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審決分類 審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1361194
審判番号 不服2018-3346  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-07 
確定日 2020-03-25 
事件の表示 特願2015-200139「中継ノードを介した通信をサポートするための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月14日出願公開、特開2016- 7077〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2011年(平成23年)3月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年4月2日 米国、2010年4月2日 米国、2010年8月13日 米国)を国際出願日とする特願2013-502809号の一部を、平成26年11月4日に新たな特許出願とした特願2014-224608号の一部を、平成27年10月8日に更に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成27年11月 9日 手続補正書の提出
平成28年 9月30日付け 拒絶理由の通知
平成29年 4月11日 意見書及び手続補正書の提出
平成29年10月30日付け 拒絶査定
平成30年 3月 7日 拒絶査定不服審判請求及び手続補正書の
提出
平成30年 4月13日 手続補正書(請求の理由)
令和 元年 5月13日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和 元年 9月17日 意見書、誤訳訂正書の提出

第2 本願発明について
本願の請求項1?11に係る発明は、令和元年9月17日にされた誤訳訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。

「 無線デバイスであって、
プロセッサと、
動作可能に前記プロセッサに連結された送受信機とを備え、
前記送受信機および前記プロセッサは、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)の少なくとも1つのグループにデータを送信するように構成され、
前記送受信機および前記プロセッサは、アップリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され、前記アップリンクバッファステータス報告は、eノードBへ送信するのにバッファされたデータの量のインジケーションを含み、
前記送受信機および前記プロセッサは、ダウンリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され、前記ダウンリンクバッファステータス報告は、WTRUのグループに関連付けられたインジケーションと、WTRUの前記グループに送信するために前記無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含み、
前記送受信機および前記プロセッサは、前記アップリンクバッファステータス報告および前記ダウンリンクバッファステータス報告を前記eノードBに送信するようにさらに構成された無線デバイス。」

第3 拒絶の理由
令和元年5月13日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、
「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。」、というものであり、請求項1に対して先願5が引用され、最先の優先日当時の技術水準を示すものとして3GPPの標準規格である周知例6が提示されている。

5.PCT/CN2010/073349(国際公開第2010/135995号、特表2012-528494号公報)
6.3GPP TS 36.321 V8.5.0(2009-03),pp.25-26,32-33,2009年 3月23日アップデート,URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.321/36321-850.zip

第4 先願発明及び技術水準
1.先願発明
当審拒絶理由で先の出願として引用された2010年(平成22年)5月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年5月29日 米国)を国際出願日とする国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願の最先の優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号)、その後、特許法184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願(以下、「先願」という。)の国際出願日における明細書又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には以下(1)?(8)の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)
ここで、本願の発明者が先願に係る発明をした者と同一の者ではなく、また本願出願の時にその出願人が先願の出願人と同一の者でもない。

(1)「[0003] A Relay Node (RN) is considered for Long Term Evolution - Advanced (LTE-A) as a tool to improve, e.g., the coverage of high data rates, group mobility, temporary network deployment, the cell-edge throughput and/or to provide coverage in new areas. The RN is wirelessly connected to a wireless communications network via a donor cell (also referred to as a donor enhanced Node B (donor eNB)). The RN may serve as an eNB to one or more User Equipment (UE). To UE that is being served by the RN, the RN may appear identical to an eNB, scheduling uplink (UL) and downlink (DL) transmissions to the UE over an access link, which is between the RN and the UE. 」(1ページ)
(当審仮訳:
[0003] 中継ノード(RN)は、LTE-A(Long Term Evolution-Adovanced)に関して、例えば、高データ転送速度の受信地域、グループモビリティ、一時的ネットワーク展開、セル端スループットを改善するための、及び/又は新たな領域内の受信地域を提供するためのツールとして考慮されている。RNは、ドナーセル(ドナー拡張ノードB(ドナーeNB)とも呼ばれる)を介して無線通信ネットワークに無線で接続される。RNは、1つ又は複数のユーザ装置(UE)に対してeNBとしてサービスを提供することができる。RNによってサービスが提供されるUEに対して、RNは、eNBと同一とみなせ、RNとUEとの間にあるアクセスリンク上でのUEへのアップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)送信のスケジューリングを行う。)

(2)「[0049] Figure 4 illustrates a flow diagram of donor eNB operations 400 in RL flow control. Donor eNB operations 400 may be indicative of operations taking place in a donor eNB, such as eNB 105, for RL flow control based on buffer status information (UL or DL or both) from a RN, such as RN 116, wirelessly coupled to the donor eNB. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (UL or DL or both) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul.
[0050] Donor eNB operations 400 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, donor eNB operations 400 may occur when the donor eNB receives a transmission of buffer status information, which may occur periodically at specified intervals or when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty).
[0051] To efficiently use wireless resources, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL based on buffer status information provided by the RN. If the donor eNB allocates more DL wireless resources to the RL than needed, then the DL wireless resources may be wasted as well as potentially keeping DL buffers at the RN filled (or about filled) level, and potentially resulting in data loss if UEs being served by the RN cannot consume (i.e., transmit to the intended UE) the DL data at a sufficient rate. Similarly, if too little UL wireless resources are allocated to the RL, then the UL buffers at the RN may be kept in the filled (or about filled) level, which may require the RN to stop scheduling UL transmissions from a UE or UEs and negatively impacting the RN' s ability to fully exploit multi-user diversity scheduling. The donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL dynamically through scheduling. Alternatively, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL semi-statically.
[0052] Donor eNB operations 400 may begin with the donor eNB receiving buffer status information from the RN (block 405). The buffer status information from the RN may include DL buffer status information, UL buffer status information, or both DL buffer status information and UL buffer status information. The buffer status information may provide information about the status of each buffer at the RN. For example, if the RN includes a buffer for each class of traffic for each UE that it is serving, then the RN may provide a buffer status for each buffer. 」(15?16ページ)
(当審仮訳:
[0049] 図4は、RLフロー制御におけるドナーeNB動作400の流れ図を示す。ドナーeNB動作400は、ドナーeNBに無線で結合されている、RN116などのRNからのバッファステータス情報(UL又はDL又は両方)に基づくRLフロー制御についての、eNB105などのドナーeNB内で行われている動作を示すことができる。ドナーeNBは、RL(UL又はDL又は両方)をRNに提供するためにその利用可能な無線資源の一部を提供して、RNから有線バックホールへの有線接続を擬似する。
[0050] ドナーeNB動作400は、例えば、一定の間隔で周期的に発生することができる。あるいは、ドナーeNB動作400は、一定の間隔で周期的に発生することができるバッファステータス情報の送信をドナーeNBが受けた時に、あるいはRNが満杯(又はほぼ満杯)又は空き(又はほぼ空き)であるバッファが存在することを検出した時に、バッファステータス情報の送信をドナーeNBが受けた時に発生することができる。
[0051] 無線資源を効率よく使用するために、ドナーeNBは、RNにより提供されるバッファステータス情報に基づきRLに対するその無線資源割り当てを調整することができる。ドナーeNBが、RLに対して必要以上にDL無線資源を割り当てるならば、DL無線資源は、浪費されるとともに、RNによりサービスが提供されているUEが十分な率でDLデータを消費する(すなわち、目的のUEに送信する)ことができない場合には、RNにあるDLバッファを満杯(又はほぼ満杯)レベルに潜在的に保たち、かつデータ損失を潜在的に引き起こす恐れがある。同様に、余りにも少ないUL無線資源しかRLに割り当てられないならば、RNにおけるULバッファは、満杯(又はほぼ満杯)レベルに保たれる恐れがあり、これによってRNはUE又は複数のUEからのUL送信のスケジューリングを停止しなければならない可能性がありかつマルチユーザ多様性スケジューリングを十分有効に活用するRNの能力に悪影響を与える。ドナーeNBは、スケジューリングを通じて動的にRLに対するその無線資源の割り当てを調整することができる。あるいは、ドナーeNBは、RLに対するその無線資源の割り当てを半固定的に調整することができる。
[0052] ドナーeNB動作400は、ドナーeNBがRNからバッファステータス情報を受信することで始めることができる(ブロック405)。RNからのバッファステータス情報は、DLバッファステータス情報、ULバッファステータス情報、又はDLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことができる。バッファステータス情報は、RNにおける各バッファのステータスについての情報を提供することができる。例えば、RNが、サービングしている各UEに対するトラヒックの各クラスに対するバッファを備えている場合、RNは、各バッファに対するバッファステータスを提供することができる。)

(3)「[0069] Once it receives buffer status information from the RN, the donor eNB may alter the RL based on the buffer status information. For example, the donor eNB may determine if the buffer status information is for the UL buffers (block 410) and alter the wireless resource allocation for the UL of the RL based on the UL buffer status information (block 415). For example, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may increase the wireless resources allocated to the UL RL to allow the RN to transmit more UL data to the donor eNB. Increasing the wireless resources allocation may help to decrease the amount of data being stored in the UL buffers at the RN. While, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are empty (or almost empty), then the donor eNB may decrease the wireless resources allocated to the UL RL to allow the RN to transmit less UL data to the donor eNB. Decreasing the wireless resources allocation may free up the donor eNB's wireless resources for other use, such as increasing DL RL wireless resources allocation, increasing wireless resources for UEs being served directly by the donor eNB, and so forth.
[0070] While, if the buffer status information is for the DL buffers (block 410), then the donor eNB may alter the wireless resource allocation for the DL of the RL based on the DL buffer status information (block 420). For example, if the DL buffer status information indicates that the DL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may decrease the wireless resources allocated to the DL RL to prevent data loss at the RN as the DL buffers fill. The donor eNB may decrease the wireless resources allocation of the DL RL across the board or the donor eNB may select the UEs of the DL buffers that are full and not forward DL data for only the selected UEs, while continuing to transmit DL data for UEs with DL buffers that are not full (or even increasing the transmissions of those UEs).」(21?22ページ)
(当審仮訳:
[0069] ドナーeNBは、一旦RNからバッファステータス情報を受信すると、バッファステータス情報に基づきRLを変更することができる。例えば、ドナーeNBは、バッファステータス情報がULバッファに対するものであるかどうかを決定し(ブロック410)、ULバッファステータス情報に基づきRLのULに対する無線資源割り当てを変更する(ブロック415)。例えば、ULバッファステータス情報が、ULバッファが満杯(又はほぼ満杯)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのULに割り当てられる無線資源を増加して、RNがより多くのULデータをドナーeNBへ送信できるようにする。無線資源割り当てを増加させることは、RNにおいてULバッファ中に記憶されるデータ量を減少させることを助ける恐れがある。しかしながら、ULバッファステータス情報が、ULバッファが空き(又はほぼ空き)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのULに割り当てられている無線資源を減少させて、RNがより少ないULデータをドナーeNBへ送信するようにできる。無線資源割り当てを減少させることは、ドナーeNBの無線資源を、RLのDL無線資源割り当てを増加させる、ドナーeNBにより直接的にサービスが提供されるUE用の無線資源を増加させるなどといった他の用途のために解放することができる。
[0070] 一方、バッファステータス情報が、DLバッファに対してである場合(ブロック410)、ドナーeNBは、RLのDLに対する無線資源割り当てをDLバッファステータス情報に基づき変更する(ブロック420)ことができる。例えば、DLバッファステータス情報が、DLバッファが満杯(又はほぼ満杯)であることを示している場合、ドナーeNBは、RLのDLに割り当てられた無線資源を減少させて、DLバッファが満杯であるためRNにおけるデータ損失を防止することができる。ドナーeNBは、RLのDLの無線資源割り当てを一律に減少させることができ、あるいは、ドナーeNBは、満杯であるDLバッファのUEを選択し、選択されたUEのみに対してはDLデータを転送しないとともに、満杯ではないDLバッファを有するUEに対するDLデータを送信し続ける(又はこれらのUEの送信を増加させさえする)ことができる。)

(4)「[0074] Figure 5 illustrates a flow diagram of RN operations 500 in RL flow control. RN operations 500 may be indicative of operations taking place in a RN, such as RN 116, for RL flow control based on buffer status information (both UL and DL) at a donor eNB, such as eNB 105, wherein the eNB 105 and the RN 116 are wireless coupled. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (both UL and DL) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul.
[0075] RN operations 500 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, RN operations 500 may occur when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full), empty (or almost empty), or at a specified buffer status.
[0076] RN operations 500 may begin with the RN determining the buffer status of its buffers (block 505). For example, the RN may determine the amount of data stored in each of its DL and UL buffers. Alternatively, the RN may aggregate its buffers based on UE, traffic class, link direction (DL or UL), or a combination thereof.
[0077] Once it has determined the buffer status, the RN may compute buffer status information from the buffer status (block 510). For example, from the amount of data stored in a buffer, the RN may compute a percentage of the buffer that is full or empty, an indication of the amount of data stored in the buffer, an expected time to buffer starvation or to buffer congestion for the buffer, or so on.
[0078] The RN may then transmit the buffer status information to the donor eNB (block 515). The RN may directly transmit the buffer status information to the donor eNB using a Media Access Control (MAC) control Protocol Data Unit (PDU) or a Radio Resource Control (RRC) message, for example. Alternatively, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information exceeds a threshold. For example, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information indicates that the buffer is full or empty (or almost full or almost empty), if the buffer will be empty (consumed) within a specified amount of time, or so forth. If the buffer status information indicates that the buffer is not full or empty, or will not be empty within a specified amount of time, and so on, then the RN may not transmit the buffer status information to the donor eNB.」(23?24ページ)
(当審仮訳:
[0074] 図5はRLフロー制御におけるRN動作500の流れ図を示す。RN動作500は、eNB105などのドナーeNBにおけるバッファステータス情報(UL及びDL両方)に基づくRLフロー制御に対するRN116などのRN中で行われる動作を示すことができ、そこでeNB105及びRN116は無線で結合されている。ドナーeNBは、RL(UL及びDL両方)をRNに提供するためにその利用可能な無線資源の一部を提供して、RNから有線のバックホールへの有線接続を擬似する。
[0075] RN動作500は、例えば、一定の間隔で周期的に発生することができる。あるいは、RN動作500は、RNが、満杯(又はほぼ満杯)、空き(又はほぼ空き)、又は特定のバッファステータスにあるバッファステータスを有していることを検出した時に発生することができる。
[0076] RN動作500は、RNがそのバッファのバッファステータスを決定することで始めることができる(ブロック505)。例えば、RNは、そのDL及びULバッファの各々中に記憶されるデータ量を決定することができる。あるいは、RNは、UE、トラヒッククラス、リンク方向(DL又はUL)、又はこれらの組合せに基づきそのバッファを集約することができる。
[0077] 一旦、バッファステータスが決定されると、RNは、バッファステータスからバッファステータス情報を計算することができる(ブロック510)。例えば、バッファ中に記憶されたデータ量から、RNは、満杯又は空きであるバッファの百分率、バッファ中に記憶されるデータ量のインジケーション、バッファがバッファ枯渇又はバッファ輻輳に至るまでの予想時間、などを計算することができる。
[0078] RNは次いで、バッファステータス情報をドナーeNBへ送信することができる(ブロック515)。RNは、バッファステータス情報を例えば、メディアアクセス制御(MAC)の制御プロトコルデータユニット(PDU)又は無線リソース制御(RRC)メッセージを使用してドナーeNBへ直接送信することができる。あるいは、RNは、バッファステータス情報が閾値を超えた場合にバッファステータス情報をドナーeNBに送信することができる。例えば、RNは、バッファステータス情報が、バッファが満杯又は空き(又はほぼ満杯又はほぼ空き)であることを示している場合、バッファが一定の時間量内に空きとなる(消費される)場合、などの場合、バッファステータス情報をドナーeNBに送信することができる。バッファステータス情報が、バッファが満杯もしくは空きではない又はバッファが一定の時間量内に空きとならないことなどを示している場合、RNは、バッファステータス情報をドナーeNBに送信することができない。)

(5)「[0081] Alternatively, an LTE Release 8 Buffer Status Report (BSR) message may be used to transmit the concatenated buffer status information. The use of the BSR message may include a reinterpretation of the information contained in the BSR message. For example, a BSR message contains information for four Logical Channel Groups (LCG). The LCGs may be modified or reinterpreted to convey buffer status information for a number of different groups of UEs, a number of different groups of traffic classes, and so forth. The BSR message may be used to convey buffer status information for UL, or DL, or both UL and DL. 」(25ページ)
(当審仮訳:
[0081] あるいは、LTE Release 8のバッファステータス報告(BSR)メッセージは、連結されたバッファステータス情報を送信するために使用することができる。BSRメッセージの使用には、BSRメッセージに含まれる情報の再解釈を含めることができる。例えば、BSRメッセージは4つの論理チャネルグループ(LCG)に対する情報を含む。LCGは、複数の異なるUEのグループ、複数の異なるトラヒッククラスグループなどに対するバッファステータス情報を運ぶために改変又は再解釈することができる。BSRメッセージは、UL、又はDL、又はUL及びDL両方に対するバッファステータス情報を運ぶために使用することができる。)

(6)

(当審仮訳:

図2)

(7)

(当審仮訳:

図4)
(8)

(当審仮訳:

図5)

ここで、先願発明が本願の最先の優先日(2010年4月2日)以前の、先願の優先基礎仮出願に記載されていることを確認する。
先願の優先基礎仮出願である61/182360号(出願日:2009年5月29日)(以下、「先願優先基礎仮出願」という。)には下記(9)?(16)が記載されている。

(9)「[0002] A Relay Node (RN) is considered for Long Term Evolution - Advanced (LTE-A) as a tool to improve, e.g., the coverage of high data rates, group mobility, temporary network deployment, the cell-edge throughput and/or to provide coverage in new areas. The RN is wirelessly connected to a wireless communications network via a donor cell (also referred to as a donor enhanced Node B (donor eNB)). The RN may serve as an eNB to one or more User Equipment (UE). To UE that is being served by the RN, the RN may appear identical to an eNB, scheduling uplink (UL) and downlink (DL) transmissions to the UE over an access link, which is between the RN and the UE. 」

(10)「[0022] Figure 3 illustrates a flow diagram of donor eNB operations 300 in RL flow control. Donor eNB operations 300 may be indicative of operations taking place in a donor eNB, such as eNB 105, for RL flow control based on buffer status information (UL or DL or both) from a RN, such as RN 116, wirelessly coupled to the donor eNB. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (UL or DL or both) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul.
[0023] Donor eNB operations 300 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, donor eNB operations 300 may occur when the donor eNB receives a transmission of buffer status information, which may occur periodically at specified intervals or when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty).
[0024] To efficiently use wireless resource, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL based on buffer status information provided by the RN. If the donor eNB allocates more DL wireless resource to the RL than needed, then the DL wireless resource may be wasted as well as potentially keeping DL buffers at the RN filled (or about filled) level, and potentially resulting in data loss if UEs being served by the RN cannot consume (i.e., transmit to the intended UE) the DL data at a sufficient rate. Similarly, if too little UL wireless resource is allocated to the RL, then the UL buffers at the RN may be kept in the filled (or about filled) level, which may require the RN to stop scheduling UL transmissions from a UE or UEs and negatively impacting the RN's ability to fully exploit multi-user diversity scheduling. The donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL dynamically through scheduling.Alternatively, the donor eNB may adjust its wireless resource allocation to the RL semi- statically.
[0025] Donor eNB operations 300 may begin with the donor eNB receiving buffer status information from the RN (block 305). The buffer status information from the RN may include DL buffer status information, UL buffer status information, or both DL and UL buffer status information. The buffer status information may provide information about the status of each buffer at the RN. For example, if the RN includes a buffer for each class of traffic for each UE that it is servicing, then the RN may provide a buffer status for each buffer.」

(11)「[0041] Once it receives buffer status information from the RN, the donor eNB may alter the RL based on the buffer status information. For example, the donor eNB may determine if the buffer status information is for the UL buffers (block 310) and alter the wireless resource allocation for the UL of the RL based on the UL buffer status information (block 315). For example, if the UL buffer status information indicates that the UL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may increase the wireless resource allocated to the UL RL to allow the RN to transmit more UL data to the donor eNB. This may help to decrease the amount of data being stored in the UL buffers at the RN. If the UL buffer status information indicates that the UL buffers are empty (or almost empty), then the donor eNB may decrease the wireless resource allocated to the UL RL to allow the RN to transmit less UL data to the donor eNB. This may free up the donor eNB's wireless resource for other use, such as increasing DL RL wireless resource, increasing wireless resource for UEs being served directly by the donor eNB, and so forth.
[0042] While, if the buffer status information is for the DL buffers (block 310), then the donor eNB may alter the wireless resource allocation for the DL of the RL based on the DL buffer status information (block 320). For example, if the DL buffer status information indicates that the DL buffers are full (or almost full), then the donor eNB may decrease the wireless resource allocated to the DL RL to prevent data loss at the RN as the DL buffers fill. The donor eNB may decrease the wireless resource allocation of the DL RL across the board or the donor eNB may select the UEs of the DL buffers that are full and not forward DL data for only the selected UEs, while continuing to transmit DL data for UEs with DL buffers that are not full (or even increasing the transmissions of those UEs).」

(12)「[0046] Figure 4 illustrates a flow diagram of RN operations 400 in RL flow control. RN operations 400 may be :indicative of operations taking place in a RN, such as RN 116, for RL flow control based on buffer status information (both UL and DL) at a donor eNB, such as eNB 105, wherein the eNB 105 and the RN 116 are wireless coupled. The donor eNB donates a portion of its available wireless resource to provide a RL (both UL and DL) to the RN, to simulate a wired connection from the RN to the wired backhaul.
[0047] RN operations 400 may occur periodically, at specified intervals, for example. Alternatively, RN operations 400 may occur when the RN detects that it has buffers that are full (or almost full) or empty (or almost empty).
[0048] RN operations 400 may begin with the RN determining the buffer status of its buffers (block 405). For example, the RN may determine the amount of data stored in each of its DL and UL buffers. Alternatively, the RN may aggregate its buffers based on UE, traffic class, link direction (DL or UL), or so forth.
[0049] Once it has determined the buffer status, the RN may compute buffer status information from the buffer status (block 410). For example, from the amount of data stored in a buffer, the RN may compute a percentage of the buffer that is full, an indication of the amount of data stored in the buffer, an expected time to buffer starvation or to buffer congestion for the buffer, or so on.
[0050] The RN may then transmit the buffer status information to the donor eNB (block 415). The RN may directly transmit the buffer status information to the donor eNB using a Media Access Control (MAC) control Protocol Data Unit (PDU) or a Radio Resource Control (RRC) message, for example. Alternatively, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information exceeds a threshold. For example, the RN may transmit the buffer status information to the donor eNB if the buffer status information indicates that the buffer is full or empty (or almost full or almost empty), if the buffer will be empty (consumed) within a specified amount of time, or so forth. If the buffer status information indicates that the buffer is not full or empty, or will not be empty within a specified amount of time, and so on, then the RN may not transmit the buffer status information to the donor eNB.」

(13)「[0053] Alternatively, an LTE Release 8 Buffer Status Report (BSR) message may be used to transmit the concatenated buffer status information. The use of the BSR message may include a reinterpretation of the information contained in the BSR message. For example, a BSR message contains information for four Logical Channel Groups (LCG). The LCGs may be modified or reinterpreted to convey buffer status information for a number of different groups of UEs, a number of different groups of traffic classes, and so forth. The BSR message may be used to convey buffer status information for UL, or DL, or both UL and DL.」

(14)


(15)


(16)


以上のように、上記(7)のFig.4と上記(8)のFig.5が、上記(15)ではFig.3に、上記(16)ではFig.4になっているが、上記(1)?(8)の記載と(9)?(16)の記載は実質的に同様の事項が記載されている。したがって、先願の上記(1)?(8)の事項は優先基礎仮出願である61/182360号(出願日:2009年5月29日)に実質的に記載された事項である。

次に、上記(1)?(8)の記載及び技術常識からみて、次の事項が先願明細書等には記載されていると認められる。

a 上記(1)の記載によれば、RNはドナーセル(ドナーeNBとも呼ばれる)を介して無線ネットワークに無線で接続される中継ノードであり、ユーザ装置(UE)に対してeNBとしてサービスを提供するから、RNのダウンリンク送信はユーザ装置(UE)へのデータ送信であることは明らかである。そして、上記(5)に「LCGは、複数の異なるUEのグループに対するバッファステータス情報を運ぶために改変又は再解釈することができる。」と記載されていることから、RNは「UEのグループにデータを送信」しているといえる。
したがって、「ユーザ装置(UE)のグループにデータを送信」する「無線ネットワークにドナーeNBを介して無線で接続される中間ノード(RN)」について記載されていると認められる。

b 上記(2)の段落52には、ドナーeNBがRNから受信するバッファステータス情報は、DLバッファステータス情報及びULバッファステータス情報の両方を含むことが記載されている。そして上記(5)の記載によれば、バッファステータス情報はバッファステータス報告を使用して送信されるといえる。
よって、RNは「アップリンクバッファステータス報告及びダウンリンクバッファステータス報告をドナーeNBへ送信」しているといえる。

そして、上記(4)の段落76?78には、RNは、DL及びULバッファの各々中に記憶されるデータ量を決定し、バッファステータス情報を計算し、バッファステータス情報をドナーeNBへ送信することが記載されている。ここでULバッファはアップリンクのバッファであるから、ドナーeNBへ送信するためのバッファであり、段落77に、計算するバッファステータス情報として、「例えば」と例示して、バッファ中に記憶されたデータ量からバッファ中に記憶されるデータ量のインジケーションを計算することが記載されていることから、データ量のインジケーションを計算する場合には「アップリンクバッファステータス報告はドナーeNBへ送信するためにバッファされたデータの量のインジケーションを含」んでいるといえる。また、「ダウンリンクバッファステータス報告」についても、データ量のインジケーションを計算する場合には「ダウンリンクバッファステータス報告はRNがバッファした」UEへ送信するための「データの量のインジケーションを含」んでいるといえる。

以上のことから、RNは「アップリンクバッファステータス報告はドナーeNBへ送信するためにバッファされたデータの量のインジケーションを含み、ダウンリンクバッファステータス報告はRNがバッファしたデータの量のインジケーションを含み、アップリンクバッファステータス報告及びダウンリンクバッファステータス報告をドナーeNBへ送信する」ことが記載されているといえる。

c 上記(5)の記載によれば、「LTE Release 8のバッファステータス報告(BSR)メッセージがバッファステータス情報を送信するために使用され」、「LCGは、複数の異なるUEのグループに対するバッファステータス情報を運ぶために改変することができる」といえる。

以上を総合すると、先願明細書等には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されているといえる。

「無線ネットワークにドナーeNBを介して無線で接続される中間ノード(RN)であって、
ユーザ装置(UE)のグループにデータを送信し、
アップリンクバッファステータス報告はドナーeNBへ送信するためにバッファされたデータの量のインジケーションを含み、
ダウンリンクバッファステータス報告はRNがバッファしたデータの量のインジケーションを含み、
アップリンクバッファステータス報告及びダウンリンクバッファステータス報告をドナーeNBへ送信し、
LTE Release 8のバッファステータス報告(BSR)メッセージがバッファステータス情報を送信するために使用され、LCGは、複数の異なるUEのグループに対するバッファステータス情報を運ぶために改変することができる、
RN。」

2.技術水準
当審拒絶理由で引用された3GPPの規格文書である3GPP TS 36.321 V8.5.0(2009-03),pp.25-26,32-33,2009年 3月23日アップデート,URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.321/36321-850.zip(以下、「周知例」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)「6.1.3MAC Control Elements
6.1.3.1Buffer Status Report MAC Control Elements
Buffer Status Report (BSR) MAC control elements consist of either:
- Short BSR and Truncated BSR format: one LCG ID field and one corresponding Buffer Size field (figure 6.1.3.1-1); or
- Long BSR format: four Buffer Size fields, corresponding to LCG IDs #0 through #3 (figure 6.1.3.1-2).
The BSR formats are identified by MAC PDU subheaders with LCIDs as specified in table 6.2.1.-1.
The fields LCG ID and Buffer Size are defined as follow:
- LCG ID: The Logical Channel Group ID field identifies the group of logical channel(s) which buffer status is being reported. The length of the field is 2 bits;
- Buffer Size: The Buffer Size field identifies the total amount of data available across all logical channels of a logical channel group after the MAC PDU has been built. The amount of data is indicated in number of bytes. It shall include all data that is available for transmission in the RLC layer and in the PDCP layer; the definition of what data shall be considered as available for transmission is specified in [3] and [4] respectively. The size of the RLC and MAC headers are not considered in the buffer size computation. The length of this field is 6 bits. The values taken by the Buffer Size field are shown in Table 6.1.3.1-1.」(32ページ)
(当審仮訳:
6.1.3 MACコントロール要素
6.1.3.1 バッファステータス報告MACコントロール要素
バッファステータス報告(BSR)MAC制御要素は、以下のいずれかで構成される。
- ショートBSR及びトランケートBSRフォーマット:1つのLCG IDフィールドと1つの対応するバッファサイズフィールド(図6.1.3.1-1)。又は
- ロングBSRフォーマット:LCG ID#0から#3に対応する4つのバッファサイズフィールド(図6.1.3.1-2)。
BSRフォーマットは、表6.2.1.-1に特定されているようにLCIDを持つMAC PDUサブヘッダによって識別される。
フィールドLCG IDとバッファサイズは次のように定義される。
- LCG ID:論理チャネルグループIDフィールドは、バッファステータスが報告されている論理チャネルのグループを識別する。フィールドの長さは2ビットである。
- バッファサイズ:バッファサイズフィールドは、MAC PDUが構築された後に論理チャネルグループの全ての論理チャネルにわたって利用可能なデータの総量を識別する。データ量はバイト数で示される。それはRLC層とPDCP層での送信に利用可能なすべてのデータを含まれる。どんなデータが伝送に利用可能であると考えられるかの定義はそれぞれ[3]と[4]で指定されます。RLC及びMACヘッダーのサイズは、バッファサイズの計算では考慮されない。このフィールドの長さは6ビットである。バッファサイズフィールドの値を表6.1.3.1-1に示す。)

(2) Figure 6.1.3.1-1

したがって、周知例には、
「ショートバッファステータス報告が、1つのLCG IDフィールドと1つの対応するバッファサイズフィールドからなる。」ことが記載されており、周知例は3GPPの規格文書であるから、当該事項は技術常識と認められる。

3.対比及び判断
本願発明と先願発明を対比すると、

(1)先願発明の「無線ネットワークにドナーeNBを介して無線で接続される中間ノード(RN)」は、「無線デバイス」に含まれる。また、先願発明の「ユーザ装置(UE)」は、本願発明の「ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)」に相当し、先願発明の「ドナーeNB」は、本願発明の「eノードB」に相当する。

(2)先願発明の中間ノード(RN)はUEのグループにデータを送信していることから、「ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)の少なくとも1つのグループにデータを送信するように構成され」ているといえる。

(3)先願発明のRNでは「アップリンクバッファステータス報告をドナーeNBへ送信」していることから、RNがアップリンクバッファステータス報告を生成していることは明らかであるから、「アップリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され」ているといえる。
また、先願発明の「アップリンクバッファステータス報告はドナーeNBへ送信するためにバッファされたデータの量のインジケーションを含」むことは、本願発明の「アップリンクバッファステータス報告は、eノードBへ送信するのにバッファされたデータの量のインジケーションを含み」に相当する。

(4)先願発明のRNでは「ダウンリンクバッファステータス報告をドナーeNBへ送信」していることから、RNがダウンリンクバッファステータス報告を生成していることは明らかであるから、「ダウンリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され」ているといえる。
また、先願発明の「ダウンリンクバッファステータス報告はRNがバッファしたデータの量のインジケーションを含」むことと、本願発明の「ダウンリンクバッファステータス報告は、WTRUのグループに関連付けられたインジケーションと、WTRUの前記グループに送信するために前記無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含」むことは、「ダウンリンクバッファステータス報告は、無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含み」の点で共通する。

(5)先願発明の「アップリンクバッファステータス報告及びダウンリンクバッファステータス報告はドナーeNBへ送信」することは、本願発明の「アップリンクバッファステータス報告およびダウンリンクバッファステータス報告をeノードBに送信する」に相当する。

以上を総合すると、本願発明と先願発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
「 無線デバイスであって、
ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)の少なくとも1つのグループにデータを送信するように構成され、
アップリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され、前記アップリンクバッファステータス報告は、eノードBへ送信するのにバッファされたデータの量のインジケーションを含み、
ダウンリンクバッファステータス報告を生成するようにさらに構成され、前記ダウンリンクバッファステータス報告は、前記無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含み、
前記アップリンクバッファステータス報告および前記ダウンリンクバッファステータス報告を前記eノードBに送信するようにさらに構成された無線デバイス。」

(相違点1)
無線デバイスにおいて、本願発明は「プロセッサと、動作可能に前記プロセッサに連結された送受信機とを備え」、送受信機およびプロセッサが各動作をなすよう構成されているのに対し、先願発明では当該事項が特定されていない点。

(相違点2)
「ダウンリンクバッファステータス報告」に関して、本願発明では「ダウンリンクバッファステータス報告は、WTRUのグループに関連付けられたインジケーションと、WTRUの前記グループに送信するために前記無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含」むのに対し、先願発明では「ダウンリンクバッファステータス報告はRNがバッファしたデータの量のインジケーションを含み」、「LTE Release 8のバッファステータス報告(BSR)メッセージがバッファステータス情報を送信するために使用され、LCGは、複数の異なるUEのグループに対するバッファステータス情報を運ぶために改変することができる」が、「WTRUのグループに関連付けられたインジケーションと、WTRUの前記グループに送信するために前記無線デバイスがバッファしたデータの量のインジケーションとを含」むことは特定されていない点。

以下、各相違点について検討する。
(相違点1について)
無線装置において、無線通信を行うために送受信機を備えること、及び装置の動作を制御する上でプロセッサを備えることは技術常識である。
したがって、先願発明の中継ノードRNが、プロセッサと、動作可能にプロセッサに連結された送受信機とを備え、送受信機およびプロセッサが中継ノードRNの各動作をなすよう構成されることは明らかであり、前記相違点1は、実質的な相違点ではない。

(相違点2について)
上記「第4 先願発明及び技術水準」にて「2.技術水準」として示したように、「ショートバッファステータス報告が、1つのLCG IDフィールドと1つの対応するバッファサイズフィールドからなる。」ことは先願の優先日(2009年5月29日)前に既に技術常識である。
よって、先願発明において、LCGは、複数の異なるUEのグループに対するバッファステータス情報を運ぶために改変することができるとは、先願発明において技術常識であるLTE Release 8のバッファステータス報告(BSR)メッセージの一形態であるショートバッファステータス報告を採用する際には、「1つのLCG IDフィールド」を複数の異なるUEのグループのグループIDとし、「1つの対応するバッファサイズフィールド」をUEのグループに送信するためにバッファしたデータの量のインジケーションに改変することであることは明らかである。
そうすると、前記相違点2は、実質的な相違点ではない。

よって、本願発明と先願発明とは同一であるから、本願発明は特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、その優先日(2010年4月2日)前の優先日(2009年5月29日)を有する国際特許出願(PCT/CN2010/073349)であって、本願優先日(2010年4月2日)後の2010年12月2日に国際公開され(国際公開第2010/135995号)、その後、特許法第184条の4第1項に規定する翻訳文が提出された国際特許出願の国際出願日における明細書又は図面に記載された発明と同一であると認められ、しかも、この出願の発明者が上記国際特許出願に係る上記発明をした者と同一であるとも、またこの出願の時において、その出願人が上記国際特許出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第184条の13で読み替えて適用する特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-10-17 
結審通知日 2019-10-29 
審決日 2019-11-12 
出願番号 特願2015-200139(P2015-200139)
審決分類 P 1 8・ 16- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣川 浩  
特許庁審判長 菅原 道晴
特許庁審判官 中木 努
畑中 博幸
発明の名称 中継ノードを介した通信をサポートするための方法および装置  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
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