 【0008】 【化2】 ![]() 【0009】 【化3】 ![]() 【0010】 【化4】 ![]() 【0011】 【化5】 ![]() 【0012】 または 【0013】 【化6】 ![]() 【0014】 (式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下の式: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J(A) により表され、その他の2つは、同じであるか異なっていて、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 Z_(1)及びZ_(2)のうち一方は-C(=O)-であり、他方は-NR_(5)-であり、 Pは、アミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり; R_(x)は、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルであり、 Jは、細胞障害性化合物を細胞結合剤に共有結合で連結させることができる反応性基を含む部分であり、 NとCの間の二重線 【0015】 【化7】 ![]() 【0016】 は、単結合または二重結合を表すが、ただし、二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、Yは-Hであるか、または炭素原子を1?4個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、二重線が単結合である場合、Xは-Hであるかアミン保護部分であり、 Yは、-OR、-OCOR’、-OCOOR’、-OCONR’R’’、-NR’R’’、-NR’COR’’、-NR’NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環(例えば、窒素原子を介して結合した、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、-NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジニウム、アミノ酸残基、もしくは-NRCOP’で表されるペプチド、-SR、-SOR’、ハロゲン、シアノ、アジド、-OSO_(3)H、亜硫酸基(-SO_(3)Hまたは-SO_(2)H)、メタ重亜硫酸基(H_(2)S_(2)O_(5))、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸基(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(2)、POS_(3)H_(2)、PS_(4)H_(2))、チオリン酸エステル(R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)S-、R^(i)SO、R^(i)SO_(2)、R^(i)SO_(3)、チオ硫酸基(HS_(2)O_(3))、亜ジチオン酸基(HS_(2)O_(4))、ホスホロジチオアート(P(=S)(OR^(k’))(S)(OH))、ヒドロキサム酸(R^(k’)C(=O)NOH)、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸基(HOCH_(2)SO_(2)-)、またはそれらの混合物から選択される脱離基であり、式中、R^(i)は、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、かつ-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)は随意に、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k’)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくアルキニルか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールであり、 P’は、1つのアミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 Rは、存在する場合それぞれ、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、またはO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環からなる群より選択され、 R’及びR’’は、それぞれ独立して、-H、-OH、-OR、-NHR、-NR_(2)、-COR、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、及びO、S、N、及びPから独立して選択される1?6個のヘテロ原子を有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R^(c)は、-Hであるか、炭素原子を1?4個有する随意に置換される直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、 nは、1?24の整数であり、 X’は、-H、アミン保護基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、随意に置換される6員?18員のアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ヘテロ原子を1?6個有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NCO、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)-H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’からなる群より選択され、 R_(6)は、-H、-R、-OR、-SR、-NR’R’’、-NO_(2)、またはハロゲンであり、 Gは、-CH-または-N-であり、 A及びA’は、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-O-、オキソ(-C(=O)-)、-CRR’O-、-CRR’-、-S-、-CRR’S-、-NR_(5)、及びCRR’N(R_(5))-から選択され、 R_(5)は、存在する場合それぞれ、独立して、-Hであるか、あるいは炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖または分岐鎖のアルキルである)のいずれか1つ、またはその薬学上許容される塩により表される細胞障害性化合物を提供することである。 【0017】 1つの実施形態において、構造式(I)?(VI)の化合物では、Gは、-CH-である。 本発明の第2の目的は、細胞結合剤と、本発明の新規のベンゾジアゼピン化合物またはそれらの誘導体とのコンジュゲートを提供することである。これらのコンジュゲートは、標的細胞に特異的に送達されかつ細胞障害性であり、治療薬として有用である。 【0018】 具体的には、本発明のコンジュゲートは、細胞障害性化合物及び細胞結合剤(CBA)を含む場合があり、該細胞障害性化合物は、CBAに共有結合で連結しており、以下の式: 【0019】 【化8】 ![]() 【0020】 【化9】 ![]() 【0021】 【化10】 ![]() 【0022】 【化11】 ![]() 【0023】 【化12】 ![]() 【0024】 または 【0025】 【化13】 ![]() 【0026】 のいずれか1つ、またはその薬学上許容される塩により表され、式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下の式: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J’(A’) により表され、その他の2つは、同じであるか異なっていて、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’で表されるスルホキシド、-SO_(2)R’で表されるスルホン、スルホン酸基-SO_(3)M、硫酸基-OSO_(3)M、-SO_(2)NR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 J’は、細胞結合剤に共有結合で連結している連結基を含む部分であり、 残りの可変要素は、式(I)?(VI)について上述のとおりである。 【0027】 1つの実施形態において、構造式(I’)?(VI’)のコンジュゲートでは、Gは、-CH-である。 別の実施形態において、構造式(I’)?(VI’)のコンジュゲートでは、細胞結合剤は、抗葉酸受容体抗体またはその抗体断片である。より詳細には、抗葉酸受容体抗体は、huMOV19抗体である。 【0028】 さらに別の実施形態において、構造式(I’)?(VI’)のコンジュゲートでは、細胞結合剤は、抗EGFR抗体またはその抗体断片である。1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、例えば、WO2012058592に記載される抗体をはじめとする非アンタゴニスト抗体であり、WO2012058592は、本明細書中で参照により援用される。別の実施形態において、抗EGFR抗体は、非機能性抗体、例えば、ヒト化ML66である。より詳細には、抗EGFR抗体は、huML66である。 【0029】 本発明は、新規のベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、(ならびに/またはそれらの溶媒和物、水和物、及び/もしくは塩)、ならびにキャリア(薬学上許容されるキャリア)を含む組成物(例えば、医薬組成物)も含む。本発明はさらに、新規のベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、(ならびに/またはそれらの溶媒和物、水和物、及び/もしくは塩)、ならびにキャリア(薬学上許容されるキャリア)を含み、さらに第2の治療薬を含む組成物(例えば、医薬組成物)も含む。本組成物は、哺乳類(例えば、ヒト)において、異常細胞増殖を阻害する、または増殖性障害を治療するのに有用である。本組成物は、哺乳類(例えば、ヒト)において、癌、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植片拒絶、狼瘡、筋炎、感染症、AIDSなどの免疫不全、及び炎症性疾患などの疾患を治療するのに有用である。 【0030】 本発明は、哺乳類(例えば、ヒト)において異常細胞増殖を阻害するまたは増殖性障害を治療する方法を含み、本方法は、該哺乳類に、治療有効量の新規のベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、もしくはそれらのコンジュゲート、(ならびに/またはそれらの溶媒和物及び塩)、またはそれらを含む組成物を、単独でまたは第2の治療薬と併用して、投与することを含む。 【0031】 本発明は、哺乳類細胞、生物、または関連する病態のin vitro、in situ、及びin vivo診断または治療のため、新規のベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、及びそれらのコンジュゲートを合成及び使用する方法を含む。 【0032】 本発明の化合物、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、及びそれらを含む組成物は、障害、例えば細胞の異常増殖を特徴とするもの(例えば、癌)を治療するまたはその重篤度を低下させるのに有用である。本発明の化合物及びコンジュゲートの他の用途として、哺乳類(例えば、ヒト)における癌、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植片拒絶、狼瘡、筋炎、感染症、AIDSなどの免疫不全、及び炎症性疾患などの疾患の治療が挙げられるが、これらに限定されない。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】コンジュゲートされていない抗体huMOV19と比較した、T47D細胞に対するhuMOV19-14コンジュゲートの結合親和性を示す。 【図2】huMOV19-14コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図3】huMOV19-14コンジュゲートが、隣接する抗原陰性細胞に対して弱いバイスタンダー細胞障害性効果を発揮することを示す。 【図4A】様々な細胞株に対するhuMy9-6-14コンジュゲートのin vitro細胞障害性を示す。 【図4B】様々な細胞株に対するhuMy9-6-14コンジュゲートのin vitro細胞障害性を示す。 【図4C】様々な細胞株に対するhuMy9-6-14コンジュゲートのin vitro細胞障害性を示す。 【図5A】huMy9-6-14コンジュゲートが、隣接する抗原陰性細胞に対してバイスタンダー細胞障害性効果を発揮することを示す。 【図5B】huMy9-6-14コンジュゲートが、隣接する抗原陰性細胞に対してバイスタンダー細胞障害性効果を発揮することを示す。 【図6】NCI-H2110を有するSCIDマウスにおけるhuMOV19-80コンジュゲート及びhuMOV19-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図7A】本発明の代表的なコンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図7B】本発明の代表的なコンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図7C】本発明の代表的なコンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図7D】本発明の代表的なコンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図8】huML66-90コンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図9】huML66-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図10】huMOV19-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図11】huMOV19-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図12】huMOV19-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図13】huMOV19-90コンジュゲートが、隣接する抗原陰性細胞に対して強いバイスタンダー細胞障害性効果を発揮することを示す。 【図14】NCI-H2110を有するSCIDマウスにおけるhuMOV19-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図15A】コンジュゲートされていない抗体huMOV19と比較した、T47D細胞に対するhuMOV19-90コンジュゲートの結合親和性を示す。 【図15B】コンジュゲートされていない抗体huMOV19と比較した、T47D細胞に対するhuMOV19-90コンジュゲートの結合親和性を示す。 【図16】本発明の代表的なコンジュゲートの質量分析特性を示す。 【図17】NCI-H1703NSCLCを有するSCIDマウスにおけるhuML66-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図18】CD-1マウスにおけるhuMOV19-90の薬物動態を示す。 【図19】図19Aならびに19Bは、huMOV19-90コンジュゲートの構造(図19A)、ならびにKB子宮頸癌細胞においてin vitroで形成されたhuMOV19-90コンジュゲートの代謝産物のインキュベーション、精製、及び単離のスキーム(図19B)を示す。LC-MSで同定された3種の代謝産物を、質量計算値とともに示す。 【図20】コンジュゲートされていない抗体huMOV19と比較した、T47D細胞に対するhuMOV19-107コンジュゲートの結合親和性を示す。 【図21A】huMOV19-90コンジュゲート及びhuMOV19-107コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図21B】huMOV19-90コンジュゲート及びhuMOV19-107コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図21C】huMOV19-90コンジュゲート及びhuMOV19-107コンジュゲートのin vitro細胞障害性及び特異性を示す。 【図22】NCI-H2110NSCLC異種移植片を有する保有SCIDマウスにおけるhuMOV19-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図23】Hec-1b子宮内膜異種移植片を有するSCIDマウスにおけるhuMOV19-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図24】Ishikawa子宮内膜異種移植片を有するSCIDマウスにおけるhuMOV19-90コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図25】NCI-H2110NSCLC異種移植片を有する保有SCIDマウスにおけるhuMOV19-107コンジュゲートのin vivo有効性を示す。 【図26】未結合抗体と比較した、HNT-34細胞に対するhuCD123-6Gv4.7S3-90コンジュゲートの結合親和性を示す。 【発明を実施するための形態】 【0034】 次に、本発明のある特定の実施形態について詳細に説明を行い、それらの例を付随する構造及び式で例示する。本発明は、列挙される実施形態を参照しながら説明されるが、それらは本発明を限定することを意図するものではないことが理解されよう。むしろ、本発明は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれる場合がある全ての代替形態、修飾形態、及び等価形態を包含するものとする。当業者は、本発明の実施に使用可能な、本明細書中に記載される方法及び材料に類似するまたは相当する方法及び材料が多数あることを理解するであろう。 【0035】 本発明の異なる態様(例えば、化合物、化合物リンカー分子、コンジュゲート、組成物、作製法、及び使用法)及び本明細書の異なる部分(実施例においてのみ記載される実施形態を含む)の下で説明されるものを含む、本明細書中で説明される実施形態のいずれも、明白に否定されるかまたは不適切ものでない限り、本発明の1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせることができる。実施形態の組み合わせは、多項従属請求項をよって特許請求される特定の組み合わせに限定されない。 定義 本明細書中で使用される場合、「細胞結合剤」または「CBA」という用語は、細胞(例えば、細胞表面リガンドで)を、または細胞に付随するもしくは近接するリガンドを、好ましくは特定の様式で結合させることができる化合物を指す。ある特定の実施形態において、細胞とのまたは細胞上もしくは細胞近くのリガンドとの結合は特異的である。CBAは、ペプチド及び非ペプチドを含む場合がある。 【0036】 「直鎖または分岐鎖のアルキル」は、本明細書中で使用される場合、1?20個の炭素原子の飽和直鎖または分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。アルキルの例として、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチル-1-プロピル、-CH_(2)CH(CH_(3))_(2))、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル)、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、1-ヘプチル、1-オクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アルキルは、炭素原子を1?10個有する。より好ましくは、アルキルは、炭素原子を1?4個有する。 【0037】 「直鎖または分岐鎖のアルケニル」は、少なくとも1カ所の不飽和部位、すなわち炭素-炭素二重結合を有する、2?20個炭素原子の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを指し、アルケニルラジカルは、「シス」及び「トランス」配向、代替として「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。例として、エチレニルまたはビニル(-CH=CH_(2))、アリル(-CH_(2)CH=CH_(2))などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アルケニルは、炭素原子を2?10個有する。より好ましくは、アルキルは、炭素原子を2?4個有する。 【0038】 「直鎖または分岐鎖のアルキニル」は、少なくとも1カ所の不飽和部位、すなわち炭素-炭素三重結合を有する、2?20個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。例として、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、ヘキシニル、などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アルキニルは、炭素原子を2?10個有する。より好ましくは、アルキニルは、炭素原子を2?4個有する。 【0039】 「炭素環」、「カルボシクリル」、及び「炭素環式環」という用語は、単環式環では3?12個の炭素原子、二環式環では7?12個の炭素原子を有する、一価の非芳香族、飽和もしくは部分不飽和環を指す。炭素原子を7?12個有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系として配置させることができ、環原子を9または10個有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]または[6,6]系として、あるいはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びビシクロ[3.2.2]ノナンなどの架橋系として配置させることができる。単環式炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。 【0040】 「環状アルキル」及び「シクロアルキル」という用語は、同義に使用することができる。これらの用語は、一価飽和炭素環式環ラジカルを指す。好ましくは、環状アルキルは、3員?7員の単環式環ラジカルである。より好ましくは、環状アルキルは、シクロヘキシルである。 【0041】 「環状アルケニル」という用語は、環構造中に少なくとも1つの二重結合を有する炭素環式環ラジカルを指す。 「環状アルキニル」という用語は、環構造中に少なくとも1つの三重結合を有する炭素環式環ラジカルを指す。 【0042】 「アリール」は、親の芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって得た、6?18個の炭素原子の一価芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリール基は、「Ar」という例示的な構造で表される。アリールには、飽和、部分不飽和環、または芳香族炭素環式もしくは複素環式環と縮合した芳香環を含む二環式ラジカルが含まれる。典型的なアリール基として、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデニル、インダニル、1,2-ジヒドロナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフチルに由来するラジカルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アリールは、フェニル基である。 【0043】 「複素環」、「ヘテロシクリル」、及び「複素環式環」という用語は、本明細書中において同義で使用され、3?18個の環原子の飽和または部分不飽和の(すなわち、環内に1つまたは複数の二重及び/または三重結合を有する)炭素環ラジカルを指す。この環原子の少なくとも1個は、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCであり、1個または複数の環原子は、以下に記載される1つまたは複数の置換基で独立して随意に置換される。複素環は、3環員?7環員(2?6個の炭素原子ならびにN、O、P、及びSから選択される1?4個のヘテロ原子)を有する単環、または環7員?10環員(4?9個の炭素原子ならびにN、O、P、及びSから選択される1?6個のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系であってよい。複素環は、Paquette,Leo A.;‘‘Principles of Modern Heterocyclic Chemistry’’(W.A.Benjamin,New York,1968)、特に第1、3、4、6、7、及び9章、‘‘The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs’’(John Wiley & Sons,New York,1950?現在)、特に第13、14、16、19、及び28巻、ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載される。「複素環」には、複素環ラジカルが飽和、部分不飽和環、または芳香族炭素環式もしくは複素環式環と縮合したラジカルも含まれる。複素環式環の例として、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、及びアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。スピロ部分も、この定義の範囲内に含まれる。環原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環基の例として、ピリミジノニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルがある。 【0044】 「ヘテロアリール」という用語は、5員もしくは6員環の一価芳香族ラジカルを指し、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する、5?18個の原子の縮合環系(そのうち少なくとも1つの環は芳香族である)も含む。ヘテロアリール基の例として、ピリジニル(例えば、2-ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4-ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルがある。 【0045】 複素環またはヘテロアリール基は、可能な場合には、炭素で結合(炭素連結)していても、または窒素で結合(窒素連結)してもよい。制限ではなく例として、炭素結合した複素環またはヘテロアリールは、ピリジンの2、3、4、5、もしくは6位、ピリダジンの3、4、5、もしくは6位、ピリミジンの2、4、5、もしくは6位、ピラジンの2、3、5、もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、もしくはテトラヒドロピロールの2、3、4、もしくは5位、オキサゾール、イミダゾール、もしくはチアゾールの2、4、もしくは5位、イソキサゾール、ピラゾール、もしくはイソチアゾールの3、4、もしくは5位、アジリジンの2もしくは3位、アゼチジンの2、3、もしくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、もしくは8位、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位で結合している。 【0046】 制限ではなく例として、窒素結合した複素環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H-インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾールまたはO-カルボリンの9位で結合している。 【0047】 ヘテロアリールまたはヘテロシクリルに存在するヘテロ原子には、NO、SO、及びSO_(2)などの酸化型が含まれる 「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを指す。 【0048】 上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールは、さらに1つ(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上)の置換基で随意に置換することができる。 【0049】 置換基が「置換された」と記載される場合、その置換基の炭素、酸素、硫黄、または窒素に、水素置換基に代わって非水素置換基が存在する。したがって、例えば、置換されたアルキル置換基とは、少なくとも1つの非水素置換基が、アルキル置換基の水素置換基に代わって存在するアルキル置換基である。例えば、モノフルオロアルキルは、フルオロ置換基で置換されたアルキルであり、ジフルオロアルキルは、2つのフルオロ置換基で置換されたアルキルである。1つの置換基に1超の置換がある場合、各非水素置換基は同一でも異なっていてもよい(特に記載がない限り)ことを理解されたい。 【0050】 置換基が「随意に置換される」と記載される場合、置換基は、(1)置換されていなくても、または(2)置換されていてもよい。置換基の炭素が、列挙される置換基の1つまたは複数で随意に置換されると記載される場合、その炭素上の1個または複数の水素が(水素が存在する範囲内で)、別々にかつ/または一緒に、独立して選択された随意の置換基で置き換えられてもよい。置換基の窒素が、列挙される置換基の1つまたは複数で随意に置換されると記載される場合、その窒素上の1個または複数の水素が(水素が存在する範囲内で)、それぞれ、独立して選択された随意の置換基で置き換えられてもよい。1つの例示的な置換基は、-NR’R’’と示すことができるが、式中、R’及びR’’は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環式環を形成してもよい。R’及びR’’が、それらが結合した窒素原子と一緒になって形成した複素環式環は、部分飽和でも完全飽和でもよい。1つの実施形態において、複素環式環は、3?7個の原子からなる。別の実施形態において、複素環式環は、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、及びチアゾリルからなる群より選択される。 【0051】 本明細書は、「置換基」、「ラジカル」、及び「基」という用語を同義で使用する。 置換基の群が、列挙される置換基のうちの1つまたは複数により随意に置換されると集合的に記載される場合、その群は、(1)置換不可能な置換基、(2)置換可能であるが随意の置換基によって置換されない置換基、及び/または(3)置換可能であり1つまたは複数の随意の置換基により置換される置換基を含む場合がある。 【0052】 置換基が、最大で特定の個数の非水素置換基で随意に置換されると記載される場合、その置換基は、(1)置換されない、または(2)最大でその特定の個数の非水素置換基もしくは最大で置換基上の最大数の置換可能な部位のいずれか少ない方により置換されている、のいずれかであってもよい。すなわち、例えば、置換基が、最大3つの非水素置換基で随意に置換されるヘテロアリールであると記載される場合、置換可能な位置が3つ未満である任意のヘテロアリールは随意に、最大でもそのヘテロアリールが有する置換可能な位置と同数の非水素置換基のみで置換されることになる。そのような置換基の非限定例は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR^(100)、NR^(101)R^(102)、-NO_(2)、-NR^(101)COR^(102)、-SR^(100)、-SOR^(101)で表されるスルホキシド、-SO_(2)R^(101)で表されるスルホン、スルホン酸基-SO_(3)M、硫酸基-OSO_(3)M、-SO_(2)NR^(101)R^(102)で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、-COR^(101)、-OCOR^(101)、-OCONR^(101)R^(102)、及びポリエチレングリコール単位(-CH_(2)CH_(2)O)_(n)R^(101)から選択することができ、式中、Mは、Hまたはカチオン(Na^(+)またはK^(+)など)であり、R^(101)、R^(102)、及びR^(103)は、それぞれ独立して、H、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、ポリエチレングリコール単位(-CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(104)(式中、nは、1?24の整数である)、炭素原子を6?10個有するアリール、炭素原子を3?10個有する複素環式環、及び炭素原子を5?10個有するヘテロアリールから選択され、R^(104)は、Hであるか、炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、式中、R^(100)、R^(101)、R^(102)、R^(103)、及びR^(104)で表される基中のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上)の置換基で随意に置換され、この置換基は、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NO_(2)、及び炭素原子を1?4個有する未置換の直鎖または分岐鎖のアルキルから選択される。好ましくは、上記の随意に置換されるアルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの置換基として、ハロゲン、-CN、-NR^(102)R^(103)、-CF_(3)、-OR^(101)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-SR^(101)、-SOR^(101)、-SO_(2)R^(101)、及びSO_(3)Mが挙げられる。 【0053】 「化合物」または「細胞障害性化合物」、「細胞障害性二量体」及び「細胞障害性二量体化合物」という用語は、同義で使用される。これらの用語は、構造もしくは式もしくはその任意の誘導体が本発明において開示されているか、または構造もしくは式もしくはその任意の誘導体が参照により援用されている化合物を含むものとする。この用語はまた、本発明で開示される全ての式の化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝産物、塩(例えば、薬学上許容される塩)及びプロドラッグ、ならびにプロドラッグ塩も含む。この用語はまた、上記のいずれかのものの任意の溶媒和物、水和物、及び多形も含む。本出願で記載される本発明のある特定の態様における「立体異性体」、「幾何異性体」、「互変異性体」、「溶媒和物」、「代謝産物」、「塩」、「プロドラッグ」、「プロドラッグ塩」、「コンジュゲート」、「コンジュゲート塩」、「溶媒和物」、「水和物」、または「多形」についての具体的な記述は、「化合物」という用語がこれら他の形状の記述なしに使用される本発明の他の態様において、これらの形状を排除することを意図するものとは解釈されないものとする。 【0054】 「コンジュゲート」という用語は、本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載される化合物またはその誘導体が細胞結合剤と連結したものを指す。 「細胞結合剤と連結可能な」という用語は、本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載される化合物またはそれらの誘導体が、それら化合物またはそれらの誘導体を細胞結合剤に結合させるのに適切な結合基またはその前駆体を少なくとも1つ含むことを指す。 【0055】 所定の基の「前駆体」という用語は、任意の脱保護、化学修飾、またはカップリング反応によりその所定の基になることができる任意の基を指す。 「細胞結合剤と連結した」という用語は、コンジュゲート分子が、適切な結合基またはその前駆体を介して細胞結合剤と結合した、本明細書中に記載される化合物(例えば、本明細書中に記載される、式(I)?(IV)及び(VIII)?(XI)の化合物ならびに薬物-リンカー化合物)のうち少なくとも1種、またはその誘導体を含むことを指す。 【0056】 「キラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせできない性質を有する分子を示し、一方「アキラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせできる分子を指す。 「立体異性体」という用語は、同一の化学組成及び連結性を有するが、それらの原子の空間配置が異なり、単結合の回転により相互変換することができない化合物を指す。 【0057】 「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル中心を有し、分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、様々な物性、例えば融点、沸点、分光特性、及び反応性を有する。ジアステレオマー混合物は、結晶化、電気泳動、及びクロマトグラフィーなどの高分解能分析手法で分離することができる。 【0058】 「鏡像異性体」は、互いの重ね合わせできない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。 本明細書中で使用される立体化学の定義及び観念は、全般的に、S.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York、及びEliel,E.and Wilen,S.,‘‘Stereochemistry of Organic Compounds,’’John Wiley & Sons,Inc.,New York,1994に従うものである。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を有する場合があり、したがって、様々な立体異性体形で存在する場合がある。ジアステレオマー、鏡像異性体、及びアトロプ異性体、ならびにこれらの混合物、例えば、ラセミ混合物を含むがこれらに限定されない、本発明の化合物の立体異性体形は全て、本発明の一部を形成するものとする。多くの有機化合物が、光学活性な形態で存在する。すなわち、それらは、直線偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を説明する場合、D及びL、またはR及びSという接頭辞を使用して、そのキラル中心(複数化)の周りの分子の絶対配置を示す。d及びlまたは(+)及び(-)という接頭辞は、化合物による直線偏光の回転の兆候を指称するのに使用し、(-)またはlは、その化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdという接頭辞が付された化合物は、右旋性である。所定の化学構造では、これらの立体異性体は、それらが互いの鏡像であることを除いて、同一である。特定の立体異性体は、鏡像異性体と称される場合もあり、そのような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物と呼ばれることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、そのような混合物は、化学反応または処理において立体選択または立体特異性がない場合に生じる場合がある。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性がない2種の鏡像異性体種の等モル混合物を指す。 【0059】 「互変異性体」または「互変異性体形」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)は、プロトンの移動を介した相互変換、例えばケト-エノール異性体化及びイミン-エナミン異性体化などを含む。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互変換を含む。 【0060】 「プロドラッグ」という用語は、本出願で使用される場合、酵素反応により、または加水分解により、さらに活性化されるかより活性な親型に変換させることが可能である、本発明の化合物の前駆体または誘導体形を指す。例えば、Wilman,‘‘Prodrugs in Cancer Chemotherapy’’Biochemical Society Transactions,14,pp.375-382,615th Meeting Belfast(1986)、及びStella et al.,‘‘Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery,’’Directed Drug Delivery, Borchardt et al.,(ed.),pp.247-267,Humana Press (1985)を参照のこと。本発明のプロドラッグとして、より活性の細胞傷害性遊離薬物に変換され得る、エステル含有プロドラッグ、リン酸含有プロドラッグ、チオリン酸含有プロドラッグ、硫酸含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D-アミノ酸修飾化プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β-ラクタム含有プロドラッグ、随意に置換されるフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、随意に置換されるフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5-フルオロシトシン及び他の5-フルオロウリジンプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用するためのプロドラッグ形態に誘導体化することができる細胞傷害性薬の例として、本発明の化合物及び上記のもののような化学療法薬が挙げられるが、これらに限定されない。 【0061】 「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(in vitroまたはin vivo)で加水分解、酸化、さもなければ反応して本発明の化合物を提供することができる化合物の誘導体を包含することも意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でのそのような反応時にのみ活性となることができるか、またはそれらが未反応形態で活性を有することができる。本発明で企図されるプロドラッグの例として、生体加水分解が可能なアミド、生体加水分解が可能なエステル、生体加水分解が可能なカルバミン酸基、生体加水分解が可能な炭酸塩、生体加水分解が可能なウレイド、及び生体加水分解が可能なリン酸の類似体などの生体加水分解が可能な部分を含む、本明細書中に開示される式のいずれか1つの化合物の類似体または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例として、-NO、-NO_(2)、-ONO、または-ONO_(2)部分を含む、本明細書中に開示される式のいずれか1つの化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、典型的には、周知の方法、例えば、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery(1995)172-178,949-982(Manfred E.Wolff ed.,5th ed)に記載される方法などを用いて調製することができる。Goodman and Gilman’s,The Pharmacological basis of Therapeutics,8th ed.,McGraw-Hill,Int.Ed.1992,‘‘Biotransofrmation of Drugs.’’も参照のこと。 【0062】 本発明のプロドラッグの1つの好ましい形として、本発明の化合物/コンジュゲートのイミン結合とイミン反応性試薬との間で形成される付加物を含む、本発明の化合物及びコンジュゲート(任意のリンカー基の有無に関わらず)が挙げられる。本発明のプロドラッグの別の好ましい形として、式(I)?(IV)などの化合物(式中、NとCとの間の二重線 が単結合を表す場合に、XがHまたはアミン保護基であり、化合物がプロドラッグになる)が挙げられる。本発明のプロドラッグは、本明細書中に記載されるプロドラッグの形態のうち一方または両方を含む場合がある(例えば、化合物/コンジュゲートのイミン結合とイミン反応性試薬の間に形成された付加物を含み、かつ/または、Xが-Hである場合に、脱離基Yを含む)。 【0063】 「イミン反応性試薬」という用語は、イミン基と反応することができる試薬を指す。イミン反応性試薬の例として、亜硫酸化合物(H_(2)SO_(3)、H_(2)SO_(2)、またはカチオンで形成されるHSO_(3)^(-)、SO_(3)^(2-)、もしくはHSO_(2)^(-)の塩)、メタ重亜硫酸化合物(H_(2)S_(2)O_(5)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(5)^(2-)の塩)、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸化合物(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(3)、POS_(3)H_(3)、PS_(4)H_(3)、またはカチオンで形成されるPO_(3)S^(3-)、PO_(2)S_(2)^(3-)、POS_(3)^(3-)、もしくはPS_(4)^(3-)の塩)、チオリン酸エステル((R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)SH、R^(i)SOH、R^(i)SO_(2)H、R^(i)SO_(3)H)、種々のアミン(ヒドロキシルアミン(例えば、NH_(2)OH)、ヒドラジン(例えば、NH_(2)NH_(2))、NH_(2)O-R^(i)、R^(i)’NH-R^(i)、NH_(2)-R^(i))、NH_(2)-CO-NH_(2)、NH_(2)-C(=S)-NH_(2)、チオ硫酸化合物(H_(2)S_(2)O_(3)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(3)^(2-)の塩)、亜ジチオン酸化合物(H_(2)S_(2)O_(4)またはカチオンで形成されるS_(2)O_(4)^(2-)の塩)、ホスホロジチオ酸化合物(P(=S)(OR^(k))(SH)(OH)またはカチオンで形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(R^(k)C(=O)NHOHまたはカチオンで形成されるその塩)、ヒドラジド(R^(k)CONHNH_(2))、ホルムアルデヒドスルホキシル酸化合物(HOCH_(2)SO_(2)Hまたはカチオンで形成されるHOCH_(2)SO_(2)^(-)の塩、例えばHOCH_(2)SO_(2)^(-)Na^(+)など)、糖化ヌクレオチド(GDP-マンノースなど)、フルダラビン、またはそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されず、式中、R^(i)及びR^(i’)は、それぞれ独立して、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)及びR^(i’)は随意で、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルであるか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールである(好ましくは、R^(k)は、炭素原子を1?4個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、より好ましくは、R^(k)は、メチル、エチル、またはプロピルである)。好ましくは、カチオンは、Na^(+)またはK^(+)などの一価カチオンである。好ましくは、イミン反応性試薬は、亜硫酸化合物、ヒドロキシルアミン、尿素、及びヒドラジンから選択される。より好ましくは、イミン反応性試薬は、NaHSO_(3)またはKHSO_(3)である。 【0064】 本明細書中で使用される場合、かつ別途特に記載がない限り、「生体加水分解が可能なアミド」、「生体加水分解が可能なエステル」、「生体加水分解が可能なカルバミン酸基」、「生体加水分解が可能な炭酸塩」、「生体加水分解が可能なウレイド」、及び「生体加水分解が可能なリン酸類似体」という用語は、アミド、エステル、カルバミン酸基、炭酸塩、ウレイド、またはリン酸類似体がそれぞれ、(1)化合物の生物活性を損なわず、かつ、その化合物にin vivoで有利な性質、例えば、取込、作用期間、または作用の発現を付与するか、または(2)それ自体は生物学的に不活性であるが、in vivoで生物学的に活性な化合物に変換させるかのいずれかであることを意味する。生体加水分解が可能なアミドの例として、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。生体加水分解が可能なエステルの例として、低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、及びコリンエステルが挙げられるが、これらに限定されない。生体加水分解が可能なカルバミン酸基の例として、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環アミン及び複素芳香族アミン、ならびにポリエーテールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいプロドラッグ及びプロドラッグの塩とは、本発明の化合物が哺乳類に投与されたときに、その化合物の生物利用能を増大させるものである。 【0065】 「薬学上許容される塩」という語句は、本明細書中で使用される場合、本発明の化合物の薬学上許容される有機もしくは無機塩を指す。塩の例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸)塩)、アルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、及びアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学上許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオンなどの別の分子の包含を伴ってもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定化させる任意の有機または無機部分であってよい。さらに、薬学上許容される塩は、その構造中に1超の荷電原子を有してもよい。複数の荷電原子が薬学上許容される塩の一部である場合、複数の対イオンを有することができる。したがって、薬学上許容される塩は、1つまたは複数の荷電原子及び/または1つまたは複数の対イオンを有することができる。 【0066】 本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学上許容される塩は、当該分野で利用可能な任意の適切な方法により、例えば、遊離塩基を、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸などで、または有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸のようなピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸のようなαヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸のようなアミノ酸、安息香酸もしくはケイ皮酸のような芳香族酸、p-トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸のようなスルホン酸などで処理することにより、調製することができる。 【0067】 本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学上許容される塩は、任意の適切な方法により、例えば、遊離酸を、無機塩基または有機塩基、例えばアミン(第1級、第2級、または第3級)、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属水酸化物などで処理することにより調製することができる。適切な塩の代表的な例として、グリシン及びアルギニンのようなアミノ酸、アンモニア、第1級、第2級、及び第3級アミン、ならびにピペリジン、モルホリン、及びピペラジンのような環状アミンから得られる有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びリチウムから得られる無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。 【0068】 本明細書中で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、非共有結合性分子間力により結合した、化学量論的または非化学量論的な量の溶媒、例えば、水、イソプロパノール、アセトン、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミン、ジクロロメタン、2-プロパノールなどをさらに含む化合物を意味する。本化合物の溶媒和物または水和物は、少なくとも1モル当量のヒドロキシル溶媒、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、または水を化合物に添加して、イミン部分を溶媒和または水和させることによって、容易に調製される。 【0069】 本出願において、「異常な細胞増殖」及び「細胞増殖障害」という用語は、同義で使用される。「異常な細胞増殖」は、本明細書中で使用される場合、特に記載がない限り、正常な調節機構から独立した(例えば、接触阻害を喪失した)細胞増殖を指す。異常な細胞増殖として、例えば、(1)変異型チロシンキナーゼの発現または受容体型チロシンキナーゼの過剰発現により増殖する腫瘍細胞(腫瘍)、(2)異常なチロシンキナーゼの活性化が生じている他の増殖性疾患の良性細胞及び悪性細胞、(3)受容体型チロシンキナーゼにより増殖する任意の腫瘍、(4)異常なセリン/トレオニンキナーゼの活性化により増殖する任意の腫瘍、ならびに(5)異常なセリン/トレオニンキナーゼの活性化が生じている他の増殖性疾患の良性細胞及び悪性細胞の異常増殖が挙げられる。 【0070】 「癌」及び「癌性」という用語は、細胞増殖が制御されていないことを典型的な特徴とする、哺乳類での生理状態を指すかまたは説明する。「腫瘍」は、1つまたは複数の癌細胞及び/または良性細胞もしくは前癌細胞を含む。 【0071】 「治療薬」は、抗体、ペプチド、タンパク質、酵素などの生物学的作用剤、または化学療法薬の両方を包含する。 「化学療法薬」は、癌の治療に有用な化学合成物である。 【0072】 「代謝産物」は、特定の化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲート、またはその塩が体内で代謝することにより産生される産物である。化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲートの代謝産物は、当該分野において既知の常用技術を用いて特定することができ、それらの活性は、本明細書中に記載されるものなどの試験を用いて決定することができる。そのような産物は、例えば、投与した化合物の酸化、ヒドロキシル化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素切断などから得られる場合がある。したがって、本発明は、本発明の化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲートの代謝物を包含する。それらには、本発明の化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲートを、それらの代謝産物を得るのに十分な期間、哺乳類と接触させることを含む処理により産生される化合物、その誘導体、またはその複合体が含まれる。 【0073】 「薬学上許容される」という語句は、その物質または組成物が、製剤に含まれる他の成分及び/またはそれで処理される哺乳類と、化学的にかつ/または毒物学的に適合しなければならないことを示す。 【0074】 「保護基」または「保護部分」という用語は、化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲートの他の官能基が反応している間、特定の官能基をブロックまたは保護するために一般的に使用される置換基を指す。例えば、「アミン保護基」または「アミノ保護部分」は、化合物のアミノ官能基をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。そのような基は、当技術分野で周知であり(例えば、P.Wuts and T.Greene,2007,Protective Groups in Organic Synthesis,Chapter 7,J.Wiley & Sons,NJを参照)、代表的なものとして、メチルカルバミン酸基及びエチルカルバミン酸基などのカルバミン酸基、FMOC、置換エチルカルバミン酸基、1,6-β-脱離で切断されるカルバミン酸基(「自壊(selfimmolative)型」とも称される)、尿素、アミド、ペプチド、アルキル、及びアリール誘導体がある。適切なアミノ保護基として、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。保護基の全般的な説明及びそれらの使用については、P.G.M.Wuts & T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,2007を参照のこと。 【0075】 「脱離基」という用語は、置換または転置の間に分離する荷電部分または非荷電部分の基を指す。そのような脱離基は、当該分野において周知であり、そのような脱離基として、ハロゲン、エステル、アルコキシ、ヒドロキシル、トシラート、トリフラート、メシラート、ニトリル、アジド、カルバマート、ジスルフィド、チオエステル、チオエーテル、及びジアゾニウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。 【0076】 「二官能性架橋剤」、「二官能性リンカー」、または「架橋剤」という用語は、2つの反応性基(そのうちの一方は、細胞結合剤と反応することができ、他方は細胞傷害性化合物と反応して2つの部分を1つに連結する)を有する修飾剤を指す。そのような二官能性架橋剤は、当技術分野において周知である(例えば、Isalm and Dent in Bioconjugation chapter 5,p218-363,Groves Dictionaries Inc.New York,1999を参照)。例えば、チオエーテル結合を介した連結を可能にする二官能性架橋剤として、マレイミド基を導入するためのN-スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシラート(SMCC)、またはヨードアセチル基を導入するためのN-スクシンイミジル-4-(ヨードアセチル)-アミノベンゾエート(SIAB)が挙げられる。マレイミド基またはハロアセチル基を細胞結合剤に導入する他の二官能性架橋剤は、当該分野において周知であり(米国特許出願第2008/0050310号、同第20050169933号を参照、これらはPierce Biotechnology Inc.P.O.Box 117,Rockland,IL 61105,USAから入手可能)、そのような二官能性架橋剤として、ビス-マレイミドポリエチレングリコール(BMPEO)、BM(PEO)_(2)、BM(PEO)_(3)、N-(β-マレイミドプロピルオキシ)スクシンイミドエステル(BMPS)、γ-マレイミド酪酸N-スクシンイミジルエステル(GMBS)、ε-マレイミドカプロン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(EMCS)、5-マレイミド吉草酸NHS、HBVS、SMCCの「長鎖」類似体(LC-SMCC)であるN-スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、4-(4-N-マレイミドフェニル)-酪酸ヒドラジドまたは塩酸塩(MPBH)、N-スクシンイミジル=3-(ブロモアセトアミド)プロピオナート(SBAP)、N-スクシンイミジル=ヨードアセタート(SIA)、κ-マレイミドウンデカノイン酸N-スクシンイミジルエステル(KMUA)、N-スクシンイミジル=4-(p-マレイミドフェニル)-ブチラート(SMPB)、スクシンイミジル-6-(β-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノアート(SMPH)、スクシンイミジル-(4-ビニルスルホニル)ベンゾエート(SVSB)、ジチオビス-マレイミドエタン(DTME)、1,4-ビス-マレイミドブタン(BMB)、1,4ビスマレイミジル-2,3-ジヒドロキシブタン(BMDB)、ビス-マレイミドヘキサン(BMH)、ビス-マレイミドエタン(BMOE)、スルホスクシンイミジル=4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(スルホ-SMCC)、スルホスクシンイミジル=(4-ヨードアセチル)アミノベンゾアート(スルホ-SIAB)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBS)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBS)、N-(ε-マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-EMCS)、N-(κ-マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-KMUS)、及びスルホスクシンイミジル=4-(p-マレイミドフェニル)ブチラート(スルホ-SMPB)が挙げられるが、これらに限定されない。 【0077】 ヘテロ二官能性架橋剤は、2つの異なる反応性基を有する二官能性架橋剤である。アミン反応性N-ヒドロキシスクシンイミド基(NHS基)及びカルボニル反応性ヒドラジン基の両方を含有するヘテロ二官能性架橋剤もまた、本明細書中に記載される細胞傷害性化合物と細胞結合剤(例えば、抗体)とを連結するために使用することができる。そのようなヘテロ二官能性架橋剤の市販品の例として、スクシンイミジル=6-ヒドラジノニコチンアミド=アセトン=ヒドラゾン(SANH)、スクシンイミジル=4-ヒドラジドテレフタラート塩酸塩(SHTH)、及びスクシンイミジル=ヒドラジニウムニコチナート塩酸塩(SHNH)が挙げられる。酸不安定性結合を有するコンジュゲートも、本発明のヒドラジンを有するベンゾジアゼピン誘導体を用いて調製することができる。使用可能な二官能性架橋剤の例として、スクシンイミジル-p-ホルミルベンゾアート(SFB)及びスクシンイミジル-p-ホルミルフェノキシアセテート(SFPA)が挙げられる。 【0078】 ジスルフィド結合を介した細胞結合剤と細胞傷害性化合物との結合を可能にする二官能性架橋剤は、当該分野において既知であり、そのような二官能性架橋剤として、ジチオピリジル基を導入するための、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ペンタノアート(SPP)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ブタノアート(SPDB)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)2-スルホブタノアート(スルホ-SPDB)が挙げられる。ジスルフィド基を導入するために使用可能な他の二官能性架橋剤は、当該分野において既知であり、米国特許第6,913,748号、同第6,716,821号、ならびに米国特許出願公開第20090274713号、及び同第20100129314号に記載される。これらは全て、本明細書中に参照により援用される。代替として、チオール基を導入する、2-イミノチオラン、ホモシステインチオラクトン、またはS-アセチルコハク酸無水物などの架橋剤もまた使用可能である。 【0079】 本明細書中で定義される「リンカー」、「リンカー部分」、または「結合基」は、2つの基、例えば細胞結合剤と細胞傷害性化合物とを1つに連結する部分を指す。典型的には、リンカーが連結する2つの基が結合する条件下ではそのリンカーは実質的に不活性である。二官能性架橋剤は、リンカー部分の各末端に1つずつ、2つの反応性基を含んでもよく、それによって、1つの反応性基がまず細胞傷害性化合物と反応して、リンカー部分及び第2の反応性基を有する化合物をもたらすことができ、次にそれを細胞結合剤と反応させることができる。代替として、二官能性架橋剤の1つの末端がまず細胞結合剤と反応して、リンカー部分及び第2の反応性基を有する細胞結合剤をもたらすことができ、次にそれを細胞傷害性化合物と反応させることができる。連結部分は、特定の部位での細胞傷害性部分の放出を可能にする化学結合を含有してもよい。適切な化学結合は当該分野で周知であり、そのような結合として、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、酸不安定性結合、光不安定性結合、ペプチダーゼ不安定性結合、及びエステラーゼ不安定性結合が挙げられる(例えば、米国特許第5,208,020号、同第5,475,092号、同第6,441,163号、同第6,716,821号、同第6,913,748号、同第7,276,497号、同第7,276,499号、同第7,368,565号、同第7,388,026号、及び同第7,414,073号を参照)。ジスルフィド結合、チオエーテル結合、及びペプチダーゼ不安定性結合が好ましい。本発明で使用可能な他のリンカーとして、米国特許出願公開第20050169933号に詳細が記載されているものなどの非開裂リンカー、または米国特許出願公開第2009/0274713号、米国特許出願公開第2010/01293140号、及びWO2009/134976に記載される荷電リンカーまたは親水性リンカーが挙げられ、これらはそれぞれ、参照により本明細書中で参照により明白に援用される。これらはそれぞれ、参照により本明細書中で参照により明白に援用される。 【0080】 1つの実施形態において、反応性エステルなどの反応性基が一方の端に結合した結合基は、以下から選択される。 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -O(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -S(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH _(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q’’)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)(ピロロ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)^(-)(CO)_(t)X’’、 -NR_(33)(C=O)_(p’’)(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(ピペラジノ)_(t’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(CR_(26)=CR_(27))_(m’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)(アルキニル)_(n’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)^(-)(CO)_(t)X’’、 -(CR_(20)R_(21))_(m)(CR_(29)=N-NR_(30))_(n’’)A’’_(m’’)(CR_(22)R_(23))_(n)(OCH_(2)CH_(2))_(p)(CR_(40)R_(41))_(p’’)Y’’(CR_(24)R_(25))_(q)(CO)_(t)X’’(式中、 m、n、p、q、m’、n’、t’は、1?10の整数であるか、あるいは随意に0であり、 t、m’’、n’’、及びp’’は、0または1であり、 X’’は、OR_(36)、SR_(37)、NR_(38)R_(39)から選択され、式中、R_(36)、R_(37)、R_(38)、R_(39)は、Hであるか、または炭素原子を1?20個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であり、R_(37)は、t=1の場合に、随意にチオール保護基であり、COX’’は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシフタルイミドエステル、N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミドエステル、p-ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、及びそれらの誘導体から選択される反応性エステルを形成し、該誘導体はアミド結合形成を促進し、 Y’’は存在しないか、またはO、S、S-S、もしくはNR_(32)から選択され、式中、R_(32)は、Rについて以上で与えられたものと同じ定義を有するか、または Y’’がS-Sではなく、かつt=0の場合、X’’は、マレイミド基、ハロアセチル基、またはSR_(37)から選択され、式中、R_(37)は上記と同じ定義を有し、 A’’は、1つのアミノ酸残基であるか、2?20のアミノ酸残基を含有するポリペプチドであり、 R_(20)、R_(21)、R_(22)、R_(23)、R_(24)、R_(25)、R_(26)、及びR_(27)は、同一であるかまたは異なっていて、かつ-Hであるか、または炭素原子を1?5個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、 R_(29)及びR_(30)は、同一であるかまたは異なっていて、かつ-Hであるか、または炭素原子を1?5個有するアルキルであり、 R_(33)は、H、または炭素原子を1?12個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位R-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であるか、または、R_(33)は、-COR_(34)、-CSR_(34)、-SOR_(34)、もしくは-SO_(2)R_(34)であり、式中、R_(34)は、H、または炭素原子を1?20個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルか、またはポリエチレングリコール単位-(OCH_(2)CH_(2))_(n)であり、 R_(40)及びR_(41)の一方は、随意に、負に荷電した、または正に荷電した官能基であり、他方は、H、または炭素原子を1?4個有するアルキル、アルケニル、アルキニルである。 【0081】 上記の結合基のいずれも、本発明の化合物、薬物リンカー化合物、またはコンジュゲートのいずれにも存在する場合があり、本明細書に記載される式のいずれかの結合基を置換することを含む。 【0082】 「アミノ酸」という用語は、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を指す。1つの実施形態において、アミノ酸は、NH_(2)-C(R^(aa’)R^(aa))-C(=O)OHで表され、式中、R^(aa)及びR^(aa’)は、それぞれ独立して、H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであるか、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか、あるいは、R^(aa)及びN末端窒素原子は、一緒になって複素環式環(例えば、プロリンにおけるように)を形成することができる。「アミノ酸残基」という用語は、アミノ酸のアミノ末端及び/またはカルボキシ末端から1つの水素原子が除去された場合に相当する残基、例えば、-NH-C(R^(aa’)R^(aa))-C(=O)O-を指す。 【0083】 「カチオン」という用語は、正の電荷を有するイオンを指す。カチオンは、一価(例えば、Na^(+)、K^(+)など)、二価(例えば、Ca^(2+)、Mg^(2+)など)、または多価(例えば、Al^(3+)など)であってよい。好ましくは、カチオンは、一価である。 【0084】 「治療有効量」という用語は、対象において所望の生物学的反応を誘発する、活性化合物またはコンジュゲートの量を意味する。そのような反応として、治療されている疾患もしくは障害の症状の緩和、疾患の症状もしくは疾患自体の予防、阻害、もしくは再発遅延、治療が行われない場合と比較した対象の寿命の延長、または疾患の症状もしくは疾患自体の進行の予防、阻害、もしくは遅延が挙げられる。有効量は、特に本明細書中提供される詳細な開示を考慮して、十分な当業者の能力の範囲内で決定される。化合物Iの毒性及び治療効力は、細胞培養物及び実験動物での標準薬学的手順によって決定することができる。対象に投与される本発明の化合物もしくはコンジュゲートまたは他の治療薬の有効量は、多発性骨髄腫のステージ、分類及び状態、ならびに対象の特質、例えば、全般的な健康状態、年齢、性別、体重、及び薬品耐性などによって決定されることになる。また、投与される本発明の化合物もしくはコンジュゲートまたは他の治療薬の有効量は、投与経路及び剤形によって決定されることになる。投与量及び投与間隔は個々に調節されて、所望の治療効果を維持するのに十分な活性化合物の血漿中レベルをもたらすことができる。 細胞障害性化合物 第1の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される細胞障害性化合物(例えば、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、もしくは(VI)の化合物、またはその薬学上許容される塩)に関する。ある特定の実施形態において、細胞障害性化合物は、構造式(I)またはその薬学上許容される塩により表される。 【0085】 ある特定の実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、L’、L’’、及びL’’’のうち1つは、式(A)により表され、その他は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、または-NO_(2)である。特には、L’、L’’、及びL’’’のうち1つは、式(A)により表され、その他は、-Hである。 【0086】 第1の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、L’は、式(A)により表され、L’’及びL’’’は、いずれも-Hであり、残りの可変要素は、第1の実施形態で上記したとおりである。 【0087】 第2の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、R_(x)は、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、もしくは荷電置換基、もしくはイオン化可能な基Qで随意に置換される、炭素原子を1?6個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1の特定実施形態で上記したとおりである。 【0088】 ある特定の実施形態において、Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、またはその薬学上許容される塩、あるいは、ii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)もしくは-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンであり、残りの可変要素は、第2の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である。 【0089】 第3の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、Jは、NHR^(c1)、-COOH、及びCOEからなる群より選択される反応性基を含む部分であり、式中、-COEは、反応性エステルを表し、R^(c1)は、-Hであるか、またはハロゲン、-OH、もしくは(C_(1)-C_(3))アルコキシで随意に置換される、炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態、または第1もしくは第2の特定実施形態で上記したとおりである。 【0090】 ある特定の実施形態において、Jは、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、ニトロフェニル(例えば、2または4-ニトロフェニル)エステル、ジニトロフェニル(例えば、2,4-ジニトロフェニル)エステル、スルホテトラフルオロフェニル(例えば、4-スルホ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)エステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択されるCOEであり、残りの可変要素は、第3の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、COEは、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルである。 【0091】 第4の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)にでは、L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J(B1)、 -NR_(5)-P-C(=O)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J(B2)、 -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J(C1)、または -C(=O)-P-NR_(5)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J(C2)、 により表され、式中、 Jは、-COEであり、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 m’は、0であるか、または1?6の整数であり、 Cyは、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、もしくはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルで随意に置換される、環炭素原子を5または6個有する環状アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2もしくは第3の特定実施形態で上記したとおりである。 【0092】 ある特定の実施形態において、R_(a)及びR_(b)は、いずれもHであり、式(B2)及び(C2)では、Cyは、シクロヘキサンであり、R_(5)は、HまたはMeであり、残りの可変要素は、第4の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、式(B2)及び(C2)のm’は、0または1である。 【0093】 第5の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s) (B3)、または -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s) (C3)、 により表され、式中、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 Z^(s)は、-H、-SR^(d)、-C(=O)R^(d1)、または以下の式: 【0094】 【化14】 ![]() 【0095】 のいずれか1つから選択され、式中、 qは、1?5の整数であり、 n’は、2?6の整数であり、 Mは、カチオン(例えば、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+))であり、 R^(d)は、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであるか、または、フェニル、ニトロフェニル(例えば、2または4-ニトロフェニル)、ジニトロフェニル(例えば、2,4-ジニトロフェニル)、カルボキシニトロフェニル(例えば、3-カルボキシ-4-ニトロフェニル)、ピリジル、またはニトロピリジル(例えば、4-ニトロピリジル)から選択され、 R^(d1)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、もしくは第4の特定実施形態で上記したとおりである。 【0096】 1つの実施形態において、Z^(s)は、-Hである。別の実施形態において、Z^(s)は、-SMeまたは-SPyである(Pyは、ピリジルである)。 さらに別の実施形態において、Z^(s)は、以下の式: 【0097】 【化15】 ![]() 【0098】 【化16】 ![]() 【0099】 のいずれか1つから選択され、式中、Uは、-Hまたは-SO_(3)Mであり、残りの可変要素は、式(a1’)?(a15’)について上記したとおりである。 ある特定の実施形態において、荷電置換基またはイオン化可能な基Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、もしくはその薬学上許容される塩、またはii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)もしくは-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンであり、かつ、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である。 【0100】 ある特定の実施形態において、R_(a)及びR_(b)は、いずれも-Hであり、R_(5)は、HまたはMeであり、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。 ある特定の実施形態において、-(CR_(a)R_(b))_(m)-は、-(CH_(2))_(m’’)-C(Me_(2))-であり、m’’は、1?5の整数であり、、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。 【0101】 第6の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、Pは、2?10のアミノ酸残基を含有するペプチドであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、もしくは第5の特定実施形態で上記したとおりである。 【0102】 ある特定の実施形態において、Pは、2?5のアミノ酸残基を含有するペプチドであり、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 ある特定の実施形態において、Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Val-Ala、Val-Cit、Val-Lys、Phe-Lys、Lys-Lys、Ala-Lys、Phe-Cit、Leu-Cit、Lle-Cit、Trp、Cit、Phe-Ala、Phe-N^(9)-トシル-Arg、Phe-N^(9)-ニトロ-Arg、Phe-Phe-Lys、D-Phe-Phe-Lys、Gly-Phe-Lys、Leu-Ala-Leu、Ile-Ala-Leu、Val-Ala-Val、Ala-Leu-Ala-Leu、β-Ala-Leu-Ala-Leu及びGly-Phe-Leu-Gly、Val-Arg、Arg-Val、Arg-Arg、Val-D-Cit、Val-D-Lys、Val-D-Arg、D-Val-Cit、D-Val-Lys、D-Val-Arg、D-Val-D-Cit、D-Val-D-Lys、D-Val-D-Arg、D-Arg-D-Arg、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、D-Ala-D-Ala、Ala-Met、ならびにMet-Alaから選択され、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0103】 ある特定の実施形態において、Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、及びD-Ala-D-Alaであり、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0104】 第7の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、NとCの間の二重線 【0105】 【化17】 ![]() 【0106】 は、二重結合を表し、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、もしくは第6の特定実施形態で上記したとおりである。 第8の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、NとCの間の二重線 【0107】 【化18】 ![]() 【0108】 は、単結合を表し、Xは、-Hまたはアミン保護基であり、Yは、-H、-OR、-OCOR’、-SR、-NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環、-SO_(3)H、-SO_(2)H、及びOSO_(3)Hから選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、もしくは第7の特定実施形態で上記したとおりである。 【0109】 ある特定の実施形態において、Yは、-H、-SO_(3)M、-OH、-OMe、-OEt、または-NHOHから選択され、式中、Mは、-H、Na^(+)、またはK^(+)であり、残りの可変要素は、第8の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Yは、-H、-SO_(3)M、または-OHである。 【0110】 第9の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、もしくは第8の特定実施形態で上記したとおりである。 【0111】 ある特定の実施形態において、X’は、-H、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、またはフェニルであり、残りの可変要素は、第9の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、X’は、-H、-OH、または-Meである。さらにより詳細には、X’は、-Hである。 【0112】 第10の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、Y’は、-H、オキソ基、(C_(1)-C_(3))アルキル、またはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、もしくは第9の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Y’は、-Hまたはオキソである。さらにより詳細には、Y’は-Hである。 【0113】 第11の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、A及びA’は、同一であるか異なっていて、-O-、-S-、-NR_(5)-、及びオキソ-(C=O)-から選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、もしくは第10の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、A及びA’は、同一であるか異なっていて、-O-及びS-から選択される。さらにより詳細には、A及びA’は-O-である。 【0114】 第12の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、R_(6)は、-OMeであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、もしくは第11の特定実施形態で上記したとおりである。 【0115】 第13の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、独立して、-H、ハロゲン、-NO_(2)、-OH、(C_(1)-C_(3-))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または(C_(1)-C_(3))アルコキシであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、もしくは第12の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hである。 【0116】 第14の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、R、R’、R’’、及びR_(5)は、それぞれ独立して、-Hまたは(C_(1)-C_(3))アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、もしくは第13の特定実施形態で上記したとおりである。 【0117】 第15の特定実施形態において、構造式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)では、NとCの間の二重線 【0118】 【化19】 ![]() 【0119】 は、単結合または二重結合を表すが、ただし、二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、かつYは-Hであり、二重線が単結合である場合には、Xは-Hであり、Yは-OHまたは-SO_(3)Mであり、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hであり、 R_(6)は、-OMeであり、 X’及びY’は、いずれも-Hであり、 A及びA’は-O-であり、 Mは、H、Na^(+)、またはK^(+)であり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、もしくは第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0120】 第16の特定実施形態において、本発明の細胞障害性化合物は、以下の式: 【0121】 【化20】 ![]() 【0122】 【化21】 ![]() 【0123】 【化22】 ![]() 【0124】 【化23】 ![]() 【0125】 【化24】 ![]() 【0126】 【化25】 ![]() 【0127】 【化26】 ![]() 【0128】 【化27】 ![]() 【0129】 【化28】 ![]() 【0130】 【化29】 ![]() 【0131】 【化30】 ![]() 【0132】 【化31】 ![]() 【0133】 【化32】 ![]() 【0134】 【化33】 ![]() 【0135】 【化34】 ![]() 【0136】 【化35】 ![]() 【0137】 またはその薬学上許容される塩から選択され、式中、 R_(100)は、-OH、-OMe、または 【0138】 【化36】 ![]() 【0139】 であり、 Yは、-H、-OH、または-SO_(3)Mであり、 Mは、薬学上許容されるカチオン(例えば、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+))であり、 Z^(s)は、-H、-SR^(d)、-C(=O)R^(d1)であるか、または上記の式(a1’)?(a15’)から選択される。 【0140】 特定の実施形態において、Z^(s)は、上記の式(a1)?(a15)から選択される。 より特定の実施形態において、Z^(s)は、式(a7)、(a8)、(a9)、及び(a15)から選択される。さらにより特定の実施形態において、Z^(s)は、式(a9)により表される。代替として、Z^(s)は、式(a7)により表される。 【0141】 別の特定の実施形態において、Z^(s)は、-Hである。 別の特定の実施形態において、Yは、-SO_(3)Mである。代替として、Yは、-OHである。 【0142】 また、本発明に包含されるのは、本明細書中に記載される任意の細胞障害性化合物または細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートの代謝産物である。 細胞障害性化合物の合成 本発明の細胞障害性化合物は、米国特許第8,765,740号及び米国特許出願公開第2012/0238731号に記載の方法に従って調製することができる。 【0143】 本発明の細胞障害性二量体化合物を調製する代表的なプロセスを実施例1?10に示す。 細胞結合剤 本発明のコンジュゲートの治療薬としての有効性は、適切な細胞結合剤を注意深く選択することによって決定される。細胞結合剤は、ペプチド及び非ペプチドをはじめ、現在知られている、またはこれから知られる任意の種類のものであってよい。一般に、細胞結合剤は、抗体(ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体など、特にモノクローナル抗体)、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、ビタミン(例えば、ビタミンの細胞表面受容体、例えば、葉酸受容体に結合することができる葉酸など)、栄養輸送分子(例えば、トランスフェリン)、または他の任意の細胞結合分子もしくは物質が可能である。 【0144】 適切な細胞結合剤の選択は、自由選択によるものであり、部分的に、標的となる予定の特定細胞集団によって決定される。しかし、多くの場合(全てではないが)、適切なヒトモノクローナル抗体が利用可能な場合には、それを選択することが好適である。例えば、モノクローナル抗体MY9は、CD33抗原に特異的に結合するマウスIgG_(1)抗体であり(J.D.Griffin et al.,Leukemia Res.,8:521(1984))、急性骨髄性白血病(AML)のように標的細胞がCD33を発現する場合に、利用可能である。 【0145】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、タンパク質ではない。例えば、ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、細胞表面受容体などのビタミン受容体と結合するビタミンであってもよい。これに関して、ビタミンAは、レチノール結合タンパク質(RBP)と結合して複合体を形成し、次いでこの複合体は、高い親和性でSTRA6受容体と結合して、ビタミンA取り込みを増加させる。別の例では、葉酸/葉酸化合物/ビタミンB9が、高い親和性で細胞表面葉酸受容体(FR)、例えば、FRαと結合する。FRαと結合する葉酸または抗体は、卵巣腫瘍及び他の腫瘍で発現する葉酸受容体を標的とするのに利用することができる。また、ビタミンD及びその類似体は、ビタミンD受容体と結合する。 【0146】 他の実施形態において、細胞結合剤は、タンパク質もしくはポリペプチドであるか、またはタンパク質もしくはポリペプチドを含む化合物であり、これには、抗体、非抗体タンパク質、またはポリペプチドが含まれる。好ましくは、タンパク質またはポリペプチドは、側鎖-NH_(2)基を有する1つまたは複数のLys残基を含む。Lys側鎖-NH_(2)基は、二官能性架橋剤と共有結合で連結することができ、次いで、二官能性架橋剤は、本発明の二量体化合物と連結することで、細胞結合剤と本発明の二量体化合物とをコンジュゲートさせることができる。各タンパク質系細胞結合剤は、二官能性架橋剤によって本発明の化合物を連結させるのに利用可能な複数のLys側鎖-NH_(2)基を含有することができる。 【0147】 1つの実施形態において、骨髄細胞と結合するリガンド/増殖因子であるGM-CSFを、急性骨髄性白血病の患部細胞に対して細胞結合剤として使用することができる。活性化T細胞と結合するIL-2は、移植片移植拒絶の予防用、移植片対宿主病の治療及び予防用、ならびに急性T細胞白血病の治療用に使用することができる。メラニン細胞と結合するMSHは、抗体に黒色腫を対象とさせることができるため、黒色腫の治療用に使用することができる。上皮増殖因子は、扁平上皮癌、例えば肺及び頭頸部を標的とするのに使用することができる。ソマトスタチンは、神経芽細胞腫及び他の型の腫瘍を標的とするのに使用することができる。エストロゲン(またはエストロゲン類似体)は、乳癌を標的とするのに使用することができる。アンドロゲン(またはアンドロゲン類似体)は、精巣を標的とするのに使用することができる。 【0148】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、コロニー刺激因子、または栄養輸送分子であってよい。 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、抗体模倣物、例えば、アンキリン反復タンパク質、センチリン(Centyrin)、またはアドネクチン/モノボディなどである。 【0149】 他の実施形態において、細胞結合剤は、抗体、一本鎖抗体、標的細胞と特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、標的細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体断片(すなわち「抗原結合部分」)、キメラ抗体、標的細胞と特異的に結合するキメラ抗体断片(すなわち「抗原結合部分」)、ドメイン抗体(例えば、sdAb)、または標的細胞と特異的に結合するドメイン抗体断片である。 【0150】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、ヒト化抗体、ヒト化一本鎖抗体、またはヒト化抗体断片(すなわち「抗原結合部分」)である。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、huMy9-6または別の関連抗体であり、この抗体は、米国特許第7,342,110号及び同第7,557,189号に記載されている。別の特定の実施形態において、ヒト化抗体は、米国仮出願第61/307,797号、同第61/346,595号、及び同第61/413,172号、ならびに米国出願第13/033,723号(US2012/0009181 A1として公開)に記載される抗葉酸受容体抗体である。これら出願の教示は全て、参照によりその全体が、本明細書中に援用される。 【0151】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、表面再構成抗体、表面再構成一本鎖抗体、表面再構成抗体断片(すなわち「抗原結合部分」)、または二重特異性抗体である。 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、ミニボディ、アビボディ(avibody)、ダイアボディ、トリボディ(tribody)、テトラボディ(tetrabody)、ナノボディ、プロボディ(probody)、ドメイン抗体、またはユニボディ(unibody)である。 【0152】 言い換えると、細胞結合剤の例として、抗体、一本鎖抗体、標的細胞と特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、標的細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体断片、キメラ抗体、標的細胞と特異的に結合するキメラ抗体断片、二重特異性抗体、ドメイン抗体、標的細胞と特異的に結合するドメイン抗体断片、インターフェロン(例えば、α、β、γ)、リンホカイン(例えば、IL-2、IL-3、IL-4、及びIL-6)、ホルモン(例えば、インシュリン、サイロトロピン放出ホルモン(TRH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、及びステロイドホルモン(例えば、アンドロゲン及びエストロゲン)など)、ビタミン(例えば、葉酸化合物)、増殖因子(例えば、EGF、TGF-α、FGF、VEGF)、コロニー刺激因子、栄養輸送分子(例えば、トランスフェリン、O’Keefe et al.(1985)J.Biol.Chem.260:932-937を参照、参照により本明細書中に援用される)、センチリン(フィブロネクチンIII型(FN3)反復の共通配列に基づく足場タンパク質、米国特許公開第2010/0255056号、同第2010/0216708号、及び同第2011/0274623を参照、参照により本明細書中に援用される)、アンキリン反復タンパク質(例えば、DARPinとして知られる設計されたアンキリン反復タンパク質、米国特許公開第2004/0132028号、同第2009/0082274号、同第2011/0118146号、及び同第2011/0224100(参照により本明細書中に援用される)を参照、また、C.Zahnd et al.,Cancer Res.(2010)70:1595-1605;Zahnd et al.,J.Biol.Chem.(2006)281(46):35167-35175、及びBinz,H.K.,Amstutz,P.&Pluckthun,A.,Nature Biotechnology(2005)23:1257-1268(参照により本明細書中に援用される)を参照)、アンキリン様反復タンパク質または合成ペプチド(例えば、米国特許公開第2007/0238667号、米国特許第7,101,675号、WO2007/147213、及びWO2007/062466を参照、参照により本明細書中に援用される)、アドネクチン(フィブロネクチンドメイン足場タンパク質、米国特許公開第2007/0082365号、同第2008/0139791号を参照、参照により本明細書中に援用される)、アビボディ(ダイアボディ、トリボディ、及びテトラボディを含む、米国出願公開第2008/0152586号及び同第2012/0171115号を参照)、二重受容体再標的指向化(DART)分子(P.A.Moore et al.,Blood,2011;117(17):4542-4551;Veri MC,et al.,Arthritis Rheum,2010 Mar 30;62(7):1933-43;Johnson S,et al.J Mol Biol,2010 Apr 9;399(3):436-49)、細胞透過性超荷電タンパク質(Methods in Enzymol.502,293-319(2012)、及び他の細胞結合分子または物質を挙げることができる。 【0153】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、標的細胞のある部分、例えば細胞表面受容体などと結合するリガンドであってもよい。例えば、リガンドは、増殖因子または増殖因子受容体と結合するその断片であってもよく、またはサイトカインまたはサイトカイン受容体と結合するその断片であってもよい。ある特定の実施形態において、増殖因子受容体またはサイトカイン受容体は、細胞表面受容体である。 【0154】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤が、抗体もしくはその抗原結合部分(抗体誘導体を含む)、またはある特定の抗体模倣物である場合、CBAは、標的細胞上のリガンド、例えば、細胞表面受容体をはじめとする細胞表面リガンドと結合することができる。 【0155】 抗原またはリガンドの具体例として、レニン、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモン)、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポタンパク質、α-1-アンチトリプシン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、濾胞刺激ホルモン、カルシトニン、黄体形成ホルモン、グルカゴン、凝固因子(例えば、vmc因子、第IX因子、組織因子、及びヴォン・ヴィレブランド因子)、抗凝固因子(例えば、プロテインC)、心房性ナトリウム利尿因子、肺表面活性物質、プラスミノーゲン活性化因子(例えば、ウロキナーゼ、ヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子)、ボンベシン、トロンビン、造血性増殖因子、腫瘍壊死因子-アルファ及びベータ、エンケファリナーゼ、RANTES(すなわち、正常T細胞の発現及び分泌の活性化を制御する物質)、ヒトマクロファージ炎症性タンパク質-1-α、血清アルブミン(ヒト血清アルブミン)、ミュラー管抑制因子、リラキシンA鎖、リラキシンB鎖、プロリラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、微生物性タンパク質(ベータ-ラクタマーゼ)、DNA分解酵素、IgE、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(例えば、CTLA-4)、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ホルモンまたは増殖因子の受容体、プロテインAまたはD、リウマチ因子、神経栄養因子(例えば、骨由来神経栄養因子、ニューロトロフィン-3、-4、-5、または-6)または神経成長因子(例えば、NGF-β)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(例えば、aFGF及びbFGF)、線維芽細胞増殖因子受容体2、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子(例えば、TGF-α、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、及びTGF-β5)、インスリン様増殖因子I及びII、des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様増殖因子結合タンパク質、メラノトランスフェリン、EpCAM、GD3、FLT3、PSMA、PSCA、MUC1、MUC16、STEAP、CEA、TENB2、EphA受容体、EphB受容体、葉酸受容体、FOLR1、メソテリン、クリプト、アルファ_(v)ベータ_(6)、インテグリン、VEGF、VEGFR、EGFR、トランスフェリン受容体、IRTA1、IRTA2、IRTA3、IRTA4、IRTA5、CDタンパク質(例えば、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD14、CD19、CD20、CD21、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD36、CD37、CD38、CD40、CD44、CD52、CD55、CD56、CD59、CD70、CD79、CD80、CD81、CD103、CD105、CD123、CD134、CD137、CD138、及びCD152)、1種または複数の腫瘍関連抗原または細胞表面受容体(米国公開第2008/0171040号または米国公開第2008/0305044号を参照、そのまま全体が参照として援用される)、エリスロポエチン、骨誘導因子、免疫毒素、骨形成タンパク質、インターフェロン(例えば、インターフェロン-アルファ、-ベータ、及びガンマ)、コロニー刺激因子(例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF)、インターロイキン(例えば、IL-1?IL-10)、スーパーオキシドジスムターゼ、T細胞受容体、表面膜タンパク質、崩壊促進因子、ウイルス抗原(例えば、HIVの外被の一部)、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、インテグリン(例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、及びVCAM)、腫瘍関連抗原(例えば、HER2、HER3、及びHER4受容体)、エンドグリン、c-Met、c-kit、1GF1R、PSGR、NGEP、PSMA、PSCA、TMEFF2、LGR5、B7H4、ならびに前述のポリペプチドのいずれかの断片を挙げることができる。 【0156】 本明細書中で使用される場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン(Ig)分子を含む。ある特定の実施形態において、抗体は、ジスルフィド結合により相互接続した4本のポリペプチド鎖、すなわち2本の重鎖(HC)及び2本の軽鎖(LC)を含む全長抗体である。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVRまたはVH)及び重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(LCVRまたはVL)及び軽鎖定常領域からなり、軽鎖定常領域は1つのドメインCLからなる。VH領域及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性領域にさらに細分化することができる。そのような領域が散在しているのは、より保存性の高いフレームワーク領域(FR)である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRで構成され、それらは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって次の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配列されている。 【0157】 ある特定の実施形態において、抗体は、IgG、IgA、IgE、IgD、またはIgMである。ある特定の実施形態において、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4であるか、またはIgA1もしくはIgA2である。 【0158】 ある特定の実施形態において、細胞結合剤は、モノクローナル抗体の「抗原結合部分」であり、この部分は、抗体と、抗原結合に不可欠な配列を共有している(例えば、米国特許第7,342,110号及び同第7,557,189号に記載のhuMy9-6またはその関連抗体、これらは参照により本明細書中に援用される)。 【0159】 本明細書中で使用される場合、抗体の「抗原結合部分」(場合によっては、同義で、「抗体断片」とも呼ぶ)という用語は、抗原と特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つまたは複数の断片を含む。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のある特定の断片によって発揮可能であることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例として、以下(i)Fab断片、すなわち、VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価断片(例えば、抗体をパパインで消化すると3つの断片、すなわち2つの抗原結合Fab断片、及び抗原に結合しない1つのFc断片が得られる:)、(ii)F(ab’)_(2)断片、すなわちヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片(例えば、抗体をペプシンで消化すると2つの断片、すなわち二価の抗原結合F(ab’)_(2)断片、及び抗原に結合しないpFc’断片が得られる)ならびにその関連F(ab’)一価単位、(iii)VHドメイン及びCH1ドメインからなるFd断片(すなわち、Fabに含まれる重鎖の部分)、(iv)抗体の単一のアームのVLドメイン及びVHドメインからなるFv断片ならびに関連するジスルフィド連結したFv、(v)dAb(ドメイン抗体)またはsdAb(単一ドメイン抗体)断片(Ward et al.,Nature 341:544-546,1989)(この断片は、VHドメインからなる)、ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる(これらに限定されない)。ある特定の実施形態において、抗原結合部分は、sdAb(単一ドメイン抗体)である。 【0160】 ある特定の実施形態において、抗原結合部分はまた、ある特定の操作された誘導体または組換え誘導体(または「誘導体抗体」)も含む。この誘導体も、抗原と特異的に結合する能力を保持した、抗体の1つまたは複数の断片を含むものであるが、それだけでなく、天然に存在する抗体では見出され得ない要素または配列を含む。 【0161】 例えば、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別個の遺伝子によりコードされるが、標準的な組換え方法を用いて、それらを一本のタンパク質鎖とすることが可能な合成リンカーにより1つにすることができ、そのタンパク質鎖においてVL領域及びVH領域は対になって一価分子を形成することができる(一本鎖Fv(scFv)として知られる、例えば、Bird et al.Science 242:423-426,1988、及びHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883,1988を参照)。 【0162】 本明細書中に記載される全ての実施形態において、scFvのN末端は、VHドメイン(すなわち、N-VH-VL-C)であっても、VLドメイン(すなわち、N-VL-VH-C)であってもよい。 【0163】 二価(または二価)一本鎖可変断片(ジ-scFv、ビ-scFv)は、2つのscFvを連結させることにより操作することができる。これにより、2つのVH領域及び2つのVL領域を有する単一のペプチド鎖が生成されて、タンデムscFvs(tascFv)をもたらす。より多いタンデム反復、例えばトリ-scFvは、3つ以上のscFvをヘッドトゥテール様式で連結することにより、同様に生成することができる。 【0164】 ある特定の実施形態において、scFvは、2つの可変領域が折りたたまれて一緒になるには短すぎる(約5つのアミノ酸)リンカーペプチドを介して連結させることにより、scFvが二量体化させて、ダイアボディを形成させてもよい(例えば、Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448,1993;Poljak et al.,Structure 2:1121-1123,1994を参照)。ダイアボディは、二重特異性であっても一重特異性であってもよい。ダイアボディは、対応するscFvより最大で40倍低い解離定数を有する、すなわち、標的に対してさらにより高い親和性を有することが示されている。 【0165】 さらに短いリンカー(1つまたは2つのアミノ酸)によって、三量体、いわゆるトリアボディまたはトリボディが形成される。テトラボディもまた、同様に生成されている。これらは、標的に対して、ダイアボディよりもさらに高い親和性を示す。ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディは、併せて、「AVIBODY(商標)」細胞結合剤(または簡単に「AVIBODY」)と呼ばれることもある。すなわち、2つ、3つ、または4つの標的結合領域(TBR)を有するAVIBODYは、一般に、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディとして知られる。例えば、詳細については米国公開第2008/0152586号及び同第2012/0171115号を参照されたい。これらの全教示は、参照により本明細書中に援用される。 【0166】 これらの形式の全てが、2種以上の異なる抗原に対する特異性をもつ可変性断片から構成することが可能であり、そのような場合、それらは、二重または多重特異性抗体の種類のものである。例えば、ある特定の二重特異性タンデムジ-scFv、は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)として知られる。 【0167】 ある特定の実施形態において、タンデムscFvまたはダイアボディ/トリアボディ/テトラボディの各scFvは、同一のまたは異なる結合特性を有してもよく、また、それぞれ独立して、N末端VHを有してもN末端VLを有してもよい。 【0168】 また、一本鎖Fv(scFv)はまた、ヒトIgGFc部分などのFc部分と融合して、IgG様性質を有することができるが、それでもなお、それらは単一の遺伝子によりコードされたままである。そのようなscFv-Fcタンパク質を哺乳類で一時的に産生することにより、容易にミリグラム量をもたらすことができるため、この誘導体抗体形式は、多くの研究用途に特に適している。 【0169】 Fcabは、抗体のFc定常領域から操作された抗体断片である。Fcabは、可溶性タンパク質として発現することができるか、またはFcabは、操作してIgGなどの全長抗体に戻すことにより、mAb2を作製することができる。mAb2は、正常Fc領域の代わりにFcabを有する全長抗体である。これらの追加結合部位を用いて、mAb2二重特異性モノクローナル抗体は、同時に異なる2つの標的と結合することができる。 【0170】 ある特定の実施形態において、操作された抗体誘導体では、機能には必須ではないと考えられるドメインを除去することにより生成された抗原結合Ig由来組換えタンパク質の大きさが縮小している(全長mAbの「小型化」)。その最も好適な例の1つは、SMIPである。 【0171】 小モジュール式免疫薬剤、すなわちSMIPは、主に抗体部分(免疫グロブリン)から構築された人造タンパク質であり、医薬品としての使用を対象とするものである。SMIPは、抗体と同様の生物学的半減期を有するが、抗体よりも小さく、したがって、より良い組織透過性質を有し得る。SMIPは、1つの結合領域、コネクターとしての1つのヒンジ領域、及び1つのエフェクタードメインを含む一本鎖タンパク質である。結合領域は、修飾された一本鎖可変断片(scFv)を含み、タンパク質の残りの部分は、抗体のFc(CH2、及びエフェクタードメインとしてのCH3など)、及びヒンジ領域、例えばIgG1から構築することができる。遺伝子修飾された細胞は、実際の抗体より約30%小さいSMIPを抗体様二量体として産生する。 【0172】 そのように操作された小型化抗体の別の例は、「ユニボディ」であり、ユニボディでは、ヒンジ領域がIgG4分子から取り除かれている。IgG4分子は、不安定であり、軽鎖重鎖ヘテロ二量体を互いに交換することができる。ヒンジ領域の削除により、重鎖重鎖対形成が完全に阻止され、Fc領域が保持されてin vivoでの安定性及び半減期が確保されながら、高度に特異的な一価軽鎖/重鎖ヘテロ二量体が残される。 【0173】 単一ドメイン抗体(Ablynxによりナノボディと呼ばれるものが挙げられるが、これらに限定されないsdAb)は、単一の単量体可変抗体ドメインからなる抗体断片である。単一ドメイン抗体は、全抗体と同様、特定の抗原に選択的に結合することが可能であるが、その分子量がわずか12?15kDaであるため、さらにより小さい。ある特定の実施形態において、単一ドメイン抗体は、重鎖抗体(hcIgG)から操作されたものである。第1のそのようなsdAbは、ラクダで見出されたhcIgGに基づき操作されたもので、V_(H)H断片と呼ばれる。ある特定の実施形態において、単一ドメイン抗体は、V_(NAR)断片を用いて、IgNAR(「免疫グロブリン新規抗原受容体」、以下を参照)から操作されたものである。軟骨魚類(サメなど)は、そのような重鎖IgNAR抗体を有する。ある特定の実施形態においてsdAbは、共通免疫グロブリンG(IgG)の二量体可変ドメイン、例えばヒトまたはマウス由来のものを、単量体へと分割することにより操作されたものである。ある特定の実施形態において、ナノボディは、重鎖可変ドメインに由来する。ある特定の実施形態において、ナノボディは、軽鎖可変ドメインに由来する。ある特定の実施形態において、sdAbは、標的抗原に対する結合剤について、単一ドメイン重鎖配列(例えば、ヒト単一ドメインHC)のライブラリーをスクリーニングすることにより得られる。 【0174】 単一可変新規抗原受容体ドメイン抗体断片(V_(NAR)、またはV_(NAR)ドメイン)は、軟骨魚類(例えば、サメ)免疫グロブリン新規抗原受容体抗体(IgNAR)に由来する。既知の免疫グロブリン系足場タンパク質の中でもっとも小さなものの1つであることから、そのような単一ドメインタンパク質は、望ましい大きさ及び潜在的なエピトープを認識する性質を示す。成熟IgNAR抗体は、1つの可変新規抗原受容体(V_(NAR))ドメイン及び5つの定常新規抗原受容体(C_(NAR))ドメインのホモ二量体からなる。この分子は安定性が高く、効率的な結合特性をもつ。その固有の安定性は、(i)マウス抗体で見出されれる従来の抗体VHドメイン及びVLドメインと比較して相当数の荷電した親水性表面露出残基を提供する基礎のIg足場、ならびに(ii)ループ間ジスルフィド架橋及びループ内水素結合のパターンを含む、相補性決定領域(CDR)ループ中の構造的な安定化特性の両方に起因する可能性が高い。 【0175】 ミニボディは、CHドメイン、例えば、CH3γ1(IgG1のCH3ドメイン)またはCH4ε(IgEのCH4ドメイン)と連結したscFvを含む操作された抗体断片である。例えば、癌胎児性抗原(CEA)に特異的なscFvをCH3γ1に連結させて、ミニボディを作製する。このミニボディはすでに、in vivoでの急速クリアランスに加え、優れた腫瘍標的指向性を有することが実証されている(Hu et al.,Cancer Res.56:3055-3061,1996)。scFvは、N末端VHまたはVLを有してもよい。連結は、非共有結合性の無ヒンジミニボディをもたらす短いペプチド(例えば、ValGluなど2つのアミノ酸のリンカー)であってもよい。代替として、連結は、共有結合性のヒンジミニボディを生成するIgG1ヒンジ及びGlySerリンカーペプチドであってもよい。 【0176】 天然の抗体は、単一特異性であるが、2つの同一の抗原結合ドメインを発現する点で、二価である。対照的に、ある特定の実施形態において、ある特定の操作された抗体誘導体は、2つ以上の異なる抗原結合ドメインを有する二重特異性分子または多重特異性分子であり、抗原結合ドメインはそれぞれ異なる標的特異性を有する。二重特異性抗体は、それぞれ異なる特異性をもつ2つの抗体産生細胞を融合させることにより生成することができる。これらの「クアドローマ」は、2本の別個の軽鎖及び2本の別個の重鎖が、クアドローマ中の多様な配置で自由に組換えを行うことから、複数の分子種を産生した。それ以来、二重特異性Fab、scFv、及びフルサイズmAbは、様々な技術を用いて産生されてきた(上記参照)。 【0177】 二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)タンパク質は、2つの抗原/エピトープを同時に標的とする二重特異性IgGの1種である(DiGiammarino et al.,Methods Mol Biol.899:145-56,2012)。この分子は、従来のIgGと同様な配置でFc領域及び定常領域を含有する。しかしながら、DVD-Igタンパク質は、分子の各アームが、2つの可変ドメイン(VD)を含有する点で、独特である。アームの中のVDは、タンデムで連結されており、異なる結合特異性をもつことが可能である。 【0178】 三重特異性抗体誘導体分子もまた、例えば、2つの異なるFab及び1つのFcを有する二重特異性抗体を発現させることにより、産生させることができる。1つの例は、BiUIIと呼ばれる、マウスIgG2a抗Ep-CAM、ラットIgG2b抗CD3クアドローマであり、これは、Ep-CAM発現腫瘍細胞、CD3発現T細胞、及びFCγRI発現マクロファージの共存を可能にし、したがって免疫細胞の同時刺激及び抗腫瘍機能を増強すると考えられる。 【0179】 プロボディは、健康な組織中では不活性な状態であるあるが、特に疾患微小環境で活性化する(例えば、疾患微小環境に豊富なまたは特異的なプロテアーゼによるプロテアーゼ切断によって)完全な組換えのマスクされたモノクローナル抗体である。Desnoyers et al.,Sci Transl Med5:207ra144,2013を参照。同様なマスキング技法を、本明細書中に記載される任意の抗体またはその抗原結合部分に使用することができる。 【0180】 イントラボディは、細胞内で活動して細胞内抗原に結合するために、細胞内に局在するよう修飾されている抗体である。イントラボディは、細胞質にとどまっていてもよく、または核局在化シグナルを有していてもよく、またはER標的指向化のためのKDEL配列を有していてもよい。イントラボディは、一本鎖抗体(scFv)であってもよく、超安定性をもつ修飾された免疫グロブリンVLドメインであってもよく、より還元性の高い細胞内環境に対して耐性のある選択された抗体であってもよく、またはマルトース結合タンパク質もしくは他の安定細胞内タンパク質との融合タンパク質として発現されてもよい。そのような最適化は、イントラボディの安定性及び構造を改善しているものであり、本明細書中に記載される任意の抗体またはその抗原結合部分に対して概して応用可能である。 【0181】 本発明の抗原結合部分または誘導体抗体は、それらの由来元/操作元である抗体と比較して、実質的に同じまたは同一の(1)軽鎖及び/もしくは重鎖CDR3領域、(2)軽鎖及び/もしくは重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3領域、または(3)軽鎖及び/もしくは重鎖領域を有してもよい。これらの領域内の配列には、保存的アミノ酸置換が含有されていてもよく、そのような置換として、CDR領域内の置換が挙げられる。ある特定の実施形態において、1、2、3、4、または5つ以下の保存的置換が存在する。代替として、抗原結合部分または誘導体抗体は、それらの由来元/操作元である抗体と少なくとも約90%、95%、99%、または100%同一である軽鎖領域及び/または重鎖領域を有する。これらの抗原結合部分または誘導体抗体は、抗体と比較して、標的抗原に対して実質的に同じ結合特異性及び/または親和性を有する場合がある。ある特定の実施形態において、抗原結合部分または誘導体抗体のK_(d)及び/またはk_(off)値は、本明細書中に記載される抗体の、10倍(高いまたは低い)、5倍(高いまたは低い)、3倍(高いまたは低い)、または2倍(高いまたは低い)の範囲内のものである。 【0182】 ある特定の実施形態において、抗原結合部分または誘導体抗体は、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体に由来/から操作されてもよく、当該分野で認識された任意の方法に従って産生されてよい。 【0183】 モノクローナル抗体技法によって、特異的モノクローナル抗体の形で非常に特異的な細胞結合剤を生成することができる。当該分野で特によく知られているのは、マウス、ラット、ハムスター、または他の任意の動物を、目的の抗原、例えば無傷の標的細胞、標的細胞から単離した抗原、全ウイルス、弱毒化全ウイルス、及びウイルスコートタンパク質などのウイルスタンパク質などで免疫化することにより産生されるモノクローナル抗体を作製する技法である。感作されたヒト細胞も使用することができる。モノクローナル抗体を作製する別の方法は、scFv(一本鎖可変領域)、特にヒトscFvのファージライブラリの使用である(例えば、Griffiths et al.,米国特許第5,885,793号及び同第5,969,108号、McCafferty et al.,WO92/01047、Liming et al.,WO99/06587を参照)。また、米国特許第5,639,641号に開示される表明再構成抗体もまた、キメラ抗体及びヒト化抗体として使用することができる。 【0184】 また、細胞結合剤は、ファージディスプレイ(例えば、Wang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2011)108(17),6909-6914を参照)またはペプチドライブラリ技法(例えば、Dane et al.,Mol.Cancer.Ther.(2009)8(5):1312-1318を参照)に由来するペプチドであってもよい。 【0185】 ある特定の実施形態において、本発明のCBAは、抗体模倣物、例えば、DARPin、アフィボディ、アフィリン、アフィチン(affitin)、アンチカリン、アビマー、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ、またはナノフィチン(nanofitin)なども含む。 【0186】 本明細書中で使用される場合、「DARPin」及び「(設計された)アンキリン反復タンパク質」という用語は、同義で使用され、優先的(場合によっては特異的)標的結合を典型的に示す遺伝子操作されたある特定の抗体模倣タンパク質を指す。標的は、タンパク質、炭水化物、または他の化学成分でもよく、結合親和性は、かなり高い可能性がある。DARPinは、天然のアンキリン反復含有タンパク質に由来するものでもよく、好ましくは、これらタンパク質の少なくとも3つ、通常は4つまたは5つのアンキリン反復モチーフ(典型的には、各アンキリン反復モチーフに33の残基がある)からなる。ある特定の実施形態において、DARPinは、約4または5反復を含有し、それぞれ、約14または18kDaの分子量を有する場合がある。ピコモル親和性及び特異性で所望の標的と結合する(例えば、受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、インバースアゴニスト、酵素阻害剤、または単純標的タンパク質結合剤として作用する)DARPinを選択する際に使用する目的で、リボソームディスプレイまたはシグナル認識粒子(SRP)ファージディスプレイなど様々な技法を用いて、10^(12)を超える変異体の多様性を有する標的候補との相互作用残基がランダム化されたDARPinのライブラリーをDNAレベルで作成することができる。例えば、DARPin調製については、米国特許公開第2004/0132028号、同第2009/0082274号、同第2011/0118146号、及び同第2011/0224100、WO02/20565、及びWO06/083275(これらの全教示は、参照により本明細書中に援用される)、またC. Zahnd et al.(2010)Cancer Res.,70:1595-1605; Zahnd et al.(2006)J.Biol.Chem.,281(46):35167-35175、及びBinz,H.K.,Amstutz,P.&Pluckthun,A.(2005)Nature Biotechnology,23:1257-1268(全てが参照により本明細書中に援用される)を参照。また、関連するアンキリン様反復タンパク質または合成ペプチドについて、米国特許公開第2007/0238667号、米国特許第7,101,675号、WO2007/147213、及びWO2007/062466を参照(これらの全教示は、参照により本明細書中に援用される)。 【0187】 アフィボディ分子は、多数の標的タンパク質またはペプチドに高い親和性で結合し、したがってモノクローナル抗体を模倣するように操作された小タンパク質である。アフィボディは、58のアミノ酸を有する3本のアルファ螺旋からなり、分子量が約6kDaである。アフィボディは、高温(90℃)または酸性及びアルカリ性条件(pH2.5もしくはpH11)に耐えることが示されており、サブナノモル範囲まで低下した親和性をもつ結合剤はナイーブライブラリー選択から得られており、またピコモル親和性をもつ結合剤は、親和性成熟後に得られている。ある特定の実施形態において、アフィボディは、標的と共有結合するために、弱い求電子剤とコンジュゲートしている。 【0188】 モノボディ(アドネクチン(Adnectin)としても知られる)は、抗原と結合することができる遺伝子操作された抗体模倣タンパク質である。ある特定の実施形態において、モノボディは、94のアミノ酸からなり、分子量が約10kDaである。モノボディは、ヒトフィブロネクチン、より詳細にはヒトフィブロネクチンの10番目の細胞外III型ドメインの構造に基づいており、このドメインは、抗体可変ドメインと同様な構造を有しており、バレルを形成する7つのベータシートを有し、かつ3つの相補性決定領域に対応して各側に3つの露出したループを有する。BCループ(第2ベータシートと第3ベータシートとの間)及びFGループ(第6ベータシートと第7ベータシートとの間)を修飾することにより、様々なタンパク質に対する特異性をもつモノボディを調整することができる。 【0189】 トリボディは、マウス及びヒトの軟骨基質タンパク質(CMP)のC末端コイルドコイル領域に基づいて設計された自己集合化抗体模倣物であり、自己集合して平行三量体複合体になる。トリボディは、特定の標的結合部分とCMP由来の三量体化ドメインとを融合させることにより作製された高度に安定な三量体標的指向リガンドである。得られる融合タンパク質は、効率的に自己集合して、明確に定義された高い安定性の平行ホモ三量体になることができる。三量体標的指向リガンドの表面プラズモン共鳴(SPR)分析から、対応する単量体と比較して標的結合強度が顕著に向上していることが実証された。細胞結合試験から、そのようなトリボディは、それらの受容体それぞれに対して優れた結合強度を有することが確認された。 【0190】 センチリンは、コンセンサスFN3ドメイン配列のフレームワークに構築されたライブラリーを使用して得ることができる別の抗体模倣物である(Diem et al.,Protein Eng Des Sel.,2014)。このライブラリーは、FN3ドメインのC鎖、CDループ、F鎖、及びFGループ内の様々な位置を利用し、高親和性センチリン変異体を特定の標的に対して選択することができる。 【0191】 1つの実施形態において、細胞結合剤は、抗葉酸受容体抗体である。より詳細には、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1(葉酸受容体アルファ(FR-α)としても知られる)と特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片である。「ヒト葉酸受容体1」、「FOLR1」、または「葉酸受容体アルファ(FR-α)」という用語は、本明細書中で使用される場合、別途特に記載がない限り、任意の天然のヒトFOLR1を指す。すなわち、これらの用語全てが、本明細書中で示されるタンパク質または核酸配列いずれかを指すことができる。「FOLR1」という用語は、「全長」未処理FOLR1、及び細胞内でのプロセシングにより得られた任意の形態のFOLR1を包含する。FOLR1抗体は、(a)GYFMN(配列番号1)を含む重鎖CDR1、RIHPYDGDTFYNQXaa_(1)FXaa_(2)Xaa_(3)(配列番号2)を含む重鎖CDR2、及びYDGSRAMDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3、ならびに(b)KASQSVSFAGTSLMH(配列番号4)を含む軽鎖CDR1、RASNLEA(配列番号5)を含む軽鎖CDR2、及びQQSREYPYT(配列番号6)を含む軽鎖CDR3(式中、Xaa_(1)は、K、Q、H、及びRから選択され、Xaa_(2)は、Q、H、N、及びRから選択され、Xaa_(3)は、G、E、T、S、A、及びVから選択される)を含む。好ましくは、重鎖CDR2配列は、RIHPYDGDTFYNQKFQG(配列番号7)を含む。 【0192】 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1と特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であり、以下のアミノ酸配列 【0193】 【化37】 ![]() 【0194】 を有する重鎖を含む。 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、2010年4月7日付でATCCに寄託された、ATCC寄託番号PTA-10772及びPTA-10773または10774を有するプラスミドDNAによりコードされるヒト化抗体またはその抗原結合断片である。 【0195】 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1と特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であり、以下のアミノ酸配列: 【0196】 【化38】 ![]() 【0197】 または 【0198】 【化39】 ![]() 【0199】 を有する軽鎖を含む。 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1と特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であり、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖、及び配列番号9または配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。好ましくは、抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖及び配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む(huFOLR1)。 【0200】 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、2010年4月7日付でATCCに寄託された、ATCC寄託番号PTA-10772及びPTA-10773または10774を有するプラスミドDNAによりコードされるヒト化抗体またはその抗原結合断片である。 【0201】 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1と特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であり、 QVQLVQSGAEVVKPGASVKISCKASGYTFTGYFMNWVKQSPGQSLEWIGRIHPYDGDTFYNQKFQGKATLTVDKSSNTAHMELLSLTSEDFAVYYCTRYDGSRAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号11)と少なくとも約90%、95%、99%、または100%同一である重鎖可変ドメイン、及び DIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLNISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKR(配列番号12)、または DIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLTISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKR(配列番号13)と少なくとも約90%、95%、99%、または100%同一である軽鎖可変ドメインを含む。 【0202】 別の実施形態において、抗葉酸受容体抗体は、huMov19またはM9346Aである(例えば、米国特許第8,709,432号、米国特許第8,557,966号、及びWO2011106528を参照、参照により全て本明細書中に援用される)。 【0203】 別の実施形態において、細胞結合剤は、抗EGFR抗体またはその抗体断片である。1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、例えば、WO2012058592(参照により本明細書中に援用される)に記載される抗体をはじめとする非アンタゴニスト抗体である。別の実施形態において、抗EGFR抗体は、非機能性抗体、例えば、ヒト化ML66またはEGFR-8である。より詳細には、抗EGFR抗体は、huML66である。 【0204】 さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号14のアミノ酸配列を有する重鎖、及び配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。本明細書中で使用される場合、二重線を引いた配列は、重鎖配列または軽鎖配列の可変領域(すなわち、重鎖可変領域すなわちHCVR、及び軽鎖可変領域すなわちLCVR)を表し、太字の配列は、CDR領域(すなわち、重鎖または軽鎖配列のN末端からC末端に向かって、それぞれ、CDR1、CDR2、及びCDR3)を表す。 【0205】 【表1-1】 ![]() 【0206】 さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号14の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号15の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくは、EGFRと特異的に結合する。 【0207】 さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号14と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号15と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはEGFRと特異的に結合する。 【0208】 別の実施形態において、抗EGFR抗体は、8,790,649及びWO2012/058588に記載される抗体であり、これらは参照により援用される。1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、huEGFR-7R抗体である。 【0209】 1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、 【0210】 【化40】 ![]() 【0211】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び 【0212】 【化41】 ![]() 【0213】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域、または 【0214】 【化42】 ![]() 【0215】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び配列番号17に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 【0216】 別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び配列番号18に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 【0217】 さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号16の重鎖CDR1-CDR3及び/または、配列番号17または18の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはEGFRと特異的に結合する。 【0218】 さらに別の実施形態において、抗EGFR抗体は、配列番号16と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号17または18と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはEGFRと特異的に結合する。 【0219】 別の実施形態において、細胞結合剤は、抗CD19抗体、例えば米国特許第8,435,528号及びWO2004/103272(参照により援用される)に記載されるものなどである。1つの実施形態において、抗CD19抗体は、 【0220】 【化43】 ![]() 【0221】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び 【0222】 【化44】 ![]() 【0223】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 別の実施形態において、抗CD19抗体は、huB4抗体である。 さらに別の実施形態において、抗CD19抗体は、配列番号19の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号20の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはCD19と特異的に結合する。 【0224】 さらに別の実施形態において、抗CD19抗体は、配列番号19と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号20と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはCD19と特異的に結合する。 【0225】 さらに別の実施形態において、細胞結合剤は、抗Muc1抗体、例えば米国特許第7,834,155号、WO2005/009369、及びWO2007/024222(参照により本明細書中に援用される)に記載されるものなどである。1つの実施形態において、抗Muc1抗体は、 【0226】 【化45】 ![]() 【0227】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び 【0228】 【化46】 ![]() 【0229】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 別の実施形態において、抗Muc1抗体は、huDS6抗体である。 さらに別の実施形態において、抗Muc1抗体は、配列番号21の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号22の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはMuc1と特異的に結合する。 【0230】 さらに別の実施形態において、抗Muc1抗体は、配列番号21と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号22と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはMuc1と特異的に結合する。 【0231】 別の実施形態において、細胞結合剤は、抗CD33抗体またはその断片、例えば米国特許第7,557,189号、同第7,342,110号、同第8,119,787号、及び同第8,337,855号、ならびにWO2004/043344(参照により本明細書中に援用される)に記載される抗体またはその断片などである。別の実施形態において、抗CD33抗体は、huMy9-6抗体である。 【0232】 1つの実施形態において、抗CD33抗体は、 【0233】 【化47】 ![]() 【0234】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、及び以下 【0235】 【化48】 ![]() 【0236】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域を含む。 さらに別の実施形態において、抗CD33抗体は、配列番号23の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号24の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはCD33と特異的に結合する。 【0237】 さらに別の実施形態において、抗CD33抗体は、配列番号23と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号24と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはCD33と特異的に結合する。 【0238】 別の実施形態において、細胞結合剤は、抗CD37抗体またはその断片、例えば米国特許第8,765,917号及びWO2011/112978(参照により本明細書中に援用される)に記載される抗体またはその抗体断片などである。1つの実施形態において、抗CD37抗体は、huCD37-3抗体である。 【0239】 1つの実施形態において、抗CD37抗体は、 【0240】 【化49】 ![]() 【0241】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域、及び 【0242】 【化50】 ![]() 【0243】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域、または 【0244】 【化51】 ![]() 【0245】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域を含む。 別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域、及び配列番号26に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域を含む。 【0246】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域、及び配列番号27に記載のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域を含む。 【0247】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号26または27の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号25の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはCD37と特異的に結合する。 【0248】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号26または27と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号25と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはCD37と特異的に結合する。 【0249】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、 【0250】 【化52】 ![]() 【0251】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖領域、及び 【0252】 【化53】 ![]() 【0253】 のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖領域を含む。 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号29の重鎖CDR1-CDR3、及び/または配列番号28の軽鎖CDR1-CDR3を含み、好ましくはCD37と特異的に結合する。 【0254】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、配列番号29と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である重鎖可変領域(HCVR)配列、及び/または配列番号28と少なくとも約90%、95%、97%、99%、または100%同一である軽鎖可変領域(LCVR)配列を含み、好ましくはCD37と特異的に結合する。 【0255】 さらに別の実施形態において、抗CD37抗体は、huCD37-50抗体である。 細胞結合剤薬物コンジュゲート 本発明はまた、様々なリンカーを介して1つまたは複数の本発明の細胞障害性化合物と連結した細胞結合剤を含む、細胞結合剤薬物コンジュゲートも提供し、リンカーとしてジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、アミド結合リンカー、ペプチダーゼ不安定性リンカー、酸不安定性リンカー、エステラーゼ不安定性リンカーが挙げられるが、これらに限定されない。 【0256】 第2の実施形態において、本発明は、細胞障害性化合物及び細胞結合剤(CBA)以下を含むコンジュゲートを提供する。この細胞障害性化合物は、CBAと共有結合で連結しており、かつ構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、または(VI’)(式中、可変要素は上記のるとおりである)で表される。 【0257】 ある特定の実施形態において、細胞障害性化合物は、構造式(I’)またはその薬学上許容される塩で表される。 ある特定の実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、L’、L’’、及びL’’’のうち1つは、式(A’): -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J’(A’)、 で表され、その他のは、-H、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、または-NO_(2)である。詳細には、L’、L’’、及びL’’’のうち1つは、式(A’)で表され、その他は-Hである。 【0258】 第1の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、L’は、式(A’)により表され、L’’及びL’’’は、いずれも-Hであり、残りの可変要素は、第1の実施形態で上記したとおりである。 【0259】 第2の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、R_(x)は、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qで随意に置換される、炭素原子を1?6個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1の特定実施形態で上記したとおりである。 【0260】 ある特定の実施形態において、Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、またはその薬学上許容される塩、あるいは、ii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)もしくは-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンであり、残りの可変要素は、第2の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である。 【0261】 第3の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、J’は、CBAと共有結合で連結した部分を含み、かつ-NR^(c1)または-C(=O)-であり、式中、R^(c1)は、-Hであるか、またはハロゲン、-OH、もしくは(C_(1)-C_(3))アルコキシで随意に置換される、炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1もしくは第2の特定実施形態で上記したとおりである。 【0262】 ある特定の実施形態において、J’は、-C(=O)-であり、残りの可変要素は、第3の特定実施形態で上記したとおりである。 第4の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J’(B1’)、 -NR_(5)-P-C(=O)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J’(B2’)、 -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J’(C1’)、または -C(=O)-P-NR_(5)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J’(C2’)、 により表され、式中、 J’は、-C(=O)-であり、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 m’は、0であるか、または1?6の整数であり、 Cyは、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、またはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルで随意に置換される、環炭素原子を5または6個有する環状アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態、または第1、第2もしくは第3の特定実施形態で上記したとおりである。 【0263】 ある特定の実施形態において、R_(a)及びR_(b)は、いずれもHであり、式(B2’)及び(C2’)では、Cyは、シクロヘキサンであり、R_(5)は、HまたはMeであり、残りの可変要素は、第4の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、式(B2’)及び(C2’)のm’は、0または1である。 【0264】 第5の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s1)(B3’)、または -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s1)(C3’)、 により表され、式中、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 Z^(s1)は、以下の式: 【0265】 【化54】 ![]() 【0266】 のいずれか1つから選択され、式中、 qは、1?5の整数であり、 n’は、2?6の整数であり、 Uは、-HまたはSO_(3)Mであり、 Mは、薬学上許容されるカチオン(例えば、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+))であり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、もしくは第4の特定実施形態で上記したとおりである。 【0267】 ある特定の実施形態において、荷電置換基またはイオン化可能な基Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、またはその薬学上許容される塩、あるいは、ii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)もしくは-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンであり、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である。 【0268】 ある特定の実施形態において、R_(a)及びR_(b)は、いずれも-Hであり、R_(5)は、HまたはMeであり、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。 ある特定の実施形態において、-(CR_(a)R_(b))_(m)-は、-(CH_(2))_(m’’)-C(Me_(2))-であり、m’’は、1?5の整数であり、残りの可変要素は、第5の特定実施形態で上記したとおりである。 【0269】 第6の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、Pは、2?10のアミノ酸残基を含有するペプチドであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、もしくは第5の特定実施形態で上記したとおりである。 【0270】 ある特定の実施形態において、Pは、2?5のアミノ酸残基を含有するペプチドであり、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 ある特定の実施形態において、Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Val-Ala、Val-Cit、Val-Lys、Phe-Lys、Lys-Lys、Ala-Lys、Phe-Cit、Leu-Cit、Lle-Cit、Trp、Cit、Phe-Ala、Phe-N^(9)-トシル-Arg、Phe-N^(9)-ニトロ-Arg、Phe-Phe-Lys、D-Phe-Phe-Lys、Gly-Phe-Lys、Leu-Ala-Leu、Ile-Ala-Leu、Val-Ala-Val、Ala-Leu-Ala-Leu、β-Ala-Leu-Ala-Leu及びGly-Phe-Leu-Gly、Val-Arg、Arg-Val、Arg-Arg、Val-D-Cit、Val-D-Lys、Val-D-Arg、D-Val-Cit、D-Val-Lys、D-Val-Arg、D-Val-D-Cit、D-Val-D-Lys、D-Val-D-Arg、D-Arg-D-Arg、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、D-Ala-D-Ala、Ala-Met、Met-Alaから選択され、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0271】 ある特定の実施形態において、Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、及びD-Ala-D-Alaであり、残りの可変要素は、第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0272】 第7の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI)について、NとCの間の二重線 【0273】 【化55】 ![]() 【0274】 は、二重結合を表し、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、もしくは第6の特定実施形態で上記したとおりである。 第8の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、NとCの間の二重線 【0275】 【化56】 ![]() 【0276】 は、単結合を表し、Xは、-Hまたはアミン保護基であり、Yは、-H、-OR、-OCOR’、-SR、-NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環、-SO_(3)H、-SO_(2)H、及びOSO_(3)Hから選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、もしくは第7の特定実施形態で上記したとおりである。 【0277】 ある特定の実施形態において、Yは、-H、-SO_(3)M、-OH、-OMe、-OEt、または-NHOHから選択され、式中、Mは、-H、Na^(+)、またはK^(+)であり、残りの可変要素は、第8の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Yは、-H、-SO_(3)M、または-OHである。 【0278】 第9の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、もしくは第8の特定実施形態で上記したとおりである。 【0279】 ある特定の実施形態において、X’は、-H、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、またはフェニルであり、残りの可変要素は、第9の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、X’は、-H、-OH、または-Meである。さらにより詳細には、X’は、-Hである。 【0280】 第10の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、Y’は、-H、オキソ基、(C_(1)-C_(3))アルキル、またはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、もしくは第9の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、Y’は、-Hまたはオキソである。さらにより詳細には、Y’は-Hである。 【0281】 第11の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、A及びA’は、同一であるか異なっていて、-O-、-S-、-NR_(5)-、及びオキソ-(C=O)-から選択され、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、もしくは第10の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、A及びA’は、同一であるか異なっていて、-O-及びS-から選択される。さらにより詳細には、A及びA’は-O-である。 【0282】 第12の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、R_(6)は、-OMeであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、もしくは第11の特定実施形態で上記したとおりである。 【0283】 第13の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、独立して、-H、ハロゲン、-NO_(2)、-OH、(C_(1)-C_(3-))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または(C_(1)-C_(3))アルコキシであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、もしくは第12の特定実施形態で上記したとおりである。より詳細には、R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hである。 【0284】 第14の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、R、R’、R’’、及びR_(5)は、それぞれ独立して、-Hまたは(C_(1)-C_(3))アルキルであり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、もしくは第13の特定実施形態で上記したとおりである。 【0285】 第14の特定実施形態において、構造式(I’)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、及び(VI’)では、NとCの間の二重線 【0286】 【化57】 ![]() 【0287】 は、単結合または二重結合を表すが、ただし、二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、かつYは-Hであり、二重線が単結合である場合には、Xは-Hであり、Yは-OHまたは-SO_(3)Mであり、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hであり、 R_(6)は、-OMeであり、 X’及びY’は、いずれも-Hであり、 A及びA’は、-O-であり、 Mは、H、Na^(+)、またはK^(+)であり、残りの可変要素は、第1の実施形態または第1、第2、第3、第4、第5、もしくは第6の特定実施形態で上記したとおりである。 【0288】 第15の特定実施形態において、本発明のコンジュゲートは、以下の構造式: 【0289】 【化58】 ![]() 【0290】 【化59】 ![]() 【0291】 【化60】 ![]() 【0292】 【化61-1】 ![]() 【0293】 【化61-2】 ![]() 【0294】 【化62】 ![]() 【0295】 【化63】 ![]() 【0296】 【化64】 ![]() 【0297】 【化65】 ![]() 【0298】 【化66】 ![]() 【0299】 【化67】 ![]() 【0300】 【化68】 ![]() 【0301】 【化69】 ![]() 【0302】 【化70】 ![]() 【0303】 【化71】 ![]() 【0304】 【化72】 ![]() 【0305】 【化73】 ![]() 【0306】 【化74】 ![]() 【0307】 【化75】 ![]() 【0308】 【化76】 ![]() 【0309】 【化77】 ![]() 【0310】 【化78】 ![]() 【0311】 【化79】 ![]() 【0312】 【化80】 ![]() 【0313】 【化81】 ![]() 【0314】 【化82】 ![]() 【0315】 【化83】 ![]() 【0316】 【化84】 ![]() 【0317】 【化85】 ![]() 【0318】 【化86】 ![]() 【0319】 【化87】 ![]() 【0320】 【化88】 ![]() 【0321】 のうちのいずれか1つまたはその薬学上許容される塩により表され、式中、 rは、1?10の整数であり、 Yは、-H、-OH、または-SO_(3)Mであり、 Mは、薬学上許容されるカチオン(例えば、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+))であり、 より詳細には、Yは、-SO_(3)Mである。代替として、Yは、-OHである。 【0322】 ある特定の実施形態において、本明細書中に記載されるコンジュゲート、例えば、第2の実施形態または第1?第15の特定実施形態に記載されるものなどは、1?10の細胞障害性化合物、2?9の細胞障害性化合物、3?8の細胞障害性化合物、4?7の細胞障害性化合物、または5?6の細胞障害性化合物を含んでいてもよく、各細胞障害性化合物は、細胞障害性化合物とCBAとを連結する結合基を含み、コンジュゲートの各細胞障害性化合物は同一である。 【0323】 コンジュゲートの実施形態、例えば、第2の実施形態または第1?第15の特定実施形態のいずれにおいても、細胞結合剤は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、微生物感染細胞、寄生虫感染細胞、自己免疫性細胞、活性化細胞、骨髄細胞、活性化T細胞、B細胞、またはメラニン細胞、CD4、CD6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD44、CD56、EpCAM、CanAg、CALLA、もしくはHer-2抗原を発現する細胞、Her-3抗原、またはインシュリン増殖因子受容体、上皮増殖因子受容体、及び葉酸受容体を発現する細胞から選択される標的細胞と結合することができる。 【0324】 コンジュゲートの実施形態、例えば、第2の実施形態または第1?第15の特定実施形態のいずれにおいても、細胞結合剤は、抗体、一本鎖抗体、標的細胞と特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、もしくは標的細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体断片、キメラ抗体、標的細胞と特異的に結合するキメラ抗体断片、ドメイン抗体、標的細胞と特異的に結合するドメイン抗体断片、リンホカイン、ホルモン、ビタミン、増殖因子、コロニー刺激因子、または栄養輸送分子であってよい。 【0325】 抗体は、表面再構成抗体、表面再構成一本鎖抗体、または表面再構成抗体断片であってよい。 抗体は、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、またはそれらのモノクローナル抗体断片であってよい。 【0326】 抗体は、ヒト化抗体、ヒト化一本鎖抗体、またはヒト化抗体断片であってよい。 上記のコンジュゲートの実施形態、例えば、第2の実施形態または第1?第15の特定実施形態のいずれにおいても、細胞結合剤は、抗葉酸受容体抗体またはその抗体断片であってよい。より詳細には、抗葉酸受容体抗体は、huMOV19抗体である。 【0327】 代替として、上記のコンジュゲートの実施形態、例えば、第2の実施形態または第1?第15の特定実施形態のいずれにおいても、細胞結合剤は、抗EGFR抗体またはその抗体断片であってよい。1つの実施形態において、抗EGFR抗体は、非アンタゴニスト抗体であり、例えば、WO2012058592(参照により本明細書中に援用される)に記載される抗体が挙げられる。別の実施形態において、抗EGFR抗体は、非機能性抗体、例えば、ヒト化ML66である。より詳細には、抗EGFR抗体は、huML66である。 【0328】 本発明は、さらに、本明細書中に記載されるコンジュゲート、及び薬学上許容されるキャリアのいずれかを含む医薬組成物を提供する。 本発明は、さらに、細胞結合剤と連結した本対象化合物のいずれかを含むコンジュゲートを提供する。 【0329】 本発明は、さらに、哺乳類において異常細胞増殖を阻害する方法、あるいは増殖性障害、自己免疫障害、破壊性骨障害、感染症、ウイルス性疾患、線維性疾患、神経変性疾患、膵炎、または腎疾患を治療する方法を提供し、本方法は、治療有効量の本発明の化合物(任意のリンカー基の有無に関わらず)またはコンジュゲートのいずれかを、及び任意選択で第2の化学療法薬を哺乳類に投与することを含む。 【0330】 ある特定の実施形態において、第2の化学療法薬は、哺乳類に、順次または継続的に投与される。 ある特定の実施形態において、本方法は、癌、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植片拒絶、狼瘡、筋炎、感染症、及び免疫不全から選択される症状を治療するためのものである。 【0331】 ある特定の実施形態において、本方法またはコンジュゲートは、癌を治療するためのものである。 ある特定の実施形態において、癌は、血液癌または固形腫瘍である。より詳細には、癌は、卵巣癌、膵癌、子宮頸癌、黒色腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、乳癌、頭頸部の扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)、骨髄異形成症候群(MDS)、腹膜癌、または白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性単球性白血病、前骨髄球性白血病、好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(例えば、B-ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、及び慢性骨髄性白血病(CML))である。 細胞結合剤薬物コンジュゲートの生成 本発明の細胞障害性化合物またはその誘導体と細胞結合剤とを連結する目的で、細胞障害性化合物は、化合物14(実施例1)、23(実施例2)、35(実施例3)、49(実施例4)、80(実施例5)、90(実施例6)、63(実施例7)、または70(実施例8)など、反応性基が結合している連結部分を含むことができる。これらの化合物は、細胞結合剤と直接連結させることができる。反応性基が結合した細胞障害性化合物と細胞結合剤とを連結させて細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートを生成する代表的なプロセスを、実施例11、13、14?17、19、及び20に記載する。 【0332】 1つの実施形態において、二官能性架橋剤を、まず細胞障害性化合物と反応させて、1つの反応性基が結合する連結部分を有する化合物(すなわち、薬物リンカー化合物)をもたらすことができ、次いでこれを細胞結合剤と反応させることができる。代替として、二官能性架橋剤の一端を最初に細胞結合剤と反応させて、1つの反応性基が結合した連結部分を有する細胞結合剤をもたらすことができ、次いでこれを細胞障害性化合物と反応させることができる。連結部分は、特定部位で細胞障害性部分を放出することを可能にする化学結合を有することができる。適切な化学結合は、当該分野で周知であり、そのような結合として、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、酸不安定性結合、光不安定性結合、ペプチダーゼ不安定性結合、及びエステラーゼ不安定性結合が挙げられる(例えば、米国特許第5,208,020号、同第5,475,092号、同第6,441,163号、同第6,716,821号、同第6,913,748号、同第7,276,497号、同第7,276,499号、同第7,368,565号、同第7,388,026号、及び同第7,414,073号を参照)。好適であるのは、ジスルフィド結合、チオエーテル、及びペプチダーゼ不安定性結合である。本発明で使用可能な他のリンカーとして、非開裂リンカー、例えば米国公開番号第2005/0169933号に詳細が記載されるものなど、または荷電リンカーもしくは親水性リンカーが挙げられ、これらはUS2009/0274713、US2010/01293140、及びWO2009/134976に記載されており、その内容は、本明細書中参照として明白に援用され、その内容は、本明細書中参照として明白に援用される。 【0333】 1つの実施形態において、細胞結合剤(例えば、抗体)を水性緩衝液に溶解させた溶液を、モル過剰量の二官能性架橋剤、例えばN-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ペンタノアート(SPP)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ブタノアート(SPDB)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)2-スルホブタノアート(スルホ-SPDB)などとともにインキュベートして、ジチオピリジル基を導入することができる。次いで、修飾された細胞結合剤(例えば、修飾された抗体)を、本明細書中に記載されるチオール含有細胞障害性化合物、例えば化合物98または99と反応させて(実施例9及び10)、本発明のジスルフィド結合した細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートを生成する。 【0334】 別の実施形態において、明細書中に記載されるチオール含有細胞障害性化合物、例えば化合物98または99を、二官能性架橋剤、例えばN-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ペンタノアート(SPP)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)ブタノアート(SPDB)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルジチオ)2-スルホブタノアート(スルホ-SPDB)などと反応させて、細胞障害性剤リンカー化合物を形成することができ、次いで、これを細胞結合剤と反応させて、本発明のジスルフィド結合した細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートを生成させる。細胞障害性剤リンカー化合物は、精製すことなくin situで調製し、その後細胞結合剤と反応させることができる。代表的なプロセスを、実施例12及び18に記載する。代替として、細胞障害性剤リンカー化合物を精製してから、細胞結合剤と反応させることができる。 【0335】 細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートは、当該分野で既知の任意の精製方法、例えば米国特許第7,811,572号及び米国公開第2006/0182750号(これらはいずれも参照により本明細書中に援用される)に記載のものなどを使用して、精製してよい。例えば、細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートは、タンジェント流濾過、吸着クロマトグラフィー、吸着濾過、選択沈殿、非吸収濾過、またはそれらの組み合わせを用いて精製することができる。好ましくは、コンジュゲートを精製するために、タンジェント流濾過(TFF、これは十字流濾過、限外濾過、及びダイアフィルトレーションとしても知られる)及び/または吸着クロマトグラフィー樹脂を使用する。 【0336】 代替として、細胞結合剤(例えば、抗体)を、モル過剰量の抗体修飾剤、例えば2-イミノチオラン、L-ホモシステインチオラクトン(または誘導体)、またはN-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセタート(SATA)とともにインキュベートして、スルフヒドリル基を導入してもよい。次いで、修飾された抗体を、適切なジスルフィド含有細胞障害性剤と反応させて、ジスルフィド結合した抗体細胞障害性剤コンジュゲートを生成する。抗体細胞障害性剤コンジュゲートは、その後、上記の方法で精製してもよい。また、細胞結合剤を操作してチオール部分を導入することができる。このようなものは、例えば、米国特許第7,772,485号及び同第7,855,275号に記載されるシステイン操作した抗体などである。 【0337】 別の実施形態において、細胞結合剤(例えば、抗体)を水性緩衝液に溶解させた溶解液を、モル過剰量の抗体修飾剤、例えばN-スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシラートなどとともにインキュベートしてマレイミド基を導入する、またはN-スクシンイミジル-4-(ヨードアセチル)-アミノベンゾアート(SIAB)などとともにインキュベートしてヨードアセチル基を導入ことができる。次いで、修飾された細胞結合剤(例えば、修飾された抗体)を、チオール含有細胞障害性剤と反応させて、チオエーテル結合した細胞結合剤細胞障害性剤コンジュゲートを生成する。コンジュゲートは、その後、上記の方法で精製してもよい。 【0338】 抗体分子1つあたりに結合した細胞障害性分子の個数は、280nm及び330nmでの吸光度の比を測定することにより、分光測定で決定することができる。本明細書中に記載される方法により、平均で1?10の細胞障害性化合物/抗体分子(複数可)を連結させることができる。抗体分子1つあたりに結合した細胞障害性化合物の好適な平均数は2?5であり、最も好ましくは2.5?4.0である。 【0339】 本発明の細胞結合剤薬物コンジュゲートを調製する代表的なプロセスは、8,765,740及び米国特許出願公開第2012/0238731号に記載される。これらの全教示は、参照により本明細書中に援用される。 化合物及びコンジュゲートの細胞障害性 本発明の細胞障害性化合物及び細胞結合剤薬物コンジュゲートは、in vitroで様々な癌細胞株の増殖を抑制する能力について評価することができる。例えば、ヒト子宮頸癌細胞株KB、ヒト急性単球性白血病細胞株THP-1、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL60、ヒト急性骨髄性白血病細胞株HNT-34などの細胞株を使用して、これらの化合物及びコンジュゲートの細胞障害性を評価することができる。評価対象の細胞を、化合物またはコンジュゲートに1?5日間暴露し、細胞の生存率を既知の方法による直接アッセイで測定することができる。次いで、アッセイの結果から、IC_(50)値を計算することができる。代替として追加として、in vitro細胞株感受性スクリーニング法、例えば、米国国立癌研究所により説明される方法(Voskoglou-Nomikos et al.,2003,Clinical Cancer Res.9:42227-4239を参照、参照により本明細書中に援用される)を、本発明の化合物またはコンジュゲートを用いた治療に対して感受性であり得る癌の種類を判定する指針の1つとして使用することができる。 【0340】 本発明の抗体細胞障害性剤コンジュゲートのin vitro効力及び標的特異性の例を、図2及び図4に示す。コンジュゲートは全て、抗原陽性癌細胞に対して非常に細胞障害性が高く、低ピコモル範囲のIC_(50)を有する。同じコンジュゲートに暴露させても、抗原陰性細胞株は依然として生存していた。 【0341】 1つの例では、細胞結合剤/細胞障害性剤コンジュゲートのin vivo有効性を測定した。NCI-H2110腫瘍細胞を有するSCIDマウスを、huMov19-80コンジュゲート及びhuMov19-90コンジュゲートで処置したところ、顕著な腫瘍退縮が複数の用量で観測されたが、未処置のマウスでは、腫瘍は急速に増殖した(図6)。huMov19-90コンジュゲートの活性は、わずか5μg/kgの低用量で観測された。 【0342】 組成物及び使用方法 本発明は、本明細書中に記載される新規のベンゾジアゼピン化合物(例えば、インドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン)、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、(及び/またはそれらの溶媒和物、水和物、及び/または塩)、及びキャリア(薬学上許容されるキャリア)を含む組成物(例えば、医薬組成物)を含む。本発明はまた、本明細書中に記載される新規のベンゾジアゼピン化合物(例えば、インドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン)、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、(及び/またはそれらの溶媒和物、水和物、及び/または塩)、及びキャリア(薬学上許容されるキャリア)を含み、さらに第2治療薬を含む組成物(例えば、医薬組成物)を含む。本組成物は、哺乳類(例えば、ヒト)において、異常細胞増殖を阻害するまたは増殖性障害を治療するのに有用である。本組成物はまた、哺乳類(例えば、ヒト)において、抑うつ、不安、ストレス、恐怖、パニック、不快、精神障害、疼痛、及び炎症性疾患を治療するのに有用である。 【0343】 本発明は、哺乳類(例えば、ヒト)において、異常細胞増殖を阻害するまたは増殖性障害を治療する方法を含む。本方法は、該哺乳類に、治療有効量の本明細書中に記載される新規のベンゾジアゼピン化合物(例えば、インドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン)、それらの誘導体、またはそれらのコンジュゲート、(ならびに/またはそれらの溶媒和物及び塩)、またはそれらの組成物を、単独でまたは第2治療薬と併用して投与することを含む。 【0344】 本発明はまた、治療方法も提供する。本方法は、治療を必要としている対象に、有効量の上記コンジュゲートのいずれかを投与することを含む。 同様に、本発明は、選択された細胞集団で細胞死を誘導する方法を提供する。本方法は、標的細胞または標的細胞を含有する組織と、本発明の細胞障害性化合物細胞結合剤(例えば、細胞結合剤と連結したインドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン二量体)、それらの塩または溶媒和物のいずれかを含む有効量の細胞障害性剤とを接触させることを含む。標的細胞は、細胞結合剤が結合可能な細胞である。 【0345】 所望の場合、他の活性作用剤、例えば他の抗腫瘍剤などを、コンジュゲートと一緒に投与してもよい。 適切な薬学上許容されるキャリア、希釈剤、及び賦形剤は、周知であり、臨床状況が許容する場合、当業者により決定することができる。 【0346】 適切なキャリア、希釈剤、及び/または賦形剤の例として、(1)ダルベッコリン酸緩衝食塩水(pH約7.4、これは約1mg/mL?25mg/mLのヒト血清アルブミンを含有する場合としない場合がある)、(2)0.9%生理食塩水(0.9%w/vのNaCl)、及び(3)5%(w/v)ブドウ糖が挙げられ、また、それらは、トリプタミンなどの抗酸化剤及びTween20などの安定化剤も含有してよい。 【0347】 選択された細胞集団で細胞死を誘導する方法は、in vitro、in vivo、またはex vivoで行うことができる。 in vitro用途の例として、疾患細胞または悪性細胞を殺傷する目的で行う同一患者に移植する前の自家骨髄の処理、コンピテントT細胞を殺傷し移植片対宿主病(GVHD)を予防する目的で行う移植前の骨髄の処理、標的抗原を発現しない所望の変異体以外の全ての細胞を殺傷する目的で行う細胞培養物の処理、または望ましくない抗原を発現する変異体の殺傷が挙げられる。 【0348】 非臨床in vitro用途の条件は、当業者により容易に決定される。 臨床ex vivo用途の例は、癌治療において、または自己免疫疾患の治療において自家移植の前に骨髄から腫瘍細胞またはリンパ球を除去するためのもの、あるいは、GVHDを予防する目的で移植前に自家もしくは同種骨髄または組織からT細胞及び他のリンパ球を除去するためのものである。処理は、次とおりに行うことができる。骨髄を、患者または他の個体から採取し、次いで、本発明の細胞障害性剤を約10μM?1pMの濃度範囲で添加した血清を含有する媒体中で、約30分?約48時間約37℃でインキュベートする。インキュベーションの濃度及び時間、すなわち用量についての正確な条件は、当業者により容易に決定される。インキュベーション後、既知の方法に従って、骨髄細胞を血清含有媒体で洗浄し、静脈から患者に戻す。患者が、骨髄の採取時から処理済細胞の再注入時までの間に、他の治療、例えば一連の切除化学療法または全身照射などを受ける場合は、処理した骨髄細胞を、標準医療器具を用いて液体窒素中に凍結保存する。 【0349】 臨床in vivo用途では、本発明の細胞障害性剤は、無菌性及びエンドトキシンレベルについて検査された溶液または凍結乾燥粉末として供給されることになる。コンジュゲート投与の適切なプロトコルの例は、次のとおりである。コンジュゲートを、4週間にわたって毎週、静脈内ボーラスとして投与する。ボーラス用量は、通常の生理食塩水50?1000mLで付与され、この生理食塩水に対してヒト血清アルブミン5?10mLを添加することができる。投薬量は、静脈内投与1回あたり10μg?2000mgになる(1日あたり100ng?20mg/kgの範囲)。4週間の投与後、患者は、1週間単位で投与を受け続けることができる。投与経路、賦形剤、希釈剤、投薬量、時間などに関する具体的な臨床プロトコルは、臨床状況が許容する場合、当業者により決定することができる。 【0350】 選択された細胞集団で細胞死を誘導するin vivoまたはex vivo方法に従って処置することができる病状の例として、例えば癌をはじめとするあらゆる種類の悪性病変、自己免疫疾患、例えば全身性狼瘡、リウマチ様関節炎、及び多発性硬化症など、移植片拒絶、例えば、腎臓移植片拒絶、肝臓移植片拒絶、肺移植片拒絶、心臓移植片拒絶、及び骨髄移植片拒絶など、移植片対宿主病、ウイルス感染症、例えば、CMV感染症、HIV感染症、AIDSなど、ならびに、寄生虫感染症、例えば、ジアルジア症、アメーバ症、住血吸虫症など、ならびにその他当業者が定めるものが挙げられる。 【0351】 癌治療薬、ならびにそれらの投薬量、投与経路、及び推奨される用法は、当該分野で既知であり、Physician’s Desk Reference(PDR)などの文献に記載されている。PDRでは、様々な癌の治療に使用されている作用剤の投薬量を開示する。治療上有効なこうした前述の化学療法薬の投薬レジメン及び投薬量は、治療される特定の癌、疾患の程度、及び当業者には既知である他の要因によって決定されることになり、また、医師によって決定され得る。PDRの内容は、参照によりその全体が本明細書中で援用される。当業者は、以下のパラメーターの1つまたは複数を用いることでPDRを検討し、本発明の教示に従って使用可能な化学療法薬及びコンジュゲートの投薬レジメン及び投薬量を決定することができる。そうしたパラメーターとして、以下が挙げられる。 総合索引 製造者による 製品(企業名または登録商標である薬名) カテゴリー索引 一般名/化学物質索引(登録商標ではない一般薬名) 薬剤のカラー画像 FDA標示に一致した製品情報 化学情報 機能/作用 適応症&禁忌症 臨床研究、副作用、警告 類似体及び誘導体 本明細書中に記載される細胞障害性剤はそれぞれ、得られる化合物が出発化合物の特異性及び/または活性をなおも保持するように修飾可能であることを、細胞障害性剤業界の当業者は容易に理解するであろう。こうした化合物の多くは、本明細書中に記載される細胞障害性剤の代わりに使用可能であることも、当業者は理解するであろう。すなわち、本発明の細胞障害性剤は、本明細書中に記載される化合物の類似体及び誘導体を含む。 【0352】 本明細書中及び以下の実施例において引用される参照は全て、参照によりその全体が援用される。 【実施例】 【0353】 次に、本発明を、非限定実施例を参照して例示する。別途記載がない限り、全てのパーセント、比率、部などは、重量基準である。全ての試薬は、Aldrich Chemical Co.(New Jersey)または他の商業的供給源から購入したものである。核磁気共鳴(^(1)H NMR)スペクトルは、Bruker 400MHz装置で取得した。質量スペクトルは、Bruker Daltonics Esquire 3000装置で取得し、LCMSは、Agilent 1260 Infinity LCとAgilent 6120シングル四重極MSを併用して、エレクトロスプレーイオン化を用いて測定した。 【0354】 以下の溶媒、試薬、保護基、部分、及び他の記号は、括弧内のそれらの略号により示される場合がある。 Me=メチル、Et=エチル、Pr=プロピル、i-Pr=イソプロピル、Bu=ブチル、t-Bu=tert-ブチル、Ph=フェニル、及びAc=アセチル AcOHまたはHOAc=酢酸 ACNまたはCH_(3)CN=アセトニトリル Ala=アラニン aq=水性 BH_(3)・DMS=ボランジメチルスルフィド錯体 Bn=ベンジル BocまたはBOC=tert-ブトキシカルボニル CBr_(4)=四臭化炭素 CbzまたはZ=ベンジルオキシカルボニル DCMまたはCH_(2)Cl_(2)=ジクロロメタン DCE=1,2-ジクロロエタン DMAP=4-ジメチルアミノピリジン DI水=脱イオン水 DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム DIEAまたはDIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン DMA=N,N-ジメチルアセトアミド DMF=N,N-ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド DTT=ジチオトレイトール EDC=1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド EEDQ=N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン ESIまたはES=エレクトロスプレーイオン化 EtOAc=酢酸エチル Gly=グリシン g=グラム h=時間 HATU=N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウム=ヘキサフルオロホスファート HPLC=高速液体クロマトグラフィー HOBtまたはHOBT=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール LAH=水素化リチウムアルミニウム LC=液体クロマトグラフィー LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析 min=分 mg=ミリグラム mL=ミリリットル mmol=ミリモル μg=マイクログラム μL=マイクロリットル μmol=マイクロモル Me=メチル MeOH=メタノール MeI=ヨウ化メチル MS=質量分析 MsCl=塩化メタンスルホニル(塩化メシル) Ms_(2)O=メタンスルホン酸無水物 NaBH(OAc)_(3)=トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム NHS=N-ヒドロキシスクシンアミド NMR=核磁気共鳴分光法 PPh_(3)=トリフェニルホスフィン PTLC=分取薄層クロマトグラフィー rac=ラセミ混合物 R_(f)=遅延係数 RPHPLCまたはRP-HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー RTまたはrt=室温(常温、約25℃) satまたはsat’d=飽和 STAB=トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc)_(3)) TBSClまたはTBDMSCl=塩化tert-ブチルジメチルシリル TBS=tert-ブチルジメチルシリル TCEP・HCl=トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩 TEA=トリエチルアミン(Et_(3)N) TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン TLC=薄層クロマトグラフィー Val=バリン 実施例1. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-((2-((2-((2-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート(化合物14)の合成 【0355】 【化89】 ![]() 【0356】 工程1:Z-Gly-Gly-OH化合物1(5.0g、18.78mmol)及びH-Gly-Ot-Bu・HCl化合物2(3.46g、20.66mmol)を、DMF(37.6mL)に溶解させた。反応フラスコに、EDC・HCl(3.96g、20.66mmol)及びHOBt(2.88g、18.78mmol)を添加し、続いてDIPEA(8.18mL、46.9mmol)を添加した。反応物を、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、続いて水及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%?5%)により精製して、純粋な化合物3を白色固体として得た(6.35g、収率89%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18-8.13(m,2H),7.48(t,1H,J=6.0Hz),7.37-7.36(m,3H),7.34-7.32(m,1H),5.04(s,2H),4.09(q,1H,J=5.2Hz),3.74(t,4H,J=6.1Hz),3.67(d,2H,J=6.0Hz),3.17(d,2H,J=5.2Hz),1.41(s,9H).LCMS=4.28分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):324.15(M-t-Bu+H). 【0357】 【化90】 ![]() 【0358】 工程2:化合物3(6.3g、16.60mmol)を、MeOH(52.7mL)及び水(2.64mL)に溶解させた。反応混合物を、Arでパージし、5分間脱気した。Pd/C(湿潤、10%)(0.884g、0.830mmol)を緩徐に添加した。次いで、バルーンからH_(2)を1分間吹き込んだ。反応物を、バルーンのH_(2)下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣にCH_(3)CN(20mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、粘着固体を得た。残渣をEtOAc/ヘキサン(2:1、50mL)に添加してスラリーとし、濾過し、EtOAc/ヘキサン(1:1、30mL)ですすいだ。固体を、真空/N_(2)下で1時間乾燥させて、化合物4を白色固体として得た(3.66g、収率90%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.21-8.18(m,1H),8.12(bs,1H),3.76(bs,2H),3.73(d,2H,J=6.0Hz),3.13(s,2H),1.93(bs,2H),1.41(s,9H). 【0359】 【化91】 ![]() 【0360】 工程3:アミン化合物4(1.0g、4.08mmol)及びアジピン酸モノメチル(664μL、4.48mmol)を、DMF(13.59mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(860mg、4.48mmol)及びHOBt(624mg、4.08mmol)を添加して、続いてDIEA(1.424mL、8.15mmol)を添加した。反応物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(20mL、5:1)で希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配、0%?20%のMeOH/DCM)により精製して、純粋な化合物5を白色固体として得た(1.5g、収率95%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.17-8.06(m,3H),3.74-3.71(m,6H),3.59(s,3H),2.32(bt,2H,J=6.9Hz),2.14(bt,2H,J=6.7Hz),1.52-1.49(m,4H),1.41(s,9H). 【0361】 【化92】 ![]() 【0362】 工程4:化合物5(1.5g、3.87mmol)を、TFA(5.97mL、77.0mmol)及び脱イオン水(300μL)中、室温で一晩攪拌した。反応混合物にCH_(3)CN(10mL)を添加し、5分間攪拌した。混合物は濃厚になり、白色沈殿物が大量に生じた。追加のCH_(3)CN(30mL)を添加し、さらに5分間攪拌した。混合物を濾過し、真空/N_(2)下で1時間乾燥させて、純粋な化合物6を白色固体として得た(0.7g、収率55%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ12.56(s,1H),8.16-8.06(m,3H),3.73(dt,6H,J=8.6,6.1Hz),3.59(s,3H),2.32-2.29(m,2H),2.16-2.13(m,2H),1.51(bt,4H,J=3.5Hz). 【0363】 【化93】 ![]() 【0364】 工程5:アニリン化合物7(100mg、0.653mmol)及び酸化合物6(227mg、0.685mmol)を、室温で、CH_(2)Cl_(2)/MeOH(4.35mL/2.2mL)に懸濁させた。EEDQ(323mg、1.306mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc(15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEtOAc(2×15mL)で洗浄し、真空/N_(2)下で乾燥させて、化合物8を白色固体として得た(260mg、収率85%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.74(s,1H),8.21-8.19(m,2H),8.11-8.08(m,1H),7.45(s,2H),6.96(s,1H),5.17(t,2H,J=5.7Hz),4.45(d,4H,J=5.6Hz),3.87(d,2H,J=5.8Hz),3.75(dd,4H,J=5.7,13.4Hz),3.58(s,3H),2.31-2.27(m,2H),2.16-2.13(m,2H),1.52-1.48(m,4H).LCMS=0.886分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):489.3(M+Na). 【0365】 【化94】 ![]() 【0366】 工程6:ジオール化合物8(260mg、0.557mmol)及び四臭化炭素(555mg、1.672mmol)を、DMF(5.57mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(439mg、1.672mmol)を添加し、褐色混合物をAr下、室温で4時間攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(10:1、30mL)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、0%?10%、勾配)により精製して、化合物9を黄色固体として得た。生成物をCH_(2)Cl_(2)/EtOAc(1:10、30mL)に添加してスラリーとし、次いで濾過した。固体をEtOAcで洗浄し、真空/N_(2)下で乾燥させて、純粋な化合物9をオフホワイト色固体として得た(170mg、収率52%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.95(s,1H),8.25-8.20(m,2H),8.12-8.10(m,1H),7.65(s,2H),7.22(s,1H),4.68(s,3H),3.89(d,2H,J=5.8Hz),3.77(dd,4H,J=5.7,7.4Hz),3.58(s,3H),2.31-2.27(m,2H),2.16-2.13(m,2H),1.51-1.49(m,4H).LCMS=3.335分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):593.2(M+H). 【0367】 【化95】 ![]() 【0368】 工程7:ジブロミド化合物9(109mg、0.184mmol)及びIGN単量体化合物10(119mg、0.405mmol)を、DMF(1.84mL)に溶解させた。炭酸カリウム(63.6mg、0.460mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物に水(20mL)を添加して、生成物を沈殿させた。スラリーを室温で5分間攪拌し、次いで濾過し、真空/N_(2)下で1時間乾燥させた。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH_(2)Cl_(2)、勾配、0%?5%)により精製して、化合物11を黄色固体として得た(160mg、収率60%、純度70%)。LCMS=5.240分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1019.7(M+H). 【0369】 【化96】 ![]() 【0370】 工程8:ジイミン化合物11(140mg、0.11mmol)を1,2-ジクロロエタン(1.1mL)に溶解させた。反応混合物にNaBH(OAc)_(3)(23.29mg、0.11mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。反応物をCH_(2)Cl_(2)(30mL)で希釈し、飽和NH_(4)Cl水溶液(15mL)でクエンチした。層を分離させ、ブラインで洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、RPHPLC(C18カラム、CH_(3)CN/H_(2)O、勾配、35%?55%)により精製してモノイミン化合物12を白色綿状固体として得たて(33mg、収率29%)、また、出発物質化合物11を回収した(25mg)。LCMS=7.091分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1021.7(M+H). 【0371】 【化97】 ![]() 【0372】 工程9:メチルエステル化合物12(33mg、0.029mmol)をTHF(1.09mL)及び水(364μL)に溶解させた。LiOH(6.97mg、0.291mmol)を添加し、反応物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物をH_(2)O(5mL)で希釈し、0.5M水性HClでpH約4まで酸性にした。水層をCH_(-2)Cl_(2)/MeOH(3:1、3×20mL)で抽出した。有機層を合わせて、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗化合物13を黄色固体として得た(29mg、収率99%)。LCMS=5.356分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1007.7(M+H). 【0373】 【化98】 ![]() 【0374】 工程10:酸化合物13(29mg、0.023mmol)及びN-ヒドロキシスクシンアミド(21.21mg、0.184mmol)をCH_(2)Cl_(2)(2.3mL)に溶解させて攪拌した溶液に、室温でEDC・HCl(22.08mg、0.115mmol)を添加した。反応混合物を2時間攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、水(1×15mL)及びブライン(1×15mL)で洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をRPHPLC(C18カラム、CH_(3)CN/H_(2)O、勾配、35%?55%)により精製した。生成物含有画分を合わせて凍結乾燥させ、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-((2-((2-((2-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート、化合物14を、白色綿状固体として得た(8mg、収率31%)。LCMS=5.867分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1104.7(M+H). 実施例2. (1r,4r)-2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=4-((2-((2-((2-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)シクロヘキサン-カルボキシラート(化合物23)の合成 【0375】 【化99】 ![]() 【0376】 工程1:アミン化合物4(200mg、0.815mmol)及び1,4-trans-シクロヘキサンジカルボン酸モノメチルエステル化合物15(182mg、0.978mmol)を、DMF(2.72mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(188mg、0.978mmol)及びHOBt(125mg、0.815mmol)を添加し、続いてDIEA(285μL、1.631mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、ブライン、及び水で洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮して、粘着な残渣とした。残渣にCH_(3)CN(15mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物16を乾燥白色粉末として得た(300mg、収率85%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.16(t,1H,J=5.9Hz),8.04(dt,2H,J=5.6,14.8Hz),3.74-3.69(m,6H),3.59(s,3H),2.31-2.25(m,1H),2.20-2.13(m,1H),1.94-1.91(m,2H),1.82-1.79(m,2H),1.41(s,9H),1.34(d,3H,J=11.7Hz). 【0377】 【化100】 ![]() 【0378】 工程2:未希釈の化合物16(300mg、0.726mmol)に、室温で、TFA(1.40mL、18.14mmol)及びDI水(67.8μL)を添加し、3時間攪拌した。反応混合物にCH_(3)CN(20mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物17を白色固体として得た(230mg、収率89%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.16-8.13(m,1H),8.07-8.01(m,2H),3.76-3.73(m,4H),3.70(bd,2H,J=5.1Hz),3.59(s,3H),2.31-2.25(m,1H),2.19-2.14(m,1H),1.94-1.91(m,2H),1.82-1.79(m,2H),1.42-1.26(m,4H). 【0379】 【化101】 ![]() 【0380】 工程3:アニリン化合物7(135mg、0.881mmol)及び酸化合物17(331mg、0.925mmol)を、室温で、CH_(2)Cl_(2)/MeOH(2.9mL/1.5mL)に懸濁させた。EEDQ(436mg、1.763mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc(15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEtOAc(2×15mL)で洗浄し、真空/N_(2)下で乾燥させて、化合物18を白色固体として得た(330mg、収率61%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.73(s,1H),8.18(dt,2H,J=6.0,19.2Hz),8.09-8.01(m,2H),7.45(s,2H),6.96(s,1H),5.17(t,2H,J=5.7Hz),4.45(d,4H,J=5.6Hz),3.88-3.84(m,3H),3.77-3.69(m,8H),3.63(s,2H),3.59(s,6H),2.30-2.22(m,2H),2.19-2.13(m,2H),1.94-1.90(m,4H),1.82-1.78)m,4H),1.41-1.26(m,8H). 【0381】 【化102】 ![]() 【0382】 工程4:化合物18(330mg、0.536mmol)及びCBr_(4)(533mg、1.608mmol)をDMF(5.36mL)に溶解させた。反応混合物にPPh_(3)(422mg、1.608mmol)を添加したところ、この時点で反応物は黄色に変色し、わずかに発熱した。反応物をAr下で4時間攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH_(2)Cl_(2)、勾配、0%?10%)により精製して、化合物19を白色固体として得た(234mg、収率64%)。LCMS=4.453分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):617.10(M+H). 【0383】 【化103】 ![]() 【0384】 工程5:化合物20を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物20を黄色固体として得た(264mg、収率60%)。LCMS=4.831分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1045.20(M+H). 【0385】 【化104】 ![]() 【0386】 工程6:化合物21を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18の精製後、化合物21を白色固体として得た(51mg、収率31%)。LCMS=5.127分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1047.30(M+H). 【0387】 【化105】 ![]() 【0388】 工程7:メチルエステル化合物21(48mg、0.046mmol)を、1,2-ジクロロエタン(3.06mL)に溶解させた。反応混合物にトリメチルスタンナノール(124mg、0.688mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(15mL)で希釈した。水層を1MのHClでpH約4まで酸性にした。混合物をCH_(2)Cl_(2)/MeOH(10:1、3×20mL)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルのショートパッドに詰めてCH_(2)Cl_(2)/MeOH(10:1、次いで5:1、2×30mL)で洗浄し、濃縮した。酸化合物22を黄色固体として得て、さらに精製することなく次の工程で使用した(48mg、収率100%)。LCMS=5.338分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1033.7(M+H). 【0389】 【化106】 ![]() 【0390】 工程8:化合物23を、実施例1の化合物13と同様に調製した。C18精製後、(1r,4r)-2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=4-((2-((2-((2-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)シクロヘキサンカルボキシラート、化合物23を、白色固体として得た(8mg、収率19%)。LCMS=6.007分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1130.8(M+H). 実施例3. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((S)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート(化合物35)の合成 【0391】 【化107】 ![]() 【0392】 工程1:Z-Val-OH化合物24(3.0g、11.94mmol)及びL-Ala-OtBu化合物25(1.907g、13.13mmol)を、DMF(23.88mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(2.52g、13.13mmol)及びHOBt(2.011g、13.13mmol)を添加し、続いてDIEA(4.59mL、26.3mmol)を添加した。反応物を、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、飽和NaHCO_(3)、飽和NH_(4)Cl、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?50%)により精製して、化合物26を白色固体として得た(3.68g、収率81%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.39-7.29(m,5H),6.29(bd,1H,J=6.9Hz),5.34(bd,1H,J=8.4Hz),5.11(s,2H),4.45(p,1H,J=7.2Hz),4.02-3.98(m,1H),2.18-2.09(m,1H),1.56(s,9H),1.37(d,3H,J=7.0Hz),0.98(d,3H,J=6.8Hz),0.93(d,3H,J=6.8Hz).LCMS=5.571分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):323.25(M-tBu+H). 【0393】 【化108】 ![]() 【0394】 工程2:化合物26(3.68g、9.72mmol)をMeOH(30.9mL)及び水(1.543mL)に溶解させた。溶液をArでパージし、5分間脱気した。反応混合物に、Pd/C(10%、湿潤、0.517g)を緩徐に添加した。次いで、H_(2)を1分間吹き込んだ。吹き込みを中断し、次いで反応物をH_(2)バルーン下で一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮して、化合物27を白色固体として得た(2.35g、収率99%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.79-7.77(m,1H),4.50(p,1H,J=7.3Hz),3.27(d,1H,J=3.9Hz),2.34-2.26(m,1H),1.49(s,9H),1.40(d,3H,J=7.1Hz),1.01(d,3H,J=7.0Hz),0.86(d,3H,J=6.9Hz). 【0395】 【化109】 ![]() 【0396】 工程3:アミン化合物27(2.35g、9.62mmol)及びアジピン酸モノメチル(1.69g、10.58mmol)をDMFに溶解させた(32.1mL)。反応混合物にEDC・HCl(1.94g、10.10mmol)及びHOBt(1.47g、9.62mmol)を添加し、続いてDIEA(3.36mL、19.24mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(20mL、5:1)で希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?50%)により精製して、化合物28を白色固体として得た(2.77g、収率75%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ6.29(d,1H,J=7.2Hz),6.12(d,1H,J=8.6Hz),4.43(p,1H,J=7.2Hz),4.27(dd,1H,J=6.4,8.6Hz),3.66(s,3H),2.35-2.31(m,2H),2.26-2.23(m,2H),2.12-2.03(m,1H),1.70-1.63(m,4H),1.46(s,9H),1.36(d,3H,J=7.1Hz),0.95(見かけ上t,6H,J=6.6Hz). 【0397】 【化110】 ![]() 【0398】 工程4:未希釈の化合物28(2.77g、7.17mmol)に、室温で、TFA(8.28mL、108.0mmol)及び水(0.56mL)を添加し、2.5時間攪拌した。反応混合物にCH_(3)CN(30mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物29を淡黄色固体として得た(2.0g、収率84%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ8.11(bs,1H),7.29(d,1H,J=8.9Hz),7.14(d,1H,6.8Hz),4.58(p,1H,J=7.1Hz),4.37(t,1H,J=8.7Hz),3.68(s,3H),2.37-2.32(m,4H),2.03-1.99(m,2H),1.69-1.63(m,4H),1.49(d,3H,J=7.2Hz),0.97(d,3H,J=4.8Hz),0.96(d,3H,J=4.8Hz). 【0399】 【化111】 ![]() 【0400】 工程5:アニリン化合物7(150mg、0.98mmol)及び酸化合物29(340mg、1.03mmol)を、室温で、CH_(2)Cl_(2)/MeOH(3.26mL、1.62mL)に懸濁させた。EEDQ(484mg、1.96mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc/Et_(2)O(15mL、15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEt_(2)O(2×15mL)で洗浄し、真空/N_(2)下で乾燥させて、化合物30を白色固体として得た(150mg、収率33%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.61(s,2H),7.47(d,1H,J=7.1Hz),7.14(s,1H),6.64(d,1H,J=8.0Hz),4.82-4.75(m,1H),4.45-4.40(m,4H),3.64(s,3H),2.36-2.27(m,4H),2.16-2.07(m,1H),1.68-1.59(m,4H),1.47(d,3H,J=7.0Hz),0.98(d,3H,J=3.6Hz),0.95(d,3H,J=4.8Hz).LCMS=3.073分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):466.25(M+H). 【0401】 【化112】 ![]() 【0402】 工程6:ジオール化合物30(150mg、0.322mmol)及びCBr_(4)(321mg、0.967mmol)を、DMF(3222μl)に溶解させた。反応混合物にPPh_(3)(254mg、0.967mmol)を添加すると、この時点で反応物は赤桃色に変色し、わずかに発熱した。反応物をAr下で4時間攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNa_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?100%)により精製して、化合物31をオフホワイト色固体として得た(473mg、収率75%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.19(d,1H,J=6.6Hz),7.85(d,1H,J=8.5Hz),7.64(s,2H),7.21(s,1H),4.68(s,3H),4.37(p,1H,J=7.0Hz),4.18(dd,1H,J=7.2,8.4Hz),3.58(s,3H),2.32-2.29(m,2H),2.33-2.12(m,2H),2.01-1.91(m,1H),1.53-1.49(m,4H),1.31(d,3H,J=7.1Hz),0.89(d,3H,J=6.8Hz),0.85(d,3H,J=6.8Hz).LCMS=5.259分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):592.05(M+H). 【0403】 【化113】 ![]() 【0404】 工程7:化合物32を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物32を黄色固体として得た(162mg、収率57%、純度70%)。LCMS=6.461分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1018.7(M+H). 【0405】 【化114】 ![]() 【0406】 工程8:化合物33を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物33を白色固体として得た(40mg、収率31%)。LCMS=5.528分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1020.30(M+H). 【0407】 【化115】 ![]() 工程9:化合物34を、実施例2の化合物22と同様に調製した。シリカプラグ後、化合物34を黄色固体として得た(38mg、収率100%)。LCMS=5.211分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1006.35(M+H). 【0408】 【化116】 ![]() 【0409】 工程10:化合物35を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((S)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート、化合物35を、白色固体として得た(8mg、収率20%)。LCMS=7.031分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1103.7(M+H). 実施例4. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=2-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)-3,6,9,12-テトラオキソ-2,5,8,11-テトラアザヘプタデカン-17-オアート(化合物49)の合成 【0410】 【化117】 ![]() 【0411】 工程1:(5-アミノ-1,3-フェニレン)ジメタノール化合物7(5.0g、32.6mmol)をTHF(65.3mL)に溶解させた。TBSCl(12.30g、82mmol)及びイミダゾール(6.67g、98mmol)を添加し、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH_(4)Cl及びブラインで洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?30%)により精製して、化合物37を黄色油状物として得た(13g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ6.71(s,1H),6.60(s,2H),4.65(s,4H),0.94(s,18H),0.10(s,12H). 【0412】 【化118】 ![]() 【0413】 工程2:アニリン化合物37(10g、26.2mmol)をDMF(52.4mL)に溶解させて攪拌した溶液に、Cs_(2)CO_(3)(8.54g、26.2mmol)を添加した。ヨウ化メチル(1.474mL、23.58mmol)を添加し、反応物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に水(10mL)及びEtOAc(30mL)を添加した。層を分離させ、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を水(4×)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?10%)により精製して、所望のモノメチル化生成物である化合物38を得た(3.8g、収率37%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ6.63(s,1H),6.52(s,2H),4.67(s,4H),2.84(s,3H),0.94(s,18H),0.10(s,12H). 【0414】 【化119】 ![]() 【0415】 工程3:アニリン化合物38(1.0g、2.53mmol)及びZ-Gly-OH(0.582g、2.78mmol)をDMF(8.42mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(1.21g、6.32mmol)及びDMAP(340mg、2.78mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO_(3)及び水(2×)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%?30%?100%)により精製して、化合物39を黄色粘着固体として得た(780mg、収率53%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.27(m,6H),6.90(s,2H),4.94(s,2H),4.62(s,4H),3.58(s,2H),3.16(s,3H),0.83(s,18H),0.00(s,12H). 【0416】 【化120】 ![]() 【0417】 工程4:化合物39(1.26g、2.147mmol)をMeOH(6.82mL)及びTHF(6.8mL)に溶解させ、溶液をN_(2)でパージした。Pd/C(10%、0.228g、0.215mmol)を添加し、H_(2)を数分間吹き込んだ。反応物を、H_(2)バルーン下、一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、純粋な化合物40を得た(1g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ7.41-7.30(m,2H),7.27-7.21(m,1H),7.06(s,2H),4.65(s,4H),3.23(s,3H),3.12(s,2H),0.82(s,18H),0.00(s,12H). 【0418】 【化121】 ![]() 【0419】 工程5:アミン化合物40(1.0g、1.988mmol)及びZ-Gly-Gly-Gly-OH(662mg、2.385mmol)を、DMF(6.63mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(457mg、2.385mmol)及びHOBT(304mg、1.988mmol)を添加し、続いてDIEA(694μL、3.98mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO_(3)、ブライン、及び水(2×)で洗浄した。有機層を、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%?10%)により精製して、化合物41を白色粘着発泡体として得た(994mg、収率71%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.38-7.32(m,7H),7.31-7.27(m,2H),7.01(s,2H),5.13(s,2H),4.74(s,4H),3.97(d,2H,J=4.6Hz),3.92(d,2H,J=5.3Hz),3.74(d,2H,J=3.7Hz),3.27(s,3H),0.94(s,18H),0.11(s,12H). 【0420】 【化122】 ![]() 【0421】 工程6:化合物41(994mg、1.418mmol)をMeOH(6.65mL)及び水(443μL)に懸濁させ、N_(2)でパージした。Pd/C(10%湿潤、302mg、0.284mmol)を添加し、H_(2)を数分間吹き込んだ。反応物を、H_(2)バルーン下、一晩攪拌した。溶液をセライト濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、純粋な化合物42を得た(725mg、収率90%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.10-7.97(m,1H),7.91-7.85(m,1H),7.31-7.23(m,1H),7.05(s,2H),7.65(s,4H),3.68-3.62(m,2H),3.56-3.45(m,1H),3.09(s,3H),3.08-3.06(m,2H),3.06-3.03(m,2H),0.82(s,18H),0.00(s,12H).LCMS=5.574分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):567.30(M+H). 【0422】 【化123】 ![]() 【0423】 工程7:アミン化合物42(725mg、1.279mmol)及びアジピン酸モノメチル(246mg、1.535mmol)をDMF(6.5mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(294mg、1.535mmol)及びHOBt(196mg、1.279mmol)を添加し、続いてDIEA(447μL、2.56mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、水、及びブラインで洗浄した。有機層を、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%?10%)により精製して、化合物43を得た(425mg、収率33%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.30(s,1H),7.01(s,2H),6.89-6.85(m,1H),6.75-6.72(m,1H),6.41-6.40(m,1H),4.73(s,4H),3.98-3.96(m,4H),3.74(bd,2H,J=3.5Hz),3.66(s,3H),3.27(s,3H),2.33(t,2H,J=6.8Hz),2.28(t,2H,J=6.5Hz),0.94(s,18H),0.11(s,12H).LCMS=7.709分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):709.35(M+H). 【0424】 【化124】 ![]() 【0425】 工程8:化合物43(422mg、0.417mmol)を、THF(1.89mL)及び水(189μL)に溶解させた。HCl(水性、5M)(833μL、4.17mmol)を添加し、反応物を室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。残渣にACN(約15mL)を添加し、濃縮した。これを、さらに2回繰り返して、化合物44を白色発泡体として得た(200mg、収率100%)。LCMS=0.389分(8分方式).^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.09-8.04(m,2H),7.93-7.90(m,1H),7.30(bs,1H),7.14(s,2H),4.52(s,4H),3.71-3.68(m,4H),3.58(s,3H),3.17(bs,3H),2.22-2.18(m,2H),2.15-2.12(m,2H),1.53-1.47(m,4H). 【0426】 【化125】 ![]() 【0427】 工程9:ジオール化合物44(110mg、0.229mmol)及びCBr_(4)(228mg、0.687mmol)をDMF(2.29mL)に溶解させた。反応混合物にPPh_(3)(180mg、0.687mmol)を添加すると、この時点で反応物は赤桃色に変色し、わずかに発熱した。反応物を、Ar下、6時間攪拌した。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH_(2)Cl_(2)、勾配、0%?10%)により精製して、化合物45を得た(30mg、収率22%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.46(bs,1H),7.32-7.26(m,2H),7.26-7.19(m,2H),6.89-6.85(m,1H),4.60(d,2H,J=3.6Hz),4.48(d,2H,J=3.9Hz),3.98(d,4H,J=5.1Hz),3.76(bs,1H),3.67(s,3H),3.30(bs,3H),2.34(bt,2H,J=6.7Hz),2.30(bt,2H,J=6.6Hz),1.70-1.64(m,4H).LCMS=4.326分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):605.10(M+H). 【0428】 【化126】 ![]() 【0429】 工程10:化合物46を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物46を黄色固体として得た(40mg、収率59%)。LCMS=4.751分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1033.35(M+H). 【0430】 【化127】 ![]() 【0431】 工程11:化合物47を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物47を白色固体として得た(14mg、収率32%)。LCMS=5.857分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1035.7(M+H). 【0432】 【化128】 ![]() 【0433】 工程12:化合物48を、実施例2の22と同様に調製した。シリカプラグ後、化合物48を黄色固体として得た(7mg、収率100%)。LCMS=4.817分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):1021.35(M+H). 【0434】 【化129】 ![]() 【0435】 工程13:化合物49を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=2-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)-3,6,9,12-テトラオキソ-2,5,8,11-テトラアザヘプタデカン-17-オアート、化合物49を、白色固体として得た(6.5mg、収率74%)。LCMS=5.805分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1118.7(M+H)。 【0436】 実施例5. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((R)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((R)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート(化合物80)の合成 【0437】 【化130】 ![]() 【0438】 工程1:(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(5g、22.40mmol)及び(R)-tert-ブチル=2-アミノプロパノアート塩酸塩(4.48g、24.64mmol)を、無水DMF(44.8ml)に溶解させた。EDC・HCl(4.72g、24.64mmol)、HOBt(3.43g、22.40mmol)、次いでDIPEA(9.75ml、56.0mmol)を添加した。反応物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、水、及びブラインで洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、化合物71を得た(5.6g、収率71%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.39-7.34(m,5H),6.54(s,1H),5.28(s,1H),5.15(s,2H),4.47-4.43(m,1H),4.48(s,1H),1.49(s,9H),1.42-1.37(m,6H). 【0439】 【化131】 ![]() 【0440】 工程2:化合物71(5.6g、15.98mmol)を、メタノール(50.7mL)及び水(2.54mL)に溶解させた。溶液を、アルゴンで5分間パージした。パラジウム炭素(湿潤、10%)(0.850g、0.799mmol)を緩徐に添加した。反応物を、水素雰囲気下、一晩攪拌した。溶液をセライト濾過し、メタノールですすぎ、濃縮した。残渣を、メタノール及びアセトニトリルとともに共沸させ、得られた油状物を高真空中に直接置いて、化合物72を得た(3.57g、収率100%)。これは次の工程で直接使用した。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.67(s,1H),4.49-4.42(m,1H),3.54-3.49(m,1H),1.48(s,9H),1.40(d,3H,J=7.2Hz),1.36(d,3H,J=6.8Hz). 【0441】 【化132】 ![]() 【0442】 工程3:化合物72(3.57g、16.51mmol)及びアジピン酸モノメチル(2.69mL、18.16mmol)を無水DMF(55.0mL)に溶解させた。EDC・HCl(3.48g、18.16mmol)及びHOBt((2.53g、16.51mmol)を添加し、続いてDIPEA(5.77mL、33.0mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタン/メタノール(80mL、5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物をアセトニトリル(5×)とともに共沸させ、次いで、35℃にて、高真空でポンピングして、化合物73を得た(5.91g、収率100%)。粗物質は、精製することなく次の工程に用いた。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ6.67(d,1H,J=6.8Hz),6.22(d,1H,J=7.2Hz),4.56-4.49(m,1H),4.46-4.38(m,1H),3.68(s,3H),2.37-2.33(m,2H),2.27-2.24(m,2H),1.70-1.68(m,4H),1.47(s,9H),1.40(s,3H),1.38(s,3H). 【0443】 【化133】 ![]() 【0444】 工程4:化合物73(5.91g、16.5mmol)を、TFA(25.4mL、330mmol)及び脱イオン水(1.3mL)中、室温で3時間攪拌した。反応混合物をアセトニトリルとともに濃縮し、高真空中において乾固させ、粗化合物74を得た(4.99g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.44(d,1H,J=7.2Hz,),6.97(d,1H,J=8.0Hz),4.81-4.73(m,1H),4.59-4.51(m,1H),3.69(s,3H),2.39-2.32(m,2H),2.31-2.23(m,2H),1.70-1.61(m,4H),1.48(d,3H,J=7.2Hz),1.40(d,3H,J=7.2Hz). 【0445】 【化134】 ![]() 【0446】 工程5:化合物74(4.8g、15.88mmol)を、無水ジクロロメタン(101mL)及び無水メタノール(50.4mL)に溶解させた。(5-アミノ-1,3-フェニレン)ジメタノール(2.316g、15.12mmol)及びEEDQ(7.48g、30.2mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物75を得た(1.65g、収率25%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.68(s,1H),8.29(d,1H,J=7.2Hz),8.11(d,1H,J=6.4Hz),7.52(s,2H),6.97(s,1H),5.15(s,2H),4.45(s,4H),4.39-4.32(m,1H),4.28-4.21(m,1H),3.57(s,3H),2.30-2.27(m,2H),2.17-2.13(m,2H),1.54-1.45(m,4H),1.30(d,3H,J=7.2Hz),1.20(d,3H,J=7.2Hz).MS(m/z):460.2(M+Na)^(+). 【0447】 【化135】 ![]() 【0448】 工程6:化合物75(0.486g、1.111mmol)及び四臭化炭素(1.105g、3.33mmol)を無水DMF(11.11mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(0.874g、3.33mmol)を添加し、反応物をアルゴン下で4時間攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物76を得た(250mg、収率40%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.82(s,1H),8.38(d,1H,J=7.2Hz),8.17(d,1H,J=6.0Hz),7.76(s,2H),7.22(s,1H),4.66(s,4H),4.38-4.31(m,1H),4.25-4.19(m,1H),3.56(s,3H),2.30-2.27(m,2H),2.18-2.15(m,2H),1.53-1.51(m,4H),1.32(d,3H,J=7.2Hz),1.21(d,3H,J=6.8Hz). 【0449】 【化136】 ![]() 【0450】 工程7:化合物77を、実施例1の11と同様に調製した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物77を得た(340mg、収率60%、純度77%)。LCMS=5.87分(15分方式).MS(m/z):990.6(M+1)^(+). 【0451】 【化137】 ![]() 【0452】 工程8:化合物78を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗物質をRPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、化合物78を得た(103mg、収率30%)。LCMS=6.65分(15分方式).MS(m/z):992.7(M+1)^(+). 【0453】 【化138】 ![]() 【0454】 工程9:化合物78を、実施例2の22と同様に調製した。粗物質を、シリカプラグに通して、化合物79を得た(38mg、収率55%、純度75%)。LCMS=5.83分(15分方式).MS(m/z):978.6(M+1)^(+). 【0455】 【化139】 ![]() 【0456】 工程10:化合物80を、を、実施例1の化合物14と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((R)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((R)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート、化合物80を得た(6.5mg、収率30%)。LCMS=6.53分(15分方式).MS(m/z):1075.7(M+1)^(+)及び1097.7(M+Na)^(+). 実施例6. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((S)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((R)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート、化合物90の合成 【0457】 【化140】 ![]() 【0458】 工程1:(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(5g、22.40mmol)及び(S)-tert-ブチル=2-アミノプロパノアート塩酸塩(4.48g、24.64mmol)を無水DMF(44.8mL)に溶解させた。EDC・HCl(4.72g、24.64mmol)、HOBt(3.43g、22.40mmol)、及びDIPEA(9.75mL、56.0mmol)を添加した。反応物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、水、及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、化合物81を得た(6.7g、収率85%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.38-7.31(m,5H),6.53-6.42(m,1H),5.42-5.33(m,1H),5.14(s,2H),4.48-4.41(m,1H),4.32-4.20(m,1H),1.49(s,9H),1.42(d,3H,J=6.8Hz),1.38(d,3H,J=7.2Hz). 【0459】 【化141】 ![]() 【0460】 工程2:化合物81(6.7g、19.12mmol)を、メタノール(60.7mL)及び水(3.03mL)に溶解させた。溶液をアルゴンで5分間パージした。パラジウム炭素(湿潤、10%)(1.017g、0.956mmol)を緩徐に添加した。反応物を、水素雰囲気下、一晩攪拌した。溶液を、セライト濾過し、メタノールですすぎ、濃縮した。これを、メタノール及びアセトニトリルとともに共沸させ、得られた油状物を高真空中に直接置き、化合物82を得た(4.02g、収率97%)。これは次の工程で直接用いた。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.78-7.63(m,1H),4.49-4.42(m,1H),3.55-3.50(m,1H),1.73(s,2H),1.48(s,9H),1.39(d,3H,J=7.2Hz),1.36(d,3H,J=6.8Hz). 【0461】 【化142】 ![]() 【0462】 工程3:化合物82(4.02g、18.59mmol)及びアジピン酸モノメチル(3.03mL、20.45mmol)を無水DMF(62.0mL)に溶解させた。EDC・HCl(3.92g、20.45mmol)、HOBt(2.85g、18.59mmol)、及びDIPEA(6.49mL、37.2mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物を、ジクロロメタン/メタノール(150mL、5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物を、アセトニトリル(5×)とともに共沸させ、次いで35℃にて、高真空でポンピングして、化合物83を得た(6.66g、収率100%)。粗物質は、精製することなく次の工程で用いた。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ6.75(d,1H,J=6.8Hz),6.44(d,1H,J=6.8Hz),4.52-4.44(m,1H),4.43-4.36(m,1H),3.65(s,3H),2.35-2.29(m,2H),2.25-2.18(m,2H),1.71-1.60(m,4H),1.45(s,9H),1.36(t,6H,J=6.0Hz). 【0463】 【化143】 ![]() 【0464】 工程4:化合物83(5.91g、16.5mmol)を、TFA(28.6mL、372mmol)及び脱イオン水(1.5mL)中、室温で3時間攪拌した。反応混合物をアセトニトリルとともに濃縮し、高真空中に置いて、粗化合物84を粘着固体として得た(5.88g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3)):δ7.21(d,1H,J=6.8Hz),6.81(d,1H,J=7.6Hz),4.69-4.60(m,1H),4.59-4.51(m,1H),3.69(s,3H),2.40-2.33(m,2H),2.31-2.24(m,2H),1.72-1.63(m,4H),1.51-1.45(m,3H),1.42-1.37(m,3H). 【0465】 【化144】 ![]() 【0466】 工程5:化合物84(5.6g、18.52mmol)を、無水ジクロロメタン(118mL)及び無水メタノール(58.8mL)に溶解させた。(5-アミノ-1,3-フェニレン)ジメタノール(2.70g、17.64mmol)及びEEDQ(8.72g、35.3mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去して、酢酸エチルを添加した。得られたスラリーを濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空/N_(2)下で乾燥させて、化合物85を得た(2.79g、収率36%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.82(s,1H),8.05,(d,1H,J=9.2Hz),8.01(d,1H,J=7.2Hz),7.46(s,2H),6.95(3,1H),5.21-5.12(m,2H),4.47-4.42(m,4H),4.40-4.33(m,1H),4.33-4.24(m,1H),3.58(s,3H),2.33-2.26(m,2H),2.16-2.09(m,2H),1.54-1.46(m,4H),1.30(d,3H,J=7.2Hz),1.22(d,3H,J=4.4Hz). 【0467】 【化145】 ![]() 【0468】 工程6:化合物85(0.52g、1.189mmol)及び四臭化炭素(1.183g、3.57mmol)を、無水DMF(11.89mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(0.935g、3.57mmol)を添加し、反応物をアルゴン下で4時間攪拌した。反応混合物を、DCM/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物86を得た(262mg、収率39%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ10.01(s,1H),8.11(d,1H,J=6.8Hz),8.03(d,1H,J=6.8Hz),7.67(s,2H),7.21(s,1H),4.70-4.64(m,4H),4.40-4.32(m,1H),4.31-4.23(m,1H),3.58(s,3H),2.34-2.26(m,2H),2.18-2.10(m,2H),1.55-1.45(m,4H),1.31(d,3H,J=7.2Hz),1.21(d,3H,J=7.2Hz). 【0469】 【化146】 ![]() 【0470】 工程7:化合物87を、実施例1の化合物11と同様に調製した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物87を得た(336mg、収率74%)。LCMS=5.91分(15分方式).MS(m/z):990.6(M+1)^(+). 【0471】 【化147】 ![]() 【0472】 工程8:化合物88を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、化合物88を得た(85.5mg、収率25%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):992.6(M+1)^(+). 【0473】 【化148】 ![]() 【0474】 工程9:化合物88を、実施例2の22と同様に調製した。粗物質を、シリカプラグに通して、化合物89を得た(48.8mg、収率80%)。LCMS=5.89分(15分方式).MS(m/z):978.6(M+1)^(+). 【0475】 【化149】 ![]() 【0476】 工程10:化合物90を、実施例1の14と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=6-(((S)-1-(((S)-1-((3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((R)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサノアート、化合物90を得た(8.2mg、収率30%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):1075.4(M+1)^(+). 実施例7. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=1-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)-1,4,7,10-テトラオキソ-2,5,8,11-テトラアザテトラデカン-14-オアート(化合物63)の合成 【0477】 【化150】 ![]() 【0478】 工程1:Z-Gly-Gly-GlyOH化合物50(1.0g、3.09mmol)及びβ-アラニンメチルエステル・HCl(453mg、3.25mmol)を、DMF(12.37mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(623mg、3.25mmol)及びHOBt(497mg、3.25mmol)を添加し、続いてDIEA(1.08mL、6.19mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。翌日、白色沈殿物が大量に生じていた。反応混合物をCH_(2)Cl_(2)/MeOH(5:1、30mL)で希釈し、飽和NaHCO_(3)、飽和NH_(4)Cl、及びブラインで洗浄した。有機層は濁った。有機層にEtOAc(15mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。混合物を濾過し、固体を水(10mL)及びCH_(3)CN(2×15mL)で洗浄して、精製することなく純粋な化合物51を白色粉末として得た(880mg、収率70%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.16(bt,1H,J=5.4Hz),8.11(bt,1H,J=5.6Hz),7.88-7.85(m,1H),7.49(bt,1H,J=5.5Hz),7.40-7.31(m,5H),5.04(s,2H),3.74(d,2H,J=5.5Hz),3.67(t,4H,J=6.2Hz),3.60(s,3H),3.29(q,1H,J=6.4Hz),2.47(t,3H,J=6.9Hz). 【0479】 【化151】 ![]() 【0480】 工程2:化合物51(876mg、2.145mmol)を、MeOH(20.4mL)及び水(1.02mL)に溶解させ、Arでパージした。溶液を5分間脱気した。Pd/C(10%、50%水で湿潤、228mg)を緩徐に添加した。バルーンからH_(2)を1分間吹き込んだ。反応物を、H_(2)バルーン下、一晩攪拌した。反応混合物にH_(2)O(約3mL)を添加して、生じた白色固体を全て溶解させた。次いで、溶液をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をCH_(3)CN(20mL)に溶解させ、濃縮した。これを、さらに2回繰り返した。得られたガム状固体にCH_(3)CN(約15mL)を添加して、固体を沈殿させた。濃厚白色スラリーを10分間攪拌し、濾過し、CH_(3)CNで洗浄した。固体を真空/N_(2)下で1.5時間乾燥させ、化合物52を白色固体として得た(450mg、収率76%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18-8.12(m,2H),7.88(t,1H,J=5.4Hz),3.75(s,2H),3.65(d,2H,J=5.9Hz),3.6(s,3H),3.33-3.27(m,4H),2.47(t,2H,J=7.0Hz),1.94(bs,1H). 【0481】 【化152】 ![]() 【0482】 工程3:トリメチルベンゼン-1,3,5-トリカルボキシラート化合物53(5g、19.82mmol)をMeOH(66.1mL)及び水(13.22mL)に溶解させて攪拌した溶液に、NaOH(1.665g、41.6mmol)を添加した。反応混合物を、Ar下、3時間還流させた。大量の白色沈殿物が生じた。溶液を室温に冷却し、固体が全て溶解するまでH_(2)Oで希釈した。混合物を水性5NのHClでpH約2?3まで酸性にし、EtOAc(3×)で抽出し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を温EtOAc(50mL)に溶解させ、室温まで緩徐に冷却した。沈殿物を濾過した(沈殿物は副生成物であり生成物ではなかった)。母液を濃縮して、化合物54を白色固体として得た(3.45g、収率78%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ13.62(bs,2H),8.65(s,3H),3.93(s,3H).LCMS=3.209分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):244.90(M+H). 【0483】 【化153】 ![]() 【0484】 工程4:二酸化合物54(1.0g、4.46mmol)を、THF(17.84mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、Ar下、BH_(3)・DMS(THF中2M)(8.92mL、17.84mmol)を緩徐に添加した。反応物を0℃で5分間攪拌し、次いで室温まで昇温させて、一晩攪拌した。反応物を空気にさらし、MeOHで緩徐にクエンチし、続いて、気体の発生が観測されなくなるまでH_(2)Oを緩徐に添加した。混合物をEtOAc(2×)で抽出し、層を分離させた。有機層を、約3%H_(2)O_(2)水、クエン酸水溶液、及びブラインで洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、20%?100%)により精製して、ジオール化合物55を白色固体として得た(385mg、収率44%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ7.81(s,2H),7.52(s,1H),5.33(bs,2H),4.56(s,4H),3.86(s,3H). 【0485】 【化154】 ![]() 【0486】 工程5:ジオール化合物55(320mg、1.631mmol)を、Ar下、DCM(10.9mL)に溶解させた。溶液を-5℃に冷却し、TEA(0.568mL、4.08mmol)を添加し、続いてMsCl(0.292mL、3.75mmol)を緩徐に添加したが、この時点で、添加すると直ちに色が黄色く変色し、次いで暗赤色/褐色に変色した。反応混合物を、Ar下、-5℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を、水(2×)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗ジメシラート化合物56を得た(435mg、収率76%)。 【0487】 【化155】 ![]() 【0488】 工程6:ジメシラート化合物56(435mg、1.11mmol)を、DMFに溶解させた(5.55mL)。IGN単量体化合物10(719mg、2.444mmol)を添加し、続いてK_(2)CO_(3)(384mg、2.78mmol)を添加し、Ar下、室温で一晩攪拌した。水(20mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。スラリーを5分間攪拌し、濾過し、真空/N_(2)下、1.5時間乾燥させた。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、50%?100%、次いで5%MeOH/DCM)により精製して、化合物57を黄色固体として得た(535mg、収率64%、2工程)。LCMS=6.973分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):749.4(M+H). 【0489】 【化156】 ![]() 【0490】 工程7:化合物57(100mg、0.134mmol)を、DCE(1.34mL)に溶解させた。トリメチルスタンナノール(362mg、2.003mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈した。水層を1MのHClでpH約4まで酸性にし、DCM(3×)で抽出し、Na_(2)SO_(4)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をショートシリカプラグに詰めて、DCM/MeOH(10:1、50mL)で洗浄し、濃縮して、化合物58を淡黄色固体として得た(100mg、収率100%)。LCMS=5.872分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):735.3(M+H). 【0491】 【化157】 ![]() 【0492】 工程8:酸化合物58(80mg、0.087mmol)及びアミン化合物52(36mg、0.131mmol)を、DMFに溶解させた(871μL)。EDC・HCl(25mg、0.131mmol)及びDMAP(10.6mg、0.087mmol)を添加し、室温で4時間攪拌した。水(4mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。スラリーを5分間攪拌し、濾過し、真空/N_(2)下で乾燥させた。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%から20%へ)により精製して、化合物60を黄色固体として得た(37mg、収率43%)。LCMS=4.605分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):991.35(M+H). 【0493】 【化158】 ![]() 【0494】 工程9:化合物61を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物61を白色固体として得た(8mg、収率25%)。LCMS=5.421分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):993.7(M+H). 【0495】 【化159】 ![]() 【0496】 工程10:化合物62を、実施例2の化合物22と同様に調製した。ショートシリカプラグに詰めた後、粗化合物62を黄色固体として得た(13mg、収率90%)。LCMS=4.693分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):979.35(M+H). 【0497】 【化160】 ![]() 【0498】 工程11:化合物63を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=1-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)-1,4,7,10-テトラオキソ-2,5,8,11-テトラアザテトラデカン-14-オアート、化合物63を、白色固体として得た(4mg、収率31%)。LCMS=5.495分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1076.7(M+H). 実施例8. 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル=3-((S)-2-((S)-2-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)ベンズアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物70)の合成 【0499】 【化161】 ![]() 【0500】 工程1:Z-L-Ala-L-Ala-OH化合物64(3.0g、10.19mmol)及びβ-アラニンメチルエステル・HCl(1.565g、11.21mmol)を、DMFに溶解させた(20.39mL)。EDC・HCl(2.150g、11.21mmol)及びHOBt(1.561g、10.19mmol)を添加し、続いてDIPEA(4.44mL、25.5mmol)を添加した。反応物をAr下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH_(4)Cl、飽和NaHCO_(3)、及びブラインで洗浄した。有機層にヘキサンを添加したところ、この時点で溶液は濁り、沈殿が生じた。スラリーを数分間攪拌し、濾過し、固体をEtOAc/ヘキサン(3:1)で洗浄した。固体を真空/N_(2)下で乾燥させて、純粋な化合物65を白色固体として得た(3.11g、収率80%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ7.91(d,2H,J=7.0Hz),7.46(d,1H,J=7.4Hz),6.39-7.30(m,5H),5.02(d,2H,J=2.3Hz),4.20(p,1H,J=7.2Hz),4.04(p,1H,J=7.3Hz),3.59(s,3H),3.30-3.22(m,1H),2.45(t,2H,J=6.8Hz),1.18(見かけ上t,6H,J=7.2Hz).LCMS=3.942分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):380.10(M+H). 【0501】 【化162】 ![]() 【0502】 工程2:化合物65(1.0g、2.64mmol)を、メタノール(12.55mL)、水(0.628mL)、及びTHF(2mL)に溶解させた。溶液をArでパージし、次いで5分間脱気した。Pd/C(10%、50%水で湿潤、0.140g)を緩徐に添加した。溶液にH_(2)を1分間吹き込み、反応物をH_(2)バルーン(1atm)下で一晩さらに攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、MeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣にCH_(3)CN(15mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物66をオフホワイト色固体として得た(650mg、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.03-7.99(m,2H),4.24-4.18(m,1H),3.60(s,3H),3.31-3.22(m,5H),2.46(t,2H,J=6.8Hz),1.17(d,3H,J=7.0Hz),1.12(d,3H,J=6.9Hz). 【0503】 【化163】 ![]() 【0504】 工程3:化合物67を、実施例7の60と同様に調製した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー後、化合物67を黄色固体として得た(69mg、収率53%)。LCMS=4.843分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):962.25(M+H). 【0505】 【化164】 ![]() 【0506】 工程4:化合物68を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物68を白色固体として得た(11.5mg、収率19%)。LCMS=5.136分(8分方式).質量観測値(ESI^(+)):964.35(M+H). 【0507】 【化165】 ![]() 【0508】 工程5:化合物69を、実施例2の化合物22と同様に調製した。ショートシリカプラグに詰めた後、粗化合物69を黄色固体として得た(13mg、収率100%)。LCMS=5.640分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):950.4(M+H)。 【0509】 【化166】 ![]() 【0510】 工程6:化合物70を、を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル-3-((S)-2-((S)-2-(3-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-12a,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)ベンズアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパノアート、化合物70を白色固体として得た(5mg、収率35%)。LCMS=6.138分(15分方式).質量観測値(ESI^(+)):1047.4(M+H). 実施例9. (12S,12aS)-9-((3-(2-(2-(2-(4-メルカプト-4-メチルペンタンアミド)アセトアミド)アセトアミド)アセトアミド)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)ベンジル)オキシ)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-12-スルホン酸(化合物98)の合成 【0511】 【化167】 ![]() 【0512】 工程1:化合物4(2.0g、8.15mmol)及び4-メチル-4-(メチルジスルファニル)ペンタン酸(1.743g、8.97mmol)を無水DMF(27.2mL)に溶解させた。EDC・HCl(1.719g、8.97mmol)及びHOBt(1.249g、8.15mmol)を添加し、続いてDIPEA(2.85mL、16.31mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタン/メタノール(5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗油状物を、アセトニトリル(3×)とともに共沸させ、次いで35℃で、高真空でで約1.5時間ポンピングして、化合物91を得た。これを、さらに精製することなく使用した(3.44g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.18-8.09(m,3H),3.76-3.68(m,6H),2.41(s,3H),2.28-2.21(m,2H),1.84-1.77(m,2H),1.41(s,9H),1.25(s,6H). 【0513】 【化168】 ![]() 【0514】 工程2:化合物91(3.44g、8.15mmol)を、TFA(12.56mL、163mmol)及び脱イオン水(0.65mL)中、室温で3.5時間攪拌した。反応物をアセトニトリルで希釈し、乾固するまで蒸発させた。粗固体を酢酸エチルに添加してスラリーとし、濾過し、酢酸エチル、次いでジクロロメタン/メタノール(1:1)ですすいで、化合物92を得た(2.98g、収率100%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.19-8.08(m,3H),3.80-3.68(m,6H),2.41(s,3H),2.28-2.20(m,2H),1.85-1.76(m,2H),1.25(s,6H). 【0515】 【化169】 ![]() 【0516】 工程3:化合物92(1.74g、4.76mmol)を、ジクロロメタン(30.2mL)及びメタノール(15.11mL)に溶解させた。N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(2.243g、9.07mmol)及び(5-アミノ-1,3-フェニレン)ジメタノール(0.695g、4.53mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、酢酸エチルを添加した。固体をセライト濾過し、酢酸エチル、次いでメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物93を得た(569mg、収率25%)。^(1)H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.74(s,1H),8.24-8.15(m,3H),7.45(s,2H),6.96(s,1H),5.17(t,2H,J=5.6Hz),4.45(d,4H,J=5.6Hz,),3.87(d,2H,J=6.0Hz,),3.77(d,2H,J=6.0Hz,),3.73(d,2H,J=5.6Hz,),2.40(s,3H),2.28-2.21(m,2H),1.83-1.76(m,2H),1.24(s,6H). 【0517】 【化170】 ![]() 【0518】 工程4:化合物93(305mg、0.609mmol)を、無水DCM(5.992mL)に懸濁させた。溶液が均質になるまで、無水DMFを添加した(約2.5mL)。溶液を、アセトン/ドライアイス浴で-10℃に冷却した。トリエチルアミン(0.425mL、3.05mmol)を添加し、続いてメタンスルホン酸無水物(274mg、1.523mmol)を添加した。混合物を-10℃で1時間攪拌した。反応物を氷水でクエンチし、冷酢酸エチル/メタノール(20:1)で抽出した。有機層を氷水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を高真空で乾燥させ、化合物94を得た(380mg、収率95%)。LCMS=4.2分(15分方式).MS(m/z):655.0(M-1)^(-). 【0519】 【化171】 ![]() 【0520】 工程5:化合物95を、実施例7の化合物57と同様に調製した。粗固体を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)に溶解させ、水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物95を得た(445mg、収率42%、純度54%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):1053.4(M+1)^(+)及び1051.3(M-1)^(-). 【0521】 【化172】 ![]() 【0522】 工程6:化合物95(445mg、0.423mmol)を、1,2-ジクロロエタン(2.82mL)に溶解させた。室温でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(80mg、0.359mmol)を添加し、1時間攪拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化アンモニウムで洗浄した。有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させて、化合物95、96、及び96aの混合物を得た(496mg)。この粗混合物を、2-プロパノール(39.17mL)及び水(19.59mL)に溶解させた。重亜硫酸ナトリウム(245mg、2.35mmol)を添加し、室温で3.5時間攪拌した。混合物を凍結乾燥させて、綿状白色固体を得て、これをRPHPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製して、化合物97(54mg、収率10%)及び化合物96a(24mg、収率5%)を得た。LCMS(化合物97)=4.83分(15分方式)及びLCMS(化合物96a)=8.05分(15分方式). 【0523】 【化173】 ![]() 【0524】 工程7:化合物97(54mg、0.047mmol)をCH_(3)CN(3.85mL)に溶解させて攪拌した溶液に、調製したばかりのTCEP/pH6.5緩衝溶液(TCEP・HCl(46.7mg)添加し、脱イオン水数滴を溶解させ、続いてpH約6.5になるまで飽和重炭酸ナトリウムを滴下した。この溶液を、pH=6.5の1Mリン酸ナトリウム緩衝液0.55mL及びメタノール(2.75mL)で希釈した。混合物を、室温で3時間攪拌し、次いで凍結乾燥させた。固体をRPHPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製して、(12S,12aS)-9-((3-(2-(2-(2-(4-メルカプト-4-メチルペンタンアミド)アセトアミド)アセトアミド)アセトアミド)-5-((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)ベンジル)オキシ)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-12-スルホン酸、化合物98(2mg、収率4%)を得た。LCMS=4.32分(15分方式).MS(m/z):1089.3(M-1)^(-). 実施例10. N-(2-((2-((2-((3,5-ビス((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)-4-メルカプト-4-メチルペンタンアミド(化合物99)の合成 【0525】 【化174】 ![]() 【0526】 化合物99を、実施例9の化合物98と同様に調製した。C18精製後、N-(2-((2-((2-((3,5-ビス((((S)-8-メトキシ-6-オキソ-11,12,12a,13-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2-a]インドール-9-イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-オキソエチル)-4-メルカプト-4-メチルペンタンアミド、化合物99を白色固体として得た(6.3mg、収率27%)。LCMS=7.26分(15分方式).MS(m/z):1033.5(M+Na)^(+). 実施例11.huMOV19-14の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び8モル当量の化合物14(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたって、コンジュゲートさせた。 【0527】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。 【0528】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.0のIGN91分子が結合しており(化合物14に対してε_(330nm)=15,280cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、90%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物14が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.78mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>87%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Aに示す。 【0529】 実施例12.huMOV19-スルホ-SPDB-98の調製 最終濃度3.9mMの化合物98及び3mMのスルホ-SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含む、10mMのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含有するDMAを60分間インキュベートした後、得られた化合物98-スルホ-SPDB-NHSを20倍過剰量で、4mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含む15mMのHEPES、pH8.5(90:10の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩かけてコンジュゲートさせた。 【0530】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、100mMアルギニン、20mMヒスチジン、2%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、一晩透析を行った。 【0531】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.7分子の化合物98が結合しており(化合物98に対してε_(330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたSECによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.18mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Aに示す。 【0532】 実施例13.huMOV19-35の調製 2.5mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物35(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0533】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、8時間透析を行った。 【0534】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.9分子の化合物35が結合しており(IGN128に対してε_(330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、97%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物35が<1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.4mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Aに示す。 実施例14.huMOV19-63の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び7モル当量の化合物63(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0535】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。 【0536】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物63が結合しており(IGN131に対してε_(330nm)=15,280cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物63が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.6mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>90%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Bに示す。 実施例15.huMOV19-80の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び7モル当量の化合物80(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0537】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。 【0538】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.5分子の化合物80が結合しており(化合物80に対してε_(330nm)=15,280cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物80が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が2.4mg/mlであることがわかった。コンジュゲートされた抗体は、ゲルチップ分析により、>90%インタクトであることがわかった。 実施例16.huMOV19-90の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び3.9モル当量の化合物90(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む95:5のDMA:50mMコハク酸、pH5.5を用いて、25℃で4時間前処理したもの)を含有する反応物を含む15mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間インキュベートした。反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、10mMコハク酸化合物、50mM塩化ナトリウム、8.5%w/vスクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウムpH6.2配合緩衝液へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 30,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液で、室温で4時間、次いで4℃で一晩、透析を行った。 【0539】 精製したコンジュゲートは、最終タンパク質濃度が1.8mg/mlであり、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物90が結合しており(IGN152に対してε_(330nm)=15,280cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、98.3%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつコンジュゲートされていない化合物90が<1.1%(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)であることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Bに示す。 実施例17.huMOV19-49の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物49(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0540】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、4時間透析を行った。 【0541】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.8分子の化合物49が結合しており(化合物49に対してε_(330nm)=15,280cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、94%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物49が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.5mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>95%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Cに示す。 実施例18.huMOV19-スルホ-SPDB-99の調製 最終濃度1.95mMの化合物99及び1.5mMのスルホ-SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含む、10mMのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含有するDMAを20分間インキュベートしてから、4mMのマレイミドプロピオン酸MPAでキャップした。得られた99-スルホ-SPDB-NHSを6倍過剰量で、2.5mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含有する15mMのHEPES、pH8.5(82:18の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩かけてコンジュゲートさせた。 【0542】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、50mM塩化ナトリウム、8.5%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液で、4℃で、一晩透析を行った。 【0543】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して1.6分子の化合物99が結合しており(化合物99に対してε_(330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.59mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Cに示す。実施例19.huMOV19-70の調製 2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物70(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0544】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、100mMアルギニン、2%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。精製後、Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、18時間透析を行った。 【0545】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.0分子の化合物70が結合しており(化合物70に対するε_(330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対するε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、94%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物70が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.3mg/mlであることがわかった。 【0546】 実施例20.huMOV19-23の調製 2.5mg/mLのhuMOV19抗体及び4モル当量の化合物23(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。 【0547】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、8時間透析を行った。 【0548】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.8分子の化合物23が結合しており(化合物23に対してε_(330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及びε_(280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対してε_(280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いたUV-Visによるもの)、98%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物23が<3%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.3mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを図7Dに示す。 【0549】 実施例21.huMOV19-14コンジュゲート、huMOV19-90コンジュゲート、及びhuMOV19-107コンジュゲートの結合親和性についてのフローサイトメトリーアッセイ 96ウェルプレート(Falcon、丸底)中、100μl/ウェルのコンジュゲートhuMOV19-14、huMOV19-90、もしくはhuMOV19-107、または抗体huMOV19を、開始濃度3×10^(-8)MでFACS緩衝液(1%BSA、1×PBS)で希釈してそれを2回繰り返し、続けて4℃にて、FACS緩衝液で3倍に系列希釈した。熱不活性化10%FBS(Life Technologies)、0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)、及び0.2IUのウシインシュリン/ml(Sigma)を補充したRPMI-1640(Life Technologies)で増殖させたT47D細胞(ヒト乳腺腫瘍)を、PBSで1回洗浄し、ヴェルセン(Life Technogies)で取り出した。T47D細胞を増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、ヴェルセンを中和し、コールターカウンターで計数した。次いで、細胞を冷FACS緩衝液で2回洗浄し、その洗浄の間に1200rpmで5分間遠心した。100μl/mlの2×10^(4)細胞/ウェルを、コンジュゲート、抗体、またはFACS緩衝液のみを含んだウェルに添加し、4℃で2時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を上記のように遠心し、200μl/ウェルの冷FACS緩衝液で1回洗浄した。次いで、細胞を、200μl/ウェルのFITC結合ヤギ抗ヒトIgG-Fcγ二次抗体(対照に含まれるのは、未染色細胞及び二次抗体のみで染色されたものであった)を用いて4℃で40分間染色し、遠心し、200μl/ウェルの冷PBS-Dで1回洗浄した。細胞を200μl/ウェルの1%ホルムアルデヒド/PBS-Dで固定し、4℃で保存した。保存後、コンジュゲートまたは抗体の細胞表面染色を、FACS Calibur(BD Biosciences)でフローサイトメトリーを用いて検出した。GraphPad Prismを用いて、幾何平均をコンジュゲートまたは抗体の対数濃度に対してプロットし、EC_(50)を非線形4-パラメーターロジスティック回帰分析で計算した。 【0550】 huMOV19-90コンジュゲートについての結合アッセイを繰り返した。データを図15Bに示す。 図1、図15A、図15B、及び図20に示すとおり、コンジュゲートは、未結合抗体と同様に、フローサイトメトリーにおいて、標的抗原を発現するT47D細胞の表面に結合し、これにより、結合が、コンジュゲート形成プロセスにより影響されないことが実証される。 実施例22.huMOV19-14コンジュゲートの細胞障害性アッセイ 96ウェルプレート(Corning、丸底)中、100μl/ウェルのhuMOV19-14コンジュゲートを、開始濃度3.5×10^(-9)M?3.5×10^(-8)Mで、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI-1640(Life Technologies)に希釈してそれを3回繰り返し、周辺温度にて、この培地で3倍に系列希釈した。熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したEMEM(ATCC)中で増殖させたKB細胞(頬側上皮性腫瘍)を、PBSで1回洗浄し、0.05%トリプシン-EDTA(Life Technogies)で取り出した。KB細胞を増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、トリプシンを中和し、コールターカウンターで計数した。100μl/mlの1×10^(3)細胞/ウェルを、コンジュゲートまたは培地のみを含有するウェルに添加し、1μMのブロッキング抗FOLR1抗体(huMOV19)とともに、またはなしで、5%CO_(2)の37℃インキュベーター中で5日間インキュベートした。合計体積は、200μl/ウェルである。インキュベーション後、20μl/ウェルのWST-8(Dojindo)を添加して、2時間発現させることにより、細胞生存度を分析した。プレートリーダーで、450及び620nmの吸光度を読み取った。450nmの吸光度から620nmの吸光度を差し引いた。補正した吸光度から、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドをさらに差し引き、未処理細胞の生存率(SF)をエクセルで計算した。Graph Pad Prismを用いて、ADC濃度(M)対SFのXYグラフを作成した。 【0551】 図2に示すとおり、コンジュゲートは、KB細胞に対して非常に強力であり、IC_(50)が4×10^(-12)Mである。コンジュゲートされていない抗体を過剰に添加すると細胞障害性効果が顕著に低下する。このことにより、抗原特異性が実証される。 実施例23.huMOV19-14コンジュゲート及びhuMOV19-90コンジュゲートのバイスタンダー細胞障害性アッセイ 96ウェルプレート(Falcon、丸底)中、100μl/ウェルのhuMOV19-14またはhuMOV19-90を、1e-10M?4e-10Mの濃度で、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)、0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)、及びβME(Life Technologies)を補充したRPMI-1640(Life Technologies)に希釈してそれを6回繰り返した。組換えFOLR1(FR1#14)を発現する、または発現ベクター(親)を発現しない300.19細胞(マウス)の両方を、コールターカウンターで計数した。コンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルには50μl/mlの1000個のFR1#14細胞/ウェルを添加し、コンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルには50μl/mlの2000個の親細胞/ウェルを添加し、さらにコンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルにはFR1#14及び親細胞の両方を一緒に添加した。全てのプレートを5%CO_(2)の37℃インキュベーター中で4日間インキュベートした。合計体積は、150μl/ウェルであった。インキュベーション後、75μl/ウェルのCell Titer Glo(Promega)を添加し45分間発現させることにより、細胞生存度を分析した。発光をルミノメーターで読み取り、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドを全ての値から差し引いた。Graph Pad Prismを用いて、各細胞処理の平均の棒グラフを作成した。 【0552】 図3に示すとおり、コンジュゲートhuMOV19-14は、隣接する抗原陰性細胞に対して弱いバイスタンダー細胞障害性効果を発揮する。 図13に示すとおり、コンジュゲートhuMov19-90は、強力なバイスタンダー殺傷活性を発揮する。 実施例24.huMy9-6-14コンジュゲートのIn vitro細胞障害性アッセイ 適切な培地中、1ウェルあたり2×10^(3)?1×10^(4)の細胞を含有する96ウェルプレートの各ウェルに、コンジュゲートの希釈液を添加した。細胞及び培地を含有するが、試験化合物を含んでいない対照ウェル、ならびに培地のみを含有するウェルを、各アッセイプレートに含ませた。プレートを、6%CO_(2)含有加湿雰囲気中、37℃で、4?6日間、インキュベートした。次いで、WST-8試薬、10%v/v、(Dojindo Molecular Technologies、Gaithersburg、MD)をウェルに添加し、プレートを37℃で2?6時間インキュベートした。次いで、プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/650nmにて吸光度を測定し、650nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。 【0553】 図3に示すとおり、コンジュゲートは、種々の抗原陽性癌細胞に対して非常に強力であり、一方、抗原陰性L-540細胞は、同じコンジュゲートに暴露された場合なおも生存し続ける。 実施例25.huMy9-6-14コンジュゲートのバイスタンダー細胞障害性アッセイ 予備試験を行って、抗原陰性RADA-1細胞に対しては細胞障害性ではないが、抗原陽性KARA細胞を全て殺傷するhuMy9-6-14濃度を求めた。RADA-1(1ウェルあたり500個の細胞)及びKARA(1ウェルあたり500、1000、2000、4000個の細胞)を、96ウェル丸底プレートに播種した。huMy9-6-14の希釈液を、細胞培養培地(10%熱不活性化ウシ胎児血清及び50mg/Lのゲンタマイシンを補充したRPMI1640培地)で調製し、細胞に添加した。プレートを、37℃で4日間インキュベートし、各ウェルの細胞生存度を、WST-8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc.)を用いて測定した。コンジュゲートのバイスタンダー効力を試験するため、RADA-1及びKARA細胞を、様々な比(500個のRADA-1細胞+0個のKARA細胞、500個のRADA-1細胞+500個のKARA細胞、500個のRADA-1細胞+1000個のKARA細胞、500個のRADA-1細胞+2000個のKARA細胞、500個のRADA-1細胞+4000個のKARA細胞)を一緒に混合して、96ウェル丸底プレートに播種した。次いで、1.0e-9Mまたは5.0e-10MのhuMy9-6-14(RADA-1細胞に対しては細胞障害性ではないが、KARA細胞を全て殺傷する濃度)を、細胞混合物に添加した。プレートを37℃で、4日間インキュベートし、各ウェルのRADA-1細胞生存度を、WST-8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc.)を用いて測定した。プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/650nmにて吸光度を測定し、650nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。 【0554】 図5に示すとおり、コンジュゲートは、隣接する抗原陰性細胞に対してバイスタンダー殺傷効果を発揮する。 実施例26.メスSCIDマウスにおけるNCI-H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMOV19-80及びhuMOV19-90の単回投与での抗腫瘍活性 6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。1×10^(7)のNCI-H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm^(3)に到達した時点で(播種後7日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、5つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、huMOV19-80、またはhuMOV19-90をhuMOV19-80またはhuMOV19-90濃度に基づいて5及び25μg/kgで、単回IV投与した。huMOV19は、葉酸受容体1(FOLR1)と選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体である。 【0555】 腫瘍の大きさを、週に2?3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm^(3)で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合は部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合に完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式: T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100 を用いて求めた。 【0556】 ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm^(3)に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm^(3))を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が、抗腫瘍活性の最小レベルである。T/C<10%の場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。 【0557】 図6に示すとおり、huMOV19-90コンジュゲートは、5及び25μg/kgの用量両方で活性が高く、一方、huMOV19-80コンジュゲートは、25μg/kgの用量で活性が高い。 実施例27.huML66-90の調製 2.0mg/mLのhuML66抗体、抗EGFR抗体(WO2012/058592参照、参照によりその全体が本明細書中に援用される)、及び3.5モル当量の化合物90(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:50mMコハク酸化合物pH5.5で、25℃で4時間前処理したもの)を含有する反応物を含む15mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N-ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間インキュベートした。反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、50mM塩化ナトリウム、8.5%w/vスクロース、0.01%Tween-20、50μM重亜硫酸ナトリウムpH6.2配合緩衝液へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 30,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で4時間、次いで4℃で一晩、透析を行った。 【0558】 精製したコンジュゲートは、最終タンパク質濃度が0.9mg/mlであり、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物90が結合しており(化合物90に対して_(ε330nm)=15,280cm-1M-1及び_(ε280nm)=30,115cm-1M-1、ならびにhuML66抗体に対して_(ε280nm)=205,520cm-1M-1のモル吸光係数を用いてUV-Visによるもの)、99.1%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつコンジュゲートされていないIGN149が<1%である(二重カラム、逆相HPLC分析によるもの)であることがわかった。MSスペクトル測定データを図8に示す。 実施例28.huML66-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性アッセイ huML66-90コンジュゲートが細胞増殖を阻害する能力を、in vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。標的細胞を、100μLの完全RPMI培地(RPMI-1640、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、全ての試薬はInvitrogenより入手したもの)中、1ウェルあたり1?2,000個の細胞で播種した。抗体を、3倍系列希釈で完全RPMI培地に希釈し、1ウェルあたり100μLを添加した。最終濃度は、典型的には、3×10-8M?4.6×10-12Mの範囲であった。細胞を、加湿5%CO2インキュベーター中、37℃で、5?6日間インキュベートした。残存細胞の生存度を、比色WST-8アッセイ(Dojindo Molecular Technologies, Inc.、Rockville、MD、US)により求めた。WST-8は、生細胞中、デヒドロゲナーゼにより橙色のホルマザン産物に還元される。この産物は組織培養培地に可溶性である。産生されたホルマザンの量は、生細胞数と直接比例する。WST-8を、最終体積の10%に添加し、プレートを、加湿5%CO2インキュベーター中、37℃でさらに2?4時間インキュベートした。マルチウェルプレートリーダーで450nmの吸光度(A450)を測定することにより、プレートを分析した。培地及びWST-8のみを含むウェルのバックグラウンドA450吸光度を、全ての値から差し引いた。処理した試料値それぞれを、未処理細胞を含むウェルの平均値で除算することにより、生存度パーセントを計算した。生存度パーセント=100^(*)(処理した試料のA450-バックグラウンドのA450)/(未処理試料のA450-バックグラウンドのA450)。各処理では、片対数プロットで、生存度パーセントの値を抗体濃度に対してプロットした。非線形回帰により用量反応曲線を作成し、各曲線のEC_(50)値を、GraphPad Prism(GraphPad software、SanDiego、CA)で計算した。 In vitro細胞障害性活性 未結合抗体が過剰に存在する場合及び存在しない場合のhuML66-90コンジュゲートのin vitro細胞障害性を評価し、EGFR発現細胞における非特異的huIgG-90コンジュゲートの活性と比較した。典型的な細胞障害性アッセイの結果を図9に示す。huML66-90コンジュゲートは、16pMのEC_(50)値でDetroit-562 SCC-HN細胞の特異的細胞殺傷をもたらした。コンジュゲートされていない抗体が過剰に存在する場合、活性は顕著に低下し、その結果EC_(50)値が約2nMとなった。同様に、huIgG-90コンジュゲートを未結合huIgG対照抗体とともに用いると、約8nMのEC_(50)値での細胞殺傷がもたらされた。 【0559】 同様に、huML66-90コンジュゲートは、12pMのEC_(50)値で、NCI-H292 NSCLC細胞の特異的細胞殺傷をもたらした。コンジュゲートされていない結合抗体が過剰に存在する場合、活性が顕著に低下し、EC_(50)値が約2nMとなった。同様に、huIgG-90コンジュゲートを未結合huIgG対照抗体とともに用いると、約8nMのEC_(50)値で細胞殺傷をもたらした。 【0560】 同様に、NCI-H1703細胞の特異的細胞殺傷も観測された。 【0561】 【表1-2】 ![]() 【0562】 実施例29.huMOV19-90のIn vitro細胞障害性活性 96ウェルプレート(Corning、平底)中、100μl/ウェルのhuMOV19-90コンジュゲートを、開始濃度3.5e-9M及び?3.5e-8Mで、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI-1640(Life Technologies)でそれぞれ希釈してそれを3回繰り返し、周辺温度にて、この培地で3倍に系列希釈した。KB細胞(頬側上皮性腫瘍)を、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したEMEM(ATCC)で増殖させ、PBSで1回洗浄し、0.05%トリプシン-EDTA(Life Technogies)を用いて取り出した。試験した他の細胞は、NCI-H2110(NSCLC)及びT47D(乳房上皮)であり、これらは、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI-1640(Life Technologies)で増殖させた。T47D培地には、0.2IU/mlウシインシュリンも補充した。全ての細胞を、増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、トリプシンを中和し、血球計数器を用いて計数した。100μl/mlの1000個のKB細胞/ウェルまたは2000個のT47D及びNCI-H2110細胞/ウェルを、コンジュゲートまたは培地のみを含有するウェルに添加し、1μMのブロッキング抗FOLR1抗体(huMOV19)とともにまたはこれを用いずに、5%CO_(2)の37℃インキュベーター中で5日間インキュベートした。合計体積は200μl/ウェルである。KB細胞に対する各コンジュゲートの開始濃度は、3.5e-9Mであり、T47D及びNCI-H2110細胞では、各コンジュゲートの開始濃度は、3.5e-8Mであった。インキュベーション後、20μl/ウェルのWST-8(Dojindo)を添加し、2時間発現させることにより、細胞生存度を分析した。プレートリーダーで、450及び620nmの吸光度を読み取った。450nmの吸光度から620nmの吸光度を差し引いた。補正した吸光度から、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドをさらに差し引き、未処理細胞の生存率(SF)をエクセルで計算した。Graph Pad Prismを用いて、ADC濃度(M)対SFのXYグラフを作成した。 【0563】 図10?12及び表2に示すとおり、huMOV19-90コンジュゲートは、KB細胞、T47D細胞、及びNCI-H2110細胞に対して非常に強力である。コンジュゲートされていない抗体を過剰に添加すると、細胞障害性効果が顕著に低下する。このことにより、抗原特異性が実証される。 【0564】 【表2】 ![]() 【0565】 別の実験では、コンジュゲートが細胞増殖を阻害する能力を、WST-8を利用したin vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。96ウェルプレート中の細胞(典型的には、1ウェルあたり1×10^(3))を、適切な細胞培養培地における、合計体積0.2mlの様々な濃度のコンジュゲートで処理した。細胞及び培地を含有するが、試験化合物を含有しない対照ウェル、ならびに培地のみを含有するウェルを、各アッセイプレートに含ませた。プレートを、6%CO_(2)含有加湿雰囲気中、37℃で、4?6日間インキュベートした。次いで、WST-8試薬(10%体積/体積、Dojindo Molecular Technologies)をウェルに添加し、プレートを細胞株に応じて37℃で2?6時間インキュベートした。次いで、プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/620nmにて吸光度を測定し、620nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。得られたOD_(450)値を用いて、GraphPad Prism v4(GraphPad software、SanDiego、CA)で細胞の見かけ上生存率を計算した。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。Graph Pad Prismで様々な傾きを用いてシグモイド曲線当てはめを使用する非線形回帰により用量反応曲線を作成した。IC_(50)(50%阻害濃度)を、このソフトウェアで計算した。 【0566】 コンジュゲートは、図21及び表3に示すとおり、試験した細胞株である、Ishikawa(子宮内膜癌)、KB(子宮頸癌)、及びNCI-H2110(非小細胞肺癌)に対して活性であった。未修飾huMOV19抗体が過剰である(1μM)と、コンジュゲートの効力が顕著に低下した(20?200倍)ことから、細胞殺傷活性は、FOLR1依存性であった。 【0567】 【表3】 ![]() 【0568】 実施例30.メスSCIDマウスにおけるNCI-H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMOV19-90コンジュゲートの単回用量での抗腫瘍活性 6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。1×107のNCI-H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm^(3)に到達した時点で(播種後7日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、4つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後8日目)に、化合物90の濃度に基づいて、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)またはhuMOV19-90を、1、3、もしくは5μg/kgで単回IV投与した。 【0569】 腫瘍の大きさを、週に2?3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm^(3)で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合は部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出するこができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。 【0570】 腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式: T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100 を用いて求めた。ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm3に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm3)を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が、抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%の場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。 【0571】 図14に示すとおり、huMOV19-90コンジュゲートは、3μg/kg用量で活性であり、5μg/kg用量では活性が高い。 実施例31.化合物107の合成 【0572】 【化175】 ![]() 【0573】 工程1:化合物82(500mg、2.31mmol)、4-メチル-4-(メチルジスルファニル)ペンタン酸(449mg、2.31mmol)、EDC・HCl(465mg、2.43mmol)、HOBt(354mg、2.31mmol)、及びDIPEA(0.81mL、4.62mmol)を、DMF(7.7mL)に溶解させ、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、飽和塩化アンモニウム、及び水で2回洗浄した。有機物を乾燥させ、減圧濃縮して、化合物100を得た(875mg、収率96%)。これを次の工程で直接用いた。^(1)H NMR(400MHz,DMSO):δ8.15(d,1H,J=6.8Hz),8.02(d,1H,J=6.8Hz),4.26-4.33(m,1H),4.03-4.12(m,1H),2.41(s,3H),2.18-2.22(m,2H),1.76-1.80(m,2H),1.39(s,9H),1.24(s,6H),1.24(d,3H,J=7.2Hz),1.19(d,3H,J=7.2Hz). 【0574】 【化176】 ![]() 【0575】 工程2:未希釈の化合物100(875mg、2.23mmol)にTFA(2.6ml)及び水(0.17ml)を添加し、反応が完了するまで、室温で攪拌した。反応物をアセトニトリルで希釈して共沸させ、粘着油状物を得た。次いでこれをアセトニトリル及び水で希釈し、凍結乾燥させて、化合物101(1g、収率100%)をオフホワイト色固体として得た。これをさらに精製することなく用いた。LCMS=3.99分(8分方式).MS(m/z):337.0(M+1)^(+). 【0576】 【化177】 ![]() 【0577】 工程3:化合物101(923mg、1.65mmol)及び(5-アミノ-1,3-フェニレン)ジメタノール(240mg、1.57mmol)を、DMF(5.2ml)に溶解させた。EDC・HCl(601mg、3.13mmol)、及びDMAP(96mg、0.78mmol)を、室温で添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で3回洗浄した。有機層を乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物102を得た(150mg、収率20%)。LCMS=3.91分(8分方式).MS(m/z):472.2(M+1)^(+).^(1)H NMR(400MHz,MeOD):δ9.69(s,1H),8.21(d,1H,J=6.8Hz),8.18(d,1H,J=6.8Hz),7.52(s,2H),7.12(s,1H),4.58(s,4H),4.44-4.48(m,1H),4.29-4.32(m,1H),3.34(s,2H),2.38(s,3H),2.34-2.40(m,2H),1.90-1.95(m,2H),1.43(d,3H,J=7.2Hz),1.36(d,3H,J=7.2Hz),1.30(s,6H). 【0578】 【化178】 ![]() 【0579】 工程4:化合物102を、実施例9の化合物94と同様に調製した。粗物質を高真空で乾燥させて、化合物103を得た(174mgs、収率101%)。これを、さらに精製することなく次の工程で直接用いた。LCMS=4.95分(8分方式). 【0580】 【化179】 ![]() 【0581】 工程5:化合物103を、実施例7の化合物57と同様に調製した。粗固体は、化合物104を含んでいた(203mg、収率44%、純度60%)。これを、さらに精製することなく使用した。LCMS=5.68分(8分方式).MS(m/z):1024.3(M+1)^(+). 【0582】 【化180】 ![]() 【0583】 工程6:化合物104を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗残渣をRPHPLC(C18カラム、CH_(3)CN/H_(2)O、勾配、50%か?65%)により精製して、モノイミン化合物105を固体として得た(22mg、収率16%、純度90%)。LCMS=6.00分(8分方式).MS(m/z):1027.3(M+1)^(+). 【0584】 【化181】 ![]() 【0585】 工程7:化合物106を、室温で、THF(0.5mL)及びACN(0.23mL)に溶解させた。次いで、これを実施例9の化合物98と同様に調製した。混合物を反応が完了するまで攪拌し、次いでDCM及びDI水で希釈した。有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗チオール、化合物106を得た(21mg、収率100%)これを、次の工程で直接用いた。LCMS=5.67分(8分方式).MS(m/z):980.4(M+1)^(+). 【0586】 【化182】 ![]() 【0587】 工程8:化合物106(21mg、0.021mmol)を、2-プロパノール(1428μl)及び水(714μl)に懸濁させた。メタ重亜硫酸ナトリウム(22.30mg、0.214mmol)を添加し、反応物を、室温で、反応が完了するまで攪拌した。反応混合物をアセトニトリル/水で希釈し、凍結乾燥させた。得られた白色粉末を、RPHPLC(C18カラム、CH_(3)CN/H_(2)O、勾配、20%?40%)により精製し、所望の画分を集めて凍結乾燥させて、化合物107を得た(5.3mg、収率23%)。LCMS=5.67分(8分方式).MS(m/z):1060.2(M-1)^(-). 実施例32.huMOV19-スルホ-SPDB-107(またはhuMOV19-107)コンジュゲートの調製 最終濃度1.95mMの化合物107及び最終濃度1.5mMのスルホ-SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含むコハク酸緩衝液(pH5):DMA(30:70)を、6時間インキュベートしてから、7倍過剰量の107-スルホ-SPDB-NHSを、4mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含む15mMのHEPES、pH8.5(87:13の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩コンジュゲートさせた。 【0588】 反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G-25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、10mMトリス、80mMのNaCl、50uM重亜硫酸化合物、3.5%スクロース、0.01%Tween-20配合緩衝液(pH7.6)へと交換した。Slide-a-Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、一晩透析を行った。 【0589】 精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物107が結合しており(化合物107に対して_(ε330nm)=15,484cm^(-1)M^(-1)及び_(ε280nm)=30,115cm^(-1)M^(-1)、ならびにhuMOV19抗体に対して_(ε280nm)=201,400cm^(-1)M^(-1)のモル吸光係数を用いてUV/Vis及びSECによるもの)、95%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.1mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを図16に示す。 実施例33.メスSCIDマウスにおけるNCI-H1703 NSCLC異種移植片に対するhuML66-90コンジュゲートの単回用量での抗腫瘍活性 6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。5×10^(6)のNCI-H1703腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.2mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm^(3)に到達した時点で(播種後16日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、4つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後17日目)に、ビヒクル対照(0.1ml/マウス)、またはhuML66-90コンジュゲートを化合物90濃度に基づいて、5、20、または50μg/kgで、単回IV投与した。 【0590】 腫瘍の大きさを、週に2?3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm^(3)で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合、部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。 【0591】 腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式: T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100 を用いて求めた。ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm^(3)に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm^(3))を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%である場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。 【0592】 図17に示すとおり、huML66-90コンジュゲートは、20μg/kg及び50μg/kgで活性が高く、20μg/kgが最小有効用量である(MED)。 実施例34.メスCD-1マウスにおけるhuMov19-90コンジュゲートの単回用量の薬物動態 7週齢のメスCD-1マウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。マウスには、huMov19-90コンジュゲートを、外側尾静脈を介する単回静脈内ボーラス注射で単回IV投与した。各マウスに、Abに基づき2.5mg/kgの用量を投与した。用量及び注射体積は、各マウスの体重に基づいて個別化した。27ゲージ、1/2インチの針を装着した1.0mLシリンジを使用して注射を行った。huMov19-90コンジュゲートの投与から2及び30分後、ならびに2、4、及び8時間後、ならびに1、2、3、5、7、10、14、21、及び28日後、マウスをイソフルラン吸入により麻酔して、約150μLの血液をマウスの右後眼窩血液洞から採取してヘパリン化毛細管へ入れた。各時点(0?21日)において、血液を、1つの群の3匹のマウス全てから収集した。群は順番に採血して、セットに含まれるマウスが24時間以内2回を超えて採血されることがないようにした。最後の時点、投与後28日目において、全てのマウスから、試料採取した。血液試料を遠心して血漿を分離した。血漿30μlを、各時点の試料用に個別標識したマイクロ遠心管に移し、次いで-80℃で凍結保存して、その後ELISA分析を行い、抗インドリノベンゾジアゼピン抗体を使用して全Ab(コンジュゲートされていないAb及びインタクトなコンジュゲートの両方)及びインタクトなコンジュゲートの濃度を求めた。 【0593】 図18に示すとおり、huMov19-90コンジュゲートは、抗体のクリアランスと同様なクリアランスを有する。 実施例35.タンパク質A樹脂を用いた親和性捕獲による分解産物濃縮 葉酸受容体α(FRα)を発現するKB細胞を、5×T150組織培養プレートで培養した。飽和量のFRα標的指向huMov19-90コンジュゲートを、5%CO_(2)で緩衝した加湿インキュベーター中37℃で24時間、KB細胞とともにインキュベートした。24時間後、細胞から排出された分解産物を含有する培地を採取し、その後のアッセイのためにプールした。 【0594】 4℃で一晩インキュベーションすることにより、飽和量の抗インドリノベンゾジアゼピン抗体をタンパク質A樹脂のスラリーと結合させた。前結合させたタンパク質A/抗インドリノベンゾジアゼピン抗体複合体1mLを、培地25mLとともに、エンドツーエンド回転器で数時間インキュベートした。樹脂を1000rpmで緩徐に遠心し、上清をデカントした。分解産物と結合したタンパク質A/抗インドリノベンゾジアゼピン抗体樹脂をPBSで洗浄した。分解産物を、アセトン抽出により有機相に放出させた。有機溶液が完全に蒸発するまで、分解産物を一晩真空乾燥させた。分解産物を20%アセトニトリル含有水で再構成し、LC/MSにより分析した。 MS分析 細胞代謝産物を、Q-Exactive高分解能質量分析器(Thermo)を用いてUHPLC/MS/MSにより同定した。抽出されたイオンクロマトグラム(XIC)を用いて、標的細胞代謝産物を同定して特性決定した。特徴的なインドリノベンゾジアゼピン(286m/z)質量特性を含む全ての代謝産物種を同定した(図19A及び図19Bを参照)。 実施例36.メスCB.17 SCIDマウスにおけるNCI-H2110 NSCLC異種移植片、Hec-1b子宮内膜異種移植片、及びIshikawa子宮内膜異種移植片に対するhuMov19-90の単回用量での抗腫瘍活性 6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。第1のコホートのマウスに、1×10^(7)のNCI-H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。第2のコホートのマウスに、1×10^(7)のHec-1b腫瘍細胞を無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。第3のコホートのマウスに、1×10^(7)のIshikawa腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。 【0595】 腫瘍体積が約100mm^(3)に到達した時点で(NCI-H2110は播種後7日目、Hec-1bは播種後7日目、Ishikawaは播種後17日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、複数の群(各群6匹のマウス)に無作為化した。 【0596】 NCI-H2110異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19-90を1、3、または5μg/kg単回IV投与した。 【0597】 Hec-1b異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19-90を10もしくは30μg/kgで、もしくは非標的指向性対照コンジュゲートchKTI-90を30μg/kgで単回IV投与した。 【0598】 Ishikawa異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後18日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19-90を10もしくは30μg/kgで、もしくは非標的指向性対照コンジュゲートchKTI-90を30μg/kgで単回IV投与した。 【0599】 全ての実験では、腫瘍の大きさを、週に2?3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm^(3)単位で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合、部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。 【0600】 腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式を用いて求めた。 T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100。 ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm^(3)に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm^(3))を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%である場合、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。 【0601】 図22に示すとおり、huMov19-90コンジュゲートは、NCI-H2110異種移植片モデルにおいて、1μg/kgの用量では不活性であり、3μg/kgの用量では活性で、T/C13%かつPR1/6であり、5μg/kgの用量では活性が高く、T/C2%、6/6PR、かつ4/6CRであった。 【0602】 図23に示すとおり、huMov19-90コンジュゲートは、Hec-1b異種移植片モデルにおいて、10μg/kgの用量で活性であり、T/C15%かつ1/6PRであり、30μg/kgの用量では活性が高く、T/C9%、6/6PR、かつ6/6CRであった。非標的指向性対照コンジュゲートchKTI-90は、30μg/kgの用量では活性であり、T/Cが34%であった。 【0603】 図24に示すとおり、huMov19-90コンジュゲートは、Ishikawa異種移植片モデルにおいて、10μg/kgの用量で活性であり、T/C27%、6/6PR、かつ6/6CRであり、30μg/kgの用量で活性であり、T/C15%、6/6PR、かつ6/6CRであった。非標的指向性対照コンジュゲートchKTI-90は、30μg/kgの用量で活性であり、T/C24%かつ4/6PRであった。 実施例37.メスCB.17 SCIDマウスにおけるNCI-H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMov19-107の単回用量での抗腫瘍活性 SCIDマウスにおけるhuMOV19-107のIn vivo抗腫瘍活性を、上記の実施例30に記載したプロトコルに従って行った。図25に示すとおり、huMov19-107コンジュゲートは、10μg/kgの用量で活性が高く、6/6CRであった。 実施例38.CD123-90コンジュゲートの結合親和性 例示的なヒト化抗CD123抗体であるhuCD123-6Gv4.7S3抗体のADCコンジュゲートの結合親和性を、HNT-34細胞を用いてフローサイトメトリーによりアッセイして対応するコンジュゲートされていない抗体と比較した。HNT-34細胞(1試料あたり5×10^(4)個の細胞)を、FACS緩衝液(2%正常ヤギ血清を補充したDMEM培地)200μL中、様々な濃度のADC及びコンジュゲートされていないhuCD123-6Gv4.7S3抗体とともにインキュベートした。次いで、細胞をペレット化し、2回洗浄し、フィコエリトリン(PE)コンジュゲートヤギ抗ヒトIgG抗体(Jackson Laboratory)100μLとともに1時間インキュベートした。細胞を再度ペレット化し、FACS緩衝液で洗浄し、1%ホルムアルデヒド含有PBS200μLに再懸濁させた。HTSマルチウェルサンプラーを備えたFACSCaliburフローサイトメーター、またはFACSアレイフローサイトメーターを使用して試料を取得し、CellQuest Pro(すべてBDBiosciences、SanDiego、USから入手)を用いて分析した。各試料では、FL2の幾何平均蛍光強度を計算し、片対数プロットで、抗体濃度に対してプロットした。非線形回帰により用量反応曲線を作成し、各抗体の見かけ上解離定数(Kd)に相当する各曲線のEC50値を、GraphPad Prism v4(GraphPad software、San Diego、CA)を用いて計算した。 【0604】 図26に示すとおり、コンジュゲートが例示的抗CD123抗体の結合親和性に及ぼした影響は中程度にすぎなかった。 実施例39.huCD123-90のin vitro細胞障害性活性 抗CD123抗体であるhuCD123-6の抗体薬物コンジュゲート(ADC)が細胞表面でCD123を発現する細胞を殺傷する能力を、in vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。細胞株を、細胞供給元(ATCCまたはDSMZ)が推奨するとおりに培養培地で培養した。培養培地100μL中2,000?10,000個の細胞を、平底96ウェルプレートの各ウェルに添加した。細胞表面のFc受容体をブロックするため、培養培地に、100nMのchKTI抗体(同じアイソタイプの抗体)を補充した。コンジュゲートを、3倍系列希釈で、培養培地に希釈し、1ウェルあたり100μLを添加した。CD123非依存性細胞障害性の寄与を判定するために、CD123ブロック剤(例えば、100nMのchCD123-6抗体)をいくつかのウェルに添加してから、コンジュゲートを添加した。細胞及び培地を含むが、コンジュゲートを含まない対照ウェル、ならびに培地のみを含むウェルを、各アッセイプレートに含ませた。アッセイは、各データの時点で3回繰り返して行った。プレートを加湿6%CO_(2)インキュベーター中、37℃で4?7日間インキュベートした。次いで、各ウェルの生細胞の相対数を、WST-8を利用した細胞計数キット-8(Dojindo Molecular Technologies, Inc.、Rockville、MD)を用いて求めた。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。細胞の生存率を、片対数プロットで、コンジュゲート濃度に対してプロットした。 【0605】 起源の異なる(AML、B-ALL、CML、及びNHL)15種のCD123陽性細胞株を、この試験で使用した(表4)。細胞株の大半は、少なくとも1つの負の予後因子(例えば、P糖タンパク質の過剰発現、EVI1過剰発現、p53変異、DNMT3A突然変異、FLT3遺伝子内縦列重複)を持つ悪性腫瘍を保有する患者に由来した。コンジュゲートはこれらの細胞株に対する効力が高く、IC50値は、サブpM?低nMの範囲であったことが実証された(表4)。 【0606】 【表4】 ![]() 【0607】 本明細書中に記載される全ての文献、特許、特許出願、インターネットサイト、及び寄託番号/データベース配列(ポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列の両方を含む)は、あらゆる目的で、個々の文献、特許、特許出願、インターネットサイト、または寄託番号/データベース配列が、具体的にかつ個別に、参照により援用されるのと同程度で、参照によりその全体が本明細書中に援用される。 本明細書は以下の発明の開示を包含する: [1]以下の式: 【化183-1】 ![]() 【化183-2】 ![]() 【化183-3】 ![]() 【化183-4】 ![]() 【化183-5】 ![]() または 【化183-6】 ![]() のいずれか1つまたはその薬学上許容される塩により表される細胞障害性化合物であって、式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J(A) の式により表され、かつその他の2つは、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、または環状のアルキニル、アルケニル、またはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 Z_(1)及びZ_(2)のうち一方は-C(=O)-であり、かつ他方は-NR_(5)-であり、 Pは、アミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 R_(x)は、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、または環状のアルキニル、アルケニル、またはアルキニルであり、 Jは、前記細胞障害性化合物を細胞結合剤に共有結合で連結させることができる反応性基を含む部分であり、 NとCの間の二重線 【化183-7】 ![]() は、単結合または二重結合を表すが、ただし、前記二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、かつYは、-Hであるか、または炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、前記二重線が単結合である場合、Xは-Hであるか、またはアミン保護部分であり、 Yは、-OR、-OCOR’、-OCOOR’、-OCONR’R’’、-NR’R’’、-NR’COR’’、-NR’NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環(例えば、窒素原子を介して結合した、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、-NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジニウム、アミノ酸、または-NRCOP’で表されるペプチド、-SR、-SOR’、ハロゲン、シアノ、アジド、-OSO_(3)H、亜硫酸基(-SO_(3)Hまたは-SO_(2)H)、メタ重亜硫酸基(H_(2)S_(2)O_(5))、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸基(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(2)、POS_(3)H_(2)、PS_(4)H_(2))、チオリン酸エステル(R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)S-、R^(i)SO、R^(i)SO_(2)、R^(i)SO_(3)、チオ硫酸基(HS_(2)O_(3))、亜ジチオン酸基(HS_(2)O_(4))、ホスホロジチオアート(P(=S)(OR^(k’))(S)(OH))、ヒドロキサム酸(R^(k’)C(=O)NOH)、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸基(HOCH_(2)SO_(2)^(-))、またはそれらの混合物から選択される脱離基であり、式中、R^(i)は、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、かつ-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)は随意に、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k’)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニルであるか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールであり、 P’は、1つのアミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 Rは、存在する場合それぞれ、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、またはO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環からなる群より選択され、 R’及びR’’は、それぞれ独立して、-H、-OH、-OR、-NHR、-NR_(2)、-COR、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、及びO、S、N、及びPから独立して選択される1?6個のヘテロ原子を有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R^(c)は、-Hであるか、あるいは炭素原子を1?4個有する随意に置換される直鎖または分岐鎖のアルキルであり、 nは、1?24の整数であり、 X’は、-H、アミン保護基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、随意に置換される6員?18員のアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ヘテロ原子を1?6個有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NCO、-NR’COR’’、-SR、-SOR’、-SO_(2)R’、-SO_(3)^(-)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’からなる群より選択され、 R_(6)は、-H、-R、-OR、-SR、-NR’R’’、-NO_(2)、またはハロゲンであり、 Gは、-CH-または-N-であり、 A及びA’は、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-O-、オキソ(-C(=O)-)、-CRR’O-、-CRR’-、-S-、-CRR’S-、-NR_(5)、及びCRR’N(R_(5))-から選択され、 R_(5)は、存在する場合それぞれ、独立して、-Hであるか、または炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである、 前記細胞障害性化合物。 [2]以下の構造式: 【化183-8】 ![]() またはその薬学上許容される塩により表される、[1]に記載の化合物。 [3]L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、式(A)により表され、かつその他の2つは、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、または-NO_(2)である、[1]?[2]のいずれかに記載の化合物。 [4]L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、式(A)により表され、かつその他の2つは-Hである、[1]?[3]のいずれかに記載の化合物。 [5]L’は、式(A)により表され、かつL’’及びL’’’はいずれも、-Hである、[3]に記載の化合物。 [6]R_(x)は、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qで随意に置換される炭素原子を1?6個有する、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキルである、[1]?[5]のいずれかに記載の化合物。 [7]Jは、NHR^(c1)、-COOH、及びCOEからなる群より選択される反応性基を含む部分であり、式中、-COEは、反応性エステルを表し、かつR^(c1)は、-Hであるか、またはハロゲン、-OH、もしくは(C_(1)-C_(3))アルコキシで随意に置換される炭素原子を1?4個有する、直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである、[1]?[6]のいずれかに記載の化合物。 [8]COEは、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、ニトロフェニル(例えば、2または4-ニトロフェニル)エステル、ジニトロフェニル(例えば、2,4-ジニトロフェニル)エステル、スルホテトラフルオロフェニル(例えば、4-スルホ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)エステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択される、[7]に記載の化合物。 [9]前記反応性基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルである、[7]に記載の化合物。 [10]L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J(B1)、 -NR_(5)-P-C(=O)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J(B2)、 -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J(C1)、または -C(=O)-P-NR_(5)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J(C2)、 により表され、式中、 Jは、-COEであり、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 m’は、0であるか、または1?6の整数であり、 Cyは、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、もしくはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルで随意に置換される、環炭素原子を5または6個有する環状アルキルである、[1]?[9]のいずれかに記載の化合物。 [11]R_(a)及びR_(b)は、いずれもHであり、式(B2)及び(C2)のCyは、シクロヘキサンであり、R_(5)は、HまたはMeである、[10]に記載の化合物。 [12]m’は、0または1である、[10]または[11]に記載の化合物。 [13]L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s)(B3)、または -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s)(C3)、 により表され、式中、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 Z^(s)は、-H、-SR^(d)、-C(=O)R^(d1)であるか、または、以下の式: 【化183-9】 ![]() 【化183-10】 ![]() のいずれか1つから選択され、 式中、 qは、1?5の整数であり、 n’は、2?6の整数であり、 Uは、-HまたはSO_(3)Mであり、 Mは、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+)であり、 R^(d)は、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであるか、または、フェニル、ニトロフェニル(例えば、2または4-ニトロフェニル)、ジニトロフェニル(例えば、2,4-ジニトロフェニル)、カルボキシニトロフェニル(例えば、3-カルボキシ-4-ニトロフェニル)、ピリジル、もしくはニトロピリジル(例えば、4-ニトロピリジル)から選択され、 R^(d1)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルである、[1]?[9]のいずれかに記載の化合物。 [14]前記荷電置換基またはイオン化可能な基Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、またはその薬学上許容される塩、あるいは、ii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)または-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンである、[6]?[10]及び[13]のいずれかに記載の化合物。 [15]Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である、[14]に記載の化合物。 [16]R_(a)及びR_(b)は、いずれも-Hであり、R_(5)は、HまたはMeである、[13]に記載の化合物。 [17]-(CR_(a)R_(b))_(m)-は、-(CH_(2))_(m’’)-C(Me_(2))-であり、m’’は、1?5の整数である、[13]に記載の化合物。 [18]Pは、2?10のアミノ酸残基を含有するペプチドである、[1]?[17]のいずれかに記載の化合物。 [19]Pは、2?5のアミノ酸残基を含有するペプチドである、[18]に記載の化合物。 [20]Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Val-Ala、Val-Cit、Val-Lys、Phe-Lys、Lys-Lys、Ala-Lys、Phe-Cit、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp、Cit、Phe-Ala、Phe-N^(9)-トシル-Arg、Phe-N^(9)-ニトロ-Arg、Phe-Phe-Lys、D-Phe-Phe-Lys、Gly-Phe-Lys、Leu-Ala-Leu、Ile-Ala-Leu、Val-Ala-Val、Ala-Leu-Ala-Leu、β-Ala-Leu-Ala-Leu及びGly-Phe-Leu-Gly、Val-Arg、Arg-Val、Arg-Arg、Val-D-Cit、Val-D-Lys、Val-D-Arg、D-Val-Cit、D-Val-Lys、D-Val-Arg、D-Val-D-Cit、D-Val-D-Lys、D-Val-D-Arg、D-Arg-D-Arg、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、D-Ala-D-Ala、Ala-Met、ならびにMet-Alaから選択される、[19]に記載の化合物。 [21]Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、及びD-Ala-D-Alaである、[20]に記載の化合物。 [22]NとCの間の前記二重線 【化183-11】 ![]() は、二重結合を表す、[1]?[21]のいずれかに記載の化合物。 [23]NとCの間の前記二重線 【化183-12】 ![]() は、単結合を表し、Xは、-Hまたはアミン保護基であり、Yは、-H、-OR、-OCOR’、-SR、-NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環、-SO_(3)H、-SO_(2)H、及びOSO_(3)Hから選択される、[1]?[21]のいずれかに記載の化合物。 [24]Yは、-H、-SO_(3)M、-OH、-OMe、-OEt、または-NHOHから選択され、式中、Mは、-H、Na^(+)、またはK^(+)である、[23]に記載の化合物。 [25]Yは、-H、-SO_(3)M、または-OHである、[24]に記載の化合物。 [26]X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択される、[1]?[25]のいずれかに記載の化合物。 [27]X’は、-H、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、またはフェニルである、[26]に記載の化合物。 [28]X’は、-H、-OH、または-Meである、[27]に記載の化合物。 [29]X’は、-Hである、[28]に記載の化合物。 [30]Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニルからなる群より選択される、[1]?[29]のいずれかに記載の化合物。 [31]Y’は、-H、オキソ基、(C_(1)-C_(3))アルキル、またはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルである、[30]に記載の化合物。 [32]Y’は、-Hまたはオキソである、[30]に記載の化合物。 [33]Y’は、-Hである、[30]に記載の化合物。 [34]A及びA’は、同一であるか異なっていて、かつ-O-、-S-、-NR_(5)-、及びオキソ-(C=O)-から選択される、[1]?[33]のいずれかに記載の化合物。 [35]A及びA’は、同一であるか異なっていて、-O-及びS-から選択される、[34]に記載の化合物。 [36]A及びA’は-O-である、[35]に記載の化合物。 [37]R_(6)は、-OMeである、[1]?[36]のいずれかに記載の化合物。 [38]R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、独立して、-H、ハロゲン、-NO_(2)、-OH、(C_(1)-C_(3-))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または(C_(1)-C_(3))アルコキシである、[1]?[37]のいずれかに記載の化合物。 [39]R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hである、[38]に記載の化合物。 [40]R、R’、R’’、及びR_(5)は、それぞれ独立して、-Hまたは(C_(1)-C_(3))アルキルである、[1]?[39]のいずれかに記載の化合物。 [41]NとCの間の前記二重線 【化183-13】 ![]() は、単結合または二重結合を表すが、ただし、前記二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、Yは-Hであり、前記二重線が単結合である場合には、Xは-Hであり、Yは-OHまたは-SO_(3)Mであり、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hであり、 R_(6)は、-OMeであり、 X’及びY’は、いずれも-Hであり、 A及びA’は-O-であり、 Mは、H、Na^(+)、またはK^(+)である、[1]?[19]のいずれかに記載の化合物。 [42]以下の式: 【化183-14】 ![]() 【化183-15】 ![]() 【化183-16】 ![]() 【化183-17】 ![]() 【化183-18】 ![]() 【化183-19】 ![]() 【化183-20】 ![]() 【化183-21】 ![]() 【化183-22】 ![]() 【化183-23】 ![]() 【化183-24】 ![]() 【化183-25】 ![]() 【化183-26】 ![]() 【化183-27】 ![]() 【化183-28】 ![]() 【化183-29】 ![]() のいずれか1つまたはその薬学上許容される塩から選択され、式中、 R_(100)は、-OH、-OMe、または 【化183-30】 ![]() であり、 Yは、-H、-OH、または-SO_(3)Mであり、 Mは、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+)であり、 Z^(s)は、-H、-SR^(d)、-C(=O)R^(d1)であるか、または以下の式: 【化183-31】 ![]() 【化183-32】 ![]() のいずれか1つから選択され、式中、 qは、1?5の整数であり、 n’は、2?6の整数であり、 Uは、-HまたはSO_(3)Mであり、 R^(d)は、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであるか、またはフェニル、ニトロフェニル(例えば、2または4-ニトロフェニル)、ジニトロフェニル(例えば、2,4-ジニトロフェニル)、カルボキシニトロフェニル(例えば、3-カルボキシ-4-ニトロフェニル)、ピリジル、及びニトロピリジル(例えば、4-ニトロピリジル)から選択され、 R^(d1)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルである、[1]に記載の化合物。 [43]Yは、-SO_(3)Mである、[42]に記載の化合物。 [44]細胞障害性化合物及び細胞結合剤(CBA)を含むコンジュゲートであって、前記細胞障害性化合物は、前記CBAに共有結合で連結しており、かつ前記細胞障害性化合物は、以下の式: 【化183-33】 ![]() 【化183-34】 ![]() 【化183-35】 ![]() 【化183-36】 ![]() 【化183-37】 ![]() または 【化183-38】 ![]() のいずれか1つ、またはその薬学上許容される塩により表され、式中、 L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、以下の式: -Z_(1)-P-Z_(2)-R_(x)-J’(A’) により表され、その他の2つは、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NR’COR’’、-SR、-SOR’で表されるスルホキシド、-SO_(2)R’スルホン酸基-SO_(3)M、硫酸基-OSO_(3)M、-SO_(2)NR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’から選択され、 Z_(1)及びZ_(2)のうち一方は-C(=O)-であり、他方は-NR_(5)-であり、 Pは、1つのアミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 R_(x)は、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニルであり、 J’は、前記細胞結合剤に共有結合で連結している連結基を含む部分であり、 NとCの間の前記二重線 【化183-39】 ![]() は、単結合または二重結合を表すが、ただし、前記二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、Yは、-H、または炭素原子を1?4個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、前記二重線が単結合である場合、Xは-Hであるかアミン保護部分であり、 Yは、-OR、-OCOR’、-OCOOR’、-OCONR’R’’、-NR’R’’、-NR’COR’’、-NR’NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、-NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジニウム、アミノ酸残基、または-NRCOP’で表されるペプチド、-SR、-SOR’、ハロゲン、シアノ、アジド、-OSO_(3)H、亜硫酸基(-SO_(3)Hまたは-SO_(2)H)、メタ重亜硫酸基(H_(2)S_(2)O_(5))、モノ、ジ、トリ、及びテトラチオリン酸基(PO_(3)SH_(3)、PO_(2)S_(2)H_(2)、POS_(3)H_(2)、PS_(4)H_(2))、チオリン酸エステル(R^(i)O)_(2)PS(OR^(i))、R^(i)S-、R^(i)SO、R^(i)SO_(2)、R^(i)SO_(3)、チオ硫酸基(HS_(2)O_(3))、亜ジチオン酸基(HS_(2)O_(4))、ホスホロジチオアート(P(=S)(OR^(k’))(S)(OH))、ヒドロキサム酸(R^(k’)C(=O)NOH)、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸基(HOCH_(2)SO_(2)-)、あるいはそれらの混合物から選択される脱離基であり、式中、R^(i)は、炭素原子を1?10個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、かつ-N(R^(j))_(2)、-CO_(2)H、-SO_(3)H、及びPO_(3)Hから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、R^(i)は随意に、本明細書中に記載されるアルキルの置換基でさらに置換することができ、R^(j)は、炭素原子を1?6個有する直鎖または分岐鎖のアルキルであり、R^(k’)は、炭素原子を1?10個有する直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニルであるか、アリール、ヘテロシクリル、もしくはヘテロアリールであり、 P’は、アミノ酸残基であるか、アミノ酸残基を2?20含有するペプチドであり、 Rは、存在する場合それぞれ、独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個もしくは複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、またはO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環からなる群より選択され、 R’及びR’’は、それぞれ独立して、-H、-OH、-OR、-NHR、-NR_(2)、-COR、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ならびにO、S、N、及びPから独立して選択される1?6個のヘテロ原子を有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R^(c)は、-Hであるか、あるいは炭素原子を1?4個有する置換もしくは未置換の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルであり、 nは、1?24の整数であり、 X’は、-H、アミン保護基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、炭素原子を6?18個有する随意に置換されるアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、N、及びPから独立して選択されるヘテロ原子を1?6個含有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、随意に置換される6員?18員のアリール、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する随意に置換される5員?18員のヘテロアリール環、ヘテロ原子を1?6個有する随意に置換される3員?18員の複素環から選択され、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位-(CH_(2)CH_(2)O)_(n)-R^(c)、ハロゲン、グアニジニウム[-NH(C=NH)NH_(2)]、-OR、-NR’R’’、-NO_(2)、-NCO、-NR’COR’’、-SR、-SOR’で表されるスルホキシド、-SO_(2)R’で表されるスルホン、-SO_(3)H、-OSO_(3)H、-SO_(2)NR’R’’、シアノ、アジド、-COR’、-OCOR’、及びOCONR’R’’からなる群より選択され、 R_(6)は、-H、-R、-OR、-SR、-NR’R’’、-NO_(2)、またはハロゲンであり、 Gは、-CH-または-N-であり、 A及びA’は、同じであるか異なっていて、かつ独立して、-O-、オキソ(-C(=O)-)、-CRR’O-、-CRR’-、-S-、-CRR’S-、-NR_(5)、及びCRR’N(R_(5))-から選択され、 R_(5)は、存在する場合それぞれ、独立して、-Hであるか、または炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖または分岐鎖のアルキルである、前記コンジュゲート。 [45]前記化合物は、以下の構造式: 【化183-40】 ![]() またはその薬学上許容される塩で表される、[44のコンジュゲート。 [46]L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、式(A’)により表され、その他は、それぞれ独立して、-H、炭素原子を1?6個有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(6))アルコキシ、または-NO_(2)である、[44]?[45]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [47]L’、L’’、及びL’’’のうちの1つは、式(A’)により表され、その他は、-Hである、[44]?[46]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [48]L’は、式(A’)により表され、L’’及びL’’’は、いずれも-Hである、[47]に記載のコンジュゲート。 [49]R_(x)は、ハロゲン、-OH、-SO_(3)H、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qで随意に置換される、炭素原子を1?6個有する直鎖、分岐鎖、または環状のアルキルである、[44]?[48]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [50]J’は、前記CBAに共有結合で連結している部分を含み、かつ-NR^(c1)または-C(=O)-であり、式中、R^(c1)は、-Hであるか、またはハロゲン、-OH、もしくは(C_(1)-C_(3))アルコキシで随意に置換される、炭素原子を1?4個有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである、[44]?[49]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [51]J’は、-C(=O)-である、[52]に記載のコンジュゲート。 [52]L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J’(B1’)、 -NR_(5)-P-C(=O)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J’(B2’)、 -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-J’(C1’)、または -C(=O)-P-NR_(5)-Cy-(CR_(a)R_(b))_(m’)-J’(C2’) により表され、式中、 J’は、-C(=O)-であり、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 m’は、0であるか、または1?6の整数であり、 Cyは、ハロゲン、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、(C_(1)-C_(3))アルコキシ、もしくはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルで随意に置換される、環炭素原子を5または6個有する環状アルキルである、[44]?[51]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [53]R_(a)及びR_(b)は、いずれもHであり、式(B2’)及び(C2’)のCyは、シクロヘキサンであり、R_(5)は、HまたはMeである、[52]に記載のコンジュゲート。 [54]m’は、0または1である、[52]または[53]に記載のコンジュゲート。 [55]L’は、以下の式: -NR_(5)-P-C(=O)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s1)(B3’)、または -C(=O)-P-NR_(5)-(CR_(a)R_(b))_(m)-S-Z^(s1)(C3’)、 により表され、式中、 R_(a)及びR_(b)は、それぞれ存在する場合、それぞれ独立して、-H、(C_(1)-C_(3))アルキル、または荷電置換基もしくはイオン化可能な基Qであり、 mは、1?6の整数であり、 Z^(s)は、以下の式: 【化183-41】 ![]() のいずれか1つから選択され、式中、 qは、1?5の整数であり、 n’は、2?6の整数であり、 Uは、-HまたはSO_(3)Mであり、 Mは、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+)である、[44]?[51]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [56]前記荷電置換基またはイオン化可能な基Qは、i)-SO_(3)H、-Z’-SO_(3)H、-OPO_(3)H_(2)、-Z’-OPO_(3)H_(2)、-PO_(3)H_(2)、-Z’-PO_(3)H_(2)、-CO_(2)H、-Z’-CO_(2)H、-NR_(11)R_(12)、もしくは-Z’-NR_(11)R_(12)、またはその薬学上許容される塩であるか、あるいは、ii)-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)もしくは-Z’-N^(+)R_(14)R_(15)R_(16)X^(-)であり、Z’は、随意に置換されるアルキレン、随意に置換されるシクロアルキレン、または随意に置換されるフェニレンであり、R_(14)?R_(16)は、それぞれ独立して、随意に置換されるアルキルであり、X^(-)は、薬学上許容されるアニオンである、[49]?[52]及び[55]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [57]Qは、-SO_(3)Hまたはその薬学上許容される塩である、[56]に記載のコンジュゲート。 [58]R_(a)及びR_(b)は、いずれも-Hであり、R_(5)は、HまたはMeである、[55]に記載のコンジュゲート。 [59]-(CR_(a)R_(b))_(m)-は、-(CH_(2))_(m’’)-C(Me_(2))-であり、m’’は、1?5の整数である、[55]に記載のコンジュゲート。 [60]Pは、2?10のアミノ酸残基を含有するペプチドである、[44]?[59]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [61]Pは、2?5のアミノ酸残基を含有するペプチドである、[60]に記載のコンジュゲート。 [62]Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Val-Ala、Val-Cit、Val-Lys、Phe-Lys、Lys-Lys、Ala-Lys、Phe-Cit、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp、Cit、Phe-Ala、Phe-N^(9)-トシル-Arg、Phe-N^(9)-ニトロ-Arg、Phe-Phe-Lys、D-Phe-Phe-Lys、Gly-Phe-Lys、Leu-Ala-Leu、Ile-Ala-Leu、Val-Ala-Val、Ala-Leu-Ala-Leu、β-Ala-Leu-Ala-Leu、Gly-Phe-Leu-Gly、Val-Arg、Arg-Val、Arg-Arg、Val-D-Cit、Val-D-Lys、Val-D-Arg、D-Val-Cit、D-Val-Lys、D-Val-Arg、D-Val-D-Cit、D-Val-D-Lys、D-Val-D-Arg、D-Arg-D-Arg、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、D-Ala-D-Ala、Ala-Met、及びMet-Alaから選択される、[60]に記載のコンジュゲート。 [63]Pは、Gly-Gly-Gly、Ala-Val、Ala-Ala、Ala-D-Ala、D-Ala-Ala、及びD-Ala-D-Alaである、[62]に記載のコンジュゲート。 [64]NとCの間の前記二重線 【化183-42】 ![]() は、二重結合を表す、[44]?[63]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [65]NとCの間の前記二重線 【化183-43】 ![]() は、単結合を表し、Xは、-Hまたはアミン保護基であり、Yは、-H、-OR、-OCOR’、-SR、-NR’R’’、随意に置換される5員もしくは6員の窒素含有複素環、-SO_(3)H、-SO_(2)H、及びOSO_(3)Hから選択される、[44]?[63]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [66]Yは、-H、-SO_(3)M、-OH、-OMe、-OEt、または-NHOHから選択され、式中、Mは、-H、Na^(+)、またはK^(+)である、[65]に記載のコンジュゲート。 [67]Yは、-H、-SO_(3)M、または-OHである、[66]に記載のコンジュゲート。 [68]X’は、-H、-OH、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニル、及びフェニルからなる群より選択される、[44]?[67]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [69]X’は、-H、-OH、(C_(1)-C_(3))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、またはフェニルである、[68]に記載のコンジュゲート。 [70]X’は、-H、-OH、または-Meである、[69]に記載のコンジュゲート。 [71]X’は、-Hである、[70]に記載のコンジュゲート。 [72]Y’は、-H、オキソ基、炭素原子を1?10個有する随意に置換される直鎖、分岐鎖、もしくは環状のアルキニル、アルケニル、もしくはアルキニルからなる群より選択される、[44]?[71]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [73]Y’は、-H、オキソ基、(C_(1)-C_(3))アルキル、またはハロ(C_(1)-C_(3))アルキルである、[72]に記載のコンジュゲート。 [74]Y’は、-Hまたはオキソである、[72]に記載のコンジュゲート。 [75]Y’は、-Hである、[72]に記載のコンジュゲート。 [76]A及びA’は、同一であるか異なっていて、かつ-O-、-S-、-NR_(5)-、及びオキソ-(C=O)-から選択される、[44]?[75]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [77]A及びA’は、同一であるか異なっていて、かつ-O-及びS-から選択される、[76]に記載のコンジュゲート。 [78]A及びA’は、-O-である、[77]に記載のコンジュゲート。 [79]R_(6)は、-OMeである、[44]?[78]のいずれかに記載の化合物。 [80]R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、独立して、-H、ハロゲン、-NO_(2)、-OH、(C_(1)-C_(3-))アルキル、ハロ(C_(1)-C_(3))アルキル、または(C_(1)-C_(3))アルコキシである、[44]?[79]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [81]R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hである、[80]に記載のコンジュゲート。 [82]R、R’、R’’、及びR_(5)は、それぞれ独立して、-Hまたは(C_(1)-C_(3))アルキルである、[44]?[81]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [83]NとCの間の前記二重線 【化183-44】 ![]() は、単結合または二重結合を表すが、ただし、前記二重線が二重結合である場合、Xは存在せず、Yは-Hであり、前記二重線が単結合である場合には、Xは-Hであり、Yは-OHまたは-SO_(3)Mであり、 R_(1)、R_(2)、R_(3)、R_(4)、R_(1)’、R_(2)’、R_(3)’、及びR_(4)’は、全て-Hであり、 R_(6)は、-OMeであり、 X’及びY’は、いずれも-Hであり、 A及びA’は-O-であり、 Mは、H、Na^(+)、またはK^(+)である、[44]?[63]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [84]前記化合物は、以下の式: 【化183-45】 ![]() 【化183-46】 ![]() 【化183-47】 ![]() 【化183-48】 ![]() 【化183-49】 ![]() 【化183-50】 ![]() 【化183-51】 ![]() 【化183-52】 ![]() 【化183-53】 ![]() 【化183-54】 ![]() 【化183-55】 ![]() 【化183-56】 ![]() 【化183-57】 ![]() 【化183-58】 ![]() 【化183-59】 ![]() 【化183-60】 ![]() 【化183-61】 ![]() 【化183-62】 ![]() 【化183-63】 ![]() 【化183-64】 ![]() 【化183-65】 ![]() 【化183-66】 ![]() 【化183-67】 ![]() 【化183-68】 ![]() 【化183-69】 ![]() 【化183-70】 ![]() 【化183-71】 ![]() 【化183-72】 ![]() 【化183-73】 ![]() 【化183-74】 ![]() または 【化183-75】 ![]() のいずれか1つまたはその薬学上許容される塩から選択され、式中、 rは、1?10の整数であり、 Yは、-H、-OH、または-SO_(3)Mであり、 Mは、H^(+)、Na^(+)、またはK^(+)である、[44]に記載のコンジュゲート。 [85]Yは、-SO_(3)Mである、[84]に記載のコンジュゲート。 [86]前記細胞結合剤(CBA)は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、微生物感染細胞、寄生虫感染細胞、自己免疫性細胞、活性化細胞、骨髄細胞、活性化T細胞、B細胞、またはメラニン細胞、CD4、CD6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD44、CD56、EpCAM、CanAg、CALLA、もしくはHer-2抗原、Her-3抗原を発現する細胞、またはインシュリン増殖因子受容体、上皮増殖因子受容体、及び葉酸受容体を発現する細胞から選択される標的細胞に結合する、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [87]前記細胞結合剤は、抗体、一本鎖抗体、前記標的細胞と特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、もしくは標的細胞と特異的に結合するモノクローナル抗体断片、キメラ抗体、前記標的細胞と特異的に結合するキメラ抗体断片、ドメイン抗体、前記標的細胞と特異的に結合するドメイン抗体断片、リンホカイン、ホルモン、ビタミン、増殖因子、コロニー刺激因子、または栄養輸送分子である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [88]前記細胞結合剤は、抗葉酸受容体抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [89]前記細胞結合剤は、抗EGFR抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [90]前記細胞結合剤は、抗CD33抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [91]前記細胞結合剤は、抗CD19抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [92]前記細胞結合剤は、抗Muc1抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [93]前記細胞結合剤は、抗CD37抗体またはその抗体断片である、[44]?[85]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [94]前記抗体は、表面再構成抗体、表面再構成一本鎖抗体、または表面再構成抗体断片である、[87]?[93]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [95]前記抗体は、モノクローナル抗体、一本鎖モノクローナル抗体、またはそのモノクローナル抗体断片である、[87]?[93]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [96]前記抗体は、ヒト化抗体、ヒト化一本鎖抗体、またはヒト化抗体断片である、[87]?[93]のいずれかに記載のコンジュゲート。 [97]前記抗葉酸受容体抗体は、huMOV19抗体である、[88]に記載のコンジュゲート。 [98]前記抗葉酸受容体抗体は、 a)配列番号1の重鎖CDR1、配列番号7の重鎖CDR2、及び配列番号3の重鎖CDR3、ならびに b)配列番号4の軽鎖CDR1、配列番号5の軽鎖CDR2、及び配列番号6の軽鎖CDR3を含む、[88]に記載のコンジュゲート。 [99]前記抗葉酸受容体抗体は、 a)配列番号11と少なくとも約90%、95%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)、及び b)配列番号12または配列番号13と少なくとも約90%、95%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)を含む、[88]に記載のコンジュゲート。 [100]前記抗葉酸受容体抗体は、 a)配列番号11のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、及び b)配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域 を含む、[88]に記載のコンジュゲート。 [101]前記抗葉酸受容体抗体は、 a)配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖、及び b)配列番号9または配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、[88]に記載のコンジュゲート。 [102]前記抗葉酸受容体抗体は、 a)配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖、及び b)配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む、[88]に記載のコンジュゲート。 [103]前記抗EGFR抗体は、huML66抗体である、[89]に記載のコンジュゲート。 [104]前記抗EGFR抗体は、 a)配列番号14のアミノ酸配列を有する重鎖、及び b)配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖 を含む、[89]に記載のコンジュゲート。 [105]前記抗EGFR抗体は、huEGFR-7Rである、[89]に記載のコンジュゲート。 [106]前記抗EGFR抗体は、 a)配列番号16のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖;及び b)配列番号17または配列番号18のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[89]に記載のコンジュゲート。 [107]前記抗CD33抗体は、huMy9-6抗体である、[90]に記載のコンジュゲート。 [108]前記抗CD33抗体は、 a)配列番号23のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び b)配列番号24のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[90]に記載のコンジュゲート。 [109]前記抗CD19抗体は、huB4抗体である、[91]に記載のコンジュゲート。 [110]前記抗CD19抗体は、 a)配列番号19のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び b)配列番号20のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[91]に記載のコンジュゲート。 [111]前記抗Muc1抗体は、huDS6抗体である、[92]に記載のコンジュゲート。 [112]前記抗Muc1抗体は、 a)配列番号21のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び b)配列番号22のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[92]に記載のコンジュゲート。 [113]前記抗CD37抗体は、huCD37-3抗体である、[93]に記載のコンジュゲート。 [114]前記抗CD37抗体は、 a)配列番号26または配列番号27のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び b)配列番号25のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[93]に記載のコンジュゲート。 [115]前記抗CD37抗体は、huCD37-50抗体である、[93]に記載のコンジュゲート。 [116]前記抗CD37抗体は、 a)配列番号29のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び b)配列番号28のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む、[93]に記載のコンジュゲート。 [117][44]?[116]のいずれかに記載のコンジュゲート及び薬学上許容されるキャリアを含む、医薬組成物。 [118]哺乳類における、異常細胞増殖の阻害方法または増殖性障害、自己免疫障害、破壊性骨障害、感染症、ウイルス性疾患、線維性疾患、神経変性疾患、膵炎、もしくは腎疾患の治療方法であって、前記哺乳類に、治療有効量の、[1]?[43]のいずれかに記載の化合物もしくは[44]?[116]のいずれかに記載のコンジュゲート治療有効量、及び任意選択で化学療法薬を投与することを含む、前記方法。 [119]癌、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植片拒絶、狼瘡、筋炎、感染症、及び免疫不全からなる群より選択される症状を治療するためのものである、[118]に記載の方法。 [120]前記方法は、癌を治療するためのものである、[119]に記載の方法。 [121]前記癌は、卵巣癌、膵癌、子宮頸癌、黒色腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、乳癌、頭頸部の扁平上皮癌、前立腺癌、子宮内膜癌、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)、骨髄異形成症候群(MDS)、腹膜癌、または白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性単球性白血病、前骨髄球性白血病、好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(例えば、B-ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、及び慢性骨髄性白血病(CML))である、[120]に記載の方法。 [122]前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)である、[120]に記載の方法。 [123]前記癌は、非小細胞肺癌である、[120]に記載の方法。 [124]前記癌は、卵巣癌である、[120]に記載の方法。 【配列表】 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-02-04 |
結審通知日 | 2020-02-07 |
審決日 | 2020-02-19 |
出願番号 | 特願2017-512775(P2017-512775) |
審決分類 |
P
1
41・
856-
Y
(C07D)
P 1 41・ 855- Y (C07D) P 1 41・ 854- Y (C07D) P 1 41・ 841- Y (C07D) P 1 41・ 853- Y (C07D) P 1 41・ 852- Y (C07D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 東 裕子 |
特許庁審判長 |
瀬良 聡機 |
特許庁審判官 |
関 美祝 冨永 保 |
登録日 | 2019-10-25 |
登録番号 | 特許第6606545号(P6606545) |
発明の名称 | 細胞障害性ベンゾジアゼピン誘導体 |
代理人 | 廣瀬 しのぶ |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 廣瀬 しのぶ |
代理人 | 山本 修 |