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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
審判 一部申し立て 発明同一  H04N
審判 一部申し立て 判示事項別分類コード:857  H04N
管理番号 1363981
異議申立番号 異議2018-700423  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-05-25 
確定日 2020-05-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6239018号発明「映像ストリーミング方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6239018号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔8、9、18?23〕について訂正することを認める。 特許第6239018号の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許を取り消す。 特許第6239018号の請求項20?23に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6239018号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?19に係る特許についての出願は、平成28年(2016年)2月29日(パリ条約による優先権主張2015年3月5日、英国)に特許出願され、平成29年11月10日にその特許権の設定登録(特許公報発行日 平成29年11月29日)がされ、その後、特許異議申立人新井誠一により請求項1、8、9、15、18、19に対して特許異議の申立てがされたものである。
そして、その後の経緯は次のとおりである。

平成30年 8月 6日付け 取消理由通知
同年11月 2日 意見書の提出(特許権者)
平成31年 3月18日付け 取消理由通知(予告)
令和 元年 6月13日 訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
同年 7月 3日付け 手続補正指令(方式)
同年 7月30日 手続補正書の提出
同年 9月 6日 意見書の提出(特許異議申立人)
同年10月24日付け 訂正拒絶理由通知
同年12月 4日 手続補正書の提出

第2 訂正の適否について
1 手続補正の適否について
(1)訂正拒絶理由の要旨
当審が令和元年10月24日付けで特許権者に通知した訂正拒絶理由の要旨は、「令和元年6月13日付け訂正請求(以下、「本件訂正」という。)は、訂正事項5及び訂正事項6の訂正において、特許法第120条の5第2項ただし書の規定に適合しないから、訂正後の請求項〔1、4、5、7、8、9、18、19、20、21、22、23〕、15について訂正することを認めない」というものである。

(2)本件補正の内容
請求人が令和元年12月4日に提出した手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、訂正請求書及び訂正特許請求の範囲を対象とするものであって、その内容は以下のとおりのものと認める。
なお、以下ア?コの補正事項を、「補正事項ア」?「補正事項コ」という。

ア 訂正請求書1頁の「3 訂正の請求に係る請求項の数」を「13」から「8」へと補正する。

イ 訂正請求書1頁の「6 請求の趣旨」を「特許第6239018号(以下、「本件特許」という)の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1,4,5,7,8,9,15,18,19,20,21,22,23について訂正することを求める。」から「特許第6239018号(以下、「本件特許」という)の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項8,9,18,19,20,21,22,23について訂正することを求める。」へと補正する。

ウ 訂正請求書2頁の「7 請求の理由」における「(1)一群の請求項1,4,5,7,8,9,18,19に係る訂正」との記載を、「(1)一群の請求項8,9,18,19に係る訂正」に補正する。

エ 訂正請求書3頁の「2)訂正事項」における「オ 訂正事項5」に係る以下の記載を削除する。
「オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1に「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割すること」とあるのを、「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にあり、前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる、前記分割すること」に訂正する。請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4,請求項5,請求項7,訂正事項1により訂正される請求項8,訂正事項2により訂正される請求項9,訂正事項3により訂正される請求項18,訂正事項4により訂正される請求項19についても、同様に訂正する。」

オ 訂正請求書3?4頁の「ア 一群の請求項についての説明」に係る記載において、「さらに、訂正前の請求項1,4,5,7,8,9,18,19について、請求項4,5,7,8,9,18,19はいずれも請求項1を引用し、訂正事項5によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。従って、訂正前の請求項1,4,5,7,8,9,18,19に対応する訂正後の請求項1,4,5,7,8,9,18,19は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。」との記載を削除するとともに、「以上から、訂正後の請求項1,4,5,7,8,9,18,19,20,21,22,23は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。」との記載を「以上から、訂正後の請求項8,9,18,19,20,21,22,23は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。」に補正する。

カ 訂正請求書6?8頁の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」における「(オ)訂正事項5」に係る記載を削除する。

キ 訂正請求書8?10頁の「(2)請求項15に係る訂正」に係る記載を削除する。なお、前記記載中の「2)訂正事項」における「カ 訂正事項6」に係る記載は以下のとおりである。
「カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項15に「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割する手段」とあるのを、「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にあり、前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる、前記分割する手段」に訂正する。」

ク 訂正請求書10頁の「ウ 別の訂正単位とする求め」に係る記載を削除する。

ケ 訂正特許請求の範囲の請求項1における「・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にあり、前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる、前記分割すること;」との記載を「・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割すること;」に補正する。

コ 訂正特許請求の範囲の請求項15における「・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にあり、前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる、前記分割する手段と、」との記載を「・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割する手段と、」に補正する。

(3)本件補正についての当審の判断
補正事項エ及び訂正事項ケは、訂正事項5を削除するものである。
補正事項キ及び訂正事項コは、訂正事項6を削除するものである。
補正事項アは、訂正事項5及び訂正事項6の削除に対応して、訂正事項5に係る請求項1、4、5、7、及び、訂正事項6に係る請求項15の訂正を行わないものとするから、訂正の請求に係る請求項の数を「8」へと補正するものである。
補正事項イは、訂正事項5及び訂正事項6の削除に対応して、訂正事項5に係る請求項1、4、5、7、及び、訂正事項6に係る請求項15の訂正を行わないものとするから、請求の趣旨における訂正後の請求項の番号の「1、4、5、7、15」を削除するものである。
補正事項ウ、補正事項オ及び補正事項カは、訂正事項5の削除に対応して、請求の理由における訂正事項5に係る説明及び訂正を行わないものとする請求項1、4、5、7の番号を削除するものである。
補正事項クは、別の訂正単位とする求めを削除するものである。

以上のとおり補正事項ア?補正事項コは、訂正事項5及び訂正事項6の削除、又は、別の訂正単位とする求めの削除に対応したものであるから、本件補正は審判請求書の要旨を変更するものではない。よって、本件補正は特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。

そして、当審による上記訂正拒絶理由(「(1) 訂正拒絶理由の要旨」)は、訂正拒絶理由の対象となっていた訂正事項5及び訂正事項6に係る訂正が本件補正により削除されたから、解消した。

2 訂正請求の趣旨、訂正の内容
(1)訂正請求の趣旨
本件訂正請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項8,9,18,19,20,21,22,23について訂正することを求める、というものである。

(2)訂正の内容
本件訂正請求書における訂正の内容は、次のとおりである。

ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項8の引用関係を一部解消し、「請求項1?7のいずれか」1項に従属するもの(訂正前の請求項8)から、請求項1のみに従属するもの(訂正後の請求項8)と、「請求項2?7のいずれか1項」に従属するもの(訂正後の請求項20)とに分割することにより、請求項8を訂正する。請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項18、請求項19についても同様に訂正する。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項9の引用関係を一部解消し、「請求項1?7のいずれか」1項に従属するもの(訂正前の請求項9)から、請求項1のみに従属するもの(訂正後の請求項9)と、「請求項2?7のいずれか1項」に従属するもの(訂正後の請求項21)とに分割することにより、請求項9を訂正する。請求項9の記載を直接的又は間接的に引用する請求項18、請求項19についても同様に訂正する。

ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項18の引用関係を一部解消し、「請求項1から14のいずれか」に従属するもの(訂正前の請求項18)から、請求項1、訂正後の請求項8,訂正後の請求項9のいずれかに従属するもの(訂正後の請求項18)と、請求項2?7、請求項10?14、訂正後の請求項20、訂正後の請求項21のいずれか1項に従属するもの(訂正後の請求項22)とに分割することにより、請求項18を訂正する。

エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項19の引用関係を一部解消し、「請求項1から14のいずれか」に従属するもの(訂正前の請求項19)から、請求項1、訂正後の請求項8、訂正後の請求項9のいずれかに従属するもの(訂正後の請求項19)と、請求項2?7、請求項10?14、訂正後の請求項20、訂正後の請求項21のいずれか1項に従属するもの(訂正後の請求項23)とに分割することにより、請求項19を訂正する。

3 本件訂正についての当審の判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項8、9、18、19について、請求項18、19はいずれも請求項8、9を引用し、訂正事項1、2によってそれぞれ記載が訂正される請求項8、9に連動して訂正されるものである。
よって、訂正前の請求項8、9、18、19に対応する訂正後の請求項8、9、18?23は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項8について、「請求項1?7のいずれか」に従属するものから、請求項1のみに従属するもの(訂正後の請求項8)と、「請求項2?7のいずれか」に従属するもの(訂正後の請求項20)とに分割することであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項1は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
訂正事項1は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項8に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(3)訂正事項2について
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、請求項9について、「請求項1?7のいずれか」に従属するものから、請求項1のみに従属するもの(訂正後の請求項9)と、「請求項2?7のいずれか」に従属するもの(訂正後の請求項21)とに分割することであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
訂正事項2は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項9に係る訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(4)訂正事項3について
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、請求項18について、「請求項1から14のいずれか」に従属するものから、請求項1、訂正後の請求項8、訂正後の請求項9のいずれかに従属するもの(訂正後の請求項18)と、請求項2?7、請求項10?14、訂正後の請求項20、訂正後の請求項21のいずれか1項に従属するもの(訂正後の請求項22)とに分割することであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
訂正事項3は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項18に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(5)訂正事項4について
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、請求項19について、「請求項1から14のいずれか」に従属するものから、請求項1、訂正後の請求項8、訂正後の請求項9のいずれかに従属するもの(訂正後の請求項23)と、「請求項2?7、請求項10?14、訂正後の請求項20、訂正後の請求項21のいずれか1項に従属するもの(訂正後の請求項19)とに分割することであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とするものである。

新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項4は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
訂正事項4は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、請求項間の引用関係の解消を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項19に係る訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

(5)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔8、9、18?23〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 取消理由(決定の予告)の概要
本件訂正前の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許に対して、当審が平成31年3月18日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。

以下の先願1により、本件訂正前の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。(以下、「理由1」という。)
以下の引用文献2?5により、本件訂正前の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。(以下、「理由2」という。)

先願1.国際特許出願PCT/US2015/018336
(国際公開第2015/134400号)
(甲第1号証:特表2017-514411号公報)
引用文献2.甲第2号証:特開2004-72694号公報
引用文献3.甲第3号証:特開平8-289179号公報
引用文献4.甲第4号証:米国特許出願公開第2014/0123162
号明細書
引用文献5.特開2000-132673号公報
(甲第2号証に従来技術として開示された特許文献)

2 本件発明
本件特許の請求項1、15に係る発明、及び、本件訂正請求により訂正された請求項8、9、18?23に係る発明(以下、請求項順に「本件発明1?本件発明10」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1、8、9、15、18?23に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
なお、本件発明1?6の各構成には、特許異議申立人が付した符号を援用して、「1A」?「6A」の符号を当審において付した。以下、構成1A?構成6Aと称する。

(本件発明1)
【請求項1】
1A:・ パノラマ映像を受信すること;
1B:・ 頭部追跡データを受信すること;
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定すること;
1C:・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である、前記調整すること;
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;
を含む方法であって、
1D:・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割すること;
1E:・ 前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度及び前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度は、前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、方法。

(本件発明2)
【請求項8】
2A:前記パノラマ映像をヘッドマウントディスプレイにストリーミングすることをさらに含む、
2B:請求項1に記載の方法。

(本件発明3)
【請求項9】
3A:前記パノラマ映像をモバイル装置にストリーミングすることをさらに含む、
3B:請求項1に記載の方法。

(本件発明4)
【請求項15】
4A:・ パノラマ映像を受信する手段と、
4B:・ 頭部追跡データを受信する手段と、
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定する手段と、
4C:・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整する手段であって、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である手段と、
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段であって、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い手段と、
を備える機器であって、
4D:・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割する手段と、
4E:・ 前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整する手段と、
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整する手段と、
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度及び前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段、但し、前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度は、前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供する手段と、
を更に備える、機器。

(本件発明5)
【請求項18】
5A:処理手段及び記憶手段を備える装置であって、
5B:前記記憶手段はプログラム命令を格納し、該プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1,8,9のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。

(本件発明6)
【請求項19】
6A:装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1,8,9のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。

(本件発明7)
【請求項20】
前記パノラマ映像をヘッドマウントディスプレイにストリーミングすることをさらに含む、請求項2?7のうちいずれか一項に記載の方法。

(本件発明8)
【請求項21】
前記パノラマ映像をモバイル装置にストリーミングすることをさらに含む、請求項2?7のうちいずれか一項に記載の方法。

(本件発明9)
【請求項22】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、該プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項2?7,10?14,20,21のいずれか1項に記載の方法を遂行させるように構成される、装置。

(本件発明10)
【請求項23】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項2?7,10?14,20,21に記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。

第4 当審の判断
1 本件発明7?本件発明10について
本件発明7?本件発明10は、特許異議の申立ての対象とされた請求項1、8、9、15、18、19のいずれを引用するものでもないから、取消理由は存在しない。

2 理由1(特許法第29条の2)について
(1)本件発明1について
(1-1)先願
(1-1-1)国際出願明細書等の記載事項
本件特許の優先日前の外国語特許出願であって、本件特許の国際出願の優先日の後に国際公開がされた上記先願1(以下、「先願」という。)の国際出願日における明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「国際出願明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、国際出願明細書等の記載事項に続く仮訳は、先願の公表公報である特表2017-514411号公報(甲第1号証)に基づく訳文である。また、下線は当審において付した。

「FIELD
[0001] The present invention relates to the field of adaptive streaming of content, e.g., stereoscopic image content, and more particularly to acquiring, encoding, streaming and decoding stereoscopic video.」
(仮訳)
【技術分野】
[0001]本願発明は、例えば立体画像等のコンテンツのアダプティブ・ストリーミング(adaptive streaming)の分野に関し、より具体的には立体ビデオを得ること、エンコードすること、ストリーミングすること、及びデコードすることに関する。

「SUMMARY
[0008] Methods and apparatus for supporting delivery, e.g., streaming, of video or other content corresponding to a 360 degree viewing area are described. The methods and apparatus of the present invention are particularly well suited for streaming of stereoscopic and/or other image content where data transmission constraints may make delivery of 360 degrees of content difficult to deliver at the maximum supported quality level, e.g., using best quality coding and the highest supported frame rate. The methods can be used to encode and provide content in real time or near real time but are not limited to such real time applications. Given the ability to support real time and near real time encoding and streaming to multiple users, the method sand apparatus described herein are well suited for streaming scenes of sporting events, concerts and/or other venues where individuals like to view an even and observe not only the stage or field but be able to turn and appreciate views of the environment, e.g., stadium or crowd. By supporting 360 degree viewing and 3d the methods and apparatus of the present invention are well suited for use with head mounted displays intended to provide a user a 3d immersive experience with the freedom to turn and observe a scene from different viewing angles as might be the case if present and the users head turned to the left, right or rear.
[0009] In accordance with various embodiments image content, e.g., video content, corresponding to a 360 degree view of an area is partitioned into N portions where each portion corresponds to a different portion of the 360 degree view, where N is at least two. In some embodiments where the 360 degree view is portioned into 3 portions, one portion corresponds to a frontal 180 degree view, a second portion corresponds to a left rear 90 degree portion and another portion corresponds to a right rear 90 degree portion. While three portions are described for purposes of explaining the invention, the 360 degree scene may be divided into more portions. Furthermore, while in some embodiments the portions are non-overlapping, in other embodiments the portions are different but partially overlap.」
(仮訳)
【発明の概要】
[0008]360度の視界領域に対応するビデオ又はその他のコンテンツの配信、例えばストリーミングをサポートする方法及び装置が記載される。本発明の方法及び装置は、データ通信の制限により、コンテンツの360度のコンテンツの配信につき、最大サポート品質レベルでの、例えば最高品質のコーディング及びサポートされた最大フレームレート等を用いた配信が困難な場合に、立体及び/又はその他の画像コンテンツのストリーミングに特に適している。本方法は、リアルタイム又は準リアルタイムでコンテンツをエンコードし、提供するために使用し得るが、そのようなリアルタイムアプリケーションに限定されない。複数のユーザに対するリアルタイム及び準リアルタイムエンコーディング及びストリーミングをサポートする能力を考慮すると、本明細書で述べられる方法及び装置は、スポーツイベント、コンサート、及び/又は、個々の人がイベントを見ることを望み、そしてステージ又はフィールドを観測するだけでなく、スタジアムや観衆などの観測に切り替えそして観測出来るその他の場面のシーンのストリーミングに適している。360度の視界及び3Dをサポートすることにより、本願の方法及び装置は、ユーザに対して3Dの没入感を振り返る自由と共に提供し、そしてユーザの頭が存在し、それを左へ、右へ、又は後ろへ向けた場合にそうであるかもしれないように、異なる視野角からのシーンを得るようなヘッドマウントディスプレイでの使用に適している。
[0009]種々の実施形態によれば、例えば映像コンテンツ等の、360度の視界の領域に対応する画像コンテンツは、N個の部分に分割され、各部分は360度の視界の異なる部分に対応し、Nは少なくとも2である。360度の視界が3つの部分に分割されたいくつかの実施形態では、ある部分は前方の180度の視界に対応し、第2の部分は左後ろの90度の領域に対応し、そして残りの部分は右後ろの90度の部分に対応する。本発明を説明する目的で3つの部分が述べられたが、360度シーンは更なる部分に分割されても良い。更に、いくつかの実施形態では複数の部分はオーバーラップせず、また別の実施形態では複数の部分は異なり部分的にオーバーラップする。

「[00027] Figure 1 illustrates an exemplary system 100 implemented in accordance with some embodiments of the invention. The system 900 supports content delivery, e.g., imaging content delivery, to one or more customer devices, e.g., playback devices/content players, located at customer premises. The system 900 includes the exemplary image capturing device 102, a content delivery system 104, a communications network 105, and a plurality of customer premises 106,..., 110. The image capturing device 102 supports capturing of stereoscopic imagery. The image capturing device 102 captures and processes imaging content in accordance with the features of the invention. The communications network 105 may be, e.g., a hybrid fiber-coaxial (HFC) network, satellite network, and/or internet.
[00028] The content delivery system 104 includes an encoding apparatus 112 and a content streaming device/server 114. The encoding apparatus 112 may, and in some embodiments does, include one or a plurality of encoders for encoding image data in accordance with the invention. The encoders may be used in parallel to encode different portions of a scene and/or to encode a given portion of a scene to generate encoded versions which have different data rates. Using multiple encoders in parallel can be particularly useful when real time or near real time streaming is to be supported.
[00029] The content streaming device 114 is configured to stream, e.g., transmit, encoded content for delivering the encoded image content to one or more customer devices, e.g., over the communications network 105. Via the network 105, the content delivery system 104 can send and/or exchange information with the devices located at the customer premises 106, 110 as represented in the figure by the link 120 traversing the communications network 105.」
(仮訳)
[00027]図1は、本発明のいくつかの実施形態に従って実施された例示的なシステム100を示す。システム900は、例えば、顧客宅内の再生装置/コンテンツプレイヤーなどの1つ以上の顧客装置への例えば画像コンテンツ配信などのコンテンツ配信をサポートする。システム900は、例示的な画像取り込み装置102、コンテンツ配信システム104、通信ネットワーク105及び複数の顧客宅内106,...,110を含む。画像取り込み装置102は、立体画像の取り込みをサポートする。画像取り込み装置102は、本発明の特徴に従って、画像コンテンツを取り込み処理する。通信ネットワーク105は、例えば、ハイブリッド同軸ファイバー(HFC)ネットワーク、衛星ネットワーク及び/又はインターネットである。
[00028]コンテンツ配信システム104は、エンコード装置112及びコンテンツストリーミング装置/サーバー114を含む。エンコード装置112は、いくつかの実施形態では、本発明に従って、画像データをエンコードするために複数のエンコーダを含むことができる。エンコーダは、シーンの異なる部分をエンコードすることを並行して、及び/又は異なるデータレートを有するエンコードされたバージョンを生成するために使用されても良い。リアルタイム又は準リアルタイムストリーミングがサポートされている場合、複数のエンコーダを並行して使用することは特に有用である。
[00029]コンテンツストリーミング装置114は、例えば通信ネットワーク105を介して、1つ以上の顧客装置へエンコードされた画像コンテンツを配信するためのエンコードされたコンテンツをストリーム(例えば、伝送)するように構成されている。ネットワーク105を介して、コンテンツ配信システム104は、図に示されているように、通信ネットワーク105を横断するリンク120によって、情報を顧客宅内106、110に設置された装置に送信し、及び/又は交換することができる。

「[00031] Each customer premise 106, 110 may include a plurality of devices/players, e.g., decoding apparatus to decode and playback/display the imaging content streamed by the content streaming device 114. Customer premise 1 106 includes a decoding apparatus/playback device 122 coupled to a display device 124 while customer premise N 110 includes a decoding apparatus/playback device 126 coupled to a display device 128. In some embodiments the display devices 124, 128 are head mounted stereoscopic display devices.」
(仮訳)
[00031]各顧客宅内106、110は、例えば、コンテンツストリーミング装置114によってストリームされた画像コンテンツのデコード及び再生/表示を行うデコード装置のような複数の装置/再生装置を含む。顧客宅内N 110が表示装置128に結合されているデコード装置/再生装置126を含むのに対し、顧客宅内1 106は、表示装置124に結合されているデコード装置/再生装置126を含む。いくつかの実施形態では、表示装置124及び128はヘッドマウント立体表示装置である。

「[00037] Figure 3 illustrates an exemplary process of encoding an exemplary 360 degree stereoscopic scene in accordance with one exemplary embodiment. The input to the method 300 shown in figure 3 includes 360 degree stereoscopic image data captured by, e.g., a plurality of cameras arranged to capture a 360 degree view of a scene. The stereoscopic image data, e.g., stereoscopic video, may be in any of a variety of known formats and includes, in most embodiments, left and right eye image data used to allow for a 3D experience. While the methods are particularly well suited for stereoscopic video, the techniques and methods described herein can also be applied to 2D images, e.g., of a 360 degree or small scene area.
[00038] In step 304 the scene data 302 is partitioned into data corresponding to different scene areas, e.g., N scene areas corresponding to different viewing directions. For example, in one embodiment such as the one shown in figure 2B the 360 degree scene area is portioned into three partitions a left rear portion corresponding to a 90 degree portion, a front 180 degree portion and a right rear 90 degree portion. The different portions may have been captured by different cameras but this is not necessary and in fact the 360 degree scene may be constructed from data captured from multiple cameras before dividing into the N scene areas as shown in Figure 2B and 2C.
[00039] In step 306 the data corresponding the different scene portions is encoded in accordance with the invention. In some embodiments each scene portion is independently encoded by multiple encoders to support multiple possible bit rate streams for each portion. In step 308 the encoded scene portions are stored, e.g., in the content delivery 104, for streaming to the customer playback devices.
[00040] Figure 4 is a drawing 400 illustrating an example showing how an input image portion, e.g., a 180 degree front portion of a scene, is encoded using a variety of encoders to generate different encoded versions of the same input image portion.
[00041] As shown in drawing 400, an input scene portion 402 e.g., a 180 degree front portion of a scene, is supplied to a plurality of encoders for encoding. In the example there are K different encoders which encode input data with different resolutions and using different encoding techniques to generate encoded data to support different data rate streams of image content. The plurality of K encoders include a high definition (HD) encoder 1 404, a standard definition (SD) encoder 2 406, a reduced frame rate SD encoder 3 408,...., and a high compression reduced frame rate SD encoder K 410.
[00042] The HD encoder 1 404 is configured to perform full high definition (HD) encoding to produce high bit rate HD encoded image 412. The SD encoder 2 406 is configured to perform low resolution standard definition encoding to produce a SD encoded version 2 414 of the input image. The reduced frame rate SD encoder 3 408 is configured to perform reduced frame rate low resolution SD encoding to produce a reduced rate SD encoded version 3 416 of the input image. The reduced frame rate may be, e.g., half of the frame rate used by the SD encoder 2 406 for encoding. The high compression reduced frame rate SD encoder K 410 is configured to perform reduced frame rate low resolution SD encoding with high compression to produce a highly compressed reduced rate SD encoded version K 420 of the input image.」
(仮訳)
[00037]図3は、1つの例示的な実施形態に従って例示的な360度の立体シーンをエンコードする例示的な処理を示す。図3に示される方法300への入力は、例えば、シーンの360度の視界を取り込むように用意された複数のカメラによって取り込まれた360度の立体画像データを含む。立体画像データ(例えば、立体ビデオ)は、様々な既知のフォーマットでも良く、最も多い実施形態では、左右の目の画像データが3D体験可能を可能にするために使用される。方法は立体ビデオに特に適しているが、ここに記述された技術と方法は、例えば、360度或いは小さなシーン領域の2D画像にも適用することができる。
[00038]ステップ304では、シーンデータ302は、異なるシーン領域(例えば、異なる視野角に対応するN個のシーン領域)に対応するデータへ分割される。例えば、図2Bにおいて示されるいくつかの実施形態において、360度のシーン領域は3つのパーティション(90度部分に対応する左後方部分、正面180度部分及び右後方90度部分)に分割される。異なる部分は、異なるカメラによって取り込まれることができるが、これは必要ではない。また、実際、360度のシーンは、図2B及び2Cに示されるようなN個のシーン領域へ分割する前に、複数のカメラから取り込まれたデータから構築されても良い。
[00039]ステップ306では、異なるシーン部分に対応するデータは、本発明に従ってエンコードされる。いくつかの実施形態では、各シーン部分は、各部分について複数の可能ビットレートストリームをサポートする複数のエンコーダによって独立してエンコードされる。ステップ308では、エンコードされたシーン部分は、顧客再生装置へのストリーミングのために、例えば、コンテンツ配信104に格納される。
[00040]図4は、同じ入力画像部分の異なるエンコードされたバージョンを生成するための種々のエンコーダを使用して、入力画像部分(例えば、シーンの180度の正面部分)が、どのようにエンコードされるかを示す図400である。
[00041]図の400に示すように、入力シーン部分400(例えば、シーンの180度の正面部分)がエンコードのための複数のエンコーダに供給される。例においては、画像コンテンツの異なるデータレートストリームをサポートするために、異なるエンコード技術を使用して、異なる解像度で入力データをエンコードし、エンコードされたデータを生成するK個の異なるエンコーダがある。複数のK個のエンコーダは、高解像度(HD)エンコーダ1 404、標準解像度(SD)エンコーダ2 406、低減フレームレートSDエンコーダ3 408,...,高圧縮低減フレームレートSDエンコーダK 410を含む。
[00042]HDエンコーダ1 404は、高ビットレートHDエンコードされた画像412を生成するための高解像度(HD)エンコードを実行するように構成されている。SDエンコーダ2 406は、入力画像のSDエンコードされたバージョン2 414を生成するための低解像度の標準解像度エンコードを実行するように構成される。低減フレームレートSDエンコーダ3 408は、入力画像の低減レートSDエンコードされたバージョン3 416を生成するために、低減フレームレート低解像度SDエンコードを実行するように構成される。低減フレームレートは、例えば、エンコードのためのSDエンコーダ2 406によって使用されたフレームレートの半分である。高圧縮低減フレームレートSDエンコーダK 410は、入力画像の高圧縮低減レートSDエンコードされたバージョンK 420を生成するための高圧縮の低減フレームレート低解像度SDエンコードを行なうように構成される。

「[00047] Figure 6 is a flowchart 600 illustrating the steps of an exemplary method of providing image content, in accordance with an exemplary embodiment. The method of flowchart 600 is implemented in some embodiments using the capturing system shown in Figure 1.
(略)
[00050] Operation proceeds from step 608 to step 608 where the current head position of the user device from which the request for content is initialized, e.g., the current head position at the time of the request is to be the 0 degree position. The 0 degree or forward looking position may be re-initialized in some embodiments by the user with the playback device signaling that a re-initialization is to occur. Over time the user's head position and/or changes in the user's head position, e.g., relative to the original head position, are reported to the content delivery system 104 and the updated position is used as will be discussed below to make content delivery decisions.
(略)
[00057] In step 612 scene portions are selected to be provided based on the indicated head position, e.g., viewing angle, of the user. The selected portions are transmitted, e.g., streamed, to the playback device, e.g., on a periodic basis. The rate at which the data corresponding to the portions are streamed depends on, in some embodiments the video frame rate. For example, at least one selected portion will be streamed at the full frame rate being supported. While at least one scene portion is selected in step 612 normally multiple scene portions are selected, e.g., the scene portion which the user is facing as well as the next nearest scene portion. Additional scene portions may also be selected and supplied if the data rate available is sufficient to support communication of multiple frame potions.
[00058] After the scene portions to be streamed are selected in step 612, operation proceeds to step 614 wherein the encoded version of the selected stream portions are selected, e.g., based on the available data rate and the viewing position of the user. For example a full rate high resolution version of the scene portion which the user is facing as indicated by the current reported head portion may and normally will be streamed. One more scene portions to the left and/or right of the current head position may be selected to be streamed as a lower resolution, lower temporal rate or using another encoding approach which reduces the amount of bandwidth required to transmit the scene area not currently being viewed. Selection of the encoded version of the adjacent scene portion will depend on the amount of bandwidth reaming after a high quality version of the scene portion currently being viewed is transmitted. While scene portions which are not currently being viewed may be sent as a lower resolution encoded version or as an encoded version with a greater temporal distance between frames, full resolution high quality version may be sent periodically or frequently if there is sufficient bandwidth available.
[00059] In step 616 the selected encoded versions of the selected scene portions are sent to the playback device which requested the content. Thus, in step 616 the encoded content corresponding to one or more portions, e.g., stereoscopic video content corresponding to multiple sequential frames, is streamed to the playback device.」
(仮訳)
[00047] 図6は、例示的な実施形態に従って、画像コンテンツを提供する例示的な方法のステップを示すフローチャート600である。フローチャート600の方法は、図1に示される、取り込みシステムを使用して、いくつかの実施形態において実現される。
(略)
[00050]動作はステップ608からステップ608に進み、コンテンツがリクエストされるユーザ装置の現在の頭の位置は初期化される。(例えば、リクエスト時の現在の頭の位置を0度の位置とする。)0度又は正面の位置は、いくつかの実施形態においては、ユーザによって、再生装置が、再初期化が起こるべきであることをシグナリングすることを伴って再初期化される。時間とともに、ユーザの頭の位置及び/又はユーザの頭の位置の変化は、例えばオリジナルの頭の位置に関連して、コンテンツ配信システム104に報告され、最新の位置はコンテンツ配信決定を行なうように、以下に述べるように使用される。
(略)
[00057]ステップ612で、示された頭の位置(例えば、ユーザの視野角)に基づいて提供するために、シーン部分が選択される。選択された部分は、例えば、再生装置に(例えば周期的に)に送信(例えば、ストリーム)される。いくつかの実施形態では、部分に対応するデータがストリームされるレートは、ビデオフレームレートに依存する。例えば、少なくとも1つの選択された部分は、サポートされた十分なフレームレートでストリームされる。少なくとも1つのシーン部分がステップ612で選択される間、通常複数のシーン部分が選択される(例えば、ユーザが次の最も近いシーン部分と同様に面している)。利用可能なデータレートが、複数のフレーム位置の通信をサポートするのに十分な場合、追加のシーン部分が選択され供給されることが可能である。
[00058]ステップ612において、ストリームされるシーン部分が選択された後、動作はステップ614に進み、この場合において、選択されたストリーム部分のエンコードされたバージョンが、例えば、利用可能なデータレート及びユーザの視界位置に基づいて選択される。例えば、現在の報告された頭の位置によって示されるユーザが面したシーン部分の高レート高解像度のバージョンがストリームされ、通常、ストリームされる。現在の頭の位置の左及び/又は右のさらなるシーン部分が、より低い解像度、より低い時間的なレートとして或いは現在見られていないシーン領域を送信するのに必要とされる帯域幅の量を低減するエンコード手法を使用して、ストリームされるように選択される。隣接したシーン部分のエンコードされたバージョンの選択は、現在見られているシーン部分の高品質バージョンが送信されたリーミング(reaming)後の帯域幅の量に依存する。現在見られていないシーン部分が、より低い解像度のエンコードされたバージョンとして、又はフレーム間のより大きな時間的な間隔を有するエンコードされたバージョンとして送られる一方、利用可能な十分な帯域幅がある場合、フル解像度高品質バージョンが定期的に、頻繁に送られる。
[00059]ステップ616において、選択されたシーン部分の選択され、エンコードされたバージョンは、コンテンツをリクエストした再生装置へ送られる。したがって、ステップ616では、1つ以上の部分(例えば複数の連続するフレームに対応する立体ビデオコンテンツ)に対応するエンコードされたコンテンツは、再生装置にストリーミングされる。

「[00069] The memory 712 includes various modules, e.g., routines, which when executed by the processor 707 control the computer system 700 to implement the immersive stereoscopic video acquisition, encoding, storage, and transmission and/or output methods in accordance with the invention. The memory 712 includes control routines 714, a partitioning module 706, encoder(s) 718, a streaming controller 720, received input images 732, e.g., 360 degree stereoscopic video of a scene, encoded scene portions 734, and timing information 736. In some embodiments the modules are, implemented as software modules. In other embodiments the modules are implemented in hardware, e.g., as individual circuits with each module being implemented as a circuit for performing the function to which the module corresponds. In still other embodiments the modules are implemented using a combination of software and hardware.」
(仮訳)
[00069]メモリ712は様々なモジュール(例えばルーチン)を含んでおり、プロセッサ708によって実行された時、システム700をコントロールし、本発明に従って、没入型の立体ビデオの取得、エンコード、格納及び送信及び/又は出力方法を実行する。メモリ712は制御ルーチン714、分割モジュール706、エンコーダ718、ストリーミングコントローラー720、受信入力画像732(例えばシーンの360度の立体ビデオ、エンコードされたシーン部分734及びタイミング情報736)を含んでいる。いくつかの実施形態では、モジュールはソフトウェアモジュールとして実行される。他の実施形態では、モジュールは、ハードウェアにおいて(例えばモジュールが相当する機能を行なうための回路として実施されている各モジュールを備えた個々の回路として)実施される。さらに、別の実施形態では、モジュールはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実施される。






(1-1-2)国際出願明細書等に記載の技術的事項
上記(1-1-1)に摘記した記載から、国際出願明細書等には、以下(ア)?(オ)の技術的事項が記載されているものと認められる。

(ア)上記段落0001、0008によれば、国際出願明細書等には、「立体ビデオを得ること、エンコードすること、ストリーミングすること、及びデコードすることに関し、360度の視界領域に対応するビデオ又はその他のコンテンツの配信、例えばストリーミングをサポートする方法」が記載されている。

(イ)上記段落0009には、上記方法について、「映像コンテンツ等の、360度の視界の領域に対応する画像コンテンツは、N個の部分に分割され、各部分は360度の視界の異なる部分に対応し、Nは少なくとも2であって、360度の視界が3つの部分に分割され、ある部分は前方の180度の視界に対応し、第2の部分は左後ろの90度の領域に対応し、そして残りの部分は右後ろの90度の部分に対応する」ことが記載されている。

(ウ)上記段落00027、00028、00029には、上記方法について、「画像取り込み装置102、コンテンツ配信システム104、通信ネットワーク105及び複数の顧客宅内106,...,110を含み、前記コンテンツ配信システム104は、エンコード装置112及びコンテンツストリーミング装置/サーバー114を含み、
前記エンコード装置112は、画像データをエンコードするために複数のエンコーダを含み、
前記コンテンツストリーミング装置114は、例えば通信ネットワーク105を介して、1つ以上の顧客装置へエンコードされた画像コンテンツを配信するためのエンコードされたコンテンツをストリーム(例えば、伝送)」することが記載されている。

(エ)上記段落00031には、「前記顧客宅内1 106は、表示装置124に結合されているデコード装置/再生装置126を含み、表示装置124はヘッドマウント立体表示装置である」ことが記載されている。

(オ)上記段落00037?段落00042には、上記方法におけるエンコードに係る処理として、以下のものが記載されている。
「前記方法への入力は、シーンの360度の視界を取り込むように用意された複数のカメラによって取り込まれた360度の立体画像データを含み、シーンデータ302は、異なるシーン領域(例えば、異なる視野角に対応するN個のシーン領域)に対応するデータへ分割され、
360度のシーン領域は3つのパーティション(90度部分に対応する左後方部分、正面180度部分及び右後方90度部分)に分割され、
各シーン部分は、各部分について複数の可能ビットレートストリームをサポートする複数のエンコーダによって独立してエンコードされ、
前記複数のK個のエンコーダは、高解像度(HD)エンコーダ1 404、標準解像度(SD)エンコーダ2 406、低減フレームレートSDエンコーダ3 408,...,高圧縮低減フレームレートSDエンコーダK 410を含み、HDエンコーダ1 404は、高ビットレートHDエンコードされた画像412を生成するための高解像度(HD)エンコードを実行し、SDエンコーダ2 406は、入力画像のSDエンコードされたバージョン2 414を生成するための低解像度の標準解像度エンコードを実行する」ものであることが記載されている。

(カ)上記段落00047?段落00059には、上記方法における画像コンテンツを提供する処理として、以下のものが記載されている。
「時間とともに、ユーザの頭の位置及び/又はユーザの頭の位置の変化は、例えばオリジナルの頭の位置に関連して、コンテンツ配信システム104に報告され、
示された頭の位置(例えば、ユーザの視野角)に基づいて提供するために、シーン部分が選択され、
ストリームされるシーン部分が選択された後、選択されたストリーム部分のエンコードされたバージョンが、利用可能なデータレート及びユーザの視界位置に基づいて選択され、
現在の報告された頭の位置によって示されるユーザが面したシーン部分の高レート高解像度のバージョンがストリームされ、現在の頭の位置の左及び/又は右のさらなるシーン部分が、より低い解像度、より低い時間的なレートとしてストリームされるように選択される」ものであることが記載されている。

(1-1-3)先願発明
上記(1-1-2)から、国際出願明細書等には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる。なお、各構成の符号(1a)?(1k)は、説明のために当審が付したものであり、以下、構成1a?構成1kと称する。

(先願発明)
(1a)立体ビデオを得ること、エンコードすること、ストリーミングすること、及びデコードすることに関し、360度の視界領域に対応するビデオ又はその他のコンテンツの配信、例えばストリーミングをサポートする方法であって、
前記方法は、
(1b)映像コンテンツ等の、360度の視界の領域に対応する画像コンテンツは、N個の部分に分割され、各部分は360度の視界の異なる部分に対応し、Nは少なくとも2であって、360度の視界が3つの部分に分割され、ある部分は前方の180度の視界に対応し、第2の部分は左後ろの90度の領域に対応し、そして残りの部分は右後ろの90度の部分に対応し、
(1c)画像取り込み装置、コンテンツ配信システム、通信ネットワーク及び複数の顧客宅内を含み、前記コンテンツ配信システムは、エンコード装置及びコンテンツストリーミング装置/サーバーを含み、
(1d)前記コンテンツ配信システムのエンコード装置は、画像データをエンコードするために複数のエンコーダを含み、
(1e)前記コンテンツストリーミング装置は、例えば通信ネットワークを介して、1つ以上の顧客装置へエンコードされた画像コンテンツを配信するためのエンコードされたコンテンツをストリーム(例えば、伝送)し、
(1f)前記顧客宅内は、表示装置に結合されているデコード装置/再生装置を含み、表示装置はヘッドマウント立体表示装置であり、
(1g)前記方法への入力は、シーンの360度の視界を取り込むように用意された複数のカメラによって取り込まれた360度の立体画像データを含み、シーンデータは、異なるシーン領域(例えば、異なる視野角に対応するN個のシーン領域)に対応するデータへ分割され、
360度のシーン領域は3つのパーティション(90度部分に対応する左後方部分、正面180度部分及び右後方90度部分)に分割され、
(1h)各シーン部分は、各部分について複数の可能ビットレートストリームをサポートする複数のエンコーダによって独立してエンコードされ、
前記複数のK個のエンコーダは、高解像度(HD)エンコーダ、標準解像度(SD)エンコーダ、低減フレームレートSDエンコーダ、高圧縮低減フレームレートSDエンコーダを含み、HDエンコーダは、高ビットレートHDエンコードされた画像を生成するための高解像度(HD)エンコードを実行し、SDエンコーダは、入力画像のSDエンコードされたバージョンを生成するための低解像度の標準解像度エンコードを実行するものであり、
(1i)時間とともに、ユーザの頭の位置及び/又はユーザの頭の位置の変化は、例えばオリジナルの頭の位置に関連して、コンテンツ配信システムに報告され、
(1j)示された頭の位置(例えば、ユーザの視野角)に基づいて提供するために、シーン部分が選択され、
(1k)ストリームされるシーン部分が選択され、選択されたストリーム部分のエンコードされたバージョンが、利用可能なデータレート及びユーザの視界位置に基づいて選択され、例えば、現在の報告された頭の位置によって示されるユーザが面したシーン部分の高レート高解像度のバージョンがストリームされ、現在の頭の位置の左及び/又は右のさらなるシーン部分が、より低い解像度、より低い時間的なレートとしてストリームされるように選択されるものである
(1a)方法。

(1-2)対比
本件発明1の構成1A?構成1Eを先願発明の構成1a?構成1kと対比すると、次のことがいえる。

(ア)構成1Aについて
先願発明は、構成1bにおいて「映像コンテンツ等の、360度の視界の領域に対応する画像コンテンツ」が用いられるから、構成1gの複数のカメラによって取り込まれる「立体画像」には「映像」も含まれる。そして、構成1gの「シーンの360度の視界を取り込むように用意された複数のカメラによって取り込まれた360度の立体画像データ」は、構成1Aの「パノラマ映像」に相当する。
よって、構成1b、1gは、構成1Aと一致する。

(イ)構成1Bについて
構成1iの「ユーザの頭の位置」は、時間とともに報告されるものであるから、構成1Bの「頭部追跡データ」に相当する。そして、構成1iのユーザの頭の位置が報告されることは、構成1Bの「頭部追跡データを受信すること」に相当する。
また、構成1jの「頭の位置」は、時間とともに頭の位置の変化は報告されるから、現在のユーザの頭の位置といえ、構成1jの選択された「シーン部分」は、構成1b及び構成1gの360度の視界の「異なるシーン領域(異なる視野角に対応するN個のシーン領域)」の正面180度部分であるから、360度をN個に分割した角度の範囲を有しているといえる。そして、構成1jの選択された「シーン部分」は、示されたユーザの頭の位置(ユーザの視野角)に基づいて選択され、180度の範囲を有していることから、構成1Bの「現在視野」に相当する。
よって、構成1i、1jは、構成1Bに相当する。

(ウ)構成1Dについて
構成1gの「シーンデータ」は、「360度の立体画像データ」であり、上記(ア)のとおり、構成1Aの「パノラマ映像」に相当する。そして、当該「シーンデータ」は、N個のシーン領域に対応するデータへ分割されるから、構成1gは、構成1Dの「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること」に相当する。
加えて、上記(イ)のとおり、構成1gの360度の視界の「シーンデータ」は、現在のユーザの頭の位置(ユーザの視野角)に基づいて選択される正面180度部分と、当該部分の外側にある左後方90度部分及び右後方90度部分を含むものといえる。よって、構成1gは、構成1Dの「但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割する」に相当する。
よって、構成1gは、構成1Dに相当する。

(エ)構成1Eについて
構成1kの「シーン部分の高レート高解像度のバージョン」は、構成1hの「高ビットレートHDエンコードされた画像」であり、構成1kの「より低い解像度、より低い時間的なレートとして」選択されるシーン部分は、構成1hの「入力画像のSDエンコードされたバージョン」であるから、構成1kの「ストリームされるシーン部分」のエンコードされたバージョンを選択することは、構成1hの「高ビットレートHDエンコードされた画像」或いは「SDエンコードされたバージョン」を選択することである。ここで、複数の解像度から一つの解像度を「選択」することは、ストリームされる画像を「程よくすること」をもたらすことから、解像度を「調整」するといえる。よって、エンコードされた複数の解像度のバージョンを有するシーンデータから、一つのバージョンをシーン部分のシーンデータとして選択することは、ストリームするシーン部分のシーンデータの解像度を程よい解像度とすることといえるから、構成1Eの「サブストリームの解像度を調整すること」といえる。
そして、構成1kの「現在の報告された頭の位置によって示されるユーザが面したシーン部分」及び「現在の頭の位置の左及び/又は右のさらなるシーン部分」は、構成1Eの「現在視野にある少なくとも1つのサブストリーム」及び「現在視野の外側にある少なくとも1つのサブストリーム」といえる。また、「現在の報告された頭の位置によって示されるユーザが面したシーン部分」のバージョンは、「現在の頭の位置の左及び/又は右のさらなるシーン部分」のバージョンより高い解像度を有している。
よって、構成1h、1kは、構成1Eに相当する。

(オ)構成1Cについて
構成1Cは、構成1Eにおいて「少なくとも1つのサブストリーム」を「パノラマ映像」と上位概念化したものに相当する。よって、構成1h、1kは、上記(エ)のとおり、構成1Eに相当するから、構成1Cにも相当するといえる。

(カ)特許権者の主張について
なお、特許権者は、令和元年6月13日に提出された意見書において、以下のとおり主張している。

ア 「先願1には、00058に、"a full rate high resolution version of the scene portion which the user is facing as indicated by the current reported head portion may and normally will be streamed. Onemore scene portions to the left and/or right of the current head position maybe selected to be streamed as a lower resolution_(・・・)"(報告された現在の頭の位置によって示される、ユーザが面したシーン部分の高レート高精細バージョンがストリームされることができ、また通常ストリームされる。現在の頭の位置の左及び/又は右の1つ以上のシーン部分は、低解像度でストリームされるように選択されることができる)と記載されている。
してみると、先願1には、「ユーザが面したシーン部分の高レート高精細バージョンがストリームされる」ことは記載されている。これは、「ユーザが面した」ことに基づいて、解像度を調整していると言えるのかもしれない。
しかし、「ユーザが面した部分」は、「現在視野」に含まれうる部分とはイコールではない。「ユーザが面した部分」は、「現在視野」で見える部分に含まれてはいるだろうが、「現在視野」に含まれうる部分は、「ユーザに面した部分」よりも、少し広いだろう。
このため、「ユーザが面した」ことに基づいて解像度を調整した後の映像データと、「現在視野」に基づいて解像度を調整した映像データとは、異なるだろう。そして先願1には、「現在視野」に基づいて解像度を調整することは、何ら記載されていない。」(2頁下から3行?3頁8行)(以下、「主張ア」という。)

イ 「また先願1には、「前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる」ことも記載されていない。」(3頁9?10行)(以下、「主張イ」という。)

主張アについて検討する。
先願発明の選択された「シーン部分」である正面180度部分は、上記(イ)のとおりユーザの頭の位置(ユーザの視野角)に基づいて選択されるものであり、当該視野角はユーザの頭の位置で見える範囲といえるから、「現在視野」に相当する。
念のために、本願明細書を参照しても、段落0042に「現在視野は、頭部追跡データに基づいて決定」とあるだけであって、他に具体的な記載も存在せず、「現在視野」を決定する技術的内容は特定されていない。
よって、上記主張1は採用することができない。

また、主張イについては、本件補正により削除された補正事項5及び補正事項6に基づく主張であるから、採用することができない。

(キ)まとめ
以上から、先願発明は本件発明1の構成1A?1Eの全てにおいて一致する構成を有するから、本件発明1と先願発明は同一である。

(2)本件発明2、3について
先願発明の構成1e、1fは、画像コンテンツがストリームされる顧客宅内における表示装置が、ヘッドマウント立体表示装置であるから、構成2Aに相当する構成を有している。
また、ヘッドマウントディスプレイはモバイル機器であるから、先願の国際出願明細書等には本件発明3の構成3Aに相当する構成が記載されている。
したがって、本件発明2、3は、先願の国際出願明細書等に記載された発明と同一である。

(3)本件発明4?6について
本件発明4は、本件発明1のカテゴリを「機器」としたものにすぎず、構成4A?構成4Eは、構成1A?構成1Eにそれぞれ対応する構成であるから、本件発明4は、先願の国際出願明細書等に記載された発明と同一である。
また、先願の国際出願明細書等の段落00069、図7等には、先願発明をソフトウェアで構成することも記載されているから、本件発明5、6は、先願の国際出願明細書等に記載された発明と同一である。

(4)理由1についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1?本件発明6は、本件特許の優先日前の外国語特許出願であって、本件特許の国際出願の優先日の後に国際公開がされた先願の国際出願日における明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明である。
また、本件特許の発明者が先願の発明者と同一ではなく、本件特許の出願の時において、本件特許の出願人が先願の出願人と同一でもない。
したがって、本件発明1?本件発明6に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。

3 理由2(特許法第29条第2項)について
(1)本件発明1について
(1-1)引用文献
(1-1-1)引用文献2
(1-1-1-1)引用文献2の記載事項
上記引用文献2(甲第2号証:特開2004-72694号公報)には、以下の記載がある。なお、下線は当審において付した。

「【0024】
図1は、本発明を適用した全方位画像提供システムの構成例を表している。インターネット、LAN、WANなどを含むネットワーク1には、ユーザ端末2とユーザ端末2に対して全方位の画像の画像データを提供するサーバ3が接続されている。この例においては、ユーザ端末2およびサーバ3が1台ずつ示されているが、ネットワーク1には、任意の台数のユーザ端末2およびサーバ3が接続される。
【0025】
サーバ3には、全方位の画像を撮影する撮影装置4が接続されている。撮影装置4は、360度全方位を同時に撮影できる特殊なカメラであり、8台のカメラ5-1乃至5-8により構成される。サーバ3は、撮影装置4で撮影された画像の画像データをエンコードし、ネットワーク1を介して、ユーザ端末2に提供する。ユーザは、サーバ3から提供された画像データをユーザ端末2によりデコードし、全方位の画像のうち、希望する画像を見ることができる。
(略)
【0029】
図3は、ユーザ端末2の構成を表している。図3において、CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記憶されているプログラム、または記憶部30からRAM(Random Access Memory)23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
(略)
【0033】
入出力インタフェース27には、ヘッドマウントディスプレイ、マウス、ジョイスティックなどよりなる入力部28、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部29、ハードディスクなどより構成される記憶部30、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部31が接続されている。通信部31は、ネットワーク1を介しての通信処理を行う。
(略)
【0036】
サーバ3のバス66には、視点決定部64、エンコード部65、および入出力インタフェース67が接続されている。
【0037】
視点決定部64は、ネットワーク1を介してユーザ端末2より送信された視点情報に基づいて視点を決定する。エンコード部65は、視点決定部64からの視点情報に基づいて、撮影装置4から入力された画像データを、例えば、JPEG2000の画像フォーマットでエンコードし、それぞれエンコードされた画像データを、全方位の画像の画像データとして、通信部71を介してユーザ端末2に送信する。
(略)
【0040】
この全方位画像提供システムにおいて、全方位の画像は、図6に示されるように、例えば、8台のカメラ5-1乃至5-8により撮影される8つの方向の画像により構成される。この8つの方向は、上中央部の方向を「N」(北)とすると、「N」から時計回りの順に、「NE」(北東),「E」(東),「SE」(南東),「S」(南),「SW」(南西),「W」(西)および「NW」(北西)とされる。したがって、「N」と対角である下中央部の方向は、「S」とされ、「N」の右側方向は、「NE」とされ、「N」の左側方向は、「NW」とされる。なお、以降、説明の便宜上、これらの8方向を視点情報とする。
【0041】
ユーザによりユーザ端末2の入力部28が操作され、現在の視点(いまの場合、「N」)が入力される。それに対応して、ステップS1において、視点指定部24は、現在の視点を表す、視点情報を設定する。ステップS2において、通信部31は、視点指定部24により設定された視点情報(いまの場合、「N」)を、ネットワーク1を介して、サーバ3に送信する。
【0042】
サーバ3の通信部71は、ステップS11において、ユーザ端末2からの視点情報を受信し、視点決定部64に出力する。ステップS12において、エンコード部65は、全方位の画像の画像データ作成処理を実行する。この全方位の画像の画像データ作成処理を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップS31において、エンコード部65は、予め設定された解像度(高解像度)R1を、解像度Rとする。ステップS32において、エンコード部65は、撮影装置4のカメラ5-1乃至5-8より、8方向の画像データを受け取る。
【0044】
エンコード部65は、ステップS33において、視点決定部64からの視点情報に基づいて、エンコードする方向の画像を選択し、それをXとし、ステップS34において、Xの左隣の画像をYとする。いまの場合、現在の視点情報が「N」であるので、Xは、「N」の画像であり、Yは、「NW」の画像である。
【0045】
エンコード部65は、ステップS35において、Xの画像データを既にエンコードしたか否かを判断し、まだ、Xの画像データをエンコードしていないと判断した場合、ステップS36において、Xの画像データを、解像度Rでエンコードする。すなわち、「N」の画像データは、予め設定された解像度R1でエンコードされる。
【0046】
ステップS37において、エンコード部65は、Xを1つ右の画像に移動させる。いまの場合、Xは、「NE」の画像とされる。
【0047】
エンコード部65は、ステップS38において、現在の解像度(いまの場合、解像度R1)を1/2にしたものを、新たな解像度Rとし、ステップS39において、Yの画像データを既にエンコードしたか否かを判断する。ステップS39において、まだ、Yの画像データをエンコードしていないと判断された場合、ステップS40において、エンコード部65は、Yの画像データを、解像度Rでエンコードする。すなわち、「NW」の画像データが、解像度R1の1/2の解像度で(画素数が1/2になるように)エンコードされる。
【0048】
エンコード部65は、ステップS41において、Yを1つ左の画像に移動させる。いまの場合、Yは、「W」の画像とされる。
【0049】
そして、エンコード部65は、ステップS35に戻り、Xの画像データを既にエンコードしたか否かを判断し、まだ、Xの画像データをエンコードしていないと判断した場合、ステップS36において、Xの画像データを、解像度Rでエンコードする。これにより、いまの場合、「NE」の画像データが、解像度R1の1/2の解像度でエンコードされる。
【0050】
ステップS37において、エンコード部65は、Xを1つ右の画像に移動させる。いまの場合、Xは、「E」の画像とされる。
【0051】
ステップS38において、現在の解像度(いまの場合、(1/2)解像度R1)を1/2にしたもの((1/4)解像度R1)を、新たな解像度Rとする。ステップS39において、エンコード部65は、Yの画像データを既にエンコードしたか否かを判断し、まだ、Yの画像データをエンコードしていないと判断した場合、ステップS40において、Yの画像データを、解像度Rでエンコードする。すなわち、「W」の画像データが、解像度R1の1/4の解像度でエンコードされる。
【0052】
エンコード部65は、ステップS41において、Yを1つ左の画像に移動させる。いまの場合、Yは、「SW」の画像とされる。
【0053】
そして、エンコード部65は、ステップS35に戻り、それ以降の処理を繰り返す。このようにして、「E」の画像データが、解像度R1の1/4の解像度でエンコードされ、「SW」および「SE」の画像データが、解像度R1の1/8の解像度でエンコードされ、「S」の画像データが、解像度R1の1/16の解像度でエンコードされる。
【0054】
その結果、図6または図8に示されるように、現在の視点である「N」の画像の解像度を1とした場合、「N」の左右隣の「NW」および「NE」の画像の解像度は、1/2とされ、「NW」の左隣の「W」および「NE」の右隣の「E」の画像の解像度は、1/4とされ、「W」の左隣の「SW」および「E」の右隣の「SE」の画像の解像度は、1/8とされ、「SW」の左隣(すなわち、「N」の対角方向)の「S」の画像の解像度は、1/16とされる。なお、図8の例の場合、隣接する方向の画像は、現在の視点である「N」を中心に並べられている。
(略)
【0060】
さらに、図5の全方位画像提供システムの通信処理におけるデータの流れについて、図9を参照して説明する。図9においては、縦方向は、時間軸を示し、上から下に行くに連れて、時間が経過している。また、ユーザ端末2の時間軸に沿って付けられているa0,a1,a2,…は、ユーザ端末2からサーバ3に送信されるACK(確認応答パケット)と視点情報が送信されるタイミングを示し、サーバ3の時間軸に沿って付けられているb0,b1,b2,…は、サーバ3からユーザ端末2に画像データのパケットが送信されるタイミングを示し、撮影装置4の時間軸に沿って付けられているc0,c1,c2,…は、撮影装置4からサーバ3に画像データが送信されるタイミングを示している。」

「【0130】
以上の処理により、例えば、現在の視点の解像度を1とした場合、解像度1の「N」の画像データが通信部71に出力され、解像度1/2の「N」の左右隣の「NW」および「NE」の画像データが通信部71に出力され、解像度1/4の「NW」の左隣の「W」および「NE」の右隣の「E」の画像データが通信部71に出力される。また、解像度1/8の「W」の左隣の「SW」および「E」の右隣の「SE」の画像データが通信部71に出力され、解像度1/16の「SW」の左隣(すなわち、「N」の対角方向)の「S」の画像データが出力される。」

「【図3】




「【図4】




「【図8】




「【図9】




(1-1-1-2)引用文献2に記載の技術的事項
上記(1-1-1-1)に摘記した記載から、引用文献2には、以下(ア)?(キ)の技術的事項が記載されているものと認められる。

(ア)上記段落0024、0025、0029、0033、0036、0037、図3、4の記載によれば、ユーザ端末2とユーザ端末2に対して全方位の画像の画像データを提供するサーバ3がネットワーク1に接続されている全方位画像提供システムの情報提供方法であって、前記ユーザ端末2は、ヘッドマウントディスプレイよりなる入力部28を備え、前記サーバ3は、全方位の画像を撮影する撮影装置4が接続され、さらに、視点決定部64、エンコード部65及び通信部71が接続されていることが記載されている。

(イ)上記段落0041、0042の記載によれば、前記ユーザ端末2は、前記入力部28が操作され、現在の視点が入力されることに対応して、現在の視点を表す、視点情報を設定し、ネットワーク1を介して送信し、前記通信部71は、前記ユーザ端末2からの視点情報を受信することが記載されている。

(ウ)上記段落0025、0040、0043、図8の記載によれば、前記サーバ3の前記エンコード部65は、前記撮影装置4から、N、NE、E、SE、S、SW、W、NWの8つの方向の画像により構成される全方位の8方向の画像データを受け取るものである。

(エ)上記段落0037、0044、図4の記載によれば、サーバ3の視点決定部64は、前記ユーザ端末2から送信された視点情報に基づいて現在の視点を表す視点方向を決定するものである。

(オ)上記段落0036、0044?0054、0130、図4の記載によれば、前記サーバ3の前記エンコード部65は、前記視点決定部64からの視点情報に基づいて、エンコードする方向の画像を選択し、現在の視点である「N」の画像データを予め設定された解像度R1でエンコードし、Nの画像の解像度を1とした場合、NW、NEの画像の解像度は1/2、W、Eの画像の解像度は1/4、SW、SEの画像の解像度は1/8、Sの画像の解像度は1/16でエンコードして通信部71に出力するものである。

(カ)上記段落0037、0130、図4の記載によれば、前記サーバ3の前記通信部71は、前記エンコードされたN、NE、E、SE、S、SW、W、NWの画像データを、ユーザ端末2に送信するものである。

(キ)上記段落0060、図9の記載によれば、前記ユーザ端末2から前記サーバ3に視点情報が送信されるタイミングは、a0,a1,a2,…であり、前記サーバ3から前記ユーザ端末2に画像データが送信されるタイミングはb0,b1,b2,…であり、前記撮影装置4から前記サーバ3に画像データが送信されるタイミングはc0,c1,c2,…であることが記載されている。

(1-1-1-3)引用発明
以上より、引用文献2には、サーバにおける処理に係る次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、各構成の符号2a?2iは、説明のために当審が付したものであり、以下、構成2a?構成2iと称する。

(引用発明)
(2a)ユーザ端末とユーザ端末に対して全方位の画像の画像データを提供するサーバがネットワークに接続されている全方位画像提供システムの情報提供方法であって、
(2b)前記ユーザ端末は、ヘッドマウントディスプレイよりなる入力部を備え、
(2c)前記サーバは、全方位の画像を撮影する撮影装置が接続され、さらに、視点決定部、エンコード部及び通信部が接続されており、
(2d)前記ユーザ端末は、前記入力部が操作され、現在の視点が入力されることに対応して、現在の視点を表す、視点情報を設定し、ネットワークを介して送信し、前記通信部は、前記ユーザ端末からの視点情報を受信し、
(2e)前記エンコード部は、前記撮影装置から、N、NE、E、SE、S、SW、W、NWの8つの方向の画像により構成される全方位の8方向の画像のデータを受け取り、
(2f)前記視点決定部は、前記ユーザ端末から送信された視点情報に基づいて現在の視点を表す視点方向を決定し、
(2g)前記エンコード部は、前記視点決定部からの視点情報に基づいて、エンコードする方向の画像を選択し、現在の視点情報であるNの画像データを予め設定された解像度R1でエンコードし、Nの画像の解像度を1とした場合、NW、NEの画像の解像度は1/2、W、Eの画像の解像度は1/4、SW、SEの画像の解像度は1/8、Sの画像の解像度は1/16でエンコードして通信部に出力し、
(2h)前記通信部は、前記エンコードされたN、NE、E、SE、S、SW、W、NWの画像データを、ユーザ端末に送信し、
(2i)前記ユーザ端末から前記サーバに視点情報が送信されるタイミングは、a0,a1,a2,…であり、前記サーバから前記ユーザ端末に画像データが送信されるタイミングはb0,b1,b2,…であり、前記撮影装置から前記サーバに画像データが送信されるタイミングはc0,c1,c2,…である
(2a)方法。

(1-1-2)引用文献3
上記引用文献3には、全方位テレビカメラを中心に周囲360度の視野を有し、視野に対応して映像空間の映像を取り込んだビデオ信号を全方位テレビ受像機に送信する技術に関して、以下の記載がある。なお、下線は当審において付した。

「【0014】また、図7に示すように上記全方位テレビ受像機2を人間の頭に被せるヘッドマウントディスプレイ20で構成してもよい。このヘッドマウントディスプレイ20は映像選択手段として頭の回転角度を検出するセンサ21を備えている。このセンサ21は例えばジャイロセンサ21aと加速度センサ21bとを使用すればよい。このことにより頭の水平方向の回転角度をジャイロセンサ21aで検出し、垂直方向の回転角度を加速度センサ21bで検出し、検出した回転角度を選択信号に変換し、全方位テレビカメラ1で撮影した映像データの中から選択信号に該当する映像データを自動的に選択してヘッドマウントディスプレイ20に表示することにより、例えば野球中継のホームランボールを自分で追ったり、観客の様子を見たりすることができるし、バーチャルリアリティで模擬的な部屋の中の自分の見たいところを体験することもできる。」

(1-1-3)引用文献5
上記引用文献5(引用文献2に従来技術として開示された特許文献)には、任意の位置を中心として360度全方向を撮影した「全方位の画像」を再生装置に送信する技術に関して、以下の記載がある。なお、下線は当審において付した。

「【0114】この場合、インタラクティブに操作するべき画像はあらかじめユーザーサイドの蓄積装置にダウンロードされているから、伝送路の混み具合やサーバーの混雑によるアクセス遅延などの影響を受けることなく、リアルタイムでインタラクティブな操作が可能である。つまり、完全な動画像を対象として、あたかもユーザーが撮影地点にいて、自ら首や目を動かして見たい方向を向きながら風景を楽しんでいるかのごとくに機能させる。」

(1-2)対比
本件発明1の構成1A?構成1Eを引用発明の構成2a?構成2iと対比する。

(ア)構成1Aについて
構成2eの「全方位の8方向の画像のデータ」と、構成1Aの「パノラマ映像」は、「パノラマ画像」である点で共通するから、構成2eは、「パノラマ画像」を受信する点で構成1Aと共通する。
しかしながら、本件発明1の「パノラマ映像」は「パノラマ動画」であるのに対し、引用発明の「全方位の8方向の画像のデータ」は「画像」である点で両者は相違する。(以下、「相違点1」という。)

(イ)構成1Bについて
構成2dの「視点情報」は、構成2bのヘッドマウントディスプレイに対するユーザの操作に対応して設定される情報であり、ヘッドマウントディスプレイはユーザの頭部に装着される装置であるから、「頭部に装着した装置においてユーザの操作に対応して設定されるデータ」といえる。そして、構成2dの「視点情報」は、構成2iのa0,a1,a2,…の各タイミングでユーザ端末から送信されるものであるから、ヘッドマウントディスプレイに対するユーザの操作を「追跡したデータ」といえる。よって、構成2dの頭部に装着した装置においてユーザの操作に対応して設定される「視点情報」と、構成1Bの「頭部追跡データ」とは、「追跡データ」である点で共通する。そして、構成2dの「視点情報を受信」することと、構成1Bの「頭部追跡データを受信すること」は、「追跡データを受信すること」で共通する。しかしながら、当該「追跡データ」が、本件発明1では「頭部追跡データ」であるのに対し、引用発明では「視点情報」である点で両者は相違する。(以下、「相違点2」という。)
また、構成2fの「現在の視点を表す視点方向」は、構成2e及び構成2gの「N」、「NE」、「E」、「SE」、「S」、「SW」、「W」、「NW」の8つの方向であるから、全方位の8分の1の範囲を有する方向といえる。そして、当該360度の8分の1の範囲は、現在の視点と視点周辺の眼によって知覚できる所定の範囲という意味で、「視野」といえる。
よって、構成2fの「現在の視点を表す視点方向」は、構成1Bの「現在視野」に相当するといえる。したがって、構成2f、2gは、「追跡データに基づいて現在視野を決定する」ものである点で、構成1Bと共通する。

(ウ)構成1Dについて
構成2gは、構成2eで受け取った全方位の8方向の画像のデータを、N、NE、E、SE、S、SW、W、NWの各方向に応じて個別の解像度でエンコードするから、「パノラマ画像を2つ以上の画像データに分割する」構成を有する点で構成1Dと共通するといえる。
また、上記(イ)のとおり、引用発明の「視点方向」は、本件発明1の「現在視野」に相当するといえるから、構成2dの現在の視点情報である「N」及び当該N以外の「NE、E、SE、S、SW、W、NW」は、各々構成1Dの「現在視野」及び「現在視野の外側」にそれぞれ相当する。よって、構成2gは、パノラマ画像を2つ以上に分割した画像データが「少なくとも1つの画像データは現在視野にあり、少なくとも1つの画像データは現在視野の外側にある」との構成を有する点で、構成1Dと共通する。
しかしながら、両者は、上記相違点1と同様の相違点を有する。

(エ)構成1Eについて
上記(ウ)のとおり、「N」は「現在視野」、「NE、E、SE、S、SW、W、NW」は「現在視野の外側」にそれぞれ相当するから、構成2gの「現在の視点情報であるNの画像データを予め設定された解像度R1でエンコード」すること、及び、「Nの画像の解像度を1とした場合、NW、NEの画像の解像度は1/2、W、Eの画像の解像度は1/4、SW、SEの画像の解像度は1/8、Sの画像の解像度は1/16でエンコード」することは、「現在視野にある画像データの解像度を調整する」こと、及び、「現在視野の外側にある画像データの解像度を調整する」ことといえる。よって、構成2gと構成1Eは、「現在視野にある画像データの解像度を調整すること」及び「現在視野の外側にある画像データの解像度を調整すること」である点、及び、「現在視野にある画像データの調整後の解像度」は、「現在視野の外側にある画像データの調整後の解像度」よりも高い点で共通する。
そして、構成2hは、「N」、「NE、E、SE、S、SW、W、NW」の画像データをユーザ端末に送信するから、構成2hは、「現在視野にある画像データの調整後の解像度及び現在視野の外側にある画像データの調整後の解像度を有する前記パノラマ画像を提供する」構成を有する点で、構成1Eと共通する。
しかしながら、両者は、上記相違点1と同様の相違点を有する。

(オ)構成1Cについて
構成1Cは、構成1Eにおいて「少なくとも1つのサブストリーム」を「パノラマ映像」と上位概念化したものに相当する。よって、構成1Cについても、上記(エ)のとおり、両者は、上記相違点1と同様の相違点を有し、その余の点で共通する構成を有しているといえる。

(カ)一致点及び相違点について
以上から、本件発明1と引用発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。

(一致点)
1A’:・パノラマ画像を受信すること;
1B’:・追跡データを受信すること;
・前記追跡データに基づいて現在視野を決定すること;
1C’:・前記現在視野に基づいて前記パノラマ画像の解像度を調整すること、但し、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である、前記調整すること;
・前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ画像を提供すること、但し、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;を含む方法であって、
1D’:・前記パノラマ画像を2つ以上の画像データに分割すること、但し、少なくとも1つの画像データは前記現在視野にあり、少なくとも1つの画像データは前記現在視野の外側にある、前記分割すること;
1E’:・前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つの画像データの解像度を調整すること;
・前記現在視野にある前記少なくとも1つの画像データの解像度を調整すること;
・前記現在視野にある前記少なくとも1つの画像データの調整後の解像度及び前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つの画像データの調整後の解像度を有する前記パノラマ画像を提供すること、但し、前記現在視野にある前記少なくとも1つの画像データの前記調整後の解像度は、前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つの画像データの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供すること;をさらに含む、方法。

(相違点1)パノラマ画像が、本件発明1ではパノラマ映像であるのに対し、引用発明では「画像」である点。

(相違点2)前記追跡データが、本件発明1では「頭部追跡データ」であるのに対し、引用発明では「視点情報」である点。

(1-3)相違点に係る判断
上記各相違点について検討する。

(ア)相違点1について
任意の位置を中心として360度全方向を撮影した「全方位の画像」を再生装置に送信する技術において、「全方位の画像」を動画像とすることは、引用文献5に記載されているように周知技術と認められるから、引用発明において、当該周知技術を採用して、パノラマ画像を動画像とすること、即ち「パノラマ映像」とすることは、当業者が容易になしうることである。

(イ)相違点2について
360度の視野に対応して取り込んだビデオ信号を受像機に送信する技術において、映像選択手段としてのヘッドマウントディスプレイが備える「頭の回転角度を検出するセンサ」が検出した「頭の回転角度」を映像データの選択信号とすることは、引用文献3に記載されているように周知技術である。そして、引用発明における「追跡するデータ」として当該周知技術を採用して、「頭の回転角度」とすること、即ち「追跡するデータ」として頭部追跡データを用いることは、当業者が容易になしうることである。

そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件発明1の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(1-4)特許権者の主張について
なお、特許権者は、令和元年6月13日に提出された意見書において、以下のとおり主張している。

「訂正後の本件請求項1に係る発明は、「前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にあり、前記現在視野にあるサブストリームの数は2つ以上でありうる、前記分割すること」を、発明特定事項の一つとしている。この事項を引用文献2に記載の発明に具備させることは、当業者に想到容易でなかったと考える。」(4頁4?9行)

しかしながら、上記主張は、本件補正により削除された補正事項5及び補正事項6に基づく主張であるから、採用することができない。

(1-5)まとめ
以上から、本件発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)本件発明2、3について
引用発明は、ヘッドマウントディスプレイを備えるユーザ端末に各方位の画像を送信するものである。また、送信先のユーザ端末をモバイル装置とすることは、当業者にとって格別のことではない。
したがって、本件発明2、3は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明4?6について
本件発明4は、本件発明1のカテゴリを「機器」としたものにすぎず、構成4A?構成4Eは、構成1A?構成1Eにそれぞれ対応する構成である。また、映像の処理をソフトウェアで行うことは一般的な態様である。
よって、本件発明4?6は、上記(1)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)理由2についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1?本件発明6は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるあるから、本件発明1?本件発明6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

第5 むすび
以上のとおり、本件特許の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許は、特許法第29条の2の規定及び特許法第29条第2項の既定に違反してされたものである。
したがって、本件特許の請求項1、8、9、15、18、19に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
他方、本件特許の請求項20?23に係る特許は、特許異議の申立てにおける取消理由の対象には含まれていないから、維持されるべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
 
別掲
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ パノラマ映像を受信すること;
・ 頭部追跡データを受信すること;
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定すること;
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である、前記調整すること;
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;
を含む方法であって、
・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割すること;
・ 前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度及び前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度は、前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、方法。
【請求項2】
・ パノラマ映像を受信すること;
・ 頭部追跡データを受信すること;
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定すること;
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である、前記調整すること;
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;
を含む方法であって、
・ 前記頭部追跡データの信頼度を決定すること;
・ 前記頭部追跡データの信頼度に基づいて前記パノラマ映像の解像度をスケーリングすること;
をさらに含む、方法。
【請求項3】
・ パノラマ映像を受信すること;
・ 頭部追跡データを受信すること;
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定すること;
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である、前記調整すること;
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;
を含む方法であって、
・ 視線追跡データ受信すること;
・ 前記視線追跡データに基づいて現在の焦点領域を決定すること;
・ 前記現在の焦点領域に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記現在の焦点領域の解像度は第4の解像度であり、前記現在の焦点領域の外側の解像度は第5の解像度である、前記調整すること;
・ 前記現在の焦点領域に基づいて、調整後の解像度を有するパノラマ映像を提供すること、但し、前記第4の解像度は前記第5の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、方法。
【請求項4】
・ 前記頭部追跡データに基づいて予測視野を決定すること;
・ 前記予測視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記予測視野の解像度は第3の解像度である、前記調整すること;
・ 前記予測視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第3の解像度は前記第1の解像度よりも低く、前記第2の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
・ 前記予測視野にある少なくとも1つのサブストリームを決定すること;
・ 前記予測視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること、但し、前記予測視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度は、前記現在視野および前記予測視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高く、前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームよりも低い、前記調整すること;
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
・ 視線追跡データを前記頭部追跡データ内にて、または前記頭部追跡データと同時に受信すること;
・ 前記視線追跡データに基づいて前記スケーリングを実施すること;
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
・ 映像ストリームの待ち時間情報を決定すること;
・ 前記映像ストリームの待ち時間情報に基づいて前記予測視野の寸法を制御すること;
をさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記パノラマ映像をヘッドマウントディスプレイにストリーミングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パノラマ映像をモバイル装置にストリーミングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
・ 前記視線追跡データに基づいて予測焦点領域を決定すること;
・ 前記予測焦点領域に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整すること、但し、前記予測焦点領域の解像度は第6の解像度である、前記調整すること;
・ 前記予測焦点領域に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記第6の解像度は前記第4の解像度よりも低く、前記第5の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割すること、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在の焦点領域にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在の焦点領域の外側にある、前記分割すること;
・ 前記現在の焦点領域の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在の焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること;
・ 前記現在の焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度及び前記現在の焦点領域の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供すること、但し、前記現在の焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度は、前記現在の焦点領域の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供すること;
をさらに含む、請求項3または10に記載の方法。
【請求項12】
・ 前記予測焦点領域にある少なくとも1つのサブストリームを決定すること;
・ 前記予測焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整すること、但し、前記予測焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度は、前記現在の焦点領域および前記予測焦点領域の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高く、前記現在の焦点領域にある前記少なくとも1つのサブストリームよりも低い、前記調整すること;
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
・ 前記視線追跡データの信頼度を決定すること;
・ 前記視線追跡データの信頼度に基づいて前記パノラマ映像の前記解像度をスケーリングすること;
をさらに含む、請求項3,10,11,12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
・ 映像ストリームの待ち時間情報を決定すること;
・ 前記映像ストリームの待ち時間情報に基づいて前記予測焦点領域の寸法を制御すること;
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
・ パノラマ映像を受信する手段と、
・ 頭部追跡データを受信する手段と、
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定する手段と、
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整する手段であって、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である手段と、
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段であって、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い手段と、
を備える機器であって、
・ 前記パノラマ映像を2つ以上のサブストリームに分割する手段、但し、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野にあり、少なくとも1つのサブストリームは前記現在視野の外側にある、前記分割する手段と、
・ 前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整する手段と、
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの解像度を調整する手段と、
・ 前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度及び前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段、但し、前記現在視野にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度は、前記現在視野の外側にある前記少なくとも1つのサブストリームの前記調整後の解像度よりも高い、前記提供する手段と、
を更に備える、機器。
【請求項16】
・ パノラマ映像を受信する手段と、
・ 頭部追跡データを受信する手段と、
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定する手段と、
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整する手段であって、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である手段と、
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段であって、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い手段と、
を備える機器であって、
・ 前記頭部追跡データの信頼度を決定する手段と、
・ 前記頭部追跡データの信頼度に基づいて前記パノラマ映像の解像度をスケーリングする手段と、
を更に備える、機器。
【請求項17】
・ パノラマ映像を受信する手段と、
・ 頭部追跡データを受信する手段と、
・ 前記頭部追跡データに基づいて現在視野を決定する手段と、
・ 前記現在視野に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整する手段であって、前記現在視野は第1の解像度であり、前記現在視野の外側の解像度は第2の解像度である手段と、
・ 前記現在視野に基づいて、調整後の解像度を有する前記パノラマ映像を提供する手段であって、前記第1の解像度は前記第2の解像度よりも高い手段と、
を備える機器であって、
・ 視線追跡データ受信する手段と、
・ 前記視線追跡データに基づいて現在の焦点領域を決定する手段と、
・ 前記現在の焦点領域に基づいて前記パノラマ映像の解像度を調整する手段、但し、前記現在の焦点領域の解像度は第4の解像度であり、前記現在の焦点領域の外側の解像度は第5の解像度である、前記調整する手段と、
・ 前記現在の焦点領域に基づいて、調整後の解像度を有するパノラマ映像を提供すること、但し、前記第4の解像度は前記第5の解像度よりも高い、前記提供する手段と、
を更に備える、機器。
【請求項18】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、該プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1,8,9のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項19】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1,8,9のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項20】
前記パノラマ映像をヘッドマウントディスプレイにストリーミングすることをさらに含む、請求項2?7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記パノラマ映像をモバイル装置にストリーミングすることをさらに含む、請求項2?7のいずれかに1項に記載の方法。
【請求項22】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、該プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項2?7,10?14,20,21のいずれか1項に記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項23】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項2?7,10?14,20,21に記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-12-26 
出願番号 特願2016-36694(P2016-36694)
審決分類 P 1 652・ 161- ZDA (H04N)
P 1 652・ 121- ZDA (H04N)
P 1 652・ 857- ZDA (H04N)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 松元 伸次  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 樫本 剛
藤原 敬利
登録日 2017-11-10 
登録番号 特許第6239018号(P6239018)
権利者 ノキア テクノロジーズ オーユー
発明の名称 映像ストリーミング方法  
代理人 川守田 光紀  
代理人 川守田 光紀  
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