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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1361346
審判番号 不服2018-17464  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-28 
確定日 2020-04-08 
事件の表示 特願2017- 18074「人工知能に基づくモバイル検索方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月10日出願公開、特開2017-138985〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成29年2月3日(パリ条約による優先権主張2016年2月5日,中国)の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月18日付け:拒絶理由通知書
平成30年 3月23日 :意見書,補正書の提出
平成30年 8月28日付け:拒絶査定
平成30年12月28日 :審判請求書の提出



第2 本願発明について

平成30年3月23日付けの手続補正書により補正された請求項1には,以下の事項が記載されている。
「 【請求項1】
第1表示モジュールが,検索ボックスを表示し,且つユーザーが検索ボックスを介して入力した検索語を受信するステップと,
第2表示モジュールが,前記第1表示モジュールで受信した検索語に基づいて検索結果を取得し,且つ検索結果を検索結果ページに表示するステップと,
第3表示モジュールが,前記第2表示モジュールで表示された検索結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた検索結果に対応する情景ページを表示するステップと,
第4表示モジュールが,前記第2表示モジュールで表示された検索結果ページの検索結果又は前記第3表示モジュールで表示された情景ページの結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた結果に対応する内容ページを表示するステップと,を含む,
ことを特徴とする人工知能に基づくモバイル検索方法。」
(以下,「本願発明」という。)



第3 原査定の理由の概要

原査定の拒絶の理由は,概略,次のとおりのものである。

[理由2]
「情景ページ」がどのようなものであるのか不明であるから,本願発明は明確であるとはいえず,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



第4 本願の発明の詳細な説明の記載

発明の詳細な説明には,次の記載がある(下線は,当審が付与した。)。

「【0025】
検索語が単一需要の検索語である場合,正確な結果の後ろに,需要(検索語),正確な結果,ユーザーの個性化及びシーン化に係る一つ又は複数の推薦案内結果を提供する。または,検索語が多需要の検索語である場合,集合した結果の後ろに,需要(検索語),集合した結果中の一つ又は複数の結果,ユーザーの個性化及びシーン化(Scenarized)に係る一つ又は複数の推薦案内結果を提供する。
【0026】
例えば,図3(a),図3(b)を参照すると,それぞれ単一需要の検索語の対応する検索結果ページを示した図と多需要の検索語に対応する検索結果ページを示している。
【0027】
ステップS13:検索結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた検索結果の対応する情景ページを表示する。
【0028】
うち,情景ページの役割は指定された情景に興味を持つユーザーに深く閲覧するシーンを提供するためである。情景ページ中の内容は指定された情景に対する細分又は延伸であり,指定された結果の同類結果,近似結果又は関連結果を含む。指定された結果は検索結果中の一つの結果である。
【0029】
例えば,図2を参照して,ユーザーが検索結果ページ中のある検索結果をクリックしてから,クリックされた検索結果に対応する情景ページ23が表示される。
【0030】
ステップS14:検索結果又は情景ページ中の結果に対するクリック指令を受信してから,クリックされた結果に対応する内容ページが表示される。
【0031】
うち,内容ページ中の内容は検索結果ページ中の一つの結果の詳細な内容又は情景ページ中の一つの結果の詳細な内容である。一本のニュースの詳細な報道,一つの対象の詳細な説明,一つのウェブページの詳細な内容などを含むが,それに限定されない。
【0032】
例えば,図2を参照する。ユーザーが情景ページ中のある結果をクリックしてから,クリックされた結果に対応する内容ページ24が表示される。又はユーザーが検索結果ページ中のある検索結果をクリックしてから,クリックされた検索結果に対応する内容ページ24が表示される。」

「【0037】
うち,検索結果は図4(a)のように,検索語の需要を直接に満たす正確な結果を含めるし,図4(b)?図4(d)が示した推薦案内結果も含める。本実施例では,推薦案内結果は「生活指数推薦」であり,具体的に「元旦攻略」,「焼き魚」,「ダウンジャケット」,「4D/5D映画」,「周辺の見どころ」,「不思議な天気」など具体的な情景を含む。
【0038】
うちの「周辺の見どころ」という検索結果を例とする。当該検索結果は一つの情景ページに対応する。即ちユーザーが「周辺の見どころ」に対応する検索結果をクリックしてから,図5の示した情景ページが表示される。情景ページに現れた周辺の見どころは検索結果ページに現れた周辺の見どころよりさらに豊かで,全面的である。
【0039】
情景ページ中の結果をクリックするのを例とする。例えば,ユーザーが情景中の「オリエンタルプロヴァンスラベンダー荘園」という結果をクリックしてから,図6が示したように,当該クリックされた結果に対応する内容ページが表示される。」

「【0042】
本実施例で,ユーザーが「烏鎮」という対象に対して,多種の潜在的需要を持っているため,本発明では,ユーザーの現在の検出での需要分布が自動的に検出され,「見どころ」,「美食」,「ショッピング」など複数の需要次元を抽出し,さらにこれらの需要次元に基づいて,検索結果を集合し表示する。例えば,図7(a)を参照して,「見どころ」,「美食」,「ショッピング」などの需要次元を集合した結果が表示さる。また,検索結果ページには図7(b)の示した推薦案内結果も表示されることができる。」

「【0046】
例えば,情報類需要の検索語が「双子座流星群」である。ユーザーが検索ボックスに「双子座流星群」を入力し,さらに検索を行う後,図8(a)に示したような検索結果ページが表示されることができる。
【0047】
検索結果ページには検索語の需要を直接に満たす正確な結果が含まれ,さらに正確な結果の下方に推薦案内結果が表示される。もしユーザーには更なる情報閲覧需要があれば,推薦案内結果をクリックし,図8(b)の示した情景ページに入ることができる。情景ページの情報内容の選択は主に情報内容の人気,適時性,ユーザーの個性的な需要との関連度などに基づいたものである。もし情景ページ中のある情報に対し,詳しく理解しようとするなら,当該情報をクリックして,図8(c)の示した内容ページに入ることができる。」

「【0068】
ステップS101:検索語が多需要の検索語である場合,前記検索語に対応する複数の需要次元を決定する。
【0069】
ステップS102:異なる需要次元に対応する検索結果を集合し,重合した結果を取得する。
【0070】
具体的に,検索語が多需要の検索語である場合,結果を重合する技術を採用する。
【0071】
結果を重合する技術:結果を重合する技術の役割は多需要の検出の需要次元に対して,自動的に発見し,検索結果に対して,異なる需要次元を巡って,重合を行うことである。具体的に,(1)需要次元の発見:ユーザーの検索日誌に基づいて,現在の検索Qに含まれるすべての検出に対し,需要次元に従って,自動的に重合分類する。例えば,Q=「麗江」に対して,「攻略」,「美食」,「見どころ」などの異なる需要次元を自動的に発見する必要がある。需要次元を発見する具体的な技術は複数の種類がある。よく見られる方法として,検出の内容の相似度の計算に基づいて,重合分類する。ユーザーのクリックの相似度に基づいて,重合分類する(即ち同じ需要の検出で,同じ結果をクリックされる傾向がある)などの方法である。(2)検索結果の重合:多需要の検索Qに対し,上記発見した複数の需要次元を巡って,すべての検索結果を重合する。具体的に,重合する過程で,あらゆる検索結果とあらゆる需要次元の関連度も考慮するし,また検索結果間の相似度も考慮する。例えば,Q=「麗江」の一つの主題が「麗江地元の特色軽食」である検索結果について,検索結果の重合は当該結果と「攻略」,「美食」。「見どころ」などの需要次元との相似度を計算し,当該検索結果と各需要次元でのすでに重合を完成した検索結果との相似度も計算する。」

「【0083】
ステップS112:検索語に基づいて,正確な結果又は重合した結果を取得する。
【0084】
うち,正確な結果又は重合した結果は検索語の単一又は多方向の需要を満たす結果である。検索結果ページには,ユーザーの需要を満たす結果が表示されるだけではなく,関連推薦案内結果も表示される。
【0085】
ステップS113:推薦待ち結果と検索語との関連度,推薦待ち結果と正確的な結果又は重合した結果との関連度,推薦待ち結果と個性的なモデルとのマッチング度,推薦待ち結果とシーンのモデルとのマッチング度,推薦待ち結果自体の価値特徴のうち一つ又は複数の情報に基づいて,正確な結果又は重合した結果に対応する推薦案内結果を取得する。
【0086】
具体的に,上記のように,正確的な結果又は重合した結果を表示してから,その潜在的な検索需要を引き出すために,推薦案内結果をもさらに表示してもよい。任意の一つの推薦待ち結果Dについて,案内推薦技術は以下の特徴に基づいてその推薦点数を計算し,且つ推薦点数の高さに基づいて,推薦するかどうかを決める。(1)推薦待ち結果Dと需要Qとの関連度,(2)DとQの検索結果との関連度,(3)Dと現在のユーザーの個性的なモデルとのマッチング度,(4)Dと現在の検索Qのシーンのモデルとのマッチング度,(5)D自体の価値特徴,例えば権威性,適時性などである。」

「【0090】
検索結果の表示方式の根本的な変革は,具体的に,伝統的な検索結果を簡単に関連性に基づいて高い方から低い方まで線形的に並べる「一次元」の表示方式から,「縦方向+横方向+深方向」の三次元の表示方式に進化した。ここにいう「縦方向」は,関連性,重要性などの要素に基づいて,検索結果を上から下までの縦配置を指す(図8(a)の第1ボックスにある内容81の示したように),「横方向」は,同じ需要を満たす同質の結果を左から右までの横配置を指す(図8(a)の第2ボックスにある内容82の示したように),「深方向」は,情景ページに,現在の検索結果の累進と延伸の表示することである(図8(c)の第3ボックスにある内容83の示したように)。」

「【0092】
図13は本発明のもう一つの実施例で提出された人工知能に基づくモバイル検索装置の構造図である。図13を参照し,当該装置130は,第1表示モジュール131,第2表示モジュール132,第3表示モジュール133及び第4表示モジュール134を含む。
【0093】
第1表示モジュール131は検索ボックスを表示し,且つユーザーの検索ボックスを介して入力した検索語を受信する。
【0094】
第2表示モジュール132は検索語に基づいて,検索結果を取得し,且つ検索結果を検索結果ページに表示する。
【0095】
第3表示モジュール133は,検索結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた検索結果に対応する情景ページを表示する。
【0096】
第4表示モジュール134は検索結果又は情景ページに対するクリック指令を受信した後,クリックされた結果に対応する内容ページを表示する。」

「【0105】
相応的に,前記第2表示モジュール132は検索語に基づいて,検索結果を取得することは,検索語に基づいて,正確な結果又は重合した結果を取得することと,推薦待ち結果と検索語との関連度,推薦待ち結果と正確な結果又は重合した結果との関連度,推薦待ち結果と個性的なモデルとのマッチング度,推薦待ち結果とシーンのモデルとのマッチング度,推薦待ち結果自体の価値特徴のうち一つ又は複数の情報に基づいて,正確な結果又は重合した結果に対応する推薦案内結果を取得することと,を含む。」



第5 当審の判断(特許法第36条6項2号について)

1 はじめに
特許を受けようとする発明が明確か否かは,特許請求の範囲だけではなく,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し,また,当業者の出願時における技術常識を基礎として,特許請求の範囲の記載が,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
そのため,本願発明に係る特許請求の範囲が,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かについて,検討する。

2 請求項1の記載について
「情景ページ」について,請求項1には,「第3表示モジュールが,前記第2表示モジュールで表示された検索結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた検索結果に対応する情景ページを表示する」ものであり,さらに,「第4表示モジュールが,前記第2表示モジュールで表示された検索結果ページの検索結果又は前記第3表示モジュールで表示された情景ページの結果に対するクリック指令を受信した後,クリックされた結果に対応する内容ページを表示する」(下線は,当審で付与した。)とあり,検索結果をクリックすると情景ページが表示されること,検索結果又は情景ページの結果をクリックすると,内容ページが表示されることが特定されている。しかしながら,「情景ページ」は,技術用語ではなく,「情景」の意味内容も不明であり,「情景ページ」の意味内容を特定することはできず,請求項1の記載では,「情景ページ」の意味内容が不明であり,「検索結果ページの検索結果」と「情景ページの結果」の異同関係も不明である。
このため,請求項1の記載のみでは,本願発明の技術的範囲を定めることができないことから,「情景ページ」の意味内容を特定するために,発明の詳細な説明を参照する。

3 発明の詳細な説明の記載について
(1)「情景ページ」について,上記第4を参照すると,発明の詳細な説明には次の事項が記載されていると認められる。

検索語が多需要の検索語である場合,集合した結果の後ろに,需要(検索語),集合した結果中の一つ又は複数の結果,ユーザーの個性化及びシーン化(Scenarized)に係る一つ又は複数の「推薦案内結果」を提供するものであって,検索結果ページには検索語の需要を直接に満たす正確な結果が含まれ,さらに正確な結果の下方に「推薦案内結果」が表示され(【0025】),
「推薦案内結果」は,具体的に「元旦攻略」,「焼き魚」,「ダウンジャケット」,「4D/5D映画」,「周辺の見どころ」,「不思議な天気」など具体的な情景を含み(【0037】),
「推薦案内結果」は,「推薦待ち結果」と検索語との関連度,「推薦待ち結果」と正確的な結果又は「重合した結果」との関連度,「推薦待ち結果」と個性的なモデルとのマッチング度,「推薦待ち結果」とシーンのモデルとのマッチング度,「推薦待ち結果」自体の価値特徴のうち一つ又は複数の情報に基づいて,正確な結果又は「重合した結果」に対応するものであり,(【0085】【0105】)
結果を重合する技術として,ユーザーの検索日誌に基づいて,現在の検索Qに含まれるすべての検出に対し,需要次元に従って,自動的に重合分類し,具体的には,検出の内容の相似度の計算に基づいて,又は,ユーザーのクリックの相似度に基づいて,重合分類することで,需要次元を発見し,発見した複数の需要次元を巡って,すべての検索結果を重合するものであって(【0071】),

ユーザーが検索結果ページ中のある「推薦案内結果」を含む検索結果をクリックしてから,クリックされた検索結果に対応する情景ページ23が表示され,例えば,ユーザーが「周辺の見どころ」に対応する検索結果である「推薦案内結果」をクリックすると,情景ページに入ることができ,「情景ページ」が表示され(【0027】【0029】)【0038】),
「情景ページ」の役割は指定された情景に興味を持つユーザーに深く閲覧するシーンを提供するためであり,「情景ページ」中の内容は指定された情景に対する細分又は延伸であり,指定された結果の同類結果,近似結果又は関連結果を含み(【0028】),
「情景ページ」の情報内容の選択は主に情報内容の人気,適時性,ユーザーの個性的な需要との関連度などに基づいたものであり(【0047】),

検索結果又は情景ページ中の結果に対するクリック指令を受信してから,クリックされた結果に対応する内容ページが表示され,例えば,ユーザーが,情景ページ中の「オリエンタルプロヴァンスラベンダー荘園」という結果をクリックすると,すなわち,もし情景ページ中のある情報に対し,詳しく理解しようとするなら,当該情報をクリックして,当該クリックされた結果に対応する内容ページが表示され(【0030】,【0039】),
内容ページ中の内容は検索結果ページ中の一つの結果の詳細な内容又は情景ページ中の一つの結果の詳細な内容である(【0031】)。

(2)上記(1)から,「情景ページ」は,検索結果ページの検索結果に含まれる,「元旦攻略」,「焼き魚」,「ダウンジャケット」,「4D/5D映画」,「周辺の見どころ」,「不思議な天気」などの,具体的な「情景」を含む「推薦内容結果」をクリックすることで,入ることがきるページであり,「情景ページ」中の内容は,指定された「情景」に対する細分又は延伸であり,指定された結果の同類結果,近似結果又は関連結果であり,さらに,情景ページの「役割」は,「指定された情景に興味を持つユーザーに深く閲覧するシーンを提供する」ことである。
しかしながら,「指定された情景に興味を持つユーザーに深く閲覧するシーンを提供する」とは,抽象的な願望にすぎないから,発明の詳細な説明には,「情景ページ」の役割が,抽象的な願望に向けたものであることが記載されるのみであって,その抽象的な願望を達成するための手段としての「情景ページ」を定義ないし特定する記載はない。また,「情景」について,具体例を挙げるのみで,「情景」を定義する記載はない。さらに,「情景ページ」中の内容は,指定された「情景」に対する「細分」又は「延伸」であり,指定された結果の「同類結果」,「近似結果」又は「関連結果」であるとするものの,「細分」及び「延伸」をどのような意味で用いているのか日本語として意味不明であり,「同類結果」,「近似結果」又は「関連結果」は,一般的な検索の検索結果と,何が異なるのか不明である。このため,「情景ページ」がどのようなものであるのか不明であり,「検索結果ページの結果」と「情景ページの結果」の異同関係も不明である。

(3)上記(1)のとおり,「情景ページ」は,検索結果ページの検索結果に含まれる推薦案内結果をクリックすることで,入ることのできるページであることから,「情景ページの結果」の意味内容を特定するために,「推薦案内結果」の意味内容から,検討する。
「推薦案内結果」は,上記(1)から,検索語に基づく検索結果ページに含まれるものであり,そして,「推薦待ち結果」と検索語との関連度,「推薦待ち結果」と正確的な結果又は「重合した結果」との関連度,「推薦待ち結果」と個性的なモデルとのマッチング度,「推薦待ち結果」とシーンのモデルとのマッチング度,「推薦待ち結果」自体の価値特徴のうち一つ又は複数の情報に基づいて,正確な結果又は「重合した結果」に対応するものである。

ア 「推薦待ち結果」について,発明の詳細な説明【0085】【0086】【0105】に,同じ表現があるのみで,「推薦待ち結果」の定義,具体的な内容が記載されていない。このため,推薦待ち結果に基づいて取得される,正確な結果又は重合した結果に対応する推薦案内結果がどのようなものであるかを特定するとはできない。

イ 「重合した結果」について,「重合」とは,「1種類の分子(単量体)が2個以上結合して,分子量の大きい新たな分子を生成する反応。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]を意味する化学用語であるため,検索の技術分野において,このように理解することは適切ではない。
また,発明の詳細な説明には,「ユーザーの検索日誌に基づいて,現在の検索Qに含まれるすべての検出に対し,需要次元に従って,自動的に重合分類し,発見した複数の需要次元を巡って,すべての検索結果を重合する旨の説明があり(【0071】),「需要次元」が,「重合した結果」と何らかの関係があることは特定できるものの,より具体的な説明である「例えば,Q=「麗江」に対して,「攻略」,「美食」,「見どころ」などの異なる需要次元を自動的に発見する必要がある。需要次元を発見する具体的な技術は複数の種類がある。よく見られる方法として,検出の内容の相似度の計算に基づいて,重合分類する。ユーザーのクリックの相似度に基づいて,重合分類する(即ち同じ需要の検出で,同じ結果をクリックされる傾向がある)などの方法である。」(【0071】)は,日本語しての意味が不明であるため,処理内容を理解することができず,「需要次元」がどのようなものであるのか理解できない。また,「需要次元」の定義も,内容を理解することのできる記載も,発明の詳細な説明にはない。このため,「重合した結果」の意味内容は不明である。

(4)このように,少なくとも「推薦待ち結果」,「重合した結果」の意味内容が不明であるため,検索結果ページの検索結果に含まれる「推薦案内結果」の意味内容も不明であり,「検索結果ページの検索結果」の意味内容も不明である。このため,検索結果ページの検索結果に含まれる推薦案内結果をクリックすることで入った情景ページには,どのような結果が表示されるのか不明である。
そうすると,発明の詳細な説明に記載されている情報処理を参照しても,「情景ページ」の意味内容を特定することができない。

(5)よって,発明の詳細な説明の記載を参照しても,「情景ページ」の意味内容を特定することができない。

4 まとめ
以上より,「情景ページ」の意味内容を特定することができず,「検索結果ページの検索結果」と「情景ページの結果」の異同関係も不明であるため,本願発明の技術的範囲を定めることができない。
よって,本願発明に係る特許請求の範囲の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確である。



第6 むすび
以上のことから,この出願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項2号の規定にする要件を満たしていない。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-11-05 
結審通知日 2019-11-12 
審決日 2019-11-25 
出願番号 特願2017-18074(P2017-18074)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 誠  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 松田 直也
相崎 裕恒
発明の名称 人工知能に基づくモバイル検索方法及び装置  
代理人 丸山 智貴  
代理人 丸山 重輝  
代理人 丸山 英一  

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