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審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  A61J
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61J
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A61J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61J
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61J
管理番号 1368111
異議申立番号 異議2020-700456  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-07-02 
確定日 2020-11-06 
異議申立件数
事件の表示 特許第6628118号発明「薬剤払出し装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6628118号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6628118号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?6に係る特許についての出願は、2015年(平成27年)3月17日(優先権主張 平成26年3月18日)を国際出願日とする特願2016-508729号の一部を平成31年3月25日に新たな特許出願としたものであって、令和1年12月13日にその特許権の設定登録がされ、令和2年1月8日に特許掲載公報が発行された。その後その特許に対し、令和2年7月2日に特許異議申立人松本征二(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

2 本件発明
本件特許の請求項1?6に係る発明(以下、それぞれ請求項に対応して「本件発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
本体装置と、薬剤容器とを備えた薬剤払出し装置であって、
前記本体装置は、前記薬剤容器を載置して振動させる容器振動台と、散薬分配装置と、ロボットを有し、
前記散薬分配装置は、分配皿と、掻出装置とを備え、分配皿に供給された散薬を一服用分ずつに分割することができるものであり、
薬剤容器は、薬剤が一時的に溜め置かれる薬剤溜め置き部と、薬剤排出部を有し、
前記薬剤容器には処方された特定の散薬の総重量に相当する量の薬剤が内蔵され、当該薬剤が薬剤容器に入れられたままの状態で、当該薬剤容器が前記ロボットによって容器振動台に載置され、前記容器振動台で前記薬剤容器が振動され、前記薬剤容器内の全薬剤が、前記薬剤容器の薬剤排出部から分配皿に排出されることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項2】
薬剤秤量装置を備え、前記薬剤秤量装置は、薬剤の重量を検知する重量検知手段を有し、
前記薬剤秤量装置の重量検知手段は、前記薬剤容器を載置する容器載置部を有し、重量検知手段は、薬剤投入部から薬剤容器の薬剤溜め置き部に導入された薬剤の重量を検知するものであり、薬剤容器は、前記薬剤秤量装置の容器載置部に載置された際に上方に開口する薬剤投入部を有することを特徴とする請求項1に記載の薬剤払出し装置。
【請求項3】
本体装置は、本体側情報読み取り手段を有し、
薬剤容器は情報記録部材を有し、調剤に関連する情報が前記情報記録部材に記録され、情報記録部材に記録された情報が本体側情報読み取り手段で読み取られることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。
【請求項4】
薬剤容器の底には、鉄板が取り付けられており、容器振動台には、電磁石が設けられ、
当該電磁石を作用させて薬剤容器を容器振動台に固定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薬剤払出し装置。
【請求項5】
薬剤秤量装置を備え、
薬剤容器は、前記薬剤秤量装置の容器載置部に載置された際に横長となり、長手方向の一端が開口していて薬剤排出部を構成しており、且つ、前記薬剤秤量装置の容器載置部に載置された際に上方に開口する薬剤投入部をさらに有し、内部に空間を有するものであって、
薬剤投入部が薬剤排出部よりも大きく開口していることを特徴とする請求項1に記載の薬剤払出し装置。
【請求項6】
本体装置は、薬剤を包装する包装装置と、印刷手段を有し、処方に関連する情報が印刷手段で印刷されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薬剤払出し装置。」

3 申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証?甲第12号証(以下、各甲号証に付された数字に対応して「甲1」などという。)を提出し、本件特許を取り消すべき理由として、次の理由1?5を主張している。
(理由1)
本件発明1?6は、甲1に記載された発明及び甲2?甲11に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、それらの特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(理由2)
本件発明1?6に係る特許出願は、特許法第44条第1項柱書きに規定する分割要件を満たさないものであるから、同条第2項に規定する出願日の遡及は認められない。そして、本件発明1?6は、原出願の国際公開公報である甲12に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反するものであるから、それらの特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(理由3)
本件発明1?6に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(理由4)
本件発明1?6に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。
(理由5)
本件発明1?6に係る特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してしてされたものであるから、特許法第113条第1号に該当し、取り消すべきものである。

[証拠方法]
甲1:特開平7-132135号公報
甲2:特開平4-286526号公報
甲3:特開平5-8842号公報
甲4:特開昭64-59015号公報
甲5:特開平6-117906号公報
甲6:特開2008-154783号公報
甲7:国際公開第2013/154202号
甲8:特開平11-114020号公報
甲9:特開平1-193528号公報
甲10:特開昭61-152222号公報
甲11:特開昭59-26403号公報
甲12:国際公開第2015/141660号

4 甲各号証の記載
(1)甲1
甲1文献には、以下の記載がある(下線は当審が付した。以下同様。)。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、散薬分包機に用いられる散薬供給装置に関するものである。」

イ 「【0007】
【実施例】図1?図3はこの発明による散薬供給装置を採用した散薬分包機の一実施例を示したものであり、この散薬分包機1は、手前に配置された分割包装機2と、その背後に配置された散薬収納庫20とから構成されている。
【0008】分割包装機2は、配分/分割装置3を左右に2台(3a、3b)具え、その下方に、両者に共通のホッパ4を有する包装装置5が設置されたものである。配分/分割装置3は、断面が円弧状に窪んだ環状の凹溝6を具えた回転体と、散薬の配分時に回転体を定速回転させ、また、散薬の分割時に分割数に応じた角度ずつ回転体を回動させるようになった駆動装置7とを具えている。また、配分/分割装置3は、回転体の内側から凹溝6上へ突き出して設けられた切出装置8を具え、切出装置8は、凹溝6の円弧状内側面に接触する円形の仕切板の側面に、所定幅の切出板が形成されたものであり、仕切板が凹溝6の円弧状内側面に沿って1回転すると、切出板がその幅相当分に集められた散薬を切り出して、凹溝6から包装装置5のホッパ4に導入するように構成されている。また,配分/分割装置3は、散薬の分割時に切出装置8を1回転ずつ繰り返し回転させるとともに、散薬の配分時には邪魔にならないよう切出装置8を上方へ退避させるようになった駆動装置9を具え、さらに、手撒き用の振動フィーダ10も具えている。」

ウ 「【0014】計量装置61は、たとえば、秤量器と秤量皿とからなる秤量装置として構成することができるものであるが、その場合、計量時には、供給位置40に位置するカセット21の前方において、その排出部23の正面出口から排出される散薬を受け取るために、排出部23の正面出口の真下に計量中心が位置するように配置される必要がある。すなわち、計量装置61は、作動装置51のようにつねにカセット21群の昇降領域および循環領域を避けて配置することはできず、計量時にはカセット21の移動領域内に侵入しなければならない。そのため、シフト機構62が設けられ、このシフト機構62が、計量装置61を、その計量中心がカセット21の排出部23の正面出口の真下に位置する計量位置(図2のA)と、計量し終わった散薬を配分/分割装置3に配分する配分位置(図2のB)と、さらには、配分が終わった汚れを除去する清掃位置(図2のC)との間をシフトさせることによって、計量時にのみカセット21の移動領域内に侵入させ、それ以外はカセット21の移動領域から外方へ退避させるように構成されている。そして、計量装置61は、清掃が終わったのち、つぎの散薬計量のため計量位置へシフトされるまでの間、清掃位置で待機するようになっている。また、計量装置61には、配分位置において、配分/分割装置3に対する散薬の配分動作を円滑に行わせるため、散薬を徐々に供給する振動フィーダ63が設けられている。すなわち、振動フィーダ63のトラフ64を、カセット21から受け取る散薬を載せる秤量皿として構成し、このトラフ64を含む振動フィーダ63を秤量器65で支えることによって、計量装置61が構成されている。」

エ 「【0019】つぎに、上記のように構成された散薬供給装置を採用した散薬分包機の作用について説明する。散薬収納庫20に収納されている所定の散薬を、所定の量だけ処方して、これを所定の包数に分包する場合、つぎのようにして行う。
【0020】まず、その散薬を収容したカセット21が装着されている(はずの)支持体43を、移動機構41に設けられたすべての支持体43の中から見つける。つぎに、その支持体43のアドレスに基づいて、その支持体43が供給位置40に来るように、移動機構41を作動させて、必要な循環、昇降を行わせる。このとき、他の段の無端条帯42は、必要に応じて循環させることができる。
【0021】支持体43が供給位置40に到達したら、その位置に設けられたリーダライタ81が、その支持体43に装着されているカセット21のデータキャリア80からアドレスおよび薬品名を読み取り、それによって、そのカセット21が所定のものに間違いないことを、散薬供給に先立って確認する。つぎに、散薬フィーダ50を作動させて、そのカセット21から散薬を排出させながら、それを計量位置にある計量装置61によって計量して、その量が所定の量に達したら、散薬フィーダ50の作動を終わらせる。この間も、必要に応じて、他の段の無端条帯42は循環させることができる。また、供給位置40a、40bの間隔が、カセット21のピッチの整数倍となるように配置されているから、散薬を排出させるべき2つのカセット21の間隔が、たまたま供給位置40a、40bの間隔に一致している場合は、散薬フィーダ50a、50bを並行して作動させて、両カセット21から並行して散薬を排出させることかできる。さらに、取出位置90と供給位置40a、40bそれぞれとの間隔も、カセット21のピッチの整数倍となるように配置されているから、散薬フィーダ50の作動中に、並行して、取出位置90にあるカセット21の取出、補充、再装着を行うことができる。
【0022】つぎに、シフト機構62を作動させて、計量装置61を配分位置へシフトさせる。この位置で、計量装置61の振動フイーダ63を作動させるとともに、駆動装置7によって配分/分割装置3の凹溝6を定速回転させ、それにより、振動フィーダ63のトラフ64内にある散薬を、凹溝6の全周にわたって実質的に均等に配分する。計量装置61を配分位置へシフトさせたら、つぎに排出させるべき散薬を収容したカセット21が供給位置40に来るように、移動機構41を作動させて、必要な循環、昇降を行わせることができる。また、必要な循環、昇降の結果、そのカセット21が他方の供給位置40に到達したら、リーダライタ81によるデータキャリア80の読み取りを行うことができるし、その供給位置40の散薬フィーダ50を作動させることもできる。
【0023】配分が終了したら、駆動装置7を切り換えて、配分/分割装置3の凹溝6を、所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回動させながら、駆動装置9によって切出装置8を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、凹溝6内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置5のホッパ4に順次導入する。包装装置5はこれを受けて、その散薬を1包分ずつ分包する。この間も、つぎに排出させるべき散薬を収容したカセット21が供給位置40に来るように、移動機構41を作動させて、必要な循環、昇降を行わせることができ、また、そのカセット21が他方の供給位置40に到達したら、リーダライタ81によるデータキャリア80の読み取りを行うことができるし、その供給位置40の散薬フィーダ50を作動させることもできる。また、配分終了にともない、シフト機構62を作動させて、計量装置61を清掃位置へシフトさせる。この位置で、清掃装置70を作動させて、計量装置61のトラフ64内を清掃する。清掃が終了したら、計量装置61をその位置に待機させるが、つぎに排出させるべき散薬を収容したカセット21が供給位置40に到達したら、シフト機構62を作動させて、計量装置61を計量位置へシフトさせる。それにより、リーダライタ81によるデータキャリア80の読み取りを行うことができるし、供給位置40の散薬フィーダ50を作動させることもできる。」

オ 「図1

図2

図3



カ 上記ウの【0014】に記載された「振動フィーダ63のトラフ64を、カセット21から受け取る散薬を載せる秤量皿として構成し」という技術事項と、上記エの【0022】に記載された「振動フイーダ63を作動させ・・・振動フィーダ63のトラフ64内にある散薬を、凹溝6の全周にわたって実質的に均等に配分する。」という技術事項から、振動フィーダ63のトラフ64は、薬剤が一時的に溜め置かれる薬剤溜め置き部と、薬剤排出部を有していると認められる。

キ 上記エの【0019】に記載された「散薬収納庫20に収納されている所定の散薬を、所定の量だけ処方して」という技術事項と、上記エの【0020】に記載された「その散薬を収容したカセット21」という技術的事項と、上記エの【0021】に記載された「薬フィーダ50を作動させて、そのカセット21から散薬を排出させながら、それを計量位置にある計量装置61によって計量して、その量が所定の量に達したら、散薬フィーダ50の作動を終わらせる。」という技術事項によると、計量装置61の振動フィーダ63のトラフ64には、処方された散薬が処方された量排出されるものと認められる。

ク 上記エの【0021】に記載された「薬フィーダ50を作動させて、そのカセット21から散薬を排出させながら、それを計量位置にある計量装置61によって計量して、その量が所定の量に達したら、散薬フィーダ50の作動を終わらせる。」という技術事項と、上記エの【0022】に記載された「振動フィーダ63のトラフ64内にある散薬を、凹溝6の全周にわたって実質的に均等に配分する。」という技術事項と、上記エの【0023】に記載された「配分終了にともない、シフト機構62を作動させて、計量装置61を清掃位置へシフトさせる。この位置で、清掃装置70を作動させて、計量装置61のトラフ64内を清掃する。」という技術事項によると、振動フィーダ63のトラフ64は、計量した散薬を凹溝6に配分した後に清掃されることから、振動フィーダ63のトラフ64内の全散薬が、凹溝6に配分されるものと認められる。そして、上記カで認定したとおり、トラフ64は薬剤排出部を有することから、振動フィーダ63のトラフ64内の全散薬が、前記振動フィーダ63のトラフ64の薬剤排出部から凹溝6に配分されると認められる。

上記ア?オにおいて摘記した記載内容及びカ?クの認定事項を総合すると、甲1には、次のとおりの発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

[甲1発明]
「分割包装機2と、計量装置61とから構成される散薬分包機1であって、
前記計量装置61は、トラフ64を含む振動フィーダ63を秤量器65で支えることによって構成されており、
前記分割包装機2は、配分/分割装置3と、シフト機構62を有し、
前記配分/分割装置3は、環状の凹溝6を具えた回転体と切出装置8とを具え、凹溝6内の散薬を1包相当分ずつ切り出すことができるものであり、
振動フィーダ63のトラフ64は、薬剤が一時的に溜め置かれる薬剤溜め置き部と、薬剤排出部を有し、
前記振動フィーダ63のトラフ64には処方された散薬が処方された量排出され、当該散薬が振動フィーダ63のトラフ64に入れられたままの状態で、計量装置61がシフト機構62によって配分位置へシフトされ、前記振動フィーダ63が作動され、振動フィーダ63のトラフ64内の全散薬が、前記振動フィーダ63のトラフ64の薬剤排出部から凹溝6に配分される散薬分包機1。」

(2)甲2
甲2文献には、以下の記載がある。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動供給装置に関するもので、詳しくは、医薬品のような粉粒材料等を供給するのに好適な振動供給装置に関するものである。」

イ 「【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上記問題に鑑みてなされ、医薬品のように、種類が変わるとその都度、使用していた容器の洗浄を必要とする振動供給装置であっても容器の脱着が容易で、かつ自動化が図れる振動供給装置を提供することを目的としている。」

ウ 「【0014】図9及び図10は、本発明の振動供給装置により粉粒状材料、例えば医薬品等が収容される容器Tを示したものである。容器Tは、材料貯蔵槽部T1 と材料排出槽部T2 とからなり、いずれの槽部、T1 、T2 も上方が開口して形成されている。材料貯蔵槽部T1 と材料排出槽部T2 とは、図10に示したように、開口76から粉粒状材料Sを容器Tから送出する際に、材料Sが緩やかに排出槽部T2 側に移されるように、該排出槽部T2 が貯蔵槽部T1 に比べて長く、全体としてじょうろ状に傾斜した状態に一体形成されている。貯蔵槽部T1 と排出槽部T2 の底面には、底板72、73が張り出して配設され、底板73は図6に明示したように2つのリブ74、75により支持されている。
【0015】このような容器T内に粉粒状材料、例えば医薬品Sを収容して振動により供給する振動供給装置は、図1及び図2において全体として1で示されている。
【0016】振動供給装置1は、上面に振動駆動部2を備えた振動駆動部本体3と、容器Tを振動駆動部2に搬入するためのトラフ容器搬入機構4を備えたアタッチメント33とからなり、振動駆動部本体3及びアタッチメント33は、基台8に支持されている。振動駆動部本体3では、振動駆動部2を保持する天板32の底部に板ばね取付ブロック12が固定され、該取付ブロック12には、可動コア16が垂下して固定されている。可動コア16は、コイル17を巻装した電磁石18と間隙gをもって配置され、該電磁石18は補助ベースブロック10に固定されている。天板32には更に板ばね取付ブロック11が固定され、またベースブロック7には補助ベースブロック13が固定されている。これら板ばね取付ブロック11と補助ベースブロック13とは、傾斜板ばね15により結合され、また板ばね取付ブロック12と補助ベースブロック10とは、傾斜板ばね14により結合されている。これにより、天板32は、前後一対の傾斜板ばね14、15によりベースブロック7に結合されている。ベースブロック7は防振ばね9を介して基台8に支持されている。」

エ 「【0019】振動駆動部2には図2及び図6に示したように、上部が開口し中央に補強板54を備えた箱体55が配設され、該箱体55には、断面L字形状のシリンダ保持台34が一体に形成されている。シリンダ保持台34には、図1に示したようにエアシリンダ60が支持されている。エアシリンダ60は、図示しない制御器に接続され、該制御器からの指令信号により、ピストン69を伸縮する。このようなエアシリンダ60が支持された箱体55は、適宜な手段により振動駆動部本体3の天板32に固定されている。また、箱体55の側板56、57には軸受58a、58b、59a、59bがそれぞれ突設され、更に軸受58aと軸受58bとの間、軸受59a、59bとの間にはそれぞれガイド片70a、70bが形成され、ガイド片70a、70bの上方端70c、70dは上方に向って箱体外方に傾斜している。一方、箱体55の側板56、57を連結する一方の側板61には、図1に示したように所定長さのガイド板61aが突出して形成され、ガイド板61aの上方端も同様に上方に向って箱体外方に傾斜している。
【0020】箱体55の軸受58a、58b、59a、59bには、各々回動軸37、38が嵌挿支持され、これら回動軸37、38の軸端部には、揺動レバー67、68が、回動軸首65a、65bにより回動軸37、38に回動自在に支持されている。揺動レバー67、68の一端部63a、63bにはローラ64a、64bが回動自在に支持されている。これらローラ64a、64bは、図3に示したように、上下動可能のローラ駆動部材62の両側に形成された一対の凹所62a、62b内に摺動可能に収容され、また、凹所62a、62bからの脱落が図示しない手段により防止されている。ローラ駆動部材62は、エアシリンダ60のピストン69の伸縮により上下動され、ローラ駆動部材62が上方位置にある時、ローラ64a、64bは、凹所62a、62bの内方側に位置し、ローラ駆動部材62が下方位置にあるとき、ローラ64a、64bは凹所62a、62bの開口側に位置する。
【0021】また、回動軸37、38には、それぞれ所定の間隔をおいて略L字形状のロックレバー87、88が2つ宛一体的に嵌着されている。これらのロックレバー87、88は、回動軸37、38の回動により図6及び図7に示したように、2位置をとり、フック部87a、88aが図6に示した上方位置から図7に示した水平位置に回動すると、該フック部87a、88aは容器Tの底板73を係止し、これにより、容器Tを図7及び図10に示した第2の姿勢に保持することができる。また、図6に示したように、フック部87a、88aが上方位置にある時、ロックレバー87、88は容器Tに対し何ら作用していない。」

オ 「【0024】ケーシング20の振動駆動部2側の端部には、従動軸29より若干上方位置に、トラフ容器傾倒駆動軸45がベアリングハウジング28a、28bを介してケーシング20に回動自在に支持されている。ベアリングハウジング28a、28bはケーシング20の上方に延び、縦翼部28c、28dと、該縦翼部28c、28dから水平方向に形成された横翼部28e、28fとにより容器Tのガイド39、71を形成している。
【0025】トラフ容器傾倒駆動軸45には、第1の板体47c、47dと第2の板体47e、47fとから略くの字状に一体的に形成された一対のトラフ容器傾倒部材47a、47bが一体に取り付けられており、第2の板体47e、47fのいずれか一方にはリミットスイッチが取り付けられている。」

カ 「【0033】今、容器T内には粉粒状材料として医薬品Sが収容されている。振動駆動部2では、トラフ容器傾倒部材47a、47bが第1の姿勢にあり、第1の板体47c、47dが略水平位置となっている。また、モータ23は稼動しており、ロックレバー87、88は図3において、破線の位置にある。すなわち、ロック機構Rは無効となっている。
【0034】このような状態で、容器Tは一方のコンベヤ装置83上に載置されて、駆動軸85の正回転駆動により振動供給装置1のトラフ容器搬入機構4に移送されてくる。トラフ容器搬入機構4に搬送されてきた容器Tは、速やかにベルト27、27、27上に移送される。ベルト27、27、27により、容器Tが所定距離移送されると、容器Tの材料排出槽部T2 に設置された底板73がトラフ容器傾倒部材47の第2の板体47e、47fに当接する。これにより、第2の板体47e、47fのいずれかに設置された、図示しないリミットスイッチが作動する。リミットスイッチが作動すると、この信号に基いてコンベヤ装置83の駆動が停止し、同時にモータ23の駆動も停止する。また、リミットスイッチが作動すると、制御器からの指令によりシリンダ装置80が作動する。シリンダ装置80が作動すると、駆動ロッド41が伸び、駆動レバー42を介して補助レバー44を図1において時計方向に回動させる。補助レバー44が同方向に回動すると、トラフ容器傾倒駆動軸45はこれと一体的に回動する。トラフ容器傾倒駆動軸45の回動によりトラフ容器傾倒部材47a、47b及びこれら部材47a、47bに保持された容器Tも一体的に回動する。トラフ容器傾倒部材47a、47bが所定角度回動すると、第2の板体47e、47fが箱体55の側板77に当接し、同時に軸部先端のカム48がスイッチ49を投入する。この時、容器Tは図10に示す第2の姿勢となる。こうして、スイッチ49が投入されると、制御器からの指令によりシリンダ装置80の作動が停止し、同時にエアシリンダ60が作動する。エアシリンダ60が作動すると、ピストン69が図3において下動し、ローラ駆動部材62を、破線位置から実線位置に移動させる。ローラ駆動部材62が下方に移動すると、揺動レバー67、68は回動し、ローラ64a、64bを凹所62a、62bの開口側に位置させ、かつ回動軸37、38を回動させる。回動軸37、38が所定角度回動すると、ロックレバー87、88も共に回動し、図7に示したようにフック部87a、87bが容器Tの底板73と係合する。これにより、容器Tは、第2の姿勢にロックされる。
【0035】容器Tが第2の姿勢にロックされて振動駆動部2が駆動開始され、これから振動力を受けると、容器T内で搬送されこの開口76から医薬品S等の粉粒状材料が徐々に下方に落下する。従って、開口76の下方に秤衡等を配置することにより、所定量の粉粒状材料を計量することができる。」

キ 「【0048】なお、また以上の実施例では、例えば混合容器に供給する場合には、所定量を供給しなければならないが、この所定量を上記トラフ容器Tで、その全貯蔵量として収容して空になるまで上記振動駆動部から混合容器に供給するようにしてもよいし、あるいは上記実施例の振動駆動部のトラフ容器からの排出口下に従来公知の計量フィーダあるいは計量機、例えばグラビメトリックフィーダを配設して所定の材料を計量して次工程の混合器に供給するようにしても良い。なお、この計量器の種類によっては、各種材料の計量を行なう場合に、付着する恐れがあるならば、上述の上記実施例の装置で各種材料を計量して供給する場合には、この各種材料の配合比に応じた計量精度の計量機をその数だけ配設し、順次上記実施例の上流側に設けられた複数の容器移送コンベヤのような機構を使って切替えられるような計量システムを用いるようにしても良い。」

ク 「図7



ケ 上記エの記載、カの記載、及び、クの図7より、容器Tがトラフ容器搬入機構4によって駆動振動部2の箱体55に載置されることが看て取れる。

上記ア?クにおいて摘記した記載内容及びケの認定事項を総合すると、甲2には、次のとおりの技術(以下、「甲2技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲2技術]
「容器Tには所定量の医薬品Sが収容され、当該医薬品Sが容器Tに収容されたままの状態で、当該容器Tがトラフ容器搬入機構4によって駆動振動部2に載置され、振動駆動部2から容器Tが振動力を受けると、前記容器T内の全貯蔵量が、前記薬剤容器Tの開口76から供給される振動供給装置。」

(3)甲3
甲3文献には、以下の記載がある。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定の粉粒体を自動的に排出する装置であって、粉粒体を収納する容器でありかつ直進型振動フィーダのホッパ部を構成する粉粒体容器と、この粉粒体容器の複数個を収納するロータリ型の粉粒体容器ストッカと、前記粉粒体容器の着脱が可能に構成された直進型振動フィーダ装置とから構成された自動粉粒体排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば薬剤の調合や顔料の調合等においては多種類の粉粒体をそれぞれ所定量計量する作業が前提となる。」

イ 「【0021】最初に、振動フィーダ装置10は符号10Aで示す如くガイドウエイ20の最後退位置に位置している。この状態で振動部材7に設けられた容器固定部材8の鉤部8bは摺動板12の下面に接触位置することにより容器固定部材8全体がY1方向に倒れた状態となっている。一方ロータリーストッカ13のドラム14は、排出したい粉粒体を収納した粉粒体容器1が最低部に位置するようモータ21により回転されている。この状態で振動フィーダ装置10はX2方向に向かってて前進を開始する。振動フィーダ装置10の前進によりドラム14から突出位置している粉粒体容器1の取付部材3が振動フィーダ装置10の振動板7に形成された係合溝9内に進入位置し、かつ符号10Bで示す位置に振動フィーダ装置10が至ることにより取付部材3の後端部3cのくさび状部分が係合溝後端の斜行面9aと密着係合する。また係合溝9側の位置決め板9bは取付部材3の位置決め部材用溝3bと係合する。
【0022】一方、取付部材3が係合溝9内に位置した状態で摺動板12と容器固定部材8の鉤部8bとの接触係合が解除され、この結果ねじりコイルばね19の弾発力により容器固定部材8全体がX1方向に回動する。これにより中央の係止部材8cは取付部材3の溝3a内に位置し、取付部材3全体を係合溝9の後端に押圧し、かつ前記位置決め板12と共に取付部材3を振動部材7に対して正確に固定する。この間振動フィーダ装置10は停止することなく更に前進し、この結果振動部材7に固定された粉粒体容器1はドラム14の収納筒16から引き出され、図5の粉粒体排出位置10Cまで前進する。粉粒体排出位置についた振動フィーダ10は振動を開始し容器本体1a内に収納されている粉粒体が排出パイプ4を経て排出される。この場合、排出パイプ4のうち容器本体内に位置する部分を図2に示す如く樋状部4aとしておけば、この樋状部4aが容器内部の粉粒体を攪拌しさらに樋状部4a全体から粉粒体が排出パイプ4に流入するため粉粒体の排出を良好に行うことができる。
【0023】所定量の粉粒体の排出が終了したなば、振動フィーダ装置10はY2方向に向かって後退を開始し、先に粉粒体容器を引き出した収納筒16に対して粉粒体容器1を収納する。粉粒体容器1の収納が完了する時点で振動部材7の容器固定部材8は摺動板12に接触してY1方向に倒れ、係合溝9に対する取付部材3の係合状態が解除される。この状態を保持したまま振動フィーダ装置10は更に後退することにより、粉粒体容器1をドラム14側に戻し、かつ自身は待機位置10Aに至る。次に別の粉粒体を排出する必要があればドラム14を回転させて排出したい粉粒体を収納した粉粒体容器が最低部に位置するようにし、前述の動作を行うことにより粉粒体の排出および粉粒体容器の再収納を行う。この動作を繰り返すことにより所定の粉粒体を順次完全自動で排出する。」

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲3には、次のとおりの技術(以下、「甲3技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲3技術]
「粉粒体容器1には薬剤が内蔵され、当該薬剤が粉粒体容器1に入れられたままの状態で、振動フィーダ装置10が移動することによって粉粒体容器1に係合され、さらに振動フィーダ装置10は粉粒体排出位置10Cまで移動して、前記振動フィーダ装置10で前記粉粒体容器1が振動され、前記粉粒体容器1内の所定量が、前記粉粒体容器1の排出パイプ4から排出される自動粉粒体排出装置。」

(4)甲4
甲4文献には、以下の記載がある。

ア 「(産業上の利用分野)
本発明は、多品種の粉体試料を試料相互の汚染なく正確に秤量することができる粉体の自動秤量装置に関するものである。」(2頁左上欄2行-5行)

イ 「電子天秤5上の秤量カップ1内には、フィーダ付試料容器8、試料投入装置9、試料容器移載装置10からなる試料供給装置11により、秤量すべきフィーダ付試料容器8内の粉体試料を秤量カップ1内に少量ずつ供給して一定間隔で重量を測定することにより粉体の供給量を検知し、バイブレータユニットの振動を強弱しながら目標重量値を達成している。すなわち、各別に異なる試料を収納するフィーダ付試料容器8は、試料容器トレイ12-1,12-2にそれぞれ10個ずつ保持されるよう構成されている。各試料容器トレイ12-1,12-2は試料容器トレイスライド機構13により試料容器移載装置10の位置まで搬送可能で、さらにその位置で搬送方向と直角の方向にも移送可能なよう構成されている。試料容器トレイスライド機構13により試料容器移載装置10の位置に達した次に秤量すべき試料を収容するフィーダ付試料容器8は、第2図に仮想線で示す位置に傾動した試料投入装置9の容器クランプ機構14まで試料投入電磁フィーダからなるバイブレータユニット15上を試料容器移載装置10の駆動により搬送されて固定されるよう構成している。すでに試料の秤量を終了した試料容器8が容器クランプ機構14にクランプされている場合は、まずその試料容器8が戻るべき試料容器トレイ12-1または12-2中の所定位置が試料容器移載装置10の位置となるようトレイスライド機構13を駆動した後、その位置で試料容器移載装置10の駆動により試料容器8を所定位置に戻し、その後上述した試料容器8の移載固定操作を実施している。
秤量すべき試料容器8をクランプ機構14により固定した試料投入装置9は再び図中実線の位置に戻り、電子天秤5上の秤量カップ1内に試料容器8内の試料をバイブレータユニット15の振動により供給して目標重量値としている。このとき、バイブレータユニット15の振動は目標重量近傍まで常に一定することもできるが、秤量カップに供給される粉体の重量を一定間隔で測定して、振動フィーダへの印加電圧を強弱し、粉体の秤量カップへの供給量を制御する振動の強弱を目標重量を達成するように収れんさせることにより正確に秤量できるため好ましい。」(3頁右上欄3行-右下欄5行)

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲4には、次のとおりの技術(以下、「甲4技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲4技術]
「フィーダ付試料容器8には試料が内蔵され、当該試料がフィーダ付試料容器8に入れられたままの状態で、当該フィーダ付試料容器8が前記試料容器トレイスライド機構13及び試料容器移載装置10によってバイブレータユニット15上に固定され、前記バイブレータユニット15で前記試料容器移載装置10が振動され、前記フィーダ付試料容器8内の試料が、排出される自動秤量装置。」

(5)甲5
甲5文献には、以下の記載がある。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原料相互の汚染を防止した計量配合装置に関する。膨大な種類の化学物質の中には、相互の混在により産業上企図しない反応を生ずるものも数多い。特に多種原料の微妙な計量配合が必要となる化学ないし薬事産業の分野にあっては、粉末状の原料の計量配合工程での原材料相互の混入・混在による汚染の防止は、該工程において絶対必要とされる正確な計量とともに不可欠とされている。」

イ 「【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面について説明する。図において、1は一端に開口部2’を具えた排出部2を一体に形成した原料容器、3は原料容器1内に収容され配合すべき粉末原料、4は原料容器1の排出部2から排出される原料3を受け入れるように排出部2の直下に位置する計量容器、5は計量容器4を移動可能に載置して、該計量容器4が受け入れつつある原料3を秤量する計量機、6は連結部7を介して原料容器1を着脱自在に連結し、該容器1を駆動して排出部2から強制的に原料3を排出させるように作動する駆動装置、8は上記計量機5から入力される計量容器4内の原料3の秤量と、当該原料3の配合比に応じた設定重量とを比較しつつ、計量容器4内の原料3が設定重量に達するときに上記駆動装置6の作動を自動停止させるように計量機5と駆動装置6とに接続したコンピュータである。
【0009】図1に示す実施例Iにおいて、原料容器1は、排出すべき原料を収納し且つ本体部係合片15を有する容器本体aと、樋形に形成された排出部2を一側に備えた蓋部bから構成されている。また、駆動装置6は、上部に本体部係合片15を収納して原料容器1を装着するための係合片収納部16を有する連結部7を備えており、電磁式の振動フィーダを用いて横倒しにした原料容器1内から原料3を振動によって強制的に排出させるように構成してなるものである。」

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲5には、次のとおりの技術(以下、「甲5技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲5技術]
「原料容器1には原料3が内蔵され、当該原料容器1が駆動装置6に着脱自在に連結され、前記駆動装置6で前記原料容器1が振動され、前記原料容器1内の原料3が、前記原料容器1の排出部2から排出される計量配合装置。」

(6)甲6
甲6文献には、以下の記載がある。

ア 「【0004】
散薬分包機10には、それぞれが散薬フィーダ40(散薬供給装置)を実装した2台の散薬分配分割装置12?14が左右に並んで設置されている。 散薬フィーダ40は、振動することで散薬を等速で少しずつ送出する振動式が一般的であり、送出を待っている散薬を一時貯留しておく散薬収容器42と、この散薬収容器42の排出口42aから排出された散薬に振動を与えながら一定経路を流下させることで排出量・流量を安定させるトラフ状の散薬送出部43と、その振動強度を可変制御しうる振動源としての振動発生部材45及び駆動回路41とを具えている。」

イ 「【0011】
散薬収容器42や散薬送出部43は、プラスチックの射出成形等にて一体成形されることもあれば、別体で作られることもあるが、何れにしても協動する状態で振動発生部材45の上に又はフィーダベース46の上に装着されるようになっている。その装着に際しては、散薬収容器42側より散薬送出部43側が少し低くなるように傾斜がつけられるとともに、着脱可能なように更には着脱容易または着脱自在なように、ネジ等による締結や、フック等による掛止・係止、クランパやクリップ等による挟持などで取り付けられる。それらに加えて駆動回路41も搭載したフィーダベース46は、適宜なダンパー等を介して散薬分包機10の支持枠等に取り付けられている。」

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲6には、次のとおりの技術(以下、「甲6技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲6技術]
「散薬収容器42及び散薬送出部43には散薬が内蔵され、当該散薬収容器42及び散薬送出部43が振動発生部材45の上に着脱可能に装着され、前記振動発生部材45で前記散薬収容器42及び散薬送出部43が振動され、前記散薬収容器42及び散薬送出部43内の散薬が、前記散薬収容器42及び散薬送出部43の散薬送出部43から排出される散薬分包機10。」

(7)甲7
甲7文献には、以下の記載がある。

ア 「[0017] 前記薬品秤量装置10は、制御部11、天秤ユニット12、タッチパネル13、RFIDリーダライタ14、データ記憶部15、USBポート16、バーコードリーダー17、プリンター18などを備えている。特に、前記薬品秤量装置10の装置本体には、少なくとも前記制御部11,前記天秤ユニット12、及び前記タッチパネル13が一体的に設けられている。前記薬品秤量装置10は、例えば散薬、水剤、錠剤、ヒート剤(所定量の散薬又は錠剤を包装したもの)などの各種の剤形の薬品の秤量に用いることが可能である。
[0018] 前記制御部11は、CPU、ROM、RAM(EEPROM等)などを備え、前記薬品秤量装置10を統括的に制御するコンピュータである。前記CPUは、各種のプログラムに従って各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUにより実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAMは、前記CPUによる各種のプログラムの展開及び各種の演算処理におけるデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
[0019] 前記天秤ユニット12は、ステンレス製の天秤台19に載置された薬品を秤量する秤量手段の一例である。具体的に、前記天秤ユニット12は、平衡回路、フォースコイル、電流/電圧変換回路、A/D変換回路などを備えた従来周知の電子天秤でも用いられる天秤ユニットである。前記天秤ユニット12で秤量された薬品の重量はデジタルデータとして前記制御部11に入力される。なお、前記薬品秤量装置10には、前記天秤台19上の散薬の風による飛散を防止する風防カバー(不図示)が着脱可能である。
[0020] ユーザーは、前記薬品秤量装置10で薬品を秤量する際、前記天秤台19上に前記薬剤シート30を載せた後、前記薬剤シート30上に薬品を載せる。また、前記薬剤シート30には各種の情報が読み書きされる記録媒体としてRFIDタグ31が設けられている。ここに、前記RFIDタグ31は、前記薬剤シート30が前記天秤台19上に載置されたときに前記RFIDリーダライタ14によるデータの読み書きが可能な位置に設けられている。なお、前記天秤ユニット12は、予め設定された前記薬剤シート30及び前記RFIDタグ31の重量を差し引いた値を薬品の秤量値とする。」

イ 「[0128] 例えば、前記制御部21は、前記選択結果を音声によって表示することも考えられる。また、前記ホッパー25A及び前記ホッパー25B各々にLEDなどを設けておき、前記制御部21が前記LEDのいずれかを点灯させることにより前記選択結果を表示させることも考えられる。さらに、前記ホッパー25A及び前記ホッパー25Bの投入口が所定の駆動手段により開閉可能な構成であれば、前記制御部21が前記駆動手段を制御して前記ホッパー25A及び前記ホッパー25Bの投入口のいずれかを開放させることにより前記選択結果を表示させることも考えられる。また、前記ホッパー25A及び前記ホッパー25B各々の投入口にその投入口の開放を制限するロック手段が設けられており、前記制御部21が、前記ロック手段のいずれか一方のみを解除して他方をロック状態とすることにより、ユーザーが前記薬剤シート30の薬品を投入するべき前記投入口のみを開放可能な状態にすることも考えられる。」

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲7には、次のとおりの技術(以下、「甲7技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲7技術]
「薬品秤量装置10の天秤ユニット12に、ユーザーが薬剤シート30を載せて薬剤シート上の薬品を秤量し、ユーザーが薬品包装装置20の投入口に薬剤シート30上の薬品を投入する技術。」

(8)甲8
甲8文献には、以下の記載がある。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、散薬供給装置に関し、詳しくは、ストックしている多くの散薬から適宜の散薬を散薬分包処理へ適量供給する散薬供給装置に関する。」

イ 「【0015】カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器および計量容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図1参照)。その反対側のカップ収容ユニットGには、使用済みのカップ1を重ねて収容するカップ収容機構16が設けられている。また、中間のカップ昇降ユニットDには、カップ1を乗せて上下移動するカップ昇降機構15が設けられている。なお、カップ供給ユニットA上部やカップ収容ユニットG上部の空いているところには、電源部2やコントローラ80が格納されている。」

ウ 「【0018】散薬分包ユニットHには、各カセット30から計量等して取り出された散薬を均等に分割して包装するために、フィーダ60(振動フィーダ)と、散薬分包機70(分割装置)とが、設けられている(図1参照)。これにより、これらのユニットE,F,Hに関しては、散薬カセット30が分割装置の上方に配置されたものとなっている。
【0019】散薬分包機70は、その本体部71内に、断面が円弧状に窪んだ環状凹溝72を具えた回転体と、散薬の配分時に回転体を定速回転させるとともに散薬の分割時に分割数に応じた角度ずつ回転体を回動させる図示しない駆動装置とを具えている。また、散薬分包機70は、回転体の内側から環状凹溝上へ突き出して設けられた切出装置73も具えており、この切出装置73は、環状凹溝72の円弧状内側面に接触する円形の仕切板の側面に、所定幅の切出板が形成されたものであり、仕切板が環状凹溝72の円弧状内側面に治って1回転すると、切出板がその幅相当分に集められた散薬を環状凹溝72から切り出して包装装置のホッパ74に導入するようになっている(図1参照)。
【0020】また、散薬分包機70は、散薬の分割時に切出装置73を1回転ずつ繰り返し回転させるとともに、散薬の配分時には邪魔にならないよう切出装置73を上方へ退避させるようになった図示しない駆動装置も具えている。そして、本体部71は、正面方向への引き出しの可能な搭載板75上に、回転板76(回転台)を介して載置されており、回転板76のロックを解除すると搭載板75上で回転させ得るようになっている(図1,図6参照)。
【0021】カップ1は、散薬の計量や搬送の際に散薬が舞い散らないように深めに形成された容器であり、その底部には、収容した散薬についての薬剤情報や計量値などを記憶させるためのデータキャリア3(データ記憶体)が取り付けられている(図3参照)。データキャリア3は、後述の非接触結合素子53,59に近接すると磁気的結合等に基づいてエネルギー供給を伴ったリーダライタ52やリーダ58によるデータアクセスを受ける。このように、カップ1(計量容器)は、データ記憶体の付いたものとなっている。」

エ 「【0024】カップ収容機構16は、カセット収納ユニットFの搬送機構10からカップ1を受け取って収容するものであるが(図1参照)、その際に、図示しないアーム等によって、カップ1のデータキャリア3とリーダ58の非接触結合素子59との結合可能なところへカップ1を運び、さらに、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替えるようになっている(図4参照)。このように、リーダ58(データ読取装置)は、計量容器の搬送終端に配置されたものとなっている。」

オ 「【0035】フィーダ60は、カセット30(散薬カセット)からカップ1へ取り出されカップ1と共に搬送機構10等によって搬送されて来た散薬を散薬分包機70(分割装置)へ送り込むため、カセット収納ユニットFの搬送機構10の終端の近傍であって散薬分包機70の上方に当たるところに設けられる(図1参照)。このフィーダ60は、カップ1から移された散薬を受けるホッパ61と、ホッパ61から散薬を散薬分包機70の環状凹溝72へ送り込むための案内部62と、その送り込みを定量で均一に行わせるため案内部62等へ与える振動を発生する振動体63とからなっており、振動体63は発振回路64から受けた発振信号と同じ周波数で振動する。この発振回路64は、コントローラ80からの制御信号に従って発振周波数を変えるものである。これにより、フィーダ60(振動フィーダ)は、振動周波数の可変なものとなっている。」

カ 「【0046】散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。こうして、カセット収納ユニットCでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットEでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。
【0047】このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数の範囲などの情報も、併せて書き込まれる。
【0048】こうして、所要の散薬を収容した第2のカップ1は、カセット収納ユニットCの搬送機構10及びカップ昇降ユニットDのカップ昇降機構15によってカセット収納ユニットEへ向けて搬送される。一方、カセット収納ユニットEでは、そこのカセット循環機構20によって散薬取り出し位置へ第2のカセット30が移動させられ、散薬取出ルーチン85や計量ルーチン86の処理によって、第2のカセット30の散薬が第1のカップ1へ取り出されて追加される。
【0049】そして、やはり所要の散薬を収容し終えた第1のカップ1は、カセット収納ユニットE,Fの搬送機構によってフィーダ60のところへ運ばれ、カップ収容ユニットGのカップ収容機構16によって、中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。続けて、第2のカップ1も、同様にしてフィーダ60のところへ運ばれ、収容中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。こうして、処方箋に基づき、第1?第3のカセット30の散薬が、所定量だけ取り出されて、フィーダ60へ収集される。
【0050】また、この移し替えに際し、第1,第2のカップ1のそれぞれのデータキャリア3から収容した散薬についての薬剤情報がリーダ58によって読み出され、フィーダ制御ルーチン88によって、容器データ93等と一致しているか否か等の確認処理が行われる。そして、不一致のときにはエラー処理に移行する。こうして、散薬を運んできたカップ1が適切なものか否かの確認がなされる。例えば、カップ1の有無を検出するセンサの無いところでカップ1がベルト11から落下して適切なカップ1がフィーダ60に届かなかったような場合、エラーとして検知される。」

上記ア?カにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲8には、次のとおりの技術(以下、「甲8技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲8技術]
「散薬を入れて搬送したり計量したりするカップ1であって、振動フィーダ60のホッパ61に散薬を供給するカップ1がデータキャリア3を有し、カップ1の搬送終端にリーダ58を配置した散薬供給装置。」

(9)甲9
甲9文献には、以下の記載がある。

ア 「本発明は、本体と、本体に着脱自在な容器を有する調理器に関するものである。」(1頁右下欄15行-16行)

イ 「以下、本発明の調理器の実施例を、図面を参照して説明する。第1図は調理器組込型複合オーブン電子レンジに適用した実施例であり、その要部横断面図を示し、第2図はその係合部拡大図である。
図において、10は外箱形成体で、加熱調理室11を有し、加熱調理室11の底部に容器6を取付けるための電磁石より成る本体容器取付部2を、容器6の底部に、磁性体より成る容器本体取付部1を配し、これら、本体容器取付部2と容器本体取付部1とが、調理器使用時、電磁石によって生じた電磁力によって吸引固定されるよう構成されている。混練羽根8は、駆動モータ9の回転力を、プーリー小12,ベルト13,プーリー大12,歯車15を介して、回転軸16に伝達され、この回転力によって回転する。被調理物の加熱には、加熱調理室11の外側側面に設けられたマグネトロン17又は、加熱調理室11の上下に設けられたヒーター18が用いられる。
このように、本体容器取付部2に電磁石を配し、容器本体取付部1に磁性体を配し、電磁力によって吸引固定されるように構成することによって、従来のように、係合突起3並びに、係合受部4を持つ必要がなくなり、係合面が単純な形状となり、着脱,手入れが容易となる。また、庫内を傷付け、痛めるといった必要がなくなり、摩耗やガタツキといった問題が解消され有利である。」(2頁右下欄13行-3頁左上欄19行)

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲9には、次のとおりの技術(以下、「甲9技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲9技術]
「容器6の底部には、磁性体が取り付けられており、加熱調理室11には、電磁石が設けられ、当該電磁石によって生じた電磁力によって容器6を加熱調理室11に吸引固定する調理器。」

(10)甲10
甲10文献には、以下の記載がある。

ア 「本発明は、自動給餌装置に関し、特に金魚、小鳥等のペットや養殖魚等に長期間、自動的に餌を与えることが可能な自動給餌装置に関する。」(1頁右下欄9行-11行)

イ 「第2図の容器120の断面図が第3図であり、その内部には粒状の餌130が入っている。容器120は鉄板で出来ており、磁石105によって金属板104と接続されている。この金属板104は絞め具103によって、回転軸102に固着されており、102の回転とともに、容器120も回転するようになっている。」(2頁左下欄2行-8行)

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲10には、次のとおりの技術(以下、「甲10技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲10技術]
「容器120が鉄板でできており、金属板104に対して磁石105によって接続されている自動給餌装置。」

(11)甲11
甲11文献には、以下の記載がある。

ア 「本発明は病院、医院等で使用される散剤調剤機であつて、電子秤りで散剤の量を検出しながら1種類又は多種類のものを秤量し、該散剤を包装機付散剤配分用フィーダーに投入して包装を行なう全自動調剤機に関する。」(1頁右下欄2行-6行)

イ 「同様にして処方箋に従つた必要種類の散剤と必要量、包数の入力データはメモリ42内に記憶され、プリンター31へもそのデータが送達されて必要ならプリントアウトを行なう。」(3頁左下欄3行-6行)

上記ア?イにおいて摘記した記載内容を総合すると、甲11には、次のとおりの技術(以下、「甲11技術」という。)が記載されていると認められる。

[甲11技術]
「プリンター31を有し、処方箋に従った入力データがプリンター31でプリントアウトされる全自動調剤機。」

5 当審の判断
5-1 理由1について
(1)本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「分割包装機2」は、その機能、形状等からみて前者の「本体装置」に相当し、以下同様に、「から構成される」は「を備えた」に、「散薬分包機1」は「薬剤払出し装置」に、「配分/分割装置3」は「散薬分配装置」に、「シフト機構62」は「ロボット」に、「環状の凹溝6を具えた回転体」及び「凹溝6」は「分配皿」に、「切出装置8」は「掻出装置」に、「具え」は「備え」に、「凹溝6内の散薬を1包相当分ずつ切り出すことができる」は「分配皿に供給された散薬を一服用分ずつに分割することができる」に、それぞれ相当する。
したがって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
前記本体装置は、散薬分配装置と、ロボットを有し、
前記散薬分配装置は、分配皿と、掻出装置とを備え、分配皿に供給された散薬を一服用分ずつに分割することができるものである薬剤払出し装置。」
という点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本件発明1は、薬剤容器を備えた薬剤払出し装置であって、「薬剤容器は、薬剤が一時的に溜め置かれる薬剤溜め置き部と、薬剤排出部を有し、前記薬剤容器には処方された特定の散薬の総重量に相当する量の薬剤が内蔵され、当該薬剤が薬剤容器に入れられたままの状態で、当該薬剤容器が前記ロボットによって容器振動台に載置され、前記容器振動台で前記薬剤容器が振動され、前記薬剤容器内の全薬剤が、前記薬剤容器の薬剤排出部から分配皿に排出される」のに対し、甲1発明は、計量装置61とから構成される散薬分包機1であって、「前記計量装置61は、トラフ64を含む振動フィーダ63を秤量器65で支えることによって構成されており」、「振動フィーダ63のトラフ64は、薬剤が一時的に溜め置かれる薬剤溜め置き部と、薬剤排出部を有し、前記振動フィーダ63のトラフ64には処方された散薬が処方された量排出され、当該散薬が振動フィーダ63のトラフ64に入れられたままの状態で、計量装置61がシフト機構62によって配分位置へシフトされ、前記振動フィーダ63が作動され、振動フィーダ63のトラフ64内の全散薬が、前記振動フィーダ63のトラフ64の薬剤排出部から凹溝6に配分される」点。

[相違点2]
本件発明1は、本体装置が容器振動台を有しているのに対し、甲1発明は、分割包装機2がそのようなものを有しているか不明な点。

上記相違点について、以下に検討する。

[相違点1及び2について]
上記4(2)記載のとおり、甲2には、
「容器Tには所定量の医薬品Sが収容され、当該医薬品Sが容器Tに収容されたままの状態で、当該容器Tがトラフ容器搬入機構4によって駆動振動部2に載置され、振動駆動部2から容器Tが振動力を受けると、前記容器T内の全貯蔵量が、前記薬剤容器Tの開口76から供給される振動供給装置。」
(甲2技術)が記載されている。
一方、甲1発明の計量装置61は、トラフ64を含む振動フィーダ63を秤量器65で支えることによって構成されており、当該計量装置61をシフト機構62でシフトするものであり、また、甲1には、「配分終了にともない、シフト機構62を作動させて、計量装置61を清掃位置へシフトさせる。この位置で、清掃装置70を作動させて、計量装置61のトラフ64内を清掃する。」(【0023】)と、計量装置61のまま清掃が行える点が記載されており、清掃のためにあえてトラフ64を振動フィーダ63から脱着する必要がない。
よって、甲1発明にはトラフ64と振動フィーダ63とを別体とし、トラフ64をロボットによって振動フィーダ63に載置するという技術的思想がなく、また、上記4(2)の甲2技術を採用しようとする動機付けもない。
また、仮に甲1発明に甲2技術を適用したとしても、少なくとも相違点2が容易に想到し得るとする理由は見いだせない。
申立人は、特許異議申立書において、
「甲1発明に甲第2号証に記載の事項を適用することにより本件特許発明1に想到することは当業者が容易になし得ることに過ぎない。」
と主張している(特許異議申立書23頁25行-26行)が、上記のとおり、本件発明1は、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

さらに、申立人は、特許異議申立書において、
「甲第2号証から甲第6号証にも開示されているとおり、着脱可能な薬剤容器を供給位置の振動容器台に載置することは、単なる周知技術に過ぎないから、甲1発明に当該周知技術を適用して本件特許発明1に想到することは当業者が容易になし得ることに過ぎない。」
と主張している(特許異議申立書23頁27行-24頁3行)。
しかしながら、上記4(4)の甲4技術及び上記4(5)の甲5技術は、そもそも「薬剤容器」を備えていない。また、上記4(3)の甲3技術は、振動フィーダ装置10が移動することによって粉粒体容器1を係合し、その後さらに粉粒体排出位置10Cまで移動した後振動、排出が開始されるものであるから、「着脱可能な薬剤容器を供給位置の振動容器台に載置する」ものではない。
よって、申立人が主張する「着脱可能な薬剤容器を供給位置の振動容器台に載置すること」が開示されているのは、甲2、甲6のみであるが、当該技術的事項を周知技術として甲1発明に適用したとしても、上記相違点1及び2にかかる本件発明1の構成を容易に想到し得るとする理由は見いだせない。
さらに、甲3?甲6にも、上記相違点1及び2にかかる本件発明1の構成は記載されておらず、同じく甲7?甲11にも記載されていない。よって、上記相違点1及び2にかかる本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得るものとはいえない。
したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2?11に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明2?6について
本件発明2?6は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、上記(1)で示した理由と同様に、甲1発明及び甲2?11に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)小括
以上のとおり、本件発明1?6は、特許法第29条第2項の規定に違反するものではなく、理由1によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。

5-2 理由2について
(1)特許法第44条第1項柱書きに規定する分割要件について
申立人は、特許異議申立書において、
「本件特許発明のロボットには形式的に、総重量に相当する量の薬剤が入れられた薬剤容器を容器振動台に載置できるものであれば、あらゆるロボットが含まれることとなる。しかしながら、本件特許の原出願である特願2016-508729号の明細書等(甲12(国際公開第2015/141660))に記載されている当該ロボットは、薬剤容器仮置部112に装着された薬剤容器を容器振動台11に載置するもののみである(段落0113および0114)。したがって、原出願の明細書等には、本件特許の請求項1で特定されているような、あらゆる場所から薬剤容器を振動台に載置することが可能なロボットは記載されておらず、本件特許発明1は原出願の明細書等で開示された範囲を超えるものである。
ここで、特許権者は、段落0032および段落0033のみを参照して、ロボットで天秤台(容器載置部)30に載せられた薬剤容器を容器振動台に載置することが記載されていると主張するかもしれないが、このような主張は全く根拠を欠くものである。まず、原出願の明細書等に具体的に記載されているのはあくまでも薬剤容器仮置部112から容器振動台11に薬剤容器を移動させるロボット110のみである。加えて図1を参照しても明らかなように、秤量装置3の天秤台30は本体装置2の外側に別体で設けられており、この天秤台30に載置された薬剤容器をロボット110で本体装置2の内部に設けられた容器振動台11に載置することが不可能であることは明白である。
したがって、本件特許発明1から6はいずれも、原出願の明細書等で開示された範囲を超えるものであり、分割要件(特許法第44条第1項柱書)を満たさない」
と主張している(特許異議申立書34頁15行-35頁8行)。

本件特許の請求項1には、「薬剤が薬剤容器に入れられたままの状態で、当該薬剤容器が前記ロボットによって容器振動台に載置され」と記載されており、本件発明1は、ロボットが薬剤容器をどこから容器振動台に載置するか特定されていない。
これに対し、原出願の明細書等(甲12)の[0033]には、
「そして手動又はロボットを使用して手動形薬剤容器5aを移動し、手動形薬剤容器5aを本体装置2の容器振動台11に載置する。」
と記載されている。当該記載は、ロボットが薬剤容器をどこから容器振動台に載置するのか定かでないが、当該ロボットが遠く離れたどこからでも薬剤容器を容器振動台に載置できるわけではないことは技術常識から自明であり、本件発明の課題を解決することができる範囲内において、当然ロボットが搬送できる位置に薬剤容器を配置する必要があることは自明である。
よって、本件特許の請求項1に係る発明は、原出願の明細書等で開示された範囲内のものである。
以上より、本件特許の請求項に係る発明は、原出願の出願当初及び分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内であり、本件特許についての出願は分割要件を満たすものである。

(2)特許法第29条第1項第3号について
上記(1)のとおり、本件特許についての出願は分割要件を満たすものであるから、本件特許は、原出願の出願日である平成27年3月17日に出願したものとみなされる。また、新規性の判断の基準日は、優先日である平成26年3月18日となる。
よって、当該基準日より後である2015年(平成27年)9月24日に公開された甲12記載の発明では、本件発明1?6の新規性は否定できない。
したがって、本件発明1?6は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、理由2によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。

5-3 理由3について
申立人は、特許異議申立書において、
「本件特許発明1のロボットには形式的に、総重量に相当する量の薬剤が入れられた薬剤容器を容器振動台に載置できるものであれば、あらゆるロボットが含まれることとなる。しかしながら、本件特許の明細書等に記載されている当該ロボットは、薬剤容器仮置部112に装着された薬剤容器を容器振動台11に載置するもののみである(段落0113および0114)。したがって、本件特許の明細書等には、本件特許の請求項1で特定されているような、あらゆる場所から薬剤容器を容器振動台に載置することが可能なロボットは記載されておらず、このようなロボットを含む請求項1の記載は、本件特許の発明の詳細な説明の記載によって本件発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えることは明らかである。」
と主張している(特許異議申立書35頁18行-27行)。

しかし、本件発明が解決しようとする課題は、【0017】に記載された
「本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、投入ホッパとトラフを清掃する必要がない薬剤払出し装置を提供することを目的とするものである。」
であると認められるところ、この課題は、本件発明の「薬剤容器を載置して振動させる容器振動台と、散薬分配装置と、ロボットを有し・・・当該薬剤が薬剤容器に入れられたままの状態で、当該薬剤容器が前記ロボットによって容器振動台に載置され」るという構成により解決できることは明らかである。
一方、申立人が主張するように、ロボットが薬剤容器をどこから容器振動台に載置するかを特定するか否かが上記課題を解決することに影響を及ぼすものでは無いことは明らかである。
そして、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、【0033】に、
「そして手動又はロボットを使用して手動形薬剤容器5aを移動し、手動形薬剤容器5aを本体装置2の容器振動台11に載置する。」
と記載されており、ロボットを使用して、薬剤容器を容器振動台に載置することが開示されている。
なお仮に、本件発明が解決しようとする課題が、より上位である薬剤師の作業負担軽減であったとしても、薬剤容器の搬送の開始位置にかかわらず、ロボットによって薬剤容器を容器振動台に載置することが、手作業で薬剤容器を容器振動台に載置することに比して、作業負担の軽減に資することも明らかである。
よって、本件発明1?6は、発明の詳細な説明に記載されたものである。
したがって、本件特許は、特許法36条第6項第1号に規定する要件を満たす特許出願に対してされたものであり、理由3によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。

5-4 理由4について
申立人は、特許異議申立書において、
「本件特許発明1には形式的に、たとえば天秤台30に載せられた薬剤容器を容器振動台に載置するような構成も含まれるが、図1を参照しても明らかなように、秤量装置3の天秤台30は本体装置2の外側に別体で設けられており、この天秤台30に載置された薬剤容器をロボット110で本体装置2の内部に設けられた容器振動台11に載置することが不可能である。本件特許の発明の詳細な説明の記載に基づいてこのようなロボットを実施することができないことは明らかである。」
と主張している(特許異議申立書36頁9行-15行)。

しかし、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0113】-【0114】には、具体的な実施例として、ロボット110が薬剤容器仮置部112に装着された手動形薬剤容器5aを容器振動台11に載置させる一例が示されており、本件発明1にかかる「薬剤容器がロボットによって容器振動台に載置され」ることを実施可能な程度に明確かつ十分に開示しているといえる。
そして、【0113】-【0114】に実施可能に開示されている以上、図1や【0033】の記載から、ロボット110がどのように薬剤容器を容器振動台11に載置させるのかの説明が明記されていないとしても、そのことのみをもって直ちに特許法36条第4項第1号違反とはならない。
したがって、本件特許の発明の詳細な説明は、本件発明1?6について当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。
以上より、本件特許は、特許法36条第4項第1号に規定する要件を満たす特許出願に対してされたものであり、理由4によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。

5-5 理由5について
申立人は、特許異議申立書において、
「本件特許発明1のロボットには形式的に、総重量に相当する量の薬剤が入れられた薬剤容器を容器振動台に載置できるものであれば、あらゆるロボットが含まれることとなる。しかしながら、本件特許の出願当初の明細書等(平成31年3月25日提出の明細書等)に記載されている当該ロボットは、薬剤容器仮置部112に装着された薬剤容器を容器振動台11に載置するもののみである(段落0113および0114)。したがって、本件特許の出願当初の明細書等には、本件特許の請求項1で特定されているような、あらゆる場所から薬剤容器を容器振動台に載置することが可能なロボットは記載されておらず、このようなロボットを含むように補正した令和1年9月4日付提出の手続補正書の請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。」
と主張している(特許異議申立書36頁19行-37頁2行)。

しかし、本件特許の出願当初明細書の【0033】に、
「そして手動又はロボットを使用して手動形薬剤容器5aを移動し、手動形薬剤容器5aを本体装置2の容器振動台11に載置する。」
と記載されているとおり、ロボットが薬剤容器をどこから容器振動台に載置するのかは特定しておらず、本件発明において薬剤容器の移動手段としてロボットを用い得ることを説明するものと解するのが相当であって、薬剤容器が移動前にどこに置かれているかが問われるものでないことは明らかである。
【0113】-【0114】の記載は、本件発明の具体的な実施例として、ロボットを使用した一例を示しているにすぎず、その他の手動で行う移動の例についても、少なくともその一部をロボットで代替してよいことは【0033】の記載から十分に理解できる。
よって、請求人が主張するような「本件特許の出願当初の明細書等(平成31年3月25日提出の明細書等)に記載されている当該ロボットは、薬剤容器仮置部112に装着された薬剤容器を容器振動台11に載置するもののみ」であったということはできない。
したがって、令和1年9月4日付け手続補正書の請求項1に係る補正は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
以上により、本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしている補正をした特許出願に対してしてされたものであり、理由5によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。

6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1?6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-10-26 
出願番号 特願2019-56610(P2019-56610)
審決分類 P 1 651・ 55- Y (A61J)
P 1 651・ 121- Y (A61J)
P 1 651・ 537- Y (A61J)
P 1 651・ 113- Y (A61J)
P 1 651・ 536- Y (A61J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 段 吉享  
特許庁審判長 内藤 真徳
特許庁審判官 井上 哲男
倉橋 紀夫
登録日 2019-12-13 
登録番号 特許第6628118号(P6628118)
権利者 株式会社湯山製作所
発明の名称 薬剤払出し装置  
代理人 藤田 隆  
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